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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】飲料ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/04 20060101AFI20230808BHJP
   A47J 31/41 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B67D1/04 D
A47J31/41
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504666
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 US2021043045
(87)【国際公開番号】W WO2022020764
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/056,178
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッピエ,ジャンカルロ
(72)【発明者】
【氏名】カマリ,ファーシャド
(72)【発明者】
【氏名】ジャージー,スティーブン ティ
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC01
3E082DD09
3E082FF09
4B104AA11
4B104AA16
4B104BA15
4B104BA16
4B104BA21
4B104BA57
4B104BA64
4B104BA76
4B104CA01
4B104DA11
4B104DA20
4B104DA33
4B104DA55
4B104DA56
(57)【要約】
飲料ディスペンサは、高濃度の濃縮液を使用して、オンデマンドの飲料を混合する。高濃度の濃縮液をアルカリ水と事前混合することにより、最終飲料のブレンド性能を改善することができる。飲料レシピは、個人の味覚に合うようにユーザによってカスタマイズされ得る。飲料ディスペンサの態様はまた、常温飲料、冷飲料、温飲料、発泡飲料、又は高アルカリ飲料を分注する能力を含み得る。飲料の注文を受信するためのユーザインターフェースの動作は、飲料ディスペンサ上のディスプレイ上及びモバイルデバイス上のアプリケーション上の両方に存在するユーザインターフェースを表示し、かつ用いるための能力を含む。いくつかの態様では、両方のユーザインターフェースを同時に使用して、ユーザ入力を受信することができる。飲料分注システムを使用して飲料を分注する方法についても論じられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料ディスペンサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに流体接続された水源と、
前記ハウジング内に配設され、前記水源に流体接続されたアルカリチャンバであって、前記水源から水を受容し、かつ前記水源から受容した前記水よりも高いアルカリ度を有するアルカリ水を出力するように構成されている、アルカリチャンバと、
前記ハウジング内に配設されたポンプと、
前記ハウジング内に取り外し可能に配設され、前記ポンプに流体接続された濃縮液容器と、
前記ハウジング上に配設され、飲料を分注するように構成されたノズルと、を備え、
前記ポンプが、前記濃縮液容器から濃縮液をポンプ圧送するように構成されており、
前記アルカリ水及び前記濃縮液が、前記ノズルに到達する前に前記アルカリ水と混合され、
前記ノズルがまた、組み合わされた香味料濃縮液及び前記アルカリチャンバから出力された水とは別に、前記水源に流体接続されており、
前記ノズルが、前記飲料を分注する前に、前記水源からの水を、前記組み合わされた濃縮液及びアルカリ水と混合するように構成されている、飲料ディスペンサ。
【請求項2】
前記ハウジング内に取り外し可能に配設された複数の濃縮液容器と、
前記ハウジング内に配設された複数のポンプであって、前記複数のポンプの各々が、単一の濃縮液容器に流体接続されている、複数のポンプと、を更に備え、
前記ポンプの各々は、前記濃縮液容器からの濃縮液及び前記アルカリ水を、前記濃縮液が前記ノズルに到達する前に前記アルカリ水と混合されるように、前記ノズルへポンプ圧送するように構成されている、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項3】
加圧ガスを含むガス源であって、前記加圧ガスが前記容器内の前記濃縮液を加圧して前記ポンプに流すように、前記濃縮液容器に流体接続されている、ガス源を更に備える、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項4】
前記加圧ガスは、前記濃縮液が前記ポンプによって前記容器から取り除かれたときに形成される、前記濃縮液容器内の空間を充填する、請求項3に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項5】
前記濃縮液容器、アルカリチャンバ、及び前記ガス源が、前記ハウジング内に取り外し可能に配設されている、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項6】
前記ハウジング内に取り外し可能に配設され、前記水源と流体連通する、水フィルタを更に備える、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項7】
前記水フィルタ及び前記アルカリチャンバが、カートリッジハウジング内に配設されている、請求項6に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項8】
前記ハウジング内に配設されたコントローラと、
前記コントローラに動作可能に接続され、外部ネットワークと通信するように構成された送受信器と、
前記濃縮液容器内の前記濃縮液のレベルを検出し、かつそのレベルを前記コントローラに報告するように構成された濃縮液容器センサと、を更に備え、
前記コントローラは、前記検出された前記濃縮液のレベルをコンピュータメモリに記憶し、かつ前記濃縮液容器センサが、前記濃縮液容器が空であることを報告したときに、前記送受信器を通して前記外部ネットワークにアラートを送信するように構成されている、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項9】
前記ハウジング上に配設され、前記コントローラに動作可能に接続されたディスプレイを更に備え、前記コントローラが、前記検出された前記濃縮液のレベルを前記ディスプレイ上に表示し、かつ前記濃縮液容器センサが、前記濃縮液容器が空であることを報告したときに、アラートを前記ディスプレイ上に表示するように構成されている、請求項8に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項10】
前記濃縮液容器センサが、前記濃縮液容器の存在を検出し、かつその存在を前記コントローラに報告するように構成されており、
前記コントローラが、前記検出された前記濃縮液容器の存在を前記コンピュータメモリディスプレイに記憶するように構成されており、
前記コントローラが、前記濃縮液容器が存在しない場合にアラートを表示し、かつ前記送受信器を通して前記アラートを前記外部ネットワークに送信するように構成されている、請求項8に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項11】
前記濃縮液容器内の前記濃縮液が、20:1~400:1の濃度比を有する、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項12】
前記ノズルで受容される、濃縮液及びアルカリ水の混合物の前記濃度比が、4:1~20:1である、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項13】
濃縮液及びアルカリ水の前記混合物が、いかなる他の要素も通過することなく、前記ポンプから前記ノズルへ直接進行する、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項14】
前記アルカリチャンバ及び前記ノズルに流体接続された第2のポンプであって、アルカリ水を前記ノズルにポンプ圧送するように構成されている、第2のポンプを更に備え、
前記ポンプが、前記濃縮液容器のみに接続され、濃縮液を前記ノズルにポンプ圧送するようにのみ構成されている、請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項15】
飲料ディスペンサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに流体接続された水源と、
前記ハウジング上に配設され、飲料を分注するように構成されたノズルと、
前記ハウジング内に配設され、水槽で充填された流体密封容器を備える水チラーと、
前記水槽と接触するように前記水チラー内に配設された冷却コイルであって、前記冷却コイルが、前記水源からの水を受容するように前記水源に流体接続され、チルド冷却水を出力するように構成されており、前記冷却コイルが、チルド冷却水ラインを通して前記ノズルにチルド冷却水をルーティングするように流体接続されている、冷却コイルと、
加圧ガスを貯蔵する容器を備えるガス源と、
前記ハウジング内に配設され、前記冷却コイル及び前記ガス源の両方の出力に流体接続されたカーボネータチャンバであって、前記カーボネータチャンバは、前記加圧ガスの少なくとも一部が前記チルド冷却水中に溶解して、発泡水を形成するように、前記加圧ガスを前記チルド冷却水とブレンドするように構成されており、前記カーボネータチャンバが、前記発泡水を前記ノズルにルーティングするように前記ノズルに流体接続されている、カーボネータチャンバと、
前記ハウジング内に配設された水ヒーターであって、前記水ヒーターが、水中の水を受容して貯蔵し、かつ水タンク内に配設されたヒーター要素を使用して、前記貯蔵された水を加熱するように前記水源に流体接続されており、前記水ヒーターが、前記加熱された水を前記ノズルにルーティングするように前記ノズルに流体接続されている、水ヒーターと、
前記ハウジング内に配設され、前記水源に流体接続されたアルカリチャンバであって、前記アルカリチャンバが、前記水源からの水を受容し、かつ前記水源から受容した前記水よりも高いアルカリ度を有するアルカリ水を出力するように構成されており、前記アルカリチャンバが、前記アルカリ水を前記ノズルにルーティングするように前記ノズルに流体接続されている、アルカリチャンバと、
前記ハウジング内に配設されたポンプと、
前記ハウジング内に取り外し可能に配設され、前記ポンプに流体接続された濃縮液容器と、を備え、
前記ポンプは、前記濃縮液容器からの濃縮液を、前記濃縮液が前記ノズルに到達する前に前記アルカリ水と混合されるように、前記ノズルへポンプ圧送するように構成されており、
前記ノズルがまた、組み合わされた香味料濃縮液及び前記アルカリチャンバから出力された水とは別に、前記水源に流体接続されており、
前記ノズルが、前記飲料を分注する前に、前記水源からの水を、前記組み合わされた濃縮液及びアルカリ水と混合するように構成されている、飲料ディスペンサ。
【請求項16】
前記水源からの前記水が前記ノズルに到達する前に前記冷却コイル、前記カーボネータチャンバ、前記水ヒーター、前記アルカリチャンバ、及び前記ポンプを通過しないように、前記水源と前記ノズルとの間の流体接続を更に備える、請求項15に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項17】
前記チルド冷却水、前記アルカリ水、前記加熱された水、及び前記発泡水のうちの少なくとも2つは、前記チルド冷却水、前記アルカリ水、前記加熱された水、及び前記発泡水のうちの前記少なくとも2つに対応する前記水が前記ノズルに直接ルーティングされるように、専用の流体ラインによって前記ノズルに接続されている、請求項16に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項18】
飲料ディスペンサから飲料を分注する方法であって、
前記飲料ディスペンサのハウジングに接続された水源からの水を受容することと、
前記ハウジング内に配設され、濃縮液容器に流体接続されたポンプを使用して、前記ハウジング内に配設された前記濃縮液容器から、前記ハウジング上に配設されたノズルに高濃度の濃縮液をポンプ圧送することと、
前記濃縮液及びアルカリ水が前記ノズルに達する前に一緒にブレンドされて、第1の濃縮液の組み合わせを形成するように、7.00よりも高いpHを有するアルカリ水を前記ノズルへポンプ圧送することと、
前記ノズルから前記第1の濃縮液の組み合わせを分注することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記ハウジング内に配設された水チラーを通して前記水をルーティングすることによって、前記水源からの前記水を冷却することと、
前記ノズルにおいて前記チルド冷却水を受容することと、
前記ノズル内で前記チルド冷却水と前記第1の濃縮液の組み合わせとを組み合わせて、前記飲料を形成することと、
前記ノズルから前記飲料を分注することと、を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ハウジング内に配設された水チラーの水槽を、前記水槽内に配設された冷却要素を使用して冷却することと、
前記水槽内に配設されたチラーコイルを通して前記水をルーティングしてチルド冷却水を形成することによって、前記水源からの前記水を冷却することと、
前記ハウジング内に配設されたカーボネータチャンバにおいて前記チルド冷却水を受容することと、
前記カーボネータチャンバにおいてガス源からの加圧ガスを受容することと、
前記加圧ガスの少なくとも一部が前記チルド冷却水中に溶解して発泡水を形成するように、前記チルド冷却水と前記加圧ガスとを組み合わせることと、
前記ノズルにおいて前記発泡水を受容することと、
前記ノズル内で前記発泡水と前記第1の濃縮液の組み合わせとを組み合わせて、前記飲料を形成することと、
前記ノズルから前記飲料を分注することと、を更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、事後混合飲料を分注するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
事後混合飲料の分注における最近の進歩は、エンドユーザが、分注される飲料をカスタマイズすることを可能にする。ユーザは、追加的な香味料及び増強剤(例えば、ビタミン、カフェイン、及び栄養補助剤)を既存の飲料に加え得、更に、既存の飲料レシピに見出される成分の量を自分の味覚に合うように変更することもできる。同時に、より健康的な飲料の選択肢に対する需要が高まっており、香味付き飲料水の人気の高まりにつながっている。これらの香味付き飲料水は、典型的には、炭酸化される又は炭酸化されない場合もある、ほのかに香味付けされた水である。こうしたタイプの飲料に対するユーザの需要はまた、より小さいオフィスキッチン、家庭内の用途、及び典型的には飲料ディスペンサを含まない他の商業スペース(例えば、待合室及びロビー)などの非典型的な分注環境を含むように、典型的なフードサービス施設及びレストラン以外にも拡大している。
【0003】
