(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】不感帯を有する適応可能なタッチ画面のキーパッド
(51)【国際特許分類】
G06F 3/023 20060101AFI20230808BHJP
G06F 3/04886 20220101ALI20230808BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230808BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F3/023 460
G06F3/04886
G06F3/041 534
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504738
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CA2021050109
(87)【国際公開番号】W WO2022016252
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025285
【氏名又は名称】アジリス アイズフリー タッチスクリーン キーボーズ エルティディ
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】ダントン,ハーバート ジェームズ
【テーマコード(参考)】
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA02
5B020DD04
5E555AA13
5E555BA04
5E555BB04
5E555BE12
5E555CA13
5E555CA22
5E555CB12
5E555CB16
5E555CC01
(57)【要約】
タッチ画面キーボード上の複数の文字または機能の指定された「グループキー」領域内の任意の場所をユーザがタッチした後、ユーザのタッチを中心とした「キーパッド」が作成される。キーパッドはグループキーと同じ文字や機能のレイアウトであるが、キーパッドはグループキーの位置から必要に応じて移動し、ユーザがタッチしたポイントで再び中心を合わせる。ユーザはタッチしたまま、キーパッドの中央の不感帯から指先でキーの一つをスワイプして選択する。音声と触覚のインジケータも提供されることがある。キーボードは、表示されずにアクティブであってもよい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ画面上にキーボードを定義し、
前記キーボード内にグループキーを定義し、前記グループキーは複数の機能を表し、
前記グループキー内の前記タッチ画面上のタッチを検出し、
前記タッチ画面上にキーパッドを定義し、前記キーパッドは、タッチポイントにおける不感帯と前記不感帯に隣接するキーとを含み、各キーは機能の異なる一つに対応し、
前記不感帯から前記キーの一つへのタッチのスワイプを検出し、前記一つのキーに対応する機能を実行するよう構成されることを特徴とするタッチ画面。
【請求項2】
前記不感帯はタッチポイントを中心とする請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項3】
前記キーパッドは、前記グループキーの位置とは異なり、タッチポイントを中心とした位置に配置されている請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項4】
前記タッチポイントは前記グループキー内の任意の位置である請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項5】
前記タッチが指先のタッチである請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項6】
スワイプ後のタッチの解除を検出することに応答して、前記一つのキーに対応する機能を実行するようにさらに構成される請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項7】
前記一つのキーに到達したスワイプを検出したことに応答して、前記一つのキーに対応する機能を直ちに実行するようにさらに構成される請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項8】
不感帯の中心からいずれかのキーまでの最短距離は、不感帯の中心から二つのキーの間の境界までの最短距離よりも短い請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項9】
前記タッチポイントからいずれかのキーまでの最短距離は、前記タッチポイントから二つのキーの間の境界までの最短距離より短い請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項10】
前記不感帯は、一つ以上の凹状のエッジを有し、それぞれ異なる一つのキーに隣接している請求項1に記載のタッ チ画面。
【請求項11】
前記不感帯は歯車状のはめば歯車の形状を有し、はめば歯車の各歯は隣接する二つのキーの間に延在している請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項12】
前記キーは不感帯の周囲に配列されている請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項13】
前記不感帯は円形である請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項14】
前記不感帯はキーボードのユーザによってカスタマイズ可能なサイズを有している請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項15】
機能がキーボードのユーザによってカスタマイズ可能である請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項16】
複数のレベルを有し、少なくとも一つのレベルはキーボードのユーザによってカスタマイズ可能である請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項17】
複数のレベルを有し、レベルの数はキーボードのユーザによってカスタマイズ可能である請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項18】
前記グループキーまたは前記キーボードはタッチ画面上に表示される請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項19】
前記キーパッドは前記タッチ画面上に表示される請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項20】
前記グループキーは前記タッチ画面上に表示され、それぞれが異なる一つの機能を表す複数の記号を備え、
前記キーパッドは前記タッチ画面上に表示され、複数の記号を備え、
前記キーパッドはグループキーの中心またはグループキーの中心とは異なる位置を中心とされる請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項21】
前記キーパッドは前記キーボードの周囲を超える請求項20に記載のタッチ画面。
【請求項22】
