(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-14
(54)【発明の名称】背部追従支持装置、長時間の着座を防止する制御方法及び椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 7/40 20060101AFI20230804BHJP
A47C 7/34 20060101ALI20230804BHJP
A47C 7/64 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
A47C7/40
A47C7/34 A
A47C7/64 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501659
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2021110334
(87)【国際公開番号】W WO2022095524
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】202011211053.X
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022513256.6
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011211055.9
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011211042.1
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022513193.4
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519259283
【氏名又は名称】シャンハイ バックロボ ウェルネス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】劉文超
(72)【発明者】
【氏名】宋玉喜
(72)【発明者】
【氏名】杜続常
(72)【発明者】
【氏名】李勇兵
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084BA01
3B084EC04
3B084EC06
3B084JC00
(57)【要約】
背部追従支持装置、長時間の着座を防止する制御方法及び椅子であって、背もたれ板(11)、柔軟性背腰支持部材及びコントロールシステム(3)を含み、柔軟性背腰支持部材は背もたれ板(11)に配置されるクッションエアバッグ(12)を含み、コントロールシステム(3)はコントローラ(31)、クッションエアバッグ(12)に空気を充填する空気供給器(331)、クッションエアバッグ(12)内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ(332)及びクッションエアバッグ(12)内部の気圧を収集する気圧センサ(321)を含み、空気供給器(331)、調圧弁アセンブリ(332)及び気圧センサ(321)はいずれもコントローラ(31)に接続される。この方法は、座部及び背部追従支持装置の快適性を調節することができ、なおかつ、ユーザの腰背部を効果的に支持して、異なる人々のニーズを満たすことができる。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背部追従支持装置であって、
背もたれ板(11)と、
前記背もたれ板(11)に配置されるクッションエアバッグ(12)を含む柔軟性背腰支持部材と、
コントローラ(31)、前記クッションエアバッグ(12)に空気を充填する空気供給器(331)、前記クッションエアバッグ(12)内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ(332)及び前記クッションエアバッグ(12)内部の気圧を収集する気圧センサ(321)を含むコントロールシステム(3)とを含み、
前記空気供給器(331)、前記調圧弁アセンブリ(332)及び前記気圧センサ(321)はいずれも前記コントローラ(31)に接続されることを特徴とする背部追従支持装置。
【請求項2】
前記背部追従支持装置は、前記クッションエアバッグ(12)における前記背もたれ板(11)に背向する一側を被覆する軟質クッションカバー(13)を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の背部追従支持装置。
【請求項3】
前記柔軟性背腰支持部材は前記クッションエアバッグ(12)と連通する給排気ダクト(37)及び圧力測定ダクト(34)を更に含み、前記空気供給器(331)は前記給排気ダクト(37)に接続され、前記調圧弁アセンブリ(332)は前記給排気ダクト(37)上に設けられ、前記気圧センサ(321)は前記圧力測定ダクト(34)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の背部追従支持装置。
【請求項4】
前記給排気ダクト(37)は互いに連通する空気充填管路(371)及び空気排出管路(372)を含み、前記空気充填管路(371)の延伸方向の両端は前記空気供給器(331)と前記クッションエアバッグ(12)とにそれぞれ接続され、前記調圧弁アセンブリ(332)は前記空気排出管路(372)上に設けられることを特徴とする請求項3に記載の背部追従支持装置。
【請求項5】
前記コントロールシステム(3)は、前記コントローラ(31)に接続されるハンドコントローラ(36)を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の背部追従支持装置。
【請求項6】
前記クッションエアバッグ(12)は互いに連通する腰部バッグ(121)と背部バッグ(122)とに区分されることを特徴とする請求項1に記載の背部追従支持装置。
【請求項7】
前記腰部バッグ(121)は互いに重置する2つの下部左側空気室(121a)と互いに重置する2つの下部右側空気室(121b)とに区分して形成され、前記背部バッグ(122)は単独の空気室構造であることを特徴とする請求項6に記載の背部追従支持装置。
【請求項8】
座部(2)及び請求項1から7のうちいずれか一項に記載の背部追従支持装置を含むことを特徴とする椅子。
【請求項9】
前記座部(2)は座部板(21)及び前記座部板(21)に設けられる着座圧力センサ(322)を含み、前記着座圧力センサ(322)は前記コントローラ(31)に接続されることを特徴とする請求項8に記載の椅子。
【請求項10】
前記座部(2)は前記空気供給器(331)によって空気を充填することができる座部エアバッグ(22)と、前記座部エアバッグ(22)内の気体量を制御する第二調圧弁(332b)とを更に含み、前記第二調圧弁(332b)は前記コントローラ(31)に接続されることを特徴とする請求項9に記載の椅子。
【請求項11】
長時間の着座を防止する制御方法であって、
ユーザが着席したか否かをリアルタイムで判断し、着席した場合はユーザの着座時間の累計を開始し、着席していない場合は前記着座時間をリセットするステップS1と、
前記着座時間が予め設定された警戒時間に達したか否かを判断し、達した場合はステップS3を実行し、達していない場合はステップS1に戻るステップS2と、
ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に配置される姿勢介入バッグに対して空気の充填、放出が繰り返し行われることにより前記姿勢介入バッグがユーザの臀部及び/又は腰背部を繰り返し押圧し、ユーザが前記姿勢介入バッグの作用下で着座姿勢を変換するステップS3と、を含むことを特徴とする長時間の着座を防止する制御方法。
【請求項12】
前記ステップS3は、
前記姿勢介入バッグに空気を充填させるステップS31と、
空気の充填時間が予め設定された膨張時間に達したか否かをリアルタイムで判断し、達した場合はステップS33を実行し、達していない場合はステップS31に戻るステップS32と、
前記姿勢介入バッグから空気を放出させるステップS33と、
空気の放出時間が予め設定された収縮時間に達したか否かをリアルタイムで判断し、達した場合はステップS35を実行し、達していない場合はステップS33に戻るステップS34と、
前記姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出回数を記録するステップS35と、
前記姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出回数が予め設定された介入回数に達したか否かを判断し、達した場合は前記姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出が終了し、達していない場合はステップS31に戻るステップS36と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の長時間の着座を防止する制御方法。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の長時間の着座を防止する制御方法を実現する長時間の着座を防止する装置であって、
背もたれ板(11)を含む背もたれ(1)と、
座部板(21)を含む座部(2)と、
前記座部板(21)及び/又は前記背もたれ板(11)に配置される姿勢介入バッグと、
コントローラ(31)、気圧センサ(321)及び空気充填放出装置(33)を含むコントロールシステム(3)と、を含み、
前記コントローラ(31)は順に接続された着席監視モジュール(311)、着座計時モジュール(312)、長時間着座判断モジュール(313)及び着座姿勢調節モジュール(314)を含み、前記気圧センサ(321)は前記姿勢介入バッグ内部の気圧をリアルタイムで測定するのに用いられ、かつ前記着席監視モジュール(311)と通信接続され、前記空気充填放出装置(33)は前記姿勢介入バッグと連通し、かつ前記着座姿勢調節モジュール(314)と通信接続されることを特徴とする長時間の着座を防止する装置。
【請求項14】
前記姿勢介入バッグは、前記座部板(21)に配置される座部エアバッグ(22)及び/又は前記背もたれ板(11)に配置されるクッションエアバッグ(12)を含むことを特徴とする請求項13に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項15】
前記コントロールシステム(3)は前記姿勢介入バッグと連通する圧力測定ダクト(34)を更に含み、前記気圧センサ(321)は前記圧力測定ダクト(34)上に設けられることを特徴とする請求項13に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項16】
前記空気充填放出装置(33)は、前記姿勢介入バッグに空気を充填する空気供給器(331)、及び前記姿勢介入バッグ内部の気体を排出させる調圧弁アセンブリ(332)を含み、前記空気供給器(331)及び前記調圧弁アセンブリ(332)はいずれも前記着座姿勢調節モジュール(314)に接続されることを特徴とする請求項13に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項17】
