(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】ジエステル化粧用配合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20230807BHJP
A61Q 5/08 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 3/00 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20230807BHJP
A61Q 5/04 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q5/08
A61Q5/12
A61Q3/00
A61Q5/06
A61Q5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504503
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 US2021042341
(87)【国際公開番号】W WO2022020332
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523023904
【氏名又は名称】ケムボー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ディー・プレスリー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB411
4C083AB412
4C083AC391
4C083AC392
4C083BB06
4C083CC28
4C083CC32
4C083CC33
4C083CC34
4C083CC35
4C083DD06
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE25
4C083EE27
4C083EE28
4C083FF01
4C083FF05
(57)【要約】
本出願は化粧品分野における化合物、配合物、キット及び使用方法に関する。化粧用配合物は、式(I)若しくは式(II)のジエステル化合物又はその組合せ、及び1種以上の化粧用に許容される担体又は賦形剤を含む。式(I)及び式(II)の化合物の構造を以下に示す:(I)(II)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪を脱色する方法であって、
化粧用配合物を毛髪に適用する工程を含み、
化粧用配合物が、脱色配合物及び式(I)の化合物を含み、
式(I)の化合物が、構造:
【化1】
[式中、
R
1及びR
2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC
8アルキルからなる群から選択され;
R
A及びR
Bは各々水素である]
を有し;
化粧用配合物中の式(I)の化合物の量が、少なくとも約1質量%であり;
化粧用配合物が、約9より大きい塩基性のpHを有する、方法。
【請求項2】
脱色配合物及び式(I)の化合物を混ぜ合わせて化粧用配合物を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化粧用配合物が、毛髪に適用される前約1~3時間以内に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
化粧用配合物が、毛髪に適用される前約30分以内に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
化粧用配合物を毛髪に適用する工程が、脱色配合物及び式(I)の化合物を毛髪に適用して化粧用配合物を形成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
化粧用配合物を適用した後で毛髪を濯ぐ工程を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
式(I)の化合物が、マレイン酸ジオクチル及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
化粧用配合物が、約2wt.%~約20wt.%、又は約3wt.%~約10wt.%の式(I)の化合物を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
脱色配合物が、1種以上の過硫酸塩、若しくは過酸化水素、又はそれらの組合せを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
1種以上の過硫酸塩が、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
化粧用配合物が、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、及び着色剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
化粧用配合物が、ゲル、液体、クリーム、粉末、又はローションの形態である、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
毛髪の損傷が、式(I)の化合物の非存在下で脱色配合物によって脱色された毛髪と比較して少なくとも5%減少する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
式(I)の化合物が、少なくとも10%の1種以上のカチオン性界面活性剤を含む組成物中にある、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
毛髪を処置して損傷を低減又は予防する方法であって、
ダメージを受けた毛髪にヘアトリートメント配合物を適用する工程を含み、
ヘアトリートメント配合物が、式(I)の化合物及び化粧用に許容される担体を含み、
式(I)の化合物が、構造:
【化2】
[式中、
R
1及びR
2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC
8アルキルからなる群から選択され;
R
A及びR
Bは各々水素である]
を有し;
ヘアトリートメント配合物中の式(I)の化合物の量が、少なくとも約1質量%であり;
毛髪の損傷が、未処置の毛髪と比較して少なくとも5%減少する、方法。
【請求項16】
ダメージを受けた毛髪が、脱色、縮毛矯正、着色、パーマ、若しくは加熱スタイリング、又はそれらの組合せにより生じたものである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ヘアトリートメント配合物が、着色剤、シャンプー剤、若しくはコンディショニング剤、又はそれらの組合せを更に含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
式(I)の化合物が、マレイン酸ジオクチル及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)からなる群から選択される、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
式(I)の化合物が、少なくとも10%の1種以上のカチオン性界面活性剤を含む組成物中にある、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ヘアトリートメント配合物が、式(I)の化合物を化粧用に許容される担体と混合することによって形成されている、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
ヘアトリートメント配合物が、式(I)の化合物を含む組成物を精製水と混合することにより形成されている、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
爪を処置する方法であって、
ネイルトリートメント配合物を1以上の爪に適用する工程を含み、
ネイルトリートメント配合物が、式(I)の化合物及び1種以上の揮発性溶媒を含み、
式(I)の化合物が、構造:
【化3】
[式中、
R
1及びR
2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC
8アルキルからなる群から選択され;
R
A及びR
Bは各々水素である]
を有し;
ネイルトリートメント配合物中の式(I)の化合物の量が、少なくとも5質量%である、方法。
【請求項23】
1種以上の揮発性溶媒が、酢酸エチル、若しくはアセトン、又はそれらの組合せを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ネイルトリートメント配合物の適用の前に、1以上の爪を洗浄する、濯ぐ、若しくは乾燥する工程、又はそれらの組合せの工程を更に含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
ネイルトリートメント配合物を、爪着色剤を適用する前に、ネイルベースコート又はネイルプライマーとして1以上の爪に適用する、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ネイルトリートメント配合物を、爪着色剤の適用の前に、少なくとも約10分間、1以上の爪に適用する、請求項22から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
式(I)の化合物が、マレイン酸ジオクチル及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)からなる群から選択される、請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
約1%wt.~約12%wt.の過酸化水素;
約10%wt.~約40%wt.の1種以上の過硫酸塩;及び
約1%wt.~約20%wt.の式(I)の化合物
を含む化粧用配合物であって、
式(I)の化合物が、構造:
【化4】
[式中、
R
1及びR
2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC
8アルキルからなる群から選択され;
R
A及びR
Bは各々水素である]
を有する、化粧用配合物。
【請求項29】
1種以上の過硫酸塩が、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含む、請求項28に記載の化粧用配合物。
【請求項30】
式(I)の化合物が、マレイン酸ジオクチル及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)からなる群から選択される、請求項28又は29に記載の化粧用配合物。
【請求項31】
毛髪をスタイリングする方法であって、
式(I)の化合物を含むヘアスタイリング配合物を毛髪に適用する工程;
加熱されたヘアスタイリングツールで毛髪を処置する工程
を含み、
式(I)の化合物が、構造:
【化5】
[式中、
R
1及びR
2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC
8アルキルからなる群から選択され;
R
A及びR
Bは各々水素である]
を有し、
ヘアスタイリング配合物中の式(I)の化合物の量が、少なくとも約1質量%である、方法。
【請求項32】
加熱されたヘアスタイリングツールで毛髪を処置する前に毛髪をブロードライする工程を更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ヘアスタイリング配合物が、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、及び着色剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を更に含む、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
式(I)の化合物が、マレイン酸ジオクチル及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)からなる群から選択される、請求項31から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
毛髪をストレートにする、請求項31から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
毛髪にパーマをかける方法であって、
還元剤を毛髪に適用する工程;
毛髪を洗浄するか、濯ぐか、又はシャンプーする工程;
パーマ配合物を毛髪に適用する工程
を含み、
パーマ配合物が、式(I)の化合物を含み;
式(I)の化合物が、構造:
【化6】
[式中、
R
1及びR
2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC
8アルキルからなる群から選択され;
R
A及びR
Bは各々水素である]
を有し;
パーマ配合物中の式(I)の化合物の量が、少なくとも約1質量%である、方法。
【請求項37】
パーマ配合物が、過酸化物を更に含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
還元剤が、チオグリコール酸、チオ乳酸、ジヒドロリポエート、チオグリセロール、メルカプトプロピオン酸、重亜硫酸ナトリウム、重硫化アンモニウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ペグ化されたチオール、若しくはヒドロキノン、又はそれらの組合せを含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
還元剤を、パーマ配合物の前に毛髪に適用する、請求項36から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
式(I)の化合物が、マレイン酸ジオクチル及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)からなる群から選択される、請求項36から39のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の参照による援用
本出願は、2020年7月21日に出願された米国仮出願第63/054496号の優先権の利益を主張し、該仮出願は参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本出願は一般に化粧用及びパーソナルケア配合物、キット並びにその使用方法に関する。特に本出願はヘアトリートメントのための化粧用配合物に関する。
【背景技術】
【0003】
毛髪は、真皮にある毛包から成長するタンパク質繊維である。毛髪は、主としてタンパク質、特にアルファ-ケチランで構成される。アルファ-ケチランは、アルファヘリックスなどの繰り返し二次構造を形成するアミノ酸からなる繊維状の構造タンパク質(ポリペプチド鎖)である。これらのアミノ酸のアルファヘリックス鎖は、通例水素結合、塩橋、及び/又はジスルフィド結合により互いに結合されている。カラートリートメントは、毛染め、ハイライティング、及び脱色を含む。着色剤製品は、パーマネント、デミパーマネント(demi-permanent)、セミパーマネント(semi-permanent)、及び一時的な着色用配合物を含む幾つかのタイプに分類することができる。
【0004】
酸化染料、直接染料、天然染料、金属染料及び反応染料を含めて毛染めに対する様々な手法が開発されて来ている。酸化染料などの多くの毛染め配合物は、毛小皮を開き、染料前駆体のより深い浸透を可能にするために高まったpHで利用される。更に、標準的な脱色配合物は、毛髪内のメラニンを酸化するために高いpHの過硫酸塩及び過酸化水素の混合物を使用する。しかし、これらの過程は、毛髪を縮れさせ損傷する可能性がある。
【0005】
また、アルカリ性のpHで(例えばあく(lye)ベースのリラクサーが毛髪に使用されるとき)毛髪内のタンパク質の二次構造が壊されて毛髪のストレート化が達成され得る。アルカリベースのリラクサーは、毛髪を伸ばし、毛髪をストレートにするのに有効であるが、毛髪の強度の低下及び損傷による脱毛を引き起こし得る。アルカリ性の条件はまた、毛髪にも損傷を与え、髪の毛のキューティクルを粗くさせて毛髪を逆立て、もつれさせ、一般に扱い難くさせて、結果として毛髪を光沢がなく鈍く見せることになり得る。
【0006】
アルカリベースの毛髪リラクサーの使用に伴う更に別の問題は、それを使用すると完全に伸びてストレートになった毛髪となり、カールの度合いを保つ手立てがないことである。また、かかる髪を伸ばすプロセスによる損傷に起因する毛髪強度の低下及び潜在的な脱毛のために、既に伸びてストレートになった毛髪に対してパーマネントウエーブプロセス(即ち、調節された量のカールを導入するため)を更に適用すると更なる損傷及び/又は毛髪の損傷を生じるであろう。
【0007】
加えて、伝統的なパーマは、チオール又は硫黄を含有する還元剤に続いて通例過酸化水素を用いる第2の酸化工程を使用して毛髪をセットする。しかしながら、これらのチオール又は硫黄を含有する還元剤は不快な臭いがあり、もし工程間で適切に濯ぎ落とされないと、毛髪にダメージを与えたり、及び/又は切断したりする可能性がある。
【0008】
米国特許第9,326,926号に記載される先の研究は、酸性のケチラントリートメントを利用して、ヘアトリートメントにより引き起こされる毛髪のダメージを減らし、米国特許第9,713,583号に記載される先の研究は、酸性のケチラントリートメントをマレイン酸又はマレイン酸塩(例えばジマレイン酸ビスアミノプロピルジグリコール)と共に利用して毛髪のカールを起こさせる。しかしながら、ケチラントリートメントにおける活性物質は非常に酸性であり、有効であるために高いpHを必要とする毛髪脱色及び酸化毛染め配合物などのヘアトリートメント配合物とは適合しない可能性がある。それ故、脱色及び着色用配合物のpH及び性能を実質的に変えないように酸性のケチラントリートメントを慎重且つ適切に混合することが必要とされる。したがって、ヘアトリートメントの間の毛髪のダメージを減らすことができ、毛髪の状態を改善することができる便利に使えるがそれでもなお有効なヘアトリートメントを開発する必要性が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第9,326,926号
【特許文献2】米国特許第9,713,583号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の幾つかの局面は、化粧用又はパーソナルケア配合物に関する。化粧用配合物は、次の構造:
【0011】
【0012】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC1~C22アルキル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルケニル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルキニル、場合により置換されていてもよいC3~C10カルボシクリル、場合により置換されていてもよいC6~C10アリール、場合により置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール、場合により置換されていてもよい3~10員のヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよいC2~C22アルコキシアルキルからなる群から選択され;RA、RB、RC及びRDは、各々独立して、水素又は場合により置換されていてもよいC1~C22アルキルである]を有する式(I)若しくは式(II)の化合物、又はその組合せ;及び化粧用に許容される担体若しくは賦形剤(excipient)、又はその組合せを含む。
【0013】
