(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】足関節全置換術器具、アセンブリおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/42 20060101AFI20230807BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61F2/42
A61B17/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502837
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 US2021042022
(87)【国際公開番号】W WO2022016082
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358121
【氏名又は名称】パラゴン28・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PARAGON 28, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【氏名又は名称】三宅 章子
(72)【発明者】
【氏名】リー,ダニエル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ドゲ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】マリック,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド,スパンキー
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA08
4C097BB01
4C097CC20
4C097SC10
4C160LL29
4C160LL70
(57)【要約】
本開示は、器具に関する。器具は、ロッドと結合されたハンドルと、その中央部分にロッドを受けるように構成された本体部とを備える。器具はまた、インプラントの1つ以上のコンポーネントと解放可能に結合するように構成された結合部を備える。ハンドルの作動により、ロッドを駆動して、第1のインプラントコンポーネントを第2のインプラントコンポーネントに対して作動させ、第1のインプラントコンポーネントを第2のインプラントコンポーネントに隣接して位置決めする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントシステムと、
器具と、を備え、
前記インプラントシステムは、脛骨コンポーネント、距骨コンポーネント、および中間コンポーネントを有し、
前記器具は、
ハンドル部、
前記脛骨コンポーネントと解放可能に結合するように構成された解放可能な結合機構を有するヘッド部、および
前記ハンドル部と前記ヘッド部との間に配置された本体部、を有する、システム。
【請求項2】
前記ヘッド部は、前記中間コンポーネントと解放可能に結合するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記脛骨コンポーネントが前記中間コンポーネントに対して上方に位置決めされるように、前記脛骨コンポーネントおよび前記中間コンポーネントが、前記器具の前記ヘッド部に同時に解放可能に結合することが可能である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記器具の前記ハンドル部は、グリップ部およびねじ付きロッドを備え、
前記ねじ付きロッドの少なくとも一部は、前記器具の前記本体部内に、前記本体部を通って延在している、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記器具の前記本体部は、前記ねじ付きロッドの少なくとも一部を受ける相補的なねじ山を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記グリップ部の操作によって、前記器具の長手軸に沿って前記ねじ付きロッドを作動させる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記長手軸に沿った前記ねじ付きロッドの作動によって、近位-遠位方向において、前記脛骨コンポーネントに対して前記中間コンポーネントを再位置決めする、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
ロッドに結合されたハンドルと、
第1の端部およびヘッド部を有する本体部と、
結合部と、を備え、
前記本体部は、前記本体部の中央部分において前記ロッドを受けるように構成され、
前記結合部は、インプラントシステムの1つ以上のコンポーネントと解放可能に結合するように構成されている、器具。
【請求項9】
前記ハンドルの作動によって、前記ロッドを動かして、第1のインプラントコンポーネントを第2のインプラントコンポーネントに対して作動させ、前記第1のインプラントコンポーネントを前記第2のインプラントコンポーネントに隣接して位置決めする、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記結合部は、前記インプラントシステムの前記1つ以上のコンポーネントのうちの少なくとも1つの少なくとも一部を係合するように構成された突出部を有する、請求項8に記載の器具。
【請求項11】
前記結合部は、前記インプラントシステムの前記1つ以上のコンポーネントのうちの少なくとも1つとの係合および解放を容易にするように構成されたアクチュエータを備える、請求項10に記載の器具。
【請求項12】
前記第1のインプラントコンポーネントは、足関節全置換インプラントのためのインサートである、請求項9に記載の器具。
【請求項13】
前記第2のインプラントコンポーネントは、足関節全置換インプラントのための脛骨トレイである、請求項9に記載の器具。
【請求項14】
前記ロッドは、前記ロッドの長さに沿って配置された第1のねじ山を有する、請求項8に記載の器具。
【請求項15】
前記本体部内に設けられた第2のねじ山をさらに有し、
前記第2のねじ山は前記第1のねじ山に相補的であり、かつ、前記第1のねじ山を受けており、
