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特表2023-534859浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置
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  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図1
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図2
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図3
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図4
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図5A
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図5B
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図5C
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図6
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図7
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図8
  • 特表-浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-14
(54)【発明の名称】浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置するための方法、及び関連する浮体式装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 21/26 20060101AFI20230804BHJP
   B63B 21/50 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
B63B21/26
B63B21/50 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504443
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2021070410
(87)【国際公開番号】W WO2022018147
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】2007698
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522294671
【氏名又は名称】テクニップ エナジーズ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】チャハイ,マルク
(72)【発明者】
【氏名】コスト,フランソワ
(57)【要約】
【解決手段】この方法は、-係留ラインの少なくとも1つの下部(38)を水域(12)の底(26)で地盤(14)内に配置する工程、-下部(38)を地盤(14)内に固定する工程、-浮体式装置の上部ユニットを係留ラインに連結する工程を有する。下部(38)はチェーンで構成されており、チェーンは、上部ユニットの連結後、係留ラインに予め取り付けられている係留体、特にアンカー又はパイルがない係留ラインの下端部を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式装置(10)の少なくとも1つの係留ライン(24)を水域(12)に配置する方法であって、
- 係留ライン(24)の少なくとも1つの下部(38)を水域(12)の底(26)で地盤(14)内に配置する工程、
- 前記下部(38)を前記地盤(14)内に固定する工程、及び
- 前記浮体式装置(10)の上部ユニット(20)を前記係留ライン(24)に連結する工程
を有し、
前記係留ライン(24)の下部(38)はチェーンで構成されており、前記チェーンは、前記上部ユニット(20)の連結後、前記係留ライン(24)に予め取り付けられている係留体、特にアンカー又はパイルがない前記係留ライン(24)の下端部(34)を画定する、方法。
【請求項2】
前記上部ユニット(20)が前記係留ライン(24)に連結されると、少なくとも前記下端部(34)に加えられる張力がゼロになるように選択された深さ及び/又は長さで前記下部(38)を前記地盤(14)内に配置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下部(38)を前記地盤(14)内に固定する工程では、有利には線形であり、特には垂直又は水平な第1の貫入構成から、有利にはカテナリーの形態の第2の固定構成に前記下部(38)を移動させるように前記下部(38)を引っ張る、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記下部(38)は少なくとも1つのコネクタ(40)を有しており、
