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特表2023-534610基部に蓋を取り付けるための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】基部に蓋を取り付けるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 7/28 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
B65B7/28 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022576156
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2021064936
(87)【国際公開番号】W WO2021249871
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】20179254.6
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510171922
【氏名又は名称】スウィーディッシュ・マッチ・ノース・ヨーロップ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ハフスタッド
【テーマコード(参考)】
3E049
【Fターム(参考)】
3E049AA05
3E049AB02
3E049BA04
3E049CA07
3E049DA01
3E049EB02
3E049EC02
(57)【要約】
本発明は、蓋(103)を基部(102)に取り付けるための装置(1)および方法に関する。蓋および基部は、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器(101)などの容器の一部を形成する。装置(1)は、支持体(3)と、基部を支持体上に配置するように構成された基部フィーダ(5)と、蓋ホルダ(9)を含む蓋ポジショナ(7)と、基部と蓋とを複合ユニット(109)として移動方向(TD)に移動させるように構成された可動子(11)と、を備える。蓋ポジショナは、蓋ピックアップ位置と蓋取付位置との間で移動可能であり、蓋ポジショナの蓋ピックアップ位置にある蓋ホルダは、蓋をピックアップするように構成されている。蓋ホルダは、蓋ポジショナが取付位置にあるときの移動方向に見て、前部(19)および後部(17)を有する。蓋ホルダは、蓋ポジショナの取付位置において、蓋ホルダが支持体に対して角度(α)をとることにより基部に対して事前定義可能な位置に蓋を保持するように構成され、蓋ホルダの前部が蓋ホルダの後部よりも支持体の近くに配置されている。可動子は、複合ユニットを蓋ホルダの後部から前部に向かって移動方向に移動させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋(103)を基部(102)に取り付けるための装置(1)であって、前記蓋(103)および前記基部(102)が、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器(101)などの容器の一部を形成し、前記装置(1)は、
支持体(3)と、
前記支持体(3)に前記基部(102)を配置するように構成された基部フィーダ(5)と、
蓋ホルダ(9)を含む蓋ポジショナ(7)と、
前記基部(102)および前記蓋(103)を複合ユニット(109)として移動方向(TD)に移動させるように構成された可動子(11)と、
を備え、
前記蓋ポジショナ(7)は、蓋ピックアップ位置と蓋取付位置との間で移動可能であり、
前記蓋ポジショナ(7)の前記蓋ピックアップ位置にある前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋(103)をピックアップするように構成されており、
前記蓋ポジショナ(7)が前記取付位置にあるとき、前記移動方向(TD)に見て、前記蓋ホルダ(9)が前部(19)および後部(17)を有し、
前記蓋ポジショナ(7)は回転軸(A)を備え、それにより、前記蓋ポジショナ(7)は、前記回転軸(A)の周りの回転によって前記蓋ピックアップ位置から前記蓋取付位置まで移動可能であり、前記回転軸(A)は、前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)に配置され、または前記後部(17)に隣接して配置され、
前記蓋ポジショナ(7)の前記取付位置において、前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋ホルダ(9)が前記支持体(3)に対して角度(α)をとることにより前記蓋(103)を前記基部(102)に対して事前定義可能な位置に保持するように構成され、前記蓋ホルダ(9)の前記前部(19)は、前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)よりも前記支持体(3)の近くに配置されており、
前記可動子(11)は、前記複合ユニット(109)を前記移動方向(TD)に前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)から前記前部(19)に向かって移動させるように構成されている、装置(1)。
【請求項2】
前記角度(α)が、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内にある、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記支持体(3)の表面は水平であり、前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋ポジショナ(7)の前記取付位置にあるとき、水平面に対して前記角度(α)をとる、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記蓋ホルダ(9)の前記前部(19)の前縁部(25)は、蓋ガイド(27)を備え、前記前縁部(25)は、前記前部(19)の最前部を形成し、前記蓋ガイド(27)は、前記蓋ホルダ(9)の残りの部分の表面に対して角度(γ)をとる傾斜面を含み、前記角度(γ)は、0°~30°の間、好ましくは0°~15°の間、より好ましくは1°~10°の間の範囲内にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記支持体(3)は、前記基部(102)の前部を前記蓋ホルダ(9)に向かって移動させるように構成された局所突出部を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋の前部(23)を前記支持体(3)に向かって移動させるように構成された局所突出部を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記蓋ポジショナ(7)の下流に配置された加圧ローラ(13)であって、前記複合ユニット(109)が前記加圧ローラ(13)を通過する間、前記加圧ローラ(13)は、前記蓋(103)に圧力を加えるように構成されている、加圧ローラ(13)、をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
蓋を基部(102)に取り付ける方法であって、前記蓋(103)および前記基部(102)が、例えば経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器(101)などの容器の一部を形成し、
前記方法は、
a)前記蓋(103)を準備するステップと、
b)前記基部(102)を準備し、前記基部(102)を支持体(3)に配置するステップと、
c)前記蓋(103)が前記基部(102)に対して角度(β)をとる、蓋ホルダ(9)によって前記基部(102)に対して事前定義可能な位置に前記蓋(103)を配置するステップであって、前記蓋(103)の前部(23)は、前記蓋(103)の後部(21)よりも前記基部(102)の近くに配置され、好ましくは、前記蓋(103)の前記前部(23)は、前記基部(102)に当接する、ステップと、
d)前記基部(102)および前記蓋(103)を複合ユニット(109)として、前記蓋ホルダ(9)の後部(17)から前部(19)に向かって移動方向(TD)に移動させるステップであって、前記複合ユニット(109)が前記蓋ホルダ(9)の前記前部(19)と前記支持体(3)との間の間隙内を前記移動方向(TD)に移動することにより、前記蓋(103)が前記基部(102)に連続的に取り付けられるようになっている、ステップと、
を含み、
ステップc)は、回転軸(A)を中心とした回転によって、前記蓋(103)を前記事前定義可能な位置に配置することを含み、前記回転軸(A)は、前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)に配置される、または前記後部(17)に隣接して配置される、方法。