前記ハンドルの作動によって、前記第1のねじ山および前記第2のねじ山を介して、前記本体部を通る前記ロッドの並進が引き起こされる、請求項14に記載の器具。
【請求項16】
前記第1のインプラントコンポーネントは、前記第2のインプラントコンポーネントと解放可能に結合することが可能である、請求項9に記載の器具。
【請求項17】
前記結合部は、前記第1のインプラントコンポーネントが作動している間、前記第2のインプラントコンポーネントが固定位置に留まるように、前記第2のインプラントコンポーネントと解放可能に結合するように構成されている、請求項9に記載の器具。
【請求項18】
前記結合部は、キャッチおよびノッチを有する、請求項17に記載の器具。
【請求項19】
前記第2のインプラントコンポーネントは、前記第2のインプラントコンポーネントの一部で前記キャッチを受けるように、前記キャッチおよび前記ノッチに対して相補的な幾何形状を有する、請求項18に記載の器具。
【請求項20】
インプラントコンポーネントを位置決めする方法であって、
第1のインプラントコンポーネントの所望のサイズと、第2のインプラントコンポーネントの対応するサイズを選択し、
前記第1のインプラントコンポーネントおよび前記第2のインプラントコンポーネントを、挿入器具の遠位端と解放可能に結合し、前記第1のインプラントコンポーネントは、前記第2のインプラントコンポーネントに対して上方に配置され、
前記第2のインプラントコンポーネントを前記第1のインプラントコンポーネントに対して選択的に再位置決めし、
前記第1のインプラントコンポーネントおよび前記第2のインプラントコンポーネントを患者の脛骨に対して位置決めし、および、
前記第1のインプラントコンポーネントおよび前記第2のインプラントコンポーネントを前記挿入器具から分離する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本願は、2020年7月16日に出願された米国仮出願第62/705,801号(名称:足関節全置換術器具、アセンブリ、および使用方法)の35 USC§119(e)に基づく優先権を主張するものであり、この出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、軟組織インプラントシステム、器具、および関連する方法に関する。本開示は、軟組織および/または骨の修復に関連する足病学および整形外科のインプラントおよび外科手術に関連する。より具体的には、限定的ではないが、本開示は、軟組織と軟組織、軟組織と骨、および骨と骨を接合するための器具、インプラント、装置、システム、アセンブリ、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在入手可能な人工足関節全置換術用の多くの器具では、人工足関節全置換システムの1つ以上のコンポーネントを、ユーザが迅速かつ確実に配置(および/または位置決め、再位置決め、あるいは除去)することができない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、関節面の維持、矯正および/または再表面化(resurfacing)に使用するためのインプラント、装置および方法に向けられている。
【0005】
本開示の第1の態様は、システムである。このシステムは、脛骨コンポーネント、距骨コンポーネント、および中間コンポーネントを有するインプラントシステムを備える。システムはまた、器具を備える。器具は、ハンドル部、インプラントシステムの脛骨コンポーネントと解放可能に結合する解放可能な結合機構を有するヘッド部、および、ハンドル部とヘッド部との間に配置された本体部、を有する
【0006】
本開示の第1の態様によれば、ヘッド部は、中間コンポーネントと解放可能に結合するように構成されている。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、脛骨コンポーネントが中間コンポーネントに対して上方に位置決めされるように、脛骨コンポーネントおよび中間コンポーネントが、器具のヘッド部に同時に解放可能に結合することが可能である。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、ハンドル部は、グリップ部とねじ付きロッドとを備え、ねじ付きロッドの少なくとも一部は、インプラントの本体部内に、本体部を通って延在している。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、本体部は、ねじ付きロッドの少なくとも一部を受ける相補的なねじ山を有する。
【0010】
本開示の第1の態様によれば、グリップ部の操作によって、器具の長手軸に沿ってねじ付きロッドを作動させる。
【0011】
本開示の第1の態様によれば、長手軸に沿ったねじ付きロッドの作動によって、近位-遠位方向において、脛骨コンポーネントに対して中間コンポーネントを再位置決めする。
【0012】
本開示の第2の態様は、器具である。この器具は、ロッドと結合されたハンドルと、本体部と、を備える。本体部は、本体部の中央部分にロッドを受けるように構成されている。器具はまた、インプラントの1つ以上のコンポーネントと解放可能に結合するように構成された結合部を備える。
【0013】
本開示の第2の態様によれば、ハンドルの作動は、ロッドを駆動して、第1のインプラントコンポーネントを第2のインプラントコンポーネントに対して作動させ、第1のインプラントコンポーネントを第2のインプラントコンポーネントに隣接して位置決めする。
【0014】
本開示の第2の態様によれば、結合部は、インプラントの1つ以上のコンポーネントの少なくとも一部と係合するように構成された突出部を含む。
【0015】
本開示の第2の態様によれば、結合部は、突出部を介したインプラントの1つ以上のコンポーネントとの係合およびその解除を容易にするように構成されたアクチュエータを備える。
【0016】
本開示の第2の態様によれば、第1のインプラントコンポーネントは、足関節全置換インプラントのためのインサートである。
【0017】
本開示の第2の態様によれば、第2のインプラントコンポーネントは、足関節全置換インプラントのための脛骨トレイである。
【0018】
本開示の第2の態様によれば、ロッドは、ロッドの長さに沿って配置された第1のねじ山を含む。
