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特表2023-534876電動式呼吸器および電動式呼吸器用エアフィルタ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-14
(54)【発明の名称】電動式呼吸器および電動式呼吸器用エアフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   A62B 7/10 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
A62B7/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504778
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 CN2021107077
(87)【国際公開番号】W WO2022017318
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202010704664.1
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021443693.9
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025562
【氏名又は名称】テックメン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ジキアン
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA05
2E185BA07
2E185CA03
2E185CB18
(57)【要約】
本願は、電動式呼吸器および電動式呼吸器用のエアフィルタ装置を開示する。エアフィルタ装置は、ハウジングを備える送風機ユニットと、送風機ユニットに着脱自在に接続可能なエアフィルタユニットとを備える。ハウジングは、送風機ユニットとエアフィルタユニットとが互いに接続されるとエアフィルタユニットに対向するように構成された接合面を備える。エアフィルタユニットのケーシングは、送風機ユニットとエアフィルタユニットとが互いに接続されると送風機ユニットに対向するように構成されたフィルタメッシュ面を備える。送風機ユニットのハウジングは、接合面にホールセンサの第1のサブセットを備える。ホールセンサの第1のサブセットは、互いに離隔されたN個のホールセンサを含み、ここで、Nは2以上の整数である。エアフィルタユニットのケーシングは、フィルタメッシュ面にN個のアライメント位置を備える。エアフィルタユニットが送風機ユニットのハウジングに接続されるとN個のアライメント位置はN個のホールセンサとそれぞれ整列する。エアフィルタユニットは、N個のアライメント位置に選択的に配置された1つまたはN個の相手方磁気部品を備える。1つまたはN個の相手方磁気部品は、エアフィルタユニットに対する送風機ユニットの動作モードに対応する方式で配置される。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動送風機(2220)が配置されたハウジング(2210)を備えるように構成された送風機ユニット(200)と、
前記送風機ユニット(220)に着脱自在に接続可能に構成されたエアフィルタユニット(230)であって、前記送風機ユニット(200)のハウジング(2210)が、前記送風機ユニット(200)が該エアフィルタユニット(230)に接続されると該エアフィルタユニット(230)に対向するように構成された接合面(2211)を備え、該エアフィルタユニット(230)が、ケーシング(2310)を備え、前記ケーシング(2310)が、前記送風機ユニット(200)が該エアフィルタユニット(230)に接続されると前記送風機ユニット(220)に対向するように構成されたフィルタメッシュ面(2311)を備える、エアフィルタユニット(230)と、を備える、電動式呼吸器(100)用のエアフィルタ装置(200)であって、
前記送風機ユニット(200)のハウジング(2210)は、前記接合面(2211)にホールセンサの第1のサブセットも備え、前記ホールセンサの第1のサブセットは、互いに離隔されたN個のホールセンサを含み、ここで、Nは2以上の整数であり、
前記エアフィルタユニット(230)のケーシング(2310)は、前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)のハウジング(2210)に接続されると前記N個のホールセンサとそれぞれ整列するように構成されたN個のアライメント位置も備え、
前記エアフィルタユニット(230)のケーシング(2310)は、前記N個のアライメント位置に選択的に配置された1~N個の相手方磁気部品も備え、前記1~N個の相手方磁気部品は、前記エアフィルタユニット(230)に対する前記送風機ユニット(220)の動作モードに合致する方式で前記N個のアライメント位置に配置されるように構成されていること、を特徴とする、エアフィルタ装置(200)。
【請求項2】
前記1~N個の相手方磁気部品が、2-1通りの方式で前記N個のアライメント位置に選択的に配置されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のエアフィルタ装置(200)。
【請求項3】
前記ホールセンサが、前記送風機ユニット(220)のハウジング(2210)に、外部から見えないように配置され、かつ/または、前記1~N個の相手方磁気部品が、前記エアフィルタユニット(230)のケーシング(2310)に、外部から見えないように配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のエアフィルタ装置(200)。
【請求項4】
前記送風機ユニット(220)のハウジング(2210)が、前記接合面(2211)にホールセンサの第2のサブセットも備え、前記ホールセンサの第2のサブセットは、少なくとも1つのホールセンサを含み、
