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特表2023-535080電気穿孔法アブレーションカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】電気穿孔法アブレーションカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/00 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A61B18/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504655
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 US2021042775
(87)【国際公開番号】W WO2022020591
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/056,300
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シュロス、アラン シー.
(72)【発明者】
【氏名】クープ、ブレンダン イー.
(72)【発明者】
【氏名】コー、マイケル エス.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK23
4C160KK37
4C160MM38
(57)【要約】
本開示の少なくともいくつかの実施形態は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを対象とする。いくつかの実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの遠位端から延在する電極アセンブリと、を備え、電極アセンブリは、複数のエネルギー送達電極を備える。電極アセンブリは、複数の異なる操作モードにおいて選択的に操作可能であるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルであって、
近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端から延在し、複数のエネルギー送達電極を備え、第1の操作モード及び第2の操作モードにおいて選択的に操作可能であるように構成される、電極アセンブリと、を備え、
前記電極アセンブリは、前記カテーテルシャフトから延在し、かつ、前記カテーテルシャフト内に引き込まれるように適合された内側シャフトを備え、
前記複数のエネルギー送達電極は、複数の第1の電極及び複数の第2の電極を備え、
前記第1の操作モードにおいて操作されるとき、
前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフトから延在し、かつ、
前記複数の第1の電極及び前記複数の第2の電極が活性化され、
前記第2の操作モードにおいて操作されるとき、
前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフト内に少なくとも部分的に引き込まれ、
前記複数の第1の電極は、活性化され、かつ、
前記複数の第2の電極は、不活性化される、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項2】
前記第1の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、20ミリメートルから28ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成され、前記第2の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、5ミリメートルから20ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される、請求項1に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項3】
前記電極アセンブリが、前記内側シャフトの遠位端において前記内側シャフトに結合された複数のスプラインをさらに備え、前記複数のエネルギー送達電極が、前記複数のスプライン上に配置される、請求項1に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項4】
前記複数のスプラインが、前記第1の操作モードにおいて第1の直径を有する第1の空洞を形成し、前記複数のスプラインが、前記第2の操作モードにおいて第2の直径を有する第2の空洞を形成し、前記第1の直径が前記第2の直径より大きい、請求項3に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項5】
前記複数の第2の電極が、前記複数の第1の電極よりも前記内側シャフトの遠位端の近くに配置される、請求項1に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルシャフトが偏向可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項7】
前記複数の第2の電極が、前記第2の操作モードにおいて前記カテーテルシャフト内に引き込まれる、請求項1から6のいずれか一項に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項8】
前記カテーテルシャフト上に配置された一つ以上の戻り電極をさらに備える、請求項1に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項9】
前記カテーテルシャフトに対して前記内側シャフトを移動させるように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータの位置を検出するように構成されたセンサと、をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項10】
前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、前記アクチュエータの前記検出位置に基づいて前記第1の操作モード及び前記第2の操作モードの内の一つに設定されるように構成される、請求項9に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項11】
前記複数の第1の電極が個別に制御可能である、請求項1に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項12】
前記複数の第2の電極が個別に制御可能である、請求項1に記載のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを備えるシステム。
【請求項14】
電気穿孔法パルスを生成してハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスに送達するように構成されたパルス発生器をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記パルス発生器及び前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスに連結され、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスの操作モードを選択するように構成されたコントローラをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の組織をアブレーションするための医療システム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、電気穿孔法による組織のアブレーションのための医療システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アブレーション処置は、患者における多くの異なる状態を治療するために使用される。アブレーションは、心不整脈、良性腫瘍、がん性腫瘍を治療するため、及び手術中の出血を制御するために使用され得る。通常、アブレーションは、高周波(RF)アブレーション及び冷凍アブレーションを含む熱アブレーション技術によって達成される。RFアブレーションでは、プローブが患者に挿入され、高周波がプローブを介して周囲の組織に伝達される。高周波は熱を発生させ、熱は周囲の組織を破壊し、血管を焼灼する。冷凍アブレーションでは、中空針すなわちクライオプローブが患者に挿入され、低温の熱伝導性流体がプローブを通って循環され、周囲の組織を凍結して死滅させる。RFアブレーション及び冷凍アブレーション技術は、細胞壊死を介して組織を無差別に死滅させ、これは、食道内の組織、横隔神経細胞、及び冠動脈内の組織のような、他の点では健康な組織を損傷又は死滅させ得る。
【0003】