【0019】
本開示の第2の態様によれば、器具は、本体内に配置された第2のねじ山を有し、第2のねじ山は、第1のねじ山に相補的であり、第1のねじ山を受けており、ハンドルの作動によって、第1のねじ山および第2のねじ山を介して、本体部を通るロッドの並進が引き起こされる。
【0020】
本開示の第2の態様によれば、第1のインプラントコンポーネントは、第2のインプラントコンポーネントに解放可能に結合することが可能である。
【0021】
本開示の第2の態様によれば、結合部は、第1のインプラントコンポーネントが作動している間、第2のインプラントコンポーネントが固定位置に留まるように、第2のインプラントコンポーネントと解放可能に結合するように構成されている。
【0022】
本開示の第2の態様によれば、結合部は、キャッチおよびノッチを有する。
【0023】
本開示の第2の態様によれば、第2のインプラントコンポーネントは、第2のインプラントコンポーネントの一部でキャッチを受けるように、キャッチおよびノッチに対して相補的な幾何形状を有する。
【0024】
本開示の第3の態様は、インプラントコンポーネントを位置決めする方法である。この方法は、第1のインプラントコンポーネントの所望のサイズと第2のインプラントコンポーネントの対応するサイズとを選択することと、第1のインプラントコンポーネントおよび第2のインプラントコンポーネントを挿入器具の遠位端に解放可能に結合することとを含み、第1のインプラントコンポーネントは、第2のインプラントコンポーネントに対して上方に配置される。この方法はまた、第2のインプラントコンポーネントを第1のインプラントコンポーネントに対して選択的に再位置決めすることと、第1のインプラントコンポーネントおよび第2のインプラントコンポーネントを患者の脛骨に対して位置決めすることと、第1のインプラントコンポーネントおよび第2のインプラントコンポーネントを挿入器具から分離することと、を含む。
【0025】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示し、本明細書の詳細な説明と合わせて、本発明の原理を説明するのに役立つ。当業界の標準的な慣行に従って、様々な形状は縮尺通りに描かれても描かれていなくてもよいことが強調される。実際、様々な形状の寸法は、議論を明確にするために任意に増加または減少させることができる。図面は、本開示の発明の実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための例示的な器具の側立面斜視図である。
【
図2】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図1の例示的な器具の側面斜視図である。
【
図3】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための例示的な器具の代替実施形態の別の側面斜視図である。
【
図4】は、本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図1の例示的な器具の別の側面図である。
【
図5】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図1の例示的な器具の側断面図である。
【
図6】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図1の例示的な器具の別の側断面図である。
【
図7】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図1の例示的な器具の端部の側断面図である。
【
図8】本開示による、代替コンポーネントを備えた、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図1の例示的な器具の側立面斜視図である。
【
図9】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図8の例示的な器具の端部の拡大側立面斜視図である。
【
図10】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図8の例示的な器具の端部の拡大上面図である。
【
図11】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図8の例示的な器具の端部の拡大側面図である。
【
図12】本開示による、インプラントシステムの埋め込みを容易にするための
図8の例示的な器具の端部の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
この詳細な説明および以下の請求項において、近位(proximal)、遠位(dismal)、前(anterior)または足底(plantar)、後(posterior)または背側(dorsal)、内側(medial)、横(lateral)、上(superior)、および下(inferior)という用語は、自然骨の相対的な配置または方向を示す用語に従って、骨またはインプラントの特定の部位または部分を示すためのそれらの標準的な使用法によって定義される。例えば、「近位」は、装置またはインプラントのうち胴体に最も近い部分を意味し、「遠位」は、装置またはインプラントのうち胴体から最も遠い部分を示す。方向を示す用語としては、「前」は身体の前側に向かう方向、「後」は身体の後側に向かう方向、「内側」は身体の正中線に向かう方向、「横」は身体の側面に向かう方向または身体の正中線から離れる方向、「上」は他の物体または構造物の上に向かう方向、「下」は他の物体または構造物の下に向かう方向であることを意味している。さらに、足に関して具体的に言うと、「背側」とは足の甲を指し、「足底」とは足の裏を指す。
【0028】