既存の事後混合飲料ディスペンサは、典型的には、オンデマンドの飲料を作り出すために、比較的大量の濃縮シロップを消費する。飲料をカスタマイズする能力を加えることは、より広範囲にわたる濃縮液をディスペンサ内で貯蔵することが必要であり、既存のディスペンサでは、シロップを貯蔵するために必要な搭載貯蔵部のため、大型のディスペンサの占有面積をもたらす。こうした大型のディスペンサは、上述した分注環境などのような限られた空間を有する場所に配置することが困難である。したがって、カスタマイズされた飲料を生成するこができ、利用可能な空間があまりない場所に配置することができるより小さい占有面積を有する、飲料ディスペンサに対する必要性が存在する。エンドユーザエクスペリエンスを更に向上させるために、この飲料ディスペンサはまた、エンドユーザによって、又はオフィスマネージャによって容易に使用できなければならない。したがって、容易にアクセス可能で、かつ消耗品(例えば、水フィルタ、アルカリチャンバ、炭酸ガスキャニスタ、及び香味料濃縮液容器)が迅速に交換可能であることに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、飲料ディスペンサは、ハウジングと、ハウジングに流体接続された水源と、ハウジング内に配設され、水源に流体接続されたアルカリチャンバであって、水源から水を受容して、水源から受容した水よりも高いアルカリ度を有するアルカリ水を出力するように構成されたアルカリチャンバと、を含む。濃縮液ポンプは、ハウジング内に配設され、アルカリチャンバに流体接続され、濃縮液容器は、ハウジング内に取り外し可能に配設され、濃縮液ポンプに流体接続される。ノズルは、ハウジング上に配設され、飲料を分注するように構成され、濃縮液ポンプは、濃縮液がノズルに到達する前にアルカリ水と混合されるように、濃縮液容器からの濃縮液及びアルカリ水をノズルへポンプ圧送するように構成され、ノズルはまた、組み合わされた香味料濃縮液及びアルカリチャンバから出力された水とは別に、水源にも流体接続され、ノズルは、飲料を分注する前に、水源からの水を、組み合わされた濃縮液及びアルカリ水と混合するように構成されている。
【0005】
飲料ディスペンサの更なる態様は、ハウジングと、ハウジングに流体接続された水源と、ハウジング上に配設され、飲料を分注するように構成されたノズルと、を含む。水チラーは、ハウジング内に配設され、水槽で充填された流体密封容器と、水チラー内に配設され、水槽をチルド冷却するように構成された冷却要素と、を含む。冷却コイルは、冷却コイルが水槽と接触するように、水チラー内に配設され、冷却コイルは、水源に流体接続され、水源からの水を受容して、チルド冷却水を出力するように構成され、冷却コイルは、チルド冷却水ラインを通してノズルにチルド冷却水をルーティングするように流体接続される。加圧ガスを貯蔵する容器を含むガス源は、ハウジング内に取り外し可能に配設される。圧力下で二酸化炭素(すなわち、CO2)ガスを収容するカーボネータタンク又はキャニスタは、ハウジングに配設されるか、又はハウジングに外部接続され、かつ冷却コイル及びガス源の両方の出力に流体接続され、カーボネータチャンバは、加圧ガスをチルド冷却水とブレンドして、加圧ガスの少なくとも一部がチルド冷却水中に溶解して、発泡水を生成するように構成され、カーボネータチャンバは、発泡水をノズルにルーティングするようにノズルに流体接続される。いくつかの態様では、水ヒーターは、ハウジング内に配設され、水源に流体接続され、水タンク内に水を受容し、水タンクに水を貯蔵し、また、水タンク内に配設されたヒーター要素を使用して貯蔵水を加熱し、又は代替的に、インライン熱交換器を使用して水を加熱し、水ヒーターは、ノズルに流体接続され、加熱された水をノズルにルーティングする。アルカリチャンバは、ハウジング内に配設され、水源に流体接続され、アルカリチャンバは、水源から水を受容して、水源から受容した水よりも高いアルカリ度を有するアルカリ水を出力するように構成され、アルカリチャンバは、ノズルに流体接続され、アルカリ水をノズルにルーティングする。いくつかの態様では、濃縮液ポンプは、ハウジング内に配設され、アルカリチャンバに流体接続される。濃縮液容器は、ハウジング内に取り外し可能に配設され、濃縮液ポンプに流体接続され、濃縮液ポンプは、濃縮液がノズルに到達する前にアルカリ水と混合するように、濃縮液容器からの濃縮液及びアルカリ水をノズルへポンプ圧送するように構成され、ノズルはまた、組み合わされた香味料濃縮液及びアルカリチャンバから出力された水とは別に、水源にも流体接続され、ノズルは、飲料を分注する前に、水源からの水を、組み合わせた濃縮液及びアルカリ水と混合するように構成されている。飲料ディスペンサのいくつかの態様では、専用のアルカリポンプがアルカリチャンバに流体接続され、濃縮液ポンプが濃縮液容器に流体接続され、2つのポンプは、独立して動作し、混合流をノズルに方向付ける前に、所定の量の香味料濃縮液をアルカリ水と混合する。
【0006】
飲料ディスペンサのいくつかの態様では、水源の水は、ハウジングの内部の水フィルタによって濾過されるか、又はハウジングに進入する前に濾過される。特定の態様によれば、水フィルタ、カーボネータキャニスタ、アルカリチャンバ、及び濃縮液容器は、飲料ディスペンサの一組の交換可能な消耗品を構成する。交換可能な消耗品は、消耗したときに容易に取り外し可能であり、飲料ディスペンサの任意の不慣れなユーザによって迅速に交換可能である。
【0007】
一態様による、飲料ディスペンサから飲料を分注する方法は、飲料ディスペンサのハウジングにおいて水源から水を受容することと、ハウジング内に配設されたアルカリチャンバに水を通過させることによって、水の第1のストリームのアルカリ度を高めることと、香味料濃縮液をアルカリ水の第1のストリームと組み合わせて、アルカリ水及び香味料濃縮液の第1の組み合わせを形成することと、この第1の組み合わせをハウジングに配設されたノズルで受容することと、ノズルにおいて水源からの水の第2のストリームを受容することと、ノズル内で第1の組み合わせを水の第2のストリームと組み合わせて、飲料を形成することと、ノズルから飲料を分注することと、を含む。
【0008】
一態様による、飲料ディスペンサから飲料を注文する方法は、飲料ディスペンサのディスプレイ又はユーザのモバイルデバイス上のアプリケーションのいずれか、又はその両方に配設されたユーザインターフェースから、分注される飲料のタイプを選択することと、飲料ディスペンサのディスプレイ又はユーザのモバイルデバイス上のアプリケーションのいずれかに配設されたユーザインターフェース上で開始コマンドを入力することによって、選択された飲料の分注を開始することと、飲料ディスペンサのディスプレイ又はユーザのモバイルデバイス上のアプリケーションのいずれかに配設されたユーザインターフェース上で停止コマンドを入力することによって、選択された飲料の分注を停止させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の態様を例示するものであり、説明と合わせて、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作製及び使用することを可能にする役割を更に果たす。
図1】一態様による、飲料ディスペンサの斜視図である。
図2】一態様による、飲料ディスペンサの正面図である。
図3】一態様による、飲料ディスペンサの側面図である。
図3A】一態様による、交換可能な消耗品を示す図3の側面図である。
図4】一態様による、飲料ディスペンサの背面図である。
図5A】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図5B】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図6】一態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図7A】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図7B】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図7C】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図8】一態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図9】一態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図10A】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図10B】態様による、飲料ディスペンサの概略図である。
図10C】一態様による、濃縮液容器キャップの斜視図である。
図11】一態様による、飲料ディスペンサの制御システムの概略図である。
図12】一態様による、飲料ディスペンサの斜視図である。
図13】外面に光学コードが印刷された、飲料ディスペンサ用の消耗品の例の図である。
図14】一態様による、飲料ディスペンサのユーザインターフェースのフローチャートである。
図15】一態様による、飲料ディスペンサのユーザインターフェースのフローチャートである。
図16】一態様による、飲料ディスペンサのユーザインターフェースのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面に示されるように実施形態を参照しながら、本開示をここで詳細に説明する。「1つの態様」、「一態様」、「例示的な態様」などへの言及は、記載された態様が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての態様が、その特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含み得るわけではないことを示す。更に、かかる句は、必ずしも同じ態様に言及するわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が態様に関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかにかかわらず、他の態様に関連するかかる特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知識の範囲内であるものとする。
【0011】
家庭又はオフィス環境などの非典型的な販売場所における多種多様な低カロリーの香味付き飲料水の消費者需要は、小さなキッチン及び休憩室内にその場所を見出し、また、様々な事後混合飲料を送達することができる、コンパクトなディスペンサを必要としている。更に、ユーザが、自分の飲料に追加的な香味料及び増強剤を加えて、混合及び濃度レベルを変化させ、更に、飲料の温度又は炭酸化レベルなどの自分の飲料の様々な態様をカスタマイズすることができるようにしなければならない。こうした非食品サービス環境で使用されるコンパクトな飲料ディスペンサは、コンパクトであるにもかかわらず、それでもなお、より広い製品の選択を可能にするために、多数の異なる香味料及び増強剤を貯蔵することができるようにしければならない。最後に、非典型的な場所は、通常、訓練されたメンテナンス技術者によって修理点検されず、したがって、ディスペンサは、少なくとも消耗品の交換を可能にすることによって、訓練をほとんどしていない、又は全くしていないエンドユーザによって使用可能でなければならない。
【0012】
一態様では、本開示による飲料ディスペンサは、前述の要件の少なくともいくつかを満たすものであり、ハウジングと、ハウジングに流体接続された水源と、ハウジング内に配設され、水源に流体接続されたアルカリチャンバであって、水源から水を受容して、水源から受容した水よりも高いアルカリ度を有する水を出力するように構成されている、アルカリチャンバと、ハウジング上に配設され、飲料を分注するように構成されたノズルであって、水源に流体接続される、ノズルと、ハウジング内に取り外し可能に配設され、香味料濃縮液容器からの香味料濃縮液をアルカリチャンバから出力された水と混合するようにアルカリチャンバに流体接続された、香味料濃縮液容器と、を含む。香味料濃縮液及びアルカリチャンバから出力された水の組み合わせは、ノズルに流体接続され、ノズルはまた、組み合わされた香味料濃縮液及びアルカリチャンバから出力された水とは別に、水源にも流体接続される。ノズルは、飲料を分注する前に、水源からの水を、組み合わされた香味料濃縮液及びアルカリチャンバから出力された水と混合するように構成されている。
【0013】
図1図4を参照すると、飲料ディスペンサ1の態様は、ハウジング100を含む。図に例示されるように、ハウジング100(クラッド部100とも呼ばれる)は、前壁101、後壁102、右壁103、左壁104、頂壁105、及び底壁106(集合的に「ハウジング壁」)を備えた直角プリズムとして形成され得る。ハウジング100はまた、円筒形、球形、又は6つ以上の側面を有する他の角柱形状などの、非長方形形状でも形成され得る。ハウジング壁は、1つの連続した要素から形成され得るか、又は一緒に接合された多数の要素(例えば、金属シート又はプラスチックのパーティション)から形成され得る。更に、ハウジング壁は、ハウジング100の内部にアクセスするための開口部を含み得、更に、壁の外面又は内面に装着される要素のための取り付け点も含み得る。ハウジング壁は、例えば、アルミニウム、鋼、及びプラスチック材料を含む、任意の好適な材料から形成され得る。ハウジング壁は、接着剤、溶接、又は機械的締結具、又はコネクタなどの任意の好適な方法を使用して一緒に接合され得る。
【0014】
本開示の目的で、及び単に参照上の便宜のために、図2及び図3に例示される方向は、以下のように定義される。高さ方向は、頂壁105及び底壁106に対して垂直に延在する方向であり、幅方向は、右壁103及び左壁104に対して垂直に延在する方向であり、深さ方向は、前壁101及び後壁102に対して垂直に延在する方向である。
【0015】
いくつかの態様では、ハウジング100は、例えば、オフィスパントリー内のカウンタートップ、休憩室、又はホームキッチンなどの、非典型的なディスペンサの場所に配置するのに適するようにサイズ決定され得る。カウンタは、60センチメートル(23.6インチ)の標準深さを有する。大部分のキッチンカウンタは、場合によっては16インチという低い高さでカウンタの上に構築されたウォールキャビネットを有する。加えて、カウンタ上の空間が制限され、18インチを超えるディスペンサは、大部分のホームキッチンには広すぎる。そうした理由から、いくつかの態様では、ハウジング100は、高さ方向に16インチ、幅方向に18インチ、及び深さ方向に23インチを超えられない場合がある。更に、これらの態様では、飲料ディスペンサ1は、いかなる取り外し可能な搭載消耗品も伴わない状態で、45ポンド未満の重量であり得る。これらの態様は、容易に上述したカウンタートップなどの非典型的な場所に位置決めされるといった利点を有する。以下で詳細に論じるように、飲料ディスペンサ1のこれらのコンパクトな態様は、ハウジング100の内部に飲料を分注するために必要とされる全ての構成要素を含む。具体的には、消耗品(例えば、飲料濃縮物、CO2ガスキャニスタ、アルカリチャンバ、及び水フィルタ)又は分注要素(例えば、ポンプ、弁)のいずれも、ハウジング100の外部に位置しない。飲料ディスペンサ1のこれらの態様は、それでも、機能させるために、電源及び水源への外部接続を必要とする。
【0016】
図1及び図2に最も良く示されるように、飲料ディスペンサ1は、容器2を受容するように構成された分注ゾーン120を含む。ノズル210は、分注ゾーン120内の前壁101に配設されている。ドリップトレイ122もまた、分注ゾーン120内の前壁101に配設されている。ドリップトレイ122は、容器2が充填されている間にノズル210の下で容器2を支持するように構成された表面123を含む。表面123は、任意の滴又は溢流が表面123を通ってドリップトレイ122の本体に流れ込むことを可能にするグリッドを形成する開口部を含む。ディスプレイ800もまた、ノズル210の上の前壁101に配設されている。ディスプレイ800は、以下で詳細に説明される。
【0017】
