(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(54)【発明の名称】電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20230808BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20230808BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20230808BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230808BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230808BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20230808BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20230808BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20230808BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20230808BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20230808BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/204 401D
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M50/293
H01M50/249
H01M10/625
H01M50/204 401Z
H01M50/588
H01M50/591
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512757
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 CN2021109722
(87)【国際公開番号】W WO2023004780
(87)【国際公開日】2023-02-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲海▼奇
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 智▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 小▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 晨怡
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK00
5H040AA28
5H040AA32
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY06
5H040DD07
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA09
5H043AA19
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA21
5H043FA04
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池を提供し、該電池は、第1の方向に沿って並べられるN個の電池セル列(113)を含む電池セル群(110)であって、各電池セル列(113)の電池セル(20)は第2の方向に沿って並べられ、第1の方向は第2の方向に垂直である電池セル群(110)と、電池セル群(110)の第1の面(101)に設置される信号伝送アセンブリ(120)であって、バスバー部品(121)と絶縁層(122)とを含み、バスバー部品(121)は絶縁層(122)の開孔(123)で電池セル(20)と電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリ(120)と、N個の電池セル列(113)のうちの隣接する二つの電池セル列(113)の間に設置される冷却システム(130)とを含み、隣接する二つの電池セル列(113)の間の隙間の、第1の面(101)に向かう開口には、開口を閉塞して冷却システム(130)に発生した凝縮液がバスバー部品(121)に到着することを阻止するための閉塞部材(140)が設置されている。本出願の実施例の技術案は、電池の安全性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
N個の電池セル列(113)を含む電池セル群(110)であって、前記N個の電池セル列(113)は、第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル列(113)のうちの各電池セル列(113)の電池セル(20)は第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である電池セル群(110)と、
前記電池セル群(110)の第1の面(101)に設置される信号伝送アセンブリ(120)であって、前記第1の面(101)は、前記第1の方向と前記第2の方向により確定された平面に平行し、前記信号伝送アセンブリ(120)はバスバー部品(121)と絶縁層(122)とを含み、前記絶縁層(122)は前記バスバー部品(121)をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層(122)は開孔(123)を有し、前記バスバー部品(121)は前記開孔(123)で前記電池セル群(110)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリ(120)と、
前記N個の電池セル列(113)のうちの隣接する二つの電池セル列(113)の間に設置される冷却システム(130)と、
を含み、
ここで、前記隣接する二つの電池セル列(113)の間の隙間の、前記第1の面(101)に向かう開口には、前記開口を閉塞して前記冷却システム(130)に発生した凝縮液が前記バスバー部品(121)に到着することを阻止するための閉塞部材(140)が設置されている、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
前記閉塞部材(140)は前記隙間内まで延伸する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記閉塞部材(140)は前記隙間内において前記冷却システム(130)に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記閉塞部材(140)の材料は吸液材料である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記閉塞部材(140)は弾性を有し、且つ前記閉塞部材(140)は前記絶縁層(122)と前記第1の面(101)との間に圧縮される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記絶縁層(122)は前記開口に向かって突出して前記閉塞部材(140)を形成する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記閉塞部材(140)の、前記第2の方向に垂直な平面における断面は凸字状又はΩ形である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記閉塞部材(140)はストリップ状の閉塞部材であり、前記ストリップ状の閉塞部材は前記第2の方向に沿って延伸する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
電力消費機器であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、ことを特徴とする電力消費機器。
【請求項10】
電池を製造する方法であって、
N個の電池セル列(113)を含む電池セル群(110)を提供することであって、前記N個の電池セル列(113)は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル列(113)のうちの各電池セル列(113)の電池セル(20)は第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数であること(310)と、