同様に、本明細書では、位置または方向は、解剖学的構造または表面を参照して使用され得る。例えば、本明細書において、本インプラント、装置、器具、および方法は、足の骨での使用に関して記載されているので、足、足首、および下腿の骨を使用して、インプラント、装置、器具、および方法の表面、位置、方向または方位を記載することができる。さらに、本明細書に開示されるインプラント、装置、器具、および方法、ならびにその態様、コンポーネント、特徴などは、簡潔にするために、身体の片側に関して記載されている。しかしながら、人間の身体は、対称線(正中線)に関して比較的対称であるか、または鏡像となっているので、本明細書に記載および/または図示されるインプラント、装置、器具、および方法、ならびにそれらの態様、コンポーネント、特徴などは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同じまたは類似の目的のために身体の反対側で使用する、または身体の反対側に関連付けるために、変更、変化、修正、再構成またはその他の方法で変更が可能であることが明示的に意図されている。例えば、右足に関して本明細書に記載されたインプラント、装置、器具、および方法、ならびにそれらの態様、コンポーネント、特徴などは、左足で同様に機能するように反転されてもよい。さらに、本明細書に開示されるインプラント、装置、器具、および方法、ならびにそれらの態様、コンポーネント、特徴などは、簡潔のために足に関して説明されるが、インプラント、装置、器具、および方法は、類似の構造を有する身体の他の骨にも使用され得ることを理解されたい。
【0029】
本開示の関節面を維持、矯正、および/または再表面化するための器具、インプラント、システム、アセンブリ、および関連方法は、以下の文献に開示されたインプラント、システム、アセンブリ、および関連方法と、その少なくとも1つの特徴または態様を含むなど、類似していてもよい。これらの文献の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。これらの文献には、以下が含まれる。
国際PCT出願番号PCT/US2019/29009、2019年4月24日出願、名称:インプラントおよび使用方法およびアセンブリ、
国際PCT出願番号PCT/US2019/64741、2019年12月12日出願、名称:インプラントシステムおよび使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66336、2019年12月13日出願、名称:患者固有の器具および使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66408、2019年12月13日出願、名称:人工関節置換アライメントガイド、システムならびに使用および組み立て方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66149、2019年12月13日出願、アライメント器具および足関節全置換術における使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66393、2019年12月13日出願、名称:人工関節置換アライメントガイド、システム、ならびに使用および組み立て方法、
米国仮特許出願第62/898,615号、2019年9月11日出願、名称:切除ガイド、スイープリーマー、および足関節全置換術における使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66398、2019年12月13日出願、名称:取り外し可能なパドルを有するディストラクター、インパクション装置、および足関節全置換術における使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/65025、2019年12月6日出願、名称:試験用インサートアセンブリ、
米国仮特許出願第62/899,460号、2019年9月12日出願、名称:足関節全置換術法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66404、2019年12月13日出願、名称:足関節全置換術のための器具、ガイドおよび関連方法。
同様に、本開示の関節面を維持、矯正、および/または再表面化するための器具、インプラント、システム、アセンブリ、および関連方法は、以下の文献に開示された1以上の器具(例えば、1以上の挿入器具および/または移植器具)を含むことができる。これらの文献の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。これらの文献には、以下が含まれる。
国際PCT出願番号PCT/US2019/29009、2019年4月24日出願、名称:インプラントおよび使用方法およびアセンブリ、
国際PCT出願番号PCT/US2019/64741、2019年12月12日出願、名称:インプラントシステムおよび使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66336、2019年12月13日出願、名称:患者固有の器具および使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66408、2019年12月13日出願、名称:人工関節置換アライメントガイド、システムならびに使用および組み立て方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66149、2019年12月13日出願、アライメント器具および足関節全置換術における使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66393、2019年12月13日出願、名称:人工関節置換アライメントガイド、システム、ならびに使用および組み立て方法、
米国仮特許出願第62/898,615号、2019年9月11日出願、名称:切除ガイド、スイープリーマー、および足関節全置換術における使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66398、2019年12月13日出願、名称:取り外し可能なパドルを有するディストラクター、インパクション装置、および足関節全置換術における使用方法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/65025、2019年12月6日出願、名称:試験用インサートアセンブリ、
米国仮特許出願第62/899,460号、2019年9月12日出願、名称:足関節全置換術法、
国際PCT出願番号PCT/US2019/66404、2019年12月13日出願、名称:足関節全置換術のための器具、ガイドおよび関連方法。