前記コントロールシステム(3)は、前記コントローラ(31)に接続される給電器(35)を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項18】
前記コントロールシステム(3)は、前記コントローラ(31)に接続されるハンドコントローラ(36)を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項19】
請求項11又は請求項12に記載の長時間の着座を防止する制御方法を実現する長時間の着座を防止する装置であって、
背もたれ板(11)及び前記背もたれ板(11)に配置されるクッションエアバッグ(12)を含む背もたれ(1)と、
座部板(21)及び前記座部板(21)に配置される座部エアバッグ(22)を含む座部(2)と、
コントローラ(31)、圧力センサ(32)及び空気充填放出装置(33)を含むコントロールシステム(3)と、を含み、
前記コントローラ(31)は、順に接続されたリアルタイム収集モジュール(315)、圧力判断モジュール(316)及び着座姿勢調節モジュール(314)を含み、前記圧力センサ(32)は前記座部(2)及び/又は前記背もたれ(1)に配置され、かつ前記リアルタイム収集モジュール(315)と通信接続され、前記空気充填放出装置(33)は前記クッションエアバッグ(12)及び前記座部エアバッグ(22)とそれぞれ連通し、かつ前記着座姿勢調節モジュール(314)と通信接続されることを特徴とする長時間の着座を防止する装置。
【請求項20】
前記背もたれ(1)は、前記クッションエアバッグ(12)における前記背もたれ板(11)に背向する一側を被覆する軟質クッションカバー(13)を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項21】
前記座部(2)は、前記座部エアバッグ(22)における前記座部板(21)に背向する一側を被覆する軟質クッション層(23)を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項22】
前記座部(2)は前記座部エアバッグ(22)と連通する圧力測定ダクト(34)を更に含み、前記圧力センサ(32)は気圧センサ(321)を含み、前記気圧センサ(321)は前記圧力測定ダクト(34)上に設けられることを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項23】
前記圧力センサ(32)は、前記座部板(21)上に設けられる着座圧力センサ(322)を含むことを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項24】
前記空気充填放出装置(33)は、前記クッションエアバッグ(12)、前記座部エアバッグ(22)にそれぞれ空気を充填する空気供給器(331)、前記クッションエアバッグ(12)内部の気体量を制御する第一調圧弁(332a)及び前記座部エアバッグ(22)内部の気体量を制御する第二調圧弁(332b)を含み、前記空気供給器(331)、前記第一調圧弁(332a)及び前記第二調圧弁(332b)はいずれも前記着座姿勢調節モジュール(314)に接続されることを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項25】
前記コントロールシステム(3)は、前記コントローラ(31)に接続される給電器(35)を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項26】
前記クッションエアバッグ(12)は、互いに連通する腰部バッグ(121)及び背部バッグ(122)を含むことを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項27】
前記座部エアバッグ(22)は、前側バッグ(221)及び後ろ側バッグ(222)を含むことを特徴とする請求項19に記載の長時間の着座を防止する装置。
【請求項28】
請求項19から請求項27のうちいずれか一項に記載の長時間の着座を防止する装置を含むことを特徴とする椅子。
【請求項29】
外圧感知式背部追従支持装置であって、
背もたれ板(11)に配置されるクッションエアバッグ(12)を含む柔軟性背腰支持部材、及び前記背もたれ板(11)を含む背もたれ(1)と、
コントローラ(31)、前記クッションエアバッグ(12)に空気を充填する空気供給器(331)、前記クッションエアバッグ(12)内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ(332)及び人体の腰部及び/又は人体の背部における前記クッションエアバッグ(12)に対する圧力を収集するもたれ圧力センサ(323)を含むコントロールシステム(3)と、を含み、
前記もたれ圧力センサ(323)は前記クッションエアバッグ(12)における人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けられ、又は、前記もたれ圧力センサ(323)は前記クッションエアバッグ(12)における人体の腰部及び/又は人体の背部に背向する外表面に設けられ、前記空気供給器(331)、前記調圧弁アセンブリ(332)及び前記もたれ圧力センサ(323)はいずれも前記コントローラ(31)に接続されることを特徴とする外圧感知式背部追従支持装置。
【請求項30】
前記外圧感知式背部追従支持装置は、前記クッションエアバッグ(12)における前記背もたれ板(11)に背向する一側を被覆する軟質クッションカバー(13)を更に含み、前記もたれ圧力センサ(323)は前記クッションエアバッグ(12)と前記軟質クッションカバー(13)との間に挟んで設けられることを特徴とする請求項29に記載の外圧感知式背部追従支持装置。
【請求項31】
前記軟質クッションカバー(13)は弾性のファブリックによって作られることを特徴とする請求項30に記載の外圧感知式背部追従支持装置。
【請求項32】
前記クッションエアバッグ(12)は互いに連通する腰部バッグ(121)と背部バッグ(122)とに区分され、前記もたれ圧力センサ(323)が複数設けられ、全てのもたれ圧力センサ(323)が2組に分けられ、そのうちの1組の前記もたれ圧力センサ(323)は前記腰部バッグ(121)における人体の腰部に向かう外側面に配置され、もう1組の前記もたれ圧力センサ(323)は前記背部バッグ(122)における人体の背部に向かう外側面に配置されることを特徴とする請求項29に記載の外圧感知式背部追従支持装置。
【請求項33】
手動式背部追従支持装置であって、背もたれ(1)及び手動式空気充填放出装置(4)を含み、
前記背もたれ(1)は背もたれ板(11)及び柔軟性背腰支持部材を含み、前記柔軟性背腰支持部材は前記背もたれ板(11)に配置されるクッションエアバッグ(12)を含み、前記クッションエアバッグ(12)は気体を前記クッションエアバッグ(12)から出し入れさせることができる空気ノズル(123)を有し、
前記手動式空気充填放出装置(4)は膨縮可能な空気貯蔵空洞体(41)を含み、前記空気貯蔵空洞体(41)には気体を前記空気貯蔵空洞体(41)に入れることのみ可能な吸気一方向弁(42)及び気体を前記空気貯蔵空洞体(41)から出すことのみ可能な吹気一方向弁(43)が設けられ、前記吹気一方向弁(43)は1つの通気管路(44)を介して前記空気ノズル(123)に接続され、前記吹気一方向弁(43)上には前記通気管路(44)内の気体を大気に排出させることのみ可能な排気一方向弁(45)が設けられることを特徴とする手動式背部追従支持装置。
【請求項34】
前記手動式背部追従支持装置は、前記クッションエアバッグ(12)における前記背もたれ板(11)に背向する一側を被覆する軟質クッションカバー(13)を更に含み、前記軟質クッションカバー(13)と前記クッションエアバッグ(12)との間には背もたれ衝撃緩和層(14)が挟んで設けられることを特徴とする請求項33に記載の手動式背部追従支持装置。
【請求項35】
前記軟質クッションカバー(13)は弾性のファブリックによって作られることを特徴とする請求項34に記載の手動式背部追従支持装置。
【請求項36】
前記背もたれ衝撃緩和層(14)はスポンジ材料によって作られることを特徴とする請求項34に記載の手動式背部追従支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生活用品の技術分野に関し、特に、背部追従支持装置、長時間の着座を防止する制御方法及び椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
現在は室内で業務を行う人がますます多くなっており、長時間着座するという状況はどこにでもある。仕事へのプレッシャーが非常に大きいことから、長時間の着座が腰椎にもたらすダメージは見過ごされやすい。現在、長時間の着座を防止する技術がいくつか存在しており、長時間の着座が一定時間に達したとき、身体に不快な感覚を生じさせることによって座席から離れさせ、長時間の着座を防ぐというものがあるが、長時間着座するという課題を根本的に解決することはできず、なおかつ、仕事の効率に影響してしまう。又は、長時間の着座が一定時間に達したとき、指示音を発することのみによってユーザに着席していることを知らせるというものがあるが、警告の効果は微々たるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べた従来技術の欠点に鑑み、本発明が解決する必要のある技術課題は、座部及び背部追従支持装置の快適性を調節することができ、なおかつ、ユーザの腰背部を効果的に支持して、異なる人々のニーズを満たすことができ、ユーザに長時間の着座現象が存在するか否かを検出し、空気を充填、放出させることによってユーザの臀部分及び/又は腰背部分にマッサージを行うことができ、なおかつ、ユーザに着座姿勢を変換させることができる、背部追従支持装置、長時間の着座を防止する制御方法及び椅子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の技術課題を解決するために、本発明は長時間の着座を防止する制御方法を提供し、
ユーザが着席したか否かをリアルタイムで判断し、着席した場合はユーザの着座時間の累計を開始し、着席していない場合は着座時間をリセットするステップS1と、
着座時間が予め設定された警戒時間に達したか否かを判断し、達した場合はステップS3を実行し、達していない場合はステップS1に戻るステップS2と、
ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に配置される姿勢介入バッグに対して空気の充填、放出が繰り返し行われることにより姿勢介入バッグがユーザの臀部及び/又は腰背部を繰り返し押圧し、ユーザが姿勢介入バッグの作用下で着座姿勢を変換するステップS3と、を含む。
【0005】
好ましくは、前記ステップS3は、
姿勢介入バッグに空気を充填させるステップS31と、
