(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】外科用鋸ブレードカートリッジおよびそのためのカプラ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/14 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A61B17/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579104
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021042898
(87)【国際公開番号】W WO2022020678
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】コウォール,ワイアット,エス.
(72)【発明者】
【氏名】カール,ジェフリー,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】カーヴ,ギリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】カルシロ,スティーヴン,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL70
(57)【要約】
鋸ブレードカートリッジは、鋸ブレードと、カセットと、を含む。カセットは、鋸ブレードの近位部分の上方に配置されているとともに、近位部分を横断して互いに対向した第1カセット部分および第2カセット部分を含む。各部分は、シェルと、ダンパーと、を含む。シェルは、第1剛性からなるものであり、外側面を有している。ダンパーは、第1剛性よりも小さな第2剛性からなるものであり、シェルの内側面上に配置されている。両カセット部分は、近位部分に対して実質的に固定されているとともに、実質的に互いに位置合わせされている。シェルは、互いに固定されている。ダンパーは、近位部分に対して接触している。鋸ブレードカートリッジまたは鋸ブレードのいずれかと係合するためのハンドピースカプラは、意図しない開放に抵抗し得るよう、内部にスライド可能に配置された、ロックボタン付き解放ボタンを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動式外科用鋸(22)と共に使用するための鋸ブレードカートリッジ(48)であって、
前記カートリッジは、鋸ブレード(28)と、カセット(50)と、を含み、
前記鋸ブレード(28)は、
駆動面と取付軸線(38、102)とを含む近位部分(30)と、
切断歯(46)を含む遠位部分(32)と、
前記遠位部分(32)と前記近位部分(30)との間のブレード本体(34)と、
を含み、
前記カセット(50)は、前記近位部分(30)の上方に配置されているとともに、前記近位部分(30)を横断して対向した第1カセット部分(52)および第2カセット部分(54)を含み、
前記第1カセット部分(52)および前記第2カセット部分(54)のそれぞれは、
外側面と、関連する内側エッジと第1剛性とを有して対向した内側面と、を有したシェル(56,58)と、
前記第1剛性よりも小さな第2剛性からなるとともに、前記シェル(56,58)の前記内側面上に配置された、ダンパー(60,62)と、
を含む、鋸ブレードカートリッジ(48)。
【請求項2】
前記カセット部分(52,54)は、互いに位置合わせされているとともに、前記近位部分(30)に対して固定されており、前記シェル(56,58)は、前記ダンパー(60,62)が前記近位部分(30)に対して接触することで、互いに固定されている、請求項1に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項3】
前記第1剛性は、前記第2剛性よりも大きい、請求項1または2に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項4】
前記ダンパーは、前記近位部分に対して所定のクランプ荷重を印加している、請求項1から3のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項5】
前記カセット部分のそれぞれは、同一である、請求項1から4のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項6】
前記第1カセット部分および前記第2カセット部分のそれぞれの前記シェルは、第1材料から形成されており、前記ダンパーは、第2材料から形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項7】
前記第2材料は、エラストマーである、請求項6に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項8】
前記第1カセット部分および前記第2カセット部分のそれぞれにおける前記シェルの前記内側面は、それぞれ対応する前記ダンパーのための受入れポケットを規定しており、各ポケットは、それぞれ対応する前記ダンパーを受け入れている、請求項6または7に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項9】
各ダンパーは、それぞれ対応する前記シェルの前記内側エッジを超えて延在している、請求項6から8のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項10】
前記第1カセット部分および前記第2カセット部分のそれぞれの前記シェルは、前記取付軸線を中心とした円弧形状を有している、請求項1から9のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項11】
前記駆動面は、ノッチおよび開口の少なくとも一方によって、規定されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項12】
前記カセットは、前記駆動面に対して全体的にオーバーラップしていない、請求項1から11のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項13】
前記鋸ブレードの前記近位部分は、第1厚さを有しているとともに、平面状であり、前記ブレード本体は、平面状であるとともに、第2厚さを有している、請求項1から12のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項14】
前記第1カセット部分および前記第2カセット部分の前記外側面は、平面状であり、前記カートリッジは、前記外側面にわたって一様な第3厚さを有している、請求項13に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項15】
前記第1カセット部分および前記第2カセット部分の少なくとも一方における前記シェルは、関連する前記内側エッジを超えて延在した連結タブを含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項16】
前記連結タブは、前記鋸ブレードの連結開口内に配置されている、請求項15に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項17】
前記連結タブは、対向した前記カセット部分の前記シェルの前記シェルに対して固定されている、請求項15または16に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項18】
前記ダンパーは、前記シェルによって、前記鋸ブレードの前記近位部分に対して軸線方向に圧縮されている、請求項1から17のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項19】
前記ダンパーは、それぞれ、少なくとも120度の連続的な円弧を規定している、請求項1から18のいずれか1項に記載の鋸ブレードカートリッジ。
【請求項20】
外科用鋸ブレード(28)および外科用鋸ブレードカートリッジ(48)のいずれかと係合するためのハンドピースカプラ(26)であって、
前記カプラは、
軸線(38,102)を中心とした枢動穴を規定しているハウジングヘッドと、
前記ハウジングヘッドに対して軸線方向に固定されているとともに、前記軸線(38,102)まわりに枢動可能であり、さらに、貫通して形成されていて前記軸線(38,102)を中心としたドライバ穴を規定している、ドライバ(108)であり、前記ドライバの第1面上に、前記軸線から径方向に離間した位置に、ブレード係合プロング(137)を含む、ドライバ(108)と、
前記ドライバ(108)と一緒に一体的に移動し得るよう、前記ドライバ(108)に対して固定されているとともに、前記軸線(38,102)を中心とした内壁面を有しており、さらに、前記ドライバの第2面から前記枢動穴内へと軸線方向に延在している、カップ(112)と、
前記ドライバ穴内におよび前記カップ(112)内にスライド可能に配置されていて、前記ドライバ穴および前記カップの内部において、前記ドライバ穴および前記カップに対して、選択的に軸線方向に変位可能とされている、ピン(110)と、
前記ピン(110)の第1端部に対して固定されているとともに、前記プロング(137)を径方向に超えて延在している、キャップ(106)と、
ユーザによる選択的な係合を可能とするよう、前記ピン(110)の第2端部に対して固定されているとともに、内部にロックキャビティ(172)を規定している、解放部材(116)であり、さらに、前記ロックキャビティ(172)と前記解放部材(116)の外表面とがこれらの間に壁(176)を規定している、解放部材(116)と、
前記ドライバ(108)と前記ピン(110)との間に配置されているとともに、前記ピン(110)を閉塞位置に向けて付勢している、カプラスプリング(118)と、
前記ロックキャビティ(172)内にスライド可能に配置されているとともに、内部に、2つのロック位置と、ロック解除位置と、を有している、ロック部材(170)と、
を含む、ハンドピースカプラ(26)。
【請求項21】
前記ロック部材は、位置ロック部材の一部を構成し、前記位置ロック部材は、前記ロック部材と前記ピンとの間に配置されたロックスプリングを、さらに含み、前記ロックスプリングは、前記ロック部材を前記ロック位置に向けて付勢している、請求項20に記載のハンドピースカプラ。
【請求項22】
前記ロック部材は、前記位置ロック部材の一部を構成し、前記位置ロック部材は、
第1スライダ(184)と、
第2スライダ(196)と、
をさらに含み、
前記解放部材(116)の内部には、
前記キャビティの開放第1端部と、
前記第1スライダ(184)をスライド可能に受け入れるとともに、軸線方向および周方向の第1位置のところで、前記壁を貫通している、第1スライダ開口(182)と、
前記第2スライダ(196)をスライド可能に受け入れるとともに、前記第1位置から軸線方向にオフセットしたかつ前記第1位置から周方向にオフセットした第2位置のところで、前記壁を貫通している、第2スライダ開口(194)と、
が形成されている、請求項21に記載のハンドピースカプラ。
【請求項23】
前記ロック部材は、前記ロック位置では、前記壁の第1端部を超えて延在しているとともに、前記ロック解除位置では、前記壁の前記第1端部に対して実質的に面一である、請求項22に記載のハンドピースカプラ。
【請求項24】
前記位置ロック部材は、前記スライダによる選択的な係合を可能とするよう、前記カップの前記内壁面におよび前記ロック部材の外表面に、複数のノッチをさらに含む、請求項22または23に記載のハンドピースカプラ。
【請求項25】
前記複数のノッチは、
前記ロック部材の前記外表面における第1ロック部材受入れノッチ(190)と、
前記カップの前記内壁面における第1カップ受入れノッチ(186)と、
前記カップの前記内壁面における第2カップ受入れノッチ(198)と、
前記ロック部材の前記外表面における第2ロック部材受入れノッチ(200)と、
を含む、請求項24に記載のハンドピースカプラ。
【請求項26】
第1ロック位置は、前記ドライバから第1距離の分だけ前記キャップを離間させた第1保持位置に、前記キャップを固定するように構成されており、
第2ロック位置は、前記ドライバから第2距離の分だけ前記キャップを離間させた第2保持位置に、前記キャップを固定するように構成されている、請求項19から25のいずれか1項に記載のハンドピースカプラ。
【請求項27】
外科用鋸システム(20)であって、
駆動面を含み、第1厚さを有する近位部分(30)を備えた、第1鋸ブレードカートリッジと、
駆動面を含み、前記第1厚さとは異なる第2厚さを有した近位部分(30)を備えた、第2鋸ブレードと、
ハンドピースカプラ(26)を含むハンドピース(24)であり、前記ハンドピースカプラが、前記第1鋸ブレードカートリッジまたは前記第2鋸ブレードの一方の前記近位部分を、前記ハンドピース(24)に対して固定するためのものとされた、ハンドピース(24)と、
を含み、
前記カプラは、
軸線(38,102)まわりに枢動可能とされたドライバ(108)であり、前記ドライバの第1面上に、前記軸線から径方向に離間した位置に、ブレード係合プロング(137)を含む、ドライバ(108)と、
前記ドライバの上方に配置されているとともに、前記プロング(137)を径方向に超えて延在している、キャップ(106)であり、前記第1鋸ブレードまたは前記第2鋸ブレードの一方を前記ハンドピースに対して解放可能に固定するよう、前記ドライバ(108)に対して軸線方向に移動可能とされたキャップ(106)と、
前記ドライバに対して前記キャップを固定するためのロック部材であり、第1保持位置を規定する第1ロック位置と、第2保持位置を規定する第2ロック位置と、を有している、ロック部材と、
を含み、
前記第1保持位置は、前記第1鋸ブレードの前記近位部分を前記カプラに対して固定するために、前記キャップを、前記ドライバから、前記第1厚さに対応した第1距離の分だけ、離間させ、
前記第2保持位置は、前記第2鋸ブレードの前記近位部分を前記カプラに対して固定するために、前記キャップを、前記ドライバから、前記第2厚さに対応した第2距離の分だけ、離間させる、外科用鋸システム(20)。
【請求項28】
前記第2鋸ブレードは、前記近位部分上に配置されたカセットを、さらに含み、この場合、前記第2厚さは、前記近位部分と前記カセットとの組合せに対応したものとされている、請求項27に記載の外科用鋸システム。
【請求項29】
前記カセットは、前記近位部分(30)を横断して対向した第1カセット部分(52)および第2カセット部分(54)を含み、
前記第1カセット部分(52)および前記第2カセット部分(54)のそれぞれは、
外側面と、関連する内側エッジと第1剛性とを有して対向した内側面と、を有したシェル(56,58)と、
