(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-14
(54)【発明の名称】インテリジェント照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20230804BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20230804BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20230804BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230804BHJP
H04W 40/24 20090101ALI20230804BHJP
【FI】
H04W64/00 173
H04W24/04
H04W88/18
H05B47/19
H04W40/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504428
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2021069769
(87)【国際公開番号】W WO2022017908
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/103788
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シャオボー
【テーマコード(参考)】
3K273
5K067
【Fターム(参考)】
3K273PA01
3K273PA03
3K273PA06
3K273QA28
3K273SA11
3K273SA17
3K273SA18
3K273SA19
3K273SA37
3K273SA56
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA54
3K273UA02
3K273UA15
3K273UA17
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE16
5K067JJ53
(57)【要約】
本発明は、複数のネットワークコントローラ(NC)(20)と遠隔通信するための中央コントローラ(3)であって、複数のNC(20)は、通信ノード(2a、2b、2c、2d)に設けられ、互いに近距離通信するように構成され、中央コントローラ(3)は、複数のNCの各NCと通信接続するように構成される、中央コントローラに関する。中央コントローラ(3)は、各NC(20)からID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリストを受信する、受信したID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイントNC(2a)として使用する、及び受信したID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより欠落している及び/又は位置がずれているNCを識別するように構成されるデータ処理デバイス(32)を含む。本発明はさらに、このような中央コントローラ(3)を含む照明制御システム(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークコントローラ(NC)と遠隔通信するための中央コントローラであって、前記複数のNCは、通信ノードに設けられ、互いに近距離通信するように構成され、当該中央コントローラは、前記複数のNCの各NCと通信接続するように構成され、当該中央コントローラは、
前記複数のNCの各NCからID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリストを受信する、
報告しているNCのリストを維持する、
前記受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいてNCのさらなるリストを維持する、及び
前記リスト及び前記さらなるリストをクロスチェックして、前記さらなるリストにのみ現れるNCを識別し、これにより欠落している又は報告していないNCを示す、
ように構成されるデータ処理デバイスを含む、中央コントローラ。
【請求項2】
当該中央コントローラの前記データ処理デバイスは、
前記複数のNCの各NCから精度情報を受信する、
前記受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに前記受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、前記複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイントNCとして使用する、及び
前記受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに前記受信した通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより位置がずれているNCを識別する、
ように構成される、請求項1に記載の中央コントローラ。
【請求項3】
当該中央コントローラは、
1ホップ、2ホップ又は3ホップを許容するようにアンカーポイントNCを制御する、
通信可能な近隣のNCのリストを当該中央コントローラに提供するように各NCを制御する、及び
欠落している又は位置がずれていると識別されるNCに関する警告又はアラームをトリガする、
ことのうちの1つ以上を行うように構成される、請求項1又は2に記載の中央コントローラ。
【請求項4】
前記精度情報は、アンカーポイントと近隣のNCとの間の受信信号強度インジケータ、NCに見える衛星の数、及び信号対ノイズ比のうちの1つ以上を含む、請求項2又は3に記載の中央コントローラ。
【請求項5】
当該中央コントローラの前記データ処理デバイスは、
近隣のNCとして欠落しているNCを有するNCを仮想円の中心とする、前記仮想円の周縁を決定する、及び前記周縁を前記欠落しているNCの位置のエリアと見なす、又は
近隣のNCとして欠落しているNCを有する2つ以上のNCをそれぞれの仮想円の中心とする、前記それぞれの仮想円のオーバーラップエリアを決定する、及び前記決定されたオーバーラップエリアを前記欠落しているNCの位置のエリアと見なす、
ことにより欠落しているNCのロケーションを推定するように構成される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の中央コントローラ。
【請求項6】
当該中央コントローラの前記データ処理デバイスは、
前記複数のNCの各NCから更新された位置情報、精度情報及び通信可能な近隣のNCのリストを要求及び受信する、
前記複数のNCの各NCの近距離設定及びローカル通信範囲を取得する、
アンカーポイントNCの通信可能な近隣のNCのリスト内の少なくとも1つのNCを選択する、
前記アンカーポイントNCへの前記通信可能な近隣のNCのリスト内の少なくとも1つのNCの距離を算出する、
前記少なくとも1つのNCの前記算出された距離が、前記少なくとも1つのNCの前記ローカル通信範囲より小さいかどうかを判断する、及び
前記少なくとも1つのNCの前記算出された距離が、前記少なくとも1つのNCの前記ローカル通信範囲より小さくない場合、前記少なくとも1つのNCは位置がずれていると判断する、
ことにより位置がずれているNCを識別するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の中央コントローラ。
【請求項7】
当該中央コントローラは、バックエンドユニットであり、前記複数の通信ノードは、複数の照明器具であり、前記複数のNCは、複数の照明器具コントローラである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の中央コントローラ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の中央コントローラと、
複数の通信ノード及び複数のノードコントローラと、
を含む、照明制御システムであって、前記複数の通信ノードの各通信ノードは、前記複数のNCのうちのNCを含み、前記複数のNCの各NCは、
前記中央コントローラと遠隔通信する、及び
前記複数のNCのうちの他のNCと近距離通信する、
ように構成され、
前記複数のNCの各NCはさらに、
近距離通信により前記複数のNCのうちの近隣のNCからID情報及び位置情報を受信する、