前記電池セル群(110)の第1の面(101)に設置される信号伝送アセンブリ(120)を提供することであって、前記第1の面(101)は、前記第1の方向と前記第2の方向により確定された平面に平行し、前記信号伝送アセンブリ(120)はバスバー部品(121)と絶縁層(122)とを含み、前記絶縁層(122)は前記バスバー部品(121)をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層(122)は開孔(123)を有し、前記バスバー部品(121)は前記開孔(123)で前記電池セル群(110)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものであること(320)と、
前記N個の電池セル列(113)のうちの隣接する二つの電池セル列(113)の間に設置される冷却システム(130)を提供すること(330)と、
を含み、
ここで、前記隣接する二つの電池セル列(113)の間の隙間の、前記第1の面(101)に向かう開口には、前記開口を閉塞して前記冷却システム(130)に発生した凝縮液が前記バスバー部品(121)に到着することを阻止するための閉塞部材(140)が設置されている、ことを特徴とする電池を製造する方法。
【請求項11】
電池を製造する機器であって、提供モジュール(410)を含み、前記提供モジュール(410)は、
N個の電池セル列(113)を含む電池セル群(110)を提供することであって、前記N個の電池セル列(113)は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル列(113)のうちの各電池セル列(113)の電池セル(20)は第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数であることと、
前記電池セル群(110)の第1の面(101)に設置される信号伝送アセンブリ(120)を提供することであって、前記第1の面(101)は、前記第1の方向と前記第2の方向により確定された平面に平行し、前記信号伝送アセンブリ(120)はバスバー部品(121)と絶縁層(122)とを含み、前記絶縁層(122)は前記バスバー部品(121)をパッケージングするためのものであり、前記絶縁層(122)は開孔(123)を有し、前記バスバー部品(121)は前記開孔(123)で前記電池セル群(110)における電池セル(20)と電気的に接続するためのものであることと、
前記N個の電池セル列(113)のうちの隣接する二つの電池セル列(113)の間に設置される冷却システム(130)を提供することとに用いられ、
ここで、前記隣接する二つの電池セル列(113)の間の隙間の、前記第1の面(101)に向かう開口には、前記開口を閉塞して前記冷却システム(130)に発生した凝縮液が前記バスバー部品(121)に到着することを阻止するための閉塞部材(140)が設置されている、ことを特徴とする電池を製造する機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の日々の深刻化に伴い、新エネルギー産業はますます人々の注目を集めている。新エネルギー産業において、電池技術は、その発展に係る重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、安全性の問題が無視できない問題となっている。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。
【0004】
電池は高温高湿な環境において、その電池の筐体内で凝縮液が発生しやすく、安全上の潜在的なリスクをもたらし、電池の安全性に影響を及ぼす。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、電池の安全性を向上させることができる電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、電池を提供し、該電池は、N個の電池セル列を含む電池セル群であって、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セルは第2の方向に沿って並べられ、該第1の方向は該第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である電池セル群と、該電池セル群の第1の面に設置される信号伝送アセンブリであって、該第1の面は、該第1の方向と該第2の方向により確定された平面に平行し、該信号伝送アセンブリはバスバー部品と絶縁層とを含み、該絶縁層は該バスバー部品をパッケージングするためのものであり、該絶縁層は開孔を有し、該バスバー部品は該開孔で該電池セル群における電池セルと電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリと、該N個の電池セル列のうちの隣接する二つの電池セル列の間に設置される冷却システムとを含み、ここで、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、該第1の面に向かう開口には、該開口を閉塞して該冷却システムに発生した凝縮液が該バスバー部品に到着することを阻止するための閉塞部材が設置されている。
【0007】
本出願の実施例は、電池セル群、信号伝送アセンブリ及び冷却システムを含む電池を提供し、ここで、信号伝送アセンブリは、電池セル群の電気エネルギーを伝送するためのバスバー部品及びバスバー部品をパッケージングするための絶縁層を含み、絶縁層の設置は、外部環境要因によるバスバー部品への影響を低減し、バスバー部品の伝送性能と安全性能を確保することができ、且つバスバー部品と電池セル群との電気的接続を実現するために、絶縁層に開孔が設置され、バスバー部品は開孔で電池セル群における電池セルと電気的に接続するためのものである。また、冷却システムは電池セル群における隣接する二つの電池セル列の間に設置されてもよく、それは電池セル群における電池セルを降温させ、電池セルの発熱による安全上の問題を防止するために用いることができ、それとともに、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、電池セル群の第1の平面における開口には閉塞部材が設置されており、それによって冷却システムに発生した凝縮液が信号伝送アセンブリにおけるバスバー部品に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品の短絡、腐食などの問題を防止し、さらに短絡による発火、爆発などの安全上の問題を防止し、電池の安全性能を向上させ、また、腐食による電池寿命の問題を防止し、電池全体の寿命を向上させることができる。
【0008】
一可能な実現形態において、該閉塞部材は該隙間内まで延伸し、閉塞部材の隙間内での安定性を向上させ、且つ隙間内に進入する空気を減少させ、冷却システムに凝縮液が発生する可能性を低減し、閉塞部材の閉塞効果を向上させる。
【0009】
一可能な実現形態において、該閉塞部材は該隙間内において該冷却システムに接続される。
【0010】
該技術案において、閉塞部材と冷却システムとの間は、空気の進入を大幅に減少させ又は回避することができ、それによって冷却システムに凝縮液が発生することをより良く防止し、閉塞部材の閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0011】
一可能な実現形態において、該閉塞部材の材料は吸液材料である。
【0012】
該実施形態によって、たとえ少量の空気が冷却システムに接触して凝縮液が発生したとしても、該閉塞部材は、該凝縮液を吸収し、凝縮液が電池内で運動し、電池におけるバスバー部品又は他の部品に到着し、安全上の潜在的なリスクを発生させることを防止することができる。
【0013】
一可能な実現形態において、該閉塞部材は弾性を有し、且つ該閉塞部材は該絶縁層と該第1の面との間に圧縮される。
【0014】
該実施形態において、閉塞部材は弾性を有し、それを隣接する二つの電池セル列の間の隙間に取り付けやすく、且つ隙間内に位置する閉塞部材が圧縮状態にある場合、それと電池セルとの間に一定の作用力があり、閉塞部材の隙間での取り付け安定性及び閉塞効果を向上させることができる。さらに、閉塞部材は、隣接する二つの電池セル列の間の隙間に圧縮して設置される以外、さらに絶縁層と電池セル群の第1の面との間に圧縮して設置されるため、閉塞部材の取り付け安定性及び閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0015】