図3及び図3Aに示されるように、いくつかの態様では、ハウジング100は、(右壁103上に)アクセスドア107及び108を含む。アクセスドア107及び108(集合的に「アクセスドア」)は、ユーザがハウジング100の内部にアクセスして、飲料ディスペンサ1の交換可能な消耗品にアクセスすることを可能にする、それらの対応する壁の開口部を覆う。アクセスドアは、任意の好適な材料から作製され得、また、ヒンジ、機械的締結具、又はアクセスドアを取り外し可能に取り付けるための任意の他の好適な方法を使用して、アクセスドアの対応する壁に取り外し可能に締結される。ドアは、鍵によって閉鎖位置にロックされ得るか、又は磁石若しくは他のラッチ機構によって閉鎖位置に維持され得る。図3Aは、アクセスドアを通してアクセス可能な取り外し可能な消耗品の例示的な配置を示すためにアクセスドア107及び108を取り除いた、図3の側面図である。図3Aに示されるように、アクセスドア107の内側には6つの濃縮液容器701が示され(以下で詳細に説明される)、アクセスドア108の内側には、1つのCO2ガスキャニスタ402、1つのアルカリチャンバ601、及び1つの水フィルタ203が示されている(以下で詳細に説明される)。これらの消耗品の各々は、空になった、又は消耗したときに、任意の不慣れなユーザによって容易にアクセス可能で、かつ迅速に交換可能である。以下で説明されるように、ハウジング100内に存在する消耗品の数及びタイプは、飲料ディスペンサ1の特定の態様に含まれる特徴及び能力に応じて変更することができる。
【0018】
図4に示されるように、いくつかの態様では、後壁102は、様々な外部接続を含み得る。図4に示される態様では、飲料ディスペンサ1に電力を提供するのに好適なコンセントにプラグを差し込むように構成された電源コード130を見ることができる。電源スイッチ131及び高温水スイッチ132は、飲料ディスペンサ1の要素への電力の流れを制御する。水源から常温水を受容するために、給水口134が後壁102に提供される。内部CO2ガスキャニスタが広いオフィス空間内の多人数のコミュニティには不十分であると考えられる場合に、炭酸化の目的でCO2の外部供給源を受容するために、CO2入口135もまた、後壁102に提供される。ディスペンサを移動、再配置、又は再梱包及び運搬しなければならないときにはいつでも、内部チラーの水槽を、及び高温水タンクから高温水をそれぞれ排水するために、低温水ドレイン136及び高温水ドレイン137もまた、後壁102に位置している。最後に、図3及び図4には、ドリップトレイドレイン138も示されている。これらの接続の目的は、以下で詳細に論じられる。これらの接続のうちのいくつかは、以下で論じられるように、飲料ディスペンサ1のいくつかの態様では任意選択であり得る。加えて、(後壁102上の)アクセスドア109は、セル、無線、Bluetooth接続のための主PCBボード及びIoT通信ボードなどの、ハウジング100の内部構成要素を修理点検するためのメンテナンスアクセスを提供する役割を果たす。
【0019】
図5A及び図5Bは、飲料ディスペンサ1の態様の配管の概略図である。飲料ディスペンサ1のどちらの態様も、4つの機能群、すなわち、飲料の温度、飲料の炭酸化レベル、飲料中の香味料及び/又は増強剤の濃度、並びにそのアルカリ度、において飲料の構成を調節することができる。温度調節は、2つの別個の機能群、常温を下回る温度に調節する(すなわち、飲料をチルド冷却する)機能群と、常温を上回る温度に調節する(すなわち、飲料を加熱する)機能群とに更に分けられる。したがって、以下で論じられる合計で5つの機能群、冷却機能群300、発泡機能群400、加熱機能群500、アルカリ機能群600、並びに香味料及び増強剤機能群700が存在する。これらの機能群への要素の編成は、単に明確にするために行わるものであり、対応する機能について所与の要素のみが使用されることを必要とするものではない。また、これらの機能群に対応する数字は、任意の追加的な要素又は方法ステップを示すものではなく、単に編成目的で使用されていることも理解されるべきである。本開示は、明確にするために、これらの機能群の各々の配管について順番に言及する。開示されない限り、図5A図10Bを参照しながら論じられる要素の全て、及びこれらの5つの機能群の要素が、全体的にハウジング100の内部に配設される。飲料ディスペンサ1の異なる態様は、各機能群に必要な配管要素のうちのいくつか又は全てを含み得る。例えば、飲料ディスペンサ1のいくつかの態様は、各機能群からの要素の全てを含み得る。飲料ディスペンサ1の他の態様は、これらの機能群の要素の任意の所望の組み合わせを含み得る。
【0020】
図5A図10Bに示されるように、飲料ディスペンサ1は、給水部200から無炭酸水源を受容する。給水部200は、図4の給水口134を通した外部接続によって供給される。いくつかの態様では、給水部200は、例えば、都市用水、井戸水、供給タンクからの水、又は任意の他の水源からの加圧飲料水の供給部である。図5A図10Bには、給水部200の直下流に配設された給水弁201も示されている。給水弁201は、飲料ディスペンサ1の残部への給水流を開閉するように構成されている。主給水弁201を含む、飲料ディスペンサ1において使用される流体制御弁は、任意の好適なタイプの電子制御弁であり得る。例えば、いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1の流体制御弁は、コントローラ1000によって制御されるソレノイド弁である。コントローラ1000によって使用される制御スキームに関する更なる詳細は、以下で詳細に論じられる。給水部200の後には、給水部情報をコントローラ1000に提供するために、流量計205も存在し得る。流量計205は、(図5A及び図5Bの配管図に示されるように)主給水弁201に対して上流に、又は主給水弁201の下流に位置決めされ得る。
【0021】
給水弁201の直下流では、給水部200からの水の流れが2つの経路に分かれる。第1の主経路202は、水フィルタ203に至る。水フィルタ203は、味、匂い、及び他の美的効果を向上させるために水を濾過することによって給水部200からの水質を高めるように設計された任意の好適な水フィルタであり得る。例えば、水フィルタ203は、組み合わせ粒子フィルタ(例えば、5又は10ミクロンの堆積物フィルタ要素)、並びに水中に溶解した粒子状物質、塩素、及びクロラミンを濾過して味を向上させる味/匂いフィルタ(例えば、活性炭要素)であり得る。水フィルタ203のいくつかの他の態様では、上述した媒体は、水フィルタの濾過能力を高めるために、追加的な媒体(例えば、ナノ繊維)で補完され得る。図5Bに示されるいくつかの態様では、紫外線フィルタ206が、水フィルタ203の下流に配設され得る。紫外線フィルタ206は、そこを通る水に紫外線光を印加して、水中の微生物、嚢胞、細菌、及びウイルスを中和することによって水質を向上させる。いくつかの態様では、紫外線フィルタ206は、水フィルタ203に一体化することができる。水フィルタ203は、ユーザが(例えば、図3Aに示される)アクセスドア107、108のうちの1つを通してアクセスできるように、ハウジング100内に取り外し可能に配設される。いくつかの態様では、水フィルタ203は、例えば、ツイストアンドロックアタッチメント、並目ねじ、プッシュイン/プッシュアウト、ヒンジイン/プッシュアウト、又はクイックリリース接続などの簡略化された取り付け機構を含むことによって、飲料ディスペンサ1のエンドユーザが容易に取り外して交換するように構成されている。水フィルタ203の出力は、飲料ディスペンサ1の飲料分注構成要素の供給部として流体接続される。いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1から飲料として分注される全ての水が、水フィルタ203の出力から供給される。
【0022】
給水弁201から通じる第2の主経路204は、チラー310の水槽312に流体接続される。この給水部200からの水の供給は、水フィルタ203を通して濾過されず、チラー310に水を充填するために使用される。第2の主経路204を通して充填する方法を含むチラー310の動作は、以下で論じられる。
【0023】
飲料ディスペンサ1の機能群300を冷却する動作は、図6を参照しながら論じられ、この図は、説明を簡単にするために冷却要素のみを例示する、飲料ディスペンサ1の配管の簡略図である。以下で詳細に論じられるように、飲料ディスペンサ1の異なる態様は、存在する機能群(すなわち、冷却、加熱、炭酸化、アルカリ、及び香味料/増強剤)のうちのいくつか又は全てを有し得る。図6は、単に明確にするために冷却機能群300を単独で例示するものであり、飲料ディスペンサ1の態様が、図6に示される配管のみを含むことを示唆するものと解釈されるべきでない。
【0024】
図6に示されるように、水は、水フィルタ203を通って流れた後に、ポンプ301にルーティングされる。水は、ポンプ301からポンプ圧送され、第1のチルド冷却路303及び常温水路304に分けられる。第1のチルド冷却路303は、チラー310の水槽312内に配設されたチルド冷却コイル314内に水をルーティングする。チラー310は、図5Aの第2の主経路204からの水が充填される流体密封容器である。いくつかの態様では、コントローラ1000は、第2の主経路204上に配設された水槽弁316を作動させることによって、チラー310内の水槽312のレベルを自動制御する。これを達成するために、水槽センサ317は、チラー310内に配設され得、コントローラ1000に水位を送信し得る。水槽312のレベルが低過ぎる場合、コントローラ1000は、水槽弁316を開いて、チラー310を充填する。また、チラー310には、例えば、飲料ディスペンサ1が修理点検又は再配置されている場合に、チラー310を空にするために使用することができる水槽オーバフロードレイン318及び低温水ドレイン136も接続される。図5Bに示されるように、水の存在を検出するために、ドレインセンサ319を水槽オーバフロードレイン318に接続することができる。ドレインセンサ319は、コントローラ1000に接続することができ、水槽オーバフロードレイン318の動作をユーザに警告することができる。
【0025】
冷却要素320は、水槽312を冷却するためにチラー310内に配設されている。チルド冷却コイル314は、チルド冷却コイル314及び水槽312内を進行する水の間で熱を伝導するように構成されている。したがって、水槽312の低い温度は、チルド冷却コイル314内を流れる水を冷却する。冷却要素320は、任意の好適な冷却要素であり得る。例えば、冷却要素320は、圧縮冷凍システムに連結された蒸発器コイルであり得る。冷却要素320はまた、固体熱電クーラでもあり得る。いくつかの態様では、冷却要素320及び対応する冷却システムは、空間及び重量の両方を最小にして、飲料ディスペンサ1の携帯性を高めるように構成されている。いくつかの態様では、冷却要素320は、水槽312の所望の温度を維持するように、コントローラ1000によって制御される。これらの態様では、水槽温度センサ332は、水槽312内の温度をコントローラ1000に送信するために、水槽312内に配設され得る。
【0026】
チルド冷却コイル314を通って流れた後に、この時点で、チルド冷却水は、チルド冷却水弁330を通して、又は代替的に、発泡水弁406、アフタードリップ弁212、及びノズル210の順序で通してルーティングされる。アフタードリップ弁212は、ノズル210の直上流に配設され、飲料ディスペンサ1から分注された飲料の流れを止めるために使用される。ノズル210の直上流のアフタードリップ弁212の位置は、アフタードリップ弁212とノズル210との間の最小の配管量のため、分注を停止した後の任意の飲料滴を最小にする。
【0027】
常温水路304は、ポンプ301を常温水弁322及びノズル210の順序で流体接続する。常温水路304を通ってノズル210に流れる水は、給水部200で受容される常温の水からチルド冷却されない。図6の逆止弁286は、チルド冷却水が分注されるときにチルド冷却水が常温水ラインに入ることを防止する。
【0028】
第1のチルド冷却路303及び常温水路304を通って流れる水は、組み合わされて、ノズル210において3つの異なる温度の無炭酸水を生じさせることができる。最も低い温度の水は、水が第1のチルド冷却路303を通ってノズル210に流れることが可能であるときにのみ分注される。常温水は、水が常温水路304を通ってノズル210に流れることが可能であるときにのみ分注される。中温水は、水が第1のチルド冷却路303及び常温水路304の両方を通って同時にノズル210に流れる(例えば、弁330及び332が同時に開く)ことが可能であるときに分注される。分注される中間水の特定の温度は、第1のチルド冷却路303及び常温水路304内の水の相対的流量によって制御される。第1のチルド冷却路303内のより多い流量は、より低温の水をもたらし、常温水路304のより多い流量は、より高温の水をもたらす。第1のチルド冷却路303及び常温水路304の流量は、ポンプの出力圧力と、第1のチルド冷却路303及び常温水路304を備える配管の直径とのバランスをとることによって制御され得る。いくつかの態様では、流量制限器が、第1のチルド冷却路303及び常温水路304のうちの一方又は両方に挿入され得る。流量制限器は、対応する流路の配管の直径よりも細い直径を有する要素である。このより細い直径は、対応する流路を通る流量を正確に適合させるように選択することができる。したがって、両方の流路が開いたときに分注される中間水の温度は、1つ以上の流量制限器を使用して両方の流路の流量を適合させることによって制御することができる。1つの態様では、流量制限器は、常温水弁322の前の常温水路304内に位置決めされる。いくつかの態様では、第1のチルド冷却路303及び常温水路304のうちの一方又は両方の中に存在する流量制限器は、中間水流の流量、ひいては結果として生じる中間水流の温度を適合させるために、コントローラ1000によって能動的に制御され得る。これらの態様では、流量制限器は、例えば、調節可能な開口部を備えた電子制御弁などの、流量を能動的に制御するための任意の好適な要素であり得る。
【0029】
飲料ディスペンサ1の発泡機能群400の動作は、図7A図7Cを参照しながら論じられる。図7A図7Cは、単に明確にするために発泡機能群400を単独で例示するものであり、飲料ディスペンサ1の態様が、図7A図7Cに示される配管のみを含むことを示唆するもとの解釈されるべきでない。発泡機能群400は、しばしば発泡水と呼ばれる、様々なレベルの溶解ガスを有する水を生成するように構成されている。飲料ディスペンサ1では、分注される任意の発泡水は、オンデマンドで混合されるが、貯蔵されないか、又は、事前混合された状態で飲料ディスペンサ1供給される。
【0030】
発泡機能群400の以下の議論では、発泡水中の溶解ガスを説明するときに「炭酸化」という用語又はその変形が使用され得る。これらの用語は、便宜のためにのみ使用されるものであり、CO2ガスのみが発泡機能群400において使用され得ることを意味するものと解釈されるべきでない。例えば、他の好適なガスと混合された窒素ガス及びCO2ガスを含む、任意の好適なガスが、溶解ガスとして使用され得る。
【0031】
図7A及び図7Bに示されるように、例えば、ガス源401は、チルド冷却水ライン404に流体接続される。ガス源401は、少なくとも1つのガス源を含む。例えば、ガス源401は、二酸化炭素ガス(「CO2」)のガス容器402を含み得る。このタンクは、任意の好適なサイズ及びタイプであり得る。いくつかの態様では、容器402は、対応する容器レセプタクルのハウジング100の内部全体に嵌合するようにサイズ決定される。これらの態様では、ガス容器402は、CO2タンクからのガス圧力を低下させる、及び調整する主機能を有し、アクセスドア107、108のうちの1つを通して交換するためにアクセスできる、ガス圧力調整装置403に取り外し可能に接続される。ガス圧力調整装置403への接続は、ガス弁405を通したチルド冷却水ライン404へのガス接続部を提供する。
【0032】
