(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】モジュール式並行電子リソグラフィ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230808BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20230808BHJP
H01J 37/06 20060101ALI20230808BHJP
H01J 37/04 20060101ALI20230808BHJP
H01J 37/305 20060101ALN20230808BHJP
【FI】
H01L21/30 541W
G03F7/20 504
H01J37/06 Z
H01J37/04 B
H01J37/04 A
H01J37/305 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563906
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021029120
(87)【国際公開番号】W WO2021222085
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521044349
【氏名又は名称】ベネット ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ベネット ジョン
【テーマコード(参考)】
5C101
5F056
【Fターム(参考)】
5C101AA27
5C101BB01
5C101DD05
5C101DD25
5C101DD28
5C101FF56
5F056AA33
5F056CB01
5F056EA02
5F056EA03
(57)【要約】
本明細書で、電子ビームリソグラフィのためのシステム及び方法について説明している。いくつかの態様では、光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ(PEECAA)は、均一な平面を有する光電子放出陰極と、陰極に近接するビームチャネルのアレイとを含み得る。場合によっては、陰極またはビームチャネルのアレイの少なくとも1つがPEECAAから取り外し可能である。ビームチャネルのアレイは、開口のグリッド、複数のビームチャネル、及び複数のビームチャネルの出口に近接する複数のレンズを含む共有レンズアレイを含むことができる。開口のグリッドの個々の開口は、個々のビームチャネルとアライメントされ、陰極からの電子がビームチャネルのアレイ及び共有レンズアレイを通過してピクセル化したパターンを形成でき、ターゲットに恒久的に形成されるようにする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリであって、
均一な平坦な陰極面を有する背面照射型光電子放出陰極、及び
前記背面照射型光電子放出陰極の前記陰極面に近接するビームチャネルのアレイであって、前記背面照射型光電子放出陰極または前記ビームチャネルのアレイのうちの少なくとも1つが、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリから取り外し可能であり、
開口のグリッド、
複数のビームチャネル、及び
前記複数のビームチャネルの出口に近接する複数のレンズを含む共有レンズアレイであって、前記開口のグリッドの個々の開口が前記ビームチャネルアレイの個々のビームチャネルとアライメントして、前記背面照射型光電子放出陰極からの電子に前記ビームチャネルのアレイ及び前記共有レンズを通過させてピクセル化したパターンを形成させ、前記ターゲットへの露光時に、前記ピクセル化したパターンは前記ターゲットに永久的に形成される、前記共有レンズアレイ
を含む、前記ビームチャネルのアレイ、
を含む、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項2】
前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネル及び前記複数のレンズの個々のレンズが、前記個々のビームチャネルに入る電子に対して正確に配置される供給源を設けるために、前記個々の開口と正確にアライメントされる、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項3】
前記開口のグリッドが、前記陰極面に平行であるが分離されたバリアを通して形成され、
前記バリアが低い正の電圧を有する、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項4】
前記複数のビームチャネルの前記個々のビームチャネルは、支持壁を共有して互いに隣接して形成される、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項5】
前記支持壁が少なくとも2つの層を含み、
前記少なくとも2つの層のそれぞれが同じ公称形状及び同じ動作電圧を有する、請求項4に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項6】
前記複数のビームチャネルのそれぞれが電子レンズを備え、
前記個々の開口からの電子が前記ビームチャネルを通過し、前記電子レンズによって集束される、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項7】
前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリが、前記背面照射型光電子放出陰極から前記ターゲットへの距離よりも長い平均経路の長さを有する、高次の真空で動作する、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項8】
前記背面照射型光電子放出陰極が、動作中に前記開口のグリッドに接触する、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項9】
前記ビームチャネルのアレイの少なくとも一部に亘るペリクルをさらに備え、
前記ペリクルは低電圧電子の伝送を可能にする、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項10】
前記ペリクルが前記開口のグリッドに支持され、前記ペリクルを前記陰極面に対して一定の距離及び電圧に維持する、請求項9に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項11】
前記ビームチャネルのアレイに接続されたアライメント機構をさらに備え、
前記アライメント機構は、前記ビームチャネルのアレイに張力を加えて、位置または温度の少なくとも1つにおいて前記ビームチャネルのアレイと前記背面照射型光電子放出陰極をアライメントする、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項12】
前記開口のグリッドの個々の開口が開口の形状を備え、前記開口の形状が、円、楕円、正方形、または長方形のうちの1つを含み、前記開口の形状は、ピクセル化したパターンに基づいて選択される、請求項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項13】
前記電子ビームチャネルのアレイが、耐熱性、絶縁性、抵抗性、または導電性材料の複数の層を交互に使用して形成される、請求項1の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項14】
前記複数の層は、電圧が印加されると、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルを通過する電子を集束させる、請求項13に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項15】
前記開口のグリッドの個々の開口が、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルの前記入口地点またはその近くで、耐熱材料の1つまたは複数の層によって形成される、請求項13に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【請求項16】
リソグラフィシステムであって、
変調光源、
真空チャンバ、
前記変調光源の出力と前記真空チャンバとを光学的に結合する透明な平面窓、及び
前記透明な窓に取り外し可能に取り付けられ、前記真空チャンバの内部に含まれる光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリであって、
光電陰極と、
前記光電陰極に近接するビームチャネルのアレイであって、前記変調光源からの光に露出されると、前記光電陰極は、前記ビームチャネルのアレイの個々のビームチャネルを介して方向付けられる電子ビームを生成し、前記真空チャンバの内部に移動可能に配置された前記ターゲットにピクセル化したパターンを形成する、前記ビームチャネルのアレイと、
を備える、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ、
を備える、前記リソグラフィシステム。
【請求項17】
前記真空チャンバ、前記透明な平面窓、または前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリのうちの少なくとも1つに結合されたアライメント機構をさらに含み、
前記前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリは、前記ターゲットに前記パターンを形成できるように、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ、前記光電陰極、前記ビームチャネルのアレイ、及び前記変調光源をアライメントする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記アライメント機構が、前記透明な平面窓、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ、前記光電陰極、及び前記ビームチャネルのアレイのうちの少なくとも2つに、基準マークまたは物理的リミッタのうちの少なくとも1つを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ビームチャネルのアレイによって出力されたビームが実質的に前記ターゲットの表面に集束するように、前記ターゲットを前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリに平行に移動可能に配置するターゲット誘導機構をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記ターゲット誘導機構は、前記ビームが前記ターゲットでラスタパターンをトレースするように、前記ビームチャネルのアレイによって出力される前記ビームの軸に対して小さい角度で均一な直線方向に前記ターゲットを移動させる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記変調光源が、前記光電陰極の仕事関数より大きい光子エネルギーを有する狭いスペクトルの光源を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
前記変調光源が第1の色出力及び第2の色出力を生成し、
前記第1の色出力は、光電子を前記光電陰極から放出するのに必要なエネルギー以上の光子エネルギーを有し、
前記第2の色出力は、光電子を前記光電陰極から放出するのに必要なエネルギーより小さい光子エネルギーを有し、前記第1の色出力及び前記第2の色出力は、前記ターゲットに亘り実質的に均一な温度を維持する、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
フィードバック機構をさらに備え、
前記フィードバック機構は、前記ピクセル化したパターンの個々のピクセルの電子出力レベルを検出し、少なくとも1つの閾値と比較して、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリまたは前記光電陰極のうちの少なくとも1つに交換する必要であるかどうか判定する、請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記変調光源が、異なる角度または極性を使用して第1の光出力及び異なる第2の光出力をもたらす単一の空間光変調器を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
前記変調光源が、第1の光出力及び異なる第2の光出力をもたらす2つの空間光変調器を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項26】
前記変調光源が複数の空間光変調器を備え、
前記複数の空間光変調器が前記ピクセル化したパターンのピクセルの少なくとも第1のグループに向けられ、
前記複数の空間光変調器は、少なくとも前記第1のピクセルグループに対して増加した変調速度を生成するために異なる時点で活性化される、請求項16に記載のシステム。
【請求項27】
モジュール式リソグラフィシステムであって、
電子供給源、及び
前記電子供給源とアライメントされたビームチャネルのアレイであって、
開口のグリッド、
複数のビームチャネル、及び
前記複数のビームチャネルの出口に近接する複数の均一のレンズを含む共有レンズアレイであって、前記開口のグリッドの個々の開口は、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルとアライメントして、前記電子供給源からの電子が前記ビームチャネルのアレイ及び前記共有レンズアレイを通過してピクセル化したパターンを形成することを可能にし、前記ターゲットへの露光時に、前記ピクセル化したパターンが前記ターゲットに形成される、前記共有レンズアレイ、
を含む、前記ビームチャネルのアレイ、
を含む、前記モジュール式リソグラフィシステム。
【請求項28】
前記ビームチャネルのアレイを前記ターゲットと取り外し可能にアライメントするアライメント機構をさらに備え、
前記アライメント機構は、前記複数のビームチャネルを前記ターゲットから1mm以内にアライメントする、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記アライメント機構が、前記ビームチャネルのアレイを前記電子供給源と取り外し可能にアライメントする、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルは、多層構造で均一に形成され、前記ピクセル化したパターンを形成するためにビームステアリングが必要ないように、前記共有レンズとアライメントされる、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記複数のビームチャネルのそれぞれに、実質的に均一な電圧が供給される、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記ビームチャネルのアレイは、交換可能なモジュール式ユニットを備える、請求項27に記載のシステム。
【請求項33】
前記開口のグリッドの個々の開口の第1の部分が第1の形状を含み、前記開口のグリッドの個々の開口の第2の部分が第2の形状を含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記開口のグリッドの個々の開口が第1の形状を含み、
前記システムは、ビームチャネルの第2のアレイをさらに含み、
前記ビームチャネルの第2のアレイの前記開口のグリッドの個々の開口が第2の形状を含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
ビームチャネルの第2のアレイをさらに含み、
複数のビームチャネル、前記ビームチャネルのアレイの少なくとも1つの寸法、または前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネル間の間隔のうちの少なくとも1つが、前記ビームチャネルのアレイと前記ビームチャネルの第2のアレイとの間で変化する、請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
前記電子供給源が背面照射型光電子エミッタ面であり、
個々のビームチャネルが、前記個々のビームチャネルとアライメントして集束された個々の光ビームとアライメントし、
前記複数のビームチャネルが個別に変調される、請求項27に記載のシステム。
【請求項37】
前記ビームチャネルのアレイが少なくとも1つの平面を含み、
前記平面が前記背面照射型光電子エミッタ面と取り外し可能に係合する、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記背面照射型光電子エミッタ平面は、前記ビームチャネルのアレイとは別個の個別の交換可能なユニットを含み、
前記背面照射型光電子エミッタ平面は、前記ビームチャネルのアレイに隣接して配置される、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記背面照射型光電子エミッタ平面は、前記ビームチャネルのアレイに直接結合される、請求項27に記載のシステム。
【請求項40】
前記ビームチャネルのアレイが、前記複数のビームチャネルに亘って配置されたペリクル層を備え、
前記ペリクル層が、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルを通って汚染物質が流れるのを防止する一方で、前記電子のかなりの部分が前記ペリクル層を通過することを可能にする、請求項27に記載のシステム。
【請求項41】
モジュール式ビームチャネルであって、
開口のグリッド、
複数のビームチャネルであって、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルが多層構造で均一に形成され、前記複数のビームチャネルのそれぞれに実質的に均一な電圧が供給される、前記複数のビームチャネル、及び
前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルの出口とアライメントされる複数の均一のレンズを含む共有レンズアレイであって、前記開口のグリッドの個々の開口は、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルとアライメントして、電子が前記ビームチャネルアレイ及び前記共有レンズアレイを通過してピクセル化したパターンを形成することを可能にし、前記ターゲットへの露光時に、前記ピクセル化したパターンが前記ターゲットに形成される、前記共有レンズアレイ、
を備える、前記モジュール式ビームチャネル。