前記上部ユニット(20)を前記係留ライン(24)に連結する工程では、前記係留ライン(24)の上部(36)を前記コネクタ(40)に連結し、前記上部ユニット(20)又は設置船舶(60)から前記上部(36)に張力をかける、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記下部(38)を前記地盤(14)内に配置する工程では、ケーソン(52)及び前記下部(38)を共に前記地盤(14)内に下ろし、
次に前記ケーソン(52)を前記下部(38)から分離し、その後、前記ケーソン(52)を前記地盤(14)から引き上げ、前記下部(38)は前記地盤(14)内に留まっている、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記ケーソン(52)及び前記下部(38)を共に前記地盤(14)内に下ろす工程を、垂直軸芯又は実質的に垂直な軸芯に沿って行う、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ケーソン(52)は、少なくとも1つの長手チャネル(74)を前記ケーソンの外面に画定しており、
前記ケーソン(52)及び前記下部(38)を共に前記地盤(14)内に下ろす間、前記下部(38)は前記少なくとも1つの長手チャネル(74)に配置されている、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記ケーソンを前記下部から分離する際に、前記下端部(34)を画定するチェーンの蓄積物(80)を前記ケーソン(52)の下に形成するように、前記ケーソン(52)の下に前記下部(38)のある長さのチェーンを下ろす、請求項5~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記ケーソン(52)及び前記下部(38)を共に前記地盤(14)内に下ろした後、前記ケーソン(52)の下に封止成分を流し込んで固める、並びに/又は、
前記ケーソン(52)を引き上げた後、前記ケーソン(52)によって占められていた体積の代わりに追加の堆積物、特に砂及び/又は砂利を導入する、請求項5~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記ケーソン(52)及び前記下部(38)を共に前記地盤(14)内に下ろす際に、前記ケーソン(52)の下に圧力をかけて液体を噴霧する、請求項5~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記ケーソン(52)及び前記下部(38)を共に前記地盤(14)内に下ろす際に、前記ケーソン(52)によって掘削される固体を引き上げるように、前記ケーソン(52)内部に及び/又は前記ケーソン(52)の周りに気体又は流体を注入する、請求項5~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
複数の係留ライン(24)の複数の下部(38)を前記地盤(14)内に配置し、少なくとも2つの係留ライン(24)の下部(38)を、同一のケーソン(52)と共に下ろす、請求項5~11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記下部(38)を前記地盤(14)内に配置する工程では、前記地盤(14)内の水平なトレンチ内にチェーンを配置し、
前記下部(38)を固定する工程では、前記チェーンを第1の線形構成から前記第1の線形構成とは異なる第2の構成、特に第2の湾曲構成に移動させるように前記チェーンの少なくとも1つの端部を引っ張り、
前記チェーンの少なくとも1つの端部を、前記上部ユニット(20)に連結されている前記係留ライン(24)の上部(36)に連結する、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記地盤(14)内に固定されて共通の下端部(34)を有する2つの係留ライン(24A, 24B)の夫々2つの下部(38A, 38B)を形成するように、前記チェーンの両端部を引っ張り、
前記チェーンの各端部を前記上部ユニット(20)又は別の上部ユニット(20)に連結された夫々の係留ライン(24A, 24B)の上部(36A, 36B)に連結する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
水域(12)に配置される浮体式装置(10)であって、
上部ユニット(20)、及び前記上部ユニット(20)に連結されている少なくとも1つの係留ライン(24)を備えており、
前記係留ライン(24)は、水域(12)の底(26)で地盤(14)内に貫入して固定される下部(38)を有しており、
前記係留ライン(24)の下部(38)はチェーンで構成されており、前記チェーンは、前記上部ユニット(20)の連結後、前記係留ライン(24)に予め取り付けられている係留体、特にアンカー又はパイルがない前記係留ライン(24)の下端部(34)を画定する、浮体式装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを水域に配置する方法に関し、この方法は、
- 係留ラインの少なくとも1つの下部を水域の底で地中に配置する工程、
- 下部を地中に固定する工程、及び
- 浮体式装置の上部ユニットを係留ラインに連結する工程
を有する。
【背景技術】
【0002】
