(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】C-ヌクレオシド化合物の合成方法
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20230807BHJP
A61K 31/53 20060101ALN20230807BHJP
【FI】
C07D487/04 140
A61K31/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503016
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 CN2021106520
(87)【国際公開番号】W WO2022012630
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】202010692306.3
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517105445
【氏名又は名称】スーチュワン ユニバーシティ
(71)【出願人】
【識別番号】519255447
【氏名又は名称】アカデミー オブ ミリタリー メディカル サイエンシズ
(71)【出願人】
【識別番号】523015415
【氏名又は名称】チョントゥー アウポン ファーマシューティカルズ カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100227592
【氏名又は名称】孔 詩麒
(72)【発明者】
【氏名】チン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ウー
(72)【発明者】
【氏名】シュエ フェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ シアオユイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユイ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ シアオハン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ポー
(72)【発明者】
【氏名】ワン コー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン リーカイ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ルイチエ
(72)【発明者】
【氏名】シアオ ヤーシン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ファンリン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ミンチエ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】チョン チーピン
(72)【発明者】
【氏名】リー ソン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC07
4C050EE03
4C050FF10
4C050GG04
4C050HH02
4C086AA04
4C086CB05
4C086NA20
4C086ZB33
(57)【要約】
式(III)で表されるC-ヌクレオシド化合物又はその塩の製造方法を開示する。本方法は、反応収率が高く、操作が簡単であり、単一の金属試薬を使用し、安定した反応温度条件を有し、操作プロセス中に反応系に頻繁な変更を必要とせず、スケールアップ合成に適しており、レムデシビルの大規模製造に適しており、低コストである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物又はその塩の製造方法であって、
該方法が、
a)式IIで表される化合物を提供すること、
b)溶媒中、式4で表される第二級アミン、金属リチウム試薬及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンの存在下に、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
【化1】
を含み、
式1で表される化合物において、Xはハロゲンであり、
式4で表される第二級アミンにおいて、各Rは、独立して、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になって置換又は非置換ピペリジン又はピロリジン(例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)を形成し、
式II又は式IIIで表される化合物において、R
a、R
b及びR
cは、それぞれ独立して、メチル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル(PBM)、トリチル(Tr)、tert-ブチル又はアリルであり、
式IIIで表される化合物において、
【化2】
は、構造式が化合物のα立体配置もしくはβ立体配置、又は、α立体配置とβ立体配置の任意の比率の混合物を表すことができることを示す、
方法。
【請求項2】
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくは臭素原子である、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項3】
各Rが、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になってピペリジン、ピロリジン又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを形成し、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロプロピルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンであり、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンであり、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンであり、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン又はジブチルアミンである、
請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項4】
R
a、R
b及びR
cが、それぞれ独立してベンジル基(Bn)である、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項5】
前記溶媒が、有機溶媒、例えばテトラヒドロフランである、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項6】
前記金属リチウム試薬が、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、リチウムトリエチルボロヒドリド、 リチウムボロヒドリド、リチウムアミド又はリチウムヒドリドであり、好ましくはn-ブチルリチウムである、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項7】
工程b)が、
b1) 式1で表される化合物及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを溶媒に溶解し、式4で表される第二級アミンを加えて混合物を得ること、
