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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】搬送装置および搬送プロセス
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/86 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
B65G47/86 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569064
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 IB2021056713
(87)【国際公開番号】W WO2022023928
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】102020000018820
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592033493
【氏名又は名称】ジ・ディ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビオンディ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】カヴァッツァ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ザネッティ,ウンベルト
(72)【発明者】
【氏名】カンパニョーリ,エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ジガンテ,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ノフェリーニ,ジャコモ
(72)【発明者】
【氏名】ダケッシアン,クリスティアン
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA02
3F072GF01
3F072KC01
3F072KC06
(57)【要約】
物品(10)のための装置(200)および搬送プロセス(200)において、物品は、その形状および把持の方法にかかわらず、把持デバイスで把持する際に破損を受ける危険性がなく搬送される。該装置(200)は、少なくとも1つの第1の移送デバイスと、少なくとも1つの第2の移送デバイスと、を備える。少なくとも1つの第1の移送デバイスは、特にペンチ型である複数の把持デバイス(1,5)を有し、第1の閉じた経路に沿って移動可能であり、把持デバイス(1,5)の各々は、第1の閉じた経路から外向きに突出するペンチ爪部(11)を有し、ペンチ爪部(11)は、1つまたは複数の物品(10)を移送する把持位置から解放位置へ移動可能である。少なくとも1つの第2の移送デバイスは、物品(10)を受け取るのに適した第2の閉じた経路に沿って移動する複数のトレイ状の要素(2)を有する。第1の移送デバイスと第2の移送デバイスは、1つまたは2つの交換セグメント(D,E,F)において互いに協働し、第1の閉じた経路は、第2の閉じた経路上に重なり、把持デバイス(1,5)内を移送された物品(10)は、対応するトレイ状の要素(2)に置かれるか、そこから取り出される、
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(10)のための搬送装置(200)であって、
・ 特にペンチ型である複数の把持デバイス(1,5)を有する少なくとも1つの第1の移送デバイスであって、第1の閉じた経路に沿って移動し、前記把持デバイス(1,5)の各々は、前記第1の閉じた経路から外向きに突出するペンチ爪部(11)を有し、前記ペンチ爪部(11)は、1つまたは複数の前記物品(10)を移送する把持位置から解放位置へ移動可能である、少なくとも1つの第1の移送デバイスと、
・ 前記物品(10)を受け取るのに適した第2の閉じた経路に沿って移動する複数のトレイ状の要素(2)を有する少なくとも1つの第2の移送デバイスと、
を備え、
前記第1の移送デバイスと前記第2の移送デバイスは、1つまたは2つの交換セグメント(D,E,F)において互いに協働し、前記第1の閉じた経路は、前記第2の閉じた経路上に重なり、前記把持デバイス(1,5)内を移送された前記物品(10)は、対応する前記トレイ状の要素(2)上に置かれるか、そこから取り出される、
搬送装置(200)。
【請求項2】
前記第1の閉じた経路は、円形の経路である、請求項1に記載の搬送装置(200)。
【請求項3】
前記第1の移送デバイスは、カルーセル型の搬送ホイール(146,148)を備え、前記搬送ホイール(146,148)は、第1のドラムを備え、前記第1のドラムの周縁部上に一連の前記把持デバイス(1,5)が配置され、前記ペンチ爪部(11)は、前記円形の経路に対して実質的に半径方向に沿って外向きに突出する、請求項2に記載の搬送装置(200)。
【請求項4】
前記第2の閉じた経路は、円形の経路である、請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送装置(200)。
【請求項5】
前記第2の移送デバイスは、カルーセル型の搬送ホイール(147)を備え、前記搬送ホイール(147)は、第2のドラムを備え、前記第2のドラムの周縁部に一連の前記トレイ状の要素(2)が配置される、請求項4に記載の搬送装置(200)。
【請求項6】
前記ペンチ型デバイス(1,5)の各々は、
・ 互いに協働する1対の把持爪部(11)であって、前記把持爪部(11)の各々は、近位端部(12)と、遠位端部(13)と、把持縁部(14)と、所定の方向(X1)に沿った長手方向の展開部と、を有し、前記把持縁部(14)は、他方の前記把持爪部(11)の把持縁部(14)に対向し、前記所定の方向(X1)は、把持平面を画定する、1対の把持爪部(11)と、