空気の充填時間が予め設定された膨張時間に達したか否かをリアルタイムで判断し、達した場合はステップS33を実行し、達していない場合はステップS31に戻るステップS32と、
姿勢介入バッグから空気を放出させるステップS33と、
空気の放出時間が予め設定された収縮時間に達したか否かをリアルタイムで判断し、達した場合はステップS35を実行し、達していない場合はステップS33に戻るステップS34と、
姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出回数を記録するステップS35と、
姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出回数が予め設定された介入回数に達したか否かを判断し、達した場合は姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出が終了し、達していない場合はステップS31に戻るステップS36と、を含む。
【0006】
本発明は前記長時間の着座を防止する制御方法を実現する長時間の着座を防止する装置を更に提供し、背もたれ、座部、姿勢介入バッグ及びコントロールシステムを含み、
背もたれは背もたれ板を含み、
座部は座部板を含み、
姿勢介入バッグは座部板及び/又は背もたれ板に配置され、
コントロールシステムはコントローラ、気圧センサ及び空気充填放出装置を含み、コントローラは順に接続された着席監視モジュール、着座計時モジュール、長時間着座判断モジュール及び着座姿勢調節モジュールを含み、気圧センサは姿勢介入バッグ内部の気圧をリアルタイムで測定するのに用いられ、かつ着席監視モジュールと通信接続され、空気充填放出装置は姿勢介入バッグと連通し、かつ着座姿勢調節モジュールと通信接続される。
【0007】
好ましくは、前記姿勢介入バッグは座部板に配置される座部エアバッグ及び/又は背もたれ板に配置されるクッションエアバッグを含む。
【0008】
好ましくは、前記コントロールシステムは姿勢介入バッグと連通する圧力測定ダクトを更に含み、前記気圧センサは圧力測定ダクト上に設けられる。
【0009】
好ましくは、前記空気充填放出装置は姿勢介入バッグに空気を充填する空気供給器、姿勢介入バッグ内部の気体を排出させる調圧弁アセンブリを含み、空気供給器及び調圧弁アセンブリはいずれも着座姿勢調節モジュールに接続される。
【0010】
好ましくは、前記コントロールシステムは給電器を更に含み、給電器はコントローラに接続される。
【0011】
好ましくは、前記コントロールシステムはハンドコントローラを更に含み、ハンドコントローラはコントローラに接続される。
【0012】
上述したように、本発明における長時間の着座を防止する制御方法及び長時間の着座を防止する装置は、以下の有益な効果を有する。
【0013】
本発明における長時間の着座を防止する制御方法は、姿勢介入バッグがユーザの長時間にわたる着座現象を妨げる要素となり、ユーザに長時間の着座行為が存在すると判定したとき、ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に配置される姿勢介入バッグに対して空気の充填、放出を繰り返し行うことで姿勢介入バッグがユーザの臀部及び/又は腰背部を繰り返し押圧する。ユーザが自発的に着座姿勢を変更しなくても、ユーザは姿勢介入バッグの作用下で着座姿勢を変換することができ、同時に、ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に快適なマッサージを行うことで腰椎が受ける圧力を減らし、腰椎に生じる損傷を軽減することもできる。
【0014】
本発明における長時間の着座を防止する装置は、ユーザが着席すると、着席監視モジュールが気圧センサによって測定された気圧を取得する。姿勢介入バッグ内部の気圧が予め設定された気圧区間内にある場合、ユーザが着座姿勢を変換していないことを表しており、そうでない場合、ユーザが座席から離れている又は着座姿勢が変換されていることを表している。ユーザが着座姿勢を変換していないとき、着座計時モジュールがユーザの着座時間を累計し、ユーザが座席から離れている又は着座姿勢が変換されているとき、着座計時モジュールがユーザの着座時間をリセットする。長時間着座判断モジュールはユーザの着座時間と予め設定された警戒時間とをリアルタイムで比較する。着座時間が予め設定された警戒時間に達したとき、長時間着座判断モジュールは着座姿勢調節モジュールに警告命令を送信し、着座姿勢調節モジュールは空気充填放出装置に空気の充填、放出命令を送信する。このため、長時間の着座を防止する装置は、ユーザに長時間の着座現象が存在するか否かを検出し、空気を充填、放出させることによってユーザの臀部分及び/又は腰背部分にマッサージを行うことができ、なおかつ、ユーザに着座姿勢を変換させることができる。
【0015】
本発明は前記長時間の着座を防止する制御方法を実現する別の長時間の着座を防止する装置を更に提供し、背もたれ、座部及びコントロールシステムを含み、
背もたれは背もたれ板及び背もたれ板に配置されるクッションエアバッグを含み、
座部は座部板及び座部板に配置される座部エアバッグを含み、
コントロールシステムはコントローラ、圧力センサ及び空気充填放出装置を含み、コントローラは順に接続されたリアルタイム収集モジュール、圧力判断モジュール及び着座姿勢調節モジュールを含み、圧力センサは座部及び/又は背もたれに配置され、かつリアルタイム収集モジュールと通信接続され、空気充填放出装置はクッションエアバッグ及び座部エアバッグとそれぞれ連通し、かつ着座姿勢調節モジュールと通信接続される。
【0016】
好ましくは、前記背もたれは軟質クッションカバーを更に含み、軟質クッションカバーはクッションエアバッグにおける背もたれ板に背向する一側を被覆する。
【0017】
好ましくは、前記座部は軟質クッション層を更に含み、軟質クッション層は座部エアバッグにおける座部板に背向する一側を被覆する。
【0018】
好ましくは、前記座部は座部エアバッグと連通する圧力測定ダクトを更に含み、前記圧力センサは気圧センサを含み、気圧センサは圧力測定ダクト上に設けられる。
【0019】
好ましくは、前記圧力センサは着座圧力センサを含み、着座圧力センサは座部板上に設けられる。
【0020】
好ましくは、前記空気充填放出装置はクッションエアバッグ、座部エアバッグにそれぞれ空気を充填する空気供給器、クッションエアバッグ内部の気体量を制御する第一調圧弁及び座部エアバッグ内部の気体量を制御する第二調圧弁を含み、空気供給器、第一調圧弁及び第二調圧弁はいずれも着座姿勢調節モジュールに接続される。
【0021】
好ましくは、前記コントロールシステムは給電器を更に含み、給電器はコントローラに接続される。
【0022】
好ましくは、前記クッションエアバッグは互いに連通する腰部バッグ及び背部バッグを含む。
【0023】
好ましくは、前記座部エアバッグは前側バッグ及び後ろ側バッグを含む。
【0024】
本発明は椅子を更に提供し、前記長時間の着座を防止する装置を含む。
【0025】
上述したように、本発明における長時間の着座を防止する装置及び椅子は、以下の有益な効果を有する。ユーザが長時間の着座を防止する装置に座るとき、座部及び/又は背もたれに配置される圧力センサがユーザの座部及び/又は背もたれに対する圧力値を検出し、リアルタイム収集モジュールが圧力値を取得する。圧力判断モジュールは当該圧力値が予め設定された値よりも大きいか否かを判断し、大きい場合は、着座姿勢調節モジュールが空気充填放出装置に空気充填命令を送信することによって、空気充填放出装置がクッションエアバッグ及び座部エアバッグに空気を充填する。クッションエアバッグ及び座部エアバッグの内部の気体量がいずれも予め設定された量に達するとき、空気充填放出装置が空気の充填を停止することで、クッションエアバッグ及び座部エアバッグの内部において予め設定された気圧が維持される。それによって、クッションエアバッグ及び座部エアバッグにおいて心地よい快適性が保たれる。注意すべき点として、圧力判断モジュールはユーザが安定して着席しているときの座部及び/又は背もたれの圧力値を長時間着座参考値としなければならない。この後は、圧力センサがユーザの座部及び/又は背もたれに対する圧力値を検出し続け、リアルタイム収集モジュールがリアルタイムの圧力値を絶えず取得し、圧力判断モジュールがリアルタイムの圧力値と長時間着座参考値との圧力差を連続して判断する。圧力差が予め設定された時間内において比較的安定している場合、ユーザに長時間の着座行為が存在することを表しており、圧力差が予め設定された時間内において大きく変動している場合、ユーザに長時間の着座行為が存在しないことを表している。圧力判断モジュールがユーザに長時間の着座行為が存在すると判定したとき、着座姿勢調節モジュールは、空気充填放出装置が座部エアバッグ及び/又はクッションエアバッグに対して空気の充填、放出を繰り返すよう制御して、ユーザに着座姿勢を変換させ、腰椎が受ける圧力を減らす。座部エアバッグ及び/又はクッションエアバッグに対する空気の充填、放出を繰り返させることで臀部及び/又は腰背部をマッサージして緩めることもでき、そのうえ、ユーザが平常通り仕事をすることには影響を及ぼさない。このため、本発明における長時間の着座を防止する装置及び椅子は、ユーザに長時間の着座行為が発生することを防ぎ、ユーザの着座姿勢を調整して、臀部及び/又は腰背部をマッサージして緩め、腰椎が受ける圧力を減らすことができ、なおかつ、ユーザが平常通り仕事をすることには影響を及ぼさない。
【0026】
本発明は背部追従支持装置を更に提供し、背もたれ板、柔軟性背腰支持部材及びコントロールシステムを含み、
柔軟性背腰支持部材は背もたれ板に配置されるクッションエアバッグを含み、
コントロールシステムはコントローラ、クッションエアバッグに空気を充填する空気供給器、クッションエアバッグ内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ及びクッションエアバッグ内部の気圧を収集する気圧センサを含み、空気供給器、調圧弁アセンブリ及び気圧センサはいずれもコントローラに接続される。
【0027】
好ましくは、前記背部追従支持装置は軟質クッションカバーを更に含み、軟質クッションカバーはクッションエアバッグにおける背もたれ板に背向する一側を被覆する。
【0028】
好ましくは、前記柔軟性背腰支持部材はクッションエアバッグと連通する給排気ダクト及び圧力測定ダクトを更に含み、前記空気供給器は給排気ダクトに接続され、調圧弁アセンブリは給排気ダクト上に設けられ、前記気圧センサは圧力測定ダクトに接続される。
【0029】
好ましくは、前記給排気ダクトは互いに連通する空気充填管路及び空気排出管路を含み、空気充填管路の延伸方向の両端は空気供給器とクッションエアバッグとにそれぞれ接続され、前記調圧弁アセンブリは空気排出管路上に設けられる。
【0030】
好ましくは、前記コントロールシステムはハンドコントローラを更に含み、ハンドコントローラはコントローラに接続される。
【0031】
好ましくは、前記クッションエアバッグは互いに連通する腰部バッグと背部バッグとに区分される。
【0032】