【請求項42】
前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネル及び前記複数のレンズの個々のレンズが、前記個々のビームチャネルに入る電子に対して正確に配置された供給源を設けるように、前記個々の開口と正確にアライメントされる、請求項41に記載のモジュール式ビームチャネルアレイ。
【請求項43】
前記ビームチャネルのアレイを前記ターゲットと少なくとも部分的に取り外し可能にアライメントするアライメント機構をさらに備える、請求項41に記載のモジュール式ビームチャネルアレイ。
【請求項44】
少なくとも1つの平面をさらに含み、
前記平面が背面照射型光電子エミッタ面と取り外し可能に係合する、請求項41に記載のモジュール式ビームチャネルアレイ。
【請求項45】
前記複数のビームチャネルに亘って配置されたペリクル層をさらに備え、
前記ペリクル層が、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルを通って汚染物質が流れるのを防止する、請求項41に記載の取り外し可能なモジュール式ビームチャネルアレイ。
【請求項46】
照明された光電子エミッタ面をさらに備える、請求項41に記載の取り外し可能なモジュール式ビームチャネルアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年4月27日に出願され、「MODULAR PARALLEL ELECTRON LITHOGRAPHY」と題された米国特許出願第16/859,257号、及び2021年3月1日に出願され、「MODULAR PARALLEL ELECTRON LITHOGRAPHY」と題された米国特許出願第17/189,056号に対する優先権を主張するものである。これらの出願は、その全体が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィは、材料の表面にパターンを作成するための技術である。それは、「レジスト」と呼ばれる材料層でターゲットの表面を覆うことから始まる。レジストは、露光パターンに従ってレジストの化学的または構造的変化を起こす可視光、紫外線、または電子などのエネルギーへのパターン化された露光によって変化する。この変化を化学的または物理的に利用して、レジストの変化のパターンに従って、下にある対象物を異なる方法で処理できるようにする。このような露光と処理に基づくリソグラフィは、最新の集積回路だけでなく、パターンマスク、加速度計、化学処理デバイス、表面テクスチャと画像、ジャイロスコープ、アンテナ、マイクロミラー、その他の微小電気機械システム(MEMS)を含むその他のナノメートルスケールのデバイスを形成する際の基本的な技術となっている。
【0003】
リソグラフィは通常、露光メカニズムとして光を使用するが、電子ビームもエネルギーを供給してレジストを変化させることができる。電子は光よりも波長がはるかに短い(約1/100ナノメートル)ため、より細かいパターンを露光できる。ただし、電子ビームが数センチメートル以上離れた場所にある場合、ビームが強いと電子が互いに反発するため、ゆっくりとしかエリアを露光できない。単一ビームで露光できる領域の実際の割合は、ボリュームのある生産するには小さすぎる。相互反発の制限は、複数のビームが並んで動作する場合にも適用される。電子ビームリソグラフィの現在の使用は、長いビーム経路を使用しており、通常、何時間もの露光時間が許容される特殊な適用例にのみ使用される。電子ビーム源は、ターゲットからの汚染に対して脆弱であり得、その汚染にさらされた供給源がたちまち急速に台無しになる可能性がある。そのため、供給源からターゲットまでの距離が短い(サブセンチメートル)ことは、実用的ではなかった。さらに、計画的及び計画外の保守のためのダウンタイムは、リソグラフィに深刻な問題をもたらす。
【0004】
負電子親和力(NEA)クラスの光電陰極は、その高効率のために広く使用されている。それらは、表面にセシウムの原子層を使用して、電子の脱出に必要なエネルギーを下げる。セシウムは時間の経過と共に昇華し、陰極の能力を低下させる。これは効率に影響を与えるだけでなく、陰極全体で様々な速度で発生する可能性があり、パターンの信頼性が低下する。
【0005】
リソグラフィシステムが10nmの解像度範囲に達すると、供給される光子数のランダムな変動、つまり「確率的」問題を克服することが難しくなる。例えば、EUVシステムは、10nm平方あたり約3,000個の光子を供給するが、通常、そのうちの10%以下がレジストと相互作用する(EUVは軟X線であり、レジストの厚さの10倍深く浸透する可能性がある)。電子デバイスのリソグラフィには、少なくとも6シグマの信頼性が通常必要であり、その場合+-100光子である。これらの数値は、ほんの一部の光子によって画定されるエッジでは悪化する。長い経路の電子ビームも確率論的な問題を抱えている。これは、EUV光子の50倍から500倍のエネルギーである5,000から50,000Vの電子を使用するためである。統計的変動を確実に制御するには、より多くのエネルギーを供給する必要がある。
【0006】
図面を参照して様々な技術が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】少なくとも1つの実施形態による例示的なリソグラフィシステムを示す。
【
図2】少なくとも1つの実施形態による、交換可能な陰極及び光エミッタアセンブリの一例を示す。
【
図3】少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及び電子レンズアセンブリの一例を示す。
【
図4】少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及び電子レンズアセンブリの例を示す。
【
図5】少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及び電子レンズアセンブリの例を示す。
【
図6】少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及び電子レンズの例を示す。
【
図7】少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及び電子レンズの例を示す。
【
図8】少なくとも1つの実施形態による、例示的な光学パターン生成器及びプロジェクタシステムを示す。
【
図9】少なくとも1つの実施形態による、ターゲットの輸送及び移動の例示的な図を示す。
【
図10】少なくとも1つの実施形態による、複数の同時投影の例を示す。
【
図11】少なくとも1つの実施形態による、外力を受けるチャネルアレイの寸法安定性を改善するために使用される応力解放構造の例を示す。
【
図12】少なくとも1つの実施形態による、定出力照明を提供するために傾斜ピクセルミラーを利用する光学システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々なリソグラフィプロセスで使用される、それぞれがナノメートルスケールのビームの焦点を有する複数の微細な微視的電子ビームを生成、変調、及び整形するためのシステム及び方法が本明細書で説明される。説明されているシステムと技術は、ビーム間の干渉を最小限に抑えた並カラム操作により、高いスループットを可能にする。このような制御された正確な複数のビーム源には、様々な用途があり得る。いくつかの態様では、複数のビームを個別に変調して、電子供給源に近接した表面上に近接して投射されるパターンを生成するか、またはレンズシステムを介して離れた位置に投射することができる。電子パターンのターゲットには、電子と反応して化学的または構造的変化を受ける表面が含まれる。そのような表面は、レジストの下の材料のさらなる処理を制御するために使用される表面のマスクへの変更を増幅及び修正するためにさらに処理されるように設計された物理的または化学的な「レジスト」を組み込むことができる。他の場合では、電子衝撃は、直接最終的にパターン化された製品であるターゲット表面に耐久性のある変化をもたらす可能性がある。
【0009】
いくつかの態様では、強度がそれぞれ変調された光ピクセルのアレイをもたらす空間光変調器を使用して、モジュール式平行電子マルチビーム源が構築される。光学システムは、各ピクセルの光をその中心に集中させる。これらの集中点は光電陰極に集束され、変調に強度で応答する電子供給源のアレイを作成する。各ピクセルの電子は、電子供給源の小型化と幾何学的精度を確保する開口機構を介して電子レンズに入る。開口機構はさらに、光電陰極を汚染から隔離することができる。各開口を離れた電子は、各々電子レンズに入る。開口ごとに個別の電子レンズが用意される。個々の電子経路とレンズは、クロストークと分散効果を排除するために、隣接する電子経路から遮蔽される場合がある。レンズを出る電子は、ターゲット材料上に開口の縮小サイズの画像を生じさせ、空間光変調及びレンズに対するターゲットの動きによって最終的に制御されるパターンの露光を達成する。
【0010】
電子ビームリソグラフィへの従来のアプローチは、実際的な問題の組み合わせにより、生成手段として成功したことはない。本明細書で説明する技術及びシステムは、汚染、光電陰極の有限な寿命、温度の制御、寸法の安定性、製造における正確な再現、製造での使用前のデバイスの欠陥の排除、アライメント、再現性、スループットが高く、メンテナンスが容易であることを含む、上で特定した問題の1つ以上を解決するよう刷新する。主要なサブアセンブリは、ナノメートルスケールの再現可能な結果で迅速に使用を再開しながら交換できるように設計されている。これらの技術革新により、このリソグラフィアプローチが実用的になる。
【0011】
当業者が本開示に照らして理解するように、特定の実施形態は、以下の利点及び改善の一部またはすべてを含む、本開示を通じて特定された問題の1つまたは複数に対処する際に、特定の利点を達成することができる場合がある。
【0012】
電子ビーム源は、ターゲットからの汚染に対して脆弱であり得、その汚染にさらされた供給源がたちまち急速に台無しになる可能性がある。そのため、供給源からターゲットまでの距離が短い(サブセンチメートル)ことは、以前実用的ではなかった。いくつかの態様では、説明されたシステムと技術が結びついて短い経路のシステムを実用化する複数の方法で刷新している。1ミリメートル未満の短い経路は、数百万までの平行なビームにスケールアップさせていることを可能にする。ビームの飛行時間が非常に短いため、相互干渉が最小限に抑えられる。短いビームは、高強度及び高速の露光で実行できる。
【0013】
負電子親和力(NEA)クラスの光電陰極は、その高効率のために広く使用されている。それらは一般に、表面にセシウムの原子層を使用して、電子の脱出に必要なエネルギーを下げる。セシウムは昇華し、陰極の性能を低下させ、これは効率に影響を与えるだけでなく、陰極全体で様々な速度で発生する可能性があり、パターンの信頼性が低下する。いくつかの態様において、記載されたシステム及び技術は、いくつかの競合しない方法を組み合わせて、セシウム損失率を低下させる。
【0014】
計画的及び計画外の保守のためのダウンタイムは、リソグラフィに深刻な問題をもたらし得る。いくつかの態様では、記載されたシステム及び技術は、迅速に交換され、位置及びアライメントの基準に一致するように正確に調整されるように設計された、モジュール式の均一に交換可能な部品を使用する。これらの部品の設計は、適度なコストで正確で再現性のある利用可能な製造方法に適合している。いくつかの態様では、記載されたシステム及び技法は、汚染を除去して均一性を回復するために一新され、その後生産に再利用され得るモジュールも導入する。
【0015】
説明したシステム及び技術における電子ビームは、光電陰極上のピクセルのパターンに入射する光を変化させることによって変調することができる。ピクセルに供給される信号の強度を調整して、陰極効率の低下及び局所的な変動を許容する手段が提供される。露光速度に追いつくには、非常に高い変調速度が必要である。記載されたシステム及び技法は、投影システムによって供給されるピクセル変調レートを増加させる方法を含む。
【0016】
リソグラフィシステムが10nmの解像度の範囲に到達するときに、供給される光子数のランダムな変動、つまり「確率的」問題を克服することが大きな問題である。例えば、EUVシステムは、10nm平方あたり約3,000個の光子を供給するが、通常、そのうちの10%以下がレジストと相互作用する(EUVは軟X線であり、レジストの厚さの10倍深く浸透する可能性がある)。電子デバイスのリソグラフィには、少なくとも6シグマの信頼性が必要であり、その場合+-100光子である。この数値は、ほんの一部の光子によって画定されるエッジでは悪化する。長い電子ビームも確率論的な問題を抱えている。これは、EUV光子の50倍から500倍のエネルギーである5,000から50,000Vの電子を使用するためである。統計的変動を確実に制御するには、より多くのエネルギーを供給する必要がある。いくつかの態様では、記載されたシステム及び技術は、EUVよりもはるかに多くのエネルギーをターゲットに送達することができ、500V未満の電子を使用することができる。レジストと相互作用する電子の数は、場合によっては、10nm四方未満のサイズでも統計的変動を制御するのに十分な数になる。50V未満の電子はレジストにほぼ完全に吸収され、光学及び極紫外線リソグラフィですでに使用されているレジストに望ましい変化をもたらす有効な因子となる。将来のレジストは、低電圧電子ビーム用にさらに特殊化及び最適化される可能性があり、例えば、ビームを偏向させる可能性のある局所的な電荷の蓄積を回避するために導電率を改善するか、または例えば表面に垂直な電子の流れを好む異方性構造を含めるなどである。
【0017】
先述の説明及び以下の説明では、様々な技術が説明される。説明の目的のために、技術を実装するとり得る方式の完全な理解を提供するために、特定の構成及び詳細が示される。しかしながら、下記に説明される技術が、具体的な詳細なしに異なる構成で実施され得ることも明らかになる。さらに、説明されている技術を分かり易くするために、周知の特徴は省略または簡略化され得る。
システムの概要
【0018】
本明細書に記載のシステム及び技術は、短距離に亘って低電圧で小さな焦点で制御及び投影され得る電子のパターンの持続的な生成を可能にし得る。いくつかの態様では、説明したシステム及び技術は、透明な基板のエピタキシャル表面である背面照射型光電エミッタ陰極を利用することができる。例えば、ガリウム砒素(GaAs)またはガリウム窒化物(GaN)の結晶表面は、電子放出光電陰極として機能することができる正孔供与原子の勾配が注入されて(pドープ勾配は自由電子を表面に向ける)、使用することができる。GaAsまたはGaN自体は、耐久性のある基板に望まれる強度、安定性、及び透明性を有する石英またはサファイアなどの互換性のある透明基板のエピタキシャル層であってもよい。良質で平坦なGaAs及びGaNエピタキシャル層は、多様な電子デバイスの製造にすでに使用されているので、そのような表面を準備する多くの方法が知られており、使用されており、説明されているシステムと技術で利用することができる。場合によっては、導電性プロファイルを生成するために、表面をドープすることができる。マグネシウムの注入によるpドーププロファイルは、効率的で耐久性のある光放出陰極の表面処理の一例である。表面は、セシウムの原子層で処理することもでき、必要に応じて同様の微量の酸素と組み合わせて、光電子放出効率を高める。この表面は、有利には、その全領域に亘って一様になるように作られ得る。いくつかの例では、発光の量子効率が10%を超える背面照射型陰極面を使用することができる。
【0019】
取り外し可能な光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ(PEECAA)もまた、説明されたシステムで利用されて、本開示全体に亘って説明されるように、多くの利点及び利点を提供することができる。光学チャンバには、重要なパラメータを監視する測定器が含まれている場合がある。プロジェクタチャンバとPEECAAを含む真空チャンバとの間の窓は、通常、広い範囲の波長に対して透明であり、寸法上安定しており、既知の光学特性を備えた形状になっている。窓、PEECAA、及びその他の要素には、参照用のマークが組み込まれている場合がある。例えば、PEECAAが正確に配置されることを保証するために、PEECAA及び他の要素に機器を集中させることができる。PEECAA及び窓温度を含む温度を監視するために、追加的または代替的に機器を使用することができる。同様に、機器を使用して、PEECAA及びその他の光学要素に投影されたピクセルイメージのアライメントを注視することもできる。機器は、個々のピクセルから散乱した光をサンプリングして、パターンが正しく変調されていることを監視する場合がある。監視は継続的であり、正しいアライメントやその他の運用調整のためのフィードバックを提供することに加えて、必要なメンテナンスを予測したり、実際の障害を報告したりするために使用できる。
【0020】
これらの表面の寿命は、室温よりも低い温度で操作することで延長できる。この方法で冷却すると、セシウム(Cs)が活性化された表面の動作寿命が延びることが示されている。これは、温度を下げると表面からの昇華が減少するためである。以下でより詳細に説明するように、温度は、光学チャンバと真空チャンバの両方に亘って制御することができる。
【0021】
表面は、汚染原子が光電陰極に到達するのをブロックする電子透過性ペリクルの背後で分離することにより、汚染からさらに保護することができる。これの1つの実現は、グラフェン層をサポートするゲルマニウムグリッド構造である。良質のグラフェンがゲルマニウム上に成長し、ゲルマニウムが次いでエッチングされて、意図したピクセルサイズと間隔に一致するグリッドが残る。あるいは、ペリクルを別個に作製し、次いで別個に準備されたグリッド構造上に移してもよい。グリッドとペリクルは、ペリクルが光電陰極面から離れて位置するグリッドによって持ち上げられて、光電陰極に対して配置される。ペリクルは、分子汚染物質が光電陰極に到達するのを防ぐ耐久性のある非反応性バリアとして機能しながら、光電陰極面から低電圧電子の一部を通過させる。ペリクルは、ブロックされた電子の一部によって加熱され、これによりセシウムが戻って光電陰極にリサイクルされる。場合によっては、六方晶窒化ホウ素などの他の「2D」材料もペリクルとして機能し、原子または分子の移動をブロックしながら最適な低電圧で電子の伝送を可能にし、これらの他の材料はグラフェンとは異なる基板上で成長させる、またはグリッド構造を準備できる他の材料で作られたグリッド構造に転送されるのが最適な場合がある。
【0022】