【請求項9】
前記角度(β)は、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内にある、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップc)は、前記支持体(3)によって前記基部(102)の前部を前記蓋に向かって移動させることによって、前記蓋(103)を前記事前定義可能な位置に配置するステップを含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
ステップc)は、前記蓋ホルダ(9)によって前記蓋(103)の前記前部(19)を前記基部(102)に向かって移動させることによって、前記蓋(103)を前記事前定義可能な位置に配置するステップを含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
e)前記複合ユニット(109)が加圧ローラ(13)を通過する間、前記加圧ローラ(13)によって前記蓋(103)に圧力を加えるステップ、
をさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器などの容器の基部に蓋を取り付けるための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費または使用される1つまたは複数の製品を保持するための容器は、しばしば、1つまたは複数の製品を保持するための基部と、閉じた容器を形成するために基部の上に置かれることを意図した蓋と、を備える。
【0003】
容器が1つまたは複数の製品の鮮度を長期間維持できることがしばしば望ましい。好ましくは、蓋は再閉鎖可能であり、その場合、容器が初めて開封された後も、蓋が長期間、1つまたは複数の製品の鮮度を維持できることが望ましい。この目的を達成するために、蓋には、容器が閉じられたときに基部と蓋とがしっかりと接続されるのを助けるプロファイル、スナップイン要素など、例えば、防湿および/または気密接続を設けることができる。
【0004】
容器は子供を含む誰でも比較的簡単に開けることができる。ただし、これが望ましくない場合もある。したがって、蓋および/または基部には、子供などの不適切な人が容器の内容物にアクセスする危険性を低減することを意図した安全要素が設けられ得る。そのような解決策が、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0005】
容器に保管された一部の経口使用のためのパウチ製品、例えば、スナッフ製品またはスヌース製品などの経口使用のパウチ入りタバコ製品、経口使用のパウチ入りニコチン含有製品、または経口使用のパウチ入りニコチンフリー製品に関して、一般的に、製品は使用中に口腔内に配置されるが、飲み込むことは意図されていないため、容器には、使用済み製品をきれいにそして整然とした方法で廃棄できるように、使用済み製品を保持するための廃棄コンパートメントが設けられ得る。
【0006】
容器は、通常、20個~25個の範囲の製品など、10個~30個の範囲の製品を含む、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器であってもよい。製品は、例えば特許文献3に記載されているように、ユーザ容器にランダムに、またはパターンで配置され得る。本明細書で開示されるユーザ容器は、消費者パッケージをポケットまたはハンドバッグに入れて便利に持ち運ぶのに適した形状およびサイズを有する消費者パッケージであり、経口使用のための任意の既知のタイプのパウチ製品を包装するために使用され得る。
【0007】
容器の上述の特徴、例えば、内容物を新鮮に保つのを助けたり、不適切な人が容器を開けにくくしたり、および/または廃棄コンパートメントを提供したりすることは、多くの場合、蓋および/または基部が、単なる基部の真っ直ぐな壁および平面の蓋よりも、より洗練された複雑な形状をしている。ただし、そのような形状は、容器を安全に閉じ、なおかつ蓋および/または基部を損傷する危険を冒さない方法で蓋を基部に配置することをより困難にする可能性がある。
【0008】
したがって、蓋を基部に取り付けるための装置および/または方法であって、基部および/または蓋の洗練された複雑な形状に対応し、蓋の取り付け中に蓋および/または基部を損傷する危険性を低減するか、または好ましくは回避する、方法/装置、を提供することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2017/125405号
【特許文献2】国際公開第2019/154971号
【特許文献3】国際公開第2012/069505号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Federal Register/ vol.74,no.4/712-719/Wednesday,January 7,2009/Notices ”Total moisture determination”
【非特許文献2】AOAC(Association of Official Analytical Chemics),Official Methods of Analysis 966.02:”Moisture in Tobacco”(1990),Fifth Edition,K.Helrich(ed)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本開示の目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服または改善すること、または有用な代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、独立請求項の主題によって達成することができる。実施形態は、添付の従属請求項、以下の説明、および図面に記載されている。
【0013】
本発明は、請求項1に記載の基部に蓋を取り付けるための装置に関する。蓋および基部は、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器などの容器の一部を形成する。
【0014】
この装置は、支持体と、支持体上に基部を配置するように構成された基部フィーダと、蓋ホルダを含む蓋ポジショナと、基部と蓋とを複合ユニットとして移動方向に移動させるように構成された可動子と、を備えている。蓋ポジショナは、蓋ピックアップ位置と蓋取付位置との間で移動可能であり、蓋ポジショナの蓋ピックアップ位置にある蓋ホルダは、蓋をピックアップするように構成されている。蓋ホルダは、蓋ポジショナが取付位置にあるときに移動方向に見て前部と後部とを有する。蓋ホルダは、蓋ポジショナの取付位置において、蓋ホルダが支持体に対して角度αをとることによって、基部に対して事前定義可能な位置に蓋を保持するように構成されており、蓋ホルダの前部が蓋ホルダの後部よりも支持体の近くに配置されている。可動子は、複合ユニットを蓋ホルダの後部から前部に向かって移動方向に移動させるように構成されている。
【0015】
したがって、この装置では、蓋が蓋ホルダ内で取り上げられ、支持体上に配置された基部の上に配置される。典型的には、基部は、蓋取り付け装置に供給されるときに、容器に含まれる1つまたは複数の製品で満たされる。蓋ホルダの角度αにより、蓋は基部に対して対応する角度βで保持される。これにより、蓋の前部は後部より基部に近い。移動方向から見て、蓋の前部が蓋の先端、後部が後端である。好ましくは、蓋は、前部で基部に当接するように基部に近接して保持される。蓋の適用プロセスの開始からすでに蓋を基部と接触させたままにすることによって、蓋と基部との間の相互接続のより制御された開始を達成することが可能であり得る。
【0016】
その後、可動子により蓋と基部との複合ユニットを単体として走行方向に移動させる。蓋ホルダの下方前部が後部よりも支持体に近いため、蓋ホルダの前部によって押し下げられて、蓋が基部に順次取り付けられ、複合ユニットは、蓋ホルダと支持体との間の間隙で移動方向に移動する。蓋ホルダと支持体との間の距離は、蓋ホルダの前部が適切な圧力を加えて基部に蓋を正しく取り付けることができるように、組み合わされる基部と蓋との高さに構成する。
【0017】
蓋は、装置の一部を形成し得る蓋フィーダによって蓋ポジショナに提供されてもよい。
【0018】
本明細書で使用される「蓋が基部に取り付けられている」という表現は、蓋が基部と物理的に接触することを意味する。これは、複合ユニットが蓋ホルダと支持体との間の間隙内で移動方向に移動している間に連続して発生する。
【0019】
蓋部分は、容器が蓋ホルダと支持体との間の間隙で閉じられるように基部に取り付けられてもよい。それにより、容器が閉じられたときに基部と蓋との間の緊密な接続を形成するために提供されるプロファイル、スナップイン要素などは、例えば、スナップイン要素が互いに係合することによって、間隙内で作動され得る。
【0020】
