(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ストーマパウチ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20230803BHJP
B32B 5/02 20060101ALI20230803BHJP
B65D 30/04 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
A61F5/445
B32B5/02 Z
B65D30/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022573185
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 GB2021051340
(87)【国際公開番号】W WO2021245397
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508080986
【氏名又は名称】コンバテック リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】ホールデン,クレア
【テーマコード(参考)】
3E064
4C098
4F100
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064AD01
3E064BA26
3E064BA29
3E064BA35
3E064BC04
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3E064HS10
4C098AA09
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4C098DD22
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4F100AK41A
4F100AK68B
4F100BA02
4F100CB03B
4F100DG12A
(57)【要約】
ストーマパウチが織快適性材料のシートを含む。織快適性材料のシートは、外側表面及び反対側の内側表面を有する。織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの内側表面の少なくとも一部は、ホットメルト接着剤のウェブでコーティングされる。ストーマパウチ用の快適性材料のシートを形成する方法は、織快適性材料のシートの一方側をホットメルト接着剤のウェブでコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすことを伴う。ウェブは、内部に複数の空隙を伴うマスを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織快適性材料のシートを備えるストーマパウチであって、前記織快適性材料のシートが外側表面及び反対側の内側表面を有し、前記織快適性材料の前記シートの前記外側表面は、前記パウチの前記外側表面の少なくとも一部を形成し、前記織快適性材料の前記シートの少なくとも一部は、ホットメルト接着剤でコーティングされる、ストーマパウチ。
【請求項2】
前記ストーマパウチは、使用時に前記オストメイトから離れる方向を向く前側表面と、使用時に前記オストメイトの方に向く後側表面と、前記パウチの前記前側表面及び前記後側表面の両方を形成するその内側表面上にホットメルト接着剤がコーティングされた織快適性材料のシートとを備える、請求項1に記載のストーマパウチ。
【請求項3】
前記ホットメルト接着剤は、マスと前記マスにおける複数の空隙とを備えるウェブである、請求項1又は2に記載のストーマパウチ。
【請求項4】
前記空隙が前記ウェブの少なくとも50%を構成する、請求項3に記載のストーマパウチ。
【請求項5】
前記ホットメルト接着剤が前記織快適性材料の内側表面全体に塗布される、請求項1から4のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項6】
前記織快適性材料の前記シート又は各シートの前記内側表面が1つ以上の領域に分割され、前記領域のうちの1つ以上にホットメルト接着剤が塗布される、請求項1から4のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項7】
前記パウチの前面を覆う織快適性材料の層が、重なり領域において重なり合う上部及び下部を備え、前記重なり領域の一方又は両方の部分に前記ホットメルト接着剤が設けられる、請求項6に記載のストーマパウチ
【請求項8】
ホットメルト接着剤が設けられる前記領域又は領域が、更なる構成要素を前記織快適性材料に取り付けるように構成される、請求項6又は7に記載のストーマパウチ。
【請求項9】
前記内側表面上にホットメルト接着剤が設けられた領域の反対側の前記織快適性材料の前記外側表面に取り付けられる更なる構成要素を備え、前記ホットメルト接着剤が前記織快適性材料を浸透して前記更なる構成要素を前記織快適性材料に結合する、請求項1から8のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項10】
前記更なる構成要素が前記織快適性材料と同じ材料で形成される、請求項9に記載のストーマパウチ。
【請求項11】
前記ストーマパウチが折り畳み可能なドレンを備え、折り畳み形態において、前記ドレンが前記ストーマパウチの前記外周内に留まり、前記ドレンは、前記快適性材料の前記シート又はシートに取り付けられた閉鎖手段によって前記折り畳み形態に保持され、前記閉鎖手段は、前記織快適性材料に溶着されたフラップを該フラップの上縁部に沿って備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項12】
前記ホットメルト接着剤が前記織快適性材料の前記シートの外周に塗布される、請求項1から11のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項13】
前記織快適性材料がポリエステルを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項14】
前記ホットメルト接着剤がエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項15】
前記ホットメルト接着剤が20~30g/m
2の面積密度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項16】
ストーマパウチを形成する方法であって、ホットメルト接着剤で織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、前記コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、前記後壁及び/又は前記前壁に隣接して前記織快適性材料のシートの前記内側表面を配置するステップと、前記ストーマパウチの前記後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に前記織快適性材料のシートの前記内側表面を結合するステップと、を含む方法。
【請求項17】
前記方法は、ホットメルト接着剤がその内側表面にコーティングされた織快適性材料の前側シートを前記前壁に結合するとともに、ホットメルト接着剤がその内側表面にコーティングされた織快適性材料の後側シートを前記ストーマパウチの前記後壁に結合するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パウチの前記結合が溶着によるものである、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記前壁が可撓性材料の透明シートを備え、前記方法は、前記織快適性材料の前記シートの前記内側表面を前記前壁に結合するステップを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、少なくとも1つの更なる構成要素を前記織快適性材料の前記シートに結合するステップを含む、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記更なる構成要素は、前記快適性材料を浸透する前記ホットメルト接着剤によって前記織快適性材料の前記外側表面に結合される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ホットメルト接着剤を織快適性材料のシートの一方側に塗布する前記ステップは、前記快適性材料の前記シートの前記内側表面を前記壁に結合する少なくとも1時間前に行なわれる、請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記ストーマパウチが請求項1から15のいずれか一項に記載の前記ストーマパウチの任意の1つ以上の特徴を備える、請求項16から18に記載のストーマパウチを形成する方法。
【請求項24】
ストーマパウチ用の快適性材料のシートを形成する方法であって、織材料のシートを用意するステップと、ホットメルト接着剤のウェブで織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、を含む方法。
【請求項25】
前記快適性材料の前記シートがポリエステルを含み、前記ホットメルト接着剤がEVAを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ホットメルト接着剤のウェブが、使用時に前記オストメイトの方に向く前記後側表面の少なくとも上部をコーティングし、ホットメルト接着剤のウェブが、前記パウチの前記前面を覆う織快適性材料の層の少なくとも上部をコーティングする、請求項2又はそれに従属するいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項27】
前記パウチの前記前面を覆う前記快適性材料の前記層の少なくとも下部にはホットメルト接着剤のウェブが設けられない、請求項26に記載のストーマパウチ。
【請求項28】
ストーマ出力を格納するためのキャビティを備え、該キャビティは、それらの外周で接合されて可撓性シート材料から形成される後壁及び前壁によって画定され、前記後壁及び前記前壁の前記内側表面が前記キャビティの内部を形成し、前記後壁及び前記前壁の前記外側表面が前記キャビティの外部を形成し、前記織快適性材料の前記シートは、前記前壁の前記外側表面を覆い、前記快適性材料の前記内側表面上の前記ホットメルト接着剤の少なくとも一部は、前記前壁の前記外側表面に隣接して、対向し、結合されない、請求項1から15、26又は27のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストーマからの流出物を管理するためのストーマパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
ストーマパウチの多くの形態、例えば、開閉式、ワンピース又はツーピースがある。パウチは、様々な形状及び様々な構成要素を有する場合がある。一般に、それらは、流出物がパウチに入ることができる開口部を含む(使用中のオストメイトの身体に最も近い)フィルムの後側層を伴う、それらの外周で互いに溶着された前後の2つの層によって形成されることが多い(通常はプラスチック)フィルムから形成されるキャビティを備える。
【0003】
オストメイトの快適さのために、「快適層」を設けることができ、この快適層は後側フィルム層の上にあり、通常は前側フィルム層も上にある。快適層は、フィルムよりも肌に対して快適な材料から形成される。通常、快適層は不織材料であり、不織材料は、例えば、フィルム層をそれらの外周で互いに結合するのと同じ溶着プロセスによってパウチのフィルム層に容易に取り付けることができるため、コスト及び組み立ての容易さなどの特徴のために選択される。
【0004】
しかしながら、最近になって、ストーマパウチが「医療用」ではなく、ユーザにとってより魅力的であると思われるようにするための努力の一環として、織物材料が、Salts(RTM) Confidence BE(RTM)製品の快適性材料として導入されており、この製品は、「スタイリッシュ」であると広告資料に記載されている。織物材料は、医療器具としてよりもむしろ、パウチを下着として他の人に気付かれる可能性が高い。
【0005】
これは望ましいと考えられるが、織快適層を伴うストーマパウチの製造は複雑であると考えられる。Salts(RTM)Confidence BE(RTM)製品は、織層に隣接する特別に選択されたフィルム材料の完全な層を含むように思われる。したがって、1つの例において、オストメイトから立ち退くと、後側織快適層と、キャビティの一方側を画定する不透明な後壁と、キャビティの他方側を画定する透明な前壁と、不透明な介在壁と、前側織快適層とが存在する。前側快適層は、2つの部分、すなわち、分割によって分離されて分割領域で重なり合う上端及び下端に設けられ、それにより、快適層を分割時に引き離して、透明壁を通して内容物を検査することができる。介在層も同様に、快適層の2つの部分の外周に結合される、2つの部分に設けられる。この例において、介在壁は、快適層の縁部のほつれを回避し、内容物の視認を回避し、又は、それが接着される(幾分伸縮性のある)布地の加工性を補助するように思われる。
【0006】
この更なる壁は、構造の複雑さの増大、コストの増大、嵩の増大、及び、使用時の騒音の増大を含むパウチに関する幾つかの欠点を有する。これは、擦れてパウチを目立たなくする可能性がある更に別の層があるからである。
【0007】
