(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】治療薬のネコにおける半減期を増加させるための組成物及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230803BHJP
C12N 15/10 20060101ALI20230803BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230803BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230803BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230803BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230803BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230803BHJP
C07K 16/24 20060101ALI20230803BHJP
C07K 16/22 20060101ALI20230803BHJP
C07K 16/28 20060101ALI20230803BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20230803BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20230803BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230803BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20230803BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20230803BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230803BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230803BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20230803BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20230803BHJP
A61K 38/17 20060101ALI20230803BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/10 200Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K16/24
C07K16/22
C07K16/28
C07K16/18
C12P21/08
A61P35/00
A61P29/00
A61P37/06
A61P1/00 171
A61P9/10
A61P13/12
A61P17/00 171
A61P3/04
A61P5/00
A61P15/00 171
A61P19/02
A61P7/06
A61P31/00 171
A61P37/08
A61K38/17 100
A61K39/395 Y
A61K39/395 N
A61K39/395 W
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501003
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021038714
(87)【国際公開番号】W WO2022010652
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522439847
【氏名又は名称】インベテックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】INVETX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ブロンディク、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァリエ、ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ホーン、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ナタラジャン、マドゥズーダン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065CA43
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA44
4C084DA39
4C084MA66
4C084NA03
4C084ZA081
4C084ZA082
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA551
4C084ZA552
4C084ZA661
4C084ZA662
4C084ZA701
4C084ZA702
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZA961
4C084ZA962
4C084ZB081
4C084ZB082
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4C084ZB112
4C084ZB131
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4C084ZC611
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4C085AA13
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4C085EE01
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
1つまたは複数のポリペプチドのネコにおける半減期を増加させるための組成物及びその使用方法が提供される。組成物は、バリアントネコIgG Fc領域を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネコIgGのFc領域バリアントまたはそのネコFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
(i)野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS252Wである、前記位置;
(ii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS254R及びS254Kからなる群から選択される、前記位置;
(iii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はL309VまたはL309Yである、前記位置;
(iv)野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はQ311R、Q311V、Q311L及びQ311Kからなる群から選択される、前記位置;
(v)野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はS428M、S428Y、S428H及びS428Rからなる群から選択される、前記位置;ならびに
(vi)野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置
に含み、
ここで、前記アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、前記ポリペプチドは、前記野生型ネコIgGのFcドメインと比較した場合、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している、前記ポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドが、前記アミノ酸置換を、野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置に含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
前記ポリペプチドがアミノ酸置換S252Wを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項4】
前記ポリペプチドが、前記アミノ酸置換を、野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
前記野生型ネコIgGの位置254における前記アミノ酸置換がS254Rである、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
前記野生型ネコIgGの位置254における前記アミノ酸置換がS254Kである、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項7】
前記ポリペプチドが、前記アミノ酸置換を、野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置に含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記野生型ネコIgGの位置309における前記アミノ酸置換がL309Vである、請求項7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
前記野生型ネコIgGの位置309における前記アミノ酸置換がL309Yである、請求項7に記載のポリペプチド。
【請求項10】
前記ポリペプチドが、前記アミノ酸置換を、野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置に含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項11】
前記野生型ネコIgGの位置311における前記アミノ酸置換がQ311Rである、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項12】
前記野生型ネコIgGの位置311における前記アミノ酸置換がQ311Vである、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項13】
前記野生型ネコIgGの位置311における前記アミノ酸置換がQ311Kである、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記野生型ネコIgGの位置311における前記アミノ酸置換がQ311Lである、請求項10に記載のポリペプチド。
【請求項15】
前記ポリペプチドが、前記アミノ酸置換を、野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置に含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項16】
前記野生型ネコIgGの位置428における前記アミノ酸置換がS428Mである、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項17】
前記野生型ネコIgGの位置428における前記アミノ酸置換がS428Yである、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項18】
前記野生型ネコIgGの位置428における前記アミノ酸置換がS428Rである、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項19】
前記野生型ネコIgGの位置428における前記アミノ酸置換がS428Hである、請求項15に記載のポリペプチド。
【請求項20】
前記ポリペプチドが、野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置にアミノ酸置換を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項21】
前記アミノ酸置換が、L262Q、L262E、T286E、T286D、T289K、S290V、S290Y、E293D、E293K、E293H、R301L、D312T、K326D、R334D、Q347L、Q355L、I377V、I377Y、E380D、E380V、E380T、I383L、N389c-R、R392E、S426L、S426H及びT437L、ならびに前述のいずれかの保存的アミノ酸置換からなる群から選択される、請求項20に記載のポリペプチド。
【請求項22】
前記アミノ酸置換が、L262Q、L262E、T286E、T286D、T289K、S290V、S290Y、E293D、E293K、E293H、R301L、D312T、K326D、R334D、Q347L、Q355L、I377V、I377Y、E380D、E380V、E380T、I383L、N389c-R、R392E、S426L、S426H及びT437Lからなる群から選択される、請求項21に記載のポリペプチド。
【請求項23】
ネコIgGのFc領域バリアントまたはそのネコFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、前記ポリペプチドは、2つ以上のアミノ酸置換を含み、前記2つ以上のアミノ酸置換は、以下からなる群:
(i)野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S252W、S252Y、S252F及びS252Rからなる群から選択される、前記アミノ酸置換;
(ii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S254R及びS254Kからなる群から選択される、前記アミノ酸置換;
(iii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、L309V、L309Y及びL309Eからなる群から選択される、前記アミノ酸置換;
(iv)野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、Q311R、Q311V、Q311L及びQ311Kからなる群から選択される、前記アミノ酸置換;
(v)野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S428L、S428M、S428Y、S428H及びS428Rからなる群から選択される、前記アミノ酸置換;
(vi)野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置におけるアミノ酸置換;ならびに
(vii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置434に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S434F、S434W、S434H、S434R、及びS434Yからなる群から選択される、前記アミノ酸置換
から選択され、
ここで、前記アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、前記2つ以上のアミノ酸置換は、異なる位置にあり、前記ポリペプチドは、(a)前記野生型ネコIgGのFcドメイン、及び(b)前記2つ以上のアミノ酸置換のうちの1つのみを含むポリペプチドと比較した場合、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している、前記ポリペプチド。
【請求項24】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、野生型ネコIgGのアミノ酸位置286に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換は、T286E及びT286Dからなる群から選択される、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項25】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、野生型ネコIgGのアミノ酸位置289に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換は、T289K及びT289Hからなる群から選択される、請求項23または請求項24に記載のポリペプチド。
【請求項26】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、野生型ネコIgGのアミノ酸位置301に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換は、R301Lである、請求項23~25のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項27】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、野生型ネコIgGのアミノ酸位置334に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換は、R334Dである、請求項23~26のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項28】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、野生型ネコIgGのアミノ酸位置426に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換は、S426L及びS426Hからなる群から選択される、請求項23~27のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、野生型ネコIgGのアミノ酸位置437に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、前記アミノ酸置換は、T437Lである、請求項23~28のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項30】
前記2つ以上のアミノ酸置換が、以下からなる群:
(i)S252Yと、Q311R及び/またはQ311Lとの組み合わせ;
(ii)S434Yと、S254R、S254K、L262E、T286D、T286E、T289K、E293D、E293K、L309V、L309E、K326D及びQ347Lのうちの1つ以上との組み合わせ;
(iii)S434Fと、E380Dとの組み合わせ;
(iv)S428Lと、S252R、T286E、Q311V、Q311K、D312T、I377V、I383L、及びN389cRのうちの1つ以上との組み合わせ;
(v)S428L、E380D及びS434R;
(vi)S428L、E380T及びS434R;
(vii)S252Rと、L262Qとの組み合わせ;
(viii)T260E、L309E及びQ355L;
(ix)S290Vと、R344Dとの組み合わせ;
(x)R301L、E380V及びT437L;
(xi)T286Eと、S428Hとの組み合わせ;
(xii)R334Dと、S428R、T437L及びR301Lのうちの1つ以上との組み合わせ;
(xiii)S426Lと、T289H及び/またはS428Hとの組み合わせ;
(xiv)S428Yと、Q311V、S254R、L309V、T286E、及びE380Tのうちの1つ以上との組み合わせ;ならびに
(xv)S428Hと、T289Hとの組み合わせ
から選択される、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項31】
前記ポリペプチドが、配列番号1~3からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記野生型ネコIgGが、配列番号1のアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG1aである、請求項1~30のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
前記野生型ネコIgGが、配列番号2のアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG1bである、請求項1~30のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項34】
前記野生型ネコIgGが、配列番号3のアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG2である、請求項1~30のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
結合ドメインを更に含む、請求項1~34のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項36】
前記結合ドメインが、(i)免疫グロブリン分子の6つの相補性決定領域(CDR);(ii)ネコ受容体タンパク質のリガンド結合ドメイン、(iii)ナノボディ、または(iv)ネコ受容体タンパク質の細胞外ドメインを含む、請求項35に記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記結合ドメインが、NGF、TrKA、ADAMTS、IL-1、IL-2、IL-4、IL-4R、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、IL-5、IL-12、IL-13、IL-31、IL-33、CD3、CD20、CD47、CD52、及び補体系複合体からなる群から選択される抗原に特異的に結合する、請求項35または請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