一可能な実現形態において、該絶縁層は、該開口に向かって突出して該閉塞部材を形成する。
【0016】
該実現形態において、該閉塞部材は、電池における従来の部品、例えば、絶縁層を再利用して形成されてもよく、閉塞のために追加の部品を設置する必要がなく、電池の製造コストを削減することができる。
【0017】
一可能な実現形態において、該閉塞部材の、該第2の方向に垂直な平面における断面は凸字状又はΩ形である。
【0018】
一可能な実現形態において、該閉塞部材はストリップ状の閉塞部材であり、該ストリップ状の閉塞部材は該第2の方向に沿って延伸する。
【0019】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、該電力消費機器は、第1の態様又は第1の態様におけるいずれかの可能な実現形態における電池を含み、該電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0020】
第3の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、該方法は、N個の電池セル列を含む電池セル群を提供することであって、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セルは第2の方向に沿って並べられ、該第1の方向は該第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数であることと、該電池セル群の第1の面に設置される信号伝送アセンブリを提供することであって、該第1の面は、該第1の方向と該第2の方向により確定された平面に平行し、該信号伝送アセンブリはバスバー部品と絶縁層とを含み、該絶縁層は該バスバー部品をパッケージングするためのものであり、該絶縁層は開孔を有し、該バスバー部品は該開孔で該電池セル群における電池セルと電気的に接続するためのものであることと、該N個の電池セル列のうちの隣接する二つの電池セル列の間に設置される冷却システムを提供することとを含み、ここで、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、該第1の面に向かう開口には、該開口を閉塞して該冷却システムに発生した凝縮液が該バスバー部品に到着することを阻止するための閉塞部材が設置されている。
【0021】
第4の態様によれば、電池を製造する機器を提供し、該機器は、上記第3の態様の方法を実行するモジュールを含む。
【0022】
本出願の実施例の技術案は、電池セル群、信号伝送アセンブリ及び冷却システムを含む電池を提供し、ここで、冷却システムは電池セル群における隣接する二つの電池セル列の間に設置され、電池セル群における電池セルを降温させ、電池セルの発熱による安全上の問題を防止するために用いることができ、それとともに、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、電池セル群の第1の平面における開口には閉塞部材が設置されており、それによって冷却システムに発生した凝縮液が信号伝送アセンブリにおけるバスバー部品に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品の短絡、腐食などの問題を防止し、さらに短絡による発火、爆発などの安全上の問題を防止し、電池の安全性能を向上させ、また、腐食による電池寿命の問題を防止し、電池全体の寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【
図1】本出願の一実施例による車両の概略図である。
【
図2】本出願の一実施例による電池の概略図である。
【
図3】本出願の一実施例による電池の概略図である。
【
図4】本出願の一実施例による電池セルの概略図である。
【
図5】本出願の一実施例による電池の概略分解図である。
【
図6】本出願の一実施例による電池の概略断面図である。
【
図7】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図8】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図9】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図10】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図11】
図10に示される実施例における閉塞部材の局所斜視概略図である。
【
図12】本出願の一実施例による、電池を製造する方法の概略的フローチャートである。
【
図13】本出願の一実施例による、電池を製造する機器の概略的ブロック図である。 図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、即ち、本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0025】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に指摘しない限り、使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じである。使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とし、本出願を制限することを意図していない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。「複数」は二つ以上を意味する。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を単純化するためだけのものであるため、本出願の限定として理解されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要な性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0026】
本出願において「実施例」と言及する場合、実施例で説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に説明された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的かつ暗示的に理解できる。
【0027】
以下の説明に現れる方位詞はいずれも、図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。なお、本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、たとえば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体的に接続されることであってもよいし、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0028】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本出願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0029】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例はことについて限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、長方体、又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの3つの種類に分けられ、本出願の実施例ではこれについても限定しない。
【0030】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願で言及した電池は、電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0031】
電池セルは電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)又はポリエチレン(polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0032】
異なる電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成する。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。電池はさらに電力消費機器に設置され、電力消費機器のために電気エネルギーを提供する。
