IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスエイチエル・メディカル・アーゲーの特許一覧

特表2023-535160マイクロ投薬デバイス、および、マイクロ投薬デバイスの組み立ての方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】マイクロ投薬デバイス、および、マイクロ投薬デバイスの組み立ての方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20230808BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20230808BHJP
   A61M 5/175 20060101ALI20230808BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20230808BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20230808BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230808BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
A61M5/168 500
A61F9/007 130D
A61M5/168 540
A61M5/168 550
A61M5/175
A61M5/315 550E
A61M39/24
A61K9/08
A61K38/02
A61P43/00 111
A61K39/395 D
A61K39/395 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502996
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 EP2021069380
(87)【国際公開番号】W WO2022013172
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】63/052,963
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20195129.0
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・エグロフ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ワイラー
(72)【発明者】
【氏名】ウルス・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ・ゾマー
【テーマコード(参考)】
4C066
4C076
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
4C066EE14
4C066HH17
4C066JJ07
4C066JJ09
4C066QQ14
4C066QQ22
4C066QQ32
4C066QQ78
4C066QQ94
4C076AA12
4C076BB11
4C076CC32
4C084AA02
4C084BA03
4C084BA41
4C084CA62
4C084MA17
4C084MA66
4C084NA20
4C084ZB32
4C084ZB35
4C084ZC422
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB31
4C085DD61
4C085EE01
4C085GG01
(57)【要約】
本発明は、計量された投与量の治療用流体を送達するためのマイクロ投薬デバイスであって、投薬チャンバを備えた投薬ユニットと、薬剤容器を投薬チャンバに流体接続するための遠位端におけるコネクタユニットと、投薬チャンバを薬剤送達部材に流体接続するための近位端におけるコネクタユニットと、作動機構と、を含み、投薬チャンバは、治療用流体を受け入れるように構成されている、マイクロ投薬デバイスに関する。さらに、マイクロ投薬デバイスは、投薬機構を含み、投薬機構は、作動機構がユーザによってトリガされるときに、薬剤送達部材によって排出されることになる流体の正確に計量された投与量を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量された投与量の治療用流体を送達するためのマイクロ投薬デバイス(10;20)であって、
投薬チャンバ(163;263)を含む投薬ユニット(16;26)と、薬剤容器を前記投薬チャンバ(163;263)に流体接続するための遠位端における遠位コネクタユニット(14;24)と、前記投薬チャンバ(163;263)を薬剤送達部材に流体接続するための近位端における近位コネクタユニット(12;22)と、作動機構(18;28)と、を含み、
前記投薬チャンバ(163;263)は、治療用流体を受け入れるように構成されており、前記マイクロ投薬デバイス(10;20)は、投薬機構を含み、前記投薬機構は、前記作動機構(18;28)によってトリガされるときに、前記薬剤送達部材によって排出されることになる流体の正確に計量された投与量を提供し、前記作動部材(18;28)は、ピストンガイド(172;272)の中に液密に摺動可能に嵌合されているピストンロッド(168;268)を含み、前記ピストンロッド(168;268)は、事前定義されたロッド体積を有しており、始動されるときに、前記ピストンロッド(168;268)が前記投薬チャンバ(163;263)の中へ移動するようになっており、前記ピストンロッド(168;263)の変位体積は、前記投薬チャンバ(163;263)の中への前記ピストンロッド(168;263)の始動および変位のときに排出されることになる前記計量された投与量体積を画定する、マイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項2】
前記作動機構(18;28)は、作動部材(180;280)および投薬機構(182;282)を含み、前記作動機構(18;28)は、前記投薬チャンバ(163;263)から半径方向に延在しており、前記作動部材(180;280)は、前記ピストンロッド(168;268)に連結されており、ユーザによる前記作動部材(180;280)の始動のときに前記ピストンロッド(168;268)を変位させる、請求項1に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項3】
前記マイクロ投薬デバイスは、前記投薬チャンバ入口部に配置されている第1の一方向弁(164;264)と、第2の一方向弁(122;222)と、をさらに含み、前記第1の一方向弁および前記第2の一方向弁は、一方向への流体流を調整し、逆流を最小化するように構成されている、請求項1または2に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項4】
前記投薬機構は、円周方向の停止部材(182)であり、前記円周方向の停止部材(182)は、長手方向軸線Lに対して事前定義された垂直の延在範囲を含み、半径方向の前記延在範囲は、前記ピストンガイド(172)の半径方向の延在範囲によって画定されており、前記円周方向の停止部材(182)が、前記作動ボタン(180)によって変位されるときに前記ピストンガイドに当接するようになっており、前記事前定義された垂直の延在範囲は、前記ピストンロッド(168)の前記変位が事前定義された変位体積において止まるように画定されている、請求項2または3に記載のマイクロ投薬デバイス(10)。
【請求項5】
前記投薬チャンバ(263)は、内側デッドボリュームを低減させるように最適化されている流線形の内側表面をさらに含み、表面幾何学形状は、流体流特性を改善するための形態を有している、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(20)。
【請求項6】
前記遠位コネクタユニット(24)は、コネクタ(240)に接続されているアダプタモジュール(242)をさらに含み、前記投薬チャンバ入口部における一方向弁(264)は、長手方向軸線Lに対してオフセットされて配置されている、請求項3または5に記載のマイクロ投薬デバイス(20)。
【請求項7】
前記遠位コネクタユニット(24)は、長手方向軸線Lに対してオフセットされて配置されており、前記近位コネクタユニット(22)が前記遠位コネクタユニット(24)と同軸でないようになっている、請求項1から3、5および6のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(20)。
【請求項8】
前記作動機構(18)は、前記作動ボタン(180、280)の横方向側部に沿ってそれぞれ延在する1つまたは複数の横方向アーム(160;260)を含み、前記横方向アームは、それらの終端部分においてレッジ部(161;261)をそれぞれ含み、前記レッジ部は、前記投薬ユニット(16;26)の対応する横方向側部のそれぞれの凹部(181;281)と係合するように構成されている、請求項1に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項9】
それぞれのレッジ部は、初期の非作動状態において前記それぞれの凹部(181;281)と接触しており、作動および前記事前定義された投与量体積の流体の排出の後に、前記レッジ部は、前記凹部(181;281)から離れてさらに変位され、前記治療用流体が排出されたことを視覚的フィードバックが示すようになっている、請求項7に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項10】
最終状態において、前記レッジ部のそれぞれは、第2のそれぞれの凹部(2823)と係合しており、最終状態において前記作動ボタンをロックする、請求項6に記載のマイクロ投薬デバイス(20)。
【請求項11】
前記円周方向の停止部材は、前記投薬ユニットによって排出されることになる前記投薬体積を事前定義するモジュール式要素である、請求項4に記載のマイクロ投薬デバイス(10)。
【請求項12】
止まって前記ピストンガイドの縁部に当接するときに、可聴フィードバックが、前記停止部材(182;282)によって提供され、投与の終わりをユーザに示す、請求項4または7に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項13】
前記円周方向の停止部材(182)は、前記作動機構の一体的なパーツであり、前記作動部材(18)および前記停止部材(182)は、一体的になっている、請求項4に記載のマイクロ投薬デバイス(10)。
【請求項14】
前記作動機構(18;28)は、前記投薬機構(182;282)および前記ピストンロッド(168;268)の変位をリセットするために前記作動機構に作用する弾性部材をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項15】