前記エアフィルタユニット(230)のケーシング(2310)が、前記フィルタメッシュ面(2311)に少なくとも1つの追加のアライメント位置を備え、前記少なくとも1つの追加のアライメント位置は、前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)に所定の位置で取り付けられると前記ホールセンサの第2のサブセットとそれぞれ整列するように構成され、
前記少なくとも1つの追加のアライメント位置のそれぞれに1つの追加の相手方磁気部品が配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のエアフィルタ装置(200)。
【請求項5】
前記送風機ユニット(220)のハウジング(2210)が、前記接合面(2211)の周囲に形成された第1の環状縁部(2212)を備えるように構成され、前記エアフィルタユニット(230)のケーシング(2310)が、前記フィルタメッシュ面(2311)の周囲に形成された第2の環状縁部(2312)を備えるように構成され、前記第1の環状縁部(2212)と前記第2の環状縁部(2312)とは、前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)に所定の位置で取り付けられると、互いに完全に接触するように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載のエアフィルタユニット(200)。
【請求項6】
前記ホールセンサの第1のサブセットおよび/または第2のサブセットが、前記第1の環状縁部(2212)によって囲まれた領域に位置し、かつ/あるいは、前記N個のアライメント位置および/または前記少なくとも1つの追加のアライメント位置が、前記第2の環状縁部(2312)によって囲まれた領域に位置することを特徴とする、請求項5に記載のエアフィルタ装置(200)。
【請求項7】
前記電動式呼吸器(100)の接続ホース(300)の継手(310)に着脱自在に接続可能に構成されたコネクタポート(210)も備え、前記コネクタポート(210)に、少なくとも1つのホールセンサを含む、ホールセンサの第3のサブセットが設けられ、前記継手(310)は、前記継手(310)が前記コネクタポート(210)に所定の位置で取り付けられると前記ホールセンサの第3のサブセットとそれぞれ整列するように構成された少なくとも1つの追加のアライメント位置を備えるように構成され、前記継手(310)における前記少なくとも1つの追加のアライメント位置のそれぞれに1つの追加の相手方磁気部品が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載のエアフィルタ装置(200)。
【請求項8】
1つまたは複数の前記相手方磁気部品が、永久磁石材料製の磁気ボールまたは磁気シートを含むことを特徴とする、請求項7に記載のエアフィルタ装置(200)。
【請求項9】
電動送風機(2220)が配置されたハウジング(2210)を備えるように構成された送風機ユニット(220)と、
前記送風機ユニット(220)に着脱自在に接続可能に構成されたエアフィルタユニット(230)であって、前記送風機ユニット(200)のハウジング(2210)が、前記送風機ユニット(200)が該エアフィルタユニット(230)に接続されると該エアフィルタユニット(230)に対向するように構成された接合面(2211)を備え、該エアフィルタユニット(230)が、ケーシング(2310)を備え、前記ケーシング(2310)が、前記送風機ユニット(200)が該エアフィルタユニット(230)に接続されると前記送風機ユニット(220)に対向するように構成されたフィルタメッシュ面(2311)を備える、エアフィルタユニット(230)と、を備える、電動式呼吸器(100)用のエアフィルタ装置であって、
前記送風機ユニット(200)のハウジング(2210)は、前記接合面(2211)に近接スイッチの第1のサブセットも備え、前記近接スイッチの第1のサブセットは、互いに離隔されたN個の近接スイッチを含み、ここで、Nは2以上の整数であり、
前記エアフィルタユニット(230)のケーシング(2310)は、前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)のハウジング(2210)に接続されると前記N個の近接スイッチとそれぞれ整列するように構成されたN個のアライメント位置も備え、
前記エアフィルタユニット(230)は、前記N個のアライメント位置に選択的に配置された1~N個の相手方部品を備え、前記1~N個の相手方部品は、前記エアフィルタユニット(230)に対する前記送風機ユニット(220)の動作モードに合致する方式で前記N個のアライメント位置に配置されるように構成されていることを特徴とする、エアフィルタ装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のうちのいずれか一項に記載のエアフィルタ装置と、
呼吸マスク(400)と、
前記呼吸マスク(400)と前記エアフィルタ装置との間に接続されるように構成された接続ホース(300)と、を備えることを特徴とする、電動式呼吸器(100)。
【請求項11】
請求項1から請求項9のうちのいずれか一項に記載のエアフィルタ装置(200)の動作方法であって、
前記エアフィルタ装置(200)のエアフィルタユニット(230)を送風機ユニット(220)に接続することと、
前記エアフィルタユニット(230)のN個のアライメント位置を、前記送風機ユニット(200)のホールセンサの第1のサブセットに含まれるN個のホールセンサとそれぞれ整列させる(Nは2以上の整数である)ことと、
前記N個のアライメント位置に存在する相手方磁気部品の数、および/または、前記N個のアライメント位置に配置された1つもしくは複数の前記相手方磁気部品のレイアウトを検出することと、
検出結果を、予め格納された相手方磁気部品の個数および/またはレイアウトと比較して、前記エアフィルタユニット(230)の型式/種類を判定することと、
判定した前記エアフィルタユニット(230)の型式/種類に応じて、前記送風機ユニット(220)の動作モードを再設定することと、を含む方法。
【請求項12】