前記キーパッドは前記キーボードの周囲を超えない請求項20に記載のタッチ画面。
【請求項23】
前記スワイプは、対応する機能が実行されない他のキーを介して行われる請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項24】
前記タッチは、複数の他の機能を表す別のグループキーから先にスワイプされた結果であり、他の機能はいずれも実行されない請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項25】
前記グループキー内の対応する領域をタップすることにより、各機能を選択できるモードで動作するよう構成された請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項26】
9個のグループキーをさらに備え、10個のタッチの検出に応答して、すべてのグループキーについてキーボード上の位置を定義し、各位置はタッチのうちの異なる一つの位置に対応するように構成されている請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項27】
キーボードのユーザにより、グループキーの一つ以上のグループキーのドラッグの検出に応答して、該グループキーの一つ以上の位置を画面上の異なる位置に調整するように構成された請求項26に記載のタッチ画面。
【請求項28】
前記キーパッドは、前記グループキーより大きいか小さい請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項29】
前記不感帯に戻るタッチのスワイプを検出し、
前記不感帯から別のキーへのタッチの別のスワイプを検出し、
他のキーに対応する機能を実行するようにさらに構成される請求項1に記載のタッチ画面。
【請求項30】
タッチ画面と、
コンピュータで読み取り可能な命令を格納するメモリと、
前記メモリおよび前記タッチ画面に接続されたプロセッサと、を備える電子機器であって、
前記コンピュータで読み取り可能な命令は、前記プロセッサによる処理時に、前記機器に、
前記タッチ画面上にキーボードを定義し、
前記キーボード内にキーグループを定義し、該キーグループは複数の機能を表し、
前記キーグループ内の前記タッチ画面上のタッチを検出し、
前記タッチ画面上にキーパッドを定義し、該キーパッドはタッチポイントにおける不感帯と該不感帯に隣接するキーを含み、各キーは機能の異なる一つに対応し、
前記不感帯から前記キーの一つへのタッチのスワイプを検出し、
前記一つのキーに対応して機能を実行させるように構成されることを特徴とする電子機器。
【請求項31】
前記キーは、前記不感帯の周囲に配列される請求項30に記載の電子機器。
【請求項32】
前記スワイプの後のタッチの解除を検出することに応答して、前記一つのキーに対応する前記機能を実行するようにさらに構成される請求項30に記載の電子機器。
【請求項33】
前記スワイプが前記一つのキーに最初に到達したことを検出することに応答して、前記一つのキーに対応する前記機能を直ちに実行するようにさらに構成される請求項30に記載の電子機器。
【請求項34】
前記コンピュータで読み取り可能な命令は、前記タッチを検出することに応答して、前記機器に、触覚振動、非言語音声インジケータ、言語音声インジケータ、またはそれらから選択される組み合わせを放出させるように構成される請求項30に記載の電子機器。
【請求項35】
前記コンピュータで読み取り可能な命令は、前記キーボードのユーザが前記触覚振動、前記非言語音声インジケータ、および前記言語音声インジケータのいずれかをオフにすることを可能にするように構成される請求項34に記載の電子機器。
【請求項36】
前記コンピュータで読み取り可能な命令は、前記スワイプを検出することに応答して、前記機器に、触覚振動、非言語音声インジケータ、言語音声インジケータ、またはそれらから選択された組み合わせを放出させるように構成される請求項30に記載の電子機器。
【請求項37】
前記コンピュータで読み取り可能な命令は、前記キーボードのユーザが、前記触覚振動、前記非言語音声インジケータ、および前記言語音声インジケータのいずれかをオフにすることを可能にするように構成される請求項36に記載の電子機器。
【請求項38】
前記グループキーは、前記タッチ画面上に表示される請求項30に記載の電子機器。
【請求項39】
前記キーパッドは、前記タッチ画面上に表示される請求項30に記載の電子機器。
【請求項40】
タッチ画面への入力を受信する方法であって、
プロセッサによって、タッチ画面上にキーボードを定義し、
前記プロセッサによって、前記キーボード内にグループキーを定義し、該グループキーは複数の機能を表し、
前記プロセッサによって、前記グループキー内の前記タッチ画面上のタッチを検出し、
前記プロセッサによって、前記タッチ画面上にキーパッドを定義し、該キーパッドは、タッチポイントにある不感帯と、該不感帯に隣接するキーとを含み、各キーは機能の異なる一つに対応し、
前記プロセッサによって、前記不感帯から前記キーの一つへのタッチのスワイプを検出し、
前記プロセッサによって、前記一つのキーに対応する機能を実行することと、を含む方法。
【請求項41】
前記キーは、前記不感帯の周囲に配列される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記スワイプを検出した後、実行するステップの前に、前記プロセッサによって、前記スワイプの解除を検出することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記グループキーの形状、前記グループキーの位置、前記グループキー内に表示される記号、前記グループキーによって表される機能の数、前記グループキーのサイズ、前記キーパッドの形状、前記キーパッドのサイズ、前記キーパッド内に表示される記号の数、前記不感帯のサイズ、前記不感帯の形状、前記キーボードのレベル、前記キーボードの言語、前記キーボードの代替記号または機能、前記キーボードに関する音声インジケータ、前記キーボードに関する触覚インジケータ、予測文字、またはそれらから選択された任意の組み合わせをカスタマイズするための前記キーボードのユーザからの入力を前記プロセッサによって受信することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記タッチポイントは前記グループキー内の任意の場所であり、前記不感帯は前記タッチポイントを中心とする請求項40に記載の方法。
【請求項45】
前記不感帯の中心から前記キーのいずれかまでの最短距離は、前記不感帯の中心から前記キーの二つの間の境界までの最短距離より短い請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記タッチポイントから前記キーのいずれかまでの最短距離は、前記タッチポイントから前記キーの二つの間の境界までの最短距離より短い請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記グループキーは、前記タッチ画面上に表示される、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記キーパッドは前記タッチ画面上に表示される請求項40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、タッチ画面を用いたデータ入力に関するものである。より具体的には、適応可能または移動可能なキーパッドを有するタッチ画面のキーボードを用いたデータエントリまたは機能選択に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチ画面の使用によるデータ入力は、滑らかな表面の画面に触れたときに正しいキーが係合されたことを人が確認できる触覚的な手段または反応を提供しないという固有の課題を有していた。この課題を深刻にしているのは、例えば携帯電話のように、多くのタッチ画面機器が小型で、キーが小さいという要因である。
