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特表2023-535148食品の誘導加熱のためのブランク、構造物及び関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】食品の誘導加熱のためのブランク、構造物及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20230808BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20230808BHJP
   B32B 27/06 20060101ALI20230808BHJP
   B32B 15/20 20060101ALI20230808BHJP
   B32B 27/10 20060101ALI20230808BHJP
   B32B 29/00 20060101ALI20230808BHJP
   H05B 6/02 20060101ALI20230808BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
A47J27/00 107
B32B15/08 E
B32B27/06
B32B15/20
B32B27/10
B32B29/00
H05B6/02 Z
B65D81/34 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502761
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 US2021041528
(87)【国際公開番号】W WO2022015789
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】63/052,037
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】マケオウン,ムラト ショーン
(72)【発明者】
【氏名】カスタケク,レイモンド,エス.
【テーマコード(参考)】
3E013
3K059
4B055
4F100
【Fターム(参考)】
3E013BA05
3E013BA06
3E013BA30
3E013BB06
3E013BB08
3E013BC01
3E013BC04
3E013BC06
3E013BD03
3E013BD06
3E013BD07
3E013BD10
3E013BD11
3E013BE10
3K059AB26
3K059AD07
4B055AA09
4B055BA15
4B055CA02
4B055CB01
4B055DB14
4F100AB10B
4F100AK01C
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100DG10A
4F100JG01B
(57)【要約】
構造物は、食品を支持するための少なくとも一つのパネルを含み、少なくとも一つのパネルは、基層と、導電層と、表面フィルムとを有する積層構造体から形成される。積層構造体の導電層と相互作用する振動磁界に応答して食品に伝達される熱を減衰させるために、少なくとも一つのパネルを誘導源の上方に距離を置いて支持するための少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構をこの構造物はさらに含む。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を支持するための少なくとも一つのパネルであって、基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルと、
前記積層構造体の前記導電層と相互作用する振動磁界に応答して前記食品に伝達される熱を減衰させるために、誘導源の上方にある距離で前記少なくとも一つのパネルを支持するために前記少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構と、を備える構造物。
【請求項2】
前記少なくとも一つのパネルは基部パネルである、請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
前記基層は複合材料を含み、前記導電層は金属材料を含み、及び前記表面フィルムは高分子材料を含む、請求項1に記載の構造物。
【請求項4】
前記基層は板紙を含み、及び前記金属材料はアルミニウムを含む、請求項3に記載の構造物。
【請求項5】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの下方に延在する部分である、請求項2に記載の構造物。
【請求項6】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記積層構造体の前記導電層の変形部分によって少なくとも部分的に形成される、請求項5に記載の構造物。
【請求項7】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの上面において少なくとも一つのくぼみに対応する、請求項5に記載の構造物。
【請求項8】
前記基部パネルに折り曲げ可能に接続された複数の端部フラップをさらに含む、請求項2に記載の構造物。
【請求項9】
前記複数の端部フラップの少なくとも一つの端部フラップは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続される近位部分と、前記近位部分に折り曲げ可能に接続される遠位部分とを含む、請求項8に記載の構造物。
【請求項10】
前記少なくとも一つの端部フラップの前記遠位部分が前記少なくとも一つの端部フラップの前記近位部分から前記基部パネルまで延在するようにして、前記少なくとも一つの間隔機構は、前記少なくとも一つの端部フラップによって形成される、請求項9に記載の構造物。
【請求項11】
前記複数のパネルは、前記構造物の内部の周りに少なくとも部分的に延在する、請求項2に記載の構造物。
【請求項12】
前記構造物は、前記基部パネルを含む複数のパネルを備え、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続された少なくとも一つの側部パネルをさらに備える、請求項11に記載の構造物。
【請求項13】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記少なくとも一つの側部パネルから下方に突出する、請求項12に記載の構造物。
【請求項14】
前記少なくとも一つの間隔機構が第一の間隔機構であり、前記基部パネルに折り曲げ可能に取り付けられた少なくとも一つの端部パネルを前記複数のパネルがさらに備え、前記少なくとも一つの端部パネルから下方に突出する第二の間隔機構を前記構造物がさらに含む、請求項13に記載の構造物。
【請求項15】
構造物を形成するためのブランクであって、
食品を支持するための少なくとも一つのパネルであって、基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルと、
前記構造物が前記ブランクから形成される際に、前記積層構造体の前記導電層と相互作用する振動磁界に応答して前記食品に伝達される熱を減衰させるために、誘導源の上方にある距離で前記少なくとも一つのパネルを支持するために前記少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構を形成するための機構と、を備えるブランク。
【請求項16】
前記少なくとも一つのパネルは基部パネルである、請求項15に記載のブランク。
【請求項17】