別のアブレーション技術は、電気穿孔法を使用する。電気穿孔法すなわち電気透過処理では、細胞膜の透過性を増加させるために、電場が細胞に印加される。電気穿孔法は、電場の強度に応じて、可逆的又は不可逆的であり得る。電気穿孔法が可逆的である場合、細胞膜の増加した透過性は、細胞の治癒及び回復の前に、化学物質、薬物、及び/又はデオキシリボ核酸(DNA)を細胞に導入するために使用され得る。電気穿孔法が不可逆的である場合、影響を受けた細胞はアポトーシスによって死滅される。
【0004】
不可逆的電気穿孔法は、非熱的アブレーション技術として使用され得る。不可逆的電気穿孔法では、短い高電圧パルス列を使用して、アポトーシスを介して細胞を死滅させるのに十分強い電場を発生させる。心臓組織のアブレーションにおいて、不可逆的電気穿孔法は、RFアブレーション及び冷凍アブレーションのような熱アブレーション技術の無差別な死滅に対する安全かつ有効な代替手段であり得る。不可逆的電気穿孔法は、標的組織を死滅させるが、他の細胞又は組織(例えば、非標的心筋組織、赤血球、血管平滑筋組織、内皮組織、及び神経細胞)を恒久的に損傷しない電場強度及び持続時間を使用することによって、心筋組織のような標的組織を死滅させるために使用され得る。
【発明の概要】
【0005】
例に記載するように、例1はハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトの前記遠位端から延在する電極アセンブリと、を備え、前記電極アセンブリは、複数のエネルギー送達電極を備える。前記電極アセンブリは、第1の操作モード及び第2の操作モードにおいて選択的に操作可能であるように構成される。前記電極アセンブリは、前記カテーテルシャフトから延在し、かつ、前記カテーテルシャフト内に引き込まれるように適合された内側シャフトを備える。前記複数のエネルギー送達電極は、複数の第1の電極及び複数の第2の電極を備える。前記第1の操作モードにおいて操作されるとき、前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフトから延在し、前記複数の第1の電極及び前記複数の第2の電極が、活性化される。前記第2の操作モードにおいて操作されるとき、前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフト内に少なくとも部分的に引き込まれ、前記複数の第1の電極が活性化され、前記複数の第2の電極が不活性化される。
【0006】
例2は、前記第1の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、20ミリメートルから28ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成され、前記第2の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、5ミリメートルから20ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される、例1の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0007】
例3は、前記電極アセンブリが、前記内側シャフトの遠位端において前記内側シャフトに結合された複数のスプラインをさらに備え、前記複数のエネルギー送達電極が、前記複数のスプライン上に配置される、例1の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0008】
例4は、前記複数のスプラインが、前記第1の操作モードにおいて第1の直径を有する第1の空洞を形成し、前記複数のスプラインが、前記第2の操作モードにおいて第2の直径を有する第2の空洞を形成し、前記第1の直径が前記第2の直径より大きい、例3の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0009】
例5は、前記複数の第2の電極が、前記複数の第1の電極よりも前記内側シャフトの遠位端の近くに配置される、例1の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0010】
例6は、前記カテーテルシャフトが偏向可能である、例1から5のいずれか一つの前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0011】
例7は、前記複数の第2の電極が、前記第2の操作モードにおいて前記カテーテルシャフト内に引き込まれる、例1から6のいずれか一つの前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0012】
例8は、前記カテーテルシャフト上に配置された一つ以上の戻り電極をさらに備える、例1の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0013】
例9は、前記カテーテルシャフトに対して前記内側シャフトを移動させるように構成されたアクチュエータと、前記アクチュエータの位置を検出するように構成されたセンサと、をさらに備える、例1から8のいずれか一つの前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0014】
例10は、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルが、前記アクチュエータの前記検出位置に基づいて前記第1の操作モード及び前記第2の操作モードの内の一つに設定されるように構成される、例9の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0015】
例11は、前記複数の第1の電極が個別に制御可能である、例1の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0016】
例12は、前記複数の第2の電極が個別に制御可能である、例1の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0017】
例13は、例1から12のいずれか一つの前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを備えるシステムである。
【0018】
例14は、電気穿孔法パルスを生成してハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスに送達するように構成されたパルス発生器をさらに備える、例13のシステムである。
【0019】
例15は、前記パルス発生器及び前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスに連結され、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスの操作モードを選択するように構成されたコントローラをさらに備える、例14のシステムである。
【0020】
例16は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトの前記遠位端から延在する電極アセンブリと、を備え、前記電極アセンブリは、複数のエネルギー送達電極を備える。前記電極アセンブリは、第1の操作モード及び第2の操作モードにおいて選択的に操作可能であるように構成される。前記電極アセンブリは、前記カテーテルシャフトから延在し、前記カテーテルシャフト内に引き込まれるように適合された内側シャフトを備える。前記複数のエネルギー送達電極は、複数の第1の電極及び複数の第2の電極を備える。前記第1の操作モードにおいて操作されるとき、前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフトから延在され、前記複数の第1の電極及び前記複数の第2の電極が、活性化される。前記第2の操作モードにおいて操作されるとき、前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフト内に少なくとも部分的に引き込まれ、前記複数の第1の電極が活性化され、前記複数の第2の電極が不活性化される。
【0021】
例17は、前記第1の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、20ミリメートルから28ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成され、前記第2の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、5ミリメートルから20ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0022】
例18は、前記電極アセンブリが、前記内側シャフトの遠位端において前記内側シャフトに結合された複数のスプラインをさらに備え、前記複数のエネルギー送達電極が、前記複数のスプライン上に配置される、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0023】