・ 少なくとも1つの回転式アクチュエータを備える駆動機構であって、前記回転式アクチュエータは、前記近位端部(12)に接続され、前記把持爪部(11)を、回転軸(X2)を中心に、把持位置から解放位置へ回転させるように設けられる、駆動機構と、
を備え、
前記回転軸(X2)と前記所定の方向(X1)は、互いに実質的に平行であり、前記把持位置において、前記把持縁部(14)は、その間に、前記解放位置に向けて増大する最小間隔を有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の搬送装置(200)。
【請求項7】
前記把持爪部(11)の各々は、他方の前記把持爪部(11)とは反対方向に回転する、請求項6に記載の搬送装置(200)。
【請求項8】
前記把持爪部(11)の各々は、下方にシフト回転する、請求項7に記載の搬送装置(200)。
【請求項9】
前記ペンチ型デバイス(1,5)の各々は、前記第1の閉じた経路から外向きに突出するラインに沿って配置された2つ以上の前記物品(10)を把持および解放するように設けられ、前記トレイ状の要素(2)は、対応する2つ以上の座部を備え、前記座部の各々は、1つの前記物品(10)を受け取るのに適しており、単一の前記交換セグメントまたは複数の前記交換セグメント(D,E,F)において、協働する前記把持デバイス(1,5)上の前記物品(10と整列して平行である、請求項1~8のいずれか1項に記載の搬送装置(200)。
【請求項10】
前記トレイ状の要素(2)の各々は、所定の位置において1つの前記物品(10)のための支持座部を画定する1つまたは複数の凹部(3)を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の搬送装置(200)。
【請求項11】
前記トレイ状の要素(2)は、垂直方向軸を中心に回転する部材(4)上に取り付けられ、前記交換セグメント(D,E,F)における前記トレイ状の要素(2)のそれぞれの前記支持座部は、前記第2の閉じた経路に実質的に垂直な方向に沿って整列され、前記第2の閉じた経路に実質的に平行な方向または接線方向に回転可能である、請求項9または10に記載の搬送装置(200)。
【請求項12】
前記交換セグメント(D,E,F)における前記トレイ状の要素(2)のそれぞれの前記支持座部は、前記第2の閉じた経路に対して半径方向および円周方向に整列するように回転される、請求項3または11に記載の搬送装置(200)。
【請求項13】
前記トレイ状の要素(2)の各々は、独立したリフト機構を備え、前記交換セグメント(D,E,F)において、前記トレイ状の要素(2)は、前記把持デバイス(1,5)に向けて並進される、請求項1~12のいずれか1項に記載の搬送装置(200)。
【請求項14】
物品(10)のための搬送プロセスであって、
・ 特にペンチ型である複数の把持デバイス(1,5)を有する少なくとも1つの第1の移送デバイスであって、第1の閉じた経路に沿って移動し、前記把持デバイス(1,5)の各々は、前記第1の閉じた経路から外向きに突出するペンチ爪部(11)を有し、前記ペンチ爪部(11)は、1つまたは複数の前記物品(10)を移送する把持位置から解放位置へ移動可能である、少なくとも1つの第1の移送デバイスと、
・ 前記物品(10)を受け取るのに適した第2の閉じた経路に沿って移動する複数のトレイ状の要素(2)を有する少なくとも1つの第2の移送デバイス(155)と、
が提供され、
前記第1の移送デバイスと前記第2の移送デバイスが、1つまたは2つの交換セグメント(D,E,F)において互いに協働し、前記第1の閉じた経路が、前記第2の閉じた経路上に重なり、前記把持デバイス(1,5)内を移送された前記物品(10)が、対応する前記トレイ状の要素(2)に置かれるか、そこから取り出されるステップを含む、
搬送プロセス。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載の少なくとも1つの搬送装置(200)を備える梱包装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持デバイスが使用される、梱包対象物品のための搬送装置および搬送プロセスに関し、装置および梱包プロセスにおいてその好ましい用途を見出すものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えばコーヒーなどの浸出式製品のためのカプセルを梱包するための分野で好ましく適用されるが、これに限定されるものではない。この分野への参照は、以下の本明細書では一般性を損なうことなくなされ得る。
【0003】
特に、当該技術分野において、様々な種類の物品を把持および搬送するための搬送デバイスが知られており、その形状および過剰な把持力を発揮するペンチ部の使用を防ぐ固有の壊れやすさが考慮されている。
【0004】
例えば、浸出式製品用カプセルの場合、把持される物品は、一方に向けて広がっているカップ形状を有し、すなわち頂部が平面で切断された円錐形状を有し、高さに応じてその直径が変化されている。
【0005】
カプセルを構成する材料は、過度の把持力で把持された場合、破損または変形し、カプセル自体の内容物を破損させる可能性がある。
【0006】
把持および搬送される物品を一定のレベルの繊細さで取り扱わなければならないこの必要性は、物品の高い流量を確保できるように物品を連続的に高速で移動させる必要性と組み合わされる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書および添付の特許請求の範囲においては、いくつかの用語および表現は、別途明示されている場合を除き、以下に記載の定義で表現される意味を有するとみなす。
【0008】
本明細書において、物品は、1つの梱包ステーションから後続のステーションへ搬送されるという最終的な目標をもつ、高速で個別に移送される必要がある実質的に単一の部材から形成された要素として定義される。
【0009】
