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特表2023-534810急性痛の処置並びに胸やけの重症度及び/又はリスクの低減のための、イブプロフェン及びファモチジンから構成される単位経口用量組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-14
(54)【発明の名称】急性痛の処置並びに胸やけの重症度及び/又はリスクの低減のための、イブプロフェン及びファモチジンから構成される単位経口用量組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/426 20060101AFI20230804BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20230804BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20230804BHJP
   A61K 31/13 20060101ALI20230804BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230804BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20230804BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20230804BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230804BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
A61K31/426
A61K31/192
A61K31/167
A61K31/13
A61P1/04
A61P1/14
A61P25/02
A61P29/00
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023503095
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021041521
(87)【国際公開番号】W WO2022015784
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】63/052,398
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523016054
【氏名又は名称】シャバー リサーチ アソシエイツ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SCHABAR RESEARCH ASSOCIATES LLC
【住所又は居所原語表記】4300 So. US Highway One, Suite 203, Jupiter, Florida 33477, US
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100130443
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 真治
(72)【発明者】
【氏名】バーナード シャハテル
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086BC82
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA08
4C086ZA21
4C086ZA66
4C086ZC75
4C206AA01
4C206DA24
4C206FA03
4C206GA02
4C206GA31
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA55
4C206MA72
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA08
4C206ZA21
4C206ZA66
4C206ZC75
(57)【要約】
本明細書では、急性痛のOTC処置のためにイブプロフェンの服用を必要としているヒトにおいて、胸やけの重症度及び/又は胸やけの発生のリスクを低減する単位経口用量組成物であって、前記ヒトは、前記単位経口用量組成物の経口投与前に胸やけを経験しておらず、(i)単位経口用量組成物当たり約50mg~約400mgの用量のイブプロフェンと、(ii)単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgの用量のファモチジンとを含む単位経口用量組成物をヒトに経口投与することを含み、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から45分以内の特定の時点での単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、同じ特定の時点での単位経口用量組成物中のイブプロフェンの前記ヒトにおける溶解率よりも大きい、単位経口用量組成物が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)単位経口用量組成物当たり約50mg~約400mgの用量のイブプロフェンと、(ii)単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgの用量のファモチジンとを含む単位経口用量組成物であって、前記単位経口用量組成物のヒトへの投与から45分以内の特定の時点での前記単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、同じ特定の時点での前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンの前記ヒトにおける溶解率よりも大きい、単位経口用量組成物。
【請求項2】
前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約5分後、約10分後、約15分後、約20分後、約30分後又は45分後、前記単位経口用量組成物中の前記ファモチジンは、前記イブプロフェンの溶解率よりも約10%~約30%大きい溶解率を有する、請求項1に記載の単位経口用量組成物。
【請求項3】
前記単位経口用量組成物中の前記ファモチジンは、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~10分未満だけ早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約10分後における溶解率を有する、請求項1に記載の単位経口用量組成物。
【請求項4】
前記単位経口用量組成物中の前記ファモチジンは、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約10分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約15分後における溶解率を有する、請求項1に記載の単位経口用量組成物。
【請求項5】
前記単位経口用量組成物中の前記ファモチジンは、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約15分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約20分後における溶解率を有する、請求項1に記載の単位経口用量組成物。
【請求項6】
前記単位経口用量組成物中の前記ファモチジンは、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約25分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約30分後における溶解率を有する、請求項1に記載の単位経口用量組成物。
【請求項7】
前記単位経口用量組成物中の前記ファモチジンは、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約40分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約45分後における溶解率を有する、請求項1に記載の単位経口用量組成物。
【請求項8】
ファモチジンの第1の層と、イブプロフェンを含む第2の層とを含む2層錠剤を含み、前記ファモチジンは、マイクロ粒子、ナノ粒子又はこれらの組合せを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項9】
ファモチジンの層によって包囲されたイブプロフェンを含むコアを含み、前記ファモチジンは、マイクロ粒子、ナノ粒子又はこれらの組合せを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項10】
前記ファモチジンは、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルの平均粒径を有する、請求項9に記載の単位経口用量組成物。
【請求項11】
前記ファモチジンは、約10ナノメートル~約1,000ナノメートルの平均粒径を有する、請求項9に記載の単位経口用量組成物。
【請求項12】
放出遅延剤又は腸溶コーティングを含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項13】
イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項14】
イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項15】
ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項16】
ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項17】
ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mg又は約13.33mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項18】
イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項19】
イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項20】
イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg又は約13.33mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項21】
イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約250mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg~約13.33mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項22】
約50mg~約500mgの用量のアセトアミノフェンをさらに含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項23】
約5mg~約50mgの用量のジフェンヒドラミンHCl又はクエン酸塩をさらに含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項24】
急性痛の処置のためにイブプロフェンの服用を必要としているヒトにおいて、胸やけの重症度又は胸やけの発生のリスクを低減するのに使用するためのものであり、前記ヒトは、前記単位経口用量組成物の経口投与前に胸やけを経験していない、請求項1~23のいずれか一項に記載の単位経口用量組成物。
【請求項25】
前記ファモチジンの非存在下における同じ経口投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの経口投与と比較して、前記ヒトにおける胸やけの重症度の低減の増強又は胸やけの発生のリスクの低減の増強を提供する、請求項24に記載の使用のための単位経口用量組成物。
【請求項26】
前記急性痛は、炎症の急性痛、リウマチ若しくは関節炎状態の急性痛若しくはこわばり、関節炎の小さい痛み、急性関節及び身体痛、月経困難症、急性筋肉痛及び緊張、靱帯捻挫の急性痛、急性背部痛、風邪による小さい疼痛及び痛み、発熱による小さい疼痛及び痛み、急性頭痛、小手術の急性痛、急性歯痛、小さい疼痛及び痛みに関連する時折の不眠又はこれらの任意の組合せを含む、請求項24又は25に記載の使用のための単位経口用量組成物。
【請求項27】
前記ファモチジンの非存在下における同じ投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの経口投与と比較して、前記ヒトにおける痛み低減の増強を提供する、請求項24~26のいずれか一項に記載の使用のための単位経口用量組成物。
【請求項28】
前記ファモチジンの非存在下における同じ投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの投与と比較して、前記ヒトにおける解熱の増強をさらに提供する、請求項24~27のいずれか一項に記載の使用のための単位経口用量組成物。
【請求項29】
前記ヒトに投与された同じ経口投与強度のイブプロフェンによって誘発された胸やけ後の同じ経口投与強度の前記ファモチジンの経口投与と比較して、前記ヒトにおける胸やけの重症度を低減する、請求項24~28のいずれか一項に記載の使用のための単位経口用量組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月15日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第63/052,398号明細書の利益及びそれに対する優先権を主張するものであり、その内容は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
イブプロフェンのような非処方箋強度又は店頭販売(OTC)の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の使用は、一般に、急性痛及び発熱に対する安全で効果的な処置とされているが、胸やけなどの胃の問題に関連し得る。実際、イブプロフェンを含むOTCのNSAIDに対して米国食品医薬品局により承認されたパッケージ表示では、「胸やけなどの胃の問題」に注意が向けられており、消費者に「胃の不調が生じる場合、食物又は牛乳と一緒に服用する」ことが推奨されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書は、急性痛のOTC処置のためにイブプロフェンの服用を必要としているヒトにおいて、胸やけの重症度又は胸やけの発生のリスクを低減する単位経口用量組成物であって、(i)単位経口用量組成物当たり約50mg~約400mgの用量のイブプロフェンと、(ii)単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgの用量のファモチジンとを含む単位経口用量組成物をヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは、単位経口用量組成物の経口投与前に胸やけを経験しておらず、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から45分以内の特定の時点での単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、同じ特定の時点での単位経口用量組成物中のイブプロフェンの前記ヒトにおける溶解率よりも大きい、単位経口用量組成物を記載する。
【0004】
本開示の他の利点は、以下の詳細な説明を検討することで当業者に明らかであるか又は明らかになるであろう。このような付加的な利点の全ては、この説明に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。加えて、記載される実施形態の任意の及び好ましい特徴及び修正形態の全ては、本明細書で教示される本開示の全ての態様で使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴並びに記載される実施形態の任意の及び好ましい特徴及び修正形態の全ては、互いに組み合わせることができると共に、交換可能である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明の化合物、組成物、物品、装置及び/又は方法が開示及び記載される前に、以下に記載される態様が特定の化合物、合成方法又は使用に限定されず、したがって当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明するためのみのものであり、限定することを意図されないことも理解されるべきである。
【0006】
本明細書において特定の用語が使用されるが、これらは、一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
【0007】
本開示を読むことで当業者に明らかになるように、本明細書に記載及び説明される個々の実施形態のそれぞれは、別個の構成要素及び特徴を有し、これらは、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離することができるか又はそれと組み合わせることができる。
【0008】
記載される方法のいずれも、記載される事象の順序又は論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。すなわち、他に明記されない限り、本明細書に記載される方法又は態様のいずれも、そのステップが特定の順序で実施されることを要求すると解釈されることを決して意図されない。したがって、方法クレームが、ステップを特定の順序に限定することをそのクレーム又は説明において具体的に規定しない場合、いかなる点でも順序が推論されることは決して意図されない。これは、ステップの配置若しくは操作の流れに関する論理的問題、文法構成若しくは句読点から生じる平易な意味又は本明細書に記載される態様の数若しくは種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基準にも適用できる。
【0009】
本明細書で言及される全ての刊行物は、その刊行物が関連して引用される方法及び/又は材料を開示及び説明するために、参照によって本明細書に援用される。本明細書で議論される刊行物は、その開示が本出願の出願日よりも前であることのためにのみ提供される。本明細書中のいかなるものも、先行発明という理由で本発明がこのような刊行物に先行する権利がないことを承認するものと解釈されてはならない。さらに、本明細書に提供される公開日は、実際の公開日と異なることがあり、独自の確認が必要とされ得る。