前記遠位端における前記遠位コネクタユニット(14;24)は、前記投薬ユニット(16;26)の一体的なパーツである、請求項1から14のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項16】
前記近位端における前記近位コネクタユニット(12;22)は、前記投薬ユニット(16;26)の一体的なパーツである部分を含み、前記投薬ユニットは、一体的なパーツであり、前記投薬ユニットは、異なるコネクタ手段(162;262)を備えたさまざまな接続モジュール(12;22)を受け入れて保持することができるモジュール式パーツを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項17】
前記マイクロ投薬デバイス(10;20)は、前記遠位コネクタユニット(14;24)のためのアダプタモジュールをさらに含み、前記アダプタモジュールは、前記遠位コネクタユニット(14;24)の遠位開口部(141;241)の中に保持されるように構成されており、また、前記薬剤容器のための接続手段を提供するように構成されており、前記薬剤容器の異なる直径またはロック機構が、前記マイクロ投薬デバイス(10;20)に適合され得るようになっている、請求項1から16のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)の使用および組み立てのための方法であって、
- 前記投薬ユニット(16;26)の近位端(2a;2b)において薬剤送達コネクタ(12;22)の中に薬剤送達部材を装着するステップと、
- 前記投薬ユニット(16;26)の前記遠位端(1a;1b)において薬剤容器コネクタ(14;24)の中へ薬剤容器を装着するステップと、
- 前記薬剤容器の前記排出機構を作動させるステップと、
- 前記投薬ユニット(16;26)の中へ前記薬剤流体を排出するステップと、
- 前記薬剤送達部材において前記計量された体積の薬剤を排出するために、前記作動部材(180;280)の上に力を印加することによって、前記作動機構(18;28)を作動させるステップと、
を含み、前記ステップのいずれも可逆的でない、方法。
【請求項19】
請求項1から17のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)と、液体医薬品製剤を含む容器と、を含むシステムであって、
前記容器は、前記薬剤容器コネクタ(14;24)に接続されている、システム。
【請求項20】
前記マイクロ投薬デバイス(10;20)は、前記容器上に事前に組み立てられている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記容器は、液体医薬品製剤を含むシリンジである、請求項19または20に記載のシステム。
【請求項22】
前記シリンジは、事前充填シリンジである、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記液体医薬品製剤は、タンパク質、融合タンパク質、または抗体である、請求項19から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記タンパク質、前記融合タンパク質、または前記抗体は、VEGFアンタゴニストである、請求項19から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記液体医薬品製剤は、アフリベルセプト、ラニビズマブ、もしくはベバシズマブ、または、それらのバイオシミラーを含む、請求項19から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
請求項1から17のいずれか一項に記載のマイクロ投薬デバイス(10;20)と、液体医薬品製剤を含む容器と、を含む、キット。
【請求項27】
前記容器は、液体医薬品製剤を含む事前充填シリンジである、請求項26に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、治療用材料(たとえば、眼科用溶液)を眼に送達するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の薬剤投薬送達デバイス(たとえば、特許文献1にある)は、液体薬の自己投与のための装置を説明している。装置は、患者によって自己投与されることになる液体薬を受け入れるためのケーシングの中に形成されたチャンバを含み、入口および出口ポートが、薬の漏出なしにチャンバと連通するように形成されている。装置は、チャンバの中に液密に嵌合されたピストンと、ピストンに取り付けられ、かつピストンを始動させるように適合されているプッシュボタンであって、投与されることになる液体薬の量に対応する所望の回数だけ患者によって押圧され得る、プッシュボタンと、ピストンをそのホーム位置に向けて付勢するスプリングと、をさらに含む。患者がボタンを押圧し、ボタンから自分の手を除去した後に、スプリングは、ピストンをそのホーム位置へ後方に押し、結果として生じる負圧は、その後のチャンバの滑らかな再充填を引き起こす。装置は、単純な構造であり、低コストで製造され得、装置は、液体薬の自己投与のために一体化されたシステムの中に用いることができる。
【0003】
それにもかかわらず、眼の角膜に眼科用溶液を送達するためのインジェクタデバイスを対象とする本開示において説明されているような薬剤送達デバイスにおける投薬特徴のさらなる改善の余地が依然として存在していることを出願人は認識した。このデバイスは、眼の一部に接触するように構成されたベースと、ベースに接続された針と、を含むことが可能であり、針は、特許文献2において公開されたように、角膜に眼科用溶液を送達することが可能である。
【0004】
課題のうちの1つは、(たとえば、マイクロリットル範囲にある)少量の液体のみが必要とされるときに、事前充填シリンジを精密に投与することである。本明細書において提示されている発明は、少量の投薬の精度を改善することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5304153号明細書
【特許文献2】国際公開第2011163574号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、特に少量の液体に関して、さまざまな範囲の投薬体積を含む、複数の医療用投薬デバイスに適用可能である。1つまたは複数の触覚の、音響の、および/または視覚的な投与量終了送達信号フィードバック機構をこれらの医療用投薬デバイスに組み込むことは、デバイスのユーザが薬剤送達シーケンスの始まりおよび/または終了を通知されることになることを保証することが可能である。
【0007】
本発明の目的は、医療用送達デバイスのための高度に精密な投薬を提供することであり、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義され、それに対する参照がここで行われるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示において、「遠位方向」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用の間に投与量送達部位から離れる方を指し示す方向を指す。「遠位パーツ/端部」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用の下で、投与量送達部位から離れるように最も遠くに位置付けられている、送達デバイスのパーツ/端部、または、その部材のパーツ/端部を指す。それに対応して、「近位方向」という用語が使用されるときに、これは、薬剤送達デバイスの使用の間に投与量送達部位に向けて指し示す方向を指す。「近位パーツ/端部」という用語が使用されるとき、これは、薬剤送達デバイスの使用の下で、投与量送達部位の最も近くに位置付けられている、送達デバイスのパーツ/端部、または、その部材のパーツ/端部を指す。
【0009】
さらに、「長手方向の」、「長手方向に」、「軸方向に」、および「軸方向の」という用語は、近位端から遠位端へ、そのデバイスまたはコンポーネントに沿って延在する方向を指し、典型的に、デバイスおよび/またはコンポーネントの最も長い延在の方向に延在する方向を指す。
【0010】
同様に、「横断方向」、「横断方向の」、および「横断方向に」という用語は、長手方向に対して概して垂直な方向を指す。
【0011】
一般的に、特許請求の範囲において使用されるすべての用語は、本明細書においてそうでないことが明示的に定義されていない限り、技術分野におけるその通常の意味にしたがって解釈されるべきである。要素、装置、部材、コンポーネント、手段などへのすべての言及は、そうでないことが明示的に述べられていない限り、要素、装置、部材コンポーネント、手段などの少なくとも1つのインスタンスを指すものとしてオープンに解釈されるべきである。
【0012】
本発明の第1の態様は、計量された投与量の治療用流体を送達するためのマイクロ投薬デバイスであって、投薬チャンバを含む投薬ユニットと、薬剤容器を投薬チャンバに流体接続するための遠位端における遠位コネクタユニットと、投薬チャンバを薬剤送達部材に流体接続するための近位端における近位コネクタユニットと、作動機構と、を含み、投薬チャンバは、治療用流体を受け入れるように構成されており、マイクロ投薬デバイスは、投薬機構を含み、投薬機構は、作動機構によってトリガされるときに、薬剤送達部材によって排出されることになる流体の正確に計量された投与量を提供する、マイクロ投薬デバイスに関する。
【0013】
1つの実施形態では、作動機構は、ピストンガイドの中に摺動可能に嵌合されている液密のピストンロッドを含み、ピストンロッドは、事前定義されたロッド体積を有しており、始動されるときに、ピストンは、投薬チャンバの中へ移動し、ピストンロッドの変位体積は、投薬チャンバの中へのピストンロッドの作動および変位のときに排出される投与量体積を画定する。
【0014】
実施形態の第2の態様は、作動機構が、作動部材および投薬機構を含み、作動機構は、投薬チャンバから半径方向に延在しており、作動部材は、ピストンロッドに連結されており、ユーザによって作動部材を作用させるときにピストンロッドを変位させる。
【0015】
実施形態のさらなる態様は、マイクロ投薬デバイスが、投薬チャンバ入口部に配置されている第1の一方向弁と、第2の一方向弁と、をさらに含み、第1の一方向弁および第2の一方向弁は、一方向への流体流を調整し、逆流を最小化するように構成されている。
【0016】
1つの例において、投薬機構は、円周方向の停止部材であり、長手方向軸線Lに対して事前定義された垂直の延在範囲を含み、半径方向の延在範囲は、ピストンガイドの半径方向の延在範囲によって画定されており、作動ボタンによって変位されるときに、円周方向の停止部材がピストンガイドに当接するようになっている。
【0017】
実施形態のさらなる態様は、事前定義された垂直の延在範囲が、ピストンロッドの変位が事前定義された移動距離において止まり、事前定義された変位体積を可能にするように画定されている。
【0018】