特に、任意の機械加工または抽出プロセス、または予備成形の下流側で、これらの個別要素が、個別要素のライン上に供給されることが想定されており、このラインを介して個別要素間に所定の間隔が得られる。これにより、ツールの介入が許容され、いずれも関連しない個別要素に干渉しない。
【0010】
例えば、物品は、その最も一般的な形態において、カップ状の外側ケーシングを備えるカプセルから構成されてもよい。カプセルは、一方に向けて広がっている、頂部が平面で切断された円錐形状の側壁と、下部と、上部開口部と、を有し、その内容物として、例えば粉末またはコーヒーベースの調合物などの浸出式製品の粉末または顆粒を含むことができる。
【0011】
したがって、この物品は、最終製品、すなわち浸出デバイスで使用することができる浸出式カプセルを得るための半製品を構成している。
【0012】
コーヒーベースの調合物が正確な量でカプセルに入れられていること、およびカプセルがその内面に接続された内部フィルタを含み得ることを考慮すると、物品は、一定の繊細さで取り扱われる必要があり、且つ傾きや揺れによって内部の調合物の一部がこぼれる可能性があるため、その位置は固定されたまま、すなわち、下部を下にして垂直方向に正位位置である必要がある。
【0013】
したがって、搬送中の物品は、正位位置から変化することなく、且つ揺動または変形することなく並進される必要がある。
【0014】
これらの物品は、所定の速度で、場合によっては可変速度で、すなわち加速および減速を受けるがゼロではない状態で移動されたときに、連続的に移送されることに留意されたい。したがって、連続的な供給および移送は、対応する物品が段階的に移動する段階的な供給および移送とは異なるものである。
【0015】
「カプセル」は、ケーシングである容器を形成するように意図された、円形または円筒形の中空の物品を意味し、その内側に製品を有し、ヘッドと下部が特定される所定の形状を有し、ヘッドが上向きになるように垂直方向に正位位置で配置され、梱包プロセスの最後に蓋によって封止され得る開口部を有する。
【0016】
カプセルは、実質的に頂部が平面で切断された円錐形状または頂部が平面で切断された角錐形状、または同等の形状を有し、その長手方向軸に直交する平面における断面の直径、またはその直径に相当する断面の周縁部は、軸自体に沿った平面の断面位置の変動に応じて、すなわち下部と、ペンチ部によってカプセルが把持される位置との間の間隔の変動に応じて変化するものである。
【0017】
「ラインでの」供給または移送は、個別の物品が一連の物品の中で供給されることを意味し、これは、搬送ステップの一部である。
【0018】
ラインにおいて、各物品は、搬送中に変化し得る間隔をもって、それに先行する物品および後続の物品から離間していることに留意されたい。
【0019】
特にペンチ型のものであり、「ペンチ型デバイス」とも呼ばれる「把持デバイス」は、1対の噛み合い部または爪部を備えるデバイスを意味する。1対の噛み合い部または爪部は、並進および/または回転によって、その間に物品を把持する把持状態と、互いに離間するように移動する解放状態との間で移動する。
【0020】
「移送システム」または「移送デバイス」とは、物品を、それぞれの特異性を維持しながら、すなわち、互いに干渉することなく移送するように設計されたあらゆるシステムを意味する。同じ概念が、カップ形状の容器にも適用される。
【0021】
「移送経路」とは、物品と、それぞれの物品を個別に把持または受け取るように意図された支持デバイスとが移動する経路を意味する。
【0022】
「閉じた移送経路」という用語は、実質的に水平面上の閉じたラインに沿って展開する移送経路を意味し、「カルーセル構造」という用語は、閉じた移送経路で動作する移送デバイスを意味する。これにより、物品とそれぞれのペンチ型デバイス、またはそこに設けられた移動可能なあらゆるデバイスは、いわゆる回転を行うことができる。そのため、これをベルトコンベアでは典型的な往復運動と混同してはならない。
【0023】
「搬送装置」とは、梱包装置内の物品を移送するように設けられた装置を意味する。これは、1つの処理ステーションから、物品の梱包に関する動作、すなわちその生産が行われる後続の処理ステーションへ物品を移動させる。
【0024】
「搬送デバイス」とは、搬送装置内で動作するデバイスを意味し、これは、物品の流れ内の一連の物品を把持セグメントから解放セグメントへ移送するように設けられる。
【0025】
「把持セグメント」および「解放セグメント」とは、特に把持デバイスの閉じた移送経路の2つの部分を意味し、把持場所および解放場所が含まれる。
【0026】
「交換セグメント」とは、一般に、把持セグメントまたは解放セグメントのいずれかと理解される。
【0027】
「搬送ホイール」とは、周縁部にカルーセル構造を有するデバイスを意味する。ここで、ペンチ型またはトレイ状のデバイスであり得る移送要素が移動され、それぞれが1つまたは複数の物品の移送のために設けられる。
【0028】
本出願人は、梱包プロセスにおいて、より少ない梱包装置で高い生産量を達成できるので、物品の搬送速度がプロセス全体の経済性にとって重要であることに留意した。
【0029】
さらに、本出願人は、可能な限り迅速に進める必要性に加えて、別の重要且つ避けられない要件が、搬送されている物品の壊れやすさによって表されることを観察した。物品が破損した場合、またはその内容物が変化した場合、またはその内容物が少量でも排出されてしまった場合に、物品を廃棄しなければならない場合がある。
【0030】
さらに、柔軟性の必要性も無視することはできず、梱包装置において、異なる形状の物品、または物品の高さによって変化する直径などの不規則な形状を有する物品の搬送を保証する必要がある。
【0031】
このような必要性は、搬送速度が速い場合に特に必要とされ、物品を対象の位置に正確に配置することは、生産プロセスの経済性にとって重要な要素となる。
【0032】
さらに、この必要性は、梱包機において、処理速度の向上が要求され、それが不具合またはエラーなしに管理される必要がある場合に増大する。