好ましくは、前記腰部バッグは互いに重置する2つの下部左側空気室と互いに重置する2つの下部右側空気室とに区分して形成され、前記背部バッグは単独の空気室構造である。
【0033】
本発明は椅子を更に提供し、座部及び前記背部追従支持装置を含む。
【0034】
好ましくは、前記座部は座部板及び座部板に設けられる着座圧力センサを含み、着座圧力センサはコントローラに接続される。
【0035】
好ましくは、前記座部は空気供給器によって空気を充填することができる座部エアバッグと、座部エアバッグ内の気体量を制御する第二調圧弁とを更に含み、第二調圧弁はコントローラに接続される。
【0036】
上述したように、本発明における背部追従支持装置及び椅子は、以下の有益な効果を有する。本発明において、ユーザの腰背部がクッションエアバッグにもたれるとき、クッションエアバッグ内部の気圧に変化が生じ、気圧センサは収集した気圧データをコントローラに転送する。コントローラは、データ処理を経て、現時点で背部追従支持装置を使用している人がいると判定し、空気供給器がクッションエアバッグに空気を充填するよう制御し、クッションエアバッグがユーザの腰背部を完全に支えることができるまで、調圧弁アセンブリを、クッションエアバッグに空気を充填させる状態にする。クッションエアバッグ内部の気圧が予め設定された気圧値に達した時点で、コントローラは、空気供給器がクッションエアバッグへの空気充填を停止するよう制御し、調圧弁アセンブリをクッションエアバッグに圧力が保持される状態にする。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、クッションエアバッグがユーザの腰背部を完全に支えることができていないとき、クッションエアバッグ内部の気圧は低下する。コントローラは、空気供給器がクッションエアバッグに空気を充填し続けるよう制御し、クッションエアバッグが再びユーザの腰背部を完全に支えるまで、調圧弁アセンブリを再度、クッションエアバッグに空気を充填させる状態にする。このとき、クッションエアバッグ内部の気圧は予め設定された気圧値に再び達する。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグの支持力が大きくなりすぎたとき、クッションエアバッグ内部の気圧は上昇する。コントローラは、クッションエアバッグが外に空気を排出できる状態になるよう調圧弁アセンブリを制御し、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグの支持力が再びちょうどよいものになるまで、クッションエアバッグ内部の気体を外に逃す。このとき、クッションエアバッグ内部の気圧は予め設定された気圧値に再び達する。このため、コントロールシステムの調節下において、クッションエアバッグは、ユーザの着座姿勢の変化に伴って空気が充填、放出されて、クッションエアバッグの体積及び快適性が変更される。それによって、背部追従支持装置をユーザの腰背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰背部を追従、支持するという機能を実現する。
【0037】
本発明における椅子は、座部及び背部追従支持装置の快適性を調節することができ、なおかつ、ユーザの腰背部を効果的に支持して、異なる人々のニーズを満たすことができる。
【0038】
本発明は外圧感知式背部追従支持装置を提供し、背もたれ及びコントロールシステムを含み、
背もたれは背もたれ板及び柔軟性背腰支持部材を含み、柔軟性背腰支持部材は背もたれ板に配置されるクッションエアバッグを含み、
コントロールシステムはコントローラ、クッションエアバッグに空気を充填する空気供給器、クッションエアバッグ内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ及び人体の腰部及び/又は人体の背部におけるクッションエアバッグに対する圧力を収集するもたれ圧力センサを含み、もたれ圧力センサはクッションエアバッグにおける人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けられ、又は、もたれ圧力センサはクッションエアバッグにおける人体の腰部及び/又は人体の背部に背向する外表面に設けられ、空気供給器、調圧弁アセンブリ及びもたれ圧力センサはいずれもコントローラに接続される。
【0039】
好ましくは、前記外圧感知式背部追従支持装置は軟質クッションカバーを更に含み、軟質クッションカバーはクッションエアバッグにおける背もたれ板に背向する一側を被覆し、前記もたれ圧力センサはクッションエアバッグと軟質クッションカバーとの間に挟んで設けられる。
【0040】
好ましくは、前記軟質クッションカバーは弾性のファブリックによって作られる。
【0041】
好ましくは、前記クッションエアバッグは互いに連通する腰部バッグと背部バッグとに区分され、前記もたれ圧力センサが複数設けられる。全てのもたれ圧力センサが2組に分けられ、そのうちの1組のもたれ圧力センサは腰部バッグにおける人体の腰部に向かう外側面に配置され、もう1組のもたれ圧力センサは背部バッグにおける人体の背部に向かう外側面に配置される。
【0042】
上述したように、本発明における外圧感知式背部追従支持装置は、以下の有益な効果を有する。本発明において、もたれ圧力センサがクッションエアバッグにおける人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けられる、又は、もたれ圧力センサがクッションエアバッグにおける人体の腰部及び/又は人体の背部に背向する外表面に設けられることにより、人体の腰部及び/又は人体の背部がクッションエアバッグにもたれるとき、もたれ圧力センサが受ける圧力に変化が生じ、もたれ圧力センサは、収集した圧力データをコントローラに転送する。コントローラは、データ処理を経て、現時点で外圧感知式背部追従支持装置を使用している人がいると判定し、空気供給器がクッションエアバッグに空気を充填するよう制御し、クッションエアバッグがユーザの腰背部を完全に支えることができるまで、調圧弁アセンブリを、クッションエアバッグに空気を充填させる状態にする。もたれ圧力センサが受ける圧力が予め設定された圧力値に達した時点で、コントローラは、空気供給器がクッションエアバッグへの空気充填を停止するよう制御し、調圧弁アセンブリをクッションエアバッグに圧力が保持される状態にする。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、クッションエアバッグがユーザの腰背部を完全に支えることができていないとき、もたれ圧力センサが受ける圧力は低下する。コントローラは、空気供給器がクッションエアバッグに空気を充填し続けるよう制御し、クッションエアバッグが再びユーザの腰背部を完全に支えるまで、調圧弁アセンブリを再度、クッションエアバッグに空気を充填させる状態にする。このとき、もたれ圧力センサが受ける圧力は予め設定された圧力値に再び達する。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグの支持力が大きくなりすぎたとき、もたれ圧力センサが受ける圧力は上昇する。コントローラは、クッションエアバッグが外に空気を排出できる状態になるよう調圧弁アセンブリを制御し、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグの支持力が再びちょうどよいものになるまで、クッションエアバッグ内部の気体を外に逃す。このとき、もたれ圧力センサが受ける圧力は予め設定された圧力値に再び達する。より重要な点として、外圧感知式背部追従支持装置は、気圧センサをクッションエアバッグ内に入れる必要がなく、もたれ圧力センサをクッションエアバッグにおける人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けることによって、もたれ圧力センサの点検修理、差し替えがしやすくなり、圧力測定ダクトを敷設する必要もないことから、もたれ圧力センサにおける測定データの信頼性が高まる。このため、コントロールシステムの調節下において、クッションエアバッグは、ユーザの着座姿勢の変化に伴って空気が充填、放出されて、クッションエアバッグの体積及び快適性が変更される。それによって、柔軟性背腰支持部材をユーザの腰背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰背部を追従、支持するという機能を実現する。また、もたれ圧力センサの分解、組み立て、点検修理がしやすく、もたれ圧力センサにおける測定データの信頼性が高まる。
【0043】
本発明は手動式背部追従支持装置を提供し、背もたれ及び手動式空気充填放出装置を含み、
背もたれは背もたれ板及び柔軟性背腰支持部材を含み、柔軟性背腰支持部材は背もたれ板に配置されるクッションエアバッグを含み、クッションエアバッグは気体をクッションエアバッグから出し入れさせることができる空気ノズルを有し、
手動式空気充填放出装置は膨縮可能な空気貯蔵空洞体を含み、空気貯蔵空洞体には気体を空気貯蔵空洞体に入れることのみ可能な吸気一方向弁及び気体を空気貯蔵空洞体から出すことのみ可能な吹気一方向弁が設けられる。吹気一方向弁は1つの通気管路を介して空気ノズルに接続され、吹気一方向弁上には通気管路内の気体を大気に排出させることのみ可能な排気一方向弁が設けられる。
【0044】
好ましくは、前記手動式背部追従支持装置は軟質クッションカバーを更に含み、軟質クッションカバーはクッションエアバッグにおける背もたれ板に背向する一側を被覆し、軟質クッションカバーとクッションエアバッグとの間には背もたれ衝撃緩和層が挟んで設けられる。
【0045】
好ましくは、前記軟質クッションカバーは弾性のファブリックによって作られる。
【0046】
好ましくは、前記背もたれ衝撃緩和層はスポンジ材料によって作られる。
【発明の効果】
【0047】