【0030】
図面を参照すると、いくつかの図を通して、同様のまたは類似のコンポーネントを示すために同じ参照符号が使用される。特に
図1~
図6を参照すると、1つ以上の関節面に隣接して(例えば、2つの関節面の間、1つ以上の関節面と接触するように等)装置、インプラントまたはその一部を位置決めおよび/または再位置決めするための器具100(例えば、インサータ、挿入器具など)の例示的な実施形態が示されている。
【0031】
図1~
図7は、本開示による、足関節全置換処置で使用されるシステムの1つ以上のコンポーネントを配置、位置決め、または再位置決めするための、インサータ100として示される例示的な器具を示す。インサータ100は、足関節全置換術において使用される装置、インプラント、および/またはシステムの一部を患者の1つ以上の関節面に隣接して位置決めし、配置するものである。
【0032】
図1~
図6に示すように、インサータ100は、ハンドル部102と、本体部104と、ヘッド部110とを備える。ハンドル部102は、ロッド105と結合された状態で示されており、ロッド103は、本体部104の第1部分108の中に延在している。ハンドル102は、ハンドル102から外側に延在するように構成されたグリップ部109を備える。いくつかの態様において、グリップ部109は、足関節全置換処置の少なくとも一部を実施する際に1つ以上の器具と接触(interface)するように構成されてもよい。グリップ部109はまた、足関節全置換処置の少なくとも一部を実施する際に、医師によって握られおよび/または操作されるように構成されてもよい。図示されるように、グリップ部109は、互いに約90度オフセットしている複数の突出部を有する。代替の態様では、グリップ部109は、図示された4つの突出部よりも多いかまたは少ない突出部を有してもよく、突出部はハンドル102周りに様々に配置されてよい(例えば、グリップ部109は、互いに等しい間隔を空けていてもよく、または互いに不均等な間隔を空けていてもよい)。いくつかの態様において、ハンドル102は、
図1に示されるものに対して追加的および/または代替的な幾何形状を含んでもよい。例えば、ハンドル102は、ハンドル102の中央部分に配置された開口部を有するハンドル102の全体の周りに延びる連続的な突出部を含んでもよい(例えば、
図3に示されるように)。いくつかの態様において、インサータは、ロッド105と解放可能に結合することができる複数のハンドルを有してもよい。これによって、複数の医師および/または他の器具と接触するための異なるグリップ部109が提供され得る。インサータ100の代替的な態様では、ハンドル102およびそのグリップ部109は、ロッド105と一体化されていてもよい。
【0033】
ハンドル102はロッド103と結合された状態で示されており、ロッド103はさらにインサータ100の本体部104と結合されている。ロッド103は、本体部104の第1の端部108における開口部106によって受けられる。開口部106の幾何形状は、ロッド103の幾何形状と相補的である。例えば、図示されているロッド103は、実質的に円筒形の幾何形状を有し、開口部106は、実質的に円形/円筒形である。ロッド103は、ロッド103の長さに沿って配置されたねじ山105を有し、ねじ山105は、本体部104の1つ以上のコンポーネントと接触する(かみ合う)ように構成されている。いくつかの態様において、開口部106は、内部にねじ山105と相補的なねじ山を有し、これにより、ロッド103が開口部106の中心軸に沿って並進(平行移動)することができるように、ロッド103のねじ山105を受けることができる。いくつかの態様において、ねじ山105は、本体部104の代わりのコンポーネントによって受けられてもよい。例えば、本体部104のヘッド部110は、ロッド103のねじ山105の少なくとも一部を受けるように構成された相補的なねじ山を有してもよい。いくつかの態様において、ユーザ(例えば、医師)によるハンドル102の操作(例えば、ねじ付きロッド103をねじる/回転させる、プランジャを押すなど)によって、ねじ山105が1つ以上の相補的な幾何形状(例えば、開口部106の反対のねじ山など)と接触してロッド103を並進させ、インサータ100の1つ以上のコンポーネント、例えばヘッド部110のコンポーネントなどをさらに作動させてもよい。さらに、ハンドル102の操作(例えば、回転、それによってロッド103を並進させる)によって、足関節全置換術で使用されるインプラント200の1つ以上のコンポーネントを並進させてもよい。例えば、インサータ100のハンドル102を回転させることで、インプラント200の1つ以上のコンポーネントをインサータ100の本体部104に向かって、または本体部104から遠ざけるように並進させ、これによって、コンポーネントを配置、位置決め、再位置決め、結合、または操作することができる。いくつかの態様において、ロッド103は、1つ以上の予め定められた位置の間で並進可能であってよく、この位置は、ハンドル102とヘッド部110の間(例えば、インサータ100の本体部104に沿った様々な箇所)に配置される。さらに、予め定められた位置は、ロッド103が1つまたは1つ以上の予め定められた位置に保持され得るように、ロック要素を有してもよい。
【0034】
本体部104は、第1の端部108とヘッド部110との間に配置された中央部107を含む。中央部107は、中央部107の長さに沿って、
図1に示すような1つ以上の開口部を有してもよい。いくつかの態様において、中央部107の開口部は、ロッド103が本体部104を通って並進する際に、ユーザがロッド103を見ることができるように構成されてもよい。この並進は、ハンドル102の回転によって駆動され、この並進によって、ロッド103のねじ山105が本体部104の1つ以上のコンポーネント(例えば、開口部106および/またはヘッド部110の相補的なねじ山など)と接触する。いくつかの態様において、中央部107は、本体部104の1つ以上の側面に配置された開口部を有してもよいが、開口部のない1つ以上の側面も有してもよい。例えば、一態様では、中央部107は、インサータ100の本体部104の横方向の側面のみに配置された1つ以上の開口部を有してもよい。逆に、追加の態様では、中央部107は、インサータの本体部104の上面および/または下面のみに配置された1つ以上の開口部を有してもよい(例えば、