代替的に、蓋は、基部と物理的に接触する所望の位置にもたらされるが、容器の実際の閉鎖は、例えば、本明細書に記載の任意選択の加圧ローラによって、蓋ホルダから分離され、その下流に位置する蓋閉鎖ユニットによって行われる。その場合、容器が閉じられたときに基部と蓋との間の緊密な接続を形成するために設けられるプロファイル、スナップイン要素は、蓋ホルダによって互いに接触させられ、続いて、例えば、蓋閉鎖ユニットが蓋と基部とを一緒に押して、蓋と基部とのスナップイン要素を互いに通過させ、相互に係合させることによって、蓋閉鎖ユニットによって作動され得る。
【0021】
本明細書に開示される装置における移動方向は、可動子が蓋と基部との複合ユニットを移動するように構成される方向として定義される。本明細書で使用される移動方向という用語は、製造ラインまたは組立ラインにおける装置および可能な他のユニットを通る経路を示す。したがって、移動方向という用語は、直線を限定的に意味するのではなく、装置の上流から装置の下流への移動方向を表す。
【0022】
本明細書に記載の装置を利用することにより、寛大かつ安全な方法で蓋を基部に取り付けることが可能である。この装置は、基部および/または蓋の洗練された複雑な形状に特に有用である。本明細書に開示される蓋装着装置は、例えば、蓋の成形エッジ部分を基部の成形エッジ部分と連続的に相互係合させることによって、基部および/または蓋に損傷を与える危険を冒すことなく、蓋装着が円滑に進行し得ることを確認する。蓋ホルダの形状および/または角度αは、特定の蓋/基部の組み合わせの形状に構成させることができる。しかしながら、この装置はまた、真っ直ぐな壁と平らな蓋とを有する基部を備えた容器のような、より単純な形状に対してもうまく機能する。したがって、本明細書に記載の装置は、非常に汎用性が高く、単純な構成から非常に複雑で洗練された構成に至る、基部および/または蓋の多くの異なる種類の構成に対してうまく機能する。さらに、この装置は、円形の断面を有する容器にも、角が丸められた正方形または長方形の断面などのエッジのある断面を有する容器にも適している。
【0023】
さらに、装置は、蓋の取り付け中に蓋および/または基部を損傷する危険性を低減または回避することさえできる。これにより、生産ラインの不良率が減少する。
【0024】
いくつかの先行技術の装置では、蓋が真上から基部に取り付けられる。しかし、これは、蓋と基部とが互いに対して十分に中心にあるという非常に高い要求を課す。完全に位置合わせされていない場合、気密容器を実現するため、および/または不適切なユーザが上記の容器を開くのを避けるために使用される機能など、特に洗練された複雑な形状を有する蓋および基部の場合、蓋を取り付ける際に蓋および/または基部が損傷する危険性が高い。
【0025】
本明細書に開示される装置を利用することにより、基部に対する蓋のセンタリングに関して、真上にある従来技術の解決策よりも高い公差が存在する。これにより、基部は、例えば自動調整方式で蓋に対して調整されるように、支持体上でわずかに横方向に移動することができる。さらに、蓋を基部に連続的に取り付けることにより、蓋の取り付けに使用される力は、真上にある従来技術の解決策よりも少なくてよい、すなわち、使用される圧力が少なくてよい。これは、蓋および/または基部への損傷の危険性を軽減または回避するのに役立つ。
【0026】
さらに、本明細書に開示される装置では、角度αは、蓋の幾何学的形状、例えば、気密性または子供の安全のために使用される廃棄コンパートメントまたはフランジまたはプロファイルなど、基部の底部に向かう方向に突出する1つまたは複数の部分を有する蓋に構成させることができる。純粋に一例として、そのような突起は、蓋の上面から測定して、4mm~8mmなど、0mm~10mmの範囲で基部に向かう方向に突出していてもよい。例示的な廃棄コンパートメントは、例えば、蓋の上面から測定して4mm~8mm突出していてもよい。本発明による装置は、廃棄コンパートメントが、気密性または子供の安全のために使用されるプロファイルまたはスナップイン要素よりも突出している蓋に対してもうまく機能することがわかっている。このような蓋は、従来技術の装置では取り扱いが困難であった。
【0027】
角度αは、基部への蓋の連続的な取り付けを制御するために使用される。角度が小さい場合、蓋の大きな部分が同時に取り付けられ、複合ユニットは可動子によって移動される。蓋の連続的な取り付けは、蓋ホルダに対する可動子の速度にも影響される。典型的には、蓋ホルダは、その前のステップで蓋を位置決めするために移動しているが、連続する取り付けの間、静止している、すなわち動かされていない。さらに、支持体は、少なくともその後の取り付けの間、静止できる。その場合、蓋と土台部との複合ユニットの移動は可動子のみで行う。
【0028】
基部フィーダにおける基部の移動方向は、複合ユニットの移動方向と一致していてもよい。その場合、コンベアが支持体を形成し得る。したがって、基部フィーダおよび支持体は、装置の同じユニットであってもよい。同じ、または別のコンベアが可動子を形成してもよい。その場合、基部フィーダ、支持体、および可動子は、装置の同じユニットであってもよい。1つまたは複数のコンベアを備えた装置の場合、蓋ポジショナは、移動方向に対して角度を付けた方向から蓋が供給されるように、例えば角度が、例えば側面から、20°~160°、好ましくは45°~135°、より好ましくは60°~120°の範囲にあるように配置することができる。その場合、移動方向に垂直な方向から蓋を供給することが最も好ましい場合がある。代替的に、蓋は、コンベアの移動方向と平行な方向に供給されてもよいが、蓋ポジショナはコンベア上の適切な高さに配置されている。
【0029】
代替として、基部フィーダは、例えば、基部が、例えば側面から20°~160°の範囲、好ましくは45°~135°、より好ましくは60°~120°の角度で装置に供給されるように、移動方向とは別の方向から基部を供給することができる。その場合、蓋は移動方向と平行な方向に送られる。しかしながら、蓋は移動方向に平行ではない別の方向から供給されてもよい。
【0030】
結論として、蓋と基部とのそれぞれの送り方向の選択には、互いの関係と移動方向との両方に関して高い自由度がある。さらに、例えば、支持体と基部フィーダとの組み合わせ、または支持体と基部フィーダと可動子との組み合わせなど、装置の2つ以上のユニットを単一の複合ユニットに組み合わせる高い自由度がある。
【0031】
本開示は、容器に蓋をするための装置の使用にも関する。容器は、経口使用のためのパウチ製品のユーザ容器であってもよい。
【0032】
経口使用のためのパウチ製品は、経口使用のパウチタバコ製品、例えば嗅ぎタバコ製品もしくはスヌース製品、経口使用のパウチニコチン含有製品、または経口使用のパウチニコチンフリー製品であってよい。
【0033】
経口使用のためのパウチ製品は、小分け包装されていてもよい。すなわち、各パウチは、適切なサイズの一部を構成することを意図したある量の充填材料を封入している。経口使用のためのパウチ製品は、ユーザの頬腔、例えば上歯茎および/または下歯肉と唇との間に快適かつ目立たないように適合するように構成されている。経口使用のためのパウチ製品は、飲み込むことを意図したものではない。
【0034】
本明細書に記載の経口使用のためのパウチ製品は、乾燥、半乾燥、または湿っていてもよい。一般に、ドライパウチ製品の水分含有量は10重量%未満であり、湿ったパウチ製品の水分含有量は40重量%を超えている。セミドライパウチ製品の水分含有量は10重量%~40重量%である。
【0035】
本明細書で使用する場合、「経口使用のためのパウチ製品」という用語は、経口使用を目的とした唾液透過性包装材料に詰められた、ニコチン含有またはニコチンフリーの無煙タバコまたはタバコ不使用の充填材料の一部を指す場合がある。
【0036】
パウチ製品は、製造中に充填材料にフレーバーを混合することによってフレーバーを付けてもよい。追加的に、または代替的に、フレーバーは、パウチ製品が製造された後にパウチ製品に添加されてもよい。
【0037】
本明細書で使用される「タバコ」という用語は、ニコチアナ属の任意のメンバーの葉、茎、および茎などの任意の部分を意味する。タバコは、丸ごと、細断、脱穀、切断、すりつぶし、硬化、熟成、発酵、または他の方法、例えば粒状にするまたはカプセル化するなどで処理することができる。
【0038】
「タバコ材料」という用語は、本明細書では、タバコの葉、または葉身および茎などの葉の一部に対して使用される。葉および葉の部分は、すりつぶす、切断する、細断する、または脱穀するなど、細かく分割(崩壊)することができ、葉の部分はタバコ材料に規定の割合でブレンドすることができる。
【0039】
充填材は、刻んだタバコ材料または切断したタバコなどの細かく分割されたタバコ材料を含んでもよい。タバコ材料に加えて、充填材料は、以下の、水、塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、およびそれらの任意の組み合わせ)、pH調整剤、香味剤、冷却剤、加熱剤、甘味料、着色料、保湿剤(プロピレングリコール、グリセロールなど)、酸化防止剤、保存料(ソルビン酸カリウムなど)、結合剤、崩壊助剤、のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。一例では、充填材料は、細かく分割されたタバコ材料、塩化ナトリウムなどの塩、およびpH調整剤を含むか、またはそれらからなる。