浮体式装置は、エネルギーの生成、又は流体、特に炭化水素の回収、処理及び/若しくは貯蔵用に構成されている、例えば水域上の浮体式プラットフォームである。変形例では、浮体式装置は、再生可能エネルギーの生成、特に風力エネルギー又は潮力エネルギーの生成のための浮体式装置である。変形例では、浮体式装置は、水産養殖装置又は海上信号伝達装置である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水域上に浮かぶ水面ユニットを備えているこのような装置は一般に、水域の底にしっかりと係留されなければならない。このため、装置は、装置が受ける多くの外力の影響下で移動することが防止される。外力には、風、波、うねり及び/又は海流が含まれる。
【0004】
水深が深い場合でも、係留は堅牢でなければならない。係留は一般に、水域の底にある係留体を水域の底にある係留ラインに連結し、係留ラインを水面ユニットまで移動させ、その後、水面ユニットから係留ラインを延ばすことにより行われる。
【0005】
係留ラインは、ケーブル(鋼若しくは合成物質)及び/又はチェーンで構成されており、係留ラインの下端部には少なくとも1つの係留体が、水域の底で地中に引っ掛かるアンカー又はパイルによって形成されている。
【0006】
第1の係留技術は、水域の底で地中に引っ掛かるドラッギングアンカーの使用で構成されている。
【0007】
アンカーを十分に引っ掛け、それによって係留ラインの張力に対する十分な抵抗を得るために、アンカーを水域の底に置き、次に、例えば敷設船を使用してアンカーを引っ張る必要がある。従って、ドラッギングアンカーは水域の底に沈み、牽引力に対する十分な抵抗を与える。
【0008】
従って、このようなアンカーは効果的であるが、浮体式装置の不正確な位置決めの原因となることが多い。実際、最初にアンカーの所望の最終位置から離れた位置にアンカーを置き、次にアンカーを水域の底で一定の距離、引っ張る必要がある。距離は推定され得るが、水域の底の障害物及び/又は性質、並びにアンカーが地面を滑らずに地面に貫入する能力によって大きく異なる。従って、アンカーの最終位置は、最初の所望の位置とは大きく異なる場合がある。
【0009】
このような問題を克服するために、より正確な設置が必要な場合、サクションパイル、斜杭、ドリルシャフト又は魚雷杭の使用方法が知られている。設置後、パイルは常時地中に保持される。
【0010】
サクションパイルは、所望の係留ポイントで地中に押し込まれる。次に、サクションパイルを水域の底の所定の場所で動かなくするようにサクションパイルの内部に真空を生成する。
【0011】
このような係留方法は正確であるが、例えば吸込みを行うためにダイバー及び/又は遠隔操作車両の介入を必要とするために非常に高価である。このような方法には、水深、例えばサクションパイル又は魚雷杭の設置に関する制約がある。
【0012】
斜杭は地中に配置され、一般に杭打用ガイドで直立して保持される必要がある。その後、ハンマー及び杭打ちキャップを斜杭に取り付け、繰り返し衝撃を加える。
【0013】
このような方法も非常に高価であり、ガイド及びハンマーの使用、並びに杭打ちによる騒音及び振動によって大きな環境問題を引き起こす。
【0014】
魚雷杭も設置が難しく、水域の底に十分沈むように水域の底に向かって高速で投入されるために最低限の水深を必要とする。
【0015】
米国特許第5992060 号明細書には、上記のタイプの方法によって設置される別のタイプの係留杭が記載されている。このような方法では、係留ラインの端部に設けられたアンカーを、杭によって水域の底で地中に下ろす。
【0016】
アンカーが下ろされると、杭は取り除かれ、係留ラインの牽引によって、牽引に対する高い抵抗を与えるように牽引力に対して垂直に展開するアンカーを動かなくする。
【0017】
このような杭は、従来の牽引アンカーより正確な方法で配置される。しかしながら、杭は係留ラインの各端部に配置されたアンカーを必要とし、コストを増加させる。更に、杭からのアンカーの展開は必ずしも信頼性が高いとは限らない。
【0018】
従って、本発明の目的は、浮体式装置を正確且つ非常に堅牢に係留する方法であるが、既存の方法より安価で信頼性が高い方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このために、本発明の主題は、係留ラインの下部がチェーンで構成されており、チェーンは、上部ユニットの連結後、係留ラインに予め取り付けられている係留体、特にアンカー又はパイルがない係留ラインの下端部を画定することを特徴とする上述したタイプの方法である。
【0020】
本発明に係る方法は、個別に又は任意の技術的に可能な組み合わせに応じて、以下の特徴の一又は複数を有することが可能である。
【0021】
- 上部ユニットが係留ラインに連結されると、少なくとも下端部に加えられる張力がゼロになるように選択された深さ及び/又は長さで下部を地中に配置する。
【0022】
- 下部を地中に固定する工程では、有利には線形であり、特には垂直又は水平な第1の沈降構成から、有利にはカテナリーの形態の第2の固定構成に下部を移動させるように下部を引っ張る。
【0023】
- 下部を少なくとも1つのコネクタに取り付ける。上部ユニットを係留ラインに連結する工程では、係留ラインの上部をコネクタに連結し、上部ユニット又は設置船舶から上部に張力をかける。
【0024】
- 下部を地中に配置する工程では、ケーソン及び下部を共に地中に下ろす。次にケーソンを下部から分離し、その後、ケーソンを地中から引き上げ、下部は地中に留まっている。
