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特表2023-534650一体型ヒーター熱電対付きニコチンeベイピング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】一体型ヒーター熱電対付きニコチンeベイピング装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230803BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230803BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20230803BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20230803BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/57
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023501218
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2021069835
(87)【国際公開番号】W WO2022013384
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】16/929,527
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ エリック エイ
(72)【発明者】
【氏名】ラウ レイモンド ダブリュ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC34
4B162AC41
4B162AD03
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD23
(57)【要約】
ニコチンeベイピング装置(500)用のニコチンカートリッジ(100)が提供され、ニコチンカートリッジ(100)は、ニコチンプレベイパー製剤(180)を含有する貯蔵部(134)を画定するハウジングを含む。ニコチンカートリッジ(100)はまた、毛細管作用によってニコチンプレベイパー製剤(180)を輸送するように構成された芯(240)、および一体型ヒーター熱電対(250)を含む。一体型ヒーター熱電対(250)は、芯(240)内のニコチンプレベイパー製剤(180)を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成され、一体型ヒーター熱電対(250)は、第一の合金で作製された第一のセグメント(252)および第二の合金で作製された第二のセグメント(256)を含む。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチンeベイピング装置のためのニコチンカートリッジであって、
ニコチンプレベイパー製剤を含有する貯蔵部を画定するハウジングと、
毛細管作用によって前記ニコチンプレベイパー製剤を輸送するように構成された芯と、
前記ニコチンプレベイパー製剤を前記芯内で加熱してニコチンベイパーを生成するように構成された一体型ヒーター熱電対であって、前記一体型ヒーター熱電対が、第一の合金で作製された第一のセグメントと、第二の合金で作製された第二のセグメントを含む、一体型ヒーター熱電対と、を備える、ニコチンeベイピング装置のためのニコチンカートリッジ。
【請求項2】
前記ハウジングが、側壁および第一の長手方向軸を含み、前記ハウジングの前記側壁が、前記ハウジングの前記第一の長手方向軸に沿って、それを貫通する少なくとも一つのベイパーチャネルを画定する、請求項1に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項3】
前記少なくとも一つのベイパーチャネルが、第一のベイパーチャネルおよび第二のベイパーチャネルを含み、前記貯蔵部が、前記第一のベイパーチャネルと前記第二のベイパーチャネルの間にある、請求項2に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項4】
前記一体型ヒーター熱電対が、約35~75μV/℃のゼーベック係数を有する、請求項1、2または3に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項5】
前記一体型ヒーター熱電対が、約0.5~3.5Ωの全抵抗を有する、請求項1~4のいずれかに記載のニコチンカートリッジ。
【請求項6】
前記一体型ヒーター熱電対が、前記芯の周りに巻かれたらせん構造の形態であり、前記らせん構造が複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、前記第一の合金の少なくとも一つのコイルおよび前記第二の合金の少なくとも一つのコイルを含む、請求項1~5のいずれかに記載のニコチンカートリッジ。
【請求項7】
前記ハウジングが第一の長手方向軸を有し、前記らせん構造が、前記第一の長手方向軸と交差して斜角を形成する第二の長手方向軸を有する、請求項6に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項8】
前記第一の合金の前記少なくとも一つのコイルが、前記第二の合金の前記少なくとも一つのコイルから下流にある、請求項6または7に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項9】
前記第一の合金の前記少なくとも一つのコイルが、接合部で前記第二の合金の前記少なくとも一つのコイルに溶接される、請求項6、7、または8に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項10】
前記複数のコイルが五個~十個のコイルの形態である、請求項6~9のいずれかに記載のニコチンカートリッジ。
【請求項11】
前記複数のコイルが、前記第一の合金の一つのコイルおよび前記第二の合金の五つのコイルを含む、請求項10に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項12】
前記複数のコイルが、前記第一の合金の二つのコイルおよび前記第二の合金の四つのコイルを含む、請求項10に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項13】
前記第一の合金が、第一の電気抵抗率および第一の熱伝導率を有し、前記第二の合金が、第二の電気抵抗率および第二の熱伝導率を有し、前記第一の電気抵抗率が前記第二の電気抵抗率よりも小さく、前記第一の熱伝導率が前記第二の熱伝導率よりも大きい、請求項1~12のいずれかに記載のニコチンカートリッジ。
【請求項14】
前記第一の合金が、ニッケル-アルミ二ウム合金であり、前記第二の合金が、ニッケル-クロム合金である、請求項1~13のいずれかに記載のニコチンカートリッジ。
【請求項15】
前記ニッケル-アルミ二ウム合金が、95パーセントのニッケルおよび2パーセントのアルミニウムを含む、請求項14に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項16】
前記ニッケル-クロム合金が、90パーセントのニッケルおよび10パーセントのクロムを含む、請求項14に記載のニコチンカートリッジ。
【請求項17】
ニコチンeベイピング装置であって、
ニコチンプレベイパー製剤、芯、および一体型ヒーター熱電対を含むニコチンカートリッジであって、前記芯が毛細管作用によって前記ニコチンプレベイパー製剤を輸送するように構成され、前記一体型ヒーター熱電対が第一の合金で作製された第一のセグメントおよび第二の合金で作製された第二のセグメントを含む、ニコチンカートリッジと、
前記ニコチンカートリッジを受容するように構成された装置本体であって、前記装置本体が、電源、少なくとも一つのセンサー、およびコントローラを含み、前記電源が電気エネルギーの供給を前記一体型ヒーター熱電対に送達して、前記ニコチンプレベイパー製剤を前記芯内で加熱して、ニコチンベイパーを発生するように構成され、前記少なくとも一つのセンサーが、前記電源からの前記電気エネルギーの前記供給の結果として、前記一体型ヒーター熱電対の前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間の電圧差を測定するように構成され、前記コントローラが、前記少なくとも一つのセンサーによって測定された前記電圧差に基づいて、前記一体型ヒーター熱電対への前記電気エネルギーの前記供給を調整するように構成される、装置本体と、を備える、ニコチンeベイピング装置。
【請求項18】
前記コントローラが、前記電圧差に基づいて前記一体型ヒーター熱電対の温度を計算し、前記温度が上限閾値を超えた時に前記電気エネルギーの前記供給を停止するように構成される、請求項17に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項19】
前記装置本体が、前記ニコチンカートリッジを受容するように構成されたスリーブセクションをさらに含み、前記スリーブセクションが入口開口部のアレイを画定する、請求項17または18に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項20】
前記入口開口部のアレイが、前記装置本体に入る周囲空気の取り込みを容易にするように構成されたハニカムパターンの形態であり、内部に移動する前に前記電源に向かって移動して、その後、前記一体型ヒーター熱電対に向かって移動する、請求項19に記載のニコチンeベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン電子ベイピング(eベイピング)装置における温度測定および制御に関する。
【背景技術】
【0002】
一部のニコチンeベイピング装置は、第二のセクションに連結された第一のセクションを含む。第一のセクションは、芯およびヒーターを含み得る。芯は、毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を移動させるように構成されており、かつ貯蔵部およびベイパー通路の中に延びるように位置付けられている。ヒーターは、芯と熱的に接触し、芯を介してベイパー通路の中に引き出されたニコチンプレベイパー製剤を気化するように構成されている。第二のセクションは、ベイピング中にヒーターに電流を供給するように構成された電源を含む。ニコチンeベイピング装置の動作の開始は、手動および/または吸煙起動を通して達成され得る。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置のためのニコチンカートリッジに関する。例示的な実施形態では、ニコチンカートリッジは、ハウジング、芯、および一体型ヒーター熱電対を含み得る。ハウジングは、ニコチンプレベイパー製剤を収容する貯蔵部を画定する。芯は、毛細管作用によってニコチンプレベイパー製剤を輸送するように構成される。一体型ヒーター熱電対は、ニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。一体型ヒーター熱電対は、第一の合金で作製された第一のセグメントと、第二の合金で作製された第二のセグメントとを含む。