場合によっては、グリッドは、光電陰極に最も近い側で導電性になるようにドープされ得、グリッドが光導電面に載ると、電流が光電陰極面全体に分配される追加の経路を設けることができる。チャネルへの導電性の最初のセクションは、陰極の近くで電子の軌道を形成し、電子を陰極に垂直に、開口の中心により近づけることもできる。場合によっては、開口とペリクルに陰極に対して数ボルトの正電圧を印加して、光電陰極と開口の間に電圧の勾配を作成し、光電陰極から電子を効率的に除去し、ペリクルを通過するエネルギーをこれらに与えることができる。
【0023】
利用可能な電子の数は、正しい色の変調光の関数である(光電陰極に投影された光電陰極面の仕事関数エネルギーを超える光子エネルギー)。これは、プロジェクタの光学系によって、グリッド開口の中心にアライメントされた小さなドットに集束される。電子は、サブマイクロ秒のフラッシュとプロジェクタの変調をサポートする開口での単一ボルトスケールの電界の影響下でも、ナノ秒以下でこれらの小さな寸法を横断する。開口とペリクルを通過する電子は、開口と開口ペリクルを越えて、陰極に垂直な開口にアライメントされたチャネルのアレイに注入される。
【0024】
場合によっては、光電陰極のアクティブな電子放出位置は、互いに十分に離れた場所になる。例えば、1つの可能な実施は、陰極基板を通して互いに約10マイクロメートル離れたグリッド中心に集束されたUV光を使用する。この間隔は、投影光学系を簡素化して、変調の高いコントラストで、隣接するピクセルから分離させた小さな焦点に対して最適化することができる。ピクセルグリッドは、各焦点がグリッドのセルの中心にくるように配置される。開口は、同じグリッドの中心を画定する。照らされたスポットからの電子は、開口に到達するまでに広がり、そのためサブセットが選択されて形状が設定される(例えば、正方形、円形、または楕円形の開口がある場合がある)。ターゲットの精度を高めるには、チャネル内のレンズ要素に対して開口をアライメントする必要があり、光学スポットまたはグリッドの壁の精度の低下を補正する。開口は、チャネルアレイの構築のために繰り返し機械加工され得、アレイが生産用に受け入れられる前に、検査とテストによって検証される。場合によっては、複数の精度グレードが得られることがあり、これは、製品の一部のレイヤーでより緩和され得るリソグラフィの様々な解像度に対して有用であり得る。開口アレイとビームチャネルへの重要な寸法のこの集中は重要であり、稼働時間を維持しながら、部品またはすべてのPEECAAの再現性と交換性を付与する。
【0025】
光電陰極アレイも同様に、製造時点で均一性を検査でき、欠陥を示すものを排除または再加工して、製造中の交換部品が結果の精度と再現性を妨げない信頼性のあるものにすることができる。グリッド内の照明スポットの分離とセンタリングは、隣接しているものの間のコントラストを得て、標準レベルの照明のためにすべてのチャネルに入る一貫したレベルの電子を取得するために重要である。
【0026】
照明は、陰極面から光電子を生成するのに十分短いいずれの波長であってもよい。紫外線は波長が短く、可視光よりも小さい寸法で照射点を集光できる利点がある。過剰なエネルギーが少ない電子がターゲットのはるかに小さな点に容易に集束されるため、波長は、好ましくも、光電陰極材料の閾値エネルギー(仕事関数)よりも、わずかにしかエネルギーが大きくない。UV-A範囲で約365nmをカットオフするGaNなどの効率的な光電陰極材料は、特に100nm以下の焦点をサポートするため、有益である可能性がある。光電陰極の焦点面とアクティブ領域は、屈折率の高い材料の内部にあるため、有効な波長が短くなり、背面の照明で焦点を小さくすることができる。
【0027】
構造化された光変調器のいくつかの例は、Texas Instruments DLP(商標)システムなどの回転式ミラーのアレイを通して投射される光を使用する場合があるが、個別に切り替えられるナノLEDのアレイを使用する場合もある。そのようなシステムは、何百万もの、独立して変調された光源を提供することができ、光電陰極面に投影されると、同様の数の変調された電子ビームを生成する。光電陰極とLEDが同じ発光化学に基づいている場合、例えば、どちらもLEDの効果と陰極面からの電子放出の両方で公称365nmエネルギーのGaNで動作する場合、供給源のLEDを光電陰極より低温に冷却することで、効率を改善できる。これにより、より短い波長とより高い光子エネルギーにシフトするため、自由電子に過度のエネルギーを残さずに、光電陰極面で光子をより効率的に放出電子に変換する。
【0028】
記載されたシステム及び技術の極めて小さな動作公差では、一定の温度を維持することが有益である。パターンによる温度変化を避けるために、プロジェクタは非発光ピクセルに2番目の色を使用する場合がある。この色は、電子の放出を刺激するために必要な光子のエネルギーよりも低い光子エネルギーを持つように選択されるが、電気の損失が光学的動力に加えられる放出領域で発生するのと同等の熱エネルギーを光電陰極に供給する。すべてまたは実質的にすべてのピクセルは、光の放出であるかどうかに関係なく同じ熱の投入を受け、そのためパターンに関係なく、光電陰極とその近くの要素を一定のエネルギー収支に保つ。次いで、システム全体が均一な冷却と熱の流れを供給して、動作要素を一定の温度に保って、熱の変化によって画像が歪んだり移動したりしないようにする。
【0029】
GaNは、高い耐久性と高効率のフォトダイオード及びレーザー光源向けのよく理解され、成功を収めている材料として、特に関心が抱かれている。陰極と光源の両方が公称365nmで動作する。光源が陰極よりも低温に保たれている場合、光源の波長は陰極の閾値よりも高い光子エネルギーで比較的短くなり、光電子放出が効率的になるのを確実にする。場合によっては、異なる光電面の表面と光源の色が利用される場合がある。多くの光電陰極面が知られており、それぞれに独自の色の範囲、効率、均一性、及び耐久性がある。
【0030】
変調された電子ビームは、開口及びオプションのペリクルを通って各ピクセルを出て、そのグリッド要素から発生するビームを加速及び集束するチャネルアレイの個別のマイクロカラムに入ることができる。加速された電子はマイクロカラムの反対側の端から出て、その軌跡では、マイクロカラムの端から少し離れた位置にあるターゲットに焦点を合わせる。場合によっては、チャネルは、チャネルの出口に至る、またはそれを含む任意の点でチャネルを横切る追加のペリクル層を含むことができ、チャネルへの汚染物質の侵入を制限しながら、電子の有用な割合が許容可能な焦点損失で通過できるようになる。
【0031】
光電陰極、基板、グリッド、及びマイクロカラムアレイ(PEECAA)を含む基板アセンブリは、リソグラフィマシンまたはシステムの残りの部分から分離できるように設計することができる。PEECAAは順次、一部の設計で、PEECAA全体を交換するよりも頻繁かつ容易に光電陰極及びその基板を挿入及び取り外しできるエンクロージャを含むことができる。光電陰極と基板は、電気接点が完成し、光電陰極面が投射システムの焦点面に確実かつ再現可能に配置されるように配置され、変調された点状の照明が陰極のアクティブ面に集束する。記載された設計により、光電陰極と基板の挿入と取り外しは、最小限の摩耗で可能になる。光電陰極の基板は、自動化された取り外しと挿入を支援するハンドルなどのガイド特徴をその形状に含むことができる。
【0032】
マイクロチャネルアレイは、光電陰極に隣接して、短い距離で、または接触して配置され得る。動作中にマイクロチャネルが光電陰極と接触する例では、除去前に光電陰極からマイクロチャネルを除去し、挿入後に接触を回復するための機構が含まれる場合がある。これらの機構には、支持構造のクランプ運動、または表面の幅全体にわたる静電引力または磁気引力が含まれる場合がある。
【0033】
マイクロチャネルアレイは、マイクロチャネルが電子をターゲット上の意図した位置に正確かつ繰り返し投射するように、光電陰極を交換したときに類似した歪みのない位置に来る可能性がある。これは、取り付け構造の細かい位置調整要素によって、温度の正確な制御によって、表面を一緒にする電圧差のタイミングによって、及び/または構成要素がアライメントされたときの閉鎖の位置とタイミングをガイドする機器のフィードバックによって、支援され得る。
【0034】
いくつかの態様では、基板、光電陰極、及びその支持構造は、光電陰極が所定の位置にあり動作している間でも正確に測定されるターゲットに対するマイクロチャネルアレイのアライメントを可能にする透明性及び形状を備えて設計されている。マイクロチャネルアレイの位置を監視及び測定するためのそのような光学的手段を使用して、標的に対するマイクロチャネルアレイの位置を調整することができる。ターゲットに対するマイクロチャネルアレイの観察は、パターン投影のタイミングを変化させて、ターゲットの動きとの同期を維持し、ターゲットが滑走してマイクロチャネルアレイを正確にアライメントして均一に通過するときにターゲットの動きを制御及び修正するためにも使用できる。
【0035】
場合によっては、ターゲットとマイクロチャネルアレイが平行な面に保持されるため、ターゲットは正確な直線運動で移動するが、アレイは同じ面でごくわずかに回転するため、1つ、2つ、またはその他の何らかの整数のマイクロカラムは、ターゲット上のラスタパターンの各々の正確な線をトレースする。ラインごとに1つのマイクロカラムを備えた傾斜を使用することは、アレイを完全にする必要があってもスループットを最大化できるが、一方で同じラインをトレースする2つ以上の要素を使用すると(ターゲットに一致するようにタイミングを合わせた同じ変調で)、遅くなる可能性があるが、不完全なマイクロカラムを補う冗長性をもたらす。一例において、幅20ミリメートルのアレイに200万個の要素を有するマイクロチャネルアレイの場合、ラスタラインごとに単一のチャネルによる掃引により、幅10nm程度の微細な焦点を使用することが可能になる。傾斜によって各トレースに2つのマイクロチャネルがもたらされる場合、ラスタは20nmの幅になり得、各トレースに4つのマイクロチャネルがある場合は40nmの幅になる。2倍または4倍のピクセルを使用すると、より多くのエネルギーを冗長して供給し得るが、解像度が高くなるか全体の幅が狭くなる。そのデバイスでのデュアルパスの回転は、20nmの間隔で10nm幅のスポットをトレースすることもでき、その結果、ラスタによって描かれた線が分離される。
【0036】
図1は、フォトエミッタのアレイを含む例示的なリソグラフィシステム100を示す。システム100は、少なくとも1つの実施形態におけるリソグラフィ機械の一般的な配置を示し、パターン変調光プロジェクタ、ピクセルのパターンをビームチャネルに供給する光電陰極に担持させる中間光学系、及び2つのチャンバに入る全体的なそれらの状況を示し、1つは光学系用、もう1つは電子ビームとターゲット用で、後者は真空チャンバでなければならない。図示の例では、チャンバまたは構成要素102は、変調光源104及び光路を含むシステム100の一部である。チャンバ102は、電子ビームが動作している真空チャンバ120から分離することができる。変調光源104は、異なるパターンを形成する毎秒何回も変化するように個別に変調されたピクセルのアレイを投影する。変調光源104によって生成されたピクセルビーム106は、中間焦点面110の単一要素レンズ108上に投影される。中間焦点面110にある要素108ごとのレンズは、隣接するものから広く分離され、ピクセル内の中心にある点状の光源にピクセルを集中させる。中間焦点面110の単一要素レンズ108の出力は、集中点112のアレイを生成することができ、これは、残りの光学系に対する変調された画像を含む。
【0037】
縮小レンズ114は、集中した点をターゲット平面116上に集束させる。場合によっては、ターゲット平面は、電子ビームを供給するフォトエミッタ陰極118を含むことができる。さらにいくつかの場合では、ターゲット平面116は、光学チャンバ102を真空チャンバ120から分離するために使用され得る、透明な剛性の窓を追加または代替として含み得る。場合によっては、フォトエミッタ陰極118の表面は、変調された画像が電子放出点を発生させる縮小レンズの焦点の位置に保持されてもよい。
【0038】
電子ビーム及びターゲットは、ビームのアライメント及びサービス、ならびにターゲットのアライメント、移動、及びサービスを行うための機械と共に、真空チャンバ120内に収容させてもよい。ターゲットを移動して、個々のビームがラスタラインをスキャンできるようにすることができる。これにより、すべてのビームが個別のラスタを描画し、ターゲットの全領域がラスタによってカバーされる。
【0039】
システム100の態様は、1990年代初頭から提案され始めたが、実施され成功したことはなかった。遅い操作、急速な汚染、及び精度の問題は解決されず、このアプローチは10年以内に放棄された。マスクの準備やプロトタイピングに使用される現代式の電子リソグラフィ機は存在するが、長い電子経路を使用して異なる原理で動作する。
【0040】
記載されたシステム及び技法は、このアプローチに戻るが、以下でより詳細に説明されるように、元の概念の約束を保持しながら、上記の1つまたは複数の問題に対処するように刷新する。これらの刷新には、構造化光変調器からチャネルアレイまでの様々な段階での変更が含まれる。リソグラフィシステムの様々な段階または構成要素について以下に説明する。これらの段階または構成要素の様々な態様が組み合わされて、それ自体で、両方とも既存のシステム及び技法に対する改善を定義することができることを理解されたい。
【0041】
図2は、交換可能またはモジュール式の陰極及び光エミッタアセンブリ200の例を示している。一例では、アセンブリ200は、光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ(PEECAA)であってもよい。図示の例では、PEECAA200は、メンテナンスが必要なときに生産中に取り外して交換できる全体またはモジュール式のデバイスである。PEECAA200の様々な要素は、順番に、独立して除去、修復、または交換され得ることを理解されたい。
【0042】
図示の例では、アセンブリ200は、光学窓202、光電陰極マウント204、qチャネルアセンブリマウント206、及びアンカー208などの支持構造を含むことができ、PEECAA200の他の様々な部分の機械的シェル及びキャリアとして機能する。PEECAA200は、光路内のシステム100の、真空チャンバ120などの真空チャンバの内部に取り外し可能に配置されて、空間的に変調された光のパターンが、光電陰極モジュール210の光電陰極面212上に集束されるようにし、これは光電陰極基板212、光電陰極面214、及び/またはハンドル216を含み得る。PEECAA200は、設置されると、光投影経路の最終焦点に配置することができ、投影システムは、焦点面を光電陰極面214に維持するように正確に制御される。装置は、システム100のチャンバ102及び120などの真空セクション及び非真空セクションを分離したまま、PEECAA200をその窓202に隣接して取り付け及び取り外しできるように、光学プロジェクタを真空チャンバから分離する窓202を有することができる。システム100などのリソグラフィシステムは、熱冷却及び機械的安定性のために、チャンバ102を窓202と物理的に接触させるように構成することができる。アンカー要素208は、システム100などのリソグラフィシステムの光学窓202でPEECAA200を取り外して交換できるように、PEECAA200をロック及び解放することができる。1つまたは複数のハンドル216を光電陰極基板212に設けて、他の要素を妨害することなくPEECAA200への取り外し及び挿入を支援することができる。
【0043】
図に示すように、PEECAA200は背面照明用に設計されている。アセンブリ200の後部(図示の上部)の窓202は、プロジェクタが使用する光の色に対して透明である。窓202/アセンブリ200の後部は、機械的に強く、熱膨張係数が低く、紫外線(UV)を含む広範囲の色に亘って透明である石英などの材料で作られるか、またはそれらを含むことができる。他の実施態様では、PEECAA200は、構成要素のうちの1つまたは複数が再配置、除去、または追加要素の追加などされる他の照明構成用に構成され得ることを理解されたい。
【0044】
いくつかの態様では、アセンブリ200は、許容範囲内に保ちながらシステム100などのリソグラフィシステムに光電陰極モジュール210を挿入し、そこから取り外すことができることを保証する光電陰極マウントまたはガイド204を含む。ガイド204はまた、光電陰極モジュール210と電源との間の接続を成すことができる。ガイド204はまた、透明な基板212を光学窓202に近づける、または光学窓202から遠ざけるための何らかの能力または調整を含んでもよい。動作中に基板212を動かして窓202と接触させると、反射をなくすことができると同時に、熱伝導率と寸法の安定性も向上する。
【0045】
いくつかの態様では、光電陰極210は、PEECAA200のスロットを通して横方向に取り外されるか挿入され得るように、基板のプレート上で均一かつ平面的であり得、その中にそれを動作位置に保持するように正確にサイズ設定された区画が存在する。これがどのように動作するかの例は、回転式アームマニピュレータ(図示されず)から始まり、これは真空チャンバ内にあり、アイドル状態のときはプロジェクタとターゲットトランスポートの動作から離れた片側に引き込まれる。並進運動は、光電陰極プレートの側面にあるハンドルまたは穴をグリップするためにアームを伸張させる。次に、アームを引っ込めてプレートを取り出し、回転して、アームが伸びるステージングエリアとアライメントして、使い果たしたプレートをエアロック内に積み重ねて後で取り外すことができるようにする。次に、アームが引き込まれ、新しいプレートがエアロック内に配置されている別のステージングエリアへと回転し、伸張して次のプレートをつかむ。引き込み、回転してPEECAAに戻し、伸ばして新しいプレートをPEECAAに挿入し、グリップを放してアイドル位置に引き戻し、次に必要になるまでそこにとどまる。PEECAA内の調整により、グリップが光電面プレートを外す前に光電面プレートが緩み、新しいプレートが挿入されると、PEECAAが周囲を締め付け、新しいプレートを正しい位置に調整する。入ってくるエアロックには、機能的な真空チャンバに入る前に、入ってくる部品が除染され、表面が新しいものであることを確実にするためのベークアウト及びクリーニング機能も含まれる場合がある。場合によっては、PEECAA200全体が窓のソケットに収まるように設計され得るため、持ち上げて取り出し、新しいPEECAAを同じソケットに挿入することができる。光電陰極プレートを移動するための説明した回転アームアセンブリは、エアロックと動作位置の間でPEECAA全体を移動するための可能な1つの一般的なアプローチである。
【0046】
いくつかの態様では、マイクロカラムまたはチャネル支持体218は、システム100などのリソグラフィシステム内でPEECAA200の正しい配置及びアライメントを補助するためなどで、支持アセンブリの一部であるマイクロカラムベースとも呼ばれ得るチャネルアセンブリマウント206に取り付けられる。
【0047】
