(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】ポータブル炭酸注入ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20230803BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20230803BHJP
【FI】
B67D1/04 A
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502750
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 US2021041887
(87)【国際公開番号】W WO2022016012
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523013547
【氏名又は名称】サークル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワッグナー,ギャレット,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ゲイ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウルバニク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ジェロルモン,コーリー
(72)【発明者】
【氏名】ヒューストン,コール
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB02
3E082CC03
3E082DD11
3E082FF03
3E082FF07
3E082FF09
(57)【要約】
ポータブル炭酸注入ディスペンサは、ユーザがオンボードベース液体容器に格納されたベース液体に炭酸注入することを可能にするために、炭酸注入ガスのオンボード供給物及び炭酸注入制御モジュールを利用する。炭酸注入制御モジュールは、選択的に炭酸注入を作動させるためのユーザ作動式ボタンを含み得る。ベース液体容器は、炭酸注入ガスに対するベース液体の曝露を増加させるための拡張部分を含み得る。垂直視認窓は、ユーザが、容器内のベース液体の炭酸注入及びレベルを視認することを可能にする。隔離構成要素は、ディスペンサが添加剤カートリッジを利用する用途において、炭酸注入中に炭酸圧力から添加剤カートリッジを隔離するのに有用であり得る。ユーザが偶発的にカートリッジ空間を加圧することを防止するために、安全ガス抜き及びロック特徴部がモードセレクタに提供され得る。ポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填するために、再充填ステーションが、提供され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル炭酸注入ディスペンサであって、
ベース液体供給物を収容するためのベース液体容器と、
前記ベース液体容器からベース液体を吐出するための吐出通路を含む容器クロージャと、
炭酸注入ガスの供給物を収容するための炭酸注入ガス容器と、
前記炭酸注入ガス容器から炭酸注入ガスを搬送して、前記ベース液体供給物を加圧するための炭酸注入流れ制御アセンブリであって、前記ベース液体供給物への前記炭酸注入ガスの流れを制御するためのユーザ作動式流れ制御構成要素を含む、炭酸注入流れ制御アセンブリと、
前記ベース液体供給物が前記炭酸注入ガスによって加圧されたときに、ユーザが選択的に前記吐出通路を隔離し、それによって、前記吐出通路の加圧を防止することを可能にするための隔離構成要素と、を備えている、
ポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項2】
前記隔離構成要素が、前記容器クロージャ上にモードセレクタレバーを含む、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項3】
前記容器クロージャが、カートリッジ受容空間を含み、前記隔離構成要素が、前記ベース液体容器から前記カートリッジ受容空間を隔離するように適合されている、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項4】
前記炭酸注入流れ制御アセンブリが、外部再充填ステーションから前記ガス容器にガスの再充填供給物を搬送するためのガス容器再充填接続部を含む、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項5】
前記ベース液体供給物の炭酸注入レベルを示すための、炭酸注入レベルインジケータを更に備えている、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項6】
前記ベース液体容器からの圧力を逃がすためのガス抜き穴を更に備えている、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項7】
炭酸圧力が所定の閾値を超えたときに、前記ベース液体容器内の前記炭酸圧力を軽減するように適合された逃がし弁を更に備えている、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項8】
前記逃がし弁が、60psi以上の炭酸圧力を軽減するように設定されている、
請求項7に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項9】
前記ベース液体容器が、第1の深さでベース液体を収容するための拡張部分を含み、前記炭酸注入流れ制御アセンブリが、前記ベース液体容器の前記拡張部分内のベース液体に炭酸注入ガスを供給するように配置されたノズルを含む、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項10】
前記ベース液体容器は、ユーザが前記ベース液体供給物を視認することを可能にするように配置された炭酸注入視認窓を含む、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項11】
前記隔離構成要素が、ユーザが前記ポータブル炭酸注入ディスペンサを吐出モード又は炭酸注入モードに切り替えることを可能にするモードセレクタレバーによって作動されるように配置されている、
請求項1に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項12】
前記モードセレクタレバーは、前記モードセレクタレバーが吐出モードに切り替えられたときに、ガス抜き穴を作動させて、前記ベース液体容器内の圧力を解放するように配置されている、
請求項11に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項13】
前記ベース液体容器が加圧されたときに前記モードセレクタレバーが前記吐出モードに移動することを防止するように配置された炭酸注入レベルインジケータを更に備えている、
請求項11に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項14】
前記容器クロージャ上の位置合わせ突起部であって、前記モードセレクタレバーが前記炭酸注入モード位置にあるときに前記モードセレクタレバーと整列するように配置されている、位置合わせ突起部を更に備えている、