例19は、前記複数のスプラインが、前記第1の操作モードにおいて第1の直径を有する第1の空洞を形成し、前記複数のスプラインが、前記第2の操作モードにおいて第2の直径を有する第2の空洞を形成し、前記第1の直径が前記第2の直径より大きい、例18の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0024】
例20は、前記複数の第2の電極が、前記複数の第1の電極よりも前記内側シャフトの遠位端の近くに配置される、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0025】
例21は、前記カテーテルシャフトが偏向可能である、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0026】
例22は、前記複数の第2の電極が、前記第2の操作モードにおいて前記カテーテルシャフト内に引き込まれる、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0027】
例23は、前記カテーテルシャフト上に配置された一つ以上の戻り電極をさらに備える、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0028】
例24は、前記カテーテルシャフトに対して前記内側シャフトを移動させるように構成されたアクチュエータと、前記アクチュエータの位置を検出するように構成されたセンサと、をさらに備える、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0029】
例25は、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルが、前記アクチュエータの前記検出位置に基づいて前記第1の操作モード及び前記第2の操作モードの内の一つに設定されるように構成される、例24の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0030】
例26は、前記複数の第1の電極が個別に制御可能である、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0031】
例27は、前記複数の第2の電極が個別に制御可能である、例16の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルである。
【0032】
例28は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションシステムである。前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションシステムは、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルと、電気穿孔法パルスを生成してハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスに送達するように構成されたパルス発生器と、前記パルス発生器及び前記電気穿孔法アブレーションデバイスに連結されたコントローラと、を備える。前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトの前記遠位端から延在する電極アセンブリと、を備え、前記電極アセンブリは、複数のエネルギー送達電極を備える。前記電極アセンブリは、第1の操作モード及び第2の操作モードにおいて選択的に操作可能であるように構成される。前記電極アセンブリは、前記カテーテルシャフトから延在し、前記カテーテルシャフト内に引き込まれるように適合された内側シャフトを備える。前記複数のエネルギー送達電極は、複数の第1の電極及び複数の第2の電極を備える。前記第1の操作モードにおいて操作されるとき、前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフトから延在され、前記複数の第1の電極及び前記複数の第2の電極が、活性化される。前記第2の操作モードにおいて操作されるとき、前記内側シャフトは、前記カテーテルシャフト内に少なくとも部分的に引き込まれ、前記複数の第1の電極が活性化され、前記複数の第2の電極が不活性化される。
【0033】
例29は、前記第1の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、20ミリメートルから28ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成され、前記第2の操作モードにおいて、前記電極アセンブリが、アブレーションエネルギーを送達して、5ミリメートルから20ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される、例28の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションシステムである。
【0034】
例30は、前記電極アセンブリが、前記内側シャフトの遠位端において前記内側シャフトに結合された複数のスプラインをさらに備え、前記複数のエネルギー送達電極が、前記複数のスプライン上に配置される、例28の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションシステムである。
【0035】
例31は、前記コントローラが、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションデバイスの操作モードを選択するように構成されている、例28の前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションシステムである。
【0036】
例32は、電気穿孔法アブレーションのための方法である。前記方法は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを標的組織の近くへ配備するステップであって、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、第1の操作モード及び第2の操作モードを備える複数の操作モードにおいて操作可能であり、前記第1の操作モードにおいてアブレーションエネルギーを送達し、円周アブレーション損傷部を形成するように構成され、前記第2の操作モードにおいてアブレーションエネルギーを送達し、局所アブレーション損傷部を形成するように構成される、ステップと、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルの前記複数の操作モードから操作モードを選択するステップと、選択された操作モードにおいて前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを操作するステップと、前記選択された操作モードに従って前記カテーテルの複数の電極において、不可逆的電気穿孔法を介して標的組織をアブレーションするために十分な電場強度を有する電場を生成するステップと、を含む。
【0037】
例33は、前記ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルが、カテーテルシャフトと、前記カテーテルシャフトの遠位端から延在する電極アセンブリと、を備える、例32の前記方法である。
【0038】
例34は、前記電極アセンブリが複数の電極を備え、前記複数の電極の内の少なくとも一つが、前記複数の操作モードの内の一つにおいて不活性化される、例33の前記方法である。
【0039】
例35は、前記電極アセンブリが、前記複数の操作モードにおいて複数の形状を形成するように構成され、前記複数の形状が互いに異なる体積を有する、例32の前記方法である。
【0040】
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し記載する、以下の詳細な説明から当業者に明らかとなるだろう。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本開示の主題の実施形態に従った、電気穿孔法アブレーションシステム又はデバイスの例示的なシステム概略図を示す。
図2A】本開示の主題の実施形態に従った、第1の操作モードにおけるハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを示す概略図である。
図2B】本開示の主題の実施形態に従った、第2の操作モードにおける図2Aに示すハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを示す概略図である。
図2C】本開示の主題の実施形態に従った、追加の構成要素を有する図2Aに示すハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを示す概略図である。
図3】本開示の主題の実施形態に従った、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを示す別の概略図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態に従った、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルの例示的な使用方法を示す、例示的なフローチャートである。