【0010】
本開示の態様は、システム法定分類などの特定の法定分類において記載及び特許請求され得るが、これは、便宜のためのみのものであり、当業者は、本開示の各態様が任意の法定分類において記載及び特許請求され得ることを理解するであろう。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明するためのみのものであり、限定することを意図されないことも理解されるべきである。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、開示される組成物及び方法が属する技術分野の当業者により一般的に理解されものと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、本明細書の文脈及び関連する技術分野におけるその意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書に明確に定義されない限り、理想的な意味又は過度に形式的な意味で解釈すべきではないことも理解されるであろう。
【0012】
本開示の種々の態様を説明する前に、以下の定義が提供され、他に記載されない限り使用されるべきである。付加的な用語は、本開示の他の箇所で定義され得る。
【0013】
定義
本明細書で使用される場合、「含む」は、言及されるような規定の特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定すると解釈されるべきであるが、1つ又は複数の特徴、整数、ステップ若しくは構成要素又はそれらの群の存在又は追加を除外しない。さらに、「による」、「含んでいる」、「含む」、「で構成される」、「包含している」、「包含する」、「包含される」、「伴っている」、「伴う」、「伴われる」及び「など」という用語のそれぞれは、そのオープンで非限定的な意味で使用され、交換可能に使用され得る。さらに、「含む」という用語は、「から本質的になる」及び「からなる」という用語によって包含される例及び態様を含むことが意図される。同様に、「から本質的になる」という用語は、「からなる」という用語によって包含される例を含むことが意図される。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈が明らかに他に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「不活性賦形剤」への言及は、2つ以上のこのような不活性賦形剤の混合物又は組合せなどを含むが、これらに限定されない。
【0015】
比率、濃度、量、割合及び他の数値データは、本明細書では範囲形式で表現可能であることに注目すべきである。さらに、それぞれの範囲の端点は、他方の端点と関連しても他方の端点とは独立しても、いずれも有意であることが理解されるであろう。いくつかの値が本明細書に開示されており、各値は、値自体に加えて、「約」その特定の値としても本明細書に開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から且つ/又は「約」別の特定の値までとして表現することができる。同様に、先行詞「約」の使用により値が近似値として表現される場合、特定の値は、さらなる態様を形成することが理解されるであろう。例えば、値「約10」が開示される場合、「10」も開示され、「約5~約15」も開示される。
【0016】
範囲が表現される場合、さらなる態様は、1つの特定の値から且つ/又は他の特定の値までを含む。例えば、規定の範囲が限界値の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も本開示に含まれ、例えば、「x~y」という語句は、「x」~「y」の範囲並びに「x」よりも大きい範囲及び「y」よりも小さい範囲も含む。範囲は、上限値、例えば「約x、y、z又はそれ未満」として表すこともでき、「約x」、「約y」及び「約z」の特定の範囲並びに「x未満」、y未満」及び「z未満」の範囲も含むと解釈されるべきである。同様に、「約x、y、z又はそれよりも大きい」という語句は、「約x」、「約y」及び「約z」の特定の範囲並びに「xよりも大きい」、yよりも大きい」及び「zよりも大きい」の範囲も含むと解釈されるべきである。加えて、「約「x」~「y」」という語句は、「x」及び「y」が数値である場合、「約「x」~約「y」」を含む。
【0017】
このような範囲形式は、便宜上且つ簡潔にするために使用され、したがって、範囲の限界値として明確に記載された数値を含むだけでなく、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も、あたかも各数値及び部分範囲が明確に記載されているかのように含むものであると柔軟に解釈すべきであることが理解されるはずである。説明するために、「約0.1%~5%」の数値範囲は、約0.1%~約5%の明確に記載された値を含むだけでなく、表示される範囲内の個々の値(例えば、約1%、約2%、約3%及び約4%)及び部分範囲(例えば、約0.5%~約1.1%;約5%~約2.4%;約0.5%~約3.2%及び約0.5%~約4.4%並びに他の可能な部分範囲)も含むと解釈されるべきである。
【0018】
本明細書で使用される場合、「約」、「およそ」、「正確に又は約」及び「実質的に」という用語は、問題の量又は値が、正確な値又は特許請求の範囲に記載されるか若しくは本明細書で教示されるような同等の結果若しくは効果を提供する値であり得ることを意味する。すなわち、量、サイズ、配合、パラメータ並びに他の量及び特徴は正確ではなく、正確である必要はないが、所望に応じて、許容差、換算係数、四捨五入、測定誤差など、及び同等の結果又は効果が得られるように当業者に既知の他の要因が反映して、近似しており、且つ/又はより大きくても若しくはより小さくてもよいことが理解される。状況次第で、同等の結果又は効果を提供する値は、合理的に決定することができない。このような場合、本明細書で使用される場合、他に記載又は推論されない限り、「約」及び「正確に又は約」は、±10%の変動で示される公称値を意味すると一般に理解される。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ又は他の量若しくは特徴は、そのように明記されるかどうかにかかわらず、「約」、「およそ」又は「正確に又は約」である。「約」、「およそ」又は「正確に又は約」が定量値の前に使用される場合、パラメータは、特に他に規定されない限り、特定の定量値自体も含むことが理解される。
【0019】
比率、濃度、量、割合及び他の数値データは、本明細書では範囲形式で表現可能であることに注目すべきである。さらに、それぞれの範囲の端点は、他方の端点と関連しても他方の端点とは独立しても、いずれも有意であることが理解されるであろう。いくつかの値が本明細書に開示されており、各値は、値自体に加えて、「約」その特定の値としても本明細書に開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から且つ/又は「約」別の特定の値までとして表現することができる。同様に、先行詞「約」の使用により値が近似値として表現される場合、特定の値は、さらなる態様を形成することが理解されるであろう。例えば、値「約10」が開示される場合、「10」も開示される。
【0020】
他に明記されない限り、本明細書に記載される方法のいずれも、そのステップが特定の順序で実施されることを要求すると解釈されることを決して意図されない。したがって、特許請求の範囲又は説明において、ステップを特定の順序に限定することが他に具体的に規定されていない場合、いかなる点でも順序が推論されることは決して意図されない。これは、ステップの配置又は操作の流れに関する論理的問題;文法構成又は句読点から生じる平易な意味;及び本明細書に記載される実施形態の数又は種類を含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基準にも適用できる。
【0021】
開示されるのは、本発明の組成物を調製するために使用される成分と、本明細書に開示される方法において使用される組成物自体とである。これら及び他の材料は本明細書に開示されており、これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの化合物のそれぞれの種々の個別及び集団的な組合せ及び順列の特定の参照を明確に開示することはできないが、それぞれは本明細書において具体的に企図及び記載されることが理解される。例えば、特定の化合物が開示及び議論され、化合物を含むいくつかの分子に行うことができるいくつかの修飾が議論される場合、具体的に企図されるのは、具体的に反対のことが示されない限り、化合物及び可能な修飾のそれぞれ及び全ての組合せ及び順列である。したがって、分子種類A、B及びCが分子種類D、E及びFと共に開示され、組合せ分子の例A-Dが開示される場合、それぞれが個別に記載されなくても、それぞれは個別及び集団的に企図され、組合せA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E及びC-Fは開示されていると見なされることが意味される。同様に、これらの任意のサブセット又は組合せも開示される。したがって、例えば、A-E、B-F及びC-Eのサブグループは、開示されていると見なされるであろう。この概念は、本発明の組成物の製造及び使用方法におけるステップを含むがこれに限定されない、本出願の全ての態様に適用される。したがって、実施することができる様々な付加的なステップがある場合、これらの付加的なステップのそれぞれは、本発明の方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組合せと共に実施可能であることが理解される。
【0022】
本明細書に開示される組成物は、特定の機能を有することが理解される。本明細書に開示されるのは、開示される機能を実施するための特定の構造要要件であり、開示される構造に関連する同じ機能を実施することができる様々な構造が存在し、これらの構造が通常同じ結果を達成し得ることが理解される。
【0023】
本明細書で使用される場合、「任意の」又は「任意に」という用語は、その後に説明される事象又は状況が起こり得るか又は起こり得ないこと及びその説明が前記事象又は状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。
【0024】
「ファモチジン」は3-[2-(ジアミノメチレンアミノ)チアゾール-4-イルメチルチオ]-N-スルファモイルプロピオンアミジンであり、形態A及び形態Bと指定されるもの(例えば、米国特許第5,128,477号明細書及び同第5,120,850号明細書を参照されたい)などの多形形態並びにこれらの混合物を含む。
【0025】
「イブプロフェン」は、イソブチルフェニルプロピオン酸である。イブプロフェンの適切な形態の例としては、ラセミイブプロフェン、(S)-イブプロフェン又は(R)-イブプロフェンが挙げられるが、これらに限定されない。1つの態様では、(S)-イブプロフェンは、当技術分野において既知の技術を用いて、ラセミイブプロフェンから合成することができる(Enzyme and Microbial Technology,Vol.24,Issues 3-4,pp 160-163(1999))。
【0026】
本明細書で使用される場合、「単位経口用量組成物」は、ヒトでの使用に適した物理的に別個の単位(physically discrete units)を指し、各単位は、その投与に関連して所望の応答を生じるように計算された所定量のファモチジン及び所定量のイブプロフェンを含有する。
【0027】
「即時放出(immediate-release)」又は「即時放出(immediate release)」という用語は、単位用量組成物のヒトへの経口投与後、ファモチジン及び/又はイブプロフェンが急速に放出されることを指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「処置レジメン」は、ある期間にわたって同じ用量で単位経口用量組成物をヒトに投与することを指す。例えば、ヒトは、最初に2錠の単位経口用量組成物を投与され、次に6時間後に2錠の単位経口用量組成物を投与され、24時間にわたって最大で合計4錠の単位経口用量組成物を投与され得る。1つの態様では、ヒトは、最初に1錠の単位経口用量組成物を投与され、次に6時間後に1錠の単位経口用量組成物を投与され、24時間にわたって最大で合計3錠の単位経口用量組成物を投与され得る。別の態様では、ヒトは、最初に2錠の単位経口用量組成物を投与され、次に4時間後に2錠の単位経口用量組成物を投与され、次に4時間後に1錠の単位経口用量組成物を投与され、24時間にわたって最大で合計5錠の剤単位経口用量組成物を投与され得る。
【0029】
「胸やけ(heartburn)」という用語は、胸焼け(pyrosis)、胸焼け(cardialgia)又は胃酸過多としても知られている。胸やけの症状には、対象の痛みの原因であり得る中央胸部又は上部中央腹部の灼熱感が含まれるが、これらに限定されない。痛み又は不快感は胸部で起こることが多く、首、腕の角度又は喉に放散し、喉の奥に酸っぱい味、酸性又は塩味が残ることがある。胸やけは、通常、胃酸の食道への逆流(胃逆流)によるものであり、食道逆流性疾患(GERD)の主要な症状である。胸やけは、裂孔ヘルニア、妊娠、過体重又は喫煙者であること、特定の薬物(例えば、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、アセチルサリチル酸のようなNSAID)、大量の食事、特定の食物(タマネギ又は柑橘果実など)、満腹で横になること、ストレスなどに起因し得る。
【0030】
本明細書で使用される「処置する又は処置」という用語は、本明細書に記載される単位経口用量組成物をヒトに投与したとき、特に単位経口用量組成物をヒトに投与しないときの同じ症状と比較して、1つ又は複数の症状の発生及び/又は重症度を低減すること、イブプロフェン誘発性の胸やけを予防すること及び/又はイブプロフェン誘発性の胸やけの重症度を低減することと定義される。
【0031】
本明細書で使用される「予防する又は予防」という用語は、本明細書に記載される単位経口用量組成物をヒトに投与したとき、単位経口用量組成物をヒトに投与しないときの同じ症状と比較して、1つ又は複数の症状の発生及び/又はその重症度の可能性又はリスクを排除又は低減することと定義される。
【0032】
「急性痛」という用語は、持続性ではなく、一般に短期間(例えば、数時間、1~3日、1週間)持続し、急速に消散される痛みである。急性痛の例としては、炎症の急性痛(月経けいれん又は月経困難症を含む)、リウマチ若しくは関節炎状態の急性痛若しくはこわばり(変形性関節炎の「再燃」)、関節炎の小さい痛み、急性関節及び身体痛、急性筋肉痛及び緊張、靱帯捻挫(足首の捻挫を含む)の急性痛、急性背部痛、風邪による小さい疼痛及び痛み(感染性又は非感染性の急性咽頭炎及び副鼻腔痛を含む)、発熱による小さい疼痛及び痛み(筋肉疼痛又は筋肉痛を含む)、急性頭痛(急性の緊張型頭痛及び片頭痛)、小手術の急性痛(抜歯の急性痛を含む)、急性歯痛、小さい疼痛及び痛みに関連する時折の不眠又はこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
「慢性痛」という用語は、持続性であり、一般に3カ月を超えて最長数年持続し、急速に消散されない痛みである。慢性痛の例としては、癌又は全身、特に骨への癌の転移によって引き起こされる痛みが挙げられる。他の例としては、慢性の非悪性の痛み、神経インピンジメントなどの慢性神経疾患、脊柱管狭窄症並びに他の背部及び四肢の骨疾患、変形性関節炎、関節リウマチ及び乾癬性関節炎などの慢性関節炎、自己免疫疾患による慢性関節炎、線維筋痛症などが挙げられる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、細胞、組織、系、動物又はヒトの有益な又は所望の生物学的、感情的、医学的又は臨床的な応答をもたらすのに十分である、本明細書に提供される開示される化合物又は医薬組成物の量を指すことができる。有効量は、1回又は複数回の投与、適用又は投薬において投与することができる。この用語は、その範囲内に、実質的に正常な生理学的機能又は臨床応答を増強又は回復させるのに有効な量を含むこともできる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、所望の治療結果を達成するか、又は望ましくない症状に効果をもたらすのに十分な量を指す。任意の特定の対象に対する特定の治療有効用量レベルは、処置される障害又は状態及び障害又は状態の重症度;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事;投与の時間;固形食を食べてからの時間;牛乳を飲むこと;投与経路;使用される特定の化合物の排出速度;処置の持続期間;使用される特定の化合物と組み合わせて、又は同時に使用される薬物並びに医療分野で周知であり得る同様の要因を含む様々な要因に依存し得る。特定の障害又は状態を処置する場合、場合により、所望の応答は、障害又は状態の悪化を阻害し、障害又は状態の重症度を低減することであり得る。障害又は状態の処置に対する所望の応答は、障害又は状態の発症を遅延させ、さらには発症を予防することでもあり得る。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ヒト」という用語は、痛み軽減を必要としている、急性痛を経験している任意の対象を指す。ヒトの年齢は、イブプロフェン及びファモチジンを投与するのに適した年齢層である。したがって、本明細書で使用される「ヒト」には、ファモチジン及びイブプロフェンを個々に服用することができる年齢の成人及び子供が含まれる。
【0037】
本明細書に記載される単位経口用量組成物は、OTC(非処方箋強度)のイブプロフェンの短期使用により誘発される胸やけの発生及び/又は重症度を低減しながら、急性痛を処置する。本明細書に記載される単位経口用量組成物は、慢性痛の処置を意図しない。別の態様では、単位経口用量組成物は、前記ファモチジンの非存在下における同じ投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの投与と比較して、ヒトにおける解熱の増強並びに発熱関連の疼痛及び痛みの軽減をさらに提供する。
【0038】