前記基層は複合材料を含み、前記導電層は金属材料を含み、及び前記表面フィルムは高分子材料を含む、請求項15に記載のブランク。
【請求項18】
前記基層は板紙を含み、及び前記金属材料はアルミニウムを含む、請求項17に記載のブランク。
【請求項19】
前記構造物が前記ブランクから形成される際に、前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの一部から形成される、請求項16に記載のブランク。
【請求項20】
前記構造物が前記ブランクから形成される際に、前記少なくとも一つの間隔機構は、前記積層構造体の前記導電層の変形部分によって少なくとも部分的に形成される、請求項19に記載のブランク。
【請求項21】
前記基部パネルに折り曲げ可能に接続された複数の端部フラップをさらに含む、請求項16に記載のブランク。
【請求項22】
前記複数の端部フラップの少なくとも一つの端部フラップは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続される近位部分と、前記近位部分に折り曲げ可能に接続される遠位部分とを含む、請求項21に記載のブランク。
【請求項23】
前記構造物が前記ブランクから形成される際に、前記少なくとも一つの端部フラップの前記遠位部分が前記少なくとも一つの端部フラップの前記近位部分から前記基部パネルまで延在するようにして、前記少なくとも一つの間隔機構は、前記少なくとも一つの端部フラップによって形成される、請求項22に記載のブランク。
【請求項24】
前記ブランクは、前記基部パネルを含む複数のパネルを備え、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続された少なくとも一つの側部パネルをさらに備える、請求項16に記載のブランク。
【請求項25】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記少なくとも一つの側部パネルから形成される、請求項24に記載のブランク。
【請求項26】
前記少なくとも一つの間隔機構は、第一の間隔機構であり、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に取り付けられた少なくとも一つの端部パネルをさらに含み、前記構造物は、前記少なくとも一つの端部パネルから形成される第二の間隔機構をさらに含む、請求項25に記載のブランク。
【請求項27】
構造物を形成する方法であって、
基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルを含むブランクを得ることと、
前記積層構造体の前記導電層と相互作用する振動磁界に応答して食品に伝達される熱を減衰させるために、誘導源の上方に予め選択された距離を置いて前記少なくとも一つのパネルを支持するために前記少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構を形成することと、を備える方法。
【請求項28】
前記少なくとも一つのパネルは基部パネルである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記基層は複合材料を含み、前記導電層は金属材料を含み、及び前記表面フィルムは高分子材料を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記基層は板紙を含み、及び前記金属材料はアルミニウムを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの下方に延在する部分である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも一つの間隔機構が前記積層構造体の前記導電層の変形部分によって少なくとも部分的に形成されるように、前記基部パネルを少なくとも部分的に変形させることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの上面における少なくとも一つのくぼみに対応する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記基部パネルに折り曲げ可能に接続された複数の端部フラップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記複数の端部フラップの少なくとも一つの端部フラップは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続される近位部分と、前記近位部分に折り曲げ可能に接続される遠位部分とを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも一つの間隔機構を形成することは、前記少なくとも一つの端部フラップの前記遠位部分が、前記少なくとも一つの端部フラップの前記近位部分から前記基部パネルまで延在するように、前記少なくとも一つの端部フラップを位置決めすることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記構造物の内部の周りに少なくとも部分的に複数のパネルを折り曲げることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項38】
前記構造物は、前記基部パネルを含む複数のパネルを備え、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続された少なくとも一つの側部パネルをさらに備える、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも一つの間隔機構を形成することは、前記少なくとも一つの側部パネルから下方に突出する前記少なくとも一つの間隔機構を位置決めすることを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも一つの間隔機構は、第一の間隔機構であり、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に取り付けられた少なくとも一つの端部パネルをさらに備え、及び前記少なくとも一つの間隔機構を形成する前記方法は、前記少なくとも一つの端部パネルから下方に突出する第二の間隔機構を位置決めすることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
食品を加熱する方法であって、
基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルを含むブランクを得ることと、
前記少なくとも一つのパネルと、前記少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構とを含む構造物を、前記ブランクから形成することと、
前記少なくとも一つの間隔機構が前記少なくとも一つのパネルを誘導源の上方にある距離で支持するようにして前記誘導源に前記構造物を配置することと、
前記誘導源を作動させて、前記積層構造体の前記導電層と相互作用する振動磁界を生成し、前記少なくとも一つのパネル上に支持された少なくとも一つの食品を加熱することと、を備える方法。
【請求項42】