EPO、CTLA4、LFA3、VEGFR1/VEGFR3、IL-1R、IL-4R、GLP-1受容体アゴニスト、及びトロンボポエチン結合ペプチドからなる群から選択されるタンパク質を更に含む、請求項1~37のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
前記ポリペプチドが、中性pHよりも酸性pHでより高いレベルでネコFcRnに結合する、請求項1~38のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項40】
前記ポリペプチドが、pH7.4よりもpH5.5でより高いレベルでネコFcRnに結合する、請求項39に記載のポリペプチド。
【請求項41】
前記ポリペプチドが、pH7.4よりもpH6.0でより高いレベルでネコFcRnに結合する、請求項39に記載のポリペプチド。
【請求項42】
(i)請求項1~41のいずれか1項に記載のポリペプチドと、(ii)薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項43】
請求項1~41のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸。
【請求項44】
請求項43に記載の1つまたは複数の核酸を含む、1つまたは複数の発現ベクター。
【請求項45】
請求項43に記載の1つもしくは複数の核酸または請求項44に記載の1つもしくは複数の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項46】
ポリペプチドを作製する方法であって、
(a)請求項43に記載の1つまたは複数の核酸を提供すること;
(b)宿主細胞培養物中で前記1つまたは複数の核酸を発現させ、それにより、前記ポリペプチドを産生すること;及び
(c)(b)で産生された前記ポリペプチドを前記宿主細胞培養物から回収すること
を含む、前記方法。
【請求項47】
前記ポリペプチドを医薬製剤として製剤化することを更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
ネコの疾患または障害を治療することを、それを必要とするネコに行う方法であって、請求項42に記載の医薬組成物を含む組成物の有効量を前記ネコに投与することを含む、前記方法。
【請求項49】
ネコの疾患または障害を予防することを、それを必要とするネコに行う方法であって、請求項42に記載の医薬組成物を含む組成物の有効量を前記ネコに投与することを含む、前記方法。
【請求項50】
前記ネコの疾患または障害が、アレルギー、慢性疼痛、急性疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、心血管疾患、腎臓疾患、生殖機能関連障害、感染症またはがんである、請求項48または請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ネコの疾患または障害が、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、骨関節炎痛、関節炎、貧血、または肥満である、請求項48または請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月10日に出願された米国特許仮出願第63/050,535号、及び2021年1月29日に出願された米国特許仮出願第63/143,720号の優先権を主張するものであり、そのそれぞれの内容は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
配列表
本出願は、電子的に提出されたASCII形式の配列表を含み、その全体は、参照により本明細書に援用される。当該ASCIIコピーは、2021年6月23日に作成され、名称は、「47406-0016WO1_SL.txt」であり、サイズは、25KBである。
【0003】
本開示は、概して、ネコにおける半減期が野生型同等物と比較して増加したポリペプチド(例えば、ポリペプチド-Fc領域融合体などの融合ポリペプチド;または抗体もしくは受容体-Fc融合体のリガンド結合部分などの結合分子)に関する。
【背景技術】
【0004】
抗体のFc領域は、多くの機能的役割を担っており、限定するものではないが、リソソーム経路を介した分解から抗体を保護すること、抗体のエフェクター機能を媒介することなどが挙げられる。ネコ抗体の治療薬としての使用が増えるにつれ、最適なFabを選択することだけでなく、望ましい半減期及びエフェクター機能を得るのに適切なFcと組み合わせることにも重点が置かれてきている。
【0005】
当該技術分野において、ネコに使用するポリペプチド治療薬(例えば、抗体)の半減期を増加させることに関する指針はほとんどない。本開示は、ネコにおけるポリペプチド(例えば、抗体)の血清中持続性を改善するFc領域バリアントを提供することによってその欠落を解消するものである。
【発明の概要】
【0006】
本明細書で提供されるのは、治療用ポリペプチドに有用なネコFc(例えば、ネコIgGのFc領域バリアント)またはそのネコFcRn結合断片である。本開示は、対照ポリペプチド(例えば、野生型同等物であるIgGのネコFc領域)よりもネコFcRnに対する結合が増加したポリペプチドを特徴とする。いくつかの場合において、これらのポリペプチドは、pH5.5、pH6.0及び/またはpH6.5において、対照ポリペプチドよりもネコFcRnに対する結合が増加する。いくつかの場合において、これらのポリペプチドは、例えば、中性pH(例えば、pH7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5)よりも酸性pH(例えば、pH5.5、pH6.0またはpH6.5)で、より高いレベルでネコFcRnに結合することができる。いくつかの場合において、これらのポリペプチドは、pH7.4よりもpH5.5及び/または6.0でより高いレベルでネコFcRnに結合する。本開示は、部分的には、ネコにおける半減期が野生型同等物よりも増加したポリペプチドに関する。例えば、本明細書で開示されるFc領域またはそのネコFcRn結合領域に結合していない結合分子のバージョンと比べて半減期が増加した結合分子(例えば、抗体または受容体のリガンド結合部分)が提供される。また、酵素-Fc領域融合体、リガンド-Fc領域融合体、ナノボディ-Fc融合体、及びペプチド-Fc領域融合体も提供され、融合体は、野生型同等物と比較して半減期が増加している。Fc領域は、半減期を増加させる1つまたは複数の置換(野生型ネコFc領域と比べて)を有することに加えて、例えば、エフェクター機能の増加、エフェクター機能の減少、プロテインAに対する結合の増加及び/またはポリペプチドの不均一性の減少(例えば、Fc領域における1つ以上の翻訳後修飾を取り除くことによる)をもたらす他の置換も含み得る。ネコFc領域配列は、任意のネコ抗体に由来し得る。いくつかの場合において、ネコFc領域配列は、ネコIgG(例えば、IgG1a、IgG1b、IgG2)に由来する。
【0007】
本開示は、(1)リガンドまたはタンパク質のエピトープに特異的に結合する結合ドメインまたはその断片を含み、ここで、結合ドメインは、(2)本明細書で開示されるFc領域(CH2+CH3領域)またはそのネコFcRn結合領域を含むドメインに結合している、組み換えタンパク質を特徴とする。いくつかの場合において、結合ドメインは、(i)6つの相補性決定領域(CDR)、例えば、ネコまたはヒト/ヒト化抗体のもの;(ii)ナノボディ;(iii]リガンドに結合する可溶性受容体結合ドメインまたはそのリガンド結合断片、及び(iv)ネコ受容体タンパク質の細胞外ドメインを含む。
【0008】
本開示はまた、(1)本明細書に記載されるネコIgGのFc領域バリアントを含む第1のFc領域(例えば、CH2領域、CH3領域、CH2+CH3領域)を含む第1のポリペプチドと、(2)本明細書に記載されるネコIgGのFc領域バリアントを含む第2のFc領域を含む第2のポリペプチドとを含む、組成物を提供する。第1及び第2のポリペプチドは、第1及び第2のFc領域を介して会合することができる。いくつかの場合において、第1及び第2のFc領域のアミノ酸配列は、同じである。他の場合において、第1及び第2のFc領域のアミノ酸配列は、異なる(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25アミノ酸)。いくつかの場合において、Fc領域バリアントは、ネコIgG1a抗体のFc領域のバリアントである。いくつかの場合において、Fc領域バリアントは、ネコIgG1b抗体のFc領域のバリアントである。いくつかの場合において、Fc領域バリアントは、ネコIgG2抗体のFc領域のバリアントである。
【0009】
本明細書で開示されるネコIgGのFc領域バリアント及びポリペプチドを含む、融合分子も開示される。いくつかの場合において、ネコIgGのFc領域バリアントは、ポリペプチドに共有結合的に結合される(例えば、ヒンジ領域またはリンカーを介して)。いくつかの場合において、ポリペプチドは、ネコ受容体タンパク質のリガンド結合ドメイン、ネコ受容体タンパク質の細胞外ドメイン、または抗原結合ドメインである。いくつかの場合において、ポリペプチドは、ネコIL-13Rα1またはIL-13Rα2のリガンド結合ドメインまたは細胞外ドメイン、ネコEPO、ネコCTLA4、ネコLFA3、ネコVEGFR1/VEGFR3、ネコIL-1R、ネコGLP-1受容体アゴニスト、及びネコトロンボポエチン結合ペプチドから選択される。いくつかの場合において、ポリペプチドは、scFv、ナノボディ、または単一ドメイン抗体である。いくつかの場合において、IgGのFc領域バリアントは、バリアントは、ネコIgG1a抗体のFc領域のバリアントである。いくつかの場合において、IgGのFc領域バリアントは、ネコIgG1b抗体のFc領域のバリアントである。いくつかの場合において、IgGのFc領域バリアントは、ネコIgG2抗体のFc領域のバリアントである。
【0010】
いくつかの態様において、本開示は、ネコIgGのFc領域バリアントまたはそのネコFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
(i)野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はS252Wである、位置;
(ii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254R及びS254Kからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、アミノ酸置換はL309VまたはL309Yである、位置;
(iv)野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311R、Q311V、Q311L及びQ311Kからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はS428M、S428Y、S428H及びS428Rからなる群から選択される、位置;ならびに
(vi)野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのFcドメインと比較した場合、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
【0011】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置252におけるアミノ酸置換は、S252Wである。
【0012】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置254におけるアミノ酸置換は、S254Rである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置254におけるアミノ酸置換は、S254Kである。
【0013】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置309におけるアミノ酸置換は、L309Vである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置309におけるアミノ酸置換は、L309Yである。
【0014】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Rである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Vである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Kである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Lである。
【0015】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Mである。
【0016】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも、アミノ酸置換S428Yを含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Yである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Rである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Hである。
【0017】
別の実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、L262Q、L262E、T286E、T286D、T289K、S290V、S290Y、E293D、E293H、E293K、R301L、D312T、K326D、R334D、Q347L、Q355L、I377V、I377Y、E380D、E380V,E380T、I383L、N389c-R、R392E、S426L、S426H及びT437L、ならびに前述のいずれかの保存的アミノ酸置換からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、L262Q、L262E、T286E、T286D、T289K、S290V、S290Y、E293D、E293H、E293K、R301L、D312T、K326D、R334D、Q347L、Q355L、I377V、I377Y、E380D、E380V、E380T、I383L、N389c-R、R392E、S426L、S426H及びT437Lからなる群から選択される。
【0018】
別の態様において、本開示は、ネコIgGのFc領域バリアントまたはそのネコFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、2つ以上のアミノ酸置換を含み、2つ以上のアミノ酸置換は、以下からなる群:
(i)野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S252W、S252Y、S252F及びS252Rからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(ii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S254R及びS254Kからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(iii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、L309V、L309Y及びL309Eからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(iv)野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、Q311R、Q311V、Q311L及びQ311Kからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(v)野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S428L、S428M、S428Y、S428H及びS428Rからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(vi)野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置におけるアミノ酸置換;ならびに
(vii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置434に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S434F、S434W、S434H、S434R、及びS434Yからなる群から選択される、アミノ酸置換から選択され、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、2つ以上のアミノ酸置換は、異なる位置にあり、ポリペプチドは、(a)野生型ネコIgGのFcドメイン、及び(b)2つ以上のアミノ酸置換のうちの1つのみを含むポリペプチドと比較した場合、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置286に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、T286E及びT286Dからなる群から選択される。
【0020】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置289に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、T289K及びT289Hからなる群から選択される。
【0021】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置301に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、R301Lである。
【0022】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置334に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、R334Dである。
【0023】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置426に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、S426L及びS426Hからなる群から選択される。
【0024】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置437に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、T437Lである。
【0025】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、以下からなる群:
(i)S252Yと、Q311R及び/またはQ311Lとの組み合わせ;
(ii)S434Yと、S254R、S254K、L262E、T286D、T286E、T289K、E293D、E293K、L309V、L309E、K326D及びQ347Lのうちの1つ以上との組み合わせ;
(iii)S434Fと、E380Dとの組み合わせ;
(iv)S428Lと、S252R、T286E、Q311V、Q311K、D312T、I377V、I383L、及びN389cRのうちの1つ以上との組み合わせ;
(v)S428L、E380D及びS434R;
(vi)S428L、E380T及びS434R;
(vii)S252Rと、L262Qとの組み合わせ;
(viii)T260E、L309E及びQ355L;
(ix)S290Vと、R344Dとの組み合わせ;
(x)R301L、E380V及びT437L;
(xi)T286Eと、S428Hとの組み合わせ;
(xii)R334Dと、S428R、T437L及びR301Lのうちの1つ以上との組み合わせ;
(xiii)S426Lと、T289H及び/またはS428Hとの組み合わせ;
(xiv)S428Yと、Q311V、S254R、L309V、T286E、及びE380Tのうちの1つ以上との組み合わせ;ならびに
(xv)S428Hと、T289Hとの組み合わせから選択される。
【0026】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1~3からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGは、配列番号1に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG1a、配列番号2に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG1b、または配列番号3に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG2である。
【0028】