実施形態の1つの例において、作動機構は、作動ボタンの横方向側部に沿ってそれぞれ延在する1つまたは複数の横方向アームを含み、横方向アームは、それらの終端部分においてレッジ部を含み、レッジ部は、投薬ユニットの対応する横方向側部のそれぞれの凹部の縁部に当接するように構成されている。
【0019】
さらなる態様は、レッジ部を説明しており、レッジ部は、初期の非作動状態においてそれぞれの凹部の縁部と接触しており、作動および事前定義された投与量体積の流体の排出の後に、レッジ部は、凹部の縁部から離れてさらに変位され、治療用流体が排出されたことを視覚的フィードバックが示すようになっている。
【0020】
別の態様によれば、円周方向の停止部材は、投薬ユニットによって排出されることになる投薬体積を事前定義するモジュール式要素である。
【0021】
1つの例において、マイクロ投薬デバイスは、可聴フィードバックを含み、止まってピストンガイドの縁部に当接し、次いで、クリック音が放出されるときに、可聴フィードバックが、停止部材によって提供され、投与の終わりをユーザに示す。
【0022】
さらなる態様によれば、円周方向の停止部材は、作動機構の一体的なパーツであり、作動部材および停止部材は、一個部片として成形されている。
【0023】
さらなる態様によれば、マイクロ投薬デバイスによって排出される治療用流体の複数の投与量を可能にするために、作動機構は、投薬機構およびピストンロッドの変位をリセットする、作動機構に作用する弾性部材をさらに含む。
【0024】
1つの実施形態では、遠位端における遠位コネクタユニットは、一個部片として成形された投薬ユニットの一体的なパーツである。
【0025】
1つの実施形態では、近位端における近位コネクタユニットは、投薬ユニットの一体的なパーツである部分を含み、投薬ユニットは、一個部片として成形されており、異なるコネクタ手段を備えたさまざまな接続モジュールを受け入れてしっかりと保持することができるパーツを含む。
【0026】
先行する例のいずれかのマイクロ投薬デバイスは、遠位コネクタユニットのためのアダプタモジュールをさらに含み、アダプタモジュールは、遠位コネクタユニットの遠位開口部の中にしっかりと保持されるように構成されており、また、薬剤容器のためのコネクタ手段を提供し、薬剤容器の異なる直径またはロック機構が、マイクロ投薬デバイスに適合され得るようになっている。
【0027】
本発明の第2の態様は、先行する請求項のいずれかに記載のマイクロ投薬デバイスの使用および組み立てのための方法であって、投薬ユニットの近位端において薬剤送達コネクタ(近位コネクタである)の中に薬剤送達部材を装着するステップと、投薬ユニットの遠位端において薬剤容器コネクタ(遠位コネクタである)の中へ薬剤容器を装着するステップと、薬剤容器の排出機構を作動させるステップと、投薬ユニットの中へ薬剤流体を排出するステップと、薬剤送達部材において計量された体積の薬剤を排出するために、作動部材の上に力を印加することによって、作動機構を作動させるステップと、を含み、ステップのいずれも可逆的でない、方法に関する。
【0028】
別の態様は、上記の例のうちの1つに記載のマイクロ投薬デバイスと、液体医薬品製剤を含む容器と、を含むシステムであって、容器は、遠位コネクタに接続されている、システムに関する。
【0029】
先行する例に記載のシステムは、マイクロ投薬デバイスが、容器の上に事前に組み立てられている。
【0030】
最後の2つの先行する例に記載のシステムは、容器が、液体医薬品製剤を含むシリンジである。
【0031】
先行する例に記載のシステムは、シリンジが、事前充填シリンジである。
【0032】
上記に説明されているシステムは、液体医薬品製剤が、タンパク質、融合タンパク質、または抗体である。
【0033】
さらなる態様によれば、タンパク質、融合タンパク質、または抗体は、VEGFアンタゴニストである。
【0034】
上記システムのさらなる態様によれば、液体医薬品製剤は、アフリベルセプト、ラニビズマブ、もしくはベバシズマブ、または、それらのバイオシミラーを含む。
【0035】
別の態様は、上記に説明されているようなマイクロ投薬デバイスと、液体医薬品製剤を含む容器と、を含む、キットに関する。
【0036】
上記に説明されているようなキットは、容器が、液体医薬品製剤を含む事前充填シリンジである。
【0037】
本発明の代替的な実施形態によれば、マイクロ投薬デバイスは、作動機構を含み、作動機構は、投薬機構およびピストンロッドの変位をリセットする、作動機構に作用する弾性部材をさらに含む。
【0038】
本発明のこれらのおよび他の態様、ならびに、本発明に伴う利点は、以下の詳細な説明から、および、添付の図面から明らかになることになる。
【0039】
本発明の実施形態は、ここで、単なる例として、および、添付の図面を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】医療用マイクロ投薬デバイスの側面斜視図である。
図2】医療用マイクロ投薬デバイスの上面斜視図である。
図3】マイクロ投薬デバイスの底面図である。
図4】使用前のマイクロ投薬デバイスの斜視図である。
図5】使用後の(すなわち、薬剤のマイクロ投与量を排出した後の)マイクロ投薬デバイスの斜視図である。
図6】マイクロ投薬デバイスの断面図である。
図7】マイクロ投薬デバイスの完全分解図である。
図8】成形された投薬チャンバの一体的なユニットの断面図である。
図9】シリンジおよび針とともに使用する準備ができたマイクロ投薬デバイスの別の実施形態の側面斜視図である。
図10】シリンジおよび針がない状態の、図9のマイクロ投薬デバイスの完全分解図である。
図11】シリンジおよび針を備えた、図9のマイクロ投薬デバイスの完全分解図である。
図12】保護カバーを備えた、図9のマイクロ投薬デバイスの斜視図である。
図13】保護カバーを備えた、図12のマイクロ投薬デバイスの分解図である。
図14】保護カバーがない状態の、図9のマイクロ投薬デバイスの斜視図である。
図15A図14のデバイスの近位前方側を示す図である。
図15B図14のマイクロ投薬デバイスの遠位後方側を示す図である。
図15C図14のマイクロ投薬デバイスの側面図である。
図16図14のマイクロ投薬デバイスの遠位後方側を示す図である。
図17図16のデバイスの断面図である。
図18図14のデバイスの断面図である。
図19】ハウジングがない状態の、図14のデバイスの斜視図である。
図20図19の実施形態の分解図である。
図21図14のデバイスの断面の斜視図である。
図22図14の実施形態の投薬チャンバの斜視図である。
図23A図22の投薬チャンバの上方からの図である。
図23B図22の投薬チャンバの下方からの図である。
図23C図22の投薬チャンバの側面図である。
図24図22の実施形態の断面図である。
図25図22の実施形態の断面図の斜視図である。
図26A】代替的な近位接続手段を示す図である。
図26B】代替的な近位接続手段を示す図である。
図26C】代替的な近位接続手段を示す図である。
図26D】代替的な近位接続手段を示す図である。
図26E】代替的な近位接続手段を示す図である。
図27】針がデバイス上に装着された状態のシリンジを備えた、図22の実施形態の断面の斜視図である。
図28A】代替的な遠位接続および入口手段を示す図である。
図28B】代替的な遠位接続および入口手段を示す図である。
図28C】代替的な遠位接続および入口手段を示す図である。
図28D】代替的な遠位接続および入口手段を示す図である。
図28E】代替的な遠位接続および入口手段を示す図である。
図29図22の実施形態の断面の斜視図である。
図30A】代替的な接続およびロック手段を示す図である。
図30B】代替的な接続およびロック手段を示す図である。
図30C】代替的な接続およびロック手段を示す図である。
図30D】代替的な接続およびロック手段を示す図である。
図30E】代替的な接続およびロック手段を示す図である。
図30F】代替的な接続およびロック手段を示す図である。
図31A】異なる視点および断面からの、図14の実施形態の作動ボタンを示す図である。
図31B】異なる視点および断面からの、図14の実施形態の作動ボタンを示す図である。
図31C】異なる視点および断面からの、図14の実施形態の作動ボタンを示す図である。
図32A】作動ボタンのピストンロッドのための代替的な封止手段を示す図である。
図32B】作動ボタンのピストンロッドのための代替的な封止手段を示す図である。
図32C】作動ボタンのピストンロッドのための代替的な封止手段を示す図である。
図33A】代替的な作動ボタンおよびハウジングアセンブリを示す図である。
図33B】代替的な作動ボタンおよびハウジングアセンブリを示す図である。
図33C】代替的な作動ボタンおよびハウジングアセンブリを示す図である。
図33D】代替的な作動ボタンおよびハウジングアセンブリを示す図である。
図34A】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
図34B】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
図34C】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
図34D】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
図34E】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
図34F】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
図34G】代替的なセキュリティまたは完全性手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
説明されている実施形態に対するさまざまな修正が可能であり、それらは、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、当業者に考え付くことになる。
【0042】
例示的な方法およびシステムが、本明細書で説明されている。「例」、「例示的な」、および「例示目的の」という語句は、本明細書では、「例、インスタンス、または図示としての役割を果たす」ことを意味するために使用されていることが理解されるべきである。「例」であるとして、「例示的」なものとして、または、「例示目的」のためのものとして、本明細書で説明されている任意の実施形態または特徴は、必ずしも、他の実施形態または特徴よりも好適または有利であるとして解釈されるべきではない。本明細書で説明されている例示的な実施形態は、限定するものであることを意味していない。本開示の態様(一般的に本明細書で説明されているようなもの、および、図に図示されているようなもの)は、多種多様な異なる構成で、配置され、置換され、組み合わせられ、分離され、かつ設計され得、そのすべてが、本明細書において明示的に企図されていることが容易に理解されることになる。
【0043】