前記受信したID情報及び位置情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持する、
遠隔通信により前記中央コントローラに前記通信可能な近隣のNCのリストを提供する、及び
遠隔通信により前記中央コントローラに当該NC自体に関するID情報及び位置情報を提供する、
ように構成される、照明制御システム。
【請求項9】
前記複数のNCの各NCは、
近距離通信により前記複数のNCのうちの近隣のNCから精度情報を受信する、
前記受信したID情報、位置情報及び精度情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持する、
遠隔通信により前記中央コントローラに前記通信可能な近隣のNCのリストを提供する、及び
遠隔通信により前記中央コントローラに当該NC自体に関するID情報、位置情報及び精度情報を提供する、
ように構成される、請求項8に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記複数のNCの各NCは、
前記中央コントローラと遠隔通信するように構成される第1の通信モジュールと、
前記複数のNCのうちの他のNCと近距離通信するように構成される第2の通信モジュールと、
マイクロコントローラユニットと、
を含み、
前記複数のNCの各NCの前記マイクロコントローラユニットは、
前記第1の通信モジュールによって、近距離通信により前記複数のNCのうちの近隣のNCからID情報、位置情報及び精度情報を受信する、
前記受信したID情報、位置情報及び精度情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持する、及び
前記第2の通信モジュールによって、前記通信可能な近隣のNCのリスト、並びに当該NC自体に関するID情報、位置情報及び精度情報を前記中央コントローラに提供する、
ように構成される、請求項8又は9に記載の照明制御システム。
【請求項11】
欠落しているネットワークコントローラ(NC)を識別するための方法であって、複数のNCが、通信ノードに設けられ、互いに近距離通信するように構成され、当該方法は、
前記複数のNCの各NCからID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリストを受信するステップと、
報告しているNCのリストを維持するステップと、
前記受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいてNCのさらなるリストを維持するステップと、
前記リスト及び前記さらなるリストをクロスチェックして、前記さらなるリストにのみ現れるNCを識別し、これにより欠落している又は報告していないNCを示すステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
中央コントローラのデータ処理デバイスが、
前記複数のNCの各NCから精度情報を受信するステップと、
前記受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに前記受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、前記複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイントNCとして使用するステップと、
前記受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに前記受信した通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより位置がずれているNCを識別するステップと、
を実行するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
当該方法は、前記複数のNCの各NCによって実行される、
近距離通信により前記複数のNCのうちの近隣のNCからID情報及び位置情報を受信するステップと、
前記受信したID情報及び位置情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持するステップと、
遠隔通信により前記中央コントローラに前記通信可能な近隣のNCのリストを提供するステップと、
遠隔通信により前記中央コントローラに当該NC自体に関するID情報及び位置情報を提供するステップと、
を含み、
当該方法はさらに、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の中央コントローラによって請求項11又は12に記載の方法のステップを実行することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法を実施するための命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークコントローラ(NC:network controller)と遠隔通信するための中央コントローラであって、複数のNCは通信ノードに設けられ、中央コントローラは、複数のNCの各NCと通信接続するように構成され、中央コントローラは、データ処理デバイスを含む、中央コントローラに関する。
【0002】
本発明はまた、複数の通信ノード及び複数のノードコントローラ(NC:node controller)を含む照明制御システムであって、各通信ノードがNCを含み、照明制御システムは、複数のNCの各NCと通信接続するように構成される中央コントローラを含む、照明制御システムに関する。任意選択的に、屋外照明制御システムはさらに、フロントエンドユニットを含んでもよい。
【0003】
本明細書で使用される「通信可能に接続される(communicatively connected)」は、屋外照明制御システムのユニット、とりわけ、複数の通信ノードの通信ノードのNC、中央コントローラ及びフロントエンドユニットが、互いにデータを交換するために通信し得る、任意の接続について一般に理解される。斯かる接続は、適切なネットワークを介する等、最も一般的にはワイヤレスであるが、原理的には有線であってもよい。
【0004】
本明細書で使用される「通信可能な(communicable)」は、他のNC及び中央コントローラが通信することが可能なNCについて一般に理解される。
【0005】
US2020329341A1は、それぞれの受信信号強度インジケータ(RSSI)測定に基づいて未コミッショニング照明器具から近隣のコミッショニング済照明器具の各々へのそれぞれの距離を計算する例示的な照明器具ベースの測位システムを開示している。近隣のコミッショニング済照明器具の各々への計算されたそれぞれの距離及び近隣のコミッショニング済照明器具の各々のコミッショニング済ロケーション座標のセットに基づいて、照明器具ベースの測位システムは、未コミッショニング照明器具の未コミッショニングロケーション座標のセットを推定する。照明器具ベースの測位システムは、非動作照明器具リストにおける非動作コミッショニング済照明器具のコミッショニング済ロケーション座標のセットに対する未コミッショニング照明器具リストにおける未コミッショニング照明器具の未コミッショニングロケーション座標のセットのベストフィット割り当てを決定する。照明器具ベースの測位システムは、決定されたベストフィット割り当てに基づいて非動作コミッショニング済照明器具の各々について照明器具ノードマップを調整する。
【0006】
US2011026434A1は、ノードのアレイ(510)を含むノード検出システムであって、ノードのアレイ(510)の各ノードが、少なくとも2つ、3つ又は4つの指向性アンテナ(530)を持って同数の方向にアンテナビームを持つように設定される、ノード検出システムを開示している。各アンテナの範囲は、隣接する動作可能なノードへのメッセージの送信のためノードのアレイ(510)の隣接する動作可能なノードへ到達するように制限される。コントローラ(550)は、メッセージをノードのアレイ(510)から受信し、メッセージに基づいて各ノードのロケーションを決定する。
【0007】
US2012059622A1は、システム内の街灯のごく一部が、自身の実際の固定位置を検出して記憶するように構成され、それによって基準点として機能するアンカーノードである街灯監視システムを開示している。さらに、他の街灯は、ブラインドノードと呼ばれ、実際の固定位置を有さないが、アンカーノードの座標を使用し、それらに対する自信の距離を推定して自身の位置を導出することができる。ブラインドノードの距離推定は、閾値までの小さな距離についてそれぞれのブラインドノードで測定される受信信号強度インディケーション(RSSI)を使用して行われることができ、リンク量子化技術は、街灯の典型的な配置を利用する。街灯間の推定された距離は、粗い推定及び最も近い可能な「実」位置へのさらなる位置調整のために所定の距離のカテゴリに割り当てられることができる。