【0033】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0034】
電池セルに対し、安全上の主なリスクは充電と放電する過程に由来し、適切な温度設計が必要とされる。電池セルを適切な温度に制御するために、電池内に冷却システムを設置してもよい。冷却システムは、冷媒を収容して電池セルの温度を低減させるためのものである。冷却システムは冷却部品又は冷却板などと呼ばれてもよく、冷媒は冷却流体と呼ばれてもよく、さらに具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。冷却流体は、循環して流れることによって、より高い温度調節効果を達成する。任意選択的に、冷媒は水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。冷媒が水である場合、冷却システムは、水冷板と呼ばれてもよい。
【0035】
電池の筐体にとっては、その形状は、収容される複数の電池セルに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例において、筐体は、6つの壁を有する直方体であってもよい。任意選択的に、筐体の底壁と天井壁に上記冷却システムを集積することによって、それぞれ筐体の底部と最上部において電池セルに対して冷却を行うことができる。筐体の側壁に梁が設置され、梁は複数の副壁を含み、複数の副壁は中空の梁構造を形成し、即ち梁内部はキャビティを有する。任意選択的に、筐体の底部と最上部の他、筐体の中間部、例えば、複数の電池セルの間に冷却システムを設置して冷却効果をさらに向上させてもよい。
【0036】
電池は高温高湿な環境において、その電池の筐体内で凝縮液が発生しやすく、安全上の潜在的なリスクをもたらし、電池の安全性に影響を及ぼす。具体的には、電池内の高温高湿なガスが電池の筐体内の冷却システムに当たると、凝縮液が発生し、この凝縮液が電池内の電気的接続領域に滴下すると、電池の安全性に影響を与えるおそれがある。
【0037】
これに鑑み、本出願は技術案を提供し、電池セルの間の冷却システムに発生した凝縮液が電池内の電気的接続領域に到着し、該電気的接続領域に影響を及ぼすことを阻止することによって、電池の安全性を向上させるように、電池セルの間の隙間には閉塞部材が設置されている。
【0038】
電池の筐体において、以上で言及した電池セル及び冷却部品の他、バスバー部品及び電池の他の部品をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、筐体には、電池セルを固定するための構造を設置してもよい。
【0039】
バスバー部品は、複数の電池セル間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのものである。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セル間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。バスバー部品から形成される電気的接続は、「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0040】
バスバー部品の他、電池内にセンサデバイスをさらに設置してもよく、センサデバイスは、電池セルの状態を検知するためのものであり、例えば、電池セルの温度、荷電状態などを検知する。本出願の実施例において、電池内の電気的接続領域は、バスバー部品で形成された電気的接続領域及び/又はセンサデバイスにおける電気的接続領域を含んでもよい。
【0041】
バスバー部品とセンサデバイスは、絶縁層にパッケージングして信号伝送アセンブリを形成することができる。それに応じて、信号伝送アセンブリは、電池セルの電圧及び/又はセンシング信号を伝送するために用いることができる。信号伝送アセンブリは電池セルの電極端子との接続位置に絶縁層がなく、即ち、絶縁層がここで開孔を有し、それによって電池セルの電極端子と接続する。
【0042】
電池の筐体上には、筐体内外の圧力をバランスするための圧力バランス機構が設置されてもよい。例えば、筐体内の圧力が筐体外より高い時、筐体内部のガスは圧力バランス機構を介して筐体外へ流れることができ、筐体内の圧力が筐体外より低い時、筐体外部のガスは圧力バランス機構を介して筐体内部に流れることができる。
【0043】
理解すべきこととして、以上で説明された電池の筐体における各部品は、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではなく、つまり、本出願の実施例における電池用の筐体は、上記部品を含んでもよいし、上記部品を含まなくてもよい。
【0044】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な機器、例えば、携帯電話、携帯型デバイス、ノートパソコン、電動スクーター、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙航空機などに適用でき、宇宙航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0045】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で説明された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0046】
例えば、
図1に示すように、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ14と、コントローラ13と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ13は、電池10がモータ14に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾に電池10を設置してもよい。電池10は、車両1への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両1の操作電源とすることができ、車両1の電気回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0047】
様々な電力使用の需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを含んでもよい。例えば、
図2に示すように、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は、筐体11をさらに含んでもよく、筐体11の内部は中空構造であり、複数の電池セル10は筐体11内に収容される。
図2に示すように、筐体11は2つの部分を含んでもよく、ここでそれぞれ第1の部分111(上筐体)と第2の部分112(下筐体)と呼び、第1の部分111と第2の部分112は一体に係合される。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に基づいて決定されてもよく、第1の部分111と第2の部分112はいずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分111と第2の部分112はいずれも中空の長方体であってもよく、且つそれぞれ1つの面のみが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口は対向して設置されるとともに、第1の部分111と第2の部分112は互いに係合されて、密閉のキャビティを有する筐体11を形成する。複数の電池セル20を互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み立てた後に、第1の部分111と第2の部分112を係合して形成された筐体11内に置く。
【0048】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、この電池10は、複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。具体的に、バスバー部材は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定されることができる。複数の電池セル20の電力はさらに、導電機構により筐体11を通過して引き出されてもよい。任意選択的に、導電機構は、バスバー部材に属するものであってもよい。