いくつかの態様では、チルド冷却水ライン404に流体接続された、2つ以上のガス容器402が存在し得る。例えば、図7A及び図7Bに示されるように、2つのガス容器402が存在し得る。一方又は両方のガス容器402は、上で論じたように、ハウジング100の内部に装着され、ドア108を通してアクセスされ得る。いくつかの態様では、多数の容器402のうちの1つのみが、ハウジング100の対応する容器レセプタクルの内部に装着され得る。他の容器402(又は複数の容器402)は、ハウジング100の外部に位置して、ハウジング100の外部に配設されたCO2注入口135に流体接続され得る。CO2注入口135は、次に、チルド冷却水ライン404に流体接続される。いくつかの態様では、図4に関して上で論じたように、CO2注入口135は、ハウジング100の後壁102に配設されている。しかしながら、CO2注入口135は、ハウジング100の任意の好適な表面に配設され得る。いくつかの態様では、CO2注入口135は、多数の外部ガス源を収容するために、多数の接続点を備え得る。CO2注入口135は、例えば、ねじ接続、バーブ接続、クイック接続継手(例えば、ジョンゲストタイプ)、及びバヨネットタイプクイック接続を含む、任意の好適なガス密接続方法を含み得る。ガス弁405は、図7Aのように、チルド冷却水ライン404へのガスの流量を制御するためにガス源401とチルド冷却水ライン404との間に配設され得る。
【0033】
容器レベルセンサ407は、ハウジング100内に配設され得る。容器レベルセンサ407は、容器402内のガスのレベルを決定するように構成されている。いくつかの態様では、容器レベルセンサ407は、容器402がハウジング100内に装着されたときの容器402の重量を測定する、重量センサであり得る。容器402の重量が所定の値まで低下したときに、容器レベルセンサ407、コントローラ1000は、ガス容器402が少なくなっており、交換が必要である旨のアラートをユーザに送信するように構成されている。
【0034】
チルド冷却水ライン404は、無炭酸チルド冷却水をチラー310から受容する。この水は、冷却機能群300に関して上で論じたように、チルド冷却コイル314の内部でチルド冷却される。炭酸化水弁406は、チルド冷却コイル314の下流のチルド冷却水ライン303に配設され、チルド冷却水ライン404を通るチルド冷却水の流量を制御する。ガス弁405が開くと、ガス源401からのガスがチルド冷却水ライン404のチルド冷却水と組み合わせられる。図7Aに示される態様では、チルド冷却水及びガスは、少なくとも1つのカーボネータチャンバ408へ直接流れる。カーボネータチャンバ408は、ガス及びチルド冷却水を組み合わせて、水及びCO2の分子の帯電を通して所望の発泡水を生じさせる。図7A及び図7Bに示されるように、例えば、チルド冷却水ライン404内に直列に設置された2つの帯電カーボネータチャンバ408が存在し得る。いくつかの態様では、多数のカーボネータチャンバ408を有することで、ガス源401からのガスが、チルド冷却コイル314及びチルド冷却水ライン404からのチルド冷却水と完全に組み合わせられることを確実にする。
【0035】
カーボネータチャンバ408を通過した後に、発泡水は、アフタードリップ弁212を通って、炭酸水路412に沿ってノズル210に流れる。炭酸水路412はまた、炭酸水路412をチラー310及びチルド冷却コイル314から出力されるチルド冷却水に流体接続した1つ以上のチルド冷却水ラインへの接続も有する。例えば、図7Aに示されるように、炭酸水路412は、チルド冷却水ライン420及び422に流体接続され得る。各チルド冷却水ラインは、対応するチルド冷却水ラインを通るチルド冷却水の流量を制御する、対応する弁421及び423を有する。更に、各チルド冷却水ライン420及び422は、対応する弁が開いているときに、特定の流量のチルド冷却水がラインを通ることを可能にするように構成されている。これは、チルド冷却水ライン420及び422内に(別個に、又は対応する弁421及び423の一部として)流量制限要素を含むことによって、又は必要に応じてチルド冷却水ラインの配管直径を構成することによって達成され得る。
【0036】
弁421及び423のうちの一方又は両方が開いているときに、チルド冷却水は、対応するラインを通って流れて、炭酸水路412を通って流れる発泡水と混合される。この混合は、プレーンなチルド冷却水(すなわち、いかなるガスも含まない水)が炭酸水路412の発泡水に加えられるので、発泡水中の溶解ガスの濃度を低下させる。弁(例えば、弁421及び423)の動作は、コントローラ1000によって制御される。これらの弁の組み合わせの選択的な動作は、ノズル210において分注される、結果として生じる発泡水中の異なるレベルの炭酸化を生じさせ得る。例えば、図7Aに示されるように3つのチルド冷却水ライン420~422を備えた飲料ディスペンサ1の態様では、達成することができる4つの可能な炭酸化レベルが存在する。最高レベルの炭酸化は、全てのチルド冷却水ラインが閉じられたままで、カーボネータチャンバ408からの発泡水のみが炭酸水路412を流れるときに生じる。単一の弁(すなわち、弁421)を開くことは、第2の最高レベルの発泡水の炭酸化をもたらす。弁423を開くことは、低レベルの炭酸化をもたらし、一方で、2つ弁(すなわち、弁421及び423)を同時に開くことは、非常に低いレベルの炭酸化をもたらす。炭酸化の正確なレベルは、2つの変数、すなわち、発泡水の初期炭酸化レベル、及びライン404、420、422を通るチルド冷却水の流量を修正することによって選択することができる。初期炭酸化レベルは、CO2ガス調整装置403を通るガス源401からの初期ガス流量、及びチルド冷却水ライン404を通る初期チルド冷却水流量を制御することによって変化させることができる。チルド冷却水ライン420及び422を通る流量は、先に説明した流量制限器を通して制御することができる。図7Aに示される配管の利点は、ノズル210において結果として生じる異なる炭酸水の流量が、結果として生じる炭酸化のレベルごとにほぼ同じであることである。実際には、発泡水にチルド冷却水を加えている間に弁421及び/又は423のいずれか又は両方が同時に開いたときに、弁406及びライン404を通って流れている水が同時に減少する。
【0037】
いくつかの態様では、チルド冷却水ライン420及び422を通る流量は、異なるタイプの制限器が使用されることに起因して、互いに異なり得る。いくつかの態様では(例えば、図7Aを参照されたい)、3つの炭酸化のレベル、すなわち、ライン420~422内の異なる流量制限器により、それぞれ、弁405及び406が開いているときの最高炭酸化レベル、弁405、406、及び421が開いているときの中間炭酸化レベル、弁405、406、及び423が開いているときの最低炭酸化レベルが存在する。上記の3つの事例の各々では、ノズル210において発泡水を分注するために、主水弁201及びアフタードリップ水弁212も開かなければならない。いくつかの態様では(例えば、図5Aを参照されたい)、3つの異なるチルド冷却水ライン302、420、及び422からの3つの異なる流量による可能な順列によって、合計で8つの異なる炭酸化レベルが可能であり得る。異なるレベルの炭酸水を生じさせるこのシステムは、いくつのレベルの異なる炭酸化が所望されるかに応じて、任意の数のチルド冷却水ラインに拡張可能である。ライン303内のチルド冷却水の流量は変化しないので、ノズル210において結果として生じる流量は、選択される溶液に関係なく実質的に同じである。
【0038】
図7B及び図7Cに示される発泡機能群400の態様は、可変の炭酸化レベルが達成される方法において図7Aの態様と異なる。図7Bに見られるように、炭酸化システム430は、チラー310内に配設されている。炭酸化システム430は、図7Cに詳細に示されている。明確にするため、炭酸化システム430は、図7Bでは箱で描写され、構造的な詳細は、図7Cの拡大図に示されていることに留意されたい。チラー310の内部には、炭酸化システム430を収容するいかなる物理的構造もハウジングも存在しない。
【0039】
図7B及び図7Cに示されるように、炭酸化システム430への3つの入力ライン、すなわち、1つのチルド冷却水ライン404、並びにガス源401に流体接続され、各々がガスライン431及び432を通るガスの流量を制御する専用のガス加圧弁433を有する、2つの別個のガスライン431及び432が存在する。チルド冷却水ライン404を通るチルド冷却水の流量は、上で説明したように、炭酸化水弁406によって制御される。
【0040】
図7Cに示されるように、ガスライン431及び432並びにチルド冷却水ライン404は、各々が、これらのラインを通した任意の流体又はガスの逆流又は上流への流れを防止する、逆止弁434を有する。ガスライン431は、逆止弁434の下流で2つのライン431a及び431bに分けられる。ライン431aは、自動流量調整装置435にガスを供給する。自動流量調整装置435は、そこを通って流れる流体の流量を調節することができる、制御可能な流量調整装置である。いくつかの態様では、自動流量調整装置は、コントローラ1000によって制御される。ライン431bは、チルド冷却水ライナ404に流体接続される。ライン431a及び431bは、再接合して、これらの接続部の下流に単一のライン431を形成する。同様に、ライン432は、逆止弁434の下流で2つのライン432a及び432bに分かれる。ライン432a及び432bはどちらも、チルド冷却水ライン404に流体接続される。ライン432a及び432bは、再接合して、これらの接続部の下流に単一のライン432を形成する。ライン431及び432は、一緒に接合して、炭酸化システム430を出る発泡ライン440を形成する。図7Bに示されるように、発泡ライン440は、少なくとも1つの炭酸化チャンバ408に流体接続され、これは、上で論じたように、発泡ライン440においてガス及び流体をブレンドして、発泡水を形成する。
【0041】
炭酸化システム430のライン404、431、及び432の間の様々な流体接続は、可変の炭酸化濃度を有する発泡水の生成を可能にする。以下で説明されるように、炭酸化システム430は、図7Aで論じられた態様よりも多くの炭酸化のレベルを生成することが可能である。炭酸化システム430の動作は、弁406が開かれて、チルド冷却水がチルド冷却水ライン404を通り抜けることを可能にしたときに始まる。逆止弁434は、最終的に全てのチルド冷却水が発泡ライン440を通って出るようにチルド冷却水の流量を制限する。最高炭酸化が所望された場合、両方のガス加圧弁433が開かれ、ガスが、ガス源401からライン431及び432に流れることを可能にする。更に、自動流量調整装置435が、それ自体を通る全ての流れを遮断するように調節され、チルド冷却水がライン431aに入ることを防止する。この構成では、チルド冷却水が、チルド冷却水ライン404を通って、ライン431b、432a、及び432bの各々に流れ込み、ガスと混合される。次いで、組み合わされたチルド冷却水及びガスが、発泡ライン440を通って出て、最終的にブレンドするための図7Bに示されるカーボネータチャンバ408に流れ込む。利用可能な最高炭酸化レベルは、チルド冷却水ライン404並びにライン431b、432a、及び432bを接続するラインの各々に配置される流量制限器438を調節することによって微調整することができる。流量制限器438は、ライン自体の構造に一体化され得る(すなわち、ラインの内径は、流量を制御するように選択され得る)。又は、流量制限器438は、例えば、調節可能な弁を手動で開閉することによって流量を制御するように調節することができる、対応するラインに挿入された別個の制限要素であり得る。より高い流量設定(すなわち、より多くのチルド冷却水が流れることを可能にする)は、発泡水のより少ない炭酸化に対応する。その逆のことが、より低い流量設定にあてはまる。
【0042】
最高の炭酸化レベルよりも低い炭酸化のレベルが所望される場合、自動流量調整装置435は、ライン431aへのチルド冷却水の流量を増加させるために作動され得る。自動流量調整装置435を通る水の流量が増加し、水がライン431aに流れ込むと、ある設定量のガスを吸収するためにより多くのチルド冷却水が使用されるので、炭酸化レベルが低下する。自動流量調整装置435を通る達成可能な流量に対応する任意の所望の炭酸化値は、自動流量調整装置435を所望の流量に調節することによって可能になる。このようにして、最高の炭酸化レベルよりも低い様々な発泡水炭酸化レベルが可能である。
【0043】
更に低いレベルの炭酸化が所望されるときには、対応する加圧弁434を閉じることによって、ライン431又は432へのガスの流れを遮断することができる。ライン431へのガスの流れが遮断された場合、チルド冷却水とブレンドされるガスのみがライン432(ライン432a及び432b)を通って流れる。これは、結果として生じる発泡水の一定のより低い炭酸化レベルをもたらす。正確な炭酸化の量は、上で論じたように、流量制限器438を調節することによって選択することができる。いくつかの態様では、炭酸化システム430のこの構成は、ガスがライン431及び432の両方を通って流れるときに可能な最低炭酸化レベルよりも低い、中間の炭酸化レベルを送達し得る。
【0044】
代替的に、ガスは、ライン432の弁433を遮断することによって、ライン431のみを通って流れ得る。この構成では、自動流量調整装置435は、上で論じた様式で、結果として生じる炭酸化レベルを変化させるために使用することができる。これは、ライン431及び432の両方がガス源401に接続されたときに達成可能である可変の炭酸化範囲よりも低い、第2の範囲の可変炭酸化レベルを可能にする。いくつかの態様では、この構成は、最低炭酸化レベル(すなわち、上で論じた最高炭酸化範囲及び中間炭酸化のどちらよりも低い様々な炭酸化)を生成するように流量制限器438を調節することによって設定される。これは、炭酸化システム430によって広範囲にわたる炭酸化レベルを生成することを可能にする。
【0045】
図7Cに示される炭酸化システム430の態様は、単一の自動流量調整装置435を含む。しかしながら、他の態様は、各々がチルド冷却水ライン404とライン431a、431b、432a、及び432bのうちの1つのとの間の流量を調整する、2つ、3つ、又は4つの自動流量調整装置435を有し得る。これらの態様は、飲料ディスペンサ1によって生成される発泡水について、広範囲にわたる可能な炭酸化レベルをもたらす。
【0046】
加熱機能群500の動作は、図5A図5B、及び図8を参照しながら説明される。図8は、単に明確にするために加熱機能群500を単独で例示するものであり、飲料ディスペンサ1の態様が、図8に示される配管のみを含むことを示唆するものと解釈されるべきでない。加熱機能群500は、給水部200を通して飲料ディスペンサ1において受容した常温の水の温度よりも高い温度の水を生成する。図8に最も良く見られるように、加熱機能群500は、水ヒーター供給ライン501を通して水フィルタ203に流体接続される水ヒーター502を含む。水ヒーター供給弁503は、以下で論じるように、(水フィルタ203を介して)給水部200の水の流量を調整する。
【0047】
水ヒーター502は、水ヒータータンク506の内部にヒーター要素507を備えた水ヒータータンク506を含む、タンク型水ヒーターである。水ヒータータンク506は、水ヒータータンク506からの熱損失を低減するために、好適な断熱材によって取り囲まれ得る。タンク506は、水ヒーター供給ライン501からの常温水で充填される。ヒーター要素507は、電力を使用して水ヒータータンク506内に存在する水を加熱する。いくつかの態様では、ヒーター要素507は、抵抗型ヒーター要素であり得る。
【0048】
水ヒーター温度センサ508もまた、水ヒータータンク506内に位置する。水ヒーター温度センサ508は、水ヒータータンク506内の水の温度を測定し、その測定値をコントローラ1000に送信する。次に、コントローラ1000は、ヒーター要素507に流れる電力を制御し、したがって、(すなわち、ジュール効果で環境内に分散する、電力がヒーター要素507に流れることを可能にすることによって)水ヒータータンク506の水温を上昇させること、又は(すなわち、ヒーター要素507への電力の流れを停止させて、水の冷却を可能にすることによって)水ヒータータンク506の水温を下降させることができる。以下で詳細に論じるように、コントローラ1000は、水ヒータータンク506の任意の所望の水温を維持するようにプログラムされ得る。