請求項11に記載のポータブル炭酸注入ディスペンサ。
【請求項15】
ポータブル炭酸注入システムにおいて炭酸飲料を調製する方法であって、前記ポータブル炭酸注入システムが、オンボードベース液体容器と、吐出通路を含む容器クロージャと、炭酸注入ガスの供給物を収容するためのガス容器と、炭酸注入流れ制御アセンブリであって、前記ベース液体供給物への前記炭酸注入ガスの流れを制御するためのユーザ作動式流れ制御構成要素を含む、炭酸注入流れ制御アセンブリと、前記ベース液体供給物が前記炭酸注入ガスによって加圧されたときに、ユーザが選択的に前記吐出通路を隔離し、それによって、前記吐出通路の加圧を防止することを可能にするための隔離構成要素と、を備え、前記方法が、
前記ポータブル炭酸注入システム上の前記オンボードベース液体容器にベース液体供給物を充填することと、
前記ベース液体容器から前記吐出通路を隔離するように前記隔離構成要素を動作させることと、
オンボードガス容器からのガスを用いて前記ベース液体供給物に炭酸注入することと、を含む、
方法。
【請求項16】
前記ベース液体供給物に炭酸注入する前記ステップ中に、カートリッジを前記容器クロージャに固定することと、前記ベース液体容器から前記カートリッジを隔離することと、を更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ベース液体供給物に炭酸注入した後に、前記ポータブル炭酸注入ディスペンサを吐出モードに構成するように前記隔離構成要素を動作させることを更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ベース液体供給物に炭酸注入した後に、前記ベース液体供給物からの圧力を逃がすように前記容器クロージャ上のガス抜き穴を動作させることを更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記容器クロージャ上のモードセレクタレバーを操作して、前記隔離構成要素を動作させることを更に含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記モードセレクタレバーを移動させることによって、ガス抜き穴を動作させることを更に含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
容器クロージャであって、
ジャーナルを有するクロージャベースであって、前記ジャーナルが、前記ジャーナルに画定された少なくとも1つのジャーナルポートを含む、クロージャベースと、
クロージャベースジャーナル内に配設され、カートリッジ受容空間を画定するクロージャインサート壁を有する、クロージャインサートであって、前記クロージャインサート壁が、少なくとも1つのインサートポートと、前記インサートポート上に画定された少なくとも1つの遮断面と、を有し、
前記クロージャインサートは、前記少なくとも1つの遮断面が前記少なくとも1つのジャーナルポートを遮断して前記カートリッジ受容空間を隔離するための炭酸注入位置まで前記ジャーナル内を回転するように適合され、
前記クロージャインサートは、前記少なくとも1つのインサートが前記少なくとも1つのジャーナルポートと整列して、前記カートリッジ受容空間内への流れを可能にするための吐出位置まで回転するように適合されている、クロージャインサートと、を備えている、
容器クロージャ。
【請求項22】
ポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填するための再充填ステーションであって、
前記再充填ステーションの構成要素を支持するためのハウジングと、
前記ハウジング内に配設された再充填ガス容器と、
ポータブル炭酸注入ディスペンサを前記再充填ステーションに接続するための、及び前記再充填ガス容器から前記ポータブル炭酸注入ディスペンサへのガスの流れを可能にするための、ポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースと、
前記再充填ステーションガス容器から前記ポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースへの前記ガスの流れを制御するための流れ制御弁を含む、再充填ガス流れ制御アセンブリであって、前記流れ制御弁を選択的に動作させるためのユーザ作動式レバーを更に含む、再充填ガス流れ制御アセンブリと、を備えている、
再充填ステーション。
【請求項23】
再充填ステーションを使用して、ポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填する方法であって、前記再充填ステーショが、ハウジングと、前記ハウジング内に配設された再充填ガス容器と、ポータブル炭酸注入ディスペンサを前記再充填ステーションに接続するための、及び前記再充填ガス容器から前記ポータブル炭酸注入ディスペンサへのガスの流れを可能にするための、ポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースと、前記再充填ステーションガス容器から前記ポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースへの前記ガスの流れを制御するための流れ制御弁を含む、再充填ガス流れ制御アセンブリであって、前記流れ制御弁を選択的に動作させるためのユーザ作動式レバーを更に含む、再充填ガス流れ制御アセンブリと、を備え、前記方法が、
前記ポータブル炭酸注入システムを前記再充填ステーションに固定することと、
前記再充填ガス容器から前記ポータブル炭酸注入システム上のオンボードガス容器を充填することと、
前記再充填ステーションから前記ポータブル炭酸注入システムを取り外すことと、
前記オンボードガス容器からのガスを用いて、前記ベース液体供給物に炭酸注入することと、
前記ポータブル炭酸注入システムを前記再充填ステーションに再固定することと、
前記再充填ガス容器から前記オンボードガス容器を再充填することと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
2020年7月15日に出願された「PORTABLE CARBONATION SYSTEM」と題する米国仮出願第63/052,348号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、飲料を形成及び吐出する装置、システム、及び関連する方法に関する。そのような装置、システム、及び方法は、オンボードのユーザ制御式炭酸注入特徴部を備えたポータブル(すなわち、ハンドヘルド)飲料ディスペンサを提供し得、また、ベース液体が吐出されるときにベース液体に香味料又は補助剤などの添加剤を加えるためのカートリッジを利用し得る。これらの装置、システム、及び方法は、ポータブル炭酸注入ディスペンサ上の炭酸注入ガスのオンボード供給物に再充填するための再充填ステーションに更に関し得る。
【背景技術】
【0003】