図3に示されるように)。いくつかの態様において、中央部107は、ユーザおよび/またはインサータ100と組み合わせて実装される器具に適応するように構成された、中央部107からの1つ以上の横方向への突出部(例えば、開口部106に隣接する)を有してもよい。
【0035】
インサータのヘッド部110は、足関節全置換処置で使用されるインプラント200(
図4~
図6参照)の1つ以上のコンポーネントと接触する(interface)ように構成されている(例えば、接触に適応するように相補的な/配置された幾何形状を有している)。さらに、ヘッド部110は、その上面に配置されたロック機構112を備えるように示されており、ロック機構112は、ユーザによって、ロック位置とロック解除位置との間で並進可能である。少なくとも
図1~
図2に示されるようないくつかの態様において、ロック機構112は、スロット113内おいて、ロック位置とロック解除位置との間で並進され得る。例えば、ロック機構112は、ロック機構112が本体の中央部107に最も近いスロット113の端部に位置するとき、ロック解除位置にあり、ロック機構112が中央部107から最も遠いスロット113の端部に位置するとき、ロック位置にあり得る。ロック機構112をロック位置からロック解除位置に(およびその逆)並進させることで、ユーザは、インプラント200の1つ以上のコンポーネントを解放可能に結合および分離する器具100を準備することができる。
【0036】
ロック機構112が、
図2に示されるようなロック解除位置にあるとき、ロック機構112は圧縮されて、足関節全置換システムの1つ以上の他のコンポーネントを解放し(例えば、器具から分離、切り離し)てもよい。
図1~
図2の例示的な実施形態に示されるように、ヘッド部110の上面は、指示(instructions)111を含んでもよい。指示111は、ロック位置およびロック解除位置/方向を特定するテキストおよび/または方向表示(方向インジケータ)、並びにインプラント200および/またはそのコンポーネントと結合/解除するためのロック機構112の圧縮に関する指示を提供してもよい。インプラント200のコンポーネントのこのような結合および分離により、ユーザは、足関節全置換処置を行う際に、関節内または1つ以上の関節面に隣接して、インプラント200のコンポーネントを配置、位置決め、および再位置決めすることができる。代替の実施形態では、ロック機構112は、
図1~
図2に示されるようなスライド式ロック機構112に加えて、またはその代わりに、他のロック機構を備えてもよい。例えば、
図3に示すように、ロック機構112は、ボルトアクションラッチ機能(bolt action latching feature)を有してもよい。ボルトアクションラッチ機能は、ロック機構112とヘッド部110との組み合わせによってロッド103の並進(およびそれに続くインプラント200のコンポーネントなどの任意の他のコンポーネントの移動)が物理的に妨げられるように、ロック機構112の一部をユーザが操作することができるように構成されている。
【0037】
ヘッド部110は、ヘッド部110の上部から延在する突出部114を有するように示されている。突出部114は、ハンドル102と実質的に対向する方向に延在している。突出部114は、インプラント200の1つ以上のコンポーネントと相補的な幾何形状を有するように構成され、これによって、インプラント200のコンポーネントは器具100の突出部114と解放可能に結合することができる。
図4~
図5に示すように、突出部114は、この突出部114からハンドル102と実質的に反対方向に延在する突出部116を有する(例えば、突出部116は、突出部114がヘッド部110から延在しているのと実質的に同じ方向に突出部114から延在している)。突出部116は、突出部114と反対側の端部に配置されたキャッチ118を有する。キャッチは、凹部119を画定している。凹部119は、インプラント200およびそのコンポーネントとの結合と、インプラント200およびそのコンポーネントの位置決め/再位置決めとを容易にするように構成されている。
【0038】
図4~
図6を参照すると、インサート202(例えば、インプラント200のコンポーネント)が、突出部114の底面に隣接して位置決めされるように示されている。いくつかの態様において、インサート202は、突出部114と解放可能に結合されてもよいし、または突出部114と接触(interface)してもよい。例えば、インサート202は、少なくともハンドル102の概略方向にインサート202が移動しないように、ヘッド部110および/またはヘッド部110の突出部114の1つ以上の表面に接してもよい。いくつかの態様において、インサート202は、インサート202の下側で関節面またはインプラント200の別の部分(例えば、距骨のコンポーネント)に隣接し、インサート202の上側で突出部114の底面と接触するように位置決めされてもよい。
【0039】
キャッチ118およびその凹部119を有する突出部116は、
図4~
図6に示すように、脛骨トレイ204と結合するように構成されている。脛骨トレイ204は、キャッチ118および凹部119を介してヘッド部110(および突出部116)と結合するように構成されている。
図7に示すように、キャッチ118およびキャッチ118によって画定される凹部119は、脛骨トレイ204の相補的な幾何形状と解放可能に結合するように構成されている。例えば、キャッチ118は、脛骨トレイ204に配置された相補的な凹部と接触し、その凹部によって受けられてもよく、一方、脛骨トレイ204は、同時に、キャッチ118によって画定された凹部119と接触し、凹部119によって受けられるように構成されたキャッチを有してもよい。
図7にさらに示されるように、突出部116(キャッチ118および凹部119を有する)は、脛骨トレイ204がインプラントに挿入されるときに、脛骨トレイ204の動きを防止するように、負角部(a negative angle)を有している。突出部116の負角部は、突出部116の上面に構成され、水平線と同一(例えば、水平線と平行)であってもよいし、水平より下方の角度(例えば、負角)をなすように延在していてもよい。従って、突出部116によって形成される負角部は、突出部114の隣接部分と90度以上の角度も形成する。いくつかの態様において、突出部116は、脛骨トレイ204および/またはインプラント200の他のコンポーネントの様々な異なる態様を固定化し保持するように、水平線より下方に90度までの負角部を有してもよい。