本明細書に記載される単位経口用量組成物中のイブプロフェン及びファモチジンの用量は変化させることができる。1つの態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約50mg~約400mg又は約50mg、75mg、100mg、120mg、140mg、150mg、160mg、180mg、200mg、220mg、240mg、250mg、260mg、280mg、300mg、300mg、320mg、330mg、340mg、360mg、380mg若しくは400mgであり、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、約200mg~約250mg)。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約250mgである。1つの態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約100mgである。
【0039】
1つの態様では、ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mg又は約3mg、5mg、6.67mg、10mg、13.33mg、15mg、20mgであり、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、約10mg~約20mg)。1つの態様では、ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg、約5mg、約6.67mg、約10mg又は約13.33mgである。
【0040】
1つの態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約133mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約10mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg又は約6.67mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約13.33mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約100mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg~約13.33mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約100mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約133mg~約150mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mg~約10mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約220mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg~約5mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約220mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mgである。別の態様では、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約250mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg又は約13.33mgである。
【0041】
他の態様では、単位経口用量組成物は、他の生物活性剤を含むことができる。1つの態様では、単位経口用量組成物は、急性痛の軽減及び解熱のために非NSAID(非ステロイド系抗炎症薬)をさらに含む。1つの態様では、単位経口用量組成物は、好ましくはNSAID(例えば、イブプロフェン)対非NSAID(例えば、アセトアミノフェン)の比率が5:3又は3:2で、例えばアセトアミノフェンなどの非NSAIDをさらに含む。1つの態様では、非NSAIDは、約50mg~約500mg又は約50mg、60mg、65mg、66.67mg、70mg、75mg、80mg、85mg、88.67mg、90mg、100mg、125mg、133.34mg、150mg、160mg、166.67mg、200mg、225mg、250mg、300mg、325mg、375mg、400mg、450mg若しくは500mgの用量であり、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、約100mg~約200mg又は約325mg~約500mg)。別の態様では、非NSAIDは、約150mgの用量のアセトアミノフェンである。別の態様では、単位経口用量組成物当たり約250mgのアセトアミノフェンと組み合わせて、イブプロフェンは約250mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg又は約13.33mgである。別の態様では、単位経口用量組成物当たり約325mg又は約500mgのアセトアミノフェンと組み合わせて、イブプロフェンは約250mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg又は約13.33mgである。別の態様では、単位経口用量組成物当たり約250mgのアセトアミノフェンと組み合わせて、イブプロフェンは約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg又は約13.33mgである。別の態様では、単位経口用量組成物当たり約325mg又は約500mgのアセトアミノフェンと組み合わせて、イブプロフェンは約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg~約13.33mgである。別の態様では、単位経口用量組成物当たり約250mg~約500mgのアセトアミノフェンと組み合わせて、イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約220mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mg~約13.33mgである。
【0042】
1つの態様では、単位経口用量組成物がアセトアミノフェンを含む場合、単位経口用量組成物は、アセトアミノフェン及びファモチジンの非存在下における同じ投与強度のイブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、ヒトにおいて増強された及び/又はより早期の痛み低減をさらに提供する。1つの態様では、アセトアミノフェンを含む単位経口用量組成物は、アセトアミノフェン及びファモチジンの非存在下における同じ投与強度のイブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、解熱の増強を提供することができる。
【0043】
別の態様では、単位経口用量組成物(アセトアミノフェンを含有するか又はアセトアミノフェンを含有しない)は、小さい疼痛及び痛みに関連する時折の不眠の軽減のための睡眠補助剤をさらに含む。1つの態様では、単位経口用量組成物は、例えばジフェンヒドラミンHClなどの睡眠補助剤をさらに含む。1つの態様では、睡眠補助剤は、約5mg~約50mg又は約5mg、10mg、12.5mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg若しくは50mgの用量であり、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、約35mg~約40mg)。別の態様では、睡眠補助剤は、約12.5mgの用量のジフェンヒドラミンクエン酸塩である。
【0044】
1つの態様では、単位経口用量組成物がジフェンヒドラミンHCl又はジフェンヒドラミンクエン酸塩を含む場合、単位経口用量組成物は、ジフェンヒドラミン、アセトアミノフェン及びファモチジンの非存在下における同じ投与強度のイブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、ヒトにおける痛み低減の増強をさらに提供する。1つの態様では、ジフェンヒドラミンHCl又はジフェンヒドラミンクエン酸塩を含む単位経口用量組成物は、覚醒を少なくし、痛みに妨害されずに睡眠時間を増やすために、夜間の急性痛低減の増強を提供することができる。
【0045】
本明細書に記載される単位経口用量組成物は、経口投与のための医薬組成物として配合することができる。1つの態様では、単位経口用量組成物は、固体剤形(すなわち単位経口固体用量組成物)、例えば、錠剤、カプセル、カプレット、ゲルキャップ、ゲルタブ、丸薬、ロゼンジ、チュアブル物品(例えば、グミ)、溶解可能なストリップ(例えば、舌の下に置く)などの形態又は経口投与に適した任意の他の形態であり得る。1つの態様では、単位経口固体用量組成物は、錠剤、カプセル、カプレット、ゲルキャップ、ゲルタブ、丸薬、ロゼンジ、チュアブル物品(例えば、グミ)などの楕円形又は球形の形態であり得る。別の態様では、単位経口用量組成物は、外側が、青若しくは青紫色、紫若しくはスミレ色、ディープブルー若しくはシーブルー、デニムブルー、コロニアルブルー、茶色若しくは黄褐色又は青、ディープブルー、青/紫色、シーブルー、紫若しくはスミレ色、デニムブルー、コロニアルブルー、茶色(モカ、ピーカン、トルティーヤ、カラメル、シナモンなど)若しくは黄褐色(ベージュ、エクリュ、クリーム、サンド、ストーン、カーキ若しくはブリティッシュタンなど)の色合いであり、薄茶色の斑点若しくはドットを有する、固体剤形の形態であり得る。
【0046】
イブプロフェン及びファモチジンに加えて、単位経口用量組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体を含むことができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、薬学的に許容される希釈剤、防腐剤、酸化防止剤、可溶化剤、乳化剤、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香料及び補助剤の1つ又は複数を意味する。開示される医薬組成物は、単位剤形として提供されることが好都合であり、薬学及び薬科学の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0047】
1つの態様では、単位経口用量組成物は、香味剤と共に配合することができる。香味剤は、単位経口用量組成物の風味、質感及び全体的な旨味の望ましい特徴を改善することができる。香味剤は、いくつかの異なる方法で、単位経口用量組成物と共に配合することができる。1つの態様では、香味剤は、1つ又は複数の薬学的に許容される担体と共に、イブプロフェン及び/又はファモチジンと混合される。別の態様では、単位経口用量組成物は、非常に薄い香味剤の膜によりスプレーコートされる。本明細書で有用な香味剤の例としては、アーモンド油、バニリン、メントール、l-メントール、ペパーミントスピリッツ、ペパーミント油(液体又は固体)又はこれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
単位経口用量組成物は、1つ又は複数の医薬品賦形剤及び/又は添加剤を含むことができる。適切な賦形剤及び添加剤の非限定的な例としては、ステアリン酸マグネシウム、二酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、ゼラチン、粗糖又はラクトースなどの天然糖、非糖甘味料(例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ラカンカ(モンク)果実抽出物、ネオテーム、サッカリン、ステビア、スクラロース及びアドバンテーム)、レシチン、ペクチン、デンプン(例えば、コーンスターチ又はアミロース)、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、アラビアゴム、アルギン酸、タイロース、タルカム、リコポディウム、シリカゲル(例えば、コロイド)、セルロース、セルロース誘導体(例えば、セルロースヒドロキシ基が低級飽和脂肪族アルコール及び/又は低級飽和脂肪族オキシアルコールによって部分的にエーテル化されたセルロースエーテル、例えば、メチルオキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、微結晶セルロース)、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、特に飽和脂肪酸及び脂肪酸のマグネシウム、カルシウム又はアルミニウム塩(例えば、ステアリン酸塩)、乳化剤、油及び脂肪、特に植物性油及び脂肪(例えば、ピーナッツ油、ヒマシ油、オリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油、小麦胚芽油、ヒマワリ種子油、タラ肝油、いずれの場合にも任意に水和され得る);飽和脂肪酸C12242~C18362のグリセロールエステル及びポリグリセロールエステル並びにこれらの混合物(グリセロールヒドロキシ基は完全又は部分的にのみエステル化されることも可能である(例えば、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド));薬学的に許容される一価又は多価アルコール及びポリグリコール、例えばポリエチレングリコール及びその誘導体、脂肪族飽和又は不飽和脂肪酸(2~22個の炭素原子、特に10~18個の炭素原子)と、一価脂肪族アルコール(1~20個の炭素原子)又は多価アルコール、例えば、グリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ペンタクリトリトール、ソルビトール、マンニトールなどとのエステル(任意にエーテル化され得る)、クエン酸と第1級アルコールとのエステル、酢酸、尿素、安息香酸ベンジル、ジオキソラン、グリセロホルマール、テトラヒドロフルフリルアルコール、C1~C12-アルコールとのポリグリコールエーテル、ジメチルアセトアミド、ラクトアミドなどが挙げられる。
【0049】
単位経口用量組成物の調製において有用な他の補助物質は、崩壊を引き起こすもの(いわゆる崩壊剤)、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム又は微結晶セルロースである。従来のコーティング物質も経口剤形を製造するために使用され得る。例えば、考慮され得るものは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸及び/又はこれらのエステルの重合体及び共重合体;アンモニウム基含有量のより少ないアクリル及びメタクリル酸エステルの共重合体(例えば、Eudragit(登録商標)RS)、アクリル及びメタクリル酸エステル並びにトリメチルアンモニウムメタクリレートの共重合体(例えば、EudragitR RL);ポリ酢酸ビニル;脂肪、油、ワックス、カルナバワックス、脂肪アルコール;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート又はアセテートサクシネート;セルロースアセテートフタレート、デンプンアセテートフタレート及びポリビニルアセテートフタレート、カルボキシメチルセルロース;メチルセルロースフタレート、メチルセルロースサクシネート、メチルセルロースフタレートサクシネート及びメチルセルロースフタル酸ハーフエステル;ゼイン;エチルセルロース及びエチルセルロースサクシネート;シェラック、グルテン;エチルカルボキシエチルセルロース;エタクリレート-無水マレイン酸コポリマー;無水マレイン酸-ビニルメチルエーテルコポリマー;スチロール-マレイン酸共重合体;2-エチル-ヘキシル-アクリレート無水マレイン酸;クロトン酸-酢酸ビニルコポリマー;グルタミン酸/グルタミン酸エステルコポリマー;カルボキシメチルエチルセルロースグリセロールモノオクタノエート;セルロースセテートサクシネート;ポリアルギニンである。
【0050】
単位経口用量組成物と共にコーティング物質として考慮され得る可塑剤は、クエン酸及び酒石酸エステル(クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル);グリセロール及びグリセロールエステル(二酢酸、三酢酸グリセロール、アセチル化モノグリセリド、ヒマシ油);フタル酸エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸ジアミル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジプロピル)、ジ-(2-メトキシ-又は2-エトキシエチル)-フタレート、グリコール酸エチルフタリル、グリコール酸ブチルフタリルエチル及びグリコール酸ブチル;アルコール(プロピレングリコール、種々の鎖長のポリエチレングリコール)、アジペート(ジエチルアジペート、ジ-(2-メトキシ-又は2-エトキシエチル)-アジペート;ベンゾフェノン;セバシン酸ジエチル及びジブリル、コハク酸ジブチル、酒石酸ジブチル;ジエチレングリコールジプロピオネート;エチレングリコールジアセテート、-ジブチレート、-ジプロピオネート;リン酸トリブチル、トリブチリン;ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート(Polysorbar 50などのポリソルベート);ソルビタンモノオレエートである。
【0051】
さらに、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘発剤及び融解剤も担体として含まれ得る。使用される医薬品担体は、例えば、固体、液体又は気体であり得る。固体担体の例としては、ラクトース、テラアルバ、スクロース、グルコース、メチルセルロース、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、タルク、デンプン、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム及びステアリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナッツ油、オリーブ油及び水である。気体担体の例としては、二酸化炭素及び窒素が挙げられる。
【0052】
種々の態様において、結合剤は、例えば、デンプン、ゼラチン、グルコース又はベータ-ラクトースなどの天然糖、コーン甘味料、ヒプロメロース、天然及び合成ガム、例えば、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどを含むことができる。これらの剤形において使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。さらなる態様では、崩壊剤は、例えば、デンプン、メチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むことができる。