b2) b1)で得られた混合物に金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を順次に加え、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させて、式IIIで表される化合物を得ること
を含む、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項8】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを反応させる際に、式1で表される化合物の初期濃度が、0.06~0.3モル/L、例えば、0.08モル/L、0.1モル/L、0.15モル/L、0.18モル/L、0.2モル/L、0.25モル/Lである、請求項1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項9】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを、0℃~-80℃(例えば、0℃~-78℃)の温度で反応させる、請求項1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項10】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物との供給モル比が、1:1.5~3であり、
好ましくは、式1で表される化合物とリチウム金属試薬との供給モル比は1:3.5~4.5であり、
好ましくは、式1で表される化合物と1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンとの供給モル比は1:1~1.5であり、
好ましくは、式1で表される化合物と式4で表される第二級アミンとの供給モル比は、1:1~1.5である、
請求項1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項11】
工程b)が、無水及び無酸素の条件下で実施され、
好ましくは、前記金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を、b1)で得られた混合物に、0℃~-80℃(例えば、0℃~-78℃)の温度で順次に加える、
請求項1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項12】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物との反応が、
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを使用することにより、ビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【化3】
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(ここで、MはLiである)で表される化合物を生成すること、
式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含む、
請求項1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項13】
C-ヌクレオシド化合物の製造方法であって、
1)溶媒中、式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを用いてビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【化4】
2)式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(MはLiである)で表される化合物を生成すること、
3)式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含み、
ここで、前記溶媒、X、R、R
a、R
b、R
c、
【化5】
の定義、ならびに、反応条件及び供給比は、請求項1~11のいずれか1項記載のとおりである、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月17日に出願された中国出願第202010692306.3号明細書に基づき、その優先権を主張し、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
技術分野
本出願は、医薬品合成の分野に関し、具体的には、レムデシビルのキラル中間体C-ヌクレオシド化合物を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
ヌクレオシド類似体はウイルスに対してユニークな効果があり、ファビピラビル、ブリンシドフォビル及びガリデシビルなどの様々な小分子ヌクレオシド類似体は、臨床段階である程度の抗ウイルス活性があることがわかっている。ギリアドは多数のヌクレオシド類似体をスクリーニングし、レムデシビルがエボラウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、コロナウイルス、ニパウイルス及びヘンドラウイルスなどに対して優れた阻害活性を示し、また、コロナウイルスSARS-CoV-2に対しても高い抗ウイルス活性を示すことを発見した。現在、SARS-CoV-2ウイルス感染症の治療に関する第III相臨床試験は、中国、ヨーロッパ及び米国で実施されている。レムデシビルの合成に関する既存の報告において、7-ハロゲン化ピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(1)及びその類似体及びD-リボノラクトン(2)は出発材料であり、そして、付加反応によりC-ヌクレオシド化合物(3)を得て、次いで、さらなる誘導体化によりレムデシビルを調製する。レムデシビルの合成が難しいため、この薬物のさらなる臨床応用研究は深刻に制限されている。
【0004】
【0005】
医薬品の合成では、医薬品製造の全体的なコストを削減するために、出発材料の効率的な合成が重要である。現在、レムデシビル合成の鍵となる付加反応については、報告されている合成法は、主に、7-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(1a)及びD‐リボノラクトン(2)がトリメチルクロロシラン(TMSCl)及びn-ブチルリチウム(n-BuLi)の存在下に、化合物1aのアミノ基を一時的に保護して金属ハロゲン交換反応を行い、次いで、D-リボノラクトン(2)との付加反応が行われることを含み、目的のC-ヌクレオシド化合物(3)は25%の収率で得ることができる。しかしながら、この合成法は収率が低く、製造コストが高く、追跡臨床研究及び薬物の応用が制限されている(WO2011035250A1)。
【0006】
【0007】
上記の合成方法の収率が低いことを考慮して、Sina Bavariらは、その後、この工程の付加反応を改善した(Nature, 2016, 531, 381-385)。この改良法において、7-ブロモピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(1a)の代わりに7-ヨードピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-4-アミン(1b)を使用し、グリニャール試薬PhMgCl及びi-PrMgCl・LiClを使用して、化合物1bのアミノ基の一時的なケイ素保護を完了し、次いで、金属-ハロゲン交換を行い、得られた複素環金属 化合物をさらにD-リボノラクトン(2)と付加反応させることで、反応収率を40%まで高めることができる。しかしながら、この反応は化合物1bのアミノ基を0℃でフェニルグリニャール試薬を介してTMSClで一時的に保護する必要があり、次いで、-20℃まで温度を下げ、次いで、イソプロピルグリニャール試薬の作用の下でD-リボノラクトン(2)との付加反応を行う。この合成戦略は、供給及び反応プロセス中に反応温度を頻繁に変更し、様々なグリニャール試薬を使用する必要があり、操作が煩雑である。
