(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】洗浄機器における水路のセルフチェック方法及び装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20230807BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
E03D9/08 C
E03D9/00 Z
E03D9/08 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573391
(86)(22)【出願日】2021-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2021096414
(87)【国際公開番号】W WO2022001521
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010598864.3
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519356397
【氏名又は名称】厦門科牧智能技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】KOMOO INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】林孝發
(72)【発明者】
【氏名】林孝山
(72)【発明者】
【氏名】劉祖華
(72)【発明者】
【氏名】林山
(72)【発明者】
【氏名】黄永寿
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038GA00
2D038GA01
2D038JB04
2D038JH12
2D038KA03
2D038KA07
(57)【要約】
洗浄機器における水路のセルフチェック方法であって、通電・初期化後に、以下のステップを包む。1)まず、ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には、給水弁を開放し、取水ポンプを閉止するよう制御して、ステップ2)に進む。一方、そうでない場合には、取水ポンプを開放し、給水弁を閉止するよう制御して、ステップ3)に進む。2)補水時間が予め設定された第1閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、水不足異常のため、給水弁を閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ1)に戻る。3)ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には水路が正常なため、取水ポンプを閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ4)に進む。4)取水時間が予め設定された第2閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジの水不足異常のため、取水ポンプを閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ3)に戻る。当該方法では、各種異常状況が十分に検討され、判断の方式が簡単且つ確実である。また、更に、洗浄機器における水路のセルフチェック装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォータータンク、ローレベルスイッチ、ハイレベルスイッチ、給水弁、瞬間加熱カートリッジ、及び、取水ポンプを含み、前記ローレベルスイッチ及び前記ハイレベルスイッチは前記ウォータータンク内に装着され、前記給水弁は前記ウォータータンクと連通し、前記取水ポンプは前記ウォータータンクと前記瞬間加熱カートリッジとの間に装着される洗浄機器における水路のセルフチェック方法であって、
通電・初期化後に、
1)前記ローレベルスイッチが入ったか否かを判断し、そうである場合には、前記給水弁を開放し、前記取水ポンプを閉止するよう制御して、ステップ2)に進み、そうでない場合には、前記取水ポンプを開放し、前記給水弁を閉止するよう制御して、ステップ3)に進み、
2)補水時間が予め設定された第1閾値を超えたか否かを判断し、そうである場合には、水不足異常のため、前記給水弁を閉止するよう制御し、そうでない場合には、ステップ1)に戻り、
3)前記ローレベルスイッチが入ったか否かを判断し、そうである場合には水路が正常なため、前記取水ポンプを閉止するよう制御し、そうでない場合には、ステップ4)に進み、
4)取水時間が予め設定された第2閾値を超えたか否かを判断し、そうである場合には、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジの水不足異常のため、前記取水ポンプを閉止するよう制御しそうでない場合には、ステップ3)に戻る、とのセルフチェックステップを行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
セルフチェックの完了後に、着座が検出された場合には、水路が正常か否かを判断し、そうである場合にはステップ1)に戻るが、そうでない場合には異常解除ステップを実行することを特徴とする請求項1に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項3】