前記第1剛性よりも小さな第2剛性からなるとともに、前記シェル(56,58)の内側面上に配置された、ダンパー(60,62)と、
を含み、
前記カセット部分(52,54)は、互いに位置合わせされているとともに、前記近位部分(30)に対して固定されており、前記シェル(56,58)は、前記ダンパー(60,62)が前記近位部分(30)に対して接触することで、互いに固定されている、請求項28に記載の外科用鋸システム。
【請求項30】
前記ドライバは、貫通して形成されていて前記軸線(38,102)を中心としたドライバ穴を規定しており、
前記ドライバ穴内にスライド可能に配置されていて、前記ドライバ穴の内部において、前記ドライバ穴に対して、選択的に軸線方向に変位可能とされている、ピン(110)を、さらに含み、
前記キャップ(106)は、前記ピン(110)の第1端部に対して固定されている、請求項27から29のいずれか1項に記載の外科用鋸システム。
【請求項31】
ユーザによる選択的な係合を可能とするよう、前記ピン(110)の第2端部に対して固定されているとともに、内部にロックキャビティ(172)を規定している、解放部材であり、さらに、前記ロックキャビティ(172)と前記解放部材の外表面とがこれらの間に壁(176)を規定している、解放部材を、さらに含み、
前記ロック部材は、前記ロックキャビティ(172)内にスライド可能に配置されている、請求項30に記載の外科用鋸システム。
【請求項32】
外科用鋸ブレード(28)および外科用鋸ブレードカートリッジ(48)のいずれかと係合するためのハンドピースカプラ(26)であって、
前記カプラは、
軸線(38,102)を中心とした枢動穴を規定しているハウジングヘッドと、
前記ハウジングヘッドに対して軸線方向に固定されているとともに、前記軸線(38,102)まわりに枢動可能であり、さらに、第1面上に、前記軸線から径方向に離間した位置に、ブレード係合プロング(137)を含む、ドライバ(108)と、
前記ドライバの上方に配置されているとともに、前記プロング(137)を径方向に超えて延在している、キャップ(106)であり、前記外科用鋸ブレード(28)または前記外科用鋸ブレードカートリッジ(48)の一方を前記ハンドピースに対して解放可能に固定するよう、前記ドライバ(108)に対して軸線方向に移動可能とされたキャップ(106)と、
前記ドライバに対して前記キャップを固定するためのロック部材であり、2つのロック位置と、ロック解除位置と、を有している、ロック部材と、
を含み、
第1ロック位置は、前記ドライバから第1距離の分だけ前記キャップを離間させた第1保持位置に、前記キャップを固定するように構成されており、
第2ロック位置は、前記ドライバから第2距離の分だけ前記キャップを離間させた第2保持位置に、前記キャップを固定するように構成されている、ハンドピースカプラ(26)。
【請求項33】
前記ドライバは、貫通して形成されていて前記軸線(38,102)を中心としたドライバ穴を規定しており、
前記ドライバ穴内にスライド可能に配置されていて、前記ドライバ穴の内部において、前記ドライバ穴に対して、選択的に軸線方向に変位可能とされている、ピン(110)を、さらに含み、
前記キャップ(106)は、前記ピン(110)の第1端部に対して固定されている、請求項32に記載のハンドピースカプラ。
【請求項34】
ユーザによる選択的な係合を可能とするよう、前記ピン(110)の第2端部に対して固定されているとともに、内部にロックキャビティ(172)を規定している、解放部材であり、さらに、前記ロックキャビティ(172)と前記解放部材の外表面とがこれらの間に壁(176)を規定している、解放部材を、さらに含み、
前記ロック部材は、前記ロックキャビティ(172)内にスライド可能に配置されている、請求項33に記載のハンドピースカプラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月23日付けで出願された米国仮特許出願第63/055,585号の優先権およびすべての利得を主張するものであり、この文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
鋸ブレードは、例えば矢状鋸ブレードは、その遠位端で、平面状のブレード表面に対して直交した方向に、振動することがあり得る。このような振動は、「ブレードホイップ」と称されてきた。ブレードホイップを低減させる鋸ブレードカートリッジが要望されている。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】例示的な矢状鋸ブレードを受け入れている例示的なカプラを含む例示的なハンドピースの遠位部分を示す斜視図である。
【
図2】平面2を通過している
図1の例示的なカプラおよびブレードを、矢印2Aの向きで示す側断面図である。
【
図3】
図1の例示的なブレードの、例示的な近位部分を示す斜視図である。
【
図4】
図1の例示的なカプラの一部を、開放位置で示す斜視図である。
【
図5】例示的な矢状鋸ブレードカートリッジを受け入れている
図1の例示的なハンドピースおよびカプラの遠位部分を示す斜視図である。
【
図6】平面6を通過している
図5の例示的なカプラおよびブレードカートリッジを、矢印6Aの向きで示す側断面図である。
【
図7】
図5および
図6の例示的なブレードカートリッジを示す斜視図である。
【
図8】
図7の例示的なブレードカートリッジを示す平面図である。
【
図9】
図7の例示的なブレードカートリッジを示す側断面図である。
【
図10】
図5~
図9のカートリッジの、例示的な鋸ブレードを示す平面図である。
【
図11】
図10の鋸ブレードに対して代替可能なかつ例示的な鋸ブレードを示す平面図である。
【
図12】
図7のブレードカートリッジに対して代替可能なかつ例示的なブレードカートリッジを示す側断面図である。
【
図13】
図7のブレードカートリッジに対しての別の代替可能なかつ例示的なブレードカートリッジを示す側断面図である。
【
図14】
図7のブレードカートリッジに対してのさらに別の代替可能なかつ例示的なブレードカートリッジを示す側断面図である。
【
図15】例示的な鋸ブレードカートリッジを受け入れている代替可能なかつ例示的なカプラを含むハンドピースの遠位部分を示す斜視図である。
【
図17】ブレードを含まない
図15のカプラを示す側断面図である。
【
図18】ブレードを含まない
図15のカプラを示す正面からの断面図である。
【
図19】例示的なロックボタンがロック位置とされた状態で、かつ、例示的なボタンとピンとキャップとが例示的な保持位置とされた状態で、例示的なブレードカートリッジを保持している
図15のカプラを示す側断面図である。
【
図20】ロックボタンがロック位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、
図19のブレードカートリッジを保持している
図15のカプラを示す正面からの断面図である。
【
図21】ロックボタンがロック解除位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、
図19のブレードカートリッジを保持している
図15のカプラを示す側断面図である。
【
図22】ロックボタンがロック解除位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、
図19のブレードカートリッジを保持している
図15のカプラを示す正面からの断面図である。
【
図23】ロックボタンがロック解除位置とされた状態で、かつ、例示的なボタンとピンとキャップとが例示的な解放位置とされた状態で、
図19のブレードカートリッジを保持している
図15のカプラを示す側断面図である。
【
図24】ロックボタンがロック解除位置とされた状態で、かつ、例示的なボタンとピンとキャップとが例示的な解放位置とされた状態で、
図19のブレードカートリッジを保持している
図15のカプラを示す正面からの断面図である。
【
図25】例示的なロックボタンがロック位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、例示的なブレードを保持している
図15のカプラを示す側断面図である。
【
図26】ロックボタンがロック位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、
図22のブレードを保持している
図15のカプラを示す正面からの断面図である。
【
図27】ロックボタンがロック解除位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、
図22のブレードを保持している
図15のカプラを示す側断面図である。
【
図28】ロックボタンがロック解除位置とされた状態で、かつ、ボタンとピンとキャップとが保持位置とされた状態で、
図22のブレードを保持している
図15のカプラを示す正面からの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
従来技術は、鋸ブレードまたは鋸ブレードカートリッジのいずれかにおいて、ブレードホイップを低減させるという要望に対処していない。
【0005】
電動式外科用鋸と共に使用するための鋸ブレードカートリッジは、鋸ブレードと、カセットと、を含む。鋸ブレードは、近位部分と、遠位部分と、ブレード本体と、を含む。近位部分は、駆動面と、取付軸線と、を含む。遠位部分は、切断歯を含む。ブレード本体は、遠位部分と近位部分との間に位置している。カセットは、近位部分の上方に配置されているとともに、第1カセット部分および第2カセット部分を含む。両カセット部分は、近位部分を横断して対向している。各カセット部分は、シェルと、ダンパーと、を含む。各シェルは、第1材料からなるものであり、実質的に平面状の外側面と、関連する内側エッジを有して対向する内側面と、を有している。各ダンパーは、第2材料からなるものであって、シェルの内側面に当接している。ダンパーは、シェルの内側エッジを超えて延在している。両カセット部分は、実質的に互いに位置合わせされているとともに、近位部分に対して実質的に固定されている。シェルは、ダンパーが近位部分に対して接触することで、互いに固定されている。シェルの剛性は、ダンパーの剛性と比較して、より大きい。
【0006】
鋸ブレードカートリッジおよびその特徴点は、以下に記載するような追加的な特徴点および改変を含んでもよく、そのような特徴点および改変は、個別的に、または互いに組み合わせて、含まれ、そのような組合せは、相互排他性によってのみ制限される。
【0007】
第1剛性は、第2剛性より大きくてもよい。
【0008】
ダンパーは、近位部分に対して所定のクランプ荷重を印加してもよい。
【0009】
両カセット部分は、実質的に同一であってもよい。
【0010】
シェルは、第1材料から形成されてもよく、ダンパーは、第2材料から形成されてもよい。
【0011】
第2材料は、エラストマーであってもよい。
【0012】
各シェルの内側面は、それぞれ対応するダンパーのための受入れポケットを規定してもよい。各ポケットは、それぞれ対応するダンパーを受け入れてもよい。
【0013】
各ダンパーは、それぞれ対応するシェルの内側エッジを超えて延在してもよい。
【0014】
シェルは、取付軸線を中心とした実質的な円弧形状を有してもよい。
【0015】
駆動面は、ノッチおよび開口の少なくとも一方によって、規定されてもよい。
【0016】
カセットは、駆動面のすべてに対して、全体的にオーバーラップしていない。
【0017】
鋸ブレードの近位部分は、第1厚さを有してもよく、実質的に平面状であってもよい。また、ブレード本体は、実質的に平面状であってもよく、第2厚さを有してよい。
【0018】
第1カセット部分および第2カセット部分の外側面は、実質的に平面状であってもよく、カートリッジは、外側面にわたって実質的に一様な第3厚さを有してよい。
【0019】
第1カセット部分および第2カセット部分の少なくとも一方におけるシェルは、関連する内側エッジを超えて延在する連結タブを含んでもよい。
【0020】
連結タブは、鋸ブレードの連結開口内に配置されてもよい。
【0021】
連結タブは、対向したカセット部分のシェルに対して固定されてもよい。
【0022】
ダンパーは、シェルによって、鋸ブレードの近位部分に対して軸線方向に圧縮されてもよい。
【0023】
ダンパーは、それぞれ、少なくとも120度の連続的な円弧を規定してもよい。
【0024】
外科用鋸ブレードおよび外科用鋸ブレードカートリッジのいずれかと係合するためのハンドピースカプラは、ハウジングヘッドと、ドライバと、カップと、ピンと、キャップと、解放ボタンと、カプラスプリングと、ロックボタンと、を含む。ハウジングヘッドは、軸線を中心とした枢動穴を規定している。ドライバは、ハウジングヘッドに対して軸線方向に固定されているとともに、軸線まわりに枢動可能である。ドライバは、貫通して形成されていて軸線を実質的に中心としたドライバ穴を規定している。ドライバは、ドライバの第1面上に、軸線から径方向に離間した位置に、ブレード係合プロングを含む。カップは、ドライバと一緒に一体的に移動し得るよう、ドライバに対して固定されている。カップは、軸線を実質的に中心とした内壁面を有している。カップは、ドライバの第2面から枢動穴内へと軸線方向に延在している。ピンは、ドライバ穴内におよびカップ内にスライド可能に配置されていて、ドライバ穴およびカップの内部において、ドライバ穴およびカップに対して、選択的に軸線方向に変位可能とされている。キャップは、ピンの第1端部に対して固定されている。キャップは、プロングを径方向に超えて延在している。解放ボタンは、ユーザによる選択的な係合を可能とするよう、ピンの第2端部に対して固定されている。解放ボタンは、内部にロックキャビティを規定している。ロックキャビティと、解放ボタンの外表面とは、これらの間に、ボタン壁を規定している。カプラスプリングは、ドライバとピンとの間に配置されているとともに、ピンを閉塞位置に向けて付勢している。ロックボタンは、ロックキャビティ内にスライド可能に配置されているとともに、内部に、2つのロック位置と、ロック解除位置と、を有している。
【0025】
カプラおよびその構成要素ならびにその特徴点は、以下に記載するような追加的な特徴点および改変を含んでもよく、そのような特徴点および改変は、個別的に、または互いに組み合わせて、含まれ、そのような組合せは、相互排他性によってのみ制限される。
【0026】
ロックボタンは、位置ロック部材の一部を含んでもよく、位置ロック部材は、ロックボタンとピンとの間に配置されたロックスプリングを、さらに含み、ロックスプリングは、ロックボタンをロック位置に向けて付勢している。
【0027】