前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)に接続された後、かつ前記エアフィルタユニット(230)の型式/種類が判定される前に、前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)に所定の位置で取り付けられたかどうかを判定するために、前記送風機ユニット(220)の前記ホールセンサの第2のサブセットをモニタして、前記ホールセンサの第2のサブセットが前記エアフィルタユニット(230)の前記追加のアライメント位置における前記追加の相手方磁気部品と整列しているかどうかを判定することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エアフィルタユニット(230)が前記送風機ユニット(220)に所定の位置で取り付けられていない場合、警報が発信され、かつ/または、前記送風機ユニット(220)が作動停止されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に電動式呼吸器に関し、特に電動式呼吸器用のエアフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動式呼吸器は、生活環境支援システムの構成要素として、過酷な溶接作業現場や呼吸器系疾患の感染リスクのある救急医療診断現場などの人体に危険な現場において、使用者が安全かつ確実に清浄な空気を呼吸できるようにするために、様々な有害な状況下で広く使用されている。
【0003】
電動式呼吸器は一般に、使用者の体の腰部に装着可能な送風機ユニットと、この送風機ユニットに着脱可能に取り付けられたフィルタユニットと、呼吸マスク(溶接用途の場合は溶接ヘルメット)と、上記フィルタユニットと上記呼吸マスクとの間の接続管とを備える。周囲の空気は、送風機ユニットに吸い込まれてさらに接続管によって呼吸マスクに供給されて使用者が吸入できるように、送風機ユニットの一部によって駆動される。
【0004】
消耗品であるフィルタユニットは、使用期間が過ぎると新しいものに交換する必要がある。しかしながら、フィルタユニットが送風機ユニットに所定の位置以外で取り付けられた場合(すなわち、フィルタユニットが送風機ユニットに取り付けられてはいるが、送風機ユニットに対して正しい位置にない場合)、有効にろ過されていない空気が、送風機ユニットに吸い込まれて接続管を介して使用者に吸入され、使用者の健康を害することになる可能性がある。多忙な建築現場や作業現場においては、フィルタが送風機ユニットに取り付けられた後、フィルタユニットが所定の位置に取り付けられているか、および/または、接続管が所定の位置に取り付けられているかを使用者が確認する時間がないのが通常である。したがって、このような事態を避けなければならない。そうでなければ、フィルタが送風機ユニットに所定の位置で取り付けられていない状態かつ/または接続管がフィルタおよび/または送風機ユニットに所定の位置で取り付けられていない状態で送風機ユニットを性急に作動させると、使用者が有害な空気を吸い込み、健康を害することになる。
【0005】
さらに、電動式呼吸器は購入後、使用者によって様々な作業現場で使用され得る。そのような様々な作業現場では、送風機ユニットに様々なフィルタユニットを装備することが求められ、送風機ユニットの動作モードをそれらの様々なフィルタユニットに対して再設定する必要があるため、使用者は送風機ユニットの構成を手動で調整しなければならない。このことは、使用者の操作習熟度に対する要求を高くし、よって、電動式呼吸器を装着した使用者が異なる作業現場に迅速に適応することに反する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題を解決するために、本願は、電動式呼吸器の構成部品が互いに対して所定の位置で取り付けられている場合にのみ電動式呼吸器を作動させることができるようにし、かつ、異なるフィルタユニットが電動式呼吸器の送風機ユニットに組み付けられた後は、送風機ユニットの動作モードが自動的に調整されるように、改良された電動式呼吸器を提案し、使用者に大きな利便性をもたらすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の一態様によると、
電動送風機が配置されたハウジングを備えるように構成された送風機ユニットと、
上記送風機ユニットに着脱自在に接続可能に構成されたエアフィルタユニットであって、上記送風機ユニットのハウジングが、上記送風機ユニットが該エアフィルタユニットに接続されると該エアフィルタユニットに対向するように構成された接合面を備え、該エアフィルタユニットが、ケーシングを備え、上記ケーシングが、上記送風機ユニットが該エアフィルタユニットに接続されると上記送風機ユニットに対向するように構成されたフィルタメッシュ面を備える、エアフィルタユニットと、を備える、電動式呼吸器用のエアフィルタ装置であって、
上記送風機ユニットのハウジングは、上記接合面にホールセンサの第1のサブセットも備え、上記ホールセンサの第1のサブセットは、互いに離隔されたN個のホールセンサを含み、ここで、Nは2以上の整数であり、
上記エアフィルタユニットのケーシングは、上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットのハウジングに接続されると上記N個のホールセンサとそれぞれ整列するように構成されたN個のアライメント位置も備え、
上記エアフィルタユニットのケーシングは、上記N個のアライメント位置に選択的に配置された1~N個の相手方磁気部品も備え、上記1~N個の相手方磁気部品は、上記エアフィルタユニットに対する上記送風機ユニットの動作モードに合致する方式で上記N個のアライメント位置に配置されるように構成された、エアフィルタ装置が提案される。本願の文脈において、「1~N」という表現は、関連する部品の数が1、2、3、・・・、またはNであり得ることを意味する。
【0008】
上記1~N個の相手方磁気部品が、2-1通りの方式で上記N個のアライメント位置に選択的に配置されるように構成されていてもよい。
【0009】
上記ホールセンサが、上記送風機ユニットのハウジングに、外部から見えないように配置され、かつ/または、上記1~N個の相手方磁気部品が、上記エアフィルタユニットのケーシングに、外部から見えないように配置されていてもよい。
【0010】