【0008】
【0009】
上記のTMSClを一時保護基として使用する付加方法に加えて、TMSClの代わりに1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを用いて化合物1のアミノ基を一時的に保護する付加方法も文献に開示されている(Bioorg. Med Chem. Lett. 2012, 22, 2705-2707; WO2014042433A2、WO2014035140A2)。これらの方法は、化合物1のアミノ基の保護及び付加反応を2つを超える金属試薬を使用するか、又は、異なる温度で完了する必要があり、収率が理想的ではない(40%~60%)だけでなく、操作も煩雑であり、スケールアップ合成を助長しない。
【0010】
【0011】
既存のレポートで報告されているレムデシビルの低収率、煩雑な操作、高コスト及びスケールアップ製造の難しさの問題を考慮すると、そのキラル合成中間体C-ヌクレオシド化合物(3)を調製するためのより簡潔で効率的な合成方法を開発することは非常に重要であり、そして新しく開発された方法は、医薬品製造のコストを削減するのに役立ち、それによって医薬品のアクセシビリティの問題を解決し、SARS-CoV-2ウイルス感染症に対するレムデシビルの臨床応用を満足させるはずである。
【発明の概要】
【0012】
発明の内容
本出願の目的は、キラルC-ヌクレオシド化合物を効率的に調製する方法を提供することである。本出願の別の目的は、キラルC-ヌクレオシド化合物を調製するための簡単な方法を提供することである。本出願の別の目的は、実施及びスケールアップが容易なキラルC-ヌクレオシド化合物の製造方法を提供することである。また、本出願の別の目的は、大規模生産が可能なキラルC-ヌクレオシド化合物の製造方法を提供することである。
【0013】
本出願の目的は、以下の技術的解決策によって達成される。
【0014】
式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物又はその塩を調製する方法であって、
a)式IIで表される化合物を提供すること、
b)溶媒中、式4で表される第二級アミン、金属リチウム試薬及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンの存在下で、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成させること、
【0015】
【0016】
を含み、式1で表される化合物において、Xはハロゲンであり、
式4で表される第二級アミンにおいて、各Rは、独立して、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になって置換又は非置換ピペリジン又はピロリジン(例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)を形成し、
式II又は式IIIで表される化合物において、Ra、Rb及びRcは、それぞれ独立して、メチル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル(PBM)、トリチル(Tr)、tert-ブチル又はアリルであり、
式IIIで表される化合物において、
【0017】
【0018】
は、構造式が化合物のα立体配置もしくはβ立体配置、又は、α立体配置とβ立体配置の任意の比率の混合物を表すことができることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
幾つかの実施形態において、式1の化合物におけるXは、臭素原子又はヨウ素原子である。
【0020】
幾つかの実施形態において、式1の化合物のXは臭素原子である。
【0021】
幾つかの実施形態において、式1の化合物のXはヨウ素原子である。
【0022】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、それぞれ独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はトリメチルシリルである。
【0023】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してメチルである。
【0024】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してエチルである。
【0025】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してn-プロピルである。
【0026】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してイソプロピルである。
【0027】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してn-ブチルである。
【0028】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してイソブチルである。
【0029】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してシクロプロピルである。
【0030】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してシクロブチルである。
【0031】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、それぞれ独立してシクロペンチルである。
【0032】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してシクロヘキシルである。
【0033】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの各Rは、独立してトリメチルシリルである。
【0034】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの2つのRと、それらが結合している窒素原子とが一緒になって、ピペリジン、ピロリジン又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを形成する。
【0035】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの2つのRと、それらが結合している窒素原子とが一緒になって、ピペリジンを形成する。
【0036】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの2つのRと、それらが結合している窒素原子とが一緒になって、ピロリジンを形成する。
【0037】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンの2つのRと、それらが結合している窒素原子とが一緒になって、2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを形成する。
【0038】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロプロピルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンである。
【0039】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンである。