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物の幾つかの実施形態において、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC1~C22アルキル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルケニル、及び場合により置換されていてもよいC2~C22アルキニルからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RA、RB、RC及びRDは各々水素である。幾つかの更なる実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、又はイソヘキシル)であり、RA及びRBは各々水素である。一実施形態において、R1及びR2は各々n-ブチルである。幾つかの更なる実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、又はイソヘキシル)であり、RC及びRDは各々水素である。一実施形態において、R3及びR4は各々n-ブチルである。幾つかの更なる実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC7~C12アルキル(例えば、n-ヘプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、エチルヘキシル、n-ノニル、イソノニル、n-デシル、イソデシル、エチルオクチル)であり、RA及びRBは各々水素である。一実施形態において、R1及びR2は各々オクチル又はエチルヘキシルである。幾つかの更なる実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC7~C12アルキル(例えば、n-ヘプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、エチルヘキシル、n-ノニル、イソノニル、n-デシル、イソデシル、エチルオクチル)であり、RC及びRDは各々水素である。一実施形態において、R3及びR4は各々オクチル又はエチルヘキシルである。
【0014】
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物の幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、式(I)の化合物を含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、式(II)の化合物を含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、約0.1wt.%~約50wt.%又は0.5wt.%~約25wt.%の(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、少なくとも約0.5wt.%、1wt.%、2wt.%、3wt.%、4wt.%、5wt.%、6wt.%、7wt.%、8wt.%、9wt.%、又は10wt.%の(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む。幾つかの更なる実施形態において、化粧用又はパーソナルケア配合物は、式(I)の化合物を含み、式中R1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物は、マレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、1種以上のpH調整剤を更に含む。幾つかの実施形態において、化粧用に許容される担体は、水、酢酸エチル、アセトン、アルコール、ポリオール、油、シリコーン、リポソーム、若しくはエステル、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、ポリオールは、グリコールを含むか又はグリコールである。
【0015】
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物の幾つかの実施形態において、化粧用に許容される賦形剤は、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤(anti-frizz agent)、フケ防止剤、若しくは着色剤、又はそれらの組合せを含み得る。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、ゲル、液体、クリーム、粉末、エマルション、リポソーム、又はローションの形態である。
【0016】
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物の幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、ヘアトリートメント配合物、スキントリートメント配合物、ネイルトリートメント配合物、若しくはそれらの組合せを含むか又はそのいずれかである。更なる実施形態において、化粧用配合物は、ヘアトリートメント配合物、例えば、毛髪脱色配合物、毛髪損傷修復配合物、ヘアスタイリング配合物、又はストレートニング配合物等である。本明細書に記載される化粧用配合物の特定の実施形態は、約1%wt.~約12%wt.の過酸化水素;約10%wt.~約40%wt.の1種以上の過硫酸塩;及び約0.5wt.%~約20wt.%、又は約1%wt.~約10%wt.の式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む毛髪脱色配合物である。幾つかの更なる実施形態において、化粧用配合物は、式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物は、マレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【0017】
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物のいずれかの実施形態において、配合物は、化粧用又はパーソナルケアキット内にあってもよい。本明細書に記載されるキットの幾つかの実施形態において、キットは、ヘアケアキットであり、キットは、1種以上のヘアトリートメント物質を更に含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、1種以上のヘアトリートメント物質は、本明細書に記載される化粧用配合物から分離されている。幾つかの実施形態において、1種以上のヘアトリートメント物質は、脱色剤、リラクシング物質(relaxing agent)、着色剤、シャンプー剤(shampooing agent)、若しくはコンディショニング剤(conditioning agent)、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、脱色剤は、1種以上の過硫酸塩、若しくは1種以上の過酸化物(例えば過酸化水素)、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、過硫酸塩は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、1種以上の過硫酸塩は、少なくとも約8、9又は10の塩基性のpHを有する。幾つかの実施形態において、過酸化水素は、約3、4又は5(例えば、3.5)の酸性pHを有する溶液である。幾つかの実施形態において、リラクシング物質は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化グアニジニウム、水酸化アンモニウム、亜硫酸塩、若しくはチオグリコール酸塩、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、亜硫酸塩は、亜硫酸ナトリウム若しくは亜硫酸カリウム又はその組合せである。
【0018】
本明細書に記載されるキットの他の幾つかの実施形態において、キットは、ネイルケアキットであり、キットは、1種以上のネイルトリートメント又は着色剤を更に含んでいてもよい。幾つかのかかる実施形態において、化粧用配合物は、式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含み、マニキュア液である。他の実施形態において、化粧用配合物は、無色のネイルベース又はプライマーの形態であり、これは着色剤を含有する1以上のマニキュア液の適用前にベースコートとして適用される。
【0019】
本開示の他の幾つかの局面は、化粧用配合物を毛髪に適用することを含む、毛髪を脱色する方法に関し、化粧用配合物は、脱色配合物、及び本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物、又はその組合せを含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は少なくとも約0.5質量%であり;化粧用配合物は、約9より大きい塩基性のpHを有する。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、少なくとも約1質量%の式(I)若しくは(II)の化合物を含む。幾つかの実施形態において、方法は、脱色配合物及び式(I)若しくは(II)の化合物を合わせて化粧用配合物を形成することを更に含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、毛髪に適用される前約1~3時間以内に形成される。他の実施形態において、化粧用配合物は、毛髪に適用される前約30分以下の内に形成される。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、配合物及び式(I)若しくは(II)の化合物を毛髪に逐次的に又は同時に適用することにより毛髪上で形成される。したがって、化粧用配合物を毛髪に適用する工程は、脱色配合物及び式(I)若しくは(II)の化合物を毛髪に適用して化粧用配合物を形成することを含む。幾つかの実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物は、脱色配合物と合わせる前、少なくとも5%~10%の1種以上の界面活性剤(例えば、ベヘントリモニウムクロリド及び/又はベヘントリモニウムメトサルフェートなどのカチオン性界面活性剤)を含む別の組成物中にある。したがって、化粧用配合物は、式(I)若しくは(II)の化合物を含む組成物と脱色(beaching)配合物を合わせることにより形成される。幾つかの実施形態において、方法は、化粧用配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。更なる実施形態において、化粧用配合物は、約0.2wt.%~約60wt.%、約0.5wt.%~約40wt.%、約1wt.%~約30wt.%、約2wt.%~約20wt.%、又は約3wt.%~約15wt.%、又は約5wt.%~約10wt.%の式(I)若しくは(II)の化合物を含む。更なる実施形態において、脱色配合物は、1種以上の過硫酸塩、若しくは過酸化水素、又はその組合せを含む。幾つかのかかる実施形態において、過硫酸塩は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、及び着色剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を更に含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、ゲル、液体、クリーム、粉末、又はローションの形態である。幾つかの更なる実施形態において、毛髪の損傷は、式(I)若しくは(II)の化合物の非存在下の脱色配合物で脱色された毛髪と比較して少なくとも5%、10%、15%又は20%減少する。幾つかの更なる実施形態において、化粧用配合物は、式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物は、マレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【0020】
本開示の他の幾つかの局面は、ダメージを受けた毛髪にヘアトリートメント配合物を適用することを含む、毛髪を処置して毛髪の損傷を低減又は予防する方法に関し、ヘアトリートメント配合物は、式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ、及び化粧用に許容される担体を含む。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は、少なくとも約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%若しくは70質量%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲である。更なる実施形態において、ヘアスタイリング配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は、少なくとも約0.5%又は1質量%である。更なる実施形態において、毛髪の損傷は、未処置の毛髪と比較して少なくとも5%減少する。幾つかの実施形態において、ダメージを受けた毛髪は、脱色、リラクシング、着色、パーマ、ストレートニング、若しくは加熱スタイリング、又はその組合せにより生ずる。更なる実施形態において、ヘアトリートメント配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%又は10質量%である。例えば、ヘアトリートメント配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は、毛髪がごわごわしているか又はひどくダメージを受けているとき(例えば、以前に繰り返し着色、脱色、パーマ、縮毛矯正、くせとり、又は加熱スタイリング等を受けているとき)少なくとも約5%~約10%である。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物は、式(I)又は(II)の化合物を化粧用に許容される担体中で混合することにより形成される。幾つかのかかる実施形態において、化粧用に許容される担体は、水、精製水、若しくは脱イオン水を含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、化粧用に許容される担体と混合する前に少なくとも5%~10%の1種以上の界面活性剤(例えば、ベヘントリモニウムクロリド及び/又はベヘントリモニウムメトサルフェートなどのカチオン性界面活性剤)を含む別の組成物である。したがって、ヘアトリートメント配合物は、式(I)又は(II)の化合物を含む組成物を化粧用に許容される担体(例えば、精製水)と合わせることにより形成される。幾つかの実施形態において、方法は、ヘアトリートメント配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。他の実施形態において、方法は、ヘアトリートメント配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを必要としない。更なる実施形態において、ヘアトリートメント配合物を適用することは、ダメージを受けた毛髪にヘアトリートメント配合物を噴霧することを含む。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物を週に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回毛髪に適用して、減少した毛髪の損傷及び改善された髪質を経時的に達成する。例えば、毛髪の損傷は、ヘアトリートメント配合物が少なくとも2~3回/週少なくとも1、2、3、4、5又は6ヶ月間使用されるとき未処置の毛髪と比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物は、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、及び着色剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を更に含む。幾つかの更なる実施形態において、ヘアトリートメント配合物は、式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物は、マレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【0021】
本開示の幾つかの追加の局面は、ヘアスタイリング配合物を毛髪に適用し、加熱したヘアスタイリングツールで毛髪を処置することを含むスタイリング方法に関し、ヘアスタイリング配合物は、本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む。幾つかの実施形態において、方法は、加熱したスタイリングツールで毛髪を処置する前に毛髪をブローすることを更に含む。更なる実施形態において、ヘアスタイリング配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%若しくは70質量%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲である。更なる実施形態において、ヘアスタイリング配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%又は10質量%である。例えば、ヘアスタイリング配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は、毛髪がごわごわしているか又はひどくダメージを受けている(例えば、既に繰り返し着色、脱色、パーマ、縮毛矯正、くせとり、又は加熱スタイリング等をした)とき少なくとも約5%~約10%である。幾つかの実施形態において、方法は、ヘアスタイリング配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。他の実施形態において、方法はヘアスタイリング配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを必要としない。幾つかの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、週に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回毛髪に適用して減少した毛髪の損傷及び改善された髪質を経時的に達成する。例えば、毛髪の損傷は、ヘアスタイリング配合物を少なくとも2~3回/週で少なくとも1、2、3、4、5又は6ヶ月間使用すると未処置の毛髪と比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。幾つかの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、及び着色剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を更に含む。幾つかの更なる実施形態において、ヘアスタイリング配合物は式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物はマレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【0022】
幾つかの追加の実施形態は、毛髪にパーマをかける方法であって、還元剤を毛髪に適用する工程;毛髪を洗浄するか、濯ぐか、又はシャンプーする工程;パーマ配合物を毛髪に適用する工程を含み、パーマ配合物は本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む、方法に関する。更なる実施形態において、パーマ配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%又は20質量%である。例えば、パーマ配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は毛髪がごわごわしているか又はひどくダメージを受けている(例えば、既に繰り返し着色、脱色、パーマ、縮毛矯正、くせとり又は加熱スタイリング等を受けている)とき少なくとも約5%~約10%である。幾つかの実施形態において、方法は、パーマ配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。更なる実施形態において、方法はまた加熱したヘアスタイリングツールでスタイリングすることも含み得る。幾つかの実施形態において、還元剤はチオグリコール酸、チオ乳酸、ジヒドロリポエート(dihydrolipoate)、チオグリセロール、メルカプトプロピオン酸、重亜硫酸ナトリウム、重硫化アンモニウム(ammonium bisulfide)、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ペグ化されたチオール、若しくはヒドロキノン、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、還元剤は、パーマ配合物を毛髪に適用する前に毛髪に適用する。幾つかのかかる実施形態において、パーマ配合物は、還元剤の適用後30秒、1分、5分、10分、15分、30分、又は1時間で、又はほぼその時間で、多くともその時間で、多くともほぼその時間で、少なくともその時間で、若しくは少なくともほぼその時間で、毛髪に適用される。他の幾つかの実施形態において、還元剤はスタイリング配合物と同時に毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、方法は、還元剤の適用後及びパーマ配合物の適用の前に、毛髪を洗浄する、濯ぐ、若しくは乾燥すること、又はその組合せを更に含む。更なる実施形態において、パーマ配合物は、酸化剤(例えば、過酸化物)を更に含む。幾つかの実施形態において、方法はパーマ配合物が活性物質(例えば、式(I)若しくは(II)の化合物)を有するときパーマをかける方法と比較して減少した毛髪の損傷及び改善された髪質を達成し得る。例えば、毛髪の損傷は活性物質を含まないパーマ配合物を用いるときと比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。幾つかの実施形態において、パーマ配合物は、界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、及び着色剤、並びにそれらの組合せからなる群から選択される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を更に含む。幾つかの更なる実施形態において、パーマ配合物は式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物はマレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【0023】