また、他の先行技術文献も、快適層における1つの選択肢として織材料の使用を提案しており、例えば、米国特許出願公開第2005/0273064号明細書は、キャビティを形成するパウチの壁を快適層と効果的に一体化するパウチを開示している。したがって、編布地、織布又は不織布となり得る布層を含む積層体が提案され、布層は、布層をフィルム層に実質的に連続的に結合する接着剤の層によってフィルム層に接着される。この構成は、Salts Confidence BE製品よりも少ない層しか必要としないが、他の欠点がある。例えば、典型的な快適層は、キャビティを構成するフィルム層に接着されない領域を含み、それにより、快適層が脇に引っ張られて、内部を検査することができるが、これは、快適層がパウチの壁に実質的に連続的に結合されているため、米国特許出願公開第2005/0273064号明細書のパウチでは不可能である。
【0008】
本発明の実施形態の目的は、上記の問題を少なくとも部分的に克服又は緩和することである。
【発明の概要】
【0009】
この明細書において、用語「ストーマ出力」は、ストーマから分泌され得る又はストーマを出るオストメイトによって生成される任意の気体又は流体又は固体を指す。ストーマ出力は、ストーマガス、ストーマ液及びストーマ固形物を含んでもよい。
【0010】
本明細書において、「ストーマ」という用語は、身体における開口を指す。一般に、ストーマは、身体の胴体の外科的開口である。場合によっては、「ストーマ」という用語は、開口によって露出される内部組織、器官又はその一部も指す。非限定的な例として、内部組織は、結腸、回腸、小腸、大腸、空腸、及び十二指腸、並びにそれらの組み合わせから選択され得る。内部組織は、小腸又は大腸の端部又はループであってもよい。
【0011】
本明細書において、「オストメイト」という用語は、本明細書に開示されるストーマパウチの使用を有し得る対象者を指す。オストメイトは、通常、手術用開口を伴う対象者を指すが、本明細書中で使用される場合、「オストメイト」は、ストーマが手術又は他の手段によって形成されたかどうかにかかわらず、ストーマを有する対象者を指すことができる。
【0012】
「ユーザ」という用語は、オストメイト、又は、例えば、キャビティからストーマ出力を排出することに関してオストメイトを支援する他の人を指すことができる。
【0013】
この明細書において、ここに開示されるストーマパウチは、例えば、食道造設術、胃造設術、胆嚢造設術、総胆管造設術、盲腸造設術、結腸造設術、十二指腸造設術、回腸造設術、空腸造設術、虫垂造設術、気管切開術、人工膀胱造設術、腎瘻造設術、尿管造設術、又は膀胱造設術によって作成されたストーマを管理するために使用されてもよい。本明細書に開示されるストーマパウチは、シャント、カテーテル、プラグ又は糞便管理システムを含むがこれらに限定されない更なる装置と共に使用されてもよい。
【0014】
有益なことに、本開示のストーマパウチは、オストメイトが従来技術のパウチと比較して各ストーマパウチの使用期間を延長することを可能にし得る。これは、例えば、オストメイトの裁量及び快適性を維持しつつ、ストーマパウチのためのキャビティ容積を増大させることによって達成され得る。これに加えて又は代えて、これはまた、一部の従来技術のパウチと比較して、ストーマパウチを再使用する際のオストメイトの信頼性を高めるように、ストーマ出力をキャビティから確実に且つ衛生的に排出するための手段を提供することによって達成されてもよい。本開示の各ストーマパウチをより長く使用するようにオストメイトを傾けることができるため、所定の期間においてオストメイトが使用するストーマパウチの総数を減らすことができる。これは、発生する環境廃棄物の量を低減する際に環境上の利益をもたらし得る。
【0015】
この明細書において、特徴の位置及び向きは、ストーマパウチが「使用中」にある、「使用中であるように方向付けられ」ている等に関連して記載される場合がある。そのような用語は、ストーマパウチがそのような使用を現在実行しているかどうか又はストーマパウチの実際の位置にかかわらず、オストメイトが立位にある状態で、ストーマパウチがオストメイトの身体に接着されるときの、ストーマパウチの意図される向きを指す。「上側」及び「下側」という用語及び関連する用語は、使用時に方向付けられたときのストーマパウチの一部分又は一部の相対位置を指す。例えば、ストーマパウチの1つのセクションは、ストーマパウチの「上側」セクションと呼ぶことができる。そのような例において、前記セクションは、起立したオストメイトの身体に取り付けられたときのストーマパウチの(垂直方向における)最上セクションであるように意図される。しかしながら、当業者であれば分かるように、オストメイトに取り付ける前に、オストメイトが非立位、例えば横たわっている姿勢をとる場合には、前記セクションが常に最上セクションであるとは限らず、加えて、取り付けられたときに、前記セクションが常に最上セクションであるとは限らない。
【0016】
「左側」及び「右側」という用語及び関連する用語は、後側(例えば、
図1に示すように、)から見たときのストーマパウチを指す。したがって、例示的な例として、ストーマパウチがオストメイトの前胴部に取り付けられている状況では、ストーマパウチの「左側」の縁部は、オストメイトの左側に向いている。
【0017】
「凹状」及び「凸状」という用語及び関連する用語は、ストーマパウチの外側から見たときのストーマパウチの特徴の形状を指す。したがって、例示的な例として、円形のストーマウェハは、凸状の外周縁部を有すると考えられる。
【0018】
本明細書において、「前側」及び「後側」という用語は、ストーマパウチが身体に取り付けられるときのオストメイトの身体に関するストーマパウチの一部分又は一部の相対位置を指す。「後側」は、「前側」である比較位置よりもオストメイトの身体に相対的に近い位置を指す。「前側」は、「後側」である比較位置よりもオストメイトの身体から相対的に離れた位置を指す。
【0019】
本明細書では、「滑らかに融合する」という用語及び関連する用語は、輪郭の急激な変化のない2つの縁、線、又は輪郭の滑らかな併合を指す。
【0020】
本明細書では、「外周領域」という用語は、言及されている項目の縁上又は縁に向かって位置する部分を指す。
【0021】
本明細書で使用される「上向き」という用語は、構成要素の折り畳み又は転がりを含むことができる。
【0022】
ストーマパウチは、一般に、1つ以上の接着剤層を含むストーマウェハによって身体に取り付けられる。ストーマウェハは、一般に、スタータ孔と呼ばれることもあるストーマ用の開口を有し、スタータ孔は、取り付け前にユーザによって必要なサイズに切断され得る。ストーマウェハは、一般に、ストーマウェハをオストメイトの身体に接着するために身体に面する側に接着層を備える。一般に、剥離ライナーは、皮膚に適合する前にユーザによって除去されるストーマウェハの身体に面する側を覆う。本明細書では、「ストーマウェハ」という用語は、「アダプタ」、「ウェハ」、「ベースプレート」、又は「層状接着ウェハ」という用語と互換的に使用され得る。本明細書では、「ストーマウェハ」という用語は、「ツーピースパウチ」用及び「ワンピースパウチ」用のストーマウェハを含む。
【0023】
本明細書において、「ツーピースパウチ」は、ストーマウェハが、パウチの残りの部分への解放可能な結合によって取り付けられる別個の身体装備構成要素の一部を形成するパウチを指す。ツーピースパウチは、身体装備構成要素が損傷することなくパウチから分離されることを可能にし、その結果、部品の少なくとも1つが機能的に使用可能であり続ける。例えば、身体装備構成要素は、オストメイトの身体の所定位置に留まることができる。
【0024】
本明細書では、「ワンピースパウチ」は、パウチを損傷するリスクを伴うことなくストーマウェハを容易に分離することができない程度まで、ストーマウェハがパウチに恒久的に取り付けられるパウチを指す。ワンピースパウチは、一体型ユニットとして使用されることが意図されている。
【0025】
ストーマパウチは、一般に、閉鎖パウチ又は開放パウチとして構成される。本明細書では、「閉鎖パウチ」は、ストーマ出力がキャビティから排出されることを意図しないパウチを指す。したがって、閉鎖パウチは、一般に、使い捨ての再使用不可能なパウチとして構成されてもよい。本明細書において、「開放パウチ」は、ストーマ出力がキャビティから排出されることが意図されるパウチを指す。したがって、開放パウチは、再使用可能なパウチとして構成することができ、本体に取り付けられている間に複数回再使用及び空にすることができるが、これは必須ではない。開放パウチにおいて、ストーマ出力は、オストメイトの動作によって引き起こされるように断続的に排出されてもよく、又は、キャビティがドレン、例えば夜間ドレンラインに流体接続されることに起因して断続的に又は連続的に排出されてもよい。
【0026】
本発明の第1の態様によれば、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチが提供され、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部にはホットメルト接着剤が塗布される。
【0027】
ホットメルト接着剤は、織快適性材料のシートの少なくとも一部にコーティングされてもよい。
【0028】
第1の態様に係る本発明の一実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部は、ホットメルト接着剤でコーティングされる。
【0029】
ホットメルト接着剤は、織快適性材料のシートの内側表面に塗布されてもよい。ホットメルト接着剤は、ウェブとして塗布されてもよい。ホットメルト接着剤は、織快適性材料のシートの内側表面にコーティングされてもよい。したがって、織快適性材料のシートの内側表面は、ホットメルト接着剤のコーティングを備えることができる。
【0030】
好適には、ホットメルト接着剤が溶着中にパウチの残りの部分への快適性材料の接着を容易にするので、パウチは単一の溶着プロセスで形成することができる。これにより、通常の材料を異なる専門材料に置き換える必要がなくなり、パウチの製造の複雑さ及びコストを低減し、ユーザが着用するためにより離散的で快適にする更なる介在層の必要性がなくなる。加えて、ホットメルト接着剤は、織快適層も支持し、ほつれなどの層の望ましくない破壊を防止し、快適層と共に移動するので、擦れない。更に、ホットメルト接着剤は、自動製造ラインに沿って織材料を加工する間、織快適性材料に向上した安定性を与えることができる。更に、実験室で試験が行われており、この試験は、織材料の1つ以上のパネルにホットメルト接着剤(試験ではEVAなど)を使用することが、満杯のときのパウチの「たるみ」の低減に役立つことを示唆している。
【0031】
パウチは、前面及び後面を有してもよい。パウチの前面は、使用中のオストメイトの身体から概して遠いものとして規定されてもよい。パウチの後面は、使用時にオストメイトの身体に概して近い又は隣接するように規定されてもよい。織快適性材料のシートは、パウチの前側表面の少なくとも一部を形成することができる。織材料のシートは、パウチの後側表面の少なくとも一部を形成することができる。パウチは、織快適性材料の1つ以上のシートを含むことができる。パウチの前側表面及び後側表面は両方とも、織快適性材料のシートによって形成されてもよい。パウチが織快適性材料の2つ以上のシートを備える場合、これらのシートのうちのいずれか1つ(及び好ましくは両方)は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成する外側表面と、反対側の内側表面とを有することができ、織快適性材料のシートの内側表面の少なくとも一部が、ホットメルト接着剤のウェブでコーティングされる。
【0032】
したがって、本発明の一実施形態は、ユーザの快適性を向上させるとともに更なる溶着ステップ又は中間層の導入を伴うことなくパウチを容易に製造することができるようにホットメルト接着剤が塗布されている織快適性材料で両側(前後)を覆うパウチを提供する。効果的には、接着剤が内側表面に塗布された織材料のシートは、不織材料が結合されるのと全く同じように、例えばキャビティの一方側を画定する前壁及びキャビティの他方側を画定する後壁などのパウチの残りの部分に結合することができ、一般的には、単一ステップの溶着プロセスによって全ての層の外周が互いに結合される。
【0033】
織快適性材料は、天然材料、例えば綿もしくはウール及び/又は合成材料、例えばポリエステル、ナイロン、ビスコース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのいずれか1つ以上を含むことができる。織材料は、20~200g/m2、好ましくは40~80g/m2、例えば58g/m2の面密度を有することができる。織材料は、200~400N、好ましくは250~350N、例えば縦糸で300N及び横糸で280Nの引張強度を有し得る。織材料は、5~50N、好ましくは10~30N、例えば18Nの引裂強度を有することができる。織材料は、4~5の摩擦、発汗又は洗浄(40°)のいずれか1つ以上に対する色堅牢度を有することができる。織布材料は、>50000の摩耗を有し得る。織材料は、耐水仕上げを有することができる。例えば、撥水性仕上げを有するポリエステル織布を含んでもよい。撥水性仕上げ剤は、フルオロカーボン系であってもよい。撥水加工は、染色ヒートセットであってもよく、ボイルオフヒートセットであってもよい。
【0034】
ホットメルト接着剤は、任意の適切なタイプのホットメルト接着剤を含んでもよい。
【0035】
ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、シリコンゴム、フルオロポリマー、ポリカーボネート、スチレンブロックコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、又はポリカプロラクトンのうちの1つ以上を含んでもよい。特に、EVA又はコポリエステルを含んでもよい。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリオレフィンである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はエチレン-酢酸ビニル(EVA)である。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリウレタンである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。一実施形態において、ホットメルト接着剤はシリコンゴムである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はフルオロポリマーである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリカーボネートである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はスチレンブロックコポリマーである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリエステルである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリアミドである。一実施形態において、ホットメルト接着剤はポリカプロラクトンである。ホットメルト接着剤は、少なくとも5、10、15、16又は20g/m2、及び/又は50、40、35、30又は25g/m2以下、好ましくは10~50g/m2、16~35g/m2、20~30g/m2又は23~27g/m2、例えば25g/m2の面積密度を有し得る。
【0036】
1つの好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、ホットメルト接着剤がEVAを含む。
【0037】
他の好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、ホットメルト接着剤の面密度が20~30g/mである。
【0038】
織快適層は、50~1000マイクロメートル、好ましくは60~500マイクロメートル、より好ましくは75~300マイクロメートルの厚さを有することができる。
【0039】
ホットメルト接着剤は、最大厚さ、又は平均(平均値)厚さが0.05mm未満、0.04mm未満、0.03mm未満、0.02mm未満、又は0.01mm未満、例えば0.005mm未満であってもよい。そのような薄層/ウェブとしてホットメルト接着剤を提供することにより(前述の従来技術と比較して)必要な量が減少し、コスト、必要な出発材料の重量などの点で対応する利点がある。
【0040】
ホットメルト接着剤のウェブは、マスと、マスにおける複数の空隙とを備えてもよい。ウェブは、格子、メッシュ又はグリッドであってもよい。ウェブは、ネット又はドットであってもよい。空隙は、規則的に離間されてもよい。空隙は、不規則に離間していてもよい。空隙は、規則的な形状であってもよい。ウェブは、接着剤の規則的で一貫した分布を有し得る。空隙は、不規則な形状であってもよい。ウェブは、接着剤の不規則で一貫性のない分布を有し得る。各空隙は、マスと比較して、織布層に塗布されたホットメルト接着剤が存在しない(すなわち、実質的な欠如)ことを含み得る。
【0041】
空隙は、ウェブの少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも70%を構成し得る。
【0042】
したがって、1つの好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、ホットメルト接着剤は、マス及びマスにおける複数の空隙を備えるウェブである。
【0043】
他の好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、ホットメルト接着剤は、マスとマスにおける複数の空隙とを備えるウェブであり、空隙がマスの少なくとも50%を構成する。
【0044】
したがって、このタイプのウェブは、完全なフィルムよりもはるかに薄く、及び/又ははるかに少ない材料で作ることができ、フィルムに関連する擦れを回避することができる。
【0045】
したがって、これらの適切なウェブ特性を選択することにより、快適層の機械的特性を調整することができる。これは、快適層の機械的特性及びパウチ全体の特性が、より多くの層を有するパウチよりも良好に身体に適合し、皮膚に心地よい感触を提供するなどのように最適化され得るので、ユーザの快適性を高める。
【0046】
織快適性材料のシートの内側表面は、1つ以上の領域に分割されてもよい。ホットメルト接着剤は、領域又は1つ以上の領域に塗布されてもよい。2つ以上の領域がある場合、ウェブの特定の特性をそれぞれの領域ごとに選択することができる。1つ以上の領域にはホットメルト接着剤が塗布されていなくてもよい。したがって、ウェブをパウチの領域に選択的に適用することができ、ウェブの特性は、それが適用されるパウチの領域に適するように適合され得る。これにより、ウェブの機械的特性及び接着特性をパウチ上のその位置に応じて最適化することができ、これにより、パウチの性能が更に向上する。
【0047】
他の好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、織快適性材料のシートの内側表面は1つ以上の領域に分割され、ホットメルト接着剤は、前記領域又は1つ以上の領域に塗布されてもよい。
【0048】
他の好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、織快適性材料のシートの内側表面が1つ以上の領域に分割され、前記ホットメルト接着剤が1つ以上の領域に塗布されてもよく、領域のうちの1つ以上にはホットメルト接着剤が塗布されていない。
【0049】
ホットメルト接着剤のウェブは、使用時にオストメイトの方を向く後側表面の少なくとも上部をコーティングしてもよく、ホットメルト接着剤のウェブは、パウチの前面を覆う織快適性材料の層の少なくとも上部をコーティングすることができ、これはたるみの低減に特に有効であることが分かった。
【0050】
ホットメルト接着剤のウェブは、使用時にオストメイトの方に向く後側表面の少なくとも上部10%、20%、30%、40%又は50%をコーティングしてもよい。ホットメルト接着剤のウェブは、パウチの前面を覆う織快適性材料の層の少なくとも上部10%、20%、30%、40%又は50%をコーティングしてもよい。
【0051】
パウチの前面を覆う快適性材料の層の少なくとも下部には、ホットメルト接着剤のウェブが設けられなくてもよい。少なくとも下部10%、20%、30%、40%又は50%は、ホットメルト接着剤のウェブでコーティングされていなくてもよい。これにより、下部は、ホットメルト接着剤の塗布を必要とせず、たるみを回避するという点で同じ結果を達成することができるため、コストを削減することができ、上部のより硬い(コーティングされた)部分がその部分がたるむ可能性を低減するのに役立つため、更に良好な結果を得ることができ、一方、より剛性の低い(コーティングされていない)前側下部は、より容易に変形する。
【0052】
或いは、ホットメルト接着剤は、快適性材料の内側表面の全体(すなわち、実質的に全体)に塗布されてもよく、当然ながら、これは、コーティングする特定の領域を選択しなければならないよりも大量生産するのが容易であり、接着剤のウェブの薄さ及び空隙の存在を考慮すると、それは、確実に従来技術のような完全なフィルム層と比較して、比較的少量の材料を塗布することを伴う。パウチは、ホットメルト接着剤が(例えば、その全体に)塗布された少なくとも1枚の快適性材料シートと、ホットメルト接着剤が塗布されていない少なくとも1枚の快適性材料シートとを備えることができる。パウチは、ホットメルト接着剤が塗布された少なくとも2枚の快適性材料のシートと、ホットメルト接着剤が塗布されていない少なくとも1枚の快適性材料のシートとを備えることができる。
【0053】
ホットメルト接着剤がコーティングされた1つ以上の領域は、織快適性材料のシートの外周の少なくとも一部を含むことができる。織快適性材料のシートの外周は、パウチの外周と位置合わせされてもよい。したがって、パウチ及び快適性材料は、パウチをその周囲でシールする単一の溶着部で一緒に溶着することができ、パウチの容量を最大にする。
【0054】
更なる構成要素が、織快適性材料の内側表面又は外側表面に取り付けられてもよい。ホットメルト接着剤がコーティングされた領域、又は1つ以上の領域は、更なる構成要素を織快適性材料に取り付けるように構成されてもよい。更なる構成要素は、ホットメルト接着剤の反対側の外側又は領域又は内側に配置されてもよい。更なる構成要素は、溶着によって織快適性材料に取り付けられてもよい。溶着は、織快適性材料の内側表面上のホットメルト接着剤が浸透して外側の構成要素に結合することによって容易にすることができる。ホットメルト接着剤は、溶着時に織快適性材料の布層に浸透し得る。ホットメルト接着剤は、溶着時に別の構成要素及び布層に接着することができる。したがって、本発明は、パウチの機能性を高めることができる更なる構成要素をパウチに固定するための便利な手段を提供する。
【0055】
したがって、1つの好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、内側表面のホットメルト接着剤が設けられた領域の反対側の織快適性材料の外側表面には更なる構成要素が取り付けられ、ホットメルト接着剤が前記織快適性材料に浸透して更なる構成要素を織快適性材料に結合する。
【0056】
ストーマパウチは、ストーマ出力を格納するためのキャビティを備えてもよい。キャビティは、少なくとも1つの壁、例えば後壁及び前壁によって画定されてもよい。後壁及び前壁は、実質的に同じ形状であってもよい。後壁及び前壁は、それらの外周で接合されてもよい。後壁及び前壁は、可撓性シート材料、例えばプラスチックフィルムから形成されてもよい。後壁及び/又は前壁は不透明であってもよい。後壁及び/又は前壁は透明であってもよい。特に、前壁の少なくとも一部は透明であってもよい。フィルムは、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)のいずれかで形成することができる。フィルムは、50~150μmの厚さを有することができる。フィルムは、75~100μmの厚さを有することができる。後壁及び前壁は、対応する内側表面及び外側表面を有することができる。後壁及び前壁の内側表面は、キャビティの内部を形成することができる。後壁及び前壁の外側表面は、キャビティの外部を形成することができる。織快適性材料のシートは、前壁の外側表面を覆うことができる。織快適性材料のシートは、前壁と実質的に同じ形状であってもよい。快適性材料のシートは、キャビティの外部を形成する壁の外側表面に隣接して面して配置されてもよいが、少なくとも部分的に結合されていない。例えば、快適性材料のシートは、外周のキャビティの壁の外側表面に結合されてもよいが、外周以外の壁には結合されなくてもよい。ホットメルト接着剤は、キャビティの外部に面していてもよい。快適性材料の内側表面上のホットメルト接着剤の少なくとも一部は、キャビティの外部を形成する壁(例えば、前壁)の外側表面に隣接し、面し、結合されていなくてもよい。
【0057】
したがって、1つの好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、パウチは、ストーマ出力を格納するためのキャビティを備え、後壁及び前壁によって画定されたキャビティがそれらの外周で接合されるとともに可撓性シート材料で形成され、後壁及び前壁の内側表面がキャビティの内部を形成するとともに後壁及び前壁の外側表面がキャビティの外部を形成し、織快適性材料のシートは、前壁の外側表面を覆い、快適性材料の内側表面上の前記ホットメルト接着剤の少なくとも一部は、前壁の外側表面に隣接し、面し、結合されない。
【0058】
パウチの前面を覆う織快適性材料の1つの層/前記層は、1つ以上の部分を備えることができる。パウチの前面を覆う織快適性材料の層は、上部及び下部を含むことができる。上部と下部とを合わせた形状は、前壁と同じ形状であってもよい。上部は、パウチの上縁部から、上部からその長さの20~50%の地点まで延在することができる。下部は、パウチの底縁部から、上部からその長さの15から50%の地点まで延在することができる。上部と下部とが重なる重なり領域が設けられてもよい。上部は、重なり領域に重なりを形成するために、下部にわたって(又はその逆に)延びてもよい。ホットメルト接着剤は、重なり領域の一方又は両方の部分に設けられていてもよい。特に、ホットメルト接着剤は、重なり領域のこれらの縁部が結合され、上にある部分が跳ね回ることがないように、パウチの外周の一方又は両方の部分に設けられてもよい。重なり領域において、前記上部と前記下部とが分離可能であってもよい。重なり領域は、ストーマパウチが使用されているときに水平に延びることができる。したがって、特に前壁が透明フィルムから形成される場合、本発明は、必要に応じてストーマ及び/又はパウチの内容物の便利な観察を可能にすることができる装置を提供する。
【0059】
したがって、1つの好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、パウチの前面を覆う織快適性材料の層は、重なり領域において重なる上部及び下部を備える。
【0060】