【0003】
その結果、データ入力者は、正しいキーが選択されていることを確認するために、データ入力中にタッチ画面を視覚的に観察する必要があった。このような困難さにより、タッチ画面機器によるデータ入力は、一般に、機械式キーボードによる入力よりも遅く、エラーが発生しやすいものとなっている。現在、デスクトップ用のメカニカルキーボードでは、キーボードの上に指を置き、目的のキーをタップまたは押下することで、触覚フィードバックを得ている。これは見なくてもできるが、通常、正しいキーを選択するためにタッチ画面キーボードを見る必要がある。
【0004】
さらに、視覚障害者は、支援技術なしでは、電子機器でのキーボード入力のために滑らかな表面のタッチ画面を効率的に使用できない場合がある。タッチ画面は、現在、幅広い用途で広く受け入れられており、現在も増え続けている。また、タッチ画面の使用によるデータ入力をより効率的にするための試みも数多く行われている。
【0005】
Tranに対する米国特許出願第2011/0210850号は、キーごとに複数の文字または記号を含む組み合わせキーにおいて文字または記号を選択するために方向性スワイプを使用することによってタイピング精度および速度を改善する小型モバイル機器用のタッチ画面キーボードを開示している。
【0006】
Maoに対する米国特許出願第2013/0215037A1号は、マルチタッチ表面を有する電子機器のための両手キーボードインターフェースを具現化している。キーを有するパッドの位置は、各パッドがユーザの10本の指先のうちの異なる一つによって操作可能であるように配置されている。
【0007】
同じくMaoに対する米国特許出願第2013/0113714A1号は、マルチタッチ表面を有する電子機器のための片手キーボードインターフェースを具現化するものである。キーを有するパッドの位置は、各パッドが同じ手の異なる指先によって操作可能であるように配置されている。
【0008】
この背景の情報は、本発明と関連する可能性があると本出願人が信じる情報を明らかにするために提供されるものである。先行情報のいずれもが本発明に対する先行技術であることを認めることは、必ずしも意図されておらず、また、解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に記載される発明は、滑らかな表面を有するタッチ画面の使用によって、データまたは値を計算装置に入力し、計算装置によって実行可能な機能を選択するための装置および方法に関するものである。
【0010】
タッチ画面上のタッチポイントは、通常の単一キーよりも数倍大きい「グループキー」内の任意の場所にあり得るが、グループキー内のキーから形成される「キーパッド」の中心となる。ユーザが最初にタッチした点がキーパッドの中心となるため、グループキーの指定領域内のどこをタッチしても問題ない。つまり、キーパッドは、グループキーの位置から、ユーザの指先のタッチした点を中心に、ユーザの指示通りに再配置される。キーパッドが表示されると、ユーザは関心のある特定のキーに向かってスワイプし、指先がそれに到達したとき、または指先がそこから離されたときのいずれかに登録される。
【0011】
本発明の実施形態によっては、本明細書に開示されたタッチ画面のキーボードのユーザは、以下の利点のうちの一つ以上を提供することができる。キーボードは、静的キーボードと比較して、タイピング時の精度率がより高くなる可能性がある。静的キーボードとは、キーが固定的に配置され、キーボードの使用中に移動しないキーボードのことである。また、キーボードは、一部の静的キーボード、特に小型のキーボードと比較して、ユーザがより速い速度でタイピングすることを可能にし得る。ユーザによっては、タイピング時にタッチ画面を見ないで済むので、タッチタイピングや、アイズフリーでの機能選択またはデータ入力が可能となる。キーパッド及びその構成キーがユーザの指先に来るので、ユーザが最初の動作で指先をキー上に正確に置かなければならないのではなく、キーからキーへの指先の小さな変位は、静的キーボードが使用されている場合よりも可能である。
【0012】
本明細書で開示するのは、タッチ画面上にキーボードを定義し、キーボード内にグループキーを定義し、グループキーは複数の機能を表し、グループキー内のタッチ画面上のタッチを検出し、タッチ画面上にキーパッドを定義し、キーパッドは、タッチのポイントにおける不感帯と不感帯に隣接するキーとを備え、各キーは機能の異なる一つに対応し、不感帯からキーの一つへのタッチのスワイプを検出し、前記一つのキーに対応して機能を実行するように構成されるタッチ画面である。
【0013】
また、タッチ画面と、コンピュータで読み取り可能な命令を記憶するメモリと、前記メモリおよび前記タッチ画面に接続されたプロセッサとを備え、前記プロセッサによる処理時に、前記コンピュータで読み取り可能な命令が、前記機器に、タッチ画面上にキーボードを定義し、キーボード内にキーグループを定義し、キーグループは複数の機能を表し、キーグループ内のタッチ画面上のタッチを検出し、タッチ画面上にキーパッドを定義し、キーパッドはタッチのポイントにおける不感帯と不感帯に隣接するキーを含み、各キーは機能の異なる一つに対応し、不感帯からキーの一つへのタッチのスワイプを検出し、前記一つのキーに対応する機能を実行させる電子機器である。
【0014】
さらに開示されるのは、タッチ画面への入力を受け取るための方法であって、該方法は、プロセッサによって、タッチ画面上にキーボードを定義し、プロセッサによって、キーボード内にグループキーを定義し、グループキーは複数の機能を表し、プロセッサによって、グループキー内のタッチ画面上のタッチを検出し、プロセッサによって、タッチ画面上にキーパッドを定義し、キーパッドは、タッチのポイントにおける不感帯と、不感帯に隣接するキーとを含み、各キーは、機能のうちの異なる一つに対応し、プロセッサによって、不感帯からキーの一つへのタッチのスワイプを検出し、プロセッサによって、前記一つのキーに対応する機能を実行することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、本発明の範囲をいかなる形でも制限するものとして解釈されるべきではない。
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態によるキーパッドを表す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるキーボードを表す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるキーパッドの異なる位置の例を示す
図2のキーボードを表す図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるキーボードを表す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、選択されたキーパッドを有する