【0040】
ニコチンが添加された、タバコ含有量のない、または少ないパウチ製品の場合、充填材料のニコチンは、合成ニコチンおよび/またはタバコ植物からのニコチン抽出物であってもよい。さらに、ニコチンは、ニコチン塩基および/またはニコチン塩の形態で存在し得る。ニコチン塩は遊離していてもよい。すなわち、ニコチン塩は、上記成分と化学的に結合することなく、製品の他の成分と混合される。追加的に、または代替的に、ニコチン塩は、充填材料の1つまたは複数の成分と化学的に結合し得る。例えば、ニコチン塩は、アルギン酸塩粒子またはセルロースと結合し得る。
【0041】
本明細書で使用する場合、「水分含量」という用語は、言及される調製物、組成物または製品中の水および他のオーブン揮発性物質(例えば、プロピレングリコール)などのオーブン揮発性成分の総量を指す。水分含有量は、本明細書では、言及される調製物、組成物または製品の総重量の重量パーセント(wt%)として与えられ得る。特に明記しない限り、水分含有量は充填材料の重量に関連してここに示されている。
【0042】
ここでいう水分量は、非特許文献1および非特許文献2に基づく方法を使用することによって決定され得る。この方法では、水分含有量は、2.5±0.25gのサンプルを採取し、水分の蒸発前および脱水完了後に温度22℃、相対湿度60%であると本明細書に定義される周囲条件でサンプルの重量を測定することによって重量測定で決定される。本明細書に記載されている値では、メトラートレドの水分計HB43、ハロゲン加熱技術を備えた天びんが使用されている(前述の参考文献のようなオーブンと天びんの代わりに)。サンプルは105°Cに加熱される(言及された参考文献のように99.5±0.5°Cの代わりに)。90秒間の時間枠で重量変化が1mg未満になると、測定が停止する。サンプルの重量パーセントとしての水分含有量は、水分計HB43によって自動的に計算される。
【0043】
経口使用のためのパウチ製品は、パウチ形成後に後加湿される(post-moisturized)場合とパウチ形成後に後加湿されない場合とがある。後加湿されていないパウチ製品は、本明細書では非後加湿と呼ばれる。加湿後のパウチ製品は、パウチ製品をユーザの容器に梱包する前に、パウチ製品に水を噴霧することによって製造され得る。加湿後のパウチは、「オリジナル」製品と呼ばれることがある。後加湿されていないパウチ製品は、「白い」製品と呼ばれることがあり、一部の消費者に、より魅力的な外観を持っていると考えられている。湿ったまたは半乾燥の嗅ぎタバコまたはスヌース製品を含む最終パウチ製品の含水量は、通常、パウチ製品の重量に基づいて25重量%~55重量%の範囲内である。
【0044】
パウチに使用される包装材料は、通常、ビスコースなどの不織布材料である。包装材料は、化学バインダを含んでいてもよい。不織布とは、織ったり編んだりしていない生地のことである。不織布材料の製造方法は、当技術分野で一般的に知られている。
【0045】
経口使用のためのパウチ製品は、通常サイズが調整され、ユーザの口の中の上歯茎または下歯肉と唇との間で快適かつ目立たないように適合するように構成されている。一般に、経口使用のためのパウチ製品は、一般的に長方形の形状をしている。経口使用のための市販のパウチ製品のいくつかの典型的な形状(長さx幅)は、例えば、35mm×20mm、34mm/35mm×14mm、33mm/34mm×18mm、27mm/28mm×14mm、34mm×10mm、38mm×14mmである。経口使用のための典型的なパウチ製品は、製品の縦方向に沿って25mm~40mmの範囲内の最大長さ、および製品の横方向に沿って5mm~20mmの範囲内の最大幅を有し得る。パウチ製品の厚み(「高さ」)は、通常2mm~8mmの範囲である。経口使用のための市販のパウチ製品の総重量は、典型的には、パウチ製品当たり約0.5g~1.7gなど、約0.3g~約3.5gの範囲内である。
【0046】
この装置は、上述の装置のように単一の生産ラインを含んでもよい。しかしながら、装置はまた、並行して作動する2つ以上の生産ラインを含んでもよい。
【0047】
角度αは、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内であってもよい。したがって、真上から蓋を取り付けることに対応する、つまり蓋ホルダが支持体に対して平行になる0°の角度は、この範囲には含まれない。角度αが小さいと、蓋のより多くの部分が同時に取り付けられ、複合ユニットは可動子によって移動する。角度αは、好ましくは、蓋および基部の形状に構成される。
【0048】
蓋ホルダは、蓋の上面に構成した表面を有してもよい。蓋ホルダの表面が平面である場合、角度αはその表面に対して測定される。蓋ホルダの表面が非平面である場合、蓋ホルダの表面の主要部分の平均平面として理論上の蓋平面が取得され、角度αはその理論平面から測定される。
【0049】
支持体の表面は水平であり、蓋ホルダは、蓋ポジショナの取付位置にあるとき、水平面に対して角度αをとることができる。これにより、基部は水平位置に保持され、それにより、蓋が取り付けられる前に、容器内に保持された1つまたは複数の製品が容器から落下する危険性が最小限に抑えられるか、好ましくは回避される。
【0050】
蓋ホルダの前縁部は、蓋ガイドを備えていてもよく、前縁部は、蓋ホルダの前部の最前部を形成する。蓋ガイドは、角度αと比較して別の方向、好ましくは反対方向に角度が付けられた傾斜面を備えてもよい。蓋ガイドは、蓋ホルダの残りの部分の表面に対して角度γをとり、角度γは、0°~30°の間、好ましくは0°~15°の間、より好ましくは1°~10°の間の範囲内にある。蓋ガイドは、蓋ポジショナが取付位置にあるとき、移動方向で測定して、蓋の延在長の半分未満、好ましくは1mm~15mmの範囲、より好ましくは5mm~10mmの範囲である最大延在長を有し得る。蓋ガイドは、角度αを定義する蓋ホルダの表面の主要部分の一部を形成しない。
【0051】
蓋ガイドは、蓋が蓋フィーダから蓋ポジショナに移動するときに蓋をガイドするように構成されている。次いで、蓋は、蓋ホルダの前縁部を通過することによって蓋ホルダ上に移動され得る。本明細書に記載の蓋ガイドを利用することにより、蓋は蓋フィーダから蓋ポジショナに容易に移送される。特に、蓋ガイドは、蓋が前縁部に引っかかる危険性を軽減または回避するのに役立つ。蓋フィーダは、本明細書に記載の装置の一部を形成し得る。
【0052】
蓋ポジショナは回転軸を備え、それにより、蓋ポジショナは、回転軸の周りの回転によって蓋ピックアップ位置から蓋取付位置まで移動可能である。回転軸の位置は、例えば蓋を動かす回転角度の大きさに依存する。回転軸は、蓋ホルダの後部に、または後部に隣接して配置されている。これにより、蓋は、蓋自体の後部に、またはそれに隣接して配置された枢軸で枢動される。これは、基部に対して所望の位置に蓋を配置する効率的な方法であることが証明されている。
【0053】
蓋を基部に対して所望の位置に位置決めするための代替または補足として、支持体は、基部の前部を蓋ホルダに向かって移動させるように構成された局所突出部を備えてもよい。局所突出部は、例えばこぶまたは円柱であってもよい。局所突出部は永続的、すなわち支持体に常に存在していてもよいし、蓋の取り付け中に局所突出部が作動されていてもよい。局所突出部は、蓋が基部に対して所望の角度αをとるように、基部の前部を蓋に向かって持ち上げるのに役立つ。その後、可動子により蓋と基部との複合ユニットを移動させる。複合ユニットが局所突出部の上を通過すると、局所突出部によって基部が上方に押し上げられ、蓋が基部に順次取り付けられる。それにより、局所突出部は、それが基部の一部のみを上方に押し上げるように構成されたサイズおよび位置を有し、その部分は典型的には半分未満である。
【0054】
蓋を基部に対して所望の位置に位置決めするためのさらなる代替または補足として、蓋ホルダは、蓋の前部を支持体に向かって移動させるように構成された局所突出部を備えてもよい。局所突出部は、例えばこぶまたは円柱であってもよい。局所突出部は永続的、すなわち、蓋ホルダ内に常に存在していてもよいし、または局所突出部が蓋の取り付け中に作動してもよい。局所突出部は、蓋が基部に対して所望の角度αをとるように、基部に向かって蓋の前部を下げるのに役立つ。その後、可動子により蓋と基部との複合ユニットを移動させる。複合ユニットが局所突出部の下を通過すると、局所突出部によって蓋が下方に押されることにより、蓋が基部に順次取り付けられる。それにより、局所突出部は、蓋の一部のみを下方に押すように構成されたサイズおよび位置を有し、その部分は典型的には半分未満である。
【0055】