【0033】
また、装置は、梱包装置における介入を必要とすることなく、異なる形態の物品を管理することができる必要がある。
【0034】
本出願人は、物品の連続的な搬送により、梱包装置においてこのタイプの装置に要求される生産率を達成することができ、供給時間および通過時間の短縮をもたらすことができることを確認した。
【0035】
本出願人は、一般に、ペンチ型デバイスの爪部の移動に対する介入は、ペンチ型デバイスおよび上述した要件を満たすことができる搬送装置の実現のための有望な出発点を示すことを見出した。
【0036】
しかしながら、本出願人は、この要件が連続的な搬送と段階的な進行の両方に現れ、特に高速の搬送においてこの問題が物品の適切な取り扱いを実現するのに適切な手段を採用する必要があることを理解した。
【0037】
そこで、本出願人は、物品を破損させることなく取り扱うために有用な特定の特徴を採用することで、2つ以上の物品を単一の把持部で把持し、単一の物品の搬送速度を比例的に速めることなく搬送流量を増大させることができることに気付いた。
【0038】
そして、本出願人は、把持デバイスにおいて、デバイスに対して横軸ではなく長手方向軸の周りを回転することができる爪部を採用することで、把持がより緩やかになり、また、異なる把持高さに依存し得る直径の小さな変動に対して影響を受けにくいことを確認した。
【0039】
最後に、本出願人は、把持平面上に位置するか把持平面と平行な軸の周りに爪部を回転させることで、物品の取り扱いにおける繊細さと必要な柔軟性の両方を得ることができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0040】
特に、その第1の態様において、本発明は、物品のための搬送装置に関する。
【0041】
好ましくは、搬送装置は、少なくとも1つの第1の移送デバイスを備える。
【0042】
好ましくは、少なくとも1つの第1の移送デバイスは、複数の把持デバイスを有し、把持デバイスは、特にペンチ型のものであり、第1の閉じた経路に沿って移動可能である。
【0043】
好ましくは、把持デバイスの各々は、閉じた経路から外向きに突出するペンチ爪部を有し、ペンチ爪部は、1つまたは複数の物品を移送する把持位置から解放位置へ移動する。
【0044】
好ましくは、搬送装置は、少なくとも1つの第2の移送デバイスを備える。
【0045】
好ましくは、少なくとも1つの第2の移送デバイスは、物品を受け取るのに適した第2の閉じた経路に沿って移動する複数のトレイ状の要素を有する。
【0046】
好ましくは、第1の移送デバイスと第2の移送デバイスは、1つまたは2つの交換セグメントにおいて互いに協働する。第1の閉じた経路は、第2の閉じた経路上に重なり、把持デバイス内を移送された物品は、対応するトレイ状の要素に置かれるか、そこから取り出される。
【0047】
これらの特徴により、物品の形状および把持の方法にかかわらず、把持デバイスで把持する際に搬送されている物品があらゆる類の破損を受ける危険性のない搬送装置を実現することができる。
【0048】
また、これらの特徴により、搬送装置の把持デバイスおよびトレイ状の要素を、搬送デバイス上にコンパクトな状態で配置することができる。これにより、移送されている同じ数の物品に対して、フットプリントを減少させることができる。
【0049】
その第2の態様において、本発明は、物品のための搬送プロセスに関する。
【0050】
好ましくは、上述した方法で少なくとも1つの第1の移送デバイスが提供される。
【0051】
好ましくは、少なくとも1つの第1の移送デバイスは、複数の把持デバイスを有し、複数の把持デバイスは、特にペンチ型のものであり、第1の閉じた経路に沿って移動可能である。
【0052】
好ましくは、把持デバイスの各々は、閉じた経路から外向きに突出するペンチ爪部を有し、ペンチ爪部は、1つまたは複数の物品を移送する把持位置から解放位置へ移動する。
【0053】
好ましくは、上述した方法で少なくとも1つの第2の移送デバイスが提供される。
【0054】
好ましくは、少なくとも1つの第2の移送デバイスは、物品を受け取るのに適した第2の閉じた経路に沿って移動する複数のトレイ状の要素を有する。
【0055】
好ましくは、該プロセスは、第1の移送デバイスと第2の移送デバイスが、1つまたは2つの交換セグメントにおいて互いに協働し、第1の閉じた経路が、第2の閉じた経路上に重なり、把持デバイス内を移送された物品が、対応するトレイ状の要素に置かれるか、そこから取り出されるステップを含む。
【0056】
換言すると、上述した方法において、ペンチ部と対応するトレイ状の要素との間の通過は、梱包対象物品の望ましくない破砕または揺動なしに行われる。
【0057】
その第3の態様において、本発明は、上述した本発明の第1の態様による、物品ための搬送装置を備える梱包装置に関する。
【0058】
換言すると、この梱包装置は、搬送装置をよりコンパクトにすることができ、搬送中に破損する物品を減らすことができるという利点を有することができる。
【0059】
上述した態様のうちの少なくとも1つにおいて、本発明は、以下の好ましい特徴のうちの少なくとも1つをさらに備えてもよい。
【0060】
好ましくは、第1の閉じた経路は、円形の経路であり、該装置の構造をより簡素化することができる。
【0061】
好ましくは、第1の移送デバイスは、カルーセル型の搬送ホイールを備える。
【0062】
好ましくは、搬送ホイールは、第1のドラムを含み、第1のドラムの周縁部に一連の把持デバイスが配置される。
【0063】
好ましくは、ペンチ爪部は、円形の経路から実質的に半径方向外向きに突出する。
【0064】
このようにして、装置の構造が簡素化するとともに、その構成要素の同期が容易になる。
【0065】
好ましくは、第2の閉じた経路は、円形の経路であり、これも、該装置の構造をより簡素化することができる。
【0066】
好ましくは、少なくとも1つの第2の移送デバイスは、第2のドラムを含むカルーセル型の搬送ホイールを備え、第2のドラムの周縁部に一連のトレイ状の要素が配置される。