【0004】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置に関する。例示的な実施形態では、ニコチンeベイピング装置は、ニコチンカートリッジおよび装置本体を含み得る。ニコチンカートリッジは、ニコチンプレベイパー製剤、芯、および一体型ヒーター熱電対を含む。芯は、毛細管作用によってニコチンプレベイパー製剤を輸送するように構成される。一体型ヒーター熱電対は、第一の合金で作製された第一のセグメントと、第二の合金で作製された第二のセグメントとを含む。装置本体は、ニコチンカートリッジを受容するように構成される。装置本体は、電源、少なくとも一つのセンサー、およびコントローラを含む。電源は、一体型ヒーター熱電対に電気エネルギーを供給して、ニコチンベイパーを発生するために、ニコチンプレベイパー製剤を芯に加熱するように構成される。少なくとも一つのセンサーは、電源からの電気エネルギーの供給の結果として、一体型ヒーター熱電対の第一のセグメントと第二のセグメントとの間の電圧差を測定するように構成される。コントローラは、少なくとも一つのセンサーによって測定された電圧差に基づいて、一体型ヒーター熱電対への電気エネルギーの供給を調整するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な記述を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになる場合がある。添付の図面は単に例証的な目的のために提供され、また「特許請求の範囲」の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【0006】
図1図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
図2図2は、図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
図3図3は、図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
図4図4は、図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
図5図5は、図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
図6図6は、ニコチンカートリッジおよび装置本体が係合していない時の、図1のニコチンeベイピング装置の正面図である。
図7図7は、図6のニコチンカートリッジの分解図である。
図8図8は、図7の気化器の第一の分解図である。
図9図9は、図7の気化器の第二の分解図である。
図10図10は、図8の気化モジュールの分解図である。
図11図11は、図9の気化モジュールの分解図である。
図12図12は、図10のヒーターサブアセンブリの分解図である。
図13図13は、図11のヒーターサブアセンブリの分解図である。
図14図14は、図6の装置本体の部分分解図である。
図15図15は、図14の電池セクションの斜視図である。
図16図16は、図15の電池セクションの部分分解図である。
図17図17は、図16の電池サブアセンブリの部分分解図である。
図18図18は、係合していない時の、ニコチンカートリッジの断面図および図6の装置本体の部分断面図である。
図19図19は、係合した時の、ニコチンカートリッジの断面図および図18の装置本体の部分断面図である。
図20図20は、図19の断面の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一部の詳細な例示の実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造の詳細および機能の詳細は、例示の実施形態を記述する目的のための単なる典型にすぎない。しかしながら、例示の実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されてもよく、また本明細書に記載の例示の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0008】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、あらゆる変更、同等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0009】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、「に取り付けられる」、「に隣接する」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の直接的に上にある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、それに直接的に取り付けられる、それに直接的に隣接する、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上のいくつかの、またはすべての組み合わせ、または部分組み合わせを含む。
【0010】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、領域、層、および/またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0011】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。当然のことながら、空間的関係の用語は、図に図示されている向きに加えて、使用時または動作時に装置の異なる向きを包含することが意図されている。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴部の「下方に」または「下に」と記述されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」向きを合わされることになる。したがって、「下方に」という用語は上方と下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きを合わされる場合があり、そして本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0012】
本明細書で使用される用語は、様々な例示の実施形態を記述する目的のみのためのものであり、例示の実施形態を限定することを意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および/または「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、および/または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0013】
本明細書において「約」または「実質的に」という用語を数値と組み合わせて使用する場合、関連する数値は、記載された数値の周りに製造公差または動作公差(例えば、±10パーセント)を含むことを意図する。その上、「一般に」および「実質的に」という用語が幾何学的形状に関連して使用される時、その幾何学的形状の正確さは要求されないが、形状の許容範囲が本開示の範囲内であることが意図される。さらに、数値または形状が「約」、「概して」、または「実質的に」として修正されるかどうかにかかわらず、これらの値および形状は、記載された数値または形状の周りに製造公差または動作公差(例えば、±10パーセント)を含むものとして解釈されるべきであることが理解されるであろう。
【0014】
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示の実施形態が属する技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0015】
ハードウェアは、一つ以上のプロセッサ、一つ以上の中央処理装置(CPU)、一つ以上のマイクロコントローラ、一つ以上の演算論理ユニット(ALU)、一つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、一つ以上のマイクロコンピュータ、一つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一つ以上のシステムオンチップ(SoC)、一つ以上のプログラマブル論理ユニット(PLU)、一つ以上のマイクロプロセッサ、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)または定義された様態で命令に応答および実行する能力を有する任意の他の装置などを含むが、これらに限定されない処理または制御回路を使用して実装されてもよい。
【0016】
特に明記されていない限り、または、議論から明らかなように、例えば、「処理する」もしくは「計算する」もしくは「計算する」もしくは「決定する」もしくは「表示する」などの用語は、コンピュータシステムの動作およびプロセス、または類似の電子計算装置を指し、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的、電子的な量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムメモリまたはレジスタまたは他のそのような情報ストレージ、送信、または表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換する。
【0017】
以下の説明では、例示的な実施形態は、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、データ構造などを含む、プログラムモジュールまたは機能プロセスとして実装され得る動作および動作の象徴的表現(例えば、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、ブロック図などの形態で)を参照して説明され得る。動作は、一つ以上のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、SoC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータなどの既存のeシステムの既存のハードウェアを使用して実装される。
【0018】
一つ以上の例示的な実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェア実行ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい(またはこれらを含んでもよい)。こうしたハードウェアは、本明細書に記載される機能ならびにこれらの要素の任意の他の周知の機能を実施するための専用機械として構成された、一つ以上のマイクロプロセッサ、CPU、SoC、DSP、ASIC、FPGA、コンピュータ、または類似のものを含み得る。少なくとも場合により、CPU、SoC、DSP、ASIC、およびFPGAは、一般に、処理回路、プロセッサ、および/またはマイクロプロセッサと呼ばれる場合がある。
