IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイションの特許一覧

特表2023-534843H形状の交連ウィンドウを有する人工心臓弁及びその組み立てのための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-14
(54)【発明の名称】H形状の交連ウィンドウを有する人工心臓弁及びその組み立てのための方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20230804BHJP
   A61F 2/844 20130101ALI20230804BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/844
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504410
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 US2021042161
(87)【国際公開番号】W WO2022020229
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/054,394
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タミール・エス・リーヴァイ
(72)【発明者】
【氏名】イタイ・アヴィナタン
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC14
4C097SB02
4C097SB06
4C267AA42
4C267AA56
4C267BB22
4C267CC19
(57)【要約】
人工心臓弁の拡張可能な環状フレームに弁構造を取り付けるための組み立て方法が記載されている。弁構造は、複数の弁尖を有し、各々が一対のタブを有する。弁尖の各タブは、上側部分及び下側部分を有する。隣接する弁尖の対になったタブによって形成された交連は、対応する交連ウィンドウに結合されて、フレーム内で弁構造を支持する。各交連ウィンドウは、クロスバーによって互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、H形状を有してもよい。上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ対応する交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部を通って延在する。タブ部分に結合された1つ以上のくさび部材は、弁尖タブが交連ウィンドウを通って戻ることを防止し、それによって環状フレームに弁構造を保持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の交連ウィンドウを有する拡張可能な環状フレームと、
複数の弁尖を含む弁構造であって、各弁尖が一対のタブを有し、前記タブのうち一方のタブが、前記弁尖の中心線に対して前記タブのうち他方のタブから反対側にあり、前記タブそれぞれが、上側タブ部分及び下側タブ部分を有する、弁構造と、を備える、人工心臓弁であって、
前記弁構造が、隣接する弁尖の対になったタブによって形成された複数の交連を有し、各交連が、前記交連ウィンドウのうち対応する1つに結合されて、前記環状フレーム内で前記弁構造を支持し、
前記交連ウィンドウそれぞれが、それぞれのクロスバーによって前記環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、
前記タブそれぞれの前記上側タブ部分及び前記下側タブ部分が、それぞれ前記上側開口部及び前記下側開口部を通って、それぞれの前記交連ウィンドウの半径方向外側に延在し、
前記環状フレームが、第1の直径を有する圧着状態と、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する拡張状態との間で拡張可能である、人工心臓弁。
【請求項2】
前記複数の交連に対応する複数のくさび部材であって、各くさび部材が、前記交連ウィンドウそれぞれの前記半径方向外側に配設されており、対応する交連の前記タブが、前記くさび部材に巻き付いている、複数のくさび部材、を更に備える、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項3】
前記複数の交連に対応する複数の第1のくさび部材及び第2のくさび部材を更に備え、
各第1のくさび部材が、前記交連ウィンドウそれぞれの前記半径方向外側に配設されており、前記対応する交連の前記タブの前記上側タブ部分が、前記第1のくさび部材に巻き付いており、
各第2のくさび部材が、前記交連ウィンドウそれぞれの前記半径方向外側に配設されており、前記対応する交連の前記タブの前記下側タブ部分が、前記第2のくさび部材に巻き付いている、請求項1に記載の人工心臓弁。
【請求項4】
各くさび部材が、編組縫合糸、編組ケーブル、又は畳まれた布片のうち少なくとも1つを含む、請求項2又は3に記載の人工心臓弁。
【請求項5】
前記交連ウィンドウそれぞれが、前記拡張可能な環状フレームの一体部分である、請求項1~4のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項6】
前記拡張可能な環状フレームの一部を形成するか、又は前記拡張可能な環状フレームに結合された複数の支持部材であって、前記交連ウィンドウそれぞれが、前記支持部材のそれぞれ1つの一部である、複数の支持部材と、
前記環状フレームを拡張若しくは収縮させるように構成されたアクチュエータ、又は前記環状フレームの拡張若しくは収縮後に前記環状フレームの形状を維持するように構成された係止機構と、を更に備え、
前記支持部材のうち少なくとも1つが、前記アクチュエータ若しくは係止機構の一部分であるか、又は前記アクチュエータ若しくは係止機構に結合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項7】
前記交連ウィンドウそれぞれの前記上側開口部及び前記下側開口部が、それぞれの側面図でH形状を形成するように配設されており、
前記交連ウィンドウそれぞれが、一対の支柱を有し、前記支柱それぞれが、前記環状フレームの前記軸方向に沿って延在し、
前記交連ウィンドウそれぞれについて、対応する前記クロスバーが、前記一対の支柱間を、前記環状フレームの円周方向に沿って延在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項8】
前記クロスバーが、前記軸方向に沿って前記支柱それぞれの中間点からずれており、
前記交連ウィンドウそれぞれについて、前記支柱それぞれが、前記上側開口部に隣接する第1の端部、及び前記下側開口部に隣接する第2の端部を有し、前記軸方向に沿った前記支柱それぞれの前記第1の端部から前記クロスバーの中間までの前記軸方向に沿った距離Lが、前記クロスバーの前記中間から前記支柱それぞれの前記第2の端部までの前記軸方向に沿った距離Lよりも小さく、
比L/Lが、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内である、請求項7に記載の人工心臓弁。
【請求項9】
前記環状フレームが、前記環状フレームの円周方向に沿って延在するように、前記軸方向に対して角度付きである複数の第1の支柱を備え、
前記第1の支柱が、隣接する端部で一緒に接続して、開放セル格子構造を形成し、各セルが、前記環状フレームの半径方向に沿って開放しており、
前記交連ウィンドウそれぞれの前記支柱が、前記開放セル格子構造内に配設されており、前記第1の支柱のうち隣接する支柱に結合されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項10】
前記環状フレームが、前記環状フレームの円周方向に沿って延在するように、前記軸方向に対して角度付きである複数の第1の支柱を備え、
前記第1の支柱が、隣接する端部で一緒に接続して、開放セル格子構造を形成し、各セルが、前記環状フレームの半径方向に沿って開放しており、
前記交連ウィンドウそれぞれの前記支柱が、前記開放セル格子構造内に配設されており、前記第1の支柱のうち隣接する支柱に結合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項11】
前記交連ウィンドウそれぞれについて、支柱それぞれが、
前記上側開口部に隣接し、かつ前記環状フレームのそれぞれの第1の角度付き支柱の第3の端部に接続された、第1の端部であって、前記第1の角度付き支柱が、前記環状フレームの隣接する角度付き支柱に接続された第4の端部を有する、第1の端部と、
前記下側開口部に隣接し、かつ前記環状フレームのそれぞれの第2の角度付き支柱の第5の端部に接続された、第2の端部であって、前記第2の角度付き支柱が、前記環状フレームの別の隣接する角度付き支柱に接続された第6の端部を有する、第2の端部と、を有し、
前記交連ウィンドウそれぞれについて、前記環状フレームが、前記圧着状態と前記拡張状態との間の中間の第3の直径にあるとき、(h×y)/(h×y)が、0.8~1.2(両端を含む)の範囲内であり、式中、hは、前記第1の角度付き支柱の前記第3の端部から前記第4の端部までの前記軸方向に沿った距離であり、hは、前記第2の角度付き支柱の前記第5の端部から前記第6の端部までの前記軸方向に沿った距離であり、yは、前記第4の端部から前記クロスバーの中間までの前記軸方向に沿った距離であり、yは、前記第6の端部から前記クロスバーの中間までの前記軸方向に沿った距離である、請求項1~10のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項12】
前記環状フレームが、前記軸方向に実質的に平行に延在する複数の第2の支柱を更に備え、各第2の支柱が、開放セル格子構造内に配設されており、第1の支柱のうち隣接する支柱に結合されており、前記第2の支柱のうち少なくとも1つが、前記環状フレームの円周方向に沿って一対の前記交連ウィンドウの間に配設されている、請求項10又は11に記載の人工心臓弁。
【請求項13】
前記交連ウィンドウのうち少なくとも1つが、
前記環状フレームの前記軸方向に沿って延在し、前記環状フレームの円周方向に互いから離間している、第1の支柱及び第2の支柱であって、前記第1の支柱及び前記第2の支柱の各々が、前記環状フレームの前記軸方向に沿って離間した第1の端部及び第2の端部を有する、第1の支柱及び第2の支柱と、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱の前記第1の端部に接続された、第1の横方向支柱部分と、
前記第1の支柱及び前記第2の支柱の前記第2の端部に接続された、第2の横方向支柱部分と、を備え、
前記交連ウィンドウのうち少なくとも1つの前記クロスバーが、前記第1の支柱及び前記第2の支柱に接続されており、前記第1の横方向支柱部分と前記第2の横方向支柱部分との間に位置付けられており、
前記交連ウィンドウのうち少なくとも1つの前記上側開口部が、前記第1の支柱及び前記第2の支柱と、前記第1の横方向支柱部分と、前記クロスバーとの間に画定されており、
前記交連ウィンドウのうち少なくとも1つの前記下側開口部が、前記第1の支柱及び前記第2の支柱と、前記第2の横方向支柱部分と、前記クロスバーとの間に画定されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項14】
前記第1の横方向支柱部分から前記クロスバーの中間線まで測定された第1の距離と、前記第2の横方向支柱部分から前記クロスバーの前記中間線まで測定された第2の距離との比が、1~3の範囲内である、請求項13に記載の人工心臓弁。
【請求項15】
前記環状フレームが、流入端部及び流出端部を有し、前記交連ウィンドウそれぞれの前記上側開口部が、前記軸方向に沿って前記流出端部と前記下側開口部との間に配設されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の人工心臓弁。
【請求項16】
その近位端にハンドルを有する送達装置と、
前記送達装置の遠位端部分に結合された請求項1~15のいずれか一項に記載の人工心臓弁と、を備える、送達アセンブリ。
【請求項17】
拡張可能な環状フレームであって、前記環状フレームの軸方向に延在する第1のウィンドウ支柱部分及び第2のウィンドウ支柱部分、並びに前記環状フレームの円周方向に延在し、前記第1のウィンドウ支柱部分及び前記第2のウィンドウ支柱部分に反対側の端部で接続されたクロスバーを有し、前記クロスバー並びに前記第1のウィンドウ支柱部分及び前記第2のウィンドウ支柱部分が、H形状を有する交連ウィンドウを画定し、前記交連ウィンドウが、前記クロスバーの上流の第1の交連ウィンドウ部分、及び前記クロスバーの下流の第2の交連ウィンドウ部分を有する、拡張可能な環状フレームと、
前記拡張可能な環状フレーム内に配設された弁構造であって、前記弁構造が、第1の弁尖及び第2の弁尖を含み、前記第1の弁尖が、その第1の側縁部上に第1のタブを有し、前記第2の弁尖が、その第2の側縁部上に第2のタブを有し、前記第1のタブ及び前記第2のタブが、前記第1の交連ウィンドウ部分及び前記第2の交連ウィンドウ部分のうち少なくとも1つを通って延在して、前記第1の弁尖及び前記第2の弁尖を前記拡張可能な環状フレームに結合する交連の少なくとも一部分を形成する、弁構造と、を備える、人工心臓弁。
【請求項18】
前記第1のタブ及び前記第2のタブの各々が、第1のタブ部分及び第2のタブ部分を備え、前記第1のタブ及び前記第2のタブの前記第1のタブ部分が、前記第1の交連ウィンドウ部分を通って延在して、前記交連の第1の部分を形成し、前記第1のタブ及び前記第2のタブの前記第2のタブ部分が、前記第2の交連ウィンドウ部分を通って延在して、前記交連の第2の部分を形成する、請求項17に記載の人工心臓弁。
【請求項19】
前記クロスバーの上流に配設されており、前記第1のウィンドウ支柱部分及び前記第2のウィンドウ支柱部分に反対側の端部で接続された、第1の横方向支柱部分であって、前記第1の交連ウィンドウ部分の閉鎖端部を形成する、第1の横方向支柱部分と、
前記クロスバーの下流に配設されており、前記第1のウィンドウ支柱部分及び前記第2のウィンドウ支柱部分に反対側の端部で接続された、第2の横方向支柱部分であって、前記第2の交連ウィンドウ部分の閉鎖端部を形成する、第2の横方向支柱部分と、を更に備える、請求項17又は18に記載の人工心臓弁。
【請求項20】
人工心臓弁のための組み立て方法であって、
前記人工心臓弁の弁構造に第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することであって、各弁尖が一対のタブを有し、前記タブのうち一方のタブが、前記弁尖の中心線に対して前記タブのうち他方のタブから反対側にあり、前記タブそれぞれが、上側タブ部分及び下側タブ部分を有する、提供することと、
それぞれ、前記第1の弁尖の前記一対のタブの第1のタブの前記上側タブ部分及び前記下側タブ部分に隣接して、前記第2の弁尖の前記一対のタブの第2のタブの前記上側タブ部分及び前記下側タブ部分を配設することと、
前記人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブを運搬することであって、前記交連ウィンドウが、クロスバーによって前記環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、前記運搬することが、前記交連ウィンドウの半径方向内側から前記交連ウィンドウの半径方向外側に、前記環状フレームの半径方向に沿っており、これにより、前記上側タブ部分が、前記上側開口部を通して挿入され、前記下側タブ部分が、前記下側開口部を通して挿入される、運搬することと、
前記交連ウィンドウの前記半径方向外側に、前記第1の弁尖タブ及び前記第2の弁尖タブを固定することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記交連ウィンドウの前記上側開口部及び前記下側開口部が、側面図でH形状を形成するように配設されており、前記H形状の交連ウィンドウが、各々が前記環状フレームの前記軸方向に沿って延在する一対の支柱を有し、前記クロスバーが、前記一対の支柱間を、前記環状フレームの円周方向に沿って延在する、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年7月21日に出願された米国仮特許出願第63/054,394号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、人工心臓弁に関し、かつ弁尖アセンブリを形成し、そのような人工心臓弁のフレームに取り付けるための方法及びアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ヒト心臓は、様々な弁膜疾患に罹患し得る。これらの弁膜疾患は、心臓の著しい機能不全をもたらし、最終的に、天然の弁の修復又は天然の弁の人工弁との交換を必要とし得る。多数の既知の修復デバイス(例えば、ステント)及び人工弁、並びにこれらのデバイス及び弁をヒトに移植する多数の既知の方法がある。経皮的及び低侵襲的な外科的アプローチが、外科手術によって容易にはアクセス可能ではない、又は手術を伴わないアクセスが望ましい身体の内側の場所に人工医療デバイスを送達するために、様々な手技で使用される。1つの具体的な例では、人工心臓弁を、送達デバイスの遠位端上に圧着状態で装着し、人工弁が心臓内の移植部位に到達するまで、患者の血管系を通して(例えば、大腿動脈及び大動脈を通して)前進させることができる。次いで、人工弁は、例えば、人工弁が装着されているバルーンを膨張させること、人工弁に拡張力を加える機械的アクチュエータを作動させること、又は人工弁がその機能的サイズに自己拡張することができるように、送達デバイスのシースから人工弁を展開することによって、その機能的サイズに拡張する。拡張のために機械的アクチュエータに依存する人工弁は、「機械的に拡張可能な」人工心臓弁と称され得る。アクチュエータは、典型的には、送達装置のハンドルから人工弁に拡張力を伝達するように構成されたプルケーブル、縫合糸、ワイヤ、及び/又はシャフトの形態をとる。
【0004】
拡張可能な経カテーテル心臓弁は、環状金属フレーム又はステントと、フレーム内部に装着された人工弁と、を備えることができる。弁尖は、例えば、交連ウィンドウを通過すること、及び/又は交連ウィンドウに巻き付くことによって、交連タブアセンブリを介してフレームの一部分に取り付けられ得る。各交連タブアセンブリは、隣接する弁尖のタブを互いに接続することによって予め組み立てられ、次いで、縫合によって交連ウィンドウに取り付けられ得る。しかしながら、そのような交連タブアセンブリは、比較的複雑で、かつ組み立てに時間がかかる場合がある。更に、交連ウィンドウのある特定の構成は、信頼性の問題(例えば、人工心臓弁の拡張中の望ましくない形状の変化による)、及び/又は交連装着の問題に悩まされる場合がある。
【0005】
したがって、改善された人工心臓弁、及び人工心臓弁のフレームに弁尖アセンブリを固定するための方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
人工心臓弁及び人工心臓弁を組み立てるための方法の実施形態が、本明細書に記載される。複数の弁尖によって形成された弁構造は、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームによって支持されている。各弁尖は、一対のタブを有することができる。いくつかの実施形態では、各タブは、上側部分及び下側部分を有することができる。隣接する弁尖の対になったタブによって形成された交連は、対応する交連ウィンドウに結合されて、フレーム内で弁構造を支持することができる。各交連ウィンドウは、クロスバーによって互いから分離された上側及び下側の開口部又はチャネルを有することができる。例えば、各交連ウィンドウは、それぞれの側面図で実質的にH形状であり得、クロスバーは、弁の軸方向に沿って延在する一対の支柱間を接続する。H形状の交連ウィンドウの軸方向に延在する各支柱の厚さ、及び軸方向に沿ったクロスバーの位置は、フレームが完全拡張状態と圧着状態との間で移行する際に、H形状が変形しないか、又は最小限の変形を経験するように選択され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ対応する交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部を通って延在することができる。他の実施形態では、交連の対になったタブは、対応する交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部のうち1つのみを通って延在する。1つ以上のくさび部材が、タブ部分に結合され得る。くさび部材は、弁尖タブが交連ウィンドウを通って戻ることを防止し、それによって環状フレームに弁構造を保持することができる。したがって、開示される主題の実施形態は、人工弁のフレームに弁構造を確実に装着すると同時に、弁尖の動的部分を通って縫合糸を縫い合わせることを回避し(又は少なくともその影響を低減し)、それによって弁尖裂傷のリスクを低減するための、単純かつ費用効果の高い方法を提供し得る。
【0008】
1つの代表的な実施形態では、人工心臓弁のための組み立て方法が提供される。方法は、人工心臓弁の弁構造に第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することを含むことができる。各弁尖は、一対のタブを有することができ、タブのうち一方は、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にあり得る。各タブは、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有することができる。方法は、それぞれ、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分に隣接して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することを更に含むことができる。方法はまた、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含むことができる。方法は、第1の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を折り畳むことを更に含むことができる。方法はまた、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブを運搬することを含むことができる。交連ウィンドウは、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有することができる。運搬は、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、環状フレームの半径方向に沿っていることができる。運搬は、上側タブ部分が上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分が下側開口部を通して挿入されるようなものであり得る。方法は、第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の接面間、及び第1の弁尖タブの折り畳まれた下側タブ部分の接面間に、1つ以上のくさび部材を挿入することを更に含むことができる。方法はまた、第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳むことと、第1の弁尖タブの折り畳まれた下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、を含むことができる。方法は、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を更に含むことができる。
【0009】
別の代表的な実施形態では、人工心臓弁のための組み立て方法が提供される。方法は、人工心臓弁の弁構造に第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することを含むことができる。各弁尖は、一対のタブを有することができ、タブのうち一方は、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にあり得る。各タブは、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有することができる。方法は、第1のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分を配設することと、第2のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖タブの下側タブ部分を配設することと、を更に含むことができる。方法はまた、第1のくさび部材、及び第1の弁尖タブの少なくとも上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、第2のくさび部材、及び第1の弁尖タブの少なくとも下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含むことができる。方法は、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1のくさび部材、第2のくさび部材、及び第1の弁尖タブを運搬することを更に含むことができる。交連ウィンドウは、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有することができる。運搬は、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、環状フレームの半径方向に沿っていることができる。運搬は、第1の弁尖タブの上側タブ部分及び第1のくさび部材が、上側開口部を通して挿入され、第1の弁尖タブの下側タブ部分及び第2のくさび部材が、下側開口部を通して挿入されるようなものであり得る。方法はまた、交連ウィンドウを通して第2の弁尖の一対のタブの第2のタブを運搬することを含むことができる。運搬は、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、半径方向に沿っていることができ、これにより、第2の弁尖タブの上側タブ部分は、上側開口部を通って挿入され、第2の弁尖タブの下側タブ部分は、下側開口部を通って挿入される。方法は、第1の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳むことと、第1の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、を更に含むことができる。方法はまた、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、第2のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含むことができる。
【0010】
別の代表的な実施形態では、人工心臓弁のための組み立て方法が提供される。方法は、人工心臓弁の弁構造に第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することを含むことができる。各弁尖は、一対のタブを有することができ、タブのうち一方は、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にあり得る。各タブは、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有することができる。方法は、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブを運搬することと、交連ウィンドウを通して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブを運搬することと、を更に含むことができる。交連ウィンドウは、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有することができる。運搬は、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、環状フレームの半径方向に沿っていることができる。運搬は、上側タブ部分が上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分が下側開口部を通して挿入されるようなものであり得る。方法はまた、1つ以上のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することを含むことができる。方法は、第1の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳むことと、第1の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、を更に含むことができる。方法はまた、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含むことができる。
