(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-15
(54)【発明の名称】歯科用吸引装置、並びに歯科用吸引装置及び器具アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61C 17/06 20060101AFI20230807BHJP
A61C 1/08 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A61C17/06 A
A61C1/08 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504787
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 ES2021070560
(87)【国際公開番号】W WO2022018320
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025687
【氏名又は名称】バディーア、リュレッド、ソシエダッド、リミターダ
【氏名又は名称原語表記】BADIA LLORET, S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ、バディーア、ファレ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052CC30
4C052EE03
4C052EE04
(57)【要約】
口腔内の歯科用器具(6)のドリル(6a)又はレーザの効果によって生成された流体偏向及びエアロゾルを吸引するための吸引手段(1)と、前記装置を前記歯科用器具(6)に取り外し可能に取り付けるための取り付け手段とを備え、前記吸引手段が、前記歯科用器具(6)の作業ヘッド(3)を受け入れるように意図された第1の外側キャビティ(2)を形成する、流体を吸引するための管状体(1)を備え、前記管状体(1)の遠位部分(“B”)が、前記歯科用器具(6)の作業ヘッド(3)を収容する前記第1の外側キャビティ(2)の周囲を少なくとも部分的に取り囲むように半径方向に延在し、前記管状体(1)の前記遠位部分(“B”)の壁(7)が、少なくとも1つの吸引オリフィス(8)を組み込んでいることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドリル(6a)又はレーザチップと、空気と水との混合物を含む流体のジェットを加圧下で噴射するための噴射手段とが設けられた歯科用器具(6)に連結される歯科用吸引装置であって、
前記歯科用器具(6)の前記ドリル(6a)又はレーザチップの効果によって生成された前記流体及びエアロゾルの口腔内の偏向を吸引するための吸引手段と、
前記装置を前記歯科用器具(6)に取り外し可能に取り付けるための取り付け手段と
を備え、前記吸引手段が、前記歯科用器具(6)の作業ヘッド(3)を受け入れるように意図された第1の外側ハウジング(2)を形成する流体吸引体(1)を備え、前記吸引体(1)の遠位管状部分(“B”)が、前記歯科用器具(6)の前記作業ヘッド(3)を受け入れるための前記外側ハウジング(2)の周囲を少なくとも部分的に取り囲み、前記遠位管状部分(“B”)の壁(7)が、前記作業ヘッド(3)を受け入れるための前記外側ハウジング(2)を少なくとも部分的に取り囲む、上向き方向の周囲流体吸引領域を画定するように配置された少なくとも1つの吸引オリフィス(8)を組み込み、前記吸引体(1)の前記遠位管状部分(“B”)が、前記歯科用器具(6)の前記作業ヘッド(3)が前記吸引体(1)の前記外側ハウジング(2)内で動作している間に前記患者の口の中に導入され得るような大きさであることを特徴とする、歯科用吸引装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの吸引オリフィス(8)が、前記遠位管状部分(“B”)の前記壁(7)に設けられて、前記歯科用器具の前記ドリル(6a)又はレーザチップの軸に実質的に平行な、上向き方向の周囲流体吸引領域を画定する、請求項1に記載の歯科用吸引装置。
【請求項3】
前記遠位管状部分(“B”)の前記壁(7)が、前記作業ヘッド(3)の前記外側受け入れハウジング(2)から、距離“d”によって画定される幅で半径方向外側に延在し、前記距離“d”が、前記歯科用器具(6)の前記ドリル(6a)の前記軸又は前記ヘッドのレーザチップと30°~60°の角度“α”を形成する流体偏向を吸収するような大きさである、請求項1から2のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置。
【請求項4】