位置ロック部材は、第1スライダおよび第2スライダを、さらに含んでもよい。解放ボタンの内部には、キャビティの開放第1端部と、第1スライダ開口と、第2スライダ開口と、が形成されてもよい。第1スライダ開口は、第1スライダをスライド可能に受け入れてもよい。第1スライダ開口は、軸線方向および周方向の第1位置のところで、ボタン壁を貫通してもよい。第2スライダ開口は、第2スライダをスライド可能に受け入れてもよい。第2スライダ開口は、第1位置から軸線方向にオフセットしたかつ第1位置から周方向にオフセットした第2位置のところで、ボタン壁を貫通してもよい。
【0028】
ロックボタンは、ロック位置では、ボタン壁の第1端部を超えて延在してもよく、ロック解除位置では、ボタン壁の第1端部に対して実質的に面一であってもよい。
【0029】
位置ロック部材は、スライダによる選択的な係合を可能とするよう、カップの内壁面におよびロックボタンの外表面に、複数のノッチをさらに含んでもよい。
【0030】
複数のノッチは、第1ロックボタン受入れノッチと、第1カップ受入れノッチと、第2カップ受入れノッチと、第2ロックボタン受入れノッチと、を含んでもよい。第1ロックボタン受入れノッチは、ロックボタンの外表面にあってもよい。第1カップ受入れノッチは、カップの内壁面にあってもよい。第2カップ受入れノッチは、カップの内壁面にあってもよい。第2ロックボタン受入れノッチは、ロックボタンの外表面にあってもよい。
【0031】
第1スライダは、解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第1スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第1カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第2スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが解放ボタンの第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが解放ボタンの第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。
【0032】
第1保持位置は、ダンパーカセットを含まないブレードがカプラによって受け入れられた時に、得られてもよい。第2保持位置は、ダンパーカセットを含むブレードカートリッジがカプラによって受け入れられた時に、得られてもよい。
【0033】
ロックボタンは、位置ロック部材の一部を構成してもよく、位置ロック部材は、類似した第1スライダと、類似した第2スライダと、をさらに含んでもよい。解放ボタンの内部には、類似した第1スライダ開口と、類似した第2スライダ開口と、が形成されてもよい。類似した第1スライダ開口は、類似した第1スライダをスライド可能に受け入れてもよく、ボタン壁を貫通してもよい。類似した第2スライダ開口は、類似した第2スライダをスライド可能に受け入れてもよく、ボタン壁を貫通してもよい。
【0034】
位置ロック部材は、スライダによる選択的に係合を可能とするよう、カップの内壁面に、およびロックボタンの外壁面に、複数のノッチをさらに含む。
【0035】
複数のノッチは、第1ロックボタン受入れノッチと、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチと、第1カップ受入れノッチと、鏡像をなす第1カップ受入れノッチと、第2カップ受入れノッチと、鏡像をなす第2カップ受入れノッチと、第2ロックボタン受入れノッチと、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチと、を含んでもよい。第1ロックボタン受入れノッチ、および、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチは、ロックボタンの外表面にあってもよい。第1カップ受入れノッチ、および、鏡像をなす第1カップ受入れノッチは、カップの内壁面にあってもよい。第2カップ受入れノッチ、および、鏡像をなす第2カップ受入れノッチは、カップの内壁面にあってもよい。第2ロックボタン受入れノッチ、および、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチは、ロックボタンの外表面にあってもよい。
【0036】
第1スライダは、解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第1スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第1カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第1スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第1スライダは、解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、類似した第1スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されてもよい。類似した第1スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第1カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第1スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第1スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第1スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第2スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが解放ボタンの第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。第2スライダは、また、解放ボタンが解放ボタンの第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第2スライダは、解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、類似した第2スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されてもよい。類似した第2スライダは、また、解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第2スライダは、また、解放ボタンが解放ボタンの第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第2スライダは、また、解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。類似した第2スライダは、また、解放ボタンが解放ボタンの第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されてもよい。
【0037】
第1保持位置は、ダンパーカセットを含まないブレードがカプラによって受け入れられた時に、得られてもよい。第2保持位置は、ダンパーカセットを含むブレードカートリッジがカプラによって受け入れられた時に、得られてもよい。
【0038】
スライダは、実質的に剛体の球であってもよい。
【0039】
相対的な配向性および向き(例示するならば、遠位、近位、上、下、底、後方、前方、背面、後面、外側、内側、内向き、外向き、横方向、左、右)は、制限としてではなく、説明した構造に関する少なくとも1つの実施形態を読者が思い描く際の便宜のために、本明細書に記載されている。そのような例示的な配向性は、鋸の使用者の視点からであってもよい。
【0040】
図示した構成要素は、多くの異なる形態であってもよく、複数のおよび/または代替可能な構成要素ならびに設備を含んでもよい。例示した例示的な構成要素は、限定的であることを意図していない。実際、追加的なもしくは代替可能な、構成要素および/または実装が、使用されてもよい。さらに、図示した構成要素は、そのように明示的に記述されていない限り、必ずしも縮尺通りに図示されているわけではない。
【0041】
本明細書で開示するものは、複数のブレード厚さを収容するための、ブレードカートリッジおよびカプラである。
【0042】
図1~
図4に示すように、外科用組織切断システムの一形態をなす鋸システム20は、ハンドピース24を有した電動式外科用鋸22を含み、ハンドピース24は、鋸ブレードと鋸ブレードカートリッジとの両方を保持するための第1例をなすカプラ26を有している。ハンドピース24は、矢状鋸ブレードと矢状鋸ブレードカートリッジとを駆動するために使用されるタイプを含めた、振動鋸として使用されるタイプのものであってもよい。ハンドピース24は、5度~8度の例示的な振動変位範囲を有してもよい。例示的な市販の電動式外科用ハンドピースは、StrykerによるRemB(商標)矢状鋸ハンドピースによって提供されてもよい。このようなハンドピースの動作は、よく知られている。このシステムにおけるカプラ26は、第1厚さおよび第2厚さの一方とされた近位部分を有した鋸ブレードと鋸ブレードカートリッジとをそれぞれ保持するために使用されてもよく、ここで、第2厚さは、第1厚さと比較して、少なくとも4倍は厚いものであってもよい。ブレードのみと係合するのに適した従来技術によるカプラは、Stryker Corporationに対して譲渡された米国特許第7,833,241 B2号に、図示されて記載されている。
【0043】
例示的な矢状鋸ブレード28は、またはより簡潔には、例示的な鋸ブレード28は、近位部分30と、遠位部分32と、近位部分30と遠位部分32との間に配置されたブレード本体34と、を含む。ブレード本体34は、近位部分30と遠位部分32とを連結している。
図3に最も明瞭に示すように、近位部分30は、駆動面36と、取付軸線38と、を含む。近位部分は、より具体的には、複数の駆動面36を規定する複数のブレード開口40を含んでもよい。近位部分30は、また、端部に位置決め径方向表面44を有した受入れスロット42を含んでもよい。遠位部分32は、切断歯46を含む。ブレード28などのブレードは、公知である。
【0044】
図5~
図11に示すように、鋸システム20は、ハンドピース24を有した電動式外科用鋸22と、例示的な矢状鋸ブレードカートリッジ48、より簡潔には、例示的な鋸ブレードカートリッジ48と、を含んでもよい。鋸ブレードカートリッジ48は、
図5および
図6に示すように、例示的なハンドピース24内に、選択的にかつ着脱可能に取り付けられてもよい。
【0045】
鋸ブレードカートリッジ48は、上述した鋸ブレード28とかなり同様の、
図10に示す鋸ブレード28’を、本明細書においてカセット50としても参照されるダンパーカセット50と一緒に、含んでもよい。鋸ブレード28’は、上記と一致して、近位部分30’と、遠位部分32と、遠位部分32と近位部分30’との間に位置したブレード本体34と、を含む。遠位部分32は、切断歯46を含む。近位部分30’は、少なくとも1つの駆動面36と、取付軸線38と、を含む。駆動面36は、ノッチおよび開口40の少なくとも1つによって規定される。例示的なノッチは、近位部分30’の周縁部を貫通して図示された開口40を延ばすことによって形成することができる。
【0046】
カセット50は、第1カセット部分52と、実質的に同一の第2カセット部分54と、を含む。第1カセット部分52および第2カセット部分54は、ブレード28’の近位部分30’を挟んで互いに対向してもよい。両カセット部分52,54は、互いに対して実質的に位置合わせされているとともに、互いに対して、および、ブレード28’の近位部分30’に対して、実質的に固定されている。各カセット部分52、54は、それぞれ対応するシェル56,58と、それぞれ対応するダンパー60,62と、を含む。より具体的には、第1カセット部分52は、第1シェル56と第1ダンパー60とを含み、第2カセット部分54は、第2シェル58と第2ダンパー62とを含む。
【0047】
両シェル56,58は、クランプ方向の撓みに対して第1抵抗力を有した、言い換えれば第1剛性を有した、第1材料から形成されており、ダンパー60,62は、クランプ方向の撓みに対して第2抵抗力を有した、言い換えれば、第1剛性よりも小さな第2剛性を有した、第2材料から形成されてもよい。例示的な第1材料は、例示であって限定されないが、熱硬化性プラスチック、熱可塑性物質、または、ステンレス鋼などの金属、であってもよい。のシェル材料(例えば実質的に剛体のプラスチックなど)に関する例示的なデュロメータ等級は、50以上のショアD硬度であってもよい。本明細書ではダンパー材料として代替的に参照される例示的な第2材料は、例示であって限定されないが、熱硬化性プラスチック、熱可塑性物質、シリコーンポリマー、または、ニトリルゴム、のいずれかであってもよい。ダンパー材料に関する例示的なデュロメータ等級は、50以下のショアA硬度であってもよい。
【0048】
ブレード28に対しての振動伝達を低減するために、様々な硬度値を実現可能に使用することができる。一般に、より小さな硬度のダンパー60,62は、ダンパー剛性を低下させることによって、より大きな振動減衰をもたらすこととなる。振動減衰を改良するための代替可能な方法は、ブレード28とダンパー60,62との間の接触面積を減少させること、または、ダンパー60,62の合計高さを増加させること、のいずれかである。これらのパラメータの両方を変更した時には、ダンパー60,62の実効的な剛性が変更されることとなる。追加的に、振動減衰の大きさは、ブレード28のサイズに依存するとも考えられる、すなわち、より大きなブレードが使用された場合に観察されるものと同様の大きさの振動減衰を得るためには、より小さなブレード28の場合には、ダンパー60,62の剛性を低下させる必要がある。追加的に、ダンパーの剛性を低下させすぎると、ブレードをハンドピース24に対して取り付けるためのカプラ26内での、ブレード28の剛性が望ましくないほど低下する可能性がある。これらの理由から、ブレードのサイズおよび密度、ブレード28とダンパーとの接触面積、ダンパーの高さの関数、ならびに、ユーザの好みに応じて、理想的なダンパー硬度が存在すると考えられる。図に示すブレード28に関して推定される材料硬度は、20のショア00硬度であってもよい。
【0049】