【0008】
EP2957150A1は、マルチノードネットワークにおけるノードの関連付けのための照明制御システム及び方法を開示している。システムは、マルチノードネットワークを形成する多数の照明ノードを含み、各照明ノードは、光源と、光源に接続されるコントローラと、コントローラに接続される通信手段とを含み、照明制御システムはさらに、地理的座標系で定義される相互に関連する座標の少なくとも1つのグループに関する情報を記憶するように構成されるメモリコンポーネントと、照明ノードと通信し、少なくとも1つの照明ノードを当該少なくとも1つの照明ノードの地理的ロケーションに基づいて少なくとも1つのグループに自動的に関連付けるように構成される処理コンポーネントとを含む。
【背景技術】
【0009】
インテリジェント照明システムにとって、コミッショニングは重要なプロセスである。コミッショニングは、現場でデバイス、典型的には、照明器具を識別する、セキュアにネットワーク通信を可能にする、及びデバイスを位置特定し、その報告されたプロパティを示すために必要な情報を収集することを可能にする。
【0010】
屋外において、コミッショニングは、接続された照明器具(connected luminaire)のGPSロケーション及び情報、並びに屋外照明器具コントローラ(OLC:Outdoor luminaire Controller)等、制御装置(control gear)の工場設定及び固有ID情報等を収集することを含む。
【0011】
例えば、US 10、659、919 B1は、照明器具、ライトスイッチ、及び占有センサ等、ワイヤレス通信モジュールを備える設置された電子デバイスの大規模システムのロケーションを、デバイス間距離測定を使用してデバイスのロケーション座標を算出することによって迅速に決定するような電子デバイスのネットワークの自動コミッショニングのための方法及びシステムを開示している。算出されたロケーション座標の信頼性の増加は、算出された値を設置計画と比較し、設置計画内のロケーション座標に特定のデバイスのIDを割り当てることによって達成されることができる。
【0012】
現在では、オートコミッショニングがトレンドである。オートコミッショニングは、インテリジェント照明システムに必要な情報を取得及び入力するために、インストーラが、バーコード又はQRコードをスキャニングするためのスキャナ等、別のツールを使用する必要がないような、プラグアンドプレイのフィーチャ(feature of plug and play)を提供する。
【0013】
しかしながら、実際のプロジェクトでよく発生する複雑な状況に起因して、OLC等、照明器具コントローラ(LC:luminaire controller)がそのロケーションを報告しない又はかなりの量の位置ずれ(considerable amount of position drift)を有する不正確なロケーションを報告することを引き起こす問題に遭遇することがある。デバイス管理(device management)は、このような状況下では、困難又は不可能となる。
【0014】
例えば、以下のようなシナリオが生じる可能性がある。OLCのGPSロケーションが、悪い衛星ビュー(bad satellite view)、又は近くの建物によって生じる干渉に起因してずれる可能性がある(後者はとりわけ都市部で問題となる)。OLCのGPSモジュールが故障している可能性がある。OLCとGPRS/NB-IOT等のバックエンドユニットとの間の遠隔通信が失敗する可能性がある、又はオペレータで適切にコミッショニングされない可能性がある。
【0015】
OLC、斯くして、照明器具の欠落(missing)又は不正確に報告されたロケーションは、照明システムのユーザにとっていくつかの望ましくない問題を引き起こす可能性がある。例えば、OLC及びリンクされた照明器具が、ユーザには照明器具が欠落していると見えるように、ユーザインターフェース(UI:user interface)に表示(show up)されない可能性がある。OLC及びリンクされた照明器具が、ユーザには照明器具が誤って位置付けられている(mis-located)と見えるように、間違ったロケーションに表示される可能性がある。場合によっては、ユーザは、照明器具が欠落している(luminaire is missing)ことに気づかない可能性さえあり、及び/又は、ユーザは、誤って位置付けられた照明器具(mis-located luminaire)を識別できず、現場でそれらを見つけられない可能性がある。
【0016】
それゆえ、上記の問題に対処し、欠落しているNC、斯くして、欠落している通信ノードを見つける、位置がずれているNCを識別する、並びに、欠落している又は位置がずれているNC(missing or position drifting NC)をチェックするためにオンサイトサービスが要請され得るように、現場チームにアラート(alert)及び欠落している又は位置がずれているNCの概略ロケーション(rough location)を提供することを可能にする照明制御システムを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、この問題を克服し、欠落しているNC、斯くして、欠落している通信ノードを見つける、位置がずれているNCを識別する、並びに、欠落している又は位置がずれているNCをチェックするためにオンサイトサービスが要請され得るように、現場チームにアラート及び欠落している又は位置がずれているNCの概略ロケーションを提供することを可能にする照明制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様によれば、この及び他の目的は、複数のネットワークコントローラ(NC:network controller)と遠隔通信するための中央コントローラであって、複数のNCは、通信ノードに設けられ、互いに近距離通信(near field communication)するように構成され、中央コントローラは、複数のNCの各NCと通信接続するように構成され、中央コントローラは、複数のNCの各NCからID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリスト(list of communicable neighboring NCs)を受信する、受信したID情報及び位置情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報(accurate position information)を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイント(anchor point)NCとして使用する、及び、受信したID情報及び位置情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより欠落している及び/又は位置がずれているNCを識別するように構成されるデータ処理デバイスを含む、中央コントローラによって達成される。
【0019】
これにより、とりわけ、中央コントローラが上記のように構成されることにより、欠落しているNC、斯くして、欠落している通信ノードが見つけられ得る、及び、位置がずれているNC、斯くして、位置がずれている通信ノードが識別され得る、屋外照明制御システムが提供される。これは、ひいては、識別された欠落している又は位置がずれているNCをチェックするためにオンサイトサービスが要請され得るように、ユーザ又は現場チームにアラート及び欠落している又は位置がずれているNCの概略ロケーションを提供することを可能にする。
【0020】
また、これにより、行方不明の(unaccounted for)NC、斯くして、通信ノードを残すことなくより効率的且つ精度よく、すべての欠落しているNC、斯くして、欠落している通信ノードが見つけられ得る、及び、すべての位置がずれているNC、斯くして、位置がずれている通信ノードが識別され得る、中央コントローラが提供される。