当該技術分野における近年の進歩としては、添加剤と吐出されるベース液体(水)とを混合する交換可能カートリッジを利用し得る、飲料形成及び吐出システムが挙げられる。そうしたシステムは、ベース液体が容器から吐出されるときに、香味料又は他の添加剤とベース液体(水)とを混合し得る。そのようなシステムの例は、2021年1月12日に付与された「ADJUSTABLE ADDITIVE CARTRIDGE SYSTEMS AND METHODS」と題する米国特許第10,888,826号、及び2019年9月26日に公開された「ADJUSTABLE ADDITIVE DELIVERY SYSTEMS AND DISPENSING CLOSURE VALVES FOR THE SAME」と題する米国特許出願公開第2019/0291065(A1)号に記載されており、どちらの文書も、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
炭酸注入飲料ためのシステム及び方法は、当技術分野において知られている。例えば、ユーザが自分の飲料に炭酸注入することを可能にする卓上ソーダ調製システムが知られている。しかしながら、既知のシステム及び技術は、ポータブル飲料ディスペンサに特に適したものではない。更に、交換可能な添加剤カートリッジを利用し得る複数回使用の飲料形成及び吐出システムは、そうした環境に炭酸注入システム及び技術を適合させることに関して、追加的な課題を提示する。当該技術分野では、そうした課題及び他の課題に対処する改善に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の態様は、モジュール式であり、かつ一体化に適しており、一方で、ディスペンサのコンパクトなフォームファクタを可能にする、オンボード炭酸注入特徴部及び構成要素を備えた、ポータブル(すなわち、ハンドヘルド)炭酸注入ディスペンサを提供する。例えば、いくつかの実施形態では、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、オンボードベース液体容器、炭酸注入ガス容器又は容器を含み得るオンボード炭酸注入モジュール、及び炭酸注入流れ制御アセンブリのコンパクトなポータブル配置を含み得、これらは全て人間工学的なハウジング内にコンパクトに配置される。ベース液体容器クロージャは、その内部が炭酸注入のために加圧され得るように、ベース液体容器にシール係合し得る。オンボードベース液体容器は、炭酸注入ガス容器のコンパクトな配置を可能にするために、アルコーブ又は凹部が成形され得る。炭酸注入流れ制御アセンブリは、アセンブリの容易さ及びコンパクトさのためにハウジングのベースに配設されたモジュールに一体化された、流れ及び圧力制御構成要素を含み得、また、ベース液体容器内に収容されたベース液体供給物への炭酸注入ガスの流れ、したがって、炭酸注入のレベルを制御するための、ハウジング外部からアクセス可能であるボタンを含む、ユーザ作動式流れ制御構成要素を含み得る。炭酸注入流れ制御アセンブリは、再充填ステーション供給部から再充填炭酸注入ガスを受容してオンボード炭酸注入ガス容器に再充填するための再充填接続部を含み得る。ポータブル炭酸注入ディスペンサは、ユーザが、ポータブルな様式でディスペンサ自体の中でベース液体を所望のレベルまで炭酸注入することを可能するものであり、より大型の(すなわち、卓上の)炭酸注入システムを必要としない。ポータブル炭酸注入ディスペンサはまた、炭酸水又は炭酸飲料の炭酸注入及び吐出に複数回使用するために、ベース液体及び炭酸注入ガスを再充填することも可能にする。
【0006】
本開示の態様は、炭酸注入中に吐出通路を炭酸圧力への曝露から隔離するための特徴部を備えたポータブル炭酸注入ディスペンサを提供する。例えば、いくつかの実施形態では、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、その中に吐出通路を有し、かつ隔離構成要素を有する、ベース液体容器クロージャを含み得、隔離構成要素は、吐出通路をベース液体供給物及びベース液体容器内部から隔離してベース液体容器の加圧及びベース液体の炭酸注入を容易にするために、ベース液体容器クロージャに一体化され得る。一実施形態では、隔離構成要素は、クロージャ上のモードセレクタレバーによって作動されてポータブル炭酸注入ディスペンサを炭酸注入モード又は吐出モードに構成し得る、クロージャインサートを含み得る。インサートは、容器クロージャ内に形成されたジャーナル内を回転し得、また、1つ以上のインサートポート及び遮断面を有し得、これらは、それぞれのジャーナルポートと協働して、選択的に、ジャーナルポートを遮断するか、又はジャーナルポートと整列して、選択的に、ベース液体容器内部から吐出通路を隔離する(炭酸注入モード)か、又は吐出通路をベース液体容器内部に曝露させる(吐出モード)。モードセレクタレバーを操作することによって、ユーザは、ポータブル炭酸注入ディスペンサを炭酸注入モード又は吐出モードに選択的に構成することができる。吐出通路は、炭酸注入中に、ベース液体容器内の炭酸注入ガス圧力への曝露から隔離及び保護され得る。
【0007】
本開示の態様は、特に、交換可能な添加剤カートリッジを利用するディスペンサ環境に適している炭酸注入特徴部を提供するものであり、特徴部は、炭酸注入動作中に、添加剤カートリッジを選択的に隔離及び保護し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、容器又は容器クロージャ内に、例えば、容器クロージャ吐出通路内のカートリッジ受容空間内に設置された添加剤カートリッジとともに使用され得る。ポータブル炭酸注入ディスペンサの隔離構成要素によって、炭酸注入モード中は、添加剤カートリッジが隔離されて曝露から保護され得、吐出モード中は、ベース液体が吐出通路内を流れて、カートリッジを通ることを可能にし得る。一実施形態では、隔離構成要素は、クロージャ上のモードセレクタレバーによって作動されてポータブル炭酸注入ディスペンサを炭酸注入モード又は吐出モードに構成し得る、クロージャインサートを含み得る。インサートは、容器クロージャ内に形成されたジャーナル内を回転し得、また、1つ以上のインサートポート及び遮断面を有し得、これらは、それぞれのジャーナルポートと協働して、選択的に、ジャーナルポートを遮断するか、又はジャーナルポートと整列し、選択的に、ベース液体容器内部から添加剤カートリッジを隔離する(炭酸注入モード)か、又は吐出通路をベース液体容器内部に曝露させる(吐出モード)。モードセレクタレバーを操作することによって、ユーザは、ポータブル炭酸注入ディスペンサを炭酸注入モード又は吐出モードに選択的に構成することができる。添加剤カートリッジは、炭酸注入中に、ベース液体容器内の炭酸注入ガス圧力への曝露から隔離及び保護され得る。
【0008】
本開示の態様は、ポータブル炭酸注入ディスペンサのベース液体容器内での炭酸注入を高めるための特徴部を提供する。いくつかの実施形態では、ポータブルディスペンサは、炭酸注入を高めるための特徴部を含み得る。一実施形態では、オンボードベース液体容器は、ベース液体容器の他の部分よりも深い、供給液体の深いカラムを収容する拡張部分又はウェルを含む、非対称形状で提供され得る。炭酸注入ガス注入器又はノズルは、炭酸注入ガスが拡張部分を進行する間にベース液体供給物に長期間曝露され、それによって、炭酸注入を高めるように、ベース液体容器の拡張部分の底部に配設され得る。
【0009】