図4のキーボードを表す面である。
【
図6】本発明の一実施形態による、選択されたキーパッドを有する
図4のキーボードの小文字モードを表す図である。
【
図7】本発明の一実施形態による、選択された異なるキーパッドを有する
図6のキーボードを表す図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、選択されたキーパッドを有する別のキーボードを表す図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、選択された異なるキーパッドを有する
図8のキーボードを表す図である。
【
図10】本発明の一実施形態による、選択されたキーパッドを有する別のキーボードを表す図である。
【
図11】本発明の一実施形態による、別のキーボードを表す図である。
【
図12】本発明の別の実施形態による、選択されたキーパッドを有する
図11のキーボードを表す図である。
【
図13】本発明の別の実施形態による、グループキーのカスタムシリーズを有するキーボードを表す図である。
【
図14】本発明の実施形態による、キーボードの機能ステップを説明するフローチャートである。
【
図15】本発明の一実施形態による、タッチ画面上にキーボードを有する電子機器の概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.用語解説
機能-本明細書で使用する場合、キーが選択されたときに発生するあらゆるものに関連する。例えば、機能は、数字、文字、顔文字、句読点などのような文字の登録であってもよい。また、機能は、キーボードの大文字と小文字の変更、文字の削除、改行、データの入力、異なるレベルへの切り替えなどの操作の実行であってもよい。
【0018】
グループキー-機能のグループに対する一つのキーで、そのグループキーに記号が表示される場合とされない場合がある。いずれの場合も、グループキーは、それが選択されると、グループキー内の各機能のための個々のアクティブキーでキーパッドが作成されるような、指定された領域を有するアクティブ面である。キーボードの少なくとも一つのモード(通常モード)では、グループキー内の記号に対応する個々の機能は、グループキーから直接選択されすることができない。
【0019】
キーパッド-タッチ画面上に定義されたアクティブなキーのグループ。キーは表示されていてもいなくてもよいが、いずれの場合も、ユーザが指先をキーにスワイプすることによって、グループの各キーが選択され、対応する機能が呼び出されるという意味で、それらはアクティブである。キーパッドは、基本的に、ユーザのタッチポイントの中心にグループキーが再配置され、個々のキーが活性化されたものである。
【0020】
レベル-キーボードによって活性化されることができる機能の特定のセットを指す。例えば、キーボードの一つのレベルはラテン文字のセットを有し、別のレベルはアクセントのあるラテン文字を有し、別のレベルはギリシャ文字を有することができる。
【0021】
記号-これは、数字、文字、顔文字、句読点などの文字を指す場合もあれば、機器が実行する操作などの非文字機能を表す場合もあり、単語または略語であってもよい。記号は、グループキーやキーパッドに表示することができる。
【0022】
B.例示的な実施形態
図1を参照すると、その中心に不感帯6を有するキーパッド2が示されている。キーパッド2は、ユーザがキーボードに触れたときに作成される。不感帯6は、ユーザのタッチポイントの周囲とその下の領域であり、キー10,11,12,13に隣接しており、それぞれが機能を表している。キー10,11,12,13は、不感帯6の周囲に配列されており、すなわち、不感帯の周囲に均等に分布している。不感帯6は、タッチされても機能の実行には至らず、ユーザのタッチは、機能を選択することなく不感帯内を移動することができる。機能を選択するには、ユーザは、キーパッド2のキー10,11,12,13のいずれかにタッチをスワイプし、その後、タッチを解除する。あるいは、スワイプがそれに到達してキー10,11,12,13のいずれかが最初にタッチされたときに機能を登録する。これらの方法のいずれを採用してどの機能を選択するかは、両方のオプションが提供される実施形態において、ユーザによって選択される設定に依存する。タッチの解除時、またはキーの最初のタッチ時に、キーパッド2が一部であるキーボードによって制御される機器によって、対応する機能が登録される。
【0023】
隣接するキーの各組の間には境界があり、例えば隣接する二つのキー11と13の間には境界14がある。境界14と不感帯6の中心との間の最短距離Aは、キー13と不感帯の中心との間の最短距離Bよりも大きい。これは、意図したキーを選択するよりも、(例えば、意図したキーの中心から離れる方向にスワイプすることによって)誤って隣接するキーを選択するために、スワイプを長くする必要があることを意味する。これは、正しいキーであると信じて間違ったキーに意図的にスワイプすることには当てはまらない。
【0024】
いくつかの実施形態では、キーパッド内の隣接するグループキー又は個々のキーの間の境界は、それぞれグループキー又はキー間のより大きな区別を提供するために、より広くてもよい。いくつかの実施形態では、これらの境界は、意図しないキーに係合することに対する追加の安全装置として、不感帯の延長であってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザのタッチが二つのグループキーにまたがる場合、タッチのより大きな領域が落ちるグループキーは、その対応するキーパッドに係合する。
【0025】
いくつかの実施形態では、不正確な方向へのスワイプに対する更なる保護として、不感帯6のサイズはより大きくてもよい。他の実施形態では、個々のユーザの器用さに最適なように、より大きくまたはより小さくするために、ユーザによって調整されてもよい。不感帯6を大きくすると、係合させようとするキー10,11,12,13である「ターゲット」の最も近いエッジの幅が広くなり、したがって、見つけやすく、見逃しにくくなる。例えば、キー12のエッジ18をターゲットとみなすことができる。キー12のターゲットのエッジ18は、図示のように曲線で形成されているが、他の実施形態では直線であってもよく、それでも不感帯6の歯車状のはめば歯車と同様に距離AとBとの差の利点を得ることができる。不感帯6は、歯車状のはめば歯車として構成され、その各側面が凹状である。他の実施形態では、不感帯6の歯車と同様に、ホイールの歯が隣接する各二つのキーの間の境界を上に延び、なおかつ距離AとBの間の差を提供する、異なる歯車状のはめば歯車を使用することもできる。
【0026】
図2を参照すると、異なる機能の6つのグループを有するキーボードまたは放射状キーボード20が示されており、このキーボードはタッチ画面上に存在する。例えば、機能の一つのグループであるグループキー24は、セクション28のような8つの等しいセクションに分けられたパイ形状を有し、各セクションは異なる機能を表している。各セクション28は、それが表す機能がタップによって直ちに選択可能ではないので、非アクティブキーとして定義されてもよい。機能のグループキー24からの各セクションは、例えば、その中に表示される文字、句読点、数字、または他の適切な記号を有する。いくつかの実施形態では、キーパッドの各セクション28は、同じサイズ、形状、寸法、または色を有していない場合がある。