【0049】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は、大きい容量又は電力を実現するために、直列、並列又は直並列の方式で接続されてもよい。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュールを構成してもよい。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は限定されず、需要に応じて設置すればよい。電池は、複数の電池モジュールを含んでもよく、これら電池モジュールは、直列、並列、又は直並列に接続することができる。
【0050】
任意選択的に、
図3に示すように、筐体11の第1の部分111は、開口のない上蓋であってもよく、即ち、第1の部分111は、平板状の上蓋である。この上蓋に冷却部品を集積することによって、筐体11の最上部において電池セル20に対して冷却を行うことができる。筐体11の第2の部分112は、開口を有するキャビティであり、底壁と側壁を含む。底壁に冷却部品を集積することによって、筐体11の底部において電池セル20に対して冷却を行うことができる。側壁に梁を設置してもよく、梁は複数の副壁を含み、複数の副壁は中空の梁構造を形成し、即ち梁内部はキャビティを有する。
【0051】
任意選択的に、筐体11の底部と最上部の他、筐体11の中間部に冷却部品を設置してもよい。例えば、上下2列の電池セル20の間に冷却部品を設置することによって、冷却効果をさらに向上させることができる。
【0052】
任意選択的に、筐体11内の電池セル20の、電極端子が設置された壁は、筐体11の底壁に垂直であってもよい。つまり、電池セル20は、横方向に(「横臥」)配置されてもよい。このように、筐体11の底壁に垂直な方向に、2列ごとの電池セル20の間にいずれも冷却部品を設置してもよい。それに応じて、各電池セル20の両側にいずれも冷却部品が設置されている。任意選択的に、各電池セル20の面積が最大となる側壁に冷却部品を接続することによって、電池セル20に対する高い程度の冷却を実現する。
【0053】
図4に示すように、本出願の一実施例による電池セル20の構造概略図である。電池セル20は、1つ又は複数の電極アセンブリ22と、ハウジング211と、カバープレート212とを含む。ハウジング211とカバープレート212は、ハウジング又は電池ボックス21を形成する。ハウジング211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれ、ここで、長方体型の電池セル20に対し、ハウジング211の壁は、底壁と4つの側壁を含む。ハウジング211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み立てた後の形状に基づいて決定され、例えば、ハウジング211は、中空の長方体又は立方体又は円柱体であってもよく、かつハウジング211における1つの面は、1つ又は複数の電極アセンブリ22がハウジング211内に置かれることが可能であるように、開口を有する。例えば、ハウジング211が中空の長方体又は立方体である場合、ハウジング211のうちの1つの平面が開口面である。即ち、この平面は壁体を有さず、ハウジング211の内外を連通させる。ハウジング211が中空の円柱体であり得る場合、ハウジング211の端面が開口面である。即ち、この端面は壁体を有さず、ハウジング211の内外を連通させる。カバープレート212は開口を覆い、かつハウジング211に接続されることによって、電極アセンブリ22を配置するための密閉のキャビティを形成する。ハウジング211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0054】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに含んでもよく、2つの電極端子214はカバープレート212上に設置されてもよい。カバープレート212は、一般的には平板形状であり、2つの電極端子214は、カバープレート212の平板表面上に固定され、2つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214に対応してそれぞれ1つの接続部材23が設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよいが、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0055】
図4に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aとは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブであれば、第2のタブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ222aはもう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bはもう1つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0056】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は1つ又は複数設置されてもよいが、
図4に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設置されている。
【0057】
電池セル20上に、放圧機構213をさらに設置してもよい。放圧機構213は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達したときに作動して内圧又は温度を逃がすためのものである。
【0058】
放圧機構213はいかなる可能な放圧構造であってもよいが、本出願の実施例ではこれについても限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達する時に溶融できるように構成されている感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達する時に破裂できるように構成されている感圧性放圧機構であってもよい。
【0059】
図5は、本出願の実施例による電池10の概略的分解図を示す。
【0060】
図5に示すように、電池10は、N個の電池セル列113を含む電池セル群110であって、該N個の電池セル列113は第1の方向に沿って並べられ、且つ該N個の電池セル列113のうちの各電池セル列113の電池セル20は第2の方向に沿って並べられ、ここで、第1の方向は第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である電池セル群110を含む。
【0061】
例として、
図5において、z方向は第1の方向であり、x方向は第2の方向であり、x方向において、複数の電池セル20は並べられて一つの電池セル列113を形成し、z方向において、N個の電池セル列113は順に並べられる。
図5に示される実施例において、二つの電池セル列113がz方向において順に並べられることが例示的に示される。
【0062】
任意選択的に、いくつかの実施例において、z方向は地面の水平面に垂直な方向であってもよく、電池セル群110が地面の水平面に設置される場合、電池セル群110におけるN個の電池セル列113はz方向に沿って積み重ねて設置される。
【0063】
引き続き
図5を参照すると、本出願の実施例の電池10は、上記電池セル群110の第1の面101に設置される信号伝送アセンブリ120であって、該第1の面101は、上記第1の方向と上記第2の方向により確定された平面に平行し、該信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該絶縁層122は該バスバー部品121をパッケージングするためのものであり、且つ該絶縁層122は開孔123を有し、該バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリ120をさらに含む。
【0064】
具体的には、