前記遠位管状部分(“B”)の前記壁(7)が、前記作業ヘッド(3)の前記外側受け入れハウジング(2)から、3mm~9mmの距離“d”によって画定される幅で半径方向外側に延在する、請求項3に記載の歯科用吸引装置。
【請求項5】
前記吸引体(1)が、
-前記歯科用器具(6)の前記作業ヘッド(3)を支持するハンドル(5)を受け入れるように意図された第2の外側ハウジング(4)を形成する近位管状部分(“A”)と、
-前記作業ヘッド(3)を受け入れるための前記第1の外側ハウジング(2)の前記周囲を少なくとも部分的に取り囲む前記遠位管状部分(“B”)と
を備える管状体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置。
【請求項6】
前記遠位管状部分(“B”)が、前記ハンドル(5)の前記ネック(5a)に対応して、前記ハンドル(5)を受け入れるための前記第2の外側ハウジング(4)の両側に延在し、前記遠位管状部分(“B”)の前記壁(7)が、前記第2の外側ハウジング(4)の両側に1つ又は複数の吸引オリフィス(8)を組み込む、請求項5に記載の歯科吸引装置。
【請求項7】
前記吸引体(1)の前記遠位管状部分(“B”)が、前記作業ヘッド(3)を受け入れるための前記第1の外側ハウジング(2)を画定するように意図された中間中空空間を形成する管状体(1a、1b)の分岐部(“Y”)を形成するように、前記ヘッド(3)を受け入れるための前記外側ハウジングを取り囲むように延在し、前記第1の外側ハウジング(2)が、前記作業ヘッド(3)の上部にアクセスし、前記作業ヘッド(3)を取り外す必要なしに前記ドリル(6a)を交換することを可能にするためのアクセス孔(9)を含む、請求項1又は6のいずれか一項に記載の歯科吸引装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの吸引オリフィス(8)の断面が、流体偏向が発生する領域に向かって半径方向に垂直に配向された前記オリフィス(8)の壁(11)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の歯科吸引装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの吸引オリフィス(8)が、前記吸引体(1)の前記遠位管状部分(“B”)の前記壁(7)に設けられた1つ又は複数の流体吸引貫通スロットとして構成され、前記1つ又は複数の貫通スロットが、前記ヘッド(3)を受け入れるための前記外側ハウジング(2)の前記周囲を少なくとも部分的に取り囲み、前記ハンドル(5)の前記ネックに対応する領域において、前記ハンドル(5)を受け入れるための前記外側ハウジング(4)の前記周囲を少なくとも部分的に取り囲む、上向きの流体吸引の前記周囲領域を画定するように延在する、請求項5に従属する場合の請求項1から8のいずれか一項に記載の歯科吸引装置。
【請求項10】
上向きの流体吸引の前記周囲領域が、前記装置の前記遠位端に向かって増加又は減少する、請求項1から9のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置。
【請求項11】
前記吸引管状体(1)の管腔が、前記近位管状部分(“A”)から前記遠位管状部分(“B”)に向かって面積が減少する、請求項5に従属する場合の請求項1から10のいずれか一項に記載の歯科吸引装置。
【請求項12】
前記吸引体(1)の前記近位管状部分(“A”)が、前記ハンドル(5)を受け入れるための前記外側ハウジング(4)の内側に、前記歯科用器具(6)の前記ハンドル(5)を嵌合するための圧入手段を備える、請求項5に従属する場合の請求項1から11のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置。
【請求項13】
真空生成源と、前記真空生成源を前記吸引体(1)に接続するための手段とを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置と、ドリル(6a)、及び前記歯の組織からの浮遊切削粒子を含むエアロゾルを生成可能な、空気と水の混合物を含む流体ジェットを加圧下で噴射するための噴射手段が設けられた歯科用タービン又は歯科用コントラアングルハンドピース、を備え、前記吸引体(1)の前記第1の外側ハウジング(2)は、前記歯科用タービン(6)又は歯科用コントラアングルハンドピースの前記作業ヘッド(3)を受け入れるように成形される、歯科用吸引装置及び器具アセンブリ(6)。