【0042】
本発明は、様々な修正形態及び代替形態に従うが、特定の実施形態が例として図面に示されており、以下で詳細に説明される。しかし、その意図は、本発明を記載された特定の実施形態に限定することではない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に収まる全ての修正、均等物、及び代替品を包含することが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0043】
有形物(例えば、製品、在庫など)及び/又は無形物(例えば、データ、通貨の電子表現、アカウント、情報、物の一部分(例えば、パーセンテージ、分数)、計算、データモデル、動的システムモデル、アルゴリズム、パラメータなど)の測定値(例えば、寸法、特性、属性、構成要素など)及びそれらの範囲に関して本明細書で使用される用語として、「約」及び「およそ」は、言及された測定値を含み、言及された測定値に適度に近いが、測定誤差に起因することが当業者に理解され容易に確認されるような適度に少量だけ異なり得る任意の測定値も含む測定値、測定及び/又は製造機器校正の差、測定値の読み取り及び/又は設定におけるヒューマンエラー、他の測定値(例えば、他の物に関する測定値)を考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するような調整、特定の実施シナリオ、人、コンピュータデバイス、及び/又は機械による物、設定及び/又は測定値の不明瞭な調整及び又は操作、システムの許容誤差、制御ループ、機械学習、予測可能な変動(例えば、統計的に有意ではない変動、無秩序な変動、システム及び/又はモデル不安定性など)、及び/又は選好等を示すように、互換的に用いられ得る。
【0044】
例示的な方法は、一つ以上の図面(例えば、フローチャート、通信フローなど)によって示され得るが、図面は、本明細書で開示される様々なステップの任意の要件、又はそれらの間の特定の順序を暗示するものとして解釈されるべきではない。しかし、特定のいくつかの実施形態は、本明細書で明示的に記載され得るように、及び/又はステップ自体の性質から理解され得るように(例えば、いくつかのステップの性能は、前のステップの結果に依存し得る)、特定のステップ及び/又は特定のステップ間の特定の順序を必要とし得る。加えて、項目(例えば、入力、アルゴリズム、データ値等)の「セット」、「サブセット」、又は「グループ」は、一つ以上の項目を含んでもよく、同様に、項目のサブセット又はサブグループは、一つ以上の項目を含んでもよい。「複数」は、二つ以上を意味する。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「に基づく」は、限定的であることを意味せず、むしろ、少なくとも「に基づく」に続く用語を入力として使用することによって、決定、識別、予測、及び/又は計算等が実行されることを示す。例えば、特定の情報に基づいて結果を予測することは、追加的に又は代替的に、別の情報に基づいて同じ決定をすることができる。
【0046】
冷凍エネルギー及び高周波(RF)エネルギーは、細胞壊死を介して無差別に組織を死滅させ、これは、他の所望しない影響に加えて、食道、横隔神経、冠状動脈を損傷し得る。不可逆的電気穿孔法(IRE)は、高電圧の短い(例えば、100マイクロ秒以下)パルスを使用して、アポトーシスを介して細胞を死滅させる。IREは、食道血管平滑筋及び内皮を含む他の隣接組織を温存して、心筋を死滅させることを目的にし得る。
【0047】
本開示は、単一のIREアブレーションカテーテルを使用して、複数のアブレーション戦略、すなわち、円周アブレーション及び局所アブレーションを実施するためのデバイス及び方法を記載する。円周アブレーションは、比較的大きい直径の実質的に円形の環状アブレーション損傷を形成することを伴い、発作性AFを治療するためのいわゆる「肺静脈隔離」(PVI)処置において肺静脈口をアブレーションするために特に有用である。これは、理想的には単一のエネルギー印加で肺静脈口を治療するために、比較的大きな面積を有する電極セットを備えたIREアブレーションカテーテルを必要とする。これに対して、局所アブレーションは、PVI処置において形成される円周損傷部よりも著しく小さい損傷部を生成し、一般に、心房頻脈、房室リエントリー性不整脈、及び持続性AF等を治療するために、例えば心室壁に沿って連続的なエネルギー印加を使用して電気ブロックラインを生成するために使用される。IREを介した局所アブレーションは、円周損傷部を形成するための前述のカテーテルと比較して、より小さい面積に配置された電極セットを有するIREアブレーションカテーテルを必要とする。現在、円周アブレーション及び局所アブレーションは、各アブレーション戦略のために特別に設計されたカテーテルを必要とし、それは、円周アブレーション戦略と局所アブレーション戦略の両方が単一の臨床処置において必要とされる場合、一つのアブレーションカテーテル、例えば、PVI後の円周アブレーションカテーテルの除去、及び局所アブレーションカテーテルとの交換を必要とする。
【0048】
本開示の実施形態は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルと呼ばれる単一のカテーテルを使用して二つ以上のアブレーション戦略(例えば、円周アブレーション及び局所アブレーション)を実施することが可能である、IREのためのシステム/デバイス及び方法を対象とする。いくつかの実施形態では、ハイブリッド診査アブレーションカテーテルは、二つの操作モードを有するように構成され、一つは円周アブレーションに好適であり、一つは局所アブレーションに好適である。いくつかの場合において、異なる操作モードにおけるハイブリッドカテーテルは、異なる形状の電極アセンブリを有する。いくつかの場合において、異なる操作モードにおけるハイブリッドカテーテルは、電極アセンブリにおいて活性化される異なるセットの電極を有する。いくつかの場合において、異なる操作モードにおけるハイブリッドカテーテルは、電極アセンブリにおいて活性化される異なるセットの電極及び異なる形状の両方を有する。いくつかの実施形態では、二つ以上の操作モードは、意図されるアブレーション戦略に応じて、操作する人により選択され得る。いくつかの実施形態では、二つ以上の操作モードは、意図されるアブレーション戦略及び/又は検知データに応じて、コントローラによって自動的に選択され得る。
【0049】
図1は、本開示の主題の実施形態に従った、電気穿孔法アブレーションシステム又はデバイス100の例示的なシステム略図を示す。電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス100は、一つ以上のハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル110と、イントロデューサシース130と、コントローラ140と、パルス発生器150と、メモリ160と、を含む。実施形態では、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス100は、患者の心臓内の標的組織に電場エネルギーを送達して、組織アポトーシスを生じさせ、組織が電気信号を伝導できなくするように構成される。いくつかの場合において、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス100は、他のシステム(複数)170、例えば、マッピングシステム、及び/又は電気生理学システム等と接続し得る。
【0050】
実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル110は、二つ以上の操作モードを有するように設計され、各操作モードは、アブレーション操作の種類(例えば、円周アブレーション又はシングルショットアブレーション、局所アブレーション、セグメントアブレーション等)に好適である。カテーテル110は、心臓内チャンバ(intracardiac chamber)の標的アブレーション位置によって配置されるように設計される。本明細書で使用される場合、心臓内チャンバは、心室及びその周囲の血管(例えば、肺静脈)を指す。パルス発生器150は、カテーテル110の電極に送達されるアブレーションパルス/エネルギー、又は電気穿孔法パルス/エネルギーと呼ばれるものを生成するように構成される。電気穿孔法パルスは、典型的には高電圧及び短パルスである。電気穿孔法コントローラ140は、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス100の機能面を制御するように構成される。実施形態では、電気穿孔法コントローラ140は、アブレーションエネルギーの生成及びカテーテル110の電極への送達に関してパルス発生器150を制御するように構成される。実施形態では、コントローラ140は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル110の操作モードを制御するように構成される。