上記送風機ユニットのハウジングが、上記接合面にホールセンサの第2のサブセットも備え、上記ホールセンサの第2のサブセットは、少なくとも1つのホールセンサを含み、
上記エアフィルタユニットのケーシングが、上記フィルタメッシュ面に少なくとも1つの追加のアライメント位置を備え、上記少なくとも1つの追加のアライメント位置は、上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットに所定の位置で取り付けられると上記ホールセンサの第2のサブセットとそれぞれ整列するように構成され、
上記少なくとも1つの追加のアライメント位置のそれぞれに1つの追加の相手方磁気部品が配置されていてもよい。
【0011】
上記送風機ユニットのハウジングが、上記接合面の周囲に形成された第1の環状縁部を備えるように構成され、上記エアフィルタユニットのケーシングが、上記フィルタメッシュ面の周囲に形成された第2の環状縁部を備えるように構成され、上記第1の環状縁部と上記第2の環状縁部とは、上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットに所定の位置で取り付けられると、互いに完全に接触するように構成されていてもよい。
【0012】
上記ホールセンサの第1のサブセットおよび/または第2のサブセットが、上記第1の環状縁部によって囲まれた領域に位置し、かつ/あるいは、上記N個のアライメント位置および/または上記少なくとも1つの追加のアライメント位置が、上記第2の環状縁部によって囲まれた領域に位置していてもよい。
【0013】
上記エアフィルタ装置が上記電動式呼吸器の接続ホースの継手に着脱自在に接続可能に構成されたコネクタポートも備え、上記コネクタポートに、少なくとも1つのホールセンサを含む、ホールセンサの第3のサブセットが設けられ、上記継手は、上記継手が上記コネクタポートに所定の位置で取り付けられると上記ホールセンサの第3のサブセットとそれぞれ整列するように構成された少なくとも1つの追加のアライメント位置を備えるように構成され、上記継手における上記少なくとも1つの追加のアライメント位置のそれぞれに1つの追加の相手方磁気部品が設けられていてもよい。
【0014】
1つまたは複数の上記相手方磁気部品が、永久磁石材料製の磁気ボールまたは磁気シートを含んでいてもよい。
【0015】
本願の別の態様によると、
電動送風機が配置されたハウジングを備えるように構成された送風機ユニットと、
上記送風機ユニットに着脱自在に接続可能に構成されたエアフィルタユニットであって、上記送風機ユニットのハウジングが、上記送風機ユニットが該エアフィルタユニットに接続されると該エアフィルタユニットに対向するように構成された接合面を備え、該エアフィルタユニットが、ケーシングを備え、上記ケーシングが、上記送風機ユニットが該エアフィルタユニットに接続されると上記送風機ユニットに対向するように構成されたフィルタメッシュ面を備える、エアフィルタユニットと、を備える、電動式呼吸器用のエアフィルタ装置であって、
上記送風機ユニットのハウジングは、上記接合面に近接スイッチの第1のサブセットも備え、上記近接スイッチの第1のサブセットは、互いに離隔されたN個の近接スイッチを含み、ここで、Nは2以上の整数であり、
上記エアフィルタユニットのケーシングは、上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットのハウジングに接続されると上記N個の近接スイッチとそれぞれ整列するように構成されたN個のアライメント位置も備え、
上記エアフィルタユニットは、上記N個のアライメント位置に選択的に配置された1~N個の相手方部品を備え、上記1~N個の相手方部品は、上記エアフィルタユニットに対する上記送風機ユニットの動作モードに合致する方式で上記N個のアライメント位置に配置されるように構成された、エアフィルタ装置が提案される。
【0016】
本願の別の態様によると、
上述のエアフィルタ装置と、
呼吸マスクと、
上記呼吸マスクと上記エアフィルタ装置との間に接続されるように構成された接続ホースと、を備える電動式呼吸器が提案される。
【0017】
本願の別の態様によると、上述のエアフィルタ装置の動作方法であって、
上記エアフィルタ装置のエアフィルタユニットを送風機ユニットに接続することと、
上記エアフィルタユニットのN個のアライメント位置を、上記送風機ユニットのホールセンサの第1のサブセットに含まれるN個のホールセンサとそれぞれ整列させる(Nは2以上の整数である)ことと、
上記N個のアライメント位置に存在する相手方磁気部品の数、および/または、上記N個のアライメント位置に配置された1つもしくは複数の上記相手方磁気部品のレイアウトを検出することと、
検出結果を、予め格納された相手方磁気部品の個数および/またはレイアウトと比較して、上記エアフィルタユニットの型式/種類を判定することと、
判定した上記エアフィルタユニットの型式/種類に応じて、上記送風機ユニットの動作モードを再設定することと、を含む方法が提案される。
【0018】
上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットに接続された後、かつ上記エアフィルタユニットの型式/種類が判定される前に、上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットに所定の位置で取り付けられたかどうかを判定するために、上記送風機ユニットの上記ホールセンサの第2のサブセットをモニタして、上記ホールセンサの第2のサブセットが上記エアフィルタユニットの上記追加のアライメント位置における上記追加の相手方磁気部品と整列しているかどうかを判定してもよい。
【0019】
上記エアフィルタユニットが上記送風機ユニットに所定の位置で取り付けられていない場合、警報が発信され、かつ/または、上記送風機ユニットが作動停止されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本願の上記技術的手段を用いて、エアフィルタユニットが送風機ユニットに所定の位置で取り付けられているかどうか、および、接続管がエアフィルタ装置に所定の位置で接続されているかどうかを確認することが可能であり、エアフィルタユニットの型式を自動的に識別し、送風機ユニットの動作モードをそれに対応して再設定することが可能である。したがって、本願に係る電動式呼吸器の動作信頼性および利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願の原理および種々の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて読むことによって、より完全に理解することができる。なお、図面は異なる比率で示されている場合もあるが、このことは本願の理解に影響を与えるものとはみなされない。
