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特表2023-534971磁束コンセントレータを備える集積された電流センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】磁束コンセントレータを備える集積された電流センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/20 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
G01R15/20 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503139
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 US2021041364
(87)【国際公開番号】W WO2022015685
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】16/932,299
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ドック ウォン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジョー ビトー
(72)【発明者】
【氏名】キース ライヤン グリーン
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA04
2G025AA05
2G025AA07
2G025AA17
2G025AB01
2G025AB02
2G025AC01
(57)【要約】
パッケージ電流センサ(100)が、リードフレーム(102)と、集積回路(106)と、絶縁スペーサ(104)と、第1の磁気コンセントレータ(108)と、第2の磁気コンセントレータ(110)とを含む。リードフレーム(102)は導体(103)を含む。絶縁スペーサ(104)は、リードフレーム(102)と集積回路(106)との間にある。第1の磁気コンセントレータ(108)は、導体(103)と整合される。第2の磁気コンセントレータ(110)は、導体(103)と整合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ化された電流センサであって、
導体を含むリードフレームと、
集積回路と、
前記リードフレームと前記集積回路との間の絶縁スペーサと、
前記導体と整合される磁気コンセントレータと、
を含む、パッケージ化された電流センサ。
【請求項2】
請求項1に記載のパッケージ化された電流センサであって、前記集積回路が、前記磁気コンセントレータと整合されるホール効果センサを含む、パッケージ化された電流センサ。
【請求項3】
請求項2に記載のパッケージ化された電流センサであって、
前記磁気コンセントレータが第1の磁気コンセントレータであり、
前記パッケージ化された電流センサが第2の磁気コンセントレータを含み、
前記ホール効果センサが第1の磁気コンセントレータと第2の磁気コンセントレータとの間にある、
パッケージ化された電流センサ。
【請求項4】
請求項3に記載のパッケージ化された電流センサであって、前記ホール効果センサが、第1の磁気コンセントレータの端部と前記第2の磁気コンセントレータの端部とに重なる、パッケージ化された電流センサ。
【請求項5】
請求項1に記載のパッケージ化された電流センサであって、前記集積回路が、
前記磁気コンセントレータの端部と整合される第1のホール効果センサと、
前記第1のホール効果センサとは反対の前記磁気コンセントレータの端部と整合される第2のホール効果センサと、
を含む、パッケージ化された電流センサ。
【請求項6】
請求項5に記載のパッケージ化された電流センサであって、
前記磁気コンセントレータが第1の磁気コンセントレータであり、
前記パッケージ化された電流センサが、第2の磁気コンセントレータを含み、
前記集積回路が、
前記第2の磁気コンセントレータの端部と整合される第3のホール効果センサと、
前記第3のホール効果センサとは反対の前記第2の磁気コンセントレータの端部と整合される第4のホール効果センサと、
を含む、
パッケージ化された電流センサ。
【請求項7】