【0051】
一実施形態では、カテーテル110は一つ以上の電極を有する。いくつかの実施形態では、カテーテル110は、一つ以上の電極を含む電極アセンブリを含む。いくつかの場合において、電極アセンブリは、異なる操作モードにおいて大きさが異なる電場エネルギーを送達するように構成される。いくつかの場合において、電極アセンブリは、異なる操作モードにおいて異なる拡張形状を有するように構成された拡張可能な構成要素を含む。いくつかの場合において、操作モードは、電極アセンブリの形状及び/又は直径によって変化する。いくつかの場合において、カテーテル110の一つ以上の電極の各々は、個別にアドレス可能かつ制御可能である。いくつかの場合において、コントローラ140は、複数の電極によって形成される電場が制御及び調節され得るように、各電極へのアブレーションエネルギーの送達を制御し得る。いくつかの場合において、一つ以上の電極の一部は、コントローラ140によって不活性化され得る。
【0052】
いくつかの場合において、特定のセットの電極が、操作モードのためにコントローラ140によって活性化され得る。いくつかの場合において、一つ以上の電極の一部は、特定の操作モードにおいてカテーテル110のシャフト内に引き込まれ得る。いくつかの場合において、隣接する活性電極間の距離は、一般に、全ての活性電極間又は活性電極のサブセット間で同じである。一例では、電極は、例えば、電極アセンブリが比較的小さい操作直径を有するとき、操作モードにおいて一つおきに活性化される。一実施形態では、隣接する活性電極間の距離は、第1の操作(例えば、円周アブレーション)において、第2の距離(例えば、局所アブレーション)と大まかに同じ(例えば、平均距離から10%以内の変動)であるが、他の電極は、不活性化される。
【0053】
いくつかの場合において、電気穿孔法コントローラ140は、カテーテル(複数)のセンサ(複数)によって収集されたセンサデータを受信する。いくつかの場合において、電気穿孔法コントローラ140は、検知データの受信に応答してカテーテル110の操作モードを変更し得る。いくつかの場合において、電気穿孔法システム/デバイス100は、カテーテル110の電極アセンブリの操作形状を変更するように構成されたアクチュエータ120を含み得る。いくつかの場合において、電気穿孔法システム/デバイス100は、アクチュエータの位置をモニタリングするための位置センサをさらに含み得る。一例では、コントローラ140は、位置センサによって生成された検知データを受信し、アクチュエータの位置に応答してカテーテルの操作モードを変更し得る。実施形態では、アクチュエータ120は、カテーテル110と一体化されるか、又はそれに結合される。
【0054】
いくつかの場合において、電気穿孔法コントローラ140は、検知データに応答して電極に送達されるアブレーションエネルギーを変更し得る。いくつかの場合において、電気穿孔法コントローラ140は、カテーテル110によって生成され得る電場をモデル化するように構成され、それには、多くの場合、電極を含む電気穿孔法アブレーションカテーテル110の物理的特性及び電気穿孔法アブレーションカテーテル110上の電極の空間的関係が考慮される。実施形態では、電気穿孔法コントローラ140は、カテーテル110の電極によって形成される電場の電場強度を1500ボルト/センチメートル以下に制御するように構成される。
【0055】
実施形態では、電気穿孔法コントローラ140は、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス100の機能面を制御及び/又は実行するために、メモリ160、例えば、非一時的機械可読媒体からのコードを実行する、一つ以上のコントローラ、マイクロプロセッサ、及び/又はコンピュータを含む。実施形態では、メモリ160は、一つ以上のコントローラ、マイクロプロセッサ、及び/又はコンピュータの一部、及び/又はワールドワイドウェブのようなネットワークを通してアクセス可能なメモリ容量の一部であり得る。実施形態では、メモリ160は、データリポジトリ165を備えており、これは、アブレーションデータ(例えば、位置、エネルギー等)、検知されたデータ、モデル化された電場データ、及び/又は治療計画データ等を記憶するように構成される。
【0056】
実施形態では、イントロデューサシース130は、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル110が患者の心室内の特定の標的部位に配備され得る送達導管を提供するように操作可能である。
【0057】
実施形態では、他のシステム170は、電気解剖学的マッピング(EAM)システムを含む。いくつかの場合において、EAMシステムは、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス100の様々な機能的構成要素の位置を追跡し、関心のある心室の高い忠実性の三次元解剖学的マップ及び電気解剖学的マップを生成するように操作可能である。実施形態では、EAMシステムは、Boston Scientific Corporationによって販売されているRHYTHMIA(登録商標)HDxマッピングシステムであり得る。また、実施形態では、EAMシステムのマッピング及びナビゲーションコントローラは、メモリからのコードを実行してEAMシステムの機能面を制御及び/又は実行する一つ以上のコントローラ、マイクロプロセッサ、及び/又はコンピュータを含む。
【0058】
EAMシステムは、フィールド生成器を介して位置特定フィールドを生成して、心臓の周りの位置特定体積を規定し、追跡されるデバイス(複数)、例えば、電気穿孔法アブレーションカテーテル対105上の一つ以上の位置センサ又は検知要素は、マッピング及びナビゲーションコントローラによって処理され得る出力を生成して、位置特定体積内のセンサの位置、従って、対応するデバイスの位置を追跡する。一実施形態では、デバイス追跡は、磁気追跡技術を使用して達成され、それによって、フィールド生成器は、位置特定体積を規定する磁場を発生させる磁場発生器であり、追跡されるデバイス上の位置センサは、磁場センサである。
【0059】
いくつかの実施形態では、インピーダンス追跡法が、種々のデバイスの位置を追跡するために採用され得る。そのような実施形態では、位置特定フィールドは、例えば、外部フィールド発生器配置(例えば、表面電極)によって、体内又は心臓内デバイス(例えば、心臓内カテーテル)によって、又はその両方によって生成される電場である。これらの実施形態では、位置検知要素は、位置特定体積内の様々な位置検知電極の位置を追跡するために、マッピング及びナビゲーションコントローラによって受信及び処理される出力を生成する追跡されるデバイス上の電極を構成し得る。
【0060】
実施形態では、EAMシステムは、磁気追跡能力及びインピーダンス追跡能力の両方を備えている。そのような実施形態では、インピーダンス追跡精度は、いくつかの事例において、前述のRHYTHMIA HDx(登録商標)マッピングシステムを使用して可能であるように、磁気位置センサを備えたプローブを使用して、対象の心室内で電場発生器によって誘導される電場のマップを最初に作成することによって強化され得る。一つの例示的なプローブは、Boston Scientific Corporationによって販売されているINTELLAMAP ORION(登録商標)マッピングカテーテルである。
【0061】
使用される追跡方法に関わらず、EAMシステムは、例えば、電気穿孔法アブレーションカテーテル対105又は検知電極を備えた別のカテーテル又はプローブによって取得される心臓電気活動と共に、様々な追跡されるデバイスの位置情報を利用して、心室の詳細な三次元幾何学的解剖学的マップ又は表示、並びに関心のある心臓電気活動が幾何学的解剖学的マップ上に重ね合わされた電気解剖学的マップを生成し、ディスプレイを介して表示する。さらに、EAMシステムは、幾何学的解剖学的マップ及び/又は電気解剖学的マップ内の様々な追跡されるデバイスの画像表示を生成し得る。
【0062】
実施形態によれば、電気生理学システム100の様々な構成要素(例えば、コントローラ140)は、一つ以上のコンピュータデバイス上に実装され得る。コンピュータデバイスは、本開示の実施形態を実装するのに適した任意の種類のコンピュータデバイスを含み得る。コンピュータデバイスの例は、専用コンピュータデバイス又は汎用コンピュータデバイス(例えば、「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「タブレットコンピュータ」、「ハンドヘルドデバイス」、及び「汎用グラフィックス処理ユニット(GPGPU)」等)を含み、それらの全てが、システム100の様々な構成要素に関して図1の範囲内で考慮される。
【0063】