前記少なくとも一つのパネルは基部パネルである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記基層は複合材料を含み、前記導電層は金属材料を含み、及び、前記表面フィルムは高分子材料を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記基層は板紙を含み、及び前記金属材料はアルミニウムを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの下方に延在する部分である、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも一つの間隔機構が、前記積層構造体の前記導電層の変形部分によって少なくとも部分的に形成されるように、前記基部パネルを少なくとも部分的に変形させることをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも一つの間隔機構は、前記基部パネルの上面における少なくとも一つのくぼみに対応する、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記基部パネルに折り曲げ可能に接続される複数の端部フラップをさらに備える、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記複数の端部フラップの少なくとも一つの端部フラップは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続される近位部分と、前記近位部分に折り曲げ可能に接続される遠位部分とを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記構造物を形成することは、前記少なくとも一つの端部フラップの前記遠位部分が前記少なくとも一つの端部フラップの前記近位部分から前記基部パネルまで延在して前記少なくとも一つの間隔機構を形成するように、前記少なくとも一つの端部フラップを位置決めすることを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記構造物を形成することは、前記構造物の内部の周りに少なくとも部分的に複数のパネルを折り曲げることを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
前記構造物は、前記基部パネルを含む複数のパネルを備え、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に接続される少なくとも一つの側部パネルをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記構造物を形成することは、前記少なくとも一つの側部パネルから下方に突出する前記少なくとも一つの間隔機構を位置決めすることを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも一つの間隔機構は、第一の間隔機構であり、前記複数のパネルは、前記基部パネルに折り曲げ可能に取り付けられる少なくとも一つの端部パネルをさらに含み、及び、前記構造物を形成する前記方法は、前記少なくとも一つの端部パネルから下方に突出する第二の間隔機構を位置決めすることを含む、請求項53に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願に対する相互参照]
本出願は、2020年7月15日に出願された米国仮特許出願第63/052,037号の利益を主張する。
【0002】
[引用による補充]
2020年7月15日に出願された米国仮特許出願第63/052,037号の開示は、その全体が本明細書に示されているかのように、全ての目的のために、引用により本明細書に補充される。
【0003】
本開示は、概して、誘導加熱によって1つ以上の食品を加熱するための積層構造体/ブランク、それから形成される構造物、及び関連する方法に関する。より具体的には、本開示は、誘導源から所定の垂直距離で基部パネルを支持するための少なくとも一つの間隔部材を有する構造物に関する。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、本開示は概して構造物に関する。本構造物は、食品を支持するための少なくとも一つのパネルであって、基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルを含む。本構造物は、積層構造体の導電層と相互作用する振動磁界に応答して食品に伝達される熱を減衰させるために、誘導源の上方にある距離で少なくとも一つのパネルを支持するために少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構をさらに含む。
【0005】
別の態様によれば、本開示は概して構造物を形成するためのブランクに関する。本ブランクは、食品を支持するための少なくとも一つのパネルであって、基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルを含む。本ブランクは、構造物がブランクから形成される際に、積層構造体の導電層と相互作用する振動磁界に応答して食品に伝達される熱を減衰させるために、誘導源の上方にある距離で少なくとも一つのパネルを支持するために少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構を形成するための機構をさらに含む。
【0006】
別の態様によれば、本開示は概して構造物を形成する方法に関する。本方法は、基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルを含むブランクを得ることを含む。本方法は、積層構造体の導電層と相互作用する振動磁界に応答して食品に伝達される熱を減衰させるために、誘導源の上方に予め選択された距離で少なくとも一つのパネルを支持する、少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構を形成することをさらに含む。
【0007】
別の態様によれば、本開示は、食品を加熱する方法に関する。本方法は、基層、導電層、及び表面フィルムを含む積層構造体から形成される少なくとも一つのパネルを含むブランクを得ることと、構造物が少なくとも一つのパネルと少なくとも一つのパネルから下方に延在する少なくとも一つの間隔機構とを含むようにブランクから構造物を形成することとを含む。本方法はさらに、少なくとも一つの間隔機構が誘導源の上方にある距離で少なくとも一つのパネルを支持するようにして誘導源の上に構造物を配置することと、誘導源を作動させて積層構造体の導電層と相互作用する振動磁界を生成し、少なくとも一つのパネルに支持された少なくとも一つの食品を加熱することとを含む。
【0008】
当業者は、以下の図面を参照して実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、上述の利点及び種々の追加の実施形態の他の利点及び利益を理解するであろう。
【0009】
一般的な慣習によると、以下に説明する図面の様々な機構は、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。図面中の様々な機構及び要素の寸法は、本開示の実施形態をより明確に示すために拡大又は縮小することができる。
【0010】
対応する部材は、図面全体を通して対応する参照番号によって指定される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示によるブランク及び構造物の形成に使用するための積層構造体の断面図である。
図2】本開示の第1の例示的実施形態による構造物を形成するためのブランクの平面概略図である。
図3】形成装置内に配置された図2のブランクの概略図である。
図4】第1の例示的な実施形態による、図2のブランクから形成される構造物の斜視図である。
図5】誘導加熱のための誘導源上に配置された図4の構造物の概略図である。