請求項6に記載のパッケージ化された電流センサであって、
前記導体が、電流入力レッグと、電流出力レッグとを含み、
前記第1の磁気コンセントレータが前記電流入力レッグと整合され、
前記第2の磁気コンセントレータが前記電流出力レッグと整合される、
パッケージ化された電流センサ。
【請求項8】
請求項3に記載のパッケージ化された電流センサであって、前記第1の磁気コンセントレータ及び前記第2の磁気コンセントレータが前記集積回路上に電気めっきされる、パッケージ化された電流センサ。
【請求項9】
請求項3に記載のパッケージ化された電流センサであって、前記第1の磁気コンセントレータ及び前記第2の磁気コンセントレータが、軟磁性材料の円形ディスク又は軟磁性材料の多角形ディスクを含む、パッケージ電流センサ。
【請求項10】
電流センサであって、
電流入力セグメントと電流出力セグメントとを含む導体を含む、リードフレームと、
ホール効果センサを含む集積回路と、
前記リードフレームと前記集積回路との間の絶縁スペーサと、
前記電流入力セグメントと整合され、前記ホール効果センサに重なる第1
の磁気コンセントレータと、
前記電流出力セグメントと整合される第2の磁気コンセントレータと、
を含む、電流センサ。
【請求項11】
請求項10に記載の電流センサであって、前記第2の磁気コンセントレータが前記ホール効果センサに重なる、電流センサ。
【請求項12】
請求項10に記載の電流センサであって、
前記ホール効果センサが第1のホール効果センサであり、
前記集積回路が、前記第1のホール効果センサとは反対の前記第1の磁気コンセントレータの端部に重なる第2のホール効果センサを含む、
電流センサ。
【請求項13】
請求項12に記載の電流センサであって、前記集積回路が、前記第2の磁気コンセントレータの端部に重なる第3のホール効果センサを含む、電流センサ。
【請求項14】
請求項13に記載の電流センサであって、前記集積回路が、前記第3のホール効果センサとは反対の前記第2の磁気コンセントレータの端部に重なる第4のホール効果センサを含む、電流センサ。
【請求項15】
請求項10に記載の電流センサであって、前記第1の磁気コンセントレータ及び前記第2の磁気コンセントレータが、軟磁性材料の円形ディスクを含む、電流センサ。
【請求項16】
請求項10に記載の電流センサであって、前記第1の磁気コンセントレータ及び前記第2の磁気コンセントレータが、軟磁性材料の多角形ディスクを含む、電流センサ。
【請求項17】
電流センサであって、
電流入力セグメントと電流出力セグメントとを含む導体を含む、リードフレーム
と、
集積回路であって、第1ホール効果センサと、第2のホール効果センサと、第3のホール効果センサと、第4のホール効果センサとを含む、前記集積回路と、
前記リードフレームと前記集積回路との間の絶縁スペーサと、
前記集積回路上に金属層として形成される第1の磁気コンセントレータと第2の磁気コンセントレータと、
を含み、
前記第1の磁気コンセントレータが、前記電流入力セグメントと、前記第1のホール効果センサと、前記第2のホール効果センサとに重なり、
前記第2の磁気コンセントレータが、前記電流出力セグメントと、前記第3のホール効果センサと、前記第4のホール効果センサとに重なる、
電流センサ。
【請求項18】
請求項17に記載の電流センサであって、
前記第1のホール効果センサが前記第1の磁気コンセントレータの端部に重なり、
前記第2のホール効果センサが前記第1のホール効果センサとは反対の前記第1の磁気コンセントレータの端部に重なる、
電流センサ。
【請求項19】
請求項17に記載の電流センサであって、
前記第3のホール効果センサが前記第2の磁気コンセントレータの端部に重なり、
前記第4のホール効果センサが前記第1のホール効果センサとは反対の前記第2の磁気コンセントレータの端部に重なる、
電流センサ。
【請求項20】
請求項17に記載の電流センサであって、前記第1の磁気コンセントレータ及び前記第2の磁気コンセントレータが、円形磁気ディスク又は多角形磁気ディスクを含む、電流センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非接触電流感知は、特に高電流レベルに対し、電流フローを安全に測定するために様々な用途で用いられている。開ループ電流感知はコスト効率の高い解決策を提供し、この解決策において、導電体を通る電流の流れによって生成された磁場が磁気コア内部に集束され、磁気センサが、磁場を測定し、電流フローを推定するために用いられる出力信号を提供する。開ループアプローチは、典型的に、ほとんど電力を消費せず、高電流を測定するために低感度センサを使用することができる。