そのうえ、図に示されている配置は、限定するものとして見られるべきではない。他の実施形態は、所与の図に示されているそれぞれの要素のより多くのものまたはより少ないものを含むことが可能であることが理解されるべきである。さらに、図示されている要素のうちのいくつかは、組み合わせられるかまたは省略され得る。さらに、例示的な実施形態は、図に図示されていない要素を含むことが可能である。
【0044】
別段の指示がない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用されているに過ぎず、これらの用語が参照するアイテムに対する序列的な、位置的な、または、階層的な要件を課すことを意図していない。そのうえ、たとえば、「第2の」アイテムへの言及は、たとえば、「第1の」もしくはより低く付番されたアイテム、および/または、たとえば、「第3の」もしくはより高く付番されたアイテムの存在を要求するものではなく、または、それらを除外するものではない。
【0045】
本明細書で使用されるとき、特定の機能を果たす「ように構成されている」装置、要素、および方法は、実際に、単にさらなる修正の後に特定の機能を果たす可能性を有するのではなく、変更なしに特定の機能を果たすことができる。換言すれば、特定の機能を果たす「ように構成されている」装置、要素、および方法は、具体的には、特定の機能を果たす目的のために、選択され、生成され、実装され、利用され、プログラムされ、かつ/または設計されている。本明細書で使用されるとき、「ように構成されている」は、装置、要素、および方法がさらなる修正なしに特定の機能を果たすことを可能にする、装置、要素、および方法の既存の特性を指す。この開示の目的のために、特定の機能を果たす「ように構成されている」ものとして説明されている装置、要素、および方法は、追加的にまたは代替的に、その機能を果たす「ように適合されている」ものとして、および/または、その機能を果たす「ように動作可能な」ものとして説明され得る。
【0046】
さらに、以下の説明において、薬剤送達デバイスという文言が、使用されることになる。この文脈では、薬剤送達デバイスは、特定の投与量の薬剤をユーザに送達することができる複数のデバイスを含むことが可能である。薬剤送達デバイスは、使い捨てのタイプまたは再使用可能なタイプのいずれかであることが可能であり、特定の形態の特定の薬物のために適切に配置されている薬剤容器が提供され得る。
【0047】
下記に説明されている医療用デバイスは、使い捨ての単回使用のインジェクタとして構成された薬剤送達デバイスであるが、任意のタイプの単回投与量薬剤送達デバイスは、本開示の投薬機構(それに限定されないが、気化器、吸入器、または点眼器を含む)を組み込むことが可能である。同様に、医療用投薬デバイスは、医療用投薬送達デバイスを複製するトレーニングデバイスであることも可能である。
【0048】
1つの実施形態では、より詳細に下記に説明されているような医療用マイクロ投薬デバイス10は、投薬ユニット本体部16を有しており、投薬ユニット本体部は、近位端2および遠位端1を有している。投薬ユニット本体部16は、チューブ状部材が遠位端1から近位端2へ長手方向軸線Lに沿って延在するコンパクトな形状を有しており、投薬ユニット本体部は、遠位開口部141および近位開口部121を有している。中央の位置において、チューブ状部材は、長手方向軸線Lに対して垂直の開口部167を有する投薬チャンバ163を画定している。作動機構18および投薬機構182は、投薬チャンバ163の垂直開口部167の中に位置決めされており、封止手段166によって投薬チャンバを流体封止する。作動機構および投薬チャンバは、一緒になって、コンパクトな形状(この例では、立方体の形状)である。作動機構18は、長手方向軸線Lから半径方向に(すなわち、垂直方向に)延在しており、垂直軸線に沿って投薬チャンバ163に隣接して位置付けられている。
【0049】
マイクロ投薬デバイス10は、その近位端2において、薬剤送達部材のための近位コネクタユニット12を含み、その遠位端において、薬剤容器(図には示されていない)のための遠位コネクタユニット14を含む。マイクロ投薬デバイス10は、投薬ユニット16が薬剤送達部材コネクタユニット12と薬剤容器のためのコネクタユニット14との間に配置されて組み立てられる。
【0050】
1つの実施形態では、近位コネクタユニット12は、投薬ユニット16の近位開口部の中へ装着されるモジュール式ユニットである。このモジュール式コネクタユニット12は、投薬ユニットの近位開口部と可逆的にまたは不可逆的に接続され得、たとえば、ネジ山付き手段もしくはスナップフィット手段または接着された接続もしくは溶接された接続によって、投薬ユニット16への多様な薬剤送達要素の接続を可能にする。
【0051】
マイクロ投薬デバイス10は、薬剤送達部材を介して薬剤容器の流体物質の精密に計量された単回投与量を排出するように事前構成された機構を含む。
【0052】
薬剤送達部材(ここでは示されていない)は、薬剤送達部材コネクタユニット12を介して投薬チャンバと流体連通しており、この近位コネクタユニット12は、装着および/またはロック手段、封止手段、ならびに、薬剤容器への流体接続のための手段を含む。近位コネクタユニット12は、遠位開口部141および近位開口部170を備えた概してチューブ状の本体部を有しており、薬剤送達部材をしっかりと受け入れ、保持し、かつ封止するように構成され得る。薬剤送達部材は、針を含むことが可能であり、または、代替的な実施形態では、薬剤送達のための任意の他の適当な要素または方法(たとえば、エアロゾルディスペンサーまたはジェットインジェクタ)を含むことが可能である。投薬チャンバ16は、薬剤容器コネクタユニット(遠位コネクタユニット14である)を介して薬剤送達部材を薬剤容器に流体接続する。換言すれば、投薬ユニット16は、薬剤容器と薬剤送達部材との間に流体経路を提供する。マイクロ投薬デバイス10は、接続ユニット14の近位端において、1つまたは複数の一方向弁164を含み、それによって、投薬チャンバ入口部を画定することが可能である。接続ユニット14の遠位端は、薬剤容器を導入するための開口部を画定している。
【0053】
1つの実施形態では、薬剤容器は、追加的に、アダプタモジュール142を含むことが可能であり、異なる固定またはロック機構を備えた薬剤容器が、遠位コネクタユニット14上に装着され得るようになっている。
【0054】
薬剤容器(ここでも示されていない)は、好ましくは、事前充填シリンジであるが、カートリッジ、ミニバッグ、または、任意の他の適当な薬剤貯蔵ユニットであることが可能である。遠位コネクタユニット14の1つの利点は、薬剤容器の形状およびサイズが、ハウジングの形状によって事前定義されないことである。
【0055】
1つの実施形態では、近位端にある近位コネクタユニット12は、投薬チャンバ16の一体的なパーツであり、たとえば、単一の部片として製造されている。遠位端にある遠位コネクタユニット14は、モジュール式ユニットまたは成形されたユニットのいずれかであることが可能である。
【0056】
1つの実施形態では、近位接続ユニット12は、投薬ユニット16上に装着されたときに、接続ユニット12を適切な場所にしっかりと保持するためのロック手段を含む。適切なロック手段に関するいくつかの例は、従来のルアーロック手段であり、たとえば、ネジ山付き手段、スナップフィット手段、バヨネットネジ山付き手段、または磁気的な固定手段が適用可能である可能性がある。別の実施形態は、ロックおよび固定手段、たとえば、レーザー溶接による手段、超音波溶接による手段、または、任意の他の適切な結合手段および方法を含むことが可能である。
【0057】
薬剤容器が遠位コネクタユニット14上に装着されているときに、治療用流体が、薬剤容器から一方向弁164を介して投薬チャンバ16の中へ排出され得る。この例では、一方向弁164は、投薬チャンバとの流体連通を提供し、シールとしてさらに作用している。その理由は、それが、投薬チャンバ163または遠位流体ガイド165から薬剤容器への流体の逆流を防止するように配置されているからである。流体は、薬剤容器の排出機構(たとえば、治療用流体を排出するためのプランジャロッドまたは任意の他の適切な排出機構)が始動すると排出される。流体は、一方向弁164に力を働かせ、流体流が可能にされるように弁を変形させ、治療用流体が弁164を通過するようにさせる。一方向弁は、コンポーネント14の近位開口部をカバーおよび封止しており、Oリングのようなさらなるシールが、封止目的のために追加的に使用され得る。流体は、この弁開口部を通って投薬チャンバ163に進入することが可能である。したがって、投薬チャンバ163は、遠位側にある流体入口部(一方向弁164の流体出口部である)と、マイクロ投薬キャビティと、薬剤送達部材12のコネクタ162に配置されている投薬チャンバ出口部170に流体を案内するための流体通路165と、を含む。薬剤送達部材12と投薬ユニット16との間の接続をきつく封止するために、かつ、複数の投与量を可能にし、近位端2からの逆流をさらに防止するために、第2の一方向弁122、または、代替的に、封止部材は、投薬チャンバ出口部170の後に配置され得る。
【0058】
追加的にまたは代替的に、フィルタユニット120は、流体の中に浮遊する可能性のある結晶または粒子要素をとどめるために、薬剤送達部材の前に設置され得る。
【0059】
本発明の1つの目標は、薬剤の高度に正確な投与量を送達することである。一般的に、マイクロ投薬機構は、投薬チャンバ16と流体連通しており、半径方向に(すなわち、長手方向軸線Lに対して垂直軸線の上に投薬チャンバから軸方向に)延在している。マイクロ投薬機構は、ピストンロッド168を含み、ピストンロッド168は、ピストンガイド172の中に位置決めされており、それによって、ピストンロッド168は、投薬チャンバ163の中へ延在しており、作動機構18に接続されている。1つの実施形態では、ピストン168は、ガイド172の中へきつく嵌合しており、流体がガイド壁部とピストン168との間に侵入することができないようになっている。
【0060】
1つの実施形態では、ピストンロッド168は、円形凹部169を含み、円形凹部169は、封止要素(たとえば、円形封止リング166)を収容するように構成されており、封止要素は、ピストンガイド172に対してピストンロッドをきつく封止する。封止部材166は、治療用流体がピストンガイド172とピストン168との間の空間に侵入することを防止する。ピストンロッド168は、作動機構18にさらに接続されている。1つの例において、作動機構は、作動ボタン180であり、投与量送達を開始するためにユーザによって力が印加されるときに、力が、ピストンロッド168の上に直接的に伝達される。作動機構は、停止機構182をさらに含み、停止機構182は、力がピストン168に依然として作用しているとしても、ピストン変位を止めるように配置されている。停止機構182は、投薬機構のための正確な投薬体積を提供するようにさらに構成されている。
【0061】