【0011】
別の代表的な実施形態では、人工心臓弁のための組み立て方法が提供される。方法は、人工心臓弁の弁構造に第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することを含むことができる。各弁尖は、一対のタブを有することができ、タブのうち一方は、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にあり得る。各タブは、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有することができる。方法は、第1のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分を配設することを更に含むことができる。方法はまた、第1のくさび部材、及び第1の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせることを含むことができる。方法は、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖タブの下側タブ部分を運搬することを含むことができる。交連ウィンドウは、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有することができる。運搬は、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、環状フレームの半径方向に沿っていることができる。運搬は、第1の弁尖タブの下側タブ部分が下側開口部を通って延在するようなものであり得る。方法はまた、第1の弁尖タブの上側タブ部分が上側開口部を通って延在するように、交連ウィンドウの半径方向内側から、交連ウィンドウの上側開口部を通して又はその上を、交連ウィンドウの半径方向外側に、第1のくさび部材及び第1の弁尖タブの上側タブ部分を運搬することを含むことができる。方法は、第1のくさび部材の周囲で、第1の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことを更に含むことができる。方法はまた、交連ウィンドウを通して第2の弁尖の一対のタブの第2のタブを運搬することを含むことができる。第2のタブを運搬することは、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、半径方向に沿っていることができる。第2のタブを運搬することは、第2の弁尖タブの上側タブ部分が上側開口部を通って挿入され、第2の弁尖タブの下側タブ部分が下側開口部を通って挿入されるようなものであり得る。方法は、第1の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳むことと、第1の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、を更に含むことができる。方法はまた、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を一緒に縫い合わせることを含むことができる。
【0012】
別の代表的な実施形態では、人工心臓弁は、拡張可能な環状フレーム及び弁構造を備えることができる。拡張可能な環状フレームは、複数の交連ウィンドウを有することができる。弁構造は、交連ウィンドウに結合され得る。弁構造は、複数の弁尖を含むことができる。隣接する弁尖のタブは、開示される組み立て方法のいずれかに従って、交連ウィンドウのそれぞれ1つに結合され得る。
【0013】
別の代表的な実施形態では、人工心臓弁は、拡張可能な環状フレーム及び弁構造を備えることができる。拡張可能な環状フレームは、複数の交連ウィンドウを有することができる。弁構造は、複数の弁尖を含むことができる。各弁尖は、一対のタブを有することができ、それらのうち一方は、弁尖の中心線に対してもう一方から反対側にあり得る。各タブは、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有することができる。弁構造は、隣接する弁尖の対になったタブによって形成された複数の交連を有することができる。各交連は、交連ウィンドウのうち対応する1つに結合されて、環状フレーム内で弁構造を支持することができる。各交連ウィンドウは、それぞれのクロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有することができる。各タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ上側開口部及び下側開口部を通って、それぞれの交連ウィンドウの半径方向外側に延在することができる。環状フレームは、第1の直径を有する圧着状態と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する拡張状態との間で拡張可能であり得る。
【0014】
本開示の様々な革新は、組み合わせて、又は別々に使用され得る。この要約は、以下の詳細な説明で更に記載される、簡略化された形態での概念の選択を紹介するために提供される。この要約は、請求された主題の主要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、請求された主題の範囲を制限するために使用されることも意図していない。本発明の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面の参照を進める以下の詳細な説明からより明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】H形状の交連ウィンドウを有する例示的な人工心臓弁の斜視図である。
図2図1の人工弁の例示的なフレームの斜視図である。
図3A図2の人工心臓弁フレームの例示的なH形状の交連ウィンドウの側面図及び詳細図である。
図3B図2の人工心臓弁フレームの例示的なH形状の交連ウィンドウの側面図及び詳細図である。
図3C】人工心臓弁が完全拡張構成と圧着構成との間の中間の構成にあるときの、図3AのH形状の交連ウィンドウ及び周囲の角度付き支柱の断面の詳細図である。
図4A】圧着構成及び拡張構成にある、図2の人工心臓弁フレームの側面図である。
図4B】圧着構成及び拡張構成にある、図2の人工心臓弁フレームの側面図である。
図5】人工心臓弁のための弁尖アセンブリを形成するために使用される個々の弁尖の平面図である。
図6図2の人工心臓弁フレームのH形状の交連ウィンドウへの交連の例示的な組み立てを示す、簡略化した斜視図である。
図7A】第1の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通した挿入前の、交連の一対の弁尖タブの結合を例示する、簡略化した上面図及び斜視図である。
図7B】第1の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通した挿入前の、交連の一対の弁尖タブの結合を例示する、簡略化した上面図及び斜視図である。
図8】第1の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通る図7A~7Bの弁尖タブの挿入、くさび部材の挿入、及び弁尖タブの更なる取り付けを例示する、簡略化した上面図である。
図9】第1の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通る図7A~7Bの弁尖タブの挿入、くさび部材の挿入、及び弁尖タブの更なる取り付けを例示する、簡略化した上面図である。
図10】第1の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通る図7A~7Bの弁尖タブの挿入、くさび部材の挿入、及び弁尖タブの更なる取り付けを例示する、簡略化した上面図である。
図11】第2の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通る弁尖タブの挿入、くさび部材の挿入、及び弁尖タブの更なる取り付けを例示する、簡略化した上面図である。
図12】第2の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通る弁尖タブの挿入、くさび部材の挿入、及び弁尖タブの更なる取り付けを例示する、簡略化した上面図である。
図13】第2の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通る弁尖タブの挿入、くさび部材の挿入、及び弁尖タブの更なる取り付けを例示する、簡略化した上面図である。
図14】第3の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通した挿入前の、交連の一対の弁尖タブ及びくさび部材の結合を例示する、簡略化した上面図である。
図15】第3の例示的な組み立て方法に従った、H形状の交連ウィンドウを通した挿入後の、図14の交連及びくさびを例示する、簡略化した斜視図である。
図16】部分的に示されている、心臓の天然の大動脈弁内に移植されている人工弁の一実施形態の側面図である。
図17A図2の人工心臓弁フレームの別の例示的なH形状の交連ウィンドウの側面図及び詳細図である。
図17B図2の人工心臓弁フレームの別の例示的なH形状の交連ウィンドウの側面図及び詳細図である。
図18】本明細書に開示される人工弁のうちいずれかに組み込まれ得る個々の弁尖の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書の目的のために、本開示の実施形態のある特定の態様、利点、及び新規の特徴が、本明細書に記載される。開示される方法、装置、及びシステムは、いかなる方法でも制限するものと解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、並びに互いとの様々な組み合わせ及び部分的な組み合わせで、開示された様々な実施形態の全ての新規かつ非自明な特徴及び態様を対象とする。方法、装置、及びシステムが、任意の特定の態様若しくは特徴、又はそれらの組み合わせに限定されることもなく、また開示される実施形態が、任意の1つ以上の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要とすることもない。任意の実施例からの技術は、他の実施例のうち任意の1つ以上に記載される技術と組み合わされ得る。開示される技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例示される実施形態が、好ましい実施例に過ぎず、開示される技術の範囲を限定するものとみなされるべきではないことが、認識されるべきである。
【0017】
開示される実施形態のうちいくつかの動作は、提示の便宜上、特定の連続的な順序で記載されるが、特定の順序が以下に記載される特定の用語によって要求されない限り、この記載方法が並べ替えを包含することが理解されるべきである。例えば、連続的に記載される動作は、場合によっては、並べ替えされてもよいか、又は同時に実施されてもよい。更に、簡略化のために、添付図面は、開示される方法が他の方法と併用され得る様々な方法を示さない場合がある。更に、本記載は時に、開示される方法を説明するために、「提供する」又は「達成する」のような用語を使用する。これらの用語は、実施される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装に応じて異なり得、当業者によって容易に認識可能である。
【0018】
人工心臓弁アセンブリ、並びに人工心臓弁の移植及び構造に関連して本明細書で使用される場合、「近位」が、使用者、及び患者の外側にある送達システムのハンドルにより近い構成要素の位置、方向、又は部分を指す一方で、「遠位」は、使用者及びハンドルから更に離れ、移植部位により近い構成要素の位置、方向、又は部分を指す。「長手方向」及び「軸方向」という用語は、別途明示的に定義されない限り、近位方向及び遠位方向に延在する軸を指す。
【0019】
人工心臓弁のフレームの幾何学的形状に対して、構成要素の配置及びそれぞれのウィンドウへの交連の組み立てを説明するために、「軸方向」、「半径方向」、及び「円周方向」という用語が使用されている。そのような用語は、説明の便宜上使用されているが、開示される実施形態は、この説明に厳格に限定されていない。具体的には、構成要素又は作用が特定の方向に対して説明される場合、指定された方向に平行な方向並びにそこからのわずかな逸脱。したがって、フレームの軸方向に沿って延在する構成要素の説明は、構成要素がフレームの中心と一直線になることを必要とせず、むしろ、構成要素は、フレームの中心軸に平行な方向に実質的に沿って延在することができる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「一体的に形成される」及び「一体構造」という用語は、別々に形成された材料片を互いに固定するための任意の溶接、締結具、又は他の手段を含まない構造を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「同時に(simultaneously)」又は「同時に(concurrently)」生じる動作は、互いと概して同じ時間に生じるが、例えば、構成要素間の間隔に起因する、もう一方に対する動作の発生の遅延は、特定の反対の用語がない限り、明示的に上記の用語の範囲内にある。
【0022】
本出願及び特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形を含む。更に、「有する」又は「含む」という用語は、「備える」を意味する。更に、「結合される」及び「接続される」という用語は、概して、電気的、電磁的、及び/又は物理的に(例えば、機械的若しくは化学的に)結合又は連結されることを意味し、特定の反対の用語がないのに、結合又は関連した項目間の中間要素の存在を排除しない。本明細書で使用される場合、「及び/又は」は、「及び」又は「又は」、並びに「及び」及び「又は」を意味する。
【0023】
方向及び他の相対的な参照は、本明細書の図面及び原理の考察を促進するために使用され得るが、限定することを意図するものではない。例えば、「内」、「外」、「上側」、「下側」、「内側」、「外側」、「頂部」、「底部」、「内部」、「外部」、「左」、「右」などのある特定の用語が使用され得る。そのような用語は、該当する場合、特に例示される実施形態に関して、相対的な関係を扱うとき、説明のある程度の明瞭さを提供するために使用される。しかしながら、そのような用語は、絶対的な関係、位置、及び/又は配向を暗示することを意図するものではない。例えば、物体に関して、単に物体をひっくり返すことによって、「上側」の部分が「下側」の部分になり得る。それでもなお、それは同じ部分であり、物体は同じままである。
【0024】
人工心臓弁、人工心臓弁のための交連ウィンドウ及び弁尖を有する環状フレーム、並びに環状フレームの交連ウィンドウへと弁尖を組み立てて、人工心臓弁を形成するための方法が、本明細書に記載される。複数の弁尖によって形成される弁構造は、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームによって支持されている。弁尖の各タブは、間隙によって互いから分離された上側部分及び下側部分を有することができる。隣接する弁尖の対になったタブによって形成された交連は、対応する交連ウィンドウに結合されて、フレーム内で弁構造を支持する。各交連ウィンドウは、クロスバーによって互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有することができる。上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ対応する交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部を通って延在することができる。タブ部分に結合された1つ以上のくさび部材は、弁尖タブが交連ウィンドウを通って戻ることを防止し、それによって環状フレームに弁構造を保持することができる。結果として、人工心臓弁の組み立て及び使用中に、人工心臓弁のための弁尖アセンブリの位置が効果的に定位置に係止され得、人工心臓弁のフレームに弁尖アセンブリを固定するための時間及び労力が削減され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、各交連ウィンドウは、それぞれの側面図で実質的にH形状であり得、クロスバーは、弁の軸方向に沿って延在する一対の支柱間を接続する。H形状の交連ウィンドウの軸方向に延在する各支柱の厚さ、及び軸方向に沿ったクロスバーの位置は、フレームが完全拡張状態と圧着状態との間で移行する際に、H形状が変形しないか、又は最小限の変形を経験し、それによって、弁尖の損傷及び/又はフレームからの弁尖の離脱のリスクを低減するように選択され得る。
【0026】
図1~4Bは、開示される主題の1つ以上の実施形態に従った、例示的な人工心臓弁100の様々な特徴を例示する。人工心臓弁100は、例えば、図4Aに例示されるような、患者内への送達のための半径方向に圧縮された構成(例えば、圧着状態)と、例えば、図1及び4Bに例示されるような、半径方向に拡張した構成(例えば、展開状態)との間で、半径方向に圧縮可能及び拡張可能であり得る。特定の実施形態では、人工心臓弁100は、天然の大動脈弁輪内に移植され得るが、天然の僧帽弁、天然の肺動脈弁、又は天然の三尖弁内を含む、心臓内の他の位置に移植され得る。
【0027】
人工心臓弁100は、環状ステント又はフレーム102を含むことができる。フレーム102は、第1の軸方向端部116及び第2の軸方向端部118を有することができる。図示される実施形態では、第1の軸方向端部116は、流出端部であり得、第2の軸方向端部118は、流入端部であり得る。流出端部116は、経大腿動脈逆行性送達アプローチを使用して、天然の大動脈弁内に人工心臓弁100を送達及び移植するための送達装置に結合され得る。したがって、人工心臓弁の送達構成では、流出端部116は、人工弁の最近位端とみなされ得る。他の実施形態では、流入端部118が代わりに、交換される特定の天然の弁及び使用される送達技術(例えば、経中隔、経心尖など)に応じて、送達装置に結合され得る。例えば、経中隔送達アプローチを介して天然の僧帽弁に人工心臓弁を送達するとき、流入端部118が送達装置に結合され得る(したがって、送達構成において、人工心臓弁の最近位端になるであろう)。
【0028】
いくつかの実施形態では、フレーム102又はその構成要素(例えば、支柱及び/又は締結具)は、当該技術分野で既知のような、様々な好適な塑性的に拡張可能な材料(例えば、ステンレス鋼など)又は自己拡張材料(例えば、ニチノールなどのニッケルチタン合金(NiTi))のうちいずれかで作製され得る。フレーム102を形成するために使用され得る好適な塑性的に拡張可能な材料としては、ステンレス鋼、生体適合性高強度合金(例えば、コバルト-クロム若しくはニッケル-コバルト-クロム合金)、ポリマー、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、フレーム102は、UNS R30035合金(ASTM F562-02によって適用)と同等である、MP35N(登録商標)合金(SPS Technologies、Jenkintown,Pennsylvania)などの、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金で作製される。MP35N(登録商標)合金/UNS R30035合金は、重量で35%のニッケル、35%のコバルト、20%のクロム、及び10%のモリブデンを含む。
【0029】
塑性的に拡張可能な材料から構成される場合、フレーム102(及びしたがって、人工弁100)は、送達カテーテル上で半径方向に崩壊した構成に圧着され、次いで、膨張可能なバルーン又は同等の拡張機構によって患者内で拡張し得る。例えば、図4A~4Bは、膨張可能なバルーン154を使用した、圧着状態(例えば、図4A)から展開状態(例えば、図4B)のフレーム102の拡張を例示する。自己拡張可能な材料から構成されるとき、フレーム102(及びしたがって、人工弁100)は、半径方向に崩壊した構成に圧着され、送達カテーテルのシース又は同等の機構に挿入することによって、崩壊構成で拘束され得る。体内に入ると、人工弁は、送達シースから前進することができ、これは、人工弁が、その機能的サイズに拡張することを可能にする。
【0030】
例えば、図16を参照すると、ハンドル902を含む送達装置900を使用して、以下の例示的な様式で、人工弁100を送達及び移植することができる。人工弁100は、半径方向に圧縮された状態で送達装置900の遠位端部分906上に配設され得る。人工弁100は、膨張可能なバルーン904(例えば、バルーン154)、又は人工弁100を半径方向に拡張するために使用され得る別のタイプの拡張部材上に圧着され得る。人工弁100を含む送達装置900の遠位端部分906は、血管系を通って選択された移植部位に(例えば、以前に移植された宿主弁内及び/又は天然の弁内に)前進することができる。例示される実施形態では、送達装置900の遠位端部分及び人工弁100は、大腿動脈に挿入され、大腿動脈及び大動脈を通って前進し、天然の大動脈弁800又は天然の大動脈弁800内に以前に移植された宿主弁内に位置付けられる。次いで、人工弁100は、バルーン904を膨張させることなどによって、移植部位で展開され得る。人工弁100(又は本明細書に開示される任意の他の人工弁)などの塑性的に拡張可能な人工弁を送達及び移植するために使用され得る送達装置の更なる詳細は、米国特許出願公開第2017/0065415号、同第2016/0158497号、及び同第2013/0030519号に開示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
移植される人工弁100が自己拡張可能な人工弁である場合、人工弁は、患者の血管系を通って所望の移植部位に挿入されて前進するとき、送達装置の送達カプセル又はシース内に半径方向に圧縮された状態で保持され得る。所望の移植部位に位置付けられると、人工弁は、送達カプセルから展開することができ、これは、人工弁が、天然の弁又は以前に移植された宿主弁内で、その半径方向に拡張した機能的サイズに自己拡張することを可能にする。自己拡張可能な人工弁(フレームがニチノールなどの自己拡張可能な材料から構成されるときに、本明細書に開示される人工弁のうちいずれかを含む)を送達及び移植するために使用され得る送達装置の更なる詳細は、米国特許出願公開第2014/0343670号及び同第2010/0049313号に開示され、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
いくつかの実施形態では、フレーム102の支柱は、フレーム102の半径方向の拡張及び収縮を可能にするために、互いに対して枢動可能又は屈曲可能である。例えば、フレーム102は、単一の材料片(例えば、金属管)から(例えば、レーザー切断、電気鋳造、又は物理蒸着を介して)形成され得る。他の実施形態では、フレーム102は、個々の構成要素(例えば、フレームの支柱及び締結具)を形成し、次いで、個々の構成要素を一緒に機械的に組み立て、接続することによって構成され得る。例えば、図1~4Bに例示される支柱構造の代わりに、フレームは、米国特許出願公開第2018/0153689号、同第2018/0344456号、及び同第2019/0060057号(これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、各支柱の長さに沿って1つ以上の枢動継手で互いに枢動可能に結合された、個々の対角線上に延在する支柱を有することができる。フレーム102及び/又は人工心臓弁100の例示的な構造に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2012/0123529号及び同第2019/0365530号、米国仮特許出願第62/869,948号、国際公開第2020/081893号、及び国際特許出願第US2019/056865号に記載され、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
図2~3Aに例示されるように、フレーム102は、フレーム102の円周方向(C)に沿って延在するように、フレーム102の軸方向(A)に対して角度付きである複数の支柱を含むことができる。支柱は、円周方向に延在する列、例えば、フレーム102の流出端部116で端から端まで配置され、円周方向に延在する、角度付き支柱138及び角度付き支柱130の第1の列171、端から端まで配置され、円周方向に延在する、角度付き支柱132及び140の第2の列173、端から端まで配置され、円周方向に延在する、角度付き支柱142の第3の列175、並びにフレーム102の流入端部118で端から端まで配置され、円周方向に延在する、角度付き支柱148の第4の列177に編成され得る。いくつかの実施形態では、第1の列171の支柱130、138の軸方向に対する角度の大きさは、第4の列177の支柱148と同じ、又は実質的に(例えば、10%以内)類似し得る。いくつかの実施形態では、第2の列173の支柱132、140及び/又は第3の列175の支柱142の軸方向に対する角度の大きさは、第1の列171の支柱130、138及び/又は第4の列177の支柱148の角度とは異なり得る。
【0034】
第1の列171内で、角度付き支柱130、138は、継手又はユニオン134を介して、隣接する角度付き支柱130、138に接続することができる(例えば、それらと接合すること、又はそれらと一体的に形成されることによって)。同様に、第4の列177内で、角度付き支柱148は、継手又はユニオン150を介して、隣接する角度付き支柱148に接続することができる(例えば、それらと接合すること、又はそれらと一体的に形成されることによって)。第2の列173の角度付き支柱132、140及び第3の列175の角度付き支柱142は、継手又はユニオン144を介して、互いに接続することができる(例えば、互いと接合すること、又は互いと一体的に形成されることによって)。第3の列175の角度付き支柱142及び第4の列177の角度付き支柱148は、継手又はユニオン146を介して、互いに接続することができる(例えば、互いと接合すること、又は互いと一体的に形成されることによって)。
【0035】
第1の列171と第2の列173との間で、フレーム102は、複数の支持支柱136及び複数の交連ウィンドウ114を更に含むことができる。各支持支柱136は、フレーム102の軸方向(A)に実質的に平行に延在することができる。各支持支柱136は、その第1の端部で(例えば、フレーム102の流出端部116に最も近い)、第1の列171の角度付き支柱138の隣接する対に接続することができ(例えば、それと接合すること、又はそれと一体的に形成されることによって)、その反対側の第2の端部で(フレーム102の流入端部118に最も近い)、第2の列173の角度付き支柱140の隣接する対に接続することができる(例えば、それと接合すること、又はそれと一体的に形成されることによって)。同様に、各交連ウィンドウ114は、その第1の端部で(例えば、フレーム102の流出端部116に最も近い)、第1の列171の角度付き支柱130の隣接する対に接続することができ(例えば、それと接合すること、又はそれと一体的に形成されることによって)、その反対側の第2の端部で(フレーム102の流入端部118に最も近い)、第2の列173の角度付き支柱132の隣接する対に接続することができる(例えば、それと接合すること、又はそれと一体的に形成されることによって)。
【0036】
角度付き支柱、支持支柱、交連ウィンドウ、及び他のフレーム部分は、開放セル格子構造を集合的に画定し、セル200~208の各々は、環状フレームの半径方向(R)に沿って開放している。弁100の流出端部116では、各セル200は、少なくとも部分的に、第1の列171の一対の角度付き支柱138、一対の支持支柱136、及び第2の列173の一対の角度付き支柱140によって画定され得る。また、弁100の流出端部116では、各セル206は、少なくとも部分的に、第1の列171の角度付き支柱130及び角度付き支柱138、支持支柱136、交連ウィンドウ114、並びに第2の列173の角度付き支柱132及び角度付き支柱140によって画定され得る。弁の流入端部118では、各セル202は、少なくとも部分的に、第3の列175の一対の角度付き支柱142、及び第4の列177の一対の角度付き支柱148によって画定され得る。軸方向に沿って、流出端部のセル200と流入端部のセル202との間で、各セル204は、少なくとも部分的に、第2の列173の一対の角度付き支柱140、及び第3の列175の一対の角度付き支柱142によって画定され得る。軸方向に沿って、流出端部のセル206と流入端部のセル202との間で、各セル208は、少なくとも部分的に、第2の列173の一対の角度付き支柱132、及び第3の列175の一対の角度付き支柱142によって画定され得る。
【0037】