【0019】
プロセスは、連続的動作に関して説明され得るが、動作の多くは、並列、同時、または同時に実行され得る。さらに、動作の順序は再調整されてもよい。プロセスは、その動作が完了した時に終了され得るが、図に含まれない追加のステップも有し得る。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応する時、その終了は呼び出し関数またはメイン関数への関数のリターンに対応し得る。
【0020】
本明細書で開示されるように、「記憶媒体」「コンピュータ可読記憶媒体」または「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置、および/または情報を保存するための他の有形の機械可読媒体を含む、データを保存するための一つ以上の装置を表す場合がある。「コンピュータ可読媒体」という用語は、指示および/またはデータを保存、含有、または保持する能力を有する、可搬式または固定式の記憶装置、光学記憶装置、およびその他の様々な媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0021】
さらに、例示的実施形態の少なくとも一部の部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードに実装された場合、必要なタスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、コンピュータ可読記憶媒体などの機械またはコンピュータ可読媒体に記憶され得る。ソフトウェアに実装される場合、プロセッサ、処理回路、または処理ユニットは、必要なタスクを実施するようにプログラムされてもよく、それによって、専用プロセッサまたはコンピュータに変換されてもよい。
【0022】
コードセグメントは、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造、もしくはプログラム文の任意の組み合わせを表し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、またはメモリ内容を受け渡すおよび/または受信することによって、別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合されてもよい。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク送信など、任意の適切な手段を介して受け渡され、転送され、または送信されてもよい。
【0023】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。図1を参照すると、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンカートリッジ100を受容するように構成されたスリーブセクション310を含んでもよい(図6に関して以下でより詳細に論じる)。スリーブセクション310は、刻み付きコネクタ340を介してバッテリーセクションハウジング360に接続される。光パイプ358は、光パイプ358の露出面がニコチンeベイピング装置500の外面を構成するように、刻み付きコネクタ340によって露出されてもよい。光パイプ358の露出面は、スリーブセクション310と電池セクションハウジング360との間にあってもよい。少なくともスリーブセクション310および電池セクションハウジング360の組み合わせは、ニコチンeベイピング装置500の装置ハウジングと総称され得る。ニコチンeベイピング装置500が完全に組み立て/係合されると、マウスピース110はスリーブセクション310の近位端に配置され、一方、端キャップ370は電池セクションハウジング360の遠位端に配置される。マウスピース110(ニコチンカートリッジ100の一部)は、その近位端の幅がスリーブセクション310の直径よりも小さいように、テーパ形状を有してもよい。
【0024】
ニコチンeベイピング装置500(および/またはその構成部品)の近位端および遠位端は、下流端および上流端ともそれぞれ呼ばれ得る。特に、本明細書で使用される「近位」(および、逆に「遠位」)とは、ベイピング中の成人eベイピング装置使用者に対するものであり、「下流」(および、逆に「上流」)とは、ニコチンベイパーの流れに対するものである。
【0025】
スリーブセクション310は、複数の空気吸込み口312を画定する。図示するように、空気吸込み口312の各々は、六角形の形状を有してもよく、ハニカムパターンに似るように互い違いに配置されてもよい。しかしながら、他の形状および配置も可能であることが理解されるべきである。例えば、六角形の代わりに(またはこれに加えて)、空気吸込み口312は、三角形、四角形(例えば、正方形、ひし形)、五角形、および/または円形形状を含み得る。さらに、スリーブセクション310の一部の長さに沿った軸配置の代わりに、空気吸込み口312は、スリーブセクション310の周りの円周配置で配列されてもよい。例示的な実施形態では、ニコチンeベイピング装置500は、少なくとも合計で十個の空気吸込み口312(例えば、少なくとも合計で二十個の空気吸込み口312)を含み得る。
【0026】
図2は、図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。図2を参照すると、スリーブセクション310の反対側は、両方のアレイが側面図で部分的に見えるように、空気吸込み口312の第一のアレイおよび空気吸込み口312の第二のアレイを画定し得る。例示的な実施形態では、空気吸込み口312の第一のアレイは、図1に示すようなスリーブセクション310の正面図に基づいて完全に見えるが、空気吸込み口312の第二のアレイは、図3に示すようなスリーブセクション310の背面図に基づいて完全に見える。これは以下で論じる。
【0027】
マウスピース110は、図2の側面図に基づいて、楔状またはのみ状の外観を有してもよい。しかしながら、他の形状および構成も可能であることが理解されるべきである。例えば、一例では、マウスピース110は、代わりに円筒形状を有してもよい。別の例では、マウスピース110は、円錐台形または円錐台形状を有してもよい。
【0028】
ポート368は、端キャップ370に隣接するように、電池セクションハウジング360の遠位端の近くに配置されてもよい。図2の側面図では、ポート368は、電池セクションハウジング360の凹部として見える場合がある。例示的な実施形態では、ポート368は、ニコチンeベイピング装置500への/からの情報の充電および/または通信を容易にする。ポート368は、図3に関連してより詳細に論じる。
【0029】
光パイプ358は、少なくとも一つの内部光源(例えば、LED)から放射される光を伝送して、一つ以上の視覚的表示を提供するように構成される。特に、光パイプ358によって伝送される光は、ニコチンeベイピング装置500の状態を成人eベイピング装置使用者に視覚的に通知し得る。例えば、光パイプ358による視覚的表示には、ニコチンeベイピング装置500がオンかどうか、ニコチンベイパーが発生しているかどうか、バッテリーが低くなっているかどうか、充電が行われているか完了しているか、および/またはニコチンプレベイパー製剤が低または枯渇しているかどうか、という情報が含まれ得る(が、これらに限定されない)。
【0030】
本明細書で言及されるように、ニコチンプレベイパー製剤は、ニコチンベイパーへと変形され得る材料または材料の組み合わせである。例えば、ニコチンプレベイパー製剤は、液体、固体、および/またはゲル製剤を含み得る。これらは、例えば、限定されないが、水、油、エマルション、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、ニコチン、天然または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、および/またはベイピングに好適であり得る任意の他の成分を含み得る。ベイピング中、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。ニコチンベイパー、ニコチンエアロゾルおよびニコチン分散液は、互換的に使用され、開示される装置、特許請求される装置、および/またはその均等物によって発生または出力される物質を指し、こうした物質はニコチンを含有し得る。例示的な実施形態では、ニコチンeベイピング装置500は、電子ニコチン送達システム(ENDS)と見なされ得る。
【0031】
図2を再び参照すると、光パイプ358は、ポート368からニコチンeベイピング装置500の反対側にあってもよい。しかし当然のことながら、例示的な実施形態は、これに限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、光パイプ358は、ニコチンeベイピング装置500のポート368と同じ側(例えば、ニコチンeベイピング装置500の後面)にあってもよい。逆に、他の実施形態では、ポート368は、ニコチンeベイピング装置500の光パイプ358と同じ側(例えば、ニコチンeベイピング装置500の前面)にあってもよい。
【0032】
図3は、図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。図3を参照すると、ニコチンeベイピング装置500の背面にある空気吸込み口312の第二のアレイは、図1に示すニコチンeベイピング装置500の前面にある空気吸込み口312の第一のアレイに関連して記載された通りである。したがって、既に上で論じた空気吸込み口312の関連する開示は、簡潔にするために繰り返されない。しかしながら、いくつかの実施形態では、図3に示すニコチンeベイピング装置500の背面にある空気吸込み口312の第二のアレイは、図1に示すニコチンeベイピング装置500の前面にある空気吸込み口312の第一のアレイとは異なってもよい(または逆も同様)。例えば、アレイ当たり七個、八個、および七個の空気吸込み口312の三つの互い違いの列の代わりに、アレイ当たりの列数および/または空気吸込み口312の数を、アレイ当たり二十二個の空気吸込み口312(またはニコチンeベイピング装置500の合計四十四個の空気吸込み口312)から離れるように変更することができる。
【0033】
ポート368は、ニコチンeベイピング装置500内の内部電源を充電するように、外部電源から電流を受ける(例えば、USB/ミニUSB/USB-Cケーブルを介して)ように構成されている。さらに、ポート368はまた、別のニコチンeベイピング装置または他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)からデータを送信および/またはデータを受信する(例えば、USB/ミニUSB/USB-Cケーブルを介して)ように構成されてもよい。さらに、ニコチンeベイピング装置500は、その電子装置上にインストールされるアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介した、電話などの別の電子装置との無線通信のために構成されてもよい。こうした例では、成人eベイピング装置使用者は、アプリを通して、ニコチンeベイピング装置500を制御するか、または別の方法でこれとインターフェースし得る(例えば、ニコチンeベイピング装置の位置を特定する、使用情報をチェックする、動作パラメータを変更する)。