いくつかの態様では、PEECAA200は、PEECAA200を変調光源とアライメントするように調整できる機構で、システム100などのリソグラフィマシンまたはシステム内に保持することができる。例えば、支持体218の圧電材料を使用して、例えば変化する電気のインプットに応答して微調整を行うことができる。別の例では、熱制御システムまたはデバイスを使用して、膨張と収縮を使用して支持体218の温度を制御し、PEECAA200の位置と応力を調整することができる。PEECAA200の正しい位置の測定、例えば、PEECAA200の主要な部分における基準構造、及び光学窓202における基準構造の光学的検査によって行うことができる。場合によっては、光学マーカー、物理リミッタ、その他のデバイス、及び/またはこれらの組み合わせを使用して、リソグラフィシステムでのPEECAA200の自動アライメントを可能にすることができる。別の例では、ギャップを横切る静電容量などの電気センサ、または圧電カンチレバーが、サポート218内の基準点に対するPEECAA200の位置を測定することができる。
【0048】
場合によっては、多数の分離要素及び開口または電子ビームチャネルを含むことができるマイクロカラムアレイ220は、可撓性に設計させることができ、支持体218の張力がアレイ220の寸法を制御する一方で、温度の変化が、アレイ220の電子光学チャネル224の位置を維持する張力の反対の変化によって解決されるようにする。
【0049】
いくつかの実施態様では、光電陰極モジュール210は、石英、サファイア、または他の同様の材料でできていてもよい透明基板212からなり、その上に、pドープ窒化ガリウムなどの背面照射型光電エミッタ表面214が積層される。このモジュール210は、非常に均一な光電子エミッタ表面を有するように構築されてもよく、例えば光学窓202、チャネル支持体218から、及び/またはアレイ/開口220からそれを弛緩させ、次いで取り外すか、PEECAA200の側面にあるスロットから横に挿入することにより、PEECAA200内に別個に置き換えることができる。支持構造202、204は、それが摩耗することなく挿入及び除去されるように、最小限の空隙などの空隙でそれを取り囲む。モジュール210のエッジにハンドルまたはソケット216などの輪郭のある形状があり得、これにより、取り外しまたは挿入時にモジュール210にしっかりと係合する精密機構が可能になる。
【0050】
場合によっては、光電エミッタ表面214が長期間に亘って有用であり続けることが有利である。しかし、最終的には、その効率や均一性が損なわれる可能性がある。PEECAA200の設計により、頻繁に、または必要に応じて交換を実行することが実用的になる場合がある。記載されたPEECAA200の設計はまた、標的化学物質の使用を可能にすることができ、これは、汚染率に対する分解能及び機能性における利点のバランスをとることができる。光電陰極モジュール210及び/またはPEECAA200全体を、許容できるコストと操作の中断を最小限に抑えて交換することができるので、様々な材料の選択のバランスをとることができる。
【0051】
いくつかの態様では、光電面214は、アセンブリ200に挿入されるとき、水平方向の位置決めが重要ではないように、均一で滑らかであってもよい。変調された光源は、均一な光電子エミッタ表面層214の任意の部分を使用してピクセルを形成するために集束することができる。ピクセル配置の精度は、マイクロカラムアレイ220の正確なエンジニアリングとプロジェクタの慎重なアライメントによってもたらされる。したがって、一様な光電陰極210は、アライメントを乱すことなく交換可能である。
【0052】
図示の例では、光電陰極210は、小さいが重要で継続的な電流を供給するため、絶縁体にすることができない。絶縁体ではない光電陰極材料の選択肢がある。例えば、pドープされたGaNである。さらに、開口220、ペリクル222、及び電子光学チャネル224を含むことができるマイクロカラムアレイ226は、すべてのマイクロカラムの分離及び開口の第1ステージの一部として、光電陰極210に隣接して接触する導電層を有することができる。これはいずれも、カラムの第1ステージ内部の電子場を形成するのに役立ち、光電陰極面214のすべてのアクティブな部分に効率的かつ均一に電流を分配する。
【0053】
説明したマイクロカラムアレイ226は、寸法安定性及び位置安定性をもたらす支持体218に保持される。正確な位置は、投影区画内からのリモート光学センシングを含むセンシングシステムによって保証され得る。そのようなセンシングは、チャンバ内、PEECAA200内、及びターゲット内の参照マーカーを組み合わせて、PEECAA200の要素が最初に配置される初期の起動中と、動作中の両方で継続的にアライメントを監視して、温度やその他の要因がアライメントを失う原因となることがないようにするのを確実にできる。
【0054】
支持体204、206、218内の動きとマイクロカラムアレイ226の形状との組み合わせにより、光電陰極要素212、214を光学窓202及び分離及び開口220に隣接させる、またはそれらから離すことが可能になり得る。接触する表面は、互いに粘着しない材料及び表面処理を使用することができる。場合によっては、接触により、光電陰極モジュール210がマイクロカラムアレイ226に構造上の支持を設け、マイクロカラムアレイ226が動作中に光電陰極面214に電流を分配するのを補助することができる。非動作時の分離により、光電陰極210を取り外し可能にすることができる。この場合、マイクロカラムアレイ226からの光電陰極210の接触及び分離は均一であり、損傷することなく反復可能である。
【0055】
いくつかの態様では、電子が光電陰極面214を出るとき、電子は電界によって加速されて光電陰極210を越え、光電陰極面214の数ミクロン前の平行なバリア層に向かう。場は、ピクセルを取り囲むグリッドを形成し、バリア層を支持する働きをする構造218などの支持構造の材料及び形状を選択することによって成形することができる。バリアは、陰極210に対して小さな正電圧で荷電され、ピクセルの前に、開口220の1つなどの開口を有し、電子ビームチャネルの残りに対する狭く制御された入口として機能する。陰極とバリアとの間の支持構造218は、放出された電子を開口に向けて操縦するように選択された材料及び電圧を有することができる。開口は、開口での低電圧からのエネルギーを有する電子に対して大部分透過性であるペリクル222によって覆われ得る。ペリクル222は、いくつかの例では、グラフェン、六方晶窒化ホウ素、または二硫化モリブデンなどの材料の耐久性のあるフィルムであってもよい。ただし、他の材料を使用することもできる。これらは、開口を通過する電子のエネルギーと一致する理想的な電子ボルト・エネルギーで透過性をもたらすために、シングル、ダブル、または他の低いカウントの原子の厚さで存在する場合がある。ペリクル222は、光電陰極210を、デバイスの他の部分またはターゲットから来る可能性のある汚染物質から隔離する障壁を設けることができる。ペリクル222はまた、光電陰極210からのセシウムの損失を遅らせることができる。微量のセシウムは高効率の光電陰極で使用されており、時間の経過に伴うセシウムの蒸発が効率低下の主な原因である。ペリクル222は、一部の電子からの衝撃により熱くなり、セシウムをより低温の陰極210に再循環させることができる。
【0056】
場合によっては、開口220は、後続のビームカラム及びレンズにアライメントされるように正確に製造される。開口220は、レンズが投影する画像の供給源であり、光電陰極210は、ピクセル変調に従ってオンまたはオフにパルスする電子を背後から照射する役割を果たす。この開口220を、各カラム及びレンズの軸に対して均一的に中心にして、正確に製造することは、レンズアレイによって投影される画像の均一性にとって重要である。開口220は、より理想的な露光ピクセルを作成するために形成されてもよく、例えば、作られるパターンの種類に応じて、円形であり得る、または正方形または楕円形であり得る。生産ラインの様々な段階に最適化された様々なスタイルを利用できるようにすることができる。
【0057】
開口220を通過した後、電子は、カラムに沿った距離が増加するにつれてカラムに印加される正電圧が増加することによって、カラムまたはマイクロカラムアレイ226の軸に沿って加速される。カラムは、
図3、6、7を参照して以下でより詳細に説明されるように、一連の絶縁壁、抵抗壁、及び導電壁で構成されてもよい。これらの層は、アレイのブランク形状全体に広く均一に堆積され、その後、カラムのチャネルがマスクされ、これらの層を介してアレイのレイアウトが正確な間隔でエッチングされる。異なる材料は、カラムに沿って順番に環状要素として現れる。
【0058】
電子ビームのカラム226は、電子をレンズまで加速し、レンズを通過させ、カラムの端を越えてターゲットにビームを集束させる。変調され、照明されたピクセルのグリッドによって供給される、並列に動作するカラムのアレイがある。カラムのアレイ226は、形状が均一であり、すべてのチャネルに対して同一の電子レンズ及び電圧を使用する。そのため、チャネルごとに独立して制御したり、レンズを切り替えたりする必要がない場合がある。チャネルとレンズは、サイズと間隔が均一で、動作中に一定の電圧を使用するように製造されている。この均一性は、ターゲットのビームの配置の精度を向上させ、ビームが相互に、及びアレイ全体に対して正確になるようにする。ジオメトリ、チャネルの長さ、及び電圧の選択により、開口の拡大または縮小、及びカラムの端を越えた焦点面までの距離が制御される。
【0059】
いくつかの態様では、1つの構成は、光源開口として100nmの丸みを帯びた正方形を含み、ビームカラムは5倍の縮小レンズを含む。次に、カラムは、20nmの丸みを帯びた正方形を、カラムを越えたターゲット上にピクセル形状として投影する。開口からレンズまでの距離がXミクロンの場合、この例のターゲットの焦点面はレンズから(X/5)ミクロンである。
【0060】
描画の精度は、開口とレンズのアライメントと、カラムの相互に対する均一な間隔によって決まる。アレイ226は、ナノメートルスケールの均一性と再現性が可能な非常に精密なリソグラフィを使用して製造することができる。正確なマスクは、これらのマスクによって導かれる1つまたは複数のステップで正確にエッチングされるチャネルのパターンの輪郭を描く。これは、ビームアレイが生産での使用に適していることを確認するための綿密な検査とテストと組み合わせることができる。例えば、レンズを形成するエッチング工程が開口のエッチングから数nmずれているが、このずれがターゲットのアライメントに均一で予測可能な影響を与える場合、アラインメントの移行を補正して操作できるようにする較正情報と共に受け入れることができるなど、部分の特性評価では、ある種の変動が許容される場合がある。次いで、各アレイ226を生産中に監視することができ、それが仕様外になった場合、正確に一致する代わりと交換することができる。
【0061】
部品が故障した場合、検出されたエラーを分析して根本原因を分析し、プロセスの改善に向けてフィードバックすることができるため、熟した生産では欠陥のない構成要素を経済的に使用するのに十分な比率が得られる。PEECAA200またはアレイ226を取り付けるか交換するとき、正確に繰り返し適合するように調整できるように、機械に較正マークが表示され得る。調整には、温度、配置、及びそれを保持する張力が含まれる場合がある。
【0062】
光電陰極モジュール(PEECAA)200が取り外されて交換されると、取り外されたPEECAA200は、真の寿命が尽きる前に数回修復され得る。光電陰極面214は、(例えば、原子状水素などの洗浄剤の存在下を含む長時間のベーキングによって)洗浄され、続いて微量のセシウムが再塗布されてもよい。光電陰極210は、均一性について検査することができ、いかなる逸脱も修理、再加工することができ、または部分が要件を満たさない場合、部分を廃棄することができる。この厳格なアプローチにより、交換が簡素化され、生産で最良の結果が保証される。ペリクル222とPEECAA200の残りの部分も、汚染を除去するために真空中にてベークアウトとクリーニングのサイクルを経るのに十分な耐久性のある材料で構成されている場合、数回再生することができる。すべての要素が更新されたら、PEECAA200を再度組み立て、信頼性と正確なアライメントについてテストし、プロジェクタのアライメントを調整するために新しい較正を記録し、次いで機械に取り付けるために積み戻す。場合によっては、自動リサイクルにより、光電陰極210及びアレイ226モジュールがより経済的になる。場合によっては、正確で包括的なテストにより、100%の正確性を満たす光電陰極210及びPEECAA200アセンブリのみを選択することができる。この厳格な選択は、今日利用可能な高精度で再現性のある微細加工技術と適合し得る。歩留まりは低下させるが、すべてのビームが正しく動作できることが証明されると、リソグラフィ操作を簡素化できる。
【0063】
場合によっては、交換可能なモジュールは、機械に様々な形状を取り付けて、生産ラインの柔軟性を高めることもできる。例えば、異なる目的のために最適化されたピクセル画像を生成する、正方形、円形、楕円形、または長方形のカラムへの入口開口を備えた代替モジュールが存在し得、異なる焦点の深度またはラスタビーム間の空間と比較される電子ビームカバレッジの異なる比率に対して最適化されたチャネルが存在し得る。
【0064】
多くの場合、光電陰極は必然的に効率が低下する。冷却して耐用年数を延ばすことができるが、通常、表面は、最終的に移動するセシウムによって活性化され、一部の汚染が浸透する可能性がある。光の放出の効率は、アレイの個々のカラムから放出された電子を測定できる、機器を備えたターゲット上に定期的なテストの較正パターンを使用して監視することができる。光電子エミッタアレイが最初に設置されて使用できるようになったら、最初の較正を使用して、照度または変調の強度を変更し、ターゲットに正確かつ均一な量の電子を供給することができる。光路内の液晶アレイなどの構造化光変調器を使用して、パターン情報に使用されるSLMとは無関係に各ピクセルを調整することができる。較正を定期的に繰り返すことで、変調を調整し続けることができる。また、較正プロセスにより、光電陰極モジュールの交換を予測してスケジュールすることもできる。
【0065】
図3は、少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及びレンズアセンブリ300の例を示す。いくつかの態様では、電子ビームチャネル300は、
図2を参照して上述した個々の電子ビームチャネル220の一例であり得る。
【0066】
個々の電子ビームチャネル及びレンズアセンブリ300は、有効な幅を制限し、ビームチャネル306に入る電子ビームの形状を画定する入口開口304を含む入口シールド302を含む。ビームチャネル306は構造的支持体308によって形成され、これは、レンズ上で困難な電力ドレインを作成することを回避するために十分に高い電気抵抗を有する必要があるが、チャネル306の電子を、近隣のチャネルに流れている可能性のある電流による移動から分離するのに十分な導電性を備えている必要がある。チャネル306内の間隔で、導電層310をチャネル306の周囲または近傍に(例えば、それぞれ固有の電圧に励起される支持構造308の代わりに配置することができる。ジオメトリと電圧の組み合わせにより、電子レンズ312が形成される。電子レンズ312は、電子がビーム出口314を通過するときに電子を加速し、集束する。場合によっては、透磁率の高い構造材料を使用し、ビームアレイを横切ってビームターゲットまでチャネルの軸に平行な外部磁場を維持することによって、静電レンズを補うことができる。磁場はチャネルの端の壁から広がり、出口ビームにさらに圧を加える。
【0067】
層310によって形成された構造支持体の抵抗率により、レンズの計算は、近くの空間が真空または絶縁体であると想定される従来のレンズとはわずかに異なるが、これは、新しい条件に対し、電子レンズの誤った設計に使用される電圧の微調整が必要なだけである。層310によって提供される利点は、各チャネル及びレンズが隣接物から分離され、アセンブリが隣接物からのパターン干渉なしにより高いビーム密度で動作できるようにすることである。
【0068】
場合によっては、導電層310は、チャネル306の軸に沿って電子ビームを加速するが、レンズ効果を生み出すようにも変化する電圧源に取り付けられる。そのような構成の1つは、アレイ全体に3つの導電層310を設けることであり、すべてのカラムのチャネル306の壁に3つの電極リングとして表示される。これらは、アインツェルレンズとして機能する高、低、高電圧シーケンスと共に使用できる。適切なサイズ、位置、及び電圧を使用すると、これらは縮小レンズとして機能し、ソース開口のより小さい像をターゲットに投影できる。他のレンズ構成も可能である。例えば、第2のアインツェルトリプレットを追加して第2のレンズを得ることができ、または他の形態の電子レンズが何らかの利点を有する可能性がある。多種多様な電子レンズを使用することができ、層を重ねてから層を介してチャネリングする方法を使用して、様々な電子レンズシステムのプロファイルを作成することができる。
【0069】
導体310間の材料は、絶縁体または高抵抗材料であってもよく、外部回路に接続されていない導電層をさらに含んでもよい。抵抗材料は、チャネルの壁に付着するいずれかの表面電荷を排出する点、及び隣接するビーム間の分離を改善する点で利点がある。導電層はまた、分離を改善し、ビームの集中化を改善する。
【0070】
図4及び5は、少なくとも1つの実施形態による電子ビームチャネル及びレンズアレイまたはアセンブリの例示的なビュー400及び500を示す。いくつかの例では、電子ビームチャネルアレイは、多数の電子ビームチャネル402、404、406などを含むことができ、これらは、
図3を参照して上で説明した電子ビームチャネル300の例であるか、またはそれらの1つまたは複数の態様を含むことができる。ビュー400は、X×Yの数のチャネルのアレイの断面図を示し、ビュー500は、長方形などの2次元形状を形成するX×Yの数のチャネルのアレイの斜視図を示す。
【0071】
層310及びより一般的には各電子ビームチャネル300の構造によって少なくとも部分的に設けられる組み込み式の分離は、電子ビームチャネル402、404、406など、壁408及びレンズ要素410を隣接するものと共有する高密度アレイにおけるビームチャネルの形成を可能にする。アレイ400及び/または500は、例えば
図3の電子ビームチャネルに関して上述したように、シールド302、支持体308、及びレンズ導体310の交互の均一な層を有するスラブを構築し、次に、リソグラフィのプロセスを使用してチャネルの位置を画定し、それらをスラブにエッチングして、数千または数百万の隣接チャネルを含むアレイ全体を作成することによって、ビュー500によって示されるように、二次元アレイで形成することができる。これらのチャネルは、