【0053】
特定の態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンがイブプロフェンよりも大きい速度で放出されるように配合される。1つの態様では、崩壊剤又は希釈剤をファモチジンと混合した後、イブプロフェンを配合して、単位経口用量組成物を製造することができる。別の態様では、単位経口用量組成物は、最初にファモチジンを放出し、続いてイブプロフェンを放出するために、異なる崩壊剤又は希釈剤を含むことができる(例えば、ファモチジンは第1の崩壊剤と混合され、イブプロフェンは第2の崩壊剤と混合される)。別の態様では、同じ崩壊剤が使用される場合、ファモチジンと混合される崩壊剤の量は、イブプロフェンと混合される崩壊剤の量よりも多くすることができる。
【0054】
1つの態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む。特定の態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンで構成される第1のマイクロ粒子集団と、イブプロフェンで構成される第2のマイクロ粒子集団とから構成される。1つの態様では、第1のマイクロ粒子集団の粒径は、第2のマイクロ粒子集団の粒径と異なる。別の態様では、第1のマイクロ粒子集団は、第2のマイクロ粒子集団と異なる材料から構成される。第1及び第2のマイクロ粒子集団の粒径及び組成を変更することにより、各マイクロ粒子集団の溶解率を変化させることが可能である。
【0055】
別の態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む。特定の態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンで構成される第1のマイクロ粒子集団と、イブプロフェンで構成される第2のマイクロ粒子集団と、アセトアミノフェンで構成される第3のマイクロ粒子集団とから構成される。1つの態様では、第1のマイクロ粒子集団の粒径は、第2のマイクロ粒子集団の粒径と異なる。別の態様では、第2のマイクロ粒子集団の粒径は、第3のマイクロ粒子集団の粒径と異なる。別の態様では、第1のマイクロ粒子集団は、第2のマイクロ粒子集団と異なる材料から構成される。別の態様では、第2のマイクロ粒子集団は、第3のマイクロ粒子集団と異なる材料から構成される。第1、第2及び第3のマイクロ粒子集団の粒径及び組成を変更することにより、各マイクロ粒子集団の溶解率を変化させることが可能である。
【0056】
1つの態様では、マイクロ粒子は、摩擦に基づく従来の技術、例えば、ミリング又は粉砕(例えば、スパイラルジェットミリング、流体床ジェットミリング)などによって製造することができる。別の態様では、マイクロ粒子は、飽和又は過飽和溶液からの沈殿、スプレー乾燥又はその場微粉化(Hovione)方法によって製造することができる。他の態様では、超臨界流体を使用して、本明細書において有用な微粉化粒子を製造することができる。例えば、超臨界溶液の急速膨張(RESS)、超臨界逆溶媒(SAS)、ガス飽和溶液からの粒子(PGSS)などの技術は、超臨界流体を使用して、微粉化粒子を製造する。参照によってその全体が援用される米国特許出願公開第2021/0106511号明細書及び同第2021/0060268明細書は、治療薬の経口送達用のマイクロ粒子を製造するための非限定的な技術を提供する。1つの態様では、ファモチジンのマイクロ粒子は、約1μm~約1,000μm又は約1μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm、800μm、850μm、900μm、950μm若しくは1,000μmの平均粒径を有することができ、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、10μm~100μm)。
【0057】
他の態様では、単位経口用量組成物は、速溶性経口製剤を製造するためにナノ粒子と共に配合することができる。1つの態様では、ポリマー(例えば、アミロペクチン、デンプン、グリコーゲン、セルロース、デキストリン、キチン、アルファグルカン、ベータグルカン及びこれらの組合せなどの多糖類)又は無機材料(例えば、不活性シリカ)をファモチジン及びイブプロフェンと混合した後、例えば、イオノトロピックゲル化又はスプレー乾燥などの当技術分野において既知の技術を用いてナノ粒子を製造することができる。参照によってその全体が援用される米国特許出願公開第2015/0147399号明細書は、治療薬の経口送達用のナノ粒子を製造するための非限定的な技術を提供する。
【0058】
1つの態様では、ファモチジンのナノ粒子は、約1nm~約1,000nm又は約1nm、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm若しくは1,000nmの平均粒径を有することができ、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、10nm~100nμm)。
【0059】
特定の態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンで構成される第1のナノ粒子集団と、イブプロフェンで構成される第2のナノ粒子集団とから構成される。1つの態様では、第1のナノ粒子集団の粒径は、第2のナノ粒子集団の粒径と異なる。別の態様では、第1のナノ粒子集団は、第2のナノ粒子集団と異なる材料から構成される。第1及び第2のナノ粒子集団の粒径及び組成を変更することにより、各ナノ粒子集団の溶解率を変化させることが可能である。
【0060】
特定の態様では、単位経口用量組成物は、ファモチジンで構成される第1のナノ粒子集団と、イブプロフェンで構成される第2のナノ粒子集団と、アセトアミノフェンで構成される第3のナノ粒子集団とから構成される。1つの態様では、第1のナノ粒子集団の粒径は、第2のナノ粒子集団の粒径と異なる。別の態様では、第2のナノ粒子集団の粒径は、第3のナノ粒子集団の粒径と異なる。別の態様では、第1のナノ粒子集団は、第2のナノ粒子集団と異なる材料から構成される。別の態様では、第2のナノ粒子集団は、第3のナノ粒子集団と異なる材料から構成される。第1、第2及び第3のナノ粒子集団の粒径及び組成を変更することにより、各ナノ粒子集団の溶解率を変化させることが可能である。
【0061】
1つの態様では、単位経口用量組成物は、(1)ファモチジンと、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、二酸化チタン及びカルナバワックス並びにこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第1のナノ粒子集団と、(2)イブプロフェンと、例えばゼラチン、グリセリン、ヒプロメロース、乳酸、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポビドン、プロピレングリコール、ソルビタン、ソルビトール、二酸化チタン又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第2のナノ粒子集団とから構成される。
【0062】
別の態様では、単位経口用量組成物は、(1)ファモチジンと、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、二酸化チタン及びカルナバワックス並びにこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第1のナノ粒子集団と、(2)イブプロフェンと、例えばゼラチン、グリセリン、ヒプロメロース、乳酸、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポビドン、プロピレングリコール、ソルビタン、ソルビトール、二酸化チタン又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第2のナノ粒子集団と、(3)アセトアミノフェンと、例えばヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、加工若しくはアルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粉末若しくは微結晶セルロース、プロピレングリコール、二酸化チタン、ポリソルベート80、ポビドン、ステアリン酸、二酸化チタン、カルナバワックス又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第3のナノ粒子集団とから構成される。
【0063】
1つの態様では、イブプロフェンの平均粒径は、ファモチジンの平均粒径よりも大きい。1つの態様では、イブプロフェンの平均粒径は、ファモチジンの平均粒径よりも1.5、2、2.5、3、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9又は10倍大きい。
【0064】
別の態様では、イブプロフェンの平均粒径は、アセトアミノフェンの平均粒径よりも大きい。1つの態様では、イブプロフェンの平均粒径は、アセトアミノフェンの平均粒径よりも1.5、2、2.5、3、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9又は10倍大きい。
【0065】
1つの態様では、ファモチジン及びイブプロフェンを含有する錠剤は、任意に1つ又は複数の補助成分又は補助剤を用いて、圧縮又は成形によって調製することができる。圧縮錠剤は、成分が粉末又は顆粒などの自由流動形態である場合、圧縮又はプレス機によって調製することができ、任意に、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、海面活性剤又は分散剤と混合され得る。成形錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することによって作製することができる。1つの態様では、錠剤は、ファモチジンのマイクロ粒子及び/又はナノ粒子を含む。
【0066】
別の態様では、ファモチジンで構成される第1の層と、イブプロフェンで構成される第2の層とを有する2層錠剤が、単位経口用量組成物として配合され得る。1つの態様では、単位経口用量組成物は、(1)ファモチジンと、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、二酸化チタン及びカルナバワックス並びにこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第1の層と、(2)イブプロフェン、例えばゼラチン、グリセリン、ヒプロメロース、乳酸、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポビドン、プロピレングリコール、ソルビタン、ソルビトール、二酸化チタン又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第2の層とから構成される2層錠剤である。
【0067】
別の態様では、ファモチジン及びアセトアミノフェンで構成される第1の層と、イブプロフェンで構成される第2の層とを有する2層錠剤が、単位経口用量組成物として配合され得る。1つの態様では、単位経口用量組成物は、(1)ファモチジン及びアセトアミノフェンと、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、二酸化チタン及びカルナバワックス並びにこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第1の層と、(2)イブプロフェンと、例えばゼラチン、グリセリン、ヒプロメロース、乳酸、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポビドン、プロピレングリコール、ソルビタン、ソルビトール、二酸化チタン又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第2の層とから構成される2層錠剤である。
【0068】
別の態様では、単位経口用量組成物は、球形又は楕円形の固体剤形として配合することができ、ここで、固体剤形のコアは、ファモチジンの外層によって包囲されたイブプロフェンから構成される。1つの態様では、単位経口用量組成物は、(2)イブプロフェンと、例えばゼラチン、グリセリン、ヒプロメロース、乳酸、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポビドン、プロピレングリコール、ソルビタン、ソルビトール、二酸化チタン又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成されるコアを包囲する、(1)ファモチジンと、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、二酸化チタン及びカルナバワックス並びにこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第1の層から構成される。
【0069】
別の態様では、単位経口用量組成物は、球形又は楕円形の固体剤形として配合することができ、ここで、固体剤形のコアは、ファモチジン及びアセトアミノフェンの外層によって包囲されたイブプロフェンから構成される。1つの態様では、単位経口用量組成物は、(2)イブプロフェンと、例えばゼラチン、グリセリン、ヒプロメロース、乳酸、マンニトール、ポリエチレングリコール、ポビドン、プロピレングリコール、ソルビタン、ソルビトール、二酸化チタン又はこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成されるコアを包囲する、(1)ファモチジン及びアセトアミノフェンと、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化鉄、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、二酸化チタン及びカルナバワックス並びにこれらの任意の組合せなどの不活性成分とで構成される第1の層から構成される。
【0070】
1つの好ましい態様では、単位経口用量組成物は固体剤形を含み、ここで、固体剤形のコアは、ファモチジンマイクロ粒子の外層によって包囲されたイブプロフェンを含む。イブプロフェンコアは様々な形状の可能性があり、例えば、円形、卵形、楕円形、凸状、円筒形(例えば、円板状)又は任意の他の適切な幾何学形状、例えば直線状であり得る。好ましくは、錠剤は、円板状、球形、ひし形又は楕円形を有し、平らにされた円板又は魚雷のように卵形輪郭である。錠剤のエッジは、面取りされ得るか又は丸くされ得る。錠剤は、カプレット(カプセル形態の錠剤)のような形状でもあり得る。錠剤は、切れ目がつけられるか、エンボス加工されるか又は彫刻され得る。一実施形態では、コアは、丸薬を通して全体に又は途中まで延在する内部の穴を有さない。
【0071】
ファモチジン層は、当技術分野において既知の技術を用いてイブプロフェンコアに適用することができる。1つの態様では、ファモチジンは、圧縮又はスプレーコーティングによってイブプロフェンコアに適用される。1つの態様では、参照によってその全体が援用される米国特許出願公開第2019/0307702号明細書に開示される方法は、薬物及びポリマーを含む固体非晶質分散層によって包囲された溶融凝固コアを含む多粒子を製造するための非限定的な技術を提供する。1つの態様では、ファモチジン層は、約10μm~約500μm又は約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm若しくは500μmの厚さを有することができ、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、10μm~100μm)。
【0072】
別の態様では、単位経口用量組成物は固体剤形を含み、ここで、固体剤形のコアは、ファモチジンマイクロ粒子及びアセトアミノフェン粒子の外層によって包囲されたイブプロフェンを含む。イブプロフェンコアは様々な形状の可能性があり、例えば、円形、卵形、楕円形、凸状、円筒形(例えば、円板状)又は任意の他の適切な幾何学形状、例えば直線状であり得る。好ましくは、錠剤は、円板状、球形、ひし形又は楕円形を有し、平らにされた円板又は魚雷のように卵形輪郭である。錠剤のエッジは、面取りされ得るか又は丸くされ得る。錠剤は、カプレット(カプセル形態の錠剤)のような形状であり得る。錠剤は、切れ目がつけられるか、エンボス加工されるか又は彫刻され得る。一実施形態では、コアは、丸薬を通して全体に又は途中まで延在する内部の穴を有さない。
【0073】
ファモチジン及びアセトアミノフェン層は、当技術分野において既知の技術を用いてイブプロフェンコアに適用することができる。1つの態様では、ファモチジン及びアセトアミノフェンは、圧縮又はスプレーコーティングによってイブプロフェンコアに適用される。1つの態様では、参照によってその全体が援用される米国特許出願公開第2019/0307702号明細書に開示される方法は、薬物及びポリマーを含む固体非晶質分散層によって包囲された溶融凝固コアを含む多粒子を製造するための非限定的な技術を提供する。1つの態様では、ファモチジン及びアセトアミノフェン層は、約10μm~約500μm又は約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm若しくは500μmの厚さを有することができ、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、10μm~100μm)。別の態様では、ファモチジンは、圧縮又はスプレーコーティングによってイブプロフェンコアに適用され、アセトアミノフェンは、圧縮又はスプレーコーティングによってファモチジン層に適用される。1つの態様では、ファモチジン及びアセトアミノフェン層は、約10μm~約500μm又は約10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、150μm、200μm、250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm若しくは500μmの厚さを有することができ、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、10μm~100μm)。
【0074】
1つの態様では、単位経口用量組成物は、任意に、放出遅延剤を含む。別の態様では、単位経口用量組成物は、放出遅延剤を含まない。放出遅延剤の2つの一般的な種類は、「腸溶性」(すなわち胃腸管の特定の環境内での放出を可能にする)及び「定時」(すなわち胃腸管環境に関係なく、投与から所定期間後の放出を可能にする)である。