【0027】
図2の円32は、グループキー24の機能群から任意の機能を選択するために、ユーザが指先で画面に触れる場所の一例を表している。一実施形態では、ユーザは、キーグループを選択するために、グループキー24の円形の指定領域内をタッチする必要がある場合がある。別の実施形態では、ユーザは、グループキー24の周囲のより大きなボックス25をタッチして選択することができてもよい。キーボード20を6つの領域に分割し、それぞれが個々のセクション28よりも大きく、それぞれが機能グループを持つことで、何度か使用した後に画面を見ずに機能グループ、すなわちグループキーをユーザに選択させることができる。実際、従来のキーボードを備えた滑らかなタッチ画面では、ユーザが画面を見ていない限り、ユーザの指が意図したキーの中心に当たることはないだろう。しかしながら、ユーザは、見ることなく、そのような機能群の画面のより大きなセクション24,25内の任意の場所に正確に当てることができる。他の円34は、ユーザがキーボード20に触れることができる他の適切な場所の例を示し、それぞれ異なるグループのキー内にある。
【0028】
図3を参照すると、ユーザのタッチ32(
図2)によって起動されるキーパッド44を有する同じキーボード20が示されている。キーパッド44は、ユーザのタッチ32の周りに中心があり、グループキー24と同じ大きさである。他の実施形態では、キーパッドは、対応するグループキーより大きいか小さい。キーパッド44の不感帯48は、ユーザのタッチ32と同じキーボード上の位置を有する。
【0029】
キー46は、非アクティブキーまたはセクション28(
図2)により表される機能に対応するアクティブキーである。作成または表示することができる他のキーパッド49は、
図2から他のユーザのタッチ34の周りに中心を置く。キーパッド49の不感帯は、ユーザのタッチ34の位置に位置を有している。したがって、ユーザがキーボードのどこに触れても、その点が予め決められたキーパッドの中心となり、タッチ画面の端に近い場合はその形状が変更されることがある。なお、本実施形態では、不感帯の形状を円形とし、不感帯の中心からキーまでの距離と2つのキー間の境界までの距離に差が生じないようになっている。その結果、
図1のように不感帯の端が凹んだ形状の場合よりも、誤差が少なくなる。
【0030】
キーパッド44のような6つのキーパッドの各一つは、8つのキーを有する。8つのキーのいずれかは、不感帯48から、スポークまたは放射状の一つに沿って、キー46などの特定のキーに向かって指をスワイプすることによって選択される。キーパッドは、ユーザの指が画面に触れる場所を中心とするので、ユーザは、特に従来のタッチ画面のキーボードと比較して、文字を入力するために画面を叩く場所に関して比較的大雑把であることが可能である。ユーザは、非アクティブキー(例えばセクション28)の中心を正確に打つ必要はなく、中心近くに打つことも可能である。所望のキーパッドは、グループキーの位置から効果的に移動し、ユーザの指が画面に触れる地点で再度中心を定める。ユーザの指がタッチ画面のキーボードに当たるときはいつでも、非アクティブキー(例えばセクション28)よりも大きい画面の指定領域内で、画面のその指定領域に関連するキーが、ユーザの指が画面に触れる点を中心とするキーパッドに表示されることになる。
【0031】
ユーザによって選択されようとするキーは、ユーザが予め決められた固定されたキー位置を見つけて指先を動かすことに拘束されるのではなく、ユーザの指先に向かってその集団でやってくる。このように、ユーザは、データを入力する際に、正しいキーを選択するために、表面が滑らかなタッチ画面を見る必要から解放される。キーはユーザの指先の方に移動し、その逆はない。これにより、目的のキーを見落とすリスクを最小限に抑えることができる。このキーボードは、タップ&スライド方式であり、ある意味で、スライド&タップである、あるいは、スライド&タップと考えられる従来のメカニカルキーボードとは正反対である。いくつかの実施形態では、ユーザは、デスクトップのメカニカルキーボードと比較して、本明細書に開示されるキーボード上のキーに到達するために指をそれほど遠くにスライドさせる必要はない。
【0032】
このキーボードは、説明のために「タップとスライド」または「タッチとスワイプ」として特徴付けられるが、実際には、機能の選択は、一つの連続したジェスチャによって達成され、スワイプを行う際のユーザの画面への最初のタッチは、単一のジェスチャの「タップ」または「タッチ」要素と見なされる。ユーザの最初のタッチは、キーパッドを瞬時に作成し、ユーザは、選択されたキーに向かってスワイプするジェスチャを続け、全て一つの連続した中断されない動作で行われる。
【0033】
ユーザがキーボード20のレイアウトを覚えると、熟練したユーザほど、画面を見ずにタイプすることができる。ユーザがグループキー24の一つ(6つのボックス25の一つと同じ大きさの領域であってもよい)内のどこかでタッチ画面に触れている限り、そのキーパッドに関連する8つのキーは、指が画面を打った点で再中心化される。つまり、キーは、指が画面を打つポイントに移動する。そうすると、ユーザは、キーボードを打つ位置について、許容誤差をかなり大きくすることができる。ユーザは、意図した打点の中心(例えば、グループキー24の中心)をかなり大きく外しても、キーパッドが(グループキーに対して)指が画面20に触れる点32に再中心化するので、結果としてキーパッド44に中心を合わせることができる。次に、ユーザは、その不感帯48から、入力又は選択したいキーに向かって、8つの半径方向の一つに沿って外側にスワイプすることができる。
【0034】
ユーザが8つの半径方向の一つに沿って取るスワイプの長さは、一実施形態では、約0.6cm(1/4インチ)であり、スワイプの方向にはかなりの誤差がある。不感帯48の周囲に配置されたキー46の各々には、360度の円の十分なセグメントが割り当てられているので、ミスや不正確な方向へのスワイプは起こりにくくなる。所望の半径方向から左右22.5°以内の方向(誤差45°)に指がスワイプされる限り、所望のキーが打たれ(すなわち選択され)、所望の機能が起動される。予め割り当てられたキー群から一つのキーを選択し、文字又は機能コマンドを入力する行為は、不感帯から始まる短い方向スワイプによって完了し、不感帯の位置は、ユーザのタッチポイントによって確立され、選択される一つのキーに向かって方向スワイプを継続させる。
【0035】
他の実施形態では、他のキーボードは、各キーに割り当てられた円の異なる部分を有する。例えば、6つのキーを有するキーパッドは、それぞれ60°が割り当てられ、4つのキーを有するキーパッドは、それぞれ90°が割り当てられる。キーパッド内の他の数のキーが可能であり、キーパッド内の各キーは、360°の円の等しい対応するセグメントを有するか、又はいくつかの実施形態において不等間隔のセグメントを有する。
【0036】
所望のキーに係合し、所望の機能を選択(又は入力)する動作は、方向スワイプが選択されたキーに到達したとき、又はオプションに従って代替的に、ユーザの指先が選択されたキーから持ち上げられたときのいずれかで完了される。したがって、データを入力するユーザは、小さなキーを見つけてタッチするのではなく、画面のより大きな指定領域を見つけてタッチすればよいので、指先の位置が多少不正確になることを許容する。このようにして、現在使用されている多くのキーボードで要求されるように、正確なデータ入力を確実にするために、一部のユーザは、小さなキーを見つけるためにタッチ画面を見る必要がない。