図1を参照して上述したシステム100などの投影システムからの変調点とアライメントするように配置される。
【0072】
図6は、少なくとも1つの実施形態による、電子ビームチャネル及び電子レンズの例示的な斜視
図600を示し、
図7は、電子ビームチャネル及び電子レンズの例示的な断面
図700を示す。いくつかの態様では、ビュー600及び/または700は、電子ビームチャネル300の例であり得、及び/または、
図3、4、及び5を参照して上述したように、アレイ400、500に組み込むことができる。参照を容易にするために、同様の構成要素は、電子ビームチャネル及び電子レンズのビュー600及び700の以下の説明において、同じ参照番号を使用して参照される。
【0073】
図6及び7では、電子光学要素及びビーム成形を示すチャネルの構造が示されているが、アクティブな要素がより見えるように支持構造は示されていない。
【0074】
図1を参照して上述したように、プロジェクタシステムと共に使用される場合、光プロジェクタは、そこから電子を放出する光電子陰極602の表面上の点に変調ピクセルを集束させることができる。光電陰極602の割り当てられたピクセルの位置を取り囲むビーム成形電極604は、電子を陰極602から引き離し、入口障壁606に向かって電子を加速する。障壁の開口は、分子汚染が光電陰極602に到達するのをブロックしながら、電子610がチャネルに流れ込むことを可能にする低電圧の電子透過性ペリクル608で覆うことができる。電子610は、レンズ要素612、614、616の第1のレンズ要素612のより正の電圧に向かう加速によって誘導された軌道のビームをチャネル沿いに流れる。レンズ要素612、614、616は、出射する電子を618に集束させて、ターゲット上の場所620に衝突させ、そこで電子がバリア開口形状606の縮小画像を形成する形状及び一連の電圧を有する。
【0075】
図6に示す例は、一例において、百万チャネルの電子レンズアレイと共に使用するのに適したサイズ及び電圧を有するアインツェルレンズを有するチャネル構成をシミュレートする。
【0076】
図8は、少なくとも1つの実施形態による、例示的な光学パターン生成器及びプロジェクタシステム800を示す。いくつかの例では、システム800は、上述のように、PEECAA200、電子ビームチャネルアレイ400、500、及び/または多数の電子ビームチャネル300と共に使用して、上述のように、既存のリソグラフィシステムに伴う問題の1つまたは複数に対処するリソグラフィシステムを形成できる。いくつかの例では、システム800は、変調された電子ビームプロジェクタであってもよく、一連のアセンブリを含んでもよく、これにより、電子ビームの各々がデータの一部によって別々に変調され、他のすべてのビームと同期される電子ビームの平行なアレイが得られる、ターゲット上でラスタをトレースすると、完全なパターンが描画されるようにする。ラスタは、空間を満たすのであってもよいし、ターゲット領域のサブセットをトレースしてもよい。これについては、
図9を参照して以下でより詳細に説明する。
【0077】
一例では、変調されるパターン(例えば、ソースデータ802)は、DRAM、SSD、またはHDDなどのデジタルストレージ、または同様の目的で使用できる他のメモリ技術に保持される。このソースデータ802は、変調に必要なときにパターンコントローラ804が利用できることを保証するスケジュールでアクセスされる。データは、電子ビームアレイ内のすべてのピクセルの値を有するフレームに編成され、各フレームパターンデータ806は、空間光変調器(SLM)808に転送される。Texas Instruments Digital Light Projector(DLP(商標))、LEDのアレイなど、SLM808用の様々な複数の既知の技術のいずれかを使用することができる。SLMでパターンの準備が整うと、タイミング信号810が光源812に送信される。一瞬フラッシュし、このフラッシュは、光源光学系814によってコリメートされて、SLM808を照射する。ターゲットは電子ビームの場を横切って継続的に移動する可能性があるため、ターゲット上のモーションのぼやけを最小限に抑えるために、フラッシュは短時間である場合がある。
【0078】
SLM808を出るパターンは、中間光学系816によって中間光学アセンブリ818に集束され、これは、各ピクセルの光をピクセルの中心の焦点に集中させて、効率を向上させ、光電陰極アセンブリの廃熱を減らし、及び/または隣接するピクセル間のクロストークが減少するようにする。中間アセンブリ818は、例えば、別個の集光レンズ及び個々のまたはすべてのピクセルに対して実施される他の光学補正を有するフライアイパネルにおいて実施され得る。中間アセンブリ818は、液晶アレイなどの機構を含んで、各ピクセルの強度を均一に調整し、光電陰極の経年変化を補うことができる。各ピクセルの集中点はすべて、最終的な対物光学系820の入力焦点面に収まり、これにより画像の寸法が縮小され、光電陰極822の平面に焦点が合わせられる。したがって、パターン内の各変調光源要素は、陰極822にグリッドパターンの光の変調点をもたらす。光学系は、グリッドが電子ビームチャネルのグリッドに正確に一致するように、グリッドの間隔、焦点、及びサイズが正しく設定されるのを確実にするように設計されている。
【0079】
システム800の様々な構成要素は、異なるピクセルサイズに対して最適化され得る。例えば、シリコンチップを作成する場合、10nm四方のピクセルサイズは、アクティブな要素と金属の最も細かいレベルを作成するのに適している場合があるが、20または40nm四方のビームは、より大きなワイヤを含むワイヤのレベルに適している場合がある。このような大きなターゲットのピクセルを供給するプロジェクタまたはSLM808は、所与の限られたプロジェクタ変調レートでターゲット領域をはるかに高速に露光できる。プロジェクタは、異なる形状の開口を使用する場合がある。例えば、配線層には長方形であるが、ビアまたは接点の画定、垂直方向のコンデンサのレイアウト、及び垂直なトランジスタのチャネルには円形である。プロジェクタは、チャネルに割り当てられたトラックの幅よりも小さいまたは大きい画像を投影する開口を使用して、様々な空間充填のニーズと、ターゲットに描画されたパターンの移動の精度にすることができる。
【0080】
システム800の1つまたは複数の構造化光変調器(SLM)808は、データパターン802によって駆動され得る。図示の例では、電子パターンコントローラ804及び/またはSLM(複数可)808は、ピクセルの露光を指定する1つまたは複数のデータストリームを取得し、光のパルスを変調してピクセルを露光させる。変調器アセンブリ808は、個別の電子ビームごとに個別の変調ストリーム(ピクセル)をもたらす。変調器の1つの可能な実現は、発光ダイオード(LED)のアレイである。これらにより、各ピクセルの変調速度が非常に高速になる。もう1つの実現可能な方法は、Texas Instrumentsの「Digital Light Processor」(DLP(商標))デバイスを使用して光ビームを変調することである。
【0081】
場合によっては、例えば、並行して実行し、異なるセットの電子チャネルを変調することによって、複数のSLM808をシステムに組み込むことができる。例えば、2つ以上のSLM及び/またはPEECAAは、ターゲット上の1回の通過で2倍の領域をスイープするために並行して実行するように配置することができる。場合によっては、それらは同じ経路に光学的に結合され、より高速なデータレートで同じセットの電子チャネルに順番に投影され得る。例えば、4つのSLM808を200万個の電子ビームの同じアレイに集束させ、各プロジェクタを異なる時間に短時間点滅させて、変調の全体的な速度が任意の1つのプロジェクタの能力よりも4倍速くなるようにすることができる。この例では、各SLM808は、ビームのアレイの順次使用を表すターゲットの位置のセットを露光している。正しいパターンを各SLM808に送信するデータセットの分割は、そのSLM808に関連付けられたフラッシュに焦点を合わせたターゲットピクセルの値を、その時のそのSLM808の値に割り当てる。次のフラッシュには、そのフラッシュとペアになっているSLM808に割り当てられた値のアレイがある。このようにして、トランスポートがビームアレイの前を移動するときのターゲット位置は、結合してビームアレイを駆動することができる1つまたは複数のSLM808について、SLMピクセル値のデータストリームに変換される。これらのデータストリームは、パターン記憶及びSLM808へのデータ転送を含めて制御システムによってSLM808に送信され、SLM808が像をフラッシュする時間にすべてのピクセルを準備するように、SLM808がデータを必要とするときに各SLM808にデータを提供するようにする。制御システムはまた、フラッシュのタイミング及びシーケンスを提供し、ターゲット輸送時のターゲットの動きと同期することができる。
【0082】
場合によっては、光学システムは複数の別個のSLM808を組み合わせて陰極の指定されたピクセルの同じセットに焦点を合わせることができ、その結果、各SLM808は、交代して各SLM808がピクセル値を提供することを可能にする短い時間光を生じることができる。例えば、25kHzで動作するDLP(商標)では、光源を1マイクロ秒間点滅させ、39マイクロ秒間でデバイスを次のピクセル値のセットに備えることができる。システム内に8つのDLPデバイス808がある場合、それらはそれぞれ1マイクロ秒で動作し、次のデバイスまで4マイクロ秒のギャップでオフセットされるため、8つのデバイスの組み合わせで200kHzの投影レートが得られる。光電陰極の応答時間はナノ秒のオーダーであるため、組み合わせた投影速度を上げ、より短い光パルスを使用する機会がたくさんあり、そのためシステムのスループットが向上する。
【0083】
いくつかの態様では、システム800は定期的または継続的に障害を監視することができる。SLMの動作、パターンの精度、ピクセルのフェージング、及びターゲットのアライメントとパターンの供給速度の位置フィードバックを広範囲に監視するために、光学的な方法を利用できる。特別に設計されたターゲットを使用して、追加のレベルの監視が可能である。このターゲットには、すべてのピクセルによって生成された電流を検出及び測定するための特別なパターンを監視できるターゲットとして読み取りヘッドが含まれる場合がある。このような測定ターゲットは、正常な動作を監視するために通常のターゲット間で使用できる。まとめられたこのデータはすべて、ダウンタイムとメンテナンス要件を予測し、将来の構成要素のより良い製造のためのフィードバックを提供するために使用される。
【0084】
最新のSLMシステムは信頼性が高いが、万一障害が発生した場合、システム800は残りのSLM808で動作し続けることができる。例えば、前の説明の8つのSLM808の1つが故障した場合、残りのSLM808はパターンの7フレームごとに(8番目ごとではなく)4.72マイクロ秒のギャップでそれぞれ投影でき、ターゲットの動きは7/8のフルスピードに減少し得、新しい175kHzレートとの同期を維持するようにする。障害のあるSLMが修理または交換されると、システムはフルレートで再開できる。
【0085】
いくつかの態様では、システム800は、単純にオフ及びオンするのではなく、2つの異なる色で投影することによって、光電子の放出の色感度を利用することができる。電子の放出を刺激し、オンになっているピクセルを表す1つの色を選択することができる。他の色は、電子の放出を刺激することができず、オフであるが熱エネルギーをターゲットに送達するピクセルに使用されるより低い光子エネルギーであるように選択することができる。補色のパターンの目的は、このような精密なシステムでは、綿密な均一性と安定性が重要であるので、ピクセルがオンかオフかに関係なく、すべてのピクセルの均一な加熱を維持することである。この構成は、DLP変調器のマイクロミラーが互いに異なる角度で配置されているため、DLP変調器での使用に特に適している。これにより、同じ角度での分離と異なる色の2つの光源が、オフとオンで相補的な光を供給する。
【0086】
場合によっては、光電陰極で解放された電子が均一なエネルギーを持つように、アクティブな色には狭いスペクトルの光が好まれる。色は、電子を解放する閾値エネルギーよりほんのわずかに高い光子エネルギーを有するように選択することができる。この最小限の超過により、解放された電子が不要な方向に広がるエネルギーを最小限に抑え、電子光学系が理想的な焦点を達成できるのを確実にすることができる。また、スペクトルが狭いため、色収差を気にせずにプロジェクタの光学系を最適化できるため、歪みがなく、焦点面が理想的に平坦にするといった対策で、より優れたパフォーマンスが得られる。
【0087】
図示のように、中間光学系816、中間光学アセンブリ818、及び/または最終的な対物光学系820は、1つまたは複数のSLM源808からの光を結合し、光電陰極822のグリッドパターンに集束及びアライメントし、各格子点は、ビームアレイの一致する電子ビームチャネルの中心経路に密接にアライメントされる。光路は、
図1を参照してより詳細に説明されるように、光学プロジェクタが保持されるチャンバと、電子ビームが動作する真空チャンバとの間に、強力で安定した窓を含むことができる。光電陰極822は窓に隣接し、窓を通して見ることができる。
【0088】
各ピクセルの光は、理想的にはピクセルの中心に集中する。これにより、ピクセルを最適に分離できる(隣接するピクセルに漏れる光によるクロストークが回避される)。ピクセル中心集中の1つの実施態様は、各ピクセルに対して1つの凸状集束レンズレットを有する「フライアイアレイ」レンズ818を使用する。レンズ818は、プロジェクタの中間焦点面の光路に配置され、レンズ上に広く到達する光を、レンズのすぐ先の点のグリッドに変換する。各ピクセルは、一致するレンズレットによって集中される。焦点のそのセットは、光電陰極822上に結像される新しいソース面になり、各点は、電子レンズアレイへの入り口を画定するグリッド内の割り当てられたチャネルの中心にアライメントされる。場合によっては、フライアイアレイは、光電陰極のピクセル間の変動と経時変化及び光電陰極の経年変化を補償するために、結果として得られる電子ビームの強度を標準化できる各ピクセルの強度のLCDまたは同様のパッシブ変調器の場所でもあり得る。
【0089】
いくつかの態様では、光路には、投影されたパターンのアライメント及び正しい動作を監視する機器が付随する場合がある。器具は、正しいアライメントを監視するために、光路の様々な場所で散乱した光の画像化を含むことができる。個々のピクセルのための光は、正確さのためにサンプリングされ、均一な強度が監視され得る。これにより、生成された像の質が継続的に保証され、退色などの問題に対する保守の必要性が予測され得る。機器は、追加的または代替的に、光電陰極822及び窓を通して見える電子ビーム要素の正確な位置、サイズ、及び温度を測定することを含み得る。これらの機器からのフィードバックを使用して、投影システム内及び電子ビームアレイとその支持システム内の機械的配置を調整または変更し、温度を制御することができる。温度の制御は、必要な精度でのアセンブリ及び要素のサイズと位置の制御をサポートする場合がある。ビームアレイに対するターゲットのアライメント及び移動を監視するために、電子ビームアレイを通して及びその周りを観察する他の機器も設けられ得る。
【0090】
光がチャンバを隔てる窓を通過すると、電子ビームのアレイに入る電子を生成している光電エミッタ陰極に集束される。次に、デバイスの背面から到達する狭いスペクトルの光に応答して電子が放出される。各ピクセルは、隣接するピクセルから明確に分離されたスポットであり、電子ビームアレイの対応するカラムの中心にできるだけ近く配置される。
【0091】
いくつかの態様では、レンズ作用のための電子の場は、チャネルの端部とターゲットとの間のギャップを含む。電子は、チャネルの端からターゲットまで、さらに加速、惰行、または減速することができる。この場はビームチャネル内の場の方向を反映するため、最も可能性の高い選択はわずかな減速である。光電陰極に向かって加速されるいずれかのイオンは、最初に引力から逃れてターゲットに戻る必要がある。反対に、帯電したイオンまたは中性粒子は、ビームチャネルからはね返されるか、またはレンズ導体の近くの高強度勾配に向かってドリフトする可能性がある。これらの配置により、ターゲットから放出される汚染物質の輸送が最小限に抑えられるが、1つまたは複数のペリクルが、光電陰極の表面を汚染から保護するための最終的なバックストップとして残る。
【0092】
電子ビームはターゲットに衝突し、そこでターゲット表面の組成、構造、または化学的性質を変化させる。組成の変化の例は、セレンなどの材料の表面の同素体構造を変化させるビームの熱である。物理的変化の例としては、ターゲットを覆う原子層膜の蒸発がある。化学変化の例は、HSQ(Hydrogen Silsesquioxane)などのレジストの化学結合を変更することである。静電荷の蓄積を避けるために、レジスト材料が絶縁体である場合、ターゲットはシリコンやアルミニウムなどの導電性の単層でコーティングする必要がある場合がある。通常の蒸発または電子ビームからの衝撃のいずれかによってターゲットから放出される汚染を減らすために、ターゲットを冷却することができる。
【0093】
図9は、少なくとも1つの実施形態による、ターゲットの輸送及び移動システム900の例示的な図を示している。いくつかの例では、システム900は、PEECAA200、電子ビームチャネルアレイ400、500、多数の電子ビームチャネル300、及び/または上述の投影システム800と供に使用して、上述のように、既存のリソグラフィシステムに伴う問題の1つまたは複数に対処するリソグラフィシステムを形成することができる。
【0094】
場合によっては、ビームがターゲット908の指定されたスポットを通過するときに、各ビームが電子を生成するかしないかのいずれかになるように、データパターンが事前に準備される。ビームは、安定した線形走査でターゲット908を走査するアレイのパターンに組織される。アレイはターゲット908に平行な平面でごくわずかに回転することができるので、すべてのビームが異なる走査線の中心に置かれ、走査線がターゲット980の全領域を通るのに十分なアレイ要素を有する。これはアレイを投影ずるラスタパターンである。
【0095】
使用する際に、ラスタを意図的にビームスポットのサイズよりも広く配置する場合がある。例えば、目標が標準的な間隔(最新のシリコンチップの設計で一般的になっているパターン)で一連のフィンまたはワイヤを生成することである場合、ビームは、線を引く必要がある領域のみをカバーする必要がある。線の間隙は、モジュレーションのブランクによって生成される。線と線の間の間隙は露光を必要としないため、これらの空間にいずれのビームをも割り当てないことで、ラスタスキャンを高速化し、より高いスポットの出力を生じ得る。電子露光または非露光のいずれかの1つの事象に対して1つのビームによって露光されるターゲットのスポットは、ターゲットのピクセルである。ビームがスポット上を通過するとき、ビームは滞留時間の一部でパルス化される。このストロボ効果により、ピクセルのぼやけが軽減され得る。