【0021】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスはさらに、複数のNCの各NCからID情報、位置情報及び精度情報(precision information)、並びに通信可能な近隣のNCのリストを受信する、受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイントNCとして使用する、及び、受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより欠落している及び/又は位置がずれているNCを識別するように構成される。
【0022】
中央コントローラがさらに、上記のようにNCから精度情報を受信するように構成されることを提供することにより、より効率的且つ精度よく、すべての欠落しているNC、斯くして、欠落している通信ノードが見つけられ得る、及び、すべての位置がずれているNC、斯くして、位置がずれている通信ノードが識別され得る、並びに、欠落している又は位置がずれているNCをサービスするために要請されるユーザ又は現場チームに、欠落している又は位置がずれているNCのより正確なロケーションが提供され得る、屋外照明制御システムが提供される。
【0023】
一実施形態において、中央コントローラはさらに、1ホップ、2ホップ又は3ホップを許容するように、識別されアンカーポイントNCとして使用されるNCを制御するように構成される。
【0024】
これに関連して、ホップは、通信経路上に中間ノードがない、すなわち、メッセージルーティングが行われない、隣接ノード間のメッセージ交換として理解されることが意図されていることに留意されたい。
【0025】
アンカーポイントNCが1ホップ、2ホップ又は3ホップすることを許容することにより、より遠くの近隣のNCが、アンカーポイントNCが近隣のNCについて得ることができる精度情報を過度に希釈する(unduly dilute)ことなく考慮される。また、アンカーポイントNCがホップすることを許容することは、欠落しているNCを見つける可能性(probability)も高め得る。
【0026】
一実施形態において、位置情報は、NCの経度及び緯度、GPSロケーション並びにロケーションIDのうちの1つ以上を含む。
【0027】
これにより、NCの位置が、高い精度で与えられる又は表明され得る。
【0028】
一実施形態において、精度情報は、アンカーポイントと近隣のNCとの間の受信信号強度インジケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、NCに見える衛星の数、及び信号対ノイズ比(SNR:signal-to-noise ratio)のうちの1つ以上を含む。
【0029】
これにより、位置情報の精度の正確な尺度(accurate measure)が提供される。
【0030】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスは、報告しているNCのリスト(list of reporting NCs)を維持する、受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいてNCのさらなるリスト(further list of NCs)を維持する、及び、リスト及びさらなるリストをクロスチェックして、さらなるリストにのみ現れるNCを識別し、これにより欠落している又は報告していないNCを示すように構成される。
【0031】
これにより、欠落しているNCが、簡単、効率的且つ迅速に正確に識別され得る。
【0032】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスはさらに、欠落しているNCのロケーションを推定するためにアンカーポイントNCを使用するように構成される。
【0033】
これにより、欠落しているNCのロケーションの推定が、欠落している又は位置がずれているNCをサービスするために要請されるユーザ又は現場チームに提供され得る。
【0034】
一実施形態において、欠落しているNCのロケーションを推定することは、近隣のNCとして欠落しているNCを有するNCを仮想円の中心とする、仮想円の周縁(periphery)を決定する、及び、周縁を欠落しているNCの位置のエリアと見なすことを含む。
【0035】
一実施形態において、欠落しているNCのロケーションを推定することは、近隣のNCとして欠落しているNCを有する2つ以上のNCをそれぞれの仮想円の中心とする、前記それぞれの仮想円のオーバーラップエリアを決定する、及び、決定されたオーバーラップエリアを欠落しているNCの位置のエリアと見なすことを含む。
【0036】
これにより、欠落している又は位置がずれているNCをサービスするために要請されるユーザ又は現場チームに提供される欠落しているNCのロケーションの推定が、ユーザ又は現場チームが現場で欠落している通信ノードを位置特定することをとりわけ容易にする高い正確度で提供される。この目的のために2つ以上のNCを使用することは、ロケーション推定の正確さを高める。
【0037】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスはさらに、複数のNCの各NCから更新された位置情報、精度情報及び通信可能な近隣のNCのリストを要求及び受信する、複数のNCの各NCの近距離設定及びローカル通信範囲を取得する、アンカーポイントNCの通信可能な近隣のNCのリスト内の少なくとも1つのNCを選択する、アンカーポイントNCへの通信可能な近隣のNCのリスト内の少なくとも1つのNCの距離を算出する、少なくとも1つのNCの算出された距離が、少なくとも1つのNCのローカル通信範囲より小さいかどうかを判断する、少なくとも1つのNCの算出された距離が、少なくとも1つのNCのローカル通信範囲より小さくない場合、少なくとも1つのNCは位置がずれていると判断することにより位置がずれているNCを識別するように構成される。
【0038】
これにより、欠落している又は位置がずれているNCをサービスするために要請されるユーザ又は現場チームに提供される欠落しているNCのロケーションの推定に存在する誤差の原因が取り除かれ、前記推定が、ユーザ又は現場チームが現場で欠落している通信ノードを位置特定することをとりわけ容易にする高い正確度で提供される。
【0039】
一実施形態において、中央コントローラはさらに、欠落している又は位置がずれていると識別されるNCに関する警告(warning)又はアラーム(alarm)をトリガするように構成される。
【0040】
これにより、ユーザ又は現場チームは、欠落している又は位置がずれているNCについて遅滞なくアラートされ、照明システムのより迅速且つより効率的なメンテナンスを確実にすることができる。
【0041】
一実施形態において、中央コントローラはさらに、通信可能な近隣のNCのリストを中央コントローラに提供するように各NCを制御するように構成される。
【0042】
これにより、識別プロセス(identification process)がオンデマンド且つ中央的に(centrally)制御され得、所定のスケジュールに従ってNCが応答するのを待つ必要がない、迅速なプロセスが可能になる。
【0043】
一実施形態において、屋外照明制御システムはさらに、フロントエンドユニットを含み、中央コントローラはさらに、フロントエンドユニットに、欠落している又は位置がずれていると識別されるNCに関する警告又はアラームをトリガさせるように構成される。
【0044】
これにより、ユーザ又は現場チームは、欠落している又は位置がずれているNCについて遅滞なく直接(directly)アラートされ、照明システムのとりわけ迅速且つ効率的なメンテナンスを確実にすることができる。
【0045】
一実施形態において、中央コントローラは、バックエンドユニットであってもよく、通信ノードは、照明器具であってもよく、NCは、照明器具コントローラ(LC:luminaire controller)であってもよい。LCは、屋外照明器具コントローラ(OLC:outdoor luminaire controller)、又は屋内照明器具コントローラ(ILC:indoor luminaire controller)であってもよい。照明器具は、屋外照明器具又は屋内照明器具であってもよい。
【0046】
本発明の第2の態様において、上記の及び他の目的は、本発明の第1の態様による中央コントローラと、複数の通信ノード及び複数のノードコントローラNCとを含む、照明制御システムであって、複数の通信ノードの各通信ノードは、複数のNCのうちのNCを含む、照明制御システムによって達成される。
【0047】