シェル56,58は、それぞれ、実質的に平面状の外表面64,66と、関連する内側エッジ72,74を有して反対側に位置した内表面68,70と、を有している。内側エッジ72,74は、関連するシェル56,58の外周縁76,78上にあってもよい。シェル56,58は、それぞれ、実質的に円弧形状を有してもよい。鋸ブレード28’上に設置された時には、シェル56,58の円弧形状は、取付軸線38を中心としたものであってもよい。内表面68,70は、それぞれ、それぞれ対応するダンパー60,62を受け入れるための受入れポケット80,82を規定してもよい。代替的には、各内表面68,70は、そのようなポケット80,82を複数規定してもよく、各ポケット80,82は、別個のダンパー60,62を受け入れる。
【0050】
ダンパー60,62は、接着剤により若しくはシェルに成形されることにより、または、任意の他の公知手段により、シェル56,58に対して固定されてもよい。注入開口84が、シェル56,58に設けられてもよく、これにより、ダンパー材料を、注入開口84を通して、シェル56,58が部分的に規定する型内へと注入することにより、内部にダンパー60,62を成形するように構成される。ダンパー60,62は、内側エッジ72,74を超えて、軸線方向に延在している。
【0051】
シェル56,58ひいてはカセット部分52,54は、それぞれ対応する外周縁76,78の少なくとも一部が、鋸ブレード28’の近位部分30’の外周エッジ87に対して実質的に位置合わせされてもよい。カセット部分52,54の内周縁ひいてはカセット50の内周縁は、駆動面36から実質的に離間している。しかしながら、カセット50が駆動面36に対して全体的にオーバーラップしない限りにおいては、そして、カプラ26による鋸ブレードカートリッジ48の受入れを阻害しない限りにおいては、カセット50が駆動面36に対して多少オーバーラップすることは、あってもよい。第1カセット部分52および第2カセット部分54の外表面64,66にわたって測定されたカセット厚さT1は、ブレード28’のブレード厚さT2と比較して、実質的により厚い。例示的なブレード厚さT2は、0.5mmであってもよく、この厚さT2は、ブレード28’の近位部分30’の頂面88および底面89にわたって測定されてもよい。例示的なカセットの厚さT1は、3.0mmであってもよい。シェル56,58およびダンパー60,62は、それぞれ、少なくとも120度の円弧αを規定してもよい。
図8に示す円弧αは、実質的に180度に等しい。
【0052】
カセット部分52,54の少なくとも一方には、関連する内側エッジ72,74を超えて軸線方向に延在する連結タブ90,92が設けられてもよい。カセット部分52,54がブレード28’上に設置された時には、カセット部分52,54の少なくとも一方の連結タブ90,92は、関連する内側エッジ72,74を超えて延在することにより、対向するカセット部分54,52を互いに連結する。そのような連結は、連結タブ90,92が、
図10に示すブレード28’の外周エッジ87上の、例えば連結凹所94などの連結開口の中へと、延在する態様であってもよい。
図11に示す代替可能に構成された鋸ブレード28’’では、近位部分30’’は、連結凹所94に対する代替可能な開口として、連結開口96を有してもよい。そのような例では、タブ90,92は、開口96に対して位置合わせされるようにして、配置されていることとなる。複数のタブが、カセット部分のそれぞれに、設けられてもよい。カセット部分52,54を使用した時には、ダンパー60,62は、ブレード28’に対して所定のクランプ荷重を印加する。所定のクランプ荷重は、ブレード28を、ダンパー60,62の間に挟み込む。例示的な所定荷重は、5ニュートン(1ポンド)の力に実質的に等しい。
【0053】
一例では、タブ90,92は、それぞれ、ブレード28’,28’’の連結凹所94または連結開口96の中へと延在してもよく、その場合、タブ90,92は、互いに連結されることにより、カセット部分52,54を、ブレード28’,28’’の近位部分に対して互いに固定する。代替的には、連結タブ90,92は、カセット部分52,54の一方に関して、より長いものであってもよく、連結凹所94もしくは連結開口96を貫通し、連結タブ90,92が他方のカセット部分54,52に対して固定された状態で他方のカセット部分54,52へと延在してもよい。タブ90,92は、他方のカセット部分54,52に対して固定されてよく、それが、連結タブ90,92との界面に位置しているかどうかや、他方のカセット部分54,52のシェル58,56がなす側面との係合によるもの、もしくは、限定するものではないが超音波溶接および接着剤による結合を含む任意の公知手段によるものであるかどうか、にかかわらない。。カセット部分52,54は、カセット部分52,54を近位部分30’上へと位置決めする前に、その近位先端98,100のところで連結されてもよい。そのような構成では、先端98,100における連結は、カセット部分52,54の間のリビングヒンジとして機能してもよく、これにより、第1カセット部分52は、第2カセット部分54に対してわずかに揺動し得るとともに、近位部分30’上へと滑り込むことができる。そのように位置決めされた後には、タブ90,92を、対向しているカセット部分54,52のシェル58,56に対して、連結することができる。カセット部分52,54が適正に位置決めされた時には、ダンパー60,62は、それぞれ対応するシェル56,58によって圧縮されることにより、ブレード28’の近位部分30’に対して予荷重を与え、カセット部分52,54は、タブ90,92のところで互いに固定される。例示的な予荷重は、約5ニュートンの力であってもよい。
【0054】
【0055】
図12では、鋸ブレードカートリッジ48’’’は、ブレード本体34’’’よりも薄い近位部分30’’’を有した二重厚さ鋸ブレード28’’’を含む。近位部分30’’’は、カセット50’’’の対向したカセット部分52’’’、54’’’の間に配置されている。カセット50’’’が、近位部分30’’’に対して、カセット50が近位部分30に対して発現しているのと同じ予荷重を発現するためには、いくつかの選択肢が利用可能である。
図12に示す1つの例は、シェル56および58と同一のシェル56’’’および58’’’を使用することであり、さらに、ダンパー60’’’および62’’’を、ダンパー60および62よりも長いものとすることであり、これにより、より薄い近位部分30’’’が補償される。図示していない1つの構成は、シェル56’’’および58’’’を、より浅い受入れポケット80’’’および82’’’を有するように形成することと、ダンパー60’’’および62’’’を、ダンパー60’’’および62’’と同じ長さのものとすることと、を含む。図示していない別の構成は、シェル56’’’および58’’’を、軸線方向において最大の厚さを有するように形成することを含む。より厚いシェル56’’’は、表面64’’’とエッジ72’’’との間の距離を、近位部分30’’’と近位部分30との間の厚さの差の間の差に比例して、表面64とエッジ72との間の距離と比較して、より大きなものとすることとなる。同様に、より厚いシェル58’’’は、表面66’’’とエッジ74’’’との間の距離を、近位部分30’’’と近位部分30との間の厚さの差に比例して、表面66とエッジ74との間の距離と比較して、より大きなものとすることとなる。ダンパー60’’’および62’’’は、ダンパー60および62と同一であることとなる。この段落で説明した代替案は、例示的なものであって、包括的なものではない。
【0056】
図13では、鋸ブレードカートリッジ48’’’’は、鋸ブレード28’’’’の近位部分30’’’’を有して図示されており、近位部分30’’’’は、頂面88’’’’上に位置していてその頂面88’’’’上に延在している第1リッジ99と、底面89’’’’上に位置していてその底面89’’’’上に延在している位置合わせされた第2リッジ101と、を含む。リッジ99および101は、それぞれ、第1シェル56’’’’の第1受入れポケット80’’’’内へと、および第2シェル58’’’’の第2受入れポケット82’’’’内へと延在している。シェル56’’’’および58’’’’は、シェル56および58と同一であってもよい。カセット50’’’’のカセット部分52’’’’および54’’’’は、それぞれ、第1ダンパー60’’’’および第2ダンパー’’’’を含む。ダンパー60’’’’および62’’’’は、ダンパー60および62よりも短いものであって、シェル56’’’’および58’’’’のそれぞれ対応する内側エッジ72’’’’および74’’’’を超えて延在していない。リッジ99および101は、連続的であってもよく、受入れポケット80’’’’および82’’’’による受入れのために、ならびに、円弧αにわたってのダンパー60’’’’および62’’’’に対しての係合のために、連続的な表面を提示してもよい。代替的には、リッジ99および101は、歯形状であってもよく、ポケット80’’’’および82’’’’による受入れのために、ならびに、ダンパー60’’’’および62’’’’に対しての係合のために、複数の歯を提示してもよい。さらに代替的には、リッジ99および101は、正弦波形状であってもよく、ポケット80’’’’および82’’’’による受入れのために、ならびに、ダンパー60’’’’および62’’’’に対しての係合のために、複数の起伏を提示してもよい。リッジ99および101は、また、ブレード28’’’’とは別個に形成されてもよく、これらに限定されないが、接着剤による結合、溶接、ならびに、ピンおよび受入れ開口などの相補的形状による係合特徴物、を含む任意の適切な手段によってブレード28’’’’に対して連結されてもよい。別個に形成された場合であっても、ブレード28’’’’に対して連結された後には、リッジ99および101は、ブレード28’’’’の一部を構成する。この段落で説明した代替案は、例示的なものであって、包括的なものではない。
【0057】
図14では、鋸ブレードカートリッジ48
Vは、鋸ブレード28’と実質的に同一の鋸ブレード28
Vを有して図示されている。カセット50
Vは、全体的に第1材料から形成された第1カセット部分52
Vおよび第2カセット部分54
Vを含む。各カセット部分52
V,54
Vは、それぞれ軸線方向に延在する複数の櫛歯103,105を有したダンパー60
V,62
Vを含む。軸線方向に延在する櫛歯103および105は、第1材料から形成されており、軸線方向に延在する複数のタブ103および105の形態であってもよく、または、代替的に複数の剛毛(図示せず)の形態であってもよく、または、任意の他の適切な軸線方向に延在した形状をなす複数の櫛歯の形態であってもよい。櫛歯103および105の長さは、ブレード28
Vに対して所望の予荷重が得られるように、選択される。ダンパー60
Vおよび62
Vの所望の剛性は、櫛歯103および105の寸法および数量を選択することによって、確立されてもよい。この段落で説明した代替案は、例示的なものであって、包括的なものではない。
【0058】
カプラ26は、鋸22に対しての、ブレード28およびカートリッジ48,48’’’,48’’’’,48Vのそれぞれの着脱を、容易とするものである。カートリッジ48に対する以下の言及は、カートリッジ48,48’’’,48’’’’,48Vのすべてを包含するものである。
【0059】
例示的なハンドピース24の遠位端のところに配置されたカプラ26は、回転軸線102を規定している。鋸ブレード28の、およびカートリッジ48の、取付軸線38は、鋸ブレード28がカプラ26内に取り付けられた時には回転軸線102と実質的に位置合わせされる。
【0060】
カプラ26は、カプラハウジング104と、カプラキャップ106と、カプラドライバ108と、カプラピン110と、カプラカップ112と、カプラベアリング114と、解放ボタン116と、カプラスプリング118と、を含んでもよい。ピン110は、径方向に延在するピンカラー120を含んでもよい。
【0061】
ハウジング104は、その最も遠位端のところに、ハウジングヘッド122を含んでもよい。ハウジングヘッド122は、内部を通して延在する枢動穴124を有してもよく、枢動穴124は、カプラ26の回転軸線102を規定する。カプラカップ112は、枢動穴124の内部に、枢動可能に配置されてもよい。ベアリング114は、カップ112のスリーブ128と穴124との間において、径方向に配置されてもよい。ベアリング114は、任意の従来的な構造のものであってもよく、例示するならば、内側レースと、外側レースと、これらの間に配置された複数のローラと、を含んでもよい。カップ112は、カップ112の下端132から径方向外側に延在する下側リップ130を含んでもよく、下側リップ130により、穴124を通してカップ112が軸線方向上向きに移動することが阻止される。カップ112およびスリーブ128の上端134は、ドライバ108のドライバ穴136によって受け入れられて係合されてもよく、ドライバ穴136とカップのスリーブ128との間の圧入は、一方を他方に対して固定するための例示的な方法である。穴136内へとカップ112を固定するための圧入に対しての、任意の適切な代替手段が、採用されてもよい。カップ112は、ドライバ108の第2面135から、枢動穴124内へと、軸線方向下向きに延在してもよい。可能な代替案は、例示であって限定されないが、螺着結合、接着剤による結合、および溶接、を含む。ドライバ108とカップ112との間の係合は、カップ112が穴124を通して下向きに移動することを、阻止する。ドライバ108が、カップ112と一緒に一体的に移動し得るよう、カップ112に対してそのように固定された状態で、ドライバ108は、カップ112と一緒に、回転軸線102まわりに一体的に枢動してもよい。カップ112およびドライバ108は、代替的には、単一の一体型ユニットとして、形成されてもよい。一例をなす代替可能な構造では、リップ130は、カップ112の下端に対して固定されるリングとして、形成されてもよい。固定手段は、これらに限定されないが、螺着、圧入、溶接、および接着剤による結合、を含む。
【0062】
カプラピン110は、カップ112および枢動穴124の内部にスライド可能に配置されてもよく、これにより、カプラピン110は、カップ112および枢動穴124の内部において、回転軸線102に沿って、軸線方向に並進移動することができる。ピン110のカラー120は、または、カラーの、図示したカラー120よりも大きな少なくとも内側部分は、ドライバ108の内部に配置されてもよく、保持位置では、カップ112よりも上方に配置されてもよい。カラー120は、カップ112の開口と比較して、より大きな直径のものであってもよい。カップ112の上端134に対しての、カラー120の係合は、カップ112に対してのピン110の下向き移動限界を制限してもよい。しかしながら、ピンの下向き移動は、代替的には、例えば、ブレード28またはカートリッジ48またはブレード係合プロング137に対しての、キャップの係合によって制限されてもよく、そのようなプロングについては、詳細に後述する。
【0063】