いくつかの実施形態では、コンピュータデバイスは、以下のデバイス(プロセッサ、メモリ、入力/出力(I/O)ポート、I/O構成要素、及び電源)を直接的及び/又は間接的に結合するバスを含む。任意の数の追加の構成要素、異なる構成要素、及び/又は構成要素の組合せもコンピュータデバイスに含まれ得る。バスは、一つ以上のバス(例えば、アドレスバス、データバス、又はそれらの組合せ等)であり得るものを示す。同様に、いくつかの実施形態において、コンピュータデバイスは、いくつかのプロセッサ、いくつかのメモリ構成要素、いくつかのI/Oポート、いくつかのI/O構成要素、及び/又はいくつかの電源を含み得る。加えて、任意の数のこれらの構成要素又はそれらの組み合わせが、いくつかのコンピュータデバイスにわたって分布及び/又は複製され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、メモリ160は、揮発性及び/又は不揮発性メモリ、一時的及び/又は非一時的記憶媒体の形態のコンピュータ可読媒体を含み、取り外し可能、取り外し不可能、又はそれらの組み合わせであり得る。媒体の例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電子的に消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、光学又はホログラフィック媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶デバイス又は他の磁気記憶デバイス、データ送信、及び/又は情報を記憶するために使用可能で、例えば、量子状態メモリなどのコンピュータデバイスによってアクセス可能な任意の他の媒体を含む。いくつかの実施形態では、メモリ160は、プロセッサ(例えば、コントローラ140)に、本明細書で議論されるシステム構成要素の実施形態の態様を実装させ、及び/又は本明細書で議論される方法及び処置の実施形態の態様を実行させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶する。
【0065】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、コンピュータコード、及び機械使用可能命令等(例えば、コンピュータデバイスに関連付けられた一つ以上のプロセッサによって実行されることが可能なプログラム構成要素)を含み得る。プログラム構成要素は、様々な言語、開発キット、及び/又はフレームワーク等を含む、任意の数の異なるプログラミング環境を使用してプログラムされ得る。本明細書で考慮される機能の一部又は全部は、同様に、又は代替として、ハードウェア及び/又はファームウェアで実装され得る。
【0066】
データリポジトリ165は、以下に記載される構成の内のいずれか一つを使用して実装され得る。データリポジトリは、ランダムアクセスメモリ、フラットファイル、XMLファイル、及び/又は一つ以上のデータベースサーバ又はデータセンタ上で実行される一つ以上のデータベース管理システム(DBMS)を含み得る。データベース管理システムは、関係(RDBMS)、階層(HDBMS)、多次元(MDBMS)、オブジェクト指向(ODBMS又はOODBMS)又はオブジェクト関係(ORDBMS)データベース管理システムなどであり得る。データリポジトリは、例えば、単一の関係データベースであり得る。いくつかの場合において、データリポジトリは、データ統合プロセス又はソフトウェアアプリケーションによってデータを交換及び統合可能である複数のデータベースを含み得る。例示的な実施形態では、データリポジトリ165の少なくとも一部は、クラウドデータセンタにおいてホストされ得る。いくつかの場合において、データリポジトリは、単一のコンピュータ、サーバ、記憶デバイス、又はクラウドサーバ等でホストされ得る。いくつかの他の場合において、データリポジトリは、一連のネットワーク化されたコンピュータ、サーバ、又はデバイス上でホストされ得る。いくつかの場合において、データリポジトリは、ローカル、地域、及びセントラルを含むデータ記憶デバイスの階層上でホストされ得る。
【0067】
システム/デバイス100の種々の構成要素は、通信インターフェース(例えば、有線又は無線インターフェース)を介して通信してもよく、又はそれを介して接続されてもよい。通信インターフェースは、限定されないが、任意の有線又は無線の短距離及び長距離通信インターフェースを含む。有線インターフェースは、ケーブル、及びアンビリカル等を使用することができる。短距離通信インターフェースは、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、Bluetooth(登録商標)規格、IEEE 802規格(例えば、IEEE 802.11)、ZigBee(登録商標)又は同様の仕様(IEEE 802.15.4規格に基づくもの等)などの既知の通信規格に準拠するインターフェース、又は他のパブリック又は独自の無線プロトコルであり得る。長距離通信インターフェースは、例えば、広域ネットワーク(WAN)、セルラーネットワークインターフェース、衛星通信インターフェース等であり得る。通信インターフェースは、イントラネットなどのプライベートコンピュータネットワーク内にあってもよく、インターネットなどのパブリックコンピュータネットワーク上にあってもよい。
【0068】
図2Aは、第1の操作モードにおけるハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル200の一部を示す図であり、図2Bは、本開示の主題の実施形態に従った、第2の操作モードにおけるハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル200を示す図である。示すように、カテーテル200は、カテーテルシャフト202と、カテーテルシャフト202内に配置され、カテーテルシャフト202の遠位端206から遠位に延在する内側シャフト203と、を含む。理解されるように、カテーテルシャフト202は、その近位端において、電気穿孔法アブレーション処置中にユーザによって操作されるように構成されたハンドルアセンブリ(図示無し)に連結される。さらに示すように、カテーテル200は、カテーテルシャフト202の遠位端206から延在する遠位端において電極アセンブリ220を含む。
【0069】
実施形態では、電極アセンブリ220は、複数のエネルギー送達電極225を備え、電極アセンブリ220は、第1の操作モード及び第2の操作モードにおいて選択的に操作可能であるように構成される。いくつかの場合では、第1の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、20ミリメートルから28ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成される。いくつかの場合では、第1の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、22ミリメートルから35ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成される。いくつかの場合では、第1の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、20ミリメートルから35ミリメートルの直径を有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成される。いくつかの場合では、第2の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、5ミリメートルから20ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される。いくつかの場合では、第2の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、2ミリメートルから16ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される。いくつかの場合では、第2の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、2ミリメートルから20ミリメートルの直径を有する局所アブレーション損傷部を形成するように構成される。いくつかの場合では、第1の操作モードにおいて、電極アセンブリは、アブレーションエネルギーを送達して、3ミリメートル及び4ミリメートルの深さを有する円周アブレーション損傷部を形成するように構成される。
【0070】
いくつかの実施形態では、電極アセンブリ220は、内側シャフト203を含み、内側シャフト203は、カテーテルシャフト202から延在し、その中に引き込まれるように適合される。いくつかの場合において、電極アセンブリ220は、内側シャフト203の遠位端211において内側シャフト203に結合された複数のスプライン204を含む。いくつかの場合において、電極アセンブリ220は、近位端211a(内側シャフト203の遠位端211と重なる)及び遠位端212を有する中心シャフト203aをさらに含む。いくつかの場合において、複数のスプライン204は、中心シャフト203aの遠位端212に結合される。実施形態では、電極225は、複数のスプライン204上に配置された複数の第1の電極208及び複数の第2の電極210を含む。一例では、複数の第2の電極210は、中心シャフト203aの遠位端212の近くに配置され、複数の第1の電極208は、中心シャフト203aの近位端211aの近くに配置される。