【0096】
ターゲットのピクセル変調は、ターゲットにラスタパターンを描画する。各ピクセルはビームと一致し、そのピクセルにアライメントされるように、ビームがパルス化される。データストリームは、正しいタイミングですべての全ピクセルを露光してパターンを描画する値のオンまたはオフからなる。これを実現するには様々な方法がある。例えば、1つの極端な例では、すべてのビームが同期され、同時に点滅し、そのため、そのフラッシュのデータは、フラッシュが同期される前にすべてのビームソースに分配される単一のフレームとして編成され、その後、次のフレームのデータがロードされる。他の極端な例では、各ビームには、おそらく他のビームとは異なる時点で、描画するすべてのビットの記憶されたシーケンスが設けられ、全体的な時間標準(クロック信号)がソースに分配されて、適切なタイミングで、それが点滅し、次のピクセルに進み、それぞれが描画する。どちらの方法が選択されるかは、使用する光源と変調メカニズムによって異なる。例えば、DLP(商標)に基づくSLMは、同時のフラッシュを使用する可能性が高く、一方で個別に変調されたレーザーまたはLEDのアレイに基づくプロジェクタは、アレイ要素ごとに個別の変調ストリームで最適に機能し得る。
【0097】
一例では、ピクセルは約10nm四方であり得、したがって1兆ビットのデータが1平方センチメートルの標的領域のパターンを形成する。ターゲットが1秒あたり20mm2で露光される場合、これは1秒あたり約200ギガビットのデータを使用し、約5秒で1平方センチメートルを完了する。このような大きなデータレートは、最新のメモリシステム、高速相互接続、及び複数の光変調器を組み合わせることによって、実現可能である。
【0098】
パターンのメモリが十分大きいと、データのパターンはビームアレイのサイズによって制限されない。実用的なメモリのシステムは、数百兆ピクセルのパターンをサポートできる。原則として、ターゲットのすべての平方センチメートルを異なるパターンで書き込むことが可能であり、ターゲットが1つの大きなデバイスであるか、または複数の異なるデバイスに細分されることが可能であり、また複数の同一のデバイスに細分される可能性がある。次のターゲットが、さらに別の異なるパターンを備えていることがある。マスクがないため、システムの柔軟性は、有用なパターンを設計できることによってのみ制限される。
【0099】
パターンをデバイスの広い領域に拡張するとき、拡張に関する2つの異なる問題がある。ターゲットはアレイの前で直線的に移動するため、パターンのデータが十分に長く供給されると、パターンがターゲット全体に亘る可能性がある。パターンがアレイよりも広い場合、複数のパスが必要になり、前のストライプと一致するようにアレイをアライメントする際に問題が発生する。他の理由からナノメートル単位の正確なアライメントが望ましい一方で、エラーの可能性を減らすために、パス同士の間のスティッチング領域は低解像度のフィーチャで描画される場合がある。
【0100】
ターゲットが丸い場合、エッジ領域を埋める特別なパターンを設計することもでき、それにおいて曲線が長方形を使用するのを制限し得るが、これらのパターンは長方形に限定されない。これらには、例えば、ターゲットの中央領域に大きい方のデバイスを投影し、同じターゲットで生成される小さい方のデバイスに、マージンを分割することを含み得る。
【0101】
図示のように、光電陰極及び電子ビームは、エリア充填結果をターゲット908に転送するために、注意深く正確に静止状態に保持することができる。電子ビームのグリッドは、ターゲット908がグリッドに対してごくわずかな角度で移動方向904に輸送されるときに、グリッドでターゲット908に投影され得る。この角度は、ビームがターゲット908の異なるラスタライン910をトレースするように選択される。必要な速度、解像度、及び冗長性のトレードオフに応じて、1つのラスタを描画するために1つ、2つ、またはそれ以上のビームを配置することが可能である。ラスタライン910は、ターゲット908の平面全体をカバーするように配置されてもよいし、場合によっては、間に空間を有する線が好ましい場合もある。
【0102】
誘導機構902は、電子ビームがターゲット下を通過するとラスタライン910を描くことを可能にするように、支持ベース906がビームターゲット908を正確に滑らかに横方向に担持するように、移動方向904にて正確で安定した直線の並進をもたらせるように、構成することができる。場合によっては、輸送または誘導機構902は、ターゲット908の正確な高さ及び温度制御をもたらすものとする。少なくともいくつかの態様で、輸送が正確かつスムーズであることが重要である。ターゲット位置をソースビーム変調と同期させるためのナノメートルスケールの位置合わせには、フィードバックが利用される。フィードバック機構は、例えば、ターゲット908の位置合わせマーカーを監視し、ソースのパターンを同期させて、ターゲット908の実際の進行速度に位置合わせされたままにする投影チャンバ内の光学システムを含むことができる。
【0103】
図10は、少なくとも1つの実施形態による、複数の同時的投影1000の例を示している。いくつかの例では、
図8を参照して上述したように、投影システム800により、投影1000及び/または光源1002の配置及び構成が、生成及び/または実施され得る。
【0104】
本明細書に記載のシステム及び技術によって提供されるような、電子リソグラフィで実現可能な解像度でチップに搭載可能な膨大な数の回路要素が存在する。例えば、パターンが10nmの正方形で描かれている場合、ターゲットの1平方センチメートルごとに1兆個の要素が描かれる。1秒あたり1平方センチメートルの描画には、1秒あたり1兆ピクセルの変調が必要である。交互の線を露光するなどの一部のパターンは、空間を埋めないラスタでより効率的に描画される場合があるが、一般に、ピクセルの変調速度は非常に高速である。
【0105】
説明した電子リソグラフィシステムの、この増加した速度性能に対処するために、2つ以上のプロジェクタ1002を配置して、同じターゲットアレイに焦点を合わせる光路1004を共有することができる。ここに示されている方法は、チルトシフト変調器プロジェクタを使用することである。この場合、2台のプロジェクタのセットを並べて配置し、別の2台をその前に配置して、すべてが同じ中間光学系(例えば、フライアイ中間光学系)1006に投影するように配置できる。例えば、パターン生成で4つのプロジェクタを交代で使用する場合、それらのSLMパターンが読み込まれ、SLMの準備が整うと各々からフラッシュでパターンが露光される。フラッシュは、ターゲットの動きによるブレを避けるために非常に短くなるため、繰り返し間隔は、多くのプロジェクタが順番にフラッシュするのに十分な長さになる。この例では、4つのプロジェクタを使用するため、変調速度は4倍になる。最新のソリッドステートの光源は、サブマイクロ秒の持続時間で強烈なフラッシュを生成でき、光電陰極の応答時間はナノ秒のオーダーであるため、これらの記載の技術を使用して、プロジェクタの数を、4をはるかに超える数に増やすことができる。いくつかの態様では、各プロジェクタは、合計で8つのパターン光源に対して光の極性が交差する2つのSLMを使用することができる。
【0106】
フライアイレンズの面に示されているように、ピクセルパターンがアライメントする。すべてのプロジェクタが同じピクセルのセットにマッピングされ、各プロジェクタが異なる時間にフラッシュで照らされ得るため、一連のフラッシュが組み合わされて、各ピクセルでより高速なデータレートになるようにする。このピクセル平面は、ここでの各ピクセルが光電陰極の指定されたピクセル位置に対応するように、光電陰極に投影される。
【0107】
複数の光源を重ね合わせて共有の光学面及びピクセルアレイに投影するための説明された技術を使用して変更できる他の構成が存在する。例えば、偏光ミラーは2つの偏光源(1つは透過、もう1つは反射)を共有する経路に結合することができる。または、焦点が合っていない面にある複数セグメントの傾斜モザイクは、複数のソースを同じパスに結合することができる。これらの技術はすべて、電力を幾分浪費し得るが、必要な光学系の強度は簡単に得られ、これは、各フラッシュが光電陰極でわずか数十ミリワットを供給する一方で、数ワットの供給源が容易に利用できる必要があるためである。
【0108】
最終的に、ターゲット上のビームの出力強度が上昇すると、変調速度の限界が、ターゲットを一定の寸法に維持するという問題によって、設定され得る。より高い出力をターゲットの輸送として使用することができ、取り付けることにより寸法の安定性が上がる。
【0109】
図11は、少なくとも1つの実施形態によるチャネルアレイ1100の例を示す。チャネルアレイ1100は、いくつかの例では、
図2、4、及び5を参照して上述したように、チャネルアレイ220、及び/またはアレイ400及び500の代わりに使用されてもよいし、チャネルアレイ220、及び/またはアレイ400及び500の例であってもよい。
【0110】
場合によっては、チャネルアレイ1000は、PEECAA組立体200などの機械で正確にアライメントするように最初に調整可能である必要があり、その後、操作中にサイズを変更しないようにする必要がある。これを達成する1つの方法は、アセンブリ200に関して上述したマウント204、206などの正確に配置された安定したアセンブリマウントによって張力下に保持されたコンプライアントグリッドを用いることである。一例では、グリッドは、チャネルを歪めることなく順応性がある(わずかに伸縮性がある)ようにし得、周囲のアセンブリを一定に保ち、アレイを一定のサイズで張力下に保持するように設計できる。
【0111】
図示のように、パターンは、円形の電子ビームチャネル1104の間で、アレイ構造1102に楕円形の放出空隙1106をエッチングすることを示す。空隙1106は、向きを交互に変えて、張力を変化させると、チャネルを歪ませるのではなく、チャネル上で回転が生じるようにする。実際には、張力は最小限に抑える必要がある。これは、アレイ全体にいずれかの不均一性があると、伸張が不均一になり、理想的な位置からナノメートル離れてしまう可能性があるためである。
【0112】
図12は、少なくとも1つの実施形態による、定出力照明をもたらすためにミラーを利用する例示的な光学システム1200を示す。いくつかの例では、光学システム1200は、
図8を参照して上述したように、光学パターン生成器及びプロジェクタシステム800で使用されるか、またはその一部を形成することができる。さらにいくつかの例では、システム1200は、上述のようにPEECAA200、電子ビームチャネルアレイ400、500、いくつかの電子ビームチャネル300、及び/または上述の投影システム800と共に使用し、また上述のように既存のリソグラフィシステムに伴う問題の1つまたは複数に対処するリソグラフィシステムを形成し得る。
【0113】
いくつかの態様では、TI DLP 1202または他のミラー傾斜SLMの使用は、定出力照明をもたらす機会を提供する。定出力照明は、光電陰極とチャネルアレイのすべてのピクセルで熱的出力を均等化し、パターンの変化に伴う熱膨張の変化を低減または排除できる。
【0114】
一次照明1204は、光電陰極から電子を放出するのに適した光子エネルギーで色に設定することができる。第2の照明源1206は、電子放出を引き起こさないより低い光子エネルギーを有する色において設定することができる。しかしながら、第2の光源1206は、一次光源1204と同時にフラッシュすることができ、第2の光源1206は、一次光源1204と同様のエネルギーを供給するだけでなく、開口バリアとチャネルアレイに吸収された電子によって引き起こされるエネルギーと加熱とのバランスを取るように、より強力であってもよい。
【0115】
ミラーチルトSLMは、各ピクセルのミラー要素を、「オン」の角度と「オフ」の角度の間で切り替えることによって機能する。ミラー要素がオンの位置にあるとき、一次ビームは経路1208をたどってプロジェクタの出口1214に至る。ミラーのオンの傾斜とオフの傾斜の間と同じ角度だけ一次ビームからオフセットされている二次ビームは、この場合、プロジェクタ内のバリア1216で消滅する経路1212をたどる。
【0116】
逆に、要素ミラーが「オフ」の位置にある場合、一次照明は経路1210をたどって投影停止部1216で消されるが、今や二次的な光は主経路1208をたどり、プロジェクタ1214を出る。このように、ランプが点滅するとき、光電陰極は常に照明するが、色と強度が異なる場合がある。「オフ」のピクセルでは、光子が十分なエネルギーを担持しないため、光電陰極は電子を放出しないが、照明は一定の加熱を維持するのに十分なエネルギーを供給する。
【0117】
いくつかの態様では、ターゲットがアレイの下にないとき、例えば、アレイの下を移動する前または後に、さらにターゲットの一部がアレイの横を通過するときに、ターゲットがさらにエネルギーにさらされて、加熱が均一かつ一定に近接するようにすることができ、熱膨張を最小限に抑えることができる。
【0118】
この構成は、プロジェクタの正しい動作を監視するためにも使用できる。いくつかの例では、バリア位置1216で光センサを使用して、どのミラーが「オフ」の位置にあるかを監視し、これがデータパターンと同期して変化していることを確認することができる。いずれかの不一致は、機器を修理できるように、動作に問題があることを示す。いずれかのプロジェクタに障害が発生した場合、修理が行われるまで、機器はスループットを低下させて動作し続けることができる。N個のプロジェクタがある場合、データパターンは(N-1)個のプロジェクタを使用するように調整でき、ターゲットは(N-1)/Nの速度で移動でき、フラッシュは(N-1)回転で均等なタイミングで点滅する。プロジェクタの故障はまれであると予想されるが、このアプローチにより、交換または修理が予定されるまで運用効率を向上させることができる。
【0119】
いくつかの態様では、記載されたシステム及び技法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る。これらの特徴の様々な組み合わせが本明細書で完成されること、及び特徴の組み合わせを含むことを示す文言は、これらの特徴が組み合わせて動作して本明細書で説明される1つまたは複数の利点を提供することの要件ではないことを理解されたい。
【0120】
1.一例では、光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリは、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。背面照射型光電子放出陰極(光電陰極);電子光学系を備えたビームチャネルのアレイが光電陰極の前に配置され、各ピクセルが光電陰極の前のビームチャネルとアライメントするように、ピクセル化したパターンが陰極の背面から投影され、光電陰極は、生成される電子ビームの配置またはアライメントが交換によって変化しないように、均一な表面を備えた迅速に交換可能である。場合によっては、ビームチャネルアレイの第1の部分であるグリッドが動作中に光電陰極と接触するように移動し、この場合、グリッドは陰極面に平行であるが分離されたバリアを低い正の電圧でサポートし、電子が陰極からその先のビームカラムに通過できるようにする開口を、バリアが含む。さらに場合によっては、バリアに隣接するビームカラムのアレイは、各開口と正確にアライメントされたビームカラムを含み、開口がカラムに入る電子に対して正確に配置されたソースを設ける。さらに場合によっては、ビームカラムの1つまたは複数が電子レンズを含み、開口からの電子がカラムの軸に沿って通過し、レンズによって集束されるようにする。カラムは、ビーム分離として機能する支持壁を共有して、密集して隣接して詰め込むことができ、カラムは、互いに同じ公称形状及び動作電圧を有する共有レンズ層を有している。場合によっては、生成されて各カラムに集束されるビームが1つだけになることがある。いくつかの態様では、ビームは、開口からレンズ出口までの長さが1ミリメートル未満であり得、及び/またはビームのアレイは、レンズから出た後、均一な距離に集束する。場合によっては、電子レンズの後でカラムごとのビームステアリングが発生しない。いくつかの例では、すべてのビームが実質的に平面のターゲットの表面に集束するように、ターゲットは平行に保持される。いくつかの態様では、アセンブリ全体が、平均の経路の長さが光電陰極からターゲット表面までの距離よりも長い高次の真空で動作される。
【0121】
2.陰極の電子放出表面が、陰極とチャネルアレイとの間のペリクルによって保護され、前記ペリクルは、チャネルアレイの電子光学系と適合する低い電圧でそれを通過する電子の大部分を伝送することができる、(1)の要素。
【0122】
3.ペリクルが開口バリア上に支持され、ペリクルを陰極面に対して好ましい距離及び電圧に維持する、(2)の要素。
【0123】
4.部分またはアセンブリ全体が取り外され、正確に同等のものと交換され得、交換が容易かつ正確に配置及びアライメントされるように、ビームアレイがアセンブリ内で設計され、そのサイズが張力や温度などの手段によって調整され、他の同等のアセンブリの配置、アライメント、及びサイズと正確に一致する(1)の要素。
【0124】
5.ターゲットは、ターゲット平面上でビームがラスタパターンをトレースするよう、ビームのアレイの軸に対して小さな角度でビームの焦点と一致する平面で、安定した均一な直線方向に移動する、(1)の要素。
【0125】
6.開口が、特定のクラスのパターンの投影に最適な、円、楕円、正方形、または長方形などの形状を有することができる、(5)の要素。
【0126】
7.光電陰極面の仕事関数よりも大きい光子エネルギーを持つ狭いスペクトルの光源を使用して、エネルギーの限られた小さな変動で光電子が放出され、よりシャープなフォーカスとよりシンプルなカラムの設計を可能にする、(1)の要素。
【0127】
8.電子が放出されないように、光電陰極面の仕事関数よりも小さい光子エネルギーを有する第2の色の光を使用し、前記光は、現在電子を放出していないピクセルを照らすために使用され、アクティブなパターンに関係なく、デバイスの温度がより均一になるようにする、(1)の要素。
【0128】
9.例えば、ピクセルの電子ビーム強度を測定できるテストターゲットとテストパターンを使用して、アセンブリの使用期間に亘って規則的な間隔で個々のピクセルでの電子出力の測定と組み合わされ、光電陰極、アレイアセンブリ、またはその両方の交換を検出またはスケジュールする、(1)の要素。
【0129】
10.ピクセルのパフォーマンスが時間の経過と共に変化するのであっても、すべてのピクセルに亘ってアレイからの均一な出力を維持し、アレイの信頼性の高い動作を拡張するために、定期的な間隔でのピクセル電子出力の測定に基づいて各ピクセルに供給される光の強度の変調と組み合わされる、(1)の要素。