本開示の態様は、ポータブル炭酸注入ディスペンサでの炭酸注入の簡略化されたユーザ操作及び制御を提供する。いくつかの実施形態では、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、炭酸注入動作中に、吐出通路及び添加剤カートリッジの、存在する場合に、炭酸圧力への曝露を防止するための追加的な特徴部を備え得る。例えば、クロージャは、ガス抜き穴を備え得、これは、炭酸注入動作後に、及びポータブル炭酸注入ディスペンサが炭酸注入モードに構成される前に、ベース液体容器からの圧力を逃がすように作動し得る。ガス抜き穴は、容器クロージャ上に位置する押しボタン弁であり得る。更に、モードセレクタレバーは、モードセレクタレバーを炭酸注入モード位置から吐出モード位置に移動させたときに通気押しボタン弁を作動させるための、傾斜面又は他の表面を備え得る。したがって、ベース液体容器のガス抜きは、ユーザがベース液体を容器から吐出して消費する前にベース液体容器内の任意の残留炭酸圧力が逃がされるように、ユーザがモードセレクタレバーを操作したときに自動的に生じ得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、吐出通路及び添加剤カートリッジの、存在する場合に、炭酸圧力への曝露を防止するための、他の特徴部を備え得る。例えば、クロージャは、ベース液体供給物が加圧されたときにベース液体容器圧力によって上方へ延在するばね付勢ポスト又はフラグであり得る、炭酸注入レベルインジケータを備え得る。次いで、インジケータは、ベース液体供給物が加圧下にあることを視覚的にユーザに示し得る。更なる態様によれば、モードセレクタレバーは、ベース液体容器が加圧下にあるときに、炭酸注入レベルインジケータポスト又はフラグに係合することによって、モードセレクタレバーの炭酸注入位置からの移動を防止するように配置される、停止タブを備え得る。この特徴部は、特にガス抜き穴と組み合わせて、吐出通路及び添加剤カートリッジが、存在する場合に、ベース液体容器からの過剰な圧力に曝露されることに対する追加的な保護を提供する。更なる態様によれば、容器クロージャは、ベース液体容器の圧力が決して閾値安全レベルを超えないことを確実にするために、逃がし弁を備え得る。逃がし弁はまた、ユーザが、炭酸注入中に炭酸圧力が実質的に一定の値のままであることを確実にすることによって、炭酸注入を制御することも可能にし得る。
【0011】
別の態様によれば、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、ユーザが炭酸注入動作を実行する際に、ユーザを支援するためのユーザインターフェース特徴部を含む。例えば、ベース液体容器の内部及び収容されたベース液体がユーザに視認可能であるように、軸方向に延在する細長い視認窓が、ベース液体容器に提供されて、ポータブル炭酸注入ディスペンサハウジングを通って延在するように配置され得る。視認窓は、ハウジングのユーザ作動式炭酸注入ボタンの上方に位置し得る。炭酸注入ガスノズルは、炭酸注入動作中に炭酸注入泡が視認窓を通して視認可能であるように位置し得る。これらの特徴部は、炭酸注入がベース液体容器内で生じているという視覚的指標をユーザに提供し得る。別の実施形態では、容器クロージャは、モードセレクタレバーと整列して、レバーが炭酸注入モード位置又は吐出モード位置にあることをユーザに示すための、整列突起部を備え得る。
【0012】
別の態様によれば、容器蓋又はクロージャは、関連する容器内での炭酸注入を支持するための特徴部を備えている。一実施形態では、容器クロージャは、ジャーナルを有するクロージャベースであって、ジャーナルが、ジャーナルに画定された少なくとも1つのジャーナルポートを含む、クロージャベースと、クロージャベースジャーナル内に配設され、カートリッジ受容空間を画定するクロージャインサート壁を有するクロージャインサートであって、クロージャインサート壁は、少なくとも1つのインサートポートと、インサートポート上に画定された少なくとも1つの遮断面と、を有し、クロージャインサートは、少なくとも1つの遮断面が少なくとも1つのジャーナルポートを遮断してカートリッジ受容空間を隔離するための炭酸注入位置までジャーナル内を回転するように適合され、クロージャインサートは、少なくとも1つのインサートが少なくとも1つのジャーナルポートと整列して、カートリッジ受容空間内への流れを可能にするための吐出位置まで回転するように適合されている、クロージャインサートと、を備え得る。
【0013】
別の態様によれば、いくつかの実施形態は、ポータブル炭酸注入システムで炭酸飲料を調製する方法を提供する。ポータブル炭酸注入システムは、オンボードベース液体容器と、吐出通路を含む容器クロージャと、炭酸注入ガスの供給物を収容するためのガス容器と、炭酸注入流れ制御アセンブリであって、ベース液体供給物への炭酸注入ガスの流れを制御するためのユーザ作動式流れ制御構成要素を含む、炭酸注入流れ制御アセンブリと、ベース液体供給物が炭酸注入ガスによって加圧されたときに、ユーザが、選択的に、吐出通路を隔離することによって吐出通路の加圧を防止することを可能にする、隔離構成要素と、を備え得る。本方法は、ポータブル炭酸注入システム上のオンボードベース液体容器にベース液体供給物を充填することと、ベース液体容器から吐出通路を隔離するように隔離構成要素を動作させることと、オンボードガス容器からのガスによってベース液体供給物に炭酸注入することと、を含み得る。本方法は、ベース液体供給物に炭酸注入するステップ中に、カートリッジを容器クロージャに固定することと、ベース液体容器からカートリッジを隔離することと、を更に含み得る。本方法は、ベース液体供給物に炭酸注入した後に、ポータブル炭酸注入ディスペンサを吐出モードに構成するように隔離構成要素を動作させることを更に含み得る。本方法は、ベース液体供給物に炭酸注入した後に、ベース液体供給物からの圧力を逃がすように容器クロージャ上のガス抜き穴を動作させることを更に含み得る。本方法は、容器クロージャ上のモードセレクタレバーを操作して、隔離構成要素を動作させることを更に含み得る。本方法は、モードセレクタレバーを移動させることによって、ガス抜き穴を動作させることを更に含み得る。
【0014】
本開示の態様は、再充填ステーションから炭酸注入ガスが再充填され得る、複数回使用のポータブル炭酸注入ディスペンサを提供する。更なる態様によれば、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、再充填ステーションと併せて使用され得る。再充填ステーションは、再充填ステーションの構成要素を支持するためのハウジングと、ハウジング内に配設された再充填ガス容器と、ポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填ステーションに接続するための、及び再充填ガス容器からポータブル炭酸注入ディスペンサへのガスの流れを可能にするための、ポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースと、再充填ステーションガス容器からポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースへのガスの流れを制御するための流れ制御弁を含む、再充填ガス流れ制御アセンブリであって、流れ制御弁を選択的に動作させるためのユーザ作動式レバーを更に含む、再充填ガス流れ制御アセンブリと、を含み得る。いくつかの実施形態では、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、再充填ステーションを使用して再充填され得る(炭酸注入ガスが再充填され得る)。