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の歯科用吸引装置と、レーザチップ、及び前記レーザチップによって歯組織上に生成されたアブレーション効果から生じる粒子のプルームを含むエアロゾルを生成可能な、空気と水との混合物を含む流体のジェットを加圧下で噴射するための噴射手段を有する歯科用レーザ、を備える歯科用吸引装置及び器具アセンブリ(6)であって、前記吸引体(1)の前記第1の外側ハウジング(2)は、前記歯科用レーザの前記作業ヘッドを受け入れるように成形される、歯科用吸引装置及び器具アセンブリ(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用タービン、歯科用コントラアングルハンドピース又は歯科用レーザなどの歯科用器具が患者の口腔内の歯の表面に作用するときに、前記器具の効果によって生成される冷却流体のエアロゾル及び偏向を吸引するのに適した歯科用吸引装置に関する。本発明はまた、歯科用吸引装置及び歯科用器具のためのアセンブリについて言及する。
【背景技術】
【0002】
歯科用タービン又は歯科用コントラアングルハンドピースは、エナメル質などの歯の硬組織又は補綴材料を切削するために、毎分100,000~500,000回転の速度で回転するバーを有する作業ヘッドを備える歯科用切削器具である。歯科用レーザは、この場合、バーの代わりにレーザチップを使用して前述の硬組織をアブレーションする別のタイプの歯科用器具である。
【0003】
従来の歯科用タービン、コントラアングルハンドピース及びレーザは、ドリル又はレーザの歯への摩擦によって生成される熱を冷却するために空気及び水灌注システムを組み込んでいる。この冷却流体は、歯の歯髄が過熱するのを防止するために必要であり、また、作業領域の視認性を改善するために、切削された物質又はアブレーションから生じる物質を放出するのに役立つ。しかしながら、歯科組織に対するエアジェット及び冷却水の効果は、患者及び術者にとって疾患伝播の原因である固体及び液体の微粒子(エアロゾル)の浮遊物質を生成する。歯科用レーザの場合、冷却流体のエアロゾル効果に加えて、レーザエネルギーが組織内の水に発生し、レーザによって引き起こされるアブレーションから生じ、細菌、ウイルス及び複数の血液副生成物が混合されたエネルギー粒子プルームを放出する微小爆発を引き起こす効果もある。
【0004】
日々の歯科治療(dental work)中に発生する流体偏向及びエアロゾルは、専門家が継続的に曝露される疾患及び病原体の伝播源であるため、術者及び患者の両方の健康に危険をもたらすことが周知である。特に、エアロゾルが4時間を超える時間にわたって歯科手術環境に浮遊したままであり得、これが疾患伝播のリスクを有意に増加させることを考慮に入れなければならない。これは、SARS-CoV-2のパンデミック危機の間に明確に実証された。
【0005】
タービンケーシング自体に、口腔内で吸引するための吸引手段を組み込んだ歯科用タービンが公知であり、これは主に、タービンのドリルの効果によって生成された液体を冷却し、破片を切削する。米国特許第5,342,196号明細書は、タービン自体のケーシング本体が、加圧空気及び冷却流体のための供給ダクトを収容するための第1のエアロゾル吸引キャビティ及び第2のキャビティを画定する、このタイプの歯科用タービンを開示している。前述の特許に記載されているような歯科用器具は、流体偏向及びエアロゾルの吸引がドリル又はレーザの作用領域の近傍に限定され、その結果、かなりの割合の排出物を吸引することができず、ボックスの環境に放出されてしまうという欠点を有する。さらに、これらの歯科用器具によって提供される流体吸引流量も非常に悪く、患者の口腔内で生成される流体偏向及びエアロゾルの効果的な吸収を確実にするには明らかに不十分である。
【0006】
米国特許第5,531,722号明細書に記載されているような歯科用吸引装置が公知であり、超音波振動によって歯石を除去するために使用される超音波スケーラなどの歯石除去装置に取り外し可能に取り付けることができる。これらの装置はまた、水灌注システムを使用し、この場合空気は用いられず、水が、超音波チップの長手方向軸に垂直な方向への超音波チップの前後運動によって噴霧される。上述の特許に記載されているような歯科用吸引装置は、振動によって噴霧された液体を吸引するために、スクリーンを介して超音波チップを覆う吸引体を含む。しかしながら、これらの装置は、ドリル又はレーザの効果によって生成される流体偏向を吸収するのに適しておらず、超音波チップの振動によって生成される水ミストを吸収することにのみ有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,342,196号明細書
【特許文献2】米国特許第5,531,722号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、以下に説明する利点を有する歯科用吸引装置を提供することによって上述の欠点を解決することである。
【0009】