前記異常解除ステップは、まず、前記ウォータータンクへの補水を実行してから前記瞬間加熱カートリッジへの補水を実行するよう制御することを含むことを特徴とする請求項2に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項4】
前記ウォータータンクへの補水は、前記給水弁が、前記ローレベルスイッチが入った場合に補水し、前記ローレベルスイッチが切れると補水を停止するよう制御する非水洗モードにおける補水を含むことを特徴とする請求項3に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項5】
前記非水洗モードにおける補水では、給水時間が予め設定された第1閾値を超え、且つ前記ローレベルスイッチが入ったままの場合に補水を停止するとともに、水不足異常を報知することを特徴とする請求項4に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項6】
前記ウォータータンクへの補水は、前記給水弁が、前記ローレベルスイッチが入った場合に補水し、前記ハイレベルスイッチが入ると補水を停止するよう制御する水洗モードにおける補水を含むことを特徴とする請求項3に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項7】
前記水洗モードにおける補水では、給水時間が予め設定された第3閾値を超え、且つローレベルスイッチが入ったままの場合に補水を停止するとともに、水不足異常を報知することを特徴とする請求項6に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項8】
前記瞬間加熱カートリッジへの補水及び前記ステップ1)における前記取水ポンプの開放時には、同じデューティー比で前記取水ポンプの取水を制御することを特徴とする請求項3に記載の洗浄機器における水路のセルフチェック方法。
【請求項9】
更に、前記ローレベルスイッチ及び前記ハイレベルスイッチが同時に切れたか否かを判断し、そうである場合には、レベルスイッチの異常であることを特徴とする請求項1に記載の水路のセルフチェック方法。
【請求項10】
コントローラを含む洗浄機器における水路のセルフチェック制御装置であって、
前記コントローラは、請求項1~9のいずれか1項に記載の水路のセルフチェック方法を実行することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サニタリー分野の洗浄機器に関し、特に、水路のセルフチェック方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衛生洗浄装置は、通常、ウォータータンク、電磁弁、温度又は流量センサ、ヒータ、ウォーターポンプ、ノズル、コントローラ等の部品を含む。ウォータータンクは洗浄水を貯えるために用いられる。また、ポンプは洗浄水を引き出すために用いられ、ヒータは、引き出した洗浄水を加熱したあと、臀部洗浄及び/又は女性器洗浄のためのスプレー洗浄装置に搬送するために用いられる。温度センサは温度を検出するために用いられ、流量センサは流量を検出するために用いられる。また、コントローラは、各部品が連携するよう制御して、水洗機能を実現するために用いられる。
【0003】
このような衛生洗浄装置は、初めて通電する際に、ウォータータンクの水路部品が正常に動作し得るか否かを検査すべくセルフチェックを行う必要がある。しかし、通常は、検査機器、電流信号又は一方向の使用過程におけるデータ収集によって判断するのみであり、検討の複雑度や精度が理想的でないほか、使用環境による条件的制約や検査干渉も受けやすい。例えば、最初の通電時に電磁弁を開放し、流量計の信号から流量が異常か否かを判断する場合には、水の有無と流量の大きさを検査することしかできず、水路のどの部品に異常があるのかは判断できない。例えば、流量計の異常、管路の異常、給水電磁弁の異常等を区別して判断することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、従来技術における上記の欠点を解消するために、各種異常状況が十分に検討され、判断の方式が簡単且つ確実な水路のセルフチェック方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術方案を採用する。
【0006】
洗浄機器における水路のセルフチェック方法は、ウォータータンク、ローレベルスイッチ、ハイレベルスイッチ、給水弁、瞬間加熱カートリッジ及び取水ポンプを含む。前記ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチはウォータータンク内に装着され、前記給水弁はウォータータンクと連通し、前記取水ポンプはウォータータンクと瞬間加熱カートリッジの間に装着される。当該方法は、特徴として、通電・初期化後に以下のステップを包む。
【0007】
1)まず、ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には、給水弁を開放し、取水ポンプを閉止するよう制御して、ステップ2)に進む。一方、そうでない場合には、取水ポンプを開放し、給水弁を閉止するよう制御して、ステップ3)に進む。