【0130】
11.300ケルビン未満の温度での光電陰極の動作との組み合わせにより、光電陰極の動作寿命と安定した出力が延長される、(1)の要素。
【0131】
12.光電陰極と同じバンドギャップを持つ整合光源 が光電陰極よりも低い温度で動作し、効率的な光電子放出のためにその光子がより短い波長で放出される、(11)の要素。
【0132】
13.チャネルアレイなどのアセンブリの要素が、アセンブリ全体とその中の要素の真の正確な位置と向きを確立するために、テストと生産の両方で測定または観察できるアライメント機能を含む、(1)の要素。
【0133】
14.正確で再現性のある製造が、アセンブリに組み込まれたアライメント機能に関連するアセンブリの集合特性の特徴付けと組み合わされているため、生産で使用される場合、生産機械がバリエーションに効率的に適応して、パターンが必要な正確なターゲット位置に投影されるようにすることができる、(13)の要素。
【0134】
15.生産環境が真空中で動作するサポートシステムを含み、アセンブリを挿入または取り外し、その後保持し、その位置を正確に調整して、生産機械内のアレイの正確な位置と向きを達成することを可能にし、これらの調整を行うアクチュエータは、アレイ上のアライメント機能の測定によって導かれる信号の制御下にある、(13)の要素。
【0135】
16.電子ビームチャネルのアレイが、平坦なデバイス全体に均一に、耐熱性、絶縁性、抵抗性、または導電性材料を交互に繰り返し積層することによって製造され、層の厚さは、チャネルのアレイが、正確なレイアウトに従って、デバイスの平面に垂直に層を介してエッチングまたはドリルされると、その結果、各チャネルには交互の材料の壁があり、適切な電圧が印加されると、チャネルの軸に沿って、またはその近くを通過する電子ビームを集束できるビームチャネル壁及び電子光学系として作用する、(1)の要素。
【0136】
17.チャネルエッチングの単一ステップでは得られない所望のチャネル直径プロファイルを得るのに役立ち得る層形成及びエッチングの複数のステップと組み合わされる、(16)の要素。
【0137】
18.正確かつ均一に各チャネルの軸に合わせる、アライメントされる所望の形状の制限された開口を形成するために、各チャネルへの入口地点またはその近くで耐火材料の1つまたは複数の層をパターン化及びエッチングするステップと組み合わされる、(16)の要素。
【0138】
19.別個に形成され、パターン化されたグリッド、バリア、開口、及びペリクルがビームチャネルアレイと一緒になって正確にアライメントされ、使用中に取り付けられ得る、(16)の要素。
【0139】
20.異なる色の2つの光源を有する構造化された光変調器と組み合わされ、1つは光電陰極から光電子を放出するのに必要なエネルギー以上の光子エネルギーを有するもの、及び光電子を放出するのに十分なエネルギーを有さない放出光子であり、ピクセルがアクティブである必要があるときに高エネルギーの光子がピクセルに供給され、ピクセルが非アクティブのときに低エネルギーの光子が供給されるように配置され、投影されるパターンに関係なく、熱収支については、ピクセルがほぼ同じ熱収支と平衡温度を有する、(1)の要素。
【0140】
21.各々の色について、単一の変調器が一方の色または他方の色のいずれかを、それぞれアクティブなピクセルと非アクティブなピクセルについて送達するように、変調が傾斜ミラーを使用するか、または極性の変化を使用するかに応じて、異なる角度または極性を使用して単一のSCMに2つの色を提供する、(20)の要素。
【0141】
22.2つの色がそれぞれ別個のSCMによって投影され、相補的なパターンを生成する、(20)の要素。
【0142】
23.ターゲットがPEECAA受容パターンの下にあるか、または外側にあるかに関係なく、ターゲットが同様の熱入力を有するように、アクティブパターニングの領域の外側で温度制御をターゲットに提供することができ、したがってエネルギーバランスの変化による機械的な応力とサイズの変化を最小限に抑える、(1)の要素。
【0143】
24.ピクセルごとのレンズ(フライアイレンズ)のアレイが投影経路のある地点で使用され、各ピクセルがピクセルの中心の点焦点に凝縮される、(1)の要素。
【0144】
25.追加の光変調器が各プロジェクタで使用され、光電陰極での各ピクセルの光強度が変更されるため、平均的な電子生成がアレイ全体で均一になり、電子放出効率が光電陰極の動作中に変化するにつれて調整することができる、(1)の要素。
【0145】
26.複数のSLMを光学プロジェクタ内で組み合わせることができるため、ピクセルの同じセットにアライメントして、光源が各SLMに対して順番にフラッシュされ、各ピクセルの変調速度が、各SLMが自ら達成できるものよりも高くなる、(1)の要素。
【0146】
27.ピクセルサイズのレンズのアレイが投影経路のあるポイントで使用され、すべてのSLMとプロジェクタからの各同等のピクセルがピクセルの中心の同じ場所にある点焦点に凝縮される、(26)の要素。
【0147】
28.パターン全体を分割して適切なサブセットを各SLMに供給し、それらを同期してインターリーブされたピクセルを供給して、ピクセルの元の全体パターンがターゲット上で再作成されるコントローラを備えている、(26)の要素。
【0148】
29.障害のあるSLMはアイドル状態になり得、残りのSLMによってパターンが再分割されて、より遅いタイミングを使用して供給され、修理または交換が可能になるまで動作が継続されるような、冗長な動作を伴う(26)の要素。
【0149】
30.各SLMが、別個の交換可能なモジュール内にあり、速度と信頼性のために実質的に自動化された処理を行う、(26)の要素。
【0150】
31.真空中で動作する機構が、改修または廃棄のためにアンロードできる場所に配置される光電陰極及び基板のすべてまたは一部を除去し、その後、ローディングデバイスから交換用アセンブリを取り出し、真空チャンバ内で真空の質を損なうことなく、生産機械の所定の位置に挿入して、機械的プロセスを実行する、(1)の要素。いくつかの例では、機構は、回転アームマニピュレータを含み得る。並進運動は、光電陰極プレートの側面にあるハンドルまたは穴をつかむためにアームを伸ばす。次に、アームを引っ込めてプレートを取り出し、また回転して、アームが伸びるステージングエリアとアライメントして、使い果たしたプレートをエアロック内に積み重ねて後で取り外すことができるようにする。次に、アームが引き込まれ、新しいプレートがエアロックで配置されている別のステージングエリアへと回転し、伸張して次のプレートをつかむ。引き込み、回転してPEECAAに戻し、伸ばして新しいプレートをPEECAAに挿入し、グリップを放して引き込み、ターゲット輸送などの他の操作から離れた位置に回転し、次に必要になるまでそこに留まる。PEECAA内の調整により、グリップが光電面プレートを外す前に光電面プレートが緩み得、新しいプレートが挿入されると、PEECAAが周囲を締め付け、新しいプレートを正しい位置に調整する。入ってくるエアロックには、機能的な真空チャンバに入る前に、入ってくる部分が除染され、表面が新鮮であることを確実にするためのベークアウト及びクリーニング機能も含まれる場合がある。
【0151】
32.真空中で動作する機構が、改修または廃棄のためにアンロードできる場所に配置される電子ビームチャネルアレイとその付属構成要素を除去し、その後、ローディングデバイスから交換用アセンブリを取り出し、真空チャンバ内で真空の質を損なうことなく、生産機械の所定の位置に挿入して、機械的プロセスを実行する、(4)の要素。この機構は、窓に取り付けられたそのレセプタクル領域にPEECAAを取り外して挿入するための移動が、横に差し込むよりもむしろアセンブリをレセプタクルから垂直に持ち上げる必要があることを除いて、光電陰極と基板アセンブリを取り外して交換するための上記のメカニズムと同様であり得る。
【0152】
33.ターゲットの動きとビームアレイの形状の相対回転が、一緒に取られたすべてのビームがターゲット上で領域充填ラスタを形成するようなものである、(5)の要素。
【0153】
34.相対回転が2つ以上のビームが同じラスタラインをトレースでき、各ラスタ及び各ピクセルに冗長性及びより高い電力が適用されるようにする、(33)の要素。
【0154】
35.ターゲットの動きとビームアレイのジオメトリの相対回転、及びターゲット上のビームの焦点スポットサイズは、すべてのビームが一緒になって、ターゲットにラスタを形成し、線状パターンをより速く描画できるように、ラスタ間に露光されていない空間がある、(5)の要素。
【0155】
36.相対回転が2つ以上のビームが同じラスタラインをトレースでき、各ラスタ及び各ピクセルに冗長性及びより高い電力が適用されるようにする、(5)の要素。
【0156】
37.ターゲット材料に変化した物理、構造、または化学のパターンを形成するような方法で、電子に敏感な化学物質を有するターゲットに電子が投射され、ターゲットの化学物質または層がターゲットの電荷の蓄積を回避する、例えば、導電性レジストまたは導電性のオーバーコート膜を使用する、(1)の要素。
【0157】
38.ターゲット、アレイ、及び機械の他の部分にある参照マークの使用の可能性を含む、ターゲット及び電子ビームアレイの観察を利用して、ターゲットサポート機構を誘導して、ターゲットを、ラスタがターゲット上の必要な位置にアライメントするための正しい位置に保持するものとする、(1)の要素。
【0158】
39.ターゲット、アレイ、及び機械の他の部分の参照マークの使用の可能性を含む、ターゲット及び電子ビームアレイの観察を利用して、ピクセルパターンが生成される速度を調整するものとし、ターゲット内の対応する位置に供給される電子を変調する瞬間に、正しい値がピクセルに適用されるように生成される、(1)の要素。
【0159】
40.コンデンサや干渉観測などの距離検出デバイスを使用して、ターゲットサポート機構を調整し、ターゲットを電子ビームチャネルから正しい距離に保持して、正確に焦点を合わせる、(5)の要素。
【0160】
41.パターンは、ターゲットのすべての部分の個別のパターンまで、またはそれを含む任意のサイズにすることができる、(1)の要素。
【0161】
42.参照マークが電子ビームアレイの複数の平行パスを十分に正確にアライメントさせて、隣接する経路を単一の途切れのないパターンにつなぎ合わせることができるようにする、(41)の要素。
【0162】
43.電子が500eV未満のエネルギーでターゲットに衝突する、(1)の要素。
【0163】
44.光電陰極の慎重な測定が生産用に厳密な均一性基準を満たすものを選択し、生産機械に供給されたデータでこれらの制限内の変動を特徴付け、光電陰極が交換されたときにピクセルの位置または強度が実質的に再現可能である、(1)の要素。
【0164】
45.アセンブリを慎重に測定することが、厳密なアライメント基準を満たすものを製造用に選択し、アセンブリを交換したときに、ターゲット上の最終的な焦点が再現可能なアライメントで露光されるようにする、(4)の要素。
【0165】
他の変形は本開示の精神の中にある。したがって、開示された技術は様々な修正及び代替構造の影響を受けやすいが、その例示された特定の実施形態が図面に示され、上記に詳細に説明されている。しかしながら、開示された特定の1つ以上の形態に本発明を限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の主旨及び範囲内に含まれる全ての修正、代替構造、及び均等物を網羅する意図があることを理解されたい。
【0166】
本開示の実施形態は、以下の条項を考慮して記載することができる。
【0167】
1. 光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリであって、
均一な平坦な陰極面を有する背面照射型光電子放出陰極、及び
前記背面照射型光電子放出陰極の前記陰極面に近接するビームチャネルのアレイであって、前記背面照射型光電子放出陰極または前記ビームチャネルのアレイのうちの少なくとも1つが、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリから取り外し可能であり、
開口のグリッド、
複数のビームチャネル、及び
前記複数のビームチャネルの出口に近接する複数のレンズを含む共有レンズアレイであって、前記開口のグリッドの個々の開口が前記ビームチャネルアレイの個々のビームチャネルとアライメントして、前記背面照射型光電子放出陰極からの電子に前記ビームチャネルのアレイ及び前記共有レンズを通過させてピクセル化したパターンを形成させ、前記ターゲットへの露光時に、前記ピクセル化したパターンは前記ターゲットに永久的に形成される、前記共有レンズアレイ
を含む、前記ビームチャネルのアレイ、
を含む、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0168】
2. 前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネル及び前記複数のレンズの個々のレンズが、前記個々のビームチャネルに入る電子に対して正確に配置される供給源を設けるために、前記個々の開口と正確にアライメントされる、条項1に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0169】
3. 前記開口のグリッドが、前記陰極面に平行であるが分離されたバリアを通して形成され、前記バリアが低い正の電圧を有する、条項1または2に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0170】
4. 前記複数のビームチャネルの前記個々のビームチャネルは、支持壁を共有して互いに隣接して形成される、条項1~3のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0171】
5. 前記支持壁が少なくとも2つの層を含み、前記少なくとも2つの層のそれぞれが同じ公称形状及び同じ動作電圧を有する、条項4に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0172】
6. 前記複数のビームチャネルのそれぞれが電子レンズを備え、前記個々の開口からの電子が前記ビームチャネルを通過し、前記電子レンズによって集束される、条項1~5のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0173】
7. 前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリが、前記背面照射型光電子放出陰極から前記ターゲットへの距離よりも長い平均経路の長さを有する、高次の真空で動作する、条項1~6のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0174】
8. 前記背面照射型光電子放出陰極が、動作中に前記開口のグリッドに接触する、条項1~7のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0175】
9. 前記ビームチャネルのアレイの少なくとも一部に亘るペリクルをさらに備え、前記ペリクルは低電圧電子の伝送を可能にする、条項1~8のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0176】
10. 前記ペリクルが前記開口のグリッドに支持され、前記ペリクルを前記陰極面に対して一定の距離及び電圧に維持する、条項9に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0177】
11. 前記ビームチャネルのアレイに接続されたアライメント機構をさらに備え、前記アライメント機構は、前記ビームチャネルのアレイに張力を加えて、位置または温度の少なくとも1つにおいて前記ビームチャネルのアレイと前記背面照射型光電子放出陰極をアライメントする、条項1~10のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0178】
12. 前記開口のグリッドの個々の開口が開口の形状を備え、前記開口の形状が、円、楕円、正方形、または長方形のうちの1つを含み、前記開口の形状は、ピクセル化したパターンに基づいて選択される、条項1~11のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0179】
13. 前記電子ビームチャネルのアレイが、耐熱性、絶縁性、抵抗性、または導電性材料の複数の層を交互に使用して形成される、条項1~12のいずれかに記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0180】
14. 前記複数の層は、電圧が印加されると、前記複数のビームチャネルの個々を通過する電子を集束させる、条項13に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0181】
15. 前記開口のグリッドの個々の開口が、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルの前記入口地点またはその近くで、耐熱材料の1つまたは複数の層によって形成される、条項13または14に記載の光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ。
【0182】
16. リソグラフィシステムであって、
変調光源、
真空チャンバ、
前記変調光源の出力と前記真空チャンバとを光学的に結合する透明な平面窓、及び
前記透明な窓に取り外し可能に取り付けられ、前記真空チャンバの内部に含まれる光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリであって、
光電陰極と、
前記光電陰極に近接するビームチャネルのアレイであって、前記変調光源からの光に露出されると、前記光電陰極は、前記ビームチャネルのアレイの個々のビームチャネルを介して方向付けられる電子ビームを生成し、前記真空チャンバの内部に移動可能に配置された前記ターゲットにピクセル化したパターンを形成する、前記ビームチャネルのアレイと、
を備える、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ、
を備える、前記リソグラフィシステム。
【0183】
17. 前記真空チャンバ、前記透明な平面窓、または前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリのうちの少なくとも1つに結合されたアライメント機構をさらに含み、
前記前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリは、前記ターゲットに前記パターンを形成できるように、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ、前記光電陰極、前記ビームチャネルのアレイ、及び前記変調光源をアライメントする、条項16に記載のシステム。