【0025】
- ケーソン及び下部を共に地中に下ろす工程を、垂直軸芯又は実質的に垂直な軸芯に沿って行う。
【0026】
- ケーソンは、少なくとも1つの長手チャネルをケーソンの外面に画定し、ケーソン及び下部を共に地中に下ろす間、下部は少なくとも1つの長手チャネルに配置されている。
【0027】
- 分離する工程では、下端部を画定するチェーンの蓄積物をケーソンの下に形成するように、ケーソンの下に下部のある長さのチェーンを下ろす。
【0028】
- ケーソン及び下部を共に地中に下ろした後、ケーソンの下に封止成分を流し込んで固める、並びに/又は、ケーソンを引き上げた後、ケーソンによって占められていた体積の代わりに追加の堆積物、特に砂及び/又は砂利を導入する。
【0029】
- ケーソン及び下部を共に地中に下ろす際に、ケーソンの下に圧力をかけて液体を噴霧する。
【0030】
- ケーソン及び下部を共に地中に下ろす際に、ケーソンによって掘削される固体を引き上げるように、ケーソン内部に及び/又はケーソンの周りに気体又は流体を注入する。
【0031】
- 複数の係留ラインの複数の下部を地中に配置し、少なくとも2つの係留ラインの下部を共に同一のケーソンと下ろす。
【0032】
- 下部を地中に配置する工程では、地中の水平なトレンチ内にチェーンを配置し、下部を固定する工程では、チェーンを第1の線形構成から第1の線形構成とは異なる第2の構成、特に第2の湾曲構成に移動させるようにチェーンの少なくとも1つの端部を引っ張り、チェーンの少なくとも1つの端部を、上部ユニットに連結されている係留ラインの上部に連結する。
【0033】
- 地中に固定されて共通の下端部を有する2つの係留ラインの夫々2つの下部を形成するように、チェーンの両端部を引っ張り、チェーンの各端部を上部ユニット又は別の上部ユニットに連結された夫々の係留ラインの上部に連結する。
【0034】
- 係留ラインの下端部はアンカー又はパイルに連結されていない。
【0035】
- 係留ラインの下部が水域の底で地中に配置されるとき、係留ラインの下端部には係留体がない。
【0036】
本発明は更に、水域に配置される浮体式装置であって、上部ユニット、及び上部ユニットに連結されている少なくとも1つの係留ラインを備えており、係留ラインは、水域の底で地中に沈んで固定される下部を有しており、係留ラインの下部はチェーンで構成されており、チェーンは、上部ユニットの連結後、係留ラインに予め取り付けられている係留体、特にアンカー又はパイルがない係留ラインの下端部を画定する、浮体式装置に関する。
【0037】
本発明は、添付図面を参照して、単に一例として挙げられる以下の説明を読むと更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明に係る方法に従って配置された第1の浮体式装置を示す概略図である。
図2】本発明に係る係留ラインを配置するための配置方法の第1の工程中の図1と同様の図である。
図3】配置方法の第2の工程中の図2と同様の図である。
図4】配置方法の第3の工程中の図2と同様の図である。
図5】複数の係留ラインを同時的に配置するための、本発明に係る配置方法用のケーソンの変形例を示す図である。
図6】本発明に係る方法によって配置された浮体式装置の変形例を示す平面図である。
図7】本発明に係る配置方法の別の実施形態を示す平面図である。
図8】本発明に係る配置方法の別の実施を示す平面図である。
図9】深さに応じて係留ラインにかかる張力を示す曲線の図表である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明に係る第1の配置方法は、図1に概略的に示されている浮体式装置10を係留するための方法である。
【0040】
浮体式装置10は水域12に配置される。水域12は、例えば海洋、海、湖又は川である。
【0041】
水域12は、堆積物を含む緩い土壌14の上にある。
【0042】
浮体式装置10は、例えばエネルギー、特に再生可能エネルギーの生成のための浮体式装置である。浮体式装置は、例えば風力タービン及び/又は潮流発電機を備えている。
【0043】
変形例として、浮体式装置10は、流体を処理するための浮体式装置であり、特にFPSOと称される浮体式生産貯蔵積出設備、FLNG(Floating Liquefied Natural Gas)と称される液化天然ガス専用の浮体式ユニット、半潜水式のプラットフォーム、TLP と称されるテンションレグプラットフォーム、荷降ろしブイ、浮体式垂直柱又は船舶である。
【0044】
変形例では、浮体式装置10は、例えば魚類の養殖若しくは藻類の生成のための浮体式水産養殖装置、例えば浮体式灯台などの海上信号伝達装置、又はパッシブシステムにより位置の維持を必要とするあらゆる他の浮体式システムである。
【0045】
浮体式装置10は上部ユニット20を備えており、上部ユニット20は、この例では水域12の水面22に浮かぶ水面ユニットである。
【0046】
浮体式装置10は、上部ユニット20を水域12の底26に連結する、上部ユニット20の複数の係留ライン24を更に備えている。
【0047】
このような例では、上部ユニット20は、水域12に浮かぶ少なくとも1つの船体28と、上部ユニット20を水域12の所定の位置に保持するために係留ライン24に張力を発生させるのに適した、係留ライン24に張力をかけるための少なくとも1つの張力装置30とを有している。
【0048】