上述したように、本発明における手動式背部追従支持装置及び椅子は、以下の有益な効果を有する。本発明において、手動式空気充填放出装置は排気一方向弁が常閉式弁の類であり、排気一方向弁を開く必要があるときは、排気一方向弁を押さえなければならない。空気貯蔵空洞体の内側空洞は膨張することができ、収縮することもできる。ユーザが上述の空気貯蔵空洞体を押圧するとき、この時点において、吸気一方向弁は閉じた状態になり、排気一方向弁は閉じた状態になり、吹気一方向弁は開いた状態になり、空気貯蔵空洞体の内側空洞は徐々に縮小する。この状態で、空気貯蔵空洞体は上述の通気管路を介して気体をクッションエアバッグ内に送り、クッションエアバッグが一定の快適性を有して、ユーザの腰部又は背部に一定の支持力を有することによって、人体の腰部又は人体の背部に対して優れた支持作用を発揮することができる。ユーザが上述の空気貯蔵空洞体を開放するとき、この時点において、吸気一方向弁は開いた状態になり、排気一方向弁は閉じた状態になり、吹気一方向弁は閉じた状態である。空気貯蔵空洞体は弾性回復力の作用下で初期状態まで膨張し、大気の気体が空気貯蔵空洞体の内側空洞に流入する。ユーザの着座姿勢に変化が生じるとき、この時点において、上述のクッションエアバッグにおける背もたれ板に垂直な方向に沿う寸法を小さくする必要があれば、排気一方向弁を押すだけで、クッションエアバッグ内の気体が通気管路、排気一方向弁を順次通って大気に排出される。ユーザの着座姿勢に再び変化が生じるとき、上述のクッションエアバッグにおける背もたれ板に垂直な方向に沿う寸法を大きくする必要があれば、上述の空気貯蔵空洞体を押圧するだけで、クッションエアバッグに一定の空気量が再度充填され、クッションエアバッグの体積がユーザを支持する要求に達する。このほか、空気貯蔵空洞体上には吸気一方向弁及び吹気一方向弁が設けられ、なおかつ、吹気一方向弁上には排気一方向弁が設けられる。このようにすることで手動式空気充填放出装置全体の体積が小さくかつ精巧なものになり、クッションエアバッグにおける空気の充填、放出をユーザが片手で操作しやすくなる。このため、本発明における手動式背部追従支持装置は、電力がない条件下において、ユーザが自身の着座姿勢の変化に基づいて、手動でクッションエアバッグに対する空気の充填、放出を行うことができ、更に、クッションエアバッグの体積及び快適性を変更することで、柔軟性背腰支持部材をユーザの腰部又は背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰部又は背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰部又は背部を手動で追従、支持させるという機能を実現する。また、ユーザがクッションエアバッグを片手で操作しやすく、手動で空気を充填、放出させるという機能を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1a】本発明における長時間の着座を防止する制御方法のフローチャートである。
【
図1b】姿勢介入バッグにおいて空気が充填、放出される際のフローチャートである。
【
図1c】本発明における長時間の着座を防止する装置の構造模式図である。
【
図1d】長時間の着座を防止する装置の第一実施例の接続模式図である。
【
図1e】長時間の着座を防止する装置の第二実施例の接続模式図である。
【
図1f】コントローラの第一実施例の構造模式図である。
【
図2a】本発明における長時間の着座を防止する装置の第三実施例の接続模式図である。
【
図2b】本発明における長時間の着座を防止する装置の第四実施例の接続模式図である。
【
図2c】コントローラの第二実施例の構造模式図である。
【
図2g】椅子における座部及びコントロールシステムの模式図である。
【
図3a】本発明における背部追従支持装置の回路接続図である。
【
図3b】本発明における背部追従支持装置の第一実施例の分解図である。
【
図3c】本発明における背部追従支持装置の第二実施例の分解図である。
【
図3d】コントローラ及び気圧センサの立体図である。
【
図3e】本発明における椅子の第一実施例の回路接続図である。
【
図3g】椅子における背もたれ板、クッションエアバッグ及び軟質クッションカバーの立体図である。
【
図3h】椅子における座部板、座部エアバッグ及び軟質クッション層の立体図である。
【
図3i】椅子における座部板及びコントロールシステムの立体図である。
【
図3j】本発明における椅子の第二実施例の回路接続図である。
【
図4a】本発明における外圧感知式背部追従支持装置の分解図である。
【
図4b】本発明における外圧感知式背部追従支持装置の回路接続図である。
【
図5a】本発明における手動式背部追従支持装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、特定の具体的な実施例を通じて本発明の実施手段を説明するが、当業者であれば本明細書で開示された内容によって本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。
【0050】
注意すべきこととして、本明細書の図面において図示される構造、割合、大きさ等はいずれも、明細書に示される内容と組み合わせることで当業者の理解と閲読に供するものにすぎず、本発明で実施可能な限定条件を限定するためのものではなく、故に、技術上の実質的意味はなく、構造の修正、割合関係の変更又は大きさの調整はいずれも、本発明によって生じることができる効果及び達成することができる目的に影響しない状況において、本発明に示される技術内容が包括できる範囲内に含まれるべきである。同時に、本明細書において引用される、例えば「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「一」等の用語もまた、明瞭に説明しやすくするためのものにすぎず、本発明で実施可能な範囲を限定するためのものではない。相対関係の変更又は調整もまた、技術内容の実質的変更がない状況において、本発明で実施可能な範囲とみなされるべきである。
【0051】
まず、
図1aに示すように、本発明は長時間の着座を防止する制御方法を提供し、ユーザが着席したか否かをリアルタイムで判断し、着席した場合はユーザの着座時間の累計を開始し、着席していない場合は着座時間をリセットするステップS1と、着座時間が予め設定された警戒時間に達したか否かを判断し、達した場合はステップS3を実行し、達していない場合はステップS1に戻るステップS2と、ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に配置される姿勢介入バッグに対して空気の充填、放出が繰り返し行われることにより姿勢介入バッグがユーザの臀部及び/又は腰背部を繰り返し押圧し、ユーザが姿勢介入バッグの作用下で着座姿勢を変換するステップS3と、を含む。
【0052】
本発明における長時間の着座を防止する制御方法は、姿勢介入バッグがユーザの長時間にわたる着座現象を妨げる要素となり、ユーザに長時間の着座行為が存在すると判定したとき、ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に配置される姿勢介入バッグに対して空気の充填、放出を繰り返し行うことで姿勢介入バッグがユーザの臀部及び/又は腰背部を繰り返し押圧する。ユーザが自発的に着座姿勢を変更しなくても、ユーザは姿勢介入バッグの作用下で着座姿勢を変換することができ、同時に、ユーザの臀部分及び/又は腰背部分に快適なマッサージを行うことで腰椎が受ける圧力を減らし、腰椎に生じる損傷を軽減することもできる。
【0053】
図1bに示すように、上述の姿勢介入バッグにおいて空気が充填、放出される動作を正確に制御するために、上述のステップS3は、姿勢介入バッグに空気を充填させるステップS31と、空気の充填時間が予め設定された膨張時間に達したか否かをリアルタイムで判断し、達した場合はステップS33を実行し、達していない場合はステップS31に戻るステップS32と、姿勢介入バッグから空気を放出させるステップS33と、空気の放出時間が予め設定された収縮時間に達したか否かをリアルタイムで判断し、達した場合はステップS35を実行し、達していない場合はステップS33に戻るステップS34と、姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出回数を記録するステップS35と、姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出回数が予め設定された介入回数に達したか否かを判断し、達した場合は姿勢介入バッグにおける空気の充填、放出が終了し、達していない場合はステップS31に戻るステップS36と、を含む。
【0054】
図1c、
図1d、
図1e及び
図1fに示すように、本発明は上述の長時間の着座を防止する制御方法を実現する長時間の着座を防止する装置を更に提供し、背もたれ1、座部2、姿勢介入バッグ及びコントロールシステム3を含み、背もたれ1は背もたれ板11を含み、座部2は座部板21を含み、姿勢介入バッグは座部板21及び/又は背もたれ板11に配置され、コントロールシステム3はコントローラ31、気圧センサ321及び空気充填放出装置33を含み、コントローラ31は順に接続された着席監視モジュール311、着座計時モジュール312、長時間着座判断モジュール313及び着座姿勢調節モジュール314を含み、気圧センサ321は姿勢介入バッグ内部の気圧をリアルタイムで測定するのに用いられ、かつ着席監視モジュール311と通信接続され、空気充填放出装置33は姿勢介入バッグと連通し、かつ着座姿勢調節モジュール314と通信接続される。
【0055】
本発明における長時間の着座を防止する装置は、ユーザが着席すると、着席監視モジュール311が気圧センサ321によって測定された気圧をリアルタイムで取得する。姿勢介入バッグ内部の気圧が予め設定された気圧区間内にある場合、ユーザが着座姿勢を変換していないことを表しており、そうでない場合、ユーザが座席から離れている又は着座姿勢が変換されていることを表している。ユーザが着座姿勢を変換していないとき、着座計時モジュール312がユーザの着座時間を累計し、ユーザが座席から離れている又は着座姿勢が変換されているとき、着座計時モジュール312がユーザの着座時間をリセットする。長時間着座判断モジュール313はユーザの着座時間と予め設定された警戒時間とをリアルタイムで比較する。着座時間が予め設定された警戒時間に達したとき、長時間着座判断モジュール313は着座姿勢調節モジュール314に警告命令を送信し、着座姿勢調節モジュール314は空気充填放出装置33に空気の充填、放出命令を送信する。このため、長時間の着座を防止する装置は、ユーザに長時間の着座現象が存在するか否かを検出し、空気を充填、放出させることによってユーザの臀部分及び/又は腰背部分にマッサージを行うことができ、なおかつ、ユーザに着座姿勢を変換させることができる。
【0056】
上述の姿勢介入バッグは座部板21に配置される座部エアバッグ22及び/又は背もたれ板11に配置されるクッションエアバッグ12を含む。
【0057】
上述の姿勢介入バッグ内部の気圧を検出するために、上述のコントロールシステム3は姿勢介入バッグと連通する圧力測定ダクト34を更に含み、上述の気圧センサ321は圧力測定ダクト34上に設けられる。
【0058】
上述の空気充填放出装置33の構造を簡略化するために、上述の空気充填放出装置33は姿勢介入バッグに空気を充填する空気供給器331(例えば、エアポンプ)、姿勢介入バッグ内部の気体を排出させる調圧弁アセンブリ332を含み、空気供給器331及び調圧弁アセンブリ332はいずれも着座姿勢調節モジュール314に接続される。
【0059】
上述のコントローラ31に電力を供給するために、上述のコントロールシステム3は給電器35(例えば、電池)を更に含み、給電器35はコントローラ31に接続される。
【0060】
上述の長時間の着座を防止する装置を制御しやすくするために、上述のコントロールシステム3はハンドコントローラ36を更に含み、ハンドコントローラ36はコントローラ31に接続される。
【0061】
このため、本発明における長時間の着座を防止する制御方法及び長時間の着座を防止する装置は、ユーザに長時間の着座現象が存在するか否かを検出し、空気を充填、放出させることによってユーザの臀部分及び/又は腰背部分にマッサージを行うことができ、なおかつ、ユーザに着座姿勢を変換させることができる。
【0062】
次に、