再充填ステーションは、ポータブル炭酸注入ディスペンサを支持するためのディスペンサドックを含み得る。ディスペンサドックは、クイック接続金具を、ディスペンサ炭酸注入制御モジュール上の再充填ステーション接続金具と整列させて、係合させるように、容器下部を受容してセンタリングするための整列凹部を有し得る。ディスペンサドック上のロック解除ボタンは、クイック接続金具と再充填ステーション接続金具とのロック及び解除を可能にし得る。再充填ガス容器510は、液化された又はガス形態の二酸化炭素などの炭酸注入ガスを収容するように配置及び適合され得る。炭酸注入ガスは、再充填ガス容器から再充填弁に供給される。ユーザは、ポータブル炭酸注入ディスペンサが適所でロックされると、作動レバーを使用して再充填弁を作動させ得る。したがって、再充填動作中に、炭酸注入ガスは、オンボードガス容器へのオンボード炭酸注入ガス流れ制御アセンブリ内のオンボードガス容器再充填マニホールドを通して、再充填ガス容器からポータブル炭酸注入ディスペンサに供給される。再充填中に、オンボードガス容器の圧力は、オンボード容器が完全に再充填されたという聴覚的指標をユーザに提供し得る容器クロージャ上の逃がし弁を使用して制御され得る。
【0015】
更なる態様によれば、いくつかの実施形態は、再充填ステーションを使用してポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填する方法を提供する。再充填ステーションは、ハウジングと、ハウジング内に配設された再充填ガス容器と、ポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填ステーションに接続するための、及び再充填ガス容器からポータブル炭酸注入ディスペンサへのガスの流れを可能にするための、ポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースと、再充填ステーションガス容器からポータブル炭酸注入ディスペンサインターフェースへのガスの流れを制御するための流れ制御弁を含む、再充填ガス流れ制御アセンブリであって、選択的に流れ制御弁を動作させるためのユーザ作動式レバーを更に含む、再充填ガス流れ制御アセンブリと、を備え得る。本方法は、ポータブル炭酸注入システムを再充填ステーションに固定することと、再充填ガス容器からポータブル炭酸注入システム上のオンボードガス容器を充填することと、再充填ステーションからポータブル炭酸注入システムを取り外すことと、オンボードガス容器からのガスによってベース液体供給物に炭酸注入することと、ポータブル炭酸注入システムを再充填ステーションに再固定することと、再充填ガス容器からオンボードガス容器を再充填することと、を含み得る。
【0016】
上記の態様及び実施形態は、概略的な実施例である。これらの及び他の態様及び実施形態は、図面を含む以下の説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、記載された発明が関連する当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。好適な例示的な実装形態を以下で説明するが、本明細書に記載されたものに類似する他の実装形態を使用して、本発明を実践することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、及び他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾する場合は、定義を含む本明細書に従うものとする。加えて、本明細書に記載された実施例は、例示的なものに過ぎず、いかなる形であれ限定することを意図するものではない。本発明の1つ以上の例示的な実現形態の詳細は、添付図面及び下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、明細書及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の上記の及び他の付随する利点及び特徴は、添付図面とともに以下の詳細な説明から明らかになるであろう。ここでは、全体を通して、同様の参照番号が同様の要素を表す。説明及び実施形態は、例示的な実施例として意図されており、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲に限定することを意図していないことが理解されるであろう。以下の図は、別途指示されない限り、例示的実施形態における、及び本開示の態様による、例示的な装置、システム、又は方法を例示する。
【
図1】例示的なポータブル炭酸注入ディスペンサの正面斜視図である。
【
図4】
図2の平面4-4で切断した断面である、
図1~
図3に例示されるハウジング、ベース液体容器、炭酸注入モジュール、及び他の構成要素の断面図である。
【
図5】
図1~
図4のポータブル炭酸注入ディスペンサの炭酸注入流れ制御アセンブリの正面斜視図である。
【
図6】
図4の炭酸注入流れ制御アセンブリの側面斜視図である。
【
図7】ポータブル炭酸注入ディスペンサの構成要素のブロック図である。
【
図8.1】吐出モード及び隔離モードでの例示的なカートリッジ隔離構成要素の概略図である。
【
図8.2】吐出モード及び隔離モードでの例示的なカートリッジ隔離構成要素の概略図である。
【
図9】カートリッジ隔離構成要素を特徴とする容器クロージャの側面斜視図である。
【
図10】追加的な特徴部を例示するためにハンドル及びシュラウドアセンブリを取り外した、
図9の容器クロージャの側面斜視図である。
【
図13】ポータブル炭酸注入ディスペンサを使用する方法のフローチャートである。
【
図14】再充填ステーション上の再充填位置にあるポータブル炭酸注入ディスペンサの正面斜視図である。
【
図15】
図14のポータブル炭酸注入ディスペンサ及び再充填ステーションの断面図である。
【
図16】再充填ステーションの構成要素のブロック図である。
【
図17】ポータブル炭酸注入ディスペンサを再充填する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の態様による例示的なポータブル炭酸注入ディスペンサは、
図1~
図11に例示されている。
図1~
図3をより具体的に参照すると、ポータブル炭酸注入ディスペンサ50は、以下の主な構成要素、すなわち、ハウジング10、ベース液体容器100、炭酸注入モジュール200、及び添加剤カートリッジ400を受容し得るクロージャ300、を含み得る。ベース液体容器100及び炭酸注入モジュール200は、コンパクトな様式でハウジング10内に設置され得る。ハウジング10は、ユーザが把持するのに適した略円筒形状又はくびれのある人間工学的形状を有する外壁12と、ハウジング10の底部分に取り外し可能に固定され得る別個のハウジングベース13と、を含み得る。外壁12及びハウジングベース13は、他のシステム構成要素を収容するための内部空間14を画定し得る。ハウジング10は、細長い軸方向に延在する視認窓用カットアウト18を含み得、これは、ユーザがその内部を視認することを可能にするためにベース液体容器100に形成された、相補形状で透明のベース液体容器視認窓118を受容し得る。ハウジング10は、炭酸注入モジュール200上に炭酸注入制御ボタン262を受容するためのボタン用カットアウト20を更に含み得る。炭酸注入制御ボタン262は、不用意な作動を防止するために、ハウジング10内に凹設され得る。ハウジング10の凹設頂部分16は、相補形状の円周方向に延在するオーバーハング116を受容して、整列され得る。これらの相補的継手要素は、確実な嵌合を提供し得、組み立て中に位置決めする際に支援し得、また、ポータブル炭酸注入ディスペンサ50全体の視覚的に興味深い効果を加え得る。ベース液体容器100の雌ねじ付き頂端部120は、ベース液体容器100内の圧力を維持するように適合されたOリングシールを含み得るクロージャ300の雄ねじ付きベース310を受容及び固定し得る。