図6】本開示の第2の例示的実施形態による構造物を形成するためのブランクの平面概略図である。
図7】第2の例示的な実施形態による図6のブランクから形成される構造物の斜視図である。
図8】本開示の第3の例示的実施形態による構造物を形成するためのブランクの平面概略図である。
図9】本開示の第3の例示的実施形態による図8のブランクから形成される構造物の斜視図である。
図10】本開示の第4の例示的実施形態による構造物を形成するためのブランクの平面概略図である。
図11】本開示の第4の例示的実施形態による図10のブランクから形成される構造物の斜視図である。
図12図11の構造物の別の斜視図である。
図13】本開示の第5の例示的実施形態による構造物を形成するためのブランクの平面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の様々な態様は、図を参照することによってさらに理解され得る。簡略化のために、同様の機構を説明するために同様の数字が使用される場合がある。複数の同様の特徴部が示されている場合、そのような特徴部の全てが必ずしも各図に符号が付されているわけではないことが理解されよう。また、構造物を形成するために使用される様々な構成要素は入れ替えてもよいことが理解されよう。従って、特定の組み合わせのみが本明細書には図示されているが、多数の他の組み合わせ及び構成が本明細書では企図されている。
【0013】
本開示による構造物は、多数の異なる形状の物品を収容することができる。開示の範囲を限定する目的ではなく、例示のために、以下の詳細な説明は、構造物の実施形態の上又は内部に少なくとも部分的に配置される食品などの物品を説明する。
【0014】
物品には、ファーストフード製品、テイクアウト製品、残飯等、又はこれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。このような製品の例には、ペーストリー(例えば、充填された又は凍らせたペーストリー)、パン、フルーツバー、フレンチトーストスティック、魚、鶏肉(チキンナゲット、チキンストリップ、チキンフィンガーなど)、ポップコーン、ピーナッツ、キャンディ、フレンチフライ(ワッフルフライ、ステーキフライ、シューストリングフライ、カールフライなど)、サンドイッチ、ピザ、カルツォーネ、ターンオーバー、ブリトー、又は消費者が消費するために提供され得る他の任意の食品が含まれる。本明細書において、用語「内側」、「内部」、「外側」、「外部」、「下方」、「底部」、「上方」及び「頂部」は、完全に組み立てられた、直立した構造物との関係で決定される方向を示す。
【0015】
本明細書に記載されるように、構造物は、ブランクの複数の重なり合うパネル、端部フラップ、及び/又は他の部分によって形成され得る。ブランクのそのようなパネル、端部フラップ、及び他の部分は、本開示から逸脱することなく、順次的な又は非順次的な参照で、例えば、「第1」、「第2」、「第3」などのように互いに相対的な用語で指定することができる。
【0016】
図1を参照すると、本開示の例示的実施形態による、ブランク103及び/又は構造物100(図4)を形成するための積層構造体102の概略断面図が図示されている。構造物100は、1つ以上の食品を支持又は保持するために使用することができ、また、構造物100が変化/振動する磁界にさらされる際に熱を生成することができるように、例えば、渦電流が電気的伝導性材料に誘導されるように、及び、そのような渦電流に対する電気抵抗が熱を生成するように、1つ以上の電気的伝導性及び熱的伝導性材料を含むことができる。この点に関して、積層構造体102、ブランク103、及び/又は構造物100は、1つ以上の食品に誘導加熱を提供するために、誘導発生機又は誘導源、例えば、変化/振動する磁界の源と共に使用するように構成される。強磁性伝導性材料の場合、加熱は、ヒステリシス損失によって少なくとも部分的に提供され得る。
【0017】
図示のように、積層構造体102は、食品接触又は表面フィルム104、伝導性材料又は導電層106、及び材料の基層110を含む。この点に関して、食品接触フィルム104は、積層構造体102の内部又は食品支持表面を形成する。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような高分子材料から、食品接触フィルム104を形成することができる。食品接触フィルム104は、少なくとも基層110にバリア特性、例えば、水分、油、及び食品流出物のような流体の通過に対して抗することができ、本明細書に記載されるような加熱用途での使用に好適であり得る。食品接触フィルム104は、本開示から逸脱することなく、追加の又は代替の材料、例えば金属又は複合材料で形成することができる。
【0018】
図示及び説明されるように、電気的及び/又は熱的に伝導性又は半伝導性である材料、例えば、金属又は金属合金(例えば、鉄/磁性/常磁性金属)、又は誘導加熱に適した特性を持ち得る他の材料で導電層106は少なくとも部分的に形成されてもよい。例えば、銅及び銅合金、真鍮、アルミニウム、鉄、鋼、ステンレス鋼、タングステン、クロム、ニッケル、コバルト、炭素繊維、黒鉛、珪素、白金、銀、金、それらの合金などをそのような材料として挙げることができる。示された例示的な実施形態では、導電層106はアルミニウムから形成することができ、本開示から逸脱することなく、追加の又は代替の金属材料を使用することができる。例えば、開示から逸脱することなく、電気的及び/又は熱的伝導のための所望のプロファイルを提供するために、1つ以上の不連続部及び/又は非伝導性領域を含むように、導電層106はパターン化又は構成することができる。
【0019】
基層110は、紙又は紙ベースの製品(例えば、板紙など)のような複合材料とすることができ、導電層106及び食品接触フィルム104を支持し、一般に、これらの構成要素の1つ以上と同じサイズ、形状、及び/又は寸法であるように構成されるが、基層110は、本開示から逸脱することなく、異なる構成にすることが可能である。
【0020】
積層構造体102は、食品接触フィルム104、導電層106及び基層110をそれぞれ重ねて配置することにより形成することができる。このような配置は、例えば、ローラー及びニップ、化学蒸着、1つ以上の接着剤の塗布などを含む積層工程によって提供することができる。
【0021】
食品接触フィルム104及び導電層106は、別々に形成された要素であり得ること、食品接触フィルム104は、金属化され得るか、又は他の方法で伝導性材料を設けることができること、及び/又は、導電層106には、食品接触フィルム104と同様に機能するコーティング又は表面処理が施され得ることが理解されるであろう。一実施形態では、導電層106は、付随するフィルム又はフィルム状処理なしで提供することができる。
【0022】
一実施形態では、積層構造体102は、75ga(0.019mm)PETから形成された食品接触層104、約7ミクロンの厚さのアルミニウムから形成された導電層106、及び約0.018キャリパの厚さを有する板紙から形成された基層110を含むことができる。積層構造体102又はその1つ以上の構成要素は、本開示から逸脱することなく、異なる構成を有することができることが理解されよう。
【0023】
さらに図2を参照すると、本開示の第一の例示的実施形態に従って、構造物100を形成するためのブランク103の外面101が図示されている。ブランク103は、積層構造体102から形成することができるが、ブランク103を形成するために異なる材料配置を提供することができることが理解されよう。
【0024】