【0071】
いくつかの場合において、第1の操作モードで操作されるとき、内側シャフト203及び中心シャフト203aは、例えば、図2Aに示すように、カテーテルシャフト202から延在される。いくつかの場合において、第1の操作モードでは、複数の第1の電極208及び複数の第2の電極210の両方が、例えば、PVI処置において作成されるような、比較的大きい直径の円周アブレーション損傷部を形成するように、選択的に通電されて活性化される。
【0072】
いくつかの実施形態では、第2の操作モードで操作されるとき、内側シャフト203及び中心シャフト203aは、例えば、図2Bに示すように、複数の第1の電極208の全て又は一部がカテーテルシャフト202内に引き込まれるように、カテーテルシャフト202内に少なくとも部分的に引き込まれる。いくつかの場合において、第2の操作モードでは、複数の第1の電極208は、不活性化され(例えば、第1の電極208を任意のパルス発生器回路から電気的に切断することによって)、複数の第2の電極210は、活性化され、電気穿孔法を介して局所アブレーション損傷部を生成するために使用される。
【0073】
ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル200は、長手方向軸線222を有する。本明細書で使用される場合、長手方向軸線は、物体の断面の重心を通過する線を示す。実施形態では、複数のスプライン204は、空洞224を形成する。複数のスプライン204は、第1の操作モードにおいて空洞224aを形成し、第2の操作モードにおいて空洞224bを形成する。実施形態では、空洞224aは、その体積において、空洞224bよりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の操作モードにおいて、空洞224aの長手方向軸線222に対して一般的に垂直な最大断面積は、直径d1を有する。いくつかの実施形態では、第2の操作モードにおいて、空洞224bの長手方向軸線222に対して一般的に垂直な最大断面積は、直径d2を有する。いくつかの場合において、直径d1は直径d2よりも大きい。いくつかの例では、直径d1は、20ミリメートルから35ミリメートルの範囲にある。いくつかの例では、直径d2は、5ミリメートルから16ミリメートルの範囲にある。一例では、直径d1は直径d2よりも30%から100%大きい。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも30%大きい。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも100%(すなわち、直径d2の少なくとも2倍)大きい。一例では、直径d1は直径d2よりも少なくとも150%(すなわち、直径d2の少なくとも2.5倍)大きい。
【0074】
いくつかの場合において、カテーテルシャフト202は偏向可能であり、当技術分野で一般的に知られた技法を使用して実装される。いくつかの場合において、カテーテル200は、スプライン204の空洞224内に配置された拡張可能なバルーン(図示無し)を含む。図2Cは、本開示の主題の実施形態に従った、追加の特徴を有する図2Aに示すハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを示す略図である。いくつかの実施形態では、カテーテル200Cは、一つ以上の戻り電極205を含む。いくつかの場合において、一つ以上の戻り電極205は、カテーテルシャフト202上に配置される。いくつかの場合において、カテーテル200Cは、内側シャフト203をカテーテルシャフト202に対して移動させるように構成されたアクチュエータ(図示無し)を含み得る。いくつかの場合において、アクチュエータは、カテーテル200Cの外部にあるが、カテーテル200Cに結合される。いくつかの場合において、カテーテル200は、アクチュエータの位置を検出するように構成されたセンサ213を含み得る。一実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル200の操作モードは、アクチュエータの検出された位置に基づいて設定される。一実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル200の操作モードは、センサ213によって生成されるセンサ信号に基づいて設定される。
【0075】
いくつかの場合において、第1のグループの電極208は、複数のスプライン204の円周に、又は円周に近接して配置され、第2のグループの電極210は、カテーテル200の遠位端212に近接して配置される。いくつかの場合において、第1のグループの電極208は近位電極と呼ばれ、第2のグループの電極210は遠位電極と呼ばれ、遠位電極210は、近位電極208よりも電気穿孔法アブレーションカテーテル200の遠位端212の近くに配置される。いくつかの実装では、電極225は、導電性インク又は光学インクの薄膜を含み得る。インクは、ポリマーベースであり得る。インクは、導電性材料と組み合わせて炭素及び/又はグラファイトのような材料をさらに含み得る。電極は、さらに放射線不透過性である、銀、銀フレーク、金、及び白金のような生体適合性低抵抗金属を含み得る。
【0076】
第1のグループの電極208の各電極及び第2のグループの電極210の各電極は、電気を伝導し、コントローラ(例えば、図1のコントローラ140)及びアブレーションエネルギー発生器(例えば、図1のパルス発生器150)に操作可能に接続されるように構成される。実施形態では、第1のグループの電極208及び第2のグループの電極210内の電極の内の一つ以上は、フレックス回路を含む。いくつかの場合において、複数の第1の電極208は個別に制御可能である。いくつかの場合において、複数の第2の電極は個別に制御可能である。いくつかの場合において、複数の第1の電極208の全部又は一部は、第2の操作モードにおいて不活性化される。いくつかの場合において、複数の第2の電極210の一部は、第2の操作モードにおいて不活性化される。
【0077】
第1のグループの電極208内の電極は、第2のグループの電極210内の電極から離間している。第1のグループの電極208は電極208aから208fを含み、第2のグループの電極210は電極210aから210fを含む。また、電極208aから208fのような第1のグループの電極208内の電極は互いに離間しており、電極210aから210fのような第2の電極210内の電極は互いに離間している。
【0078】
同じカテーテル200上の他の電極に対する、第1のグループの電極208内の電極の空間的関係及び配向性、並びに第2のグループの電極210内の電極の空間的関係及び配向性は、既知であるか、又は測定され得る。実施形態では、カテーテルが配備されると、同じカテーテル200上の他の電極に対する、第1のグループの電極208内の電極の空間的関係及び配向性、並びに第2のグループの電極210内の電極の空間的関係及び配向性は、一定である。
【0079】
電場に関して、実施形態では、第1のグループの電極208内の各電極及び第2のグループの電極210内の各電極は、電場が第1及び第2のグループの電極208及び210内の任意の二つ以上の電極間に設定され得るように、陽極又は陰極であることを選択され得る。また、実施形態では、第1のグループの電極208内の各電極及び第2のグループの電極210内の各電極は、電極が陽極と陰極との間で切り替わるか又は交互になるように、二相極であることを選択され得る。また、実施形態では、第1のグループの電極208内の電極のグループ及び第2のグループの電極210内の電極のグループは、電場が第1及び第2のグループの電極208及び210内の任意の二つ以上の電極のグループ間に設定され得るように、陽極又は陰極又は二相極であることを選択され得る。
【0080】
実施形態では、第1のグループの電極208及び第2のグループの電極210内の電極は、二相極電極であることを選択されてもよく、それにより、二相パルス列を含むパルス列中に、選択された電極は、陽極と陰極との間で切り替わるか又は交互になり、電極は、一方が常に陽極であり、他方が常に陰極である単相送達に追いやられない。いくつかの場合において、第1及び第2のグループの電極208及び210内の電極は、別のカテーテルの電極(複数)と電場を形成し得る。そのような場合において、第1及び第2のグループの電極208及び210内の電極は、フィールドの陽極又はフィールドの陰極とされ得る。
【0081】