例示される実施形態では、流出端部116の各セル200、206は、流入端部118のセル202よりも大きい、それぞれの開放領域を有する。セル204、208の各々は、流出端部セル200、206と流入端部セル202との間にある、それぞれの開放領域を有することができる。流出端部116でのセル200、206の比較的より大きい開口部は、例えば、弁100の圧着プロファイルを最小化するために、フレーム102が圧着されたとき、弁構造の弁尖の一部分がセルの開口部の中に、及び/又はセルの開口部を通して突出又は隆起することを可能にすることができる。他の実施形態では、セル200~208は、実質的に同じ開放領域を有することができ、流入端部118のセル202が、セル200、206の代わりに最大の開放領域を有することができるか、又は中間セル204、208が、セル200、206の代わりに最大の開放領域を有することができる。
【0038】
フレーム102は、弁構造106をフレーム102に結合するよう適合された、複数の円周方向に離間した交連ウィンドウ114で形成され得る。具体的には、弁構造106の各交連112は、交連ウィンドウ114のそれぞれ1つに装着されている。支持支柱136及び交連ウィンドウ114は、フレーム102の円周方向に沿って等間隔で配設され得る。例示される実施形態では、弁構造106は、3つの弁尖110(例えば、三尖弁構成)を含み、交連ウィンドウ114は、フレーム102の円周に沿って120°の間隔(すなわち、0°、120°、及び240°)で等しく離間している。一対の支持支柱136は、交連ウィンドウ114の各連続的な対の間でフレームの円周に沿って配設され、互いから等しく離間している。したがって、支持支柱136又は交連ウィンドウ114のいずれかは、例えば、40°の間隔毎に、フレーム102の円周の周囲に規則的な間隔で配設され得る。
【0039】
支持支柱136及び交連ウィンドウ114の他の間隔及び数も、1つ以上の企図される実施形態に従って可能である。例えば、単一の支持支柱136が、交連ウィンドウ114の各連続的な対の間に配設され得る。そのような例では、支持支柱136又は交連ウィンドウ114のいずれかは、フレーム102の円周の周囲に60°の間隔で配設され得る。別の例では、弁構造106は、2つの弁尖110(例えば、二尖弁構成)を含み、交連ウィンドウ114は、フレームの反対側に配設されている(例えば、フレームの同じ直径上に整列されている)。複数の支持支柱136は、一対の交連ウィンドウ114間でフレームの円周に沿って配設され得、各支持支柱136は、別の支持支柱136からのフレームの反対側に配置され得る(例えば、両方とも、フレームの同じ直径上に整列されている)。
【0040】
図2A~3Bに示されるように、各交連ウィンドウ114は、一対のウィンドウ支柱122、124及びクロスバー120によって形成され得る。ウィンドウ支柱122、124は、フレーム102の軸方向に実質的に平行に延在することができる。各交連ウィンドウ122、124は、その第1の端部で(例えば、フレーム102の流出端部116に最も近い)、隣接する角度付き支柱130の隣接する対に接続し(例えば、それと接合すること、又はそれと一体的に形成されることによって)、その第2の端部で(フレーム102の流入端部118に最も近い)、隣接する角度付き支柱132に接続することができる(例えば、それと接合すること、又はそれと一体的に形成されることによって)。クロスバー120は、円周方向に沿ってウィンドウ支柱122、124の間に延在し、ウィンドウ支柱122、124と接続し、それによってウィンドウ支柱122、124の間の間隔を、上側ウィンドウ又は開口部126及び下側ウィンドウ又は開口部128に分けることができる。例えば、各交連ウィンドウ114は、それぞれの側面図で実質的にH形状を有するように構成されている。
【0041】
第1の端部のウィンドウ支柱122、124の一部分の接面、及びクロスバー120の上側表面によって画定される上側開口部126は、弁100の軸方向に沿って流出端部116に対して開放し得る。第2の端部のウィンドウ支柱122、124の一部分の接面、及びクロスバー120の下側表面によって画定される下側開口部128は、弁100の軸方向に沿って隣接するセル208に対して開放し得る。ウィンドウ114の下側開口部128は、ユニオン146によって弁100の流入端部118に対して閉鎖され、これは、弁100の流入端部118に対してセル208を閉鎖する。しかしながら、他の実施形態では、セル208のユニオン146は省略され、それによって、交連ウィンドウ114の下側開口部128が流入端部118に対して開放していると同時に、交連ウィンドウ114の上側開口部126が流出端部118に対して開放することを可能にすることができる。更に他の実施形態では、交連ウィンドウ114の上側開口部126が、(例えば、上側開口部126の端部で角度付き支柱130間に別のクロスバー又はユニオンを提供することによって)流出端部116に対して閉鎖され得る一方で、交連ウィンドウ114の下側開口部128は、(例えば、セル208のユニオン146の除去を介して)流入端部118に対して開放し得る。
【0042】
ウィンドウ支柱122、124は、円周方向に沿って互いから間隙幅、W、離間し得る。したがって、上側開口部126及び下側開口部128のサイズは、支柱122、124間の間隔及びクロスバー120の位置によって画定される。別の方法として、上側開口部126は、下側開口部128の間隙幅とは異なる間隙幅を有することができる。いくつかの実施形態では、間隙幅Wは、交連ウィンドウ114の開口部126、128に挿入される弁尖タブのサイズに基づいて画定され得る。例えば、間隙幅Wは、弁尖タブの厚さの2倍超、及び/又は弁尖タブの厚さの4倍未満であり得る。したがって、一対の弁尖タブによって形成された交連112は、各開口部126、128の間隙幅Wを通して挿入され得るが、以下に更に詳述されるように、1つ以上のくさび部材と組み合わせて、弁尖タブを折り畳むと開口部を通過して戻ることが防止される。
【0043】
交連ウィンドウ114は、ウィンドウ支柱122、124の第1の端部(例えば、流出端部116に最も近い端部)と、ウィンドウ支柱122、124の第2の端部(例えば、流入端部118に最も近い端部)との間でフレーム102の軸方向に沿って、長さLを有することができる。いくつかの実施形態では、クロスバー120は、例えば、流出端部116とウィンドウ支柱中間点との間で、フレーム102の軸方向に沿ったウィンドウ支柱122、124の中間点(例えば、L/2)からずれ得る。例えば、ウィンドウ支柱122の第1の端部からクロスバー120の中間まで測定される上側開口部126の長さ、Lは、ウィンドウ支柱122、124の第2の端部からクロスバー120の中間まで測定される長さ、Lよりも小さく、これにより、上側開口部126は、下側開口部128よりも小さい(例えば、軸方向又は開放範囲に沿った寸法に関して)。例えば、L対Lの比(例えば、L/L)は、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、各ウィンドウ支柱122、124は、周囲の角度付き支柱130、132の幅よりも比較的大きい、フレーム102の円周方向に沿った幅、Wを有することができる。例えば、各角度付き支柱130、132は、その延在方向に垂直な方向で測定される幅、Wを有することができ、Wは、Wより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、他の角度付き支柱138、140、142、及び148は各々、角度付き支柱130、132の幅Wと同じ又は実質的に同様(例えば、10%以内)である幅を有することができる。したがって、各ウィンドウ支柱122、124は、フレーム102の角度付き支柱よりも幅が広くてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、交連ウィンドウ114の構成要素のサイズ決定及び/又は位置は、弁100の圧着(図4A)構成と完全拡張(図4B)構成との間の移行中に、支柱122、124に沿った凸状又は凹状の輪郭の形成を回避するように調整され得る。例えば、ウィンドウ支柱122、124の幅Wを増加させることによって、ウィンドウ支柱の剛性が増大し得、これにより、支柱は、移行中に実質的に直線的な輪郭を維持する。あるいは又は加えて、交連ウィンドウ114の構成要素のサイズ決定及び/又は位置は、弁100が圧着(図4A)構成と完全拡張(図4B)構成との間で移行する際に、上側開口部126及び/又は下側開口部128の間隙幅Wが実質的に一定のまま(例えば、10%未満の変動)であるように調整され得る。例えば、軸方向に沿って特定の位置にクロスバー120を位置付けることによって、支柱122、124の第1の端部に作用する円周方向の力は、支柱122、124の第2の端部に作用する円周方向の力とバランスをとることができる。ウィンドウ支柱122、124の増加した幅と組み合わせて、バランスをとることは、上側開口部及び下側開口部の幅Wが、移行中に実質的に一定のままであることを可能にすることができる。
【0046】
例えば、フレーム102の軸方向に沿ったクロスバー120の位置、及びウィンドウ支柱122、124の幅Wの両方は、フレーム102が完全拡張状態と圧着状態との間で移行する際に、交連ウィンドウ114の形状が変形しないか、又は最小限の変形(例えば、10%以下の変動)のみを経験して、弁尖の損傷及び/又は離脱のリスクを低減するように選択され得る。いくつかの実施形態では、有限要素解析(FEA)を使用して、支柱122、124の幅及びクロスバー120の軸方向位置の最適値を決定することができ、これらの値は、弁フレーム102の特定の構造(例えば、材料組成、開放セルの数及び形状、隣接する支柱130、132のサイズ及び角度など)に依存し得る。
【0047】
あるいは又は加えて、クロスバー120の軸方向位置は、角度付き支柱130、132の軸方向に沿った相対位置に基づき得る。図3Cは、弁100が完全拡張状態と圧着状態との間の中間の構成にあるときの、交連ウィンドウ114及び周囲の角度付き支柱130、132の断面図を示す。図3C中、hは、支柱130の一端(ウィンドウ支柱122の第1の端部に隣接する)から支柱130の反対側の端部(ユニオン134における)まで測定される、角度付き支柱130の軸方向に沿った相対長さを表し、hは、支柱132の一端(ウィンドウ支柱122の第2の端部に隣接する)から支柱132の反対側の端部(ユニオン144における)まで測定される、角度付き支柱132の軸方向に沿った相対長さを表す。角度付き支柱130は、クロスバー120の中間からユニオン134における支柱130の端部まで軸方向に沿って測定される、相対距離yに関連している。角度付き支柱132はまた、クロスバー120の中間からユニオン144における支柱132の端部まで軸方向に沿って測定される、相対距離yに関連している。交連ウィンドウ114の変形を回避(又は少なくとも低減)するために、クロスバー120の位置は、(h×y)/(h×y)が、0.8~1.2(両端を含む)の範囲内、好ましくは0.9~1.1(両端を含む)の範囲内であるように選択され得る。例えば、クロスバー120の位置は、
(h×y)/(h×y)≒1であるように選択され得る。上述の値は、フレーム102が中間にあるときに測定される(例えば、完全拡張(D)状態と圧着(D)状態との間の平均直径、D=(D-D)/2)における)、h、h、y、及びyについてであることに留意されたい。
【0048】
クロスバーの位置を使用して、ウィンドウ支柱122の幅Wは、角度付き支柱130、132によって加えられる力に基づいて導き出され得、これにより、圧着状態と拡張状態との間の移行中の角度付き支柱130に円周方向に沿って加えられる最大の力(例えば、F)は、ウィンドウ支柱122の第1の端部の最小限の偏向をもたらし、状態間の移行中の角度付き支柱132に円周方向に沿って加えられる最大の力(例えば、F)は、ウィンドウ支柱122の第2の端部の最小限の偏向をもたらす。いくつかの実施形態では、交連ウィンドウ114の他のウィンドウ支柱124は、力の対称的印加のために、ウィンドウ支柱122の寸法と同一の寸法(例えば、幅W及び軸方向に沿った長さ)を有することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、各支持支柱136はまた、周囲の角度付き支柱138、140よりも比較的大きいフレーム102の円周方向に沿った幅を有することができる。例えば、角度付き支柱138、140はまた、その延在方向に垂直な方向で測定される幅、Wを有することができ、支持支柱136の最小幅は、Wより大きくてもよい。例示される実施形態では、各支持支柱136は、フレーム102の軸方向に沿って変動する幅(円周方向に沿って測定される)を有することができる。例えば、支持支柱136の反対側の端部が、比較的より大きい幅を有することができる一方で、反対側の端部間の中間部分は、比較的より小さい幅を有することができる。したがって、各支持支柱136は、それぞれの側面図でドッグボーン形状を有することができ、凹部152は、支柱136のより大きい幅の端部間に形成されている。フレーム102が(例えば、図4Aに示される)圧着構成にあるとき、支持支柱136のドッグボーン形状は、隣接する交連ウィンドウ114の対向支柱122、124の形状を補完することができ、対向支柱122、124の一部分は、凹部152内に嵌合する。したがって、支持支柱136のドッグボーン形状は、交連ウィンドウ114の存在にもかかわらず、フレーム102が最小の圧着プロファイルを達成することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、支持支柱136の一部が、軸方向に沿って実質的に一定である幅を有してもよい一方で、交連ウィンドウのうち1つに直接隣接する支持支柱136のその他は、ドッグボーン形状を有してもよい。
【0050】
人工弁100はまた、例えば、流入端部118から流出端部116への人工心臓弁100を通した血液の流動を調節するために、一方向へのフレーム102を通した血流を可能にするように構成された弁構造106を含む。弁構造106は、例えば、可撓性材料で作製された1つ以上の弁尖110(図1に例示される3つの弁尖)によって形成される、弁尖アセンブリを含むことができる。隣接する弁尖110のタブは、フレーム102のそれぞれの交連ウィンドウ114に(直接的又は間接的に)結合された交連112を形成するように一緒に配置され、それによってフレーム102に弁構造106の少なくとも一部分を固定することができる。
【0051】
図5に示されるように、各弁尖110は、主要な尖縁部分160、弁尖110の対向端部における2つの弁尖タブ(本明細書では交連タブとも称される)162、及び上縁部分158を含むことができる。尖縁部分160、弁尖タブ162、及び上縁部分158は、弁尖110の外周の周囲に配置されてもよい。上縁部分158は、弁尖110の上縁において2つの弁尖タブ162間を延在することができ、尖縁部分160は、弁尖110の下縁において2つの弁尖タブ162間を延在することができる。本明細書で使用される場合、「上側」及び「下側」は、弁構造がフレーム102に取り付けられ、結合されたときの人工心臓弁100の中央長手方向軸に対してであり得、上側は、弁100の流出端部により近く、下側は、弁100の流入端部により近い。弁尖110の上縁は、弁尖の「自由縁」又は「接合縁」と称され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、尖縁部分160は、湾曲した扇形の形状を有する(図5に示されるように)。したがって、尖縁部分160は、2つの弁尖タブ162間で湾曲していてもよい。図5は更に、個々の弁尖110の各々に対する中心線156を例示し、これは、弁尖アセンブリの中心線でもあり得る。例えば、組み立てられたとき、弁尖110の各々に対する中心線156は、重複し得る。更に、図5に示されるように、弁尖タブ162は、互いから中心線156を隔てて、弁尖110の対向端部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、弁尖及び/又は弁尖アセンブリの構成要素は、中心線156に対して対称性を有してもよい。
【0053】
弁構造106の弁尖110は、全体又は一部として、生体材料、生体適合性合成材料、又は他のそのような材料から作製され得る。好適な生物学的材料としては、例えば、ウシ心膜(又は他の供給源からの心膜)が挙げられ得る。弁構造が人工心臓弁100のフレーム102に結合され得る様式を含む、経カテーテル人工心臓弁に関する更なる詳細は、例えば、米国仮特許出願第62/959,723号、米国特許第6,730,118号、同第7,393,360号、同第7,510,575号、同第7,993,394号、及び同第8,652,202号、並びに米国特許出願公開第2018/0325665号に見られ得、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
隣接する弁尖110のタブ162は、それぞれの交連ウィンドウ114に結合され得る交連112を形成するように一緒に配置され、それによってフレーム102に弁構造106の少なくとも一部分を固定することができる。弁尖110の各タブ162は、上側タブ部分164及び下側タブ部分166を有することができる。中心線156に平行な方向に沿った間隙168は、上側タブ部分164を下側タブ部分166から分離することができる。したがって、上側タブ部分164は、間隙168の端部表面176から外側(例えば、中心線156から離れた方向)に延在し、自由端172で終端する。同様に、下側タブ部分166は、間隙168の端部表面176から外側に延在し、自由端174で終端する。いくつかの実施形態では、上側タブ部分及び下側タブ部分は、互いに実質的に平行に延在し、それによって側面図で横方向にU形状又はC形状を形成する。中心線156に垂直な方向に沿った上側タブ部分164の長さは、下側タブ部分166の長さと実質的に同じであり得る。しかしながら、中心線156に平行な方向に沿った上側タブ部分164の高さは、下側タブ部分166の高さとは異なってもよい。例えば、上側タブ部分164が、交連ウィンドウ114の上側開口部126のサイズ(例えば、図3Bの長さLからクロスバー120の厚さの一部を引いたもの)に対応する高さを有することができる一方で、下側タブ部分166は、交連ウィンドウ114の下側開口部128のサイズ(例えば、図3Bの長さLからクロスバー120の厚さの一部を引いたもの)に対応する高さを有することができる。
【0055】
図6は、開示される主題の1つ以上の実施形態に従った、H形状の交連ウィンドウ114に組み立てられた弁尖110a、110bの例示的な配置を示す。隣接する弁尖110a、110bのタブ162は、一緒に対になり、ウィンドウ114の半径方向内側から半径方向外側に運搬することによって、交連ウィンドウ114内に挿入され得、各弁尖110a、110bの上側タブ部分164a、164bは、上側開口部126を通って延在し、各弁尖の下側タブ部分166a、166bは、下側開口部128を通って延在する。上側タブ部分及び下側タブ部分を分離する間隙(そのうち、図6では間隙168bのみが見える)は、ウィンドウ114のクロスバー120の位置に対応することができ、各間隙168の端部表面176は、交連がウィンドウ114に完全に取り付けられると、クロスバー120の半径方向内側表面に当接するか、又は少なくとも近づくように配置され得る。
【0056】
上側タブ部分164a、164b及び下側タブ部分166a、166bは、くさび部材170(又は複数のくさび部材)に巻き付けられ、それに結合され得る。例えば、弁尖タブ及びくさび部材170は、1つ以上の縫合糸、接着剤、溶接、及び/又はくさび部材に弁尖を取り付けるための任意の他の手段を使用して、互いに結合され得る。いくつかの実施形態では、巻き付けられたタブ部分及びくさび部材170の組み合わせの厚さは、交連ウィンドウ114の開口部126、128の幅Wよりも大きく、それによって、組み合わせが半径方向内側に、かつ交連ウィンドウ114を通って後方に摺動することを防止する。あるいは又は加えて、くさび部材170は、上側タブ部分164と下側タブ部分166との間を軸方向に沿って延在する単一の連続部材であってもよい。そのような構成では、くさび部材170は、クロスバー120の半径方向外側と相互作用して、組み合わせが半径方向内側に、かつ交連ウィンドウ114を通って後方に摺動することを防止し得る。
【0057】
1つ以上のくさび部材170は、比較的厚い、マルチフィラメント又はモノフィラメントの縫合糸、糸、又はケーブル(例えば、Ethibond縫合糸などの編組されたポリエステル縫合糸)、その厚さを増加させるために1回以上折り畳まれた布片若しくは織物片、又は任意の他の構造から形成され得る。例えば、開示されるくさび部材、又はそれに結合された縫合糸は、超高分子量ポリエチレン(UHMPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリウレタン(PU)、又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの、組織内部成長を助長しない材料から形成され得る。あるいは又は加えて、最小限に多孔質であるか、新生血管形成を防止若しくは最小化するように構成されているか、又は組織の固着を可能にしない、任意の他の材料が、開示されるくさび部材に使用され得る。あるいは又は加えて、開示されるくさび部材は、コーティング又はラミネートされた高分子材料であり得る。いくつかの実施形態では、開示されるくさび部材の材料は、組織内部成長の可能性を低減するような様式で加工されるか、又は別の方法でそのように構成されたポリマー材料であり得る。例えば、ある特定のレベルの熱への材料の曝露が血栓形成を誘導する場合、開示されるくさび部材の材料は、そのような加熱工程を回避又は低減する様式で加工され得る。
【0058】
例示される実施形態では、交連ウィンドウ114は、フレーム102の格子構造の一部として形成される。他の実施形態では、交連ウィンドウ114は、代わりに、フレーム102の別の構造において、又はフレーム102に取り付けられた別個の構造として形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、人工弁は、フレームに結合されて、圧着構成と拡張構成との間の弁の移行を引き起こす1つ以上のアクチュエータ、及び/又は拡張又は収縮後にフレームの形状を維持する1つ以上の係止機構を含む。フレームの格子構造において提供される交連ウィンドウに加えて、又はその代わりに、アクチュエータ又は係止機構のうち少なくとも1つは、その中に形成されたH形状の交連ウィンドウを含むことができ、それに弁アセンブリの交連を装着するために使用され得る。アクチュエータ、係止機構、及びアクチュエータを作動させるための送達装置の更なる詳細は、米国特許出願公開第2018/0153689号、同第2018/0325665号、及び同第2019/0060057号に見られ得、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。以前に出願された出願で開示されるアクチュエータ及び係止機構のいずれも、本明細書に開示される人工弁のうちいずれかに組み込まれ得る。更に、以前に出願された出願で開示される送達装置のいずれかを使用して、本明細書に開示される人工弁のうちいずれかを送達及び移植することができる。
【0059】
あるいは又は加えて、人工弁は、環状フレームの一部を形成するか、又は環状フレームに結合され、かつH形状の交連ウィンドウを含む、1つ以上の支持部材を含むことができる。例えば、支持部材は、フレームの半径方向内側表面に取り付けられた軸方向に延在する部材であり得、H形状の交連ウィンドウは、支持部材内に形成され得る(例えば、フレーム、アクチュエータ、又は係止機構に結合された軸方向に延在する交連ポスト)。あるいは又は加えて、H形状の交連ウィンドウは、フレーム、アクチュエータ、係止機構、又は支持部材に結合されたワイヤフォーム(例えば、曲げられたワイヤ片)又はクランプによって形成され得る。ワイヤフォームから形成された交連ウィンドウ、並びにアクチュエータ、係止機構、及び支持部材の中又は上に形成された交連ウィンドウに関する更なる詳細は、米国仮特許出願第62/959,723号及び国際公開第2020/102487号に記載され、これらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0060】
図1に示されるように、人工心臓弁100はまた、1つ以上のスカート又は封止部材を含むことができる。例えば、人工心臓弁100は、フレーム102の内側表面に取り付けられた内側スカート108及び/又はフレーム102の外側表面に取り付けられた外側スカート104を含むことができる。内側スカート108は、フレーム102の内側表面の外周全体に広がる円周方向の内側スカートであり得る。内側スカート108は、(例えば、弁が移植部位に配置されたときの)弁周囲漏出を防止するか又は減少させるための封止部材として、及びフレーム102に弁尖110の一部分を固定するための取り付け表面として機能することができる。例えば、弁尖110の尖縁部分160(図5を参照されたい)は、内側スカート108に縫合され得、これが次に、フレーム102の選択された支柱142に縫合され得る。外側スカート104は、天然の弁輪の組織に対して封止し、人工弁100を過ぎる弁傍漏出を低減するのを助けることによって、封止部材として機能することができる。内側スカート及び外側スカート108、104は、様々な合成材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))又は自然の組織(例えば、心膜組織)のいずれかを含む、様々な好適な生体適合性材料のいずれかから形成され得る。内側スカート及び外側スカート108、104は、縫合糸、接着剤、溶接、及び/又はフレームにスカートを取り付けるための他の手段を使用して、フレーム102に装着され得る。内側スカート及び外側スカート、内側スカートに弁尖を組み立てるための技術、及びフレーム上にスカートを組み立てるための技術に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2012/0123529号、同第2019/0192296号、及び同第2019/0365530号、並びに国際特許出願第US2020/014701及び同第US2020/024559号に開示され、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
弁構造106の各交連112が、交連ウィンドウ114のそれぞれ1つに固定されると、交連112間の弁尖110の下縁は、内側スカート108に縫合され得る。例えば、縫合は、各弁尖、内側スカート、及び任意選択的に補強ストリップ(図示せず)を通って延在する内外縫合であり得る。各弁尖及びそれぞれの補強ストリップは、内側スカートに別々に縫い付けられ得る。このようにして、弁尖110の下縁は、内側スカート108を介してフレーム102に固定され得る。いくつかの実施形態では、弁尖110の下縁は、補強ストリップ及び弁尖の縁部の周囲に巻き付きながら、各補強ストリップ、弁尖、及び内側スカートを通って延在する連続纏絡縫合で、スカートに固定され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、交連の隣接する弁尖タブは、交連ウィンドウを通して挿入する前に一緒に結合され得る。交連の第1の弁尖タブは、折り畳まれ、第2の弁尖タブに取り付けられ得、第2の弁尖タブは、折り畳まれていないままであり得る。第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分が、それぞれ上側開口部及び下側開口部を通って、交連ウィンドウの半径方向外側に通されると、1つ以上のくさび部材が、第1の弁尖タブの折り畳まれた部分間に挿入され得る。くさび部材の挿入の前又は後に、第2の弁尖タブは、折り畳まれた第1の弁尖タブに巻き付かれ得る。くさび部材は、弁尖タブがウィンドウを通って戻ることができないように、第1及び第2の折り畳まれた弁尖タブの組み合わせの幅を増加させることができる。
【0063】