【0019】
ハウジング内部空間14は、水又は他の飲料前駆体液体などのベース液体の供給物を収容するためのベース液体容器100を収容し得る。ベース液体容器100は、ベース液体の炭酸注入を好都合に向上させる非対称形状を有する内部チャンバ102を含み得る。より具体的には、内部チャンバ102は、増加した深さを有する延在部又はウェル104を含み得る。炭酸注入ガスノズル容器110は、ベース液体容器延在部104の下に位置し得、また、炭酸注入流れ制御アセンブリ220の炭酸注入ノズル256を受容し得る。炭酸注入ガスノズル容器の小さい通路は、炭酸注入ガスの流れが延在部104の底部分内のベース液体に導入されることを可能にする。したがって、延在部は、例えば、炭酸注入ガスがベース液体の延在深さを通って上方へ進行するときに、ベース液体の炭酸注入ガスへの長い曝露を提供し、それによって、この特徴部のないベース液体容器と比較して、達成される炭酸注入のレベルが高められる。加えて、
図4の断面に最良に示されるように、延在部104及び中間床108を含むベース液体容器100の非対称形状は、アルコーブ又は凹部106を画定し得、これは、オンボード炭酸注入ガス容器210を収容し、ハウジング10内での炭酸注入ガス容器210及びベース液体容器100のコンパクトな配置を提供し得る。
【0020】
図5~
図7をより具体的に参照すると、炭酸注入モジュール200は、オンボード炭酸注入ガス容器210と、炭酸注入ガス流れ制御アセンブリ220と、を含み得、以下で説明されるように、これは、ベース液体容器100内に収容されたベース液体に送達される炭酸注入ガスの流れ及び圧力を制御するための構成要素を備え得、また、外部再充填ステーションから炭酸注入ガス容器210の再充填を提供し得る。炭酸注入モジュール200は、コンパクトモジュールであり得、これは、ハウジング10内に嵌合するように適合及び配置され、1つ以上の構成要素がハウジング10の下部分に配設され、また、容器ベース13に装着され得る床板222に固定される。この配置は、炭酸注入モジュールがハウジング10内にユニットとして挿入される前に予め組み立てることができるので、ポータブル炭酸注入ディスペンサの組み立ての容易さを提供する。
【0021】
炭酸注入ガス流れ制御アセンブリ220は、再充填接続金具と再充填ステーション上の嵌合構成要素との整列を可能にするために、床板222内の円形凹部224内に配置された再充填接続金具230を含み得る。
図7は、炭酸注入モジュール200の構成要素間の例示的な流体(ガス)回路及び相互接続を例示する。物理的に、これらの構成要素は、構成要素間で炭酸注入ガスを搬送するのに適した配管によって接続され得る。再充填接続金具230は、再充填炭酸注入ガスを受容し得、次いで再充填炭酸注入ガスは、逆流を防止する逆止弁232を通って流れる。炭酸注入ガスは、次いで、オンボードガス容器210と接続するためのオンボードガス容器継手248(追加的に
図4も参照されたい)を収容し得る、容器の4ポートマニホールド240を通って流れる。したがって、容器マニホールド240は、オンボードガス容器210への再充填及びそこからの流出を可能にする。容器マニホールド240はまた、回路内のオンボードガス容器210及び他の構成要素内の過剰な圧力に対する安全逃がし弁として機能する、一体型バーストディスク246も含み得る。容器マニホールド240はまた、オンボードガス容器210から圧力調節器250にガスを搬送し、圧力調節器250は、調節器250の下流の回路において、及びディスペンサ炭酸注入弁260に提供された炭酸注入ガスにおいて変調(すなわち、定圧を維持)し得、ディスペンサ炭酸注入弁260は、ユーザ押しボタンによって作動されて、炭酸注入ガスが、ノズル逆止弁254を通って炭酸注入ノズル256に流れることを可能にし、それによって、ベース液体容器100及びその中に収容されたベース液体に炭酸注入ガス流を提供し得る。したがって、炭酸注入モジュール200によって、ユーザが、ユーザ作動式ボタン262を作動させることによって、ベース液体に所望のレベルの炭酸注入を提供することを可能にする。
【0022】
図7は、ベース液体容器クロージャ又は蓋300に含まれ得る追加的な構成要素を例示する。クロージャ300は、ベース液体容器100の内部が十分なレベルまで加圧されて、炭酸注入ガスをベース液体中に溶解させることを可能にするために、ベース液体供給物の好適なシールを提供する。クロージャ300はまた、ベース液体容器100内の炭酸圧力を制御及び指示(感知)するための構成要素も含み得る。これらの構成要素は、(環境への)ガス抜き穴380と、炭酸注入レベルインジケータ386と、逃がし弁390と、を含み得る。続いて、これらの構成要素の機能を本開示においてより詳細に説明する。
【0023】
本開示による炭酸注入システムは、交換可能な添加剤カートリッジを利用するディスペンサに特に適合可能であり得る。例えば、クロージャ300は、交換可能な貫流添加剤カートリッジ400の設置を提供し得る。このようなカートリッジ400は、上で参照した米国特許第10,888,826号に記載されたものと同様の特徴部を含み得る。カートリッジ400は、容器蓋又はクロージャの吐出通路に設置され得、また、ベース液体がカートリッジを通って流れるときに添加剤とベース液体とを混合させる構成及び特徴部を有し得る。このようなカートリッジはまた、カートリッジ上の香味料ダイヤルの回転によって、ベース液体フローに加えられる添加剤の量のユーザによる調整も提供し得る。本開示の
図2~
図4を参照すると、カートリッジ400は、吐出スパウト402と、ベース液体の流入を可能にするための1つ以上の通路を有する反対側の入口端部404と、カートリッジ400をクロージャ300内のねじ付き吐出通路302に固定するためのねじ付きベース406と、を有し得る。
【0024】
本開示の態様によれば、上述の添加剤カートリッジを含む、ディスペンサ環境での炭酸注入を支持するために、特徴部が提供される。より具体的には、特徴部は、炭酸注入中に、ベース液体供給物から添加剤カートリッジを隔離し、ベース液体容器内により高い圧力を加えるために提供される。本明細書に記載された隔離構成要素はまた、クロージャ300の吐出通路302を隔離し、したがって、添加剤カートリッジが使用中でない場合又は吐出通路302内に存在しない場合(すなわち、ユーザがポータブル炭酸注入容器内で水のみに炭酸注入及び吐出している場合)に利用され得ることが理解されるであろう。
図8.1及び
図8.2は、隔離構成要素の配置を概略的に例示し、図中、特徴部は、ポータブル炭酸注入ディスペンサの炭酸注入動作中に添加剤カートリッジ(又は同じブロック400によって表されると考えられ得る、吐出通路)の選択的な隔離のために提供される容器クロージャ300を備え得る。隔離構成要素320は、選択的透過性障壁を提供し得、これは、吐出モード(