上部ユニット20は、例えば少なくとも1つのエネルギー生産設備(電気若しくは化石)、特に風力タービン若しくは潮流発電機、又は流体、特に水域12の底26で地盤14から回収された炭化水素の生産、収集、貯蔵及び/若しくは処理のための少なくとも1つのユニットを支持している。変形例として又は加えて、上部ユニットは、水生生物若しくは水生植物の栄養補給及び/若しくは処理のための装置、光若しくは電磁信号のための装置、並びに/又は測定センサ、特に気象センサを支持している。
【0049】
流体のための生産、収集、貯蔵及び/又は処理ユニットの場合、上部ユニット20は、流体運搬パイプ、特に「ライザ」という用語で称される可撓性又は剛性の流体運搬パイプを介して水域12の底26に更に連結される。
【0050】
図1に示されているように、各係留ライン24は、上部ユニット20に堅く取り付けられている上端部32から、係留ライン24に予め取り付けられている係留体がない下端部34に水域12を通って延びる。下端部34は、水域12の底26の下で固体の地盤14内に配置される。各係留ライン24は、その形状によって画定される実質的に垂直な面で動作する。
【0051】
「係留ライン24に予め取り付けられている係留体がない」とは、係留ライン24を地盤14内に配置する前にアンカー又はパイルなどの係留体が係留ライン24に組み立てられていないことを意味し、係留ラインを地盤14内に配置するときにアンカー又はパイルなどの係留体が存在しないことを意味する。
【0052】
この例では、以下に示されるように、係留ライン24は、上部ユニット20から最も遠い下端部34に係留体、特に常設アンカー又は取付パイルがない。
【0053】
図1に示されている例では、係留ライン24は、水域12を通って水域12の底26まで延びる上部36と、地盤14内に少なくとも部分的に挿入されて水域12の底26に部分的に載置される下部38とを有している。
【0054】
係留ライン24は、水域12の底26で又は水域12の底26の上側で上部36を下部38に連結するコネクタ40を更に有していることが有利である。
【0055】
上部36は、例えばチェーン及び/又はケーブルの組み合わせで形成されている。上部は、水域12の底26と係留ライン24の上端部32との間で鎖状に延びる。
【0056】
下部38はチェーンで構成されている。チェーンは、下端部34に延びている相互接続されたリンクで形成されている。従って、上部ユニット20が係留ライン24に連結されているときに上部ユニット20から最も遠いポイントである下端部34は、下部38を形成するチェーンのリンクで構成されている。
【0057】
係留要素もパイルも下部38の下端部34に取り付けられていない。以下に示されるように、下端部34は、場合によってはセメントなどの封止成分によって固められた、下部38のチェーンのリンクの局所的な蓄積物80に設けられ得る。
【0058】
浮体式装置10を所定の位置に維持するために、地盤14内に挿入されて保持された下部38の長さ、及び/又は地盤14内における下端部34の深さは、浮体式装置10が係留ライン24に連結されているときに少なくとも下端部34での張力がゼロであるように計算されていることが有利である。
【0059】
下部38の形成に適したチェーンの長さは、地盤内の深さに応じたチェーンの張力の展開を示す図9に示されているように、上部ユニット20の構造、深さ、張力の値及び地面での方向に応じてチェーンに沿った張力をシミュレートすることにより、浮体式装置10の配置前に計算される。
【0060】
計算は、例えばシミュレーションソフトウェアを使用して実行される。尚、図9では、例えば深さが15mより大きい場合、張力を削除している。このように、地盤14内に固定されるチェーンの長さは、上部ユニット20が係留ライン24に結合されると下端部34でゼロの張力を保証するように安全なマージンで15mより大きいように選択される。
【0061】
チェーンの長さは、例えば10m~100mの範囲内であり、一般に500トン程度の張力では20mより大きい。
【0062】
地盤14内では、下部38は、チェーンの蓄積物80の上側の下部38の接線が垂直であるか又は垂直線に対して30°未満で傾いている下端部34と、カテナリーの形態の係留ライン24で張力をかけずに係留する場合に下部38の接線が水平であるか又は水平線に対して45°未満の角度で傾いているコネクタ40への連結点との間でカテナリーの形態で延びる。変形例では、張力をかける係留では、例えば張力がかかるラインを有するプラットフォームでは、連結点での接線が垂直であるか又は垂直線に対して10°未満の角度で傾いている。
【0063】
チェーンの下端部34に係留体、特にアンカー又はパイルがないため、サクションパイルに連結された係留ライン24と比べて、係留ライン24の構造が簡単になり、係留ラインのコストが大幅に削減されることに注目すべきである。
【0064】
アンカーのこのような欠如が、下部38のより長い長さによって補償されるため、係留ラインに加えられる張力応力に応じて係留ライン24の非常に高い安定性が与えられる。従って、上部ユニット20は、水域12にしっかりと係留されたままである。
【0065】
係留ライン24の配置は、図2~5に概略的に示されている配置ユニット50を使用して行われる。
【0066】