【0184】
18. 前記アライメント機構が、前記透明な平面窓、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリ、前記光電陰極、及び前記ビームチャネルのアレイのうちの少なくとも2つに、基準マークまたは物理的リミッタのうちの少なくとも1つを備える、条項17に記載のシステム。
【0185】
19. 前記ビームチャネルのアレイによって出力されたビームが実質的に前記ターゲットの表面に集束するように、前記ターゲットを前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリに平行に移動可能に配置するターゲット誘導機構をさらに備える、条項16~18のいずれかに記載のシステム。
【0186】
20. 前記ターゲット誘導機構は、前記ビームが前記ターゲットでラスタパターンをトレースするように、前記ビームチャネルのアレイによって出力される前記ビームの軸に対して小さい角度で均一な直線方向に前記ターゲットを移動させる、条項19に記載のシステム。
【0187】
21. 前記変調光源が、前記光電陰極の仕事関数より大きい光子エネルギーを有する狭いスペクトルの光源を含む、条項16~20のいずれかに記載のシステム。
【0188】
22. 前記変調光源が第1の色出力及び第2の色出力を生成し、
前記第1の色出力は、光電子を前記光電陰極から放出するのに必要なエネルギー以上の光子エネルギーを有し、
前記第2の色出力は、光電子を前記光電陰極から放出するのに必要なエネルギーより小さい光子エネルギーを有し、前記第1の色出力及び前記第2の色出力は、前記ターゲットに亘り実質的に均一な温度を維持する、条項16~21のいずれかに記載のシステム。
【0189】
23. フィードバック機構をさらに備え、前記フィードバック機構は、前記ピクセル化したパターンの個々のピクセルの電子出力レベルを検出し、少なくとも1つの閾値と比較して、前記光電子エミッタ及びチャネルアレイアセンブリまたは前記光電陰極のうちの少なくとも1つに交換する必要であるかどうか判定する、条項16~22のいずれかに記載のシステム。
【0190】
24. 前記変調光源が、異なる角度または極性を使用して第1の光出力及び異なる第2の光出力をもたらす単一の空間光変調器を備える、条項16~23のいずれかに記載のシステム。
【0191】
25. 前記変調光源が、第1の光出力及び異なる第2の光出力をもたらす2つの空間光変調器を備える、条項16~24のいずれかに記載のシステム。
【0192】
26. 前記変調光源が複数の空間光変調器を備え、
前記複数の空間光変調器が前記ピクセル化したパターンのピクセルの少なくとも第1のグループに向けられ、
前記複数の空間光変調器は、少なくとも前記第1のピクセルグループに対して増加した変調速度を生成するために異なる時点で活性化される、条項16~25のいずれかに記載のシステム。
【0193】
27. モジュール式リソグラフィシステムであって、
電子供給源、及び
前記電子供給源とアライメントされたビームチャネルのアレイであって、
開口のグリッド、
複数のビームチャネル、及び
前記複数のビームチャネルの出口に近接する複数の均一のレンズを含む共有レンズアレイであって、前記開口のグリッドの個々の開口は、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルとアライメントして、前記電子供給源からの電子が前記ビームチャネルのアレイ及び前記共有レンズアレイを通過してピクセル化したパターンを形成することを可能にし、前記ターゲットへの露光時に、前記ピクセル化したパターンが前記ターゲットに形成される、前記共有レンズアレイ、
を含む、前記ビームチャネルのアレイ、
を含む、前記モジュール式リソグラフィシステム。
【0194】
28. 前記ビームチャネルのアレイを前記ターゲットと取り外し可能にアライメントするアライメント機構をさらに備え、前記アライメント機構は、前記複数のビームチャネルを前記ターゲットから1mm以内にアライメントする、条項27に記載のシステム。
【0195】
29. 前記アライメント機構が、前記ビームチャネルのアレイを前記電子供給源と取り外し可能にアライメントする、条項27または28に記載のシステム。
【0196】
30. 前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルは、多層構造で均一に形成され、前記ピクセル化したパターンを形成するためにビームステアリングが必要ないように、前記共有レンズとアライメントされる、条項27~29のいずれかに記載のシステム。
【0197】
31. 前記複数のビームチャネルのそれぞれに、実質的に均一な電圧が供給される、条項27~30のいずれかに記載のシステム。
【0198】
32. 前記ビームチャネルのアレイは、交換可能なモジュール式ユニットを備える、条項27~31のいずれかに記載のシステム。
【0199】
33. 前記開口のグリッドの個々の開口の第1の部分が第1の形状を含み、前記開口のグリッドの個々の開口の第2の部分が第2の形状を含む、条項32に記載のシステム。
【0200】
34. 前記開口のグリッドの個々の開口が第1の形状を含み、前記システムは、ビームチャネルの第2のアレイをさらに含み、前記ビームチャネルの第2のアレイの前記開口のグリッドの個々の開口が第2の形状を含む、条項32または33に記載のシステム。
【0201】
35. ビームチャネルの第2のアレイをさらに含み、複数のビームチャネル、前記ビームチャネルのアレイの少なくとも1つの寸法、または前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネル間の間隔のうちの少なくとも1つが、前記ビームチャネルのアレイと前記ビームチャネルの第2のアレイとの間で変化する、条項32~34のいずれかに記載のシステム。
【0202】
36. 前記電子供給源が背面照射型光電子エミッタ面であり、個々のビームチャネルが、前記個々のビームチャネルとアライメントして集束された個々の光ビームとアライメントし、前記複数のビームチャネルが個別に変調される、条項27~35のいずれかに記載のシステム。
【0203】
37. 前記ビームチャネルのアレイが少なくとも1つの平面を含み、前記平面が前記背面照射型光電子エミッタ面と取り外し可能に係合する、条項36に記載のシステム。
【0204】
38. 前記背面照射型光電子エミッタ平面は、前記ビームチャネルのアレイとは別個の個別の交換可能なユニットを含み、前記背面照射型光電子エミッタ平面は、前記ビームチャネルのアレイに隣接して配置される、条項36または37に記載のシステム。
【0205】
39. 前記背面照射型光電子エミッタ平面は、前記ビームチャネルのアレイに直接結合される、条項27~38のいずれかに記載のシステム。
【0206】
40. 前記ビームチャネルのアレイが、前記複数のビームチャネルに亘って配置されたペリクル層を備え、前記ペリクル層が、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルを通って汚染物質が流れるのを防止する一方で、前記電子のかなりの部分が前記ペリクル層を通過することを可能にする、条項27~39のいずれかに記載のシステム。
【0207】
41. モジュール式ビームチャネルであって、
開口のグリッド、
複数のビームチャネルであって、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルが多層構造で均一に形成され、前記複数のビームチャネルのそれぞれに実質的に均一な電圧が供給される、前記複数のビームチャネル、及び
前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルの出口とアライメントされる複数の均一のレンズを含む共有レンズアレイであって、前記開口のグリッドの個々の開口は、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルとアライメントして、電子が前記ビームチャネルアレイ及び前記共有レンズアレイを通過してピクセル化したパターンを形成することを可能にし、前記ターゲットへの露光時に、前記ピクセル化したパターンが前記ターゲットに形成される、
前記共有レンズアレイ、
を備える、前記モジュール式ビームチャネル。
【0208】
42. 前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネル及び前記複数のレンズの個々のレンズが、前記個々のビームチャネルに入る電子に対して正確に配置された供給源を設けるように、前記個々の開口と正確にアライメントされる、条項41に記載のモジュール式ビームチャネルアレイ。
【0209】
43. 前記ビームチャネルのアレイを前記ターゲットと少なくとも部分的に取り外し可能にアライメントするアライメント機構をさらに備える、条項41または42に記載のモジュール式ビームチャネルアレイ。
【0210】
44. 少なくとも1つの平面をさらに含み、前記平面が背面照射型光電子エミッタ面と取り外し可能に係合する、条項41~43のいずれかに記載のモジュール式ビームチャネルアレイ。
【0211】
45. 前記複数のビームチャネルに亘って配置されたペリクル層をさらに備え、前記ペリクル層が、前記複数のビームチャネルの個々のビームチャネルを通って汚染物質が流れるのを防止する、条項41~44のいずれかに記載の取り外し可能なモジュール式ビームチャネルアレイ。
【0212】
46. 照明された光電子エミッタ面をさらに備える、条項41~45のいずれかに記載の取り外し可能なモジュール式ビームチャネルアレイ。
【0213】
開示された実施形態を説明することに関連する(特に以下の特許請求の範囲に関連する)用語「a」及び「an」及び「the」ならびに同様の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈するべきである。同様に、用語「または」の使用は、明示的にまたは文脈的に矛盾しない限り、「及び/または」を意味すると解釈するべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」は、特に記載がない限り、無制限型用語(すなわち、「限定ではないが、~を含む(including,but not limited to)」を意味する)と解釈するべきである。用語「接続された(connected)」は、修飾されておらず、物理的接続に言及しているとき、介在する何らかのものがある場合でさえも、部分的にまたは全体的に内部に含有される、取り付けられる、または一緒に結合されると解釈するべきである。本明細書の値の範囲の記述は、本明細書に別段の指示がない限り、単に、範囲内に含まれるそれぞれの別個の値を個々に指す簡潔な方法としての役割を果たすことが意図され、それぞれの別個の値は、本明細書に個々に記述されるかのように本明細書に組み込まれる。用語「セット」(例えば、「アイテムのセット」)または「サブセット」の使用は、特に記載がない限り、または文脈的に矛盾しない限り、1つ以上の要素を含む非空の集合と解釈するべきである。さらに、特に記載がない限り、または文脈的に矛盾しない限り、対応するセットの用語「サブセット」は、必ずしも、対応するセットの適切なサブセットを示すわけではないが、サブセット及び対応するセットが等しくなり得る。語句「~に基づいて」の使用は、特に明示的に記載されないまたは文脈から明らかでない限り、「~に少なくとも部分的に基づいて」を意味し、「~だけに基づいて」に限定されない。
【0214】
「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」(すなわち、オックスフォードコンマの有無にかかわらず同じ語句)という形式の語句等の接続語は、具体的に明記されていない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、項目、用語等が、AもしくはBもしくはCのいずれか、A及びB及びCのセットのいずれかの非空サブセット、または少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、もしくは少なくとも1つのCを含有する文脈的に矛盾しない、またはそうでなければ除外されないいずれかのセットであり得ることを提示するために一般に使用される文脈内で別途理解される。例えば、3つの要素を有するセットの説明に役立つ例は、接続語句「A、B、及びCの少なくとも1つ」及び「A、B及びCの少なくとも1つ」は、{A}、{B}、{C}、{A,B}、{A,C}、{B,C}、{A,B,C}のセットのいずれかを指し、明示的または文脈的に矛盾しない場合、サブセットとして{A}、{B}、及び/または{C}を有するいずれかのセット(例えば、複数の「A」を有するセット)を指す。したがって、係る接続語は、概して、特定の実施形態が、Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つがそれぞれ存在することを要することを意味することを意図しない。同様に、「A、B、またはCの少なくとも1つ」及び「A、BまたはCの少なくとも1つ」等の語句は、「A、B、及びCの少なくとも1つ」と同じことを指し、「A、B及びCの少なくとも1つ」は、異なる意味が明示的に記載されないまたは文脈から明らかでない限り、{A}、{B}、{C}、{A,B}、{A,C}、{B,C}、{A,B,C}のセットのいずれかを指す。さらに、特に記載がない限り、または文脈的に矛盾しない限り、用語「複数(plurality)」は、複数である状態を示す(例えば、「複数(plurality)の項目」は複数(multiple)の項目を示す)。複数の項目の数は少なくとも2つであるが、そのように明示的または文脈的のいずれかで示されるとき、2以上になり得る。
【0215】
本明細書に説明されるプロセスの動作は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、いずれかの適切な順序で行うことができる。ある実施形態では、本明細書に説明されるプロセス(またはその変形形態及び/またはその組み合わせ)は、実行可能命令で構成される1つ以上のコンピュータシステムの制御下で行われ、1つ以上のプロセッサでハードウェアまたはそれらの組み合わせによりまとめて実行するコード(例えば、実行可能命令、1つ以上のコンピュータプログラム、または1つ以上のアプリケーション)として実装される。ある実施形態では、コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形式で、コンピュータ可読記憶媒体に記憶される。ある実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり、これは、一時的信号(例えば、伝播する一時的な電気的伝送または電磁的伝送)を除外するが、一時的信号のトランシーバ内に非一時的データ記憶回路(例えば、バッファ、キャッシュ、及びキュー)を含む。ある実施形態では、コード(例えば、実行可能コードまたはソースコード)は、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されたとき(すなわち、実行された結果を受けて)、コンピュータシステムに本明細書に説明される動作を行わせる実行可能命令を記憶した1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットに記憶される。ある実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットは複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の個々の非一時的記憶媒体のうちの1つ以上がコードの全てを欠いている一方、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体はコードの全てをまとめて記憶する。ある実施形態では、実行可能命令は異なる命令が異なるプロセッサによって実行されるように実行される。例えば、ある実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が命令を記憶し、メインCPUが命令の一部を実行する一方、グラフィックプロセッサユニットは他の命令を実行する。別の実施形態では、コンピュータシステムの異なるコンポーネントは別個のプロセッサを有し、異なるプロセッサは異なる命令のサブセットを実行する。
【0216】
したがって、ある実施形態では、コンピュータシステムは、本明細書に説明されるプロセスの動作を、単独でまたはまとめて行う1つ以上のサービスを実施するように構成され、係るコンピュータシステムは、動作の実行を可能にする適切可能なハードウェア及び/またはソフトウェアで構成される。さらに、本開示の実施形態では、コンピュータシステムは単一のデバイスであり、別の実施形態では、分散コンピュータシステムが本明細書に説明される動作を行い、単一のデバイスが全ての動作を行わないように異なって動作する複数のデバイスを備える分散コンピュータシステムである。
【0217】
本明細書に提供されるいずれかの例及び全ての例または例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、単に本発明の実施形態をより良く明らかにすることを意図したものにすぎず、別段の請求がない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、請求されていない要素が本発明の実施に必須であると示すものと解釈するべきではない。
【0218】
本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の形態を含む本開示の実施形態は本明細書に説明される。それらの実施形態の変形形態は、前述の説明を読むと当業者に明らかになり得る。本発明者らは、必要に応じて、当業者が係る変形形態を使用することを予想しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載されている以外にも、本開示の実施形態を実施することを意図したものである。したがって、本開示の範囲は、適用法で認められた本明細書に添付された特許請求の範囲に記載される主題の全ての修正及び均等物を含む。さらに、上記の要素のあらゆる可能な変形形態のいずれかの組み合わせは、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈的に明らかに矛盾しない限り、本開示の範囲に包含される。
【0219】
本明細書で引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個別に及び具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】