装置は、任意選択として、蓋ポジショナの下流に配置された加圧ローラをさらに備えてもよい。加圧ローラは蓋に圧力を加えるように構成されており、複合ユニットは加圧ローラを通過する。加圧ローラは、蓋が基部に適切に取り付けられていることを確認するために使用できる。蓋ホルダと支持体との間の間隙で容器が閉じられなかった場合、上記のように、蓋が基部と物理的に接触するだけで、加圧ローラは、蓋に圧力を加えることによって容器を閉じることができ、これにより、例えば、蓋と基部とを一緒に押して、蓋と基部とのスナップイン要素を互いに通過させ、相互に係合させることにより、プロファイルおよび/またはスナップイン要素を作動させる。加圧ローラは、蓋のラベルが適切に取り付けられていることなどを確認するためにも使用できる。
【0056】
本発明はさらに、蓋を基部に取り付けるための請求項8に記載の方法に関し、前記蓋と前記基部とは、容器、例えば経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器の部品を形成する。本方法は、
a)蓋を準備するステップと、
b)基部を準備し、それを支持体上に置くステップと、
c)蓋が基部に対して角度βをとる、蓋ホルダによって基部に対して事前定義可能な位置に蓋を位置決めするステップであって、蓋の前部は、蓋の後部よりも基部の近くに配置され、好ましくは、蓋の前部が基部に当接する、ステップと、
d)基部および蓋を複合ユニットとして、蓋ホルダの後部から前部に向かう移動方向に移動させるステップであって、複合ユニットが蓋ホルダの前部と支持体との間の間隙内を移動方向に移動することによって、蓋が基部に連続的に取り付けられるようになっている、ステップと、
を含む。
【0057】
この方法は、本明細書に記載の装置で実行することができる。「基部に…取り付けられる」という表現は、装置に関連して上で説明されている。
【0058】
ステップa)において、蓋ポジショナがピックアップ位置にある状態で、蓋ホルダによって蓋を持ち上げることができるように、一度に1つの蓋が送られる。
【0059】
ステップb)は、本明細書に記載の基部フィーダによって実行され得る。
【0060】
ステップc)は、本明細書に記載の蓋ポジショナによって実行され得る。その場合、基部に対する蓋の角度βは、支持体と蓋ホルダとの間の角度αによって直接的または間接的に与えられる。純粋に一例として、支持体と蓋ホルダとの両方が平面を有する場合、蓋は、蓋ホルダに対して保持される平面または実質的に平面の上面を有し、基部は、平面または実質的に平面の底部および等しい高さの真っ直ぐな壁を有し、角度αとβとは通常一致する。
【0061】
ステップd)における移動は、本明細書に記載の可動子によって実行され得る。
【0062】
角度βは、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内であってもよい。角度βが小さいと、蓋のより多くの部分が同時に取り付けられ、複合ユニットは可動子によって移動される。角度βは、好ましくは、蓋および基部の形状に構成される。上述のように、角度βは、支持体と蓋ホルダとの間の角度αによって与えられてもよい。蓋を真上から適用することに対応する、つまり、蓋が基部に対して平行になる0°の角度は、この範囲には含まれない。
【0063】
ステップc)は、回転軸の周りを回転させることによって、基部に対して蓋を事前定義可能な位置に配置することを含む。回転軸の位置は、例えば、蓋を動かす回転角度の大きさに依存する。回転軸は、蓋ホルダの後部に、または後部に隣接して配置されている。それによって、蓋は、蓋自体の後部にまたはそれに隣接して位置する旋回軸、すなわち回転軸で旋回する。これは、基部に対して所望の位置に蓋を配置する効率的な方法であることが証明されている。
【0064】
代替または補足として、ステップc)は、支持体によって基部の前部を蓋に向かって移動させることによって、蓋を事前定義可能な位置に位置決めすることを含んでもよい。これは、本明細書に記載された支持体の局所突出部によって実行され得る。
【0065】
さらに代替または補足として、ステップc)は、蓋ホルダによって蓋の前部を基部に向かって移動させることによって、蓋を事前定義可能な位置に配置することを含んでもよい。これは、本明細書に記載された蓋ホルダの局所突出部によって実行され得る。
【0066】
したがって、基部への蓋の連続的な取り付けは、蓋を回転させる、基部を局所的に持ち上げる、および/または蓋を基部に向けて局所的に押し付けるような、本明細書の装置について説明された方法のいずれか、またはそれらの方法の組み合わせで達成され得る。
【0067】
本方法は、
e)複合ユニットが加圧ローラを通過する間、加圧ローラによって蓋に圧力を加えるステップ、
をさらに含み得る。
【0068】
ステップe)は、装置と共に本明細書に記載の加圧ローラによって実施されてもよい。
【0069】
加圧ローラは、蓋が基部に適切に取り付けられていることを確認するために使用され得る。容器が蓋ホルダと支持体との間の間隙で閉じられていない場合、蓋が基部と物理的に接触するだけで、加圧ローラは、蓋に圧力を加えることによって容器を閉じることができ、それによって、例えば、スナップイン要素を作動させる。加圧ローラは、蓋のラベルが適切に取り付けられていることなどを確認するためにも使用され得る。
【0070】
本明細書で述べるように、加圧ローラは、蓋が初期の蓋閉鎖ステップの後に適切に閉鎖されたことを確認するために設けられる補助的な蓋閉鎖ユニットであってもよい。代替的に、加圧ローラは、本明細書に開示される蓋を取り付けるための装置における唯一の蓋閉鎖ユニットを構成してもよい。
【0071】
本発明は、添付の図面を参照して非限定的な例によって以下にさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1a】ユーザ容器の蓋を示す図である。
図1b】ユーザ容器の基部を示す図である。
図2a】別のユーザ容器の蓋を示す図である。
図2b】別のユーザ容器の蓋と基部とを示す図である。
図2c】別のユーザ容器の基部を示す図である。
図3】本発明による装置を示す図である。
図4a】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4b】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4c】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4d】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4e】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4f】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4g】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図4h】本明細書に開示される装置の基部への蓋の取り付けを示す断面図である。
図5図4cの位置にある装置の詳細図である。
図6図4cの位置にある蓋および基部の詳細図である。
図7】蓋を配置する代替方法を示す図である。
図8】蓋を配置する別の代替方法を示す図である。
図9】本明細書で開示される方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
添付の図面は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本発明のいくつかの特徴の寸法は、明確にするために誇張されている可能性があることに留意されたい。
【0074】
本発明は、以下の実施形態によって例示される。しかし、実施形態は、本発明の原理を説明するために含まれており、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。2つ以上の実施形態からの詳細は、互いに組み合わせることができる。
【0075】
図1a~図1bは、経口使用のためのパウチ製品用の市販のユーザ容器101を示している。ユーザ容器101は、基部102と蓋103とを備える。ユーザ容器101は、特許文献1に記載されているタイプのチャイルドレジスタント容器であり、ユーザ容器の詳細について文書参照がなされている。図1aおよび図1bは、蓋103および基部102を別個の構成要素として示している。蓋103は、基部102に取り付けられて、ユーザ容器101を形成する。
【0076】
ユーザ容器101には、蓋103を基部102にロックするためのロック機構が設けられている。基部102は、底壁105と、基部側壁107と、基部側壁107とコンパートメント壁117との間に空間114を有する基部側壁107の内側に配置されたコンパートメント壁117と、を備える。基部側壁107の一部は、弾性的に柔軟な舌部133によって形成され、舌部133の上部は、コンパートメント壁117に向かう方向に内側に偏向可能である。ロック装置は、弾性的に柔軟な舌部133の上部に配置された第1のロック部材122と、蓋側壁の端縁113で蓋103に配置された第2のロック部材123と、を備える。ロック構成120は、ロック構成および解放構成を想定するように配置され、ロック構成120では、弾性的に柔軟な舌部133の上部が内側に撓んだ位置にある。