【0049】
例えば、ディスペンサ1を再配置又は再梱包しなければならないときに、水は、水ヒータードレイン511を通して、次いで図4の高温水ドレイン137を通して、水ヒータータンク506から排出することができる。
【0050】
水ヒーター502は、高温水ライン510を通してノズル210に流体接続される。図8の態様に示されるように、高温水ライン510は、水ヒータータンク506の頂部に流体接続される。ノズル210において高温水を分注するために、コントローラ1000は、水ヒーター供給弁503を作動させ、給水部200から常温の水を水ヒータータンク506に充填し始める。水ヒータータンク506に加えられる水の圧力は、水ヒータータンク506内の既存の高温水を、高温水ライン510を通してノズル210から押し出す。
【0051】
水ヒーター502はまた、水ヒータータンク506の上方に配設された蒸気チャンバ520も含む。蒸気チャンバ520は、蒸気通気ライン522によって周囲大気に通気される。水ヒータータンク506内の水を加熱することによって生じた水蒸気は、蒸気チャンバ520に流れ込み、蒸気通気ライン522を介して水ヒーター502を出る。ユーザが飲料ディスペンサ1から高温水を分注させるときに、ユーザが高温水を分注させ終わる瞬間に、高温水ライン510内に残留する高温水が水ヒーター502の中へ逆流する。高温水の分注を止めたときに、弁503が閉じ、ライン510内に残留する高温水が蒸気チャンバ520に流れ込む。このように、ライン510内に残留する水は、水ヒーター502内へ逆に吸引されるので、決して冷却されない。これは、高温水ライン510からの部分的又は完全に冷却された水がノズル210から分注されないので、水ヒーター502から分注される水が水ヒータータンク506内で維持されている水温により近くなることを確実にする。
【0052】
いくつかの態様では、水ヒーター502は、水ヒータータンク506の水温を中間の高温水温度に維持するように設定され得る。いくつかの態様では、この中温は、華氏180~190度であり得る。沸騰している高温水(すなわち、華氏212度に近い温度を有する水)が必要とされるときには、ヒーター要素507を使用して、オンデマンドで必要な温度まで水を加熱することができる。これは、水ヒーター502内の水を熱するので、熱湯をノズル210から分注する前に短い遅延をもたらすが、高温水を常に沸騰温度又はその近くに維持するよりも必要とする電力がかなり少なく、蒸気による水の損失もあまり顕著でなくなる。
【0053】
アルカリ機能群600の動作は、図5A図5B、及び図9を参照しながら論じられる。図9は、単に明確にするためにアルカリ機能群600を単独で例示するものであり、飲料ディスペンサ1の態様が、図9に示される配管のみを含むことを示唆するものと解釈されるべきでない。アルカリ機能群600は、分注される水の酸性度を低下させる(すなわち、水のpHレベルを、7を超えて高める)ように構成されている。いくつかの態様では、水のアルカリレベルの上昇は、アルカリ材料を水に溶解する、電解質を加えることによってもたらされる。他の態様では、電解質は、電気分解又は両方によって生成され得る。図9に見られるように、アルカリチャンバ601は、アルカリ供給ライン602によって水フィルタ203に流体接続される。図9ではアルカリチャンバ601が水フィルタ203と別個に示されているが、いくつかの態様では、アルカリチャンバ601及び水フィルタ203は、物理的に同じカートリッジハウジング内に位置付けることができる。これは、メンテナンスのためのこれらの要素へのアクセシビリティを向上させることができる。いくつかの態様では、アルカリチャンバ601は、アルカリチャンバ601を通って流れる水に溶解し、したがって、下流の水のpHを上昇させる(すなわち、酸性度を低下させる)、アルカリ材料を収容し得る。アルカリチャンバ601は、アルカリ水ライン606を通してノズル210に流体接続される。アルカリ水弁607は、ノズル210へのアルカリ水の流量を制御するために、アルカリ水ライン606に配設されている。図5Bに示されるように、電気伝導率センサ605は、アルカリ水の電気伝導率を測定するために、アルカリ水ライン606に接続することができる。この測定値は、アルカリ水のpHレベルを検証するために、コントローラ1000によって使用することができる。いくつかの態様では、アルカリチャンバ601はまた、アルカリ材料がアルカリチャンバ601内で水に溶解するときに、アルカリ材料によって生成されるガスを通気するために、ガス通気口608含む。図5Bに示されるように、いくつかの態様では、ガス通気口608は、ガスを通気するために、チラー310に接続される。いくつかの態様では、アルカリチャンバ601によって生成されるアルカリ水のpHレベルは、7.0~10.0、及びより好ましくは8.0~9.5pHである。
【0054】
いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1は、2つの異なるレベルのアルカリ水を提供するように構成され得る。弁607を開くことによって、アルカリチャンバ601を通って流れる水のみがノズル210を出ることが可能であるときに、より高いpHレベルを有するアルカリ水が分注される。アルカリチャンバ601を出る高いpHレベルと給水部200からの水のpHレベルとの間の中間のpHレベルを有する水は、水がアルカリチャンバ601及び水フィルタ203の両方から直接ノズル210に、続いて常温水路304に流れ、弁322を通る-この場合、揚水ポンプ301は動作しないが、弁607及び322の両方が同時に開く-ことを可能にすることによって、分注することができる。水路304を通る水フィルタ203からの水は、アルカリチャンバ601からの水よりも低いpHレベルを有し、一緒に混合されると、結果として生じる分注される水は、中間のpHレベルを有する。この中間のpHレベルの水の正確なpHレベルは、アルカリチャンバ601及び水フィルタ203からの水の流量を調節することによって適合させることができる。例えば、水フィルタ203からの水の流量をアルカリチャンバ601からの流量よりも多くなるように調節することで、中間のpHレベルの水に対してより低いpHレベルをもたらす。反対に、水フィルタ203からの水の流量をアルカリチャンバ601からの流量よりも少なくなるように調節することで、中間のpHレベルの水に対してより高いpHレベルをもたらす。流量は、必要に応じて、適切な流体接続ライン又は弁内に固定された又は調節可能な流量制限要素を含むことによって調節され得る。
【0055】
香味料及び増強剤機能群700の動作は、図6図10A、及び図10Bを参照しながら論じられる。図10Aは、単に明確にするために香味料及び増強剤機能群700を単独で例示するものであり、飲料ディスペンサ1の態様が、図10に示される配管のみを含むことを示唆するものと解釈されるべきでない。香味料及び増強剤機能群700は、飲料ディスペンサ1が、オンデマンドの様式で、香味料、増強剤、及び他の添加剤の様々な組み合わせを、ノズル210から分注されている水に加えることを可能にする。以下で詳細に論じるように、エンドユーザによって所望される任意の数及び任意の組み合わせの香味料又は増強剤が加えられ得る。
【0056】
図10Aに最も良く見られるように、飲料ディスペンサ1は、ハウジング100内に配設された少なくとも1つの濃縮液容器701を含む。濃縮液容器701は、高度に濃縮された形態の単一の香味料、増強剤、又は他の添加剤を貯蔵する。香味料、増強剤、又は他の添加剤は、(水と混合したときに)1:20~1:1000(例えば、1部の濃縮液対25部の水~1部の濃縮液対1000部の水)の希釈率で濃縮され得る。好ましくは、比率は、1:20~1:400であり、これらの比率は、-シロップ/香味料/増強剤の生産者によって指定される-水での希釈が推奨されるシロップ/香味料/増強剤の比率である。いくつかの態様では、濃縮液容器701の濃度比は、少なくとも1:400である。より高い濃度比を有する利点は、濃縮液容器701がより少ない容積の設定量の濃縮液を貯蔵し、かつ大量の事後混合飲料を生成し得ることであり、例えば、希釈比が1:400である場合、100ミリリットルの濃縮液容器は、40リットルの飲料を生成することができる。これは、濃縮液容器701に費やす必要がある内部容積がより少ないので、サイズがコンパクトである飲料ディスペンサ1の態様では特に重要である。
【0057】
任意の好適な食品用シロップ、香味料、増強剤、若しくは他の添加剤、又は食材は、濃縮液容器701に貯蔵され得る。例えば、香味料としては、レモン、ライム、チェリー、リンゴ、砂糖、他の果物、他の野菜、又は香味料の任意の組み合わせが挙げられ得る。増強剤としては、ビタミン、電解質、及びミネラルが挙げられ得る。添加剤としては、カフェイン、タウリン、ハーブ香味料、砂糖、デトックス又はダイエット化合物、及び他の物質が挙げられ得る。濃縮液容器701はまた、完全な飲料香味料も含み得る。例えば、濃縮液容器701としては、緑茶濃縮液、コーヒー濃縮液、又は専売のソーダ濃縮液が挙げられ得る。
【0058】
多数の濃縮液容器701を含むことは、異なる飲料に混合するためのより多くの搭載成分が存在するので、飲料ディスペンサ1が、より広範囲の飲料を分注することを可能にする。いくつかの態様では、ハウジング100には、少なくとも2つの濃縮液容器701が貯蔵される。いくつかの態様では、ハウジング100には、6つの濃縮液容器701が貯蔵される。いくつかの他の態様では、ハウジング100には、8つ、12個、又は16個の濃縮液容器701が貯蔵される。
【0059】
いくつかの態様では、濃縮液容器701は、容器キャップ702に取り外し可能に接続される。容器キャップ702は、ハウジング100の濃縮液容器701を支持し、更には、容器701を香味料及び増強剤機能群700の要素に流体結合する。容器キャップ702は、濃縮液容器701上の対応するインターフェース要素と結合するために、ねじ山、バヨネットスタイルの接続、又は他の好適な接続インターフェース要素を含み得る。いくつかの態様では、容器キャップ702は、容器701に接着され、容器701の一体要素になり、ユーザによって取り除くことができず、したがって、容器701の内部の濃縮液が空気に晒されることを防止する。
【0060】
いくつかの態様では、容器レベルセンサ720は、各濃縮液容器701と関連付けられ得る。容器レベルセンサ720は、濃縮液容器701の濃縮液のレベルを検出して、そのレベルをコントローラ1000に送信するように構成されている。容器レベルセンサ720は、濃縮液レベルを検出することができる任意の好適なセンサであり得る。例えば、いくつかの態様では、容器レベルセンサ720は、濃縮液容器701の重量を検出する重量センサである。重量が所定の値まで低下したときに、濃縮液は、空の状態又は空に近い状態である。いくつかの態様では、容器レベルセンサ720は、光センサ又はマイクロ波センサであり得る。これらの態様では、容器レベルセンサ720は、光センサ又はマイクロ波センサを使用して、濃縮液容器701の底部分の濃縮液の存在を直接検出する。いくつかの態様では、濃縮液が濃縮液容器の底部分において検出されなかったときに、センサ720は、この情報をコントローラ1000に電子的に送信する。
【0061】
いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1は、濃縮液容器701がハウジング100内に配設されているかどうかを検出するように構成され得る。例えば、容器レベルセンサ720は、濃縮液容器701のレベルを検出することに加えて、濃縮液容器701の存在を検出するように構成され得る。コントローラ1000は、濃縮液容器701が存在しない旨の通知を受信したときに、いくつかのアクションを行うように構成され得る。例えば、コントローラ1000は、存在しない濃縮液を濃縮液容器701から分注することを制限し得る。これは、飲料が必要な成分を伴わずに形成されることを防止することができ、ポンプ及び弁などのシステム構成要素の不要な消耗を低減することができる。いくつかの態様では、別個の容器センサ722(図3を参照されたい)は、容器検出機能を実行するように構成され得、ハウジング100内の好適な場所に配設され、濃縮液容器701の存在を検出し得る。例えば、容器センサ722は、濃縮液容器701の物理的存在を視覚的に検出して、その情報をコントローラ1000に送信することができるカメラとすることができる。容器センサ722はまた、濃縮液容器701の外側のラベルに含まれる情報(例えば、濃縮液のタイプ、容器容積)を読み込んで、その情報をコントローラ1000に送信するために使用することもできる。コントローラ1000はまた、濃縮液容器701が存在しない場合に、アラートを送信又は表示するように構成され得る。アラートの送信及び表示は、以下で詳細に論じられる。いくつかの態様では、容器センサ722と同様に、他のセンサは、水フィルタ203、アルカリチャンバ601、又はガス容器402などのハウジング100内の他の取り外し可能な消耗品目の存在を検出するように構成され得る。これらの態様では、コントローラ1000はまた、必要に応じて、飲料の分注を防止して、アラートを送信及び表示するように構成され得る。
【0062】
図5A図5B図10A、及び図10Bに見られるように、濃縮液容器701は、容器キャップ702によって濃縮液ポンプ703に流体接続される。いくつかの態様では(例えば、図10Aを参照されたい)、濃縮液ポンプ703はまた、アルカリチャンバ601から高アルカリ水を受容するために、アルカリチャンバ601にも流体接続される。濃縮液ポンプ703は、任意の好適なタイプのポンプであり得る。いくつかの態様では、濃縮液ポンプ703は、いくつかの態様では低電圧DC蠕動ポンプであり得る蠕動ポンプである。2つ以上の濃縮液容器701を備えた飲料ディスペンサ1の態様では、各濃縮液容器701は、単一の専用の濃縮液ポンプ703に流体接続される。
【0063】
図5A及び図10Aと同様の態様では、濃縮液ポンプ703は、濃縮液容器701からの濃縮液及びアルカリチャンバ601からの高アルカリ水の両方を、ノズル210に流体接続される単一のラインにポンプ圧送する。濃縮液及び高アルカリ水は、それらがノズル210に達するまでに、このポンプ圧送プロセスによって、固定された事前混合希釈率で一緒にブレンドされる。濃縮液及びアルカリ水の組み合わせは、ノズル210に達した後に、任意の他の流体(例えば、チルド冷却水、常温水、発泡水、アルカリ水、高温水)とブレンドされ、ノズル210から分注される。濃縮液ポンプ703によってポンプ圧送される濃縮液の量は、所望の濃縮レベルに応じて、分注される飲料により多い又はより少ない濃縮液を加えるために、ポンプの電力及び速度を制御することによって変更され得る。飲料の分注中に、多数の濃縮液が、多数の濃縮液ポンプ703を動作させることによって、(蠕動ポンプの電圧を変化させることによって)濃縮液ごとに異なる速度で飲料に加えられ得る。
【0064】
図5B及び図10Bと同様の態様では、濃縮液容器701はまた、専用のアルカリポンプ704とも関連付けられている。アルカリポンプ704は、アルカリライン609を通してアルカリチャンバ601から高アルカリ水を受容するために、アルカリライン609を通るアルカリ水の流量を制御するための対応する弁610と流体接続される。アルカリポンプ704の出力は、ノズル210に到達する前に、濃縮液ポンプ703(すなわち、濃縮液)の出力と合流する。アルカリポンプ704は、任意の好適なタイプのポンプであり得る。これらの態様では、濃縮液ポンプ703及びアルカリポンプ704は、それらの対応する液体(すなわち、それぞれの濃縮液又はアルカリ水)のみをポンプ圧送するように構成することができることに留意されたい。いくつかの態様では、アルカリポンプ704は、いくつかの態様では低電圧DC蠕動ポンプであり得る蠕動ポンプである。これらの態様では、濃縮液ポンプ703及びアルカリポンプ704は、一緒に動作して、濃縮液及びアルカリ水を、ノズル210に流体接続される単一のラインにポンプ圧送する。濃縮液ポンプ703のみを含む態様では、濃縮液及びアルカリ水は、上で論じた様式と同様に、ノズル210に達する前に一緒にブレンドされる。しかしながら、図5B及び図10Bに記載された態様において以下で詳細に論じるように、2つのポンプ703及び704の速度は、アルカリ水と濃縮液との事前混合希釈比を決定するので、この比率は、もはや図5A及び図10Aに記載された態様と同様に固定されない。アルカリ水と濃縮液との事前混合の希釈比を変化させることによって、最適な事前希釈は、問題の濃縮液の化学的特性に基づいて排他的に設定することができる。