【0075】
腸溶性放出遅延剤は、特定のpH又は放出が所望される胃腸管の特定の場所に特徴的に存在する分解酵素の存在下での放出を可能にする。腸溶性材料は、通常、胃のpHでは不溶性のままであり、下流の胃腸管(例えば、多くの場合に十二指腸又は場合により結腸)のより高いpH環境において、活性成分の放出を可能にする。腸溶性材料は、下部胃腸管、特に結腸に存在する細菌酵素によって分解される酵素分解性ポリマーを含む。
【0076】
腸溶性放出製剤に使用される材料には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート及びカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロースポリマー;Eudragit(登録商標)L30D-55及びL100-55(pH5.5以上で可溶性)、Eudragit(登録商標)L-100(pH6.0以上で可溶性)、Eudragit(登録商標)S(より高いエステル化度の結果として、pH7.0以上で可溶性)及びEudragit(登録商標)NE、RL及びRS(浸透性及び膨張性の程度が異なる水不溶性ポリマー)を含む、商標名Eudragit(登録商標)(Rohm Pharma;Westerstadt,Germany)で市販されている、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸エチル並びに他のメタクリル樹脂から形成されるアクリル酸ポリマー及びコポリマー;ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、酢酸フタル酸ビニル、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー及びエチレン-酢酸ビニルコポリマーなどのビニルポリマー及びコポリマー;アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロース及びグァーガムなどの酵素分解性ポリマー;ゼイン及びシェラックが含まれる。好ましいコーティング剤は、メタクリル酸コポリマーNF(Eudragit L100-55)である。
【0077】
放出遅延剤は、組成物が体液と接触されてから所定の遅延期間後、薬物の放出を可能にする(「定時遅延放出」)。腸溶性放出とは違って、定時放出は、環境pH又は酵素によって特に影響を受けない。
【0078】
多数の定時放出遅延剤が当業者に知られている。時間放出コーティングを製造するために有用である例示的な材料は、例として、カラギナン、フコイダン、ガティガム、トラガカント、アラビノガラクタン、ペクチン及びキサンタンなどの水溶性多糖類ガム;アルギン酸ナトリウム、トラガカントナトリウム及びガティガムナトリウムなどの多糖類ガムの水溶性塩;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性ヒドロキシアルキルセルロース(アルキル部分は、1~7個の炭素の直鎖又は分枝鎖である);合成水溶性セルロースベースの薄膜形成剤、例えば、メチルセルロース及びそのヒドロキシアルキルメチルセルロースセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシブチルメチルセルロースからなる群から選択されるメンバーなど;カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート及びエチルセルロースなどの他のセルロースポリマー;並びに当業者に知られている他の材料を含む。この目的のために使用することができる他の膜形成材料には、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ゼラチン及びポリビニル-ピロリドンのブレンド、ゼラチン、グルコース、糖類、ポビドン、コポビドン、ポリ(ビニルピロリドン)-ポリ(酢酸ビニル)コポリマーが含まれる。時間放出コーティングにおいて使用することができる他の材料には、Eudragit NE、RL及びRS、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース(MCC、FMC Corp.からのAvicel.TM.)、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)(60:40)コポリマー(Aldrich Chemical Co.からのEVAC)、2-ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)、MMA及びペクチン酸カルシウムが含まれる。製薬産業で賦形剤として使用される物質は、放出遅延剤として作用することもできる。
【0079】
一般的なタイプの定時放出剤形には、侵食性製剤、浸透圧破裂を受ける製剤又は遅延バースト放出のためのメカニズムの任意の組合せを使用する単位剤形が含まれる。
【0080】
定時放出遅延剤は、任意に、浸透圧破裂による遅延バースト放出を達成することができる。このようなRDAの例としては、膨潤剤、オスモゲン、結合剤、滑沢剤、膜形成剤、細孔形成剤、コーティングポリマー及び/又は可塑剤が挙げられる。
【0081】
浸透圧破裂は遅延バースト放出成分によって達成され、これには、半透性コーティング(例えば、エチルセルロース)内に薬物及び膨潤剤を含有する被覆単位剤形が含まれる。半透性コーティングのコーティング重量(厚さ)は、浸透圧破裂による放出を所望の期間遅延させるように選択することができる。特定の遅延に対する正確なコーティング重量を特定するために、様々なコーティング重量を有する単位剤形をインビトロでの溶解により試験して、バースト時間を決定することができる。これらの結果に基づいて、所望の遅延期間を達成するコーティング重量が選択され得る。加えて、コーティング中のコーティング強度調節剤(例えば、タルク)の量及び/又は比率も同様に調整することができる。浸透圧破裂による所望の放出を得るために同様に調整され得る他の製剤変数には、製剤中の膨潤剤層並びに膨潤剤及び/又は充填剤の量が含まれる。錠剤を破裂させる場合、膨潤剤の量は、製造するのに十分な圧縮性及び許容できる程度に低い摩損度を依然として錠剤に提供しながら、目標の放出を達成するように選択され得る。
【0082】
1つ又は複数の「拡散調節剤」は体液の浸透を制御し、生物活性物質の放出を遅延させることができる。例示的な拡散調節剤としては、親水性ポリマー、電解質、タンパク質、ペプチド、アミノ酸及び薬科学の当業者に知られている他のものが挙げられる。一例では、定時放出遅延剤は、固定期間後に薬物の放出を可能にするコーティングを含む。コーティングの厚さは、流体が製剤に浸透するのに必要とされる時間に影響を与え得る。例えば、約0.5~2.5時間の固定遅延期間後に放出を提供する拡散制御時間放出コーティングは、厚さが約200~1000ミクロンであり、約2.5~5.0時間の固定遅延期間後に放出を提供するものは、厚さが約1000~3000ミクロンであり得る。
【0083】
浸透圧破裂多粒子の例は、文献に明示されている(例えば、Dashevsky,et al,International Journal of Pharmaceutics,318,(2006)124-131;Mohamed,et al,Drug Development and Industrial Pharmacy,33(2007)113-119;米国特許第4,871,549号明細書;Ueda,S.,et al,Journal of Drug Targeting,2(1994)35-44;Ueda,S.,et al,Chemical Pharmaceutical Bulletin,42(2),(1994)359-363;Ueda,S.,et al,Chemical Pharmaceutical Bulletin,42(2),(1994)364-367を参照されたい)。浸透圧破裂錠剤の例は、文献に明示されている(米国特許第4,871,549号明細書;Theeuwes,F.,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.64,No.12,(1975)1987-1991;Sungthongjeen,S.,et al,Journal of Controlled Release,95,(2004)147-159)。
【0084】
侵食性製剤は、定時放出製剤の別の例を提供する。侵食性被覆錠剤からの放出遅延は、侵食性層のコーティング重量を調節することにより、当業者によって調整することができる。正確なコーティング重量を特定するために、様々なコーティング重量にわたる錠剤をインビトロでの溶解(及び/又は侵食)により試験して、バースト時間を決定することができる。性能に影響を与える可能性のある他の製剤変数は、コーティング層ポリマーのタイプ及び粘度の選択である。侵食性被覆錠剤の例は、文献に明示されている(Sangalli,M.E.,et.al.,Journal of Controlled Release,73(2001)103-110;Gazzaniga,A.,et.al.,International Journal of Pharmaceutics,108(1994)77-83)。
【0085】
単位経口用量組成物は、コーティングの侵食速度を制御する1つ又は複数の「侵食調節剤」を含むことができる。任意の材料又は材料の組合せが、侵食制御因子として作用し得る。例示的な侵食及び/又は拡散調節剤としては、親水性ポリマー、電解質、タンパク質、ペプチド、アミノ酸及び薬科学の当業者に知られている他のものが挙げられる。コーティングの厚さは、コーティングの侵食に必要とされる時間に影響を与え得る。例えば、約0.5~2.5時間の固定期間後に放出を提供する侵食性時間放出コーティングは、厚さが約100~2,000ミクロンであり、約2.5~5.0時間の固定遅延期間後に放出を提供するものは、厚さが約2,000~5,000ミクロンであり得る。
【0086】
単位経口用量組成物は、二酸化チタン、酸化鉄系着色剤などの着色剤を含み得る。1つの態様では、単位経口用量組成物の外面は、青の色相(例えば、ダークブルー、コバルトブルー、外側の青若しくは青紫色、紫若しくはスミレ色、ディープブルー、シーブルー、デニムブルー若しくはコロニアルブルー又は青、ディープブルー、青/紫色、シーパープル、紫色、デニムブルー、コロニアルブルー、茶色若しくは黄褐色の色合い)を有する着色剤でコートされる。
【0087】
一実施形態では、バリア層は、無毒の食用ポリマー、食用色素粒子、食用ポリマー可塑剤及び界面活性剤を含む。材料には、例えば且つ非限定的に、参照によって本明細書に援用される米国特許第4,543,370号明細書(Colorcon)に記載される材料が含まれる。例示的なバリア層としては、Colorcon(West Point PA USA)から入手可能なOPADRY(登録商標);Colorcon(West Point PA USA)から入手可能なOPADRY II(登録商標)が挙げられ、HPMC、二酸化チタン、可塑剤及び他の成分が含まれる。
【0088】
特定の時点での固体形態から溶液中への経口用量組成物の溶解を試験するために高感度の方法を用いることにより、異なる組成物間の溶解率のパーセント差を決定することができる。1つの態様では、本発明の単位経口用量組成物は、単位経口用量組成物中のアセトアミノフェンの有無に関係なく、特定の時点での単位経口用量組成物中のファモチジンの溶解率が、同じ特定の時点での単位経口用量組成物中のイブプロフェンの溶解率よりも大きいように配合される。1つの態様では、薬物投与後最初の45分の間の同じ特定の期間(例えば、0~5分、0~10分、0~15分、0~20分、0~25分、0~30分、0~45分)にわたり、ファモチジンの溶解率は、単位用量組成物中の同じ用量のファモチジンのみの溶解率よりも、特定の時点で約10%~約200%大きい。別の態様では、同じ特定の期間(例えば、0~5分、0~10分、0~15分、0~20分、0~30分、0~45分など)にわたり、ファモチジンの溶解率は、単位用量組成物中の同じ用量のファモチジンのみの溶解率よりも、特定の期間にわたって約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%又は約200%大きく、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、約50%~約150%)。
【0089】
1つの態様では、薬物投与後最初の45分の間の同じ特定の期間(例えば、0~5分、0~10分、0~15分、0~20分、0~25分、0~30分、0~45分)にわたり、ファモチジンの溶解率は、単位用量組成物中のイブプロフェンの溶解率よりも、特定の期間にわたって約10%~約200%大きい。別の態様では、同じ特定の期間(例えば、0~5分、0~10分、0~15分、0~20分、0~30分、0~45分)にわたり、ファモチジンの溶解率は、単位用量組成物中のイブプロフェンの溶解率よりも、特定の期間にわたって約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%又は約200%大きく、ここで、値は、いずれも範囲の下端点及び上端点になり得る(例えば、約50%~約150%)。
【0090】
1つの態様では、単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、特定の期間(例えば、最初の15~45分以内)にわたって測定される。別の態様では、特定の時点(例えば、約5分又は約10分)で測定される単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、同じ特定の時点でイブプロフェンが検出不能であるか又は非常に少ないため、単位経口用量組成物中のイブプロフェンの前記ヒトにおける溶解率よりも大きい。
【0091】
1つの態様では、単位経口用量組成物のヒトへの投与から約5分後、約10分後、約15分後、約20分後、約25分後、約30分後又は約45分後、単位経口用量組成物中のファモチジンは、イブプロフェンの溶解率よりも約10%~約30%大きい溶解率を有する。別の態様では、例えば、前記単位経口用量組成物の前記ヒトでの投与から約15分後にファモチジンの約50%が単位経口用量組成物から放出され、前記単位経口用量組成物の前記ヒトでの投与から約15分後にイブプロフェンの約25%が単位経口用量組成物から放出され、前記ヒトにおいて15分で、イブプロフェンよりも約25%多いファモチジン(すなわち50%-25%)が前記ヒトにおいて溶解されることが示される。50%の溶解は、溶解率の25%の絶対差の2倍であるため、ファモチジンの溶解は、15分においてイブプロフェン溶解よりも2倍大きい。別の態様では、前記単位経口用量組成物の前記ヒトでの投与から約30分後にファモチジンの約80%が単位経口用量組成物から放出され、前記単位経口用量組成物の前記ヒトでの投与から約30分後にイブプロフェンの約40%が単位経口用量組成物から放出され、前記ヒトにおいて30分で、イブプロフェンよりも約40%多いファモチジン(すなわち80%-40%)が前記ヒトにおいて溶解されることが示される。80%の溶解は溶解率の40%の絶対差の2倍であるため、ファモチジンの溶解は、30分においてイブプロフェンの溶解よりも2倍大きい。
【0092】
1つの態様では、単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~10分未満だけ早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約10分後における溶解率を有する。例えば、前記単位経口用量組成物の投与から10分後にファモチジンの50%が単位経口用量組成物から放出され、前記単位経口用量組成物の投与から約20分後にイブプロフェンの50%が単位経口用量組成物から放出される場合、ファモチジンは、イブプロフェンよりも約10分早く放出される(すなわち、ファモチジンは、イブプロフェンよりも早く単位経口用量組成物から溶解される)。
【0093】
1つの態様では、単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約10分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約15分後における溶解率を有する(すなわち、ファモチジンは、イブプロフェンよりも早く溶解される)。
【0094】
別の態様では、単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約15分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約20分後における溶解率を有する(すなわち、ファモチジンは、イブプロフェンよりも早く溶解される)。
【0095】
別の態様では、単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約25分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約30分後における溶解率を有する(すなわち、ファモチジンは、イブプロフェンよりも早く溶解される)。
【0096】
別の態様では、単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約40分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約45分後における溶解率を有する(すなわち、ファモチジンは、イブプロフェンよりも早く溶解される)。
【0097】
溶解率は、当技術分野において既知のインビトロ技術を用いて決定することができる。使用される特定の溶解技術は、剤形の特徴及び意図される投与経路によって決定される。固体剤形の場合、業界標準の溶解試験方法には、米国薬局方(USP)Apparatus 1(バスケット)及びUSP Apparatus 2(パドル)が含まれる。即時放出、修飾放出及び延長放出錠剤は、通常、USP 2パドルを用いた古典的な溶解槽において試験される。浮遊カプセル及び錠剤は、通常、USP 1バスケットを使用する。他の溶解技術及び装置には、USP 3(往復シリンダ)、USP 4(フロースルーセル)、USP 5(パドルオーバーディスク)、USP 6(シリンダ)及びUSP 7(往復ホルダー)が含まれる。溶解手順の開発は、製品に適した溶解媒体、装置タイプ及び流体力学(攪拌速度)の選択を含む。
【0098】