【0040】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンは、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンである。
【0041】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンは、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジンである。
【0042】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはヘキサメチルジシラザンである。
【0043】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはジイソプロピルアミンである。
【0044】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはジイソブチルアミンである。
【0045】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはジシクロヘキシルアミンである。
【0046】
幾つかの実施形態において、式4の二級アミンは、2,2,6,6-テトラメチルピペリジンである。
【0047】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン又はジブチルアミンである。
【0048】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはジエチルアミンである。
【0049】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはジプロピルアミンである。
【0050】
幾つかの実施形態において、式4で表される第二級アミンはジブチルアミンである。
【0051】
幾つかの実施形態において、式II又は式IIIで表される化合物のRa、Rb及びRcは、それぞれ独立してベンジル(Bn)である。
【0052】
幾つかの実施形態において、式II又は式IIIで表される化合物のRa、Rb及びRcは、それぞれ独立して、p-メトキシベンジル(PBM)である。
【0053】
幾つかの実施形態において、式IIで表される化合物のRa、Rb及びRcは、それぞれ独立してベンジル(Bn)である。
【0054】
幾つかの実施形態において、式IIIで表される化合物のRa、Rb及びRcは、それぞれ独立してベンジル(Bn)である。
【0055】
幾つかの実施形態において、本出願の溶媒は、テトラヒドロフランなどの有機溶媒である。
【0056】
幾つかの実施形態において、本出願の金属リチウム試薬は、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、リチウムトリエチルボロヒドリド、リチウムボロヒドリド、リチウムアミド又はリチウムヒドリドである。
【0057】
幾つかの実施形態において、本出願の金属リチウム試薬はn-ブチルリチウムである。
【0058】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、工程b)は、
b1)式1で表される化合物及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを溶媒に溶解し、式4で表される第二級アミンを加えて混合物を得ること、
b2)b1)で得られた混合物に金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を順次に加え、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させて、式IIIで表される化合物を得ることを含む。
【0059】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、工程b)は、無水及び無酸素の条件下で実施される。
【0060】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を、b1)で得られた混合物に0℃~-80℃(例えば、0℃~-78℃、好ましくは-78℃)の温度で順次に添加する。
【0061】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を、b1)で得られた混合物に-70℃~-80℃の温度で順次に添加する。
【0062】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のC-ヌクレオシド化合物を調製するための方法において、金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を、b1)で得られた混合物に-78℃~-80℃の温度で順次に添加する。
【0063】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを反応させる際に、式1で表される化合物の初期濃度は0.06~0.3モル/L、例えば、0.08モル/L、0.1モル/L、0.15モル/L、0.18モル/L、0.2モル/L、0.25モル/Lである。
【0064】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.08~0.25モル/Lである。
【0065】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを、0℃~-80℃(例えば、0℃~-78℃、好ましくは-78℃)の温度で反応させる。
【0066】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と-70℃~-80℃の温度で反応させる。
【0067】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と-78℃~-80℃の温度で反応させる。
【0068】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.5~3、例えば、約1:1.6、約1:1.8、約1:2である。
【0069】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.6~3である。
【0070】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.8~3である。
【0071】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.9~3である。
【0072】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:2~3である。
【0073】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.6~2.5である。
【0074】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.8~2.5である。
【0075】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:1.9~2.5である。
【0076】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は、1:2~2.5である。
【0077】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.06~0.3モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.5~3である。
【0078】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.06~0.3モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.6~3である。