一実施形態において、複数のNCの各NCは、中央コントローラと遠隔通信する、及び、複数のNCのうちの他のNCと近距離通信するように構成され、複数のNCの各NCはさらに、近距離通信により複数のNCのうちの近隣のNCからID情報及び位置情報を受信する、受信したID情報及び位置情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持する、遠隔通信により中央コントローラに通信可能な近隣のNCのリストを提供する、及び、遠隔通信により中央コントローラに当該NC自体に関するID情報及び位置情報を提供するように構成される。
【0048】
一実施形態において、複数のNCの各NCはさらに、近距離通信により複数のNCのうちの近隣のNCから精度情報を受信する、受信したID情報及び位置情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持する、遠隔通信により中央コントローラに通信可能な近隣のNCのリストを提供する、及び、遠隔通信により中央コントローラに当該NC自体に関するID情報、位置情報及び精度情報を提供するように構成される。
【0049】
これにより、NC又は複数の通信ノードが互いに通信し得、斯くして、中央コントローラが欠落している及び/又は位置がずれているNC、斯くして、欠落している通信ノードを識別することを可能にするために必要な情報が、とりわけ簡単且つ効率的に中央コントローラに提供され得る、屋外照明制御システムが提供される。
【0050】
一実施形態において、複数のNCの各NCは、中央コントローラと遠隔通信するように構成される第1の通信モジュールと、複数のNCのうちの他のNCと近距離通信するように構成される第2の通信モジュールと、マイクロコントローラユニットとを含み、複数のNCの各NCのマイクロコントローラユニットは、第1の通信モジュールによって、近距離通信により複数のNCのうちの近隣のNCからID情報、位置情報及び精度情報を受信する、受信したID情報、位置情報及び精度情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持する、及び、第2の通信モジュールによって、通信可能な近隣のNCのリスト、並びに当該NC自体に関するID情報、位置情報及び精度情報を中央コントローラに提供するように構成される。
【0051】
これにより、製造が容易で比較的安価であるシンプルな構造を有し、上記の利点が、とりわけ簡単に得られ得る、屋外照明制御システムが提供される。
【0052】
一実施形態において、複数のNCのうちの少なくとも1つのNCは、少なくとも90m又は少なくとも300mの距離内に位置する複数のNCのうちの他のNCとの近距離通信をサポートするように構成される。
【0053】
屋外照明システムにおける通信ノード、斯くして、NC間の一般的な距離を考えると、このような近距離通信範囲は、通信における交差及び信号損失を考慮しても、NCが、上述の利点を効率的に達成するのに十分な数の近隣のNCを見つけることを可能にすることが示されている。一例として、街路灯システムにおける通信ノード間の標準的な距離は30mであることを挙げることができる。
【0054】
本発明の第3の態様において、上記の及び他の目的は、複数のネットワークコントローラ(NC)との遠隔通信のための中央コントローラによって、欠落している及び/又は位置がずれているネットワークコントローラNCを識別するための方法であって、複数のNCは、通信ノードに設けられ、互いに近距離通信するように構成され、中央コントローラは、複数のNCの各NCと通信接続するように構成され、中央コントローラは、
複数のNCの各NC(20)からID情報、位置情報及び通信可能な近隣のNCのリストを受信するステップと、
受信したID情報及び位置情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイントNC(20a)として使用するステップと、
受信したID情報及び位置情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより欠落している及び/又は位置がずれているNCを識別するステップと、
を実行するように構成されるデータ処理デバイスを含む、方法によって達成される。
【0055】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスはさらに、
複数のNCの各NCからID情報、位置情報及び精度情報、並びに通信可能な近隣のNCのリストを受信するステップと、
受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいて、複数のNCのうちの少なくとも1つのNCを正確な位置情報を提供していると識別し、このように識別されたNCをアンカーポイントNCとして使用するステップと、
受信したID情報、位置情報及び精度情報、並びに受信した通信可能な近隣のNCのリストを分析することにより欠落している及び/又は位置がずれているNCを識別するステップと、
を実行するように構成される。
【0056】
一実施形態において、中央コントローラはさらに、1ホップ、2ホップ又は3ホップを許容するようにアンカーポイントNCを制御するステップ、通信可能な近隣のNCのリストを中央コントローラに提供するように各NCを制御するステップ、及び、欠落している又は位置がずれていると識別されるNCに関する警告又はアラームをトリガするステップのうちの1つ以上を実行するように構成される。
【0057】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスは、報告しているNCのリストを維持するステップ、受信した通信可能な近隣のNCのリストに基づいてNCのさらなるリストを維持するステップ、及び、リスト及びさらなるリストをクロスチェックして、さらなるリストにのみ現れるNCを識別し、これにより欠落している又は報告していないNCを示すステップを実行することにより欠落しているNCを識別するように構成される。
【0058】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスはさらに、欠落しているNCのロケーションを推定するためにアンカーポイントNCを使用するように構成される。
【0059】
一実施形態において、欠落しているNCのロケーションを推定することは、近隣のNCとして欠落しているNCを有するNCを仮想円の中心とするステップ、仮想円の周縁を決定するステップ、及び、周縁を欠落しているNCの位置のエリアと見なすステップ、又は、近隣のNCとして欠落しているNCを有する2つ以上のNCをそれぞれの仮想円の中心とするステップ、前記それぞれの仮想円のオーバーラップエリアを決定するステップ、及び、決定されたオーバーラップエリアを欠落しているNCの位置のエリアと見なすステップを含む。
【0060】
一実施形態において、中央コントローラのデータ処理デバイスはさらに、
複数のNCの各NCから更新された位置情報、精度情報及び通信可能な近隣のNCのリストを要求及び受信するステップと、
複数のNCの各NCの近距離設定及びローカル通信範囲を取得するステップと、
アンカーポイントNCの通信可能な近隣のNCのリスト内の少なくとも1つのNCを選択するステップと、
アンカーポイントNCへの通信可能な近隣のNCのリスト内の少なくとも1つのNCの距離を算出するステップと、
少なくとも1つのNCの算出された距離が、少なくとも1つのNCのローカル通信範囲より小さいかどうかを判断するステップと、
少なくとも1つのNCの算出された距離が、少なくとも1つのNCのローカル通信範囲より小さくない場合、少なくとも1つのNCは位置がずれていると判断するステップと、
を実行することにより位置がずれているNCを識別するように構成される。
【0061】
本発明の第4の態様において、上記の及び他の目的は、本発明の第1の態様による中央コントローラと、複数の通信ノード及び複数のノードコントローラNCとを含む、照明制御システムであって、複数の通信ノードの各通信ノードは、複数のNCのうちのNCを含む、照明制御システムによって、欠落している及び/又は位置がずれているネットワークコントローラNCを識別するための方法であって、中央コントローラは、本発明の第3の態様による方法のステップを実行するように構成されるデータ処理デバイスを含む、方法によって達成される。
【0062】
一実施形態において、複数のNCの各NCは、中央コントローラと遠隔通信する、及び、複数のNCのうちの他のNCと近距離通信するように構成され、複数のNCの各NCはさらに、
近距離通信により複数のNCのうちの近隣のNCからID情報及び位置情報を受信するステップと、