図2aから
図2eに示すように、本発明は上述の長時間の着座を防止する制御方法を実現する別の長時間の着座を防止する装置を更に提供し、背もたれ1、座部2及びコントロールシステム3を含み、背もたれ1は背もたれ板11及び背もたれ板11に配置されるクッションエアバッグ12を含み、座部2は座部板21及び座部板21に配置される座部エアバッグ22を含み、コントロールシステム3はコントローラ31、圧力センサ32及び空気充填放出装置33を含み、コントローラ31は順に接続されたリアルタイム収集モジュール315、圧力判断モジュール316及び着座姿勢調節モジュール314を含み、圧力センサ32は座部2及び/又は背もたれ1に配置され、かつリアルタイム収集モジュール315と通信接続され、空気充填放出装置33はクッションエアバッグ12及び座部エアバッグ22とそれぞれ連通し、かつ着座姿勢調節モジュール314と通信接続される。
【0063】
本発明において、ユーザが長時間の着座を防止する装置に座るとき、座部2及び/又は背もたれ1に配置される圧力センサ32がユーザの座部2及び/又は背もたれ1に対する圧力値を検出し、リアルタイム収集モジュール315が圧力値を取得する。圧力判断モジュール316は当該圧力値が予め設定された値よりも大きいか否かを判断し、大きい場合は、着座姿勢調節モジュール314が空気充填放出装置33に空気充填命令を送信することによって、空気充填放出装置33がクッションエアバッグ12及び座部エアバッグ22に空気を充填する。クッションエアバッグ12及び座部エアバッグ22の内部の気体量がいずれも予め設定された量に達するとき、空気充填放出装置33が空気の充填を停止することで、クッションエアバッグ12及び座部エアバッグ22の内部において予め設定された気圧が維持される。それによって、クッションエアバッグ12及び座部エアバッグ22において心地よい快適性が保たれる。注意すべき点として、圧力判断モジュール316はユーザが安定して着席しているときの座部2及び/又は背もたれ1の圧力値を長時間着座参考値としなければならない。この後は、圧力センサ32がユーザの座部2及び/又は背もたれ1に対する圧力値を検出し続け、リアルタイム収集モジュール315がリアルタイムの圧力値を絶えず取得し、圧力判断モジュール316がリアルタイムの圧力値と長時間着座参考値との圧力差を連続して判断する。圧力差が予め設定された時間内において比較的安定している(例えば、圧力差が一貫して予め設定された数値区間にある)場合、ユーザに長時間の着座行為が存在することを表しており、圧力差が予め設定された時間内において大きく変動している(例えば、一部の圧力差が予め設定された数値区間にない)場合、ユーザに長時間の着座行為が存在しないことを表している。圧力判断モジュール316がユーザに長時間の着座行為が存在すると判定したとき、着座姿勢調節モジュール314は、空気充填放出装置33が座部エアバッグ22及び/又はクッションエアバッグ12に対して空気の充填、放出を繰り返すよう制御して、ユーザに着座姿勢を変換させ、腰椎が受ける圧力を減らす。座部エアバッグ22及び/又はクッションエアバッグ12に対する空気の充填、放出を繰り返させることで臀部及び/又は腰背部をマッサージして緩めることもでき、そのうえ、ユーザが平常通り仕事をすることには影響を及ぼさない。このため、本発明における長時間の着座を防止する装置は、ユーザに長時間の着座行為が発生することを防ぎ、ユーザの着座姿勢を調整して、臀部及び/又は腰背部をマッサージして緩め、腰椎が受ける圧力を減らすことができ、なおかつ、ユーザが平常通り仕事をすることには影響を及ぼさない。具体的に使用するとき、長時間の着座を防止する装置は警告装置を更に含み、警告装置は音を発することができ、振動を発生させることもできる。
【0064】
図2dに示すように、上述のクッションエアバッグ12を保護し、もたれた際の快適性を高めるために、上述の背もたれ1は軟質クッションカバー13を更に含み、軟質クッションカバー13はクッションエアバッグ12における背もたれ板11に背向する一側を被覆する。
【0065】
図2eに示すように、上述の座部エアバッグ22を保護し、着座の快適性を高めるために、上述の座部2は軟質クッション層23を更に含み、軟質クッション層23は座部エアバッグ22における座部板21に背向する一側を被覆する。
【0066】
図2aに示すように、上述の長時間の着座を防止する装置における第三実施例として、上述の圧力センサ32に座部エアバッグ22内部の気圧を検出させるために、上述の座部2は座部エアバッグ22と連通する圧力測定ダクト34を更に含み、圧力センサ32は気圧センサ321を含み、気圧センサ321は圧力測定ダクト34上に設けられる。
【0067】
図2bに示すように、上述の長時間の着座を防止する装置における第四実施例として、ユーザの座部2に対する圧力を検出するために、上述の圧力センサ32は着座圧力センサ322を含み、着座圧力センサ322は座部板21上に設けられる。例えば、着座圧力センサ322は、薄膜圧力センサ、静電容量センサ、ストレインゲージ及び機械スイッチのうちの1種であってよい。
【0068】
上述の調圧弁アセンブリ332(
図1d及び
図1eを参照)は第一調圧弁332a及び第二調圧弁332b(
図2a及び
図2bを参照)を含む。上述の空気充填放出装置33はクッションエアバッグ12、座部エアバッグ22にそれぞれ空気を充填する空気供給器331(例えば、エアポンプ)、クッションエアバッグ12内部の気体量を制御する上述の第一調圧弁332a及び座部エアバッグ22内部の気体量を制御する上述の第二調圧弁332bを含み、空気供給器331、第一調圧弁332a及び第二調圧弁332bはいずれも着座姿勢調節モジュール314に接続される。
【0069】
上述のコントローラ31に電力を供給するために、上述のコントロールシステム3は給電器35(例えば、電池)を更に含み、給電器35はコントローラ31に接続される。
【0070】
上述のクッションエアバッグ12は互いに連通する腰部バッグ121及び背部バッグ122を含む。ユーザの腰背部が後ろへもたれるとき、背部バッグ122が押圧されるが、腰部バッグ121と背部バッグ122とが連通していることによって、クッションエアバッグ12内部の気圧がバランスを保とうとして、背部バッグ122内部の気体が腰部バッグ121内部の気体へと流入する。腰部バッグ121の体積が大きくなり、背部バッグ122の体積が小さくなることによって、腰背部が効果的に支持される。更に、背部バッグ122が左側背部空気室と右側背部空気室とに区分して形成されることで、クッションエアバッグ12がユーザによりフィットするようになる。
【0071】
上述の座部エアバッグ22は前側バッグ221及び後ろ側バッグ222を含む。ユーザが前に身をかがめるとき、前側バッグ221が押圧されるが、後ろ側バッグ222と前側バッグ221とが連通していることによって、座部エアバッグ22内部の気圧がバランスを保とうとして、前側バッグ221内部の気体が後ろ側バッグ222内部の気体へと流入する。後ろ側バッグ222の体積が大きくなり、前側バッグ221の体積が小さくなることによって、臀部が効果的に支持される。更に、後ろ側バッグ222が左側臀部空気室と右側臀部空気室とに区分して形成されることで、座部エアバッグ22がユーザによりフィットするようになる。
【0072】
図2a及び
図2bに示すように、上述の長時間の着座を防止する装置を操作しやすくするために、上述のコントロールシステム3はコントローラ31に接続されるハンドコントローラ36を更に含む。
【0073】
図2f及び
図2gに示すように、本発明は椅子を更に提供し、上述の長時間の着座を防止する装置を含む。本発明における椅子は、ユーザに長時間の着座行為が発生することを防ぎ、ユーザの着座姿勢を調整して、臀部及び/又は腰背部をマッサージして緩め、腰椎が受ける圧力を減らすことができ、なおかつ、ユーザが平常通り仕事をすることには影響を及ぼさない。
【0074】
更に、上述の椅子の集積度を高めるために、上述のコントロールシステム3におけるコントローラ31、圧力センサ32及び空気充填放出装置33は座部2内に設けられる。
【0075】
このため、本発明における長時間の着座を防止する装置及び椅子は、ユーザに長時間の着座行為が発生することを防ぎ、ユーザの着座姿勢を調整し、臀部及び/又は腰背部をマッサージして緩め、腰椎が受ける圧力を減らすことができ、なおかつ、ユーザが平常通り仕事をすることには影響を及ぼさない。
【0076】
そして、
図3a、
図3b、
図3c及び
図3dに示すように、本発明は背部追従支持装置を更に提供し、背もたれ板11、柔軟性背腰支持部材及びコントロールシステム3を含み、柔軟性背腰支持部材は背もたれ板11に配置されるクッションエアバッグ12を含み、コントロールシステム3はコントローラ31、クッションエアバッグ12に空気を充填する空気供給器331、クッションエアバッグ12内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ332及びクッションエアバッグ12内部の気圧を収集する気圧センサ321を含み、空気供給器331、調圧弁アセンブリ332及び気圧センサ321はいずれもコントローラ31に接続される。
【0077】
本発明において、ユーザの腰背部がクッションエアバッグ12にもたれるとき、クッションエアバッグ12内部の気圧に変化が生じ、気圧センサ321は収集した気圧データをコントローラ31に転送する。コントローラ31は、データ処理を経て、現時点で背部追従支持装置を使用している人がいると判定し、空気供給器331(例えば、エアポンプ)がクッションエアバッグ12に空気を充填するよう制御し、クッションエアバッグ12がユーザの腰背部を完全に支えることができるまで、調圧弁アセンブリ332(例えば、常閉式電磁弁及び複式電磁弁であり、空気の充填、空気の排出及び圧力保持の機能を有する)を、クッションエアバッグ12に空気を充填させる状態にする。クッションエアバッグ12内部の気圧が予め設定された気圧値に達した時点で、コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12への空気充填を停止するよう制御し、調圧弁アセンブリ332をクッションエアバッグ12に圧力が保持される状態にする。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、クッションエアバッグ12がユーザの腰背部を完全に支えることができていないとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は低下する。コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12に空気を充填し続けるよう制御し、クッションエアバッグ12が再びユーザの腰背部を完全に支えるまで、調圧弁アセンブリ332を再度、クッションエアバッグ12に空気を充填させる状態にする。このとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は予め設定された気圧値に再び達する。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグ12の支持力が大きくなりすぎたとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は上昇する。コントローラ31は、クッションエアバッグ12が外に空気を排出できる状態になるよう調圧弁アセンブリ332を制御し、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグ12の支持力が再びちょうどよいものになるまで、クッションエアバッグ12内部の気体を外に逃す。このとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は予め設定された気圧値に再び達する。