他の実施形態において、野生型ネコIgGは、配列番号1のアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG1aである。他の実施形態において、野生型ネコIgGは、配列番号2のアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG1bである。他の実施形態において、野生型ネコIgGは、配列番号3のアミノ酸配列を有するFcドメインを含むネコIgG2である。
【0029】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、結合ドメインを更に含む。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、(i)免疫グロブリン分子の6つの相補性決定領域(CDR);(ii)ネコ受容体タンパク質のリガンド結合ドメイン、(iii)ナノボディ、または(iv)ネコ受容体タンパク質の細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態において、結合ドメインは、NGF、TrKA、ADAMTS、IL-1、IL-2、IL-4、IL-4R、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、IL-5、IL-12、IL-13、IL-31、IL-33、CD3、CD20、CD47、CD52、及び補体系複合体からなる群から選択される抗原に特異的に結合する。
【0030】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、EPO、CTLA4、LFA3、VEGFR1/VEGFR3、IL-1R、IL-4R、GLP-1受容体アゴニスト、及びトロンボポエチン結合ペプチドからなる群から選択されるタンパク質を更に含む。
【0031】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、中性pHよりも酸性pHでより高いレベルでネコFcRnに結合する。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、pH7.4よりもpH5.5でより高いレベルでネコFcRnに結合する。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、pH7.4よりもpH6.0でより高いレベルでネコFcRnに結合する。
【0032】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、(1)1つもしくは複数の対照ポリペプチドよりもネコにおける半減期が増加しており、ここで、1つもしくは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ネコIgGのFc領域を有する以外は1つもしくは複数のポリペプチドと同一であり、及び/または(2)対照ポリペプチドよりもネコFcRnに対する結合が増加しており、ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づくものである。
【0033】
いくつかの態様において、本開示は、(i)本明細書に記載されるポリペプチド、及び(ii)薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0034】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載されるポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸を提供する。
【0035】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される1つまたは複数の核酸を含む、1つまたは複数の発現ベクターを提供する。
【0036】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に記載される1つもしくは複数の核酸または本明細書に記載される1つもしくは複数の発現ベクターを含む、宿主細胞を提供する。
【0037】
いくつかの態様において、本開示は、1つまたは複数のポリペプチドを作製する方法を提供し、方法は、以下を含む:
(a)本明細書に記載される1つまたは複数の核酸を提供すること;
(b)宿主細胞培養物中で1つまたは複数の核酸を発現させ、それにより、ポリペプチドを産生すること;
(c)(b)で産生されたポリペプチドを宿主細胞培養物から回収すること。
【0038】
いくつかの実施形態において、方法は、ポリペプチドを医薬製剤として製剤化することを更に含む。
【0039】
いくつかの態様において、本開示は、ネコの疾患または障害を治療することを、それを必要とするネコに行う方法であって、本明細書に記載される医薬組成物を含む組成物の有効量をネコに投与することを含む、方法を提供する。
【0040】
いくつかの態様において、本開示は、ネコの疾患または障害を予防することを、それを必要とするネコに行う方法であって、本明細書に記載される医薬組成物を含む組成物の有効量をネコに投与することを含む、方法を提供する。
【0041】
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、アレルギー性疾患、慢性疼痛、急性疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、心血管疾患、腎臓疾患、生殖機能関連障害、感染症またはがんである。
【0042】
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、骨関節炎痛、関節炎、貧血、または肥満である。
【0043】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本発明の実施または検証には、本明細書に記載されるものと同様または同等の方法及び材料を使用することができるが、例示的な方法及び材料について以下に記載する。本明細書で言及される全ての公開物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により援用される。矛盾が生じる場合には、定義を含め、本出願が優先される。材料、方法及び例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。
【0044】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】NNKライブラリーのS428L、S428M、S428Y、S434F、S434W及びS434HのネコIgG1a FcバリアントのBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図2】NNKライブラリーのS252W、S252Y及びS252FのネコIgG1a FcバリアントのBiacoreセンサーグラムを示す。野生型(WT)のBiacoreセンサーグラムも示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図3】野生型ネコIgG1a Fc領域(配列番号1)及び野生型ネコIgG1b Fc領域(配列番号2)と、推定の野生型ネコIgG2 Fc領域(配列番号3)のアミノ酸配列アライメントを示す。三角形の間にあるのがヒンジ領域である。矢印は、2つの重鎖間のジスルフィド架橋に関与すると思われるヒンジ領域内のシステイン残基を示す(Strietzel et al.,2014,Vet.Immunol.Immunopathol.,158:214-223)。
【
図4】野生型ネコIgG1a Fc領域(配列番号1)及びヒトIgG1 Fc領域のアミノ酸配列アライメントをEUナンバリングに基づいて示す。実施例2に記載されるファージライブラリーの生成に使用した55のアミノ酸位置に強調及び下線を施した。
【
図5A】ファージディスプレイライブラリーのS252YネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図5B】ファージディスプレイライブラリーのS252YネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図6A】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図6B】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図7A】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図7B】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図8A】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図8B】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図9A】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図9B】ファージディスプレイライブラリーのS252Y+Q311LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図10A】ファージディスプレイライブラリーのS434YネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図10B】ファージディスプレイライブラリーのS434YネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図11A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+S254RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図11B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+S254RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図12A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+S254KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図12B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+S254KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図13A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+L262EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図13B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+L262EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図14A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+T286DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図14B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+T286DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図15A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+T286EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図15B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+T286EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図16A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+T289KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図16B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+T289KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図17A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+E293DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図17B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+E293DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図18A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+E293KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図18B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+E293KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図19A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+L309VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図19B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+L309VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図20A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+L309EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図20B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+L309EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図21A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+K326DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図21B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+K326DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図22A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+Q347LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図22B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+Q347LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図23A】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+S426LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図23B】ファージディスプレイライブラリーのS434Y+S426LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図24A】ファージディスプレイライブラリーのS434FネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図24B】ファージディスプレイライブラリーのS434FネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図25A】ファージディスプレイライブラリーのS434F+E380DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図25B】ファージディスプレイライブラリーのS434F+E380DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図26A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+T286EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図26B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+T286EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図27A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+Q311VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図27B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+Q311VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図28A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+Q311KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図28B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+Q311KネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図29A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+D312TネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図29B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+D312TネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図30A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+I377VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図30B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+I377VネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図31A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+I383LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図31B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+I383LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図32A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+N389cRネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図32B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+N389cRネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図33A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+E380D+S434RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図33B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+E380D+S434RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図34A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+E380T+S434RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図34B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+E380T+S434RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図35A】ファージディスプレイライブラリーのQ311RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図35B】ファージディスプレイライブラリーのQ311RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図36A】ファージディスプレイライブラリーのR392EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図36B】ファージディスプレイライブラリーのR392EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図37A】ファージディスプレイライブラリーのS252R+L262QネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図37B】ファージディスプレイライブラリーのS252R+L262QネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図38A】ファージディスプレイライブラリーのS252R+A378EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図38B】ファージディスプレイライブラリーのS252R+A378EネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図39A】ファージディスプレイライブラリーのT260E+L309E+Q355LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図39B】ファージディスプレイライブラリーのT260E+L309E+Q355LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図40A】ファージディスプレイライブラリーのT286E+S428RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図40B】ファージディスプレイライブラリーのT286E+S428RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図41A】ファージディスプレイライブラリーのS290V+R334DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図41B】ファージディスプレイライブラリーのS290V+R334DネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図42A】ファージディスプレイライブラリーのR301L+E380V+T437LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図42B】ファージディスプレイライブラリーのR301L+E380V+T437LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図43A】ファージディスプレイライブラリーのS428LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図43B】ファージディスプレイライブラリーのS428LネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図44A】ファージディスプレイライブラリーのS428L+S252RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図44B】ファージディスプレイライブラリーのS428L+S252RネコIgG1a FcバリアントとネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図45A】野生型ネコIgG1a Fcバリアント(配列番号1)とネコFcRNとのpH6.0における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図45B】野生型ネコIgG1a Fcバリアント(配列番号1)とネコFcRNとのpH7.4における相互作用のCarterra LSAセンサーグラムを示す。不規則な線は測定データを表し、滑らかな線は1:1相互作用モデルを使用した近似曲線である。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図46】抗NGFモノクローナル抗体(mAb)バリアントの血清中濃度を記述するために使用された非線形混合効果(NLME)モデルを用いた線形クリアランスを有する2コンパートメント薬物動態(PK)モデルのフロー図を示す。
【
図47】野生型(WT)抗体ならびに抗体バリアントS252W、S428Y、S428Y+L309V、S428Y+Q311V、及びS428Y+S254Rの個々に観察された血清中濃度を示す(抗体/バリアントにつき2匹の動物からの結果)。
【
図48】2mg/kgの抗体/バリアントの単回IV投与を受ける典型的な2kgのネコにおける、野生型(WT)抗体ならびに抗体バリアントS252W、S428Y、S428Y+L309V、S428Y+Q311V、及びS428Y+S254Rの予測血清中濃度プロファイルを示す。
【
図49A】野生型ネコIgG1aの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49B】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49C】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49D】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49E】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49F】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49G】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49H】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49I】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49J】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49K】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図49L】ネコIgG1aバリアントの結合を示すBiacoreセンサーグラムを示す。各図において、薄い線は測定データを表し、濃い線は近似曲線を表す。Y軸:レゾナンスユニット(RU);X軸:時間(秒)。
【
図50】バリアントにつき2匹の動物を用いて個々に観察された野生型及びFcバリアントの血清中濃度を示す。
【
図51】野生型(WT)IgG1a FcまたはIgG1a Fcバリアントを保持するモノクローナル抗体の予測血清中濃度プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
多種多様なネコ疾患の予防及び治療のための治療薬としてポリペプチド(例えば、抗体、受容体のリガンド結合ドメイン、酵素、リガンド、ペプチド)の使用が増えているが、特に、ポリペプチドを繰り返し投与しなければならない慢性疾患の予防または治療には、半減期の長いポリペプチドを開発することが重要である。
【0047】
したがって、本開示は、ネコ免疫グロブリンFc領域またはそのネコFcRn結合領域であって、これらの配列を含む1つまたは複数のポリペプチドの半減期を向上させる変異を含むものを特徴とする。また、これらのドメインを含むポリペプチド及びその使用方法も開示される。これらのペプチドは、様々な治療用途及び診断用途に使用することができる。
【0048】
値が範囲で記載されている場合、その記載は、特定の数値または特定の下位範囲が明示されているかどうかにかかわらず、かかる範囲内の全ての可能な下位範囲及びかかる範囲内に入る特定の数値の開示を含むことが理解されるべきである。全ての数の表記、例えば、pH、温度、時間、濃度、及び分子量は、範囲を含め、近似値であり、1.0または0.1の増分で適宜(+)または(-)に変動し、あるいは+/-15%、あるいは10%、あるいは5%、あるいは2%の変動がある。必ずしも常に明示されているわけではないが、全ての数の表記は、「約」という語が先行することが理解される。また、必ずしも常に明示されているわけではないが、本明細書に記載される試薬は単なる例示であり、その等価物は当該技術分野において知られていることも理解される。
【0049】
「約」という用語は、量または濃度などの測定可能な値に言及する際に本明細書で使用される場合、明記される量の20%、10%、5%、1%、0.5%、または0.1%の変動を包含することを意味している。
【0050】
ネコ抗体
ネコは、典型的に、IgG1a、IgG1b及びIgG2と呼ばれる3つのIgG重鎖を有する。これらの重鎖は、3つの異なるネコIgGのサブクラスを表している。これらの重鎖アミノ酸及びDNA配列は、Strietzel et al.,2014,Vet.Immunol.Immunopathol.,158:214-223及びGENBANKデータベースから入手可能である。例えば、ネコIgG1a重鎖のアミノ酸配列は、GENBANKアクセッション番号BAA32229.1であり、ネコIgG1b重鎖は、GENBANKアクセッション番号BAA32230.1であり、ネコIgG2重鎖は、GENBANKアクセッション番号KF811175.1である。ネコ抗体はまた、カッパ及びラムダの2つの種類の軽鎖を含む。これらの軽鎖のDNA及びアミノ酸配列もまた、GENBANKデータベースから得ることができる。例えば、ネコカッパ軽鎖アミノ酸配列は、アクセッション番号AF198257.1であり、ネコラムダ軽鎖は、アクセッション番号E07339.1である。
【0051】
ネコFc領域のCH2領域:
ネコ抗体のCH2領域は、ネコIgG抗体のアミノ酸231~340(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH2領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
【0052】
ネコIgG1aのCH2領域のアミノ酸配列は、以下に提供される:PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKAK(配列番号4)
【0053】
ネコIgG1bのCH2ドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKDK(配列番号5)
【0054】
ネコIgG2のCH2ドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
VPEIPGAPSVFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSNVQITWFVDNTEMHTAKTRPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSAMERTISKAK(配列番号6)
【0055】
ネコFc領域のCH3領域:
ネコ抗体のCH3領域は、ネコIgG抗体のアミノ酸341~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。CH3領域は、そのN末端及び/またはC末端に、1~6個(例えば、1、2、3、4、5、6個)の追加のアミノ酸または欠失を含み得ることが理解される。
【0056】
ネコIgG1aのCH3ドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
GQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIKSFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFVYSKLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK(配列番号7)
【0057】
ネコIgG1bのCH3ドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
GQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIEGFYPSDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSRWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK(配列番号8)
【0058】
ネコIgG2のCH3ドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
GQPHEPQVYVLPPTQEELSENKVSVTCLIKGFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYQTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK(配列番号9)
【0059】
ネコFc領域のFc領域:
ネコIgG抗体のFc領域は、ネコIgG抗体のアミノ酸231~447(EUナンバリングに従う)を含むか、またはそれらからなる。
【0060】
ネコIgG1aのFcドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKAKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIKSFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFVYSKLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
(配列番号1)
【0061】
ネコIgG1bのFcドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
PPEMLGGPSIFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSDVQITWFVDNTQVYTAKTSPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSPIERTISKDKGQPHEPQVYVLPPAQEELSRNKVSVTCLIEGFYPSDIAVEWEITGQPEPENNYRTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSRWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK
(配列番号2)
【0062】
ネコIgG2のFcドメインのアミノ酸配列は、以下に提供される:
VPEIPGAPSVFIFPPKPKDTLSISRTPEVTCLVVDLGPDDSNVQITWFVDNTEMHTAKTRPREEQFNSTYRVVSVLPILHQDWLKGKEFKCKVNSKSLPSAMERTISKAKGQPHEPQVYVLPPTQEELSENKVSVTCLIKGFHPPDIAVEWEITGQPEPENNYQTTPPQLDSDGTYFLYSRLSVDRSHWQRGNTYTCSVSHEALHSHHTQKSLTQSPGK (配列番号3)
【0063】
以下の表1は、ヒトIgG1、ネコIgG1a、ネコIgG1b、及びネコIgG2のCH2及びCH3ドメインのアミノ酸配列をEUナンバリングに基づき比較するものである。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0064】
半減期を改善するネコIgG Fcの置換
血清中持続性の増加は、治療用ポリペプチドにとって有益な特性である。本開示は、野生型ネコIgG1a、IgG1b及びIgG2のFc領域の置換を特徴とし、置換は、1つまたは複数の対照ポリペプチドと比べて、これらのFc領域を含む1つまたは複数のポリペプチドのネコにおける半減期を向上させるものであり、ここで、1つまたは複数の対照ポリペプチドは、IgGのFc領域バリアントの代わりに、対応する野生型ネコIgGのFc領域を有する以外は1つまたは複数のポリペプチドと同一であるものである。半減期を増加させる置換は、ネコCH2領域、ネコCH3領域のうちの1つ以上において、またはネコFc(例えば、CH2+CH3)領域との関連でなされ得る。
【0065】
本開示は、ネコIgGのFc領域バリアントまたはそのネコFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、アミノ酸置換を、以下からなる群から選択される少なくとも1つの位置:
(i)野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置であって、アミノ酸置換はS252Wである、位置;
(ii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置であって、アミノ酸置換はS254R及びS254Kからなる群から選択される、位置;
(iii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置であって、前記アミノ酸置換はL309VまたはL309Yである、位置;
(iv)野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置であって、アミノ酸置換はQ311R、Q311V、Q311L及びQ311Kからなる群から選択される、位置;
(v)野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置であって、アミノ酸置換はS428M、S428Y、S428H及びS428Rからなる群から選択される、位置;ならびに
(vi)野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置に含み、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのFcドメインと比較した場合、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
【0066】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのFcドメインと比較した場合、約5.0~約6.5(例えば、約5.5または約6.0)のpHにおいて、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している。
【0067】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置252におけるアミノ酸置換は、S252Wである。
【0068】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置254におけるアミノ酸置換は、S254Rである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置254におけるアミノ酸置換は、S254Kである。
【0069】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、アミノ酸置換L309VまたはL309Yを含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Rである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Vである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Kである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置311におけるアミノ酸置換は、Q311Lである。
【0071】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Mである。
【0072】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも、アミノ酸置換S428Yを含む。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Yである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Rである。いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGの位置428におけるアミノ酸置換は、S428Hである。
【0073】
別の実施形態において、ポリペプチドは、野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置にアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、L262Q、L262E、T286E、T286D、T289K、S290V、S290Y、E293D、E293H、E293K、R301L、D312T、K326D、R334D、Q347L、Q355L、I377V、I377Y、E380D、E380V、E380T、I383L、N389c-R、R392E、S426L、S426H及びT437L、ならびに前述のいずれかの保存的アミノ酸置換からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、アミノ酸置換は、L262Q、L262E、T286E、T286D、T289K、S290V、S290Y、E293D、E293H、E293K、R301L、D312T、K326D、R334D、Q347L、Q355L、I377V、I377Y、E380D、E380V、E380T、I383L、N389c-R、R392E、S426L、S426H及びT437Lからなる群から選択される。