図8.1)では、カートリッジをベース液体の流れに曝露させて、ベース液体流(長破線)120がカートリッジスパウトからの添加剤流420(短破線)及び混合流330(短破線/長破線)をもたらす、容器クロージャ300の吐出動作を可能にするように配置及び適合される。このモードでは、隔離障壁は透過性であり、隔離構成要素320を画定する点線によって表される。隔離構成要素320は、炭酸注入モード(
図8.2)に構成され得、炭酸注入モードでは、透過性障壁が、炭酸注入モジュール200によってその中に発生した炭酸圧力にカートリッジ400が曝露されないように、カートリッジをベース液体供給物及び容器から隔離するように配置及び適合される。このモードでは、隔離障壁は不透過性であり、吐出通路をベース液体容器100の圧力から隔離することが可能であり、隔離構成要素320を画定する実線によって表される。
【0025】
本開示の更なる態様によれば、
図9~
図11に例示されるように、隔離構成要素の例示的な実装形態が容器クロージャ300内に提供され得る。クロージャ300の主な構成要素としては、クロージャベース310、クロージャシュラウド330、クロージャインサート350、インサートシール360、及び作動レバー340が挙げられ得る。
図9及び
図12は、クロージャシュラウド330を示し、一方で、
図10及び
図11は、明確にするために、クロージャシュラウドを省略している。クロージャシュラウド330は、一体型ハンドル332を含み得る。クロージャベース310は、ベース液体容器内部からジャーナル312の内部へのベース液体の流れを可能にするように配置されたクロージャインサート350及び1つ以上のジャーナルポート314を受容するための、環状ジャーナル312を含み得る。
図11には、2つのジャーナルポート314が示されている(3つめは、視界から隠れている)。クロージャベース310は、ガス抜き穴3を含み得、これは、本開示において後で更に説明されるように、ユーザによって、又は作動レバー340上の傾斜面346によってクロージャベース310に対して押下されたときにベース液体容器内の圧力を解放するように適合された、ばね付勢ボタン381であり得る。逃がし弁390もまた、クロージャベース310に含まれ得、また、閾値圧力に到達したときに圧力を解放するポペット又は他のタイプの弁を特徴とし得、したがって、ベース液体供給容器内の制限圧力を制御及び維持することができる。クロージャベース310は、クロージャ300のユーザの把持及びベース液体容器100に対する取り外し又は設置を可能にするために、オーバーモールドされたグリップリング318を含み得る。
【0026】
クロージャインサート350は、カートリッジ400の入口端部404(
図2及び
図3を参照されたい)を受容するための内部カートリッジ受容空間352を画定するために、端壁353まで延在する円筒外壁351を含み得る。認識されるように、カートリッジ受容空間352はまた、吐出通路の一部も提供する。インサート350のねじ付き端部356は、カートリッジ400をインサートに固定するようにカートリッジ400のねじ付きキャップ406に係合し得る。クロージャベース310内に組み立てた後にモードセレクタレバー340をクロージャインサート350に固定するために、いくつかのスナップ嵌合凹部358が円筒形レバー受容表面357に提供され得る。クロージャインサート350は、外部から内部カートリッジ受容空間352内へのベース液体の流れを可能にし得る、いくつかの(ここでは3つの)インサートポート354を含み得る。インサートポート354の間には、いくつかの遮断面35が散在する。インサート350は、2つの円周方向に延在する上部セグメント372及び下部セグメント374を有するシール保持チャネル370と、上部セグメント372と下部セグメント374との間に延在するいくつかの軸方向に延在するセグメント376と、を含み得る。シール保持チャネル370は、2つのリング362及び364及びいくつかの軸方向に延在する横断部材366と相補的な形状を有する弾性(すなわち、改良型Oリング)インサートシール360を受容し得る。
【0027】
本開示から認識されるように、クロージャインサート350がクロージャベースジャーナル312内に設置されて着座したときに、インサートポート354及び遮断面355は、クロージャベース310上のジャーナルポート314と協働するように配置される。インサート350の吐出位置への回転は、インサートポート354をジャーナルポート314と整列させ、したがって、ベース液体は、内部カートリッジ受容空間352に流れ得る。インサート350の炭酸注入位置への回転は、遮断面355をジャーナルポート314と整列させ、よって、内部カートリッジ受容空間352、したがって、設置されたカートリッジ400がベース液体容器から隔離され、よって、カートリッジ400に影響を及ぼすことなく、炭酸圧力がその中に印加され得る。この実施例では、インサート350及びクロージャベース310の説明した特徴部が協働して、ユーザが、ベース液体容器100内の圧力からカートリッジを選択的に隔離することを可能にする隔離構成要素を提供する。認識されるように、インサートシール360は、回転が生じている間、クロージャベースジャーナル312内のインサートのシーリングを提供する。インサートシール360はまた、遮断面355の各々とクロージャベースジャーナル312の内壁とのそれぞれのシーリング係合も提供し、また、インサート350が炭酸注入位置にあるときにジャーナルガス抜き穴314を完全に取り囲むシールも提供し、したがって、炭酸注入動作中のベース液体容器100の比較的高い圧力に対するシールを提供する。
【0028】
モードセレクタレバー340は、クロージャ300を吐出モード又は炭酸注入モードに構成するための、クロージャインサート350のユーザによる作動(回転)を提供する。モードセレクタレバー340は、その上に設置されたときにインサート350のレバー係合面357を取り囲むように適合された作動ハンドル342及び環状リング344を含み得る。インサート350上のモードセレクタレバー340の設置位置は、
図10に最良に例示されている。レバー係合面357上の同数のスナップ嵌め凹部358に係合し、これらの構成要素の容易な組み立て及び締結を提供するために、いくつかのスナップ嵌め突起部348が環状リング344の内面に提供され得る。
【0029】
図9に最良に見られるように、モードセレクタレバー340及びクロージャシュラウド330がクロージャベース310に設置されたときに、モードセレクタレバーハンドル342は、クロージャシュラウド330のガイドスロット336を通って延在し得、ガイドスロット336は、モードセレクタレバー340を誘導し、かつモードセレクタレバー340の運動(回転)を制限し得る。位置合わせ突起部316は、クロージャベース310から延在し得、かつモードセレクタレバーハンドル342の同様の表面と嵌合するように輪郭形成され得る。位置合わせ突起部は、モードセレクタレバーハンドル342が、
図9及び
図10に示される位置である炭酸注入モードにあることの視覚的及び触覚的指標を提供し得る。
【0030】