【0065】
ノズル210に濃縮液(アルカリ事前混合/事前分注溶液)を送る前に濃縮液をアルカリ水と組み合わせることで、高濃度の濃縮液を水に混合することに関する問題に起因する、飲料ディスペンサ1によって分注される飲料に濃縮液をブレンドする際の相当な改善を提供する。上で論じたように、濃縮液容器701の濃縮液は、高度に-典型的には400:1の比率で-濃縮され得る。これは、通常約5:1、7:1、又は8.5:1の比率で混合される典型的なソーダファウンテンの標準的な事後混合飲料濃縮物よりもかなり高い。試験は、高濃度の濃縮液が水に、特に低温水又は発泡水に、容易にも一様にも混合しないことを示している。しかし、容積の制約のため、濃縮液容器701の合計容積を最小にするために、概して、より高い濃度比が好まれる。
【0066】
試験はまた、特に(常温で)高粘度値で油ベースの濃縮液が使用されるときに、高いpHの高アルカリ水が高濃度の濃縮液に相対的に容易に溶解することも示している。したがって、飲料ディスペンサ1は、高濃度の濃縮液を比較的少量のアルカリ水と事前ブレンドして、マイクロ注入システムを生じさせるように構成されている。例えば、濃縮液及び高アルカリ水は、1:0~1:20の比率でブレンドされ得、1:7(すなわち、1部の濃縮液の及び7部のアルカリ水)が、アルカリ事前混合/事前分注の最適比である。濃縮液ポンプ703及びアルカリポンプ704を有する態様は、濃縮液ポンプ703及びアルカリポンプ704の動作を制御することによって、分注動作の間にこの比率を修正する能力を可能にする。例えば、アルカリポンプ704は、濃縮液とブレンドされるアルカリ水の比率を増減させながら、より速く又はより遅く動作され得る。これは、飲料ディスペンサ1が、事前ブレンド動作を異なるタイプの濃縮液に適合させることを可能にする。例えば、いくつかの態様では、濃縮液とアルカリ水との比率は、1:0~1:12の範囲で能動的に制御され得る。このアルカリ事前混合/事前分注システムは、濃縮液をアルカリ水中に完全に溶解させ、結果として生じる流体は、ノズルにおいて他の流体(例えば、低温水、高温水、常温水、アルカリ水、又は発泡水)とより容易にブレンドすることができる。このプロセスは、上で論じたように希釈がより困難である、油ベースの濃縮液について特に重要である。アルカリ事前混合/事前分注の態様のため、ノズルから分注される結果として生じる飲料は、十分に、かつ完全にブレンドされ、ノズルでの水との不十分な混合により溶解しない濃縮液を含まない。アルカリ事前混合/事前分注のこの態様の別の利点は、流体がノズルにおいて発泡水と混合されるとき及び発泡飲料が分注されるときの発泡を防止することである。過剰な発泡は、泡立った飲料が容器から溢れ出るため、飲料容器(例えば、グラス、ボトル、トラベルマグ)の正しい充填を妨げ得る現象である。過剰な発泡はまた、飲料中に溶解される二酸化炭素のレベルも低下させる。濃縮液ポンプ703のみを含む態様では、アルカリ水の組み合わせの特定の濃縮液の比率、及びノズル210に達する高い比率は、アルカリ水の流量及び濃縮液ポンプ703内に流れ込む高濃度の濃縮液を選択することによって調節され得る。アルカリチャンバ601からのアルカリ水の流量は、アルカリチャンバ601を濃縮液ポンプ703に接続している流体ラインに、好適な流れ制限要素(固定又は調節可能)を挿入することによって制御され得る。高濃度の濃縮液の流量は、同様の様式で制御され得る。いくつかの態様では、濃縮液ポンプ703からノズル210に達する流体の濃度比は、1:2~1:20であり得る。
【0067】
濃縮液容器701からの濃縮液を事前希釈するこのシステムは、高濃度の濃縮液の使用を可能にし、したがって、システムの容積及び重量を低減させるが、それでも、エンドユーザが更に混合することを必要としない、好適にブレンドされた飲料を生成するといった利点を有する。飲料ディスペンサ1のいくつかの態様では、濃縮液容器701とノズル210との間にはいかなる追加的な混合チャンバ又は構成要素も存在しない。具体的には、例えば、(例えば、モータ駆動のブレード、パドル、又はスプーンによって)手動で飲料を混合することによって、又は飲料を流体的に組み合わせることによって(例えば、流体乱流を生じさせるように設計されたチャンバ、通路、又は他の要素を通して飲料をルーティングすることによって)、飲料を一緒に混合するように設計された、いかなる混合チャンバも、同様の構成要素も存在しない。
【0068】
いくつかの態様では、容器キャップ702もまた、ガスがガス源401から容器キャップ702へ通過することを可能にするために、ガス源401に流体接続される。容器キャップ702は、ガス源401からのガスが、濃縮液容器701が空になるにつれてそこに入ることを可能にする。これは、少なくとも3つの利点を提供する。第一に、濃縮液容器701の加圧は、濃縮液を濃縮液ポンプ703へ強制的に流すことによって、濃縮液の濃縮液ポンプ703への流れを向上させる。これは、しばしば高い粘度を有し、重力のみの下では良く流れない高濃度の濃縮液と特に関連する。第二に、濃縮液容器701の加圧は、ガス源401において使用されるガスが典型的には酸素への露出による傷みを低減するガス(例えば、CO2又は窒素ガス)であるので、濃縮液容器701内の濃縮液の新鮮さを維持するのに役立つことができる。したがって、濃縮液が濃縮液容器701から空になるにつれて、プレーンな空気の代わりに、傷みを低減するガスと置き換えられる。第三に、結果として生じる飲料の発泡を生じさせる空気がより少ないので、ガス源401が周囲空気を含有しないときに、結果として生じる飲料の発泡が低減される。
【0069】
容器キャップ702の態様は、図10Cに示されている。容器キャップ702の上面の開口部705は、濃縮液容器701を受容するように構成されている。図10Cに見られるように、濃縮液容器701は、容器701を容器キャップ702にねじ込むことができるように、開口部705の対応するねじ山に一致するねじ山を有する。上で論じたように、こうしたねじ山はまた、バヨネット接続又は摩擦ベースの保持接続などの任意の他の好適な保持機構とすることもできる。好適な密封要素は、濃縮液容器701及び容器キャップ702のうちの一方又は両方に一体化されて、流体密封シールを生じさせることができる。図10cには、容器キャップ702の側面に挿入することができるインサート706も示されている。インサート706は、ガス接続部706aと、流体接続部706bと、を含む。流体接続部706bは、開口部705に流体接続され、濃縮液を濃縮液容器701からポンプ圧送することを可能にする。ガス接続部706aは、上で説明したように、加圧ガスを濃縮液容器701に供給するように、開口部705に配設されたガス管707に接続される。いくつかの態様では、インサート706は、ねじなどの好適な締結具によって、容器キャップ702に取り外し可能に締結される。他の態様では、インサート706は、接着剤又は溶接などの好適な方法を通して容器キャップ702に恒久的に締結される。他の態様では、インサート706は、容器キャップ702及びインサート706が1つの要素として形成されるように、容器キャップ702の一体部分である。容器キャップ702は、望ましくない流体の流れを防止するために、ガス接続部706a及び流体接続部706bに逆止弁を収容することができる。例えば、ガス接続部706aの逆止弁は、ガスが容器キャップ702の外部からガス管707を通って容器キャップ702に流れ込むことのみを可能にし得る。流体接続部706bの逆止弁は、反対方向に配向され、濃縮液が、流体接続部706bを通って開口部705から流れ出ることのみを可能にし得る。
【0070】
図10Aに示されるように、ガスは、ガス源401から、容器加圧弁710及び容器加圧調整装置711を通って、加圧ライン712を介して、容器キャップ702に流れる。容器加圧弁710は、コントローラ1000によって制御され、例えば、濃縮液容器701が交換されるときにガスの損失を防止するために遮断することができる。容器加圧調整装置711は、ガス源401からのガスの圧力を、濃縮液容器701の加圧に適した圧力まで低下させる。例えば、容器加圧調整装置711は、ガス圧力を約10psiまで低下させ得る。
【0071】
図10Bに示されるように、流量計409は、ガス容器402に接続されたガスライン内に配設することができる。流量計409は、ガス流データをコントローラ1000に提供し、それを使用して、ガスが望ましい流量でガス源401から流れているかどうかを判定することができる。追加的に、圧力センサ410はまた、ガス容器402に接続されたガスラインにも流体接続することができる。圧力センサ410はまた、コントローラ1000にも接続され、コントローラ1000によって使用され、ガス調整装置403が適切に機能していることを確実にすること、更に、ガス容器402からの供給に問題があるかどうか(例えば、ガス容器402のうちの1つがほぼ空であり、交換が必要であるかどうか)を判定することができる。態様では、流量計409及び圧力センサ410は、ガス圧力調整装置403の構成要素であり得、ガス圧力調整装置403の一体部分である。
【0072】
図10Bには、流量調整装置740も示されている。流量調整装置740は、ガス源401からのガス及びアルカリチャンバ601からのアルカリ水を受容する。流量調整装置740のガス出力は、上で論じたように、容器加圧弁710を通して加圧ライン712に、次いで、容器キャップ702に接続される。流量調整装置740(すなわち、アルカリライン609)のアルカリ水出力は、アルカリポンプ704に接続される。流量調整装置740は、圧力センサ741を通して検出されるアルカリチャンバ601からのアルカリ水の圧力に基づいて、ガス源401からのガスの流量を調整する。アルカリ水の圧力が所定の圧力よりも低下したときに、流量調整装置740は、加圧ライン712へのガスの流量を制限又は遮断する。これは、適切な比率のガス及びアルカリ水が香味料及び増強剤群700に供給されることを確実にし、システムの性能及び動作を向上させる。いくつかの態様では、流量調整装置740は、固定圧力のアルカリ水で作動するように設定される、機械システムである。これらの態様では、供給されたアルカリ水の圧力の低下は、ガス源401からのガスの流量を制限又は遮断する機械的動作を生じさせる。他の態様では、流量調整装置740は、ソレノイド弁又は電気機械流量制限器及び圧力センサを含むことができる電気機械デバイスである。コントローラ1000は、アルカリ水の圧力を読み込んで、必要に応じて、加圧ライン712へのガスの流量を制限又は遮断することができる。
【0073】
図10Bには、流量調整装置740の下流かつ容器キャップ702の上流の加圧ラインに流体接続される膨張タンク713も示されている。膨張タンク713は、ガス源401からのガスによって膨張及び収縮し、一様なガスの流れを容器キャップ702に提供するように機能する、膨張可能なプラスチックバッグとすることができる。いくつかの態様では、タンクセンサ714は、膨張タンク713に接続され、膨張タンク713にガスが十分に充填されているかどうか検出することができる。コントローラ1000は、タンクセンサ714から膨張タンク713の状態を受信し、次いで、ガスが不十分であることを示した場合、分注動作を制限することができる。いくつかの態様では、タンクセンサ714は、膨張タンク713内のゴムブラダの物理的膨張を判定するように構成された制限スイッチである。
【0074】
図10Bは、容器キャップ702の出力をノズル210に流体接続する様々なラインを洗浄する洗浄システム730を含む、香味料及び増強剤機能群700の態様を示す。この洗浄プロセスは、濃縮液容器701が空であり、かつ交換の準備ができているときに動作することを意図している。洗浄システム730は、アルカリチャンバ601の出力を加圧ライン712と接続する追加的な洗浄ライン732を含む。図10Bに示されるように、洗浄ライン732は、加圧ライン712が多数のラインに分かれてキャップ702に接続する地点の上流に配設されている。洗浄弁734は、洗浄ライン732内に配設され、コントローラ1000によって制御され、洗浄弁734を開閉することができる。飲料ディスペンサ1の通常動作中は、洗浄弁734が閉じられ、香味料及び増強剤機能群700が上で論じたように機能する。洗浄が望ましい場合、コントローラ1000は、弁734を開き、加圧ライン712及びアルカリチャンバ601の出力に流体接続する。これは、アルカリ水が洗浄ライン732を通って加圧ライン712に流れ込むことを可能にする。逆止弁736は、洗浄ライン732及び加圧ライン712の交点の上流の加圧ライン712内に配設され、アルカリ水が加圧ライン712内の更に上流に流れてガス膨張タンク713に不所望に入ることを防止する。したがって、アルカリ水は、加圧ライン712内を下流に流れて、キャップ702、空の濃縮液容器701、濃縮液ポンプ703、及びこれらの要素をノズル210に接続するラインを通過し、アルカリ水は、飲料ディスペンサ1に存在する。アルカリ水は、流体ライン及びこれらの要素からの任意の残りの濃縮液をフラッシングして、新しい濃縮液カートリッジ701が設置されるときに、濃縮液がライン内に残らないことを確実にする。
【0075】
ラインがフラッシングされた後に、洗浄弁734が閉じられ、アルカリチャンバ601と加圧ライン712との間の流体接続を解除する。ガス源401からの少量のガスが、加圧ライン712を通って流れて、任意の残留アルカリ水をノズル210からパージすることを可能にする。これは、任意の残留濃縮液がノズル210からフラッシングされ、更に、香味料及び増強剤機能群700を動作状態に戻すことを更に確実にする。多数の濃縮液容器701を有する香味料及び増強剤機能群700の態様では、洗浄システム730は、濃縮液容器701の選択されたサブセットのみを洗浄するように動作させることができる。例えば、単一の濃縮液容器701のみが空で、新しいものと交換しなければならない場合は、それを交換する前に、洗浄システム730を動作させて、空である濃縮液容器701と関連付けられたライン及び構成要素のみを洗浄することができる。これは、空の濃縮液容器701と関連付けられている濃縮液ポンプ703のみを動作させ、一方で、他の濃縮液ポンプ703をアイドル状態にすることによって達成される。この状態では、濃縮液ポンプ703は、それが動作していない限り流体が通過することを可能にしないタイプのポンプ(例えば、蠕動ポンプ)とするべきである。濃縮液ポンプ703を選択的に動作させ、一方で、洗浄システム730を作動させることによって、コントローラ1000は、適切な濃縮液容器701及びそれらの関連する構成要素のみが洗浄されることを確実にすることができる。
【0076】
濃縮液容器701を交換する前に洗浄システム730を使用して香味料及び増強剤機能群700を洗浄することは、濃縮液容器701を交換するときの香味料の汚染を低減するといった利益を有する。これは、新しい濃縮液容器701が、異なる香味料濃縮液を含む、又は異なるタイプの濃縮液を含むときに(例えば、カフェインのような増強剤濃縮液を、香味料濃縮液と交換するときに)特に重要である。洗浄システム730の動作は、濃縮液容器701を交換する前にユーザから入力を受信した後に、コントローラ1000によって開始され得る。いくつかの態様では、コントローラ1000はまた、特定の状況において洗浄システム730を自動的に動作させるようにプログラムされ得る。例えば、コントローラ1000は、飲料ディスペンサ1が所定の期間にわたってアイドル状態であった場合に洗浄システム730を動作させ得る。コントローラ100はまた、濃縮液容器701の空の状態を検出したときに、洗浄システム730を自動的に動作させ得る。