【0079】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.06~0.3モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.8~3である。
【0080】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.06~0.3モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.9~3である。
【0081】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.06~0.3モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:2~3である。
【0082】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.08~0.25モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.6~2である。
【0083】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.08~0.25モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.8~2である。
【0084】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.08~0.25モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:1.9~2である。
【0085】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式1で表される化合物の初期濃度は0.08~0.25モル/Lであり、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の供給モル比は1:2~2.5である。
【0086】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と金属リチウム試薬との供給モル比は、1:3.5~4.5、例えば、約1:4である。
【0087】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、化学式1で表される化合物と1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンとの供給モル比は1:1~1.5、例えば、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.4である。
【0088】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式4で表される第二級アミンとの供給モル比は、1:1~1.5、例えば、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.4である。
【0089】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法において、式1で表される化合物と式IIで表される化合物の反応は、
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを使用することにより、ビスシリコン保護を経験させ、式5で表される化合物を生成すること、
【0090】
【0091】
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(MはLiである)で表される化合物を生成すること、
式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含む。
【0092】
幾つかの実施形態において、本出願に記載のとおりのC-ヌクレオシド化合物の製造方法の合成スキームは:
【化8】
【0093】
である。この技術スキームの具体的な手順は次のとおりである。複素環式化合物1は、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン、アミン4及びブチルリチウムと順次に混合され、同じ反応温度でリボノラクトン2との付加反応を経験して、ヌクレオシド化合物3の合成を完了する。上記の技術スキームにおいて、化合物1の4位アミン基の一時的なビスシリコン保護(化合物5)は、最初にアミン4及びブチルリチウムの作用下で1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンで達成され、次いで、アミン4及びブチルリチウムの組み合わせ作用下に、中間体5はリチウム-ハロゲン交換を経験し、得られた複素環式リチウム中間体はリボノラクトン2と付加反応を経験して、C-ヌクレオシド化合物3の調製を達成する。
【0094】
本出願はまた、C-ヌクレオシド化合物の製造方法を提供し、該方法は、
1)溶媒中で、式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを用いてビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【0095】
【0096】
2)式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(式中、MはLiである)で表される化合物を生成すること、
3)式6で表される化合物が式IIで表される化合物と付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含み、
ここで、溶媒、X、R、Ra、Rb、Rc、
【0097】
【0098】
の定義、ならびに、反応条件、供給比などは本出願に記載のとおりである。
【0099】
定義
以下で特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有することが意図されている。本明細書で使用される技術への言及は、当業者に明らかな同等の技術の変形又は置換を含む、当該技術分野で一般に理解される技術を指すことが意図されている。以下の用語は、当業者によって十分に理解されると考えられるが、以下の定義は、本出願をよりよく説明するために示される。
【0100】
本明細書で使用されるときに、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、「含む(containing)」又は「関与する(involving)」という用語、及び本明細書におけるその他の変形は、包括的又は無制限であり、他の列挙されていない要素又は方法工程を排除しない。
【0101】
本明細書で使用されるときに、「アルキル」という用語は、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基として定義される。幾つかの実施形態において、アルキルは、1~6個、例えば1~4個の炭素原子を有する。例えば、本明細書で使用されるときに、用語「C1~C6アルキル」は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル又はn-ヘキシルなどの、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の基を指す。
【0102】
本明細書で使用されるときに、用語「C3~C6シクロアルキル」は、3~6個の環炭素原子を有する飽和又は不飽和の非芳香族単環式又は多環式(例えば、二環式)炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを指し、これは、メチル置換シクロプロピル、メチル置換シクロヘキシルなど、1つ以上(例えば、1、2又は3つ)の適切な置換基で場合により置換されていてもよい。