本開示の他の幾つかの局面はネイルトリートメント配合物を1以上の爪に適用することを含む爪を処置する方法に関し、ネイルトリートメント配合物は本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ、及び1種以上の揮発性溶媒を含む。幾つかの実施形態において、ネイルトリートメント配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%若しくは70質量%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲である。更なる実施形態において、ネイルトリートメント配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、又は20質量%である。幾つかの実施形態において、1種以上の揮発性溶媒を酢酸エチル、若しくはアセトン、又はその組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、方法は、ネイルトリートメント配合物の適用の前に、1つ以上の爪を洗浄する、濯ぐ、若しくは乾燥すること、又はその組合せを更に含む。幾つかの実施形態において、ネイルトリートメント配合物は爪着色剤を適用する前にネイルベースコート又はネイルプライマーとして1つ以上の爪に適用される。例えば、ネイルトリートメント配合物は爪着色剤の適用の少なくとも約1分、5分、10分、又は1時間前に1つ以上の爪に適用される。幾つかの更なる実施形態において、ネイルトリートメント配合物は式(I)の化合物を含み、R1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物はマレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、化粧用配合物A、B又はC(それぞれ左から右へ)で処置した毛髪見本の写真である。
【
図2】
図2は、化粧用配合物Dで10分、30分、1時間、16時間処置した、又は未処置の(それぞれ左から右へ)脱色ダメージを受けた毛髪見本の写真である。
【
図3】
図3は、未処置の脱色ダメージを受けた毛髪見本(左)及び化粧用配合物Dで処置した脱色ダメージを受けた毛髪見本(右)の写真である。
【
図4】
図4は、未処置のアフリカ系アメリカ人の毛髪見本(左)及び化粧用配合物Dで処置したアフリカ系アメリカ人の毛髪見本(右)の写真である。
【
図5】
図5は、化粧用配合物E又はFで処置した(それぞれ左から右へ)ブロンドの毛髪見本の写真である。
【
図6】
図6は、化粧用配合物G又はHで処置して伸びた毛髪見本(それぞれ左から右へ)の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願は化粧用配合物、キット及びその使用方法に関する。化粧用配合物は有効な量の本明細書に記載される式(I)又は(II)の1種以上のジエステル化合物、及び化粧用に許容される担体若しくは賦形剤、又はその組合せを含む。化粧用配合物は毛髪、皮膚及び/又は爪を処置するのに使用することができる。例えば、化粧用配合物は毛髪を処置したり、又は毛染め、脱色、縮毛矯正、くせとり及び/又はパーマなどのヘアトリートメントにより生じる毛髪に対するダメージを予防したりするのに使用することができる。
【0026】
酸性の活性物質を含有する以前に報告されたケチラントリートメントとは対照的に、本明細書に記載されるジエステル化合物は比較的中性のpHである。したがって、本明細書に記載されるジエステル化合物を含有する化粧用配合物は、適切な性能及び有効性のためにpHの慎重なバランスを必要とする毛髪脱色及び酸化毛染めなどの高いpHの化粧用共トリートメント(high pH cosmetic co-treatments)の有効性に影響を及ぼすことなく自由に適用し得る。本明細書に記載される化粧用配合物の1つの主要な利点は、化粧用トリートメントに使用される中性pHのジエステル化合物の量が、毛髪脱色、毛染め、縮毛矯正、ヘアカール、又は皮膚及びネイルトリートメントなどの他のpH感受性のトリートメントの相対的な量を気にすることなく広い範囲であり得ることである。
【0027】
定義
別に規定されない限り、本明細書で使用する全ての技術及び科学用語は当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0028】
用語「含む(including)」並びに「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいた(included)」などの他の形態の使用は限定的でない。用語「有する(having)」並びに「有する(have)」、「有する(has)」、及び「有していた(had)」などの他の形態の使用は限定的でない。この明細書で使用されるとき、移行句か請求項の本体かにかかわらず、用語「含む(comprise(s))」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドの意味を有すると解釈される。即ち、上記用語は「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」という表現と同意語として解釈される。例えば、方法の文脈で使用されるとき、用語「含む(comprising)」は、その方法が少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含んでもよいことを意味する。化合物、組成物、又は装置の文脈で使用されるとき、用語「含む(comprising)」は、その化合物、組成物、又は装置が少なくとも列挙された特徴又は構成成分・要素を含むが、追加の特徴又は構成成分・要素を含んでいてもよいことを意味する。
【0029】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限並びにその範囲の上限及び下限の間にある各々の値が実施形態内に包含されると理解される。
【0030】
本明細書で使用されるとき、用語「wt.%」は、質量による百分率を意味する。
【0031】
ある種の基命名規則は状況に応じてモノラジカル又はジラジカルのいずれも含むことができると理解されたい。例えば、ある置換基が分子の残りに対して2つの結合点を必要とする場合、その置換基はジラジカルであると理解される。例えば、2つの結合点を必要とするアルキルと称される置換基には、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-等などのジラジカルが含まれる。他の基命名規則はその基が「アルキレン」又は「アルケニレン」などのジラジカルであることを明白に示す。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「a」及び「b」が整数である「Ca~Cb」は、アルキル、アルケニル若しくはアルキニル基の炭素原子の数、又はシクロアルキル若しくはアリール基の環原子の数を意味する。即ち、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルの環、及びアリールの環は「a」~「b」個の炭素原子を含有することができる。例えば、「C1~C4アルキル」基は1~4個の炭素を有する全てのアルキル基、即ち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-及び(CH3)3C-を指し;C3~C4シクロアルキル基は3~4個の炭素原子を有する全てのシクロアルキル基、即ち、シクロプロピル及びシクロブチルを指す。同様に、「4~6員のヘテロシクリル」基は4~6個の総環原子の全てのヘテロシクリル基、例えば、アゼチジン、オキセタン、オキサゾリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン等を指す。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、又はアリール基に関して「a」及び「b」が指定されていないならば、これらの定義に記載される最も広い範囲が想定される。本明細書で使用されるとき、用語「C1~C22」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、から最高でC22まで、及びいずれか2つの数により規定される範囲を含む。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「アルキル」は、完全に飽和した(即ち、二重又は三重結合を含有しない)直鎖状又は分岐した炭化水素鎖を意味する。アルキル基は1~22個の炭素原子を有し得る(本明細書で出現するときはいつも、「1~22」などの数値範囲は所与の範囲内の各々の整数を指し;例えば、「1~22個の炭素原子」は、そのアルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、及び22個を含めてそれ以下の炭素原子からなり得ることを意味するが、本定義は数値範囲が指定されない場合の用語「アルキル」の存在も含む)。アルキル基はまた1~9個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキルであってもよい。アルキル基はまた1~6個の炭素原子を有する低級アルキルであることもできよう。アルキル基は「C1~C4アルキル」又は同様な呼称で指定され得る。単なる一例として、「C1~C6アルキル」は、アルキル鎖中に1~6個の炭素原子があることを示す。即ち、そのアルキル鎖はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルからなる群から選択される。典型的なアルキル基には、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、ヘキシル等がある。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「アルコキシ」は、式-ORを意味し、式中Rは上で定義された通りのアルキルであり、例えば、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシ等を含む「C1~C9アルコキシ」である。
【0035】
本明細書で使用されるとき、「アルケニル」は、1以上の二重結合を含有する直鎖状又は分岐した炭化水素鎖を意味する。アルケニル基は2~22個の炭素原子を有し得るが、本定義はまた数値範囲が指定されない場合の用語「アルケニル」の存在も含む。アルケニル基はまた2~9個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルケニルであってもよい。アルケニル基はまた2~6個の炭素原子を有する低級アルケニルであることもできよう。アルケニル基は「C2~C6アルケニル」又は同様な呼称で指定され得る。単なる一例として、「C2~C6アルケニル」は、アルケニル鎖中に2~6個の炭素原子があることを示す。即ち、アルケニル鎖はエテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2-ジエニル、及びブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択される。典型的なアルケニル基には、限定されないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル等がある。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「アルキニル」は、1以上の三重結合を含有する直鎖状又は分岐した炭化水素鎖を意味する。アルキニル基は2~22個の炭素原子を有し得るが、本定義はまた数値範囲が指定されない場合の用語「アルキニル」の存在も含む。アルキニル基はまた2~9個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキニルであってもよい。アルキニル基はまた2~6個の炭素原子を有する低級アルキニルであることもできよう。アルキニル基は「C2~C6アルキニル」又は同様な呼称で指定され得る。単なる一例として、「C2~C6アルキニル」は、アルキニル鎖中に2~6個の炭素原子があることを示す。即ち、アルキニル鎖はエチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、及び2-ブチニルからなる群から選択される。典型的なアルキニル基には、限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニル等がある。
【0037】
用語「芳香族」は、共役したパイ電子系を有する環又は環系をいい、炭素環式の芳香族(例えば、フェニル)及び複素環式の芳香族基(例えば、ピリジン)の両方を含む。この用語は単環式又は縮合多環式(即ち、隣接する対の原子を共有する環)基を含み、但し全体の環系が芳香族である。
【0038】
本明細書で使用されるとき「アリール」は、環骨格に炭素のみを含有する芳香族の環又は環系(即ち、2つの隣接する炭素原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。アリールが環系であるとき、系内のあらゆる環が芳香族である。アリール基は6~18個の炭素原子を有し得るが、本定義はまた数値範囲が指定されない場合の用語「アリール」の存在も含む。幾つかの実施形態において、アリール基は6~10個の炭素原子を有する。アリール基は「C6~C10アリール」、「C6又はC10アリール」、又は同様な呼称で指定され得る。アリール基の例には、限定されることはないが、フェニル、ナフチル、アズレニル、及びアントラセニルがある。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール」は、環骨格内に1つ以上のヘテロ原子、即ち、限定されないが、窒素、酸素及び硫黄を始めとする炭素以外の元素を含有する芳香族の環又は環系(即ち、2つの隣接する原子を共有する2つ以上の縮合環)を意味する。ヘテロアリールが環系であるとき、系内のあらゆる環が芳香族である。ヘテロアリール基は5~18個の環員(即ち、炭素原子及びヘテロ原子を含めて環骨格を構成する原子の数)を有し得るが、本定義はまた数値範囲が指定されない場合の用語「ヘテロアリール」の存在にも及ぶ。幾つかの実施形態において、ヘテロアリール基は5~10個の環員又は5~7個の環員を有する。ヘテロアリール基は「5~7員のヘテロアリール」、「5~10員のヘテロアリール」、又は同様な呼称で指定され得る。ヘテロアリール環の例には、限定されることはないが、フリル、チエニル、フタラジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル(isoquinlinyl)、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、イソインドリル、及びベンゾチエニルがある。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「カルボシクリル」は、環系骨格に炭素原子のみを含有する非芳香族の環式環又は環系を意味する。カルボシクリルが環系であるとき、2つ以上の環は縮合、架橋又はスピロ連結様式で結合し得る。カルボシクリルは、環系の少なくとも1つの環が芳香族でないことを条件として、いかなる程度の飽和を有していてもよい。したがって、カルボシクリルはシクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルを含む。カルボシクリル基は3~20個の炭素原子を有し得るが、本定義はまた数値範囲が指定されない場合の用語「カルボシクリル」の存在にも及ぶ。カルボシクリル基はまた3~10個の炭素原子を有する中程度の大きさのカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基はまた3~6個の炭素原子を有するカルボシクリルであることもできよう。カルボシクリル基は「C3~C6カルボシクリル」又は同様な呼称で指定され得る。カルボシクリル環の例には、限定されることはないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロインデン、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、及びスピロ[4.4]ノナニルがある。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロシクリル」は、環骨格内に少なくとも1個のヘテロ原子を含有する非芳香族の環式環又は環系を意味する。ヘテロシクリルは縮合、架橋又はスピロ連結様式で結合し得る。ヘテロシクリルは環系内の少なくとも1つの環が芳香族でないことを条件としていかなる程度の飽和を有していてもよい。ヘテロ原子は環系内の非芳香族又は芳香族の環のいずれかに存在し得る。ヘテロシクリル基は3~20個の環員(即ち、炭素原子及びヘテロ原子を含めて環骨格を構成する原子の数)を有し得るが、本定義はまた数値範囲が指定されない場合の用語「ヘテロシクリル」の存在にも及ぶ。ヘテロシクリル基はまた3~10個の環員を有する中程度の大きさのヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基はまた3~6個の環員を有するヘテロシクリルであることもできよう。ヘテロシクリル基は「3~6員のヘテロシクリル」又は同様な呼称で指定され得る。好ましい6員の単環式ヘテロシクリルにおいてヘテロ原子は1~3個までのO、N又はSから選択され、好ましい5員の単環式ヘテロシクリルにおいてヘテロ原子はO、N、又はSから選択される1又は2個のヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例には、限定されることはないが、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリジニル、及びテトラヒドロキノリンがある。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「シクロアルキル」は、完全に飽和したカルボシクリル環又は環系を意味する。例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルがある。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「アルコキシアルキル」又は「(アルコキシ)アルキル」は、C2~C8アルコキシアルキル、又は(C1~C6アルコキシ)C1~C6アルキル、例えば、-(CH2)1-3-OCH3などの、アルキレン基を介して連結されたアルコキシ基をいう。
【0044】