【0077】
上で説明したシステムは、少なくともいくつかの利点を有する。第一に、上で論じたように、高濃度の濃縮液の使用は、より小さい濃縮液容器701の使用を可能にし、これは、飲料生成能力を犠牲にすることなく、飲料ディスペンサ1の全体的なサイズ及び重量を低減する。第二に、濃縮液をアルカリ水と事前混合し、次いで、濃縮液をノズルにおいてブレンドするシステムは、別個の混合チャンバ内で混合することを必要としない、完全に混合された飲料を生成し、これは、飲料ディスペンサ1のサイズ及び重量を更に低減する。第三には、分注された飲料は、完全にブレンドされ、飲料容器2内で更にブレンド又は混合することなく、エンドユーザによって直ちに消費され得る。
【0078】
更に、異なるブレンドされた流体(例えば、中温の無炭酸水又は軽炭酸化発泡水)を生じさせるように流量を選択する方法は、いくつかの利点を生じさせる。第一に、このタイプのシステムは、別個の混合チャンバを必要とせず、したがって、全体的なシステムのサイズ及び重量を低減する。第二に、このタイプのシステムは、流量を変化させることができる弁又は他の流量制限要素を必要としない。かかる弁は、全開又は全閉である標準的なソレノイド弁よりも高価である。第三に、このシステムはまた、ソレノイド弁を急速に開閉する(すなわち、弁を「パルス作動させる」)ことによって、標準的なソレノイド弁を使用して流量を修正するために使用される技術である、ソレノイド弁のパルス作動を必要としない。ソレノイド弁をパルス作動させることは、(1)弁をパルス作動させるので、結果として生じる流体の流れが一様でなく、美的に望ましくない、及び(2)ソレノイド弁が寿命サイクル制限を有するので、ソレノイド弁をパルス作動させることが弁の寿命を低下させる、といった少なくとも2つの欠点を有する。飲料ディスペンサ1の態様は、流体の流量を制御するために弁をパルス作動させる必要がなく、したがって、弁をパルス作動させるシステムよりも弁が長持ちするので、必要とする弁のサイクルがはるかに少ない。更に、弁がパルス作動されないので、結果として生じる分注される流体ストリームが一様であり、これは、ユーザを美的に満足させる。
【0079】
図11は、飲料ディスペンサ1のための制御システムの一態様のシステム線図である。線図の中央には、前項で論じられたコントローラ1000がある。コントローラ1000は、飲料ディスペンサ1の中央制御システムである。中央制御システムは、コントローラ1000のプロセッサによって実行される様々な動作の動作命令を記憶するメモリに接続された1つ以上のプロセッサを備え得る。これらの命令は、上で論じた動作及び以下で論じる動作方法の全てを含むことができる。図11に示されるように、コントローラ1000は、上で論じた5つの機能群の各々の制御可能な要素と接続される。各機能群は、コントローラ1000に情報を送信するセンサ(例えば、温度センサ、充填レベルセンサ)と、上で論じたような機能群の動作を制御する制御可能な要素(例えば、弁、ポンプ)と、を含み得る。図11には、特定の機能群とは無関係であるセンサ及び制御可能な要素も示されている。例えば、給水弁201は、コントローラ1000によって制御され、任意の単一の機能群と直接関連付けられておらず、代わりに、機能群のいずれかと協働して使用され、対応する飲料を分注し得る。
【0080】
図1及び図2に最も良く見られるように、飲料ディスペンサ1はまた、ディスプレイ800も含み得る。いくつかの態様では、図1及び図2に示されるように、ディスプレイ800は、ハウジング100の正面に位置し得る。具体的には、ディスプレイ800は、ディスプレイ800が飲料ディスペンサ1の外部からユーザに見えるように、ノズル210の上方の前壁101に配設され得る。いくつかの態様では、ディスプレイ800は、ノズル210の正面に立っているユーザに見えるように位置付けられ得る。ディスプレイ800は、表示画面801を含み得る。表示画面801は、情報を表示することができる任意の好適なタイプのディスプレイであり得る。ディスペンサ1の他の態様では、ディスプレイ800は、ノズル210及び分注ゾーン120に対して横方向に位置決めされ得る(図12を参照されたい)。
【0081】
いくつかの態様では、表示画面801は、タッチ画面型ディスプレイであり得る。これは、表示画面801がユーザ入力を受信することを可能にする。表示画面801が静電容量タッチ画面であるいくつかの態様では、表示画面801は、飲料ディスペンサ1と相互作用するために必要とされる全ての必要な入力を受信することが可能であり得る。これらの態様では、表示画面801は、飲料ディスペンサ1の正面の唯一のユーザインターフェース要素であり得る。この構成は、ボタン、スイッチなどの追加的な要素を排除することによって、ユーザインターフェース要素に必要とされる空間を最小にする。更に、単一のタッチ画面は、飲料ディスペンサ1の外部を合理化にして、飲料ディスペンサ1の美的な外観を向上させる。
【0082】
いくつかの態様では、ディスプレイ800はまた、カメラ802も含み得る。カメラ802は、飲料ディスペンサ1の正面の領域の画像を受信するように構成され、その画像を受信することができる任意の好適なタイプのカメラであり得る。カメラ802が、コントローラ1000に接続され、いくつかの異なる方法で使用され得る。第一に、カメラ802は、ユーザが情報を飲料ディスペンサ1に通信することを可能にし得る。例えば、カメラ802は、(コントローラ1000を通して)ユーザによって表示された光学コード803を読み込むように構成され得る。光学コード803は、例えば、バーコード又はQRコードであり得る。光学コード803は、様々な情報を符号化することができる。例えば、いくつかの態様では、ユーザは、ユーザアカウントに関する情報を有する光学コード803を準備して、図3Aに示されるボトル2のように、飲料容器に光学コード803を取り付け得る。飲料ディスペンサ1に接近した後に、カメラ802を使用して飲料容器の光学コード803をスキャンし、次いで、飲料を選択して分注する。飲料ディスペンサ1は、飲料の値段を、光学コード803に符号化されたユーザアカウントに課金する。光学コード803のこの使用法はまた、他の好都合な物品(例えば、財布、携帯電話、など)に光学コード803を配置するようにも拡張され得る。ユーザアカウントに関する詳細は、以下で論じられる。
【0083】
カメラ802はまた、消耗品の交換中に飲料ディスペンサ1を構成するためにも使用され得る。上で論じたように、濃縮液容器701は、ユーザによって取り外し可能に交換され得る。ユーザは、濃縮液容器701が空であるときに、又は異なるタイプの香味料若しくは増強剤を飲料ディスペンサ1に含みたいときに、濃縮液容器701を交換し得る。適切に機能させるために、飲料ディスペンサ1は、所望の香味料又は増強剤を適切に分注するように、各濃縮液容器701内に存在する濃縮液のタイプに関してプログラムされなければならない。いくつかの態様では、ユーザは、濃縮液容器701を取り外して交換し、次いで、(例えば、タッチ画面ディスプレイ801を使用して)濃縮液容器701のタイプを手動で入力し得る。いくつかの態様では、濃縮液容器701は、カメラ802によってスキャンすることができる光学コード803を含み得る。この光学コード803は、濃縮液容器701内の香味料又は増強剤のタイプを含む情報を収容する。したがって、ユーザは、手動で情報を入力する代わりに、単に古い濃縮液容器701を取り外し、カメラ802で新しい濃縮液容器701をスキャンし、新しい濃縮液容器701を設置し得る。このシステムは、交換プロセスを合理化して、濃縮液情報を手動で入力することによって生じ得るエラーを低減する。
【0084】
図13を参照すると、いくつかの態様では、飲料容器2及び濃縮液容器701に加えて、光学コード803は、アルカリチャンバ601、水フィルタ203、及びCO2ガスキャニスタ402を含む、全ての交換可能な消耗品に存在し得る。交換可能な消耗品の光学コードは、その内容物、容量、及び寿命/使用期間を含む、消耗品に関する情報を収容する。カメラ802は、飲料容器2、CO2ガスキャニスタ402、水フィルタ203、アルカリチャンバ601、及び濃縮液容器701の外面の光学コード803を検出して、この情報をコントローラ1000に送信する。それによって、ディスペンサ1は、内容物、容量、及び寿命に基づいて、各消耗品を交換しなければならないときをユーザに知らせることができる。例えば、コントローラ1000は、流量計205からの流量読み取り値を使用することによって、水の総使用量を追跡し得る。水の総使用量は、様々な消耗品(例えば、キャニスタ402、水フィルタ203、又はアルカリチャンバ601)の水の寿命使用量と比較され得る。水の総使用量が消耗品のうちの1つの水の寿命使用量に到達したときに、コントローラ1000は、交換アラートをユーザに送信又は表示するように構成され得る。
【0085】
いくつかの態様では、カメラ802はまた、近接検出にも使用され得る。例えば、カメラ802は、ユーザが飲料ディスペンサ1の特定の距離の範囲内にいるときを検出し得る。これは、例えば、ハウジング100の外部の照明を作動させること、又はディスプレイ800を作動させることを含む、飲料ディスペンサ1の様々な応答をトリガし得る。
【0086】
いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1は、通信システム900を含み得る。通信システム900は、様々なネットワークと無線通信するように構成された1つ以上の送受信器901を含み得る。いくつかの態様では、送受信器901は、Bluetooth又は近距離無線通信を使用して、セルラーデータネットワーク、無線インターネットネットワーク、又は他の近距離データネットワークの様々な組み合わせと通信し得る。これらのネットワークは、本明細書では、集合的にネットワーク902と称される。
【0087】
いくつかの態様では、通信システム900は、ネットワーク902を通して、メンテナンス、サービス、使用状況のデータ、又は情報をユーザ又はメンテナンス技術者に送信するように構成され得る。この情報は、システムのエラー又は障害、並びに搭載消耗品が空で、交換が必要である旨の通知を含み得る。ユーザ又はメンテナンス技術者は、Eメール、テキストメッセージ、又は任意の他の好適な電子メッセージによって通知され得る。
【0088】
いくつかの態様では、通信システム900は、ユーザのモバイルデバイス911にインストールされたアプリケーション910と通信するように構成され得る。アプリケーション910は、ディスプレイ800に表示されるユーザインターフェースと同様のユーザインターフェースを含み得る(下に詳細に論じられる)。いくつかの態様では、アプリケーション910は、ディスプレイ800上で利用可能な情報及び入力要素の一部を再生し得る。いくつかの態様では、アプリケーション910は、ディスプレイ800上で利用可能な情報及び入力要素の全てを再生し得る。これらの態様では、ユーザは、アプリケーション910をディスプレイ800と組み合わせて使用して、飲料を選択及び注文することができる。代替的に、ユーザは、アプリケーション910を使用して、飲料ディスペンサ1と物理的に相互作用することなく、かつディスプレイ800に接触することなく、注文して、飲料を分注させ得る。ディスプレイ800及びアプリケーション910と関連付けられたユーザインターフェース及び対応するユーザインタラクションは、以下で詳細に論じられる。
【0089】
飲料ディスペンサ1の様々な態様により飲料を分注させる方法は、以下で論じられる。飲料ディスペンサ1の動作を例示するために、いくつかの異なる例示的な飲料が使用される。これらの例示的な飲料及びそれらの対応する飲料は、飲料ディスペンサ1から利用可能な飲料の例を限定することを意図するものではない。当業者は、下記の方法を修正及び組み合わせて、飲料ディスペンサ1の能力の範囲内で任意の所望の飲料を生じさせる方法を理解するであろう。
【0090】
第1の分注する方法は、単一の香味料-例えば、ライム香味料-を含む冷無炭酸水を分注する方法を論じる。飲料の注文を受信した後に、コントローラ1000は、給水弁201を開いて、ポンプ301を作動させて、水を第1のチルド冷却路303を通して、チルド冷却コイル314内にポンプ圧送する。コントローラ1000によってチルド冷却水弁330が開かれた後、この時点でチルド冷却水が、チルド冷却コイル314出て、第1のチルド冷却水ライン302を通って流れる。分注される飲料は、チルド冷却されて提供されるので、常温水弁322は開かれず、常温水は、ノズル210内に流れることができない。しかしながら、中温水が所望された場合、コントローラ1000は、常温水弁322を開いて、常温水がノズル210に流れることを可能にする。
【0091】
チルド冷却水が分注されるのと同時に、コントローラ1000は、容器加圧弁710(まだ開いていない場合)及び濃縮液ポンプ703を作動させて、濃縮液容器701からの所望の濃縮液(ライム香味料)並びにアルカリチャンバ601からのアルカリ水の両方を、濃縮液ポンプ703を通してポンプ圧送し始める。図5B及び図10Bに示される態様では、アルカリ水は、濃縮液ポンプ703に加えてアルカリポンプ704を作動させることによってポンプ圧送される。流量調整装置740を備えた態様では、アルカリ水とガスとの比率は、上で論じたように、流量調整装置740によって制御される。この時点で希釈された濃縮液は、所望の飲料の所望の量に応じて所望の時間にわたって、及び分注される飲料中の濃縮液の濃度に対応するポンプ703の回転速度で、ノズル210にポンプ圧送される。チルド冷却水及びアルカリ希釈濃縮液は、ノズル210においてブレンドされて分注される。飲料が分注された後に、コントローラ1000は、アフタードリップ弁212及び任意の他の作動されたポンプ及び弁を閉じて、飲料の分注を止める。
【0092】
第2の分注する方法は、2つの濃縮液香味料-レモン及びカフェイン-を含む軽発泡飲料を分注する方法を論じる。図5Aを参照すると、飲料の注文を受信した後に、コントローラ1000は、給水弁201を開いて、ポンプ301作動させて、水を、第1のチルド冷却路303を通して、チルド冷却コイル314内にポンプ圧送する。コントローラ1000はまた、炭酸化水弁406も開いて、チルド冷却水を、カーボネータチャンバ408を通してルーティングして、発泡水を生じさせる。同時にガス弁405も開かれて(まだ開かれていない場合)、ガスをチルド冷却水ライン404内のチルド冷却水とブレンドすることを可能にする。
【0093】
図7Aに示されるような態様では、所望のレベルの炭酸化が最高炭酸化よりも低いので、コントローラ1000はまた、チルド冷却水弁421及び/又は423のうちの1つ以上も開く。これは、炭酸水路412内をノズル210へと流れる発泡水の流れにチルド冷却水を加え、したがって、溶解される炭酸化ガスの割合を低減する。弁421及び423の任意の組み合わせは、所望のレベルの炭酸化に応じて開かれ得る。
【0094】
発泡水が分注されるのと同時に、コントローラ1000は、ガス弁710を開いて、適切な濃縮液ポンプ703を作動させて、濃縮液容器701からの所望の濃縮液(レモン香味料及びカフェイン)並びにアルカリチャンバ601からのアルカリ水の両方をポンプ圧送し始める。必要な場合、態様に応じて、アルカリポンプ704もまた、この時点で作動され得る。希釈された濃縮液は、ユーザが分注させたい飲料の所望の量に応じて、所望の時間にわたってノズル210にポンプ圧送される。ポンプ703は、分注される飲料の2つの濃縮液の相対濃度に応じて、2つの異なる速度で回転し得る。強いレモン風味及び微量のカフェインを含む飲料の場合、レモンを含む濃縮液容器に対応するポンプ703の速度が高くなり、カフェインを含む濃縮液容器に対応するポンプ703(及び、該当する場合は、ポンプ704)の速度は、非常に低い回転で回転する。軽発泡水及び希釈された濃縮液は、ノズル210においてブレンドされ、分注される。飲料が分注された後に、コントローラ1000は、アフタードリップ弁212及び任意の他の作動されたポンプ及び弁を閉じて、飲料の分注を止める。