【0074】
別の態様において、本開示は、ネコIgGのFc領域バリアントまたはそのネコFcRn結合領域を含むポリペプチドであって、ポリペプチドは、2つ以上のアミノ酸置換を含み、2つ以上のアミノ酸置換は、以下からなる群:
(i)野生型ネコIgGのアミノ酸位置252に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S252W、S252Y、S252F及びS252Rからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(ii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置254に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S254R及びS254Kからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(iii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置309に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、L309V、L309Y及びL309Eからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(iv)野生型ネコIgGのアミノ酸位置311に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、Q311R、Q311V、Q311L及びQ311Kからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(v)野生型ネコIgGのアミノ酸位置428に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S428L、S428M、S428Y、S428H及びS428Rからなる群から選択される、アミノ酸置換;
(vi)野生型ネコIgGの262、286、289、290、293、301、312、326、334、347、355、377、380、383、389c、392、426及び437からなる群から選択されるアミノ酸位置に対応する1つ以上の位置におけるアミノ酸置換;ならびに
(vii)野生型ネコIgGのアミノ酸位置434に対応する位置におけるアミノ酸置換であって、S434F、S434W、S434H、S434R、及びS434Yからなる群から選択される、アミノ酸置換から選択され、
ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、2つ以上のアミノ酸置換は、異なる位置にあり、ポリペプチドは、(a)野生型ネコIgGのFcドメイン、及び(b)2つ以上のアミノ酸置換のうちの1つのみを含むポリペプチドと比較した場合、ネコFcRnに対する結合親和性が増加している、ポリペプチドを提供する。
【0075】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置286に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換は、T286E及びT286Dからなる群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置289に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換は、T289K及びT289Hからなる群から選択される。
【0077】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置301に対応する位置にアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換は、R301Lである。
【0078】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置334に対応する位置にアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換は、R334Dである。
【0079】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置426に対応する位置におけるアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換は、S426L及びS426Hからなる群から選択される。
【0080】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、野生型ネコIgGのアミノ酸位置437に対応する位置にアミノ酸置換を含み、アミノ酸置換は、T437Lである。
【0081】
いくつかの実施形態において、2つ以上のアミノ酸置換は、以下からなる群:
(i)S252Yと、Q311R及び/またはQ311Lとの組み合わせ;
(ii)S434Yと、S254R、S254K、L262E、T286D、T286E、T289K、E293D、E293K、L309V、L309E、K326D及びQ347Lのうちの1つ以上との組み合わせ;
(iii)S434F及びE380D;
(iv)S428Lと、S252R、T286E、Q311V、Q311K、D312T、I377V、I383L、N389cRのうちの1つ以上との組み合わせ;
(v)S428L、E380D及びS434R;
(vi)S428L、E380T及びS434R;
(vii)S252Rと、L262Qとの組み合わせ;
(viii)T260E、L309E及びQ355L;
(ix)S290V及びR344D;ならびに
(x)R301L、E380V及びT437Lから選択される。
【0082】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1~3からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
【0083】
いくつかの場合において、本開示は、配列番号4~6のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ネコIgGのCH2領域バリアントを提供する。また、配列番号4~6のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ネコIgGのCH2領域バリアントも提供される。
【0084】
他の場合において、本開示は、配列番号7~9のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%または少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ネコIgGのCH3領域バリアントを特徴とする。また、配列番号7~9のいずれか1つとは1~15個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ネコIgGのCH3領域バリアントも特徴とする。
【0085】
ある特定の場合において、本開示は、配列番号1~3のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む、ネコIgGのFc領域バリアントを特徴とする。また、配列番号1~3のいずれか1つとは1~20個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を含む、ネコIgGのFc領域バリアントが開示される。
【0086】
いくつかの実施形態において、ネコIgGのFc CH2領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドが提供され、CH2領域バリアントは、配列番号4~6のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、ネコIgGのFc CH3領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、CH3領域バリアントは、配列番号7~9のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0088】
いくつかの実施形態において、ネコIgGのFc領域バリアントを含む1つまたは複数のポリペプチドを特徴とし、Fc領域バリアントは、配列番号1~3のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0089】
別途指摘されるように、ポリペプチドは、いくつかの実施形態において、野生型ネコIgGのアミノ酸位置250~256、アミノ酸位置285~288;アミノ酸位置307~315;アミノ酸位置376~380;アミノ酸位置383~392;またはアミノ酸位置428~437に対応する領域中に少なくとも1つの追加のアミノ酸置換を更に含み、ここで、アミノ酸位置は、EUナンバリングに基づき、ポリペプチドは、野生型ネコIgGのFcドメインと比較して、ネコFcRnに対する結合が増加している。
【0090】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、以下の表2に開示されるものから選択される少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個)の追加のアミノ酸置換を含む。
【表2】
【0091】
置換は、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはFcドメインの片方または両方の鎖になされてもよい。いくつかの場合において、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはFcドメインの両方の鎖上の置換は、同一である。いくつかの場合において、CH2ドメイン、CH3ドメイン、またはFcドメインの両方の鎖上の置換は、同一ではない。いくつかの場合において、Fc領域は、エフェクター機能の増加もしくは減少及び/または産物の不均一性の改善をもたらす1つ以上の追加の置換を含む。
【0092】
半減期を向上させる置換と組み合わせることができる他の置換
治療用ポリペプチド/タンパク質(例えば、モノクローナル抗体)の開発は、所望のポリペプチド/タンパク質を生成するために、一連の複雑な作業の調整を必要とする複雑なプロセスである。これらには、特異性、親和性、機能活性、人工細胞株における発現レベルの最適化、長期安定性、エフェクター機能の除去または向上、ならびに商業的に利用可能な製造法及び精製法の開発が含まれる。本開示は、上記の目標のいずれか1つ以上を促進する任意の追加の置換を包含する。
【0093】
いくつかの実施形態において、置換は、ネコFc領域のエフェクター機能を減少させるために導入される。そのような置換は、当業者に知られており、ネコIgGの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、または7個)の位置にあり得る。例示的な例としては、WO2019/035010A1が挙げられる。
【0094】
いくつかの実施形態において、プロテインAクロマトグラフィーによる精製を容易にするために、置換を野生型ネコIgG Fc領域に導入して、プロテインAへの結合を高める。そのような置換は、当業者に知られており、ネコIgGの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、または7個)の位置にあり得る。例示的な例としては、WO2019/035010A1が挙げられる。
【0095】
いくつかの実施形態において、追加のアミノ酸置換は、親ポリペプチドまたは野生型ポリペプチドと比較して、FcRnに対する結合親和性を変更するためになされる(例えば、FcRnとの結合親和性を増加または減少させる)。
【0096】
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、ネコ抗体のヒンジ領域を含む。いくつかの実施形態において、修飾は、半減期を増加させるために、ネコ抗体のヒンジ領域に行うことができる。
【0097】
ネコIgG Fcバリアントを含むポリペプチド
本開示は、ネコにおける半減期を増加させることから利益を得ることができる任意のポリペプチドを包含する。半減期を増加させるために、これらのポリペプチドは、上に開示されるFc領域バリアント(例えば、CH2領域、CH3領域、CH2+CH3領域)を含むように設計される。
【0098】
例示的なポリペプチドとしては、限定するものではないが、全抗体、scFv、ナノボディ、受容体のリガンド結合部分、サイトカイン、成長因子、酵素、及びペプチドが挙げられる。例えば、上で開示されるCH3ドメインバリアントは、scFvナノボディ、受容体のリガンド結合部分(例えば、ネコIL-13Rα1またはIL-13Rα2のリガンド結合部分)、サイトカイン、成長因子、酵素、またはペプチドに結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「ナノボディ」、「VHH」、「VHH抗体断片」及び「単一ドメイン抗体」という用語は、ラクダ科動物で見られる種類の抗体の単一重鎖の可変ドメインを示すために、本明細書中で区別なく使用され、典型的に天然で軽鎖を欠いている。好適なナノボディは、当業者によく知られているが、その実例としては、ラクダ、ヒトコブラクダ、ラマ及びアルパカのナノボディが挙げられる。あるいは、上に開示されるFc領域バリアントは、これらのポリペプチドに結合され得る。別の実施形態において、ネコまたはネコ化抗体は、本明細書で開示されるFc領域バリアントを含むように改変される。
【0099】
いくつかの実施形態において、本開示のポリペプチドは、抗体ヒンジ領域を含む。ヒンジ領域は、抗原またはポリペプチドのリガンド結合ドメインとFc領域バリアントとの間に配置され得る。いくつかの場合において、ヒンジ領域は、サイトカイン、成長因子、酵素、またはペプチドのC末端に結合され、ヒンジ領域は、Fc領域バリアントのN末端に結合される。例示的なヒンジ領域配列は、以下に提供される。
IgG1a:KTDHPPGPKPCDCPKCP(配列番号10);
IgG1b:KTDHPPGPKPCDCPKCP(配列番号11);
IgG2:KTASTIESKTGEGPKCP(配列番号12);
【0100】
本開示の組み換えタンパク質におけるヒンジ領域は、使用される場合、配列番号10~12のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列と比べて、0~6個(すなわち、0、1、2、3、4、5、または6個)のアミノ酸置換を含み得る。いくつかの場合において、本開示の組み換えタンパク質に使用されるヒンジ領域は、配列番号10~12のいずれか1つに記載されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一である。
【0101】
本開示の1つまたは複数のポリペプチドは、結合ドメインを含み得る。結合ドメインは、本明細書に記載される選択標的のタンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、及び/またはエピトープに特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)は、タンパク質を含み得、ここで、タンパク質は、本明細書に記載される治療用タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的(例えば、結合ドメインの標的)または治療用タンパク質(例えば、融合ポリペプチド)は、以下からなる群から選択される:17-IA、4-1BB、4Dc、6-ケト-PGF1a、8-イソ-PGF2a、8-オキソ-dG、A1アデノシン受容体、A33、ACE、ACE-2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIA ALK-2、アクチビンRIB ALK-4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAMS、ADAM9、ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、アドレシン、aFGF、ALCAM、ALK、ALK-1、ALK-7、アルファ-1-抗トリプシン、アルファ-V/ベータ-1アンタゴニスト、ANG、Ang、APAF-1、APE、APJ、APP、APRIL、AR、IgE、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、ARC、ART、アルテミン、抗Id、ASPARTIC、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、Axl、b2M、B7-1、B7-2、B7-H、Bリンパ球刺激因子(BlyS)、BACE、BACE-1、Bad、BAFF、BAFF-R、Bag-1、BAK、Bax、BCA-1、BCAM、Bcl、BCMA、BDNF、b-ECGF、bFGF、BID、Bik、BIM、BLC、BL-CAM、BLK、BMP、BMP-2 BMP-2a、BMP-3オステオゲニン、BMP-4 BMP-2b、BMP-5、BMP-6 Vgr-1、BMP-7(OP-1)、BMP-8(BMP-8a、OP-2)、BMPR、BMPR-IA(ALK-3)、BMPR-IB(ALK-6)、BRK-2、RPK-1、BMPR-II(BRK-3)、BMPs、b-NGF、BOK、ボンベシン、骨由来神経栄養因子、BPDE、BPDE-DNA、BTC、補体因子3(C3)、C3a、C4、C5、C5a、C10、CA125、CAD-8、カルシトニン、cAMP、癌胎児性抗原(CEA)、癌腫関連抗原、カテプシンA、カテプシンB、カテプシンC/DPPI、カテプシンD、カテプシンE、カテプシンH、カテプシンL、カテプシンO、カテプシンS、カテプシンV、カテプシンX/Z/P、CBL、CC1、CCK2、CCL、CCL1、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL2、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CCL3、CCL4、CCL5、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9/10、CCR、CCR1、CCR10、CCR10、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CD1、CD2、CD3、CD3E、CD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD10、CD11a、CD11b、CD11c、CD13、CD14、CD15、CD16、CD18、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD25、CD27L、CD28、CD29、CD30、CD30L、CD32、CD33(p67タンパク質)、CD34、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD45、CD46、CD47、CD49a、CD52、CD54、CD55、CD56、CD61、CD64、CD66e、CD74、CD80(B7-1)、CD89、CD95、CD123、CD137、CD138、CD140a、CD146、CD147、CD148、CD152、CD164、CEACAM5、CFTR、cGMP、CINC、ボツリヌス菌毒素、ウェルシュ菌毒素、CKb8-1、CLC、CMV、CMV UL、CNTF、CNTN-1、COX、C-Ret、CRG-2、CT-1、CTACK、CTGF、CTLA-4、CX3CL1、CX3CR1、CXCL、CXCL1、CXCL2、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCR、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6、サイトケラチン腫瘍関連抗原、DAN、DCC、DcR3、DC-SIGN、崩壊促進因子、des(1-3)-IGF-I(脳IGF-1)、Dhh、ジゴキシン、DNAM-1、Dnase、Dpp、DPPIV/CD26、Dtk、ECAD、EDA、EDA-A1、EDA-A2、EDAR、EGF、EGFR(ErbB-1)、EMA、EMMPRIN、ENA、エンドセリン受容体、エンケファリナーゼ、eNOS、Eot、エオタキシン1、EpCAM、エフリンB2/EphB4、EPO、ERCC、E-セレクチン、ET-1、第IIa因子、第VII因子、第VIIIc因子、第IX因子、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、Fas、FcR1、FEN-1、フェリチン、FGF、FGF-19、FGF-2、FGF3、FGF-8、FGFR、FGFR-3、フィブリン、FL、FLIP、Flt-3、Flt-4、卵胞刺激ホルモン、フラクタルカイン、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、G250、Gas6、GCP-2、GCSF、GD2、GD3、GDF、GDF-1、GDF-3(Vgr-2)、GDF-5(BMP-14、CDMP-1)、GDF-6(BMP-13、CDMP-2)、GDF-7(BMP-12、CDMP-3)、GDF-8(ミオスタチン)、GDF-9、GDF-15(MIC-1)、GDNF、GDNF、GFAP、GFRa-1、GFR-アルファ1、GFR-アルファ2、GFR-アルファ3、GITR、GLP1、GLP2、グルカゴン、Glut4、糖タンパク質IIb/IIIa(GP