この目的に沿って、第1の態様によれば、本発明は、ドリル又はレーザチップと、空気と水との混合物を含む冷却流体のジェットを加圧下で噴射するための噴射手段とが設けられた歯科用器具に連結されるのに適した歯科用吸引装置を提供する。この装置は、歯科用器具のドリル又はレーザの効果によって生成された流体偏向及びエアロゾルを口腔内で吸引するための吸引手段と、前記装置を前記歯科用器具に取り外し可能に取り付けるための取り付け手段とを備える。
【0010】
本装置は、吸引手段が、歯科用器具作業ヘッドを受け入れるように意図された第1の外側キャビティ又は外側ハウジングを形成する流体吸引体、好ましくは管状吸引体を備え、吸引体の遠位管状部分が、歯科用器具作業ヘッドが収容される外側キャビティ又は外側ハウジングの周囲を少なくとも部分的に取り囲むように、例えば半径方向に延在し、前記遠位管状体部分の壁が、作業ヘッドを受け入れるための外側キャビティ又は外側ハウジングを少なくとも部分的に取り囲む、上向き方向の流体吸引の周囲領域を画定するように配置された少なくとも1つの吸引オリフィスを組み込み、前記遠位管状体部分が、歯科用器具の作業ヘッドが動作している間に患者の口内に導入され得るような大きさであることを特徴とする。
【0011】
特許請求される装置は、歯科用器具のバー又はレーザを支持するヘッドを受け入れるように設計された第1の外側キャビティ又は外側ハウジングをその外壁が形成する管状吸引体を有するという利点を有し、その結果、ヘッドは、管状吸引体の内部に収容される代わりに、吸引体自体によって取り囲まれた外側に位置し、タービン、歯科用コントラアングルハンドピース又は歯科用レーザに対する付属品の補完を構成する装置の取り扱いを大幅に容易にする。さらに、吸引体の遠位管状部分は、ヘッドが収容されるキャビティ又はハウジングを取り囲み、1つ又は複数の上向きの周囲吸引オリフィスを組み込んだ壁を形成するように、半径方向に延在する。吸引オリフィスの位置は、ドリル又はレーザの効果によって口腔内で生成される液体及び固体の流体偏向及び排出の軌道に適合される。
【0012】
従来技術の装置とは異なり、本発明の装置は、流体の偏向及びエアロゾルを、それらが発生する周辺領域の内側でほぼ完全に、はるかに効率的に吸収することを可能にする。実際、最新技術に存在する吸引を用いた歯科用タービンは、流体乱流を発生させて、著しく不十分な吸引をもたらす狭い流体吸引チャネルをケーシング内に組み込んでいる。本発明の装置では、管状体の遠位部分の壁に設けられた、拡大された上向きの吸引の周囲領域は、望ましくない乱流を発生させることなく、偏向が発生する領域全体を実質的に覆いながら、吸引強度を利用するためにドリル又はレーザの作用の周囲に近づくことができるように配置される。特に、特許請求される装置では、跳ね返るときに水及びエアスプレージェットによって生成される流体偏向は、流体偏向が起きる箇所に吸引オリフィスが近接することに起因して、及び管状体の遠位部分に設けられた拡大周囲吸引領域によって生成されるバリア効果に起因して、効果的に吸引される。
【0013】
特許請求される装置は、作業面に近接して、噴射されたスプレー(空気と水の混合物)の流れが、吸引の効果によって、その中心がバー又はレーザチップである安定したトロイダル渦に変換されるように設計された周辺方向吸引効果を生成する。トロイダル渦内の流体運動によって提供される安定性のおかげで、生成されたエアロゾルは非常に効率的に閉じ込められる。特に、少なくとも1つの吸引オリフィスは、歯科用器具のドリル又はレーザチップの軸に実質的に平行な、上向き方向の流体吸引の周囲領域を画定するように、遠位管状部分の壁に設けられる。実際、上向きの吸引は、歯科用器具のドリル又はレーザチップに付随する下向きのスプレージェット(空気/水混合物)とは反対方向である。
【0014】
好ましくは、装置の吸引手段は、タービンによって噴射される水及び空気の流量よりも大きい空気吸引流量を提供する。したがって、装置が動作しているとき、入ってくる外気の層流は、外部キャビティを取り囲む周囲内の流体偏向の乱流を閉じ込めるのに役立つ逆カーテン効果を作り出す。
【0015】
驚くべきことに、歯科用器具の作業ヘッドが収容される第1の外側キャビティ又は外側ハウジングを取り囲むように半径方向に延在する管状体の遠位部分の構成は、穿孔又はアブレーションされた組織に噴射された水/空気混合物の冷却効果に影響を及ぼすことなく、高い空気吸引流量を適用することを可能にする。
【0016】
一実施形態によれば、少なくとも1つの流体吸引オリフィスを組み込んだ管状体の遠位部分の壁は、歯科用器具の作業ヘッドを受け入れるための第1の外側キャビティ又は外側ハウジングから、距離“d”によって画定される幅で半径方向外側に延在する。この距離“d”は、歯科用器具ヘッド部のドリル又はレーザの軸と30°~60°の角度“α”を形成する流体偏向を吸収するような大きさである。