受信したID情報及び位置情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持するステップと、
遠隔通信により中央コントローラに通信可能な近隣のNCのリストを提供するステップと、
遠隔通信により中央コントローラに当該NC自体に関するID情報及び位置情報を提供するステップと、
を実行するように構成される。
【0063】
一実施形態において、複数のNCの各NCはさらに、
近距離通信により複数のNCのうちの近隣のNCから精度情報を受信するステップと、
受信したID情報及び位置情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持するステップと、
遠隔通信により中央コントローラに通信可能な近隣のNCのリストを提供するステップと、
遠隔通信により中央コントローラに当該NC自体に関するID情報、位置情報及び精度情報を提供するステップと、
を実行するように構成される。
【0064】
一実施形態において、複数のNCの各NCは、中央コントローラと遠隔通信するように構成される第1の通信モジュールと、複数のNCのうちの他のNCと近距離通信するように構成される第2の通信モジュールと、マイクロコントローラユニットとを含み、複数のNCの各NCのマイクロコントローラユニットは、
第1の通信モジュールによって、近距離通信により複数のNCのうちの近隣のNCからID情報、位置情報及び精度情報を受信するステップと、
受信したID情報、位置情報及び精度情報に基づいて、通信可能な近隣のNCのリストを保持するステップと、
第2の通信モジュールによって、通信可能な近隣のNCのリスト、並びに当該NC自体に関するID情報、位置情報及び精度情報を中央コントローラに提供するステップと、
を実行するように構成される。
【0065】
本発明の第5の態様において、上記の及び他の目的は、本発明の第3の態様による方法を実施する及び/又は本発明の第4の態様による方法を実施するための命令を含むコンピュータプログラムプロダクトによって達成される。
【0066】
本発明はさらに、本発明による照明制御システムを含む照明システムに関する。このような照明システムは、街路照明システム、公園照明システム、駐車場照明システム、庭園照明システム等、屋外照明システムであってもよい。また、このような照明システムは、オフィス照明システム、家庭用照明システム、公共建物照明システム等、屋内照明システムであってもよい。
【0067】
本発明は、特許請求の範囲に列挙されている特徴のすべての可能な組み合わせに関する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
本発明のこの及び他の態様が、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、より詳細に述べられる。
【
図1】ノードコントローラNCを各々が含む複数の通信ノードを含む本発明による照明制御システムを示す概略図を示す。
【
図3】本発明による照明制御システムにおいて交換される様々なタイプの情報を示すブロック図を示す。
【
図4】複数のNCのうち欠落しているNCを識別するためのステップの一実施形態を示すプロセス図である。
【
図5】複数のNCのうち欠落しているNCを識別するためのステップの一実施形態を概略的に示す。
【
図6】複数のNCのうち位置がずれているNCを識別するためのステップの一実施形態を示すプロセス図である。
【
図7】複数のNCのうち位置がずれているNCを識別するためのステップの一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
本発明は、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付図面を参照して、以下にさらに完全に述べられる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書で述べられている実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供されており、本開示の範囲を当業者に完全に伝える。
【0070】
図1は、本発明による照明制御システム1を示している。照明制御システム1は、一般に、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dと、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの各通信ノードが通信可能に接続される中央コントローラ3とを含む。照明制御システム1はさらに、中央コントローラ3に通信可能に接続されるフロントエンドユニット4を含んでもよい。
図1に示される実施形態において、通信ノード2a、2b、2c、2dは、照明器具である。照明制御システム1は、屋外照明制御システム1又は屋内照明制御システム1であってもよい。
【0071】
フロントエンドユニット4は、キーボード又はタッチスクリーン等、ユーザインターフェース41を含み、ユーザインターフェース41を介して、ユーザ5は、フロントエンドユニット4とインタラクションし得る。これにより、照明制御システム1の手動操作が可能になる。フロントエンドユニット4はさらに、中央コントローラ3とのデータ通信を可能にするための通信モジュール42を含む。フロントエンドユニット4は、例えば、適切なアプリケーションを有する、モバイルフォン、ラップトップコンピュータ、又はタブレットコンピュータであってもよい。
【0072】
中央コントローラ3は、一方ではフロントエンドユニット4と、他方では複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの各通信ノードとデータ通信を可能にするための通信モジュール31を含む。中央コントローラ3はさらに、通信モジュール31を介して受ける情報又はデータを処理及び分析するためのデータ処理デバイス32を含む。データ処理デバイス32は、別個のユニットであってもよく、又は、通信モジュール31の一部を形成してもよい。中央コントローラ3は、照明システムのバックエンドユニット等、バックエンドユニットであってもよい。
【0073】
中央コントローラ3の通信モジュール31及びフロントエンドユニット4の通信モジュール41は、両方とも遠隔通信するように構成される。このような遠隔通信は、例えば、衛星又はインターネット又は適切なワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を介してもよい。このような遠隔通信は、例えば、ナローバンドインターネットオブシングス(NBIOT:Narrowband Internet of Things)、汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、3G、4G、5G又はロングレンジ(LoRa:Long Range)等のプロトコルによるものであってもよい。
【0074】
複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの通信ノードは各々、
図2に概略的に示される、ノードコントローラ(NC:node controller)20を含む。NC20は、屋外照明器具コントローラ(OLC:Outdoor Luminaire Controller)又は屋内照明器具コントローラ(ILC:Indoor Luminaire Controller)等、照明器具コントローラ(LC:luminaire controller)であってもよい。さらに、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの通信ノードは各々、適切な照明ハードウェア25を含む。一例として、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dは、街灯、駐車場ランプ、又は他の屋外ランプ若しくは通信ノードのグループであってもよい。
【0075】
各通信ノードのNC20は、一般に、GPSモジュール21、第1の通信モジュール22、第2の通信モジュール23、及びマイクロコントローラユニット(MCU:microcontroller unit)24を含む。
【0076】