【0034】
ポート368は、図3のニコチンeベイピング装置500の背面に位置すると示されているが、他の位置も可能であることが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施形態では、ポート368は、図1のニコチンeベイピング装置500の前面に代わりに位置し得る。さらに、他の実施形態では、ポート368は、端キャップ370を通してアクセスできるように、ニコチンeベイピング装置500の遠位端に位置し得る。
【0035】
図4は、図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。図4を参照すると、マウスピース110は、ベイパー出口112を画定する。ベイピング中、発生するニコチンベイパーは、ベイパー出口112を通ってニコチンeベイピング装置500から引き出される。ベイパー出口112は、ニコチンeベイピング装置500の中央長手方向軸と一致するように中心にあるものとして示されているが、一部の例では、ベイパー出口112は、中心から外れていてもよい(例えば、中央長手方向軸からずれている)ことが理解されるべきである。さらに、図4にはベイパー出口112が一つだけ示されているが、例示的な実施形態はこれに限定されないことを理解されたい。特に、いくつかの実施形態では、マウスピース110は、複数のベイパー出口112を画定し得る。例えば、マウスピース110は、二つのベイパー出口112を画定してもよく、これは平行に(例えば、長手方向に)または分岐様式で延在してもよい。別の例では、マウスピース110は、三つのベイパー出口112を画定してもよい。こうした実施形態では、三つのベイパー出口112は、中央にあるベイパー出口112が長手方向に延在し、一方、他の二つのベイパー出口112が発散様式で延在するように、直線配置で整列されてもよい。あるいは、三つのベイパー出口112すべてが平行に延在してもよい。
【0036】
一つ以上のベイパー出口112の位置決め、配置、および量は、マウスピース110の構成に応じてさらに変化し得ることも理解されるべきである。特に、マウスピース110が円筒形または円錐台形(平坦な形の代わりに)を有する例示的な実施形態では、一つまたは複数のベイパー出口112の位置決め、配置、および量に対して、追加のオプションが存在し得る。例えば、空間が許す場合、三つのベイパー出口112を有する実施形態は、ベイパー出口112に対して三角形の配置を有してもよい。同様に、四つのベイパー出口112を有する実施形態は、中央ベイパー出口112または代替的に、四角形(例えば、正方形、ひし形)配置を有する三角形配置を有してもよい。同様に、より多くのベイパー出口112を有する実施形態は、中央ベイパー出口112を含み得るか、または含まない場合がある四角形配置、五角形配置、六角形配置、七角配置、または八角形配置を有してもよい。
【0037】
図面に示すように、ニコチンeベイピング装置500は、略円筒形および円形の断面を有してもよい。あるいは、ニコチンeベイピング装置500は、多角形断面を有する略多面体形態を有してもよい。ニコチンeベイピング装置500の一般的な全体的な形態の選択は、(限定されないが)美観、機能性、および製造上の考慮事項を含む、様々な要因を考慮に入れる。例えば、円筒形の代わりに、ニコチンeベイピング装置500は、より現代的な外観を提供するため、および/または望ましくない圧延の可能性(例えば、反ロール設計)を防止または低減するために、多面体形態を有してもよい。
【0038】
ニコチンeベイピング装置500の多面体形態は、三角形プリズム、立方体、五角形プリズム、六角形プリズム、七角形プリズム、または八角形プリズムを含み得る。三角形プリズムに似た形態では、ニコチンeベイピング装置500は、三角形の断面(例えば、正三角形の形状)を有してもよい。立方体に似た形態では、ニコチンeベイピング装置500は、正方形の断面または長方形の断面を有してもよい。五角形プリズムに似た形態では、ニコチンeベイピング装置500は五角形断面を有してもよい。六角形プリズムに似た形態では、ニコチンeベイピング装置500は、六角形断面を有してもよい。七角形プリズムに似た形態では、ニコチンeベイピング装置500は、七角形の断面を有してもよい。八角形プリズムに似た形態では、ニコチンeベイピング装置500は八角形の断面を有してもよい。
【0039】
図5は、図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。図5を参照すると、端キャップ370およびボタン372は、ニコチンeベイピング装置500の遠位端に配置される。端キャップ370は、干渉嵌合(また、圧入または摩擦嵌合とも呼ぶことができる)を介して、電池セクションハウジング360と係合してもよい。例えば、端キャップ370の外壁は、電池セクションハウジング360の対応する内壁と係合してもよい。さらに、端キャップ370の外壁は、係合を強化するために刻み付けされてもよい。例示的な実施形態では、端キャップ370はまた、ボタン372を収容するように構成された開口部を画定する。こうした例では、端キャップ370は固定構造であり、ボタン372は、端キャップ370に対して移動可能な(例えば、押すことができる)移動構造である。
【0040】
ボタン372は、ニコチンeベイピング装置500の電源ボタンであってもよい。特に、押すと、ボタン372は、ニコチンeベイピング装置500内の電源を起動し得る。ボタン372は、ニコチンeベイピング装置500の遠位端に位置するものとして示されているが、例示的実施形態はそれに限定されるものではないことが理解されるべきである。例えば、一部の実施形態では、ボタン372は、ニコチンeベイピング装置500の前面(例えば、光パイプ358と同じ側にあるように)に代わりに位置してもよい。
【0041】
図6は、ニコチンカートリッジおよび装置本体が係合していない時の、図1のニコチンeベイピング装置の正面図である。図6を参照すると、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンカートリッジ100および装置本体300を含み、装置本体300は、ニコチンカートリッジ100を受容するように構成される。ニコチンカートリッジ100は、ニコチンプレベイパー製剤180を保持するように構成されたハウジングを含む。ニコチンカートリッジ100が装置本体300と係合する時、ニコチンカートリッジ100の大部分は、スリーブセクション310によって視界から隠されてもよく、マウスピース110は目に見えるままである(例えば、図1に示すように)。ニコチンカートリッジ100内のニコチンプレベイパー製剤180はまた、スリーブセクション310の空気吸込み口312を介して装置本体300を通して見える場合がある。ベイピング中、ニコチンプレベイパー製剤180は、加熱してニコチンベイパーを発生し、マウスピース110を介してニコチンeベイピング装置500から引き出される。
【0042】
ニコチンカートリッジ100は、その中のニコチンプレベイパー製剤180が枯渇すると交換される消耗品とみなされ得る。ニコチンカートリッジ100内のニコチンプレベイパー製剤180のレベルは、スリーブセクション310の空気吸込み口312を通して視覚的に確認され得る。一部の例では、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンカートリッジ100内のニコチンプレベイパー製剤180が枯渇したとみなされる時、(例えば、光パイプ358を介して)通知を追加的に提供し得る。他の例では、ニコチンeベイピング装置500はまた、別の許容できない状態が存在するという表示(例えば、光パイプ358を介して)を提供し得る。他の許容できない状態の例としては、電気接続の不良、および/または未承認のニコチンカートリッジ、またはもはやベイピングに適していないとみなされる承認されたニコチンカートリッジが挙げられる(ただし、これらに限定されない)(ニコチンカートリッジで最初にベイピングが発生してから一年など、非常に長い期間が経過した場合)。)。
【0043】
装置本体300の形態は、ニコチンカートリッジ100の形態(例えば、装置本体300およびニコチンカートリッジ100の両方に対して略円筒形)に対応し得る。しかしながら、他の例では、装置本体300の形態は、ニコチンカートリッジ100の形態とは異なる場合がある。例えば、ニコチンカートリッジ100は円筒形を有してもよく、一方で装置本体300は本明細書に開示される異なる形態(例えば、立方体形態)のうちの一つを有してもよく、またはその逆であってもよい。したがって、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンカートリッジ100の形態とは異なる全体的な形態(主に装置本体300によって影響される)を有し得る。
【0044】
図7は、図6のニコチンカートリッジの分解図である。図7を参照すると、ニコチンカートリッジ100は、マウスピース110、第一のシール120、タンク130、第二のシール140、および気化器150を含む。タンク130は、ニコチンカートリッジ100が組み立てられた時に、ニコチンプレベイパー製剤180を保持するように構成された貯蔵部134を画定する。さらに、タンク130の側壁は、それを貫通する少なくとも一つのベイパーチャネルを画定してもよい。図示するように、タンク130の側壁は、ベイパーチャネル132aおよび132b(これはまた、第一のベイパーチャネル132aおよび第二のベイパーチャネル132bとも呼ばれ得る)を画定する。例示的な実施形態では、ベイパーチャネル132aおよび132bは、貯蔵部134がベイパーチャネル132aおよび132bの間にあるように、タンク130の側壁の対向する側面内に画定され得る(例えば、正反対に)。ベイパーチャネル132aおよび132bはまた、互いに、およびタンク130の長手方向軸に対して平行であってもよい。タンク130は、その中の内容物(例えば、ニコチンプレベイパー製剤180)を見ることができるようにするために透明材料で形成されてもよい。
【0045】
第一のシール120および第二のシール140は、貯蔵部134を密封または閉鎖するように構成される。第一のシール120は、開口122aおよび122b(第一の開口122aおよび第二の開口122bとも呼ばれ得る)を画定する。結果として、第一のシール120がタンク130と係合して、貯蔵部134の近位側を密封する時、開口122aおよび122bは、それぞれベイパーチャネル132aおよび132bと整列する。こうした係合によって、ベイピング中に気化器150によって発生されるニコチンベイパーは、ベイパーチャネル132aおよび132bを上り、開口122aおよび122bそれぞれを通って、マウスピース110へ移動し、ベイパー出口112から出ることができる。ニコチンカートリッジ100が組み立てられる時、第一のシール120は、マウスピース110(これもタンク130と係合する)によって視界から隠されてもよい。さらに、第一のシール120は、弾性構造材料(例えば、シリコン)から形成されてもよく、または弾性構造材料(例えば、シリコン)を含んでもよい。