【0022】
図1は、本願の一実施形態に係る電動式呼吸器を概略的に示す図である。
【0023】
図2は、本願の一例に係る電動式呼吸器のフィルタユニットを概略的に示す斜視図である。
【0024】
図3は、本願の一例に係る電動式呼吸器の送風機ユニットを概略的に示す斜視図である。
【0025】
図4は、上記本願の例に係る電動式呼吸器の送風機ユニットが接続管の継手に結合される様子を概略的に示す図である。
【0026】
図5は、本願の一例に係る相手方磁気部品の組み合わせ方を概略的に示す図である。
【0027】
図6は、本願の一例に係る制御動作方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の図面において、同一の構成または同様の機能を有する特徴は、同一の参照符号で表されている。
【0029】
図1は、本願の一実施形態に係る電動式呼吸器100を模式的に示す図である。電動式呼吸器100は、エアフィルタ装置200と、呼吸マスク400と、エアフィルタ装置200と呼吸マスク400との間に接続された接続ホース300(あるいは接続管)とを備えるように構成される。エアフィルタ装置200は、例えば、使用者が装着する。例えば、エアフィルタ装置は、使用者の体の腰部に装着することができる。呼吸マスク400は、使用者の頭部に装着することができる。例えば、呼吸マスク400は、医療用流行病隔離マスク、呼吸用保護マスク(respirator mask)、または溶接ヘルメットなどであり得る。周囲の空気は、エアフィルタ装置200の内部の電動送風機(後述)によって駆動されて、エアフィルタ装置に吸い込まれ、そこでろ過された後、接続ホース300によって呼吸マスク400に供給され、使用者が吸入する。
【0030】
エアフィルタ装置200は、接続ホース300の継手310を着脱自在に接続することができるコネクタポート210を有する。コネクタポート210の形状は図1に例示したものに限定されないことが当業者には理解されるはずであり、コネクタポート210は(図2図4に例示するような)他の形状に成形することが可能である。同様に、継手310は、図1図3、または図4に例示するような形状、あるいは、後述するように成形されたコネクタポート210と継手310との間に着脱自在な接続を達成できるのであれば任意の他の適切な形状をとることができる。
【0031】
さらに、図2および図3に示すように、本願の一例によると、エアフィルタ装置200は、送風機ユニット220と、当該送風機ユニットに着脱自在に接続可能なエアフィルタユニット230とを備えるように構成される。送風機ユニット220は、ハウジング2210を備えるように構成される。例えば、エアフィルタ装置200のコネクタポート210は、ハウジング2210に位置する。ハウジング2210の内部には、電動送風機2220(図2に部分的に見えている)を収容するための内部空洞が画成される。さらに、ハウジング2210の内部には、空気入口2230も形成される。ハウジング2210は、電動送風機2220の電源をオンにして起動させると、空気が、空気入口2230を介して電動送風機2220が位置する内部空洞に吸い込まれた後、コネクタポート210を介して排出されるように構成される。電動送風機に電力を供給するために、充電式バッテリ240がハウジング2210に着脱自在に接続される。送風機ユニット220は、各種パラメータを表示できる表示画面2214と、送風機ユニット220における送風機2220などの関連部分を制御できる制御ボタン2215とを備えるように構成される。
【0032】
空気入口2230は、ハウジング220の接合面(interface)2211に形成される。接合面2211の周囲には環状縁部2212が設けられる。例えば、環状縁部2212は、ハウジング2210に一体形成することができ、あるいは、弾性シール材で作製してハウジング2210の表面に取り付けることができる。また、複数のスナップフィット部品、例えば3つのスナップフィット部品2213a、2213b、2213cが、それぞれ環状縁部2212に隣接して、ハウジング2210の外面に形成される。
【0033】
エアフィルタユニット230は、概して四角形の箱状であるケーシング2310を備えるように構成される。ケーシング2310は扁平形状などの任意の他の適切な形状の形態とし得ることが当業者には理解されるはずである。さらに、図3に示すように、エアフィルタユニット230のケーシング2310には、ろ過材(図示せず)を保持するための空洞が内部に画成される。電動式呼吸器100が使用される現場に応じて異なるろ過材が保持されることになる。ケーシング2310にはフィルタメッシュ面2311が形成される。フィルタメッシュ面2311の反対側には、吸気面(図3に図示せず)もまたケーシング2310に形成される。複数のオリフィスが吸気面に形成され、空気がそのような流路のみに制限されるようになっている。すなわち、空気が吸気面のみを通過し、ろ過材によってろ過された後、フィルタメッシュ面2311を介して排出されるようになっている。
【0034】
また、環状縁部2312がフィルタメッシュ面2311の周囲に設けられる。例えば、環状縁部2312は、ケーシング2310に一体形成することができ、あるいは、弾性シール材で作製してケーシング2310の表面に取り付けることができる。その上、複数のスナップフィット部品、例えば3つのスナップフィット部品2313a、2313b、2313cが、環状縁部2312にそれぞれ隣接して、ケーシング2310の外面に形成される。エアフィルタユニット230のスナップフィット部品2313a、2313b、2313cは、送風機ユニット220のスナップフィット部品2213a、2213b、2213cとそれぞれ対になっており、それらを互いに嵌合させてエアフィルタユニット230を送風機ユニット220にスナップフィットさせることができるようになっている。エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に正しく接続されると(すなわち、前者が後者に所定の位置で取り付けられると)、エアフィルタユニット230のフィルタメッシュ面2311が送風機ユニット220の接合面2211に対向し、エアフィルタユニット230の縁部2312と送風機ユニット220の縁部2212とは、封止接合面をそれらの間に形成するように、完全に接触する。このようにして、エアフィルタユニット230を通ってろ過された空気が外部環境と接触することなく送風機ユニット220の空気入口2230に送り込まれることを確実にすることができる。