マイクロ投薬機構の1つの態様は、ピストンロッド変位が、送達されることになる薬剤の精密な体積に対応することである。換言すれば、作動ボタン180の上に印加された力の下で、投薬チャンバ163の中へ延在および移動するピストンロッド168の体積は、排出されることになる均等量の薬剤体積を変位させる。1つの実施形態では、停止機構182は、精密な高さを有しており、事前定義されたピストン変位が、投薬チャンバから外へ吐出される医療用流体の体積に対応するようになっている。停止部材182の異なる高さは、異なる体積の医療用流体が同じ投薬チャンバの中に吐出されることを可能にする。換言すれば、ピストンロッドが移動する距離は、事前定義された変位体積を可能にし、それは、円周方向の停止部材182の高さ(すなわち、半径方向の延在範囲)に依存する。
【0062】
図6の断面図に示されているように、作動機構は、投薬チャンバ163の垂直開口部167をカバーしており、作動機構18の外側表面の上に作動ボタン180を提供している。作動ボタン180の下方には、ピストンロッドのための凹部が、作動機構に取り付けられているピストンロッドを受け入れてしっかりと保持するように構成されている。
【0063】
作動機構は、停止部材182を収容するように構成されている円周方向の開口部または凹部をさらに含む。停止部材182は、ピストンガイドと同じ円周方向の形状および延在範囲を有しており、ピストンガイド172の縁部に当接するように構成されている。作動機構18は、作動ボタン180の横方向側部に沿って延在している横方向アーム160をさらに含み、横方向アーム160は、終端セクションにおいてレッジ部161を含み、レッジ部161は、投薬ユニット16の対応する横方向側部において、それぞれの凹部181の縁部に当接するように構成されている。したがって、作動ボタンは、初期位置にしっかりと保持されており、作動機構から引き離すことができずまたは係合解除することができない。
【0064】
1つの実施形態では、作動機構、作動ボタン180を備えたカバー要素、およびピストンロッド168は、一体的な要素であり、たとえば、一個部片として成形されている。
【0065】
別の実施形態では、作動機構、すなわち、作動ボタン180を備えたカバー要素、ピストンロッド168、および停止機構182は、一体的な要素であり、たとえば、一個部片として成形されている。
【0066】
図8に示されているように、この例の投薬チャンバユニット16は、一個部片として成形されており、または、代替的に、投薬チャンバは、気密および液密に組み立てられるモジュール式タイプであることが可能である。たとえば、それは、一緒に接着されるかまたは溶接され得る。
【0067】
マイクロ投薬デバイスの初期状態が、図4に示されている。作動機構(すなわち、作動ボタン180)は、ユーザによって押されておらず、レッジ部161を備えた横方向アーム160は、初期位置にあり、投薬ユニット16の側壁部にある凹部181の縁部に当接している。
【0068】
作動の後に、または、最終状態において、マイクロ投薬デバイスは、図5に示されており、それによって、作動機構(すなわち、作動ボタン180)は、ユーザによって押されており、レッジ部161を備えた横方向アーム160は、最終位置に移動されており、投薬ユニット16の側壁部にある凹部181とレッジ部161との間に空間を残している。これは、投薬デバイスが使用または始動されていることを示す視覚的インジケータである。
【0069】
最終状態において、正確な量の薬剤投与量体積が排出されたときに、作動ボタン180は、停止機構182によって停止される。停止機構は、たとえば、層または突出部のような構造的なストッパであることが可能である。1つの例において、停止機構は、作動機構に取り付けられた円周方向要素であり、それがピストンガイドの縁部に当接するまで、したがって、それが作動機構およびピストンの変位を停止させるまで、それは、作動のときに作動機構とともに変位可能である。
【0070】
停止機構は、触覚フィードバックおよび/または音響フィードバックをさらに含むことが可能であり、すなわち、円周方向要素がピストンガイドの縁部に当接するときに、ユーザは、クリック音を聞き、対抗する力を感じることが可能である。
【0071】
一方向弁164は、逆止弁として理解され、逆止弁は、一方向のみへの流体通過を許容し、反対方向への流体通過を可能にしないことが認識される。弁に対する1つの代替的な例は、薬剤容器を投薬ユニットと流体接続するセプタムニードル(septum needle)であることが可能である。
【0072】
投薬ユニット16は、投薬チャンバ163、マイクロ投薬機構、および作動機構18を含む。投薬ユニット16は、投薬ユニット16の近位端2において、近位コネクタ12を介して薬剤送達部材と流体連通しており、薬剤送達ユニットは、解放可能な固定手段(たとえば、ルアーロックコネクタ、または、任意の他のネジ山付きの、スナップフィットの、もしくは他の適切な接続手段)を介してその上に装着され得る。
【0073】
1つの実施形態では、マイクロ投薬デバイス10は、単回使用のために構成されており、単回投与量を提供するように構成されており、その後に、作動機構は、可逆的にまたは不可逆的にロックされ得る。
【0074】
代替的な実施形態において、マイクロ投薬デバイス10は、複数の投与量送達のために構成され得る。この例では、作動機構は、ロック手段182の代わりに弾性部材を含むことが可能であり、第1の投与量送達の後に、作動機構が初期位置にリセットされ、後続の投与量送達を可能にすることができるようになっている。この例では、薬剤容器は、必要量の後続の投与を提供するように選ばれる。
【0075】
マイクロ投与量送達デバイス10の組み立ておよび使用のための方法は、デバイス10の遠位端1において、遠位コネクタユニット14上に薬剤容器を装着するステップを含む。1つの実施形態では、遠位コネクタユニット14は、ネジ山付き手段を含み、解放可能なネジ山付きロック機構が使用される場合には、ユーザの回す運動によって、薬剤容器が遠位コネクタユニット14上に装着されるようになっている。代替的に、コネクタアダプタ142は、薬剤容器のロック機構を投薬ユニット16のロック手段に適合させるために使用され得、次いで、投薬ユニット16上に装着され得る。次いで、薬剤送達部材が、投薬ユニット16の近位側2において、コネクタ162上に装着される。上記のステップのシーケンスまたは順序は、逆にされ得る。薬剤送達部材および薬剤容器が、投薬ユニット16のコネクタ162、141上にしっかりと装着されているときに、投薬ユニット16の投薬チャンバ163を介した薬剤容器と薬剤送達部材との間の流体接続が確立される。
【0076】
その後に、薬剤容器が、ユーザによって始動され、医療用流体が薬剤送達部材に到達するまで、投薬チャンバ163の中へ薬剤を分注する。それによって、全体的な容積が治療用流体によって充填されるまで、すべての流体が、利用可能な空間を通ってフラッシュする。換言すれば、投薬チャンバ163、流体ガイド165、投薬チャンバ出口部170、および薬剤送達部材出口部(たとえば、針)は、すべて流体によって充填される。したがって、すべての後続の流体変位は、針容積、流体ガイド、または出口部容積に依存しない。
【0077】
マイクロ投薬デバイス10の組み立ては、一般的に、医療的な通常の殺菌のまたは無菌の医療手順の下で、または、無菌条件の下で実施されることが理解されるべきである。
【0078】
1つの利点は、異なる針容積を有する異なる針サイズが、投薬機構を針サイズに適合させることなく使用され得ることである。別の利点は、潜在的なエアポケットまたは泡が、薬剤送達部材出口部において、より容易に排出されることである。
【0079】
マイクロ投薬デバイス10が、上記に概説されているように組み立てられると、ユーザが作動ボタン180を押すことによってマイクロ投薬機構を始動させるときに、薬剤は、正確な投与量体積として排出され得る。
【0080】
マイクロ投薬デバイス10のモジュール式構造の1つの利点は、同じ投薬ユニット16および同じ作動機構18によって、投薬機構が、特定の投薬体積範囲の中で選ばれ得る任意の投薬体積に容易に適合され得ることである。利用可能な範囲は、投薬チャンバ163の容積、および、ピストンロッド168の利用可能な侵入体積に依存する。したがって、同じモジュール式要素およびセットアップを、異なる停止部材182とともに組み立てることができる。停止部材182のそれぞれの高さまたは軸方向の延在範囲が、事前設定された投薬体積を決定する。これは、組み立てのためのより少ない部品を可能にし、したがって、より低いコスト、および、潜在的な組み立てエラーの低減を可能にする。
【0081】
図9から図31に図示されている別の実施形態では、より詳細に下記に説明されているような医療用マイクロ投薬デバイス20は、投薬ユニット本体部26を有しており、投薬ユニット本体部は、図15Cに示されているように、近位端2bおよび遠位端1bを有している。投薬ユニット本体部26は、遠位端1bから近位端2bへ長手方向軸線Lに沿って延在するチューブ状部材を含み、投薬ユニット本体部は、投薬ユニット本体部の遠位開口部においてコネクタ弁アダプタ241を含み、投薬ユニット本体部の近位開口部において薬剤送達出口部221を含む。薬剤送達部材コネクタユニット22(遠位コネクタユニット22である)と薬剤容器29のための近位コネクタユニットとの間の位置において、チューブ状部材は、長手方向軸線Lに対して垂直の開口部267を有する投薬チャンバ263を画定している。作動機構28および投薬機構は、投薬チャンバ263の垂直開口部267の中に位置決めされている。さらに、ピストンロッド268および封止要素266を受け入れるように構成されているピストンガイド272が、開口部267の中に配置されており、封止要素は、投薬チャンバを流体封止しており、封止要素266は、ピストンガイド272の内側表面とピストンロッド268との間に配置されている。作動機構および投薬チャンバは、一緒になってコンパクトな形状である。作動機構28は、投薬チャンバ263に隣接して位置付けられており、長手方向軸線Lから半径方向に(すなわち、垂直方向に)延在している。この設計の利点は、それがコンパクトな投与量ユニット本体部を提供することができ、それによって、デッドゾーンを最小化することである。
【0082】
マイクロ投薬デバイス20は、その近位端2bにおいて、薬剤送達部材のための近位コネクタユニット22を含み、その遠位端において、薬剤容器29のための遠位コネクタユニット24を含む。図9に示されているように、マイクロ投薬デバイス20は、投薬ユニット26が近位薬剤送達部材コネクタユニット22と薬剤容器29のための遠位コネクタユニットとの間に配置されて組み立てられており、投薬ユニット26は、遠位端において遠位コネクタ262に接続されており、近位端において近位コネクタ240に接続されている。マイクロ投薬デバイス20は、作動機構28をさらに含み、作動機構28は、マイクロ投薬ユニット26から長手方向軸線Lに対して半径方向に(すなわち、垂直方向に)延在している。
【0083】
マイクロ投薬ユニット26は、薬剤送達部材224を介して、薬剤容器29の薬剤の精密に計量された単回投与量を排出するように構成された機構を含む。
【0084】