【0037】
いくつかの実施形態では、タッチ画面は、より少ない、より大きな指定領域に分割され、キーのグループは、各指定領域に予め割り当てられている。そして、ユーザが指定領域の一つで画面に触れるとき、その指定領域内のどの点であれ、人の指先が触れると、その点がキー群であるキーパッドの不感帯となる。いくつかの実施形態では、指定領域の幾何学的形状、サイズ、形状、寸法、色、及び/又はデザインは、ユーザによってカスタマイズ可能である。キーボードは、ユーザの最も支配的な2本の指又は親指、又はユーザが望むより多くの桁を用いて操作することができる。
【0038】
図4を参照すると、T、U、コロン、セミコロンである以下の文字を有するグループキー54のような15種類の記号のグループ56を有するキーボード50が示されている。グループキー54の文字は、ほとんどが大文字である。いくつかの実施形態では、文字はキーボード上に表示されず、15のグループキーの境界または領域のみが表示される。ユーザは、数回使用した後に、キーボード50上のすべてのグループキー54における各文字の位置を学習することができる。いくつかの実施形態では、キーボード50のレイアウトは、論理的でQWERTYキーボードよりも習得しやすいように構成されている。例えば、文字はアルファベット順であり、数字は論理的な順序で表示される。例えば、ユーザは、Aがどこにあるか知っていれば、文字B、C、およびDなどがどこにあるかを推論することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、グループキー54の数、サイズ、形状、色、及び形は異なる。いくつかの実施形態では、記号56のサイズ、フォント、及び色は、ユーザによってカスタマイズ可能である。いくつかの実施形態では、キーボードのレイアウトと、グループキー54の内部の記号56の構成は異なる。いくつかの実施形態では、記号56のいくつかは、アルファベット文字、ローマ数字及び句読点記号であってもよいし、キーボード50が一部である機器又はキーボードが制御する機器の動作機能に対応する単語又は略語であってもよいし、特定の取引又は実務で用いられる用語に対応する単語又は略語であってもよい。
【0040】
図5を参照すると、
図4と同じ15個の異なる記号群56を有するキーボード50が示されている。
図4からのグループキー54から作成されたキーパッド58は、不感帯62と、キー66のような4つの隣接するキーとを含む。キーパッド58は、正方形の形状を有する。いくつかの実施形態では、キーパッド58のサイズ、形状、色、および方向は異なる。いくつかの実施形態では、キーパッド58ごとのキーの数は異なる。ユーザは、好み、視力、及び/又は色と形状を知覚する能力に応じて、キーパッド58の配置、視覚的側面、及び組織を構成することができる。
【0041】
図6を参照すると、キーボード50の小文字モード70が示されており、小文字の文字が表示される。キーボードのグループキーから作成されたキーパッド74は、文字rを有するキー82のような3つのキーで不感帯78を表示する。キーパッド74の不感帯78は、キーボード50に利用可能なタッチ画面の右端によって切り詰められた歯車形状を有する。不正確な方向へのスワイプに対する追加の保護として、キーパッド74の不感帯78は、凹状の円弧の歯車状に設計されており、意図するキーに到達するのに必要なスワイプの長さを、意図しないキーまたは隣接するキーの境界近くの不確実性のゾーンに到達するのに必要なスワイプの長さよりも短くすることによって、方向スワイプミスまたは意図しないキー選択の可能性をさらに減少させる。
【0042】
レベルは、前後に切り替えるのが簡単である。例えば、グループキー80を選択することによって、キーボード50の現在のレベル1を、レベル2(Lvl2)又はレベル3(Lvl3)のいずれかに切り替えることができる。
図7を参照すると、主に小文字の15種類のグループを有するキーボード50の第1のレベル70が示されている。ユーザがグループキー80に触れたときに作成されるキーパッド84は、それぞれ文字(Lv2、Lvl3)を有す2つのキーと、細長い六角形の形状を有する不感帯86を有する。キーパッド84は、正方形の形状を有し、キーボードに利用可能なタッチ画面の表示領域内に収まるように、ユーザのタッチからわずかに中心を外れて表示される。キーパッド84が不感帯に対して中心を外れて表示しても、不感帯はユーザの指先の着地タッチの位置にあり、Lvl1キーやLvl3キーから等距離に立設している。不感帯86は、キーパッド84の対角線88に沿って整列している。二つのキーの間の境界は、キーパッド84の対角線88に沿って整列されている。
【0043】
このキーボードにはレベルの数に特に制限がないため、他のあらゆる言語の文字や、数千の文字を持つ対数的な書記体系さえも取り入れることが可能である。これから外挿すると、このキーボード50では、任意の数の文字、数字、キャラクター、記号、単語、略語、またはコンピュータ機能にアクセスすることができる。
【0044】
図8を参照すると、11個の異なるグループキー91を有するキーボード90が示されている。文字の構成は、キーボード90の最初の行に一連の数字を表示するようなものである。キーパッド92は、その中心に不感帯94を有し、この不感帯は、キー98のような6個のキーによって囲まれている。これら6個のキーの各々は、ユーザによって以前にタッチされたグループキーからの文字を表示する。不感帯94は六角形であり、側面が凹んでいる。
【0045】
図9を参照すると、
図8と同じキーボード90が示されている。ユーザが2文字(Lvl2、カンマ)のグループキーに触れた後に作成されるキーパッド102は、細長い六角形の形状を有する不感帯106を有する。不感帯106は、キー110などの2つのキーが縦軸に沿った境界により隔てられてキーパッド102の中心に配置される。キーパッド102は、その表示のためにいくつかの実施形態においてそこで利用可能なタッチ画面の十分な領域があるため、グループキーのセットの境界112の外側にわずかにシフトされている。いくつかの実施形態では、キーボードの任意の側に沿って境界領域が存在しない場合があり、キーパッドは、キーボードの端よりも遠くに延びないように調整される。
【0046】
図9のキーボードのレイアウトの代わりに、QWERTYレイアウトが使用可能であり、この場合、ABCシーケンシャルアルファベットレイアウトがQWERTYレイアウトと交換される。他の実施形態では、AZERTYキーボードが使用可能であり、例えば、Dvorakキーボードが使用されてもよい。
【0047】
図10を参照すると、15個の異なるグループキー154を有するキーボード150が示されている。キーパッド158は、ユーザがキーボード150上の4文字を有する対応するグループキーに触れた後に作成される。キーパッド158は、その中心に不感帯162を有し、不感帯は、側面が凹んだ正方形である。キーパッド158は、キー間の境界がキーパッド158の対角線166に沿って整列されるように配置された4つのキーを有する。
【0048】