【0103】
本明細書で使用されるときに、用語「ハロゲン」基は、F、Cl、Br又はIを含むと定義される。
【0104】
本明細書で使用されるときに、用語「約」は、指定値の±10%、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、±2%、±1%、±0.5%、±0.1%、±0.05%、±0.01%の範囲内の値として理解されるべきである。
【0105】
本出願の有益な効果は以下のとおりである。
本出願によって提供されるレムデシビルのキラル中間体C-ヌクレオシド化合物の製造方法は、1つ以上の下記の利点を有する。
1)この方法は反応収率が高く、例えば収率が40%以上、好ましくは45%以上、より好ましくは70%以上である。
2)この方法は操作が簡単である。
3)この方法は単一の金属試薬を使用する。
4)この方法の反応の温度条件は安定しており、操作プロセスは反応系を頻繁に変更する必要がない。
5)この方法はスケールアップ合成に適しており、レムデシビルの大規模製造に適応することができる。
6)この方法は、レムデシビルのキラル中間体C-ヌクレオシド化合物を調製するために使用され、コストが低い。
【実施例】
【0106】
具体的な実施態様
本出願の技術的態様は、以下でさらに詳細に説明されるが、本出願の保護範囲は、以下の記載に限定されない。
【0107】
実施例1 式3で表されるキラルC-ヌクレオシド化合物の合成
【化11】
【0108】
無水及び無酸素の条件下に、化合物1a(10.0g、46.94ミリモル)及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン(11.1g、51.63ミリモル)をTHF(100mL)中に溶解し、次いで、式4で表されるジイソプロピルアミン(7.3mL、51.63ミリモル)を添加した。反応溶液に、-78℃でTHF溶液(50mL)中のn-ブチルリチウム(81mL、201.8ミリモル)及び式2で表されるリボノラクトン(39.3g、93.88ミリモル)を順次に加えた。反応溶液を-78℃で2時間反応させ、次いで、水溶液中のクエン酸(1M、200mL)を加えて、反応をクエンチし、反応溶液を室温まで温め、水層を酢酸エチルで抽出し(3×200mL)、有機層を合わせ、水(1×250mL)、飽和NaHCO3溶液(1×250mL)及び飽和NaCl溶液(1×250mL)で順次に洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を減圧下に除去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:まず石油エーテル:酢酸エチル=1:1から純粋な酢酸エチルに勾配溶出させ、次にメタノール/酢酸エチル=10%で溶出)により分離精製し、式3で表されるキラルC-ヌクレオシド化合物である白色泡状固体化合物(19.2 g)を得て、それは収率74%であった。
【0109】
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.06 (br s, 2H), 7.99 (s, 1H), 7.37 - 7.22 (m, 11H), 7.19 - 7.10 (m, 3H), 7.03 - 6.97 (m, 2H), 6.95 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 5.39 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.61 - 4.54 (m, 2H), 4.52 - 4.42 (m, 4H), 4.06 - 3.98 (m, 1H), 3.93 (dd, J = 5.9, 4.4 Hz, 1H), 3.69 (dd, J = 10.1, 3.4 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 10.0, 6.4 Hz, 1H); 13C-NMR (100 MHz, DMSO-d6): δ 187.98, 155.88, 148.96, 138.63, 138.43, 138.14, 128.67, 128.14, 128.12, 127.82, 127.54, 127.44, 127.26, 127.21, 127.09, 118.60, 117.51, 103.15, 102.30, 81.91, 80.92, 72.50, 72.33, 71.74, 71.44, 69.42; C32H32N4O5のHRMS計算値552.2373、実測値552.2362。
【0110】
実施例2 実施例1に記載の方法に従って、化合物1a及び式2で表されるリボノラクトンを基質として使用し、式4で表される様々な第二級アミンの作用下で、式3で表されるキラルC-ヌクレオシド化合物の合成収率を比較し、得られたデータを下表に示す。
【0111】
【0112】
【0113】
実施例3
実施例1に記載の方法に従って、化合物1aを10グラムのスケールで反応させ、他の反応条件は変更せず、反応溶液中の化合物1aの濃度及び式2で表されるリボノラクトンの当量数のみを変更した。式3で表されるキラルC-ヌクレオシド化合物の合成収率の得られたデータを下記の表に示した。
【0114】
【0115】
実施例4
実施例1に記載の方法に従い、化合物1a及び化合物1bをそれぞれ基質とし、その他の反応条件は変更せず、1当量の化合物1を、2.5当量の式2で表されるリボノラクトンと付加反応させ、反応は、様々なアミン又は塩基の存在下で行われた。様々なアミン又は塩基の条件下で得られた式3で表されるキラルC-ヌクレオシド化合物の合成収率データを以下の表に示した。
【0116】
【0117】
【0118】
上記は本出願の好ましい実施形態にすぎず、本出願は本明細書に開示された形態に限定されず、他の実施形態を排除するものと見なされるべきではなく、様々な他の組み合わせ、変更及び環境で使用でき、そして上記の教示又は関連分野の技術又は知識に従って、本明細書に記載の概念の範囲内で変更することができることが理解されるべきである。しかしながら、当業者によってなされた変更及び変形は、本出願の主旨及び範囲から逸脱せず、本出願の添付の特許請求の範囲の保護の範囲内であるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
上記は本出願の好ましい実施形態にすぎず、本出願は本明細書に開示された形態に限定されず、他の実施形態を排除するものと見なされるべきではなく、様々な他の組み合わせ、変更及び環境で使用でき、そして上記の教示又は関連分野の技術又は知識に従って、本明細書に記載の概念の範囲内で変更することができることが理解されるべきである。しかしながら、当業者によってなされた変更及び変形は、本出願の主旨及び範囲から逸脱せず、本出願の添付の特許請求の範囲の保護の範囲内であるべきである。
本発明は、下記の形態を含む:
〈態様1〉
式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物又はその塩の製造方法であって、
該方法が、
a)式IIで表される化合物を提供すること、
b)溶媒中、式4で表される第二級アミン、金属リチウム試薬及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンの存在下に、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
【化1】
を含み、
式1で表される化合物において、Xはハロゲンであり、
式4で表される第二級アミンにおいて、各Rは、独立して、C
1
~C
6
アルキル、C
3
~C
6