薬剤送達部材224は、針225を含むことが可能であり、または、代替的な実施形態では、薬剤送達のための任意の他の適当な要素または方法(たとえば、エアロゾルディスペンサーまたはジェットインジェクタ)を含むことが可能である。
【0085】
薬剤容器29は、好ましくは、事前充填シリンジであり、カートリッジ、ミニバッグ、または、任意の他の適当な薬剤貯蔵ユニットであることが可能である。マイクロ投薬デバイス20は、投薬ユニット26の遠位端1bにおいて遠位コネクタ240を含み、投薬ユニット26の近位端2bにおいて近位コネクタ262を含む。
【0086】
1つの実施形態では、近位端にある近位コネクタ262は、たとえば単一の部片として製造された投薬チャンバ26の一体化されたパーツである。遠位端における遠位コネクタ240は、モジュール式ユニット241を含むことが可能である。
【0087】
1つの例において、近位コネクタ262は、投薬ユニット26の近位開口部の中へ装着されるモジュール式ユニットである。このモジュール式コネクタユニットは、投薬ユニット26の近位開口部と可逆的にまたは不可逆的に接続され得、たとえば、ネジ山付き要素もしくはスナップフィット要素によって、または、接着された接続もしくは溶接された接続を有することによって、投薬ユニット26への多様な薬剤送達要素の接続を可能にする。
【0088】
図11は、遠位コネクタ240を示しており、薬剤容器29が、遠位コネクタ240上に装着されており、遠位コネクタ240は、装着および/またはロック要素、封止要素、ならびに、薬剤容器への流体接続のための要素を含む。1つの実施形態では、遠位コネクタ240は、コンポーネント241を含むことが可能であり、弁アダプタ241は、投薬チャンバ263の遠位端に装着されるように構成されている。弁アダプタ241は、遠位開口部および近位開口部を備えた概してチューブ状の本体部を有しており、薬剤送達容器29をしっかりと受け入れ、保持し、かつ封止するように構成され得る。さらに、弁アダプタ241は、弁アダプタ241の近位端において一方向弁264を含み、一方向弁264は、投薬チャンバ入口部を画定している。弁アダプタの遠位端は、薬剤容器29を導入するための開口部を画定している。
【0089】
1つの実施形態では、弁アダプタ241は、投薬チャンバ263上に装着されたときに、弁アダプタを適切な場所にしっかりと保持するためのロック要素を含み、たとえば、ネジ山付き要素、スナップフィット要素、バヨネットネジ山付き要素、および/または磁気的な固定要素が、適用可能である可能性がある。別の実施形態は、任意選択で、ロックおよび固定要素を含み、たとえば、レーザー溶接、超音波溶接、または、任意の他の適切な結合手段および方法によるものを含む。
【0090】
1つの例において、弁アダプタ241は、くさび形状の突出部2411を含み、くさび形状の突出部2411は、投薬チャンバ263の中へ導入されるときに、投薬チャンバ263の遠位端開口部の内側表面上の対応する凹部と係合することが可能である。図27に図示されているように、くさび形状の突出部2411は、凹部の中へ屈曲し、弁アダプタ241を適切な場所にしっかりと保持することが可能である。
【0091】
薬剤容器29が遠位コネクタ240上に装着されているときに、治療用流体が、薬剤容器29から一方向弁を介して投薬チャンバ263の中へ排出され得る。この例では、一方向弁264は、投薬チャンバとの流体連通を画定し、シールとしてさらに作用している。流体は、薬剤容器の排出機構によって(たとえば、治療用流体を排出するためのプランジャまたは任意の他の適切な排出機構によって)排出される。一方向弁に力を働かせる流体は、弁を変位または変形させ、円形開口部が、弁アダプタ241の終端セクションと弁264との間に生成されるようになっており、それによって、弁アダプタ241の近位開口部をカバーする。治療用流体は、弁変形によって生成される円形開口部を通って投薬チャンバ263に進入することが可能である。
【0092】
いくつかの実施形態において、薬剤送達出口部と薬剤送達容器の方に向けられた弁表面との間に、空間が画定され得る。任意選択で、これらの側壁部2631の形状および幾何学形状は、図28Aに示されているように、空間容積を最小化するように、かつ、流体流特性を最適化するように、適合または修正され得る。たとえば、前記画定された空間の側壁部の流線形の形態は、流体流を改善し、流体の流路の中の乱流を低減させることが可能である。さらに、いくつかの例において、弁アダプタ241の内側側壁部2631は、弁アダプタ241の遠位開口部の中での薬剤容器のグリップおよびロックを改善するように構成されている。たとえば、図28Aに示されているように、内側側壁部は、テーパー付きの形状を有することが可能であり、または、図28Bに示されているように、いくつかのセクションにおいて異なる厚さを有することが可能である。
【0093】
代替的な一方向弁および側壁部の形状が、図28Aから図28Fに示されている。図には示されていないがこの目的のために等しく適用可能なものは、ダックビル弁およびクロススリット弁である。図28Bは、傾斜した側壁部を示しており、傾斜した側壁部は、投薬チャンバ263への方向において、外側位置から長手方向軸線Lに向けて減少するスロープを含み、それによって、投薬チャンバへの開口部の直径を減少させる。図28Bは、側壁部2631を含む遠位コネクタ240を図示しており、側壁部は、ステッププロファイルを含む。図28Dは、投薬チャンバ入口部のための代替的な弁(すなわち、フロントコーン弁264a)を示している。図28Cでは、逆フロントコーン弁264bが示されている。別の例は、図28eに図示されているように、Belleville弁264cである。図28Fに図示されているような自転車ホースタイプ弁264dは、投薬チャンバ入口部のための適切な弁に関する代替的な例である。
【0094】
一方向弁264は、逆止弁として理解され、逆止弁は、一方向のみへの流体通過を許容し、反対方向への流体通過を可能にしないことが認識される。弁に対する1つの代替的な例は、薬剤容器を投薬ユニットと流体接続するセプタムニードルであることが可能である。
【0095】
一方向弁264は、投薬チャンバ263のデッドボリュームを低減させるようにさらに構成されている。デッドボリュームは、接続部間に生成される自由空間として理解されるものとする。たとえば、一方向弁264の3次元の形状および/またはサイズは、きつく嵌合するように、かつ、一方向弁264と弁アダプタ241との間の間隔を低減させるように最適化されることもできる。したがって、一方向弁は、接続パーツの空間を埋めるように、かつ、流体流特性を改善するように形成され得る。
【0096】
1つの例において、近位コネクタユニット262は、デッドボリュームをさらに低減させるために、薬剤送達部材22とコネクタユニットとのロック係合をさらに締め付けるためのロック手段2621を含むことが可能である。1つの利点は、薬剤送達出口部22(たとえば、針225または針ホルダー)が特定の移動および嵌合公差を有する場合には、公差は、締め付け要素(たとえば、Oリング、スナップフィット、またはルアーロックなど)によって低減または補償され得ることである。
【0097】
薬剤送達部材22のためのおよび薬剤容器29のためのコネクタユニット262、240のロックおよび固定要素は、たとえば、従来のルアーロックタイプコネクタであるが、任意の他の適切なコネクタタイプも適切である。たとえば、コネクタユニットは、ネジ山付きコネクタ、スナップフィット、および/または、磁気的なロック機構を含むことが可能である。薬剤容器のためのコネクタユニット240は、任意選択で、アダプタモジュール242を含み、薬剤容器29がコネクタユニット240とは異なる固定またはロック機構を有するときに、薬剤容器29がアダプタモジュール242を介してコネクタユニット240上に装着され得るようになっている。アダプタモジュールは、薬剤容器29上に装着されており、薬剤容器が、アダプタモジュールが取り付けられた状態でコネクタユニット240上に装着され得るようになっている。
【0098】
投薬ユニット26は、ハウジング283をさらに含み、ハウジング283は、投薬チャンバ263、マイクロ投薬機構、および作動機構28を囲む。投薬ユニット26は、投薬ユニット26の近位端2bにおいて、薬剤送達部材22と流体連通している。薬剤送達部材22は、近位コネクタユニット262を介して投薬ユニット26に接続されており、薬剤送達ユニット22が、固定およびロック要素(たとえば、ルアーロックコネクタ、または、任意の他のネジ山付きの、スナップフィットの、もしくは他の適切なコネクタ要素)を介して、近位コネクタユニット262上に解放可能に装着されている。
【0099】
投薬ユニット26の投薬チャンバ263は、薬剤送達接続ユニット262と薬剤容器接続ユニット240との間に配置されている。投薬チャンバ263は、特定の治療用流体の流体流を最適化するために、精密な容積および形状を画定している。1つの例は、投薬チャンバの内側壁部が特定の形状を採用しており、流体が投薬チャンバに進入するときに、流体の流れが投薬チャンバの内側壁部によって案内されるようになっており、流体流が促進されるようになっている。たとえば、投薬チャンバの内側壁部の特定の3次元の形状は、側壁部への流体のより良好な付着を提供し、それは、フラッシングプロセスの間の気泡またはエアポケットの生成を抑制する。
【0100】
本発明の1つの目標は、薬剤の高度に正確な投与量を送達することである。したがって、薬剤の漏出または逆流は、最小化または防止されなければならない。本発明の1つの態様は、流体流機構を最適化することである。投薬チャンバは、好ましくは、剛性であり、投薬チャンバ26から薬剤送達部材22への流体通過の最適化を提供する流線形の3次元形態274を含む。
【0101】
図18および図27に示されている1つの例において、薬剤容器29の中心軸線のアライメントは、投薬チャンバ入口部240、および、薬剤送達部材225を備えた投薬チャンバ出口部と一致している。このアライメントは、線形の流体流路をサポートしている。
【0102】
1つの例において、弁264は、それが長手方向軸線Lに関して対称的に位置決めされる(すなわち、弁の中心が、長手方向軸線Lの上にある)ように配置されている。
【0103】
1つの例において、弁は、中央突出部を含む。コネクタモジュール243は、中央孔部を含み、弁の中央突出部は、中央孔部の中に保持される。中央突出部は、弁の中心から遠位方向に延在している。中央突出部の近位側は、中央開口部を含む。突出部は、コネクタモジュール243の中央孔部の中へ嵌合するように圧縮され得る。突出部がコネクタモジュール243の中央孔部の中で膨張して戻るとき、一方向弁264は、適切な場所にしっかりと保持される。コネクタモジュール243は、中央孔部に隣接して少なくとも1つの追加的な開口部をさらに含み、それは、弁264の保持機構に影響を与えないように十分に小さいが、弁264を通る流体流を改善するように十分に大きい。この例では、弁およびコネクタモジュールの中の中央孔部の同軸の配置に起因して、流体は、弁264の周りのリング形状の空間を通って投薬チャンバ263に進入する。
【0104】