【0008】
2)補水時間が予め設定された第1閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、水不足異常のため、給水弁を閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ1)に戻る。
【0009】
3)ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には水路が正常なため、取水ポンプを閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ4)に進む。
【0010】
4)取水時間が予め設定された第2閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジの水不足異常のため、取水ポンプを閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ3)に戻る。
【0011】
好ましくは、セルフチェックの完了後に、着座が検出された場合には、水路が正常か否かを判断し、そうである場合にはステップ1)に戻るが、そうでない場合には異常解除ステップを実行する。
【0012】
好ましくは、前記異常解除ステップは、まず、ウォータータンクへの補水を実行してから瞬間加熱カートリッジへの補水を実行するよう制御することを含む。
【0013】
好ましくは、前記ウォータータンクへの補水は、給水弁が、ローレベルスイッチが入った場合に補水し、ローレベルスイッチが切れると補水を停止するよう制御する非水洗モードにおける補水を含む。
【0014】
好ましくは、前記非水洗モードにおける補水では、給水時間が予め設定された第1閾値を超え、且つローレベルスイッチが入ったままの場合に補水を停止するとともに、水不足異常を報知する。
【0015】
好ましくは、前記ウォータータンクへの補水は、給水弁が、ローレベルスイッチが入った場合に補水し、ハイレベルスイッチが入ると補水を停止するよう制御する水洗モードにおける補水を含む。
【0016】
好ましくは、前記水洗モードにおける補水では、給水時間が予め設定された第3閾値を超え、且つローレベルスイッチが入ったままの場合に補水を停止するとともに、水不足異常を報知する。
【0017】
好ましくは、前記瞬間加熱カートリッジへの補水及び前記ステップ1)における取水ポンプの開放時には、同じデューティー比で取水ポンプの取水を制御する。
【0018】
好ましくは、更に、ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチが同時に切れたか否かを判断し、そうである場合には、レベルスイッチの異常である。
【0019】
洗浄機器における水路のセルフチェック方法の制御装置は、コントローラを含む。当該装置は、前記コントローラが上述したいずれかの前記水路のセルフチェック方法を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明についての上記の記載から明らかなように、従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0021】
1.本発明における方法及び装置は、通電・初期化時に、給水弁と取水ポンプの状態を制御するとともに、ローレベルスイッチを組み合わせて、水路異常が発生したか否かを判断することで部品の破損を回避する。また、判断の方式が簡単且つ確実であり、余分な検査機器やモジュールを追加する必要がないため、低コストである。
【0022】
2.本発明における方法及び装置は、セルフチェックの完了後に着座があった場合、水路異常の有無に基づいて、異常解除ステップ又はセルフチェックステップを選択的に実行することで、異常が解消されたか否か、或いは水路が正常か否かを更に検査する。
【0023】
3.本発明における方法及び装置では、異常解除ステップがウォータータンクへの補水及び瞬間加熱カートリッジへの補水を含む。また、ウォータータンクへの補水は、非水洗モードにおける補水又は水洗モードにおける補水を含み、状況別の補水時間の長さに基づいて、水路が異常か否かを更にもう一度判断可能である。
【0024】
4.本発明における方法及び装置は、通電・初期化時及び瞬間加熱カートリッジへの補水時に、同じデューティー比で取水ポンプの取水を制御する。これにより、流量の変化に起因して温度が瞬時にオーバーシュートするとの事態が回避される。
【0025】
5.本発明における方法及び装置は、ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチが同時に切れたか否かを検出することで、レベルスイッチに異常が発生したか否かを判断可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明におけるウォータータンク内部の主要構造図である(ローレベルスイッチが入っている)。
【
図2】
図2は、本発明におけるウォータータンク内部の構造図である(ハイレベルスイッチが入っている)。
【
図3】
図3は、本発明におけるウォータータンクの断面図である。
【
図4】
図4は、本発明におけるセルフチェック方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、具体的実施形態によって、本発明につき更に述べる。