【0017】
本発明の装置は、管状体の遠位部分が、管状体自体が作業ヘッドのキャビティ又は受け入れハウジングを取り囲むように半径方向に延在し、先行技術の装置ではタービン又はレーザ吸引システムの作用領域から漏出する流体の激しい偏向を吸収するのに適した、上向きの吸引の周囲領域を画定する1つ又は複数のオリフィスを組み込んでいるという利点を有する。
【0018】
有利には、少なくとも1つの周囲流体吸引オリフィスを組み込んだ管状体の遠位部分の壁は、作業ヘッドの外側受け入れキャビティ又はハウジングから半径方向外側に、2mm以上の距離“d”、好ましくは3mm~9mmの距離“d”、例えば4mm~8mmの距離だけ延在する。
【0019】
一実施形態によれば、管状体は、歯科用器具作業ヘッド支持ネック又はハンドルを受け入れるように意図された第2の外側キャビティ又はハウジングをさらに形成し、管状体の遠位部分は、作業ヘッド支持ネックを受け入れるための前記第2の外側キャビティの両側で半径方向に延在し、管状体の遠位部分の壁はまた、支持ハンドルを受け入れるための第2の外側キャビティの両側に1つ又は複数の吸引オリフィスを組み込む。
【0020】
この実施形態は、上向きの吸引の周囲領域が管状体の遠位部分の後方に向かって延在することを可能にし、したがって器具の動作中に器具の後方を通るエアロゾル漏れを防止するという利点を有する。
【0021】
特に、有利には、吸引体は、
-歯科用器具の作業ヘッド支持ハンドルを受け入れるように意図された第2の外側ハウジングを形成する近位管状部分と、
-作業ヘッドの第1の外側受け入れハウジングの周囲を少なくとも部分的に取り囲む遠位管状部分と
を備える管状体である。
【0022】
好ましくは、遠位管状部分は、作業ヘッド及び作業ヘッドの支持ネックを受け入れるための両方の外側キャビティ又は外側ハウジングの周囲を少なくとも部分的に取り囲むように、ハンドルのネックに対応して、ハンドルを受け入れるための第2の外側ハウジングの両側に延在する。遠位管状部分の壁は、第2の外側ハウジングの両側に、1つ又は複数の吸引オリフィスも組み込んでいる。
【0023】
管状体の近位部分は、クランプによって、又はクリッピング若しくは圧入システムによって、従来の歯科用タービン又はレーザのハンドルに取り付け又は連結することができる。例えば、クリッピング取り付けシステムは、装置の歯科用器具への取り付けを固定するためにタービン又はレーザ支持ハンドルに嵌合する、管状体の近位部分の1つ又は複数の突起を備える。
【0024】
有利には、1つ又は複数の流体吸引オリフィスによって画定される上向きの流体吸引の周囲領域は、装置の管状体のより遠位端に向かって増加又は減少する。
【0025】
一実施形態によれば、管状体の遠位部分は、半径方向に延在して管状体の分岐部を形成し、歯科用器具の作業ヘッドを受け入れるための外側キャビティ又はハウジングを画定するように意図された中間中空空間を形成し、前記外側キャビティ又はハウジングは、歯科用器具から装置のヘッドを切り離す必要なしに、作業ヘッドの上部のボタンにアクセスして、タービン又はコントラアングルドリルの交換を可能にするためのアクセス孔を含む。さらに、このアクセス孔は、装置内の歯科用器具の嵌合を変更することなく、異なる高さのヘッドを収容することを可能にする。
【0026】
この分岐部は、歯科用ドリル又はレーザ支持ヘッドが収容されたキャビティ又は外部ハウジングの周囲の一部を各々が取り囲むように半径方向に延在する、吸引管状体の枝部の形態の2つの管状体を画定する。これらの管状体又は枝部の各々は、タービン又はレーザの効果によって口腔内で生成された液体及び固体の流体偏向及び排出の軌道にその位置が適合する1つ又は複数の上向きの周囲吸引オリフィスを組み込んだ壁を含む。
【0027】
一実施形態によれば、管状体の遠位部分は、作業ヘッドの外側受け入れキャビティと前記作業ヘッドの支持ネックとの両方の周囲に延在するように配置された複数の上向きの流体吸引オリフィスを組み込む。これらのオリフィスは、例えば、管状体の遠位部分の底壁に設けられた1つ又は複数の貫通スロットとして構成することができる。有利には、これらの貫通オリフィス又はスロットの断面は、1mm以上の管状体の遠位部分の底壁内の流体通路、及び50mm2に近いか又はそれを超える上向きの吸引の周囲領域を画定する。
【0028】
一実施形態によれば、これらの貫通オリフィス又はスロットの断面、特に、ハンドルのネックを受け入れる第2の外側ハウジングの周囲の両側に少なくとも部分的に延在する貫通オリフィス又はスロットの断面は、偏向が漏出する傾向がある領域に向かって半径方向に垂直に配向されたオリフィスの壁を含む。これらの壁の配向は、第2の外側ハウジングに向かう貫通スロットの延長部と共に、その中心がレーザチップ又はドリルにある状態で安定したトロイダル渦を維持するのに役立ち、この領域でのエアロゾルの漏出も制限することが分かっている。