【0040】
図4~
図5に示すように、脛骨トレイ204は、(突出部116、キャッチ118、凹部119を介して)インサータ100に結合されてもよい。同時にインサート202は、ヘッド部110の下面の下に位置決めされている(例えば、インサート202の上面がヘッド部110の下面の少なくとも一部に隣接している)。ユーザは、ロッド103が本体部104の中央部を通ってヘッド部110に向かって並進するように、ハンドル102を作動させてもよい(例えば、ねじる、回転させる、本体部104に向かって押す等)。本体部104を通るロッド103の並進によって、本体部104の開口部106と反対の概略方向に、接触またはその他の方法でインサート202を並進させてもよく、これによって、インサート202の少なくとも一部が脛骨トレイ204の少なくとも一部に対して隣接する、および/または真下(直接下)に位置することができる。インサート202が並進すると、インサート202は、脛骨トレイ204(例えば、脛骨トレイ204は、脛骨トレイ204の前部で突出部116、キャッチ118および凹部119に結合されている)に対して前方から後方に移動する。したがって、インサート202は、脛骨トレイ204の前部の下に(例えば、下方に)配置され、その後、インサート202がロッド103によって並進されると、脛骨トレイ204の後部の下に配置される。いくつかの態様において、インサート202の上面は、脛骨トレイ204の下面に接し、係合してもよい。インサート202および/または脛骨トレイ204は、2つのコンポーネントの接触(interface)を容易にするために1つ以上のコンポーネント(例えば、相補的な幾何形状、係合形状(engagement features)など)を備えてもよい。例えば、脛骨トレイ204は、インサート202の1つ以上の細長い溝を受け、適応させ(accommodate)、保持する(またはその逆)ように構成された1つ以上の溝を有してもよい。
【0041】
インサート202が並進するとき、脛骨トレイ204は、インサータ100と解放可能に結合された状態を保持するように構成されている。突出部116、キャッチ118、および凹部119は、ハンドル102の作動(ロッド103の駆動)によってインサート202が並進する間、脛骨トレイ204が設定位置に保持されるように、脛骨トレイ204と接触して結合するよう構成されている。例えば、インサート202が開口部106と実質的に反対方向に並進する際に、インサート202の上面は脛骨トレイ204に接触していてもよい。インサート202と脛骨トレイ204とがこのように接触していると、インサート202の並進と実質的に同じまたは類似の方向(例えば、開口部106と反対方向)に脛骨トレイ204に力が付与され得る。しかしながら、脛骨トレイ204は、突出部116、キャッチ118、および凹部119によって保持されているので、インサート202は脛骨トレイ204に対して所望のように位置決めされ得る。いくつかの態様では、脛骨トレイ204およびインサート202は、接触し、かつ、解放可能な結合を容易にするように構成された相補的な幾何形状を有してもよい。したがって、脛骨トレイ204は、突出部116、キャッチ118、および凹部119によって保持されているので、脛骨トレイ204が設定位置に留まったままで、幾何形状および/または他の結合形状が接触し、インサート202が脛骨トレイ204に対して所望のように位置決めされてもよい。
【0042】
図6を参照すると、ハンドル102の作動を介したロッド103の並進は、特定の運動範囲に規定されてもよい。例えば、ロッド103は、ハンドル102と本体部104(開口部106に隣接する部分)とが接すると、インサート202が脛骨トレイ204の真下の所望の位置になるような長さを有するように構成されていてもよい。さらに、脛骨トレイ204および/またはインサート202は、これらの2つのコンポーネント間の解放可能な結合部に適応する形状を有してもよく、結合部は、ロッド103のさらなる並進を防止するように構成された1以上の幾何形状/コンポーネントを有してもよい。
図6に示されるように、インサート202が脛骨トレイ204の真上に位置決めされると、これらの2つのコンポーネントは、インサータ100を使用して準備された関節腔に挿入されてもよい。いくつかの態様において、脛骨トレイ204およびインサート202は、足関節全置換処置を行う際に、インプラント200の他のコンポーネントおよび/または患者の関節と接触/結合するように操作されてもよい。いくつかの態様では、脛骨トレイ204および/またはインサート202は、患者への埋め込み、または足関節全置換処置において実施される他の装置/器具との結合の前に、インサータ100から分離されてもよい。いくつかの態様では、脛骨トレイ204は、インサータ100を使用して準備された脛骨表面に隣接して位置決めされてもよく、関節腔内の所望の位置が達成されたときに、脛骨トレイ204および/またはインサート202は同時にインサータから分離される。
【0043】
脛骨トレイ204および/またはインサート202をインサータ100から解放する際に、ユーザ/医師は、インサータの1つ以上の表面に設けられた指示111を参照することができる。
図1に示すように、指示111は、ロック機構112に隣接するヘッド部110の上面に配置されている。
図1に示される態様に対してさらに、指示111は、脛骨トレイ204(インサート202と結合されてもよい)が、ロック機構112に下向きの圧力を加えることによってインサータ100から解放され得ることを示してもよい。したがって、脛骨トレイ204およびインサート202の所望の配置が達成されたとき、医師は、ロック機構112を押し下げることによって、脛骨トレイ204および/またはインサート202を器具から解放(例えば、分離)することができる。一旦解放されると、ハンドル102およびロッド103は、前にインサート202を作動させたときとは反対の方法でハンドルを作動させることによって(例えば、反対方向に回転させる、押された方向と反対の方向にプランジャを後退させるなど)、