IIb/IIIa)、GM-CSF、gp130、gp72、GRO、GnRH、成長ホルモン放出因子、ハプテン(NP-capまたはNIP-cap)、HB-EGF、HCC、HCMV gBエンベロープ糖タンパク質、HCMV)gHエンベロープ糖タンパク質、HCMV UL、造血成長因子(HGF)、Hep B gp120、ヘパラナーゼ、Her2、Her2/neu(ErbB-2)、Her3(ErbB-3)、Her4(ErbB-4)、単純ヘルペスウイルス(HSV)gB糖タンパク質、HSV gD糖タンパク質、HGFA、高分子メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、HIV gp120、HIV IIIB gp120 V3ループ、HLA、HLA-DR、HM1.24、HMFG PEM、HRG、Hrk、心臓ミオシン、サイトメガロウイルス(CMV)、成長ホルモン(GH)、HVEM、1-309、IAP、ICAM、ICAM-1、ICAM-3、ICE、ICOS、IFNg、Ig、IgA受容体、IgE、IGF、IGF結合タンパク質、IGF-1R、IGFBP、IGF-I、IGF-II、IL、IL-1、IL-1R、IL-2、IL-2R、IL-4、IL-4R、IL-5、IL-5R、IL-6、IL-6R、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-18R、IL-21、IL-22、IL-23、IL-25、IL-31、IL-33、インターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-12R、IL-13R、IL-15R、IL-17R、IL-18R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-25R、IL-31R、IL-33R)、インターフェロン(INF)-アルファ、INF-ベータ、INF-ガンマ、インヒビン、iNOS、インスリンA鎖、インスリンB鎖、インスリン様成長因子1、インテグリンアルファ2、インテグリンアルファ3、インテグリンアルファ4、インテグリンアルファ4/ベータ1、インテグリンアルファ4/ベータ7、インテグリンアルファ5(アルファV)、インテグリンアルファ5/ベータ1、インテグリンアルファ5/ベータ3、インテグリンアルファ6、インテグリンベータ1、インテグリンベータ2、インターフェロンガンマ、IP-10、I-TAC、JE、カリクレイン2、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン11、カリクレイン12、カリクレイン14、カリクレイン15、カリクレインL1、カリクレインL2、カリクレインL3、カリクレインL4、KC、KDR、ケラチノサイト成長因子(KGF)、ラミニン5、LAMP、LAP、LAP(TGF-1)、潜在型TGF-1、潜在型TGF-1 bp1、LBP、LDGF、LECT2、Lefty、ルイスY抗原、ルイスY関連抗原、LFA-1、LFA-3、Lfo、LIF、LIGHT、リポタンパク質、LIX、LKN、Lptn、L-セレクチン、LT-a、LT-b、LTB4、LTBP-1、肺サーファクタント、黄体形成ホルモン、リンホトキシンベータ受容体、Mac-1、MAdCAM、MAG、MAP2、MARC、MCAM、MCAM、MCK-2、MCP、M-CSF、MDC、Mer、メタロプロテアーゼ、MGDF受容体、MGMT、MHC(HLA-DR)、MIF、MIG、MIP、MIP-1-アルファ、MK、MMAC1、MMP、MMP-1、MMP-10、MMP-11、MMP-12、MMP-13、MMP-14、MMP-15、MMP-2、MMP-24、MMP-3、MMP-7、MMP-8、MMP-9、MPIF、Mpo、MSK、MSP、ムチン(Muc1)、MUC18、ミュラー管阻害因子、Mug、MuSK、NAIP、NAP、NAV1.7、NCAD、N-カドヘリン、NCA90、NCAM、NCAM、ネプリライシン、ニューロトロフィン-3、-4、または-6、ニュールツリン、神経成長因子(NGF)、NGFR、NGF-ベータ、nNOS、NO、NOS、Npn、NRG-3、NT、NTN、OB、OGG1、OPG、OPN、OSM、OX40L、OX40R、p150、p95、PADPr、副甲状腺ホルモン、PARC、PARP、PBR、PBSF、PCAD、P-カドヘリン、PCNA、PD1、PDL1、PDGF、PDGF、PDK-1、PECAM、PEM、PF4、PGE、PGF、PGI2、PGJ2、PIN、PLA2、胎盤性アルカリホスファターゼ(PLAP)、P1GF、PLP、PP14、プロインスリン、プロレラキシン、プロテインC、PS、PSA、PSCA、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、PTEN、PTHrp、Ptk、PTN、R51、RANK、RANKL、RANTES、RANTES、レラキシンA鎖、レラキシンB鎖、レニン、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)F、RSV Fgp、Ret、リウマトイド因子、RLIP76、RPA2、RSK、S100、SCF/KL、SDF-1、SERINE、血清アルブミン、sFRP-3、Shh、SIGIRR、SK-1、SLAM、SLPI、SMAC、SMDF、SMOH、SOD、SPARC、Stat、STEAP、STEAP-II、TACE、TACI、TAG-72(腫瘍関連糖タンパク質-72)、TARC、TCA-3、T細胞受容体(例えば、T細胞受容体アルファ/ベータ)、TdT、TECK、TEM1、TEM5、TEM7、TEM8、TERT、精巣PLAP様アルカリホスファターゼ、TfR、TGF、TGF-アルファ、TGF-ベータ、TGF-ベータPan特
異的、TGF-ベータR1(ALK-5)、TGF-ベータR11、TGF-ベータRIIb、TGF-ベータRIII、TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、TGF-ベータ4、TGF-ベータ5、トロンビン、胸腺Ck-1、甲状腺刺激ホルモン、Tie、TIMP、TIQ、組織因子、TMEFF2、Tmpo、TMPRSS2、TNF、TNF-アルファ、TNF-アルファベータ、TNF-ベータ2、TNFc、TNF-RI、TNF-RII、TNFRSF10A(TRAIL R1Apo-2、DR4)、TNFRSF10B(TRAIL R2DR5、KILLER、TRICK-2A、TRICK-B)、TNFRSF10C(TRAIL R3DcR1、LIT、TRID)、TNFRSF10D(TRAIL R4 DcR2、TRUNDD)、TNFRSF11A(RANK ODF R、TRANCE R)、TNFRSF11B(OPG OCIF、TR1)、TNFRSF12(TWEAK R FN14)、TNFRSF13B(TACI)、TNFRSF13C(BAFF R)、TNFRSF14(HVEM ATAR、HveA、LIGHT R、TR2)、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF17(BCMA)、TNFRSF18(GITR AITR)、TNFRSF19(TROY TAJ、TRADE)、TNFRSF19L(RELT)、TNFRSF1A(TNF R1CD120a、p55-60)、TNFRSF1B(TNF RII CD120b、p75-80)、TNFRSF26(TNFRH3)、TNFRSF3(LTbR TNF RIII、TNFC R)、TNFRSF4(OX40 ACT35、TXGP1 R)、TNFRSF5(CD40 p50)、TNFRSF6(Fas Apo-1、APT1、CD95)、TNFRSF6B(DcR3M68、TR6)、TNFRSF7(CD27)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF9(4-1BB CD137、ILA)、TNFRSF21(DR6)、TNFRSF22(DCTRAIL R2 TNFRH2)、TNFRST23(DCTRAIL R1TNFRH1)、TNFRSF25(DR3Apo-3、LARD、TR-3、TRAMP、WSL-1)、TNFSF10(TRAIL Apo-2リガンド、TL2)、TNFSF11(TRANCE/RANKリガンドODF、OPGリガンド)、TNFSF12(TWEAK Apo-3リガンド、DR3リガンド)、TNFSF13(APRIL TALL2)、TNFSF13B(BAFF BLYS、TALL1、THANK、TNFSF20)、TNFSF14(LIGHT HVEMリガンド、LTg)、TNFSF15(TL1A/VEGI)、TNFSF18(GITRリガンドAITRリガンド、TL6)、TNFSF1A(TNF-a Conectin、DIF、TNFSF2)、TNFSF1B(TNF-b LTa、TNFSF1)、TNFSF3(LTb TNFC、p33)、TNFSF4(OX40リガンドgp34、TXGP1)、TNFSF5(CD40リガンドCD154、gp39、HIGM1、IMD3、TRAP)、TNFSF6(FasリガンドApo-1リガンド、APT1リガンド)、TNFSF7(CD27リガンドCD70)、TNFSF8(CD30リガンドCD153)、TNFSF9(4-1BBリガンドCD137リガンド)、TP-1、t-PA、Tpo、TRAIL、TRAIL R、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TRANCE、トランスフェリング受容体、TRF、Trk(例えば、TrkA)、TROP-2、TSG、TSLP、腫瘍関連抗原CA125、ルイスY関連炭水化物を発現する腫瘍関連抗原、TWEAK、TXB2、Ung、UPAR、uPAR-1、ウロキナーゼ、VCAM、VCAM-1、VECAD、VE-カドヘリン、VE-カドヘリン-2、VEFGR-1(fit-1)、VEGF、VEGFR、VEGFR-3(flt-4)、VEGI、VIM、ウイルス抗原、VLA、VLA-1、VLA-4、VNRインテグリン、フォン・ヴィレブランド因子、WIF-1、WNT1、WNT2、WNT2B/13、WNT3、WNT3A、WNT4、WNT5A、WNT5B、WNT6、WNT7A、WNT7B、WNT8A、WNT8B、WNT9A、WNT9A、WNT9B、WNT10A、WNT10B、WNT11、WNT16、XCL1、XCL2、XCR1、XCR1、XEDAR、XIAP、XPD、ならびにホルモン及び成長因子の受容体。
【0102】
いくつかの実施形態において、結合ドメインは、ネコにおいて、1つ以上の治療標的または抗原に特異的に結合し、例えば、限定するものではないが、ACE、ACE-2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIA ALK-2、アクチビンRIB ALK-4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAMS、ADAM9、ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、ANG、Ang、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、b-ECGF、CD19、CD20、CD30、CD34、CD40、CD40L、CD47、COX、CTLA-4、EGFR(ErbB-1)、EPO、卵胞刺激ホルモン、GDF-8(ミオスタチン)、GLP1、GLP2、GnRH、成長ホルモン放出因子、IgE、IL、IL-1、IL-1R、IL-2、IL-2R、IL-4、IL-4R、IL-5、IL-5R、IL-6、IL-6R、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-18R、IL-21、IL-22、IL-23、IL-25、IL-31、IL-33、インターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-12R、IL-13R、IL-15R、IL-17R、IL-18R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-25R、IL-31R、IL-33R)、LAP(TGF-1)、潜在型TGF-1、潜在型TGF-1 bp1、LFA-1、神経成長因子(NGF)、NGFR、NGF-ベータ、OX40L、OX40R、PD1、PDL1、TGF、TGF-アルファ、TGF-ベータ、TGF-ベータPan特異的、TGF-ベータR1(ALK-5)、TGF-ベータR11、TGF-ベータRIIb、TGF-ベータRIII、TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、TGF-ベータ4、TGF-ベータ5、TNF、TNF-アルファ、TNF-アルファベータ、TNF-ベータ2、TNFc、TNF-RI、TNF-RII、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF9(4-1BB CD137、ILA)、VEFGR-1(fit-1)、VEGF、VEGFR、及びVEGFR-3(flt-4)などが挙げられる。
【0103】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、タンパク質を含むことができ、ここで、タンパク質は、治療用タンパク質、例えば、EPO、CTLA4、LFA3、VEGFR1/VEGFR3、IL-1R、IL-4R、GLP-1受容体アゴニスト、またはトロンボポエチン結合ペプチドである。いくつかの実施形態において、治療用タンパク質は、ACE、ACE-2、アクチビン、アクチビンA、アクチビンAB、アクチビンB、アクチビンC、アクチビンRIA、アクチビンRIAALK-2、アクチビンRIB ALK-4、アクチビンRIIA、アクチビンRIIB、ADAM、ADAM10、ADAM12、ADAM15、ADAM17/TACE、ADAMS、ADAM9、ADAMTS、ADAMTS4、ADAMTS5、ANG、Ang、アンジオテンシン1型(AT1)受容体、アンジオテンシン2型(AT2)受容体、心房性ナトリウム利尿因子、av/b3インテグリン、b-ECGF、CD19、CD20、CD30、CD34、CD40、CD40L、CD47、COX、CTLA-4、EGFR(ErbB-1)、EPO、卵胞刺激ホルモン、GDF-8(ミオスタチン)、GLP1、GLP2、GnRH、成長ホルモン放出因子、IgE、IL、IL-1、IL-1R、IL-2、IL-2R、IL-4、IL-4R、IL-5、IL-5R、IL-6、IL-6R、IL-8、IL-9、IL-10、IL-12、IL-13、IL-15、IL-17、IL-18、IL-18R、IL-21、IL-22、IL-23、IL-25、IL-31、IL-33、インターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-12R、IL-13R、IL-15R、IL-17R、IL-18R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-25R、IL-31R、IL-33R)、LAP(TGF-1)、潜在型TGF-1、潜在型TGF-1 bp1、LFA-1、神経成長因子(NGF)、NGFR、NGF-ベータ、OX40L、OX40R、PD1、PDL1、TGF、TGF-アルファ、TGF-ベータ、TGF-ベータPan特異的、TGF-ベータR1(ALK-5)、TGF-ベータR11、TGF-ベータRIIb、TGF-ベータRIII、TGF-ベータ1、TGF-ベータ2、TGF-ベータ3、TGF-ベータ4、TGF-ベータ5、TNF、TNF-アルファ、TNF-アルファベータ、TNF-ベータ2、TNFc、TNF-RI、TNF-RII、TNFRSF16(NGFR p75NTR)、TNFRSF9(4-1BB CD137、ILA)、VEFGR-1(fit-1)、VEGF、VEGFR、またはVEGFR-3(flt-4)である。
【0104】
医薬組成物
本明細書に記載される1つまたは複数のポリペプチドの医薬組成物または無菌組成物を調製するために、1つまたは複数のポリペプチドは、薬学的に許容される担体または賦形剤とともに混合され得る。(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and U.S.Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,Pa.(1984)参照)。
【0105】
治療薬及び診断薬の製剤は、許容される担体、賦形剤、または安定剤と混合することによって、例えば、凍結乾燥粉末、スラリー、水溶液または懸濁液の形態に調製され得る(例えば、Hardman,et al.(2001)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw-Hill,New York,N.Y.;Gennaro(2000)Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,N.Y.;Avis,et al.(eds.)(1993)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie(2000)Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.参照)。一実施形態において、本発明の1つまたは複数のポリペプチドは、pH5~6の酢酸ナトリウム溶液で適切な濃度に希釈され、張性のためにNaClまたはスクロースが添加される。安定性を高めるために、ポリソルベート20またはポリソルベート80などの追加の剤が添加されてもよい。
【0106】
単独または別の薬剤と組み合わせて投与されるポリペプチド組成物の毒性及び治療有効性は、細胞培養または実験動物における標準的な製薬手順、例えば、LD50(集団の50%にとって致死的な用量)及びED50(集団の50%において治療上有効な用量)を決定するための手順によって決定することができる。毒性と治療効果との間の用量の比が治療指数である(LD50/ED50)。特定の態様において、高い治療指数を呈する1つまたは複数のポリペプチドが望ましい。これらの細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ネコに使用するための投与量の範囲を導き出すのに使用することができる。そのような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどまたは全くないED50に入る循環濃度の範囲内である。投与量は、採用される剤形及び投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。
【0107】
投与の様式は、様々であり得る。好適な投与経路には、経口、直腸、経粘膜、腸、非経口;筋肉内、皮下、皮内、髄内、髄腔内、直接脳(心)室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内、眼内、吸入、吹送、局所、皮膚、経皮、または動脈内が含まれる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、注射などの侵襲性経路によって投与することができる。更なる実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、静脈内、皮下、筋肉内、動脈内、腫瘍内、または吸入、エアロゾル送達によって投与される。
【0108】
本明細書で開示される医薬組成物は、注入によって投与されてもよい。医薬組成物を投与するよく知られているインプラント及びモジュールの形態の例としては、制御された速度で薬剤を分注するための埋め込み可能な微量注入ポンプを開示する米国特許第4,487,603号;正確な注入速度で薬物を送達するための薬剤注入ポンプを開示する米国特許第4,447,233号;連続的な薬物送達のための埋め込み可能な可変流量の注入装置を開示する米国特許第4,447,224号;マルチチャンバーコンパートメントを有する浸透性薬物送達系を開示する米国特許第4,439,196号が挙げられる。他の多くのそのようなインプラント、送達系、及びモジュールは、当業者によく知られている。
【0109】
あるいは、1つまたは複数のポリペプチドは、全身的ではなく局所的に投与されてもよく、例えば、免疫病理学によって特徴付けられる関節炎の関節または病原体誘発病変に、多くの場合、デポーまたは持続放出性製剤で、抗体を直接注射することによりなされてもよい。更に、1つまたは複数のポリペプチドは、標的化された薬物送達系で投与されてもよく、例えば、免疫病理学によって特徴付けられる関節炎の関節または病原体誘発病変を標的とする、例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームで投与されてもよい。リポソームは、患部組織に対して標的化され、患部組織によって選択的に取り込まれる。
【0110】
投与レジメンは、限定するものではないが、治療されるネコの年齢、体重、及び体調、治療用抗体の血清または組織回転率、症状のレベル、1つまたは複数の治療用ポリペプチドの免疫原性、ならびに生物学的マトリックスにおける標的細胞のアクセス容易性を含む、いくつかの因子に依存する。いくつかの実施において投与レジメンは、標的とする疾患状態の改善をもたらすのに十分な1つまたは複数の治療用ポリペプチドを送達し、同時に望ましくない副作用を最小化するものである。したがって、送達される生物学的製剤の量は、1つまたは複数の特定の治療用ポリペプチド及び治療される状態の重症度に部分的に依存する。治療用抗体の適切な用量を選択する際のガイダンスは、入手可能である(例えば、Wawrzynczak Antibody Therapy,Bios Scientific Pub.Ltd,Oxfordshire,UK(1996);Milgrom et al.New Engl.J.Med.341:1966-1973(1999);Slamon et al.New Engl.J.Med.344:783-792(2001);Beniaminovitz et al.New Engl.J.Med.342:613-619(2000);Ghosh et al.New Engl.J.Med.348:24-32(2003);Lipsky et al.New Engl.J.Med.343:1594-1602(2000)参照)。