本開示の態様によれば、クロージャ300は、動作中に炭酸圧力を制御し、かつカートリッジ400が炭酸圧力に曝露されないことを確実にするための追加的な特徴部を備え得る。クロージャ300は、ベース液体供給物が加圧されている場合にユーザが飲用モードへ切り替えることを防止する、インターロック特徴部を備え得る。例示的な一実施形態では、モードセレクタレバー340は、停止タブ347(
図9~
図11)と、好適な炭酸圧力がベース液体容器100内で達成されたときにクロージャベース310から上方へ突出するように位置決めされる格納式炭酸注入レベルインジケータフラグ又はポスト387を装備したクロージャベース310と、を備え得る。
図10では、炭酸注入レベルインジケータポスト387は、容器ベース310内に格納された位置で示されている。ベース液体容器が炭酸注入ガスで加圧されたときに、ポスト387は、上方へ延在して、停止タブ347の運動を防止し、したがって、ユーザがポータブル炭酸注入ディスペンサを吐出モードに切り替えることを防止し得る。認識されるように、炭酸注入レベルインジケータポスト387は、ユーザがクロージャシュラウド330の透明観察レンズ334(
図9)を通して視認するように位置決めされ得る。
【0031】
更なる態様によれば、クロージャ300は、ベース液体容器100からの圧力を逃がすためのガス抜き穴381を備え得る。ガス抜き穴381は、クロージャベース310から延在し、クロージャベース上の台座内に収容された、露出した作動表面を備えた押しボタンタイプの弁であり得る。通気面は、モードセレクタレバー340上の傾斜面346によって係合されるように配置及び適合され得、傾斜面346は、モードセレクタレバー340が(
図9及び
図10の反時計方向に)回転したときに表面に係合して、ボタンを押下する。したがって、ガス抜き穴381は、ユーザがディスペンサを吐出モードに切り替えたときに、かつインサート350の内部カートリッジ受容空間352がベース液体供給物に曝露される前に、圧力がベース液体容器100から環境/大気に逃がされることを確実にし得る。ガス抜き穴381はまた、ベース液体容器100内に蓄積された任意の圧力を逃がすために、ユーザによって(すなわち、ガス抜き穴381の表面をユーザの指、親指、ペンシルポイント、又は他の要素と係合させることによって)直接操作され得る。
【0032】
本開示の更なる一態様によれば、クロージャ300は、ベース液体供給容器内の最大圧力を制限するための閾値圧力に設定され得る逃がし弁390を備え得る。逃がし弁390は、所定の制限、典型的には、60psiを超えると離座して圧力を軽減するように設定される、ばね付勢シーリング要素を有する、既知の構造のものであり得る。
【0033】
図13は、上で説明したようなポータブル炭酸注入ディスペンサを動作させるための例示的な方法のステップを例示する。ステップ1310で、ユーザが、ベース液体容器100を充填し、次いで、容器クロージャ300を固定し得る。ステップ1320で、隔離構成要素が炭酸注入モードに切り替えられる。ステップ1330で、ユーザが炭酸注入ボタン262(
図1)を押下し、それによって、オンボードガス容器210からベース液体供給物内に炭酸注入ガスを放出することによって、ベース液体供給物が炭酸注入される。次いで、ステップ1340で、隔離構成要素が吐出モードに切り替えられる。このステップは、最初にベース液体容器内の圧力を逃がす中間ステップを含み得る。次いで、ステップ1350で、炭酸飲料がディスペンサから吐出されて、ベース液体がクロージャ300を通って流れるときにカートリッジからの添加剤によって風味付けされ得る。
【0034】
本開示の更なる態様によれば、ポータブル炭酸注入ディスペンサは、再充填ステーションを使用して再充填され得る(炭酸注入ガスが再充填され得る)。例示的な再充填ステーション500の配置は、
図14及び
図15に例示されている。
図16は、再充填ステーションの例示的な構成要素及びそれらの機能的関係の概略図である。再充填ステーション500は、システム構成要素を収容するための、及びポータブル炭酸注入ディスペンサ50を支持するためのディスペンサドック507を有する、主ハウジング505を含み得る。ディスペンサドック507は、クイック接続金具528が、ディスペンサ炭酸注入流れ制御アセンブリ220(
図6を参照)上の再充填ステーション接続金具230と整列されて係合するように、容器底部13(
図1を参照)を受容してセンタリングするための位置合わせ凹部509を有し得る。ディスペンサドック507上のロック解除ボタン510は、クイック接続金具528と再充填ステーション接続金具230とのロック及び解除を可能にし得る。
【0035】
再充填ガス容器510は、液化された又はガス形態の二酸化炭素などの炭酸注入ガスを収容するように配置及び適合され得る。典型的には、炭酸注入ガスが液体形態で貯蔵されている場合、ガス容器510の内部空間の上部は、内部空間の下部に存在する液体形態と平衡状態で存在するガス形態の供給物を収容する。再充填ガス容器510は、容器に貯蔵される形態にかかわらずガス形態の炭酸注入の供給を可能にするために、その上部分に固定された出口継手を有し得る。炭酸注入ガスは、再充填ガス容器510から再充填弁526に供給される。ユーザは、ポータブル炭酸注入ディスペンサ50が適所にロックされると、作動レバー524を使用して再充填弁526を作動させ得る。したがって、再充填動作中に、炭酸注入ガスは、再充填ガス容器510から、制御弁526を通して、オンボード炭酸注入ガス流れ制御アセンブリ220内のオンボードガス容器再充填マニホールド(
図5及び
図7)を通して、オンボードガス容器210(
図4)に供給される。再充填中に、オンボードガス容器210内の圧力は、オンボード容器210が完全に再充填されたという聴覚的指標をユーザに提供し得る逃がし弁390を使用して制御され得る。
【0036】
図17は、本開示の態様による、再充填ステーションを使用してポータブル炭酸注入ディスペンサに炭酸注入ガスを充填する例示的な方法を例示する。ステップ1710で、オンボードベース液体容器100(
図4)にベース液体が充填され得る。ベース液体容器の状態(満杯又は空)にかかわらずオンボード炭酸注入システムの再充填が生じ得るので、これは任意選択のステップであり得る。ステップ1720で、ポータブル炭酸注入ディスペンサが、再充填ステーション500に固定され、例えば、クイック接続金具528へのロック接続を含む。ステップ1730で、ユーザは、再充填弁作動レバー524を作動させて、再充填弁526の開口、及び再充填ガス容器510からオンボードガス容器210へのガスの流れを生じさせ得る。ステップ1740で、ガス流が中断された後に、ユーザは、例えば、ロック解除ボタン510を押下することによって、再充填ステーションからポータブル炭酸注入ディスペンサ50を取り外し得る。ステップ1750で、ベース液体の炭酸注入は、上述のようにユーザがディスペンサを炭酸注入モードに構成し、ユーザが炭酸注入ボタン262(
図1)を作動させることによって、ポータブル炭酸注入ディスペンサ上で行われて、所望のレベルの炭酸注入を達成し得る。
【0037】
本明細書に記載された態様及び実施形態の他の変更及び修正の実装形態は、本開示及び意図される範囲の一部になるように意図されていることが理解されるべきである。本発明の範囲は、その様々な態様において、当業者に容易に明らかになり得、本発明は、本明細書に記載された特定の態様又は実施形態に限定されるものではなく、本開示から明らかになり得るありとあらゆる修正、変形、又は均等物を網羅することが意図されている。
【国際調査報告】