【0077】
したがって、ユーザ容器101は、第1のロック部材122、第2のロック部材123、舌部133などの多数の安全要素を含み、これらは、子供などの不適切な人物が、ユーザ容器101の内容物にアクセスするという危険を低減することを意図している。しかし、同時に、これらの安全要素は、基部102および蓋103の洗練された複雑な形状をもたらす。したがって、いくつかの従来技術の装置のように、真上から蓋103を取り付ける場合、基部102と蓋103とが互いに対して十分に中心にあることが非常に重要である。なぜなら、そうしないと、蓋103を取り付けるために使用される力によって安全要素が損傷する危険があるからである。
【0078】
図2a~図2cは、経口使用のためのパウチ製品用の別の市販のユーザ容器201を示している。ユーザ容器201は、基部202(図2c参照)と、蓋203(図2a参照)と、を備える。図2bは、蓋203の断面を示している。蓋203には、使用済み製品をきれいにそして整然と廃棄できるように、使用済み製品を保持するための廃棄コンパートメント209が設けられている。例示的な廃棄コンパートメント209は、蓋203の上面211から測定して4mm~8mm突出し得る。したがって、廃棄コンパートメント209を含むユーザ容器201も、平らな蓋を有する標準的なユーザ容器よりも複雑な形状を有する。
【0079】
図示された両方のユーザ容器101、201は、ユーザ容器101、201が初めて開封された後も、ユーザ容器101、201に含まれる1つまたは複数の製品の鮮度を長期間維持するように構成される。この目的を達成するために、蓋103、203には、ユーザ容器101、201が、例えば防湿および/または気密接続で閉じられたとき、基部102、202と蓋103、203とが緊密に接続するのを助けるプロファイル、スナップイン要素などの相互接続可能な特徴が設けられている。
【0080】
図3は、本発明による基部に蓋を取り付けるための装置1の斜視図を示す。本明細書に記載の装置を利用することによって、蓋103、203を基部102、202に寛大で安全な方法で取り付けることが可能であり、これについては以下で詳細に説明する。
【0081】
図3において、基部および蓋は、図1a~図1bに示されるユーザ容器101の基部102および蓋103として描かれた例示的なものである。ただし、本明細書に記載の装置1は、非常に用途が広く、図2a~図2cに示されるように、単純な構成から、廃棄コンパートメント209を備えたユーザ容器201を含む、非常に複雑で洗練されたものへと変化し、基部および/または蓋の多くの異なる種類の構成に対してうまく機能する。
【0082】
装置1は、支持体3、基部フィーダ5、蓋ホルダ9を含む蓋ポジショナ7、および可動子11を備えている。基部フィーダ5は、基部102を支持体3上に一度に1つずつ配置するように構成されている。蓋ポジショナ7は、図3に示す蓋ピックアップ位置と図4cに関連して以下に説明する蓋取付位置との間で移動可能である。蓋ポジショナ7の蓋ピックアップ位置では、蓋ホルダ9は、蓋フィーダ(図3には図示せず)から一度に1つの蓋103をピックアップするように構成される。可動子11は、蓋103が基部102上に配置されると、基部102と蓋103とを複合ユニットとして移動させるように構成され、これについては図4dおよび図4eに関連して以下に説明する。複合ユニットは、装置1から遠ざかる方向である移動方向TDに動かされる。
【0083】
任意選択として、図3に示されるように、装置は加圧ローラ13を備えている。加圧ローラ13は、図4eおよび図4fに関連して以下で説明されるように、複合ユニットが加圧ローラ13を通過する間、蓋103に圧力を加えるように構成される。
【0084】
装置1の断面図を示す図4a~図4hの一連の図は、本発明による別の装置における基部への蓋の取り付けを示している。この一連の図は、基部102に蓋103を取り付けるサイクルを示している。サイクルが実行された後、または複合ユニット109が蓋ホルダ9から離れたサイクルの終わりに、装置1は次の基部に次の蓋を装着する準備ができている。図4a~図4hの装置1は、図3の装置に対応するユニットおよび構成要素を備えている。図4a~図4hの装置1のユニットおよび構成要素の相対位置も、図3の装置のものに対応する。したがって、簡単にするために、同じ表示および参照記号が使用される。
【0085】
図4aに示した位置において、図3に示したユニットとコンポーネントとの相対位置に対応し、蓋ポジショナ7は蓋ピックアップ位置にあり、蓋ホルダ9は蓋フィーダ15から蓋103をピックアップしている。蓋フィーダ15は、本明細書に記載の装置1の一部を形成することができる。基部102は、基部102がそれに取り付けられた蓋103を有する準備ができている位置で、支持体3上に配置されている。典型的には、基部102は、経口使用のための多数のパウチ製品など、ユーザ容器101に収容される1つまたは複数の製品によって充填された後に、装置1に供給される。
【0086】
蓋ポジショナ7は、蓋ポジショナが、回転軸Aを中心とした回転によって図4aに示される蓋ピックアップ位置から図4cに示される蓋取付位置まで移動可能であるように、図4aにxで示される回転軸Aを備えている。図示の例では、回転軸Aは、蓋ホルダ9の後部17に隣接して配置されている。蓋ホルダ9の後部17は、蓋ポジショナ7が取付位置にあるとき、可動子11の移動方向TDから見たものである(図4c参照)。蓋ポジショナ7が取付位置にあるときの可動子11の移動方向TDに見られる蓋ホルダ9の反対側の部分は、蓋ホルダ9の前部19として示される。また、蓋103は後部21と前部23とを有し、後部21と前部23との相対位置は、蓋ポジショナ7が、蓋ホルダ9と同様に取付位置にあるときの可動子11の移動方向TDに見て決定される(図4c参照)。ただし、図4aに示される蓋ポジショナ7のピックアップ位置における構成要素の相対位置のために、後部17、21は実際には前部19、23の前方にある。
【0087】
蓋ポジショナ7が回転軸Aを中心に回転することにより、蓋103は、蓋103自体の後部21に隣接して位置する旋回軸で旋回する(図4b参照)。これは、基部102に対して所望の位置に蓋103を位置決めする効率的な方法であることが証明された。
【0088】
蓋ポジショナ7は、取付位置に到達するまで、回転軸Aを中心に回転する(図4c参照)。この位置において、蓋ホルダ9は、蓋ホルダ9が支持体3に対して角度αをとることによって、基部102に対して事前定義可能な位置に蓋103を保持するように構成され、蓋ホルダ9の前部19は、蓋ホルダ9の後部17よりも支持体3の近くに配置されている。図5の蓋ホルダ9および支持体3の詳細図を参照されたい。角度αは、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内であってもよい。角度αが小さいと、複合ユニット109が可動子11によって動かされる間に、蓋103のより多くの部分が同時に取り付けられる。角度αは、好ましくは、蓋103および基部102の形状に構成される。
【0089】
図4cのように、蓋ポジショナ7が取付位置にあるときの基部102および蓋103を示す、対応する詳細図が図6に示されている。蓋ホルダ9の角度αにより、蓋103は基部102に対して対応する角度βで保持される。角度βは、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内であってもよい。したがって、真上からに対応する、つまり、蓋ホルダが支持体に対して平行となる角度0°は、この範囲には含まれない。角度βが小さいと、蓋103のより多くの部分が同時に取り付けられ、複合ユニット109は可動子11によって動かされる。角度βは、好ましくは、蓋103および基部102の形状に構成される。このため、蓋103の前部23は、後部21よりも基部102に近い。移動方向TDに見て、蓋103の前部23は蓋103の先端であり、蓋103の後部21は後端である。好ましくは、蓋103は、図4cおよび図6の詳細図に見られるように、前部23で基部102に当接するように基部102に近接して保持される。基部102に対する蓋103の角度βは、支持体3と蓋ホルダ9との間の角度αによって直接的または間接的に与えられる。純粋に例として、支持体3と蓋ホルダ9との両方が平面を持っている場合、蓋103は、蓋ホルダ9に対して保持された平面または実質的に平面の上面を有し、基部102は、平面または実質的に平面の底部および等しい高さの真っ直ぐな壁を有し、角度αおよびβは通常一致する。
【0090】
その後、可動子11は、蓋103が基部102と組み合わされると、すなわち、蓋103が基部102と接触して配置されると、複合ユニット109として基部102と蓋103とを移動させる(図4dおよび図4e参照)。複合ユニット109は、移動方向TD、すなわち、蓋ホルダ9の後部17から前部19に向かう方向に動かされる。蓋ホルダ9の前部19が後部17より支持体3に近いため、蓋103は、蓋ホルダ9の前部19によって押し下げられて基部102に順次取り付けられ、複合ユニット109は、蓋ホルダ9と支持体3との間の間隙において移動方向TDに移動される。蓋ホルダ9と支持体3との間の距離は、組み合わされる基部102および蓋103の高さに構成され、これにより、蓋ホルダ9の前部19は、蓋103を基部102上に置くために使用される圧力を加えることができる。