他の好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、パウチの前面を覆う織快適性材料の層は、重なり領域において重なり合う上部及び下部を備え、重なり領域の一方又は両方の部分にホットメルト接着剤が設けられる。
【0061】
加えて、織快適性材料の上部及び下部の自由縁部は、内側表面に塗布されたホットメルト接着剤によってほつれから保護される。これは、内側面全体にホットメルト接着剤を塗布した場合に有効である。しかしながら、実施形態は、パウチの前面を覆う織材料の層の上端及び下端の自由縁部を備える領域にホットメルト接着剤が塗布されてもよい。
【0062】
パウチはドレンを備えてもよい。ドレンは、使用時にパウチの下端に配置されてもよい。ドレンは、パウチの前壁及び後壁から形成されてもよい。ドレンは長方形であってもよい。ドレンは、折り畳み可能であってもよい。ドレンは、その長さに沿って折り畳み可能であってもよい。ドレンは、折り畳み形態と展開形態との間で移動可能であってもよい。ドレンは、折り畳み形態で閉鎖状態にあってもよい。ドレンは、展開形態において開放状態にあってもよい。開いているとき、ドレンは、ストーマ出力がパウチのキャビティから出ることを可能にし得る。閉鎖されると、ドレンは、ストーマ出力はパウチのキャビティから出るのを防止することができる。
【0063】
ドレンには、1つ以上のパージストリップが設けられてもよい。パージストリップ又は各パージストリップは、ドレンの幅にわたってもよい。パージストリップ又は各パージストリップは、ドレンの長さに沿って同じ距離だけ延在してもよい。パージストリップ又は各パージストリップは、ドレンに局所的な剛性を提供することができる。パージストリップ又は各パージストリップは、ポリスチレンから形成されてもよい。パージストリップ又は各パージストリップは、ドレンの1つ以上の折り目の位置及び向きを規定することができる。パージストリップ又は各パージストリップは、可撓性材料のストリップが取り付けられたドレンを備えてもよい。ストリップは、ドレンの材料よりも高い剛性を有してもよい。パージストリップ又は各パージストリップは、ドレンに取り付けられるといくらかの弾性を有することができる。したがって、パージストリップを横方向に圧搾して、パージストリップをアーチ状にし、それによってドレンを開くのを助けることができる。
【0064】
パージストリップを後壁に設けることができる。パージストリップは、ドレンの下端に隣接して設けられてもよい。パージストリップは、後壁の外側表面に設けられてもよい。前壁にパージストリップを設けることができる。前壁パージストリップは、前壁の外側表面に設けられてもよい。前壁パージストリップは、後壁パージストリップの上方に設けられてもよい。前壁パージストリップは、ドレンの上端と下端との間の途中に設けられてもよい。後壁パージストリップの上縁部と前壁パージストリップの下縁部との間に長手方向間隙が設けられてもよい。長手方向の間隙は、ドレンの第1の折り目の位置を規定することができる。
【0065】
締結要素が後壁の外側表面に配置されてもよい。後側締結要素は、前側パージストリップの上方に配置されてもよい。前壁パージストリップの上縁部と第2の締結要素の下縁部との間に長手方向の間隙が設けられてもよい。長手方向の間隙は、ドレンの折り目の位置を画定することができる。後側締結要素は、ドレンの上端に隣接して配置されてもよい。
【0066】
上記のように快適性材料のシートに取り付けられた更なる構成要素が、ストーマパウチのドレンのための閉鎖機構であってもよい。閉鎖機構は、パウチの前面を覆う快適性材料のシートに取り付けられてもよい。閉鎖機構は、快適性材料の外側表面に取り付けられてもよい。閉鎖機構は、閉鎖フラップであってもよい。閉鎖フラップは、織快適性材料に溶着されてもよい。閉鎖フラップは、ホットメルト接着剤の領域に対向して溶着されてもよい。溶着部は、閉鎖フラップの上縁部に沿っていてもよい。閉鎖フラップは、外側表面及び内側表面を有することができる。閉鎖フラップの内側表面は、快適性材料の外側表面に隣接していてもよい。閉鎖フラップは、前側締結要素を備えてもよい。前側締結要素は、後側締結要素と締結するように協働することができる。締結要素の締結は、ドレンを閉じることができる。
【0067】
閉鎖フラップ(又は一般に更なる構成要素)は、プラスチック発泡材料を含むことができる。これは、特に閉鎖フラップにおいて望ましい剛性を付与し、折り畳まれたドレンを平坦に保つために望ましい。
【0068】
閉鎖フラップ(又は一般に更なる構成要素)は、織快適性材料を含むことができる(ホットメルト接着剤、例えば上記の特徴を有するホットメルト接着剤のウェブを任意に含む)。これは、快適性材料と同じ材料の閉鎖フラップを形成することにより、より微妙/目立たなくするために望ましい。
【0069】
閉鎖フラップは、パウチの幅の大部分にわたって延びてもよい。閉鎖フラップは、パウチの形状に適合し得る。閉鎖フラップは、前側快適層と前壁との間の周辺溶着部に隣接して配置されてもよい。通常、閉鎖フラップは快適性材料ではなくドレンの材料に取り付けられ、したがってパウチの幅よりもはるかに狭くなければならないため、パウチの幅の実質的に全てにわたって延在することはまれである。
【0070】
前側締結要素は、後側締結要素の上方に配置されてもよい。前側締結要素は、快適性材料の底縁部に隣接して配置されてもよい。後側締結要素の上縁部と前側締結要素の下縁部との間に長手方向の間隙が設けられてもよい。長手方向の間隙は、ドレンの折り目の位置を画定することができる。後側締結要素は、ドレンの上端に隣接して配置されてもよい。
【0071】
ドレンは、前側及び後側のパージストリップ並びに前側及び後側の締結要素によって画定された折曲げ線の周りでドレンを上方に繰り返し折り畳むことによって閉じられてもよい。折り畳まれたドレンは、織快適性材料と閉鎖フラップとの間に保持されてもよい。閉鎖フラップの側面は、快適性材料の縁部を越えて延びなくてもよい。閉鎖フラップは、タブを備えてもよい。タブは、快適性材料の底縁部を越えて延びることができる。前側締結要素及び後側締結要素は、同じサイズであってもよい。前側及び後側締結要素は、ドレンの幅に及ばなくてもよい。
【0072】
したがって、ドレンは、快適な材料に対して都合よく閉鎖され、閉鎖フラップと共に適所に固定され得る。したがって、ドレンを快適性材料の下に折り畳んだり固定したりする必要がなく、パウチを使用しやすくする。タブを設けることにより、ドレンの展開が容易になる。これは、ドレン幅全体に及ばない締結要素を含む場合と同様に、閉鎖フラップを持ち上げることができ、締結要素を外すことができるためである。
【0073】
したがって、1つの好ましい実施形態は、織快適性材料のシートを備えるストーマパウチを提供し、織快適性材料のシートは外側表面及び反対側の内側表面を有し、織快適性材料のシートの外側表面は、パウチの外側表面の少なくとも一部を形成し、織快適性材料のシートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティングされ、ストーマパウチは折り畳み可能なドレンを備え、折り畳み形態において、ドレンは、ストーマパウチの外周内に留まり、ドレンは、快適性材料の前記シート又は1つのシートに取り付けられた閉鎖手段によって折り畳み形態に保持され、閉鎖手段はフラップを備え、該フラップは、フラップの上縁部に沿って織快適性材料に溶着される。
【0074】
閉鎖フラップは、外形輪郭、例えば円形のセグメントの輪郭を有することができ、これによりパウチの基部に丸みを帯びた外観を与えることができる。これは、平坦な底部が典型的には「開いた」パウチ(底部でのドレンの折り畳みによって引き起こされる)に関連するのに対して、丸みを帯びた底部はよりスタイリッシュであり、やや不快な排出プロセスに関連しないと見なされ得るため、好ましいと考えられる。したがって、パウチは開放パウチであってもよいが、閉鎖フラップはそれを目立たなくすることができる。
【0075】
本発明の第2の態様によれば、ストーマパウチを形成する方法が提供され、該方法は、ホットメルト接着剤を織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部に塗布して、ホットメルト接着剤を備える内側表面をもたらすステップと、織快適性材料のシートの内側表面をパウチの壁に結合するステップとを含む。
【0076】
第2の態様は、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、後壁及び/又は前壁に隣接して内側表面を配置するステップと、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に対して織快適性材料のシートの内側表面を結合するステップとを含む。
【0077】
この方法は、コーティングを形成するために、シートの一方側の少なくとも一部をホットメルト接着剤でコーティングすることを含んでもよい。この方法は、ホットメルト接着剤をウェブとして塗布することを含んでもよい。
【0078】
したがって、本発明の第1の態様に関して概説したように、パウチは、更なる接着剤、又は快適性材料とパウチの壁との間に挿入されたフィルムの専門層を必要とせずに、パウチの残りの部分に結合された織布層で形成される。
【0079】
ホットメルト接着剤コーティングは、任意の適切な方法によって塗布することができる。ホットメルト接着剤は、ロールコーティング、散布コーティング、押出コーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、又はフォームインプレイスコーティングによって塗布することができる。
【0080】
ホットメルト接着剤を織快適性材料のシートの一方側に塗布するステップは、織快適性材料のシートの内側表面をパウチの壁に結合するステップとは別個に行われてもよい。例えば、これは、快適性材料のシートの内側表面を壁に結合する前に、時間的に別々に、例えば24時間のうちの少なくとも5分、10分、1時間、12時間行われてもよい。これにより、シート又は織快適性材料を取り扱う際にホットメルト接着剤を乾燥させることができ、したがって取り扱い性が向上する(一方、プロセスに湿潤接着剤を含めると取り扱いがより困難になる)。代替的/追加的に、ホットメルト接着剤を織快適性材料のシートの一方側に塗布するステップは、織快適性材料のシートの内側表面をパウチの壁に結合するステップとは物理的に別個に行われてもよい。例えば、このステップは、別個の部屋、別個の建物、又は別個の都市、郡もしくは州で行われてもよい。同様に、パウチが形成される場所からの湿潤接着剤のこの分離は、清浄度及び単純さの点で利点を有する。
【0081】
1つの好ましい実施形態では、方法は、ホットメルト接着剤で織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、後壁及び/又は前壁に隣接して前記織快適性材料シートの内側表面を配置するステップと、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に織快適性材料シートの内側表面を結合するステップとを含み、ホットメルト接着剤を織快適性材料のシートの一方側に塗布するステップは、快適性材料のシートの内側表面を壁に結合する少なくとも1時間前に行なわれる。
【0082】
後壁及び/又は前壁は透明であってもよい。方法は、織快適性材料のコーティングされたシートをパウチの透明な壁に直接結合するステップを含むことができる。したがって、ホットメルト接着剤のウェブは、パウチ内で使用され得る広範囲の材料への結合を容易にする。
【0083】
この方法は、織快適性材料のコーティングされたシートの内側表面を、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に結合するステップを含むことができる。溶着により接合することができる。方法は、織快適性材料のコーティングされたシートの内側表面を、その外周でストーマパウチの後壁及び/又は前壁の1つ以上に結合するステップを含むことができる。コーティングされた織快適性材料のシートは、ホットメルト接着剤が塗布される1つ以上の領域を含んでもよい。方法は、接着剤が塗布される特定の領域又は特定の領域において、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁の1つ以上に織快適性材料を結合するステップを含むことができる。
【0084】
1つの好ましい実施形態では、方法は、ホットメルト接着剤で織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、後壁及び/又は前壁に隣接して織快適性材料のシートの内側表面を配置するステップと、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に前記織快適性材料シートの内側表面を結合するステップとを含み、前壁は、可撓性材料の透明シートを備え、方法は、織快適性材料のシートの内側表面を前壁に結合するステップを含む。
【0085】
コーティングされた織快適性の前記シート又は1つのシートは、2つ以上の部分を含んでもよい。快適性材料が2つ以上の部分を含む場合、方法は、それぞれが1つの部分に関連付けられた複数の快適性材料シートを配置するステップを含むことができる。方法は、快適性材料のシートをパウチに結合するステップを含むことができる。結合は同時に行ってもよい。結合は、溶着によって行われてもよい。したがって、本発明は、単一の製造工程でパウチに適用される材料の複雑な配置を可能にし、製造の複雑さ及びコストを低減する。
【0086】
コーティングされた織材料の1つ以上のシートがストーマパウチの前側及び後側の両方に設けられ、層が互いに結合される場合、ホットスタンプが後側に施されてもよい。これは、より多くの接着剤が後側のホットスタンプに向かって浸透するので有益であり、これにより、パウチの前側の織材料を介した接着剤の目に見える浸透によって引き起こされるいかなる不都合も回避される。