図1に示されるような位置に戻され得る。
【0044】
ここで
図8~
図12を参照すると、インサータ100は、
図1~
図7の実施形態に示されるものと類似の構成で示されているが、代替のコンポーネントを含んでもよい。いくつかの態様において、
図8~
図12のインサータ100は、
図1~
図7のインサータ100と同一または類似の1つ以上のコンポーネント、例示する目的のみでは、ハンドル部102、本体部104、およびヘッド部110(およびそれらのコンポーネント)、を備えてもよい。インサータ100は、突出部216を備えるように示されている。突出部216は、ヘッド部110の遠位部分に配置され、ヘッド部110から遠位に延在している。図示されるように、突出部216は、本明細書で先に示され説明されたような突出部116と同じおよび/または類似の位置に位置付けられている。突出部216は、突出部116と同一および/または類似であってもよい剛性部材に隣接して(または、
図9に示すように、例えば剛性部材の上方/背側に)位置付けられたピンまたは他の弾性部材を有してもよい。突出部216は、足関節形成システムの脛骨トレイ、例えば、先に示し説明したようなインプラント200の脛骨トレイ204と解放可能に結合するように構成されている(ただし、突出部216は、1つ以上の足関節形成システムの他のコンポーネントと解放可能に結合することを容易にすることもできる)。例えば、脛骨トレイ204は、突出部216が脛骨トレイ204と解放可能に結合し得るように、突出部216(弾性部材および/または剛性部材を含んでもよい)の少なくとも一部を受けるように構成されたくぼみ(例えば、ボア、凹部、開口など)を有してもよい。
【0045】
インサータ100は、脛骨トレイ204が突出部216と解放可能に結合されたときに脛骨トレイ204を保持するように、先に示し説明したようなロック機構112(例えば、保持機構、作動可能かつ解放可能な結合機構など)と同じおよび/または類似のロック機構を備えてもよい。例えば、ロック機構112は、インサータ100の1つ以上のコンポーネントを作動させる1つ以上のアクチュエータ(例えば、ボタンなど)を有してもよい。ロック機構112は、例えば、脛骨トレイ204の解放可能な結合および/または分離を容易にするように、突出部216の弾性部材を剛性部材に対して操作してもよい。インプラント200を埋め込むとき、医師は、突出部216を介して脛骨トレイ204をインサータ100に解放可能に結合し(同時にまたはそれ以外で、他のインプラントコンポーネントをインサータ100に解放可能に結合してもよい)、脛骨トレイ204を所望のように位置決めし、ロック機構112を作動させて脛骨トレイ204を突出部216から解放し、これにより、脛骨トレイ204を所望の位置に配置することができる。ロック機構112の操作により、突出部216の少なくとも一部(例えば、剛性部材に対する弾性部材)を押し下げ、伸ばし、引き出し、または他の方法で作動させてもよく、これによって、脛骨トレイ204の解放可能な結合を開始させ、および/または、脛骨トレイ204のインサータ100からの分離を開始させることができる。脛骨トレイ204を所望のように位置決めする際に、医師は、インサータ100の1つ以上の他の部分、例えば、グリップ部109を操作して、ロッド105および/または103の少なくとも一部を作動させてもよい。これにより、インサータ100の長手軸に沿って脛骨トレイ204を並進させることができる。
【0046】
図1~
図12のうちの1つ以上に示されるようなインサータ100のコンポーネント、特徴、および他の態様は、本明細書に示され説明される1つ以上の実施形態の間で交換可能であり得ることに留意されたい。すなわち、例えば、
図1に示されるようなインサータ100は、
図8~
図12に示され説明されるような特徴および/またはコンポーネントのうちの1つ以上を含むように変更されてもよい。さらに、本明細書に示され、説明されるようなインサータ100は、例えば、本明細書に参照により組み込まれる全足関節形成システムを備えることができるインプラントシステムの1つ以上のコンポーネントに適応するように変更されてもよい。
【0047】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載するためだけであり、本開示を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が明示的にそれ以外を示していない限り、複数形をも含むことが意図される。用語「備える、含む」(「comprise」、「comprises」、「comprising」等のcompriseの任意の形)、「有する」(「have」、「has」、「having」等のhaveの任意の形)、「含む」(「include」、「includes」、「including」等のincludeの任意の形)、「含有する」(「contain」、「contains」、「containing」等のcontainの任意の形)は、オープンエンドの関連付け動詞であることが理解されよう。その結果、1つ以上のステップまたは要素を「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法または装置は、これらの1つ以上のステップまたは要素を所有するが、これらの1つ以上のステップまたは要素だけを所有することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、または「含有する」方法のステップまたは装置の要素は、これらの1つ以上の特徴を所有するが、これらの1つ以上の特徴だけを所有することに限定されない。さらに、特定の方法で構成される装置または構造は、少なくともその方法で構成されるが、列挙されていない方法でも構成されてもよい。
【0048】
好ましい実施形態を参照して本開示を説明した。ここで説明した構造的および動作的な実施形態は、同じ一般的な特徴、特性および一般的なシステム動作を提供するための複数の可能な構成の例示であることは理解されよう。先の詳細な説明を読解し理解すると、他のものに対して修正および変更が生じることになる。本開示は、こうした修正および変更の全てを含むものとして解釈されることが意図される。
【国際調査報告】