【0095】
図7B及び図7Cに示されるような態様では、可変的なレベルの発泡水の生成は、直前に論じた態様とは異なる。これらの態様では、ガス加圧弁433の一方又は両方が開かれて、ガスが炭酸化システム430に流れ込むことを可能にする。炭酸化システム430の動作は、上で論じられているが、コントローラ1000は、ガス加圧弁433の一方又は両方を選択的に開くことによって炭酸化レベルを、更には、自動流量調整装置435の開口部を制御することができる。結果として生じる発泡ガスがカーボネータチャンバ408内で生成された後に、分注プロセスは、上記の段落に記載されたように進行する。
【0096】
ユーザインターフェースの配置及び動作の様々な実施例は、図14図16を参照しながら論じられる。上で論じたように、ユーザは、ディスプレイ800に表示されるユーザインターフェース2000を使用して、飲料ディスペンサ1から飲料を注文し得る。ユーザインターフェース2000はまた、ユーザのモバイルデバイスにインストールされたアプリケーション910にも表示され得る。ユーザは、以下で論じられように、ディスプレイ800又はアプリケーション910を使用して、飲料ディスペンサ1から飲料を注文し得る。
【0097】
簡略化されたユーザインターフェース2000の一実施例が、図14に示されている。注文プロセスは、図14上を左から右に移動し、飲料群2010からの最初に飲料を選択することから始まる。飲料群2010は、任意の数の飲料を含み得る。例えば、図14では、飲料群2010は、アルカリ水ボタン2011、無炭酸水ボタン2012、発泡水ボタン2013、高温水ボタン2014、第1の記憶飲料ボタン2015、及び第2の記憶飲料ボタン2016を含む、選択可能な飲料を含む。第1の記憶飲料ボタン2015及び第2の記憶飲料ボタン2016は、予め設定された飲料レシピ、又はユーザによって保存された以前のレシピ、又はディスペンサのコントローラ1000に予めプログラムされた指定のレシピを提示し得る。ユーザは、これらの選択肢の1つを選択して、次の注文ステップに進む。いくつかの態様では、ディスプレイ800又はアプリケーション910が動作するモバイルデバイスがタッチ画面能力を含む場合、ユーザは、これらの飲料ボタンのうちの1つに直接タッチし得る。
【0098】
図14の簡略化されたユーザインターフェース2000には、第1のステップで選択された飲料について利用可能なカスタマイズ選択肢が存在しない。したがって、第2のステップは、注ぐボタン2040の選択である。注ぐボタン2040の選択は、飲料の分注を開始する。いくつかの態様では、注ぐボタン2040は、分注を作動させると、選択する、又は作動させる(例えば、押す又はタッチする)ことしか必要でなく、飲料を分注し続けるように保持する必要はない。図14のユーザインターフェースでは、停止ボタン2050を選択する(例えば、押す又はタッチする)まで、分注を続ける。したがっていくつかの態様では、飲料は、ユーザからの3つのコマンド入力、すなわち、群2010からの飲料の選択、分注を開始する注ぐボタン2040の選択、及び分注を止める停止ボタン2050の選択、によって分注され得る。いくつかの態様では、注ぐボタン2040が選択された後に、所定の期間にわたって分注を止める、シャットダウンタイマーも存在し得る。ディスペンサ1の特定の態様では、所望の量の飲料が分注した後に分注を止める。流量計205及びコントローラ1000は、分注される飲料の容積較正を可能にする。容積較正は、注ぐボタン2040が選択される前に、ディスプレイ800又はアプリケーション910によって事前作動され得る。
【0099】
いくつかの態様では、上で論じた様々な入力及びボタンは、ディスプレイ800又はアプリケーション910上で同時に視認可能であり得る。いくつかの態様では、現在の入力ステップに関連するボタン及び入力のみが視認可能であり得る。例えば、ユーザが飲料群2010から飲料タイプを選択する第1のステップでは、飲料群2010の要素のみが視認可能であり得る。特定の飲料が選択された後に、次いで、注ぐボタン2040が視認可能になり得る。注ぐボタン2040が押された後に、停止ボタン2050が視認可能になり得る。停止ボタン2050が押された後に、ユーザインターフェース2000は、所定の期間が経過した後に、初期段階までリセットされ得る。例えば、ユーザインターフェース2000は、停止ボタン2050が押された10秒後に、飲料群2010のみを表示するようにリセットし得る。いくつかの態様では、入力が受信されないときにはいつでも、同様のタイマーが動作され得る。例えば、入力が15秒又は30秒間受信されなかった場合、ユーザインターフェース2000は、飲料群2010のみを表示するようにリセットされ得る。
【0100】
上で論じたように、図14の要素は、ディスプレイ800及びアプリケーション910のうちのいずれか又は両方に存在し得る。更に、いくつかの態様では、ユーザは、ディスプレイ800及びアプリケーション910のうちのいずれか又は両方を使用して、コマンドを入力し得る。したがって、上述のステップは、ディスプレイ800上で全体的に、アプリケーション910上で全体的に、又はディスプレイ800とアプリケーション910との間で分けて実行され得る。例えば、ユーザは、ディスプレイ800上で群2010から飲料を選択して注ぐボタン2040を選択し得るが、次いで、アプリケーション910上で停止ボタン2050を選択することによって飲料の分注を停止し得る。別の実施例では、ユーザは、ディスプレイ800上で飲料群2010から飲料を選択し、アプリケーション910上で注ぐボタン2040を選択し、ディスプレイ800で停止ボタン2050を選択することによって飲料の分注を停止させ得る。また、ディスプレイ800とアプリケーション910との間で分配された制御入力の任意の他の所望の組み合わせも可能である。いくつかの態様では、ユーザは、ディスプレイ800上又はアプリケーション910上のいずれかで、分注する飲料の量を予め選択することができる。
【0101】
アプリケーション910を使用して、ユーザインターフェース2000と部分的又は完全に相互作用することができる態様では、ユーザは、アプリケーション910を使用して飲料ディスペンサ1と相互作用する前に、特定の飲料ディスペンサ1によってアプリケーション910を認証することが必要であり得る。いくつかの態様では、この認証は、アプリケーション910が飲料ディスペンサ1から所定の距離の範囲内に入り、通信システム900を介して飲料ディスペンサ1と通信したとき自動的に生じ得る。いくつかの態様では、この認証は、認証する特定の飲料ディスペンサ1を選択するなどの、アプリケーション910でのユーザによるアクションが必要であり得る。いくつかの態様では、この認証は、カメラ802がアプリケーション910から光903を読み込むように、アプリケーション910によって光学コード803を生成及び表示することを含み得る。これらの態様のいずれかにおいて、アプリケーション910は、認証プロセスの一部として使用され得る特定のユーザアカウントと関連付けられ得る。ユーザアカウントの他の用途は、以下で論じられる。
【0102】
図15は、ユーザインターフェース2000の態様を例示する。図14に示されたように、図15は、飲料群2010から飲料を選択することから始まる。しかしながら、飲料を選択した後に、その飲料のために適合された飲料選択肢を含むカスタマイズ群2020が、選択のために表示される。カスタマイズ群2020は、飲料群2010から選択された飲料に関する特定の選択肢を含む。例えば、アルカリ水ボタン2011が選択された場合、カスタマイズ群2020に表示される選択肢は、PH+ボタン2021及びPH++ボタン2022を含み得、これらはそれぞれ、選択されたアルカリ水のより低い及びより高いアルカリ度レベルを表す。無炭酸水ボタン2012が選択された場合、カスタマイズ群2020は、無炭酸水の3つの異なる温度設定を表す、常温ボタン2023、低温ボタン2024、及びチルド冷却ボタン2025を含み得る。発泡水ボタン2013が選択された場合、カスタマイズ群2020は、炭酸化の3つの異なるレベルを表す、軽ボタン2026、中ボタン2027、及び強ボタン2028を含み得る。高温水ボタン2014が選択された場合、カスタマイズ群2020は、2つの異なる高温水温度を表す、高温ボタン2029及び沸騰ボタン2039を含み得る。概して、第1の記憶飲料ボタン2015又は第2の記憶飲料レシピ2016などの保存されたレシピが利用できるカスタマイズ選択肢は存在しないが、ユーザインターフェース2000の態様は、ユーザが、カスタマイズ選択肢を提示することによって、保存されたレシピを修正することを可能にし得る。本明細書で論じられるカスタマイズ選択肢は、単なる例であり、選択された選択肢に従って飲料ディスペンサ1が飲料を分注することができる場合、任意の数及びタイプのカスタマイズ選択肢が、各選択された飲料と関連付けられ得る。いくつかの態様では、特定のカスタマイズ選択肢は、飲料群2010から飲料が選択された後に、予め選択され得る。このデフォルトの選択は、ユーザに要求される入力の数を低減することによって、ユーザが飲料を迅速に注文するのを支援し得る。
【0103】
飲料群2010から飲料を選択し、カスタマイズ群2020からカスタマイズ選択肢を選択した後に、注ぐボタン2040が視認可能になり得る。ユーザは、図14のユーザインターフェースの態様に関して上で論じたものと同じ様式で、注ぐボタン2040及び停止ボタン2050を選択する。
【0104】
図16は、ユーザインターフェース2000の異なる態様を例示する。この態様は、図15に関して上で論じたものと同じ様式で機能する、飲料群2010及びカスタマイズ選択肢2020を含む。群2020からカスタマイズ選択肢が選択された後に、香味料及び増強剤群2030が提示される。香味料及び増強剤群2030は、飲料ディスペンサ1上で利用可能である全ての香味料又は増強剤の選択肢を表示する。ユーザは、香味料及び増強剤群2030から利用可能な香味料及び増強剤の任意の組み合わせを選択して、自分の飲料に加え得る。いくつかの態様では、香味料及び増強剤群2030に提示された各選択肢は、多数の濃度レベル、すなわち、非常に高い濃度から非常に低い濃度まで(すなわち、「わずか」な香味料)の濃度レベルを含み得る。例えば、香味料及び増強剤群2030にライム香味料が存在する場合、ユーザは、自分の飲料の香味料を1、2、3、又はそれ以上のレベルのライム濃度から選択することができ得る。いくつかの態様では、16タイプもの香味料、エンハンサ、又は添加剤が存在し、その各々を任意の組み合わせ及び任意の濃度レベルで分注させることができる。
【0105】
いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1は、選択された飲料に加えられ得る香味料のレベル又はタイプを限定するように構成され得る。例えば、香味料が組み合わせられたときに結果として生じる飲料において生成される望ましくない味覚に基づいて、香味料の特定の組み合わせを選択することが禁止され得る。安全上の理由に基づいて、他の香味料選択が禁止され得る。例えば、飲料ディスペンサ1は、その飲料容積にとって安全であるとみなされる濃度及び量まで飲料に加えることができる、カフェインの最高濃度及び/又は最高量を制限し得る。所望の香味料及び増強剤が加えられた後に、ユーザは、図14のユーザインターフェースの態様に関して上で論じたものと同じ様式で、注ぐボタン2040及び停止ボタン2050を選択する。
【0106】
任意の構成及び態様では、ユーザは、注ぐボタン2040を選択することができるようになる前に、ユーザインターフェース2000によって支払い額がプロンプトされ得る。支払いに対する課金額は、選択された飲料のタイプ、並びに飲料に加えられた香味料及び増強剤の数及びタイプを含む、いくつかの異なる因子に基づき得る。いくつかの態様では、特定の飲料は、無料で分注され得る。例えば、プレーンのチルド冷却水は、無料で分注され得る。
【0107】
飲料ディスペンサ1から分注される飲料に対する支払いは、いくつかの異なる方法で達成され得る。いくつかの態様では、飲料ディスペンサ1は、支払いを無線で通信することができる好適なデジタル支払い源からの、通信システム900を使用したデジタル支払いに対応し得る。いくつかの態様では、ユーザは、光学コード803を含むステッカ、飲料容器、又は他の品目の形態で、飲料クレジットを事前購入し得る。ユーザは、飲料ディスペンサ1での飲料クレジットの使用を可能にする光学コード803をカメラ802でスキャンする。いくつかの態様では、この飲料クレジットは、多数の飲料の購入を可能にし得、その場合、ユーザは、クレジットを使い果たすまで光学コード803をスキャンして、飲料を購入し得る。これらの態様では、飲料ディスペンサ1は、飲料が分注されるたびに、通信システム900を使用してネットワーク902と通信して、リモートサーバに記憶された光学コード803と関連付けられた飲料クレジットの記録を更新し得る。これは、ディスペンサのいずれかが記憶された飲料の値段を確認してクレジットから差し引くことができるので、ユーザが、ネットワークに接続されている任意の飲料ディスペンサ1において自分のクレジットを使用することを可能にする。
【0108】
いくつかの態様では、ユーザは、支払い情報と関連したユーザアカウントを有し得る。これらの態様では、ユーザは、自分の飲料を購入するために、自分のアカウント情報を飲料ディスペンサ1に入力し得る。飲料ディスペンサ1は、ユーザアカウント情報を確認し、かつ飲料の値段をアカウントに課金するために、通信システム900を使用して、ネットワーク902と通信する。いくつかの態様では、ユーザは、自分のユーザアカウント情報をアプリケーション910に入力することができ、次いで、通信システム900を使用して飲料ディスペンサ1と通信して、ユーザアカウントを確認することができる。いくつかの態様では、アプリケーション910は、ユーザがアプリケーション上で好適な飲料を選択して、ユーザ自身のアカウントを使用して支払った後に、光学コード803を生成及び表示して、通信システム900を通して通信する代わりにカメラ802を使用して、ディスペンサを開始することを示すことができる。いくつかの態様では、アプリケーション910は、飲料を分注するためにユーザからの支払いを受け取る、最も近い飲料ディスペンサ1の場所を表示し得る。
【0109】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者によって想到されるような、本開示の1つ以上であるが全てではない例示的な態様を示し得るが、本開示及び添付の特許請求の範囲をいかなる形であれ限定することを意図するものではない。
【0110】
特定の態様の上述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他者が、かかる特定の実施形態を種々の用途に容易に修正すること、及び/又は適合させることができ、過度の実験を行うことなく、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、本開示の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、かかる適合及び修正は、本明細書で提示される教示及び指導に基づいて、開示される態様の均等物の意味及び範囲内であることを意図するものである。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、その結果、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0111】
本開示の広がり及び範囲は、上述の例示的な態様のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3
図3A
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】