【0111】
1つまたは複数のポリペプチドの適切な用量の決定は、例えば、当該技術分野において治療に影響することが知られているまたは推定されているパラメーターまたは因子を使用して、当業者によってなされる。一般に、投与は、至適用量よりもいくらか少ない量から開始され、その後、あらゆる負の副作用に対して望ましいまたは最適な効果が達成されるまで、少量ずつ増量される。重要な診断指標には、例えば、炎症の症状または産生される炎症性サイトカインのレベルが含まれる。
【0112】
核酸、ベクター、宿主細胞、及び作製方法
本開示はまた、本明細書に記載される1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、1つまたは複数の核酸を含む1つまたは複数のベクター、及び1つもしくは複数の核酸または1つもしくは複数のベクターを含む宿主細胞を包含する。
【0113】
本明細書に記載される1つまたは複数のポリペプチドは、細菌細胞または真核細胞で産生され得る。いくつかのポリペプチド、例えば、Fab’は、細菌細胞、例えば、E.coli細胞で産生することができる。ポリペプチドはまた、形質転換細胞株(例えば、CHO、293E、COS、293T、Hela)などの真核細胞で産生することもできる。加えて、ポリペプチド(例えば、scFv)は、Pichia(例えば、Powers et al.,J Immunol Methods.251:123-35(2001)参照)、Hanseula、またはSaccharomycesなどの酵母菌細胞で発現させることができる。目的の抗体を産生させるために、1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数のポリヌクレオチドを構築し、1つまたは複数の発現ベクターに導入し、次いで、好適な宿主細胞で発現させる。発現を改善するために、遺伝子のヌクレオチド配列は、アミノ酸配列を変えることなく(または最小限の変更、例えば、重鎖または軽鎖のC末端残基の除去)、再コード化することができる。再コード化の対象となり得る領域には、翻訳開始、コドン使用頻度、及び意図されないmRNAスプライシング候補に関連するものが含まれる。本明細書に記載されるFc領域バリアントをコードするポリヌクレオチドは、当業者には容易に想定されるであろう。
【0114】
標準的な分子生物学技術を使用して、組み換え発現ベクター(複数可)を調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、ポリペプチド(例えば、抗体)を回収することができる。
【0115】
1つまたは複数のポリペプチドが細菌細胞(例えば、E.coli)で発現される場合、発現ベクターは、細菌細胞におけるベクターの増幅を可能にする特徴を有していなければならない。更に、JM109、DH5α、HB101、またはXL1-BlueなどのE.coliが宿主として使用される場合、ベクターは、E.coliでの十分な発現を可能にし得るプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Ward et al.,341:544-546(1989)、araBプロモーター(Better et al.,Science,240:1041-1043(1988))、またはT7プロモーターを有している必要がある。そのようなベクターの例としては、例えば、M13ベクター、pUCシリーズベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Script、pGEX-5X-1(Pharmacia)、「QIAexpress system」(QIAGEN)、pEGFP、及びpET(この発現ベクターが使用される場合は、宿主は、好ましくは、T7 RNAポリメラーゼを発現するBL21である)が挙げられる。発現ベクターは、抗体分泌のためのシグナル配列を含有し得る。E.coliのペリプラズムへの産生の場合、pelBシグナル配列(Lei et al.,J.Bacteriol.,169:4379(1987))が抗体分泌のためのシグナル配列として使用され得る。細菌発現の場合、塩化カルシウム法またはエレクトロポレーション法を使用して、細菌細胞に発現ベクターを導入することができる。
【0116】
1つまたは複数のポリペプチドがCHO、COS、及びNIH3T3細胞などの動物細胞で発現される場合、発現ベクターは、これらの細胞での発現に必要なプロモーター、例えば、SV40プロモーター(Mulligan et al.,Nature,277:108(1979))(例えば、初期シミアンウイルス40プロモーター)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushima et al.,Nucleic Acids Res.,18:5322(1990))、またはCMVプロモーター(例えば、ヒトサイトメガロウイルス前初期プロモーター)を含む。Fc領域バリアントをコードする核酸配列に加えて、組み換え発現ベクターは、宿主細胞でベクターの複製を調節する配列(例えば、複製起点)及び選択マーカー遺伝子などの追加の配列を保有し得る。選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞の選択を容易にする(例えば、米国特許第4,399,216号、同第4,634,665号及び同第5,179,017号)。例えば、典型的に、選択マーカー遺伝子は、ベクターが導入された宿主細胞に、G418、ハイグロマイシン、またはメトトレキサートなどの薬物に対する耐性を付与する。選択マーカーを含むベクターの例としては、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、及びpOP13が挙げられる。
【0117】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、哺乳動物細胞で産生される。1つまたは複数のポリペプチドを発現させるための例示的な哺乳動物宿主細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216-4220に記載されているdhfr-CHO細胞を含み、例えば、Kaufman and Sharp(1982)Mol.Biol.159:601621に記載されているようにDHFR選択マーカーとともに使用される)、ヒト胎児腎臓293細胞(例えば、293、293E、293T)、COS細胞、NIH3T3細胞、リンパ球細胞株、例えば、NS0骨髄腫細胞及びSP2細胞、及びトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニック哺乳動物に由来する細胞が挙げられる。例えば、細胞は、乳腺上皮細胞である。
【0118】
抗体発現のための例示的な系において、抗体の抗体重鎖及び抗体軽鎖の両方をコードする組み換え発現ベクターがリン酸カルシウムを介したトランスフェクションによってdhfr-CHO細胞に導入される。組み換え発現ベクター内において、抗体の重鎖及び軽鎖遺伝子は、高い遺伝子転写レベルを駆動するために、エンハンサー/プロモーター調節エレメント(例えば、SV40、CMV、アデノウイルスなどに由来するもの、例えば、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメントまたはSV40エンハンサー/AdMLPプロモーター調節エレメント)に作動可能にそれぞれ連結される。また、組み換え発現ベクターは、DHFR遺伝子を保有しており、これにより、ベクターをトランスフェクトしたCHO細胞を、メトトレキサート選択/増幅を使用して選択することが可能となる。選択された形質転換宿主細胞は、抗体の重鎖及び軽鎖が発現するように培養され、培養培地から抗体が回収される。
【0119】
治療方法
本明細書で開示される1つまたは複数のポリペプチドは、任意の疾患または障害の治療または予防を、それを必要とするネコにおいて行うために使用することができる。本発明は、繰り返し投与が必要な慢性状態の治療に特に有用である。タンパク質治療薬の半減期が増加するため、投与頻度の減少及び/または用量レベルの減少が可能となり得る。
【0120】
いくつかの実施形態において、治療または予防される疾患、障害、状態または症状は、アレルギー性疾患、慢性疼痛、急性疼痛、炎症性疾患、自己免疫疾患、内分泌疾患、胃腸疾患、骨格/筋骨格疾患、心血管疾患、神経系疾患、腎臓疾患、代謝疾患、免疫疾患、遺伝/遺伝性疾患、生殖機能関連障害、感染症またはがんである。ある特定の実施形態において、治療または予防される疾患または障害は、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、食物アレルギー、骨関節炎痛、周術期の疼痛、歯痛、がん疼痛、関節炎、貧血、肥満、または糖尿病である。
【0121】
抗体は、疾患の治療または予防だけでなく、正常な生物学的機能を調節するため、例えば、生殖能力または行動を管理するためにも使用され得る。
【0122】
診断
本明細書で開示される1つまたは複数のポリペプチドはまた、様々な診断用途、例えば、ネコが任意の特定の疾患または障害を有するかどうかを決定するために使用することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、結合ドメインを含み得る。結合ドメインは、本明細書に記載されるタンパク質、サブユニット、ドメイン、モチーフ、及び/またはエピトープ(例えば、がん細胞のマーカー)に特異的に結合することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のポリペプチドは、標識基を更に含む。一般に、標識基は、それらが検出されるアッセイに応じて、様々な種類に分けられる:a)放射性同位体または重元素同位体であり得る同位体標識;b)磁気標識(例えば、磁気粒子);c)酸素還元活性部分;d)光学色素;酵素基(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ);e)ビオチン化基;及びf)二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパーペア配列、二次抗体用の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグなど)。いくつかの実施形態において、標識基は、潜在的な立体障害を減少させるために、様々な長さのスペーサーアームを介して抗体に結合される。タンパク質を標識するための様々な方法が当該技術分野において知られており、本発明を実施する際に使用され得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、標識基は、プローブ、色素(例えば、蛍光色素)、または放射性同位体(例えば、3H、14C、22Na、36Cl、35S、33P、または125I)である。
【0124】
特定の標識にはまた、光学色素も含まれ、限定するものではないが、発色団、蛍光体及びフルオロフォアが含まれ、後者は、多くの場合、特異的である。フルオロフォアは、「小分子」の蛍光体、またはタンパク質性の蛍光体のいずれかであり得る。
【0125】
蛍光標識は、その固有の蛍光特性を介して検出され得る任意の分子であり得る。好適な蛍光標識には、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチル-クマリン、ピレン、Malacite green、スチルベン、Lucifer Yellow、Cascade BlueJ、Texas Red、IAEDANS、EDANS、BODIPY FL、LC Red 640、Cy 5、Cy 5.5、LC Red 705、Oregon green、Alexa-Fluor色素(Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680)、Cascade Blue、Cascade Yellow及びR-フィコエリトリン(PE)(Molecular Probes,Eugene,Oreg.)、FITC、ローダミン、及びTexas Red(Pierce,Rockford,Ill.)、Cy5、Cy5.5、Cy7(Amersham Life Science,Pittsburgh,Pa.)が含まれるが、これらに限定されない。好適な光学色素は、フルオロフォアを含め、Molecular Probes Handbook by Richard P.Hauglandに記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0126】
好適なタンパク質性蛍光標識にはまた、緑色蛍光タンパク質(Renilla、Ptilosarcus、またはAequorea種のGFPを含む)(Chalfie et al.,1994,Science 263:802-805)、EGFP(Clontech Laboratories,Inc.,Genbankアクセッション番号U55762)、青色蛍光タンパク質(BFP、Quantum Biotechnologies,Inc.1801 de Maisonneuve Blvd.West,8th Floor,Montreal,Quebec,Canada H3H1J9;Stauber,1998,Biotechniques 24:462-471;Heim et al.,1996,Curr.Biol.6:178-182)、改良型黄色蛍光タンパク質(EYFP,Clontech Laboratories,Inc.)、ルシフェラーゼ(Ichiki et al.,1993,J.Immunol.150:5408-5417)、βガラクトシダーゼ(Nolan et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2603-2607)及びRenilla(WO92/15673、WO95/07463、WO98/14605、WO98/26277、WO99/49019、米国特許第5,292,658号、同第5,418,155号、同第5,683,888号、同第5,741,668号、同第5,777,079号、同第5,804,387号、同第5,874,304号、同第5,876,995号、同第5,925,558号)が含まれるが、これらに限定されない。本段落中において上で引用される参考文献は全て、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
【0127】
アッセイ
FcγRI及びFcγRIII結合:
FcγRI及びFcγRIIIへの結合は、ADCCを媒介する抗体の能力の指標である。抗体のこの特性を評価するために、FcγRI及びFcγRIIIに対する抗体の結合を測定するアッセイが当該技術分野において知られている方法を使用して実施され得る。
【0128】
C1q結合:
補体の第1成分であるC1qへの結合は、補体依存性細胞傷害(CDC)を媒介する抗体の能力の指標である。抗体のこの特性を評価するために、C1qに対する抗体の結合を測定するアッセイが当該技術分野において知られている方法を使用して実施され得る。
【0129】
半減期:
抗体の半減期を測定する方法は、当該技術分野においてよく知られている。例えば、Booth et al.,MAbs,10(7):1098-1110(2018)を参照されたい。一例として、抗体(例えば、ネコ抗体)の半減期は、動物モデル(例えば、ネコモデル)に抗体を注射し、ある一定期間にわたって血清中の抗体レベルを測定することによって測定することができる。例示的な動物モデルとしては、非ヒト霊長類モデル及びトランスジェニックマウスモデルが挙げられる。トランスジェニックマウスモデル(例えば、Tg32またはTg276トランスジェニックマウス)は、マウスFcRnアルファ鎖が欠損しており、ヒトFcRnアルファ導入遺伝子を発現することができる(例えば、構成性プロモーターの制御下で)。ヒトFcRnアルファ鎖は、マウスβ2-ミクログロブリンタンパク質とin vivoで対合し、機能的なキメラFcRnヘテロ二量体を形成することができる。
【実施例】
【0130】
実施例1:選択された位置でのNNK飽和変異導入ライブラリーの生成及び個々のバリアントの解析
ネコIgG1a(配列番号1)のCH2及びCH3ドメインの野生型(wt)配列を合成し、NNK変異導入の鋳型として使用した。NNK飽和変異導入法は、所望の位置に20個の可能な全てのアミノ酸を生成するのに効果的な戦略である(Hogrefe et al.,Biotechniques.33:1158-1165[2002])。位置252、428及び434(EUナンバリング)の個々のNNKライブラリーを生成した。特定位置のNNK(N=A/C/G/T、K=G/T)プライマーをQuikChange Site-Directed Mutagenesis Kit(Agilent)で使用した。PCR産物をGenScript FASEBAプラスミドにサブクローニングし、E.coliに形質転換し、バリアントの存在について配列を確認した。CH3ドメインの下流は、アルブミンに対してpMの親和性を有するSASA(血清アルブミンに対する単一ドメイン抗体)タグである(Zhang,J.;Wu,S.;Liu,J.Methods and systems for increasing protein stability.特許出願番号US2013/0129727A1)。SASA抗体は、以下に記載されるセンサーチップ表面へのFcの捕捉を可能にするものである。PelB(ペクチン酸リアーゼB)シグナルペプチドは、N末端にあり、Fcの培地への分泌を促進する。CH2-CH3タンパク質の発現は、Lacプロモーターによって制御した。馴化培地からの上清を、pH6.0におけるネコFcRn(GenBank KF773786[IgG受容体FcRn大型サブユニットp51]及びEuropean Nucleotide Archive AY829266.1[ネコベータ-2-ミクログロブリン])へのバリアントの結合について、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して解析した。
【0131】
各ライブラリーから得た90個の個々の形質転換体の上清を、以下に記載されるようにBiacore法を使用して、pH6.0でネコFcRnへの結合についてアッセイした。
【0132】
Biacore 8Kを使用したSPR解析では、ウシ血清アルブミン(BSA)をCM5センサーチップに固定した。フローセル1及び2のセンサーチップ表面を、新たに混合した50mmol/LのN-ヒドロキシスクシンイミド及び200mmol/Lの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩によって、420秒(10μL/分)かけて活性化させた。その後、10mM酢酸ナトリウム(pH4.5)で希釈したBSAをフローセル2に注入してコンジュゲーションを達成し、フローセル1をブランクとした。アミンカップリング反応後、チップ表面上に残存する活性カップリング部位を、1mM エタノールアミン塩酸塩を420秒注入してブロックした。結合実験のためのランニング緩衝液は、HBS-EP(10mM HEPES、500mM NaCl、3mM EDTA、0.05%Tween20、pH5.5)であり、25℃で実施した。バリアントの上清をチップ表面に注入し、固定したBSAにSASAタグを介して60秒かけて捕捉させた。200nMのネコFcRnを120秒間注入し、解離をランニング緩衝液で120秒間行った。BSAの固定化フェーズの流量は、10μl/分であり、会合及び解離フェーズの流量は、30μl/分であった。データは全て、Biacore 8K評価ソフトウェアバージョン1.1を使用して処理した。Biacoreセンサーグラムについては、
図1及び
図2を参照されたい。
【0133】
試験したバリアントは、野生型ネコIgG1aのFc(配列番号1)と比較した場合、pH6.0において、ネコFcRnに対して増加した結合親和性を示した。
【0134】
アミノ酸位置252、428及び434におけるNNK変異導入は、pH6.0でFcRnへの結合が増加する変異体をもたらすことがわかった。この3つの位置で生成された全90個のクローンのシーケンシングを行うと、次の6個のクローン、すなわち、S252H、S428E、S428C、S428F、S428W及びS434Yは生成されていないことが示された。これらの位置における他の全てのアミノ酸置換は、試験上の利益をもたらさなかった。結果を以下の表3にまとめる。
【表3】
【0135】
実施例2:ネコIgG1a Fcのスキャニング変異導入
ファージディスプレイライブラリーアプローチを使用して、pH6.0において、ネコFcRnに対する親和性が増加するネコIgG1a Fcバリアントを同定した。55個の異なる位置にバリアントを有するように、ネコIgG1a Fc(Kanai et al., 2000. Vet. Immunol. Immunopathol. 73:53)をTwist Bioscienceによって合成した(
図4)。変異させた位置のそれぞれに、8つの可能なアミノ酸の置換を行った。これらのアミノ酸は、アルギニン及びリシン(正電荷側鎖)、アスパラギン酸及びグルタミン酸(負電荷側鎖)、トレオニン及びグルタミン(極性非電荷側鎖)、ならびにロイシン及びバリン(疎水性側鎖)であった。Fc分子ごとに平均2つのバリアントを有するようにFc DNAライブラリーを設計した。このライブラリーの複雑さは、式:nCr=n!/r!