1つの態様では、適切な攪拌装置(例えば、特定のサイズ及び形状の回転バスケット又はパドル)を有する容器に、既知の体積の溶解媒体中の単位経口用量組成物を入れることにより、インビトロの溶解アッセイが実行される。媒体のサンプルを60分間にわたって種々の時点で採取し、溶解した活性物質について分析して、溶解率を決定する。1つの態様では、溶解方法は、溶解アッセイの感度及び精度を改善するために、アッセイごとに試験されるユニットの数を増やし(最大48錠)、より頻繁な間隔(60分間にわたって5分間隔)でサンプルが得られる。溶解は、USPでイブプロフェンについて記載されるように、又は代わりにUSPでファモチジンについて記載されるように測定され得る。例えば、37℃で900mlの溶解媒体を含有する米国薬局方溶解装置II(パドル)の容器に、単位用量組成物を入れる。パドル速度は50RPMである。少なくとも三(3)つの単位用量組成物に対して独立した測定が行われる。1つの適切なインビトロアッセイでは、溶解は、50mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.2(「中性条件」)などの中性溶解媒体を用いて測定される。別の態様では、溶解率は、米国薬局方29に従って、II型溶解装置(パドル)において、50mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.2中37℃、毎分50回転で測定される。
【0099】
本明細書には、急性痛の処置のためにイブプロフェンを服用したときにヒトにおいて胸やけの発生を低減し、且つ/又は胸やけの重症度を低減するための単位経口用量組成物が記載される。本明細書に記載される単位経口用量組成物は、急性痛軽減のためにイブプロフェン、ナプロキセンナトリウム及びアスピリン(アセチルサリチル酸)などの店頭販売(OTC)NSAIDを服用したときに胸やけを経験することを示す病歴のあるヒトに対して特に有用である。1つの態様では、単位用量組成物は、急性痛の処置のためにOTCイブプロフェンを服用するヒトにおいて、胸やけの発生及び/又は重症度を低減する。別の態様では、単位用量組成物は、急性痛の処置のためにOTCイブプロフェンを服用するヒトにおいて、胸やけの重症度を低減する。
【0100】
胸やけは、様々な胸やけ評価尺度で測定することができる。特定の時点での胸やけの有無は、名義尺度(「胸やけはない」又は「胸やけがある」)で測定することができる。胸やけの強度を測定する評価手段において、胸やけがないことは、カテゴリー胸やけ強度尺度では「胸やけなし」として;0~10の数値胸やけ評価尺度では0(ゼロ)として;又は0~100mmの線形若しくは視覚的アナログ胸やけ強度評価尺度では0(ゼロ)として測定することができる。したがって、臨床研究の処置期間にわたって「胸やけなし」と報告する対象の割合を決定することができる(例えば、単位経口用量組成物を使用する対象の35%は胸やけがないことは、イブプロフェンを使用する対象の85%と比較して、胸やけの発生の有意な50%の差又は低減を示す)。同様に、臨床研究の処置期間にわたって胸やけの発生を報告する対象の割合も決定することができる。したがって、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象の15%と比較して、イブプロフェンを使用する対象の65%に胸やけがあれば、これらの結果は、胸やけの発生の50%の絶対差を特定する。言い換えると、単位経口用量組成物を使用するヒトでは、同じ投与強度のイブプロフェンを使用するヒトと比較して、約77%の相対的なリスクの低減がある。別の態様では、臨床研究がプラセボを服用する対象を含み、その結果16%に胸やけがある(すなわち単位経口用量組成物を使用する対象の15%と比較)場合、これらの結果は、単位経口用量組成物がイブプロフェン誘発性の胸やけを予防することを示す。
【0101】
別の態様では、本明細書には、イブプロフェンを服用したときにヒトにおいて胸やけの発生のリスク及び/又は重症度を低減するための単位経口用量組成物が記載される。この態様では、単位経口用量組成物は、同じ投与強度の前記イブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、胸やけを完全に予防する。1つの態様では、単位経口用量組成物は、前記ファモチジンの非存在下における同じ投与強度の前記イブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、イブプロフェンを服用したときにヒトにおいて胸やけの発生のリスク及び/又は重症度を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は最大100%低減する。
【0102】
胸やけ強度尺度は、胸やけの重症度(又は強度)の測定も提供する:カテゴリー胸やけ強度尺度では胸やけ強度のカテゴリー(「軽度の胸やけ」、「中程度の胸やけ」、「重度の胸やけ」)による;数値胸やけ評価尺度では1~10の数(ここで、例えば、「1~3」は、軽度の胸やけを表し、「4~6」は、中程度の胸やけを表し、「7~10」は、「重度の胸やけ」を表す)による;又は線形若しくは視覚的アナログ尺度では1mm~100mm(これは、「重度の胸やけ」を表す)の評価による。対象の胸やけの全経験は特定の期間にわたる胸やけ強度評価の合計として表すことができ、異なる組成物の使用の結果として対象がどの程度の胸やけを経験するかが示される。1つの態様では、胸やけ重症度の合計は、初回用量のみの後に特定の期間にわたって(例えば、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたって)測定することができ、処置間で比較を行うことができる。別の態様では、胸やけ重症度の合計は、複数用量の後に特定の期間にわたって(例えば、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたって)測定することができ、処置間で比較を行うことができる(例えば、イブプロフェンのみを使用する対象は、単位経口用量組成物を使用する対象よりも重度の胸やけを報告した)。
【0103】
別の態様では、単位経口用量組成物は、特定の期間にわたり(例えば、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたり)、同じ投与強度の前記イブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、ヒトにおける胸やけの重症度を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は最大100%低減する。
【0104】
1つの態様では、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトは、単一の単位経口用量組成物の投与後の特定の期間にわたり(例えば、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間にわたり)、単一経口単位のイブプロフェンの投与後に起こるイブプロフェン誘発性の胸やけを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも低レベルの胸やけ重症度を報告する。別の態様では、特定の期間にわたる(例えば、1時間にわたる、2時間にわたる、4時間にわたる、6時間にわたる、8時間にわたる、10時間にわたる、12時間にわたる、24時間にわたる)胸やけ重症度の合計は、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物を投与されたヒトでは、同じ投与強度の前記イブプロフェンを同じ特定の期間にわたってヒトに単回経口投与した後にイブプロフェン誘発性の胸やけを処置するためにファモチジンを投与したときと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は最大100%低減される。別の態様では、1用量、2用量又は3用量の本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトの、特定の期間にわたる(例えば、1時間にわたる、2時間にわたる、4時間にわたる、6時間にわたる、8時間にわたる、10時間にわたる、12時間にわたる、24時間にわたる)胸やけ重症度の合計は、同じ処置レジメンで同じ投与強度の前記イブプロフェンをヒトに経口投与した後に同じ特定の期間にわたってイブプロフェン誘発性の胸やけを処置するためにファモチジンを投与したときと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は最大100%低減される。これらの結果は、単位経口用量組成物におけるファモチジンとイブプロフェンとの同時投与が、胸やけが起こった後にファモチジンを投与することによるイブプロフェン誘発性の胸やけの処置よりも胸やけの重症度を大きく低減することを示す。
【0105】
本明細書に記載される単位用量組成物は、胸やけの処置のために同じ投与強度のファモチジンを同じヒトに経口投与したときと比較して、ヒトにおける胸やけ痛の重症度の低減及び胸やけ痛の予防を提供する。理論により束縛されることを望まないが、胃酸を産生し、胃及び食道で胸やけを引き起こす胃壁細胞上の受容体を遮断することにより、ファモチジンは、食道に逆流する可能性のある、胃壁細胞により産生される胃液の量も低減する。胃液の量が少ないと、胃はより急速に空になり、イブプロフェンの腸からの早期吸収の増大が促進され得る。結果として、ファモチジンの抗分泌活性によって引き起こされる胸やけの重症度が低減されるか又は起こらなくなり、ヒトは、イブプロフェンの早期吸収の増大により、イブプロフェンからの鎮痛活性の増強(すなわち痛みの低減)を経験し得る。単位経口用量組成物を投与すると、ヒトは、胸やけ痛の重症度のより大幅な低減又は胸やけ痛の予防も経験し得る。
【0106】
理論により束縛されることを望まないが、付随する胸やけの感覚は、ヒトが急性痛を経験する閾値を低下させる。胸やけのあるヒトは痛みに対してより敏感であり(すなわち痛みの閾値がより低い)、通常、胸やけがないか又は最小限であるヒトの場合よりも大きい急性痛を報告する。結果として、急性痛のあるヒトは、イブプロフェンなどの投与された鎮痛薬の抗侵害受容活性に対する反応性が低い。胸やけのあるヒトは急性痛に対してより敏感であり、より大きい痛みの重症度を報告するため、同じヒトは同じ投与強度の鎮痛薬から、胸やけが少ないか又はない場合よりも少ない痛み重症度の低減及び少ない痛み軽減を経験する。対照的に、ヒトの痛みの閾値が胸やけの影響を受けない場合(例えば、本明細書に記載される単位経口用量イブプロフェン-ファモチジン組成物中に存在するファモチジンで処置される場合)、対象は、より大きい痛み重症度の低減及びより大きい痛み軽減を経験する。したがって、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム及びアスピリンのようなOTC NSAIDによって誘発される胸やけを報告する急性痛のある対象に対して、本明細書に記載される単位経口用量組成物は、イブプロフェンのみの使用と比較して、より大きい鎮痛活性をもたらすことができる。イブプロフェンの服用により誘発される胸やけの重症度及び/又は発生の低減の結果として、本明細書に記載される単位経口用量組成物は、イブプロフェン誘発性の胸やけを有する対象が経口投与イブプロフェンのみを使用する場合と比較して、イブプロフェン誘発性の胸やけを有する対象に対して痛み低減の増強を提供する。上記で議論されるように、痛みの閾値は、イブプロフェンの服用により誘発される胸やけのある対象では低下されるが、速溶性ファモチジンの投与により回復され、したがって、単位経口用量組成物中で同時投与されるイブプロフェンによって痛み軽減が増強される。上記で議論されるように、ファモチジンは、壁細胞により産生される胃液の量も低減し、これは、胃がより少ない胃液を含有することを意味する。ここで、胃は、より急速に空になり、イブプロフェンの腸からの早期吸収が促進される。胃液の産生を低減することにより、ファモチジンは、イブプロフェンによる痛み軽減をより大きく且つより速くさらに増強する。さらに、イブプロフェンの吸収の増強の結果として、イブプロフェンの標準用量(例えば、200mg、250mg、400mg)又はイブプロフェンの1日の総用量(例えば、200mg、400mg、600mg、750mg、800mg、1,000mg又は1,200mg)と比較して、同等の痛み軽減(「等鎮痛」)を生じるためにより少ないイブプロフェン(すなわち24時間にわたってより小さい用量及び/又はより少ない用量のイブプロフェン)が必要とされ得る。したがって、本明細書に記載される単位経口用量組成物は、対象が経口投与イブプロフェンのみを使用する場合と比較して、イブプロフェン誘発性の胸やけを有する対象に対して痛み低減の増強を提供する。
【0107】
本明細書に記載される単位経口用量組成物は、急性痛の重症度に影響を与える。痛みの感覚は、様々な痛み強度評価尺度を利用して測定することができる。痛みの有無は、例えば、名義尺度(「痛みはない」又は「痛みがある」)で測定することができる。痛みの強度を測定する評価手段において、痛みがないことは、カテゴリー痛み強度尺度では「痛みなし」として;0~10の数値評価尺度では0として;及び100mmの線形若しくは視覚的アナログ尺度では0として測定される。これらの痛み強度尺度で測定されると、処置間の鎮痛効力の差を特定するために、特定の時点で「痛みなし」と報告する処置群の対象の割合を決定することができ、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、特定の期間にわたり、イブプロフェンを使用する対象よりも多くが痛みなしと報告したこと及び対象がこのエンドポイントをどの程度の速さで達成するかが示される。同様に、処置間の鎮痛効力の差を特定するために、特定の期間にわたって付加的な鎮痛薬を必要とする処置群の対象の割合を決定することができ、例えば、イブプロフェンを使用する対象は、特定の期間にわたり、単位経口用量組成物を使用する対象よりも多くが付加的な鎮痛薬を必要としたことが示される。
【0108】
経時的な痛みの変化は、以下を含む痛み強度尺度において測定することもできる:カテゴリー(カテゴリー尺度における軽度、中程度、重度;数値評価尺度における1~10の数(ここで、例えば、「1~3」は、軽度の痛みを表し、「4~6」は、中程度の痛みを表し、「7~10」は、「重度の痛み」を表す);又は視覚的アナログ尺度における1mm~100mmの評価。これらの痛み強度尺度において測定される変化は、特定の時点の痛み強度差(PID)として又は痛み強度差パーセント(PID%)として表すことができる。痛み強度に対する効果は、処置間の鎮痛効力の差を特定するために、特定の期間にわたって少なくとも50%の痛みの低減(又は「半分になった痛み」)を有する対象の割合で表すことができ、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、特定の期間にわたり、イブプロフェンを使用する対象よりも多くが少なくとも50%の痛み低減を報告したこと及び対象がこのエンドポイントをどの程度の速さで達成するかが示される。
【0109】
別の態様では、単位経口用量組成物は、特定の期間にわたり(例えば、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたり)、同じ投与強度の前記イブプロフェンのヒトへの経口投与と比較して、ヒトにおける痛みの重症度を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は最大100%低減する。
【0110】
別の態様では、痛み強度差は、特定の期間にわたり、合計痛み強度差(SPID)として又は合計痛み強度差パーセント(SPID%)として、加算することができ(例えば、SPID4は4時間にわたるSPIDを示すか、又はSPID4%は4時間にわたるSPID%を示すか、又はSPID24は24時間にわたるSPIDを示すか、又はSPID24%は24時間にわたるSPID%を示すか、又はSPID48は48時間にわたるSPIDを示すか、又はSPID48%は48時間にわたるSPID%を示すなどである)、それにより、対象が経験する全痛み低減を表すことができる。したがって、SPID及びSPID%は、特定の組成物に起因する全体的な鎮痛の差を特定するために処置間で比較することができ、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、イブプロフェンを使用する対象よりも大きい痛み低減を報告したことが示される。
【0111】
本明細書に記載される単位経口用量組成物の急性痛の軽減における効果は、痛み軽減尺度で直接測定することもできる。これらは、例えば、カテゴリー軽減尺度において「軽度の軽減」、「中程度の軽減」又は「完全な軽減」のカテゴリーで、;0~10の数値軽減尺度(ここで、数値10は、「完全な軽減」を表し、1~9は、軽減の範囲の増大を表す)において;又は視覚的アナログ尺度(ここで、100mm評価は、「完全な軽減」を表し、1~99mm評価は、軽減の範囲の増大を表す)において、軽減の程度の増大を測定する。1つの態様では、カテゴリー尺度において「中程度の軽減」を報告する処置群の対象の割合を決定することができ、この測定基準における比較は、各組成物に起因する鎮痛の差を示す(例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、イブプロフェンを使用する対象よりも多くが90分までに中程度の軽減を報告した)。別の態様では、処置間の鎮痛効力の差を特定するために、特定の期間にわたって「完全な軽減」を報告する対象の割合を決定することができ、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、特定の期間にわたり、イブプロフェンを使用する対象よりも多くが完全な軽減を報告したこと及び対象が完全な軽減のエンドポイントをどの程度の速さで達成するかが示される。
【0112】
別の態様では、全痛み軽減評価は、特定の期間にわたるTOTPARスコアを生成するために合計される(例えば、TOTPAR4は対象が4時間にわたって経験した全痛み軽減を示す)。TOTPARスコアは、鎮痛効力の差を特定するために処置群間で比較され、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、特定の期間にわたり、イブプロフェンを使用する対象よりも大きい痛み軽減を報告したことが示される。
【0113】
別の態様では、単位経口用量組成物の初回用量のみの後の鎮痛活性の発現の差は、例えば、投与後最初の1時間の間(例えば、最初の15分、最初の30分、最初の45分、最初の60分)又は特定の期間(例えば、最初の2時間、最初の4時間、最初の6時間、最初の8時間)にわたる、痛み強度、痛み軽減、全痛み軽減、合計痛み強度差、合計痛み強度差パーセントの測定において;ピーク痛み軽減までの時間、ピーク痛み強度差までの時間、ピーク痛み強度差%までの時間の測定において;又は最初の1時間にわたって(最初の2時間、最初の4時間、最初の6時間、最初の8時間にわたって)少なくとも中程度の軽減を有するか又は中程度よりも大きい軽減を有する対象の割合の測定において、初回用量のみと比較することができ、イブプロフェンよりも早い単位経口用量組成物の作用の発現が示される。
【0114】