【0046】
第二のシール140は、タンク130と係合して、貯蔵部134の遠位側を密封するように構成される。特に、第二のシール140は、タンク130の開口部136を閉鎖することによって、貯蔵部134の遠位側を密封するように構成される。例示的な実施形態では、第二のシール140は、弾性材料(例えば、シリコン)から形成され、ヘッド部分、本体部分、およびヘッド部分と本体部分との間のネック部分を含む。第二のシール140のヘッド部分の直径は、開口部136の直径よりも大きく、第二のシール140の本体部分の直径よりも小さく、一方で第二のシール140のネック部分の直径は、開口部136の直径に対応し得る。結果として、第二のシール140のヘッド部分がタンク130の開口部136を通して付勢される時、第二のシール140のネック部分は、液体密封様式で開口部136内に弾性的に座ることができ、一方で、第二のシール140のヘッド部分は貯蔵部134内にあり、第二のシール140の本体部分は貯蔵部134の外側にある。こうした例では、開口部136を画定するタンク130の対向する表面を掴むことによって、第二のシール140のヘッド部分および本体部分が、その適切な位置付けを維持しながら、第二のシール140が所望のシールを提供するのを確実にするのを助けることができる。
【0047】
したがって、第一のシール120および第二のシール140は、貯蔵部134が密封され、ベイパーチャネル132aおよび132bから分離されるように、タンク130と係合するように構成される。第一のシール120、タンク130、および第二のシール140の組み合わせは、ニコチンカートリッジ100のハウジングと総称されてもよい。例示的な実施形態では、第二のシール140は、タンク130の開口部136を完全に覆う(穴のあいていない/穴のあいていない状態にある時)、穴をあけることが可能な構造として構成されてもよい。こうした実施形態では、貯蔵部134は、気化器150の先端が第二のシール140を貫通し、開口部136を通って貯蔵部134内に延在し、その中のニコチンプレベイパー製剤180(例えば、図6に示すように)にアクセスするように、気化器150がタンク130によって受容され、係合されるまで(例えば組み立て中、ベイピング前に)密封されたままであり得る。
【0048】
図8は、図7の気化器の第一の分解図である。図9は、図7の気化器の第二の分解図である。図8~9を参照すると、気化器150は、少なくとも部分的にキャッチリング160およびバヨネットコネクタ170内に保持され得る、気化モジュール200を含む。キャッチリング160は、気化モジュール200を収容するように構成された開口部162を画定する。同様に、バヨネットコネクタ170は、気化モジュール200を受けるように構成された開口部172を画定する。気化器150が組み立てられると、キャッチリング160は、バヨネットコネクタ170と係合し、気化モジュール200を囲んで保持する。さらに、気化モジュール200の先端または穿刺部分は、キャッチリング160の縁を超えて突出し、一方、気化モジュール200の残りの部分は、角度に応じてバヨネットコネクタ170内の視界から実質的にまたは完全に隠される。例示的な実施形態では、気化モジュール200は、干渉嵌合を介してキャッチリング160およびバヨネットコネクタ170によって/内部に保持されてもよい。
【0049】
バヨネットコネクタ170(気化器150の一部であり、したがって、ニコチンカートリッジ100の一部である)は、ニコチンカートリッジ100と装置本体300との間の接続を容易にする。図8図9に示すように、バヨネットコネクタ170は、対応する係合部材を受容するようにそれぞれ構成される一対のスロット174を画定する。スロット174のそれぞれは、長手方向部分174aおよび円周部分174bを含む。さらに、円周部分174bは、対応する係合部材を保持するのに役立つ溝部174cを含んでもよい。ニコチンカートリッジ100と装置本体300との間のバヨネット接続の確立について、本明細書でより詳細に論じる。
【0050】
図10は、図8の気化モジュールの分解図である。図11は、図9の気化モジュールの分解図である。図10図11を参照すると、気化モジュール200は、第一のモジュールカバー210、モジュールハウジング220、およびヒーターウィックサブアセンブリ230を含む。モジュールハウジング220は、加熱チャンバーまたは気化チャンバーとも呼ばれ得るチャンバー222を画定する。例示的な実施形態では、モジュールハウジング220は、チャンバー222内の内容物を見ることができるようにするために、透明な材料で形成されてもよい。第一のモジュールカバー210は、モジュールハウジング220の近位端と係合するように構成される。ヒーターウィックサブアセンブリ230は、モジュールハウジング220の対向する遠位端と係合するように構成される。このようにして、モジュールハウジング220の開放端は、第一のモジュールカバー210およびヒーターウィックサブアセンブリ230によって囲まれてもよい(例えば、キャップ付き)。
【0051】
第一のモジュールカバー210は、キャップ部分216およびキャップ部分216から突出する穿刺部分214を含む。第一のモジュールカバー210のキャップ部分216は、複数の開口218を画定し、これは互いに均等に間隔を置いて、穿刺部分214の周りの円形配置として配置され得る。例示的な実施形態では、キャップ部分216は、八つの開口218を画定する。しかしながら、キャップ部分216の開口218の数量、形状、および/または配置は、チャンバー222からそれを通したエアロゾルの所望の通路を達成するために、適宜変えられてもよいことが理解されるべきである。例えば、代替的に、キャップ部分216は、二つの開口218のみを画定することができ、ここで、各々は細長い形状を有し、気化器150がタンク130と係合される時に、タンク130のベイパーチャネル132aおよび132bと整列するように正反対に配置される。気化モジュール200の組み立てに関して、第一のモジュールカバー210のキャップ部分216は、モジュールハウジング220の対応する内側表面と係合するように構成された外側表面を有する。
【0052】
穿刺部分214は、第一のモジュールカバー210を通って長手方向に延在し得るオリフィス212を画定する。例えば、穿刺部分214内のオリフィス212は、第一のモジュールカバー210の中央長手方向軸と一致してもよい。さらに、穿刺部分214は、その側壁に穴213を画定する。穴213は、オリフィス212に直交するように、穿刺部分214を通って横方向に延在するとみなされ得る。一対の穴213が図10に図示されているが、例示的実施形態はそれに限定されないことが理解されるべきである。例えば、穿刺部分214は、その側壁に異なる数(例えば、三つ、四つ)の穴213を代わりに画定してもよい。さらに、穿刺部分214は、第二のシール140を通して、タンク130の開口部136を通して、かつ貯蔵部134の中への穿刺部分214の挿入を容易にするために、尖った端部または先端に向かってテーパ状に傾斜した近位表面を有してもよい。気化器150が貯蔵部134と流体連通している時、ニコチンプレベイパー製剤180は、オリフィス212および/または穿刺部分214の穴213を介して気化モジュール200に入る。
【0053】
ヒーターウィックサブアセンブリ230は、ヒーターウィックサブアセンブリ230のその他の部分の基部または支持体として機能し得る第二のモジュールカバー260を含む。結果として、ヒーターウィックサブアセンブリ230のその他の部分は、第二のモジュールカバー260に一体的に取り付けられてもよく、または固定されてもよい。例示的な実施形態では、第二のモジュールカバー260は、導電性材料から形成されてもよい。例えば、導電性材料は、鋼(例えば、304ステンレス鋼)を含み得る。気化モジュール200の組み立てに関して、第二のモジュールカバー260は、モジュールハウジング220の対応する内側表面と係合するように構成された外側表面を有する。
【0054】
ヒーターウィックサブアセンブリ230は、さらに、貯蔵部134から気化モジュール200にニコチンプレベイパー製剤180を引き込むかまたは輸送するように構成された芯240を含む。芯240は、毛細管作用のために設計された細孔/隙間を有する繊維質構造であってもよい。例示的な実施形態では、芯240は、繊維のストランドが一緒に編組、ねじれ、および/または織られる、コード様の形態を有してもよい。気化モジュール200が組み立てられる時、芯240の近位部分は、第一のモジュールカバー210内に延在してもよく、一方、芯240の遠位部分は、第二のモジュールカバー260によって支持/保持されてもよい。
【0055】
例えば、芯240の近位部分は、オリフィス212(例えば、図8)を実質的に占有するように、第一のモジュールカバー210の穿刺部分214内に配置されてもよく、したがって、貯蔵部134からのニコチンプレベイパー製剤180の供給を調節するのに役立つ。結果として、(オリフィス212および/または穴213を介して)チャンバー222内にニコチンプレベイパー製剤180が過剰に流れる可能性は、低減または防止され得る。代わりに、ニコチンプレベイパー製剤180は、実質的に必要に応じてチャンバー222内に引き出されてもよい。特に、芯240内のニコチンプレベイパー製剤180を加熱して、ベイピング中にニコチンベイパーを発生する(したがって、枯渇する)場合、芯240は、貯蔵部134から追加のニコチンプレベイパー製剤180を引き出し、芯240内で枯渇したニコチンプレベイパー製剤180を補充する。貯蔵部134からのニコチンプレベイパー製剤180は、毛細管作用を介して芯240に引き出される前に、オリフィス212および/または穴213を通して第一のモジュールカバー210に入り得る。一方で、ベイピングが発生していない場合、芯240による貯蔵部134からのニコチンプレベイパー製剤180の引き出しは、芯240が飽和すると減速または停止し得る。さらに、開口218へのニコチンプレベイパー製剤180の浸透は、第一のモジュールカバー210および第二のシール140の係合によって減少または防止され得る。
【0056】
一体型ヒーター熱電対250は、芯240と熱接触するように配置される。ニコチンeベイピング装置500は、一体型ヒーター熱電対250がベイピング中に起動されて、ニコチンベイパーを発生するために、芯240内のニコチンプレベイパー製剤180を加熱するよう構成される。一体型ヒーター熱電対250は、電流が印加されるのに伴い、ジュール加熱(また、オーム/抵抗加熱としても公知である)を受けるように設計されてもよい。より詳細に述べると、一体型ヒーター熱電対250は、導体(抵抗性材料)で形成され、電流を流した時に熱を生成するように構成されてもよい。電流は、装置本体300内の電源(例えば、電池)から供給されてもよい。
【0057】