【0087】
方法は、コーティングされた織快適性材料のシートに更なる構成要素を取り付けるステップを含むことができる。方法は、更なる構成要素を快適性材料のシートの外側表面に結合するステップを含むことができる。結合は、溶着によって達成されてもよい。ホットメルト接着剤は、接着時に織快適性材料を浸透することができる。ホットメルト接着剤は、快適性材料と更なる構成要素との結合を容易にすることができる。上記で概説したように、更なる構成要素は、例えば、ストーマパウチのドレンを閉じるための閉鎖機構を備えてもよい。
【0088】
したがって、ストーマパウチを形成する1つの好ましい方法は、ホットメルト接着剤で織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、後壁及び/又は前壁に隣接して織快適性材料のシートの内側表面を配置するステップと、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に織快適性材料のシートの内側表面を結合するステップとを含み、方法は、少なくとも1つの更なる構成要素を織快適性材料のシートに結合するステップを含む。
【0089】
ストーマパウチを形成する他の好ましい方法は、ホットメルト接着剤で織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、記後壁及び/又は前壁に隣接して織快適性材料のシートの内側表面を配置するステップと、ストーマパウチの後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に織快適性材料のシートの内側表面を結合するステップとを含み、方法は、少なくとも1つの更なる構成要素を織布快適性材料のシートに結合するステップを含み、更なる構成要素は、快適性材料を浸透するホットメルト接着剤によって織快適性材料の外側表面に結合される。
【0090】
本発明の第2の態様に係るストーマパウチを形成する方法は、本発明の第1の態様によるパウチを形成することができ、本発明の第1の態様によるパウチの任意の1つ以上の任意の特徴を任意選択的に含む。
【0091】
本発明の第3の態様によれば、ストーマパウチ用の快適性材料のシートを形成する方法が提供され、該方法は、ホットメルト接着剤のウェブで織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップを含む。
【0092】
この場合の先と同様に、本発明の第3の態様は、本発明の第1又は第2の態様のいずれかに関連する任意選択の特徴を含むことができる。例えば、快適性材料は、ポリエステルなどの本発明の第1の態様に関して指定された材料のうちの1つによって形成されてもよく、及び/又はホットメルト接着剤は、EVAなどの本発明の第1の態様に関して指定された材料のうちのいずれか1つを含んでもよく、及び/又は快適性材料及び/又はホットメルト接着剤は、本発明の第1の態様に関して前述した特性のいずれかを有してもよい。
【0093】
本発明の第4の態様によれば、本明細書に記載の任意の態様によるストーマパウチを使用してストーマ出力を収集するための方法が提供される。この方法は、オストメイトのストーマの周りにストーマパウチを取り付けるステップを含んでもよい。ストーマパウチは、パウチのストーマウェハを使用することによってストーマの周りに取り付けられてもよく、パウチは、ワンピースのストーマパウチを備える。或いは、方法は、ストーマの周りにツーピース式ストーマパウチの身体装備構成要素のストーマウェハを取り付けるステップと、身体装備構成要素にパウチを取り付けるステップとを含んでもよい。パウチは、ストーマウェハがストーマの周りに取り付けられる前又は後に身体装備構成要素に取り付けられてもよい。ストーマパウチが開放された又は排出可能なパウチを含む場合、方法は、ストーマパウチからのストーマ出力を排出するステップを含んでもよい。
【0094】
この場合も先と同様に、本発明の第4の態様は、本発明の第1~第3の態様のいずれかに関連する任意の特徴を含むことができる。例えば、快適性材料は、ポリエステルなどの本発明の第1の態様に関して指定された材料のうちの1つによって形成されてもよく、及び/又はホットメルト接着剤は、EVAなどの本発明の第1の態様に関して指定された材料のうちのいずれか1つを含んでもよく、及び/又は快適性材料及び/又はホットメルト接着剤は、本発明の第1の態様に関して前述した特性のいずれかを有してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
ここで、本発明がより明確に理解され得るように、添付図面を参照して、単なる例として、本発明の1つ以上の実施形態を説明する。
【
図7】ストーマパウチを製造するための装置の側面図である。
【
図8】ホットメルト接着剤が塗布された状態を示す、
図1~
図7のパウチの快適層を形成する織材料の内側表面の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本開示の前述の概要及び以下の実施例は、例示的且つ説明的なものにすぎず、特許請求される主題を限定するものではないことを理解されたい。
【0097】
以下の説明は、本開示の実施形態に関する。実施形態の説明は、添付の特許請求の範囲において特許請求される本開示の全ての可能な実施形態を含むことを意味するものではない。以下の実施形態に明示的に列挙されていない多くの修正、改善、及び均等物は、添付の特許請求の範囲内に含まれ得る。1つの実施形態の一部として記載された特徴は、文脈が明らかにそうでないことを要求しない限り、1つ以上の他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。
【0098】
本明細書では、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、単数形の使用は複数形を含む。本出願では、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。更に、「含む(including)」という用語並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は限定的ではない。
【0099】
本明細書で使用される場合、範囲及び量は、「約」特定の値又は範囲として表すことができる。約には、正確な量も含まれる。例えば、「約5mm」は「約5mm」を意味し、「5mm」も意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差内にあると予想される量を含む。「約」という用語は、提供される値の5%未満~5%大きい値を含む。例えば、「約30mm」は「28.5mm~31.5mm」を意味する。
【0100】
図1~
図3を参照すると、ストーマパウチ1が、後壁2と、前壁3と、分離壁4と、後側快適層5と、前側快適層6と、ストーマウェハ7とを備える本発明の実施形態が示されている。特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内の他の実施形態では、分離壁4、後側快適層5、及び前側快適層6のうちの1つ以上は、必要に応じて省略することができる。
【0101】
この実施形態では、ストーマパウチ1は、ストーマウェハ7がストーマパウチ1に恒久的に取り付けられるワンピースパウチである(パウチを損傷することなく容易に取り外して再取り付けすることができないという意味で)。しかしながら、他の実施形態は、ストーマパウチを共に形成するパウチ構成要素及び身体装備構成要素を備えるツーピースパウチであってもよい。これらの実施形態の幾つかでは、パウチは、後壁2と、前壁3と、分離壁4と、後側快適層5と、前側快適層6とを備え、身体装備構成要素は、ストーマウェハ7を備える。
【0102】
後壁2及び前壁3は、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する。この実施形態では、後壁2及び前壁3は両方ともプラスチックフィルムの形態の可撓性シート材料で形成され、互いに接合されてキャビティを画定する。例示的なフィルムは、ポリエチレン(PE)である。フィルムは、一般に、75~100μmの厚さを有するが、幾つかの実施形態では、50~150μmの厚さを有してもよい。
【0103】
この実施形態では、ストーマパウチ1は、上側セクション10と、下側セクション11と、上側セクション10と下側セクション11との間に位置する胴周りセクション12とを有する。上側セクション10は最大幅Aを有し、下側セクション11は最大幅Bを有し、胴周りセクション12は最小幅Cを有する。この実施形態では、上側セクション10の最大幅Aは、下側セクション11の最大幅Bよりも大きく、下側セクションの最大幅Bは、胴周りセクション12の最小幅Cよりも大きい。
【0104】
本実施形態では、ストーマパウチ1は、後側から見て左縁部13及び右縁部14を有する。胴周りセクション12は、滑らかに丸みを帯び、上側セクション10及び下側セクション11のそれぞれの左縁部13a,13b及び右縁部14a,14bに合流する左縁部13c及び右縁部14cを有する。
【0105】
ストーマパウチ1の形状及び寸法は、使用時に目立たず快適に着用できる限り特に限定されない。この実施形態において、ストーマパウチは、208mmの長さLと、142mm及び137mmのそれぞれの上側セクションA及び下側セクションの最大幅と、119mmの胴周りセクションCの最小幅とを有する。最小幅Cは、ストーマパウチ1の上縁部から距離Dだけ離れて位置し、この実施形態Dでは119mmである。
【0106】
この実施形態では、胴周りセクション12の左縁部13c及び右縁部14cは、40mmの曲率半径r1を有する凹状曲率を有する。
【0107】
この実施形態では、上側セクション10及び下側セクション11の両方が丸みを帯び、それぞれ連続的に湾曲した縁部15,16を含む。湾曲縁部15,16は、胴周りセクション12の左縁部13cの上端及び下端から、胴周りセクション12の右縁部14cの対応する上端及び下端まで延びている。縁部15,16は、それぞれ曲率半径r2及びr3で凸状に湾曲している。この実施形態では、r2及びr3は、それぞれの縁部15,16に沿って一定であるが、別の実施形態では、可変であってもよい。r2は、55mm~75mm、好ましくは60mm~73mmの範囲内であり、r3は、45mm~70mm、好ましくは50mm~67mmの範囲内である。
【0108】
この実施形態では、上側セクション縁部15は、上側セクション10の左側縁部13a及び右側縁部14aを組み込んでおり、下側セクション縁部16は、下側セクションの対応する左縁部13b及び右縁部14bを組み込んでいる。
【0109】
この実施形態では、上側セクション10と胴周りセクション12との間の接合部は、上側セクション10の縁部13a,14aと胴周りセクション12の縁部13c,14cとの間の単一の変曲点17によって画定されてもよい。同様に、下側セクション11と胴周りセクション12との間の接合部は、下側セクション11の縁部13b,14bと胴周りセクション12の縁部13c,14cとの間の単一の変曲点18によって画定されてもよい。
【0110】
この実施形態では、後壁2及び前壁3は、ストーマパウチ1の垂直中心線に対して対称である。後壁2と前壁3とは、その周縁部を中心として溶着により接合されている。溶着は、後述するように、パウチ1の全ての層を同時に接合することができるため、後壁2と前壁3とを接合する好ましい方法である。
【0111】
この実施形態では、後壁2及び前壁3は、後壁2及び前壁3の全周にわたって延在する単一の連続した縁部シール8によって互いに接合されて、液密シールを形成する。単一の連続する縁部シール8は、ストーマパウチ1の周囲の周りに4mmの一定の幅を有する。他の実施形態では、幅は、異なる幅、例えば3mm~5mmの範囲であってもよく、また周囲の周りで変化してもよい。
【0112】
後壁2には、ストーマ出力をキャビティ内に受け入れるためのストーマ入口20が設けられる。ストーマ入口20は、ストーマパウチ1の上側セクション10の後壁2から切り出された開口部であり、ウェハ7が設けられ、ウェハにはストーマが正常に延びる穴が設けられている。
【0113】
この実施形態では、後側快適層5及び前側快適層6は、後壁2及び前壁3と実質的に同じ形状である。後側快適層5及び前側快適層6は、ストーマパウチ1の外側を形成し、それぞれ後壁2及び前壁3を覆う。また、後側快適層5は、後壁2のストーマ入口20と位置合わせされたウェハ開口部を備え、この開口部にウェハ7が配置される。
【0114】
後側快適層5及び前側快適層6は、使用時にその内側表面である一方の表面上にコーティングされたホットメルト接着剤51のウェブを有する織布層50からなる可撓性シート材料で形成される(
図8を参照)。この実施形態では、布層50は、それぞれ後側快適層5及び前側快適層6の外側表面を形成し、ホットメルト接着剤のウェブ51は、対応する内側表面に配置され、後壁2及び前壁3に面する。他の実施形態は、必要に応じて更なる布層及び/又は接着剤層を含んでもよい。この実施形態では、織布層はポリエステルを含むが、他の実施形態では、ナイロン、ビスコース、ポリエチレン及びポリプロピレンのいずれか1つ以上を追加又は代替として使用することができる。
【0115】