図示のように、ブランク103は、長手方向軸L1、横方向軸L2、及び1つ以上のパネルを有することができる。図示された実施形態では、横方向の弱化線125で、中央パネル又は底部パネル又は主パネル又は基部パネル123(広義には、「第一の基部パネル」又は「第二の基部パネル」)に分離可能及び/又は折り曲げ可能に接続される中央パネル又は底部パネル又は主パネル又は基部パネル121(広義には、「第一の基部パネル」又は「第二の基部パネル」)を、ブランク103は含むことができる。
【0025】
ブランク103は、それぞれのパネルに折り曲げ可能/分離可能に接続された複数の端部フラップ又はフラップを含むことができ、図示のように、それぞれの長手方向の弱化線129で、基部パネル121の対向する長手方向自由縁に分離可能及び/又は折り曲げ可能に接続された一対の位置決めフラップ127を含むことができる。
【0026】
図示のように、一対の位置決めフラップ131は、弱化線125と交差するそれぞれの長手方向の弱化線133において、基部パネル121、123の対向するそれぞれの長手方向自由縁の一部に折り曲げ可能及び/又は分離可能に接続され得る。本明細書でさらに説明されるように、位置決めフラップ127、131の1つ以上は、形成ツール又は装置の一部と係合することができ、又はそうでなければ、形成ツール又は装置に対して基部パネル121、123を位置決めするために係合することができる。
【0027】
図3に目を向けると、ブランク103を構造物100に再構成するための形成装置137の概略図が示されている。図示されるように、雄型形成部材139、例えば、1つ以上の突出表面機構を有するアンビル又は他の部材、及び雌型形成部材141、例えば、雄型形成部材139の表面機構に相補的な1つ以上の凹面表面機構を有する他の部材の型/キャビティを、形成装置137は含むことができる。
【0028】
図示の実施形態では、例えば、雄型形成部材139及び雌型形成部材141の一方又は両方が、雄型形成部材139及び雌型形成部材141の他方に向かう及び/又は離れるように構成され得るように、雄型形成部材139及び雌型形成部材141は互いに相対的に移動可能に配置することができる。
【0029】
この点に関して、ブランク103は、形成装置137の雄型形成部材139と雌型形成部材141との間に位置決めすることができ、そのような位置は、形成装置137の一部、例えば、形成部材139、141の一方又は両方のリム又は縁、クランプ、クリップ、又は他の保持構造などと、1つ以上の位置決めフラップ127、131との係合を介して達成及び/又は維持することができる。一実施形態では、保持構造は、形成装置137に取り付けられるか又はその近くに位置付けられ、1つ以上の位置決めフラップ127、131と係合して、形成装置137の動作中にブランク103の位置を維持することができる。
【0030】
雄型形成部材139の突出表面機構の1つ以上が雌型形成部材141の対応する凹部機構にブランク103の一部を付勢するように、形成部材139、141の1つ以上が、互いに引き寄せられ/近接され得る。本明細書でさらに説明するように、構造物100の少なくとも一つの間隔機構を形成することを含めて、形成装置137のそのような作用は、構造物100へのブランク103の少なくとも部分的変形及び/又は再構成を引き起こすことができる。
【0031】
さらに図4及び5を参照すると、本開示の第一の例示的実施形態に従って、ブランク103から形成された構造物100が示されている。示されるように、構造物100は、基部パネル121、123のうちの少なくとも一つを含むことができる。従って、位置決めフラップ127、131のうちの1つ以上、及び/又は基部パネル121、123のうちの別のものは、それぞれの弱化線129、133、125において基部パネル121、123のうちの1つから分離することができる。本開示から逸脱することなく、構造物100は、基部パネル121、123の両方、及び/又は、1つ以上の位置決めフラップ127、131を含むことができることが理解されよう。例えば、一実施形態では、構造物100が二層構造に配置されたパネル121、123から形成されるように、弱化線125において少なくとも部分的に面対面接触するように基部パネル121、123を折り曲げることができる。或いは、基部パネル121、123は、形成された構造物において互いに間隔を空けて位置決めされ得るか、又は基部パネルは、別個の構造物又はトレイを形成するように代替的に配置され得る。
【0032】
示されるように、構造物100は、基部パネル121/123から下方に突出する一対の間隔部材143を含むことができる間隔機構を含むことができる。間隔部材143は、上述した形成装置137の作用を介して形成することができる。例えば、ブランク103/構造物100を形成する材料の少なくとも導電層、例えば、形成装置137の動作中に少なくとも部分的に形状変化を受ける導電層106(図1)の展性の金属材料の再構成を介して、間隔部材143を少なくとも部分的に形成することができる。
【0033】
示されるように、間隔部材143は、基部パネル121/123から下方に延在する概して細長い斜め又はくさび形の突出部の形態を有することができる。一実施形態では、間隔部材143は、基部パネル121/123の上面におけるそれぞれのくぼみ142に対応する細長い折り目又はひだの形態を有することができる。本開示から逸脱することなく、間隔部材143は、異なる構成、例えば、曲線、バンプ、ピークなどを有することができ、連続的な機構であってもよく、又は1つ以上の不連続部を有してもよいことが理解されよう。
【0034】
構造物100は、図5に示されており、1つ以上の振動する/変化する磁界Bを生成するように構成された誘導源S上に支持されている。この点に関して、誘導源Sは、作動コイル、例えば、金属ワイヤ又はケーブルの巻線/らせん構成を含むことができ、かつ、電源を含むか又は電源に電気的に結合され、作動コイルに交流電流を供給するように作動化/通電されることができる。一実施形態では、誘導源は、誘導調理器であってもよく、例えば、ガラス/セラミック/複合材料表面であって、その下に銅又は他の磁気コイル(複数可)が配置されて誘導調理のための磁界を生成する。
【0035】
誘導源Sによる1つ以上の振動磁界Bの生成に際して、1つ以上の電流E、例えば渦電流が、構造物100の伝導性材料に形成され得る。このような電流に対する構造物100の伝導性材料の電気抵抗は、食品、例えば食品Fに伝導され得る熱Hを発生させる。
【0036】
示されるように、構造物100の間隔部材143は、基部パネル121/123(及びその上の食品)を所定の又は予め選択された距離Dだけ誘導源Sの上方に位置決め/支持する。誘導源Sの上方の基部パネル121/123のこのような距離Dは、振動磁界Bに応答して食品Fに供給される熱Hの所望の減衰を提供することができ、例えば、誘導源Sの上方D未満の距離で生じ得る、構造物100の1つ以上の部分の熱損傷(例えば、ひび、剥離など)を防止し、食品Fの炭化又は焼き過ぎなどを防止する。一実施形態では、距離Dは約1.75mmであり得る。或いは、距離Dは、本開示の範囲から逸脱することなく、1.75mm以上又は1.75mm未満であり得る。例えば、距離Dは、誘導源の様々なパラメータ(例えば、誘導調理器の大きさ、誘導調理器のパワーなど)に基づいて選択することができる。
【0037】
さらに図6を参照すると、本開示の第二の例示的な実施形態による構造物200(図7)を形成するためのブランク203の外面201が図示されている。ブランク203及び構造物200は、ブランク103及び構造物100に関して上述したものと同一又は類似の1つ以上の特徴を有することができ、同様又は類似の参照番号は、同様又は類似の特徴を示すために使用される。
【0038】