解放ボタン116は、ピン110の下端のところに配置されており、ピン110の下端に対して一体的に固定されてもよい。ボタン116は、圧入によって、または溶接によって、または接着剤によって、または螺着によって、または任意の代替可能な公知手段によって、ピン110に対して固定されてもよい。カプラスプリング118は、カップ112の内壁面188の内径と、ピン110の外径と、の間における環状空隙の内部に配置されてもよい。カップの内壁面188は、第2部分140よりも直径が大きな第1部分138を有してもよい。第1部分138は、第2部分140の下方において、カップ112の下端のところに、配置されてもよい。第1部分138は、ザグリ穴と一致してもよく、これにより、第1部分138と第2部分140との間に、段差面142を規定する。
【0064】
第1部分138は、距離D1の分だけ、ボタン116がカップ112の下端内へと移動することを許容する。解放ボタン116およびピン110が一体として移動することを考慮すれば、ボタン116の完全な変位位置は、ピン110の完全な変位位置を確立する。カップ112に対しての、ボタンおよびピン110の選択的な軸線方向変位のために利用可能な距離D1は、解放ボタン116の上部係合面143から、段差面142までの、距離に等しい。距離D1は、ボタン116の完全な変位位置でボタン116が係合する段差面142の軸線方向位置によって、制限されてもよい。ボタン116の上部係合面143と段差面142との間に係合が存在する時には、ピン110およびボタン116の移動は、限界にあり、追加的に利用可能な距離D1は、ゼロに等しい。ピン110およびボタン116の下向き移動は、キャップ106とドライバ108との間の係合によって、または代替的には、上述したように、カラー120とカップ112のスリーブ128の上端134との間の係合によって、制限されてもよい。カラー120がウェブを含む場合には、移動は、ウェブとドライバ108との間の係合によって制限されてもよい。
図2に示すように、カプラ26内におけるブレード28の存在が、少なくともブレードの厚さT2の分だけ、距離D1を減少させることのために、利用可能な距離D1は、その最大値とはならない。カップ112に対しての、解放ボタン116およびピン110の移動は、それぞれがカップ112に対して実質的に軸線方向に固定されていることのために、ドライバ108およびハウジングヘッド122のいずれかに対しての、ボタンおよびピン110の移動と実質的に等しい。
【0065】
キャップ106は、ピン110の上端に対して固定されており、ピン110と一緒に、軸線方向におよび枢動方向に移動する。キャップ106は、圧入によって、または溶接によって、または接着剤によって、または螺着によって、または任意の代替可能な公知手段によって、ピン110に対して固定されてもよい。さらに代替的には、キャップとピンは、単一の一体型ユニットとして、形成されてもよい。キャップ106は、周方向溝144を有しており、または代替的には、周方向に分散した複数のキャップ開口(図示せず)を有しており、それらは、カプラ26が閉塞位置にある時には、ドライバ108に対して固定されたまたはその一部に対して固定された、プロング137を受け入れてもよい。プロング137は、ドライバ108の上面または第1面146上にあるとともに、ドライバ108の上面または第1面146から軸線方向に延在してもよい。閉塞位置は、代替的には、第1保持位置として参照されてもよい。閉塞位置は、
図2に図示されている。カプラ26は、例示するならばプロング137がブレード28の厚さよりも長くない場合には、キャップ106内に溝144を設けることなく、ブレード28を効果的に保持してもよい。カプラ26が、カートリッジ48を保持するために使用された時には、プロングは、ブレード28’の開口40内へと到達する必要があることとなる。カートリッジ48と共に使用するために充分に長いプロング137が使用されると、溝144が許容するキャップの余分な移動がなく、ブレード28の適切なクランプを妨害することとなるため、キャップ106に溝144を設けることは、同じカプラ26がブレード28とカートリッジ48との両方を保持することを可能として、有益である。
【0066】
ドライバ108は、一部が図示されている一体型被駆動部分148と、ドライバロック部分150と、を含んでもよい。被駆動部分148は、回転軸線102まわりにおけるドライバ108の選択的な枢動的駆動が得られるよう、駆動モータ(図示せず)を有したリンク(図示せず)によって係合されてもよい。リンクおよび駆動モータは、共に、ハンドピース24の内部に配置されてもよい。
【0067】
ドライバロック部分150は、回転軸線102まわりに周方向に分散され得るプロング137を含んでもよい。ドライバロック部分150は、実質的に平面的な形状をなす第1面146上に上面154を有したベース158を有してもよい。隆起部分160が、上面154から上向きに延在してもよい。隆起部分160は、複数の隆起部分160へと、例えば4つの隆起部分160へと、セグメント化されてもよい。各隆起部分160は、実質的に円弧形状を有してもよい。隆起部分160は、回転軸線102まわりにおいて、周方向に均等に分散して配置されてもよい。隆起部分160は、回転軸線102を中心としたものであってもよい。図示のように、プロング137は、各隆起部分160の各端部に対して一体的であってもよく、さらに、各隆起部分160の各端部から上向きに延在してもよく、ここで、プロングの例示的な数は、8個である。各隆起部分160は、プロング137どうしの間に配置された係合面162を有してもよい。代替的には、プロング137は、それらの間に配置された係合面162を有した隆起部分を、全体的に含んでもよい。
【0068】
カプラ26が閉塞位置にある状態では、各隆起部分160のプロング137は、ピン110のカラー120を超えて少なくとも部分的に延在しており、キャップ106の溝144によって受け入れられてもよい。
図4に示す開放位置では、プロング137の頂面166とキャップ106の底面164との間には、プロング137の頂面166と底面164との間にブレード28を受け入れ得るよう、ブレード28の近位部分30の厚さT2よりも大きな軸線方向ギャップが存在する。キャップ106およびその底面164は、スプリング118によって、隆起部分160の係合面162に向けて付勢されてもよく、これにより、ボタン116が解放された時には、底面164と係合面162との間に、近位部分30をクランプすることができる。
【0069】
図に示すカラー120は、全体的にドライバ穴136の内部に配置されてもよい。上記で参照した米国特許第7,833,241B2号に記載されて図示された同様の構成のカプラは、ここでのカラー120と同様の内側部分を有するけれども、複数のウェブによって内側部分に対して連結されたリング状外側部分を有するカラーを含む。ウェブおよび外側部分は、カプラからブレードを取り外すに際して、有用である。本明細書では図示していないけれども、ここでのカラー120は、また、そのようなウェブを含んでもよく、さらに代替的には、また、そのような外側部分を含んでもよく、そのような外側部分は、シェル56、58の径方向内方に配置されてもよい。
【0070】
図3の鋸ブレード28は、以下の態様で、カプラ26によって受け入れられてもよい。解放ボタン116が、
図1および
図2の向きと一致して、カプラスプリング118の付勢力に抗して上向きに押圧され、これにより、キャップ106を上向きに変位させる。ボタン116が押圧された時には、カラー120とキャップとの間の軸線方向ギャップD2は、より具体的には、キャップ106の底面164とプロング137の頂面166との間の軸線方向ギャップD2は、ブレード28の近位部分30の厚さT2よりも大きく、このため、ブレード28の近位部分30を、そのギャップ内に、挿入することができる。近位部分30内のスロット42は、図示のようなテーパ形状であってもよく、これにより、位置決め径方向表面44を、カプラピン110に対して位置合わせするように案内することを、補助することができる。ピン110および径方向表面44のそれぞれの半径は、軸線38,102の位置合わせを容易とするために、実質的に同じであってもよい。ブレード28は、所望の向きに位置合わせされてもよく、例えば、ブレード28は、図示と一致するよう、ハンドピース24と平行であるように、長手方向に位置合わせされる。ボタン116が解放されて、ドライバロック部分150のプロング137を、ブレード28の近位部分30の開口40に対して、位置合わせする際には、ブレード28は、カプラ26に対して、回転軸線102まわりに、ごくわずかに回転的に枢動されてもよい。ブレード開口40がプロング137を受け入れた状態で、かつ、ボタン116が解放された状態で、ブレード28の近位部分30の頂面88は、キャップ106の底面164によって係合される。近位部分30の底面89は、それに応じて、ロック部分150の隆起部分160の係合面162に対して、押圧される。ブレード28の近位部分30に対しての、キャップ106のクランプ力は、ひいては、ロック部分150の上面154に対しての、キャップ106のクランプ力は、カプラスプリング118によって提供される。ブレード28がカプラ26の内部にクランプされた後には、鋸22は、モータに通電することによって駆動されてもよく、これにより、鋸ブレード28を枢動可能に往復駆動させることで、鋸システム20が、材料を切断するために使用されてもよい。ブレード28の駆動は、駆動面36に対してのプロング137の係合に依存してもよい。
【0071】
ブレード28を解放するためには、解放ボタン116が、スプリング118の付勢荷重に抗して、上向きに押圧される。ピンは、上向きに移動し、ピンと一緒に、カラー120およびキャップ106が上向きに移動する。ブレードは、プロング137の頂面166とキャップ106の底面164との間のギャップD2が、ブレード28の厚さT2よりも大きくなるとすぐに、カプラ26から引き抜かれてもよい。ボタン116がさらに押圧されて、ピンの追加的な変位を引き起こした際には、カラー120は、プロング137を超えてブレード28の近位部分30を押圧することによって、取り外しを補助してもよい。カラー120と近位部分30との間の係合は、ブレード28の開口40の、内側の半径内で起こってもよい。
【0072】
図5~
図9の鋸ブレードカートリッジ48は、以下の態様で、カプラ26によって受け入れられてもよい。解放ボタン116が、
図5および
図6の向きと一致して、スプリング118の付勢力に抗して上向きに押圧され、これにより、キャップ106が、上向きに変位する。キャップ106の底面164とプロング137の頂面166との間のギャップD2が、ブレード28’の底面89と第1シェル56の外面58との間の厚さよりも大きい時には、ブレードカートリッジ48の近位部分30’は、カプラ26内へと挿入されてもよく、カプラ26によって受け入れられてもよい。スロット42は、図示のようにテーパ状であってもよく、これにより、位置決め径方向表面44を、カプラピン110に対して位置合わせするように案内することを、補助することができる。ブレード28’は、所望の向きに位置合わせされてもよく、例えば、ブレード28’は、図示と一致するよう、ハンドピース24と平行であるように、長手方向に位置合わせされる。ボタン116が解放されて、ドライバロック部分150のプロング137を、ブレードカートリッジ48のブレード28’の近位部分30’における開口40に対して、位置合わせする際には、ブレード28’は、カプラ26に対して、回転軸線102まわりに、ごくわずかに回転的に枢動されてもよい。ブレード開口40がプロング137を受け入れた状態で、かつ、ボタン116が解放された状態で、カートリッジ48のカセット50が、キャップ106の底面164によって、ロック部分150の上面154に対して押圧される。第1カセット部分52の外表面64に対しての、キャップ106のクランプ力は、ひいては、ドライバロック部分150のロック部分150の上面154に対しての、第2カセット部分54の外表面66のクランプ力は、カプラスプリング118によって提供される。ブレード28’がカプラ26の内部にクランプされた後には、鋸22は、モータに通電することによって駆動されてもよく、これにより、鋸ブレード28’を枢動可能に往復駆動させることで、鋸システム20が、材料を切断するために使用されてもよい。ブレードの場合と同様に、カートリッジ48の駆動は、駆動面36に対してのプロング137の係合に依存してもよい。
【0073】
カートリッジ48を解放するためには、ボタン116が、カプラスプリング118の荷重に抗して、指または親指をユーザが選択的に係合させることによって、上向きに押圧されてもよい。ピンは、上向きに移動し、ピンと一緒に、カラー120およびキャップ106が上向きに移動する。カートリッジ48は、プロング137の頂面166とキャップ106の底面164との間のギャップが、ブレード28’の底面89と第1シェル56の外表面64との間の厚さT3よりも大きくなるとすぐに、カプラ26から引き抜かれてもよい。
【0074】
第2例のカプラ26’は、カプラ26’の意図しない開放を回避するために、
図15~
図28に示す位置ロック部材168を提供する。位置ロック部材168は、詳細に後述するように、カプラ26’の意図しない開放を阻止するため、したがって、さらに代替可能な鋸システム20’の動作時に、カプラ26’からの、カートリッジ48とブレード28との両方の意図しない喪失を阻止するため、有益である。そのような意図しない開放は、軸線38に対して平行であるものの軸線38よりも遠位に位置したブレード28に対して、下向きまたは上向きの荷重が印加された時に、カプラ26に関して発生し得る。そのような荷重は、その荷重がカプラスプリング118のクランプ荷重に打ち勝つのに充分である場合には、カプラ26の内部でブレードを枢動させ得る。そのような場合、キャップ106は、ドライバ108から離間して上向きに偏向することとなり、これにより、ブレード28またはカートリッジ48は、プロング137から脱出することができ、したがって、カプラ126から脱出し得ることとなる。カプラ26’の位置ロック部材168は、そのような脱出を阻止する。カプラ26’は、位置ロック部材168を含むこと以外は、実質的にカプラ26と同一であり、以下の説明と一致する。
【0075】
図15は、鋸ブレードカートリッジ48を受け入れたカプラ26’を含むハンドピース24の遠位部分を示している。解放ボタン116’は、第1保持位置で示されており、ロックボタン170は、ロック位置で示されている。
【0076】
分解断面図である