【0029】
ここでも有利には、管状体管腔は、管状体の近位部分から管状体の遠位部分に向かって減少する領域を有する。このようにして、吸引強度は安定して保たれる。さらに、遠位管状体部分の寸法は小さく、口腔内での装置の簡便な取り扱いに適している。
【0030】
好ましくは、歯科用吸引装置は、真空源と、前記真空源を吸引管状体に接続するための手段とを備える。この供給源は、歯科用吸引システムにおける標準的な真空値、例えば約160ミリバールを提供するのに適している。
【0031】
第2の態様によれば、本発明は、特許請求の範囲に記載の装置と、歯組織からの浮遊切削粒子を含むエアロゾルを生成可能な冷却流体及び/又はスプレー(空気/水混合物)のジェットを加圧下で噴射するための噴射手段が設けられた歯科用タービン又は歯科用コントラアングルハンドピースとを備える、歯科用吸引装置及び器具アセンブリを提供する。
【0032】
第3の態様によれば、本発明は、特許請求の範囲に記載の装置と、レーザチップによって歯組織上に生成されたアブレーション効果から生じる粒子のプルームを含むエアロゾルを生成可能な冷却流体及び/又はスプレー(空気と水の混合物)のジェットを加圧下で噴射するための噴射手段が設けられた歯科用レーザとを備える歯科用吸引装置及び歯科用器具アセンブリを提供する。
【0033】
有利には、特許請求される装置と共に使用されるタービン、歯科用コントラアングルハンドピース又は歯科用レーザは、従来から市販されている器具であり、装置の管状体によって形成された第1のキャビティ又は外側ハウジングは、前記タービン又は歯科用レーザの作業ヘッドを受け入れるように適合されている。
【0034】
本発明において、歯科用タービン又は歯科用コントラアングルハンドピースとは、ドリルを駆動するロータを備える作業ヘッドを有する器具を指す。ロータは、好ましくは、タービンの場合は空気圧縮によって、又は歯科用コントラアングルハンドピースの場合は電気マイクロモータによって、タービンの場合は毎分100,000~500,000回転、コントラアングルハンドピースの場合は毎分20,000~200,000回転の速度で駆動される。タービン及び歯科用コントラアングルハンドピースはいずれも、ドリルの摩擦によって生成される熱を補償するために、加圧水及び空気のジェットを噴射するための噴射手段を含む。
【0035】
歯科用レーザという用語は、硬質組織をアブレーションすることができるレーザチップ、好ましくはエルビウム又はエルビウム-クロムレーザを含む作業ヘッドを有する器具を指す。歯科用レーザはまた、組織のアブレーションによって生成された熱を補償するために水及び加圧空気のジェットを噴射するための噴射手段を含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
上述したものの説明を容易にするために、歯科用吸引装置、並びに前記装置が連結される歯科用吸引装置及び歯科用タービンのアセンブリの実際の事例を、概略的に、かつ非限定的な例としてのみ表す図面が添付される。
【
図1】吸引体の近位部分及び遠位部分を示す、歯科用吸引装置の管状吸引体の一実施形態の不等角投影下面図である。
【
図2】
図1の吸引管状体の不等角投影側面図である。
【
図3】
図1の吸引管状体の不等角投影上面図である。
【
図4】
図1の管状吸引体アセンブリ及び歯科用タービンのアセンブリのワイヤフレームスタイルの不等角投影上面図である。
【
図5】
図4の管状吸引体及び歯科用タービンアセンブリのワイヤフレームスタイルの不等角投影下面図である。
【
図6】
図1の管状吸引体のワイヤフレームスタイルの等角下面図である。
【
図7】
図4の管状吸引体及び歯科用タービンアセンブリのワイヤフレームスタイルの等角側面図である。
【
図8】壁が半径方向に垂直に配向された吸引オリフィスを備える、
図1の吸引体の遠位管状部分の実施形態の断面図である。
【
図9】歯科用吸引装置の第2の実施形態の不等角投影上面図である。
【
図10】
図9の装置の不等角投影下面図である。この図は、歯科用器具のヘッド及びハンドルをそれぞれ受け入れるための吸引体の近位管状部分及び遠位管状部分を形成するハウジングを示す。
【
図11】タービンハンドルのネックを受け入れる第2の外側ハウジングを取り囲む領域の高さにおける、
図9の吸引体の遠位管状部分の第2の実施形態の断面図である。この断面は、角度βで、半径方向に垂直に配向された壁が設けられた吸引オリフィスを含む。
【
図12】