この実施形態では、織布層は、58g/m2の面積密度、280~300Nの引張強度、及び18Nの引裂強度を有する。他の実施形態は、異なる組成、例えば、50~70g/m2の面密度、200~400Nの引張強度、及び10~30Nの引裂強度を有してもよい。また、幾つかの実施形態は、4~5の摩擦、発汗又は洗浄(40°)のいずれか1つ以上に対する色堅牢度、及び>50000の摩耗を有し得る。また、特定の実施形態は、撥水性仕上げを有する織布ポリエステルを含む。撥水加工は、フッ化炭素系であってもよく、染色ヒートセットであってもよく、ボイルオフヒートセットであってもよい。適切な織布ポリエステル層は、75 DCWRWHITE(白色変形例用)などの75 DCWR名称で、英国ノーサンプトンシャーのNewton Textiles Limitedから入手可能である。
【0116】
この実施形態では、ホットメルト接着剤はエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含む。
【0117】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリオレフィンである。
【0118】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリウレタンである。
【0119】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。
【0120】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はシリコンゴムである。
【0121】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はフルオロポリマーである。
【0122】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリカーボネートである。
【0123】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はスチレンブロックコポリマーである。
【0124】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリエステルである。
【0125】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリアミドである。
【0126】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリカプロラクトンである。
【0127】
この実施形態では、ホットメルト接着剤のウェブは25g/m2の面密度を有する。適切なEVAホットメルト接着剤は、3Z8の名称でフランス、サーネのProtechnic SAから入手可能である。
【0128】
この実施形態では、ホットメルト接着剤は、後側快適層5及び前側快適層6の全領域にわたって布層上にコーティングされる。他の実施形態では、ホットメルト接着剤は、後側快適層5及び前側合快適層6の一部の領域、又はその特定の領域にコーティングされてもよい。ウェブが形成される場合、
図8に示すように、ウェブは、内部に多数の空隙Vを有するマスMのホットメルト接着剤を含み、ホットメルト接着剤が存在しない(又は実質的に存在しない、場合によっては痕跡を含む)ため、格子、メッシュ又は格子の一般的な形態をとる。図から分かるように、この実施形態では、空隙は不規則な形状であり、間隔を空けて配置され、比較的小さい領域は、空隙内に接着剤がない領域よりもマスによって覆われる。他の実施形態(図示せず)では、空隙は、規則的な形状及び/又は規則的な間隔であってもよい。
【0129】
好適には、ホットメルト接着剤の使用は、必要に応じて、不織布材料が取り付けられるのと同じ態様で、同じ溶着プロセスで両方の快適層5,6及び両方の壁2,3を同時に接合することを可能にし、専門家の介在層又は構築プロセス中の接着剤の塗布を必要とせずに、結合を改善する。この実施形態では、縁部シール8によって画定された周辺溶着部も、後側快適層5を後壁2に接合し、前側快適層6を前壁3に接合する。他の実施形態では、必要又は所望に応じて様々な溶着部を使用することができる。例えば、溶着部は、後壁2と前壁3とを接合する溶着部の一部のみに対応することができる。後壁2に後側快適層5を取り付ける溶着は、前壁3に前側快適層6を取り付ける溶着と異なっていてもよい。更に、ホットメルト接着剤51は、布層50を望ましくないほつれから保護する。
【0130】
この実施形態では、前側快適層6は、上部6a及び下部6bを含み、これらは一緒になったときに前壁3と同じ形状である。上部6aは、パウチ1の上端から、上側セクション10と胴周りセクション12との間の変曲点17まで延在する。下部6bは、上部6aの下方でパウチ1の下端から変曲点17のわずかに上の地点まで延在する。このように、上部6aの一部は、重なり領域115において下部6bと部分的に重なっている。上部6a及び下部6bは、重なり領域115において互いに分離可能であり、キャビティを見るための窓開口を形成する。重なり領域115は、ストーマパウチ1が使用されているときに水平に延びる。幾つかの実施形態では、重なり領域115は、変曲点17と一致しなくてもよく、その長さに沿った任意の適切な位置でパウチ1にまたがってもよい。重要なことに、ホットメルト接着剤51が存在しないと、壁2,3の材料の選択にかかわらず、壁の材料はその領域では結合に関与しないため、前側快適層6の2つの部分6a,6bは互いに全く結合しない。したがって、これはホットメルト接着剤の存在にとって重要な領域である。
【0131】
他の実施形態では、前側層は複数の部分から構成されてもよい。複数の部分を合わせたときの外形及び寸法は、前壁3の外形及び寸法と同じであってもよい。
【0132】
この実施形態では、ストーマウェハ7は、後壁2のストーマ入口20と位置合わせされ、後快適層5のウェハ開口部を通って延びる。ストーマウェハ7は、接着剤及び剥離ライナー31を備える。ストーマウェハ7は、溶着によって後壁2に取り付けられる。他の実施形態では、ウェハ7は、任意の適切な代替手段(例えば、接着剤)によって取り付けられてもよい。
【0133】
また、ストーマパウチ1は、キャビティからストーマガスを通気するためのガス通気孔を備えてもよい。この実施形態では、ストーマパウチ1は、臭気フィルタでもあるガス通気孔フィルタ24を備える。適切なフィルタは、キャビティからの望ましくない臭気の放出を低減するために、木炭又は活性炭フィルタであり得る。ガス通気孔フィルタ24は、前壁3に配置されたガス通気孔開口部27を含むガス通気孔の一部を形成する。幾つかの実施形態では、ガス通気孔フィルタ24はフィルタキャップによって覆われ、ガス通気孔フィルタ24及びフィルタキャップは、ガス通気孔開口部27の上の前壁3に配置される。ガス通気孔開口部27は、キャビティからストーマパウチの外部に向かってガス通気孔フィルタ24及びフィルタキャップを通るガスの通過を可能にする。
【0134】
この実施形態では、ガス通気孔は、使用時に、ストーマパウチ1の上側4分の1に配置される。特に、ガス通気孔開口部27の中心は、使用時に、ストーマ入口20の中心の上方に配置される。他の実施形態では、ガス通気孔は、ストーマパウチ1の上部セクション10の他の場所に配置されてもよい。
【0135】
この実施形態では、分離壁4は、後壁2と前壁3との間に位置する。分離壁4は、ストーマ出力に含まれるストーマ固体からストーマガス及び/又はストーマ液体を濾過するための分離フィルタ100を備える。したがって、分離フィルタ100は、ストーマ固形物がガス通気孔と接触して目詰まりを起こすこと、又はそうでなければガス通気孔フィルタ24の機能性を損なうことを防止する。
【0136】
この実施形態では、分離壁4は、後壁2及び前壁3と同じ外形及び寸法を有し、ストーマパウチ1のキャビティを第1及び第2のチャンバ101,102に分割する。第1のチャンバ101は、分離壁4と後壁2との間に延在し、第2のチャンバ102は、分離壁4と前壁3との間に延在する。第1のチャンバと第2のチャンバ101,102とは、略同一の容積を有する。他の実施形態では、それらのチャンバは異なる容積を有してもよく、及び/又は第2のチャンバ102は第1のチャンバ101よりも大きい容積を有してもよい。
【0137】
この実施形態では、分離壁4は、後壁2及び前壁3の周縁部で溶着を使用してそれらの間に液密シールを形成することによって後壁2及び前壁3に接合される。別の実施形態では、分離壁4は、上部セクション10の縁部全体の周りで後壁2及び前壁3に接合され、上部セクション10とウエスト部12との間の界面で水平溶着によって前壁3に更に接合される。したがって、本発明の幾つかの実施形態による分離壁4と後壁2及び前壁3との接合は、第1及び第2のチャンバ101,102が分離フィルタ100を介する以外は互いにシールされるようなものであってもよい。
【0138】
この実施形態では、分離壁4は、ポリウレタン、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)及び/又はエチレン-酢酸ビニル(EVA)から形成され得る可撓性シート材料を含む。幾つかの実施形態では、分離壁4の可撓性シート材料は、50~150マイクロメートル、好ましくは75~100マイクロメートルの厚さを有する。この実施形態では、分離壁4は、可撓性シート材料に塗布された疎水性及び疎油性コーティングを含む。他の実施形態では、可撓性シート材料は、疎水性及び/又は疎油性であってもよい。
【0139】
図4~
図6を参照すると、本発明に係るストーマパウチ201の更なる実施形態は、
図1~
図3に示すものと同様であり、同様の特徴は同様の参照番号を有する。主な違いは、更なる実施形態の下側セクション211が、折り畳み可能なドレンを収容/形成するように成形されていることである。したがって、前述の実施形態とは対照的に、ストーマパウチ201のこの実施形態は、密封された周囲を含まない開放パウチである。
【0140】
更に、この実施形態では、前壁203と後壁202との間に分離壁は設けられておらず、したがって、キャビティは2つのセクションに分割されていない。後壁202は、ウェハ207のストーマ入口207iと位置合わせする大きな開口202iを特色とする(開口202iの外周とウェハの外周との間の領域において後壁202に接続され、それにより、ストーマ出力がウェハのストーマ入口及び後壁の開口202iを介してキャビティに入る)。また、後側快適層205は、ウェハの最外縁部と後壁202との間に挟まれるように、後壁202の開口202iよりもわずかに大きく、それと位置合わせする開口205iを特徴とする。ストーマ入口207iは、オストメイトのストーマに適合するように調整可能である。
【0141】
本実施形態の前側快適層206は、第1の実施形態と同様に、上部206aと下部206bの2つの部分を備える。上部206aは、ストーマ入口207iと位置合わせするその高さ上の地点でパウチ201の幅の大部分にわたって下部206bと重なる。重なりは、下部206bの上縁部232と重なる上部206aの下縁部231によって画定される。
【0142】
この実施形態では、ガスがパウチ201から出ることを可能にするために、ストーマ入口207iの上方の高さで前壁203に配置された任意選択的なガスフィルタ224も存在する。この実施形態では、フィルタ224は、前壁203の外側表面上の任意選択のフィルタカバーパッチ225(
図5には図示せず)によって覆われている。このように、フィルタ224及びフィルタカバーパッチ225は、前側快適層206の上部206aによって覆われている。
【0143】
この実施形態では、ドレンは、ドレンが展開形態にあるときにパウチ201が290mmの長さLを有するように、ストーマパウチ201の下縁部から延びる。他の実施形態では、長さは、異なるサイズ、例えば250mm~300mmの範囲であってもよい。
【0144】
この実施形態では、下部セクション211はドレン開口部40を備える。ドレン開口部40は、後壁202及び前壁203が密封されていない、ストーマパウチ201の周囲の密封されていない部分である。
【0145】
この実施形態では、下側セクション211は、丸みを帯びた部分211aと、ドレン開口部40を収容する実質的に矩形のドレン部分41とを備え、丸みを帯びた部分211aは、胴周りセクション212に隣接し、ドレン部分41は、胴周りセクション212の遠位側にある。ドレン部分41は、後述するように、展開形態と折り畳み形態との間で、その長さに沿って折り畳み可能である。
【0146】
この実施形態では、下側セクション211は、ほぼ丸みを帯びた部分211aの湾曲した左縁部42cの周りで、ドレン部分41の左縁部42dに沿って、胴周りセクション212の左縁部213cからドレン開口部40の左頂点44まで延在する連続した左縁部42を備える。同様に、連続した右縁部43は、ほぼ丸みを帯びた部分211aの連続的に湾曲した右縁部43cの周りで、ドレン部分41の右縁部43dに沿って、胴周りセクション212の右縁部214cからドレン開口部40の右頂点45まで延在する。(
図4は正面図であるため、パウチ1の左縁部は図面の右側にあり、パウチ1の右縁部は図面の左側にあることに留意されたい)
【0147】
この実施形態では、ほぼ丸みを帯びた部分211aの湾曲した左縁部42c及び右縁部43cは、凸状の曲率を有する。曲率半径r3は、
図1~
図3に示すストーマパウチについて説明した曲率半径r2と同様である。ドレン部分41の左縁部42d及び右縁部43dは、それらの長さの大部分に沿って互いに平行である。
【0148】
この実施形態では、単一の連続した縁部シール208が、ドレン開口部40の左頂点44からドレン開口部40の右頂点45までパウチ201の外周の周りで延び、ドレン開口部40の遠位端部を開いたままにする。
【0149】