例えば、図7A図10は、H形状の交連ウィンドウ114に交連112を取り付ける第1の例示的な方法を示す。図7A図7Bを参照すると、第1の弁尖タブ162a及び第2の弁尖タブ162bは、互いに隣接して配設され得る。第1の弁尖タブ162aは、自由端172aを有する上側タブ部分164a、自由端174aを有する下側タブ部分166a、並びに上側タブ部分及び下側タブ部分を分離する端部表面176aを有する間隙168aを有することができる。同様に、第2の弁尖タブ162bは、自由端172bを有する上側タブ部分164b、自由端174bを有する下側タブ部分166b、並びに上側タブ部分及び下側タブ部分を分離する端部表面176bを有する間隙168bを有することができる。各上側タブ部分162a、bは、上側タブ部分の自由端172a、bに隣接する第1の部分193a、b、及び第1の部分193a、bと弁尖の中心線(又は中心線に垂直な方向に沿った間隙168a、bのそれぞれの端部表面176a、b)との間にある第2の部分191a、bを有することができる。同様に、各下側タブ部分164a、bは、下側タブ部分の自由端174a、bに隣接する第1の部分、及び第1の部分と弁尖の中心線(又は中心線に垂直な方向に沿った間隙168a、bのそれぞれの端部表面176a、b)との間にある第2の部分を有することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、上側タブ部分164a、b及び下側タブ部分166a、bの各々は、任意選択的に1つ以上の穴が備わっていてもよく、それを1つ以上の縫合糸が通って、タブ部分及び/又はくさび部材を一緒に結合することができる。例えば、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第1の部分193aは、貫通穴182aを有することができ、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第2の部分191aは、貫通穴180aを有することができる。同様に、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第1の部分193bは、貫通穴182bを有することができ、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第2の部分は、貫通穴180bを有することができる。1つ以上の縫合糸184は、第1の弁尖タブ162aの穴182a及び第2の弁尖タブ162bの穴180bを通過して、弁尖タブ162a、bを一緒に結合することができる。他の実施形態では、タブ部分の第1の部分及び第2の部分の一部のみが、穴180、182が備わっているか、又はどれも穴180、182が備わっていない。そのような実施形態では、縫合糸は、弁尖タブ部分の第1の部分若しくは第2の部分を通して穿刺することができるか、又は縫合以外の取り付けのための手段を使用して、例えば、溶接又は接着剤によって、弁尖タブ部分を一緒に結合することができる。
【0065】
図7A~7Bでは、第1の弁尖タブ162aは、例えば、第1の弁尖タブ162aと第2の弁尖タブ162bとの間の上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの自由端172a、174aを通過することによって、それ自体に折り畳まれ得る。したがって、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193aは、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第2の部分191bと接触するか、又は少なくともそれに面し、第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aの第1の部分は、第2の弁尖タブ162bの下側タブ部分166bの第2の部分と接触するか、又は少なくともそれに面する。第1の弁尖タブ162aの折り畳まれた部分はまた、上側タブ部分164aの第1の部分193a及び第2の部分193aの接面間、並びに下側タブ部分166aの第1の部分及び第2の部分の接面間に、間隙又は凹部178を作る。
【0066】
いくつかの実施形態では、1つ以上の縫合糸184を使用して、第1の弁尖タブ162aの折り畳み後に、弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。あるいは、1つ以上の縫合糸184を使用して、第1の弁尖タブ162aの折り畳み前に、弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。例えば、弁尖の中心線が、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの重複部分の反対側にあるように、第1の弁尖タブ162aは、第2の弁尖タブ162b上に実質的に平坦な構成で配設され、第2の弁尖タブ162bから反対方向に延在することができる。したがって、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第1の部分193aは、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第2の部分191bと一直線になり得、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第1の部分193bは、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第2の部分191aと一直線になり得る。この重複構成では、1つ以上の第1の縫合糸184は、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第1の部分193a(例えば、貫通穴182aを介して)、及び第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第2の部分191b(例えば、貫通穴180bを介して)を通過して、弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。弁尖タブが一緒に結合された後、上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aは次いで、上記のように折り畳まれ得る。いくつかの実施形態では、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114に挿入される際に、上側タブ部分164a、164bと下側タブ部分166a、166bとの間に延在する縫合糸184の一部分が、別の方法でクロスバー120に干渉しない限り、単一の縫合糸184を使用して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの上側タブ部分及び下側タブ部分の両方を結合することができる。
【0067】
第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aが折り畳まれた状態で、一緒に結合された第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bは次いで、半径方向内側から、それぞれの開口部126、128を通して交連ウィンドウ114の半径方向外側に運搬され得る。例えば、図8に示されるように、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分166bの自由端172bは、交連ウィンドウの上側開口部126に挿入され、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分166bの残りの部分及び第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの折り畳まれた部分が後に続く。同様に、第2の弁尖タブ162bの下側タブ部分166bの自由端174bは、交連ウィンドウの下側開口部128に挿入され、第2の弁尖タブ162bの下側タブ部分166bの残りの部分及び第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aの折り畳まれた部分が後に続く。いくつかの実施形態では、上側開口部126への上側タブ部分164a、164bの挿入及び下側開口部128への下側タブ部分166a、166bの挿入は、同時に又は実質的に同じ時間に生じ得る。他の実施形態では、下側タブ部分166a、166bは、上側開口部126への上側タブ部分164a、164bの挿入前に、下側開口部128を通して完全に挿入され得るか、又はその逆であり得る。
【0068】
第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの上側タブ部分及び下側タブ部分が、交連ウィンドウのそれぞれの開口部126、128を通して挿入されると、1つ以上のくさび部材が、交連ウィンドウの半径方向外側でアセンブリに追加され得る。例えば、くさび部材170は、図9に例示されるように、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aによって形成された凹部178に挿入され得る。くさび部材170は、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第1の部分及び第2の部分191a、193aの接面の間で、フレームの軸方向に平行に(例えば、流出端部116から流入端部118に、又はその逆に)運搬され得る。くさび部材170は、上側タブ部分164aと下側タブ部分166aとの間に延在し、したがって、くさび部材170の中間部分(例えば、フレームの軸方向に沿った上側タブ部分164aと下側タブ部分164bとの間)と、ウィンドウのクロスバー120との間の相互作用により、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114を通過して戻る(例えば、ウィンドウの半径方向外側からウィンドウの半径方向内側に戻る)ことを防止又は少なくとも抑制することができる。くさび部材170はまた、ウィンドウ114の半径方向外側における第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの組み合わせの幅(円周方向に沿った)を、上側開口部126及び/又は下側開口部128の幅よりも大きいものにし得る。したがって、増加した幅はまた、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114を通過して戻ることを防止又は少なくとも抑制することができる。
【0069】
あるいは、複数のくさび部材、例えば、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aのための第1のくさび部材、及び第1の弁尖タブの下側タブ部分166aのための別個の第2のくさび部材が提供され得る。そのような構成では、上側タブ部分164aと下側タブ部分166aとの間の間隙168aは、第1のくさび部材及び第2のくさび部材の挿入後に残るであろう。しかしながら、各くさび部材は、ウィンドウ114の半径方向外側における第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの組み合わせの幅(円周方向に沿った)を、上側開口部126及び/又は下側開口部128の幅よりも大きいものにし、それによって、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114を通過して戻ることを防止又は少なくとも抑制する。そのような実施形態では、例えば、それぞれのタブ部分の軸方向に沿って摺動することを防止することができる、複数のくさび部材が、(例えば、1つ以上の縫合糸を使用して縫い合わせることによって)一緒に結合され得、かつ/又は交連ウィンドウ114の半径方向外側の上側タブ部分及び下側タブ部分が、(例えば、1つ以上の縫合糸を使用して縫い合わせることによって)一緒に結合され得る。
【0070】
1つ以上のくさび部材が第1の弁尖タブ162aに対して位置付けられると、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bは、図10に示されるように、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aに巻き付けられ得る。上側タブ部分164bの巻き付きの前、その間、又はその後に、第2の弁尖162bの下側タブ部分166bもまた、第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aに巻き付けられ得る。あるいは、いくつかの実施形態では、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164b及び/又は下側タブ部分166bは、くさび部材の位置決め前に、第1の弁尖タブ162aのそれぞれのタブ部分に巻き付けられ得る。いずれの場合においても、1つ以上のくさび部材の位置決めの後、各弁尖タブ162a、162bのタブ部分は、上側タブ部分164a、164bの自由端172a、172b及び下側タブ部分166a、166bの自由端174a、174bが、フレーム102の半径方向に沿って、くさび部材170と交連ウィンドウ114の半径方向外側との間に配設されるように配置され得る。
【0071】
1つ以上の縫合糸を使用して、くさび部材及び折り畳まれた弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。例えば、1つ以上の第2の縫合糸188は、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第1の部分193b(例えば、貫通穴182bを介して)、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第2の部分191a(例えば、貫通穴180aを介して)、くさび部材170、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193a(例えば、貫通穴182aを介して)、及び第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第2の部分191a(例えば、貫通穴180bを介して)を順番に、又はその逆に通過することができる。1つ以上の第2の縫合糸188は、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの下側タブ部分166a、166bの第1の部分及び第2の部分、並びにくさび部材170を同様の様式で通過することができる。
【0072】
弁構造が、フレームの交連ウィンドウに取り付けられる他の交連を含む場合、図7A図10の方法は、他の交連について繰り返され得る。いくつかの実施形態では、弁構造は、3つの弁尖を有する三尖弁構成を有することができ、弁構造の3つの交連は、図7A図10の方法を別々に3回実施することによって、フレームのそれぞれの交連ウィンドウに結合される。他の実施形態では、弁構造は、2つの弁尖を有する二尖弁構成を有することができ、弁構造の2つの交連は、図7A図10の方法を別々に2回実施することによって、フレームのそれぞれの交連ウィンドウに結合される。複数の交連及び交連ウィンドウを有する実施形態のいずれにおいても、それぞれの交連のための方法の一部又は全ての性能は、並行して生じ得る。例えば、各交連のための弁尖タブは、折り畳まれ、同じ時間に一緒に結合され得、その後、結合された弁尖タブは、それらのそれぞれのウィンドウに挿入され得る。複数の交連ウィンドウへの複数の交連の並行した組み立てについての他の変化形も、1つ以上の企図された実施形態に従って可能である。
【0073】
図7A図10は、弁フレームのそれぞれのウィンドウに交連アセンブリを取り付けるための、単純かつ費用効果の高い方法を提供する。例えば、図7A~7Bは、弁尖タブ162a、162bが平坦な構成で迅速かつ容易に一緒に結合されること、その後、交連ウィンドウのそれぞれの上側開口部及び下側開口部への上側タブ部分及び下側タブ部分の単純な摺動/挿入を可能にすることができる。更に、弁尖タブの組み立て、及びその後の1つ以上のくさび部材を使用したウィンドウへの装着は、比較的少数の別個の構成要素及び組み立て段階を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、交連の隣接する弁尖タブは、弁尖タブ任意の折り畳み及び/又は弁尖タブの互いへの結合の前に、交連ウィンドウを通して挿入され得る。第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ、上側開口部及び下側開口部を通って、交連ウィンドウの半径方向外側に(同時又は連続的に)通され得る。次いで、第1の弁尖タブは、1つ以上のくさび部材の周囲で折り畳まれ、それに結合され得る。第1の弁尖タブ及びくさび部材の結合の前又はその後に、第2の弁尖タブは、折り畳まれた第1の弁尖タブに巻き付けられ得る。くさび部材は、弁尖タブがウィンドウを通って戻ることができないように、第1及び第2の折り畳まれた弁尖タブの組み合わせの幅を増加させることができる。
【0075】
例えば、図11図13は、H形状の交連ウィンドウ114に交連112を取り付ける第2の例示的な方法を示す。図11図13は、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの上側タブ部分164a、164bのみを例示するが、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの下側タブ部分166a、166bの取り付けは、例示される上側タブ部分164a、164bの取り付けと同時に、又は実質的に同じ時間に、同様の様式で取り扱われることに留意されたい。
【0076】
図11中、第1の弁尖タブ162a及び第2の弁尖タブ162bは、互いに隣接して配設され得る。上記で詳述されるように、各弁尖タブ162a、162bは、間隙168a、168bによって分離されたそれぞれの上側タブ部分164a、164b及び下側タブ部分166a、166bを有することができる。各上側タブ部分162a、bは、上側タブ部分の自由端172a、bに隣接する第1の部分193a、b、及び第1の部分193a、bと弁尖の中心線との間にある第2の部分191a、bを有することができ、各下側タブ部分は、下側タブ部分の自由端に隣接する第1の部分、及び第1の部分と弁尖の中心線との間にある第2の部分を有することができる。いくつかの実施形態では、上側タブ部分164a、b及び下側タブ部分166a、bのそれぞれの第1の部分及び第2の部分は、任意選択的に1つ以上の穴(例えば、貫通穴180a、b及び182a、b)が備わっていてもよく、それを1つ以上の縫合糸が通って、タブ部分及び/又はくさび部材を一緒に結合することができる。
【0077】
第1の弁尖タブ162aは、半径方向内側からそれぞれの開口部126、128を通して、交連ウィンドウ114の半径方向外側に運搬され得る。交連ウィンドウ114内への第1の弁尖タブ162aの運搬前、その後、又はその間に、第2の弁尖タブ162bは、半径方向内側からそれぞれの開口部126、128を通して、交連ウィンドウ114の半径方向外側に運搬され得る。例えば、図12に示されるように、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの自由端172aは、交連ウィンドウの上側開口部126に挿入され得、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの自由端172bは、交連ウィンドウの上側開口部に挿入され得る。同様に、第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aの自由端174aは、交連ウィンドウの下側開口部128に挿入され得、第2の弁尖タブ162bの下側タブ部分166bの自由端174bは、交連ウィンドウの下側開口部に挿入され得る。いくつかの実施形態では、上側開口部126への上側タブ部分164a、164bの挿入及び下側開口部128への下側タブ部分166a、166bの挿入は、同時に又は実質的に同じ時間に生じ得る。他の実施形態では、下側タブ部分166a、166bは、上側開口部126への上側タブ部分164a、164bの挿入前に、下側開口部128を通して完全に挿入され得るか、又はその逆であり得る。
【0078】
交連ウィンドウ114のそれぞれの開口部126、128を通した挿入後、第1の弁尖タブ162aは、交連ウィンドウの半径方向外側の1つ以上のくさび部材に巻き付けられ得る。例えば、図12に例示されるように、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aは、単一のくさび部材170に巻き付けられ得る(例えば、その周囲に折り畳まれる)。くさび部材170は、上側タブ部分164aと下側タブ部分166aとの間に延在し、したがって、くさび部材170の中間部分(例えば、フレームの軸方向に沿った上側タブ部分164aと下側タブ部分164bとの間)と、ウィンドウのクロスバー120との間の相互作用により、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114を通過して戻る(例えば、ウィンドウの半径方向外側からウィンドウの半径方向内側に戻る)ことを防止又は少なくとも抑制することができる。くさび部材170はまた、ウィンドウ114の半径方向外側における第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの組み合わせの幅(円周方向に沿った)を、上側開口部126及び/又は下側開口部128の幅よりも大きいものにし得る。したがって、増加した幅はまた、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114を通過して戻ることを防止又は少なくとも抑制することができる。
【0079】
あるいは、複数のくさび部材、例えば、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aのための第1のくさび部材、及び第1の弁尖タブの下側タブ部分166aのための別個の第2のくさび部材が提供され得る。そのような構成では、上側タブ部分164aと下側タブ部分166aとの間の間隙168aは、第1のくさび部材及び第2のくさび部材の挿入後に残るであろう。しかしながら、各くさび部材は、ウィンドウ114の半径方向外側における第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの組み合わせの幅(円周方向に沿った)を、上側開口部126及び/又は下側開口部128の幅よりも大きいものにし、それによって、弁尖タブ162a、162bが交連ウィンドウ114を通過して戻ることを防止又は少なくとも抑制する。そのような実施形態では、例えば、それぞれのタブ部分の軸方向に沿って摺動することを防止することができる、複数のくさび部材が、(例えば、1つ以上の縫合糸を使用して縫い合わせることによって)一緒に結合され得、かつ/又は交連ウィンドウ114の半径方向外側の上側タブ部分及び下側タブ部分が、(例えば、1つ以上の縫合糸を使用して縫い合わせることによって)一緒に結合され得る。
【0080】
1つ以上の縫合糸を使用して、くさび部材、並びに第1の弁尖タブ162aの巻き付けられた上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aを一緒に結合することができる。例えば、図12に例示されるように、1つ以上の第1の縫合糸190は、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193a(例えば、貫通穴182aを介して)、くさび部材170、及び第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第2の部分191a(例えば、貫通穴180aを介して)を順番に、又はその逆に通過することができる。1つ以上の第1の縫合糸190は、第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aの第1の部分及び第2の部分を同様の様式で通過することができる。
【0081】
1つ以上のくさび部材が第1の弁尖タブ162aに対して位置付けられると、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bは、図13に示されるように、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aに巻き付けられ得る。上側タブ部分164bの巻き付きの前、その間、又はその後に、第2の弁尖162bの下側タブ部分166bもまた、第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aに巻き付けられ得る。あるいは、いくつかの実施形態では、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164b及び/又は下側タブ部分166bは、くさび部材の位置決め前に、第1の弁尖タブ162aのそれぞれのタブ部分に巻き付けられ得る。いずれの場合においても、1つ以上のくさび部材の位置決めの後、各弁尖タブ162a、162bのタブ部分は、上側タブ部分164a、164bの自由端172a、172b及び下側タブ部分166a、166bの自由端174a、174bが、フレーム102の半径方向に沿って、くさび部材170と交連ウィンドウ114の半径方向外側との間に配設されるように配置され得る。
【0082】
1つ以上の縫合糸を使用して、くさび部材及び巻き付けられた弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。例えば、図13に例示されるように、1つ以上の第2の縫合糸192は、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第1の部分193b(例えば、貫通穴182bを介して)、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第2の部分191a(例えば、貫通穴180aを介して)、くさび部材170、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193a(例えば、貫通穴182aを介して)、及び第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第2の部分191a(例えば、貫通穴180bを介して)を順番に、又はその逆に通過することができる。1つ以上の第2の縫合糸192は、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの下側タブ部分166a、166bの第1の部分及び第2の部分、並びにくさび部材170を同様の様式で通過することができる。いくつかの実施形態では、第2の弁尖タブ162bは、くさび部材170に第1の弁尖タブ162aを結合する前に、第1の弁尖タブ162a及び1つ以上のくさび部材に巻き付けられ得る。そのような実施形態では、第2の縫合糸192のみを使用して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162b並びにくさび部材170を一緒に結合することを選択して、第1の縫合糸190は省略され得る。
【0083】
弁構造が、フレームの交連ウィンドウに取り付けられる他の交連を含む場合、図11図13の方法は、他の交連について繰り返され得る。いくつかの実施形態では、弁構造は、3つの弁尖を有する三尖弁構成を有することができ、弁構造の3つの交連は、図11図13のプロセスを別々に3回実施することによって、フレームのそれぞれの交連ウィンドウに結合される。他の実施形態では、弁構造は、2つの弁尖を有する二尖弁構成を有することができ、弁構造の2つの交連は、図11図13の方法を別々に2回実施することによって、フレームのそれぞれの交連ウィンドウに結合される。複数の交連及び交連ウィンドウを有する実施形態のいずれにおいても、それぞれの交連のための方法の一部又は全ての性能は、並行して生じ得る。例えば、各交連のための弁尖タブは、それらのそれぞれのウィンドウに挿入され得、次いで、第1の弁尖タブは、それぞれのくさび部材に巻き付けられ、かつ結合され得る。複数の交連ウィンドウへの複数の交連の並行した組み立てについての他の変化形も、1つ以上の企図された実施形態に従って可能である。
【0084】
図11図13は、弁フレームのそれぞれのウィンドウに交連アセンブリを取り付けるための、単純かつ費用効果の高い方法を提供する。例えば、図11の配置は、弁尖タブ162a、162bが、交連ウィンドウのそれぞれの上側開口部及び下側開口部を通して迅速かつ容易に挿入されることを可能にすることができる。更に、弁尖タブの組み立て、及びその後の1つ以上のくさび部材を使用したウィンドウへの装着は、比較的少数の別個の構成要素及び組み立て段階を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、交連の隣接する弁尖タブは、交連ウィンドウを通して挿入する前に、くさび部材に結合され得る。交連の第1の弁尖タブの上側タブ部分は、くさび部材に巻き付けられ、次いで、第2の弁尖タブの上側タブ部分に結合され得る。第1の弁尖タブの下側タブ部分、並びに第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、折り畳まれていないままであり得る。第1及び第2の弁尖タブの下側タブ部分は、交連ウィンドウの半径方向内側から半径方向外側に、交連ウィンドウの下側開口部を通過することができ、第2の弁尖タブの上側タブ部分は、交連ウィンドウの半径方向内側から半径方向外側に、交連ウィンドウの上側開口部を通過することができる。くさび部材及び第1の弁尖タブの上側タブ部分は、交連ウィンドウの上側開口部の開放端上を、交連ウィンドウの半径方向外側に通過することができ、これにより、上側タブ部分の一部分は、交連ウィンドウの上側開口部内に摺動する。次いで、第1の弁尖タブの下側タブ部分は、くさび部材に巻き付けられ得、第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、第1の弁尖タブのそれぞれの部分に巻き付けられ得る。くさび部材は、弁尖タブがウィンドウを通って戻ることができないように、第1及び第2の折り畳まれた弁尖タブの組み合わせの幅を増加させることができる。