さらに別の例では、配置は、長手方向軸線Lに関して非対称的である。換言すれば、弁264の中心は、長手方向軸線Lからオフセットされて位置決めされており、すなわち、コネクタモジュール243の中央孔部は、長手方向軸線Lに対してオフセットされている。結果として、流体流路が修正される。たとえば、非対称性に起因して、流体は、弁264の1つのセクションにおいて、別のセクションよりも多くの空間が提供され、したがって、流体は、非対称的に投薬チャンバに進入する。これは、有利である可能性がある。その理由は、それが流体の中の泡またはエアポケットの生成を低減させることができるからである。
【0105】
図29に示されている別の例では、薬剤容器29の中心軸線のアライメントは、投薬チャンバ入口部240に対してオフセットされており、投薬チャンバ出口部は、薬剤送達部材225に対してオフセットされている。このオフセットされたアライメントの1つの利点は、投薬チャンバ263の中の潜在的なエアポケットおよび気泡のより良好な視認性である。後に説明されることになるように、マイクロ投薬デバイス20が使用される前に、それは、プライミングによって準備されなければならない。プライミングの間に、流体経路から空気を抜くために、治療用液体が使用されてマイクロ投薬デバイスを通してフラッシュするときに、治療用流体の中の気泡のエアポケットの生成が生じる可能性がある。ユーザは、プライミングの間に、透明のハウジング283および透明のマイクロ投薬ユニット26を通して見ることによって、泡のエアポケットが見えるかどうかを確認する。オフセットされたアライメントは、ユーザが気泡およびエアポケットをより容易に見分けることを可能にする。
【0106】
流体は、投薬機構を通る流体通路265を辿る。投薬チャンバ263は、投薬チャンバの遠位側に流体入口部を含む。投薬チャンバの流体入口部は、一方向弁264の流体出口部である。コネクタユニット262は、薬剤送達部材22に隣接して、投薬チャンバ出口部270を含む。任意選択で、薬剤送達部材22と投薬ユニット26との間の接続をきつく封止するために、図11に示されているような第2の一方向弁222(または、代替的に、封止部材)が、投薬チャンバ出口部270の後に配置され得る。
【0107】
追加的にまたは代替的に、フィルタユニット220は、薬剤送達部材の前に設置され得、流体の中に浮遊する生じ得る結晶または粒子要素をとどめるようになっている。
【0108】
さらに、第2の一方向弁222に関して、さまざまな弁タイプが使用され得る。たとえば、図26Dでは、コーン弁222cが図示されており、図26Bでは、逆コーン弁222bが示されている。
【0109】
図26A図26C、および図26Eは、代替的な封止部材を示している。たとえば、図26Aでは、投薬チャンバ出口部270は、円形シール(この場合には、Oリングシール222a)を受け入れるように構成された円周方向凹部をさらに含む。
【0110】
図26Cは、投薬チャンバ出口部270を封止するための代替的な方法を示している。投薬チャンバ出口部は、近位端において円周方向の切欠きを含み、力が切欠きに均一に印加されるときに、切欠きが圧縮されるようになっている。図26Cにおいて見ることができるように、切欠きを備えた投薬チャンバ出口部の端部が薬剤送達部材224の中へ導入されるとき、切欠きが圧縮され、投薬チャンバ出口部270の端部が、薬剤送達部材224と投薬チャンバ出口部270との間のギャップを封止する。
【0111】
図30Aから図30Fは、コネクタモジュールがコネクタユニット240上に装着されるときに、コネクタモジュール242を固定および封止するための代替的な封止要素および方法をさらに示している。たとえば、図30A図30C図30D、および図30Fは、固定された不可逆的な装着およびシール方法を図示している。図30Cでは、コネクタをコネクタモジュールと接続する軸方向の溶接305が示されており、半径方向のリングシール307が、コネクタモジュール242の周りに円周方向に配置されている。図30Fでは、コネクタモジュールとのコネクタの半径方向の溶接306が示されており、半径方向のリングシール307が、コネクタモジュール242の周りに円周方向に配置されている。
【0112】
図30Aは、コネクタモジュール242およびコネクタユニット240を接続する接着されたまたは紫外線硬化型のボンド301の例を示している。
【0113】
図30Dは、スナップフィットタイプ接続を図示している。コネクタモジュール242上の角度付きの突出部302aは、コネクタユニット240の突出部302bに当接し、したがって、コネクタモジュール242をコネクタユニット240にロックする。
【0114】
図30Bは、Oリングシール307を受け入れるためのコネクタモジュール242上の円周方向凹部とともにバヨネット接続303を図示している。
【0115】
図30Eは、コネクタモジュール242をコネクタユニット240に接続するネジ山付きの接続304を図示している。
【0116】
マイクロ投薬機構(すなわち、作動ユニット)は、投薬チャンバ26と流体連通しており、長手方向軸線Lに対して垂直の方向に延在する垂直軸線Pの上で投薬チャンバ263から半径方向にまたは軸方向に延在している。マイクロ投薬機構は、ピストンガイド272の中に位置決めされているピストン268をさらに含み、それによって、ピストンロッド268は、投薬チャンバ263の中へ延在しており、作動機構28に接続されている。1つの実施形態では、ピストン268は、ガイド272の中へきつく嵌合し、流体がガイド壁部とピストン268との間に侵入することができないようになっている。
【0117】
代替的な実施形態において、ピストンは、薬剤流体がガイドとピストンロッド268との間の空間に侵入することを防止する封止部材を含む。ピストンは、作動機構28に接続されている。1つの例において、作動機構は、作動ボタン28であり、投与量送達を開始するためにユーザによって力が印加されるとき、力は、ピストン268の上に直接的に伝達される。作動機構は、停止機構282をさらに含み、停止機構282は、力がピストン268に依然として作用しているとしても、ピストン変位を止めるように配置されている。
【0118】
1つの例において、作動ボタン28は、図16図17、および図19に示されているように、少なくとも1つの長手方向延長部(アーム260)を含む。この例では、2つのアームが示されている。アームは、ピストンロッドに対して平行に延在しており、アームは、グリップ部材またはレッジ部261を含む。アーム260は、投薬チャンバの外部側にある突出部281と係合されている。したがって、アームはロックされ、作動ボタンを適切な場所に保持する。したがって、作動機構は、しっかりと保持され、事故的な作動が防止される。力が作動ボタン28の上に印加されるときに、ボタン28は、投薬チャンバ263に向けて移動し、ピストンロッド268を変位させ、それによって、長手方向延長部260も変位させる。アーム260は、外向きに屈曲し、突出部281から係合解除することが可能であり、作動ボタンが係合解除されているときに、それは、投薬チャンバ263に向けて前方に自由に移動することが可能である。
【0119】
図17に示されている例では、アームのレッジ部261は、軸線Pに関して外向きに延在する突出部281と係合するために、軸線Pに向けて(すなわち、内向きに)延在させられている。代替的に(図には示されていない)、機構は、90度だけ回転され得、すなわち、レッジ部261および突出部281は、長手方向軸線Lの方向に延在することが可能である。この配置では、アーム260は、作動ボタンが始動されるときに、長手方向軸線Lに対して平行な方向に屈曲する。
【0120】
図17の断面図に示されているように、作動機構は、投薬チャンバ263の垂直開口部267をカバーしており、作動機構28の外側表面の上に作動ボタン280を提供している。作動ボタン280の内側表面上には、ピストンロッドのための凹部が、ピストンロッド268を受け入れて作動機構にしっかりと取り付けるように構成されている。
【0121】
作動機構の1つの実施形態では、作動ボタン280およびピストンロッド268を含むカバー要素は、一体的な要素であり、たとえば、一個部片として成形されている。
【0122】
図22および図23に示されているように、この例の投薬チャンバユニット26は、一個部片として成形されており、または、代替的に、投薬チャンバは、気密および液密に組み立てられるモジュール式タイプであることが可能である。たとえば、それは、一緒に接着されるかまたは溶接され得る。
【0123】
マイクロ投薬デバイスの初期状態が、図17に示されている。作動機構(すなわち、作動ボタン280)は、ユーザによって押されておらず、レッジ部261を備えた横方向アーム260は、初期位置にあり、投薬ユニット26の側壁部にある凹部281の縁部に係合している。
【0124】
最終状態において、正確な量の薬剤投与量体積が排出されたときに、たとえば、作動ボタン280の内向きに向けられた側部から外向きに延在する突出部の形態の停止部材282によって開口部267の縁部に当接することによって、作動ボタン280は停止される。代替的に、図22に図示されているように、停止部材は、投薬チャンバ開口部267から外向きに延在する突出部の形態になっている。停止機構は、たとえば、構造的なストッパ(たとえば、層または突出部など)であることが可能であり、層または突出部は、事前定義された位置にピストンロッドの変位を止めるように配置されている。
【0125】
停止機構282は、触覚フィードバックおよび/または音響フィードバックをさらに含むことが可能である。たとえば、円周方向要素がピストンガイドの縁部に衝突するときに、ユーザは、クリック音を聞き、対抗する力を感じることが可能である。代替的にまたは追加的に、最終段階において突出部と係合するときに、最終位置へのアームの屈曲は、音響の信号を発生させる。
【0126】
マイクロ投薬機構の1つの態様は、ピストン変位が、送達されることになる薬剤の精密な体積に対応することである。換言すれば、印加された力の下で投薬チャンバ263の中へ延在および移動するピストン268の体積は、排出されることが意図される薬剤体積の均等量を変位させる。
【0127】
正確な量の薬剤体積投与量が排出されたときに、作動ボタン28は、停止機構282に到達する。停止機構は、たとえば、層または突出部のような構造的なストッパであることが可能である。1つの例において、停止機構は、突出部2823であり、横方向アーム260は、突出部2823の中へ屈曲することが可能であり、適切な場所にしっかりとさらに保持され得、作動ボタン機構が適切な場所に不可逆的にロックされるようになっている。これは、使用の前の初期位置における横方向アーム260を示す図17に図示されており、また、最終位置において突出部2823と係合されている横方向アームを示す図16に図示されている。任意選択で、保護カバー288は、事故的に作動させられることから作動機構を保護することが可能である。たとえば、カバー288は、作動機構を囲み、任意選択で、作動ボタンをロックすることができる突出部を有することが可能である。
【0128】