ブランク203は、長手方向軸L1及び横方向軸L2を有し、積層構造体102から少なくとも部分的に形成され得るが、ブランク203は、開示から逸脱することなく、1つ以上の付加的又は代替的な材料から形成され得る。
【0039】
図示のように、ブランク203は、一対の長手方向に間隔を空けた凹状カット224(例えば、ブランク203の長手方向中心線から横方向に下方に延在する曲率半径を有するカット)の反対側に一対の長手方向に間隔を空けた凸状カット222(例えば、ブランク203の長手方向中心線から横方向に上方に延在する曲率半径を有するカット)を有する主パネル又は中央パネル又は基部パネル221を含む。
【0040】
ブランクはまた、長手方向折り線225で基部パネル221に折り曲げ可能に接続された第一の端部フラップ223と、長手方向折り線229で基部パネル221に折り曲げ可能に接続された第二の端部フラップ227とを含む。
【0041】
図示のように、端部フラップ223は、長手方向折り線225で基部パネル221に折り曲げ可能に接続された近位部分231と、長手方向折り線235で近位部分231に折り曲げ可能に接続された遠位部分233とを含む。
【0042】
同様に、端部フラップ227は、長手方向折り線229で基部パネル221に折り曲げ可能に接続された近位部分237と、長手方向折り線241で近位部分237に折り曲げ可能に接続された遠位部分239とを含む。
【0043】
図7をさらに参照すると、一つの例示的な実施形態では、ブランク203の外面201を支持面上に下向きに置き、端部フラップ223の近位部分231を折り線225で矢印A1の方向に折り曲げ、端部フラップ223の遠位部分233を折り線235で矢印A2の方向に折り曲げ、端部フラップ223の遠位部分233のそれぞれの部分を、それぞれのカット222によって形成された基部パネル221の開口部を通して挿入することによって、構造物200をブランク203から形成することができる。
【0044】
この点に関して、間隔部材243は、端部フラップ223の近位部分231及び遠位部分233の配置によって形成され、基部パネル221から下方に延在するように位置決めされている。間隔部材243は、端部フラップ223の近位部分231及び遠位部分233の配置によって形成される概して斜め又はくさび形の外形を有することができるが、間隔部材243は、開示から逸脱することなく、異なる配置を有することができる。前述の配置において、端部フラップ223の近位部分231は、基部パネル221から端部フラップ223の遠位部分233まで延在し、端部フラップ223の遠位部分233は、端部フラップ223の近位部分231から基部パネル221まで延在している。
【0045】
同様に、端部フラップ227の近位部分237を折り線229で矢印A3の方向に折り曲げ、端部フラップ227の遠位部分239を折り線241で矢印A4の方向に折り曲げることができる。端部フラップ227の遠位部分239の一部は、それぞれのカット224によって形成された開口部に挿入されて、基部パネル221から下方に延在し、端部フラップ227の近位部分237及び遠位部分239の配置によって形成された概して斜め又はくさび形の外形を有する間隔部材245を形成することができる。前述の配置において、端部フラップ227の近位部分237は、基部パネル221から端部フラップ227の遠位部分239まで延在し、端部フラップ227の遠位部分239は、端部フラップ227の近位部分237から基部パネル221に延在している。間隔部材245は、本開示から逸脱することなく、異なる配置を有することができる。
【0046】
前述の配置において、基部パネル221の一部は、カット222、224においてその残りの部分から少なくとも部分的に分離して、それぞれの端部フラップ223、227を保持するためのそれぞれの保持タブ220、226を形成することができる。
【0047】
この点に関して、構造物200の間隔部材243、245は、基部パネル221を予め選択された距離Dだけ誘導源、例えば、図5に示される誘導源Sの上方に位置決めして、振動磁界Bに応答して食品Fに供給される熱Hの所望の減衰を提供し、例えば、構造物100に関して上述したように、構造物200の1つ以上の部分の熱損傷(例えば、ひび、剥離など)を防止し、食品Fの炭化又は焼き過ぎなどを防止する。
【0048】
さらに図8を参照すると、本開示の第三の例示的実施形態による構造物300(図9)を形成するためのブランク303の外面301が図示される。ブランク303及び構造物300は、ブランク103、203及び構造物100、200に関して上述したものと同じ又は類似する1つ以上の特徴を有することができ、同様又は類似の参照番号は、同様又は類似の特徴を示すために使用される。
【0049】
ブランク303は、長手方向軸L1及び横方向軸L2を有し、積層構造体102から少なくとも部分的に形成され得るが、ブランク303は、開示から逸脱することなく、1つ以上の追加的又は代替的な材料から形成され得る。
【0050】
示されるように、ブランク303は、横方向折り線325で第一の側部パネル323に折り曲げ可能に接続され、横方向折り線329で第二の側部パネル327に折り曲げ可能に接続された主/中央/底部パネル又は基部パネル321を含む。各折り線325、329は、横方向に間隔を空けた湾曲したカット331、333のそれぞれの対によって中断され得る。
【0051】
第一の側部パネル323は、湾曲したカット333のそれぞれの対によって中断される横方向の折り線337で第一の頂部パネル335に折り曲げ可能に接続することができる。同様に、第二の側部パネル327は、一対の湾曲したカット331によって中断される横方向の折り線341で第二の頂部パネル339に折り曲げ可能に接続されて、カット331、333が対向する凹凸関係で配置される。一実施形態では、頂部パネルの異なる配置、例えば単一の頂部パネルを設けることができる。
【0052】
図9をさらに参照すると、一つの例示的な実施形態において、ブランク303の外面301を支持面上に下向きに配置し、側部パネル323、327をそれぞれの折り線325、329で矢印A5及びA6の方向に上向きに折り曲げることによって、構造物300はブランク303から形成することができる。その後、頂部パネル335、339は、それぞれの折り線337、341においてそれぞれの矢印A7、A8の方向に互いに向かって折り曲げることができ、頂部パネル335、339が少なくとも部分的に重なり合う配置、例えば、互いに少なくとも部分的に面対面接触するようになる。構造物300のこのような配置は、接着剤Gのような接着剤で維持することができる。
【0053】
このように構造物300を形成する際、それぞれの側部パネル323、327の一部は、それぞれのカット331、333においてそれぞれの隣接するパネルから分離して、側部パネル323、327の対向する縁部から突出する複数の間隔部材343(広義の「第一の間隔部材」)を形成することができる。図示のように、一組の4つの間隔部材343は、頂部パネル339、335に対して上方に突出することができ、一組の4つの間隔部材343は、基部パネル321に対して下方に突出することができる。1つ以上の間隔部材343は、本開示から逸脱することなく、異なる構成又は配置を有することができることが理解されよう。
【0054】
この点に関して、食品を少なくとも部分的に受容することができるオープンスリーブのような配置で構造物300の内部307の周りに少なくとも部分的にパネル321、323、327、335、339は延在する。頂部パネル335、339は、構造物300の最上方パネル/層として説明されてきたが、構造物300は反転させることができ、パネル335、339が構造物300の最下方又は支持パネル/層であり、パネル321が構造物300の最上方パネル/層として位置づけられることが理解されよう。