【0067】
このようにして、上述したように、該装置の構造が簡素化するとともに、その構成要素の同期が容易になる。
【0068】
好ましくは、把持デバイスの各々は、互いに協働する1対の把持爪部を備え、1対の把持爪部の各々は、近位端部と、遠位端部と、把持縁部と、を有し、把持縁部は、他方の把持爪部の把持縁部に対向する。
【0069】
好ましくは、ペンチ爪部の各々は、所定の方向に沿った長手方向の展開部を有し、ペンチ型デバイスの2つのペンチ爪部の所定の方向は、把持平面を画定する。
【0070】
好ましくは、把持デバイスの各々は、駆動機構を備え、駆動機構は、把持爪部のそれぞれの近位端部に接続された少なくとも1つの回転式アクチュエータを備える。
【0071】
好ましくは、回転式アクチュエータは、各把持爪部を、回転軸を中心に、把持位置から解放位置へ回転させるように設けられる。
【0072】
好ましくは、回転軸と爪部の長手方向の展開部の上述した方向は、互いに平行である。
【0073】
好ましくは、把持位置において、把持縁部は、解放位置において増大する最小間隔を有する。
【0074】
このようにして、単一の把持デバイスは、特にコンパクトになり、搬送デバイスの同じサイズに対してより多くの数のデバイスを提供することができる。
【0075】
また、ペンチ型デバイスの把持が緩やかであるため、把持された物品が破損することがない。
【0076】
好ましくは、把持爪部の各々は、他方の把持爪部とは反対方向に回転する。これにより、把持爪部の幅を同じにしてペンチ型デバイスが可能な限り大きく開くようにすることができる。
【0077】
好ましくは、ペンチ爪部の各々は、下方にシフト回転する。これにより、対応するトレイ状の要素の対象の場所で正確に物品を投下・解放することができる。
【0078】
好ましくは、回転式アクチュエータの各々は、把持爪部ごとに、回転式ピンを備える。回転式ピンは、爪部の所定の展開方向に一致する方向に延在する回転軸を画定する。
【0079】
このようにして、爪部の各々は、典型的な噛み合いペンチ構成で生じるような、それが位置する平面に垂直な軸、すなわちその展開方向に垂直な回転ピンを中心に回転することがない。
【0080】
その代わりに、爪部の各々は、爪部の延在部に対して長手方向軸を中心に回転して、ペンチ型デバイスごとに全体的な寸法を著しく低減させることができる。
【0081】
特に、爪部の長手方向の展開方向とその回転軸は、実質的に平行であるか、最小角度で分岐している。
【0082】
最小角度は、2つの爪部が把持位置で持ち上げられて接近したときに、互いから最も短い間隔であり、爪部が実質的にそれ自体を中心に回転するにつれて漸進的に増加する角度として定義される。
【0083】
好ましくは、ペンチ型デバイスの各々は、第1の閉じた経路から外向きに突出するラインに沿って配置された2つ以上の物品を把持および解放するために設けられる。
【0084】
好ましくは、トレイ状の要素は、対応する2つ以上の座部を備える。座部の各々は、1つの物品を受け取るのに適しており、単一の交換セグメントまたは複数の交換セグメントにおいて、協働する把持デバイス上の物品と整列して平行である。
【0085】
このようにして、同じ全体的な寸法で搬送された物品の流量を2倍にすることができる。
【0086】
好ましくは、トレイ状の要素の各々は、所定の位置において1つの物品のための支持座部を画定する1つまたは複数の凹部を有する。
【0087】
これらの手段により、トレイ状の要素における物品の位置は正確であり、予測可能であり、繰り返し使用することができる。
【0088】
好ましくは、トレイ状の要素は、垂直方向軸を中心に回転する部材上に取り付けられる。これにより、交換セグメントにおけるトレイ状の要素のそれぞれの支持座部は、第2の閉じた経路に実質的に垂直な方向に沿って整列され、これは、第2の閉じた経路に実質的に平行な方向または接線方向であり得る。
【0089】
このようにして、同心円状の2つのライン上を流れていた物品の流れは、単一のラインの流れに変化して、物品を1つずつ個別に処理することができるようになる。
【0090】
好ましくは、交換セグメントにおけるトレイ状の要素のそれぞれの支持座部は、第2の閉じた経路に対して半径方向および円周方向に整列するように回転される。これにより、装置の構造をより簡素化することができる。
【0091】
好ましくは、トレイ状の要素の各々は、独立したリフト機構を備える。ここで、交換セグメントにおいて、トレイ状の要素は、把持デバイスに近接するように並進される。これにより、揺れのない搬送を保証することができる。
【0092】
好ましくは、ペンチ型デバイスは、回転式アクチュエータを備える。回転式アクチュエータは、垂直方向軸、すなわち移送経路が位置する平面に垂直な軸を中心に回転するように設けられる。その移動は、搬送要素または受取要素に付随して、ペンチ型デバイスから、またはペンチ型デバイスへの物品の搬送を容易にするように調整され得る。
【図面の簡単な説明】
【0093】
以下、添付の図面を参照して非限定的に例示された好ましい実施形態による本発明を説明する。
図1】本発明に従って作製された、個別要素の搬送デバイスを備える梱包装置の一実施形態の平面図である。
図2】本発明に従って作製された搬送装置を上から見た平面図である。
図3図2の搬送装置を第1の角度から見た部分斜視図である。
図4図2の搬送装置を第2の角度から見た部分斜視図である。
図5図2の搬送装置の第1の細部を示す斜視図である。
図6図2の搬送装置の第2の細部を示す斜視図である。
図7図2の搬送装置の第3の細部を示す斜視図である。
図8】本発明に従って作製された、図2の搬送装置の1対のペンチ型デバイスの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
添付の図1を参照すると、参照符号100は、コーヒーなどの浸出式飲料のカプセル(略して浸出式カプセルとも呼ぶ)のための梱包装置を示している。
【0095】