シクロアルキル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になって置換又は非置換ピペリジン又はピロリジン(例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン)を形成し、
式II又は式IIIで表される化合物において、R
a
、R
b
及びR
c
は、それぞれ独立して、メチル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル(PBM)、トリチル(Tr)、tert-ブチル又はアリルであり、
式IIIで表される化合物において、
【化2】
は、構造式が化合物のα立体配置もしくはβ立体配置、又は、α立体配置とβ立体配置の任意の比率の混合物を表すことができることを示す、
方法。
〈態様2〉
Xが、臭素原子又はヨウ素原子であり、好ましくは臭素原子である、態様1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様3〉
各Rが、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になってピペリジン、ピロリジン又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを形成し、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロプロピルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンであり、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンであり、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンであり、
好ましくは、式4で表される第二級アミンは、ジエチルアミン、ジプロピルアミン又はジブチルアミンである、
態様1又は2記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様4〉
R
a
、R
b
及びR
c
が、それぞれ独立してベンジル基(Bn)である、態様1~3のいずれか1項に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様5〉
前記溶媒が、有機溶媒、例えばテトラヒドロフランである、態様1~4のいずれか1項に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様6〉
前記金属リチウム試薬が、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、リチウムトリエチルボロヒドリド、 リチウムボロヒドリド、リチウムアミド又はリチウムヒドリドであり、好ましくはn-ブチルリチウムである、態様1~5のいずれか1項に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様7〉
工程b)が、
b1) 式1で表される化合物及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを溶媒に溶解し、式4で表される第二級アミンを加えて混合物を得ること、
b2) b1)で得られた混合物に金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を順次に加え、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させて、式IIIで表される化合物を得ること
を含む、態様1~6のいずれか1項に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様8〉
式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを反応させる際に、式1で表される化合物の初期濃度が、0.06~0.3モル/L、例えば、0.08モル/L、0.1モル/L、0.15モル/L、0.18モル/L、0.2モル/L、0.25モル/Lである、態様1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様9〉
式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを、0℃~-80℃(例えば、0℃~-78℃)の温度で反応させる、態様1~8のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様10〉
式1で表される化合物と式IIで表される化合物との供給モル比が、1:1.5~3であり、
好ましくは、式1で表される化合物とリチウム金属試薬との供給モル比は1:3.5~4.5であり、
好ましくは、式1で表される化合物と1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンとの供給モル比は1:1~1.5であり、
好ましくは、式1で表される化合物と式4で表される第二級アミンとの供給モル比は、1:1~1.5である、
態様1~9のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様11〉
工程b)が、無水及び無酸素の条件下で実施され、
好ましくは、前記金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を、b1)で得られた混合物に、0℃~-80℃(例えば、0℃~-78℃)の温度で順次に加える、
態様1~10のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様12〉
式1で表される化合物と式IIで表される化合物との反応が、
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを使用することにより、ビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【化3】
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(ここで、MはLiである)で表される化合物を生成すること、
式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含む、
態様1~11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
〈態様13〉
C-ヌクレオシド化合物の製造方法であって、
1)溶媒中、式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを用いてビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【化4】
2)式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(MはLiである)で表される化合物を生成すること、
3)式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含み、
ここで、前記溶媒、X、R、R
a
、R
b
、R
c
、
【化5】
の定義、ならびに、反応条件及び供給比は、態様1~12のいずれか1項記載のとおりである、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物又はその塩の製造方法であって、
該方法が、
a)式IIで表される化合物を提供すること、
b)溶媒中、式4で表される第二級アミン、金属リチウム試薬及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンの存在下に、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させ、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