【0055】
構造物300は、一つ以上の振動する/変化する磁界を生成するように構成されている図5に示す誘導源Sのような誘導源に支持されて示されており、誘導源Sによって一つ以上の振動磁界Bが発生する際に、一つ以上の電流、例えば渦電流が構造物300の伝導性材料内に形成され、電気抵抗により、食品、例えば食品Fに伝導され得る熱Hを発生するように構成されている。
【0056】
このように、構造物300の間隔部材343は、基部パネル321を予め選択された距離Dだけ誘導源Sの上方に位置決めするように構成することができ、振動磁界Bに応答して食品Fに供給される熱Hの所望の減衰を提供し、例えば、構造物100、200に関して上述したように、構造物300の1つ以上の部分の熱損傷(例えば、ひび、剥離など)を防止し、食品Fの炭化又は焼き過ぎなどを防止する。
【0057】
さらに図10を参照すると、本開示の第四の例示的な実施形態による構造物400を形成するためのブランク403の外面401が示されている。ブランク403及び構造物400は、ブランク103、203、303及び構造物100、200、300に関して上述したものと同一又は類似する1つ以上の特徴を有することができ、同様又は類似の参照番号は、同様又は類似の特徴を示すために使用される。
【0058】
ブランク403は、長手方向軸L1及び横方向軸L2を有し、積層構造体102から少なくとも部分的に形成され得るが、ブランク403は、開示から逸脱することなく、1つ以上の追加的又は代替的な材料から形成され得る。
【0059】
図示のように、1つ以上の直線部分、湾曲部分、及び角度のある部分を有するカット427によって中断され得る横方向折り線425において、第一の端部パネル423に折り曲げ可能に接続された主/中央/基部パネル又は基部パネル421をブランク403は含む。同様に、1つ以上の直線部分、湾曲部分、及び角度のある部分を有するカット433によって中断され得る横方向折り線431において、基部パネル421は第二の端部パネル429に折り曲げ可能に接続され得る。
【0060】
1つ以上の直線部分、湾曲部分、及び角度のある部分を有するカット439によって中断される長手方向折り線437において、第一の側部パネル435は基部パネル421に折り曲げ可能に接続され得る。同様に、1つ以上の直線部分、湾曲部分、及び角度のある部分を有するカット445によって中断される長手方向折り線443において、第二の側部パネル441は基部パネル421に折り曲げ可能に接続され得る。
【0061】
複数の端部フラップは、ブランク403の複数のパネルのそれぞれのパネルに折り曲げ可能に接続することができ、斜め折り線449において第一の端部パネル423に折り曲げ可能に接続された第一のコーナーパネル447と、斜め折り線453において第一の端部パネル423に折り曲げ可能に接続された第二のコーナーパネル451とを含むことができる。図示のように、コーナーパネル447、451は、それぞれの斜めカット455、457においてそれぞれの側部パネル435、441から分離することができる。
【0062】
同様に、第一のコーナーパネル459は、斜め折り線461において第二の端部パネル429に折り曲げ可能に接続することができ、第二のコーナーパネル463は、斜め折り線465において第二の端部パネル429に折り曲げ可能に接続することができる。コーナーパネル459、463は、それぞれの斜めカット467、469においてそれぞれの側部パネル435、441から分離することができる。
【0063】
図11及び12をさらに参照すると、一つの例示的な実施形態において、ブランク403の外面401を支持面上に下方に向けて配置し、端部パネル423、429をそれぞれの折り線425、431においてそれぞれの矢印A9、A10の方向に上方に折り曲げ、同時に又はその後に、側部パネル435、441をそれぞれの折り線437、443においてそれぞれの矢印A11、A12の方向に上方に折り曲げることによって、構造物400はブランク403から形成することができる。
【0064】
コーナーパネル447、459は、それぞれの折り線449、461で、側部パネル435と少なくとも部分的に面対面接触するように折り曲げることができ、コーナーパネル451、463は、それぞれの折り線453、465で、側部パネル441と少なくとも部分的に面対面接触するように折り曲げることができる。構造物400のこのような配置は、糊のような接着剤で維持することができる。
【0065】
このように構造物400を形成する際、それぞれの端部パネル423、429及びそれぞれの側部パネル435、441の一部は、それぞれのカット427、433、439、445において隣接する基部パネル421から分離して、それぞれのパネル423、429、435、441から下方に突出する複数のそれぞれの間隔部材471、473(広義の「第二の間隔部材」)、475、477(広義の「第一の間隔部材」)を形成することができる。この点に関して、間隔部材471、473、475、477は、基部パネル421に対して下方に延在するタブ、支柱、脚等の形態を有することができる。1つ以上の間隔部材471、473、475、477は、本開示から逸脱することなく、異なる構成又は配置を有することができることが理解されよう。
【0066】
図示のように、1つ以上の食品を受け入れるために、構造物400の内部407の周りに少なくとも部分的に延在するパネル421、423、429、435、441を有する、概してトレイ状の構成を構造物400は有することができる。
【0067】
このように、構造物400は、1つ以上の振動/変化する磁界Bが発生するように構成された図5の誘導源Sのような誘導源に支持されるように構成することができる。そして、誘導源Sによって1つ以上の振動磁界Bが発生する際に、1つ以上の電流、例えば渦電流が、構造物400の伝導性材料に形成され、電気抵抗により食品、例えば食品Fに伝導され得る熱Hを発生する。
【0068】
構造物400の間隔部材471、473、475、477は、基部パネル421を予め選択された距離Dだけ誘導源Sの上方に位置決めするように配置することができ、振動磁界Bに応答して食品Fに供給される熱Hの所望の減衰を提供し、例えば、構造物100、200、300に関して上述したように、構造物400の1つ以上の部分の熱損傷(例えば、ひび、剥離など)を防止し、食品Fの炭化又は焼き過ぎを防止する。
【0069】
さらに図13を参照すると、本開示の第五の例示的な実施形態による構造物500を形成するためのブランク503の外面501が示されている。ブランク503及び構造物500は、ブランク103、203、303、403、及び、構造物100、200、300、400に関して上述したものと同一又は類似の1つ以上の特徴を有することができ、同様又は類似の参照番号は、同様又は類似の特徴を示すために使用される。
【0070】
特に、ブランク503は、パネル421、423、429、435、441が異なる寸法/配置で提供されることを除いて、ブランク403と概して同様とすることができる。この点に関し、ブランク503から形成される構造物は、ブランク403からの構造物400の形成に関して上述したものと同様の方法で形成することができ、また上記実施形態に関して上述したように、基部パネル421を誘導源の上に所定の距離を置いて支持するために使用することができる。
【0071】
本開示から逸脱することなく、1つ以上の食品の誘導加熱のための追加的又は代替的な構造物を提供することができることが理解されよう。このような構造物は、ボウル、トレイ、スリーブ、マット、蓋付き構造(例えば、1つ以上のちょうつがい式に動かすことが可能な蓋を有する)などの形態を有することができ、また上記の議論に従って、底部/基部パネルを誘導源から所定の距離を置いて支持するためにそこから延在する、タブ、脚、支柱、隆起、その他の突起などの形態の1つ以上の間隔部材を有する少なくとも一つの底部/基部パネルを有することができる。