さらに、本明細書に記載するように、電極は、陽極及び陰極の内の一つであることが選択されるが、本開示全体を通して、電極は、陽極と陰極との間で切り替わる又は交互になるような、二相極であることが選択され得ることを述べることなく理解されるべきである。いくつかの場合において、第1のグループの電極208内の電極の内の一つ以上は、陰極であるように選択され、第2のグループの電極210内の電極の内の一つ以上は、陽極であるように選択される。実施形態では、第1のグループの電極208内の電極の内の一つ以上が陰極として選択されてもよく、第1のグループの電極208内の電極の内の別の一つ以上が陽極として選択されてもよい。さらに、実施形態では、第2のグループの電極210内の電極の内の一つ以上が陰極として選択されてもよく、第2のグループの電極210内の電極の内の別の一つ以上が陽極として選択されてもよい。
【0082】
図3は、本開示の主題の実施形態に従った、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル300を示す略図である。カテーテル300は、カテーテルシャフト302の遠位端306から延在する電極アセンブリ305を含む。図示される例では、電極アセンブリ305は、拡張可能な支持構造体307(例えば、図示されるようなスプラインアセンブリであるが、他の拡張可能な構造体、例えば膨張可能なバルーンが使用されてもよい)と、支持構造体307の最大直径に近接して配置された近位の第1のセットの電極310と、遠位端に近い支持構造体307に配置されたより遠位の第2のセットの電極320と、を含む。
【0083】
図3に見られるように、近位の第1のセットの電極310は、比較的大きい直径を有する電極対のリングを規定し、比較的大きい実質的円周損傷部を形成するために、例えば、PVI処置において肺静脈口を隔離するために、好適であり得る。対照的に、遠位の第2のセットの電極320は、(第1のセットの電極310によって形成されるものと比較して)比較的小さい直径を有する電極対のリングを規定し、特に、電気伝導ブロックの実線を形成する相互接続された損傷部の連続線を生成するように一連のエネルギー送達を介して個別に又は連続して送達され得る比較的小さい直径の局所アブレーション損傷部を心室壁に形成するために構成され得る。
【0084】
実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル300、第1及び第2のセットの電極310、320を形成する電極は、それぞれ個別にアドレス可能である(例えば、上述のコントローラ140によって)。従って、いくつかの実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル300は、第1の操作モード(例えば、円周アブレーション)及び第2の操作モード(例えば、局所アブレーション)を有する。一例では、第1の操作モードにおいて、第1のセットの電極310が活性化され、第2のセットの電極320が不活性化される。一例では、第2の操作モードにおいて、第1のセットの電極310が不活性化され、第2のセットの電極320が活性化される。従って、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテル300は、上述の電気穿孔法アブレーションカテーテル200と同じ二重用途能力を提供するが、ユーザが電極アセンブリ305の幾何学的形状を変更する必要はない。
【0085】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に従った、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルの例示的な使用方法400を示す、例示的なフローチャートである。方法400の実施形態の態様は、例えば、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイス(例えば、図1に示すシステム/デバイス100)によって実行され得る。方法400の一つ以上のステップは、任意選択であり、及び/又は本明細書に記載の他の実施形態の一つ以上のステップによって変更され得る。加えて、本明細書に記載される他の実施形態の一つ以上のステップが、方法400に追加され得る。最初に、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスは、標的組織に近接してハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを配備する(410)。一実施形態では、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、複数の操作モードにおいて操作可能である。いくつかの場合では、複数の操作モードは、第1の操作モード及び第2の操作モードを含み、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、第1の操作モードにおいて円周アブレーション損傷部を形成するためにアブレーションエネルギーを送達するように構成され、第2の操作モードにおいて局所アブレーション損傷部を形成するためにアブレーションエネルギーを送達するように構成される。
【0086】
いくつかの場合において、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルは、カテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの遠位端から延在する電極アセンブリと、を含む。一例では、電極アセンブリは複数の電極を備える。いくつかの設計では、複数の電極の内の少なくとも一つは、複数の操作モードの内の一つにおいて不活性化される。いくつかの設計では、電極アセンブリは、複数の操作モードにおいて複数の形状を形成するように構成され、複数の形状は、互いに異なる体積を有する。いくつかの実施形態では、電極アセンブリは、内側シャフトと、内側シャフトに結合された複数のスプラインと、を含み、内側シャフトは、カテーテルシャフトに対してカテーテルの長手方向軸線に沿って移動可能である。いくつかの場合において、電極アセンブリは、カテーテルシャフトに対する内側シャフトの移動を制御するように構成されたアクチュエータに結合されるか、又はアクチュエータと一体化される。
【0087】
いくつかの実施形態では、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスは、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルの複数の操作モードから操作モードを選択する(415)。いくつかの場合において、操作モードは、例えば、コントローラ(例えば、図1のコントローラ140)によって自動的に選択され得る。いくつかの場合において、操作モードは、一つ以上のセンサによって収集された検知データに応答して選択される。一実施形態では、操作モードは、アクチュエータの位置を示す検知データに応答して選択される。
【0088】
実施形態では、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスは、選択された操作モードにおいて、例えば、特定のアブレーション戦略(例えば、円周アブレーション、局所アブレーション、セグメントアブレーションなど)のための操作モードにおいて、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションカテーテルを操作する(420)。いくつかの場合において、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスは、ハイブリッド電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスによって選択された操作モードに従って電場を生成するように構成され(425)、例えば、カテーテルの電極において電場を生成する。いくつかの場合において、生成された電場は、選択された操作モードに従って不可逆的電気穿孔法を介して標的組織をアブレーションするのに十分な電場強度を有する。いくつかの場合において、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスは、電極に診査パルスを送達するように構成される。
【0089】
いくつかの場合において、電気穿孔法アブレーションシステム/デバイスは、例えば、診査パルス及び/又は活性化された電極を変更することによって、電場を調節するようにさらに構成される(430)。一実施形態では、選択されたセットの電極が活性化される。いくつかの場合において、選択されたセットの電極は、特定の空間パターンにおいて配置される。
【0090】
本発明の範囲から逸脱することなく、議論した例示的な実施形態に対して様々な修正及び追加が行われ得る。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を示しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、及び記載された特徴の全てを含まない実施形態を含む。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に収まる全てのそのような代替形態、修正形態、及び変形形態を、その全ての均等物と共に受け入れることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
【国際調査報告】