【0028】
図1~
図4を参照して、洗浄機器における水路のセルフチェック方法は、加熱機能を有するウォータータンクの検査に応用される。当該方法では、ウォータータンク10、ローレベルスイッチ、ハイレベルスイッチ、給水弁、瞬間加熱カートリッジ20及び取水ポンプ30を含む。前記ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチはウォータータンク10内に装着される。前記給水弁はウォータータンク10と連通する。また、前記取水ポンプ30は、ウォータータンク10と瞬間加熱カートリッジ20の間に装着されて、ウォータータンク10の水を瞬間加熱カートリッジ20内に引き出すために用いられる。
【0029】
更に、ウォータータンク10内には給水管11及び吐水管12が設置されている。当該給水管11は給水弁に連なっており、吐水管12は取水ポンプ30に連なっている。給水弁は、電磁弁により給水の開閉が制御される。前記ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチは、それぞれ、予め設定された低水位箇所及び高水位箇所に装着可能であり、一般的な水位センサ又は磁気スイッチ等により実現可能である。
【0030】
具体的に、磁気スイッチの場合を例示すると、ウォータータンク10内にコネクティングロッド41及びフロート40等を設置すればよい。コネクティングロッド41は垂直に装着可能である。また、前記フロート40は、摺動可能にコネクティングロッド41の外側に覆設され、重力の作用で最も底端に位置し得る。前記磁気スイッチは、コネクティングロッド41とフロート40に設置される。当該磁気スイッチは、常時開式に設置可能である。フロート40が浮力の作用でコネクティングロッド41に対し摺動し、予め設定された位置に到達すると、磁気スイッチが入り、対応する液位情報を送信する。当該液位情報は、低液位情報又は高液位情報等である。
【0031】
実際の応用において、磁気スイッチは2つのリードスイッチと磁気部材を含む。前記リードスイッチはコネクティングロッド41内に装着され、前記磁気部材はフロート40内に装着される。また、2つのリードスイッチは、高水位箇所と低水位箇所にそれぞれ位置する。なお、前記磁気スイッチは、リードスイッチ及び磁気部材に限らず、マイクロスイッチ等により実現してもよい。
【0032】
瞬間加熱カートリッジ20は、ウォータータンク10内又はウォータータンク10外に装着可能である。瞬間加熱カートリッジ20の内部には加熱室及びヒータ21が設置されており、ヒータ21により加熱室内の水を加熱する。
【0033】
本発明のセルフチェック方法は、通電・初期化後の判断に以下のステップを含む。
【0034】
1)まず、ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には、給水弁を開放し、取水ポンプ30を閉止するよう制御して、ステップ2)に進む。一方、そうでない場合には、取水ポンプ30を開放し、給水弁を閉止するよう制御して、ステップ3)に進む。
【0035】
2)補水時間が予め設定された第1閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、水不足異常のため、給水弁を閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ1)に戻る。当該ステップにおいて、水不足異常とは、給水弁の異常又はウォータータンクの給水異常である。
【0036】
3)ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には水路が正常なため、取水ポンプ30を閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ4)に進む。
【0037】
4)取水時間が予め設定された第2閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジの水不足異常のため、取水ポンプ30を閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ3)に戻る。
【0038】
実際の応用において、本発明の方法では、水路状態値を予め設定しておく。初期値は、水路が正常であることを示す0とする。そして、水不足異常、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジ異常のいずれかが検出された場合には、水路状態値を水路異常であることを示す1にすればよい。
【0039】
図5を参照して、セルフチェックの完了後に、着座が検出された場合には、水路が正常か否かを判断する。即ち、水路状態値が0か否かを判断する。そして、そうである場合には、ステップ1)に戻ってセルフチェックステップを引き続き実行する。一方、そうでない場合には、異常解除ステップを実行する。当該異常解除ステップは、まず、ウォータータンクへの補水を実行してから瞬間加熱カートリッジへの補水を実行するよう制御することを含む。
【0040】