図5に示される実施例において、電池セル群110における電池セル20はブロック状電池セルとして近似的に理解することができ、例えば、それは立方体構造又は長方体構造であってもよく、該電池セル20における、電極端子214が設置される面は、電池セル20の第1の面と呼ばれてもよく、複数の電池セル20がx方向に沿って並べられて一つの電池セル列113を形成する場合、該複数の電池セル20の複数の第1の面は、互いに接合されて一つの大きい平面を形成し、それを一つの電池セル列113の第1の面と呼ぶ。さらに、N個の電池セル列113がz方向に沿って並べられて電池セル群110を形成する場合、該N個の電池セル列113の第1の面が接合されて一つのより大きい平面を形成し、それを電池セル群110の第1の面101と呼び、該電池セル群110の第1の面は、z方向とx方向により確定された平面に平行する。即ち、本出願の実施例において、電池セル群110の第1の面101はxz平面に平行する。
【0065】
さらに、該電池セル群110の第1の平面101には、電池10の信号伝送アセンブリ120が設置されており、具体的には、該信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該バスバー部品121は、複数の電池セル20の電極端子に接続されてもよく、且つ該複数の電池セル20の電気エネルギーを伝送するためのものであり、バスバー部品121が複数の電池セル20の電気エネルギーを伝送するためのものであるため、その伝送性能と安全性能は、電池10にとっては、非常に重要であり、そのため、信号伝送アセンブリ120は絶縁層122をさらに含み、該バスバー部品121をパッケージングし、外部環境要因による該バスバー部品121への影響を低減し、バスバー部品121の伝送性能と安全性能を確保するためのものである。しかし、バスバー部品121と複数の電池セル20の電極端子との電気的接続を実現するために、絶縁層122には開孔123が形成されており、バスバー部品121は該開孔123で電池セル群110における電池セル20の電極端子214と電気的に接続するためのものである。
【0066】
引き続き
図5を参照すると、本出願の実施例の電池10は、N個の電池セル列113のうちの隣接する二つの電池セル列113の間に設置される冷却システム130であって、冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止するように、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の平面101に向かう開口には閉塞部材140が設置されている冷却システム130をさらに含む。
【0067】
任意選択的に、
図5に示される実施例において、冷却システム130は冷却板を含んでもよく、該冷却板は、N個の電池セル列113のうちの隣接する二つの電池セル列113の間に設置されてもよく、且つ冷却板は電池セル群110の第1の平面101に垂直に設置されてもよい。
【0068】
該技術案に基づき、冷却システム130は、隣接する二つの電池セル列113の間に設置され、該隣接する二つの電池セル列113における電池セル20を降温させることができ、任意選択的に、該冷却システム130は冷却板を含んでもよく、冷却板は、隣接する二つの電池セル列113における電池セル20に対応する面積が大きく、電池セル20に対する降温効果が高い。
【0069】
図5に示すように、冷却システム130上に形成された凝縮液による、電池セル群110の第1の面101に設置される信号伝送アセンブリ120(特に信号伝送アセンブリ120におけるバスバー部品121)への影響を低減するために、冷却システム130は、電池セル群110の第1の面101に当接せず、それによって隣接する二つの電池セル列113の間に隙間が存在する。
【0070】
冷却システム130に形成された凝縮液による、信号伝送アセンブリ120におけるバスバー部品121への影響をさらに低減するために、該隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の平面101における開口、又は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の平面101における開口には、閉塞部材140が設置されており、それによって冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止する。具体的には、該閉塞部材140は、冷却システム130に発生した凝縮液が絶縁層122の開孔123位置のバスバー部品121に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品121の短絡、腐食などの問題を防止することができる。
【0071】
上記技術案に基づき、本出願の実施例は、電池セル群110、信号伝送アセンブリ120及び冷却システム130を含む電池10を提供し、ここで、信号伝送アセンブリ120は、電池セル群113の電気エネルギーを伝送するためのバスバー部品121及びバスバー部品121をパッケージングするための絶縁層122を含み、絶縁層122の設置は、外部環境要因によるバスバー部品121への影響を低減し、バスバー部品121の伝送性能と安全性能を確保することができ、且つバスバー部品121と電池セル群110との電気的接続を実現するために、絶縁層122に開孔123が設置され、バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである。また、冷却システム130は電池セル群110における隣接する二つの電池セル列113の間に設置されてもよく、それは電池セル群110における電池セル20を降温させ、電池セル20の発熱による安全上の問題を防止するために用いることができ、それとともに、該隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の平面101における開口には閉塞部材140が設置されており、それによって冷却システム130に発生した凝縮液が信号伝送アセンブリ120におけるバスバー部品121に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品121の短絡、腐食などの問題を防止し、さらに短絡による発火、爆発などの安全上の問題を防止し、また腐食による電池性能と寿命上の問題を防止することができる。
【0072】
理解できるように、
図5において、電池セル群110がz方向に並べられる二つの電池セル列113を含む場合のみが例示され、これ以外、z方向において、電池セル群110はより数多くの電池セル列113をさらに含んでもよく、各隣接する二つの電池セル列113の間に冷却システム130が設置されてもよく、又は、そのうちの一部の隣接する二つの電池セル列113の間に冷却システム130が設置されてもよい。
【0073】
さらに理解できるように、
図5において、前記のx方向とz方向の他、三次元区間は該x方向とz方向に垂直なy方向をさらに含んでもよく、任意選択的に、本出願の実施例における電池10は複数の電池セル群113を含んでもよく、該複数の電池セル群113はy方向に沿って並べられてもよい。任意選択的に、y方向において隣接する二つの電池セル群113はミラーリングして設置されてもよい。
【0074】
以上では、
図5を結び付けながら本出願の実施例による電池10の基本的技術案を紹介した。以下は、
図6~
図9を結び付けて、本出願の実施例の電池10における各部品の関連する技術案を説明する。
【0075】
図6は、本出願の実施例による電池10の一つの概略的断面図を示す。任意選択的に、該
図6に示される断面図は、
図5における電池10のyz平面に沿う概略的断面図であってもよい。
【0076】
図6に示すように、信号伝送アセンブリ120は二層の絶縁層122を含み、二層の絶縁層122の間にバスバー部品121(
図6には図示せず)が設置され、且つ該二層の絶縁層122は、バスバー部品121を被覆して、バスバー部品121をパッケージングするためのものである。
【0077】
任意選択的に、バスバー部品121の他、信号伝送アセンブリ120は、センシング部品(図示せず)をさらに含み、同様に、該センシング部品は上記二層の絶縁層の間に設置され、該二層の絶縁層122は、さらに、該センシング部品を被覆して、センシング部品をパッケージングするためのものである。例として、センシング部品はセンサと伝送線路とを含んでもよく、ここで、センサは、電池セル20の温度、電圧、電流などの状態信号を検知するためのセンサを含むが、それに限られず、該センサにより検知された電池セル20の状態信号は伝送線路によって伝送され、該伝送線路は、例えば、電気信号伝送線又は可撓性回路基板であってもよい。
【0078】
理解できるように、バスバー部品121とセンシング部品の他、信号伝送アセンブリ120は他の電子部品をさらに含んでもよく、二層の絶縁層122は、さらに、該他の電子部品をパッケージングするために用いることができ、本出願の実施例は該電子部品の具体的なタイプについて限定しない。
【0079】