【発明の概要】
【0002】
高電圧絶縁及び浮遊磁場に対する耐性を提供する電流センサにおいて、パッケージ化された電流センサが、リードフレームと、集積回路と、絶縁スペーサと、第1の磁気コンセントレータと、第2の磁気コンセントレータとを含む。リードフレームは導体を含む。絶縁スペーサは、リードフレームと集積回路との間にある。第1の磁気コンセントレータは、導体と整合される。第2の磁気コンセントレータは、導体と整合される。
【0003】
別の例において、電流センサが、リードフレームと、集積回路と、絶縁スペーサと、第1の磁気コンセントレータと、第2の磁気コンセントレータとを含む。リードフレームは導体を含む。導体は、電流入力セグメント及び電流出力セグメントを含む。集積回路は、ホール効果センサを含む。絶縁スペーサは、リードフレームと集積回路との間にある。第1の磁気コンセントレータは、電流入力セグメントと整合され、ホール効果センサに重なる。第2の磁気コンセントレータは、電流出力セグメントと整合される。
【0004】
更なる例において、電流センサが、リードフレームと、第1の磁気コンセントレータと、第2の磁気コンセントレータと、集積回路と、絶縁スペーサとを含む。リードフレームは導体を含む。導体は、電流入力セグメント及び電流出力セグメントを含む。集積回路は、第1のホール効果センサと、第2のホール効果センサと、第3のホール効果センサと、第4のホール効果センサとを含む。絶縁スペーサは、リードフレームと集積回路との間にある。第1の磁気コンセントレータは、集積回路上に金属層として形成され、電流入力セグメント、第1のホール効果センサ、及び第2のホール効果センサに重なる。第2の磁気コンセントレータは、集積回路上に金属層として形成され、電流出力セグメント、第3のホール効果センサ、及び第4のホール効果センサに重なる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】2つの磁気コンセントレータに重なるホール効果センサを含む電流センサの側面図を示す。
【0006】
図2】2つの磁気コンセントレータに重なるホール効果センサを含む電流センサの上面図を示す。
【0007】
図3】2つの磁気コンセントレータに重なる4つのホール効果センサを含む電流センサの側面図を示す。
【0008】
図4】2つの磁気コンセントレータに重なる4つのホール効果センサを含む電流センサの上面図を示す。
【0009】
図5】浮遊磁場のない、図3の磁気コンセントレータにおける磁場を示す。
【0010】
図6】浮遊磁場のある、図3の磁気コンセントレータにおける磁場を示す。
【0011】
図7】本記載に従った電流センサの製造方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
パッケージ化された電流感知回路の欠点には、集積回路(ホール効果センサ及び/又は他の回路要素を含む)と電流搬送導体との間の制限された電圧絶縁、及び浮遊磁場によって生じる誤差に対する感受性がある。本明細書に記載の電流センサは、集積回路を保護する高電圧絶縁を含む。また、電流センサの幾つかの実装は、浮遊磁場に起因する誤差に対する耐性を提供する、磁気コンセントレータ及びホール効果センサの配置を含む。
【0013】
図1は、本明細書に従った電流センサ100の側面図を示す。電流センサ100は、リードフレーム102と、絶縁スペーサ104と、集積回路106と、磁気コンセントレータ108と、磁気コンセントレータ110とを含む。リードフレーム102は、測定されるべき電流を搬送する導体103を含む。導体103は、それを介して電流センサ100に電流が流れる、入力レッグ/セグメント103Aと、それを介して電流センサ100から電流が流れる、出力レッグ/セグメント103Bとを含む。絶縁スペーサ104は、リードフレーム102と集積回路106との間に配置されて、導体103上に存在し得る高電圧から集積回路106を絶縁する。絶縁スペーサ104は、ガラス誘電体材料、ポリマーベースの誘電体材料、又はシリコンベースの誘電体材料などの、高絶縁強度(dielectric strength)を有する材料から形成される。電流センサ100の幾つかの実装において、絶縁スペーサ104は、約100~150マイクロメートル(μm)の厚みを有する。