図33A図33Bに示されているようなさらなる例では、保護カバー288は、作動ボタン28のみを囲む保護キャップ289によって交換され得る。また、図33Aに示されているような別個の保護針キャップ290は、医療用投薬デバイス20を保護するための代替的な解決策である。
【0129】
作動機構28は、治療用流体が排出されたことをユーザに知らせるために、視覚的な、音響的な、または触覚的な信号をさらに含むことが可能である。たとえば、アーム260が停止機構の中へ屈曲するときに、クリック音が発生され得、機構が止まったことの触感を感じることができる。ハウジング283の突出部284に対する作動ボタンの変位は(突出部284は、作動ボタンのための座部を形成している)、作動機構が始動されたことを視覚的に示す。たとえば、図9に示されているように、円周方向突出部が、作動ボタンの周りに延在しており、近位側において、初期の非作動状態における作動ボタンと同じ高さを有している。近位側から、突出部は、高さに関して、遠位側に向けて減少しており、遠位側において、作動ボタンが円周方向突出部284よりも高くなるようになっている。作動ボタンが投薬チャンバに向けて押されるとき、作動ボタンは、突出部284に対してその高さを減少させる。この高さの差は、作動ボタンが始動されたことを視覚的に示す。追加的に、円周方向突出部284の側部は(それは、作動ボタンに面しており、初期状態において見ることができない)、視覚的に強調する要素(たとえば、信号カラー、ラベル、またはその両方)をさらに含むことが可能である。このカラーおよび/またはラベルは、作動ボタンおよび排出機構の始動の後にのみ見ることができる。
【0130】
視覚的フィードバックインジケータのさらなる例が、図34Aから図34Gに示されている。図34Aでは、ボタンの上インジケーションマーク311に対して回転する回転要素310は、ボタン28上の変位を示している。図34Bは、長手方向軸線に対して垂直に配置されているインジケータを図示している。
【0131】
図34Cは、破断線ポイントが溶接された状態のセキュリティキャップ312を図示しており、セキュリティキャップ312は、作動ボタンの下方に配置されている。
【0132】
図34Dは、作動ボタン上に配置されている別のセキュリティキャップ313を図示しており、セキュリティキャップ313は、回転すると破断する完全性シールを含む。
【0133】
図34Eおよび図34Fは、ボタン(図34F)上のまたは保護ハウジング(図34E)上の一体化された完全性シール314、315を示している。
【0134】
図34Gは、任意選択の完全性ピン309の機構を示しており、断絶されたときのボタンの損傷を示しており、輸送の間のボタンの移動を防止している。
【0135】
マイクロ投薬機構は、封止部材266をさらに含むことが可能であり、封止部材266は、剛性の構造的なパーツの任意の公差を補償するためにピストンガイドの中へ導入される。図32Aに示されているような封止部材266aは、テーパー付きのフリンジ266a1をさらに含み、テーパー付きのフリンジ266a1は、投与量チャンバの中へ延在しており、それによって、投与量チャンバ263の流体密封の封止を提供している。
【0136】
1つの実施形態では、投薬チャンバ263は、任意選択で、親水性のコーティングを備えた側壁部を含む。別の実施形態では、投与量ユニットは、親水性の特性を有する材料から作製されている。
【0137】
1つの実施形態では、投薬チャンバは、流線形の形状274を有しており、変位されるときに流体が圧縮されずに、その代わりに、送達部位に滑らかに案内されるようになっている。たとえば、側壁部の流線形の形態は、流体流の中の乱流を防止することが可能である。乱流は、エアポケット、泡、または泡沫の生成を強化することが知られている。デバイスまたは液体のいずれかの中の任意の種類のロックされた空気は、機能性を変更する可能性があり、医療用途において回避されるべきである。
【0138】
1つの実施形態では、マイクロ投薬デバイスは、単回使用のために構成されており、単回投与量を提供するように構成されており、その後に、作動機構は、不可逆的にロックされる。
【0139】
代替的な実施形態において、マイクロ投薬デバイスは、複数の投与量送達のために構成され得る。この例では、作動機構は、ロック手段282の代わりに弾性部材を含むことが可能であり、第1の投与量送達の後に、作動機構が初期位置にリセットされ、後続の投与量送達を可能にすることができるようになっている。この例では、薬剤容器は、必要量の後続の投与を提供するように選ばれる。
【0140】
マイクロ投与量送達デバイス20の組み立ておよび使用のための方法は、解放可能なネジ山付きロック機構が使用される場合には、ユーザの回す運動によって、コネクタユニット240上に薬剤容器29を装着するステップを含む。代替的に、コネクタアダプタ242は、薬剤容器29のロック機構を投薬ユニット26のロック機構276に適合させるために使用され得、次いで、投薬ユニット26上に装着され得る。次いで、薬剤送達部材22が、投薬ユニット26の近位側2bにおいて、コネクタ262上に装着される。上記のステップのシーケンスまたは順序は、任意選択で、逆にされ得る。薬剤送達部材22および薬剤容器29が、投薬ユニット26のコネクタ262、240上にしっかりと装着されているときに、投薬ユニット26の投薬チャンバ263を介した薬剤容器29と薬剤送達部材22との間の流体接続が確立される。
【0141】
その後に、薬剤容器29が、ユーザによって始動され、薬剤が薬剤送達部材22において放出されるまで、投薬チャンバ263の中へ薬剤を分注する。結果として、すべての容積が薬剤流体によって充填されるまで、すべての流体が、利用可能な空間を通ってフラッシュする。換言すれば、投薬チャンバ263、流体ガイド265、投薬チャンバ出口部270、および薬剤送達部材出口部(たとえば、針225)は、すべて流体によって充填される。したがって、任意の後続の流体変位は、針容積または流体ガイドおよび出口部容積に依存しない。
【0142】
マイクロ投薬デバイス20の組み立ては、典型的に、殺菌のまたは無菌の条件において実施されるべきであることが理解されるべきである。
【0143】
マイクロ投薬デバイス10、20の1つの利点は、異なる針容積を有する異なる針サイズが、投薬機構を針容積に適合させることなく使用され得ることである。別の利点は、潜在的なエアポケットまたは泡が、薬剤送達部材出口部において、より容易に排出され得ることである。
【0144】
マイクロ投薬デバイス20が、上記に概説されているように組み立てられると、ユーザが作動ボタン28を押すことによってマイクロ投薬機構を始動させるときに、薬剤は、正確な投与量体積として排出され得る。
【0145】
さまざまな態様および実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の態様および実施形態は当業者に明らかになることになる。デバイスおよび方法の異なる態様の中のおよびそれらの間のすべての実施形態は、文脈が明確にそうでないことを指定していない限り、組み合わせることができる。本明細書で開示されているさまざまな態様および実施形態は、図示の目的のためのものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲および趣旨は、特許請求の範囲によって示されている。
【符号の説明】
【0146】
1 遠位端
1b 遠位端
2 近位端
2b 近位端、近位側
10 マイクロ投薬デバイス
12 近位コネクタユニット、薬剤送達部材コネクタユニット、モジュール式コネクタユニット、近位接続ユニット
14 遠位コネクタユニット、接続ユニット
16 投薬ユニット本体部、投薬チャンバ、投薬チャンバユニット
18 作動機構
20 マイクロ投薬デバイス、医療用投薬デバイス、マイクロ投与量送達デバイス
22 薬剤送達部材コネクタユニット、遠位コネクタユニット、近位コネクタユニット、近位薬剤送達部材コネクタユニット
24 遠位コネクタユニット
26 投薬ユニット本体部、マイクロ投薬ユニット、投薬チャンバ
28 作動機構、作動ボタン
29 薬剤容器
120 フィルタユニット
121 近位開口部
122 第2の一方向弁
141 遠位開口部、コネクタ
160 横方向アーム
161 レッジ部
162 コネクタ
163 投薬チャンバ
164 一方向弁
165 遠位流体ガイド、流体通路
166 封止手段、円形封止リング、封止部材
167 垂直開口部
168 ピストンロッド
169 円形凹部
170 近位開口部、投薬チャンバ出口部
172 ピストンガイド
180 作動ボタン
181 凹部
182 投薬機構、停止機構、停止部材、ロック手段
220 フィルタユニット
221 薬剤送達出口部
222 第2の一方向弁
222a Oリングシール
222b 逆コーン弁
222c コーン弁
224 薬剤送達部材
225 針、薬剤送達部材
240 近位コネクタ、遠位コネクタ、コネクタユニット、薬剤容器接続ユニット、投薬チャンバ入口部
241 コネクタ弁アダプタ、モジュール式ユニット、コンポーネント
242 アダプタモジュール、コネクタモジュール、コネクタアダプタ
260 アーム、長手方向延長部、横方向アーム
261 レッジ部
262 遠位コネクタ、近位コネクタ、近位コネクタユニット、薬剤送達接続ユニット
263 投薬チャンバ
264 一方向弁
264a フロントコーン弁
264b 逆フロントコーン弁
264c Belleville弁
264d 自転車ホースタイプ弁
265 流体通路、流体ガイド
266 封止要素、封止部材
266a 封止部材
266a1 テーパー付きのフリンジ
267 垂直開口部、投薬チャンバ開口部
268 ピストンロッド
270 投薬チャンバ出口部
274 流線形の3次元形態、流線形の形状
280 作動ボタン
281 突出部、凹部
282 停止機構、停止部材、ロック手段
283 ハウジング
284 突出部、円周方向突出部
288 保護カバー
289 保護キャップ
290 保護針キャップ
301 接着されたまたは紫外線硬化型のボンド
302a 突出部
302b 突出部
303 バヨネット接続
304 ネジ山付きの接続
305 軸線方向の溶接
306 半径方向の溶接
307 半径方向のリングシール、Oリングシール
309 完全性ピン
310 回転要素
311 インジケーションマーク
312 セキュリティキャップ
313 セキュリティキャップ
314 完全性シール
315 完全性シール
2411 くさび形状の突出部
2621 ロック手段
2631 側壁部、内側側壁部
2823 突出部
L 長手方向軸線
P 垂直軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図23C
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図27
図28A
図28B
図28C
図28D
図28E
図28F
図29
図30A
図30B
図30C
図30D
図30E
図30F
図31A
図31B
図31C
図32A
図32B
図32C
図33A
図33B
図33C
図33D
図34A
図34B
図34C
図34D
図34E
図34F
図34G
【国際調査報告】