*(n-r)!(式中、nは、部位数を表し、rは、分子あたりのバリアント数を表す)を使用すると、95,040とおりの組み合わせであった。所望の部位特異的変異を含むFcバリアントを、変異原性オリゴヌクレオチドとしてTwistのシリコンベースプラットフォームでプリントした。
【0136】
次いで、アセンブリPCRを使用して、オリゴヌクレオチドを連結し、全長Fc遺伝子断片プールを生成した。次いで、連結したFc遺伝子断片プールを、Antibody Design Labs社のpADL-22cファージミドベクターのSfi切断部位にクローニングした。クローニングしたDNAライブラリーをTG1 E.coliエレクトロコンピテントセルに形質転換し、8×1010のバリアントの実験的多様性を創出した。次いで、ファージミドで形質転換したE.coli細胞をM13K07ヘルパーファージとコトランスフェクトして、タンパク質に基づくパニングに使用するファージプールを作製した。ライブラリーを20mM MES緩衝液(pH6.0)、0.05%Tween20及び3%ミルク中に再懸濁した。
【0137】
ライブラリーの品質は、96個のランダムファージクローンを選択することによって決定し、サンガー法によって配列決定を行った。ファージあたりの変異体の数を以下の表4に示す。
【表4】
【0138】
最初のファージ選択では、プロテインA結合を失ったあらゆるFcバリアントを除去するために、プロテインA捕捉ステップを使用した。この選択のために、ファージライブラリーをプロテインAビーズ上に捕捉し、PBS(pH7.4)で洗浄した。ファージを0.1M グリシン(pH2.7)で溶出し、pHを1M Tris-HCl(pH7.5)で直ちに中和した。中和したファージをポリエチレングリコール/NaClで沈殿させ、遠心分離にかけた。ペレット化したファージを20mM MES(pH6.0)、0.05%Tween20、3%ミルク中に再懸濁した。
【0139】
次のファージ選択は、Borrok et al.,2015,J Biol.Chem.,290:4282に記載されているプロトコルに基づいた。簡潔に述べると、Nunc 96マルチウェルプレートをニュートロアビジンでコーティングし、次いで、5%ウシ血清アルブミンPBS(pH7.4)でブロッキングした。ビオチン化したネコFcRn(FCN-F82W3、Acrobiosystems)をPBS(pH6.0)中、0.31μg/mlの濃度でウェルに固定化した。PBS(pH6.0)中のファージライブラリーを、固定化したネコFcRnとインキュベートし、次いで、PBS(pH6.0)、0.05%Tween20、0.3M NaClで洗浄した。PBS(pH7.4)を用いてファージを37℃で30分間インキュベートすることによって溶出した。溶出したファージを、pH7.4で、0.31μg/mlのネコFcRnで枯渇させた。結合していないファージをTG1細胞中で増殖させた。各ラウンドの正確な条件及び結果を以下の表5に示す。
【表5】
【0140】
第3選択ラウンドの結果として合計768個のファージクローンが単離され、第4選択ラウンドでは768個のファージクローンが単離された。Illumina MiSeqを使用する次世代シーケンシングによって、クローンの配列決定を行った。
【0141】
配列決定の結果、位置252に置換チロシン、位置434に置換チロシンまたはフェニルアラニンを含有するクローンが多数存在することが明らかになり(以下の表参照)、置換のいくつかは、意図した8個のアミノ酸置換以外の残基を含有することが示された。Gearing et al.(2016,J Vet Intern Med,30:1129)によって先に記載された可変ドメインを使用して、ユニークなバリアントをIgGに再フォーマットした。ミニプレッププラスミドDNAを、ExpiFectamine293トランスフェクション試薬を用いて、Expi293細胞にトランスフェクトした。馴化培地からIgGバリアントをプロテインAクロマトグラフィーで精製し、43mM クエン酸ナトリウム、130mM 炭酸水素ナトリウム、pH6.0に調整した。
【0142】
IgGバリアントのネコFcRnに対する親和性を決定するために、Carterra機器を使用して結合カイネティクスを決定した。抗体(約5μg/ml)を、EDC/NHS活性化、続くエタノールアミンHClでのクエンチによって、HC30Mセンサーチップにアミンカップリングさせた。
【0143】
ある濃度(333nM、111nM、37nM、12.3nM、4.1nM、1.37nM、0.45nM)のネコFcRn(FCN-F82W3、Acrobiosystems)を、HBSTE(10mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%Tween-20)、0.5%ウシ血清アルブミン、pH6.0中でセンサーチップ上に流して、pH6.0におけるカイネティクスを決定した。HBSTE緩衝液のpHを7.4に調整した以外はこれと同じ戦略を使用して、pH7.4におけるネコFcRnへの結合カイネティクスを決定した。
【0144】
IgGバリアントのネコFcRn結合カイネティクスを以下の表6に示す。
【表6】
【0145】
実施例3:ネコIgG1a Fcのスキャニング変異導入
Gearing et al.(2016,J Vet Intern Med,30:1129)によって先に記載された可変ドメインを使用して、更なる抗神経成長因子(NGF)ネコIgG1a抗体バリアントセットをTwist Bioscienceによって合成した。これらの抗体のFc領域に対する修飾は、Kanai et al.(2000,Vet.Immunol.Immunopathol.73:53)によって記載されている野生型ネコIgG1aのFcドメインのリファレンス配列と比較して、以下の表8及び表9に記載される。ネコIgG1aコンストラクトを哺乳動物発現ベクターにサブクローニングし、ExpiFectamine293トランスフェクション試薬を用いて、Expi293細胞にトランスフェクトした。馴化培地からIgG1a FcバリアントをプロテインAクロマトグラフィーで精製し、43mM クエン酸ナトリウム、130mM 炭酸水素ナトリウム、pH6.0で調整した。次いで、Carterra機器を使用して、IgG FcバリアントのネコFcRnに対する結合親和性を決定した。抗体バリアント(約5μg/ml)を、EDC/NHS活性化、続くエタノールアミンHClでのクエンチによって、HC30Mセンサーチップにアミンカップリングさせた。333nM、111nM、37nM、12.3nM、4.1nM、1.37nMまたは0.45nMのネコFcRn(FCN-F82W3、Acrobiosystems)を、HBSTE(10mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%Tween-20)、0.5%ウシ血清アルブミン中、pH6.0でセンサーチップ上に流して、pH6.0におけるカイネティクスを決定した。これと同じ戦略を採用して、pH7.4におけるFcバリアントのネコFcRnに対する結合親和性を決定した。ただし、HBSTE緩衝液のpHを7.4に調整した。
【0146】
IgGバリアントのネコFcRn結合カイネティクスを以下の表7に示す。
【0147】
【0148】
ネコFcRNに対するネコIgG1a Fcバリアントの結合を増加させることが特定されたアミノ酸置換の一覧を以下の表8に提供する:
【表8】
【0149】
実施例4:FcRn結合が増加したネコIgG1a Fcバリアント及び野生型ネコIgG1aの薬物動態試験。
12匹のオス及びメスのネコを用いて、薬物動態(PK)試験を行った。Gearing et al.(2016,J Vet Intern Med,30:1129)によって先に記載された抗NGF可変ドメインを使用して、野生型ネコIgG1aのFcドメインを保持する抗体を含め、ネコIgG1a Fcバリアントを調製した。
【0150】
動物を6つの群に無作為に分け、各群にオスとメスを配置した。各動物に2mg/kgの抗体を単回静脈投与で投与した。およそ0.5mlの全血を次の時点:0(投与前)、注射後4時間、及び1、2、4、6、10、14、18、22、30、34、38、42日に採取した。全血から血清を分離し、抗NGF抗体に特異的なELISAによって抗体の存在をアッセイした。非線形混合効果(NLME)モデルを使用して、線形クリアランスを有する2コンパートメント薬物動態(PK)モデルで6つの抗NGFモノクローナル抗体(mAb)バリアントの血清中濃度を記述した(
図46)。母集団パラメーターを、Monolix Suite 2019R1(Monolix version 2019R1.Antony,France:Lixoft SAS,2019)に実装されている確率的期待値最大化法(SAEM)アルゴリズムを使用して、推定した。個々のパラメーターを対数正規分布の確率変数としてモデル化した。PKパラメーターは体重(BW)に依存し、mAb特有の係数(β
BW,Cl=0.75、β
BW,V1=β
BW,V2=1、β
BW,Q=2/3)を使用した。個々のパラメーターφ
iについての式は、以下のとおりである(Dong et al.2011.Clin Pharmacokinet,50:131)。
【数1】
φ
popは母集団の典型的なパラメーターであり、ηは平均0及び標準偏差ωを含む確率変数、BW
iは動物iの体重であり、BW
refはリファレンス体重2kgであった。
【0151】
抗体バリアントは、次式に従って、クリアランス、コンパートメント間移動係数、及び末梢容積に関するカテゴリ型共変量を使用して識別した。
【数2】
式中、個々のバリアントの共変量がそのカテゴリに該当する場合はΩ
i=1であり、そうでない場合はΩ
i=0である。野生型(WT)mAbバリアントをリファレンスとして使用した。
【0152】
バリアントにつき2匹の動物を用いて個々に観察されたバリアントWT、S252W、S428Y、S428Y+L309V、S428Y+Q311V、及びS428Y+S254Rの血清中濃度を
図47に示す。
【0153】
推定PKパラメーターを以下の表9に示す。2mg/kgの単回IV投与を受ける典型的な2kgのネコにおける、野生型(WT)IgG1a FcまたはIgG1a FcバリアントS252W、S428Y、S428Y+L309V、S428Y+Q311V、及びS428Y+S254Rを保持するモノクローナル抗体の予測血清中濃度プロファイルを
図48に示す。これらの薬物動態学試験は、2つ以上のアミノ酸位置における置換の利点を確認するだけでなく、より重要なのは、in vitroでFcRn結合向上を付与するネコIgG Fcドメインへのアミノ酸修飾が、これらのIgG Fcバリアントのin vivo半減期を延長することにも十分であったことを示している。
【表9】
【0154】
実施例5:C1バイオセンサーを使用したネコIgG1aバリアントのネコFcRnに対する結合カイネティクス
いくつかのネコIgG1aバリアント(S252W、L309V、Q311V、S428Y、S428Y+Q311V、S428Y+254R、S428Y+L309V、S428Y+Q311V+T286E、S428Y+Q311V+E380T、S428Y+L309V+T286E、及びS428Y+L309V+E380T)について、pH5.9におけるネコFcRn(GenBank KF773786[ネコFcRn大型サブユニットp51]及びEuropean Nucleotide Archive AY829266.1[ネコベータ-2-ミクログルリン])に対する結合カイネティクスを評価した。位置の特定には、EUナンバリングを使用した(
図4)。この試験において、単一のアミノ酸置換またはアミノ酸置換の組み合わせを保有するネコFcバリアントを、Gearing DP et al.(2016,J Vet Intern Med,30:1129)によって記載される可変ドメインを使用して、ネコIgG1a(Kanai et al.,2000,Vet.Immunol.Immunopathol.73:53)に合成した。合成したネコIgGaのバリアントDNAを哺乳動物発現ベクターにサブクローニングし、CHO細胞に一過性にトランスフェクトした。プロテインAクロマトグラフィーを使用して馴化培地を精製した。
【0155】
ネコFcRn結合実験について、全てのアッセイをBiacore 8K+システムで25℃で実施した。この実験セットにおいて、抗体を標準的なアミンカップリング試薬を使用してSeries S C1センサーチップに固定した。200mmol/Lの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)及び50mmol/LのN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の混合物を420秒間注入して表面を活性化させた。次いで、抗体を、10mM 酢酸ナトリウム(pH5.0)中0.5~2μg/mlの濃度で、120秒間注入した。最後に、1Mのエタノールアミンを420秒間注入した。ランニング緩衝液は、pH5.9に調節した1X PBS-P+(Cytiva、Cat#28995084)であった。
【0156】
pH5.9におけるネコIgG1aバリアントのネコFcRnに対する結合親和性を評価するために、1.56~2000nMの濃度範囲のネコFcRnを選択し、シングルサイクルモードで注入した。各バリアントについて試験したネコFcRnの濃度を以下の表10に示す。
【表10】
【0157】
抗体につき4つの濃度を5μl/分で90秒間注入し、続いて、180秒間解離させた。各濃度系列をこのフォーマットで3回注入し、適切なリファレンスの差し引きのために少なくとも3回の緩衝液のみのサイクルを行った。1X PBS-P+(pH7.4)を30秒間2回注入し、続いて、60秒間の待機コマンドで、表面を再生した。解析前に表面を安定化させるため、3回のスタートアップサイクルを含めた。
【0158】
Insight Evaluation Softwareを使用し、1:1カイネティクス相互作用モデルへのフィッティングまたは定常状態の親和性へのフィッティングによって、データを評価した。U値及びT値を含む品質指標を使用して、許容されるパラメーターを選択した。15未満のU値を反応速度定数として許容できるものとみなし、100より大きいT値を反応速度定数として許容できるものとみなした。これらの値がその範囲外である場合、定常状態の親和性パラメーターを許容できるものとみなした。
【0159】
ネコIgG1aバリアントのカイネティクスデータを以下の表11に示し、センサーグラムを
図49A~49Lに示す。
【表11】
【0160】
実施例6:2つまたは3つのFc置換を含むネコIgG1a Fcバリアント及び野生型ネコIgG1aの薬物動態試験。
14匹のオス及びメスのネコを用いて、薬物動態(PK)試験を行った。Gearing et al.(2016,J Vet Intern Med,30:1129)によって先に記載された抗NGF可変ドメインを使用して、野生型ネコIgG1aのFcドメインを保持する抗体を含め、ネコIgG1a Fcバリアントを調製した。この試験で試験したネコIgG1aバリアントには、S428Y+L309V、S428Y+Q311V、S428Y+Q311V+T286E、S428Y+L309V+E380T、S428Y+Q311V+E380T、S428Y+L309V+T286E、野生型が含まれた。
【0161】
動物を7つの群に無作為に分け、各群にオスとメスを配置した。各動物に2mg/kgの抗体を単回静脈投与で投与した。およそ0.5mlの全血を次の時点:0(投与前)、注射後4時間、及び1、2、4、6、10、14、18、22、30、34、38、42日に採取した。全血から血清を分離し、ネコ抗NGF抗体に特異的なELISAによって抗体の存在をアッセイした。非線形混合効果(NLME)モデルを使用して、線形クリアランスを有する2コンパートメント薬物動態(PK)モデルで7つの抗NGFモノクローナル抗体(mAb)バリアントの血清中濃度を記述した(母集団パラメーターを、Monolix Suite 2019R1(Monolix version 2019R1.Antony,France:Lixoft SAS,2019)に実装されている確率的期待値最大化法(SAEM)アルゴリズムを使用して、推定した)。実施例4に記載されるPK試験のS428Y+Q311V、S428Y+L309V及び野生型の血清中濃度を上記のとおりにモデル化し、これらの算出に含めた。個々のパラメーターを対数正規分布の確率変数としてモデル化した。PKパラメーターは体重(BW)に依存し、mAb特有の係数(β
BW,Cl=0.75、β
BW,V1=β
BW,V2=1、β
BW,Q=2/3)を使用した。個々のパラメーターφ
iについての式は、以下のとおりである(Dong et al.2011.Clin Pharmacokinet,50:131)。
【数3】
【0162】
φpopは母集団の典型的なパラメーターであり、ηは平均0及び標準偏差ωを含む確率変数、BWiは動物iの体重であり、BWrefはリファレンス体重2kgであった。
【0163】
抗体バリアントは、次式に従って、クリアランス、コンパートメント間移動係数、及び末梢容積に関するカテゴリ型共変量を使用して識別した。
【数4】
【0164】
式中、個々のバリアントの共変量がそのカテゴリに該当する場合はΩi=1であり、そうでない場合はΩi=0である。野生型(WT)mAbをリファレンスとして使用した。
【0165】
推定PKパラメーターを以下の表12に示す。
【表12】
【0166】
バリアントにつき2匹の動物を用いて個々に観察された野生型及びFcバリアントS428Y+Q311V、S428Y+Q311V+T286E、S428Y+Q311V+E380T、S428Y+L309V、S428Y+L309V+T286E、及びS428Y+L309V+E380Tの血清中濃度を
図50に示す。
【0167】
2mg/kgの単回IV投与を受ける典型的な2kgのネコにおける、野生型(WT)IgG1a FcまたはtheIgG1a FcバリアントS428Y+Q311V、S428Y+Q311V+T286E、S428Y+Q311V+E380T、S428Y+L309V、S428Y+L309V+T286E、及びS428Y+L309V+E380Tを保持するモノクローナル抗体の予測血清中濃度プロファイルを
図51に示す。これらの薬物動態学試験は、2つ以上のアミノ酸位置における置換の利点を確認するだけでなく、より重要なのは、in vitroでFcRn結合向上を付与するネコIgG Fcドメインへのアミノ酸修飾が、これらのIgG Fcバリアントのin vivo半減期を延長することにも十分であったことを示している。
【0168】
他の実施形態
本発明について、その詳細な説明とともに記載してきたが、前述の説明は、本発明の範囲を例示するものであり、これを限定する意図はなく、本発明は、添付する特許請求の範囲によって定義される。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲内である。
【配列表】
【国際調査報告】