【0091】
蓋ホルダ9の下流で、複合ユニット109は任意選択の加圧ローラ13に到達する。加圧ローラ13は、蓋103に圧力を加えるように構成され、一方、複合ユニット109は、加圧ローラ13を支持体3と加圧ローラ13との間の間隙に通過させる(図4eおよび図4f参照)。ユーザ容器101が蓋ホルダ9と支持体3との間の間隙に閉じられていない場合、蓋103が基部102と物理的に接触するだけで、加圧ローラ13は、蓋103に圧力を加えることにより、例えばスナップイン要素を作動させることにより、ユーザ容器101を閉じるために使用されてもよい。したがって、加圧ローラ13を使用して、蓋103が基部102に適切に取り付けられていることを確認することができる。
【0092】
複合ユニット109が蓋ホルダ9を離れると、蓋ポジショナ7はピックアップ位置に向かって回転して戻る(図4f参照)。蓋ポジショナ7がピックアップ位置に到達すると、蓋ホルダ9は、新しい蓋を持ち上げる準備ができており(図4gおよび図4h参照)、図4a~図4hの図には示されていない基部フィーダは、支持体3上に基部を配置するように構成されている。その後、サイクルは完了する。
【0093】
図4a~図4hに示され、図5に最も良く示されている図示された装置1に存在する任意選択として、蓋ホルダ9の前部19の前縁部25は、蓋ガイド27を備えていてもよく、前縁部25は、蓋ホルダ9の前部19の最前部を形成する。蓋ガイド27は、支持体3に対する蓋ホルダ9の角度αと比較して別の方向、好ましくは図示のように反対方向に角度が付けられた傾斜面を含む。蓋ガイド27は、蓋ポジショナ7が取付位置にあるとき、移動方向TDで測定して、1mm~15mmの範囲、好ましくは5mm~10mmの範囲の最大延在長を有してもよい。蓋ホルダ9の残りの部分に対する蓋ガイド27の角度γは、0°~30°の間、好ましくは0°~15°の間、より好ましくは1°~10°の間の範囲にあってもよい。蓋ガイド27は、特に蓋103のピックアップの開始時に、蓋フィーダ15から蓋ポジショナ7に移動するとき、蓋103をガイドするように構成されている(図4g参照)。次に、蓋103を蓋ホルダ9の前縁部25を通過させて蓋ホルダ9上に移動させる。蓋ガイド27を設けることにより、蓋103を蓋フィーダ15から蓋ホルダ9に容易に移載することができる。特に、蓋ガイド27は、蓋103が蓋ホルダ9の前部19の前縁部25に引っかかる危険性を低減または回避するのに役立つ。
【0094】
基部に対して所望の位置に蓋を配置するための代替または補足として、支持体は、基部の前部を蓋ホルダに向かって移動させるように構成された局所突出部を備えてもよい(矢印が基部の前部の動きを示している図7を参照されたい)。局所突出部は、例えばこぶまたは円柱であってもよい。局所突出部は永続的、すなわち支持体に常に存在していてもよいし、蓋の取り付け中に局所突出部が作動されてもよい。局所突出部は、蓋が基部に対して所望の角度をとるように、基部の前部を蓋に向かって持ち上げるのに役立つ。その後、可動子により蓋と基部との複合ユニットを移動させる。複合ユニットが局所突出部の上を通過すると、局所突出部によって基部が上方に押し上げられ、蓋が基部に順次取り付けられる。それにより、局所突出部は、それが基部の一部のみを上方に押し上げるように構成されたサイズおよび位置を有し、その部分は典型的には半分未満である。
【0095】
基部に対して所望の位置に蓋を配置するためのさらなる代替または補足として、蓋ホルダは、蓋の前部を支持体に向かって移動させるように構成された局所突出部を備えてもよい(矢印が蓋の前部の動きを示している図8を参照されたい)。局所突出部は、例えばこぶまたは円柱であってもよい。局所突出部は永続的、すなわち、蓋ホルダ内に常に存在していてもよいし、または局所突出部が蓋の取り付け中に作動してもよい。局所突出部は、蓋が基部に対して所望の角度をとるように、基部に向かって蓋の前部を下げるのに役立つ。その後、可動子により蓋と基部との複合ユニットを移動させる。複合ユニットが局所突出部の下を通過すると、局所突出部によって蓋が下方に押されることにより、蓋が基部に順次取り付けられる。それにより、局所突出部は、蓋の一部のみを下方に押すように構成されたサイズおよび位置を有し、その部分は典型的には半分未満である。
【0096】
本発明はさらに、蓋103、203を基部102、202に取り付けるための方法300に関し、蓋103、203および基部102、202は、容器、例えば、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器101、201の部品を形成する(図9を参照)。本方法は、
a)蓋を準備するステップと、
b)基部102、202を準備し、それを支持体3上に配置するステップと、
c)蓋103、203が基部102、202に対して角度βをとる、蓋ホルダ9によって基部102、202に対して事前定義可能な位置に蓋103、203を位置決めするステップであって、蓋103、203の前部23は、蓋103、203の後部21よりも基部102、202の近くに位置し、好ましくは、蓋103、203の前部23が基部102、202に当接する、ステップと、
d)基部102、202および蓋103、203を複合ユニット109として、蓋ホルダ9の後部21から前部23に向かう移動方向TDに移動させるステップであって、蓋103、203は、蓋ホルダ9の前部19と支持体3との間の間隙内で移動方向TDに移動する複合ユニット109によって基部102、202に連続的に取り付けられるようになっている、ステップと、
を含む。
【0097】
方法300は、本明細書で説明した装置1で実行することができる。図3および図4a~図4h、ならびに図4a~図4hに関連して上述したステップを参照されたい。
【0098】
ステップa)では、蓋ポジショナ7がピックアップ位置にある状態で、蓋103が蓋ホルダ9によってピックアップされ得るように、一度に1つの蓋103が送られる(図3図4aおよび図4h参照)。
【0099】
ステップb)は、本明細書に記載の基部フィーダ5によって実行されてもよい(図3を参照)。
【0100】
ステップc)は、本明細書に記載の蓋ポジショナ7によって実行されてもよい。図4c、図5、および図6を参照されたい。蓋103の角度βに関する詳細は、図6の説明に関連して上述されている。
【0101】
ステップd)における移動は、本明細書に記載の可動子11によって実行されてもよい(図4dおよび図4eを参照)。
【0102】
ステップc)は、回転軸Aを中心とする回転によって基部に対して事前定義可能な位置に蓋を位置決めすることを含み、回転軸Aは、蓋ホルダ9の後部17にまたはそれに隣接して配置される(図4bおよび図4c参照)。これにより、蓋103、203は、蓋自体の後部21に位置するか、またはそれに隣接する旋回軸で旋回される。これは、基部102、202に対して所望の位置に蓋103、203を位置決めする効率的な方法であることが証明された。
【0103】
代替または補足として、ステップc)は、支持体によって基部の前部を蓋に向かって移動させることによって、蓋を事前定義可能な位置に位置決めすることを含んでもよい。図7を参照されたい。これは、本明細書に記載された支持体の局所突出部によって実行され得る。
【0104】
さらに代替または補足として、ステップc)は、蓋ホルダによって蓋の前部を基部に向かって移動させることによって、蓋を事前定義可能な位置に配置することを含んでもよい。図8を参照されたい。これは、本明細書に記載された蓋ホルダの局所突出部によって実行され得る。
【0105】
したがって、蓋103、203の基部102、202への連続的な取り付けは、例えば、蓋を回転させ、基部を局所的に持ち上げ、および/または蓋を基部に局所的に押し付けるような、本明細書の装置について説明した方法のいずれか、またはそれらの方法の組み合わせで達成することができる。
【0106】
本方法は、
e)複合ユニット109が加圧ローラ13を通過する間、加圧ローラ13によって蓋に圧力を加えるステップ
をさらに含んでいてもよい。
【0107】
ステップe)は、装置1に関連して説明された加圧ローラ13によって実行されてもよい。図3図4eおよび図4fを参照されたい。
【0108】
添付の請求項の範囲内で本発明のさらなる修正が可能である。したがって、本発明は、本明細書に記載された実施形態および図によって限定されると見なされるべきではない。むしろ、本発明の全範囲は、明細書および図面を参照して、添付の特許請求の範囲によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0109】
1 装置
3 支持体
5 基部フィーダ
7 蓋ポジショナ
9 蓋ホルダ
11 可動子
13 加圧ローラ
15 蓋フィーダ
17、21 後部
19、23 前部