【0035】
しかしながら、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられていないと、スナップフィット部品2313a、2313b、2313cとスナップフィット部品2213a、2213b、2213cとがそれぞれ互いに係合してエアフィルタユニット230を送風機ユニット220に接続させたとしても、エアフィルタユニット230の縁部2312と送風機ユニット220の縁部2212とが互いに完全に接触しない場合がある。この場合、縁部2312と縁部2212との間にほぼ確実に存在する隙間によって、有害な周囲の空気が送風機ユニット220に吸い込まれ、使用者によって吸入される結果になり得る。
【0036】
さらに、既に述べたように、様々な作業現場においては、異なるろ過材がエアフィルタユニットに取り付けられる。つまり、エアフィルタユニットに異なるろ過材が取り付けられる場合、送風機ユニットの送風機は、異なるモード、例えば、異なる送風機流量や、異なるインターバル時間での運転サイクルなどで動作することが要求される。そのため、先行技術においては、このことによって、使用者は、異なるエアフィルタユニットの交換後、送風機、特に、その送風機の動作モードを手動で再設定しなければならない。しかしながら、これにより、使用者による電動式呼吸器の使用の複雑さが増大する。そして、使用者が送風機ユニットを再設定し忘れると、十分に清浄ではない空気が吸い込まれるおそれがある。
【0037】
上記の問題を解決するために、本願の技術的解決手段は、互いに離隔された複数の近接スイッチ(または近接センサ)がエアフィルタユニット230と送風機ユニット220との間に配置され、これらの近接スイッチの全てがそれらと協働する相手方部品と正しく一致すると識別された場合にのみ、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられていると判定されるようになっており、それらの近接スイッチの識別された組合せにより、エアフィルタユニット230の型式または種類を自動的に判定し、それに対応して、送風機ユニット220、特にその送風機2220の動作方式を自動的に再設定することができる、ということを必要とする。
【0038】
本願の好ましい実施形態において、上述の近接スイッチはホールセンサである。したがって、以下では、ホールセンサを例に取って、本願を例示的かつ非限定的に説明する。しかしながら、光電式近接スイッチや渦電流式近接スイッチなどのような任意の他の適切な装置を、本願の技術的解決手段における近接スイッチまたは同様の装置として採用できることが当業者には理解されるはずである。
【0039】
本願の一実施形態によると、図2および図3に示すように、複数のホールセンサ、例えば3つのホールセンサ250a、250b、250cが、送風機ユニット220のハウジング2210に配置される。これらのホールセンサは、送風機ユニット220の制御を可能にする中央制御装置(ECU)に電気的に接続される。例えば、ホールセンサ250a、250b、250cをハウジング220の接合面2211に配置することができる。好ましい実施形態において、ホールセンサ250a、250b、250cは、接合面2211に外部から見えないように配置されるように構成される。例えば、これらのホールセンサは、外部から観察できないようにハウジング2210に埋設されるように構成される。エアフィルタユニット230には、互いに離隔された複数のアライメント位置が設けられ、これらの位置に、いくつかの相手方磁気部品を所望により選択的に配置することができる。例えば、これらのアライメント位置は、エアフィルタユニット230のフィルタメッシュ面2311が位置する平面内にあり、エアフィルタユニット230を送風機ユニット220に所定の位置で取り付けると、これらのアライメント位置を送風機ユニット220のホールセンサそれぞれと正確に整列させることができるようになっている。例えば、3つのアライメント位置260a、260b、260cがエアフィルタユニット230に設けられる。
【0040】
図2および図3は、例示のみを目的として、ホールセンサ250a、250b、250cとアライメント位置260a、260b、260cとがどのように配置されるかを模式的に示している。しかしながら、ホールセンサ250a、250b、250cの代替的な配置として、送風機ユニットがエアフィルタユニット230に正しく接続されるとエアフィルタユニット230と正しく位置が合うことが可能なように、送風機ユニット220において、より分散させて他の場所に配置することができることを、当業者であれば理解できる。一方、エアフィルタユニット230のアライメント位置260a、260b、260cは、それに対応させて再配置することができる。
【0041】