配置ユニット50は、少なくとも1つの下部38を地盤14内に導くように構成されているケーソン52とすることができる少なくとも1つの案内システムと、ケーソン52を地盤14内に沈めるための少なくとも1つの液体噴霧装置54と、適切な場合には液体噴霧装置54を用いた土壌浸食による材料であってケーソン52の挿入中に排出される材料の排出を容易にするために流体、特に気体又は水を注入するための流体注入装置56とを有している。
【0067】
配置ユニット50は、ケーソン52と前記下部38との間に取り外し可能な取付装置58を更に有している。
【0068】
配置ユニット50は、少なくとも1つのクレーン62を備えた敷設船60を更に有している。
【0069】
図2~5を参照すると、ケーソン52は、長手軸芯A-A'に沿って延びる中空管状壁70を有している。長手軸芯A-A'は、ケーソン52が地盤14内に挿入されるときに垂直であるようにされている。
【0070】
中空管状壁70は軸芯A-A'を有する中央通路71を画定しており、少なくとも下端部72で開口しており、有利には上端部73でも開口している。
【0071】
図5に示されているように、中空管状壁70は、長手軸芯A-A'と平行に延びる係留ラインの下部38を受けるための少なくとも1つのチャネル74を外側に画定している。
【0072】
中空管状壁70は、例えば図5Aに示されているように1つのチャネル74のみを画定しているか、又は図5B及び図5Cに示されているように別個の係留ライン24の下部38を夫々含む複数のチャネル74を画定している。
【0073】
チャネル74は、長手軸芯A-A'に向かって内部に後退している。チャネルは径方向の外側に開口しており、中空管状壁70の長手方向の端部72, 73でも開口している。
【0074】
中空管状壁70は、例えば金属で形成されている。中空管状壁70の長さは、有利には10mより大きく、特には8m~30mの範囲内である。この例では、軸芯A-A'と垂直な最大横寸法は1mより小さい。
【0075】
このように、ケーソン52の外側断面は、ケーソン52の実質的に高さ全体に亘って一定である。前記断面は、各チャネル74間に円形の外形を有する。変形例では、断面は多角形(例えば矩形若しくは三角形)又は楕円形の外形を有する。
【0076】
液体噴霧装置54は、ケーソン52の下端部に設けられている。液体噴霧装置54は、ケーソン52が地盤14内に沈んで前進することができるように下端部72を越えて液体、例えば水を噴霧するのに適している。
【0077】
流体注入装置56が設けられている場合、流体注入装置56は、気体又は流体、例えば空気又は水が放出され得るように、ケーソン52の中空管状壁70によって画定された中央通路71を通って及び/又はチャネル74に気体又は流体、例えば空気又は水を注入することが可能であり、中央通路71を通して堆積柱を軽量化することが可能である。
【0078】
取付装置58は、アクティブな構成では下部38の1点をケーソン52に堅く取り付けることが可能である。図2の例では、取付装置58は上端部73の近傍に設けられている。変形例では又は加えて、取付装置58がケーソン52の下端部の近傍に設けられている。
【0079】
取付装置は、操業者からの指示により、下部38を中空管状壁70から分離するために非アクティブな構成に移動するのに適している。
【0080】
取付装置58のアクティブな構成では、ケーソン52が地盤14内に沈められると、下部38はケーソン52と共に下ろされる。
【0081】
非アクティブな構成では、ケーソン52は、地盤14内の所定の場所に留まる下部38とは無関係に地盤14から引き出されるのに適している。
【0082】
敷設船60のクレーン62は、ケーソン52及びケーソン52に堅く取り付けられている下部38を水域12の底26の所定の挿入ポイントに運んで、次にケーソン52が沈むとケーソン52及び下部38を共に底26に下ろすのを制御するための少なくとも1つの下降ライン76を有している。
【0083】
下降ライン76は、下部38が地盤14内に配置されてケーソン52から分離された後、ケーソン52を地盤14から引き上げて、次に水域12を通して引き上げるのに更に適している。
【0084】
配置ユニット50を使用して行われる本発明に係る第1の配置方法を記載する。
【0085】
最初に、チェーンで構成されてアンカー又はパイルを含まない下部38を敷設船60に供給して、取付装置58によってケーソン52に取り付ける。
【0086】
ケーソン52を、下降ライン76の端部に引っ掛けて沈める。下部38は、ケーソン52の垂直長手軸芯A-A'と平行にチャネル74内に部分的に延びる。
【0087】
次に、ケーソン52を、水域12の底26の所望の係留ポイントまで下ろす。ケーソン52を垂直軸芯に沿って、又は例えば垂直軸芯に対して30°未満の角度で傾いている実質的に垂直な軸芯に沿って徐々に下ろすために液体噴霧装置54を作動させる。
【0088】
流体注入装置56が設けられている場合、ケーソン52によって掘削される堆積物の中央通路71への上昇を容易にするように、及び/又はチャネル74をきれいにして下部38をいかなる障害物もなしで下ろすことができるように流体注入装置56を更に作動させることが有利である。
【0089】
係留ラインに予め取り付けられている係留体がなく、特にアンカーもパイルもない下部38の下端部によって形成された係留ライン24の下端部34が配置される必要がある計算された深さまで下降を続ける。
【0090】
図3に示されているように前記深さに達すると、取付装置58を解放して、下端部34の近傍にチェーンの局所的な蓄積物80を形成するように、ある長さのチェーンを任意でケーソン52の下に下ろす。