例示的な実施形態では、一体型ヒーター熱電対250は、芯240の周りに巻き付ける(例えば、らせん状)らせんコイルの形態である。例えば、一体型ヒーター熱電対250は、芯240の下部(例えば、穿刺部分214内に突出しない芯240の一部分の周り)の周りに巻き付けられてもよい。さらに、こうした例では、一体型ヒーター熱電対250は、そのらせんの軸が、気化モジュール200の長手方向軸に対してある角度(例えば、平行でも直交でもない)にあるように配向されてもよい。一体型ヒーター熱電対250は、本明細書でより詳細に論じられる。
【0058】
図11に示すように、第一の電気接点270は、第二のモジュールカバー260の上流側上に配置されてもよい。組み立てられると、第二のモジュールカバー260の遠位端は、第一の電気接点270によって画定される開口部を通って延在する。例示的な実施形態では、第一の電気接点270は、起伏のあるまたは波状の形態を有するワッシャーとして構造化される。第一の電気接点270は、金メッキで覆われてもよい。例えば、第一の電気接点270は、鋼材(例えば、ばね鋼)で形成される内部(基礎構造)および金(例えば、堆積層)で形成される外部を有してもよい。
【0059】
第二の電気接点290は、第一の電気接点270および第二のモジュールカバー260を通って延在しながら、ヒーターウィックサブアセンブリ230の遠位端に配置され得る。例示的な実施形態では、第二の電気接点290は、金メッキで覆われてもよい。例えば、第二の電気接点290は、真鍮で形成される内部(基礎構造)および金で形成される外部(例えば、堆積層として)を有してもよい。第二の電気接点290はまた、チャンバー222への空気流を可能にする通路292を画定する。
【0060】
ヒーターウィックサブアセンブリ230が組み立てられる時、一体型ヒーター熱電対250の第一の端部は、第二のモジュールカバー260/第一の電気接点270に電気的に接続されてもよく、一方、一体型ヒーター熱電対250の第二の端部は、第二の電気接点290に電気的に接続されてもよい。絶縁体280は、第二の電気接点290を第二のモジュールカバー260/第一の電気接点270から電気的に絶縁する。例示的な実施形態では、絶縁体280は、第二の電気接点290を受け、第二のモジュールカバー260/第一の電気接点270を通って延在する鞘様形態を有するグロメットとして構造化される。さらに、こうした場合、一体型ヒーター熱電対250の第一の端部は、第二のモジュールカバー260と絶縁体280との間に固定されてもよく、一方、一体型ヒーター熱電対250の第二の端部は、絶縁体280と第二の電気接点290との間に固定されてもよい。
【0061】
図12は、図10のヒーターサブアセンブリの分解図である。図13は、図11のヒーターサブアセンブリの分解図である。特に、ヒーターサブアセンブリは、芯240のないヒーターウィックサブアセンブリ230である。図12図13を参照すると、一体型ヒーター熱電対250は、第一のセグメント252および第二のセグメント256を含む。第一のセグメント252および第二のセグメント256は、接合部254(これもまた、「ホット」接合部と呼んでもよい)で接続される。さらに、第一のセグメント252は第一の合金で作製されており、第二のセグメント256は第二の合金で作製されている(第一の合金とは異なる)。
【0062】
一体型ヒーター熱電対250がらせん構造(芯240の周りに巻かれる)の形態である例示的な実施形態では、らせん構造は、複数のコイルを含む。こうした例では、複数のコイルは、第一のセグメント252に対応する少なくとも一つのコイルと、第二のセグメント256に対応する少なくとも一つのコイルとを含む。結果として、第一のセグメント252の少なくとも一つのコイルは第一の合金で作製されており、第二のセグメント256の少なくとも一つのコイルは第二の合金で作製されている。さらに、第一の合金の少なくとも一つのコイルは、接合部254で第二の合金の少なくとも一つのコイルに溶接されてもよい。
【0063】
一体型ヒーター熱電対250の複数のコイルは、合計五個~十個のコイル(例えば、合計六個~九個のコイル)の形態であってもよい。例えば、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252は、第一の合金の一個のコイルを含んでもよく、第二のセグメント256は、第二の合金の五個のコイルを含んでもよい。あるいは、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252は、第一の合金の二個のコイルを含んでもよく、第二のセグメント256は、第二の合金の四個のコイルを含んでもよい。
【0064】
配向に関して、気化モジュール200は、第一の長手方向軸を有するハウジングを含むとみなされてもよく、一体型ヒーター熱電対250のらせん構造は、傾斜角を形成するために第一の長手方向軸と交差する第二の長手方向軸を有するとみなされてもよい。こうした例では、第一のセグメント252の少なくとも一つのコイル(第一の合金で作製される)は、第二のセグメント256の少なくとも一つのコイル(第二の合金で作製される)から下流にある。
【0065】
例示的実施形態によれば、第一の合金はニッケル-アルミ二ウム合金であり、第二の合金はニッケル-クロム合金である。例えば、ニッケル-アルミニウム合金は、95パーセントのニッケルおよび2パーセントのアルミニウム(例えば、アルメル)を含んでもよく、ニッケル-クロム合金は、90パーセントのニッケルおよび10パーセントのクロム(例えば、クロメル)を含んでもよい。物理的特性に関して、第一の合金は第一の電気抵抗率および第一の熱伝導率を有し、第二の合金は第二の電気抵抗率および第二の熱伝導率を有する。例示的な実施形態では、第一の電気抵抗率は、第二の電気抵抗率よりも小さく、第一の熱伝導率は、第二の熱伝導率よりも大きい。さらに、一体型ヒーター熱電対250は、約35~75μV/℃(例えば、41μV/℃、50μV/℃、68μV/℃)のゼーベック係数を有してもよい。さらに、一体型ヒーター熱電対250は、約0.5~3.5Ω(例えば、1Ω)の全抵抗を有してもよい。
【0066】
上記のように、一体型ヒーター熱電対250は、電流が印加されるのに伴い、ジュール加熱(また、オーム/抵抗加熱としても公知である)を受けるように構成される。さらに、一体型ヒーター熱電対250は、接合部254で第二の合金(第一の合金とは異なる)の第二のセグメント256に接続された第一の合金の第一のセグメント252を有する。異種の合金および関連する熱電効果の結果として、接合部254が温度の変化(例えば、ジュール加熱が発生してニコチンベイパーを発生するなど)を経験した時に、電圧が生成される。この電圧は温度依存性であり、したがって、接合部254の温度を決定するのに使用することができる。例えば、電圧と温度との間の関係は、経験的研究から決定され、ルックアップテーブル(LUT)に格納され得る。このようにして、一体型ヒーター熱電対250は、ヒーターおよび熱電対の両方として機能し得る。
【0067】
第二のモジュールカバー260は、開口部262を画定し、開口部262の周りに近位縁264および遠位縁266を有する。図面に示すように、近位縁264の外周は、遠位縁266の外周より大きくてもよい。第二のモジュールカバー260の近位縁264は、芯240の遠位部分を保持し、および/またはそこから浸透し得る少量のニコチンプレベイパー製剤180を含有するのに役立ち得る。さらに、近位縁264の外縁は、モジュールハウジング220との係合を容易にするために面取りされてもよい。
【0068】
第一の電気接点270は、開口部272を画定し、また波状であってもよい環状形態を有する。組み立て中、第一の電気接点270は、第二のモジュールカバー260の遠位縁266が第一の電気接点270の開口部272を通って延在するように、第二のモジュールカバー260と係合される。結果として、組み立てられた時、第一の電気接点270は、第二のモジュールカバー260の下側に対して(例えば、遠位縁266との干渉嵌合を介して)位置付けられ得る。
【0069】
絶縁体280は、鞘部分284およびフランジ部分286を含み、それを貫通する開口部282も画定する。組み立て中、絶縁体280は、鞘部分284の外壁が第二のモジュールカバー260の開口部262の側壁と係合するように、第二のモジュールカバー260を通して(ならびに第一の電気接点270を通して)挿入される。さらに、組み立てられた時、絶縁体280のフランジ部分286は、第二のモジュールカバー260の遠位縁266に当接してもよい。
【0070】
第二の電気接点290は、シャフト部分294および基部296を含み、それを貫通する通路292も画定する。組み立てられると、第二の電気接点290は、第二の電気接点290の通路292が気化モジュール200のチャンバー222につながるように、絶縁体280の開口部282を通って(ならびに第一の電気接点270および第二のモジュールカバー260を通って)延在する。さらに、第二の電気接点290の基部296は、絶縁体280のフランジ部分286に当接してもよい。上述のように、絶縁体280は、第二の電気接点290を第二のモジュールカバー260/第一の電気接点270から電気的に絶縁する。さらに、基部296はまた、第二の電気接点290の長手方向軸に直交して延在する溝298を画定する。例示的な実施形態では、本明細書でより詳細に論じるように、基部296の溝298は、ニコチンカートリッジ100が装置本体300と係合される時に、第二の電気接点290の通路292に入るための流入する空気へのアクセスを提供するように構成される。
【0071】
ヒーターサブアセンブリでは、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252に対応する第一の端部は、第二のモジュールカバー260/第一の電気接点270に電気的に接続されてもよく、一方、一体型ヒーター熱電対250の第二のセグメント256に対応する第二の端部は、第二の電気接点290に電気的に接続されてもよい。特に、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252に対応する第一の端部は、第二のモジュールカバー260と絶縁体280との間に固定されてもよく、一方、一体型ヒーター熱電対250の第二のセグメント256に対応する第二の端部は、絶縁体280と第二の電気接点290との間に固定されてもよい。
【0072】
図14は、図6の装置本体の部分分解図である。図14を参照すると、装置本体300は、スリーブセクション310および電池セクション320を含む。スリーブセクション310は、ニコチンカートリッジ100が装置本体300に挿入されて電池セクション320と係合する時、ニコチンカートリッジ100を受容するように構成される。さらに、図示するように、スリーブセクション310は、入口開口部のアレイまたは空気吸込み口312を画定する。入口開口部のアレイまたは空気吸込み口312は、装置本体300に入り、(電池セクション320内の)電源に向かって移動してから、ニコチンカートリッジ100の一体型ヒーター熱電対250に向かって移動する周囲空気の吸込みを容易にするように構成されたハニカムパターンの形態であってもよい。
【0073】