これらの浸出式カプセルは、実質的に硬いカップ形状の容器から形成される。その中にはフィルタが配置される。後続の梱包ステップ中に、コーヒー粉ベースの調合物が浸出式カプセルに加えられ、次いで、カプセルは蓋をされて封止され、後続の装置に送られ、流通および販売のために箱詰めされる。
【0096】
一般に、カップ形状の容器は、供給ステーション110によって供給され、サプライヤによって提供されたカップ形状の容器のセットから抜き出された後に、そこから連続的な運動で整列して進行する。
【0097】
梱包装置100は、図では参照符号1によって示されている個別要素の解放ステーション120を備える。本実施例において、これは、浸出式製品、特に浸出式飲料のためのフィルタを形成するのに適した材料から形成された平坦なディスクを備える。
【0098】
したがって、解放ステーション120は、解放デバイス121を備える。本実施例において、解放デバイス121は、フィルタ材料の連続的な細片からディスクを切断するためのデバイスである。
【0099】
したがって、梱包装置は、参照符号130によって示されているフィルタ形成ステーションを備える。これは、浸出式カプセル10を生産するためのカルーセル型生産デバイス131を備える。
【0100】
生産デバイス131は、より複雑なステーションの一部である。ここで、解放デバイス121から移送デバイス131へ搬送された個別要素1は、フィルタを形成するためのプロセスを受ける。次いで、フィルタは、対象のカップ形状の容器に挿入される。容器は、供給ステーション110において挿入されたスペーサー要素をその下部に含んでもよい。
【0101】
それぞれのカップ形状の容器へのフィルタの挿入のステップの最後に、フィルタは、例えば溶接によって、カップ形状の容器の内壁に固定される。これにより、浸出式カプセルが形成される。
【0102】
これに関連して、生産デバイス131は、フィルタを有するカップ形状の容器をカルーセル型の第1の搬送デバイス132へ搬送する。ここから容器は、フィルタ固定ホイール133とカルーセル型の第2の搬送デバイス134を通る。第2の移送デバイス134は、カプセル10を充填ステーション140へ搬送し、ここでカプセルは所定量のコーヒーの粉で充填される。
【0103】
この点に関して、充填ステーションは、カルーセル型の充填デバイス145を備える。ここからカプセル10は、第1の搬送ホイール146または入口ホイールによってカルーセル型の計量装置155へ搬送される。計量装置155は、各カプセルに供給される粉末の量に関する確認を行う。
【0104】
したがって、計量装置は、第2の搬送ホイール147と、カプセル10が単一のライン且つ連続的な流れで通過する計量デバイス156と、を備える。
【0105】
計量デバイス156を出ると、カプセル10は、第3の搬送ホイール148によって封止ステーション150へ搬送される。このように、装置100は、切断デバイス162によって連続的な細片から得られた蓋のための切断ステーション160を備える。
【0106】
ディスク形状を有する蓋は、カルーセル状の第3の搬送デバイス161によって、カルーセル状の封止デバイス159へ搬送される。封止デバイス159は、第3のホイール148から封止対象の浸出式カプセルを受け取り、連続的な細片から得られたディスク形状の蓋をカプセルの上部開口部に加えてカプセルから気体を除外し、カプセルを封止するように設けられる。
【0107】
本実施形態において、3つの搬送ホイール146、147および148は、参照符号200によって全体として示されている搬送装置を構成する。
【0108】
さらに、搬送装置の入口ホイールおよび出口ホイールとしてそれぞれ動作する第1の搬送ホイール146および第3の搬送ホイール148は、構造的および/または機能的に互いに同じものであり、搬送装置200内の第1の搬送デバイスを構成する。
【0109】
したがって、第2の搬送ホイール147は、中間ホイールであり、その上に、搬送中の物品に対して動作する任意の追加のデバイス、この場合は単一のカプセルの計量デバイスが、一般に配置され得る。第2の搬送ホイールは、搬送装置200の第2の搬送デバイスを構成する。
【0110】
なお、第1および第2の搬送デバイスは、閉じた移送経路を画定する閉じた移送システムを実現するために、その他の形態をとることもできることに留意されたい。
【0111】
封止されたカプセルは、第3の移送ホイール161へ送られる。第3の移送ホイール161は、そのカプセルを、線状の移送デバイス173が設けられた出口ステーション170へ送る。
【0112】
図2以降を参照すると、上述したように、搬送装置200は、搬送ホイールをそれぞれ備える一連の搬送デバイスから形成される。ここで、第1のホイール146は、第1の垂直方向軸Aを中心に回転する第1のドラムを備える。本実施例において、第1のドラムの回転は、水平面において時計回りである。
【0113】
複数の第1の把持デバイス1が第1の回転式ドラムの周縁部上に配置される。複数の第1の把持デバイス1は、特に円形の第1の閉じた移送経路に沿って移送され、カルーセル型の充填デバイス145に関連する移送システムからカプセル10を受け取る。充填デバイス145は、それぞれの移送経路に沿って移動可能な複数の移送要素を備える。カプセル10は、2つの同心のライン上で、少なくとも、カプセル10が第1の把持デバイス1によって把持される解放セグメント154において、支持されるように受け取られる。
【0114】
したがって、後述する第1の把持デバイス1は、解放セグメント154にあるカプセル10のラインと同じ数の物品1を把持する。本実施例において、2つのラインがあるので1回の動作で2つのカプセル10が把持されるが、その数は1つ、3つ、またはそれ以上であることもできる。
【0115】
カプセル10は、第1の入口端部Dから第1の出口端部Eまで延在して第2の搬送ホイール147上に形成された第2の閉じた移送経路と交差する第1の円弧経路に沿って移送される。
【0116】