【0091】
適切な場合、蓄積物80の周りで固まるように、封止材をチャネル74及び/又は中央通路71を通して運ぶ。
【0092】
次に、下部38の上端部に設けられているコネクタ40を水域12の底26に配置する。
【0093】
その後、下降ライン76を引き上げて、地盤14からケーソン52を引き出すためにクレーン62を作動させる。下部38はチャネル74内に配置されているため、ケーソン52の上昇は、地盤14内における下部38の垂直方向の位置決めに影響を与えず、ケーソン52と共に下部38を上昇させない。
【0094】
ケーソン52が引き出されて地盤14の上側に上昇したら、次に、例えば敷設船62に取り付けられている牽引ライン(不図示)又は水域12に設けられている牽引装置(不図示)にコネクタ40を連結する。コネクタ40に牽引力を加えて、コネクタ40を下部38の地盤14内への最初の挿入ポイントから移動させて下部38を図1に示されているカテナリーの形態の構成に移動させる。その後、下部38を地盤14内に固定する。
【0095】
このような固定は、コネクタ40に加えられる牽引力を克服するように土壌14に存在する堆積物との摩擦によって生じる。固定は更に、コネクタ40における牽引に抵抗することができる、下部38の上側にある堆積物の重量によって生じる。
【0096】
次に、係留ライン24の上部36をコネクタ40に連結して、上部ユニット20の張力装置30に向かって引き上げる。
【0097】
その後、張力装置30を作動させて係留ライン24に張力をかける。
【0098】
大きな牽引力の展開を必要とする堅牢な方法でアンカーを係留するためにアンカーを地盤14内で移動させる必要がないため、係留ライン24を配置する工程は特に簡単である。地盤14内に挿入されるチェーンの長さは、係留を実現して牽引力に耐えるのに十分である。
【0099】
更に、係留ライン24の位置決めは非常に正確であり、浮体式装置10の配置前の所定の位置に対応する。下端部34を深さ及び位置の所望のポイントに下げるケーソン52の使用によって精度がもたらされる。
【0100】
更に、サクションパイルと比較して、ケーソン52の内部を吸引する必要がないため、浅い深さでの通常の制限を省くことが可能になる。これにより、ケーソン52は他の係留ライン24を敷設するために再利用され得る。このようにして、係留の精度及び堅牢性を損なうことなく、コストが最小限度に抑えられる。
【0101】
上記の例では、張力装置30が上部ユニット20に設けられており、係留ライン24の上端部32が張力装置30に堅く取り付けられる。変形例では、係留ライン24の長さが予め知られている。張力装置30を上部ユニット20に設けることは任意になる。
【0102】
そのため、張力装置30は設置船舶60に有利に設けられて、この分野全体に共通である。
【0103】
別の変形例では、この方法で、ケーソン52の上昇後にケーソン52によって占められていた体積の代わりに、追加の堆積物、特に砂及び/又は砂利を導入する。
【0104】
図5B図5C及び図6に示されている変形例では、ケーソン52は、地盤14内に同時的に挿入される別個の係留ライン24の複数の下部38を収容している。
【0105】
このようにして、複数の係留ライン24を実質的に同じ係留ポイントに略同時に配置することが可能である。
【0106】
これにより、図6に示されているように、複数の隣り合う上部ユニット20を同一の係留ポイントから、より低コストで安価且つ堅牢な方法で精密且つ正確に係留することが可能である。
【0107】
この例では、少なくとも2つの隣り合う上部ユニット20が、同一のケーソン52によって配置されて、下端部34が実質的に地盤14内の同一の挿入ポイントに配置される係留ライン24によって底26に連結される。
【0108】
図7に示されている変形例では、下部38のチェーンは、ボトムプラウ又はウォータジェット切断システムなどの掘削装置(不図示)を使用して地盤14内に実質的に水平に、例えば地盤14内に形成されたトレンチ90に挿入される。
【0109】
トレンチ90の深さは、例えば1mより大きく、特に1m~3mの範囲内である。
【0110】
上記が行われて、コネクタ40を、トレンチ90内の水平線形構成から、水平面に投影して下部38が地盤14内に固定される鎖状の水平構成に移動させるように、牽引力が、上述したように牽引ユニットによってコネクタ40に加えられる。
【0111】
次に、コネクタ40を上述したように上部36に連結する。
【0112】
図8に示されている変形例では、ある長さのチェーンの2つの端部にコネクタ40が夫々設けられている。
【0113】
コネクタ40から最も遠く、ひいては前記上部ユニット20から最も遠いポイントに共通の下端部34が設けられている2つの下部38A, 38Bを形成するように、コネクタ40が最初の位置から夫々引き離される。
【0114】
その後、係留ラインを形成するように、下部38A, 38Bを上部36A, 36Bに夫々連結する。
【0115】
別の変形例では、上部ユニット20は、水域12の底26から離れて浮く完全に水中にあるユニットである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式装置の少なくとも1つの係留ラインを域に配置する方法であって、
- 係留ラインの少なくとも1つの下部を域の底で盤内に配置する工程、
- 前記下部を前記地盤内に固定する工程、及び