基が「場合により置換されていてもよい」と記載されるときには非置換でも又は置換されていてもよい。同様に、基が「置換されている」と記載されるとき、置換基は示された置換基の1以上から選択され得る。本明細書で使用されるとき、置換された基は、非置換の親基から1つ以上の水素原子が別の原子又は基と交換されて誘導される。他に示されない限り、ある基が「置換された」と考えられるとき、その基はC1~C6アルキル、C1~C6アルケニル、C1~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C7カルボシクリル(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、C3~C7カルボシクリル-C1~C6-アルキル(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員のヘテロシクリル(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、3~10員のヘテロシクリル-C1~C6-アルキル(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、アリール(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、(アリール)C1~C6アルキル(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、5~10員のヘテロアリール(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキで置換されていてもよい)、(5~10員のヘテロアリール)C1~C6アルキル(場合によりハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシで置換されていてもよい)、ハロ、-CN、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、(C1~C6アルコキシ)C1~C6アルキル、-O(C1~C6アルコキシ)C1~C6アルキル;(C1~C6ハロアルコキシ)C1~C6アルキル;-O(C1~C6ハロアルコキシ)C1~C6アルキル;アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば、-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミノ(C1~C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルフィニル、スルフィニル、-SO3H、スルフィノ、-OSO2C1-4アルキル、及びオキソ(=O)から独立に選択される1つ以上の置換基で置換されていることを意味する。ある基が「場合により置換されていてもよい」と記載されていればどこでもその基は上記置換基で置換されていることができる。
【0045】
用語「毛髪」は、1本又は1束の毛髪、及び毛髪の天然成分(例えば、身体由来の油など)を指す。毛髪は未処理の毛髪又は処理された毛髪、例えばヘアウエーブ又は縮毛矯正配合物に晒された毛髪を指し得る。
【0046】
用語「未処置の毛髪」は、未処理の毛髪を指すか、又は本明細書に記載される1種以上のジエステル化合物(例えば式(I)又は式(II)の化合物)を含有しないヘアトリートメント配合物(例えば脱色又は着色用配合物)で処置された毛髪を指す。
【0047】
用語「シャンプー」は、一般に毛髪を洗浄するための洗剤又はせっけんを含有する、毛髪に適用される液体又は半固体の配合物を指す。
【0048】
用語「コンディショナー」は、一般に毛髪を柔らかくし、毛髪を滑らかにし、及び/又は毛髪の輝きを変化させるために毛髪に適用される配合物(例えば、液体、クリーム、ローション、ゲル、半固体)を意味する。
【0049】
ジエステル化合物
本明細書に記載される幾つかの実施形態は、一般に次の構造を有する式(I)又は式(II)の化合物、又はその組合せに関する。
【0050】
【0051】
式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC1~C22アルキル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルケニル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルキニル、場合により置換されていてもよいC3~C10カルボシクリル、場合により置換されていてもよいC6~C10アリール、場合により置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール、場合により置換されていてもよい3~10員のヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよいC2~C22アルコキシアルキルからなる群から選択され;RA、RB、RC及びRDは、各々独立して、水素又は場合により置換されていてもよいC1~C22アルキルである。
【0052】
幾つかの実施形態において、化合物は式(I)の化合物であることができ、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC1~C22アルキル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルケニル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルキニル、場合により置換されていてもよいC3~C10カルボシクリル、場合により置換されていてもよいC6~C10アリール、場合により置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール、場合により置換されていてもよい3~10員のヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよいC2~C22アルコキシアルキルからなる群から選択され;RA及びRBは、各々独立して、水素又は場合により置換されていてもよいC1~C22アルキルである。例えば、幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され;RA及びRBは各々水素である。
【0053】
式(I)の化合物の幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC1~C22アルキル(例えば、非置換のC1~C6アルキル又は非置換のC7~C12アルキル)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC2~C22アルケニル(例えば、非置換のC2~C6アルケニル又は非置換のC7~C12アルケニル)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC2~C22アルキニル(例えば、非置換のC2~C6アルキニル又は非置換のC7~C12アルキニル)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC3~C10カルボシクリル(例えば、非置換のC3~C6シクロアルキル)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC6~C10アリール(例えば、非置換のフェニル)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換の5~10員のヘテロアリール(例えば、N、O及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する非置換の5又は6員のヘテロアリール)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換の3~10員のヘテロシクリル(例えば、N、O及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する非置換の3~6員のヘテロシクリル)である。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC2~C22アルコキシアルキル(例えば、非置換の(C1~C6アルコキシ)C1~C6アルキル)である。幾つかの実施形態において、R1は置換されたC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換されたC2~C22アルケニルである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換されたC2~C22アルキニルである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換されたC3~C10カルボシクリルである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換されたC6~C10アリールである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換された5~10員のヘテロアリールである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換された3~10員のヘテロシクリルである。幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、置換されたC2~C22アルコキシアルキルである。
【0054】
式(I)の化合物の幾つかの実施形態において、RAは水素である。幾つかの実施形態において、RAは非置換のC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RAは置換されたC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RBは水素である。幾つかの実施形態において、RBは非置換のC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RBは置換されたC1~C22アルキルである。
【0055】
式(I)の化合物の幾つかの更なる実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル)であり、RA及びRBは各々水素である。一実施形態において、R1及びR2は各々n-ブチルである。他の幾つかの実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、非置換のC7~C12アルキル(例えば、n-ヘプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、イソノニル、n-デシル、イソデシル、エチルオクチル)であり、RA及びRBは各々水素である。式(I)の化合物の幾つかの追加の実施形態において、R1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルであり、RA及びRBは各々水素である。一実施形態において、R1及びR2は各々n-オクチルであり、式(I)の化合物はマレイン酸ジオクチルである。別の実施形態において、R1及びR2は各々エチルヘキシル(例えば、2-エチルヘキシル)であり、式(I)の化合物はマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)である。
【0056】
幾つかの実施形態において、化合物は式(II)の化合物であることができ、式中のR3及びR4は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC1~C22アルキル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルケニル、場合により置換されていてもよいC2~C22アルキニル、場合により置換されていてもよいC3~C10カルボシクリル、場合により置換されていてもよいC6~C10アリール、場合により置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール、場合により置換されていてもよい3~10員のヘテロシクリル、及び場合により置換されていてもよいC2~C22アルコキシアルキルからなる群から選択され;RC及びRDは、各々独立して、水素又は場合により置換されていてもよいC1~C22アルキルである。
【0057】
式(II)の化合物の幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC1~C22アルキル(例えば、非置換のC1~C6アルキル又は非置換のC7~C12アルキル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC2~C22アルケニル(例えば、非置換のC2~C6アルケニル又は非置換のC7~C12アルケニル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC2~C22アルキニル(例えば、非置換のC2~C6アルキニル又は非置換のC7~C12アルキニル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC3~C10カルボシクリル(例えば、非置換のC3~C6シクロアルキル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC6~C10アリール(例えば、非置換のフェニル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換の5~10員のヘテロアリール(例えば、N、O及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する非置換の5又は6員のヘテロアリール)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換の3~10員のヘテロシクリル(例えば、N、O及びSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する非置換の3~6員のヘテロシクリル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC2~C22アルコキシアルキル(例えば、非置換のC1~C6アルコキシ)C1~C6アルキル)である。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換されたC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換されたC2~C22アルケニルである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換されたC2~C22アルキニルである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換されたC3~C10カルボシクリルである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換されたC6~C10アリールである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換された5~10員のヘテロアリールである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換された3~10員のヘテロシクリルである。幾つかの実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、置換されたC2~C22アルコキシアルキルである。
【0058】
式(II)の化合物の幾つかの実施形態において、RCは水素である。幾つかの実施形態において、RCは非置換のC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RCは置換されたC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RDは水素である。幾つかの実施形態において、RDは非置換のC1~C22アルキルである。幾つかの実施形態において、RDは置換されたC1~C22アルキルである。
【0059】
式(II)の化合物の幾つかの更なる実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル)であり、RC及びRDは各々水素である。一実施形態において、R1及びR2は各々n-ブチルである。幾つかの更なる実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、非置換のC7~C12アルキル(例えば、n-ヘプチル、イソヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、イソノニル、n-デシル、イソデシル、エチルオクチル)であり、RC及びRDは各々水素である。幾つかの追加の実施形態において、R3及びR4は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルであり、RC及びRDは各々水素である。一実施形態において、R3及びR4は各々n-オクチルである。別の実施形態において、R3及びR4は各々エチルヘキシル(例えば、2-エチルヘキシル)である。
【0060】
化粧用配合物
本明細書に記載される幾つかの実施形態は、有効量の本明細書に記載される1種以上の化合物、例えば本明細書に記載される式(I)若しくは式(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性成分)、及び1種以上の化粧用に許容される担体又は賦形剤を含むことができる化粧用配合物に関する。幾つかの実施形態において、化粧用配合物はヘアトリートメント配合物、スキントリートメント配合物、ネイルトリートメント配合物、又はこれらの組合せである。
【0061】
幾つかの実施形態において、化粧用配合物は0.05wt.%、0.1wt.%、0.5wt.%、1wt.%、2wt.%、3wt.%、5wt.%、10wt.%、15wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%、40wt.%、45wt.%、50wt.%、60wt.%、65wt.%、70wt.%、若しくは75wt.%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲の、又はほぼ上記値若しくは範囲の、又は少なくとも上記値若しくは範囲の、又は少なくともほぼ上記値若しくは範囲の式(I)又は(II)の1種以上の化合物を含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物はごわごわした毛髪(例えば、アフリカ系アメリカ人の毛髪)及び/又は脱色、着色、パーマ、縮毛矯正、くせとり、加熱スタイリング等により生じるダメージを繰り返し受けた毛髪に適用されるとき1wt.%、2wt.%、3wt.%、5wt.%、10wt.%、15wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%、40wt.%、45wt.%、50wt.%、55wt.%、60wt.%、65wt.%、70wt.%、75wt.%、若しくは80wt.%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲の、又はほぼ上記値若しくは範囲の、又は少なくとも上記値若しくは範囲の、又は少なくともほぼ上記値若しくは範囲の、1種以上の式(I)又は(II)の化合物を含む。
【0062】
幾つかの実施形態において、化粧用に許容される担体は水、酢酸エチル、アセトン、アルコール、ポリオール、油、シリコーン、リポソーム、若しくはエステル、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、ポリオールはエチレングリコール又はプロピレングリコールなどのグリコールである。幾つかの実施形態において、水は精製水、蒸留水、脱イオン水、又はそれらの組合せである。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は5wt.%、10wt.%、15wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%、40wt.%、45wt.%、50wt.%、60wt.%、65wt.%、70wt.%、75wt.%、80wt.%、85wt.%、90wt.%、95wt.%、98wt.%、若しくは99wt.%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲の、ほぼ上記値若しくは範囲の、少なくとも上記値若しくは範囲の、又は少なくともほぼ上記値若しくは範囲の、化粧用に許容される担体、例えば水を含む。
【0063】