【0072】
概して、本明細書に記載されるブランク又は基層は、通常の紙よりも重く、より剛性が高い、厚さを有する板紙から構成され得る。また、ダンボールや構造物が少なくともほぼ上述のように機能することを可能にするのに適した特性を有する任意の他の材料で、基層を構築することができる。基層は、例えば粘土コーティングで被覆することができる。次いで、粘土コーティングは、商品、広告、及び他の情報又は画像を上に印刷され得る。次いで、基層に印刷された情報を保護するために、基層はニスで被覆されてもよい。また、基層は、基層の片面又は両面を、例えば防湿層で被覆されてもよい。また、選択されたパネル又はパネル部分において、基層は1つ又は複数のシート状材料で積層又は被覆され得る。
【0073】
本明細書に記載されるような構造物を形成するために、多数の他の一連の工程が使用され得ることが明らかであろう。また、本開示に従って構造物を形成するために、多数の他の材料又は構造が使用され得ることが明らかである。構造物を形成するために、このような材料のいずれも単独で、又は組み合わせて、及び任意の構成で使用することができる。複数の材料(又は同じ材料の複数の層)が使用される場合、材料は互いに部分的又は完全に接合されてもよく、又は互いに分離したまま(すなわち未接合)であってもよい。
【0074】
無数の他の構造及び構造物が、本開示によって企図される。所望であれば、そのような構造のいずれも、伝導性材料を欠いているか、又は熱/電気伝導が抑制された1つ以上の領域を含むことができる。そのような領域は、隣接する食品又は他の品目の加熱、褐色化、及び/又はカリカリに焼くことを増強するために使用することができ、そのような加熱を要求に応じて変更するためにサイズ調整、位置決め、及び配置することができる。
【0075】
材料が、典型的な表面加熱温度、例えば、最高約400°F、及び一実施形態では最高約425°Fにおいて、軟化、焦げ付き、燃焼、又は劣化に対して実質的に抗することができるのであれば、そのような構成又は構造物のいずれも、様々な材料から形成することができる。そのような加熱温度は、本開示から逸脱することなく、より高くすることができる。
【0076】
所望であれば、本明細書に記載されるか、又は本明細書で企図される多数の伝導性材料のいずれも、実質的に連続的、すなわち、実質的な破断又は中断がない、又は、例えば、1つ以上の破断又は開口を含むことによって不連続であってもよい。破断又は開口は、食品又は他の品目の特定の領域を選択的に加熱するようにサイズ設定及び位置決めすることができる。破断又は開口は、構造全体を通して延在してもよく、1つ以上の層を通してのみ延在してもよい。このような破断又は開口の数、形状、サイズ、及び位置は、形成される構造物の種類、その中又はその上で加熱される食品又は他の品目、所望の遮蔽、褐色化、及び/又はカリカリに焼くことの程度、直接加熱による食品品目の温度変化を調節する必要性、並びに通気の必要性の有無及び程度に応じて、特定の用途に対して変化し得る。
【0077】
開口は、構造物を形成するために使用される1つ以上の層又は材料における物理的な開口又は空隙であってもよく、又は非物理的な「開口」(不図示)、例えば、単に特定の領域に伝導性材料を適用しないことによって、又は特定の領域における伝導性材料を、例えば、機械的、化学的に除去することなどによって形成され得る領域であってもよいことが理解されよう。
【0078】
場合によっては、構造物又はその上に支持された1つ以上の食品の過熱又は炭化を防止するために、1つ以上の不連続部又は不活性領域を形成することが有益であり得る。このような領域は、上述したように、伝導性材料なしで構造物のこれらの領域を形成することによって、適用された任意の伝導性材料を除去することによって、又はこれらの領域において伝導性材料を不活性化することによって形成され得る。
【0079】
本明細書に記載される伝導性材料は、任意の適切な方法で基層又は基板に適用することができ、いくつかの例では、伝導性材料は、基板に印刷、押出、スパッタ、蒸着、又は積層されてもよい。食品の所望の加熱効果を達成するために、任意のパターン及び任意の技術を用いて、伝導性材料を基板に適用することができる。例えば、円、輪、六角形、島、正方形、長方形、八角形などを含む連続又は不連続の層又はコーティングとして、伝導性材料は提供され得る。
【0080】
本明細書に開示される積層構造体及びブランク/構造物は、接着結合、熱結合、超音波結合、機械的縫合、又は他の任意の適切なプロセスを用いることを含む、当業者に既知の多数のプロセスに従って形成され得る。パッケージを形成するために使用される種々の構成要素のいずれも、形成されるべき構造物の形状の材料のシート、材料のロール、又はダイカット材料として提供され得る。
【0081】
方向上の全ての参照(例えば、上方、下方、上向き、下向き、左、右、左向き、右向き、頂部、底部、上に、下に、垂直、水平、時計回り、反時計回り)は、本開示の様々な実施形態についての読者の理解を助けるために識別目的でのみ使用され、特許請求の範囲において特に規定されない限り、開示された実施形態の位置、方向、又は使用に関する制限を生じさせない。接合上の参照(例えば、結合、取り付け、連結、接続など)は広義に解釈されるべきであり、要素の接続と要素間の相対的な移動との間の中間部材を含むことができる。このように、接合上の参照は、2つの要素が直接かつ固定した関係で接続されていることを必ずしも意味しない。さらに、様々な実施形態を参照して説明した様々な要素は、本開示の範囲内にある全く新しい実施形態を作成するために交換することができる。
【0082】
本開示の前述の説明は、様々な実施形態を例示し、説明する。本開示の範囲から逸脱することなく、上記の構成に様々な変更を加えることができるため、上記の説明に含まれる、又は添付の図面に示される全ての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されることが意図される。さらに、本開示の範囲は、上述の実施形態の様々な変更、組み合わせ、改変などを含む。さらに、本開示は、選択された実施形態のみを示し、説明するが、様々な他の組み合わせ、変更、及び環境は、本明細書に表現される開示の範囲内であり、上述の教示に相応し、及び/又は関連する技術のスキル又は知識の範囲内にある。さらに、各実施形態の特定の特徴及び特性は、本開示の他の図示及び不図示の実施形態に選択的に交換及び適用され得る。
【0083】
前述の説明は、本開示の様々な実施形態を例示し、説明する。上記の構成には様々な変更がなされ得るので、上記の説明に含まれる又は添付の図面に示されるすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるものとすることが意図される。さらに、上述の実施形態の種々の変更、組み合わせ、及び改変などは、本開示の範囲内である。さらに、本開示は、選択された実施形態のみを示し、説明するが、様々な他の組み合わせ、変更、及び環境は、本開示の範囲内であり、上記の教示に相応し、及び/又は関連する技術のスキル又は知識の範囲内である。さらに、各実施形態の特定の特徴及び特性は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の図示及び不図示の実施形態に選択的に交換及び適用され得る。
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【国際調査報告】