【0014】
集積回路106は、上に形成されるホール効果センサ112を含む、シリコンダイである。ホール効果センサ112は、水平ホール効果センサである。集積回路106は、絶縁スペーサ104と磁気コンセントレータ108と磁気コンセントレータ110との間に配置される。幾つかの実装において、集積回路106は、約150~250μmの厚みを有する。集積回路106は、リードフレーム102と集積回路106との間の電気信号の転送のためにボンドワイヤ114によってリードフレーム102に結合される。
【0015】
磁気コンセントレータ108は、電流出力レッグ/セグメント103Bと整合され、これに重なり、そのため電流出力レッグ/セグメント103B内の電流フローによって生成される磁束を集束させるようにする。同様に、磁気コンセントレータ110は、電流入力レッグ/セグメント103Aと整合され、これに重なり、そのため電流入力レッグ/セグメント103A内の電流フローによって生成される磁束を集束させるようにする。磁気コンセントレータ108及び磁気コンセントレータ110の周りの磁束は、電流入力レッグ/セグメント103A及び電流出力レッグ/セグメント103B内を流れる電流に比例する。100の幾つかの実装において、磁気コンセントレータ108及び110は、ウェハレベル処理の一部として電気めっきによって集積回路106上に形成/堆積される。このように、磁気コンセントレータ108及び110ならびにホール効果センサ112の整合は、正確に制御される。磁気コンセントレータ108及び110は、鉄-ニッケル合金などの軟磁性材料で形成されてもよい。
【0016】
ホール効果センサ112は、磁気コンセントレータ108と磁気コンセントレータ110との間に配置され、磁気コンセントレータ108及び磁気コンセントレータ110の両方の一部に重なる。例えば、ホール効果センサ112は、磁気コンセントレータ108の端部108Aと磁気コンセントレータ110の端部110Aとに重なる。ホール効果センサ112は磁気コンセントレータ108及び磁気コンセントレータ110の周りの磁束を検出し、検出された磁束に基づいて、電流入力レッグ/セグメント103A及び電流出力レッグ/セグメント103B内を流れる電流に比例する出力電圧を生成する。
【0017】
図2は、電流センサ100の上面図を示す。導体103、磁気コンセントレータ108、磁気コンセントレータ110、及びホール効果センサ112が図2に示されている。図2に示されるように、導体103は「U字形」又は「馬蹄形」である。電流センサ100の様々な実装において、導体103は、任意の形状を有し得る。磁気コンセントレータ108は電流出力レッグ/セグメント103B及びホール効果センサ112に重なり、磁気コンセントレータ110は、電流入力レッグ/セグメント103A及びホール効果センサ112に重なる
【0018】
図3は、本記載に従った電流センサ300の側面図を示す。電流センサ300は、リードフレーム302と、絶縁スペーサ304と、集積回路306と、磁気コンセントレータ308と、磁気コンセントレータ310とを含む。リードフレーム302は、測定されるべき電流を搬送する導体303を含む。導体303は、それを介して電流センサ300に電流が流れる入力レッグ/セグメント303Aと、それを介して電流センサ300から電流が流れる出力レッグ/セグメント303Bとを含む。絶縁スペーサ304は、リードフレーム302と集積回路306との間に配置されて、導体303上に存在し得る高電圧から集積回路306を絶縁する。絶縁スペーサ304は、ガラス誘電体材料、ポリマーベースの誘電体材料、又はシリコンベースの誘電体材料などの、高絶縁強度を有する材料から形成される。幾つかの実装において、絶縁スペーサ304は、約100~150マイクロメートル(μm)の厚みを有する。
【0019】