電池セクション320は、ニコチンカートリッジ100のバヨネットコネクタ170と係合するように構成されるバヨネットアダプタ330を含む。特に、ニコチンカートリッジ100を装置本体300と係合するために、ニコチンカートリッジ100の遠位端(バヨネットコネクタ170を有するニコチンカートリッジ100の端部)は、バヨネットコネクタ170のスロット174がバヨネットアダプタ330の係合部材と最初に嵌合するまで、装置本体300のスリーブセクション310に挿入される。最初の嵌合が発生すると、次に、ニコチンカートリッジ100を装置本体300に対して回転/ねじれ/回転させて、装置本体300と連動させることができる。結果として、ニコチンカートリッジ100と装置本体300との間にバヨネット接続が確立される、ニコチンeベイピング装置500が提供され得る。装置本体300の電池セクション320はまた、先の図に関連して上述した刻み付きコネクタ340、光パイプ358、電池セクションハウジング360、および端キャップ370を含む。結果として、そのような記載は、簡潔にするために本明細書に繰り返されないが、追加の詳細がその後本明細書に提供されてもよい。
【0074】
図15は、図14の電池セクションの斜視図である。図15を参照すると、バヨネットアダプタ330は、ニコチンカートリッジ100のバヨネットコネクタ170と嵌合/連動するように構成された少なくとも一つの係合部材334を含む。例示的な実施形態では、バヨネットアダプタ330は、その外壁から突出する一対の係合部材334を含む。さらに、係合部材334は、互いに直径方向に向かい合ってもよい。バヨネットアダプタ330はまた、ピン352を露出する(例えば、アクセスを提供するように)開口部332を画定する。バヨネットアダプタ330および電池セクション320のピン352は、装置本体300の電気接点とみなされ得る。特に、装置本体300がニコチンカートリッジ100と係合する時、バヨネットアダプタ330は、ニコチンカートリッジ100の第一の電気接点270に電気的に接触するように構成され、ピン352は、ニコチンカートリッジ100の第二の電気接点290に電気的に接触するように構成される。バヨネットアダプタ330は、鋼(例えば、304ステンレス鋼)などの導電性材料から形成されてもよい。ピン352は、金メッキで覆われてもよい。例えば、ピン352は、真鍮で形成される内部(基礎構造)および金で形成される外部(例えば、堆積層として)を有してもよい。
【0075】
刻み付きコネクタ340は、流入する空気(例えば、気化モジュール200に向かう途中で内向きに流れる空気)のための少なくとも一つの経路344を画定する。刻み付きコネクタ340の少なくとも一つの経路344は、バヨネットアダプタ330の開口部332と流体連通する。特にベイピング中、空気吸込み口312を介してニコチンeベイピング装置500内に引き出された空気は、スリーブセクション310とニコチンカートリッジ100との間の環状空間内で、電池セクション320に向かって流れ(例えば、第一の長手方向に)、その後、刻み付きコネクタ340の少なくとも一つの経路344を介して、バヨネットアダプタ330内の開口部332まで内側(例えば、放射方向)に流れてから、開口部332を通って(例えば、第二の長手方向に)気化モジュール200に流れる。例示的な実施形態では、刻み付きコネクタ340は、クロムメッキで覆われてもよい。例えば、刻み付きコネクタ340は、真鍮で形成される内部(下層構造)およびクロムで形成される外部(例えば、堆積層として)を有してもよい。
【0076】
図16は、図15の電池セクションの部分分解図である。図16を参照すると、バヨネットアダプタ330の係合部材334の寸法は、バヨネットコネクタ170のスロット174の寸法に実質的に対応するように構成される。さらに、係合部材334の各々は、確立されたバヨネット接続を維持するのを助ける(例えば、対応するスロット174と連動させることによって)隆起336を含んでもよい。例えば、各係合部材334の隆起336は、スロット174のそれぞれの対応する溝部174c内に収まっているように構成される。隆起336は、各係合部材334の下側(例えば、バヨネットアダプタ330の側壁から係合部材334の縁まで)に放射状に延在する直線形状を有してもよい。バヨネットアダプタ330の係合部材334とバヨネットコネクタ170のスロット174との間の比較的緊密な嵌合のために、触覚および/または聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)を生成して、ニコチンカートリッジ100が装置本体300に適切に連結されたことを成人eベイピング装置使用者に通知してもよい。
【0077】
刻み付きコネクタ340は、装置本体300のスリーブセクション310および電池セクションハウジング360を接続/連結するように構成される。図示したように、刻み付きコネクタ340の外壁上の刻み目は、その間に刻み目のないセクションによって分離された二つのバンドの形態であってもよく、近位(例えば、上側)バンドはスリーブセクション310との係合用であり、遠位(例えば、下側)バンドは電池セクションハウジング360との係合用である。例示的な実施形態では、装置本体300が組み立てられる時、スリーブセクション310および電池セクションハウジング360によって、刻み目が視界から隠される。スリーブセクション310および電池セクションハウジング360の外部は、装置本体300が組み立てられる時、刻み付きコネクタ340の露出した刻みなしセクションと同一平面であってもよい。刻み目は、直線(例えば、長手方向)の隆起を含み得る。しかしながら、他のパターンが適し得ることは理解されるべきである。例えば、刻み目は、代替的に、環状パターン、傾斜パターン、またはひし形パターンを有してもよい。
【0078】
図16に示すように、刻み付きコネクタ340は、一対の経路344を画定する。一対の経路344は、刻み付きコネクタ340内に直径方向に配置されてもよい。結果として、経路344を介して刻み付きコネクタ340を通って延在する線は、刻み付きコネクタ340の直径と一致しながら、刻み付きコネクタ340の中央長手方向軸と交差し得る。さらに、刻み付きコネクタ340の外部は、スリーブセクション310が刻み付きコネクタ340と係合する時に、各経路344への入口(例えば、入り江のような進入点)を提供するために、縁から各経路344の周りの領域まで(例えば、刻み目よりも大きな程度まで)凹んでもよい。こうした例では、ベイピング中の流入する空気は、これらの陥凹した入口を介して経路344に到達することができる。
【0079】
刻み付きコネクタ340はまた、開口部342および穴346を画定して、電池サブアセンブリ350の一部に対応する。特に、電池セクション320が組み立てられると、ピン352は、刻み付きコネクタ340の開口部342を通って、バヨネットアダプタ330の開口部332内に延在する。この組み立てられた状態では、ピン352の近位端は、バヨネットアダプタ330の係合部材334とほぼ同じレベルであってもよいが、例示的な実施形態はそれに限定されるものではない。刻み付きコネクタ340の穴346は、光パイプ358を露出するように構成される。光パイプ358は、赤色、緑色、および青色(RGB)の発光ダイオード(LED)を含んでもよく、これらの原色を組み合わせて、白色の光ならびに多数の他の光の色を作り出すことができる。結果として、放射された光は、成人eベイピング装置使用者にとって可視かつ有用な方法で、光パイプ358によって透過され得る。
【0080】
電池サブアセンブリ350は、さらに、第一のセンサー356、ピン352、および光パイプ358を含む、電池セクション320の様々な部品を機械的に支持および電気的に接続するように構成された第一のプリント回路基板(PCB)354を含む。例示的な実施形態では、第一のセンサー356は、圧力センサーと温度センサーとの組み合わせであってもよい。さらに、ピン352は、ポゴピンまたはばね式ピンであってもよい。光パイプ358は、五つの発光ダイオードを含んでもよいが、異なる数が実装され得ることが理解されるべきである。光パイプ358は、様々なタイプの情報を成人eベイピング装置使用者に伝達するために利用され得る。
【0081】
例えば、電池レベルに関して、光パイプ358によって五つすべての光の点灯は、電池レベルがフルであることを示してもよく、一方で、三つの光などより少ない光の点灯は、中程度の電池レベルを示してもよい。一方、一つの光のみの点灯は、低いバッテリレベルを示し得る。一つ以上の光の色がまた変化し(例えば、赤色などの警告色に変化し)、所与の表示の認識を高め得る。さらに、一つ以上の光が点滅して、特定の表示の緊急性を示すのに役立ち得る。所望のタイプの情報または機能は、ニコチンeベイピング装置500の遠位端にあるボタン372(図5)を押すことによってアクセスすることができる。例示的な実施形態では、ボタン372を一度押すと、電池レベル(例えば、5秒間)を表示し得る。別の例では、ボタン372を短期間に連続的に押すと、異なる機能または表示をもたらし得る。具体的には、ボタン372を五回連続して押すことで、ニコチンeベイピング装置500をオン/オフにすることができる。したがって、ニコチンeベイピング装置500は、吸煙起動化および/またはボタン起動化されてもよい。
【0082】
図17は、図16の電池サブアセンブリの部分分解図である。図17を参照すると、電池サブアセンブリ350はまた、少なくとも第二のセンサー366を機械的に支持および電気的に接続するように構成された第二のプリント回路基板(PCB)364を含む。第二のセンサー366は、温度センサー(例えば、第二の温度センサー)であってもよい。電池サブアセンブリ350は、第一のプリント回路基板354および/または第二のプリント回路基板364によって機械的に支持され、電気的に接続され得るコントローラ359をさらに含む。電源362は、電池セクションハウジング360内に配置される。電源362は、吸煙起動またはボタン起動に応答して、ニコチンカートリッジ100の一体型ヒーター熱電対250に電流を供給するように構成された再充電可能電池であってもよい。
【0083】
第一のセンサー356または第二のセンサー366の少なくとも一つは、電源362からの電気エネルギーの供給(例えば、ニコチンプレベイパー製剤180がニコチンベイパーを発生するように加熱されている時)の結果として、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252と第二のセグメント256との間の電圧差を測定するように構成されてもよい。第一のセンサー356および第二のセンサー366の両方を使用して電圧を測定する時、測定値を平均して平均値を得てもよい。コントローラ359は、第一のセンサー356または第二のセンサー366のうちの少なくとも一つによって測定された電圧差に基づいて、一体型ヒーター熱電対250への電気エネルギーの供給を調整するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、コントローラ359は、電圧差に基づいて一体型ヒーター熱電対250の温度を調べ、温度が上限閾値を超えると電気エネルギーの供給を停止するように構成される。