更に、ウォータータンクへの補水は、非水洗モードにおける補水を含む。即ち、給水弁が、ローレベルスイッチが入った場合に補水し、ローレベルスイッチが切れると補水を停止するよう制御する。当該非水洗モードにおける補水では、給水時間が予め設定された第1閾値を超え、且つローレベルスイッチが入ったままの場合に補水を停止するとともに、水不足異常を報知する。一方、ローレベルスイッチが切れると異常を解除する。
【0041】
更に、ウォータータンクへの補水は、水洗モードにおける補水を含む。即ち、給水弁が、ローレベルスイッチが入った場合に補水し、ハイレベルスイッチが入ると補水を停止するよう制御する。当該水洗モードにおける補水では、給水時間が予め設定された第3閾値を超え、且つローレベルスイッチが入ったままの場合に補水を停止するとともに、水不足異常を報知する。一方、ローレベルスイッチが切れると異常を解除する。
【0042】
そのほか、瞬間加熱カートリッジへの補水時における取水ポンプ30のデューティー比は、ステップ1)における取水ポンプ30のデューティー比と同じである。よって、流量の変化に起因して温度が瞬時にオーバーシュートするとの事態が回避される。好ましくは、デューティー比は60%である。瞬間加熱カートリッジへの補水時には、取水時間が予め設定された第2閾値を超えたか否かを判断する。そして、そうである場合には、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジの水不足異常のため、取水ポンプ30を閉止するよう制御する。
【0043】
本発明は、更に、ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチが異常か否かを検査するステップを含む。具体的には、ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチが同時に切れたか否かを判断し、そうである場合には、レベルスイッチの異常であるため、水路異常を報知する。当該ステップは、通電・初期化後に実行可能である。当該ステップは、単独のステップとすることができ、ステップ1)の前又はその他の適切なタイミングで実行すればよく、特に限定しない。
【0044】
更に、レベルスイッチの異常について、異常解除ステップを実行する際には、ローレベルスイッチ及びハイレベルスイッチが同時に入らなければ、異常は自動的に解除される。
【0045】
本発明において、第1閾値、第2閾値、第3閾値は必要に応じて設定すればよく、特に限定しない。好ましくは、第1閾値及び第2閾値は15sとすればよく、第3閾値は5sとすればよい。
【0046】
本発明における水路のセルフチェック方法の制御装置はコントローラを含む。当該コントローラは、電磁弁、取水ポンプ30、ローレベルスイッチ、ハイレベルスイッチ及びヒータ21等に連なっており、ローレベルスイッチ、ハイレベルスイッチの信号を受信して判断する。そして、上述した水路のセルフチェックステップを実行し、電磁弁及び取水ポンプの開閉を制御する。
【0047】
本発明における前記コントローラはスマート便器に応用可能である。また、通電後のセルフチェック時、又は異常解除ステップの実行時、或いは正常動作時に水路の異常が検出された場合には、パイロットランプにより注意喚起(例えば、1秒に1回点滅)を行ってもよい。そして、洗浄状態の場合には、洗浄を終了するとともに、水洗、臀部洗浄及び女性器洗浄等を含む如何なる洗浄動作も実行しない。
【0048】
上記は本発明の具体的実施形態にすぎず、本発明の設計思想はこれに限定されない。この思想を利用して本発明に対し行われる実質的でない変更は、いずれも本発明の保護範囲を侵害する行為に属するものとする。
【0049】
本発明は、洗浄機器における水路のセルフチェック方法及び装置を開示する。通電・初期化後には、以下のステップを包む。
【0050】
1)まず、ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には、給水弁を開放し、取水ポンプを閉止するよう制御して、ステップ2)に進む。一方、そうでない場合には、取水ポンプを開放し、給水弁を閉止するよう制御して、ステップ3)に進む。
【0051】
2)補水時間が予め設定された第1閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、水不足異常のため、給水弁を閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ1)に戻る。
【0052】
3)ローレベルスイッチが入ったか否かを判断する。そうである場合には水路が正常なため、取水ポンプを閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ4)に進む。
【0053】
4)取水時間が予め設定された第2閾値を超えたか否かを判断する。そうである場合には、取水ポンプ異常又は瞬間加熱カートリッジの水不足異常のため、取水ポンプを閉止するよう制御する。一方、そうでない場合には、ステップ3)に戻る。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、各種異常状況が十分に検討され、判断の方式が簡単且つ確実なため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0055】
10 ウォータータンク
11 給水管
12 吐水管
20 瞬間加熱カートリッジ
21 ヒータ
30 取水ポンプ
40 フロート
41 コネクティングロッド
【国際調査報告】