【0086】
例えば、図14図15は、H形状の交連ウィンドウ114に交連112を取り付ける第3の例示的な方法を示す。上記で詳述されるように、交連のための各弁尖タブ162a、162bは、間隙168a、168bによって分離されたそれぞれの上側タブ部分164a、164b及び下側タブ部分166a、166bを有することができる。各上側タブ部分162a、bは、上側タブ部分の自由端172a、bに隣接する第1の部分193a、b、及び第1の部分193a、bと弁尖の中心線との間にある第2の部分191a、bを有することができ、各下側タブ部分は、下側タブ部分の自由端に隣接する第1の部分、及び第1の部分と弁尖の中心線との間にある第2の部分を有することができる。いくつかの実施形態では、上側タブ部分164a、b及び下側タブ部分166a、bのそれぞれの第1の部分及び第2の部分は、任意選択的に1つ以上の穴(例えば、貫通穴180a、b及び182a、b)が備わっていてもよく、それを1つ以上の縫合糸が通って、タブ部分及び/又はくさび部材を一緒に結合することができる。
【0087】
第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aは、くさび部材170に巻き付けられ得る。次いで、第1の弁尖タブ162aの巻き付けられた上側タブ部分164aは、折り畳まれていないままである第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bに隣接して配設され得る。したがって、図14に示されるように、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193aは、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分の第2の部分191bと接触するか、又は少なくともそれに面することができる。同時又は連続的に、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの下側タブ部分は、互いに隣接して配設され、折り畳まれていなくてもよい。1つ以上の縫合糸を使用して、くさび部材170、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの上側タブ部分164a、164bを一緒に結合することができる。例えば、図14に示されるように、1つ以上の第1の縫合糸194は、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第2の部分191b(例えば、貫通穴180bを介して)、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193a(例えば、貫通穴182aを介して)、くさび部材170、及び第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第2の部分191a(例えば、貫通穴180aを介して)を順番に、又はその逆に通過することができる。
【0088】
あるいは、1つ以上の縫合糸194を使用して、第1の弁尖タブ162aの巻き付け前に、弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。例えば、弁尖の中心線が、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの重複部分の反対側にあるように、第1の弁尖タブ162aは、第2の弁尖タブ162b上に実質的に平坦な構成で配設され、第2の弁尖タブ162bから反対方向に延在することができる。したがって、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第1の部分193aは、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第2の部分191bと一直線になり得、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分及び下側タブ部分164b、166bの第1の部分193bは、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分及び下側タブ部分164a、166aの第2の部分191aと一直線になり得る。くさび部材170は、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分162aの第1の部分193aの上に配設され得る。この重複構成では、1つ以上の第1の縫合糸194は、くさび部材170、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193a、及び第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第2の部分191bを順番に、又はその逆に通過し得る。弁尖タブが一緒に結合された後、上側タブ部分164aは、上記のように、くさび部材170に巻き付けられ得る。
【0089】
くさび部材170は、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの下側タブ部分166a、166bに延在することができ、下側タブ部分166a、166bにくさび部材170を取り付けることは、介在するクロスバー120により、交連が交連ウィンドウを通過することを防止するであろう。したがって、下側タブ部分166a、166bは、この段階でくさび部材170に取り付けられていないままであり得る。これは、下側タブ部分166a、166bが、例えば、図11に関する上記と同様と様式で、交連ウィンドウ114の下側開口部128を通して挿入されることを可能にする。下側タブ部分166a、166bの挿入前、その間、又はその後に、くさび部材170は、交連ウィンドウ114の上側開口部126の上端上を通過することができる(例えば、弁フレーム102の流出端部116上を、ウィンドウ114の半径方向内側からウィンドウ114の半径方向外側に通過することによって)。したがって、上側タブ部分164a、164bは、例えば、フレーム102の軸方向に平行な方向、又は軸方向及び半径方向の構成要素の組み合わせに沿って、上側開口部126内に挿入され得る。あるいは又は加えて、くさび部材170の断面寸法は、第1の弁尖タブ162aの巻き付けられた上側タブ部分164a、第2の弁尖タブ162bの折り畳まれていない上側タブ部分164b、及びくさび部材170の組み合わせが、上側開口部126を通り抜けるようなものであり得る。上側タブ部分が上側開口部126を通過する際にクロスバー120を回避するために、くさび部材170は、フレームの半径方向に沿って延在するように一時的に傾斜していてもよく、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの自由端172bの前又はそれとともに、上側開口部126を通過することができる。いずれの場合においても、くさび部材170は、ウィンドウ114のクロスバー120を回避し、それによって、くさび部材170が、交連ウィンドウの半径方向内側において上側タブ部分162a、162bに取り付けられることを可能にしながら、上側タブ部分162a、162bが、交連ウィンドウ114の上側開口部126を通して挿入されることをなおも可能にする。
【0090】
図14に示されるように、第1の弁尖及び第2の弁尖162a、162bの上側タブ部分及び下側タブ部分が、それぞれの開口部126、128を通して挿入され、くさび部材170が、ウィンドウ114の半径方向外側にあると、下側タブ部分166aは、くさび部材170に巻き付けられ得る。第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bは、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aに巻き付けられ得、第2の弁尖162bの下側タブ部分166bは、第1の弁尖タブ162aの下側タブ部分166aに巻き付けられ得、図13に例示されるものと同様の構成をもたらす。上記の実施形態と同様に、1つ以上の縫合糸を使用して、くさび部材170及び折り畳まれた弁尖タブ162a、162bを一緒に結合することができる。例えば、図13の構成と同様に、1つ以上の第2の縫合糸192は、第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第1の部分193b(例えば、貫通穴182bを介して)、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第2の部分191a(例えば、貫通穴180aを介して)、くさび部材170、第1の弁尖タブ162aの上側タブ部分164aの第1の部分193a(例えば、貫通穴182aを介して)、及び第2の弁尖タブ162bの上側タブ部分164bの第2の部分191a(例えば、貫通穴180bを介して)を順番に、又はその逆に通過することができる。1つ以上の第2の縫合糸192は、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブ162a、162bの下側タブ部分166a、166bの第1の部分及び第2の部分、並びにくさび部材170を同様の様式で通過することができる。
【0091】
弁構造が、フレームの交連ウィンドウに取り付けられる他の交連を含む場合、図14図15の方法は、他の交連について繰り返され得る。いくつかの実施形態では、弁構造は、3つの弁尖を有する三尖弁構成を有することができ、弁構造の3つの交連は、図14図15のプロセスを別々に3回実施することによって、フレームのそれぞれの交連ウィンドウに結合される。他の実施形態では、弁構造は、2つの弁尖を有する二尖弁構成を有することができ、弁構造の2つの交連は、図14図15の方法を別々に2回実施することによって、フレームのそれぞれの交連ウィンドウに結合される。複数の交連及び交連ウィンドウを有する実施形態のいずれにおいても、それぞれの交連のための方法の一部又は全ての性能は、並行して生じ得る。例えば、各交連のための弁尖タブは、それぞれのくさび部材に巻き付けられ、次いで、同じ時間に一緒に結合され得、その後、結合された弁尖タブは、それらのそれぞれのウィンドウに挿入され得る。複数の交連ウィンドウへの複数の交連の並行した組み立てについての他の変化形も、1つ以上の企図された実施形態に従って可能である。
【0092】
図14図15は、弁フレームのそれぞれのウィンドウに交連アセンブリを取り付けるための、単純かつ費用効果の高い方法を提供する。例えば、図11の配置は、弁尖タブ162a、162bが、交連ウィンドウのそれぞれの上側開口部及び下側開口部を通して迅速かつ容易に挿入されることを可能にすることができる。更に、弁尖タブの組み立て、及びその後の1つ以上のくさび部材を使用したウィンドウへの装着は、比較的少数の別個の構成要素及び組み立て段階を含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、隣接する弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、交連ウィンドウを通した挿入前に別個のくさび部材に結合され得る。例えば、交連の第1の弁尖タブの上側タブ部分は、第1のくさび部材に巻き付けられ、次いで、折り畳まれていないままである第2の弁尖タブの上側タブ部分に結合され得る。同様に、交連の第1の弁尖タブの下側タブ部分は、第2のくさび部材に巻き付けられ、次いで、折り畳まれていないままである第2の弁尖タブの下側タブ部分に結合され得る。上側タブ部分及び下側タブ部分の構成は、図14に例示されるものと同様であり得るが、上側タブ部分は、下側タブ部分とは別個のくさび部材170を有する。
【0094】
各くさび部材の断面寸法は、第1の弁尖タブの巻き付けられた上側タブ部分、第1のくさび部材、及び第2の弁尖タブの折り畳まれていない上側タブ部分の組み合わせが、交連ウィンドウの上側開口部を通り抜け、第1の弁尖タブの巻き付けられた下側タブ部分、第2のくさび部材、及び第2の弁尖タブの折り畳まれていない下側タブ部分の組み合わせが、交連ウィンドウの下側開口部を通り抜けるようなものであり得る。そうでなければクロスバー120により、ウィンドウを通した交連の通過を妨げるであろう上側タブ部分と下側タブ部分との間に延在するくさび部材がないため、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ、交連ウィンドウの半径方向内側から半径方向外側に、交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部を通過することができる。
【0095】
次いで、第2の弁尖タブは、第1の弁尖タブ及びくさび部材に巻き付けられ、それらに更に結合され得、図6、10、又は13に関する上記と同様の構造をもたらす。各くさび部材は、弁尖タブが、ウィンドウを通過して戻ることが防止されるか、又は少なくとも抑制されるように、巻き付けられた第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの組み合わせの幅を増加させることができる。そのような実施形態では、例えば、それぞれのタブ部分の軸方向に沿って摺動することを防止することができる、複数のくさび部材が、(例えば、1つ以上の縫合糸を使用して縫い合わせることによって)一緒に結合され得、かつ/又は交連ウィンドウ114の半径方向外側の上側タブ部分及び下側タブ部分が、(例えば、1つ以上の縫合糸を使用して縫い合わせることによって)一緒に結合され得る。他の記載される実施形態と同様に、弁構造が、フレームの交連ウィンドウに取り付けられる他の交連を含む場合、方法は、他の交連について繰り返され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第62/959,723号に開示される組み立て技術のいずれかを使用して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分は、上側開口部を通して挿入され、交連ウィンドウ114に取り付けら得、かつ/又は第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分は、下側開口部を通して挿入され、交連ウィンドウ114に取り付けられ得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、弁構造の各弁尖の弁尖タブは、別個の上側タブ部分及び下側タブ部分なしで、例えば、間隙168なしで形成され得る。そのような実施形態では、弁尖タブは、米国仮特許出願第62/959,723号、並びに上記の参照により組み込まれる他の出願及び刊行物に記載されるものと同様の構成を有することができる。いくつかの実施形態では、これらの弁尖タブは、交連ウィンドウ114の上側開口部又は下側開口部のいずれかに挿入され得る。弁尖タブは、H形状の交連ウィンドウ114の半分にのみ挿入されるため、交連ウィンドウ114は、そのような実施形態では、U形状のウィンドウとみなされ得る。
【0098】
本開示の実施例又は実施形態のいずれかにおいて、可撓性の布又は織物などの結合部材は、弁尖タブ及び又はくさび部材の表面の周囲に配設され得る。例えば、結合部材は、交連ウィンドウへの装着前に、くさび部材及びタブに取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、結合部材は、交連ウィンドウの一部分(例えば、支柱122、124)に巻き付けられて、弁尖タブを交連ウィンドウに更に固定すること、及び/又は弁尖の一部分を摩耗から保護することができる。
【0099】
図17A及び17Bは、別の例に従った交連ウィンドウ114’を有する代替のフレーム102’を例示する。いくつかの実施形態では、人工弁100は、前述のフレーム102の代わりにフレーム102’を含むことができる。フレーム102’は、交連ウィンドウの詳細を除いて、多くの点でフレーム102と同様である。同様の参照番号が、フレーム102の部分と同様又は同じであるフレーム102’の部分に使用される。例示目的で、むき出しのフレーム102’のみが図17A及び17Bに示される。人工弁100の他の構成要素(例えば、弁尖100、内側スカート108、外側スカート104など)のいずれも、図1に示され、上述される様式でフレーム102’に組み立てられることが理解されるべきである。
【0100】
図17A及び17Bに例示される例では、各交連ウィンドウ114’は、フレーム102’の軸方向に沿って延在し、フレーム102’の円周方向に沿って離間したウィンドウ支柱122、124を含むことができる。各交連ウィンドウ114’は、ウィンドウ支柱122、124の間に延在し、それらに接続されたクロスバー120を含むことができる。各交連ウィンドウ114’は、クロスバー120の一方の側に形成された第1の上側開口部126(又は上側ウィンドウ部分若しくは下流ウィンドウ部分)、及びクロスバー120のもう一方の側に形成された第2の下側開口部128(又は下側ウィンドウ部分若しくは上流ウィンドウ部分)を含むことができる。
【0101】
各交連ウィンドウ114’は、ウィンドウ支柱122、124の上端間に延在し、上側開口部126の閉鎖端部を形成する、上側横方向支柱部分131を更に含むことができる。一例では、上側角度付き支柱130aは、ウィンドウ支柱122の上端に接続されており、上側角度付き支柱130bは、ウィンドウ支柱124の上端に接続されている。上側横方向支柱部分131は、上側角度付き支柱130aとウィンドウ支柱122との間に形成された接合部と、上側角度付き支柱130bとウィンドウ支柱124との間に形成された接合部との間に延在する。上側横方向支柱部分131は、それによって、上端におけるウィンドウ支柱122、124の安定性を高めることができる。
【0102】
各交連ウィンドウ114’は、ウィンドウ支柱122、124の下端間に延在し、下側開口部128の閉鎖端部を形成する、下側横方向支柱部分133を更に含むことができる。一例では、下側角度付き支柱132aは、ウィンドウ支柱122の下端に接続されており、下側角度付き支柱132bは、ウィンドウ支柱124の下端に接続されている。下側横方向支柱部分133は、下側角度付き支柱132aとウィンドウ支柱122との間に形成された接合部と、下側角度付き支柱132aとウィンドウ支柱124との間に形成された接合部との間に延在する。下側横方向支柱部分133は、それによって、下端におけるウィンドウ支柱122、124の構造安定性を高めることができる。
【0103】
横方向支柱部分131、133は、フレーム102’の軸方向に離間し、フレーム102’の円周方向に延在する。上側開口部126は、ウィンドウ支柱122、124、上側横方向支柱部分131、及びクロスバー120によって囲まれている。下側開口部128は、ウィンドウ支柱122、124、下側横方向支柱部分133、及びクロスバー120によって囲まれている。得られる交連ウィンドウ114’は、閉鎖端部を有するH形状を有するものとして説明され得、ウィンドウ支柱122、124及びクロスバー120は、H形状(前述の交連ウィンドウ114にあるような)を形成し、横方向支柱部分131、133は、閉鎖端部を形成する。
【0104】
上側開口部126に面する上側横方向支柱部分131の内側表面131aは、示されるように平坦であり得るか、又は他の例では湾曲し得る(例えば、凹状)。上側角度付き支柱131a、131bの間に延在する上側横支柱部分131の外側表面131bは、湾曲し得る。場合によっては、外側表面131bは、例えば、支柱136の端部に示されるように、ノッチ(例えば、U形状のノッチ)を含み得る。開口部128に面する下側横方向支柱部分133の内側表面133aは、示されるように平坦であり得るか、又は他の例では湾曲し得る(例えば、凹状)。下側角度付き支柱132a、132bの間に延在する横方向支柱部分133の外側表面133bは、湾曲し得る。場合によっては、外側表面133bは、例えば、支柱136の端部に示されるように、ノッチ(例えば、U形状のノッチ)を含み得る。
【0105】
上側横方向支柱部分131の内側表面131aからクロスバー120の中間線まで測定される軸方向距離は、長さLによって表され得る。下側横方向支柱部分133の内側表面133aからクロスバー120の中間線まで測定される軸方向距離は、長さLによって表され得る。上側横方向支柱部分131の内側表面131aから下側横方向支柱部分131の内側表面133aまで測定される軸方向距離は、長さLによって表され得、これは、長さL及びLの合計である。軸方向のクロスバー120の厚さは、長さLによって表され得る。
【0106】
比L/Lは、ウィンドウ支柱112、124に対する(又は横方向支柱部分131、133に対する)クロスバー120の軸方向位置を決定する。一例では、比L/Lは、1以上であり得る。L/Lが1に等しいとき、クロスバー120は、軸方向に沿って各ウィンドウ支柱122、124の中間点に位置付けられている。L/Lが1よりも大きいとき、上側開口部126は、下側開口部128よりも高く、クロスバー120は、上側横方向支柱部分131よりも下部横方向支柱部分133に近く位置付けられている。1より大きいL/Lは、交連ウィンドウ114’が、上側ウィンドウ部分により高い負荷を担持することを可能にし得る。一例では、L/Lは、1~3の範囲内であり得る。
【0107】
上側開口部126の長さは、L~1/2Lである。下側開口部128の長さは、L~1/2Lである。弁尖は、上側開口部126に沿ってより大きい応力を経験することができ、これは、弁尖自由縁(すなわち、他の弁尖の自由縁と接合して人工弁を閉鎖し、他の弁の自由縁から離れて移動して人工弁を開放する、弁尖の縁部)が、この開口部に取り付けられるためである。場合によっては、より長いLは、上側開口部126内に形成された交連の部分における引裂を防止するのに役立つことができる。他の例では、より長いLは、高いタブの使用を可能にすることができ、これは、弁尖流出よりもわずかに高い交連タブである。高いタブは、交連の頂部においてより良好な応力分布を可能にすることができる。
【0108】
図18は、比較的高い交連タブを有する弁尖210の一例を例示する。弁尖210は、主要な尖縁部分260、2つの弁尖タブ262(又は交連タブ)、及び弁尖自由縁258(又は接合縁)を含むことができる。図面の配向では、尖縁部分260は、弁尖210の下縁部分を形成し、弁尖自由縁258は、弁尖210の上縁を形成する。弁尖タブ262は、弁尖210の反対側の側縁部から突出する。場合によっては、弁尖タブ262は、弁尖の中心線256に関して対称であり得る。タブ262の各々は、ノッチ268(又はスリット)によって分離された上側タブ部分264及び下側タブ部分266を含むことができる。一例では、各上側タブ部分264の高さZは、それぞれの下側タブ部分266の高さZより大きくてもよい。一例では、上側タブ部分264は、0超の高さZによって、弁尖自由縁258よりもわずか上に延在することができる。例えば、高さZは、0.5mm~2mmの範囲内であり得る。
【0109】
複数の弁尖210(例えば、3つの弁尖210)で構成された弁尖アセンブリは、交連ウィンドウ114’(図17A及び17Bに示される)を使用して環状フレームに結合され得る。アセンブリは、交連ウィンドウ114’の上側開口部126を通して隣接する弁尖210の高い上側タブ部分264を延在させて、交連の上側部分を形成することと、交連ウィンドウ114’の下側開口部128を通して下側タブ部分266を延在させて、交連の下側部分を形成することと、を含むことができる。交連を形成するプロセスは、交連ウィンドウ114に関して前述したようなものであり得る。図18に示されるように、上側タブ部分264が、弁尖自由縁258よりも上に延在する例では、突起が交連ウィンドウ114’の入口に形成される。これらの突起は、弁尖タブ262によって交連ウィンドウ114’に形成された交連の頂部における、より良好な応力分布を可能にすることができる。
【0110】
図17Bに戻ると、長さL(すなわち、軸方向のクロスバー120の厚さ)は、通常、長さL及びLの各々よりもかなり小さい。同時に、長さLは、ウィンドウ支柱122、124が負荷下で曲がりすぎることを防止するのに十分な強度を、クロスバー120に提供するのに十分な大きさであるべきである。長さLは、圧着構成から完全拡張構成へのフレーム102’の移行中に、交連ウィンドウ114’に作用する力の解析によって決定され得る。一例では、長さLは、0.2mmの最小値を有することができる。別の例では、長さLは、0.4mmの最小値を有することができる。
【0111】
軸方向の横方向支柱部分131の最小厚さは、長さLによって表され得、軸方向の横方向支柱部分133の最小厚さは、長さLによって表され得る。長さL及びLは、同じであり得るか、又は異なり得、各長さL、Lは、ウィンドウ支柱122、124が負荷下で曲がりすぎることを防止するのに十分な強度を、それぞれの横方向支柱部分に提供するのに十分な大きさであるべきである。長さL及びLは、圧着構成から完全拡張構成へのフレーム102の移行中に、交連ウィンドウ114’に作用する力の解析によって決定され得る。一例では、長さL及びLの各々は、0.2mmの最小値を有することができる。別の例では、長さL及びLの各々は、0.4mmの最小値を有することができる。
【0112】
開口部124、126(又はウィンドウ支柱122、124間の間隙)は、幅Wを有することができる。幅Wのサイズは、弁尖タブの圧縮を考慮しながら、交連の形成に関与する2つの弁尖タブ、縫合糸、及び/又は織物を収容するように選択され得る。一例では、幅Wは、0.5mm~1mmの範囲内であり得る。ウィンドウ支柱122、124の幅は、Wによって表され得る。幅Wは、強度の考慮に基づいて選択される。一例では、幅Wは、ウィンドウ支柱122、124が、圧着/拡張中及び循環中に屈曲しないように選択される。幅Wのサイズは、フレーム102’が圧着構成と完全拡張構成との間で移行するとき、及びフレームに取り付けられた弁構造の弁尖が開放ポーションと閉鎖ポーションとの間で循環しているとき、フレーム102’の力解析(例えば、有限要素解析を使用した)によって決定され得る。一例では、幅Wは、0.2mm~0.5mmの範囲内であり得る。
【0113】
クロスバー120及び横方向支柱部分131、133は、交連ウィンドウ114’の形態が細長くなることを可能にすることができる。細長い交連ウィンドウは、より長い弁尖タブ(軸方向に測定される長さ)を収容することができ、これは、収縮期と拡張期との間の移行中に弁尖に印加される応力を緩和するのに有用である。クロスバー120は、交連ウィンドウをサブウィンドウに分割し、これにより、各サブウィンドウのウィンドウ支柱部分は、より短い長さにわたって延在し、サブウィンドウが、その構造的完全性を保持し、人工弁が半径方向に圧縮された状態に圧着されるときなど、負荷下での屈曲/塑性変形に耐えることを可能にする。ウィンドウ支柱122、124の端部に固定された横方向支柱部分131、133は、ウィンドウ支柱122、124の構造安定性を有利に高める。
【0114】
人工弁100(図1に示される)は、前述され、図6図15に例示されるように、フレーム102’内に弁構造106(図1に示される)を配設し、交連ウィンドウ114’に交連を取り付けて、フレームに弁構造の弁尖を取り付けることによって構築され得る。図17BのW、W、L、L、L、L、Lによって確定される交連ウィンドウ114’の寸法は、フレーム102’が負荷下にあるとき(人工弁の圧着中、又は圧着構成から完全拡張構成への人工弁の移行中、又は弁尖の循環中など)、ウィンドウ支柱122、124に沿って凸状又は凹状の輪郭の形成を回避するように調整され得る。寸法は、例えば、フレーム102’が負荷下にあるときに、ウィンドウ支柱122、124に作用する力をモデル化することによって決定され得る。
【0115】
開示される主題の上記に記載される実装を考慮して、本出願は、以下に列挙される追加の実施例を開示する。単独での実施例の1つの特徴、又は組み合わせて、任意選択的に、1つ以上の更なる実施例の1つ以上の特徴と組み合わせて取り込まれる実施例の2つ以上の特徴は、本出願の開示内に同様に含まれる更なる実施例であることに留意されたい。
【0116】
実施例1