【0078】
このため、コントロールシステム3の調節下において、クッションエアバッグ12は、ユーザの着座姿勢の変化に伴って空気が充填、放出されて、クッションエアバッグ12の体積及び快適性が変更される。それによって、背部追従支持装置をユーザの腰背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰背部を追従、支持するという機能を実現する。
【0079】
図3b及び
図3cに示すように、上述のクッションエアバッグ12を保護し、もたれた際の快適性を高めるために、上述の背部追従支持装置は軟質クッションカバー13を更に含み、軟質クッションカバー13はクッションエアバッグ12における背もたれ板11に背向する一側を被覆する。
【0080】
図3aに示すように、上述の柔軟性背腰支持部材はクッションエアバッグ12と連通する給排気ダクト37及び圧力測定ダクト34を更に含み、上述の空気供給器331は給排気ダクト37に接続され、調圧弁アセンブリ332は給排気ダクト37上に設けられ、上述の気圧センサ321は圧力測定ダクト34に接続される。
【0081】
更に、上述の給排気ダクト37は互いに連通する空気充填管路371及び空気排出管路372を含み、空気充填管路371の延伸方向の両端は空気供給器331とクッションエアバッグ12とにそれぞれ接続され、上述の調圧弁アセンブリ332は空気排出管路372上に設けられる。
【0082】
図3dに示すように、上述のクッションエアバッグ12の予め設定された気圧値を調節しやすくするために、上述のコントロールシステム3はハンドコントローラ36を更に含み、ハンドコントローラ36はコントローラ31に接続される。
【0083】
上述のコントローラ31に電力を供給するために、上述のコントロールシステム3は給電器35を更に含み、給電器35(例えば、電池)はコントローラ31に接続される。
【0084】
上述のクッションエアバッグ12は単一のバッグを含んでいてもよく、複数のバッグを含んでいてもよい。更に、
図3bに示すように、背部追従支持装置の第一実施例として、上述のクッションエアバッグ12は互いに連通する腰部バッグ121と背部バッグ122とに区分される。ユーザの腰背部が後ろへもたれるとき、背部バッグ122が押圧されるが、腰部バッグ121と背部バッグ122とが連通していることによって、クッションエアバッグ12内部の気圧がバランスを保とうとして、背部バッグ122内部の気体が腰部バッグ121内部の気体へと流入する。腰部バッグ121の体積が大きくなり、背部バッグ122の体積が小さくなることによって、腰背部が効果的に支持される。
【0085】
もたれた際の快適性を高めるために、上述の腰部バッグ121は互いに重置する2つの下部左側空気室121aと互いに重置する2つの下部右側空気室121bとに区分して形成され、上述の背部バッグ122は単独の空気室構造である。
【0086】
図3eから
図3jに示すように、本発明は椅子を更に提供し、座部2及び上述の背部追従支持装置を含む。本発明における椅子では、ユーザがもたれた際の快適性が高まり、ユーザの腰椎部が効果的に保護される。
【0087】
図3jに示すように、更に、上述の座部2は座部板21と座部板21に設けられる着座圧力センサ322と含み、着座圧力センサ322はコントローラ31に接続される。例えば、着座圧力センサ322は、薄膜圧力センサ、静電容量センサ、ストレインゲージ及び機械スイッチのうちの1種であってよい。
【0088】
上述の椅子に座る人がいるとき、座部板21に位置する着座圧力センサ322が圧力データをコントローラ31に転送する。コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12に空気を充填するよう制御し、クッションエアバッグ12がユーザの腰背部を完全に支えることができるまで、調圧弁アセンブリ332を、クッションエアバッグ12に空気を充填させる状態にする。クッションエアバッグ12内部の気圧が予め設定された気圧値に達した時点で、コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12への空気充填を停止するよう制御し、調圧弁アセンブリ332をクッションエアバッグ12に圧力が保持される状態にする。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、クッションエアバッグ12がユーザの腰背部を完全に支えることができていないとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は低下する。コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12に空気を充填し続けるよう制御し、クッションエアバッグ12が再びユーザの腰背部を完全に支えるまで、調圧弁アセンブリ332を再度、クッションエアバッグ12に空気を充填させる状態にする。このとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は予め設定された気圧値に再び達する。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグ12の支持力が大きくなりすぎたとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は上昇する。コントローラ31は、クッションエアバッグ12が外に空気を排出できる状態になるよう調圧弁アセンブリ332を制御し、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグ12の支持力が再びちょうどよいものになるまで、クッションエアバッグ12内部の気体を外に逃す。このとき、クッションエアバッグ12内部の気圧は予め設定された気圧値に再び達する。
【0089】
図3eに示すように、更に、上述の座部2は空気供給器331によって空気を充填することができる座部エアバッグ22と、座部エアバッグ22内の気体量を制御する第二調圧弁332b(第二調圧弁332bは圧力制御型双方向空気弁であってよい)とを更に含み、第二調圧弁332bはコントローラ31に接続される。
【0090】
上述の椅子に座る人がいるとき、コントローラ31は、着座圧力センサ322の圧力データに基づいて、空気供給器331が座部エアバッグ22に空気を充填するよう制御し、なおかつ、第二調圧弁332bを、座部エアバッグ22に空気を充填させる状態になるよう制御する。座部エアバッグ22内部の気圧が予め設定された気圧値に達したとき、第二調圧弁332bが圧力保持状態に切り替わって、座部エアバッグ22内部の気圧が保たれ、座部2において心地よい快適性が保たれる。例えば、第二調圧弁332bは二連電磁弁であり、空気の充填、空気の排出及び圧力保持の機能を有する。
【0091】
本発明における椅子は、座部2及び背部追従支持装置の快適性を調節することができ、なおかつ、ユーザの腰背部を効果的に支持して、異なる人々のニーズを満たすことができる。
【0092】
このほか、上述の座部エアバッグ22を保護し、座った際の快適性を高めるために、上述の座部2は軟質クッション層23を更に含む。
【0093】
図3hに示すように、上述の座部エアバッグ22は前側空気室、後部右側空気室及び後部左側空気室に区分して形成される。
【0094】
このため、本発明における背部追従支持装置は、ユーザの腰背部に終始フィットして効果的に支持することができ、なおかつ、腰背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰背部を追従、支持するという機能を実現する。椅子は、座部2及び背部追従支持装置の快適性を調節することができ、なおかつ、ユーザの腰背部を効果的に支持することができる。
【0095】
次いで、
図4a及び
図4bに示すように、本発明は外圧感知式背部追従支持装置を提供し、背もたれ1及びコントロールシステム3を含み、背もたれ1は背もたれ板11及び柔軟性背腰支持部材を含み、柔軟性背腰支持部材は背もたれ板11に配置されるクッションエアバッグ12を含み、コントロールシステム3はコントローラ31、クッションエアバッグ12に空気を充填する空気供給器331、クッションエアバッグ12内の気体量を制御する調圧弁アセンブリ332及び人体の腰部及び/又は人体の背部におけるクッションエアバッグ12に対する圧力を収集するもたれ圧力センサ323を含み、もたれ圧力センサ323はクッションエアバッグ12における人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けられ、又は、もたれ圧力センサ323はクッションエアバッグ12における人体の腰部及び/又は人体の背部に背向する外表面に設けられ、空気供給器331、調圧弁アセンブリ332及びもたれ圧力センサ323はいずれもコントローラ31に接続される。
【0096】
本発明において、もたれ圧力センサ323がクッションエアバッグ12における人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けられる、又は、もたれ圧力センサ323がクッションエアバッグ12における人体の腰部及び/又は人体の背部に背向する外表面に設けられることにより、人体の腰部及び/又は人体の背部がクッションエアバッグ12にもたれるとき、もたれ圧力センサ323が受ける圧力に変化が生じ、もたれ圧力センサ323は収集した圧力データをコントローラ31に転送する。コントローラ31は、データ処理を経て、現時点で外圧感知式背部追従支持装置を使用している人がいると判定し、空気供給器331(例えば、エアポンプ)がクッションエアバッグ12に空気を充填するよう制御し、クッションエアバッグ12がユーザの腰背部を完全に支えることができるまで、調圧弁アセンブリ332(例えば、常閉式電磁弁及び複式電磁弁であり、空気の充填、空気の排出及び圧力保持の機能を有する)を、クッションエアバッグ12に空気を充填させる状態にする。もたれ圧力センサ323が受ける圧力が予め設定された圧力値に達した時点で、コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12への空気充填を停止するよう制御し、調圧弁アセンブリ332をクッションエアバッグ12に圧力が保持される状態にする。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、クッションエアバッグ12がユーザの腰背部を完全に支えることができていないとき、もたれ圧力センサ323が受ける圧力は低下する。コントローラ31は、空気供給器331がクッションエアバッグ12に空気を充填し続けるよう制御し、クッションエアバッグ12が再びユーザの腰背部を完全に支えるまで、調圧弁アセンブリ332を再度、クッションエアバッグ12に空気を充填させる状態にする。このとき、もたれ圧力センサ323が受ける圧力は予め設定された圧力値に再び達する。ユーザの着座姿勢に変化が生じ、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグ12の支持力が大きくなりすぎたとき、もたれ圧力センサ323が受ける圧力は上昇する。コントローラ31は、クッションエアバッグ12が外に空気を排出できる状態になるよう調圧弁アセンブリ332を制御し、ユーザの腰背部に対するクッションエアバッグ12の支持力が再びちょうどよいものになるまで、クッションエアバッグ12内部の気体を外に逃す。このとき、もたれ圧力センサ323が受ける圧力は予め設定された圧力値に再び達する。