第1の入口端部Dは、第1の把持デバイス1の閉じた移送経路において、把持セグメント、すなわち以前の移送システムとの交換セグメントを画定する。
【0117】
第1の出口端部Eは、第2の閉じた移送経路に属する第2の円弧経路の第2の入口端部と一致し、第2の閉じた移送経路は、第2の出口端部Fで終了する。
【0118】
第1の出口端部Eは、第1の把持デバイス1の閉じた移送経路において、解放セグメント、すなわち以前の移送システムとの交換セグメントを画定する。
【0119】
また、第2の搬送ホイール147は、カルーセル型のものであり、垂直回転軸Bを有する第2の回転式ドラムを備える(図4)。
【0120】
第2の閉じた移送経路は、それぞれのカプセル10を支持するように受け取るのに適した複数のトレイ状の要素2に関係する。トレイ状の要素2は、本実施形態において反時計回り、すなわち第1の搬送ホイール146に対して反対方向に回転する第2の回転式ドラムの周縁部上に配置される。
【0121】
第2の入口端部は、トレイ状の要素2の閉じた移送経路において、把持セグメント、すなわち以前の移送システムとの交換セグメントを画定する。
【0122】
同時に、第2の出口端部Fは、トレイ状の要素2の閉じた移送経路において、解放セグメント、すなわち以前の移送システムの交換セグメントを画定する。他の端部も同様に続く。
【0123】
本実施形態において、トレイ状の要素2は、多数の座部を備える。座部の各々は、カプセル10を正位位置で支持するように受け取るのに適している。座部の数は、第1の把持デバイスによって移送されたカプセル10の数に等しい。本実施例ではすなわち2つである。
【0124】
座部は、単一のカプセルの下部を受容する凹部3によって画定されて、移動中のカプセルを所定の位置で正位位置に維持する。
【0125】
トレイ状の要素2の各々は、回転式移動要素4上に取り付けられる。回転式移動要素4は、後述するように、垂直方向軸Y、すなわち第2の閉じた移送経路が位置する回転平面に垂直な軸を中心に回転可能、且つ垂直方向に並進可能なステム6を有する。
【0126】
本実施形態において、トレイ状の要素4の回転は、反時計回り、すなわち軸Bを中心とした第2の搬送ホイール147の回転に対して同じ方向である。
【0127】
このようにして、トレイ状の要素2のそれぞれの凹部3は、凹部3ひいてはカプセル10が第2の移送ホイール147に対して半径方向に整列したライン、より一般には第2の閉じた移送経路に実質的に垂直な方向に整列したラインに沿って配置される第1の位置R(図6)と、凹部3ひいてはカプセル10が第2の移送ホイール147に対して円周方向に整列したライン、より一般には第2の閉じた移送経路に実質的に平行な方向または接線方向に整列したラインに沿って配置される第2の位置P(図5)との間で回転式移動要素4が回転できる間、カプセル10を垂直位置に維持することができる。
【0128】
したがって、トレイ状の要素2は、第1の位置Rにあるので、第1の把持デバイス1からカプセル10を受け取り、次いで、第2の位置Pへ回転する。
【0129】
このようにして、カプセルは、第2の搬送ホイール147の外周に対応する単一のラインで計量デバイス156を通過する(図2図4)。
【0130】
計量デバイス156を通過した回転式移動要素4は、再び回転する。すなわち、本実施例において、回転式移動要素4は、回転を継続して、トレイ状の要素2と対応するカプセル10とを第2の搬送ホイール147の第2の円弧状移送経路の第2の出口端部F(図5)の反対側において第1の位置Rに戻す。
【0131】
この端部Fにおいて、第2の閉じた移送経路は、第3の搬送ホイール148に関連する第3の閉じた移送経路と交差する。第3の搬送ホイール148は、第1の搬送ホイール146と同様に、複数の第2の把持デバイス5が配置された周縁部上に第3の回転式ドラムを備える。複数の第2の把持デバイス5は、円形状の第3の閉じた移送経路に沿って移送され、ここで、第2の搬送ホイール147に関連する第2の閉じた移送システムからカプセル10を受け取る。
【0132】
したがって、第2の把持デバイス5の各々は、第1の位置Rにあることで、2つの実質的に同心のラインに配置されたカプセル10を示すトレイ状の要素2上でカプセル10を把持するように配置される。
【0133】
したがって、第2の把持デバイス5の各々は、1回で2つのカプセル10を把持する。
【0134】
トレイ状の要素2の各々は、第2の回転式ドラムの内部に配置された、ステム6および作動デバイスを含む、独立したリフト機構を備える。
【0135】
作動デバイスは、例えば、ドラムの回転と連動する指示に従ってトレイ状の要素2を昇降させる回転式または線形の電気モータ、すなわち、いわゆる電子カムから構成されてもよい。
【0136】
しかしながら、各ステム6の下端が第2の回転式ドラム内に配置された固定カムと接触して、カム従動子として作用する、完全に機械的な解決策も可能であることに留意されたい。
【0137】
本明細書に記載のリフト機構は、トレイ状の要素2の第2の閉じた移送経路に沿って、入口端部Eおよび出口端部Fの前後の特定の円弧部上に延在する交換セグメントで動作する。
【0138】
したがって、上述した交換セグメントにおいて、トレイ状の要素2は、第1の半径方向位置Rをとるように回転されるだけでなく、把持レベルにおいて、第1の搬送ホイール146および第3の搬送ホイール148のペンチ型デバイス1および5に接近するように並進される。
【0139】
その一方で、トレイ状の要素2が交換セグメントにない場合、そして特にそれらが第2の周方向位置Pをとるように回転された場合、トレイ状の要素2は、計量レベルへ並進される。これにより、計量デバイス156の横断は、カプセル10がトレイ状の要素2のそれぞれの凹部3に載置されているという事実によって決定される同じレベルにすべてのカプセルがある状態で行われる。
【0140】
並進は、把持レベルと計量レベルとの間の昇降を含んでよい。
【0141】
以下、図8を参照して、特にペンチ型である把持デバイスを説明する。図8は、第1の把持デバイス1を示しているが、同様の構造および機能を有する第2のペンチ型デバイス5にも同じ説明が適用される。