人工心臓弁のための組み立て方法であって、(a)人工心臓弁の弁構造のための第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することであって、各弁尖が、一対のタブを有し、タブのうち一方が、弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(b)それぞれ、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分に隣接して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することと、(c)第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、(d)第1の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を折り畳むことと、(e)人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブを運搬することであって、交連ウィンドウが、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、運搬することが、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に環状フレームの半径方向に沿っており、これにより、上側タブ部分が、上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(f)第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の接面間、及び第1の弁尖タブの折り畳まれた下側タブ部分の接面間に、1つ以上のくさび部材を挿入することと、(g)第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳み、第1の弁尖タブの折り畳まれた下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、(h)(f)に記載される1つ以上のくさび部材を挿入した後、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含む、組み立て方法。
【0117】
実施例2
交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部が、側面図でH形状を形成するように配設されており、H形状の交連ウィンドウが、各々が環状フレームの軸方向に沿って延在する一対の支柱を有し、クロスバーが、一対の支柱間を、環状フレームの円周方向に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1に記載の組み立て方法。
【0118】
実施例3
クロスバーが、軸方向に沿って各支柱の中間点からずれている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例2に記載の組み立て方法。
【0119】
実施例4
各支柱が、上側開口部に隣接する第1の端部、及び下側開口部に隣接する第2の端部を有し、軸方向に沿った各支柱の第1の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離Lが、クロスバーの中間から各支柱の第2の端部までの軸方向に沿った距離Lよりも小さく、L/Lが、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例3に記載の組み立て方法。
【0120】
実施例5
(c)における縫い合わせが、少なくとも1つの第1の縫合糸によるものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~4のいずれかに記載の組み立て方法。
【0121】
実施例6
少なくとも1つの第1の縫合糸が、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、単一の第1の縫合糸である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例5に記載の組み立て方法。
【0122】
実施例7
少なくとも1つの第1の縫合糸が、一対の第1の縫合糸であり、一対の第1の縫合糸のうち一方が、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、一対の第1の縫合糸のもう一方が、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例5に記載の組み立て方法。
【0123】
実施例8
(h)における縫い合わせが、少なくとも1つの第2の縫合糸によるものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~7のいずれかに記載の組み立て方法。
【0124】
実施例9
少なくとも1つの第2の縫合糸が、1つ以上のくさび部材、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、単一の第2の縫合糸である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例8に記載の組み立て方法。
【0125】
実施例10
少なくとも1つの第2の縫合糸が、一対の第2の縫合糸であり、一対の第2の縫合糸のうち一方が、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、一対の第2の縫合糸のもう一方が、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例8に記載の組み立て方法。
【0126】
実施例11
各弁尖タブの上側タブ部分が、当該上側タブ部分の自由端に隣接する第1の部分、及び弁尖の第1の部分と中心線との間にある第2の部分を有し、各弁尖タブの下側タブ部分が、当該下側タブ部分の自由端に隣接する第3の部分、及び弁尖の第3の部分と中心線との間にある第4の部分を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~10のいずれかに記載の組み立て方法。
【0127】
実施例12
(c)における縫い合わせが、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分に第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分を縫い合わせ、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分に第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分を縫い合わせることを含み、(c)における縫い合わせの後、及び(h)における縫い合わせの前に、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、及び第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分が、縫い合わされていない、本明細書の任意の実施例、特に、実施例11に記載の組み立て方法。
【0128】
実施例13
(g)における折り畳みの後、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分と接触し、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分と接触する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例11及び12のいずれかに記載の組み立て方法。
【0129】
実施例14
(h)における縫い合わせの後、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分、1つ以上のくさび部材、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分が、円周方向に沿って順番に配設され、一緒に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例11~13のいずれかに記載の組み立て方法。加えて、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分、1つ以上のくさび部材、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分は、円周方向に沿って順番に配設され、一緒に縫い合わされる。
【0130】
実施例15
(g)における折り畳みの後、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の自由端、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の自由端が、1つ以上のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例11~14のいずれかに記載の組み立て方法。
【0131】
実施例16
(d)における折り畳みが、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分に面するか、又はそれと接触し、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分に面するか、又はそれと接触するようなものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例11~15のいずれかに記載の組み立て方法。
【0132】
実施例17
(i)弁構造のための第3の弁尖を提供することであって、第3の弁尖も、一対のタブを有し、タブのうち一方が、第3の弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(j)それぞれ、第3の弁尖の一対のタブの第3のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分に隣接して、第1の弁尖又は第2の弁尖のいずれかの一対のタブの第4のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することと、(k)第3のタブ及び第4のタブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、第3のタブ及び第4のタブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、(l)第3の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を折り畳むことと、(m)環状フレームの第2の交連ウィンドウを通して、第3のタブ及び第4のタブを運搬することであって、第2の交連ウィンドウが、第2のクロスバーによって軸方向に沿って互いから分離された第2の上側開口部及び下側開口部を有し、運搬することが、第2の交連ウィンドウの半径方向内側から第2の交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、上側タブ部分が、第2の上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分が、第2の下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(n)第3のタブの折り畳まれた上側タブ部分の接面間、及び第3のタブの折り畳まれた下側タブ部分の接面間に、1つ以上の第2のくさび部材を挿入することと、(o)第3のタブの折り畳まれた上側タブ部分の周囲で、第4のタブの上側タブ部分を折り畳み、第3のタブの折り畳まれた下側タブ部分の周囲で、第4のタブの下側タブ部分を折り畳むことと、(p)(n)の後、1つ以上の第2のくさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、1つ以上の第2くさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~16のいずれかに記載の組み立て方法。
【0133】
実施例18
各くさび部材が、編組縫合糸、編組ケーブル、又は畳まれた布片のうち少なくとも1つを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~17のいずれかに記載の組み立て方法。
【0134】
実施例19
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一体部分である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~18のいずれかに記載の組み立て方法。
【0135】
実施例20
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一部を形成するか、又はそれに結合されたそれぞれの支持部材の一部である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~18のいずれかに記載の組み立て方法。
【0136】
実施例21
支持部材が、人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構の一部分を含むか、又は人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例20に記載の組み立て方法。
【0137】
実施例22
第1の部分~第4の部分のうち1つ以上が、それらの中に1つ以上の貫通穴を含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例11~21のいずれかに記載の組み立て方法。
【0138】
実施例23
(c)における縫い合わせが、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すこと、並びに第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すことを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例22に記載の組み立て方法。
【0139】
実施例24
(h)における縫い合わせが、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分及び第2の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すこと、並びに第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分及び第4の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すことを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例22及び23のいずれかに記載の組み立て方法。
【0140】
実施例25
1つ以上のくさび部材が、単一の連続的なくさび部材を含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~24のいずれかに記載の組み立て方法。
【0141】
実施例26
1つ以上のくさび部材が、別個の第1のくさび部材及び第2のくさび部材を含み、第1のくさび部材が、第1の弁尖タブの上側タブ部分に対して挿入され、第2のくさび部材が、第1の弁尖タブの下側タブ部分に対して挿入される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~24のいずれかに記載の組み立て方法。
【0142】
実施例27
(e)の運搬が、(b)若しくは(c)の配設前に実施され、かつ/又は(g)の折り畳みが、(f)の挿入前に実施される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例1~26のいずれかに記載の組み立て方法。
【0143】
実施例28
人工心臓弁のための組み立て方法であって、(a)人工心臓弁の弁構造のための第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することであって、各弁尖が、一対のタブを有し、タブのうち一方が、弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(b)第1のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分を配設し、第2のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖タブの下側タブ部分を配設することと、(c)第1のくさび部材及び第1の弁尖タブの少なくとも上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、第2のくさび部材及び第1の弁尖タブの少なくとも下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、(d)人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1のくさび部材、第2のくさび部材、及び第1の弁尖タブを運搬することであって、交連ウィンドウが、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、運搬することが、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に環状フレームの半径方向に沿っており、これにより、第1の弁尖タブの上側タブ部分及び第1のくさび部材が、上側開口部を通して挿入され、第1の弁尖タブの下側タブ部分及び第2のくさび部材が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(e)交連ウィンドウを通して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブを運搬することであって、運搬することが、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、第2の弁尖タブの上側タブ部分が、上側開口部を通して挿入され、第2の弁尖タブの下側タブ部分が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(f)第1の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳み、第1の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、(g)(f)の後、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、第2のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含む、方法。
【0144】
実施例29
各弁尖タブの上側タブ部分が、当該上側タブ部分の自由端に隣接する第1の部分、及び弁尖の第1の部分と中心線との間にある第2の部分を有し、各弁尖タブの下側タブ部分が、当該下側タブ部分の自由端に隣接する第3の部分、及び弁尖の第3の部分と中心線との間にある第4の部分を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28に記載の組み立て方法。
【0145】
実施例30
(f)における折り畳みの後、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分と接触し、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分と接触する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例29に記載の組み立て方法。
【0146】
実施例31
(c)における縫い合わせが、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、第1のくさび部材、及び第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分を一緒に縫い合わせること、並びに第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、第2のくさび部材、及び第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分を一緒に縫い合わせることを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例29及び30のいずれかに記載の組み立て方法。
【0147】
実施例32
(c)の縫い合わせの前に、それぞれ、第1の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分に隣接して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することを更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例29及び30のいずれかに記載の組み立て方法。(c)の縫い合わせにおいて、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分が一緒に縫い合わされ、第2のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分が一緒に縫い合わされる。(e)の運搬は、(d)の運搬と同時に実施される。
【0148】
実施例33
(c)における縫い合わせが、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、第1のくさび部材、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分、及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分を一緒に縫い合わせることを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例32に記載の組み立て方法。(c)における縫い合わせは、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、第2のくさび部材、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分、及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分を一緒に縫い合わせることを更に含む。
【0149】
実施例34
(c)の縫い合わせの後、及び(g)の縫い合わせの前に、第2の弁尖タブの上側タブ部分の少なくとも第1の部分及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の少なくとも第3の部分が、縫い合わされていない、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~33のいずれかに記載の組み立て方法。
【0150】
実施例35
(c)の縫い合わせが、(d)の運搬の後又は(b)の配設の前に実施される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28に記載の組み立て方法。
【0151】
実施例36
(d)の運搬において、第1のくさび部材及び第1の弁尖タブの上側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、交連ウィンドウの上側開口部の円周方向に沿った幅よりも小さく、(f)の折り畳み後、第1のくさび部材並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、上側開口部の円周方向に沿った幅よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~35のいずれかに記載の組み立て方法。
【0152】
実施例37
(d)の運搬において、第2のくさび部材及び第1の弁尖タブの下側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、交連ウィンドウの下側開口部の円周方向に沿った幅よりも小さく、(f)の折り畳み後、第2のくさび部材並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、下側開口部の円周方向に沿った幅よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~36のいずれかに記載の組み立て方法。
【0153】
実施例38
(b)の上側タブ部分を配設することが、第1の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳み、第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の接面間に、第1のくさび部材を挿入することを含み、かつ/又は(b)の下側タブ部分を配設することが、第1の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳み、第1の弁尖タブの折り畳まれた下側タブ部分の接面間に、第2のくさび部材を挿入することを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~37のいずれかに記載の組み立て方法。
【0154】
実施例39
(b)の上側タブ部分を配設することが、第1のくさび部材に第1の弁尖タブの上側タブ部分を巻き付けることを含み、かつ/又は(b)の下側タブ部分を配設することが、第2のくさび部材に第1の弁尖タブの下側タブ部分を巻き付けることを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~38のいずれかに記載の組み立て方法。
【0155】
実施例40
交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部が、側面図でH形状を形成するように配設されており、H形状の交連ウィンドウが、各々が環状フレームの軸方向に沿って延在する一対の支柱を有し、クロスバーが、一対の支柱間を、環状フレームの円周方向に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~39のいずれかに記載の組み立て方法。
【0156】
実施例41
クロスバーが、軸方向に沿って各支柱の中間点からずれている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例40に記載の組み立て方法。
【0157】
実施例42
各支柱が、上側開口部に隣接する第1の端部、及び下側開口部に隣接する第2の端部を有し、軸方向に沿った各支柱の第1の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離Lが、クロスバーの中間から各支柱の第2の端部までの軸方向に沿った距離Lよりも小さく、L/Lが、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例41に記載の組み立て方法。
【0158】
実施例43
(d)の折り畳みにおいて、第1のくさび部材及び上側タブ部分を一緒に縫い合わせることが、少なくとも1つの第1の縫合糸によるものであり、第2のくさび部材及び下側タブ部分を一緒に縫い合わせることが、少なくとも1つの第2の縫合糸によるものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~42のいずれかに記載の組み立て方法。
【0159】
実施例44
(d)において、第1のくさび部材及び上側タブ部分を一緒に縫い合わせること、並びに第2のくさび部材及び下側タブ部分を一緒に縫い合わせることが、単一の縫合糸によるものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~43のいずれかに記載の組み立て方法。
【0160】
実施例45
(g)の縫い合わせの後、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分、第1のくさび部材、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分が、円周方向に沿って順番に配設され、一緒に縫い合わされ、かつ/又は第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分、第2のくさび部材、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分が、円周方向に沿って順番に配設され、一緒に縫い合わされる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~44のいずれかに記載の組み立て方法。
【0161】
実施例46
(f)の折り畳みの後、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の自由端が、第1のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設され、かつ/又は第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の自由端が、第2のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~45のいずれかに記載の組み立て方法。
【0162】
実施例47