幾つかの実施形態において、化粧用に許容される賦形剤は界面活性剤、ビタミン、天然抽出物、保存料、酸化防止剤、キレート剤、タンパク質、アミノ酸、保湿剤、香料、皮膚軟化剤、浸透剤、増粘剤、粘度調整剤、毛髪固定剤、膜形成剤、乳化剤、乳白剤、推進剤、担体、塩、緩衝剤、帯電防止剤、縮毛防止剤、フケ防止剤、若しくは着色剤、又はそれらの組合せを含む。化粧用に許容される賦形剤は通例化粧用配合物の約10wt.%~約99.99wt.%、例えば、約40wt.%~約99wt.%、又は約80wt.%~約99wt.%の範囲の量で存在する。
【0064】
幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、ゲル、液体、クリーム、粉末、ローション、ミルク、ムース、スプレー、シャンプー、コンディショナー等の形態である。
【0065】
幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、pH調整剤を更に含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、1種以上のヘアトリートメント物質を更に含む。幾つかの実施形態において、1種以上のヘアトリートメント物質は、脱色剤、リラクシング物質、着色剤、シャンプー剤、若しくはコンディショニング剤、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、脱色剤は、1種以上の過硫酸塩、若しくは過酸化水素、又はその組合せを含む。幾つかの実施形態において、過硫酸塩は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せである。幾つかの実施形態において、過酸化水素は、少なくとも約10のpHを有する。幾つかの実施形態において、過酸化水素は、少なくとも約3のpHを有する。幾つかの実施形態において、リラクシング物質は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化グアニジニウム、水酸化アンモニウム、亜硫酸塩、若しくはチオグリコール酸塩、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、亜硫酸塩は、亜硫酸ナトリウム若しくは亜硫酸カリウム又はその組合せである。幾つかの実施形態において、着色剤は、1種以上の酸化染料、直接染料、天然染料、金属染料、反応染料又はそれらの組合せである。幾つかの実施形態において、酸化染料は、1種以上の酸化性塩基から選択される。幾つかの実施形態において、酸化性塩基は、1種以上のパラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、又はオルト-アミノフェノール、複素環式塩基(例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体)、その付加塩、置換類似体、及びそれらの組合せから選択される。幾つかの実施形態において、酸化染料は、1種以上のカップラーを更に含む。幾つかの実施形態において、カップラーは、1種以上のメタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレンベースのカップラー、複素環式カップラー、その付加塩、及びそれらの組合せから選択される。幾つかの実施形態において、酸化性塩基及びカップラーの付加塩は、酸との付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩であり得る。幾つかの実施形態において、直接染料は、合成染料、天然染料、又はそれらの組合せの1種以上を含む。幾つかの実施形態において、直接染料は、1種以上のカチオン性染料、アニオン性染料、非イオン性染料、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、直接染料は、1種以上のアゾ染料、ジアゾ染料、(ポリ)メチン染料(例えばシアニン、ヘミシアニン及びスチリル)、カルボニル染料、アジン染料、ニトロ(ヘテロ)アリール染料、トリ(ヘテロ)アリールメタン染料、ポルフィリン染料、フタロシアニン染料、及び天然染料、ヒドラゾノ染料から選択される。幾つかの実施形態において、天然染料は、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン、又はオルセイン、それらの抽出物、それらの煎じ汁、及びそれらの組合せの1種以上から選択される。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、着色剤及び/又は染料(例えば酸化染料及び/又は直接染料)を含まないか実質的に含まない。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は、化粧用配合物の審美的な色を変更するための製品着色剤又は顔料(例えば食用染料)を更に含む。
【0066】
本明細書に記載される化粧用配合物の特定の実施形態は、約1%wt.~約12%wt.の過酸化水素;約10%wt.~約40%wt.の1種以上の過硫酸塩;及び約0.5%wt.~約20wt.%、又は約1wt.%~約10wt.%の式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む毛髪脱色配合物である。幾つかの更なる実施形態において、化粧用配合物は、式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物は、マレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。毛髪脱色配合物はまた、本明細書に記載される1種以上の化粧用に許容される賦形剤及び担体を含んでいてもよい。
【0067】
本明細書に記載される化粧用配合物の別の実施形態は、着色剤を含有する1種以上のマニキュア液の適用の前に、ベースコートとして適用される無色のネイルベース又はプライマーの形態の化粧用配合物である。ネイルベース又はプライマーは、約1%~約60%、約2%~約50%、又は約5%~約30質量%の式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ、及び1種以上の揮発性溶媒を含み得る。幾つかの更なる実施形態において、化粧用配合物は、式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物は、マレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。ネイルベース又はプライマーはまた、本明細書に記載される1種以上の化粧用に許容される賦形剤及び担体も含み得る。
【0068】
保湿剤
保湿剤は湿気を引き付け保持する物質である。化粧品及びパーソナルケア製品及び組成物に使用される保湿剤には合成保湿剤(例えばプロピレングリコール、尿素、ポリエチレングリコール(PEG)及び天然保湿剤(例えば砂糖、ベタイン、アミノ酸、蜂蜜、アロエ抽出物、ヒアルロン酸、及びグリセリンがある。1つの特定の例において、保湿剤は、テンサイ糖抽出物であるグリシンベタイン(ビート(beta vulgaris))を含み得る。環境から湿気を引き付ける伝統的な保湿剤と異なり、グリシンベタインはその豊富な糖類源のために直接水和作用を付加する。1種以上の保湿剤は本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物中に配合物の約0.1wt.%~約15%wt、又は配合物の約0.5%wt~約10%wt、又は配合物の約1%~約5%の範囲の量で含まれ得る。
【0069】
皮膚軟化剤
皮膚軟化剤は、皮膚を、湿気又は刺激に対して保護し、柔らかくし、和らげ、覆い、滑らかにし、湿らせ、保護し、及び/又は清潔にする物質である。化粧用配合物に使用するのに適した皮膚軟化剤は、限定されることはないが、シリコーン化合物(例えば、ジメチコーン、シクロメチコーン、ジメチコーンコポリオール又はシクロペンタシロキサン及びジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマーの混合物、シクロペンタシロキサンポリシリコーン)、ポリオール、例えばソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、カプリリルグリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、キシリトール;パルミチン酸エチルヘキシル;トリグリセリド、例えばトリ(カプリル酸/カプロン酸)グリセリド及び脂肪酸エステル、例えばイソノナン酸セテアリル又はパルミチン酸セチルを含む。特定の実施形態において、皮膚軟化剤はジメチコーン、アミドジメチコーン、ジメチコノール、シクロペンタシロキサン、PEG-7ジメチコーンパンテニルリン酸カリウム、又はそれらの組合せである。1種より多くの皮膚軟化剤が本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物中に配合物の約0.1wt.%~約15%wt.、又は配合物の約0.5%wt.~約10%wt、又は配合物の約1%~約5%の範囲の量で含まれ得る。
【0070】
乳化剤
配合物はまた1種以上の乳化剤も含有し得る。適切な乳化剤には、限定されることはないが、不飽和エステル及びスチレンスルホネートモノマーのコポリマー、セテアリルアルコール、グリセリルエステル、セテアリルアルコールのポリオキシエチレングリコールエーテル、ステアリン酸、ポリソルベート-20、セテアリス-20、レシチン、ステアリン酸グリコール、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、又はそれらの組合せがある。1種より多くの乳化剤が本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物中の配合物に配合物の約0.05wt.%~約15%wt.、又は配合物の約0.1%wt~約10%wt.、又は配合物の約0.5%~約5%までの範囲の量で含まれ得る。
【0071】
界面活性剤及び可溶化剤
幾つかの実施形態において、化粧用又はパーソナルケア配合物は、1種以上の界面活性剤、又は可溶化剤、又はそれらの組合せを更に含み得る。
【0072】
可溶化剤とは、本明細書で使用されるとき、他の場合には溶けない液体を水に可溶性にするのに役立つことができる化合物を意味する。例えば、エッセンシャルオイルは水とうまく混合しない。水に加える前にエッセンシャルオイルを可溶化剤と混合するとそのエッセンシャルオイルが水とうまく混合するのに役立つ。可溶化剤の例としてはポリソルベート、ベニバナオレオソーム、及びプロパンジオールがある。
【0073】
界面活性剤は、水の表面張力を低下させ、毛髪配合物を皮膚又は毛髪全体又はその上に滑らせることができる表面活性物質である。界面活性剤は洗剤及びせっけんも含む。界面活性剤は両性、アニオン性、又はカチオン性であり得る。配合物に使用し得る適切な界面活性剤として、限定されることはないが、3-アミノプロパンスルホン酸、アーモンドアミド、アーモンドアミドプロピルベタイン、アーモンドアミドプロピルアミンオキシド、アルミニウム水素化獣脂グルタメート、ラノリン脂肪酸アルミニウム(aluminum lanolate)、硫酸アミノエチル、アミノプロピルラウリルグルタミン、C12-15アルキル硫酸アンモニウム、C12-15パレス硫酸アンモニウム、C12-16アルキル硫酸アンモニウム、C9-10ペルフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム、カプリレス(capryleth)硫酸アンモニウム、カプリレス-3硫酸アンモニウム、モノグリセリド硫酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アンモニウムイソチオネート(isothionate)、ココイルサルコシンアンモニウム、クメンスルホン酸アンモニウム、アンモニウムジメチコーンコポリオールスルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、イソステアリン酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス-12硫酸アンモニウム、ラウレス-5硫酸アンモニウム、ラウレス-6カルボン酸アンモニウム、ラウレス-7硫酸アンモニウム、ラウレス-8カルボン酸アンモニウム、ラウレス-9硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシンアンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ミレス硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸アンモニウム、ノノキシノール-30硫酸アンモニウム、ノノキシノール-4硫酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、パーム核硫酸アンモニウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、アンモニウムタレート(tallate)、キシレンスルホン酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、amp-イソステアロイルゼラチン/ケチランアミノ酸/リジンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、amp-イソステアロイル加水分解コラーゲン、杏仁油PEG-6エステル、アプリコットアミド、アプリコットアミドプロピルベタイン、アラキデス-20、アボカダミド、アボカダミドプロピルベタイン、ババスアミド、ババスアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルアミンオキシド、ベヘンアルコニウムクロリド、ベヘンアミド、ベヘンアミド、ベヘンアミドプロピルベタイン、ベヘンアミンオキシド、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアルコール又はセテアリス-20のポリオキシエーテル、又はそれらの組合せがある。
【0074】
適切なアニオン性界面活性剤には、限定されることはないが、カルボン酸、スルホン酸及び硫酸イオンを含有するものがある。アニオン性界面活性剤の例には、長鎖のアルキルスルホン酸及びアルキルアリールスルホン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ジアルキルナトリウムスルホコハク酸塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ジアルキルナトリウムスルホコハク酸塩、例えばナトリウムビス-(2-エチルチオキシル(thioxyl))-スルホコハク酸塩;及びアルキル硫酸塩、例えばラウリル硫酸ナトリウムがある。カチオン性界面活性剤には、限定されることはないが、四級アンモニウム化合物、例えばベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムメトサルフェート、セトリモニウムブロミド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ポリオキシエチレン及びココナツアミンがある。非イオン性界面活性剤の例にはエチレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールミリステート、グリセリルモノステアレート、グリセリルステアレート、ポリグリセリル-4-オレエート、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、PEG-150ラウレート、PEG-400モノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、ポロキサマー(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、及びポリオキシエチレン水素化獣脂アミドがある。両性の界面活性剤の例にはナトリウムN-ドデシル-β-アラニン、ナトリウムN-ラウリル-β-イミノジプロピオネート、ミリストアンホアセテート、ラウリルベタイン及びラウリルスルホベタインがある。
【0075】
幾つかの実施形態において、本発明で使用し得る界面活性剤は天然の表面活性物質、例えばサポニン、レシチン、ダイズリン脂質、水素化されたダイズリン脂質、ダイズリゾリン脂質、水素化されたダイズリゾリン脂質、卵黄レシチン、水素化された卵黄リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴリン脂質、スフィンゴミエリン、ガングリオシド、胆汁酸、コール酸、デオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、スピクリスポール酸、ラムノリピド、トレハロース脂質、ソホロ脂質、マンノシルエリスリトールリピド、サーファクチン及びその塩である。
【0076】
1種より多くの界面活性剤が配合物に含まれ得る。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物は配合物の約0.1wt.%~約15%wt.、又は配合物の約0.5%wt.~約10%wt.、又は配合物の約1%~約5%の範囲の量で1種以上の界面活性剤を含む。
【0077】
エッセンシャルオイル
様々なエッセンシャルオイルが本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物に使用できる。エッセンシャルオイルは香料として作用し得るか、又は限定されないが毛包及び毛幹の浄化、滋養、及び強化を始めとしてエッセンシャルオイルの特性に起因する追加の利益も付与し得る。しかしながら、殆どのエッセンシャルオイルは高度に濃縮されており強力であり、希釈しないで使用すると皮膚に有害な作用を及ぼし得る。ある種のヘア及びスキンケア製品において、エッセンシャルオイルはキャリアオイルで希釈される。キャリアオイルは木の実及び種子からコールドプレスにより抽出された植物由来である。キャリアオイルは潤滑及び湿気を提供し、エッセンシャルオイルの皮膚への吸収に役立つ。本明細書に記載される化粧用配合物の幾つかの実施形態において、1種以上のエッセンシャルオイルがキャリアオイルなしに使用される。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、若しくは5.0質量%、又は前記の2つの値により規定される範囲のエッセンシャルオイルを含む。
【0078】
本発明で使用できるエッセンシャルオイルの非限定的な実施形態が本明細書に記載される。幾つかの実施形態において、1種以上のエッセンシャルオイルはラベンダー油、ティーツリー油、ペパーミント油、ローズマリー油、及びそれらの組合せからなる群から選択される。本発明で使用できるその他のエッセンシャルオイルには、限定されることはないが、オールスパイスの実エッセンシャルオイル、アンジェリカシードエッセンシャルオイル、アニシードエッセンシャルオイル、バジルエッセンシャルオイル、月桂樹エッセンシャルオイル、ベイエッセンシャルオイル(bay essential oil)、ベルガモットエッセンシャルオイル、ブラッドオレンジエッセンシャルオイル、ショウノウエッセンシャルオイル、キャラウェイシードエッセンシャルオイル、ショウズクの実エッセンシャルオイル、キャロットシードエッセンシャルオイル、カッシアエッセンシャルオイル、キャットニップエッセンシャルオイル、シダーウッドエッセンシャルオイル、セロリーシードエッセンシャルオイル、カモミールエッセンシャルオイル、ローマンカモミールエッセンシャルオイル、桂皮エッセンシャルオイル、シナモンリーフエッセンシャルオイル、シトロネラエッセンシャルオイル、クラリーセージエッセンシャルオイル、クローブバッドエッセンシャルオイル、コリアンダーシードエッセンシャルオイル、ヒノキエッセンシャルオイル、エレミエッセンシャルオイル、ユーカリエッセンシャルオイル、ウイキョウエッセンシャルオイル、ファーニードルエッセンシャルオイル、フランキンセンスエッセンシャルオイル、ゼラニウムエッセンシャルオイル、ジンジャーエッセンシャルオイル、グレープフルーツエッセンシャルオイル、ヘリクリサムエッセンシャルオイル、ホップエッセンシャルオイル、ヒソップエッセンシャルオイル、ジュニパーベリーエッセンシャルオイル、ラブダナムエッセンシャルオイル、レモンエッセンシャルオイル、レモングラスエッセンシャルオイル、ライムエッセンシャルオイル、マグノリアエッセンシャルオイル、マンダリンエッセンシャルオイル、マジョラムエッセンシャルオイル、ミルラエッセンシャルオイル、マートルエッセンシャルオイル、ネロリエッセンシャルオイル、ニアウリエッセンシャルオイル、ナツメグエッセンシャルオイル、オレンジエッセンシャルオイル、オレガノエッセンシャルオイル、パルマローザエッセンシャルオイル、パチュリーエッセンシャルオイル、ペニーロイヤルエッセンシャルオイル、黒コショーエッセンシャルオイル、プチグレンエッセンシャルオイル、パインニードルエッセンシャルオイル、ラディアタエッセンシャルオイル、ラベンサラエッセンシャルオイル、ローズエッセンシャルオイル、ローズウッドエッセンシャルオイル、セージエッセンシャルオイル、サンダルウッドエッセンシャルオイル、スペアミントエッセンシャルオイル、スパイクナードエッセンシャルオイル、スプルースエッセンシャルオイル、スターアニスエッセンシャルオイル、タンジェリンエッセンシャルオイル、タイムレッドエッセンシャルオイル、ヴァーベナエッセンシャルオイル、ベチバーエッセンシャルオイル、ウインターグリーンエッセンシャルオイル、ヨモギエッセンシャルオイル、ヤローエッセンシャルオイル、若しくはイランイランエキストラエッセンシャルオイル、又はそれらの組合せがある。