【0142】
第1の把持デバイス1は、円形の移送経路に対して、搬送ホイール146のドラムから実質的に半径方向外向きに突出する1対の把持爪部11を有する。
【0143】
把持爪部11は、カプセル10の把持および解放のために互いに協働し、本実施形態において対で動作する。把持爪部11の各々は、近位端部12と、遠位端部13と、把持縁部14と、を有し、把持縁部14は、他方の爪部11の把持縁部14に対向する。また、把持爪部11の各々は、所定の方向X1に沿った長手方向の展開部を有し、これにより、両方の爪部11の所定の方向X1が把持平面を画定する。
【0144】
ペンチ型デバイス1は、少なくとも1つの回転式アクチュエータを含む駆動機構をさらに備える。駆動機構は、近位端部に接続されており、ケーシング20内に配置され、ケーシング20から把持爪部11が前方に向けて分岐する。ケーシングは、搬送ホイール146の周縁部上に配置される。
【0145】
回転式アクチュエータは、後述するように、各把持爪部11を、回転軸X2を中心に回転させることで、把持位置から解放位置へ回転するように設けられる。
【0146】
好ましくは、回転軸X2は、回転平面を画定する(図8)。
【0147】
なお、把持爪部11の把持平面と、その回転によって決定される回転平面は、回転することで昇降する把持爪部11の位置に基づいて実質的に平行になるか一致することに留意されたい。
【0148】
把持位置において、ペンチ型デバイス1の2つの把持爪部11の把持縁部14は、解放位置に到達するまで、把持爪部11を互いに反対方向の回転で、互いに離間して外向きに回転することで増加する最小間隔を間に有する。
【0149】
なお、本実施例において、回転軸X2は、互いに実質的に平行である。
【0150】
本実施例において、把持爪部11の各々は、下方へシフト回転する。これにより、解放位置において、2つの爪部は、回転平面に対して切断位置におかれるようになる。
【0151】
回転式アクチュエータは、把持爪部11ごとに、ケーシング20の前壁18から突出する回転式ピン17を備える。
【0152】
回転式ピンの各々は、爪部11の所定の展開方向X1と一致する方向に延在する回転軸X2を画定する(図8)。
【0153】
したがって、爪部11の各々は、典型的な噛み合いペンチ構成で生じるような、それが位置する平面に垂直な軸、すなわちその展開方向に垂直な回転ピンを中心に回転することがない。
【0154】
その代わりに、爪部11の各々は、爪部11の延在部に対して長手方向軸を中心に回転する。
【0155】
特に、長手方向の展開方向X1と回転軸X2は、実質的に平行であるか、最小角度で分岐している。これにより、2つの爪部11は、把持位置で持ち上げられて接近したときに、互いから最も短い間隔であり、これは、爪部11が実質的にそれ自体を中心に回転するにつれて漸進的に増加する。
【0156】
ピン17の各々は、回転式アクチュエータの任意のタイプの駆動部に接続され得る。例えば、ケーシング20は、把持位置および解放位置とそれぞれの回転を正確に決定するように電子的に制御された電気モータを含んでもよい。両方の爪部11の回転を駆動するように、単一のモータを設けることができ、または2つの別個のモータを設けることもできる。
【0157】
また、搬送ホイールの回転式ドラムの回転に関連する制御運動学的機構が設けられてもよい。これは、回転ピン17を駆動するシャフトに接続されたロッドを介したカム駆動部を備えてもよい。
【0158】
また、搬送デバイス200は、搬送ホイール146および148ごとに、回転式ドラムに搭載された、把持爪部11の正しい回転を管理する専用のモータを備えてもよい。
【0159】
さらに、第1のペンチ型デバイス1または第2のペンチ型デバイス5の回転式アクチュエータは、垂直方向軸X3(図5および図7)、すなわちそれぞれの移送経路が位置する平面に垂直な軸を中心に回転するように設けられる。その移動は、それぞれの搬送要素または受取要素に付随して、第1のペンチ型デバイス1または第2のペンチ型デバイス5からのカプセル10の搬送を容易にするように調整され得る。
【0160】
また、この回転は、電子的または機械的なカム、および場合によっては専用のモータによって実現され得る。
【0161】
本実施形態において、把持縁部14の各々は、1対の凹部15を有する。凹部15は、それに対向する爪部11の把持縁部14の対応する凹部と協働して、把持位置において1対の把持クランプを形成するのに適している。1対の把持クランプは、2つのカプセル10を同時に把持および解放する。
【0162】
なお、凹部15の数は、一般に、ペンチ型デバイス1が把持する必要がある物品の数に依存し、したがって、1つであってもよく、複数であってもよいことに留意されたい。
【0163】
特に、凹部15の各々は、所定の領域において把持される単一の物品または複数の物品の形状、この場合はカプセル10の形状に適合するのに適した湾曲プロファイルを有する。
【0164】
しかしながら、プロファイルの形状は、把持されて搬送デバイスへ搬送される物品とのより良好な把持を実現するのに好ましいものであれば、どのような形状にも適合させることができることに留意されたい。
【0165】
本実施形態における湾曲プロファイルは、把持位置において上向きになっている把持爪部11の表面に形成された上部支持縁部を有する。これは、カプセル10の突起部、例えばカプセル10の上部縁部に存在する肩部を支持してそれと協働するように設けられる。
【0166】
上述した物品のための搬送装置および関連する搬送プロセスに対して、当業者は、追加の偶発的な要件を満たすために、多数のさらなる修正および変形を行うことができるが、これらのすべては、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の保護範囲内に含まれるものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】