集積回路306は、その上に形成される、ホール効果センサ312と、ホール効果センサ314と、ホール効果センサ316と、ホール効果センサ318とを含むシリコンダイである。ホール効果センサ312、ホール効果センサ314、ホール効果センサ316、及びホール効果センサ318は、水平ホール効果センサである。集積回路306は、絶縁スペーサ304と磁気コンセントレータ308と磁気コンセントレータ310との間に配置される。幾つかの実装において、集積回路306は、約150~250μmの厚みを有する。集積回路306は、リードフレーム302と集積回路306との間の電気信号の転送のためにボンドワイヤ320によってリードフレーム302に結合される。
【0020】
磁気コンセントレータ308は、電流出力レッグ/セグメント303Bと整合され、これに重なり、そのため電流出力レッグ/セグメント303B内の電流フローによって生成される磁束を集束させるようにする。同様に、磁気コンセントレータ310は、電流入力レッグ/セグメント303Aと整合され、これに重なり、そのため電流入力レッグ/セグメント303A内の電流フローによって生成される磁束を集束させるようにする。磁気コンセントレータ308及び磁気コンセントレータ310の周りの磁束は、電流入力レッグ/セグメント303A及び電流出力レッグ/セグメント303B内を流れる電流に比例する。磁気コンセントレータ308及び磁気コンセントレータ310は、鉄-ニッケル合金などの軟磁性材料の、円形磁気ディスク、八角形磁気ディスク、楕円形磁気ディスク、多角形磁気ディスクなどの形態で提供され得る。300の幾つかの実装において、磁気コンセントレータ308及び310は、ウェハレベル処理の一部として電気めっきによって集積回路306上に形成/堆積される。このように、磁気コンセントレータ308及び310ならびにホール効果センサ312~318の整合は、正確に制御される。
【0021】
ホール効果センサ312は、磁気コンセントレータ308の端部308Aに重なるように配置される。ホール効果センサ314は、ホール効果センサ312とは反対の磁気コンセントレータ308の端部に重なるように配置される。ホール効果センサ312及びホール効果センサ314は、磁気コンセントレータ308の周りの磁束を検出し、検出された磁束に基づいて、電流出力レッグ/セグメント303B内を流れる電流に比例する出力電圧を生成する。
【0022】
ホール効果センサ316は、磁気コンセントレータ310の端部310Aに重なるように配置される。ホール効果センサ318は、ホール効果センサ316とは反対の磁気コンセントレータ310の端部に重なるように配置される。ホール効果センサ316及びホール効果センサ318は、磁気コンセントレータ310の周りの磁束を検出し、検出された磁束に基づいて、電流入力レッグ/セグメント303A内を流れる電流に比例する出力電圧を生成する。
【0023】
図4は、電流センサ300の上面図を示す。導体303、磁気コンセントレータ308、磁気コンセントレータ310、ホール効果センサ312、ホール効果センサ314、ホール効果センサ316、及びホール効果センサ318が図4に示されている。図4に示されるように、導体303は「U字形」である。磁気コンセントレータ308は、電流出力レッグ/セグメント303B、ホール効果センサ312、及びホール効果センサ314に重なる。磁気コンセントレータ310は、電流入力レッグ/セグメント303A、ホール効果センサ316、及びホール効果センサ318に重なる。
【0024】
磁気コンセントレータ308は、電流出力レッグ/セグメント303Bの線形部分に重なるように配置される。例えば、磁気コンセントレータ308は、導体303の頂点404よりも電流入力レッグ/セグメント303Bの端部402に近い。磁気コンセントレータ310は、電流入力レッグ/セグメント303Aの線形部分を覆うように配置される。例えば、磁気コンセントレータ310は、導体303の頂点404よりも電流入力レッグ/セグメント303Aの端部406に近い。磁気コンセントレータ308及び磁気コンセントレータ310の位置決めは、浮遊磁場による誤差の相殺を助ける。
【0025】
図5は、浮遊磁場が存在しない、磁気コンセントレータ308及び310内の磁場を示す。こういった磁場の場合、集積回路306上に設けられた加算回路要素は、ホール効果センサ312~318の出力を以下のように加算する。
out=-VHall1+VHall2+VHall3-VHall4
ここで、Voutは加算回路要素の出力であり、電流入力レッグ/セグメント303A及び電流出力レッグ/セグメント303B内を流れる電流に比例する。VHall1は、ホール効果センサ312の出力である。VHall2は、ホール効果センサ314の出力である。VHall3はホール効果センサ316の出力であり、VHall4はホール効果センサ318の出力である。