図16は、カプラ26’に関する多数の個々の構成要素を示している。カプラ26’の構成要素および構成部材に関する参照符号は、カプラ26の説明における参照符号の使用に関して、一貫して使用される。アポストロフィ以外の参照符号を共有した構成要素は、少なくとも機能において、実質的に同様のものであってもよい。他の場合、アポストロフィ以外の参照符号を共有した構成要素および特徴物は、構成要素および特徴物の位置を除いて、他と同一であってもよい。カプラ26’は、カプラ26’が位置ロック部材168を含むという点において、また、カプラ26’が、ハウジング104のドライバ108およびヘッド122に対しての、キャップ106の第1保持位置および第2保持位置を提供するという点において、カプラ26に対して識別される。位置ロック部材168は、ブレード28がカプラ26’によって係合されている時には、キャップ106を、ドライバ108およびヘッド122に対しての、第1保持位置に維持する。位置ロック部材168は、同様に、カートリッジ48がカプラ26’によって係合されている時には、キャップ106を、ドライバ108およびヘッド122に対しての、第2保持位置に維持する。キャップ106は、第2保持位置にある時には、第1保持位置にある時と比較して、係合面162から、軸線方向においてより遠くに離間される。
【0077】
位置ロック部材168は、解放ボタン116’と組み合わされてもよい。位置ロック部材168は、ロックボタン170を含む。ロックボタン170は、解放ボタン116’の内部において、スライド可能に配置されている。より具体的には、解放ボタン116’は、内部にロックボタン170がスライド可能に配置され得るロックキャビティ172が、内部に形成されたものであってもよい。ロックキャビティ172は、ボタン116’の下端174上で、開口したものであってもよい。ボタン116’の下端174は、本明細書では、ボタン116’の第1端部174として、および、ボタン壁176の第1端部174として、代替可能に識別される。ボタン壁176は、ロックキャビティ172と解放ボタン116’の外表面178とによって、およびそれらの間に、境界を形成している。ボタン壁176は、実質的に円筒形であってもよい。ロックボタン170は、ロックキャビティ172の端部に配置された保持リング179によって、ロックキャビティ172の内部に保持されてもよい。リング179は、例示であって限定されないが、圧入、溶接、および接着剤による結合、を含めた任意の公知手段によって、ロックキャビティ172の内部に保持されてもよい。また、ロックボタン170を保持するための代替手段として、スナップリングにより、ボタン116の第1端部174をピーニングし、ロックボタンがキャビティ172内にスライド可能に配置されるように形成された状態でロックボタン170と解放ボタン116’との両方を3次元形成すること、等を含めた手段が採用されてもよい。
【0078】
位置ロック部材168は、ロックボタン170とカプラピン110との間に配置されたロックスプリング180を、さらに含んでもよい。代替的には、解放ボタン116’がカプラピン110に対して固定されていることを考慮すれば、ロックスプリングは、ロックボタンと解放ボタン116’との間に配置され得ることとなる。ロックスプリング180は、ロックボタン170を、ピン110および解放ボタン116’に対して下向きに、ロック位置に向けて付勢する。カプラピン110が、解放ボタン116’およびキャップ106のそれぞれに対して固定されていることのために、ロックボタン170は、それらに対して同様に下向きに付勢される。ロックボタン170は、ロック位置では、ボタン壁176の第1端部を超えて延在しているとともに、ロック解除位置では、ボタン壁176の第1端部174に対して実質的に面一であってもよい。ロックボタン170が、ロック位置で第1端部174を超えて延在していることは、ブレード28またはカートリッジ48を解放する目的で、ロックボタンを、解放ボタン116’内へとさらに変位させ得ることにより、有益である。ロックボタン170が、ボタン壁176の第1端部174に対して面一であることは、必須の特徴点ではないけれども、ロックボタン170が完全な移動位置へと到達したという表示を、ならびに、ブレード28またはカートリッジ48を解放するためにロックボタン170に対してさらなる力を印加する必要がないという表示を、ユーザに対して提供し得る点において、有益である。
【0079】
第1スライダ開口182が、第1スライダ184をスライド可能に受け入れている。開口182は、壁176の、軸線方向および周方向の第1位置のところで、ボタン壁176を貫通している。解放ボタン116’およびロックボタン170のすべての利用可能な位置では、第1スライダ184は、第1スライダ開口182内に少なくとも部分的に留まっている。ロックボタン170の例示的な位置は、ロック位置と、ロック解除位置と、を含む。解放ボタン116’の例示的な位置は、保持位置と、解放位置と、を含む。ボタン116’の保持位置および解放位置は、キャップ106の保持位置および解放位置と同時に発生するものであり、それは、3つの部材116’,106,110のすべてが一体として移動する状態で、ボタン116’およびキャップ106が、ピン110によって一体的に連結されているからである。スライダ184は、軸線方向においては、解放ボタン116’と実質的に一体的に移動するものであって、壁176に対しては、開口182に沿って径方向に移動することができる。第1スライダ184は、実質的に球形状のものとして、図示されている。しかしながら、他の形状が採用されてもよい。例えば、スライダ184は、円筒形(図示せず)などの長尺形状を有してもよい。そのような円筒は、両端が放射状であってもよく、よって、両端付き弾丸に似たものであってもよい。スライダ184を、球形状に形成することは、または球形状の端部を有するように形成することは、スライダ184がロックボタン170を望ましくない位置で意図せずに詰まらせてしまうことを、阻止するように補助する。スライダ184は、そのような詰まりを阻止するために、さらに代替的には、テーパ形状の端部を有してもよい。スライダ184が球形状であるか円筒形状であるかは、壁176の厚さとスライダ184の直径との間の比に、依存してもよい。その形状とは関係なく、スライダ184は、剛体であって、予想される使用時に実質的に変形しない比較的硬い材料から形成されている。例示的な材料は、鋼および熱可塑性物質を含む。
【0080】
図17および
図18は、第1保持位置にある解放ボタン116’と、第1ロック位置にあるロックボタン170と、を示している。
【0081】
図17に示すように、位置ロック部材168は、カプラカップ112’の内壁面188’に形成された第1カップ受入れノッチ186と、ロックボタン170の外表面192に形成された第1ロックボタン受入れノッチ190と、をさらに含む。内壁面188と同様に、内壁面188’は、第2部分140’よりも直径が大きな第1部分138’を有してもよい。第1部分138’は、第2部分140’の下方において、カップ112’の下端のところに配置されてもよい。第1部分138’は、ザグリ穴と一致してもよく、第1部分138’と第2部分140’との間に、段差面142’を規定する。スライダ184は、詳細に後述する特定の条件下で、ノッチ186,190がスライダ開口182と位置合わせされている時には、第1カップ受入れノッチ186によって、および第1ロックボタン受入れノッチ190によって、部分的に受け入れられてもよい。同一の、または類似した、第1スライダ184’が、鏡像の第1カップ受入れノッチ186’および鏡像の第1ロックボタン受入れノッチ190’と係合するために、第1スライダ184から180度だけ離間した類似の開口182’内に配置されてもよい。
【0082】
第2スライダ開口194が、第2スライダ196をスライド可能に受け入れている。開口194は、壁176の、軸線方向および周方向の第2位置のところで、ボタン壁176を貫通している。解放ボタン116’およびロックボタン170のすべての利用可能な位置では、第2スライダ196は、第2スライダ開口194内に少なくとも部分的に留まっている。スライダ196は、軸線方向においては、解放ボタン116’と実質的に一体的に移動するものであって、壁176に対しては、開口194に沿って径方向に移動することができる。第2スライダ196は、必須ではないものの、第1スライダ184と同じ形状および同じサイズであってもよい。周方向の第2位置は、周方向の第1位置から、90度のところであってもよい。すなわち、第2スライダ開口194およびスライダ196は、第1スライダ開口182および第1スライダ184から、90度のところに位置してもよい。
【0083】
図18に示すように、位置ロック部材168は、また、カップ112’の内壁面188’に形成された第2カップ受入れノッチ198を含む。位置ロック部材168は、ロックボタン170の外表面192に形成された第2ロックボタン受入れノッチ200を、さらに含む。スライダ196は、詳細に後述する特定の条件下で、ノッチ198,200がスライダ開口194に対して位置合わせされた時には、第2カップ受入れノッチ198によって、および第2ロックボタン受入れノッチ200によって、部分的に受け入れられてもよい。同一の類似した第2スライダ196’が、鏡像の第2カップ受入れノッチ198’および鏡像の第2ロックボタン受入れノッチ200’と係合するために、第2スライダ196から180度のところに位置した類似のスライダ開口194’内に配置されてもよい。
【0084】
位置ロック部材168がロック状態とされた時には、ノッチ186,190,198,200の長さは、ブレード28またはカートリッジ48を解放はしないものの、ブレード28またはカートリッジ48の、ある程度の限定された軸線方向移動を、可能としてもよい。
【0085】
図17および
図18は、ブレード28またはカートリッジ48を有しておらず、解放ボタン116’が閉塞位置または第1保持位置とされ、ロックボタン170が第1ロック位置とされた状態で、カプラ26’の断面図を示している。
図17および
図18は、位置ロック部材168がカプラ26’の一部としてどのように保持されるかを説明する補助をなす。解放ボタン116’は、カップ112’と解放ボタン116’との間に配置されたカプラスプリング118によって、第1部分138内における下向きの利用可能な移動に関する最大程度にまで、付勢されている。解放ボタン116’は、大部分が第2スライダ開口182,182’内に配置されたままでありかつ一部が第1カップ受入れノッチ186,186’内に配置されている第1スライダ184,184’によって、カップ112’内に保持されてもよい。スライダ184,184’は、ロックボタン170の外表面178によって、ノッチ内に保持されている。ロックボタン170は、
図17および
図18に示すように、ロックスプリング180によって、最も下向きの位置である第1ロック位置へと、付勢されている。係合ボタンの内部に、ロックボタン170を保持することは、保持リング179に対してのロックボタン170の係合によって、得られてもよい。
【0086】
図19および
図20は、第2保持位置とされた解放ボタン116’と、第2ロック位置とされたロックボタン170と、を示している。ロックボタン170の第2ロック位置は、第1ロック位置とロック解除位置との間の、軸線方向中間位置である。
【0087】
図19および
図20は、ロックボタン170が第2ロック位置とされ、例示的な解放ボタン116’とピン110とキャップ106とが第2保持位置とされた状態で、例示的なブレードカートリッジ48を保持している
図15のカプラの断面図を、提供している。ロックボタン170は、壁176の第1端部174を超えて延在しており、これは、ロックボタンがロック位置にあることを示している。第1スライダ184,184’は、それぞれ対応する第1スライダ開口182,182’内において、スライド可能に配置されている。第2スライダ196,196’は、それぞれ対応する第2スライダ開口194,194’内において、スライド可能に配置されている。第1スライダ184,184’は、第1ロックボタン受入れノッチ190,190’内に部分的に配置されており、これにより、第1スライダ184は、第1部分138内において、ボタン116と一緒に、カップ112’の内壁面188’に沿って、軸線方向に移動することができる。第2スライダ196,196’は、それぞれ第2カップ受入れノッチ198,198’内に、部分的に配置されている。スライダ196,196’は、ロックボタン170の外表面192の上部における頂部部分に対しての、スライダ196,196’の係合によって、ノッチ198,198’から離れることが阻止されている。
図19および
図20における第2保持位置では、スライダ196,196’は、第2ロックボタン受入れノッチ200,200’の上端のところで、またはその近傍のところで、係合している。キャップ106およびピン110を、上向きにそれ以上変位させるように如何に努力しても、ノッチ200,200’のそれぞれ対応する端部に対しての、スライダ196,196’の係合によって、抵抗を受ける。そのような係合は、キャップ106に対しての、係合していなければカートリッジ48をカプラ26’から解放してしまいかねないあらゆる力に対して、抵抗する。
【0088】
図21および
図22は、ロックボタン170がロック解除位置とされ、解放ボタン116’が第2保持位置のままとされ、カートリッジ48のブレード28’がプロング137の端部よりも下方のままとされた状態で、
図19および
図20のカプラ26’ならびにカートリッジ48を、ロック解除状態かつ係合状態で、示している。ユーザが、ロックボタン170の露出端部に対して、スプリング180の力に打ち勝つような力を印加することにより、ロックボタン170を、ロック解除位置へと移動させてもよい。ロック解除位置とされたロックボタン170は、ボタン壁176の端部174に対して実質的に面一であってもよく、ロックボタンがロック解除位置にあることを明示する。ロックボタン170がロック解除位置とされた時には、第2ロックボタン受入れノッチ200,200’は、第2スライダ開口194,194’に対して位置合わせされ、これにより、スライダ196,196’は、ノッチ200,200’によって受け入れられるよう、径方向内向きに移動することができる。よって、解放ボタン116’は、
図23および
図24に示すように、カプラスプリング118の力に抗して、第2解放位置へと、駆動され得る。
【0089】
図23および
図24は、ロックボタン170がロック解除位置とされ、解放ボタン116’がカプラスプリング118の力に抗して上向きに第2解放位置へと駆動された状態で、
図19および
図20のカプラ26’ならびにカートリッジ48を、ロック解除状態かつ係合解除状態で、示している。ロック解除状態および係合解除状態は、ユーザの指または親指が、ボタン170および116’を上向きに押圧することによって、ロックボタン170に対して、その後に解放ボタン116’に対して、選択的に係合することにより、得られてもよい。第2解放位置では、第2スライダ196,196’は、第2ロックボタン受入れノッチ200,200’内に、部分的に配置されている。第2スライダ196,196’がそのように配置された状態では、解放ボタン116’は、ユーザ入力に応答して、解放ボタン116’の上部係合面143’がカップ112’の段差面142’に対して当接するまで、上向きに移動することができる。図示のように、解放ボタン116’のパイロット部分201は、上部係合面143’を超えて上向きに延在してもよい。キャップ106が対応して変位した状態では、カートリッジ48が、上向きに持ち上げられてもよく、ブレード28’は、プロング137を超えることができ、カートリッジ48をカプラ26’から取り外すことができる。