(h)弁構造のための第3の弁尖を提供することであって、第3の弁尖も、一対のタブを有し、タブのうち一方が、第3の弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(i)第3のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第3の弁尖の一対のタブの第3のタブの上側タブ部分を配設し、第4のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第3の弁尖タブの下側タブ部分を配設することと、(j)第3のくさび部材及び第3の弁尖タブの少なくとも上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、第4のくさび部材及び第3の弁尖タブの少なくとも下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、(k)環状フレームの第2の交連ウィンドウを通して、第3のくさび部材、第4のくさび部材、及び第3の弁尖タブを運搬することであって、第2の交連ウィンドウが、第2のクロスバーによって軸方向に沿って互いから分離された第2の上側開口部及び第2の下側開口部を有し、運搬することが、第2の交連ウィンドウの半径方向内側から第2の交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、第3の弁尖タブの上側タブ部分及び第3のくさび部材が、第2の上側開口部を通して挿入され、第3の弁尖タブの下側タブ部分及び第4のくさび部材が、第2の下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(l)第2の交連ウィンドウを通して、第1の弁尖又は第2の弁尖のいずれかの一対のタブの第4のタブを運搬することであって、運搬することが、第2の交連ウィンドウの半径方向内側から第2の交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿ってあり、これにより、第4のタブの上側タブ部分が、上側開口部を通して挿入され、第4のタブの下側タブ部分が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(m)第3の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第4のタブの上側タブ部分を折り畳み、第3の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第4のタブの下側タブ部分を折り畳むことと、(n)(m)の後、第3のくさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、第4のくさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~46のいずれかに記載の組み立て方法。
【0163】
実施例48
各くさび部材が、編組縫合糸、編組ケーブル、又は畳まれた布片のうち少なくとも1つを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~47のいずれかに記載の組み立て方法。
【0164】
実施例49
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一体部分である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~48のいずれかに記載の組み立て方法。
【0165】
実施例50
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一部を形成するか、又はそれに結合されたそれぞれの支持部材の一部である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例28~48のいずれかに記載の組み立て方法。
【0166】
実施例51
支持部材が、人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構の一部分を含むか、又は人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例50に記載の組み立て方法。
【0167】
実施例52
第1の部分~第4の部分のうち1つ以上が、それらの中に1つ以上の貫通穴を含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例29~51のいずれかに記載の組み立て方法。
【0168】
実施例53
(c)における縫い合わせが、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分及び第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すこと、並びに第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すことを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例52に記載の組み立て方法。
【0169】
実施例54
(g)における縫い合わせが、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分及び第2の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すこと、並びに第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分及び第4の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すことを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例52~53のいずれかに記載の組み立て方法。
【0170】
実施例55
人工心臓弁のための組み立て方法であって、(a)人工心臓弁の弁構造のための第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することであって、各弁尖が、一対のタブを有し、タブのうち一方が、弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(b)人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブを運搬し、交連ウィンドウを通して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブを運搬することであって、交連ウィンドウが、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、運搬することが、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に環状フレームの半径方向に沿っており、これにより、上側タブ部分が、上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(c)(b)の後、1つ以上のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することと、(d)第1の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳み、第1の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、(e)1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含む、方法。
【0171】
実施例56
各弁尖タブの上側タブ部分が、当該上側タブ部分の自由端に隣接する第1の部分、及び弁尖の第1の部分と中心線との間にある第2の部分を有し、各弁尖タブの下側タブ部分が、当該下側タブ部分の自由端に隣接する第3の部分、及び弁尖の第3の部分と中心線との間にある第4の部分を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55に記載の組み立て方法。
【0172】
実施例57
(c)の後及び(d)の前に、1つ以上のくさび部材及び第1の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせること、並びに1つ以上のくさび部材及び第1の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることを更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~56のいずれかに記載の組み立て方法。
【0173】
実施例58
1つ以上のくさび部材及び第1の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせることが、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分、1つ以上のくさび部材、及び第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分を一緒に縫い合わせることを含み、1つ以上のくさび部材及び第1の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることが、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分、1つ以上のくさび部材、及び第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分を一緒に縫い合わせることを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例57に記載の組み立て方法。
【0174】
実施例59
(b)において、交連ウィンドウを通して第2の弁尖タブを運搬することが、交連ウィンドウを通して第1の弁尖タブを運搬することと同時に生じる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~58のいずれかに記載の組み立て方法。
【0175】
実施例60
(b)において、交連ウィンドウを通して第2の弁尖タブを運搬することが、交連ウィンドウを通して第1の弁尖タブを運搬する前又は後に生じる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~58のいずれかに記載の組み立て方法。
【0176】
実施例61
(d)の後、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分と接触し、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分と接触し、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分と接触し、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分と接触する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~60のいずれかに記載の組み立て方法。
【0177】
実施例62
(d)の折り畳みが、(c)の配設の前に生じる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55に記載の組み立て方法。
【0178】
実施例63
(e)の前に、第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分が、縫い合わされていない、本明細書の任意の実施例、特に、任意の実施例55~62のいずれかに記載の組み立て方法。
【0179】
実施例64
(d)の後、1つ以上のくさび部材並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、上側開口部の円周方向に沿った幅よりも大きく、かつ/又は1つ以上のくさび部材並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、下側開口部の円周方向に沿った幅よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~63のいずれかに記載の組み立て方法。
【0180】
実施例65
(c)の上側タブ部分を配設することが、第1の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳むこと、及び第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の接面間に、1つ以上のくさび部材を挿入することを含み、かつ/又は(c)の下側タブ部分を配設することが、第1の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むこと、及び第1の弁尖タブの折り畳まれた下側タブ部分の接面間に、1つ以上のくさび部材を挿入することを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~64のいずれかに記載の組み立て方法。
【0181】
実施例66
(c)の上側タブ部分を配設することが、1つ以上のくさび部材に第1の弁尖タブの上側タブ部分を巻き付けることを含み、かつ/又は(c)の下側タブ部分を配設することが、1つ以上のくさび部材に第1の弁尖タブの下側タブ部分を巻き付けることを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~65のいずれかに記載の組み立て方法。
【0182】
実施例67
1つ以上のくさび部材が、単一の連続的なくさび部材を含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~66のいずれかに記載の組み立て方法。
【0183】
実施例68
1つ以上のくさび部材が、別個の第1のくさび部材及び第2のくさび部材を含み、第1の弁尖タブの上側タブ部分が、第1のくさび部材の周囲に配設され、第1の弁尖タブの下側タブ部分が、第2のくさび部材の周囲に配設される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~66のいずれかに記載の組み立て方法。
【0184】
実施例69
交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部が、側面図でH形状を形成するように配設されており、H形状の交連ウィンドウが、各々が環状フレームの軸方向に沿って延在する一対の支柱を有し、クロスバーが、一対の支柱間を、環状フレームの円周方向に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~68のいずれかに記載の組み立て方法。
【0185】
実施例70
クロスバーが、軸方向に沿って各支柱の中間点からずれている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例69に記載の組み立て方法。
【0186】
実施例71
各支柱が、上側開口部に隣接する第1の端部、及び下側開口部に隣接する第2の端部を有し、軸方向に沿った各支柱の第1の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離Lが、クロスバーの中間から各支柱の第2の端部までの軸方向に沿った距離Lよりも小さく、L/Lが、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例70に記載の組み立て方法。
【0187】
実施例72
(e)における縫い合わせが、少なくとも1つの第1の縫合糸によるものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~71のいずれかに記載の組み立て方法。
【0188】
実施例73
少なくとも1つの第1の縫合糸が、1つ以上のくさび部材、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、単一の第1の縫合糸である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例72に記載の組み立て方法。
【0189】
実施例74
少なくとも1つの第1の縫合糸が、一対の第1の縫合糸であり、一対の第1の縫合糸のうち一方が、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、一対の第1の縫合糸のもう一方が、1つ以上のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、本明細書の任意の実施例、特に、実施例72に記載の組み立て方法。
【0190】
実施例75
(d)の後、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の自由端が、1つ以上のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設され、かつ/又は第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の自由端が、1つ以上のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例56~74のいずれかに記載の組み立て方法。
【0191】
実施例76
(f)弁構造のための第3の弁尖を提供することであって、第3の弁尖も、一対のタブを有し、タブのうち一方が、第3の弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(g)環状フレームの第2の交連ウィンドウを通して、第3の弁尖タブを運搬し、第2の交連ウィンドウを通して、第1の弁尖又は第2の弁尖のいずれかの一対のタブの第4のタブを運搬することであって、第2の交連ウィンドウが、第2のクロスバーによって軸方向に沿って互いから分離された第2の上側開口部及び第2の下側開口部を有し、運搬することが、第2の交連ウィンドウの半径方向内側から第2の交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、上側タブ部分が、第2の上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分が、第2の下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(h)(g)の後、1つ以上の第2のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第3のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することと、(i)第3のタブの上側タブ部分の周囲で、第4のタブの上側タブ部分を折り畳み、第3のタブの折り畳まれた下側タブ部分の周囲で、第4のタブの下側タブ部分を折り畳むことと、(j)(i)の後、1つ以上の第2のくさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、1つ以上の第2のくさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~75のいずれかに記載の組み立て方法。
【0192】
実施例77
各くさび部材が、編組縫合糸、編組ケーブル、又は畳まれた布片のうち少なくとも1つを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~76のいずれかに記載の組み立て方法。
【0193】
実施例78
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一体部分である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~77のいずれかに記載の組み立て方法。
【0194】
実施例79
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一部を形成するか、又はそれに結合されたそれぞれの支持部材の一部である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例55~77のいずれかに記載の組み立て方法。
【0195】
実施例80
支持部材が、人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構の一部分を含むか、又は人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例79に記載の組み立て方法。
【0196】
実施例81
第1の部分~第4の部分のうち1つ以上が、それらの中に1つ以上の貫通穴を含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例56~79のいずれかに記載の組み立て方法。
【0197】
実施例82
(e)における縫い合わせが、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すこと、並びに第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すことを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例81に記載の組み立て方法。
【0198】
実施例83
人工心臓弁のための組み立て方法であって、(a)人工心臓弁の弁構造のための第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することであって、各弁尖が、一対のタブを有し、タブのうち一方が、弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(b)第1のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分を配設することと、(c)第1のくさび部材及び第1の弁尖タブの少なくとも上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、(d)人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖タブの下側タブ部分を運搬することであって、交連ウィンドウが、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、運搬することが、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に環状フレームの半径方向に沿っており、これにより、第1の弁尖タブの下側タブ部分が、下側開口部を通って延在する、運搬することと、(e)交連ウィンドウの半径方向内側から、交連ウィンドウの上側開口部を通して又はその上を、交連ウィンドウの半径方向外側に、第1のくさび部材及び第1の弁尖タブの上側タブ部分を運搬することであって、これにより、第1の弁尖タブの上側タブ部分が、上側開口部を通って延在する、運搬することと、(f)第1のくさび部材の周囲で、第1の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、(g)交連ウィンドウを通して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブを運搬することであって、運搬することが、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、第2の弁尖タブの上側タブ部分が、上側開口部を通して挿入され、第2の弁尖タブの下側タブ部分が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(h)第1の弁尖タブの上側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳み、第1の弁尖タブの下側タブ部分の周囲で、第2の弁尖タブの下側タブ部分を折り畳むことと、(i)(h)の後、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分及び下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を含む、方法。
【0199】
実施例84
各弁尖タブの上側タブ部分が、当該上側タブ部分の自由端に隣接する第1の部分、及び弁尖の第1の部分と中心線との間にある第2の部分を有し、各弁尖タブの下側タブ部分が、当該下側タブ部分の自由端に隣接する第3の部分、及び弁尖の第3の部分と中心線との間にある第4の部分を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83に記載の組み立て方法。
【0200】
実施例85
(f)の後及び(h)の前に、第1のくさび部材及び第1の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせることを更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~84のいずれかに記載の組み立て方法。
【0201】
実施例86
(c)において、第1のくさび部材、第1の弁尖タブの上側タブ部分、及び第2の弁尖タブの上側タブ部分が、一緒に縫い合わされ、(g)の運搬が、(d)及び/又は(e)の運搬と一緒に実施される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~85のいずれかに記載の組み立て方法。
【0202】
実施例87
(g)の運搬が、(d)及び/又は(e)の運搬の前に、又はそれらとともに実施される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~85のいずれかに記載の組み立て方法。
【0203】
実施例88
(e)の運搬が、(d)の運搬の前に、又はそれらとともに実施される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~87のいずれかに記載の組み立て方法。
【0204】
実施例89
(f)の折り畳みが、(h)の折り畳みと一緒に実施される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~88のいずれかに記載の組み立て方法。
【0205】
実施例90
(h)の後、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分と接触し、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分が、第1の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分と接触し、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分と接触し、第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分が、第1の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分と接触する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例84~89のいずれかに記載の組み立て方法。
【0206】
実施例91
(h)の後、第1のくさび部材並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、上側開口部の円周方向に沿った幅よりも大きく、かつ/又は第1のくさび部材並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の組み合わせの円周方向に沿った寸法が、下側開口部の円周方向に沿った幅よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~90のいずれかに記載の組み立て方法。
【0207】
実施例92
(b)の上側タブ部分を配設することが、第1の弁尖タブの上側タブ部分を折り畳み、及び第1の弁尖タブの折り畳まれた上側タブ部分の接面間に第1のくさび部材を挿入すること、又は1つ以上のくさび部材に第1の弁尖タブの上側タブ部分を巻き付けることを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~91のいずれかに記載の組み立て方法。
【0208】
実施例93
交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部が、側面図でH形状を形成するように配設されており、H形状の交連ウィンドウが、各々が環状フレームの軸方向に沿って延在する一対の支柱を有し、クロスバーが、一対の支柱間を、環状フレームの円周方向に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~92のいずれかに記載の組み立て方法。
【0209】
実施例94
クロスバーが、軸方向に沿って各支柱の中間点からずれている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例93に記載の組み立て方法。