【化1】
を含み、
式1で表される化合物において、Xはハロゲンであり、
式4で表される第二級アミンにおいて、各Rは、独立して、C
1~C
6アルキル、C
3~C
6シクロアルキル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になって置換又は非置換ピペリジン又はピロリジ
ンを形成し、
式II又は式IIIで表される化合物において、R
a、R
b及びR
cは、それぞれ独立して、メチル、ベンジ
ル、p-メトキシベンジ
ル、トリチ
ル、tert-ブチル又はアリルであり、
式IIIで表される化合物において、
【化2】
は、構造式が化合物のα立体配置もしくはβ立体配置、又は、α立体配置とβ立体配置の任意の比率の混合物を表すことができることを示す、
方法。
【請求項2】
Xが、臭素原子又はヨウ素原子で
ある、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項3】
Xが、臭素原子である、請求項2記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項4】
各Rが、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はトリメチルシリルであるか、又は、2つのR及びそれらが結合している窒素原子が一緒になってピペリジン、ピロリジン又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを形成
する、
請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項5】
式4で表される前記第二級アミンが、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン又はヘキサメチルジシラザンである、請求項4に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項6】
R
a、R
b及びR
cが、それぞれ独立してベンジル
基である、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項7】
前記溶媒が、有機溶
媒である、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項8】
前記溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項7記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項9】
前記金属リチウム試薬が、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、リチウムトリエチルボロヒドリド、 リチウムボロヒドリド、リチウムアミド又はリチウムヒドリドであ
る、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項10】
前記金属リチウム試薬が、n-ブチルリチウムである、請求項9に記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項11】
工程b)が、
b1) 式1で表される化合物及び1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを溶媒に溶解し、式4で表される第二級アミンを加えて混合物を得ること、
b2) b1)で得られた混合物に金属リチウム試薬及び式IIで表される化合物を順次に加え、式1で表される化合物を式IIで表される化合物と反応させて、式IIIで表される化合物を得ること
を含む、請求項1記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項12】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを反応させる際に、式1で表される化合物の初期濃度が、0.06~0.3
モル/Lである、請求項1~
11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項13】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物とを、0℃~-80
℃の温度で反応させる、請求項1~7のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項14】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物との供給モル比が、1:1.5~3であ
る、
請求項1~
11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項15】
式1で表される前記化合物と前記リチウム金属試薬との供給モル比が、1:3.5~4.5である、請求項1~11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項16】
式1で表される前記化合物と1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンとの供給モル比が、1:1~1.5である、請求項1~11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項17】
式1で表される前記化合物と式4で表される前記第二級アミンとの供給モル比が、1:1~1.5である、請求項1~11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項18】
工程b)が、無水及び無酸素の条件下で実施され
る、
請求項1~
11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項19】
式1で表される化合物と式IIで表される化合物との反応が、
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを使用することにより、ビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【化3】
式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(ここで、MはLiである)で表される化合物を生成すること、
式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含む、
請求項1~
11のいずれか1項記載のC-ヌクレオシド化合物の製造方法。
【請求項20】
C-ヌクレオシド化合物の製造方法であって、
1)溶媒中、式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下に、式1で表される化合物の4位アミノ基に1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタンを用いてビスシリコン保護を経験させ、中間体式5で表される化合物を生成すること、
【化4】
2)式4で表される第二級アミン及び金属リチウム試薬の作用下で、式5で表される化合物がリチウム-ハロゲン交換を経験して、中間体式6(MはLiである)で表される化合物を生成すること、
3)式6で表される化合物が式IIで表される化合物との付加反応を経験して、式IIIで表されるC-ヌクレオシド化合物を生成すること、
を含み、
ここで、前記溶媒、X、R、R
a、R
b、R
c、
【化5】
の定
義は、請求項1~11のいずれか1項記載のとおりである、
方法。
【国際調査報告】