図11を参照すると、6つの異なるグループキーを有するキーボード200が示されている。各グループキーは、8つの機能を有する。グループキー208は、その機能が8つのセクションまたはキーで円形またはパイ型に配置されている。各キーは、その中に記号が表示されている。48を超える追加のキーについては、キーボード200の追加のレベルが利用可能である。それぞれ8つのキーを有する6つの指定領域の組み合わせのこの例は、キーボード200に合計48個のキーを設けることができるので、異なる文字、値、または機能に係わる追加のキーは、キーボードの追加のレベルにシフトすることによりアクセスされ、追加のレベルはそれぞれ、さらに48個のキーを有している。この方法によって、電子キーボードで利用可能なキーの数は、多くの意図と目的のために、事実上無制限となる。
【0049】
図12を参照すると、キーパッド212を有する
図11のようなキーボード200が示されている。キーパッド212は、ユーザがキーボード上のグループキー208に触れた後に作成され、その中心部に不感帯216を有する。不感帯216は八角形であり、側面が凹んでいる。キーパッドは、キー220のような8個のキーを有する。
【0050】
図13を参照すると、グループキー234のような10個のグループキーを有するキーボード230が示されている。各グループキーは、2つ以上の記号を有する。いくつかの実施形態では、ユーザは、10本の指でタッチ画面上のキーボード230をタッチすると、10個のグループキー234の表示を開始する。10回のタッチは同時であってもよいし、同時でなくてもよい。各グループキー234は、ユーザの異なる指によって使用されることを意図している。グループキー234がタッチされると、例えばキーパッド158(
図10)に類似したキーパッドとなる。この請求項の方法の一実施形態では、ユーザは、タッチ画面上で10本の指をタッチし、ユーザがその指に対応するキーが配置されることを望む場所に各指を置くことによって、カスタム10指キーボードのレイアウトを作成することが可能である。10本指レイアウトを完成させるためには、ユーザは、10個のグループキー234を所望な正確な位置にドラッグすることにより最終調整することができる。この請求された方法は、様々な形状及びサイズの手に対応することができるのと同様に、手の使用に関して特定の能力を有する人々に適応するだろう。いくつかの実施形態では、ユーザは、固定された10本の指のグループキーレイアウトを提示され、キーの最終位置は、ユーザの好みの位置にキーをドラッグすることによって依然として調整され得る。
【0051】
図14を参照すると、タッチ画面のキーボードを有するシステム(または機器)がたどる例示的なプロセスが示されている。タッチ画面をホストするシステムは、ステップ300において、キーボードをタッチ画面上に表示する。次に、システムは、ステップ302において、ユーザの指先からのタッチを検出する。システムは、ステップ304において、キーボード上のタッチの位置を決定する。その後、ステップ308において、キーボード上のユーザのタッチ位置を中心とした機能群に割り当てられたキーパッドを作成する。キーパッドの作成は、その中のサブ領域、すなわちキーへのその後のスワイプが、サブ領域に対応する機能をトリガするように、タッチ画面の領域をアクティブにすることを含む。
【0052】
システムは、ステップ312において、キーボード上にキーパッドを表示する。次に、システムは、ステップ316において、キーパッド上の、タッチ画面上のユーザの指先からのスワイプを検出する。ステップ320において、システムは、スワイプの終わりにおけるユーザのタッチの位置を検出する。ステップ322において、システムは、ユーザのタッチが不感帯の外にあるか否かを評価する。タッチがまだ不感帯の内側である場合、システムは、ステップ316において、さらなるスワイプを検出するために戻る。タッチが不感帯の外側にある場合、システムは、ステップ324において、スワイプが終了したキーを強調表示する。ステップ328では、ユーザがタッチ画面から指を離したか(解除を検出したか)どうかを検出する。システムがタッチの解除を検出しない場合、システムはステップ320に戻る。システムがユーザのタッチの解除を検出した場合、システムは、ステップ332でキーに対応する機能を選択する。選択される機能は、例えば、キーボードのレベルを変更することであってもよい。この場合、システムは、ステップ336で選択されたレベルを表示する。別の場合、機能は入力フィールドの文字の登録であってもよく、この場合、システムはステップ340でその文字を表示する。
【0053】
オプションとして、キーに対応する機能は、キーに到達した直後のスワイプ時に実行されてもよい。これは、例えば、タッチが不感帯とキーの間の境界に到達したときに検出するようにキーボードを構成することによって実装されてもよい。この動作モードは、タッチの解除が検出されるまで待つよりも高速なタイピングを可能にし得る。この場合、ステップ328は省略され、プロセスは、キーが強調表示されるステップ324から破線350を経て、機能が選択されるステップ332に移行する。いくつかの実施形態では、ステップ324も省略することができる。
【0054】
図15を参照すると、タッチ画面412上に表示されたタッチ画面のキーボード408を有するプラットフォーム404を含む電子機器400の例示的な実施形態が示されている。電子機器400はまた、メモリ416と、メモリ416及びタッチ画面412に接続された一つ以上のプロセッサ420とを含む。コンピュータで読み取り可能な命令424は、タッチ画面キーボード408及び必要に応じてタッチ画面412の他の任意の出力を制御するために、メモリ416に格納され、プロセッサ(複数可)420によって処理される。プロセッサ(複数可)420は、コンピュータで読み取り可能な命令424を読み取ることによって、タッチ画面412に表示されたキーボード408で受信された任意の指タッチ入力を解釈する役割も担っている。メモリ416は、その一部または全部がプロセッサ(複数可)420内に配置されてもよい。また、機器400に存在するのは、触覚信号を出力するための、プロセッサ(複数可)420に接続されたバイブレータ430である。また、機器400には、プロセッサ(複数可)420に接続された、音声信号を出力するためのスピーカ432が存在する。タッチ画面412上のキーボード408のために構成され得る電子機器400の例は、タブレット、携帯電話、ラップトップ、家電製品、および他の電子機器を含む。デスクトップ、ラップトップ、および他の電子機器に差し込む専用タッチ画面を含む周辺タッチ画面412も含まれ得る。コンピュータで読み取り可能な命令424のプログラムコーディングは、既知のプログラミング言語を用いて実現されてもよい。
【0055】
C.変形例
いくつかの実施形態では、タッチ画面によるデータ入力を必要とする任意のアプリケーションは、限定されないが、車両ダッシュボード画面、ゲーム装置、機器制御、テレビ、ラジオ、サウンドシステム、携帯電話を含む移動通信機器、及び有線電話、タブレット、ノートパソコン及びデスクトップパソコンを含む他の電子機器を含む、現在開示されるキーボードから利益を得ることができる。キーボードは、いくつかの実施形態における任意のアプリケーションにおいて、ボイス・トゥ・テキスト又は他のアイズフリーのアクセシビリティ技術と共に使用され得る。
【0056】