別の態様では、痛み低減(すなわちPID又はPID%、SPID又はSPID%)の持続期間は、初回用量のみの後の特定の時点(例えば、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、20時間、24時間)で調査することができ、単位経口用量組成物の作用の持続期間はイブプロフェンのみの初回用量よりも長いことが示される。別の態様では、痛み軽減の持続期間は、より後の特定の時点(例えば、30時間、36時間、48時間、72時間)で調査することができ、例えば、単位経口用量組成物を使用する対象は、有意により多くが依然として少なくとも中程度の痛みの軽減を報告したこと、又は単位経口用量組成物を使用する対象は、例えば、同じ処置レジメンで同じ数の用量のイブプロフェンを使用する対象よりも48時間又は72時間にわたってより大きい痛み低減を報告したことが示される。
【0115】
本明細書に記載される単位経口用量組成物は、イブプロフェンの経口投与後、イブプロフェンによって誘発される胸やけを軽減するためにファモチジンを経口投与したときと比較して、痛み低減の増強(痛み強度により測定される)及び/又はより大きい痛み軽減(直接測定される)を提供する。ファモチジンを含有する単位経口用量組成物中で服用されるイブプロフェンは、イブプロフェンの後にイブプロフェン誘発性の胸やけを処置するためにファモチジンを投与したときよりも大きい痛み低減及び/又は大きい痛み軽減をヒトに提供する。
【0116】
1つの態様では、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトは、処置前の痛み強度からの痛み強度レベルの低下を報告し、単一の単位経口用量組成物の投与後の特定の期間にわたり(例えば、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたり)、イブプロフェン誘発性の胸やけが生じた後にそれを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりもより大きい痛み低減が得られる。1つの態様では、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトは、単位用量組成物の投与後の特定の時点(例えば、約15分、約20分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約24時間)で、処置前の痛み強度からの痛み強度レベルの低下を報告し、イブプロフェン誘発性の胸やけが生じた後にそれを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも大きい痛み低減パーセント(痛み強度差%又はPID%)が得られる。
【0117】
別の態様では、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトは、処置前の痛み強度からの痛み強度レベルの低下を報告し、初回用量後の特定の期間にわたって(例えば、30分にわたる、1時間にわたる、2時間にわたる、4時間にわたる、6時間にわたる、8時間にわたる、10時間にわたる、12時間にわたる、24時間にわたるSPID)、イブプロフェン誘発性の胸やけが生じた後にそれを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも大きい全体的な痛み低減(すなわち合計痛み強度差又はSPID)が得られる。
【0118】
別の態様では、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトは、初回用量後に処置前の痛み強度からの痛み強度レベルの低下を報告し、特定の期間にわたって(例えば、1時間にわたって(SPID1%)、2時間にわたって(SPID2%)、4時間にわたって(SPID4%)、6時間にわたって(SPID6%)、8時間にわたって(SPID8%)、12時間にわたって(SPID12%)、24時間にわたって(SPID24%)、イブプロフェン誘発性の胸やけが生じた後にそれを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも大きい全体的な痛み低減パーセント(合計痛み強度差%又はSPID%)が得られる。
【0119】
1つの態様では、本明細書に記載される単位用量組成物のSPID1は、イブプロフェンのSPID1よりも大きい。別の態様では、本明細書に記載される単位用量組成物のSPID2は、イブプロフェンのSPID2よりも大きく、本明細書に記載される単位用量組成物のSPID4は、イブプロフェンのSPID4よりも大きく、本明細書に記載される単位用量組成物のSPID6は、イブプロフェンのSPID6よりも大きく、本明細書に記載される単位用量組成物のSPID8は、イブプロフェンのSPID8よりも大きく、本明細書に記載される単位用量組成物のSPID12は、イブプロフェンのSPID12よりも大きい。
【0120】
別の態様では、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物は、2用量のイブプロフェンのSPID4%よりも大きいか又は同じであるSPID4%を提供する。別の態様では、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物は、2用量のイブプロフェンのSPID8%よりも大きいか又は同じであるSPID8%を提供する。別の態様では、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物は、2用量のイブプロフェンのSPID10%よりも大きいか又は同じであるSPID10%を提供する。別の態様では、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物は、2用量のイブプロフェンのSPID12%よりも大きいか又は同じであるSPID12%を提供する。
【0121】
別の態様では、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物を投与されたヒトは、初回用量後の特定の時点(例えば、約15分、約20分、約30分、約45分、約60分、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約24時間)で、1単位経口用量のイブプロフェンの後に胸やけを処置するためにファモチジンを投与されたヒトと比較して、より大きい痛み軽減レベルを報告する。別の態様では、本明細書に記載される単一の単位経口用量組成物を投与されたヒトは、初回用量後に特定の期間にわたって(例えば、2時間にわたって(TOTPAR2)、4時間にわたって(TOTPAR4)、6時間にわたって(TOTPAR6)、8時間にわたって(TOTPAR8)、12時間にわたって(TOTPAR12)、24時間にわたって(TOTPAR24)など)、1単位経口用量のイブプロフェンの後に胸やけを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも大きい全痛み軽減(TOTPAR)レベルを報告する。
【0122】
別の態様では、イブプロフェン誘発性の胸やけが生じた後にそれを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトのより多くの割合が、初回用量後の特定の期間にわたり(例えば、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたり)、少なくとも中程度の痛みの軽減を報告する。別の態様では、イブプロフェン誘発性の胸やけが生じた後にそれを処置するためにファモチジンを投与されたヒトよりも、本明細書に記載される単位経口用量組成物を投与されたヒトのより多くの割合が、初回用量後の特定の期間にわたり(例えば、30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、24時間、48時間にわたり)、中程度よりも大きい痛みの軽減を報告する。
【0123】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の1時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の1時間にわたって少なくとも約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、1時間にわたって1つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。別の態様では、ヒトは、1時間にわたって2つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。
【0124】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の2時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の2時間にわたって少なくとも約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、2時間にわたって1つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。別の態様では、ヒトは、2時間にわたって2つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。
【0125】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の4時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の4時間にわたって少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、4時間にわたって1つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。別の態様では、ヒトは、4時間にわたって同じ処置レジメンで2つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。
【0126】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の6時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の6時間にわたって少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、6時間にわたって1つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。別の態様では、ヒトは、6時間にわたって同じ処置レジメンで2つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。
【0127】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の8時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の8時間にわたって少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、8時間にわたって1つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。別の態様では、ヒトは、8時間にわたって同じ処置レジメンで2つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。
【0128】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の12時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の12時間にわたって少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、12時間にわたって1つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。別の態様では、ヒトは、12時間にわたって同じ処置レジメンで2つの単位経口用量組成物の固体剤形を投与される。
【0129】
1つの態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物(例えば、錠剤又はカプセルなどの2つの固体剤形)の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、イブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。
【0130】
1つの態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみの2つの固体剤形を投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の2つの固体剤形(例えば、錠剤又はカプセル)の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンでイブプロフェンのみを投与されたヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90、約95%又は約100%増大される。1つの態様では、ヒトは、同じ処置レジメンでイブプロフェンを投与されたヒトと比較して、24時間にわたって単位経口用量組成物の3、4、5又は6個の固体剤形を投与される。
【0131】
1つの態様では、単位経口用量組成物は、同じ投与強度のイブプロフェンのみ(すなわち前記ファモチジンが存在しない)の前記ヒトへの投与と比較して、イブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトにおける痛み低減の増強を提供する。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンで同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約30%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約40%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の24時間にわたって少なくとも約50%増大される。
【0132】
別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の4時間にわたって少なくとも約20%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の8時間にわたって少なくとも約30%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の8時間にわたって少なくとも約40%増大される。別の態様では、痛み低減は、同じ処置レジメンにわたって同じ投与強度のイブプロフェンのみを投与されたときにイブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトと比較して、単位経口用量組成物の投与後の最初の4時間にわたって少なくとも約50%増大される。
【0133】
1つの態様では、単位経口用量組成物は、初回用量において前記ファモチジンの非存在下で2倍投与強度の経口投与イブプロフェンを前記ヒトに経口投与する場合と比較して、前記ヒトにおける痛み低減の増強を提供する。1つの態様では、ヒトに投与される初回の単位経口用量組成物は、1つのみの錠剤又はカプセルであり、イブプロフェン単独の初回単位経口用量は、2つの錠剤又はカプセルであり、2つの異なる投与強度間で上記に特定されるような鎮痛結果を比較する。1つの態様では、例えば、初回単位経口組成物は200mgのイブプロフェンを含有し、イブプロフェン単独の初回単位経口用量は、400mgのイブプロフェンである(用量当たり50%少ないイブプロフェンを示す)。別の態様では、初回単位経口組成物は150mgのイブプロフェンを含有し、イブプロフェン単独の初回単位経口用量は200mgのイブプロフェンである(用量当たり25%少ないイブプロフェンを示す)。イブプロフェンの通例の用量よりも少ない単位用量組成物の他の用量にも同様のパラダイムを適用することができる。言い換えると、本明細書に記載される単位経口用量組成物を使用する場合、少なくとも同じレベルの痛み低減を達成するために必要とされる、単一及び複数用量におけるイブプロフェンの量が低減できる。
【0134】
単位経口用量組成物中のイブプロフェン及びファモチジンの投与強度に応じて、ヒトに投与可能な単位経口用量組成物の数は、24時間にわたって異なり得る。単位経口用量組成物は、単回投与として又は必要に応じて24時間内の複数回投与としてヒトに投与することができる。1つの態様では、イブプロフェン200mgのみを含有する単位経口用量組成物は、必要に応じて約4~6時間ごとに、24時間に合計6単位(すなわち24時間に合計1200mgのイブプロフェン)を投与することができる。1つの態様では、ファモチジンと共に200mgのイブプロフェンを含有する単位経口用量組成物を投与した後、第2の単位経口用量組成物を投与し、4~6時間後に第3及び第4の単位経口用量組成物を投与し、続いて4~6時間後に第5及び第6の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計6単位(すなわち24時間に合計1200mgのイブプロフェン)を投与することができる。別の態様では、ファモチジンと共にイブプロフェン200mgをそれぞれ含有する2つの単位経口用量組成物を一緒に投与してから、4~6時間後に第3及び第4の単位経口用量組成物を投与し、続いて4~6時間後に第5及び第6の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計6単位(すなわち24時間に合計1200mgのイブプロフェン)を投与することができる。別の態様では、ファモチジンと共にイブプロフェン200mgをそれぞれ含有する2つの単位経口用量組成物を一緒に投与してから、4~12時間後に第3及び第4の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計4単位(したがって、イブプロフェンの1日の総用量は800mgに低減される)を投与することができる。別の態様では、ファモチジンと共にイブプロフェン200mgを含有する1つの単位経口用量組成物を投与してから、4~6時間後に第2の単位経口用量組成物を投与し、続いて4~6時間後に第3の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計で3単位(したがって、イブプロフェンの1日の総用量600mgに低減される)を投与することができる。別の態様では、ファモチジンと共にイブプロフェン250mgを含有する1つの単位経口用量組成物を投与してから、約8時間後に第2の単位経口用量組成物を投与し、続いて約8時間後に第3の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計で3単位(したがって、イブプロフェンの1日の総用量は750mgに低減される)を投与することができる。別の態様では、ファモチジンと共にイブプロフェン400mgを含有する1つの単位経口用量組成物を投与してから、4~12時間後に第2の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計2単位(すなわち24時間に合計800mgのイブプロフェン)を投与することができる。別の態様では、ファモチジンと共にイブプロフェン150mgをそれぞれ含有する2つの単位経口用量組成物を一緒に投与してから、4~12時間後に第3及び第4の単位経口用量組成物を投与し、24時間に合計6単位(すなわち24時間に合計900mgのイブプロフェン)を投与することができる。