ここで、相手方磁気部品がそれぞれに配置されたエアフィルタユニット230の3つのアライメント位置260a、260b、260cを例に取って本願を説明する。例えば、各相手方磁気部品は、磁気シート、磁気ボール、または永久磁石材料製の部品であり得る。好ましい実施形態において、各相手方磁気部品は、エアフィルタユニット230のケーシング2310に、見えないように設けられる。例えば、相手方磁気部品は、外部から観察できないようにケーシング2310に埋設されるように構成される。送風機ユニット220を起動させるために電源をオンにすると、送風機ユニット220のECUがホールセンサ250a、250b、250cの状態を常時モニタするように構成されている。したがって、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられると、アライメント位置260a、260b、260cにある相手方磁気部品をホールセンサ260a、260b、260cのそれぞれと、まず隣接させ、その後、ホールセンサ250a、250b、250cがそれぞれトリガ信号を生成できるように整列させることができる。送風機ユニット220のECUは、次のように構成される。すなわち、ホールセンサ250a、250b、250cの全てがそれぞれトリガ信号を生成したと判定された場合、エアフィルタユニット230が既に送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられているとみなすことができ、よって、このような取り付けを示す何らかのヒントを、表示画面2214、ブザー、バイブレータ、または任意の他の適切なプロンプト装置(ここでは図示せず)を介して使用者に提供することができ、かつ/あるいは、そのように判定された場合にのみ、送風機ユニットをさらに操作するために使用者が送風機ユニット220の起動キーを押すことが可能になる。
【0042】
代替的な実施形態において、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられたかどうかを判定できるようにするために、ただ1つの相手方磁気部品を送風機ユニット220の1つのホールセンサと一致するようにエアフィルタユニット230に設けることが可能であることが、当業者には理解されるはずである。当然のことながら、送風機ユニット220に設けられた2つ以上のホールセンサと一致するように2つ以上の相手方磁気部品をエアフィルタユニット230に配置することができると、取り付けの判定の精度をさらに高めることができる。
【0043】
あるいは、および/または、さらに、本願の送風機ユニット220に使用できるエアフィルタユニットの異なる型式/種類を判定する方法を、例えば、ホールセンサ250a、250b、250cと、エアフィルタユニット230のアライメント位置260a、260b、260cにおける1つまたは複数の相手方磁気部品の選択的配置とを参照することによって説明する。
【0044】
図5に示すように、送風機ユニット220に配置された3つのホールセンサ250a、250b、250cがエアフィルタユニット230の型式または種類を認識するために充てられると仮定する。本願の文脈において、エアフィルタユニットの異なる型式または種類とは、エアフィルタユニットが異なるろ過材および/または異なるように配置されたろ過材を内部に有することを意味する。エアフィルタユニット230には3つのアライメント位置260a、260b、260cが存在するが、これは、3つのアライメント位置のそれぞれに相手方磁気部品を割り当てなければならないという意味ではない。したがって、相手方磁気部品の異なる組合せによる異なる相手方磁気部品の配置/レイアウトを、エアフィルタユニット230において実現することができる。例えば、図5に示すように、エアフィルタユニット230には、相手方磁気部品に関する7通りの可能なレイアウト(=2-1)が存在する。1つのホールセンサが、1つの対向する相手方磁気部品が配置されている場合にそれを検出すると、「1」のトリガ信号を生成し、同じ1つのホールセンサが、対向する相手方磁気部品が配置されている場合にそれを検出しないと、「0」のトリガ信号を生成すると仮定する。そうすると、3つのホールセンサ250a、250b、250cは、それぞれ「100」、「010」、「001」、「110」、「101」、「011」、および「111」である、トリガ信号の可能な組合せを生成し得る。エアフィルタユニット230の製造業者は、これらの可能な組合せに応じて、異なる型式または種類のエアフィルタユニットを対応させて製造することができる。例えば、第1の型式または種類のエアフィルタユニットでは、単一の相手方磁気部品がアライメント位置260aのみに配置され、第2の型式または種類のエアフィルタユニットでは、2つの相手方磁気部品がアライメント位置260aおよび260bのみにそれぞれ配置され、第3の型式または種類のエアフィルタユニットでは、3つのアライメント位置260a、260b、260cのそれぞれに相手方磁気部品が配置される。したがって、ホールセンサ250a、250b、250cが「100」、「110」、および「111」のトリガ信号の組合せを検出した場合は、第1、第2、および第3の型式または種類のエアフィルタユニットをそれぞれ認識することができる。
【0045】
すなわち、送風機ユニット220にN個のホールセンサが設けられ、エアフィルタユニットにN個のアライメント位置がある(Nは2以上の整数である)と仮定すると、エアフィルタユニットの具体的な型式または種類を認識できるようするために、N個のアライメント位置のうち指定した1個または指定したいくつかまたは全てに、1~N個の相手方磁気部品を選択的に配置することができる。したがって、エアフィルタユニット230については、エアフィルタユニット230の交換品として使用される可能なエアフィルタユニットの異なる型式または種類を区別できるように、2-1通りの可能な相手方磁気部品のレイアウトが存在することになる。
【0046】
図6に示すように、本願の一例に係る制御動作方法について以下に説明する。この方法の例は実行可能なコードとしてECUのメモリに格納できることが当業者には理解されるはずである。そして、1つ以上の関連する構成要素の動作を制御するために、これらの実行可能なコードをECUが読み出して実行することができる。
【0047】
本願によれば、複数のホールセンサが送風機ユニット220に設けられるとともに、複数のアライメント位置がエアフィルタユニット230に割り当てられており、これらのアライメント位置は、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられているかどうかを判定するために構成されている。上記複数のホールセンサは、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられているかどうかを判定することを可能にするホールセンサの第1のサブセットと、エアフィルタユニット230の型式または種類を認識することを可能にするホールセンサの第2のサブセットとに分けることができる。上記ホールセンサの第1のサブセットは、1つ以上のホールセンサを含むように構成される。上記ホールセンサの第2のサブセットは、N個のホールセンサを含むように構成され、ここで、Nは2以上の整数である。したがって、上記エアフィルタユニット230における複数のアライメント位置は、それに対応して、ホールセンサの第1のサブセットと一致するアライメント位置の第1のサブセットと、ホールセンサの第2のサブセットと一致するアライメント位置の第2のサブセットとに分けることができる。