【0090】
図25および
図26は、第1保持位置とされた解放ボタン116’と、第1ロック位置とされたロックボタン170と、を示している。
【0091】
図25および
図26は、ロックボタン170が第1ロック位置とされ、例示的な解放ボタン116’とピン110とキャップ106とが第1保持位置とされた状態で、例示的なブレード28を保持している
図15のカプラの断面図を、提供している。ロックボタン170は、壁176の第1端部174を超えて延在しており、これにより、ロックボタン170が、第1ロック状態および第2ロック位置の一方とされていることを示している。第1スライダ184,184’は、それぞれ対応する第1スライダ開口182,182’内において、スライド可能に配置されている。第2スライダ196,196’は、それぞれ対応する第2スライダ開口194,194’内において、スライド可能に配置されている。第1スライダ開口182,182’は、第1カップ受入れノッチ186,186’に対して、および、ロックボタン170の外表面192の上部に対して、実質的に位置合わせされている。よって、第1スライダ184,184’は、第1カップ受入れノッチ186,186’内に、部分的に配置されている。第2スライダ開口194,194’は、第2カップ受入れノッチ198,198’に対して、および、ロックボタンの外表面192の上部に対して、実質的に位置合わせされている。したがって、第2スライダ196,196’は、それぞれ、第2カップ受入れノッチ198,198’内に、部分的に配置されている。スライダ196,196’は、ロックボタン170の外表面192の上部に対しての、スライダ196,196’の係合によって、ノッチ198,198’から離れることが阻止されている。
図25および
図26における第1保持位置では、第2スライダ196,196’は、第2ロックボタン受入れノッチ200,200’の長さに基づいて、キャップ106およびピン110の軸線方向上向き移動を制限しない。しかしながら、キャップ106およびピン110を、上向きにそれ以上変位させるように如何に努力しても、ノッチ186,186’のそれぞれ対応する端部に対しての、第1スライダ184,184’の係合によって、抵抗を受ける。そのような係合は、キャップ106に対しての、係合していなければカートリッジ48をカプラ26’から解放してしまいかねないあらゆる力に対して、抵抗する。
【0092】
図27および
図28は、ロックボタン170がロック解除位置とされ、解放ボタン116’が第1保持位置のままとされ、ブレード28が、プロング137の端部よりも下方のままとされた状態で、
図25および
図26のカプラ26’ならびにブレード28を、ロック解除状態かつ係合状態で、示している。ユーザが、ロックボタン170の露出端部に対して、スプリング180の力に打ち勝つような力を印加することにより、ロックボタン170を、ロック解除位置へと移動させてもよい。ロック解除位置とされたロックボタン170は、ボタン壁176の端部174に対して実質的に面一であってもよく、ロックボタンがロック解除位置にあることを明示する。ロックボタン170がロック解除位置とされた時には、第1ロックボタン受入れノッチ190,190’は、第1スライダ開口182,182’に対して実質的に位置合わせされ、これにより、第1スライダ184,184’は、ノッチ190,190’によって受け入れられるよう、径方向内向きに移動することができる。追加的に、第2ロックボタン受入れノッチ200,200’は、第2スライダ開口194,194’に対して実質的に位置合わせされ、これにより、スライダ196,196’は、ノッチ200,200’によって受け入れられるよう、径方向内向きに移動することができる。よって、解放ボタン116’は、
図23および
図24に示すように、カプラスプリング118の力に抗して、第2解放位置へと、駆動され得る。ブレード28の取り外しを可能とする第1解放位置は、第2解放位置と実質的に同じであってもよい。カートリッジ48およびブレード28は、解放ボタンが第2解放位置とされた状態で、カプラ26’から取り外されるか、またはカプラ26’に設置されるか、のいずれかであってもよい。ブレード28の取り外しを可能とするような解放ボタン116’の位置およびキャップ106の関連する位置は、解放ボタン116’を第2解放位置へ変位させる必要がないものであってもよい。第1解放位置および第2解放位置のそれぞれは、組み立てられたボタン116’とピン110とキャップ106とが移動する解放範囲上のポイントを含む。特定のブレードまたはカセットに関する解放位置は、ブレードまたはカセットの厚さに、少なくとも部分的に依存することとなる。ブレードまたはカセットは、関連する解放位置を超えた時には、なおも、カプラ26’から取り外されるか、またはカプラ26’によって受け入れられるか、のいずれかを行うことができる。
【0093】
個別に図示していないけれども、ブレード28の解放は、
図23および
図24に示すように、カートリッジ48の解放と実質的に同じである。
図23および
図24は、ロックボタン170がロック解除位置とされ、解放ボタン116が、カプラスプリング118の力に抗して上向きに駆動されて、第2解放位置と同一であってもよい第1解放位置へと駆動された状態で、
図19および
図20のカプラ26’ならびにカートリッジ48を、ロック解除状態かつ解放状態で、示している。第1解放位置と同様に、第2解放位置においても、スライダは、上記の段落で説明したようにして、位置決めされている。スライダ184,184’,196,196’がそのように位置決めされた状態で、解放ボタン116’は、ユーザ入力に応答して、解放ボタン116’の上部係合面143’がカップ112’の段差面142’に対して当接するまで、上向きに移動することができる。キャップ106が対応して変位した状態では、ブレード28が、上向きに持ち上げられてもよく、ブレード28は、プロング137を超えることができ、ブレード28をカプラ26’から取り外すことができる。
【0094】
カプラ26’は、以下の態様で、有益に使用されてもよい。ブレード28またはカートリッジ48のいずれも内部に含まないカプラ26’は、
図17および
図18の断面図のように見える。ハンドピース24は、ユーザが、片手で、第1の手で、保持してもよい。第1の手の、指または親指のいずれかとされる指を使用することにより、ロックボタン170を、
図17および
図18の第1ロック位置から、
図21、
図22、
図27、および
図28のロック解除位置へと、上向きに押圧してもよい。
【0095】
ロックボタン170は、スプリング118の力に抗して、
図21、
図22、
図27、および
図28に関して説明した位置でありそれらの図に図示された位置へと、上向きに駆動されてもよい。解放ボタン116’が実質的に変位しないものとしつつ、ロックボタン170を完全に変位させ得ることは、ロックスプリング180を、カプラスプリング118のスプリング率より著しく小さなスプリング率を有するように選択することによって、得られてもよい。ロックボタンが押し下げられつつも、解放ボタン116’を押圧することに対する抵抗性は、
図17および
図18に示す閉塞位置でカプラスプリング118が圧縮されることによってしたがって予荷重を印加されることによって、追加的に促進されてもよい。
【0096】
図21、
図22、
図27、および
図28は、解放ボタン116’を係合位置のままに維持しつつ、ロック解除位置とされた解放ボタン116’の第1端部174に対して実質的に面一とされた際の、ロックボタン170の下端を示している。ロックボタン170の下端の面一位置は、ユーザによって感知されてもよく、ロックボタン170が完全に押し下げられてロック解除位置であるという信号として、ユーザによって認識されてもよい。位置ロック部材168は、代替的には、ロックボタン170を、ロック位置において、解放ボタン116’の第1端部174よりも下方へと延在させてもよい。このような配置では、ユーザに対しての、ロックボタン170の信号の利点が、減少する可能性がある。しかしながら、ロックボタン170および解放ボタン116’は、なおも、効果的に動作することとなる。ユーザは、その代わりに、ロックボタン170がロック解除位置へと到達しかつ解放ボタン116’がロック解除されたという信号として、ボタン170および116’の移動抵抗性の増加に依存してもよい。
【0097】
ユーザは、ロックボタン170に対して、解放ボタン116’と組み合わせて押し続けてもよく、組み立てられたボタン170,116’とピン110とキャップ106とを、
図23および
図24の例示的な位置へと、上向きに変位させてもよい。組み立てられたボタン170,116’とピン110とキャップ106との上向き移動が、段差面142’に対しての上部係合面143’の係合によって制限されるものとして図示されているけれども、上向き移動は、代替的に制限されてもよい。組み立てられたボタン170,116’とピン110とキャップ106との移動を制限するための1つの代替可能な機構は、組み立てられたボタン170,116’とピン110とキャップ106とが最大変位へと到達した時に、第1端部174を、下側リップ130の下端に対して実質的に面一とすることである。第1端部174の外径は、典型的な大人の指の幅と比較して、より小さいものであるように選択されてもよい。組み立てられたボタン170,116’とピン110とキャップ106との移動は、よって、第1端部174がリップ130の下端に対して面一となった時に達成されるものを、大幅には超えないこととなる。カプラ26’が結果的に開放位置とされた状態では、カートリッジ48または鋸ブレード28のいずれか一方は、カプラ26’の内部に配置されてもよい。
【0098】
ユーザは、指と親指との間などのように、カートリッジ鋸ブレード28’の本体34を把持するために、第2の手を使用してもよい。カートリッジ48は、第1外面64をキャップ106の底面164に対して鉛直方向に位置合わせすることにより、また、カートリッジ48をハンドピース24に対して長手方向に位置合わせすることにより、さらに、例示するならば、位置決め径方向表面44がピン110に対して係合するまで、または第2シェル58が隆起部分160に対して接触するまで、カートリッジ48をハンドピース24に向けて近位向きにスライドさせることにより、カプラ26’の内部に位置決めされてもよい。解放ボタン116’は、プロング137が開口40に対して位置合わせされ得るとともに開口40によって受け入れられ得るよう、カートリッジをわずかに横方向に揺らしながらゆっくりと解放されてもよい。ボタン116’をさらに徐々に降下させた際には、カートリッジは、ユーザによって揺動され続けることにより、プロング137に対しての駆動面36の係合が確保されてもよい。解放ボタン116’は、ユーザによって完全に解放され、ロックボタン170は、ロックスプリング180が印加している付勢力に応答して、第2ロック位置へと移動することができる。解放ボタン116’は、この時点では、
図19および
図20に示すように、第2保持位置とされており、ロックボタン170は、第2ロック位置とされている。解放ボタン116’が解除された状態では、スプリング118は、キャップ106の底面164を、駆動ロック部分150の上面154に対してカセット50をクランプする。
【0099】
カートリッジ48がそのように保持された状態では、鋸システム20’を使用することにより、材料を切断してもよい。モータに対して通電してもよく、これにより、ドライバ108を、所定角度の振動変位範囲内で、軸線102まわりに枢動させる。カセット50は、ブレードホイップを低減させ、切断対象をなす材料における切り口厚さを、実質的に切断歯46を横切る厚さへと制限する。鋸ブレード28’が切り口を形成し、ブレード28’が切り口へと入る際には、鋸の位置変化は、軸線方向力と曲げ力とのうちの一方を、またはそれら2つの組合せを、ブレード28’に対して印加してもよい。いずれか一方の力は、または両方の力は、キャップ106の底面164に対して、上向きの荷重をもたらすこととなる。抵抗されない場合には、そのような力は、キャップ106の底面164に対して作用してもよく、カートリッジ48が緩めることができ、可能であれば、カプラ26から分離させることができる。位置ロック部材168は、キャップ106のそのような変位を阻止し、有益である。
図19および
図20に示すように、特に
図20に示すように、第2スライダ196および196’は、ノッチ198および198’の上端に対して係合することにより、キャップ106の上向き変位に対して抵抗する。
【0100】
カートリッジ48は、上述したように、そして
図21~
図24に示すように、カプラ26’から選択的に解放されてもよい。ロックボタン170は、ユーザによって、
図21および
図22に示すロック解除位置へと、駆動される。その後、解放ボタン116’が、
図23および
図24に示す解放位置へと、駆動されてもよい。解放ボタン116’がユーザによって解放位置に保持された状態で、ユーザは、カートリッジ48をカプラ26’から引き出してもよい。ユーザは、ブレード28’がプロング137を超えることを確保するよう、第1外面64をキャップ106の底面164に対して押圧する必要があり得る。
【0101】
ブレード28は、同様にして、カプラ26’内に設置されてもよく、カプラ26’内に保持されてもよい。
図25および
図26は、ブレード28が設置された状態で、カプラ26’を示している。解放ボタン116’とロックボタン170との両方が、ユーザによって解除された状態では、解放ボタン116’は、第1保持位置とされており、ロックボタン170は、ロック位置とされている。解放ボタン116’が解放された状態では、スプリング118により、キャップ106の底面164は、駆動ロック部分150の係合面162に対してブレード28の近位部分30をクランプさせる。カートリッジ48の場合と同様に、鋸システム20’の使用では、ブレード28が、キャップ106に対して、キャップ106を係合面162から離間し得る向きに、これにより、ブレード28の望ましくない動きを可能とし得る向きに、力を印加するような状況が、存在し得る。位置ロック部材168は、キャップ106のそのような変位を阻止し、有益である。
図25および
図26に示すように、特に
図25に示すように、第1スライダ184および184’は、ノッチ186および186’の上端に対して係合することにより、キャップ106の上向き変位に対して抵抗する。
【0102】