この実施形態では、ドレン部分41は、ストーマパウチ201のキャビティからドレン部分41の下端に位置するドレン開口部40まで延在する細長い排出通路を画定する。ドレン部分41は、下側セクション211と一体であり、したがって、後壁202及び前壁203はそれぞれ、上側セクション210、胴周りセクション212及び下側セクション211(ドレン部分41を含む)を含む単一の材料片であってもよい。しかしながら、本実施形態では、後側快適層205及び前側快適層206は、後壁202及び前壁203のドレン部分41を覆っていない。
【0150】
この実施形態では、キャビティと細長いドレン通路との間の連通は、キャビティとドレン部分41との間の移行点として画定されたドレン入口200を介して行われる。ドレン入口200は、ドレン部分41が展開されるときにキャビティからのストーマ出力のドレン部分41への通過を可能にする。
【0151】
この実施形態では、その展開形態又は折り畳み形態の間のドレン部分41の移動は、ドレン開口部40を開閉する。これは、ストーマパウチ1のキャビティ内に格納されたストーマ出力の流出を許可又は防止する。
【0152】
この実施形態では、ドレン部分41は、その長さに沿って同じ意味で繰り返し折り畳まれて、ほぼ等しいセグメント長を有し、折り目によって分離された複数のセグメントにすることができる。したがって、ドレン部分41は、セグメントが互いに重なるように、一回又は複数回連続して折り畳まれてもよい。各折り目は、ドレン部分41の幅にわたって形成され、ドレン開口部40からのストーマ出力の通過を阻止し、好ましくは防止するように作用する。
【0153】
この実施形態では、第1のパージストリップ221及び第2のパージストリップ222がドレン部分41上に設けられている。パージストリップ221,222は、ドレン部分41に局所的な剛性を提供するとともに、ドレン部分41のセグメント及び折畳みの位置及び向きも規定する。パージストリップ221,222は、ドレン部分41に取り付けられた可撓性材料のストリップを備え、ストリップ221,222は、ドレン部分41の材料よりも高い剛性を有する。また、パージストリップ221,222は、ドレン部分41に取り付けられると、パージストリップ221,222を横方向にそれぞれ圧搾してパージストリップをアーチ状にし、それによって細長いドレン通路を開くことができるように、いくらかの弾性を有する。他の実施形態では、2つ以上のパージストリップが使用されてもよい。
【0154】
この実施形態では、パージストリップ221,222はポリスチレンから形成されるが、他の実施形態は任意の適切な材料を含んでもよい。
【0155】
この実施形態では、第1のパージストリップ221は、ドレン開口部40に隣接するドレン部分41の後壁202に取り付けられる。第2のパージストリップ222は、第2のストリップ222の上方でドレン部分41の前壁203に取り付けられる。第1のパージストリップ221の上縁部と第2のパージストリップ222の下縁部との間に長手方向の間隙が設けられる。したがって、長手方向の間隙は、ドレン部分41の第1の折り目の位置を規定する。各パージストリップ221,222は、ドレン部分41の幅にまたがっており、ドレン部分41の長さに沿って同じ距離だけ延びている。
【0156】
この実施形態では、後側締結要素215aが後壁202に配置され、前側締結要素215bが、前側快適層206に取り付けられたフラップ223に配置される。二部構成の前側快適層206のこの例では、フラップ223は、快適層206の下部206bに取り付けられている。後側締結要素215a及び前側締結要素215bは、対応する面ファスナ要素を備える。後側締結要素215aは、第2のパージストリップ222の上方のドレン部分41上に位置している。第2のパージストリップ222の上縁部と後側締結要素215aの下縁部との間に長手方向の間隙が設けられている。したがって、長手方向の間隙は、ドレン部分41の第2の折り目の位置を規定する。
【0157】
この実施形態では、フラップ223は、一体部品から形成された第1のフランジ223a及び第2のフランジ223bを備える。第1のフランジ223aは、下側の丸みを帯びたセクション211aの幅の実質的に全てに及んでいるが、ドレン入口200から丸みを帯びたセクション211aの長さの1/3の点で縁部シール208上には延びていない。第1のフランジ223aは、その略全幅にわたる単一の溶着部によって快適性材料206に取り付けられている。この溶着は、快適性材料206が作られる織材料50の内側表面をコーティングするホットメルト接着剤51のウェブによって可能となり、ホットメルト接着剤51のウェブは、加熱されると織材料を浸透してフラップ223の材料と結合する。第2のフランジ223bは、第1のフランジ223aの下縁部から延び、第1のフランジ223aのみによってパウチ1に接続される。第2のフランジ223bは、丸みを帯びた部分211aの形状に適合するように輪郭付けられているが、外周溶着部208の内縁部をトレースするように薄くなっている。したがって、第2のフランジ223bは、パウチ201の縁部シール208によって画定された外周内で第1のフランジ223aから下方に延在する。
【0158】
この実施形態において、フラップ223は、使用時にオストメイトから離れる方向を向く外側表面と、反対側の内側表面とを有する。前側締結要素215bは、後側締結要素215aよりも上側の位置において、第2のフランジ223bの内側表面に位置する。後側締結要素215aの上縁部と前側締結要素215bの下縁部との間に長手方向の間隙が設けられ、この間隙はドレン部分41の第3の折り目の位置を規定する。フラップ223は、後壁202、前壁203、及び快適層205,206の可撓性シート材料よりも剛性が高い可撓性シート材料から形成される。この実施形態では、フラップ223は、望ましい剛性を提供するプラスチック発泡体から形成される。
【0159】
代替的な、そうでなければ同一の実施形態では、フラップ223は、快適層206と同じホットメルトコーティングされた織快適性材料で形成される。この材料は、プラスチック発泡材料ほど剛性ではないが、快適層の残りの部分と一致し、パウチが排出可能であるという事実をあまり明白にしないので、審美的に望ましい。
【0160】
ドレン部分41の折り畳みは、以下のようにして行うことができる。第一に、ドレン部分41の遠位端部は、第1の折り曲げ線を中心にしてストーマパウチ201の後側から離れるように上方に折り曲げられて、第2のパージストリップ222上に第1のパージストリップ221を位置させる。第二に、ドレン部分41及びパージストリップ221,222は、この場合も先と同様に、第2の折り目、次いで第3の折り目の周りで再び折り畳まれ、それにより、折り畳まれて積み重ねられた第1のパージストリップ221、第2のパージストリップ222、及び第1の締結要素215aは、後側締結要素215aが露出されて前側締結要素215bに隣接する状態で、フラップ223の第2のフランジ223bの下方に位置される。最後に、フラップ223の第2のフランジ223bが、折り畳まれたドレン部分に押し付けられ、後側締結要素215aと前側締結要素215bとを互いに固定する。
【0161】
これらの実施形態では、ドレン部分41は、上記の手順を逆にすることによって展開することができる。
【0162】
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態では、後側快適層205及び前側快適層206は、使用中のその内側表面である一方の表面上にコーティングされたホットメルト接着剤51のウェブを有する織布層50からなる可撓性シート材料で形成される(
図8参照)。この実施形態では、布層50は、それぞれ後側快適層205及び前側快適層206の外側表面を形成し、ホットメルト接着剤のウェブ51は、対応する内側表面に配置され、後壁202及び前壁203に面する。他の実施形態は、必要に応じて更なる布層及び/又は接着剤層を含んでもよい。この実施形態では、織布層はポリエステルを含むが、他の実施形態では、ナイロン、ビスコース、ポリエチレン及びポリプロピレンのいずれか1つ以上を追加又は代替として使用することができる。
【0163】
この実施形態では、織布層は、58g/m2の面積密度、280~300Nの引張強度、及び18Nの引裂強度を有する。他の実施形態は、異なる組成、例えば、50~70g/m2の面密度、200~400Nの引張強度、及び10~30Nの引裂強度を有してもよい。また、幾つかの実施形態は、4~5の摩擦、発汗又は洗浄(40°)のいずれか1つ以上に対する色堅牢度、及び>50000の摩耗を有し得る。また、特定の実施形態は、撥水性仕上げを有する織布ポリエステルを含む。撥水加工は、フッ化炭素系であってもよく、染色ヒートセットであってもよく、ボイルオフヒートセットであってもよい。適切な織布ポリエステル層は、75 DCWRWHITE(白色変形例用)などの75 DCWR名称で、英国ノーサンプトンシャーのNewton Textiles Limitedから入手可能である。
【0164】
この実施形態では、ホットメルト接着剤はエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含む。
【0165】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリオレフィンである。
【0166】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリウレタンである。
【0167】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリ塩化ビニリデン(PVDC)である。
【0168】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はシリコンゴムである。
【0169】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はフルオロポリマーである。
【0170】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリカーボネートである。
【0171】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はスチレンブロックコポリマーである。
【0172】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリエステルである。
【0173】
別の実施形態において、ホットメルト接着剤はポリアミドである。
【0174】
別の実施形態では、ホットメルト接着剤はポリカプロラクトンである。
【0175】
この実施形態では、ホットメルト接着剤のウェブは25g/m2の面密度を有する。適切なEVAホットメルト接着剤は、3Z8の名称でフランスのCernayのProtechnic SAから入手可能であり、Protechnic SAによってウェブとして記載されているが、他のホットメルト、例えばコポリエステルホットメルトウェブが首尾よく評価された。
【0176】
この実施形態では、ホットメルト接着剤は、後側快適層205及び前側快適層206の全領域にわたって布層上に再びコーティングされる。他の実施形態では、ホットメルト接着剤は、後側快適層205及び前側快適層206の一部の領域、又はその特定の領域にコーティングされてもよい。前述したように、ウェブが形成される場合、
図8に示すように、ウェブは、内部に多数の空隙Vを有するホットメルト接着剤のマスMを含み、ホットメルト接着剤が存在しない(又は実質的に存在しない、場合によっては痕跡を含む)ため、格子、メッシュ又は格子の一般的な形態をとる。図から分かるように、この実施形態では、空隙は不規則な形状であり、間隔を空けて配置され、比較的小さい領域は、空隙内に接着剤がない領域よりもマスによって覆われる。他の実施形態(図示せず)では、空隙は、規則的な形状及び/又は規則的な間隔であってもよい。
【0177】
好適には、ホットメルト接着剤の使用は、専門介在層又は構築プロセス中の接着剤の塗布を必要とせずに、また織層が互いに接合されている領域(すなわち、重なり領域)又は織層に通常は溶着されない他の材料に接合されている領域(フラップ223など)でさえ接着を伴って、必要に応じて、不織布材料が取り付けられるのと同じ態様で、同じ溶着プロセスで快適層205,206と壁202,203の両方を同時に接合できるようにする。この実施形態では、縁部シール208によって画定された外周溶着部はまた、後側快適層205を後壁202に接合し、前側快適層206を前壁203に接合する。他の実施形態では、必要又は所望に応じて様々な溶着部を使用することができる。例えば、溶着部は、後壁202と前壁203とを接合する溶着部の一部のみに対応することができる。後壁202に後快適層205を取り付ける溶着部は、前壁203に前快適層206を取り付ける溶着部と異なっていてもよい。前述のように、ホットメルト接着剤51は、布層50を望ましくないほつれから保護する。
【0178】
図9を参照すると、両方ともホットメルト接着剤でコーティングされた上側快適層6a及び下側快適層6bから構成される前側快適層6を備える代わりに、この実施形態では、上側快適層6aが同一であり且つホットメルト接着剤でコーティングされるが、下側快適層6biがコーティングされていないことを除き、ストーマパウチ1001が
図1~
図3のものと同一である(したがって、対応する番号付けがされている)本発明の実施形態が示される。
【0179】
試験は、パウチ1001の上部領域に存在する快適層5,6aの両方にホットメルトコーティングを提供することが、充填されたときのパウチ1001のたるみを低減するという点で有益な効果を有する一方で、下部6biは、この効果を達成するためにコーティングされる必要はなく、コーティングされていない(したがって、剛性が低い)場合、より良い形状をもたらすことさえできることを示している。
【0180】