【0048】
エアフィルタユニット230においては、上記アライメント位置の第1のサブセットに含まれる各アライメント位置に1つの相手方磁気部品が配置され、上記アライメント位置の第2のサブセットは、図5に示したのと同様の方式で、エアフィルタユニット230の型式または種類に応じて1つの相手方磁気部品または所望の数の相手方磁気部品が選択的に配置されるように構成される。さらに、エアフィルタユニットの異なる型式または種類に合致する動作モードを含むように構成された動作モードライブラリ(すなわち、エアフィルタユニットの上記アライメント位置の第2のサブセットにおける関連する相手方磁気部品の可能なレイアウトであって、図5のトリガ信号の組み合せに対応するレイアウト)を、送風機ユニット220のメモリに予め格納しておくことができる。
【0049】
ステップS10において、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に取り付けられる。ステップS20において、ホールセンサの第1のサブセットに含まれる各ホールセンサが相手方磁気部品を検出したかどうかを判定する。相手方磁気部品を1つも検出しなかった場合、または全ての相手方磁気部品を検出したのではない場合は、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に所定の位置で取り付けられていないとみなされ、エアフィルタユニット230が送風機ユニット220に取り付け直されるように処理がステップS10に戻る必要があることを使用者に通知できるように、警報メッセージが、表示画面2214、ブザー、バイブレータ、または任意の他の適切なプロンプト装置(ここでは図示せず)を介して使用者に送られる。ステップS20において、第1のホールセンサの全てがそれぞれの相手方磁気部品を検出した場合、処理はステップS30に戻る。ステップS30において、ホールセンサの第2のサブセットによって検出されたそれぞれの相手方磁気部品のレイアウトがどのようなものであるか(すなわち、トリガ信号の組合せがどのようなものであるか)を判定する。ステップS40において、ホールセンサの第2のサブセットによって検出されたそれぞれの相手方磁気部品のレイアウトに対応するレイアウト方式が存在しているかどうかを識別するために、予め格納された動作モードライブラリに照会する。照会結果が「YES」であれば、処理はステップS50に進む。照会結果が「NO」であれば、処理はステップS60に進む。ステップS50において、送風機ユニット220は、識別されたエアフィルタユニットの型式/種類に応じてその動作モードが自動的に再設定されるように構成されており、使用者は送風機ユニット220の動作を制御することが可能になる。ステップS60においては、エアフィルタユニットの型式/種類が識別されておらず、エアフィルタユニットを新しいものに交換すべきであること、または、送風機ユニット220の動作を制御可能にすることが禁じられていることを使用者が知ることができるように、何らかの警告情報が、表示画面2214、ブザーまたはバイブレータのようなプロンプト装置(ここでは図示せず)などを介して使用者に提供され得る。
【0050】
同様に、近接スイッチの構成/設計、例えば、ホールセンサと相手方磁気部品との構成を、接続ホース300の継手310とエアフィルタ装置200のcとの間に採用することができる。図4に示すように、コネクタポート210に係合機能210aが設けられ、係合機能210aと係合するための嵌合機能310aが継手310に設けられる。一方、コネクタポート210には、互いに離隔された1つまたは複数のホールセンサ210bが、上記係合機能210aに設けられるかまたは係合機能210aに隣接して設けられる。上記ホールセンサに対応して、継手310には、1つまたは複数の相手方磁気部品が、(例えば、図2に示したのと同様に、1つまたは複数の相手方磁気部品が外部から見えないように、)上記嵌合機能310aに設けられるかまたは嵌合機能310aに隣接して設けられる。上記相手方磁気部品は、継手310がコネクタポート210に所定の位置で取り付けられると相手方磁気部品がコネクタポート210のそれぞれのホールセンサ210と整列するように構成および/または配置することができる。このようにして、ホールセンサ210が、対応するトリガ信号を確実に生成できるようにすることが可能である。図6に示したものと同様に、ホールセンサ210が相手方磁気部品に関して生成するトリガ信号の検出に応じて、継手310がコネクタポート210に所定の位置で取り付けられているかどうかが判定される。
【0051】
したがって、本発明の技術的手段を用いて、エアフィルタユニットが送風機ユニットに所定の位置で取り付けられているかどうか、および、接続ホース300がエアフィルタユニットに所定の位置で取り付けられているどうかを検出することが可能である。その上、送風機ユニットの動作モードを再設定することができるように、取り付け後にエアフィルタユニットの型式/種類を自動的に識別することが可能である。したがって、本願に係る電動式呼吸器は、より確実かつ簡便に操作することができる。
【0052】
本願のいくつかの特定の実施形態および/または例をここに記載したが、それらはあくまで例示のために提示したものに過ぎず、本願の範囲をいかなる形でも制限するものとはみなされるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書で言及した実施形態および/または例を所望により互いに組み合わせることができることが、当業者であれば理解される。本願の趣旨および範囲から逸脱しない限り、様々な変形、改変、および/または置換を案出することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】