【0084】
一体型ヒーター熱電対250の接合部254で測定された電圧は温度依存性であるため、電圧と温度との関係は、経験的研究から決定され、ルックアップテーブル(LUT)に整理/格納され得る。こうした例では、ベイピング中、測定された電圧は、コントローラ359によって使用されて、ルックアップテーブル(コントローラ359または別個のメモリに記憶され得る)から一体型ヒーター熱電対250の接合部254の温度にアクセスすることができる。コントローラ359によって温度が上限閾値を超えると判定される場合、コントローラ359によって調整されて、負荷サイクル(例えば、50パーセントの負荷サイクルを25パーセントにスケールダウンする)をスケールダウンすることができる。一方、温度がコントローラ359によってより低い閾値を下回ると判定される場合、コントローラ359によって調整されて、負荷サイクル(例えば、最大75パーセントまでスケールアップされた50パーセントの負荷サイクル)をスケールアップすることができる。こうした温度制御は、閉ループで操作されてもよい。代替的な実施形態では、電圧と温度との間の関係は、式として表され、LUTからアクセスする代わりに計算されてもよい。
【0085】
図18は、係合していない時の、ニコチンカートリッジの断面図および図6の装置本体の部分断面図である。図18を参照すると、ニコチンカートリッジ100は、バヨネットコネクタ170のスロット174(図8)がバヨネットアダプタ330の係合部材334と最初に嵌合するように、装置本体300のスリーブセクション310内に挿入するように構成される。特に、各スロット174の長手方向部分174a(図9)は、係合部材334が長手方向部分174aの端部表面に当接するまで、対応する係合部材334を受容するように構成される。この最初の嵌合が発生すると、次いで、ニコチンカートリッジ100は、係合部材334の隆起336(図16)がスロット174の溝部174c(図8)内に弾性的に着座するまで、係合部材334がスロット174の対応する円周部分174b内で円周方向にスライドするように、装置本体300に対して回転/ねじれ/回転することができ、それによって、ニコチンカートリッジ100が装置本体300と機械的に連動することになる。
【0086】
電気的係合に関して、ニコチンカートリッジ100の一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252(図12)は、装置本体300のバヨネットアダプタ330に電気的に接続されてもよく、一方で、ニコチンカートリッジ100の一体型ヒーター熱電対250の第二のセグメント256(図12)は、装置本体300のピン352に電気的に接続されてもよい。次いで、装置本体300のバヨネットアダプタ330は、電源362の負極端子に電気的に接続されてもよく、一方、装置本体300のピン352は、電源362の正極に電気的に接続されてもよい。電源362の端末から一体型ヒーター熱電対250への電気経路は、本明細書でより詳細に論じられる。
【0087】
装置本体300と(機械的および電気的に)係合する時、ニコチンカートリッジ100は、マウスピース110を除いて、実質的に視界から見えなくてもよい。この実質的に見えないことに関して、タンク130、ニコチンプレベイパー製剤180、および気化器150の一部は、装置本体300のスリーブセクション310の空気吸込み口312を通して部分的に見える場合がある。結果として、適切な周辺光が存在する場合、ニコチンカートリッジ100内のニコチンプレベイパー製剤180のレベルは、成人eベイピング装置使用者によって視覚的に測定され得る。対照的に、周辺光が存在しないか、または十分でない場合、成人eベイピング装置使用者は、ニコチンカートリッジ100内のニコチンプレベイパー製剤180が低いおよび/または枯渇しているという光パイプ358からの通知に頼ることができる。
【0088】
ニコチンカートリッジ100の除去は、例えば、ニコチンカートリッジ100を反対方向に(例えば、反時計回りに)回す、およびニコチンカートリッジ100を装置本体300から引き離すなど、係合に関連する動作を逆転させることによって達成することができる。バヨネットアダプタ330の係合部材334がスロット174の溝部174c内に弾性的に着座しているため、ニコチンカートリッジ100をねじり、係合させるのに必要な力は、ニコチンカートリッジ100をねじって係合させるのに使用される力よりも大きくてもよく、これは、ニコチンカートリッジ100の装置本体300からの係合解除が意図しない出来事ではなく、意図的な動作であることを保証するのに役立ち得る。さらに、簡潔にするために、図18のラベル付けされた部分は、すでに上記で論じられており、さらなる繰り返しや議論に値しないため、その全ての部分がこのセクションに関連して具体的に言及されたわけではないことが理解されるべきである。
【0089】
図19は、係合した時の、ニコチンカートリッジの断面図および図18の装置本体の部分断面図である。図19を参照すると、一体型ヒーター熱電対250への空気の流れ、およびそこから発生するベイパーの流れは、破線で示されている。特に、ニコチンeベイピング装置500のマウスピース110への陰圧の適用時に、空気は、スリーブセクション310の空気吸込み口312(図1)内に引き出され、スリーブセクション310とニコチンカートリッジ100との間の環状空間を通して、刻み付きコネクタ340に向かう方向に引き出される。次に、空気は、刻み付きコネクタ340の経路344に向かって、またそれを通って流れる。刻み付きコネクタ340の経路344に向かう環状空間内の空気の流れは、円周方向の流れ(例えば、ニコチンカートリッジ100の前方の環状空間から側部へ、またはニコチンカートリッジ100の後方の環状空間から側部へ)を含み得る。刻み付きコネクタ340の経路344を通る空気の流れは、内側方向(例えば、ニコチンeベイピング装置500の中央長手方向軸に向かう半径方向)にある。
【0090】
刻み付きコネクタ340の経路344を通過すると、気流は次に第二の電気接点290に流れ、第二の電気接点290の基部296の溝298(図13)を介して第二の電気接点290を通って通路292に入る。第二の電気接点290の通路292を流れる時、空気の流れも収束する。
【0091】
第二の電気接点290の通路292から出る空気は、発生したニコチンベイパーを同伴するために、一体型ヒーター熱電対250(例えば、吸煙起動化された)および芯240を通って/通過して流れる。その後、同伴されたニコチンベイパーは、第一のモジュールカバー210の開口218(図10)を通過する。例示的な実施形態では、第一のモジュールカバー210を通るニコチンベイパーの通路は、八つの開口218(図10)の結果として、ベイパーを八つの流れに分割してもよい。次いで、分割されたニコチンベイパーは、タンク130のベイパーチャネル132aおよび132bを通って、また第一のシール120の開口122aおよび122bを通って流れる二つの流れに集約される(図7)。第一のシール120を通って流れた後、ニコチンベイパーの二つの流れは、一つの流れに収束して、マウスピース110のベイパー出口112を通って出る。しかし当然のことながら、例示的な実施形態は、これに限定されない。例えば、上述したように、マウスピース110は、ベイパー出口112に対して異なる構成を有してもよく、したがって、出てくるニコチンベイパーの流れに関する他の変更を可能にする。
【0092】
図20は、図19の断面の拡大図である。図20を参照すると、電源362の端末(図17)から一体型ヒーター熱電対250までの電気経路は、複数の電気接合部(J1~J8)を含む。J1は、プリント回路基板(例えば、第一のプリント回路基板354の銅)およびピン352(例えば、金メッキ真鍮)の電気接合部である。J2は、ピン352(例えば、金メッキ真鍮)および第二の電気接点290(例えば、金メッキ真鍮)の電気接合部である。J3は、一体型ヒーター熱電対250の第二の電気接点290(例えば、金メッキ真鍮)および第二のセグメント256(例えば、ニッケル-クロム合金)の電気接合部である。J4は、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252(例えば、ニッケル-アルミ二ウム合金)および第二のモジュールカバー260(例えば、ステンレス鋼)の電気接合部である。J5は、第二のモジュールカバー260(例えば、ステンレス鋼)および第一の電気接点270(金メッキ鋼)の電気接合部である。J6は、第一の電気接点270(例えば、金メッキ鋼)およびバヨネットアダプタ330(例えば、ステンレス鋼)の電気接合部である。J7は、バヨネットアダプタ330(例えば、ステンレス鋼)および刻み付きコネクタ340(例えば、クロムメッキ真鍮)の電気接合部である。J8は、刻み付きコネクタ340(例えば、クロムメッキ真鍮)およびプリント回路基板(例えば、第一のプリント回路基板354の銅)の電気接合部である。
【0093】
そのためニコチンeベイピング装置500が起動された場合(例えば、吸煙起動化)、電流は、電源362の正極端子からプリント回路基板354へ、プリント回路基板354からピン352へ、ピン352から第二の電気接点290へ、第二の電気接点290から一体型ヒーター熱電対250の第二のセグメント256へ、第二のセグメント256から一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252へ、一体型ヒーター熱電対250の第一のセグメント252から第二のモジュールカバー260へ、第二のモジュールカバー260から第一の電気接点270へ、第一の電気接点270からバヨネットアダプタ330へ、バヨネットアダプタ330から刻み付きコネクタ340へ、刻み付きコネクタ340からプリント回路基板354へ、およびプリント回路基板354から電源362の負極端子へ流れるとみなされる。当然のことながら、ニコチンeベイピング装置500の必要な回路は、電源362に接続されているが、こうした接続は必ずしも図面に図示されていない。
【0094】
上述した電気接合部(J1~J8)は、一体型ヒーター熱電対250の接合部254の温度を決定する際に、コントローラ359によって考慮され得る。電気接合部(J1~J8)の既知の材料に基づいて、経験的研究を実施して、一体型ヒーター熱電対250の予想される動作温度範囲をカバーする検量線を生成することができる。結果として、コントローラ359による初期温度決定に、一体型ヒーター熱電対250に接続された電気接合部(J1~J8)を考慮に入れた補正された温度を達成するために、ファクタまたは補正を適用することができる。
【0095】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能であり得ることが理解されるべきである。こうした変形は本開示の範囲を逸脱するものと見なされるべきではなく、また当業者に明らかであろうすべてのこうした修正は以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
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【国際調査報告】