【0135】
別の態様では、ヒトに投与することができる単位経口用量組成物の数は、急性痛の持続期間及び重症度並びに痛み軽減に対する対象の必要性に応じて、2日間又は3日間にわたって異なり得る。単位経口用量組成物は、各24時間に必要に応じて複数回投与としてヒトに投与することができる。単位経口用量組成物中のイブプロフェンの投与強度に応じて、重度の急性痛の処置のために3日間にわたって服用されるイブプロフェンの総量は、例えば、投与可能なイブプロフェン最大総量(すなわち合計3,600mg)から減少させることができる。1つの態様では、200mgのイブプロフェンをそれぞれ含有する2つの単位経口用量組成物を投与してから、4~6時間後に別の2単位用量の単位用量組成物を投与し、続いて4~6時間後に別の2単位用量の単位用量組成物を投与し、最初の24時間に合計6単位(すなわち1200mgのイブプロフェン)を投与し;その後、第2の24時間に合計2単位(すなわち400mgのイブプロフェン)を投与し;その後、第3の24時間に1単位(200mg)を投与し、3日間にわたって合計1,800mgのイブプロフェン(すなわちイブプロフェンの服用が50%少ない)を投与することができる。いずれの場合にも、上記のように、単位経口用量組成物は、イブプロフェン単独と比較して、イブプロフェン誘発性の胸やけが発生している前記ヒトにおける痛み低減の増強を提供する;結果として、前記ヒトが単位経口用量組成物を使用する場合、イブプロフェンの総量は、1日当たり及び3日間にわたって減少される。
【0136】
単位経口用量組成物は、様々な方法で包装され得る。一般に、販売用の物品は、適切な形態の単位経口用量組成物を含有する容器を含む。適切な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、小袋、ホイルブリスターパックなどの材料が含まれる。容器は、パッケージの内容物への不用意なアクセスを防止するために不正開封防止構築物も含み得る。加えて、容器は、通常、容器の内容物及び任意の適切な警告又は指示が記載されたラベルが貼付されている。
【0137】
単位経口用量組成物は、必要に応じて、1つ又は複数の単位剤形を含有し得るパック又はディスペンサー装置で提示され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックホイルを含み得る。パック又はディスペンサー装置には、投与のための説明書も添付され得る。パック又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により規定される形態の容器に関連して通知が添付され得、この通知は、ヒト又は動物への投与のための薬物の形態についての政府機関による承認を反映している。このような通知は、例えば、非処方箋薬について米国食品医薬品局により承認されたレベル付け又は承認された製品挿入物であり得る。適合性の医薬品担体中に配合された開示化合物を含む医薬組成物は、表示された状態の処置のために調製され、適切な容器に入れられ、ラベル付けされ得る。
【0138】
態様
態様1。急性痛の処置のためにイブプロフェンの服用を必要としているヒトにおいて、胸やけの重症度及び/又は胸やけの発生のリスクを低減するための方法であって、(i)単位経口用量組成物当たり約50mg~約400mgの用量のイブプロフェンと、(ii)単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgの用量のファモチジンとを含む単位経口用量組成物をヒトに経口投与することを含み、前記ヒトは、前記単位経口用量組成物の経口投与前に胸やけを経験しておらず、
前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から45分以内の特定の時点での単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、同じ特定の時点での単位経口用量組成物中のイブプロフェンの前記ヒトにおける溶解率よりも大きい、方法。
【0139】
態様2。単位経口用量組成物のヒトへの投与から約5分後、約10分後、約15分後、約20分後、約30分後又は45分後、単位経口用量組成物中のファモチジンは、イブプロフェンの溶解率よりも約10%~約30%大きい溶解率を有する、態様1の方法。
【0140】
態様3。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~10分未満だけ早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約10分後における溶解率を有する、態様1の方法。
【0141】
態様4。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約10分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約15分後における溶解率を有する、態様1の方法。
【0142】
態様5。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約15分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約20分後における溶解率を有する、態様1の方法。
【0143】
態様6。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約25分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約30分後における溶解率を有する、態様1の方法。
【0144】
態様7。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約40分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約45分後における溶解率を有する、態様1の方法。
【0145】
態様8。単位経口用量組成物は、ファモチジンの第1の層と、イブプロフェンを含む第2の層とを含む2層錠剤を含み、ファモチジンは、マイクロ粒子、ナノ粒子又はこれらの組合せを含む、態様1の方法。
【0146】
態様9。単位経口用量組成物は、ファモチジンの層によって包囲されたイブプロフェンを含むコアを含み、ファモチジンは、マイクロ粒子、ナノ粒子又はこれらの組合せを含む、態様1~8のいずれか1つの方法。
【0147】
態様10。ファモチジンは、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルの平均粒径を有する、態様8又は9の方法。
【0148】
態様11。ファモチジンは、約10ナノメートル~約1,000ナノメートルの平均粒径を有する、態様8又は9の方法。
【0149】
態様12。単位経口用量組成物は、放出遅延剤又は腸溶コーティングを含まない、態様1~11のいずれか1つの方法。
【0150】
態様13。単位用量組成物は、前記ファモチジンの非存在下における同じ経口投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの経口投与と比較して、前記ヒトにおける胸やけ重症度の低減及び/又は胸やけの発生のリスクの低減を提供する、態様1~12のいずれか1つの方法。
【0151】
態様14。単位用量組成物は、前記ヒトに投与された同じ経口投与強度のイブプロフェンによって誘発された胸やけ後の同じ経口投与強度の前記ファモチジンの経口投与と比較して、前記ヒトにおける胸やけ重症度の低減を提供する、態様1~12のいずれか1つの方法。
【0152】
態様15。急性痛は、炎症の急性痛、リウマチ若しくは関節炎状態の急性痛若しくはこわばり、関節炎の小さい痛み、急性関節及び身体痛、急性筋肉痛及び緊張、月経困難症、靱帯捻挫の急性痛、急性背部痛、風邪による小さい疼痛及び痛み、発熱による小さい疼痛及び痛み、急性頭痛、小手術の急性痛、急性歯痛、小さい疼痛及び痛みに関連する時折の不眠又はこれらの任意の組合せを含む、態様1~14のいずれか1つの方法。
【0153】
態様16。前記単位経口用量組成物は、前記ファモチジンの非存在下における同じ投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの経口投与と比較して、前記ヒトにおける痛み低減の増強を提供する、態様1~15のいずれか1つの方法。
【0154】
態様17。前記単位経口用量組成物は、前記ファモチジンの非存在下における同じ投与強度の前記イブプロフェンの前記ヒトへの投与と比較して、前記ヒトにおける解熱の増強をさらに提供する、態様1~15のいずれか1つの方法。
【0155】
態様18。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0156】
態様19。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0157】
態様20。ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0158】
態様21。ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0159】
態様22。ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mg又は約13.33mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0160】
態様23。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0161】
態様24。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0162】
態様25。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg又は約13.33mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0163】
態様26。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約250mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg~約13.33mgである、態様1~17のいずれか1つの方法。
【0164】
態様27。単位経口用量組成物は、約50mg~約500mgの用量のアセトアミノフェンをさらに含む、態様1~26のいずれか1つの方法。
【0165】
態様28。単位経口用量組成物は、約5mg~約50mgの用量のジフェンヒドラミンHCl又はクエン酸塩をさらに含む、態様1~27のいずれか1つの方法。
【0166】
態様29。(i)単位経口用量組成物当たり約50mg~約400mgの用量のイブプロフェンと、(ii)単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgの用量のファモチジンとを含む単位経口用量組成物であって、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から45分以内の特定の時点での単位経口用量組成物中のファモチジンの前記ヒトにおける溶解率は、同じ特定の時点での単位経口用量組成物中のイブプロフェンの前記ヒトにおける溶解率よりも大きい、単位経口用量組成物。
【0167】
態様30。単位経口用量組成物のヒトへの投与から約5分後、約10分後、約15分後、約20分後、約30分後又は45分後、単位経口用量組成物中のファモチジンは、イブプロフェンの溶解率よりも約10%~約30%大きい溶解率を有する、態様29の単位経口用量組成物。
【0168】
態様31。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~10分未満だけ早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約10分後における溶解率を有する、態様29の単位経口用量組成物。
【0169】
態様32。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約10分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約15分後における溶解率を有する、態様29の単位経口用量組成物。
【0170】
態様33。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約15分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約20分後における溶解率を有する、態様29の単位経口用量組成物。
【0171】
態様34。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約25分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約30分後における溶解率を有する、態様29の単位経口用量組成物。
【0172】
態様35。単位経口用量組成物中のファモチジンは、単位経口用量組成物のヒトへの投与後、前記単位経口用量組成物中のイブプロフェンが同じ溶解率を達成するのに必要とされる時間よりも約5分~約40分早い、前記単位経口用量組成物の前記ヒトへの投与から約45分後における溶解率を有する、態様29の単位経口用量組成物。
【0173】
態様36。ファモチジンの第1の層と、イブプロフェンを含む第2の層とを含む2層錠剤を含み、ファモチジンは、マイクロ粒子、ナノ粒子又はこれらの組合せを含む、態様29~35のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0174】
態様37。ファモチジンの層によって包囲されたイブプロフェンを含むコアを含み、ファモチジンは、マイクロ粒子、ナノ粒子又はこれらの組合せを含む、態様29~35のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0175】
態様38。ファモチジンは、約1マイクロメートル~約1,000マイクロメートルの平均粒径を有する、態様37の単位経口用量組成物。
【0176】
態様39。ファモチジンは、約10ナノメートル~約1,000ナノメートルの平均粒径を有する、態様37の単位経口用量組成物。
【0177】
態様40。放出遅延剤又は腸溶コーティングを含まない、態様29~39のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0178】
態様41。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0179】
態様42。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0180】
態様43。ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0181】
態様44。ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0182】
態様45。ファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約6.67mg又は約13.33mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0183】
態様46。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0184】
態様47。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約200mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3mg~約20mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0185】
態様48。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約150mg~約400mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約3.33mg又は約13.33mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0186】
態様49。イブプロフェンは、単位経口用量組成物当たり約250mgであり、及びファモチジンは、単位経口用量組成物当たり約10mg~約13.33mgである、態様29~40のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0187】
態様50。約50mg~約500mgの用量のアセトアミノフェンをさらに含む、態様29~49のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0188】
態様51。約5mg~約50mgの用量のジフェンヒドラミンHCl又はクエン酸塩をさらに含む、態様29~50のいずれか1つの単位経口用量組成物。
【0189】
本出願を通して種々の刊行物が参照される。本明細書に記載される化合物、組成物及び方法をより詳細に説明するために、これらの刊行物の開示は、その全体が参照によって本出願に援用される。
【0190】
本明細書に記載される化合物、組成物及び方法に対する種々の修正形態及び変更形態がなされ得る。本明細書に記載される化合物、組成物及び方法の他の態様は、本明細書の検討並びに本明細書に開示される化合物、組成物及び方法の実施から明らかになるであろう。本明細書及び実施例は、例示的であると見なされることが意図される。
【国際調査報告】