- 前記浮体式装置の上部ユニットを前記係留ラインに連結する工程
を有し、
前記係留ラインの部はチェーンで構成されており、前記チェーンは、前記上部ユニットの連結後、前記係留ラインに予め取り付けられている係留体がない前記係留ラインの下端部を画定する、方法。
【請求項2】
前記上部ユニットが前記係留ラインに連結されると、少なくとも前記下端部に加えられる張力がゼロになるように選択された深さ及び/又は長さで前記下部を前記地盤内に配置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記下部を前記地盤内に固定する工程では、第1の貫入構成から第2の固定構成に前記下部を移動させるように前記下部を引っ張る、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の貫入構成は線形であり、前記第2の固定構成はカテナリーの形態である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記下部は少なくとも1つのコネクタを有しており、
前記上部ユニットを前記係留ラインに連結する工程では、前記係留ラインの部を前記コネクタに連結し、前記上部ユニット又は設置船舶から前記上部に張力をかける、請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記下部を前記地盤内に配置する工程では、ケーソン及び前記下部を共に前記地盤内に下ろし、
次に前記ケーソンを前記下部から分離し、その後、前記ケーソンを前記地盤から引き上げ、前記下部は前記地盤内に留まっている、請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記ケーソン及び前記下部を共に前記地盤内に下ろす工程を、垂直軸芯又は実質的に垂直な軸芯に沿って行う、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記ケーソンは、少なくとも1つの長手チャネルを前記ケーソンの外面に画定しており、
前記ケーソン及び前記下部を共に前記地盤内に下ろす間、前記下部は前記少なくとも1つの長手チャネルに配置されている、請求項又はに記載の方法。
【請求項9】
前記ケーソンを前記下部から分離する際に、前記下端部を画定するチェーンの蓄積物を前記ケーソンの下に形成するように、前記ケーソンの下に前記下部のある長さのチェーンを下ろす、請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記ケーソン及び前記下部を共に前記地盤内に下ろした後、前記ケーソンの下に封止成分を流し込んで固める、並びに/又は、
前記ケーソンを引き上げた後、前記ケーソンによって占められていた体積の代わりに追加の堆積物を導入する、請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記ケーソン及び前記下部を共に前記地盤内に下ろす際に、前記ケーソンの下に圧力をかけて液体を噴霧する、請求項10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記ケーソン及び前記下部を共に前記地盤内に下ろす際に、前記ケーソンによって掘削される固体を引き上げるように、前記ケーソン内部に及び/又は前記ケーソンの周りに気体又は流体を注入する、請求項11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
複数の係留ラインの複数の下部を前記地盤内に配置し、少なくとも2つの係留ラインの部を、同一のケーソンと共に下ろす、請求項12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記下部を前記地盤内に配置する工程では、前記地盤内の水平なトレンチ内にチェーンを配置し、
前記下部を固定する工程では、前記チェーンを第1の線形構成から前記第1の線形構成とは異なる第2の構成に移動させるように前記チェーンの少なくとも1つの端部を引っ張り、
前記チェーンの少なくとも1つの端部を、前記上部ユニットに連結されている前記係留ラインの部に連結する、請求項1~のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記第2の構成は湾曲構成である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記地盤内に固定されて共通の下端部を有する2つの係留ラインの夫々2つの下部を形成するように、前記チェーンの両端部を引っ張り、
前記チェーンの各端部を前記上部ユニット又は別の上部ユニットに連結された夫々の係留ラインの部に連結する、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記係留ラインの下端部は、アンカー又はパイルがない、請求項1~16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
域に配置される浮体式装置であって、
上部ユニット、及び前記上部ユニットに連結されている少なくとも1つの係留ラインを備えており、
前記係留ラインは、水域の底で盤内に貫入して固定される下部を有しており、
前記係留ラインの部はチェーンで構成されており、前記チェーンは、前記上部ユニットの連結後、前記係留ラインに予め取り付けられている係留体がない前記係留ラインの下端部を画定する、浮体式装置。
【国際調査報告】