【0210】
実施例95
各支柱が、上側開口部に隣接する第1の端部、及び下側開口部に隣接する第2の端部を有し、軸方向に沿った各支柱の第1の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離Lが、クロスバーの中間から各支柱の第2の端部までの軸方向に沿った距離Lよりも小さく、L/Lが、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例94に記載の組み立て方法。
【0211】
実施例96
(i)における縫い合わせが、少なくとも1つの第1の縫合糸によるものである、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~95のいずれかに記載の組み立て方法。
【0212】
実施例97
少なくとも1つの第1の縫合糸が、第1のくさび部材、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、単一の第1の縫合糸である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例96に記載の組み立て方法。
【0213】
実施例98
少なくとも1つの第1の縫合糸が、一対の第1の縫合糸であり、一対の第1の縫合糸のうち一方が、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分を一緒に縫い合わせ、一対の第1の縫合糸のもう一方が、第1のくさび部材、並びに第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分を一緒に縫い合わせる、実施例96に記載の組み立て方法。
【0214】
実施例99
(h)の後、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の自由端が、第1のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設され、かつ第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の自由端が、第1のくさび部材と交連ウィンドウの半径方向外側との間に半径方向に沿って配設される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例84~98のいずれかに記載の組み立て方法。
【0215】
実施例100
(j)弁構造のための第3の弁尖を提供することであって、第3の弁尖も、一対のタブを有し、タブのうち一方が、第3の弁尖の中心線に対してタブのうちもう一方から反対側にあり、各タブが、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する、提供することと、(k)第2のくさび部材の円周の少なくとも一部分を包囲するように、第3の弁尖の一対のタブの第3のタブの上側タブ部分を配設することと、(l)第3のくさび部材及び第3のタブの少なくとも上側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、(m)環状フレームの第2の交連ウィンドウを通して、第3のタブの下側タブ部分を運搬することであって、第2の交連ウィンドウが、第2のクロスバーによって軸方向に沿って互いから分離された第2の上側開口部及び第2の下側開口部を有し、運搬することが、第2の交連ウィンドウの半径方向内側から第2の交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、第3のタブの下側タブ部分が、第2の下側開口部を通って延在する、運搬することと、(n)第2の交連ウィンドウの半径方向内側から、第2の交連ウィンドウの上側開口部を通して又はその上を、第2の交連ウィンドウの半径方向外側に、第2のくさび部材及び第3のタブの上側タブ部分を運搬することであって、これにより、第3のタブの上側タブ部分が、第2の上側開口部を通って延在する、運搬することと、(o)第2のくさび部材の周囲で、第3のタブの下側タブ部分を折り畳むことと、(p)第2の交連ウィンドウを通して、第1の弁尖又は第2の弁尖のいずれかの一対のタブの第4のタブを運搬することであって、運搬することが、第2の交連ウィンドウの半径方向内側から第2の交連ウィンドウの半径方向外側に半径方向に沿っており、これにより、第4のタブの上側タブ部分が、上側開口部を通して挿入され、第4のタブの下側タブ部分が、下側開口部を通して挿入される、運搬することと、(q)第3のタブの上側タブ部分の周囲で、第4のタブの上側タブ部分を折り畳み、第3のタブの折り畳まれた下側タブ部分の周囲で、第4のタブの下側タブ部分を折り畳むことと、(r)(q)の後、第2のくさび部材、並びに第3のタブ及び第4のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を一緒に縫い合わせることと、を更に含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~99のいずれかに記載の組み立て方法。
【0216】
実施例101
各くさび部材が、編組縫合糸、編組ケーブル、又は畳まれた布片のうち少なくとも1つを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~100のいずれかに記載の組み立て方法。
【0217】
実施例102
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一体部分である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~101のいずれかに記載の組み立て方法。
【0218】
実施例103
各交連ウィンドウが、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの一部を形成するか、又はそれに結合されたそれぞれの支持部材の一部である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~101のいずれかに記載の組み立て方法。
【0219】
実施例104
支持部材が、人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構の一部分を含むか、又は人工心臓弁のアクチュエータ又は係止機構に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例103に記載の組み立て方法。
【0220】
実施例105
第1の部分~第4の部分のうち1つ以上が、それらの中に1つ以上の貫通穴を含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例83~104のいずれかに記載の組み立て方法。
【0221】
実施例106
(h)における縫い合わせが、第2の弁尖タブの上側タブ部分の第1の部分及び第2の弁尖タブの上側タブ部分の第2の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すこと、並びに第2の弁尖タブの下側タブ部分の第3の部分及び第2の弁尖タブの下側タブ部分の第4の部分の貫通穴に、1つ以上の縫合糸を通すことを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例105に記載の組み立て方法。
【0222】
実施例107
人工心臓弁が、複数の交連ウィンドウを有する拡張可能な環状フレームと、交連ウィンドウに結合された弁構造と、を備える。弁構造は、複数の弁尖を含む。隣接する弁尖のタブは、実施例1~106のいずれかに記載の組み立て方法に従って、交連ウィンドウのそれぞれ1つに結合されている。
【0223】
実施例108
人工心臓弁は、複数の連通ウィンドウを有する拡張可能な環状フレームと、複数の弁尖を含む弁構造と、を備え、各弁尖は、一対のタブを有し、タブのうち一方は、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にあり、各タブは、上側タブ部分、及び間隙によって中心線に平行な方向に沿って上側タブ部分から分離された下側タブ部分を有する。弁構造は、隣接する弁尖の対になったタブによって形成された複数の交連を有する。各交連は、交連ウィンドウのうち対応する1つに結合されて、環状フレーム内で弁構造を支持する。各交連ウィンドウは、それぞれのクロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有する。各タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ上側開口部及び下側開口部を通って、それぞれの交連ウィンドウの半径方向外側に延在する。環状フレームは、第1の直径を有する圧着状態と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する拡張状態との間で拡張可能である。
【0224】
実施例109
複数の交連に対応する複数のくさび部材を更に備える、本明細書の任意の実施例、特に、実施例108に記載の人工心臓弁。各くさび部材は、それぞれの交連ウィンドウの半径方向外側に配設されており、対応する交連のタブが、くさび部材に巻き付いている。
【0225】
実施例110
各くさび部材が、1つ以上の縫合糸によって、対応する交連の1つ以上の巻き付けられたタブに結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例109に記載の人工心臓弁。
【0226】
実施例111
複数の交連に対応する複数の第1のくさび部材及び第2のくさび部材を更に備える、本明細書の任意の実施例、特に、実施例108に記載の人工心臓弁。各第1のくさび部材は、それぞれの交連ウィンドウの半径方向外側に配設されており、対応する交連のタブの上側タブ部分は、当該第1のくさび部材に巻き付いている。各第2のくさび部材は、それぞれの交連ウィンドウの半径方向外側に配設されており、対応する交連のタブの下側タブ部分は、当該第2のくさび部材に巻き付いている。
【0227】
実施例112
1つ以上の縫合糸によって、各第1のくさび部材が、対応する交連のタブの巻き付けられた上側タブ部分のうち1つ以上に結合されており、各第2のくさび部材が、対応する交連のタブの巻き付けられた下側タブ部分のうち1つ以上に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例111に記載の人工心臓弁。
【0228】
実施例113
各くさび部材が、編組縫合糸、編組ケーブル、又は畳まれた布片のうち少なくとも1つを含む、本明細書の任意の実施例、特に、実施例109~112のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0229】
実施例114
各交連ウィンドウが、拡張可能な環状フレームの一体部分である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例108~113のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0230】
実施例115
拡張可能な環状フレームの一部を形成するか、又はそれに結合されている複数の支持部材を更に備える、本明細書の任意の実施例、特に、実施例108~113のいずれかに記載の人工心臓弁。各交連ウィンドウは、支持部材のそれぞれ1つの一部である。
【0231】
実施例116
環状フレームを拡張若しくは収縮させるように構成されたアクチュエータ、又は環状フレームの拡張若しくは収縮後に環状フレームの形状を維持するように構成された係止機構と、を更に備える、本明細書の任意の実施例、特に、実施例115に記載の人工心臓弁。支持部材のうち少なくとも1つは、アクチュエータ若しくは係止機構の一部分であるか、又はアクチュエータ若しくは係止機構に結合されている。
【0232】
実施例117
各交連ウィンドウの上側開口部及び下側開口部が、それぞれの側面図でH形状を形成するように配設されており、各交連ウィンドウが、一対の支柱を有し、各支柱が、環状フレームの軸方向に沿って延在し、各交連ウィンドウについて、対応するクロスバーが、一対の支柱間を、環状フレームの円周方向に沿って延在する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例108~116のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0233】
実施例118
クロスバーが、軸方向に沿って各支柱の中間点からずれている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例117に記載の人工心臓弁。
【0234】
実施例119
各交連ウィンドウについて、各支柱が、上側開口部に隣接する第1の端部、及び下側開口部に隣接する第2の端部を有し、軸方向に沿った各支柱の第1の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離Lが、クロスバーの中間から各支柱の第2の端部までの軸方向に沿った距離Lよりも小さい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例118に記載の人工心臓弁。
【0235】
実施例120
/Lが、0.25~0.35(両端を含む)の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例119に記載の人工心臓弁。
【0236】
実施例121
環状フレームが、環状フレームの円周方向に沿って延在するように、軸方向に対して角度付きである複数の第1の支柱を備え、第1の支柱が、隣接する端部において一緒に接続して、開放セル格子構造を形成し、各セルが、環状フレームの半径方向に沿って開放しており、各交連ウィンドウの支柱が、格子構造内に配設されており、第1の支柱のうち隣接する支柱に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例107~120のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0237】
実施例122
各交連ウィンドウについて、各支柱が、上側開口部に隣接し、かつ環状フレームのそれぞれの第1の角度付き支柱の第3の端部に接続された第1の端部であって、第1の角度付き支柱が、環状フレームの隣接する角度付き支柱に接続された第4の端部を有する、第1の端部と、下側開口部に隣接し、かつ環状フレームのそれぞれの第2の角度付き支柱の第5の端部に接続された第2の端部であって、第2の角度付き支柱が、環状フレームの別の隣接する角度付き支柱に接続された第6の端部を有する、第2の端部と、を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例107~121のいずれかに記載の人工心臓弁。各交連ウィンドウについて、環状フレームが、圧着状態と拡張状態との間の中間の第3の直径にあるとき、(h)/(h)は、0.8~1.2(両端を含む)の範囲内であり、式中、hは、第1の角度が付けられた支柱の第3の端部から第4の端部までの軸方向に沿った距離であり、hは、第2の角度が付けられた支柱の第5の端部から第6の端部までの軸方向に沿った距離であり、yは、第4の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離であり、yは、第6の端部からクロスバーの中間までの軸方向に沿った距離である。
【0238】
実施例123
(h)/(h)が、0.9~1.1(両端を含む)の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例122に記載の人工心臓弁。
【0239】
実施例124
(h)/(h)が、約1である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例123に記載の人工心臓弁。
【0240】
実施例125
環状フレームが、軸方向に実質的に平行に延在する複数の第2の支柱を更に備え、各第2の支柱が、格子構造内に配置されており、第1の支柱のうち隣接する支柱に結合されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例121~124のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0241】
実施例126
第2の支柱のうち少なくとも1つが、環状フレームの円周方向に沿って一対の交連ウィンドウの間に配設されている、本明細書の任意の実施例、特に、125に記載の人工心臓弁。
【0242】
実施例127
環状フレームの円周方向に沿って等間隔で、第2の支柱のうち1つ又は交連ウィンドウのうち1つが、格子構造内に配設されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例125~126のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0243】
実施例128
各第2の支柱が、各第1の支柱の幅よりも大きい円周方向に沿った幅を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例125~127のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0244】
実施例129
各第2の支柱が、端部分、及び環状フレームの軸方向に平行な方向に沿った端部分間の中間部分を有し、円周方向に沿った中間部分の幅が、端部分の幅よりも小さい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例125~128のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0245】
実施例130
環状フレームが圧着構成にあるとき、各第2の支柱が、交連ウィンドウのうち1つの対向支柱の形状を補完する、それぞれの側面図においてドッグボーン形状を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例125~129のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0246】
実施例131
各交連ウィンドウの支柱が、第1の支柱のそれぞれの幅よりも大きい円周方向に沿った幅を有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例121~130のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0247】
実施例132
交連ウィンドウ及び格子構造が、各交連ウィンドウについて、それらの第1の端部における支柱間の円周方向に沿った第1の距離が、展開状態で圧着状態と実質的に同じままであり、かつ/又はそれらの第2の端部における支柱間の円周方向に沿った第2の距離が、展開状態で圧着状態と実質的に同じままであるように構成されている、本明細書の任意の実施例、特に、実施例121~131のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0248】
実施例133
環状フレームが、流入端部及び流出端部を有し、各交連ウィンドウの上側開口部が、軸方向に沿って流出端部と下側開口部との間に配設されている、本明細書の任意の実施例、特に、107~132のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0249】
実施例134
格子構造が、各交連ウィンドウの上側開口部が、環状フレームの軸方向に平行な方向に沿って、環状フレームの流出端部に対して開放しており、かつ/又は各交連ウィンドウの下側開口部が、環状フレームの軸方向に平行な方向に沿って、第1の支柱のうち1つ、又はセルのうち当該1つを形成する隣接する第1の支柱間の継手によって、環状フレームの流入端部に対して閉鎖された格子構造のセルのそれぞれ1つに対して開放している、本明細書の任意の実施例、特に、実施例133に記載の人工心臓弁。
【0250】
実施例135
環状フレームの流出端部に隣接して形成されたセルのうち1つの開放領域が、環状フレームの流入端部に隣接して形成されたセルのうち1つの開放領域よりも大きい、本明細書の任意の実施例、特に、実施例133~134のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0251】
実施例136
各交連ウィンドウについて、円周方向に沿った各支柱の最大幅が、支柱の第1の端部と第2の端部との間の一部分にある、本明細書の任意の実施例、特に、実施例117~135のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0252】
実施例137
弁構造が、2つの弁尖及び2つの交連を有する二尖弁構造であり、環状フレームが、互いから正反対の面上に2つの交連ウィンドウを有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例107~136のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0253】
実施例138
弁構造が、3つの弁尖及び3つの交連を有する三尖弁構造であり、環状フレームが、環状フレームの円周方向に沿って等しく離間した3つの交連ウィンドウを有する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例107~136のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0254】
実施例139
環状フレームが、塑性的に拡張可能な材料又は自己拡張材料から形成される、本明細書の任意の実施例、特に、実施例107~138のいずれかに記載の人工心臓弁。
【0255】
実施例140
交連ウィンドウのうち少なくとも1つが、環状フレームの軸方向に沿って延在し、かつ環状フレームの円周方向に互いから離間した第1の支柱及び第2の支柱であって、第1の支柱及び第2の支柱の各々が、環状フレームの軸方向に沿って離間した第1の端部及び第2の端部を有する、第1の支柱及び第2の支柱と、第1の支柱及び第2の支柱の第1の端部に接続された第1の横方向支柱部分と、第1の支柱及び第2の支柱の第2の端部に接続された第2の横方向支柱部分と、を備える、本明細書の任意の実施例、特に、実施例108~116のいずれかに記載の人工心臓弁。交連ウィンドウのうち少なくとも1つのクロスバーは、第1の支柱及び第2の支柱に接続されており、第1の横方向支柱部分と第2の横方向支柱部分との間に位置付けられている。交連ウィンドウのうち少なくとも1つの上側開口部は、第1の支柱及び第2の支柱と、第1の横方向支柱部分と、クロスバーとの間に画定されている。交連ウィンドウのうち少なくとも1つの下側開口部は、第1の支柱及び第2の支柱と、第2の横方向支柱部分と、クロスバーとの間に画定されている。
【0256】
実施例141
第1の横方向支柱部分からクロスバーの中間線まで測定された第1の距離と、第2の横方向支柱部分からクロスバーの中間線まで測定された第2の距離との比が、1~3の範囲内である、本明細書の任意の実施例、特に、実施例140に記載の人工心臓弁。
【0257】
実施例142
近位端にハンドルを有する送達装置と、送達装置の遠位端部分に結合された実施例108~141のいずれかに記載の人工心臓弁と、を備える、送達アセンブリ。
【0258】
実施例143
方法は、患者の体内に、実施例108~141及び144~146のいずれかに記載の人工心臓弁を挿入することを含み、人工心臓弁は、環状フレームとともに圧着構成で挿入される。方法は、患者の体内の移植部位に人工心臓弁を前進させることを含む。方法は、人工心臓弁を移植部位において機能的サイズに半径方向に拡張させることを含む。
【0259】
実施例144
人工心臓弁は、フレームの軸方向に延在する第1のウィンドウ支柱部分及び第2のウィンドウ支柱部分を有する、拡張可能な環状フレームと、フレームの円周方向に延在し、かつ第1のウィンドウ支柱部分及び第2のウィンドウ支柱部分に反対側の端部において接続されたクロスバーと、を備える。クロスバー並びに第1のウィンドウ支柱部分及び第2のウィンドウ支柱部分は、H形状を有する交連ウィンドウを画定する。交連ウィンドウは、クロスバーの上流の第1の交連ウィンドウ部分と、クロスバーの下流の第2の交連ウィンドウと、を有する。人工心臓弁は、拡張可能な環状フレーム内に配設された弁構造を更に備える。弁構造は、第1の弁尖及び第2の弁尖を含む。第1の弁尖は、その第1の側面縁部上に第1のタブを有し、第2の弁尖は、その第2の側面縁部上に第2のタブを有する。第1のタブ及び第2のタブは、第1の交連ウィンドウ部分及び第2の交連ウィンドウ部分のうち少なくとも1つを通って延在して、拡張可能な環状フレームに第1の弁尖及び第2の弁尖を連結する交連の少なくとも一部分を形成する。
【0260】
実施例145
第1のタブ及び第2のタブの各々が、第1のタブ部分及び第2のタブ部分を備え、第1のタブ及び第2のタブの第1のタブ部分が、第1の交連ウィンドウ部分を通って延在して、交連の第1の部分を形成し、第1のタブ及び第2のタブの第2のタブ部分が、第2の交連ウィンドウ部分を通って延在して、交連の第2の部分を形成する、本明細書の任意の実施例、特に、実施例144に記載の人工心臓弁。
【0261】
実施例146
クロスバーの上流に配設され、かつ第1のウィンドウ支柱部分及び第2のウィンドウ支柱部分の反対側の端部において接続された、第1の横方向支柱部分と、クロスバーの下流に配設され、かつ第1のウィンドウ支柱部分及び第2のウィンドウ支柱部分の反対側の端部において接続された第2の横方向支柱部分と、を更に備える、本明細書の任意の実施例、特に、実施例144及び145のいずれか1つに記載の人工心臓弁。第1の横方向支柱部分は、第1の交連ウィンドウ部分の閉鎖端部を形成する。第2の横方向支柱部分は、第2の交連ウィンドウ部分の閉鎖端部を形成する。
【0262】
実施例147
人工心臓弁は、複数の交連ウィンドウを有する拡張可能な環状フレームと、複数の弁尖を含む弁構造と、を備える。各弁尖は、一対のタブを有し、タブのうち1つは、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にある。各タブは、上側タブ部分及び下側タブ部分を有する。弁構造は、隣接する弁尖の対になったタブによって形成された複数の交連を有する。各交連は、交連ウィンドウのうち対応する1つに結合されて、環状フレーム内で弁構造を支持する。各交連ウィンドウは、それぞれのクロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有する。各タブの上側タブ部分及び下側タブ部分は、それぞれ上側開口部及び下側開口部を通って、それぞれの交連ウィンドウの半径方向外側に延在する。環状フレームは、第1の直径を有する圧着状態と、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する拡張状態との間で拡張可能である。
【0263】
実施例148
人工心臓弁のための組み立て方法は、人工心臓弁の弁構造に第1の弁尖及び第2の弁尖を提供することを含み、各弁尖は、一対のタブを有し、タブのうち一方は、弁尖の中心線に対してタブのもう一方から反対側にあり、各タブは、上側タブ部分及び下側タブ部分を有する。方法は、それぞれ、第1の弁尖の一対のタブの第1のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分に隣接して、第2の弁尖の一対のタブの第2のタブの上側タブ部分及び下側タブ部分を配設することを含む。方法は、人工心臓弁の拡張可能な環状フレームの交連ウィンドウを通して、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブを運搬することを含み、交連ウィンドウは、クロスバーによって環状フレームの軸方向に沿って互いから分離された上側開口部及び下側開口部を有し、運搬することは、交連ウィンドウの半径方向内側から交連ウィンドウの半径方向外側に、環状フレームの半径方向に沿っており、これにより、上側タブ部分は、上側開口部を通して挿入され、下側タブ部分は、下側開口部を通して挿入される。方法は、交連ウィンドウの半径方向外側に、第1の弁尖タブ及び第2の弁尖タブを固定することを更に含む。
【0264】
開示される発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例示される実施形態が、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことが、認識されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。したがって、これらの特許請求の範囲及び趣旨の範囲内にある全ての発明を、我々の発明として特許請求する。
図1
図2
図3A-3B】
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A-17B】
図18
【国際調査報告】