25 前縁部
27 蓋ガイド
101、201 ユーザ容器
102、202 基部
103、203 蓋
105 底壁
107 基部側壁
109 複合ユニット
113 蓋側壁の端縁
114 空間
117 コンパートメント壁
120 ロック構成
122 第1のロック部材
123 第2のロック部材
133 舌部
209 廃棄コンパートメント
211 上面
TD 移動方向
x 回転軸A
α、β、γ 角度
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋(103)を基部(102)に取り付けるための装置(1)であって、前記蓋(103)および前記基部(102)が、経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器(101)などの容器の一部を形成し、前記装置(1)は、
支持体(3)と、
前記支持体(3)に前記基部(102)を配置するように構成された基部フィーダ(5)と、
蓋ホルダ(9)を含む蓋ポジショナ(7)と、
前記基部(102)および前記蓋(103)を複合ユニット(109)として移動方向(TD)に移動させるように構成された可動子(11)と、
を備え、
前記蓋ポジショナ(7)は、蓋ピックアップ位置と蓋取付位置との間で移動可能であり、
前記蓋ポジショナ(7)の前記蓋ピックアップ位置にある前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋(103)をピックアップするように構成されており、
前記蓋ポジショナ(7)が前記取付位置にあるとき、前記移動方向(TD)に見て、前記蓋ホルダ(9)が前部(19)および後部(17)を有し、
前記蓋ポジショナ(7)は回転軸(A)を備え、それにより、前記蓋ポジショナ(7)は、前記回転軸(A)の周りの回転によって前記蓋ピックアップ位置から前記蓋取付位置まで移動可能であり、前記回転軸(A)は、前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)に配置され、または前記後部(17)に隣接して配置され、前記蓋ポジショナ(7)は、前記複合ユニット(109)が前記蓋ホルダ(9)を離れたときに、前記蓋ピックアップ位置に向かって戻るように回転するように構成されており、
前記蓋ポジショナ(7)の前記取付位置において、前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋ホルダ(9)が前記支持体(3)に対して角度(α)をとることにより前記蓋(103)を前記基部(102)に対して事前定義可能な位置に保持するように構成され、前記蓋ホルダ(9)の前記前部(19)は、前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)よりも前記支持体(3)の近くに配置されており、
前記可動子(11)は、前記複合ユニット(109)を前記移動方向(TD)に前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)から前記前部(19)に向かって移動させるように構成されている、装置(1)。
【請求項2】
前記角度(α)が、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内にある、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記支持体(3)の表面は水平であり、前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋ポジショナ(7)の前記取付位置にあるとき、水平面に対して前記角度(α)をとる、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記蓋ホルダ(9)の前記前部(19)の前縁部(25)は、蓋ガイド(27)を備え、前記前縁部(25)は、前記前部(19)の最前部を形成し、前記蓋ガイド(27)は、前記蓋ホルダ(9)の残りの部分の表面に対して角度(γ)をとる傾斜面を含み、前記角度(γ)は、0°~30°の間、好ましくは0°~15°の間、より好ましくは1°~10°の間の範囲内にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記蓋ポジショナ(7)は、単一の回転軸を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記基部フィーダ(5)は、前記移動方向(TD)とは別の方向から、例えば、前記基部(102)が前記装置(1)に、20°~160°、好ましくは45°~135°、より好ましくは60°~120°の範囲の角度で、最も好ましくは側面から供給されるように、前記基部(102)を供給するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記支持体(3)は、前記基部(102)の前部を前記蓋ホルダ(9)に向かって移動させるように構成された局所突出部を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記蓋ホルダ(9)は、前記蓋の前部(23)を前記支持体(3)に向かって移動させるように構成された局所突出部を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記蓋ポジショナ(7)の下流に配置された加圧ローラ(13)であって、前記複合ユニット(109)が前記加圧ローラ(13)を通過する間、前記加圧ローラ(13)は、前記蓋(103)に圧力を加えるように構成されている、加圧ローラ(13)、をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
蓋を基部(102)に取り付ける方法であって、前記蓋(103)および前記基部(102)が、例えば経口使用のためのパウチ製品用のユーザ容器(101)などの容器の一部を形成し、
前記方法は、
a)前記蓋(103)を準備するステップと、
b)前記基部(102)を準備し、前記基部(102)を支持体(3)に配置するステップと、
c)前記蓋(103)が前記基部(102)に対して角度(β)をとる、蓋ホルダ(9)によって前記基部(102)に対して事前定義可能な位置に前記蓋(103)を配置するステップであって、前記蓋(103)の前部(23)は、前記蓋(103)の後部(21)よりも前記基部(102)の近くに配置され、好ましくは、前記蓋(103)の前記前部(23)は、前記基部(102)に当接する、ステップと、
d)前記基部(102)および前記蓋(103)を複合ユニット(109)として、前記蓋ホルダ(9)の後部(17)から前部(19)に向かって移動方向(TD)に移動させるステップであって、前記複合ユニット(109)が前記蓋ホルダ(9)の前記前部(19)と前記支持体(3)との間の間隙内を前記移動方向(TD)に移動することにより、前記蓋(103)が前記基部(102)に連続的に取り付けられるようになっている、ステップと、
を含み、
ステップc)は、回転軸(A)を中心とした回転によって、前記蓋(103)を前記事前定義可能な位置に配置することを含み、前記回転軸(A)は、前記蓋ホルダ(9)の前記後部(17)に配置され、または前記後部(17)に隣接して配置され
前記方法は、前記複合ユニット(109)が前記蓋ホルダ(9)を離れたときに、前記蓋ポジショナ(7)を前記蓋ピックアップ位置に向かって戻るように回転させるステップをさらに含む、方法。
【請求項11】
前記角度(β)は、0°~90°の間、好ましくは1°~45°の間、より好ましくは2°~30°の間、最も好ましくは3°~10°の間の範囲内にある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップb)は、前記基部(102)を前記移動方向(TD)とは別の方向から、例えば、20°~160°、好ましくは45°~135°、より好ましくは60°~120°の範囲の角度で、最も好ましくは側面から、供給するステップを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
ステップc)は、前記支持体(3)によって前記基部(102)の前部を前記蓋に向かって移動させることによって、前記蓋(103)を前記事前定義可能な位置に配置するステップを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップc)は、前記蓋ホルダ(9)によって前記蓋(103)の前記前部(19)を前記基部(102)に向かって移動させることによって、前記蓋(103)を前記事前定義可能な位置に配置するステップを含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
e)前記複合ユニット(109)が加圧ローラ(13)を通過する間、前記加圧ローラ(13)によって前記蓋(103)に圧力を加えるステップ、
をさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】