【0026】
図6は、浮遊磁場が存在する、磁気コンセントレータ308及び310内の磁場を示す。
out=-(VHall1+Vstray)+(VHall2-Vstray)+(VHall3+Vstray)-(VHall4-Vstray
ここで、Vstrayは、浮遊磁場によってホール効果センサ312~318に誘起される電圧である。
【0027】
導体303内を流れる電流は、磁気コンセントレータ308及び磁気コンセントレータ310の周りで相対する面内磁場を生成する。ホール効果センサ312~318は、出力電圧を生成するためこれらの相対する磁場を測定する。ホール効果センサ312~318の出力の加算は、浮遊磁場による電圧を相殺する。このように、電流センサ300の実装は、浮遊磁場によって生じる電流測定誤差を受けない。
【0028】
図7は、本記載に従った電流センサを製造するための方法700のフローチャートを示す。便宜上順次示されているが、示されている行為の少なくとも幾つかが、異なる順で実施され得、及び/又は並列に実施され得る。また、幾つかの実装が、示された行為のうちの幾つかのみを行い得る。方法700において、ブロック702及び704の動作は、ウェハレベル処理中に実施され、ブロック706~710の動作はパッケージレベル処理中に実施される。
【0029】
ブロック702において、電気回路要素が集積回路306上に形成される。従って、回路要素はウェハのダイ上に形成され、ダイは集積回路106のインスタンスに対応する。ダイ上に形成された電気回路要素は、ホール効果センサ312~318と、ホール効果センサ312~318の出力を処理する加算回路要素とを含む。
【0030】
ブロック704において、磁気コンセントレータ308及び310は、集積回路106上に形成される。従って、ウェハ上に設けられた集積回路106上の各インスタンス上に磁気コンセントレータ308、310のインスタンスが形成される。磁気コンセントレータ308及び310は、磁性材料の1つ又は複数の層として各ダイの表面上に電気めっきされる。磁気コンセントレータ308及び310の位置は、ウェハレベルでのマスキングによって確立されるので、磁気コンセントレータ308及び310とホール効果センサ312~318との整合は磁気コンセントレータ308及び310とホール効果センサ312~318との間の磁場の通信を改善するために、正確に制御され得る。
【0031】
個片化の後、集積回路106は、ブロック706~710においてパッケージ化される。ブロック706において、絶縁スペーサ304がリードフレーム302上に配置される。例えば、絶縁スペーサ304は、エポキシ又は他の接着剤を用いてリードフレーム302に接合され得る。方法700の幾つかの実装において、絶縁スペーサ300は、個片化の後ではなく、個片化の前にウェハに接合される
【0032】
ブロック708において、集積回路306は、絶縁スペーサ304上に配置される。例えば、集積回路306は、エポキシ又は他の接着剤を用いて絶縁スペーサ304に接合され得る。
【0033】
ブロック710において、集積回路306をリードフレーム302に電気的に結合するために、ボンドワイヤ320が付加される。リードフレーム302(又はその一部)、絶縁スペーサ304、及び集積回路306を保護するために、封止化合物が適用され得る。
【0034】
本記載では、「結合する」という用語が本記載と一貫する機能的関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を包含し得る。例えば、デバイスAが、或る行為を実施するためデバイスBを制御する信号を生成する場合、第1の例において、デバイスAはデバイスBに結合され、又は第2の例において、介在構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を実質的に変更しない場合に、デバイスAは、介在構成要素Cを介してデバイスBに結合され、そのため、デバイスBは、デバイスAによって生成された制御信号を介してデバイスAによって制御される。
【0035】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】