【0079】
炭化水素
幾つかの例において、本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物は(極めて揮発性であるエッセンシャルオイルとは対照的に)揮発性でない炭化水素、脂肪、油、又はワックスも含有し得る。幾つかの実施形態において、炭化水素は地ろう、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワレン、スクアラン、植物性スクアラン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン粉末、ポリブテン、微結晶ワックス、流動イソパラフィン、流動パラフィン、鉱油及びワセリンを含み得る。
【0080】
脂肪/ワックス/非揮発性油
本発明に適し得る天然の脂肪、ワックス及び油には、限定されないがホホバ油、カルナウバワックス、カンデリラワックス、ライスワックス、シェラック、ラノリン、ミンク獣脂ワックス、鯨ろう、サトウキビ蝋、マッコウクジラ油、蜜蝋及びモンタンワックス、アルガン油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、エキストラバージンオリーブ油、ごま油、ぬか油、米油、米胚芽油、コーン油、ダイズ油、コーン油、杏仁油、パーム核油、ヤシ油、ヒマシ油、グレープシードオイル、綿実油、ココナツ油、水素化されたココナツ油、牛脂、水素化された油、馬油、ミンク油、卵黄油、卵黄脂肪油、ローズヒップ油、ククイ油、麦芽油、落花生油、ツバキ油、サザンカ油、カカオバター、木蝋、牛骨脂、牛脚油、ブタ脂肪、馬脂、羊脂、シアバター、マカダミアナッツ油及びメドウフォーム種子油がある。
【0081】
粘度調整剤
化粧用又はパーソナルケア配合物は1種以上の粘度調整剤、例えば粘度上昇剤を含有し得る。かかる物質の種類には、限定されることはないが、粘性液体、例えばポリエチレングリコール、半合成ポリマー、例えば半合成セルロース誘導体、合成ポリマー、例えばカルボマー、ポロキサマー、及びポリエチレンイミン(例えば、PEI-10)、天然に存在するポリマー、例えばアカシア、トラガカント、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)、カラギーナン、植物ガム、例えばキサンタンゴム、ワセリン、ワックス、微粒子同伴コロイド、例えばベントナイト、コロイド状二酸化ケイ素、及び微晶質セルロース、界面活性剤、例えばPPG-2ヒドロキシエチルココ/イソステアラミド、乳化剤、例えばジステアレス-75IPDI、及び塩、例えば塩化ナトリウム、及びそれらの組合せがある。
【0082】
酸化防止剤
化粧用又はパーソナルケア配合物は1種以上の酸化防止剤を含有し得る。例としては、限定されることはないが、トコフェニル、BHT、アスコルビン酸、チャノキ(camellia sinensis)の葉抽出物、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、カロテノイド、レスベラトロール、クエン酸トリエチル、アルブチン、コウジ酸、アスコルビン酸テトラヘキシデシル、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛、メタ重亜硫酸ナトリウム、リコピン、ユビキノン、及びそれらの組合せがある。
【0083】
乳白剤
化粧用又はパーソナルケア配合物は1種以上の乳白剤を含有し得る。乳白剤は配合物を不透明にするために加えられる。適切な乳白剤には、限定されることはないが、ジステアリン酸グリコール及びエトキシル化脂肪族アルコールがある。
【0084】
紫外線吸収剤
幾つかの実施形態において、化粧用配合物は少なくとも1種の紫外線吸収剤を含み得る。非限定的な例にはp-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸誘導体、例えばp-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル及びp-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、ケイヒ酸誘導体、例えばケイヒ酸ベンジル、ジ-p-メトキシケイヒ酸グリセリル モノ-2-エチルヘキサン酸、2,4-ジイソプロピルケイヒ酸メチル、2,4-ジイソプロピルケイヒ酸エチル、p-メトキシケイヒ酸カリウム、p-メトキシケイヒ酸ナトリウム、p-メトキシケイヒ酸イソプロピル、p-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、p-メトキシケイヒ酸2-エトキシエチル及びp-エトキシケイヒ酸エチル、ウロカニン酸、ウロカニン酸誘導体、例えばウロカニン酸エチル、ベンゾフェノン誘導体、例えば2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノンナトリウム、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン及び2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ-5-スルホベンゾフェノンナトリウム、サリチル酸誘導体、例えばサリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p-tert-ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル及びサリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、及び4-tert-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタンがある。
【0085】
保存料
幾つかの実施形態において、化粧用配合物は保存料を含まないか又は本質的に含まない。他の幾つかの実施形態において、化粧用組成物は1種以上の保存料、例えば、グルコンラクトン、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、及びそれらの組合せを含み得る。本発明で使用できる他の保存料としては、限定されることはないが、安息香酸、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸ベンジル、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、及びフェノキシエタノールがある。
【0086】
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物に使用できる他の成分には、限定されないがpH調節剤、例えばクエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びトリエタノールアミンがある。
【0087】
コンディショナー
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物はコンディショナーの形態であり得る。コンディショナーは通例適切な担体中に活性物質を含む。更に、コンディショナーは多糖類から誘導されたカチオン性のポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、カチオン性グアー誘導体及びカチオン性ローカストビーンガム誘導体、合成のカチオン性ポリマー、これらの物質の混合物又は組合せを含み得る。配合物は合成若しくは天然のポリマー又は生物学的調製過程から誘導された他のポリマーを含み得、これらは適宜例えばカチオン性又は中性の基で官能化される。これらのポリマーは配合物に対して安定化又は強化する作用、及び/又はコンディショニング作用(皮膚又は毛髪の表面への付着)を有し得る。
【0088】
本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性物質)はいずれかの適切な濃度で含まれ得る。コンディショナー中の活性物質の典型的な濃度は少なくとも約0.01wt.%、約0.1wt.%などの小量から約50wt.%までの範囲である。好ましくはコンディショナーは活性物質を0.1wt.%~約10wt.%、約0.5wt.%~約8wt.%、又は約1wt.%~約5wt.%の範囲の濃度で含有する。より高い濃度の活性物質がコンディショナー中に存在していてもよいが、所望の結果を達成する上で一般に必要ではない。
【0089】
シャンプー
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物はシャンプーの形態であり得る。シャンプーは通例本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性物質)を適切な担体中に含む。活性物質はいずれかの適切な濃度で含まれ得る。シャンプー中の活性物質の典型的な濃度は少なくとも約0.01wt.%、約0.1wt.%などの小量から約50wt.%までの範囲である。好ましくはコンディショナーは活性物質を0.1wt.%~約10wt.%、約0.5wt.%~約8wt.%、又は約1wt.%~約5wt.%の範囲の濃度で含有する。より高い濃度の活性物質がシャンプー中に存在することもできようが、所望の結果を達成する上で一般に必要ではない。更に、シャンプーは本明細書に記載される1種以上の界面活性剤、及び/又は1種以上の化粧用に許容される賦形剤を約0.5wt.%~約20wt.%含み得る。
【0090】
クリーム、ローション、ゲル、及び研磨剤
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物はクリーム、ローション、ゲル、又は研磨剤の形態であり得る。クリーム、ローション、ゲル、又は研磨剤は通例本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性物質)を適切な担体中に含む。活性物質はいずれかの適切な濃度で含まれ得る。シャンプー中の活性物質の典型的な濃度は少なくとも約0.01wt.%、約0.1wt.%などの小量から約50wt.%までの範囲である。好ましくはクリーム、ローション、ゲル、又は研磨剤は活性物質を0.1wt.%~約10wt.%、約0.5wt.%~約8wt.%、又は約1wt.%~約5wt.%の範囲の濃度で含有する。より高い濃度の活性物質がクリーム又はローション中に存在することもできようが、所望の結果を達成する上で一般に必要ではない。更に、クリーム、ローション、ゲル又は研磨剤は本明細書に記載される1種以上の化粧用に許容される賦形剤を含み得る。
【0091】
スプレー
本明細書に記載される化粧用又はパーソナルケア配合物はスプレーの形態であり得る。スプレーは通例本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性物質)及び化粧用に許容される担体を含む。好ましくは、0.1wt.%~約10wt.%、約0.5wt.%~約8wt.%、又は約1wt.%~約5wt.%の範囲の濃度の活性物質。幾つかの実施形態において、担体は水又は水及びアルコール混合物である。スプレー配合物は場合により酸化防止剤、日焼け防止剤、ビタミン、タンパク質、ペプチド、植物抽出物、保湿剤、油、皮膚軟化剤、潤滑剤、増粘剤、毛髪コンディショニング剤、ポリマー、及び/又は界面活性剤を含んでいてもよい。幾つかの実施形態において、スプレー配合物は保存料を含む。幾つかの実施形態において、化粧用又はパーソナルケア配合物は香料を含む。幾つかの実施形態において、配合物は界面活性剤を含む。幾つかの実施形態において、配合物は水、香料、保存料、及び活性物質を含有する。幾つかの実施形態において、配合物は水、香料、保存料、及び活性物質を含有する。幾つかの実施形態において、配合物は水、保存料、香料、活性物質、及び帯電防止剤を含有する。幾つかの実施形態において、配合物は水、保存料、香料、活性物質、及び毛髪コンディショニング剤を含有する。幾つかの実施形態において、配合物は水、保存料、香料、活性物質、及び界面活性剤を含有する。
【0092】
スプレー配合物は、エアロゾルディスペンサー又はポンプスプレーディスペンサーを含む容器から分配し得る。かかるディスペンサーは当技術分野で公知であり、様々な製造業者から市販されている。
【0093】
推進剤
スプレー配合物を加圧エアロゾル容器から分配するとき、推進剤を使用して配合物を容器から分散させることができる。適切な推進剤には、限定されることはないが、液化可能なガス又はハロゲン化された推進剤がある。適切な推進剤の例にはジメチルエーテル及び炭化水素推進剤、例えばプロパン、n-ブタン、イソブタン、CFC、及びCFC代替推進剤がある。推進剤は単独で使用しても又は混合して使用してもよい。
【0094】
推進剤の量は配合物の約10%~約60質量%の範囲であり得る。推進剤は2コンパートメント容器に入れて毛髪修復配合物から分離し得る。他の適切なエアロゾルディスペンサーは圧縮空気である推進剤を特徴とし、これは使用前にポンプ又は同等な装置を用いてディスペンサーに充填することができる。慣用の非エアロゾルポンプスプレーディスペンサー、即ち噴霧器も配合物を毛髪に適用するのに使用できる。
【0095】
加えて、配合物は、用途に応じて、油、毛髪コンディショニング剤、及び/又は増粘剤を含み得る。クリーム、ローション、ゲル、又は研磨剤はまた香料、植物抽出物、及び/又は界面活性剤も含み得る。クリーム、ローション、ゲル、又は研磨剤はチューブ、タブ、瓶、又はその他適切な容器に包装し得る。
【0096】
キット
本明細書に記載される幾つかの実施形態は、式(I)若しくは式(II)の化合物、又はその組合せを含む化粧用配合物を含むことができるキットに関する。幾つかの実施形態において、化粧用配合物はヘアトリートメント配合物、スキントリートメント配合物、ネイルトリートメント配合物、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。更なる実施形態において、化粧用配合物はヘアトリートメント配合物、例えば、毛髪脱色配合物、毛髪損傷修復配合物、ヘアスタイリング配合物、又は縮毛矯正配合物等である。
【0097】
幾つかの実施形態において、本明細書に記載されるキットはヘアケアキットである。幾つかの更なる実施形態において、キットは毛髪脱色キット、ヘアトリートメントキット、又はヘアスタイリングキットである。本明細書に記載されるキットの幾つかの実施形態において、キットは、1種以上のヘアトリートメント物質を更に含み得る。幾つかの実施形態において、1種以上のヘアトリートメント物質は、本明細書に記載される式(I)又は(II)の化合物を含有する配合物から分離される。例えば、1種以上のヘアトリートメント物質は式(I)若しくは(II)の化合物と異なる容器又はコンパートメント内にある。幾つかの実施形態において、異なる容器は異なる瓶、ポッド、ポーチ、小袋、若しくはカプセル、又はそれらの組合せであり得る。幾つかの実施形態において、異なるコンパートメントは同一の瓶、ポッド、ポーチ、小袋、カプセル、又はそれらの組合せの異なるコンパートメントであり得る。例えば、ある実施形態において、あるポッドは脱色剤(例えば脱色用粉末)を含有し、異なるポッドは式(I)若しくは(II)の化合物、又は脱色剤(例えば脱色用粉末)を含有し、式(I)若しくは(II)の化合物は同一のポッド内に含まれ、異なるコンパートメントに収容される。幾つかの実施形態において、ポッドの構造は加水分解されたポリ(ビニルアルコール)から形成される。幾つかの実施形態において、ポッドは多層であり得る(例えば複数のポリ(ビニルアルコール)層を含む)。幾つかの実施形態において、1種以上のヘアトリートメント物質は脱色剤、リラクシング物質、着色剤、シャンプー剤、若しくはコンディショニング剤、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、脱色剤は1種以上の過硫酸塩、若しくは1種以上の過酸化物(例えば過酸化水素)、又はその組合せを含む。幾つかの実施形態において、過硫酸塩は過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、1種以上の過硫酸塩は少なくとも約8、9又は10の塩基性pHを有する。幾つかの実施形態において、過酸化水素は約3、4又は5の酸性pHを有する溶液である。幾つかの実施形態において、リラクシング物質は水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化グアニジニウム、水酸化アンモニウム、亜硫酸塩、若しくはチオグリコール酸塩、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウム若しくは亜硫酸カリウム又はその組合せである。
【0098】
本明細書に記載されるキットの一実施形態において、キットは毛髪脱色キットである。キットは脱色剤粉末(例えば1種以上の本明細書に記載される過硫酸塩)、脱色剤粉末顕色剤(例えば過酸化水素溶液)、及び本明細書に記載される式(I)又は(II)の化合物(例えば式(I)又は(II)の化合物及び1種以上の界面活性剤又はその他化粧用に許容される賦形剤若しくは担体を含む組成物)のための別々の容器又はコンパートメントを含み得る。
【0099】
本明細書に記載されるキットの別の実施形態において、キットは毛髪縮毛矯正キットである。キットは1種以上のリラクシング物質(例えば水酸化ナトリウム)、及び本明細書に記載される式(I)又は(II)の化合物(例えば式(I)又は(II)の化合物及び1種以上の界面活性剤又はその他化粧用に許容される賦形剤若しくは担体を含む組成物)のための別々の容器又はコンパートメントを含み得る。
【0100】
本明細書に記載されるキットの別の実施形態において、キットは毛染めキットである。キットは着色剤(例えば、1種以上の本明細書に記載される酸化染料又は直接染料)及び本明細書に記載される式(I)又は(II)の化合物(例えば式(I)又は(II)の化合物及び1種以上の界面活性剤又はその他の化粧用に許容される賦形剤若しくは担体を含む組成物)のための別々の容器又はコンパートメントを含み得る。
【0101】
本明細書に記載されるキットの別の実施形態において、キットはヘアトリートメントキットである。キットは分離した容器又はコンパートメントを含み得る。1つの容器又はコンパートメントは活性物質(例えば式(I)又は(II)の化合物及び1種以上の界面活性剤又はその他の化粧用に許容される賦形剤若しくは担体を含む組成物)を含む。第2の容器は活性物質を化粧用に許容される担体(例えば精製水)と混合するための
【0102】
本明細書に記載されるキットの別の実施形態において、キットは毛髪パーマ又はくせとりキットである。キットは1種以上の還元剤、酸化剤(例えば過酸化物又は過酸化水素)、及び活性物質(例えば式(I)又は(II)の化合物及び1種以上の界面活性剤又はその他の化粧用に許容される賦形剤若しくは担体を含む組成物)のための別々の容器又はコンパートメントを含み得る。
【0103】
本明細書に記載されるキットの別の実施形態において、キットはネイルケアキットであり、キットは、1種以上のネイルトリートメント又は着色剤を含み得る。キットは分離した容器を更に含み得る。1つの容器は活性物質(例えば1種以上の揮発性溶媒中に式(I)又は(II)の化合物を含む組成物、場合により又は他の化粧用に許容される賦形剤若しくは担体も含有する)を含む。第2の容器は1種以上の爪着色剤を含有し得る。
【0104】