キーボードは、いくつかの実施形態において、本発明の非視覚的、「アイズフリー」な性質が、音声及び/又は触覚インジケータによって増強される特徴も含み、これは、方向スワイプの開始時に所望のグループキーが選択されたとき、及びその後に方向スワイプの終了時に所望のキーが選択されたときの両方を確認するものである。滑らかな表面のタッチ画面が指定された領域、またはグループキーに分割される場合、それらの領域の各々がタッチされると、画面の隣接する領域に関連する触覚振動とは異なる触覚振動を発するとともに、非言語音声表示、及び/又は選択されたグループキーの音声識別が行われる。いくつかの実施形態では、触覚振動は、各グループキーに固有であってよい。同様に、その後、方向スワイプの過程で個々のキーに到達すると、可聴音声が、名前によって、及び/又は触覚振動によってそのキーを識別し、非言語インジケータが鳴動する。触覚及び/又は音声インジケータは、ユーザのタッチが意図するキーに到達したとき、人の指先が選択されたキーから持ち上げられたとき、又はキーに到達しそこから持ち上げられたときの両方でトリガされることがある。これらの触覚及び音声インジケータは、ユーザ又はカスタマイズによって独立してオフにすることもできる。触覚及び/又は音声インジケータは、キーボードがアクティブになったとき、例えば、表示されていないときにトリガされてもよく、これにより、ユーザは、「目を使わない(アイズフリー)」タイピングをいつ開始するか知ることができる。この場合も、キーボードが非アクティブになったとき、またはキーボードのスイッチが切られたときに、触覚および/または音声インジケータをトリガすることができる。ユーザが間違ったキーを選択し、正しいキーにタッチをスライドさせた場合、タッチされた各キーは、キーの名前を復唱する言語音声インジケータをトリガすることができる。いくつかの実施形態では、グループキーまたは個別キーの係合など、特定の機能の正常な完了時に、様々な色および光のインジケータが表示されてもよい。
【0057】
タッチを離すと機能が登録されるキーボードモードでは、指を離さずにタッチを複数のグループキー上でスライドさせてもよく、その場合、介在するキーはいずれも登録されない。異なるグループキーにスワイプしていることをユーザに示すために、音声インジケータや触覚インジケータを提供してもよい。ユーザのスワイプが目的のキーに到達し、指を離すと、ようやくキーが登録されてもよい。あるいは、ユーザのスワイプがいずれかのキーパッドの不感帯上で終了した場合、キーは登録されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、タッチ画面は、複数の機能のための一つのグループキーを有する一つの指定領域のみを有することができ、複数のレベルが採用され得る。いくつかの実施形態では、タッチ画面は、二つの指定領域に分割され、それぞれが複数の機能のためのグループキーを有し、複数のレベルが採用され得る。同じパターンで、タッチ画面をタッチ画面のサイズと目的に応じて実用的な数の指定領域に分割し、各指定領域はアプリケーションに実用的な数の機能のグループキーを有し、キーボードは所望の数のレベルを採用し、レベル変更は一度に一つ以上の選択グループキー、または一度にすべてのグループキーについてタッチ画面上でなされることが可能である。別の実施形態では、15個の指定領域を持ち、それぞれが4つの機能を持つグループキーを有することができる。別の実施形態では、10個の指定領域を持ち、それぞれに可変数の機能を持つグループキーを有することも可能である。その他、グループキーと機能の組み合わせは多数考えられる。グループキーの各々は、さらなるグループキー、又はさらなるキーパッドを表示する機能を有するキーを含む、その中にグループ化された任意の数のキーを有することができる。
【0059】
本明細書で説明するキーボードでは、一般的に理解されるパターンで記号、文字、値、及び機能をレイアウトすることができる。文字は、例えば、アルファベット順にレイアウトすることができる。例示的なキーボード上の単語は、記号に置き換えられてもよく、示されたものの代わりに他の省略形が使用されてもよい。キーボードは、個々のキーに関連する記号、文字、値または機能をカスタマイズすることによって、既存のキー記号、値および機能の位置を変更することによって、または提供されるリストから代替の記号、値または機能を採用することによって、またはASCIIコードによってまたは既存の非ラテンキーボードからを含むユーザが知っている他の電子ソースからリストされていない代替をインポートすることによって、ユーザが自分自身の最も論理的キー配列を採用できる方法をも含む。ユーザが作成したカスタマイズキーやキーボード全体は、ユーザが名前を付けて保存したり、削除したり、デフォルトに再設定したりすることができる。グループキーの異なるサイズや数がユーザによって選択されたり、異なるキーボードのレベルが選択されたリしてもよい。予測テキストがユーザによってカスタマイズされてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、タッチ画面は依然としてアクティブであり、ユーザからのキーボード入力を検出することができるが、キーボードは表示されないことがある。例えば、画像又は他のデータがタッチ画面の大部分にわたって表示され、キーボードのタッチセンシティブ領域は、タッチ画面上の非キーボード表示と一部又は完全に一致してもよい。または、キーボードは、いくつかの実施形態において、一つ以上の場所または機器のネットワークにおいて遠隔で表示されることができる。
【0061】
任意に、キーは、スワイプの代わりにタップすることによって起動されてもよい。この場合、キーボードは、グループキーがグループキーとして機能せず、代わりに、グループキー内のセクションがそれぞれ個別のキーとして機能するモードを有する。この場合、ユーザは、モード間の切り替えのオプションを有することになる。
【0062】
任意に、キーは、人が装着するグローブ、又はタッチ画面が感応するスタイラスなど、人以外のタッチによって作動させてもよい。
【0063】
異なるスワイプ距離を採用してもよい。例えば、1mm程度の小さなスワイプは、いくつかの実施形態においてキーを登録するのに十分であり、1cm程度の大きなスワイプは、他の実施形態において利用されてもよい。また、本明細書の値によって定義される範囲外のスワイプ距離も採用され得る。
【0064】
説明を通じて、本発明をより完全に理解するために、具体的な詳細が示されている。しかしながら、本発明は、これらの特定事項がなくても実施することができる。他の例では、よく知られた要素は詳細に示されたり説明されたりせず、ステップおよび特徴の繰り返しは、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために省略された。従って、本明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味とみなされる。
【0065】
本明細書に開示された特定の詳細に対する更なる変形を行うことができ、開示された本発明の範囲内にある他の実施形態をもたらすことは、当業者には明らかであろう。フローチャート中のいくつかのステップは、異なる順序で実行されてもよく、他のステップが追加されてもよく、又はプロセスの主要な結果を変更することなく一つ以上のステップが削除されてもよい。本明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、比率、及び構成は、例示に過ぎず、特定の実施形態に応じて変更することができる。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される物に従って解釈されるべきである。
【国際調査報告】