GPSモジュール21、第1の通信モジュール22及び第2の通信モジュール23は、MCU24が、GPSモジュール21、第1の通信モジュール22及び第2の通信モジュール23からデータ又は情報を受け得るように、及び、任意選択的に、MCU24が、GPSモジュール21、第1の通信モジュール22及び第2の通信モジュール23にデータ、情報又は情報要求を送信し得るようにMCU24に接続される。斯くして、MCU24は、GPSモジュール21、第1の通信モジュール22及び第2の通信モジュール23の各々を制御する。さらに、MCUは、通信ノードの照明ハードウェア25に接続される。斯くして、MCU24はまた、とりわけ、第1の通信モジュール22を介して中央コントローラ3から受信される情報又は制御信号に反応して、照明ハードウェア25を制御するように構成される。
【0077】
GPSモジュール21は、通信ノード2a、2b、2c、2dが、自己位置特定(self-position localization)を行うことを可能にするように構成される。これにより、通信ノードがパワーアップされた後、NC20は、GPSモジュール21から自身のロケーション情報を更新してもよい。ロケーション情報は、緯度及び経度又はGPS座標等、位置情報、並びに、受信信号強度インジケータ(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、見える衛星の数(number of visible satellites)又は信号対ノイズ比(SNR:signal-to-noise ratio)等、精度情報を含んでもよい。SNRは、GPS信号又はNC20の位置を示す他の信号のSNRであってもよい。このようにして、NC20は、最良の精度で自身のロケーションを表明し(state)てもよい。さらに、このようにして、NC20は、自身のロケーションを連続的に又は所定間隔で更新してもよい。斯くして、位置情報は、絶対的なロケーション情報(absolute location information)であり、精度情報は、相対的なロケーション情報(relative location information)である。
【0078】
第1の通信モジュール22は、中央コントローラ3と遠隔通信、斯くして、通信するように構成される。このような遠隔通信は、例えば、衛星又はインターネット又は適切なワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を介してもよい。このような遠隔通信は、例えば、ナローバンドインターネットオブシングス(NBIOT:Narrowband Internet of Things)、汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、3G、4G、5G又はロングレンジ(LoRa:Long Range)等のプロトコルによるものであってもよい。
【0079】
第2の通信モジュール23は、近距離通信するように構成される。第2の通信モジュール23は、NC20、斯くして、NC20を含む通信ノードが、近距離通信するように構成される通信モジュールを含み、第2の通信モジュール23の範囲内にあるNC20を有する他の通信ノードと通信することを可能にする。このような近距離通信は、例えば、適切なローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)又はパーソナルエリアネットワーク(PAN:Personal Area Network)、又はZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の他の近距離通信技術によるものであってもよい。このような遠隔通信は、例えば、6LoWPAN(IPv6 over Low-Power Wireless Personal Area Network)等のプロトコルによるものであってもよい。
【0080】
斯くして、第2の通信モジュール23を用いて、NC20は、近くのNCと通信してもよい。これにより、NCは、それらの固有のID情報及びそれらのロケーション情報を交換してもよい。ロケーション情報は、GPS座標等、絶対的なロケーション情報又は位置情報、及び、NC20とNC20が通信する近くのNCとの間のRSSI等、相対的なロケーション情報又は精度情報を含んでもよい。このようにして、各NCが、通信可能なネイバーNC、すなわち、データ通信が可能なネイバーNCのリストを維持することが可能となる。
【0081】
実際には、
図3に示されるように、ネイバーNCを発見する(discover)プロセスは、NC20が、第2の通信モジュール23の通信範囲内にあるすべてのNCにディスカバリメッセージ(discovery message)をブロードキャストすることから始まる。ディスカバリメッセージは、受信NCの固有ID情報6、並びに、緯度及び経度等、ロケーション情報8の要求を含む。さらに、ディスカバリメッセージは、受信NCの、視野内の衛星又はSNR等、精度情報9、及び、受信側NCが属する通信ノード2、とりわけ、そのハードウェアアセットに関する、通信ノードアセット情報ブロック等、情報7の要求を含んでもよい。ディスカバリメッセージは、受信NCがフェイクではなく、実際に現実のNCであることを確認するために暗号化されてもよい。
【0082】
斯くして、返答として、受信NCは、自身のID情報6及びロケーション情報8、並びに、要求された場合、自身の精度情報9及び受信NCが属する通信ノード2に関するハードウェアアセット情報7で応答する。斯くして受けた情報6、7、8及び9に基づいて、NC20は、通信可能なネイバーNCのリスト(list of communicable neighbor NCs)10を作成する。リストは、各通信可能なネイバーNCのためのエントリ11を含む。エントリ11は、当該NCの固有ID6及びロケーション情報8を含む。エントリ11は、任意選択的に、さらに、精度情報9及びハードウェアアセット情報7を含んでもよい。
【0083】
代替的に、各NCは、ある予め定められた間隔で自身のロケーション情報をブロードキャストしてもよい。これにより、他のNCは、ブロードキャスト情報を受信してもよく、予め定められた間隔でリストを更新するように、自身の近傍リスト(neighborhood list)に追加してもよい。
【0084】
このプロセスは、リスト10を更新し続けるために、連続的に又は所定の時間間隔で繰り返されてもよい。
【0085】
リスト10が完成すると、NC20は、第1の通信モジュール22を使用して自身のロケーションと通信可能なネイバーNCのリスト10とを中央コントローラ3に報告する。
【0086】
このようにして、中央コントローラ3は、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの通信ノードの各NC20からリスト10を受信する。また、中央コントローラ3は、このように受信されたデータを処理するように構成される。中央コントローラ3のデータ処理は、以下でさらに述べられる。
【0087】
また、任意選択的に、中央コントローラ3は、NCにコマンドを送信することによって、上述したようなネイバーNCを発見するプロセス、及び結果として得られるリスト10の中央コントローラ3への報告をトリガしてもよい。また、中央コントローラ3は、ディスカバリプロセスを支援及び最適化するためにNCの近距離通信パラメータを調整してもよい。近距離通信パラメータは、メッセージホップ、無線送信電力(radio transmission power)等を含んでもよい。
【0088】
ここで、
図4のプロセス図を参照して、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dのうち欠落しているNC20、斯くして、欠落している通信ノードを識別するための方法が述べられる。一般に、方法は、中央コントローラ3におけるデータ処理によって、より具体的には、そのデータ処理デバイス32によって実行される。一般に、NCは、例えばNCが故障している場合等、中央コントローラ3に報告していない場合、欠落していると考えられてもよい。
【0089】
まず、ステップ100において、中央コントローラ3は、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの通信ノードのNCから上述のデータを受信する。
【0090】
受信したデータに基づいて、中央コントローラ3は、ステップ101において、すべての報告しているNCを含む第1のリストと、報告しているNCから受信されるリスト10に存在するすべてのNCを含む第2のリストとを維持する。斯くして、第2のリストは、報告しているNCによってネイバーNC又は通信可能なNCとして報告されるすべてのNCを含む。
【0091】
その後、中央コントローラ3は、ステップ102において、第1のリスト及び第2のリストのクロスチェック(crosscheck)を行う。 理想的には、第1のリスト及び第2のリストにそれぞれリストアップされるNCは、同一であるべきである。しかしながら、クロスチェックによって、1つ以上のNCが第2のリストにのみ現れることが判明する(reveal)場合、これは、欠落している又は報告していないNCを示す。