本明細書に記載されるキットの幾つかの実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性物質)を含有する活性物質配合物が提供され、これは使用時に第2の配合物、例えば脱色、着色、縮毛矯正、若しくはハイライティング配合物、又はそれらの組合せと混合される。これらの実施形態において、活性物質配合物はいずれかの適した濃度の活性物質を上に記載したような適切な担体、通例希釈剤中に含有し得る。活性物質の濃度は、適当な最終容量及び最終濃度の活性物質を含む混合物を提供するのに適している。幾つかの実施形態において、活性物質配合物は0.1wt.%、0.5wt.%、0.8wt.%、1wt.%、1.5wt.%、2wt.%、2.5wt.%、3wt.%、3.5wt.%、4wt.%、4.5wt.%、5wt.%、5.5wt.%、6wt.%、6.5wt.%、7wt.%、7.5wt.%、8wt.%、8.5wt.%、9wt.%、9.5wt.%、10wt.%、11wt.%、12wt.%、13wt.%、14wt.%、15wt.%、20wt.%、25wt.%、30wt.%、35wt.%、40wt.%、45wt.%、50wt.%、60wt.%、70wt.%、若しくは80wt.%、又は前記の2つの値により規定される範囲、ほぼ前記値若しくは範囲、少なくとも前記値若しくは範囲、又は少なくともほぼ前記値若しくは範囲の濃度の活性物質を含有することができる。例えば、活性物質配合物は約1wt.%~約50wt.%、約2wt.%~約25wt.%、又は約5wt.%~約10wt.%の範囲の濃度の活性物質を含有することができる。
【0105】
脱色又は毛染め用途では、使用の前に、充分な容量の活性物質配合物(例えば、液体の活性物質配合物)を充分な容量のハイライティング配合物と混合して所望の濃度の活性物質を有する脱色又は毛染め混合物を形成する。脱色又は毛染め混合物中の活性物質の典型的な濃度は少なくとも約0.01wt.%、約0.1wt.%などの小量から約50wt.%までの範囲である。幾つかの実施形態において、脱色又は毛染め混合物は0.1wt.%、0.5wt.%、0.8wt.%、1wt.%、1.5wt.%、2wt.%、2.5wt.%、3wt.%、3.5wt.%、4wt.%、4.5wt.%、5wt.%、5.5wt.%、6wt.%、6.5wt.%、7wt.%、7.5wt.%、8wt.%、8.5wt.%、9wt.%、9.5wt.%、10wt.%、11wt.%、12wt.%、13wt.%、14wt.%、15wt.%、20wt.%、30wt.%、40wt.%、50wt.%、60wt.%、若しくは70wt.%、又は前記の2つの値により規定される範囲、ほぼ前記値若しくは範囲、少なくとも前記値若しくは範囲、又は少なくともほぼ前記値若しくは範囲の濃度で活性物質を含有する。好ましくは脱色又は毛染め混合物は約0.1wt.%~約50wt.%、約0.5wt.%~約25wt.%、約1wt.%~約20wt.%、約2wt.%~約15wt.%、又は約5wt.%~約10wt.%の範囲の濃度で活性物質を含有する。
【0106】
ヘアトリートメントキットの特定の実施形態では、キットは、通例着色する、毛髪を脱色する、ストレートにする又は毛髪にパーマをかけるための第1の配合物を含有する。幾つかのかかる実施形態において、キット内の第1の配合物は着色トリートメントであることができる。その他のかかる実施形態において、キットの第1の配合物は脱色トリートメントである。第1の配合物は、毛髪に適用する前に一緒に混合し得る2つ以上の部分として配合し得る。例えば、第1の配合物は染料前駆体及び酸化剤、脱色剤粉末及び顕色剤、又は還元剤及び酸化剤(例えば過酸化物)などの2つの部分の形態であり得る。幾つかの実施形態において、毛染め又は脱色配合物は還元剤を含む。適切な還元剤には、限定されることはないが、チオグリコール酸、チオ乳酸、ジヒドロリポエート、チオグリセロール、メルカプトプロピオン酸、重亜硫酸ナトリウム、重硫化アンモニウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ペグ化されたチオール及びヒドロキノンがある。第1の配合物の部分は所望の毛染めトリートメント(例えばセミパーマネント、デミパーマネント、又はパーマネントヘアカラー)、毛髪のテキスチャー、ユーザーの皮膚の感受性等に応じて異なり得る。異なる毛染めトリートメント、毛髪テキスチャー、及び毛髪感受性のための毛染め配合物は当業者に公知である。キットはまた有効量の式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ(即ち、活性物質配合物)を含有する第2の配合物も含む。活性物質を含有する適切な配合物は上で述べた。第2の配合物はいずれかの適切な形態であり得る。適切な形態には、限定されることはないが、低~中程度の粘度の液体、ペースト、ローション、ミルク、ムース、スプレー、ゲル、クリーム、シャンプー、コンディショナー等がある。更なる実施形態において、活性物質配合物は式(I)又は(II)の化合物、及び1種以上の界面活性剤を含むか、又はそれらからなるか、又は本質的にそれらからなる。一実施形態において、活性物質配合物は約80wt.%の式(I)又は(II)の化合物、及び約20wt.%のベヘントリモニウムクロリドを含むか、又はそれらからなるか、又は本質的にそれらからなるペーストの形態である。第2の配合物は適切な容器又はコンパートメント内に存在し、それは配合物の形態に依存する。幾つかの実施形態において、活性物質配合物は2つ以上の別々の成分として提供される。例えば、活性物質は密閉したパッケージとして提供され得、賦形剤はバイアル、別の容器、又は別のコンパートメントに入れて提供される。活性物質及び賦形剤のために適した混合容器が提供され得る。幾つかの実施形態において、活性物質配合物(又は第2の配合物)は第1の配合物(例えば、毛髪脱色、着色、くせとり又は縮毛矯正トリートメント)と混合され、混合物は毛髪に適用される。
【0107】
キットは、顕色剤ボトル、手袋、シャンプー、コンディショナー、及び/又は消臭剤を更に含み得る。キットの使用説明書も通例提供される。通例、キットは皮膚美白剤(例えば、過酸化物)又は着色剤が活性物質とは別々に保存されるのを保証するために1より多くの容器(又は所与の容器内の1より多くのコンパートメント)を含有する。
【0108】
化粧用配合物又はキット内のその他の物質
ヘアトリートメントのためのキットは場合によりシャンプー及び/又はコンディショナーを含有していてもよい。キットは、消臭剤を更に含有し得る。消臭剤は第1若しくは第2の配合物、又はその混合物に組み込むことができる。或いは、消臭剤は第2の配合物を毛髪から洗い落とす前又は後に使用するために適切な容器又はコンパートメント内に存在する。幾つかの適切な消臭剤は当業者に公知である。
【0109】
本明細書に記載される化粧用配合物又はキットの幾つかの実施形態において、化粧用配合物又はキットは、小量又は微量のマレイン酸又はマレイン酸塩(即ち、マレイン酸がカチオン性の対イオンと共にアニオン性の形態である)を更に含み得る。幾つかの実施形態において、化粧用配合物又はキット内のマレイン酸又はその塩はほぼ0.5wt.%、0.4wt.%、0.3wt.%、0.2wt.%、0.1wt.%、0.09wt.%、0.08wt.%、0.07wt.%、0.06wt.%、0.05wt.%、0.04wt.%、0.03wt.%、0.02wt.%、若しくは0.01wt.%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲、又はほぼそれ未満である。
【0110】
使用方法
本明細書で提供される幾つかの実施形態は、有効な量の1種以上の本明細書に記載されるジエステル化合物、例えば式(I)又は式(II)の化合物を含むことができる化粧用配合物を対象に投与することを含むことができる、毛髪、皮膚及び/又は爪を処置する方法に関する。本明細書で提供される幾つかの実施形態は、1種以上の本明細書に記載される式(I)若しくは式(II)のジエステル化合物又はその組合せを有効な量含むことができる化粧用配合物を毛髪に投与及び/又は適用することを含むことができる、毛髪を処置する方法に関する。本明細書で提供される幾つかの実施形態は、1種以上の本明細書に記載される式(I)若しくは式(II)のジエステル化合物又はその組合せを有効な量含むことができる化粧用配合物を皮膚に投与及び/又は適用することを含むことができる、皮膚を処置する方法に関する。本明細書で提供される幾つかの実施形態は、1種以上の本明細書に記載される式(I)若しくは式(II)のジエステル化合物又はその組合せを有効な量含むことができる化粧用配合物を爪に投与及び/又は適用することを含むことができる、爪を処置する方法に関する。幾つかの実施形態において、化粧用配合物を投与及び/又は適用することは化粧用配合物を毛髪、皮膚及び/又は爪に噴霧する、擦り込む、注ぐ、及び/又はブラシで塗る、及び/又は毛髪、皮膚及び/又は爪を化粧用配合物中に浸けることにより行うことができる。幾つかの実施形態において、化粧用配合物(例えば毛髪、皮膚及び/又はネイルトリートメント配合物)は1種以上の本明細書に記載されるジエステル化合物(例えば、式(I)又は式(II)の化合物)を化粧用に許容される担体及び/又はヘアトリートメント物質と混合することにより形成される。
【0111】
方法の幾つかの実施形態は、化粧用配合物を毛髪に適用することを含む毛髪を脱色する方法に関し、化粧用配合物は脱色配合物、及び本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物、又はその組合せを含み、化粧用配合物中の式(I)若しくは(II)の化合物の量は少なくとも約1質量%であり、化粧用配合物は約9の塩基性のpHを有する。更なる実施形態において、化粧用配合物は約2wt.%~約20wt.%、又は約3wt.%~約15wt.%、又は約5wt.%~約10wt.%の式(I)又は(II)の化合物を含む。幾つかの実施形態において、毛髪を脱色する方法は着色剤及び/又は染料(例えば酸化染料及び/又は直接染料)を毛髪に適用することを含まない。幾つかの実施形態において、毛髪を脱色する方法は、着色剤及び/又は染料(例えば酸化染料及び/又は直接染料)を毛髪に適用することを更に含む。
【0112】
幾つかの実施形態において、方法は、脱色配合物及び式(I)若しくは(II)の化合物と合わせて化粧用配合物を形成することを更に含む。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は毛髪に適用する前約1~3時間内に形成される。他の実施形態において、化粧用配合物は毛髪に適用する前約30分又はそれ以下以内に形成される。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は配合物及び式(I)又は(II)の化合物を逐次的に又は同時に毛髪に適用することにより毛髪上で形成される。したがって、化粧用配合物を毛髪に適用する工程は脱色配合物及び式(I)又は(II)の化合物を毛髪に適用して化粧用配合物を形成することを含む。幾つかの実施形態において、脱色配合物は式(I)又は(II)の化合物を毛髪に適用する前に毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、脱色配合物は式(I)又は(II)の化合物を毛髪に適用した後に毛髪に適用される。更なる実施形態において、脱色配合物は1種以上の過硫酸塩を含む脱色剤粉末を顕色剤と混合することにより調製され得る。幾つかのかかる実施形態において、過硫酸塩は過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかのかかる実施形態において、顕色剤は過酸化水素を含むか又は過酸化水素である。
【0113】
幾つかの実施形態において、式(I)若しくは(II)の化合物は分離した組成物(即ち、活性物質配合物)中にある。活性物質配合物は脱色配合物と混ぜ合わせる前に少なくとも5%、10%、15%、若しくは20%又は前記値以下の1種以上の界面活性剤(例えば、カチオン性界面活性剤、例えばベヘントリモニウムクロリド及び/又はベヘントリモニウムメトサルフェート)を含み得る。したがって、化粧用配合物は式(I)若しくは(II)の化合物を含む組成物と脱色配合物を合わせることにより形成される。
【0114】
幾つかの実施形態において、方法は、化粧用配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。更なる実施形態において、方法は、濯ぎ工程後ヘアコンディショニング配合物(例えば、クリーム、ゲル、ペースト、スプレー等)を毛髪に適用することを更に含み得る。幾つかのかかる実施形態において、ヘアコンディショニング配合物は本明細書に記載される式(I)又は(II)の化合物を含み得、例えば、本明細書に記載されるヘアトリートメント配合物は毛髪の損傷を減らすか又は防ぐために毛髪を処置する方法で使用される。幾つかの更なる実施形態において、毛髪の損傷は式(I)又は(II)の化合物の非存在下の脱色配合物で脱色された毛髪と比較して少なくとも5%、10%、15%、又は20%減少する。例えば、毛髪の損傷は、ヘアスタイリング配合物が少なくとも2~3回/週で少なくとも2週、3週、1、2、3、4、5又は6ヶ月間使用されるとき、未処置の毛髪と比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。
【0115】
幾つかの追加の実施形態は、ダメージを受けた毛髪にヘアトリートメント配合物を適用することを含む、毛髪の損傷を低減又は防止するために毛髪を処置する方法に関し、ヘアトリートメント配合物は式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ、及び化粧用に許容される担体を含み、毛髪の損傷は未処置の毛髪、又は本明細書に記載される活性物質(即ち、ジエステル化合物)を含有しない修復配合物で処置した毛髪と比較して少なくとも5%減少する。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、若しくは20質量%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲である。例えば、ヘアトリートメント配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は毛髪がごわごわしているか又はひどくダメージを受けているとき(例えば、既に繰り返し着色、脱色、パーマ、縮毛矯正、くせとり、又は加熱スタイリングに供されているとき等)少なくとも約5%~約10%である。幾つかの実施形態において、ダメージを受けた毛髪は脱色、縮毛矯正、着色、パーマ、くせとり、若しくは加熱スタイリング、又はそれらの組合せにより生じる。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物は減少した毛髪の損傷及び改善された髪質を経時的に達成するために週に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回毛髪に適用される。例えば、毛髪の損傷はヘアスタイリング配合物が少なくとも2~3回/週で少なくとも2週、3週、1、2、3、4、5又は6ヶ月間使用されるとき未処置の毛髪と比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。
【0116】
幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント配合物は化粧用に許容される担体中で式(I)又は(II)の化合物を混合することにより形成される。幾つかのかかる実施形態において、化粧用に許容される担体は水、精製水、又は脱イオン水を含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、式(I)又は(II)の化合物は、化粧用に許容される担体と混合する前、少なくとも又は多くとも約5%~20%の1種以上の界面活性剤(例えば、カチオン性界面活性剤、例えばベヘントリモニウムクロリド及び/又はベヘントリモニウムメトサルフェート)を含む分離した組成物内にある。したがって、ヘアトリートメント配合物は式(I)又は(II)の化合物を含む組成物を化粧用に許容される担体(例えば、精製水)と合わせることにより形成される。幾つかの実施形態において、方法は、ヘアトリートメント配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。他の実施形態において、方法はヘアトリートメント配合物を適用した後毛髪を濯ぐことを必要としない。更なる実施形態において、ヘアトリートメント配合物を適用することはダメージを受けた毛髪にヘアトリートメント配合物を噴霧することを含む。
【0117】
幾つかの追加の実施形態は、スタイリングする方法であって、本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含むヘアスタイリング配合物を毛髪に適用する工程;加熱したヘアスタイリングツールで毛髪を処置する工程を含む、方法に関する。幾つかの実施形態において、方法は、加熱したスタイリングツールで毛髪を処置する前に毛髪をブローすることを更に含む。更なる実施形態において、ヘアスタイリング配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、又は20質量%である。例えば、ヘアスタイリング配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は毛髪がごわごわしているか又はひどくダメージを受けているとき(例えば、既に繰り返し着色、脱色、パーマ、縮毛矯正、くせとり、又は加熱スタイリングに供されているとき等)少なくとも約5%~約10%である。幾つかの実施形態において、方法は、ヘアスタイリング配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。他の実施形態において、方法はヘアスタイリング配合物を適用した後毛髪を濯ぐことを必要としない。幾つかの実施形態において、方法は毛髪をストレートにする。幾つかの実施形態において、ヘアスタイリング配合物は減少した毛髪の損傷及び改善された髪質を経時的に達成するために週に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10回毛髪に適用される。例えば、毛髪の損傷はヘアスタイリング配合物を少なくとも2~3回/週で少なくとも2週、3週、1、2、3、4、5又は6ヶ月間使用するとき未処置の毛髪と比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。
【0118】
幾つかの追加の実施形態は、毛髪にパーマをかける方法であって、還元剤を毛髪に適用する工程;パーマ配合物を毛髪に適用する工程を含み、パーマ配合物は本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む、方法に関する。更なる実施形態において、パーマ配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、又は20質量%である。例えば、パーマ配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は毛髪がごわごわしているか又はひどくダメージを受けているとき(例えば、既に繰り返し着色、脱色、パーマ、縮毛矯正、くせとり、又は加熱スタイリング等に供されているとき)少なくとも約5%~約10%である。幾つかの実施形態において、方法は、還元剤を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、パーマ配合物を適用した後に毛髪を濯ぐことを更に含む。更なる実施形態において、方法はまた加熱したヘアスタイリングツールでスタイリングすることも含み得る。幾つかの実施形態において、還元剤はチオグリコール酸、チオ乳酸、ジヒドロリポエート、チオグリセロール、メルカプトプロピオン酸、重亜硫酸ナトリウム、重硫化アンモニウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸亜鉛、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ペグ化されたチオール、若しくはヒドロキノン、又はそれらの組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、還元剤はパーマ配合物が毛髪に適用される前に毛髪に適用される。幾つかのかかる実施形態において、パーマ配合物は還元剤の適用後30秒、1分、5分、10分、15分、30分、若しくは1時間で、又はほぼ前記の時間で、又は多くとも前記の時間で、又は多くともほぼ前記の時間で、又は少なくとも前記の時間で、又は少なくともほぼ前記の時間で、毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、還元剤はスタイリング配合物と同時に毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、方法は、還元剤の適用後及びパーマ配合物の適用前に毛髪を洗浄すること、濯ぐこと、若しくは乾燥すること、又はその組合せを更に含む。更なる実施形態において、パーマ配合物は、酸化剤(例えば、過酸化物)を更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、パーマ配合物が活性物質(例えば、式(I)又は(II)の化合物)を含むときのパーマをかける方法と比較して減少した毛髪の損傷及び改善された髪質を達成し得る。例えば、毛髪の損傷は活性物質を含まないパーマ配合物を用いるときと比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%減少し得る。