例として、本出願の実施例において、信号伝送アセンブリ120は、電池セル群110の信号伝送を実現するように、熱間プレス電池セル接続システム(Cell Connection System、CCS)であってもよい。
【0080】
図6を引き続き参照すると、冷却システム130は冷却板であり、z方向において、該冷却システム130は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に等しいか又は近いサイズであってもよく、該冷却システム130の大きい面は、電池セル20を冷却するために、電池セル20に接触してもよい。
【0081】
y方向において、該冷却システム130のサイズが電池セル20のサイズより小さくてもよいため、隣接する二つの電池セル列113の間に隙間が存在し、該隙間の第1の面101における開口には、冷却システム130に発生した凝縮液を阻止するための閉塞部材140が設置されている。
【0082】
図5と
図6から分かったように、上記隣接する二つの電池セル列113の間の隙間はx方向に沿って延伸し、対応して、閉塞部材140はストリップ状の閉塞部材であってもよく、該ストリップ状の閉塞部材はx方向に沿って延伸し、それは各電池セル列113のx方向における長さに近いか又は等しい長さであってもよい。
【0083】
図7は、
図6における閉塞部材140が位置する領域(A領域)の一つの概略的局所拡大図を示す。
【0084】
図7に示すように、該実施形態において、閉塞部材140は、該隙間の第1の面101における開口を閉塞するために、隙間外に閉塞され、電池セル群110の第1の面101に密着して設置される。
【0085】
又は、他の実施形態において、
図8と
図9は、
図6における閉塞部材140が位置する領域(A領域)の別の二つの概略的局所拡大図を示す。
【0086】
図8に示すように、該閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間内まで延伸し、閉塞部材140の隙間内における安定性を向上させ、且つ隙間内に進入する空気を減少させ、冷却システム130に凝縮液が発生する可能性を低減し、閉塞部材140の閉塞効果を向上させる。
【0087】
図9に示すように、閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間内まで延伸し、且つ冷却システム130に接続される。該技術案において、閉塞部材140と冷却システム130との間は、空気の進入を大幅に減少させ又は回避することができ、それによって冷却システム130に凝縮液が発生することをより良く防止し、閉塞部材140の閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0088】
任意選択的に、上記出願の実施例において、閉塞部材140は、冷却システム130に形成した凝縮液を吸収するための吸液材料であってもよく、該実施形態によって、たとえ少量の空気が冷却システム130に接触して凝縮液が発生したとしても、該閉塞部材140は、該凝縮液を吸収し、凝縮液が電池10内で運動し、電池10におけるバスバー部品121又は他の部品に到着し、安全上の潜在的なリスクを発生させることを防止することができる。
【0089】
任意選択的に、上記出願の実施例において、閉塞部材140は弾性を有してもよく、それを隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に取り付けやすく、且つ隙間内に位置する閉塞部材140が圧縮状態にある場合、それと電池セル20との間に一定の作用力があり、閉塞部材140の隙間での取り付け安定性及び閉塞効果を向上させることができる。
【0090】
いくつかの可能な実施形態において、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間内に位置する局所閉塞部材140が圧縮状態にあるのに対して、隙間外に位置する局所閉塞部材140は非圧縮状態にある。
【0091】
別のいくつかの可能な実施形態において、閉塞部材140全体は、いずれも圧縮状態にある。例として、
図7~
図9に示すように、閉塞部材140は、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮される。
【0092】
該実施形態によって、閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に圧縮して設置される以外、さらに絶縁層122と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮して設置されるため、閉塞部材140の取り付け安定性及び閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0093】
理解できるように、本出願の実施例において、閉塞部材140は、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮されてもよい以外、さらに、他の部品と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮されてもよく、本出願の実施例はこれについて具体的に限定しない。
【0094】
任意選択的に、上記出願の実施例において、閉塞部材140の材料は、発泡綿を含むが、それに限定されず、それは吸液能力及び/又は弾性を有し、且つコストが低く、本出願による電池10に良好に適用することができる。
【0095】
上記実施例において、閉塞部材140は、独立した部品であってもよく、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に取り付けられ、他の実施例において、該閉塞部材140は、電池10における従来の部品を再利用して形成されてもよく、閉塞のために追加の部品を設置する必要がなく、製造コストを削減することができる。
【0096】
図10は、
図6における閉塞部材140が位置する領域(A領域)の別の概略的局所拡大図を示す。
【0097】
図10に示すように、本出願の実施例において、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122は、電池セル群110の第1の面101に向かって突出して閉塞部材140を形成し、具体的には、絶縁層122は、第1の面101における開口に向かって突出して閉塞部材140を形成し、該開口は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、第1の面101における開口である。
【0098】
図6と
図10から分かったように、本出願の実施例において、信号伝送アセンブリ120の二層の絶縁層122のうち、第1の面101に近い絶縁層122における一部の領域は突出し、しわを形成し、該突出するしわは本出願の実施例の閉塞部材140を形成するためのものである。
【0099】
任意選択的に、いくつかの実施例において、閉塞部材140の、第2の方向に垂直な平面における断面はほぼΩ形を呈し、例えば、
図10に示すように、第2の方向(即ちx方向)に垂直な平面はyz平面であり、yz平面において、閉塞部材140の断面はほぼΩ形を呈する。
【0100】
又は、他の実施例において、閉塞部材140の、第2の方向に垂直な平面における断面は、他の形状を呈してもよく、例えば、「口」字状、「凸」字状又は他のいずれかの形状であり、本出願の実施例はこれについて具体的に限定しない。
【0101】
任意選択的に、
図10に示すように、該閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列の間の隙間内まで延伸することができ、該閉塞部材140は、電池セルの、隙間内に位置する壁に密着して、閉塞部材140の閉塞効果を確保することができる。
【0102】
又は、他の実施形態において、該閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間まで延伸することなく、開口位置に設置されてもよく、この場合に、良好な閉塞効果を実現するように、閉塞部材140のサイズは隙間の幅より大きい必要がある。
【0103】
以上の
図10は、閉塞部材140のyz平面における断面図のみを例示的に示し、該閉塞部材140の斜視形態をより明瞭に示すために、
図11は、
図10に示される実施例における閉塞部材140の局所斜視概略図を示す。