図9の実施形態の装置における歯科用器具、この場合は歯科用タービンの連結動作を示す概略図である。明確にするために、この図は、タービンのヘッド及びハンドルを受け入れるためにハウジングを部分的に取り囲む貫通スロットとして設けられたオリフィスを示していない。
【
図13】特許請求される歯科装置及び器具アセンブリの概略図であり、口腔内での動作及び歯科用器具、この場合は歯科用タービンのバーを中心とするトロイダル吸引渦の形成をシミュレートしている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の歯科用吸引装置の2つの実施形態を、
図1から
図14を参照して説明する。
【0038】
特許請求される歯科用吸引装置は、吸引体1を備える吸引手段を備え、吸引体1は、好ましくは管状体であり、好ましくは100ミリバール以上、例えば160ミリバールの真空を提供するのに適した真空源(図示せず)に接続することができる。
【0039】
管状吸引体1の外壁は、歯科用器具の作業ヘッド3を受け入れるように意図された第1の外側キャビティ又はハウジング2と、前記歯科用器具の作業ヘッド3を支持するハンドル5を受け入れるように意図された第2の外側キャビティ又はハウジング4とを形成する。説明し、図面に示した実施形態では、管状体1の外側キャビティ、又はハウジング2及び4は、この場合はドリル6aが嵌合した歯科用タービン6である歯科用器具の作業ヘッド3及びハンドル5を受け入れるように成形されている。しかしながら、同じ管状体1は、レーザのヘッド及び歯科用レーザのハンドルをそれぞれ受け入れるように適合されたキャビティ又はハウジングを備えてもよい。
【0040】
管状吸引体1は、クランプ又はクリッピングシステムによって歯科用器具の支持ハンドル5に取り外し可能に取り付けることができる近位管状部分“A”と、患者の口腔内に導入することができるような大きさである遠位管状部分“B”とを含む。
【0041】
記載された実施形態では、遠位管状部分“B”は、歯科用器具作業ヘッド3を受け入れる第1の外側キャビティ又は外側ハウジング2の周囲、及び歯科用器具作業ヘッド3の支持ハンドル5のネックを受け入れる第2の外側キャビティ又はハウジング4の周囲の一部を少なくとも部分的に取り囲むように半径方向に延在する。
【0042】
特に、一実施形態によれば、吸引管状体1の遠位管状部分“B”は、枝部の形態の管状体1a、1bからなる分岐部“Y”を形成するように半径方向に延在し、歯科用器具の作業ヘッド3を受け入れるための第1の外側キャビティ又は外側ハウジング2を画定する中空の中間空間を形成する。
図3及び
図4、並びに
図8に見られるように、管状体1の遠位部分“B”の分岐部“Y”の本体又は枝部1a、1bの各々は、歯科用器具作業ヘッド3の第1の外側キャビティ又は外側ハウジング2の周囲部分を取り囲むように延在し、1つ又は複数の吸引オリフィス8を組み込んでいる。中空の中間空間の上縁部は、ドリル6aをクランプするためのボタンが位置する、作業ヘッド3の上部へのアクセスを可能にするアクセス孔9を形成し、ヘッド3を外側キャビティ又は外側ハウジング2の内部から係合解除する必要なしに、ドリル6aを交換することを可能にする。
【0043】
装置の両方の実施形態の図は、外側の第1及び第2のキャビティ又はハウジング2及び4の両方から、距離“d”によって画定される幅で半径方向外側に延在し、外側キャビティ又は外側ハウジング2及び4の周りで上向きの流体吸引の周囲領域を画定するように配置された吸引オリフィス8を組み込むという特殊性を有する、吸引体1の遠位管状部分“B”の下壁7を示している。
【0044】
吸引体1の遠位管状部分“B”の下壁7の距離“d”又は幅は、ドリル6a又は歯科用レーザチップの軸と30°~60°の角度“α”を形成する流体偏向を吸収するような大きさである(
図7参照)。特に、距離“d”は、図に示す実施形態の場合のように、2mm以上、好ましくは3mm~9mm、又は有利には4mm~8mmである(
図8参照)。
【0045】
これらの距離は、ドリル6a又は歯科用レーザの効果によって口腔内に生成される、放出された流体偏向並びに液体及び固体の排出の部位に非常に効率的に接近することができる拡張された周囲吸引領域を提供するのに十分であり、装置の遠位部分“B”の前部及び後部におけるエアロゾルの漏れを回避することが観察されている。
【0046】
吸引オリフィス8自体に関して、これらは、第2の実施形態の
図10に示すように、吸引体1の遠位管状部分“B”の下壁7の貫通スロットとして構成され得ることに留意されたい。
【0047】
好ましくは、これらのオリフィス又は貫通吸引スロット8の断面は、1mm以上であり得る下壁7内の流体通路を画定し、そして、任意選択的に、ハンドル5を受け入れるための第2のキャビティ又はハウジング4の両側に延在するオリフィス又は貫通スロット8の断面は、偏向が漏出する領域に向かって半径方向に垂直に配向された壁11を含むことができる(