【0119】
幾つかの追加の実施形態は、ネイルトリートメント配合物を1以上の爪に適用することを含む爪を処置する方法に関し、ネイルトリートメント配合物は本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せ、及び1種以上の揮発性溶媒を含む。幾つかの実施形態において、ネイルトリートメント配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、若しくは70質量%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲である。幾つかの実施形態において、1種以上の揮発性溶媒は酢酸エチル、若しくはアセトン、又はその組合せを含むか又はそれらのいずれかである。幾つかの実施形態において、方法は、ネイルトリートメント配合物の適用の前に、1以上の爪を洗浄すること、濯ぐこと、若しくは乾燥すること、又はその組合せを更に含む。幾つかの実施形態において、ネイルトリートメント配合物は爪着色剤を適用する前にネイルベースコート又はネイルプライマーとして1以上の爪に適用される。例えば、ネイルトリートメント配合物は爪着色剤の適用の前に、少なくとも約1分、5分、10分、又は1時間、1以上の爪に適用される。他の実施形態において、ネイルトリートメント配合物は爪着色後に適用される。更に他の実施形態において、ネイルトリートメント配合物は1種以上の爪着色剤又は爪着色用配合物と合わせてもよく、同時に爪に適用される。
【0120】
幾つかの追加の実施形態は、スキントリートメント又は老化防止配合物を皮膚に適用する方法に関する。幾つかの実施形態において、スキントリートメント又は老化防止配合物は本明細書に記載される式(I)若しくは(II)の化合物又はその組合せを含む。幾つかの実施形態において、スキントリートメント又は老化防止配合物中の式(I)又は(II)の化合物の量は少なくとも0.1%、0.5%、1%、5%、6%、7%、8%、9%、若しくは10%、又は 前記値のいずれか2つにより規定される範囲である。或いは、式(I)又は(II)の化合物は別の活性物質配合物にあり、スキントリートメント又は老化防止配合物の前又は後に皮膚に適用することができる。幾つかの実施形態において、皮膚は活性物質配合物の適用の前に、洗浄され、濯がれ、及び/又は乾燥される。
【0121】
ヘアトリートメントキットを使用する方法
幾つかの実施形態において、活性物質配合物はキット内にあり、キットは、追加のヘアトリートメント物質又は配合物、例えば毛髪脱色剤若しくは配合物、毛染め剤若しくは配合物、毛髪リラクシング物質若しくは配合物、毛髪パーマ剤若しくは配合物、又は縮毛矯正剤若しくは配合物を更に含み得る。幾つかの実施形態において、ジエステル化合物を含有する活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用後毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用後30秒、1分、5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、12時間、18時間、24時間、若しくは30時間で、又はほぼ前記のいずれかの時間で、又は多くとも前記のいずれかの時間で、又は多くともほぼ前記のいずれかの時間で、又は少なくとも前記のいずれかの時間で、又は少なくともほぼ前記のいずれかの時間で、毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用の少なくとも24時間後毛髪に適用される。他の実施形態において、活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用後約1~3時間以内、約30分以内、又は約1分以内に毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、毛髪は活性物質配合物の適用の前に、残存するヘアトリートメント物質を実質的に除くために洗浄し、濯ぎ、及び/又は乾燥する。
【0122】
他の幾つかの実施形態において、活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用の前に、毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、化粧用配合物はヘアトリートメント物質の適用前30秒、1分、5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、12時間、18時間、24時間、若しくは30時間で、又はほぼ前記のいずれかの時間で、又は少なくとも前記のいずれかの時間で、又は少なくともほぼ前記のいずれかの時間で、毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用の少なくとも24時間前に毛髪に適用される。他の実施形態において、活性物質配合物はヘアトリートメント物質の適用前約1~3時間以内、約30分以内、又は約1分以内に毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、ヘアトリートメント物質の適用の前に、毛髪を洗浄し、濯ぎ、及び/又は乾燥して残存する化粧用配合物を実質的に除く。
【0123】
幾つかの実施形態において、活性物質配合物及びヘアトリートメント物質は毛髪に同時に適用される。幾つかの実施形態において、活性物質配合物及びヘアトリートメント物質は毛髪に適用する前に毛髪適用用混合物として予め混合される。幾つかの実施形態において、毛髪適用用混合物は毛髪に適用される前30秒、1分、5分、10分、15分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、12時間、18時間、24時間若しくは30時間で、又はほぼ前記のいずれかの時間で、又は多くとも前記のいずれかの時間で、又は多くともほぼ前記のいずれかの時間で、又は少なくとも前記のいずれかの時間で、又は少なくともほぼ前記のいずれかの時間で、予め混合される。幾つかの実施形態において、毛髪適用用混合物は毛髪に適用される少なくとも24時間前に予め混合される。他の実施形態において、毛髪適用用混合物は毛髪に適用される前約1~3時間以内、約30分以内、又は約1分以内に予め混合される。幾つかの実施形態において、方法は、毛髪適用用混合物の適用後毛髪を濯ぐことを更に含む。
【0124】
毛髪の損傷は毛髪の脱色、縮毛矯正、パーマ、着色及びその他のトリートメント中に遭遇する重要な問題である。本明細書に記載される化粧用配合物を毛髪に適用すると、式(I)又は式(II)の化合物の非存在下のヘアトリートメント物質(例えば脱色配合物)及び/又は化粧用配合物で処置された毛髪と比べて低減した毛髪の損傷が達成され得る。幾つかの実施形態において、毛髪の損傷は0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、8%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、若しくは50%、又は前記値のいずれか2つにより規定される範囲だけ、又はほぼ前記値若しくは範囲だけ、又は少なくとも前記値若しくは範囲だけ、又は少なくともほぼ前記値若しくは範囲だけ減少する。幾つかの実施形態において、化粧用配合物は未処置の毛髪に適用される。幾つかの実施形態において、未処置の毛髪は未処理の毛髪であるか、又は脱色された毛髪及び/又は着色された毛髪であるか、又は本明細書に記載されるジエステル化合物を含有しない他の毛髪修復剤で処置されているダメージを受けた毛髪である。幾つかの実施形態において、毛髪の損傷は、式(I)又は式(II)の化合物を含有する化粧用配合物が少なくとも1~3回/週で少なくとも2週、3週、1、2、3、4、5又は6ヶ月間使用されたとき、未処置の毛髪と比較して少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%低減する。
【0125】
本明細書に記載される方法のいずれかの実施形態において、化粧用配合物又は活性物質配合物は式(I)の化合物を含み、式中のR1及びR2は、各々独立して、場合により置換されていてもよいC8アルキルからなる群から選択され、RA及びRBは各々水素である。更なる実施形態において、式(I)の化合物はマレイン酸ジオクチル若しくはマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、又はその組合せである。
【実施例】
【0126】
以下の実施例で追加の実施形態を更に詳細に開示するが、これらの実施例は特許請求の範囲をいかなる意味でも限定することを意図していない。
【0127】
(実施例1)
化粧用配合物を調製し、毛髪上で試験して本明細書に開示されたジエステル化合物の脱色された毛髪に対する効果を評価した。
【0128】
配合物A(対照)は16gの脱色剤粉末(Clairol Professional(登録商標)BW2 Dedusted Extra Strength)、及び16gの顕色剤(Clairol Professional(登録商標)Pure Whiteクリーム顕色剤40容量)を含む。配合物Bは15gの脱色剤粉末(Clairol Professional(登録商標)BW2 Dedusted Extra Strength)、15gの顕色剤(Clairol Professional(登録商標)Pure Whiteクリーム顕色剤40容量)、及び1.9gの80wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(Sigma-Aldrich)及び20wt.%のベヘントリモニウムクロリドからなる活性物質含有ペーストを含む。配合物Cは15gの脱色剤粉末(Clairol Professional(登録商標)BW2 Dedusted Extra Strength)、15gの顕色剤(Clairol Professional(登録商標)Pure Whiteクリーム顕色剤40容量)、及び0.5gの80wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(Sigma-Aldrich)及び20wt.%のベヘントリモニウムクロリドからなる活性物質含有ペーストを含む。中間色、中程度の暗色及び暗色の毛髪見本(各々5cm*1.3cmのインド人毛髪(Pivot Point)のもの)を利用した。加えて、コーカサス人毛髪の未処理の中程度暗色の見本を使用した(~25cm*1.3cm)。配合物A、B又はCの全ての成分をミキシングボール内で混ぜ合わせ、均一に混合されるまで撹拌し、その後各々の毛髪見本にブラシで塗った。配合物A、B及びCをコートした各々の毛髪見本をアルミホイル内に封じ入れ、2時間放置した。次いで見本を濯ぎ、シャンプーで洗浄した後風乾した。
【0129】
結果を
図1に示す。
図1は配合物A(左)、B(中央)及びC(右)で処理した毛髪見本を示す。3つの配合物で処理した毛髪見本に髪質の顕著な違いが観察された。配合物B及び配合物Cで処理した見本は配合物Aで処理した見本と比べてずっとより良好な状態であり、配合物B及びCの見本は切れ毛が少なく、手触りがより良好であり、櫛通り及びスタイリングがより良好であった。両方の配合物の明色化効果は類似していた。配合物Bは配合物Cよりやや改善された手触り及びより良好な櫛通りを示した。配合物Bに手を触れたとき、脱色配合物に触れると経験する典型的なしゃく熱感(burning sensation)が感じられなかった。
【0130】
(実施例2)
化粧用配合物を調製し、本明細書に開示されたジエステル化合物の脱色ダメージを受けた毛髪及びアフリカ系アメリカ人の毛髪に対する効果を試験した。
【0131】
50gの蒸留水、1.6gのマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(Sigma-Aldrich)及び0.4gのベヘントリモニウムクロリドを混合することによって配合物Dを調製した。混合した溶液を脱色されダメージを受けた毛髪に10分、30分、1時間及び16時間適用した後その脱色されダメージを受けた毛髪をシャンプーし乾燥した。配合物Dで処理しなかった脱色ダメージを受けた毛髪サンプルを対照として使用した。混合した溶液をアフリカ系アメリカ人の毛髪にも16時間適用し、配合物Dで処理しなかったアフリカ系アメリカ人の毛髪サンプルを対照として使用した。
【0132】
結果を
図2に示す。
図2は、それぞれ左から右へ配合物Dで10分、30分、1時間及び16時間処理した脱色されダメージを受けた毛髪、並びに対照を示す。また
図3に未処理の脱色ダメージを受けた毛髪(左)及び配合物Dで16時間処理した脱色ダメージを受けた毛髪(右)に対する結果を示す。
図4は未処理のアフリカ系アメリカ人の毛髪(左)及び配合物Dで16時間処理したアフリカ系アメリカ人の毛髪(右)に対する結果を示す。
図2~4で見られるように、配合物Dで処理した毛髪(即ち脱色されダメージを受けた毛髪及びアフリカ系アメリカ人の毛髪)は対照と比べて増大した輝き、増大した柔軟さ、増大した櫛通りの良さ及び低下した縮毛の外観を示した。
【0133】
(実施例3)
本明細書に開示されたジエステル化合物の染色した毛髪に対する効果を評価するために化粧用配合物を調製した。
【0134】
配合物Eは10gのIgora Royalカラー(1-0カラー)及び10gのIgora Royalオイルディベロッパー(20容量)を含む。配合物Fは10.5gのIgora Royalカラー(1-0カラー)及び10.5gのIgora Royalオイルディベロッパー(20容量)及び80wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(Sigma-Aldrich)及び20wt.%のベヘントリモニウムクロリドからなる0.55gの活性物質含有ペーストを含む。配合物E又はFの全ての成分をミキシングボール内で混ぜ合わせ、均一に混合されるまで撹拌し、その後毛髪見本にブラシで塗った。各々5cm*1.3cmのインド人の毛髪である中間ブロンド、グレイカラーの毛髪見本(Pivot Point)を利用した。更に、コーカサス人毛髪の未処理のブロンド見本を使用した(~20cm*1.3cm)。配合物E又はFでコートした毛髪見本を各々アルミホイル中に閉じ、45分放置した。その後見本を濯ぎ、シャンプーで洗浄した後風乾した。
【0135】
結果、即ち配合物Eで処理した毛髪(左)及び配合物Fで処理した毛髪(右)を
図5に示す。配合物Fで処理した見本は配合物Eで処理した見本よりずっと柔らかく、より良好な状態であり、顕著に縮毛がより少なかった。
【0136】
(実施例4)
化粧用配合物を調製して本明細書に開示されたジエステル化合物の化学的に伸ばした毛髪に対する効果を評価した。
【0137】
配合物GはMizani Butter Blend Relaxer Mediumを含む。配合物HはMizani Butter Blend Relaxer Medium(15.7g)及びマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(1.6g)を含む。配合物G及びHをいずれもアフリカ系アメリカ人の毛髪見本に櫛の背で適用し、指で引っ張って18分かけてストレートに伸ばした。その後いずれも十分に濯ぎ、シャンプーした。
【0138】
結果を示す
図6に示す。配合物Gで処理した毛髪(左)及び配合物Hで処理した毛髪(右)。いずれの見本も等しい程度にかなり伸びたが、配合物Hの見本は改善された櫛通りの良さ、より柔らかい手触りをもち、及びダメージを受けた端部は大幅に少なかった。
【0139】
(実施例5)
化粧用配合物を調製して本明細書に開示されたジエステル化合物の、毛髪のパーマに対する効果を評価した。
【0140】
配合物Iは指示に従って使用したZotos Quantum Firm Options Permを含む。配合物Jは指示に従って使用した第1の工程のZotos Quantum Firm Options Permを含み、中和ローション(19g)は80wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(Sigma-Aldrich)及び20wt.%のベヘントリモニウムクロリドからなる0.94gの添加された活性物質含有ペーストを有していた。配合物I及びJをいずれも桃色サイズパーマロッド上に巻き付けたコーカサス人の毛髪見本(~25cm長)に適用し、20分パーマローションで処理し、5分濯ぎ、5分中和用溶液で、更に1分中和用溶液で濯ぎ、ロッドを外し、3分濯いだ後風乾した。次いでその48時間後両方の毛髪見本をシャンプーした。
【0141】
両方の見本がカールを保ったが、配合物Jの見本は改善された櫛通りの良さ、より柔らかい手触りを有しており、ダメージを受けた端部はより少なかった。
【0142】
(実施例6)
化粧用配合物を調製して本明細書に開示されたジエステル化合物の爪に対する効果を評価した。
【0143】
いずれも酢酸エチル中にマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)を含有する2つのネイルトリートメント配合物を作成した。第1のネイルトリートメント配合物は7wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)を含有し、第2のネイルトリートメント配合物は20wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)を含有する。これら2つのネイルトリートメント配合物を爪に適用し、酢酸エチル対照配合物に対して比較した。マニキュア液ブラシにより配合物を適用することにより爪を10分間処理した後余分な液を拭き取った。
【0144】
第1及び第2のネイルトリートメント配合物で処理した爪は対照配合物で処理した爪と比べてより良好な状態を実証する。第1及び第2のネイルトリートメント配合物で処理した爪は増大した輝き、柔らかさ及び全体の外観を実証した。外観効果は新たなバフ仕上げに最も良く匹敵し得る。効果は1週間より長く持続することが示され、ダメージを受けた爪でより顕著である。多数の処理は増大した改善を示した。
【0145】
(実施例7)
化粧用配合物を調製して、本明細書に開示されたジエステル化合物の脱色毛髪に対する効果を市販の毛髪修復トリートメントと比較して評価した。
【0146】
配合物Kは、17gの脱色剤粉末(Clairol Professional(登録商標)BW2 Dedusted Extra Strength)、17gの顕色剤(Clairol Professional(登録商標)Pure Whiteクリーム顕色剤40容量)、及び80wt.%のマレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)(Sigma-Aldrich)及び20wt.%のベヘントリモニウムクロリドからなる2.4gの活性物質含有ペーストを含む。
【0147】
配合物Lは19gの脱色剤粉末(Clairol Professional(登録商標)BW2 Dedusted Extra Strength)、19gの顕色剤(Clairol Professional(登録商標)Pure Whiteクリーム顕色剤40容量)、及び2.5gのOlaplex(登録商標)Bond Multiplier Number One溶液を含む。
【0148】
各々5cm*1.3cmのインド人毛髪の中間色、中程度の暗色及び暗色の毛髪見本(Pivot Point)を利用した。配合物K又はLの全ての成分をミキシングボール内で混ぜ合わせ、均一に混合されるまで撹拌し、その後各々の毛髪見本にブラシで塗った。配合物K又はLをコートした各々の毛髪見本をアルミホイル内に閉じ、45分放置した。次に見本を濯ぎ、シャンプーで洗浄した後風乾した。
【0149】
2つの配合物で処理した毛髪見本で髪質の顕著な違いが観察された。配合物Kで処理した見本は配合物Lよりより良好に感じられ、より良好に見え、ややより良好な櫛通りの良さを有していた。更に、配合物Kは、配合物Lの明色化効果と比較したとき、毛髪を大幅に明色化した。
【国際調査報告】