図7を参照すると、本発明のパウチを形成する方法で使用するための装置が概略的に示されている。この実施形態では、装置300は、4つのローラ301,302,303及び304と、スタンプ溶着機305と、切断機306とを備える。ローラ301,302,303,304は、第1の可撓性シート材料311、第2の可撓性シート材料312、第3の可撓性シート材料313及び第4の可撓性シート材料314をそれぞれ矢印Dの方向に前進させるために使用される。簡単にするために、ウェブを前進させるために使用される更なるローラは示されていない。
【0181】
この実施形態では、装置300は、後側快適層5,205、後壁2,202、前壁3,203及び前側快適層6,206を備える、
図1から
図6及び
図9のストーマパウチ1,201と同様のストーマパウチ310を構築するように構成される。しかしながら、プロセスは簡略化されて示されており、分離層4又は上記の実施形態で説明したドレン部分41の態様などの特徴はなく、また、当業者に周知の方法で提供することができるウェハ、フィルタなどのアセンブリの説明もない。
【0182】
第1の材料シート311及び第2の材料シート312は、パウチ310の後壁及び前壁にそれぞれ使用されるプラスチックフィルムである。したがって、これらのシートに使用される材料は同じであり、前述のストーマパウチ1,201に関して説明したものに対応する。
【0183】
この実施形態では、第3の材料シート313及び第4の材料シート314は、それぞれパウチ310の後側及び前側快適層に使用される。前述のように、快適層に使用される材料は、ホットメルト接着剤51のウェブが塗布された織布層50を含む。したがって、第3の材料シート313及び第4の材料シート314は、その上にコーティングされた接着ウェブ313b,314bを有する織布層313a,314aを含む。
図7では、ホットメルト接着剤のウェブ(破線で示す)は、シート材料の第1及び第2の層がその間に配置された状態で、互いに面している。
【0184】
第3の材料シート313及び第4の材料シート314は、数日前に別の施設で、ロールからEVAフィルムの薄いシートを前進させ、ロールから同様に前進させた織物材料シート50上に熱及び圧力下で積層し、次いで冷却し、新しいロール上に圧延し、その上にそれを送達するロールコーティング法などのコーティング法によって事前に形成されている。積層中の加熱と組み合わせてEVAフィルムが薄くなると、形成されるEVAウェブ51のマスMにおける空隙Vの形成を引き起こす。
【0185】
この実施形態では、スタンプ溶着機305は、ホットスタンプを使用して材料の層を一緒に溶着するように構成される。溶着部の形状は、
図1~
図3及び
図4~
図6のストーマパウチ1,201に記載される縁部シール8に対応する。
【0186】
この実施形態では、切断機306は、材料の前進するシートのセクションを、ストーマパウチの外周によって画定される形状に切断するように構成される。
【0187】
この実施形態では、最初に、第1の材料シート311及び第2の材料シート312は、それらが互いに同じ速度で接触し前進するようにローラ(図示せず)によって一緒にされる。次に、第3の材料シート313及び第4の材料シート314は、ローラ(図示せず)によって第1の材料シート311及び第2の材料シート312の両側に集められる。第3のシート313は、接着剤313bのウェブが第1のシート311に面するように第1のシート311に隣接させられる。同様に、ホットメルト接着剤314bのウェブが第2のシート213に面するように、第4のシート314を第2のシート312に隣接させる。したがって、4つのシートは全て同じ速度で接触し前進する。したがって、シートは、次の順序で、すなわち、第3のシート313;第1のシート311;第2のシート312;及び、第4のシート314の順で積み重ねられる。
【0188】
この実施形態では、材料の前進シートはその後、スタンプ溶着機305に入る。スタンプ溶着機305は、加熱されたスタンプを前進するシートに塗布して、ストーマパウチ310の周囲に対応する密封された溶着線315を形成する。加熱されたスタンプは、使用時に後側にある快適層に適用されるが、直接熱を加えると、ホットメルト接着剤が布層を通って目に見えるように漏れる可能性があるため、この視認性は、使用時に目に見えない側にあることが好ましい。
【0189】
ホットメルト接着剤313b及び314bのウェブは、布層313a及び314aが第1の層311及び第2の層312に溶着するのを容易にする。このプロセスは、前進するシート内に一連の密封されたストーマパウチ310を生成する。この実施形態では、スタンピングマシンは、パウチの周囲の周りでのみ溶着し、パウチ310内にキャビティを残す。
【0190】
この実施形態では、前進するシートはその後、切断機306に入る。切断機は、スタンプ機305によって生成された密封された溶着線315の周囲を切断する。これにより、各ストーマパウチ310は、前進シートから解放され、そこで回収又は更に調製することができる。溶着及び切断はもちろん同時に行うことができる。
【0191】
他の実施形態では、更なる材料層を導入することができる。一実施形態では、快適層材料の第5のシート(図示せず)が使用され、第3のシート313と同じパウチの側面に適用される。これにより、上記の
図1から
図3及び
図9に関連して説明したように、前側快適層を上部6a及び下部6b又は6biで構成することができ、例えば、第3の層が下部を形成し、第5の層が上部を形成する。好適には、第3のシート313及び第5のシートは、他の層と同時にパウチに溶着され、単一のスタンプ溶着プロセスで重なり領域115を有するパウチを形成することができる。
【0192】
1つ以上の実施形態が単なる例として前述される。添付の特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲から逸脱することなく、多くの変形が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織快適性材料のシートを備えるストーマパウチであって、前記織快適性材料のシートが外側表面及び反対側の内側表面を有し、前記織快適性材料の前記シートの前記外側表面は、前記パウチの前記外側表面の少なくとも一部を形成し、前記織快適性材料の前記シートの少なくとも一部はホットメルト接着剤でコーティング
され、前記パウチの前面を覆う織快適性材料の層が、重なり領域において重なり合う上部及び下部を備え、前記重なり領域の一方又は両方の部分に前記ホットメルト接着剤が設けられる、ストーマパウチ。
【請求項2】
前記ストーマパウチは、使用時に前記オストメイトから離れる方向を向く前側表面と、使用時に前記オストメイトの方に向く後側表面と、前記パウチの前記前側表面及び前記後側表面の両方を形成するその内側表面上にホットメルト接着剤がコーティングされた織快適性材料のシートとを備える、請求項1に記載のストーマパウチ。
【請求項3】
前記ホットメルト接着剤は、マスと前記マスにおける複数の空隙とを備えるウェブである、請求項1又は2に記載のストーマパウチ。
【請求項4】
前記空隙が前記ウェブの少なくとも50%を構成する、請求項3に記載のストーマパウチ。
【請求項5】
前記ホットメルト接着剤が前記織快適性材料の内側表面全体に塗布される、請求項1から4のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項6】
前記織快適性材料の前記シート又は各シートの前記内側表面が1つ以上の領域に分割され、前記領域のうちの1つ以上にホットメルト接着剤が塗布される、請求項1から4のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項7】
ホットメルト接着剤が設けられる領域が、更なる構成要素を前記織快適性材料に取り付けるように構成される、請求項6に記載のストーマパウチ。
【請求項8】
前記内側表面上にホットメルト接着剤が設けられた領域の反対側の前記織快適性材料の前記外側表面に取り付けられる更なる構成要素を備え、前記ホットメルト接着剤が前記織快適性材料を浸透して前記更なる構成要素を前記織快適性材料に結合する、請求項1から
7のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項9】
前記更なる構成要素が前記織快適性材料と同じ材料で形成される、請求項
8に記載のストーマパウチ。
【請求項10】
前記ストーマパウチが折り畳み可能なドレンを備え、折り畳み形態において、前記ドレンが前記ストーマパウチの前記外周内に留まり、前記ドレンは、前記快適性材料の前記シート又はシートに取り付けられた閉鎖手段によって前記折り畳み形態に保持され、前記閉鎖手段は、前記織快適性材料に溶着されたフラップを該フラップの上縁部に沿って備える、請求項1から
9のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項11】
前記ホットメルト接着剤が前記織快適性材料の前記シートの外周に塗布される、請求項1から
10のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項12】
前記織快適性材料がポリエステルを含む、請求項1から
11のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項13】
前記ホットメルト接着剤がエチレン-酢酸ビニル(EVA)を含む、請求項1から
12のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項14】
前記ホットメルト接着剤が20~30g/m
2の面積密度を有する、請求項1から
13のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のストーマパウチを形成する方法であって、ホットメルト接着剤で織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、前記コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、ストーマ出力を収容するためのキャビティを画定する後壁及び前壁を用意するステップと、前記後壁及び/又は前記前壁に隣接して前記織快適性材料のシートの前記内側表面を配置するステップと、前記ストーマパウチの前記後壁及び/又は前壁のうちの1つ以上に前記織快適性材料のシートの前記内側表面を結合するステップと、を含む方法。
【請求項16】
前記方法は、ホットメルト接着剤がその内側表面にコーティングされた織快適性材料の前側シートを前記前壁に結合するとともに、ホットメルト接着剤がその内側表面にコーティングされた織快適性材料の後側シートを前記ストーマパウチの前記後壁に結合するステップを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記パウチの前記結合が溶着によるものである、請求項
15又は
16に記載の方法。
【請求項18】
前記前壁が可撓性材料の透明シートを備え、前記方法は、前記織快適性材料の前記シートの前記内側表面を前記前壁に結合するステップを含む、請求項
15から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、少なくとも1つの更なる構成要素を織快適性材料の前記シートに結合するステップを含む、請求項
15から
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記更なる構成要素は、前記快適性材料を浸透する前記ホットメルト接着剤によって前記織快適性材料の前記外側表面に結合される、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記ホットメルト接着剤を織快適性材料のシートの一方側に塗布する前記ステップは、前記快適性材料の前記シートの前記内側表面を前記壁に結合する少なくとも1時間前に行なわれる、請求項
15から
20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ストーマパウチ用の快適性材料のシートを形成する方法であって、織材料のシートを用意するステップと、ホットメルト接着剤のウェブで織快適性材料のシートの一方側の少なくとも一部をコーティングして、コーティングを備える内側表面をもたらすステップと、を含む方法。
【請求項23】
前記快適性材料の前記シートがポリエステルを含み、前記ホットメルト接着剤がEVAを含む、請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
ホットメルト接着剤のウェブが、使用時に前記オストメイトの方に向く前記後側表面の少なくとも上部をコーティングし、ホットメルト接着剤のウェブが、前記パウチの前記前面を覆う織快適性材料の層の少なくとも上部をコーティングする、請求項2又はそれに従属するいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【請求項25】
前記パウチの前記前面を覆う前記快適性材料の前記層の少なくとも下部にはホットメルト接着剤のウェブが設けられない、請求項
22に記載のストーマパウチ。
【請求項26】
ストーマ出力を格納するためのキャビティを備え、該キャビティは、それらの外周で接合されて可撓性シート材料から形成される後壁及び前壁によって画定され、前記後壁及び前記前壁の前記内側表面が前記キャビティの内部を形成し、前記後壁及び前記前壁の前記外側表面が前記キャビティの外部を形成し、前記織快適性材料の前記シートは、前記前壁の前記外側表面を覆い、
前記ホットメルト接着剤の少なくとも一部は、前記快適性材料の前記内側表面上にあって、前記前壁の前記外側表面に隣接して、対向し、結合されない、請求項1から
14、
24又は
25のいずれか一項に記載のストーマパウチ。
【国際調査報告】