図11参照)。この細部は、真空効果及びこの後部領域におけるトロイダル吸引渦の安定性の維持を促進することによって、器具の後部を通るエアロゾル漏れの制御を改善する(
図13及び
図14を参照)。
【0048】
以下では、特許請求される装置の動作は、歯科用器具を参照して説明され、歯科用器具は、例えば、ドリル6aと、冷却流体の加圧ジェットを噴射するための加圧水及び空気噴射手段とを備える作業ヘッド3が設けられた歯科用タービン6であり得る。このタイプの歯科用タービンは、Kaltenbach&Voigt(登録商標)、NSK(登録商標)、又はB&W(登録商標)の商品名で市販されているものなど、市場で入手可能である。このような歯科用タービン6は、好ましくは毎分100,000~500,000回転の速度で空気圧縮によって駆動されるロータと、空気、水、及び電気供給ラインがそれを通って作業ヘッド3まで延在する支持ハンドル5とを含む。
【0049】
前段落で説明したように、術者が歯科用タービン6で歯科治療を行う必要がある場合、特許請求される装置は、タービン6の支持ハンドル5に最初に連結され、その結果、作業ヘッド3は、管状吸引体1の第1の外側キャビティ又は外側ハウジング2の内部に収容され、支持ハンドル5自体の一部も、同じ吸引体1によって形成された第2の外側キャビティ又はハウジング4に収容される。説明した実施形態では、管状吸引体1は、歯科用タービン6の支持ハンドル5にクリップ留めされた管状体1の近位部分“A”に設けられた突起10によって支持ハンドル5に連結されている(
図5及び
図12を参照)。
【0050】
図5及び
図12に見られるように、装置の連結位置において、オリフィス8又は吸引貫通スロットを含む吸引体1の遠位管状部分“B”の下壁7は、作業ヘッド3を取り囲み、後方に向かって延在し、支持ハンドル5が収容されるハウジング4の周囲の一部を覆う。遠位管状部分“B”の高さ、特に管状枝部又は管状体1a、1bの高さは、ドリル6aを支持するヘッド3の高さと実質的に同等であり、患者の口腔内での装置及び歯科用器具アセンブリの取り扱いを容易にし、より重要なことには、オリフィス8又はスロットを通る吸引によって画定される周囲吸引領域を、エアロゾル及び流体偏向が生成される場所に近づけることを可能にする。
【0051】
術者が口腔内で歯科用タービン6を動作させると、ドリル6aを冷却する加圧スプレーは、歯の表面に出入りする際に、他の発生物及び残留物の中でも、バイオエアロゾル、血液、硬質又は軟質歯科組織、漿液性若しくは化膿性の分泌物、細菌、又はウイルスなどのあらゆる種類の生物学的発生物を一緒に運ぶ。しかしながら、本発明の装置のおかげで、歯科用タービン6の動作中、装置の吸引体1の遠位管状部分“B”の周囲吸引領域は、同じ流体によって切削されて引きずられた粒子の流体偏向及び排出を非常に効率的に吸引する。
【0052】
切削粒子の流体偏向及び排出の軌道は、ハンドル5のヘッド3及びネックの一部を取り囲むオリフィス8又は吸引貫通スロットによって画定される拡張された周囲吸引領域内で実質的に外接され、ドリル6a内にその中心を有する流体の安定したトロイダル吸引渦を形成することが観察されている(
図13及び
図14を参照)。このため、これらの偏向及び排出の非常に高い割合が、前述の拡大周囲領域でトロイダル渦及び上向きの吸引によって生成されるバリア効果によって吸収及び制御される。
【0053】
本発明の装置のさらなる利点は、補助者によって歯科用タービン6aの近傍に手動で配置される従来の吸引カニューレの使用を不要にすることを可能にするという事実にある。これらのカニューレは、エアロゾル全体、又はドリル6aの冷却流体の存在によって生成された流体の飛沫若しくは偏向を吸引することができないことが観察されている。
【0054】
特許請求される装置は、エアロゾルが非常に効率的に制御され、上述のカニューレの使用によって生じる通常の漏れを回避するように作業領域を包囲するという利点を有する。さらに、本発明の装置では、吸引領域は周囲に分布しており、前述のカニューレの横方向の吸引効果によって生じる冷却流体の偶発的な逸脱を回避する。カニューレとの偶発的な衝突も排除される。
【0055】
歯科用タービンに適用される本発明の特定の実施形態を参照してきたが、記載された歯科用吸引装置が、例えば歯科用コントラアングルハンドピース又は歯科用レーザなどの別の歯科用器具に適用又は連結することもできることは、当業者には明らかである。したがって、特許請求される装置は、添付の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、前述のすべての詳細を技術的に等価なものに置き換えることができるように、多数の変形形態及び修正形態が可能である。
【国際調査報告】