【0097】
より重要な点として、外圧感知式背部追従支持装置は、気圧センサ321をクッションエアバッグ12内、又はクッションエアバッグ12と互いにつながるランナ内に配置させる必要がなく、もたれ圧力センサ323をクッションエアバッグ12における人体の腰部及び/又は人体の背部に向かう外表面に設けることによって、もたれ圧力センサ323の点検修理、差し替えがしやすくなり、追加の圧力測定ダクト34を敷設する必要もないことから、もたれ圧力センサ323における測定データの信頼性が高まる。
【0098】
このため、コントロールシステム3の調節下において、クッションエアバッグ12は、ユーザの着座姿勢の変化に伴って空気が充填、放出されて、クッションエアバッグ12の体積及び快適性が変更される。それによって、柔軟性背腰支持部材をユーザの腰部又は背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰部又は背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰部又は背部を追従、支持するという機能を実現する。また、もたれ圧力センサ323の分解、組み立て、点検修理がしやすく、もたれ圧力センサ323における測定データの信頼性が高まる。
【0099】
上述のもたれ圧力センサ323を覆って外圧感知式背部追従支持装置の全体的な美観性を高めるために、上述の外圧感知式背部追従支持装置は軟質クッションカバー13を更に含み、軟質クッションカバー13はクッションエアバッグ12における背もたれ板11に背向する一側を被覆し、上述のもたれ圧力センサ323はクッションエアバッグ12と軟質クッションカバー13との間に挟んで設けられる。更に、上述の軟質クッションカバー13は弾性のファブリックによって作られる。これによって軟質クッションカバー13のエンベロープ性を高めることができる。
【0100】
上述のもたれ圧力センサ323における検出データの信頼性を高めるために、上述のクッションエアバッグ12は互いに連通する腰部バッグ121と背部バッグ122とに区分され、上述のもたれ圧力センサ323が複数設けられる。全てのもたれ圧力センサ323が2組に分けられ、そのうちの1組のもたれ圧力センサ323は腰部バッグ121における人体の腰部に向かう外側面に配置され、もう1組のもたれ圧力センサ323は背部バッグ122における人体の背部に向かう外側面に配置される。具体的には、もたれた際の快適性を高めるために、上述の腰部バッグ121は互いに重置する下部左側空気室121aと下部右側空気室121bとに区分して形成され、下部左側空気室121aの外表面及び下部右側空気室121bの外表面にはいずれも上述のもたれ圧力センサ323が1つ設けられる。
【0101】
このほか、上述の外圧感知式背部追従支持装置は椅子に応用することもできる。
【0102】
本発明における外圧感知式背部追従支持装置及び椅子は、柔軟性背腰支持部材をユーザの腰部及び/又は背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰部及び/又は背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰部及び/又は背部を追従、支持するという機能を実現する。また、もたれ圧力センサ323の分解、組み立て、点検修理がしやすく、もたれ圧力センサ323における測定データの信頼性が高まる。
【0103】
最後に、
図5a及び
図5bに示すように、本発明は手動式背部追従支持装置を提供し、背もたれ1及び手動式空気充填放出装置4を含み、背もたれ1は背もたれ板11及び柔軟性背腰支持部材を含み、柔軟性背腰支持部材は背もたれ板11に配置されるクッションエアバッグ12を含み、クッションエアバッグ12は気体をクッションエアバッグ12から出し入れさせることができる空気ノズル123を有し、手動式空気充填放出装置4は膨縮可能な空気貯蔵空洞体41を含み、空気貯蔵空洞体41には気体を空気貯蔵空洞体41に入れることのみ可能な吸気一方向弁42及び気体を空気貯蔵空洞体41から出すことのみ可能な吹気一方向弁43が設けられる。吹気一方向弁43は1つの通気管路44を介して空気ノズル123に接続され、吹気一方向弁43上には通気管路44内の気体を大気に排出させることのみ可能な排気一方向弁45が設けられる。
【0104】
本発明において、手動式空気充填放出装置4は排気一方向弁45が常閉式弁の類であり、排気一方向弁45を開く必要があるときは、排気一方向弁45を押さえなければならない。空気貯蔵空洞体41の内側空洞は膨張することができ、収縮することもできる。ユーザが上述の空気貯蔵空洞体41を押圧するとき、この時点において、吸気一方向弁42は閉じた状態になり、排気一方向弁45は閉じた状態になり、吹気一方向弁43は開いた状態になり、空気貯蔵空洞体41の内側空洞は徐々に縮小する。この状態で、空気貯蔵空洞体41は上述の通気管路44を介して気体をクッションエアバッグ12内に送り、クッションエアバッグ12が一定の快適性を有して、ユーザの腰部又は背部に一定の支持力を有することによって、人体の腰部又は人体の背部に対して優れた支持作用を発揮することができる。ユーザが上述の空気貯蔵空洞体41を開放するとき、この時点において、吸気一方向弁42は開いた状態になり、排気一方向弁45は閉じた状態になり、吹気一方向弁43は閉じた状態になる。空気貯蔵空洞体41は弾性回復力の作用下で初期状態まで膨張し、大気の気体が空気貯蔵空洞体41の内側空洞に流入する。ユーザの着座姿勢に変化が生じるとき、この時点において、上述のクッションエアバッグ12における背もたれ板11に垂直な方向に沿う寸法を小さくする必要があれば、排気一方向弁45を押すだけで、クッションエアバッグ12内の気体が通気管路44、排気一方向弁45を順次通って大気に排出される。ユーザの着座姿勢に再び変化が生じるとき、上述のクッションエアバッグ12における背もたれ板11に垂直な方向に沿う寸法を大きくする必要があれば、上述の空気貯蔵空洞体41を押圧するだけで、クッションエアバッグ12に一定の空気量が再度充填され、クッションエアバッグ12の体積がユーザを支持する要求に達する。このほか、空気貯蔵空洞体41上には吸気一方向弁42及び吹気一方向弁43が設けられ、なおかつ、吹気一方向弁43上には排気一方向弁45が設けられる。このようにすることで手動式空気充填放出装置4全体の体積が小さくかつ精巧なものになり、クッションエアバッグ12における空気の充填、放出をユーザが片手で操作しやすくなる。
【0105】
このため、本発明における手動式背部追従支持装置は、電力がない条件下において、ユーザが自身の着座姿勢の変化に基づいて、手動でクッションエアバッグ12に対する空気の充填、放出を行うことができ、更に、クッションエアバッグ12の体積及び快適性が変更されることによって、柔軟性背腰支持部材をユーザの腰部又は背部に終始フィットさせて効果的に支持することができ、なおかつ、腰部又は背部に対する支持力を変更して、ユーザが長時間の着座により腰椎に生じる損傷を大幅に軽減し、ユーザの腰部又は背部を手動で追従、支持させるという機能を実現する。また、ユーザがクッションエアバッグ12を片手で操作しやすく、手動で空気を充填、放出させるという機能を実現する。
【0106】
ユーザの快適性を高めるために、上述の手動式背部追従支持装置は軟質クッションカバー13を更に含み、軟質クッションカバー13はクッションエアバッグ12における背もたれ板11に背向する一側を被覆し、軟質クッションカバー13とクッションエアバッグ12との間には背もたれ衝撃緩和層14が挟んで設けられる。
【0107】
上述の軟質クッションカバー13のエンベロープ性を高めるために、上述の軟質クッションカバー13は弾性のファブリックによって作られる。
【0108】
上述の背もたれ衝撃緩和層14はスポンジ材料によって作られる。
【0109】
上述の手動式背部追従支持装置は椅子に応用することもできる。
【0110】
本発明は、電力がない条件下において、ユーザが自身の着座姿勢の変化に基づいて、手動でクッションエアバッグ12に対する空気の充填、放出を行うことができ、ユーザの腰部又は背部を手動で追従、支持させるという機能を実現し、なおかつ、ユーザがクッションエアバッグ12を片手で操作しやすい。
【0111】
以上に述べたことをまとめれば、本発明は従来技術における種々の欠点を効果的に克服して高度な産業利用価値を有する。
【0112】
上述の実施例は本発明の原理及びその効果を例示的に説明するにすぎず、本発明を限定するためのものではない。本技術を熟知する者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱せずに上述の実施例に対する補足又は変更を行うことができる。したがって、当業者が本発明で開示する精神と技術思想を逸脱することなく完了するあらゆる等価の補足又は変更は、依然として本発明の請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1 背もたれ
11 背もたれ板
12 クッションエアバッグ
121 腰部バッグ
121a 下部左側空気室
121b 下部右側空気室
122 背部バッグ
123 空気ノズル
13 軟質クッションカバー
14 背もたれ衝撃緩和層
2 座部
21 座部板
22 座部エアバッグ
221 前側バッグ
222 後ろ側バッグ
23 軟質クッション層
3 コントロールシステム
31 コントローラ
311 着席監視モジュール
312 着座計時モジュール
313 長時間着座判断モジュール
314 着座姿勢調節モジュール
315 リアルタイム収集モジュール
316 圧力判断モジュール
32 圧力センサ
321 気圧センサ
322 着座圧力センサ
323 もたれ圧力センサ
33 空気充填放出装置
331 空気供給器
332 調圧弁アセンブリ
332a 第一調圧弁
332b 第二調圧弁
34 圧力測定ダクト
35 給電器
36 ハンドコントローラ
37 給排気ダクト
371 空気充填管路
372 空気排出管路
4 手動式空気充填放出装置
41 空気貯蔵空洞体
42 吸気一方向弁
43 吹気一方向弁
44 通気管路
45 排気一方向弁
【国際調査報告】