【0092】
欠落しているノードの識別目的では、精度情報は必要ない。
【0093】
このように識別された欠落しているNCに基づいて、中央コントローラは、ステップ103において、欠落しているNCのロケーションを推定するためにネイバーとして欠落しているNCを有するNCを使用する。この目的のための1つの方法が、
図5の図に示されている。ここで、中央コントローラ3は、ネイバーとして欠落しているNC20cを有する第1のNC20aを第1の仮想円30の中心に置き、ネイバーとして欠落しているNC20cを有する第2のNC20bを第2の仮想円40の中心に置く。
【0094】
その後、中央コントローラ3は、ステップ104において、欠落しているNC20cが位置する最も可能性の高いエリアを決定する。
図5を参照すると、中央コントローラ3は、第1の仮想円30及び第2の仮想円40のオーバーラップエリア50を決定し、このように決定されたオーバーラップエリア50を、欠落しているNC20cが位置する最も可能性の高いエリアであると見なす。
【0095】
1つのNC、例えば、NC20aのみが、ネイバーとして欠落しているNC20cを有する場合、中央コントローラ3は、NC20aを仮想円30の中心に置き、仮想円の周縁を、欠落しているNC20cが位置する最も可能性が高いエリアであると判断する。
【0096】
さらに、報告しているNCから受けるリスト10に精度情報も存在する場合、欠落しているNC20cのより正確なロケーションを算出することも可能であり得る。これは、例えば、多点測位(multi-point positioning)によって行われてもよい。
【0097】
ここで、欠落しているNC20cが位置する推定されたエリアを用いて、中央コントローラ3は、この欠落しているNC20c、斯くして、通信ノードを、複数の通信ノードのマップ上に異なるマーカでプロットする。このマップは、フロントエンドユニット4に送信され、フロントエンドユニット4で実行されるアプリケーション上でユーザ5に示されてもよい。また、中央コントローラ3は、ユーザ5が欠落しているNC20cにカーソル等を合わせる(hover)と、欠落しているNC20cの推定されたロケーションエリアがマップ上に示され得ることを可能にしてもよい。
【0098】
さらに、中央コントローラ3は、欠落しているNC20cの通知が、フロントエンドユニット4を介してユーザ5に与えられることを可能にしてもよい。通知は、音響、触覚、又は可視アラーム、又はそれらの組み合わせであってもよい。さらに、通知は、欠落しているNC20cの推定されたロケーションを含んでもよい。その後、ユーザ5は、欠落しているNC20c、斯くして、通信ノードを見つけ、通信ノードを検査し、必要な修理を行う又は他の問題を解決することができる。代替的に、ユーザ5は、通信ノードを検査し、必要な修理を行う又は他の問題を解決するためにフィールドエンジニア又は作業員を割り当てることができる。
【0099】
ここで、
図6のプロセス図を参照して、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dのうち位置がずれているNC20、斯くして、位置がずれている通信ノードを識別するための方法が述べられる。一般に、方法は、中央コントローラ3におけるデータ処理によって、より具体的には、そのデータ処理デバイス32によって実行される。
【0100】
例えば、GPSの精度は、多くの変数、特に、信号対ノイズ比(ノイジーな受信)、衛星位置、気象条件、建物や山等の障害物に依存する。これらの要因は、認識されたロケーションに誤差を生じることがある。信号ノイズは、通常、約1~10メートルの誤差を生じる。レシーバと衛星との間の経路を遮り得る山、建物及びその他の物は、信号ノイズの3倍の誤差を生じることがある。実際の条件下での測定は、都市環境での報告されたGPSロケーションが、実際のロケーションから非常に遠く離れてずれることがあることを示している。
【0101】
斯くして、一般に、NCは、所定の閾値よりも大きな距離でその実際の位置からずれている位置情報を中央コントローラ3に報告すると認められる場合、位置がずれていると考えられ得る。
【0102】
中央コントローラ3は、位置がずれているNCのロケーション情報の正確さを改善するよう手助けしてもよい。これは、例えば、以下のように行われてもよい。
【0103】
まず、ステップ200において、中央コントローラ3は、複数の通信ノード2a、2b、2c、2dの通信ノードのNCから上述のように更新されたデータを要求及び受信する。
【0104】
次に、ステップ201において、中央コントローラ3は、現在適用可能な近距離設定(例えば、ホップ、無線送信電力)、及びNCの適用可能な最適ローカル通信範囲(例えば、300m又は200m)を取得する。
【0105】
その後、中央コントローラ3は、ステップ202において、例えば、複数の衛星が視野にある及び良好なSNRデータが報告されている等、良好な遠隔通信条件を有するとみなされるNC、例えば、
図7の図に示されるNC20aを選択する。
【0106】
その後、中央コントローラ3は、ステップ203において、NC20aのネイバーNCのリスト内の位置誤りの疑いのある各NC、
図7ではNC20dを選択し、NC20dからNC20aへの距離を算出する。これらの算出は、それ自体既知のアルゴリズム、例えば、Movable Type Scriptsのウェブサイトで公開されているアルゴリズムによって実行されてもよい。
【0107】
その後、中央コントローラ3は、ステップ204において、算出された距離がローカル通信範囲より小さいか否かを判断する。
図7において、NC20aが中心に置かれている円30の半径は、ローカル通信範囲を示している。算出された距離がローカル通信範囲以下である場合、位置情報は、中央コントローラ3によって正確であると見なされる。一方、
図7のNC20dが
図7のNC20d'に対応する位置を報告していた場合のように、算出された距離がローカル通信範囲よりも大きい場合、中央コントローラ3は、NC20dが誤った又はずれているロケーションを報告していると結論づける。
【0108】
さらに、中央コントローラ3は、位置がずれているNC20dの通知が、フロントエンドユニット4を介してユーザ5に与えられることを可能にしてもよい。通知は、音響、触覚、又は可視アラーム、又はそれらの組み合わせであってもよい。さらに、通知は、位置がずれているNC20dの推定されたロケーション及び/又は誤ったロケーションに関する通知を含んでもよい。
【0109】
その後、ユーザ5は、位置がずれているNC20d、斯くして、通信ノードを見つけ、通信ノードを検査し、必要な修理を行う又は他の問題を解決する、例えば、とりわけ、マップ又はサードパーティGPSツールの比較を用いて位置情報をチェック及び訂正することができる。代替的に、ユーザ5は、通信ノードを検査し、必要な修理を行う又は他の問題を解決する、例えば、とりわけ、マップ又はサードパーティGPSツールの比較を用いて位置情報をチェック及び訂正するためにフィールドエンジニア又は作業員を割り当てることができる。
【0110】
代替的に、中央コントローラ3は、アンカーNCとしてNC20をランダムに選択し、選択されたアンカーNCについてGPS距離(GPS distance)及び無線距離(radio distance)を算出する、その後、アンカーNCとして次のNCを選択し、次のNCについてGPS距離及び無線距離の算出を繰り返す、その後、適当な数のNC、場合によってはすべてのNCについてこのプロシージャを繰り返す、及び、最後に、行われた算出に基づいて、どのNCが位置がずれているかを判断することにより、位置がずれているNC20のロケーション情報の正確さを改善するよう手助けしてもよい。これは、NCが位置がずれている場合、その近隣のNCのすべてに対するそのGPS距離は訂正されず、NCが位置がずれていない場合、その近隣のNCのいくつかに対するそのGPS距離は訂正されてもよいが、その近隣のNCの1つに対して、そのGPS距離は訂正されなくてもよいことに基づいて行われてもよい。
【0111】
当業者は、本発明が決して上記の好ましい実施形態に限定されるものではないことを認識する。それどころか、多くの修正及び変形が、添付の特許請求の範囲内で可能である。
【0112】
さらに、図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【国際調査報告】