ブレード28は、上述したように、そして
図27~
図28、
図23、および
図24に図示するように、カプラ26’から選択的に解放されてもよい。ロックボタン170は、ユーザによって、
図27および
図28に示すロック解除位置へと駆動される。その後、解放ボタン116’が、
図24および
図25に示す解放位置へと、駆動されてもよい。解放ボタン116’がユーザによって解放位置に保持された状態では、ユーザは、ブレード28を、カプラ26’から引き出してもよい。ユーザは、ブレード28がプロング137を超えることを確保するよう、近位部分30を、キャップ106の底面164に対して押圧する必要があり得る。
【0103】
上述した外科用鋸ブレードおよびカプラに関する代替可能な構成に向けられた条項は、以下の通りである。
I. 外科用鋸ブレード(28)および外科用鋸ブレードカートリッジ(48)のいずれかと係合するためのハンドピースカプラ(26)であって、
カプラは、
軸線(38,102)を中心とした枢動穴を規定しているハウジングヘッドと、
ハウジングヘッドに対して軸線方向に固定されているとともに、軸線(38,102)まわりに枢動可能であり、さらに、貫通して形成されていて軸線(38,102)を実質的に中心としたドライバ穴を規定している、ドライバ(108)であり、ドライバの第1面上に、軸線から径方向に離間した位置に、ブレード係合プロング(137)を含む、ドライバ(108)と、
ドライバ(108)と一緒に一体的に移動し得るよう、ドライバ(108)に対して固定されているとともに、軸線(38,102)を実質的に中心とした内壁面を有しており、さらに、ドライバの第2面から枢動穴内へと軸線方向に延在している、カップ(112)と、
ドライバ穴内におよびカップ(112)内にスライド可能に配置されていて、ドライバ穴およびカップの内部において、ドライバ穴およびカップに対して、選択的に軸線方向に変位可能とされている、ピン(110)と、
ピン(110)の第1端部に対して固定されているとともに、プロング(137)を径方向に超えて延在している、キャップ(106)と、
ユーザによる選択的な係合を可能とするよう、ピン(110)の第2端部に対して固定されているとともに、内部にロックキャビティ(172)を規定している、解放ボタン(116)であり、さらに、ロックキャビティ(172)と解放ボタン(116)の外表面とがこれらの間にボタン壁(176)を規定している、解放ボタン(116)と、
ドライバ(108)とピン(110)との間に配置されているとともに、ピン(110)を閉塞位置に向けて付勢している、カプラスプリング(118)と、
ロックキャビティ(172)内にスライド可能に配置されているとともに、内部に、2つのロック位置と、ロック解除位置と、を有している、ロックボタン(170)と、
を含む、外科用鋸ブレード(28)および外科用鋸ブレードカートリッジ(48)のいずれかと係合するためのハンドピースカプラ(26)。
II. ロックボタンは、位置ロック部材の一部を構成し、位置ロック部材は、ロックボタンとピンとの間に配置されたロックスプリングを、さらに含み、ロックスプリングは、ロックボタンをロック位置に向けて付勢している、条項Iに記載のハンドピースカプラ。
III. ロックボタンは、位置ロック部材の一部を構成し、位置ロック部材は、
第1スライダ(184)と、
第2スライダ(196)と、
をさらに含み、
解放ボタン(116)の内部には、
キャビティの開放第1端部と、
第1スライダ(184)をスライド可能に受け入れるとともに、軸線方向および周方向の第1位置のところで、ボタン壁を貫通している、第1スライダ開口(182)と、
第2スライダ(196)をスライド可能に受け入れるとともに、第1位置から軸線方向にオフセットしたかつ第1位置から周方向にオフセットした第2位置のところで、ボタン壁を貫通している、第2スライダ開口(194)と、
が形成されている、条項IIに記載のハンドピースカプラ。
IV. ロックボタンは、ロック位置では、ボタン壁の第1端部を超えて延在しているとともに、ロック解除位置では、ボタン壁の第1端部に対して実質的に面一である、条項IIIに記載のハンドピースカプラ。
V. 位置ロック部材は、スライダによる選択的な係合を可能とするよう、カップの内壁面におよびロックボタンの外表面に、複数のノッチをさらに含む、条項IIIまたはIVに記載のハンドピースカプラ。
VI. 複数のノッチは、
ロックボタンの外表面における第1ロックボタン受入れノッチ(190)と、
カップの内壁面における第1カップ受入れノッチ(186)と、
カップの内壁面における第2カップ受入れノッチ(198)と、
ロックボタンの外表面における第2ロックボタン受入れノッチ(200)と、
を含む、条項Vに記載のハンドピースカプラ。
VII. 第1スライダ(184)は、
解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第1スライダ開口(182)内に、少なくとも部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第1カップ受入れノッチ(186)内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ(190)内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
第2スライダは、
解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第2スライダ開口(194)内に、少なくとも部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ(198)内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが解放ボタンの第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ(200)内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが解放ボタンの第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されている、条項VIに記載のハンドピースカプラ。
VIII. 第1保持位置は、ダンパーカセットを含まないブレードがカプラによって受け入れられた時に、得られ、
第2保持位置は、ダンパーカセットを含むブレードカートリッジがカプラによって受け入れられた時に、得られる、条項VIIに記載のハンドピースカプラ。
IX. ロックボタンは、位置ロック部材の一部を構成し、位置ロック部材は、
類似した第1スライダ(184’)と、
類似した第2スライダ(196’)と、
をさらに含み、
解放ボタン(116)の内部には、
類似した第1スライダをスライド可能に受け入れるとともに、ボタン壁を貫通している、類似した第1スライダ開口と、
類似した第2スライダをスライド可能に受け入れるとともに、ボタン壁を貫通している、類似した第2スライダ開口と、
が形成されている、条項IIIに記載のハンドピースカプラ。
X. 位置ロック部材は、スライダによる選択的に係合を可能とするよう、カップの内壁面に、およびロックボタンの外表面に、複数のノッチをさらに含む、条項VIIIに記載のハンドピースカプラ。
XI. 複数のノッチは、
ロックボタンの外表面における、第1ロックボタン受入れノッチ、および、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチと、
カップの内壁面における、第1カップ受入れノッチ、および、鏡像をなす第1カップ受入れノッチと、
カップの内壁面における、第2カップ受入れノッチ、および、鏡像をなす第2カップ受入れノッチと、
ロックボタンの外表面における、第2ロックボタン受入れノッチ、および、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチと、
を含む、条項IXに記載のハンドピースカプラ。
XII. 第1スライダは、
解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第1スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第1カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
類似した第1スライダは、
解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、類似した第1スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第1カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第1ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
第2スライダは、
解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、第2スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが解放ボタンの第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが解放ボタンの第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
類似した第2スライダは、
解放ボタンおよびロックボタンのすべての位置で、解放ボタンと一緒に軸線方向に移動し得るよう、類似した第2スライダ開口内に、少なくとも部分的に配置されており、
解放ボタンが第1保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第1ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが解放ボタンの第1保持位置から第1解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが第2保持位置とされ、かつ、ロックボタンが第2ロック位置とされた状態では、鏡像をなす第2カップ受入れノッチ内に、部分的に配置されており、
解放ボタンが解放ボタンの第2保持位置から第2解放位置とされ、かつ、ロックボタンがロック解除位置とされた状態では、鏡像をなす第2ロックボタン受入れノッチ内に、部分的に配置されている、条項Xに記載のハンドピースカプラ。
XIII. 第1保持位置は、ダンパーカセットを含まないブレードがカプラによって受け入れられた時に、得られ、
第2保持位置は、ダンパーカセットを含むブレードカートリッジがカプラによって受け入れられた時に、得られる、条項XIに記載のハンドピースカプラ。
XIV. スライダは、実質的に剛体の球である、条項IIIからXIIIのいずれか1項に記載のハンドピースカプラ。
XV. 第1ロック位置は、ドライバから第1距離の分だけキャップを離間させた第1保持位置に、キャップを固定するように構成されており、
第2ロック位置は、ドライバから第2距離の分だけキャップを離間させた第2保持位置に、キャップを固定するように構成されている、条項IからXIVのいずれか1項に記載のハンドピースカプラ。
【0104】
図面では、同一の参照番号は、同一の構成要素を示している。さらに、これらの構成要素の一部または全部は、変更されてもよい。本明細書で説明する、媒体、プロセス、システム、方法、経験則、等に関して、このようなプロセスのステップ等は、ある規則的な順序に従って行われるものとして説明したけれども、このようなプロセスが、本明細書で説明した順序以外の順序で行われる各ステップを使用して実施され得ることは、理解されよう。さらに、いくつかのステップが同時に実行され得ること、他のステップが追加され得ること、または、本明細書で説明したいくつかのステップが省略され得ることは、理解されよう。言い換えれば、本明細書におけるプロセスの説明は、いくつかの例を例示する目的で提示されるものであり、決して特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【0105】
したがって、上記の説明が、例示的であって、制限的ではないことが意図されていることは、理解されよう。上記の説明を読めば、提示された例以外の多くの実施形態および多くの応用が、明らかとなるであろう。発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、代わりに、添付の請求項を参照して、ならびに、そのような請求項が権利を与える等価物の全範囲を参照して、決定されるべきである。本明細書で議論した技術が今後発展すること、ならびに、開示されたシステムおよび方法がそのような今後の実施形態に組み込まれることとなることが、予想されて、意図されている。要約すれば、本出願が、改変および変形され得るものであることは、理解されよう。
【0106】
本明細書で使用した際には、「実質的に」という副詞は、形状、構造、測定値、量、時間、等が、材料、機械加工、製造、データ伝送、計算速度、等の不完全性のために、正確に記述された、幾何形状、距離、測定値、量、時間、等から逸脱し得ることを意味している。
【0107】
特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、相反することが本明細書に明示的に示されない限り、本明細書で説明する技術の当業者が理解する通常の意味をもたらすことが意図されている。特に、「1つの(a)」、「その(the)」、「前記(said)」、等などの、単数形の冠詞の使用は、相反することが請求項に明示的に記載されない限り、示された構成要素の1つまたは複数を記載しているものとして、読まれるべきである。
【0108】
要約書は、読者が技術開示内容の特性を速やかに確認し得るように、提供されている。要約書は、請求項の範囲もしくは意味を解釈または制限するために使用されないとの理解に基づいて、提出されている。加えて、上記の発明の詳細な説明では、様々な特徴点が、開示を合理化する目的で、様々な実施形態においてグループ分けされていることを、理解することができる。この開示方法は、特許請求される実施形態が各請求項に明示的に記載されているものよりも多くの特徴点を必要とするという意図を反映するものとして、解釈されてはならない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明的主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴点と比較して、より少数の特徴点に存在する。よって、以下の請求項は、各請求項がそれ自体で個別に特許請求される主題として独立している状態で、本明細書において発明の詳細な説明の中に組み込まれる。
【国際調査報告】