図11に示すように、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122が突出して形成したしわは、x方向に沿って延伸して、ストリップ状の閉塞部材140を形成する。言い換えれば、本出願の実施例において、x方向では、絶縁層122が突出して形成した閉塞部材140は、x方向に沿って延伸して、x方向に沿って延伸する電池セル列113の間の隙間に対応する開口を閉塞する。
【0104】
本出願の一実施例は、電力消費機器をさらに提供する。該電力消費機器は上記各実施例における電池10を含んでもよく、電池10は該電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである。任意選択的に、電力消費機器は、車両1、船舶又は宇宙航空機であってもよい。
【0105】
以上は、本出願の実施例による電池10及び電力消費機器を記述した。以下は、本出願の実施例による電池を製造する方法と機器を説明する。ここで、詳細に説明されない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0106】
図12は、本出願の一実施例の電池を製造する方法300の概略的フローチャートを示す。
図12に示すように、該方法300は、以下を含んでもよい。
【0107】
310、電池セル群110を提供する。
【0108】
ここで、該電池セル群110はN個の電池セル列113を含み、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列113のうちの各電池セル列113の電池セル20は第2の方向に沿って並べられ、第1の方向は第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である。
【0109】
320、信号伝送アセンブリ120を提供する。
【0110】
ここで、該信号伝送アセンブリ120は電池セル群110の第1の面101に設置され、該第1の面101は、第1の方向と第2の方向により確定された平面に平行し、信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該絶縁層122はバスバー部品121をパッケージングするためのものであり、絶縁層122は開孔123を有し、バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである。
【0111】
330、冷却システム130を提供する。
【0112】
ここで、該冷却システム130は、N個の電池セル列110のうちの隣接する二つの電池セル列110の間に設置され、隣接する二つの電池セル列110の間の隙間の、第1の面101における開口には、開口を閉塞して、冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止するための閉塞部材140が設置されている。
【0113】
図13では、本出願の一実施例による、電池を製造する機器400の概略的ブロック図が示されている。
図13に示すように、電池を製造する機器400は、提供モジュール410と取り付けモジュール420とを含んでもよい。
【0114】
提供モジュール410は、電池セル群110を提供するためのものであり、ここで、該電池セル群110はN個の電池セル列113を含み、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列113のうちの各電池セル列113の電池セル20は第2の方向に沿って並べられ、第1の方向は第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である。
【0115】
提供モジュール410は、さらに、信号伝送アセンブリ120を提供するためのものであり、ここで、該信号伝送アセンブリ120は電池セル群110の第1の面101に設置され、該第1の面101は、第1の方向と第2の方向により確定された平面に平行し、信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該絶縁層122はバスバー部品121をパッケージングするためのものであり、絶縁層122は開孔123を有し、バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである。
【0116】
提供モジュール410は、さらに、冷却システム130を提供するためのものであり、ここで、該冷却システム130は、N個の電池セル列110のうちの隣接する二つの電池セル列110の間に設置され、隣接する二つの電池セル列110の間の隙間の、第1の面101における開口には、開口を閉塞して、冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止するための閉塞部材140が設置されている。
【0117】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術的解決手段を含む。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器に関する。
【背景技術】
【0002】
環境汚染の日々の深刻化に伴い、新エネルギー産業はますます人々の注目を集めている。新エネルギー産業において、電池技術は、その発展に係る重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、安全性の問題が無視できない問題となっている。電池の安全性を確保できなければ、その電池を使用することはできない。
【0004】
電池は高温高湿な環境において、その電池の筐体内で凝縮液が発生しやすく、安全上の潜在的なリスクをもたらし、電池の安全性に影響を及ぼす。そのため、どのように電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急な解決が待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例は、電池の安全性を向上させることができる電池、電力消費機器、電池を製造する方法と機器を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、電池を提供し、該電池は、N個の電池セル列を含む電池セル群であって、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セルは第2の方向に沿って並べられ、該第1の方向は該第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である電池セル群と、該電池セル群の第1の面に設置される信号伝送アセンブリであって、該第1の面は、該第1の方向と該第2の方向により確定された平面に平行し、該信号伝送アセンブリはバスバー部品と絶縁層とを含み、該絶縁層は該バスバー部品をパッケージングするためのものであり、該絶縁層は開孔を有し、該バスバー部品は該開孔で該電池セル群における電池セルと電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリと、該N個の電池セル列のうちの隣接する二つの電池セル列の間に設置される冷却システムとを含み、ここで、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、該第1の面に向かう開口には、該開口を閉塞して該冷却システムに発生した凝縮液が該バスバー部品に到着することを阻止するための閉塞部材が設置されている。
【0007】
本出願の実施例は、電池セル群、信号伝送アセンブリ及び冷却システムを含む電池を提供し、ここで、信号伝送アセンブリは、電池セル群の電気エネルギーを伝送するためのバスバー部品及びバスバー部品をパッケージングするための絶縁層を含み、絶縁層の設置は、外部環境要因によるバスバー部品への影響を低減し、バスバー部品の伝送性能と安全性能を確保することができ、且つバスバー部品と電池セル群との電気的接続を実現するために、絶縁層に開孔が設置され、バスバー部品は開孔で電池セル群における電池セルと電気的に接続するためのものである。また、冷却システムは電池セル群における隣接する二つの電池セル列の間に設置されてもよく、それは電池セル群における電池セルを降温させ、電池セルの発熱による安全上の問題を防止するために用いることができ、それとともに、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、電池セル群の第1の面における開口には閉塞部材が設置されており、それによって冷却システムに発生した凝縮液が信号伝送アセンブリにおけるバスバー部品に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品の短絡、腐食などの問題を防止し、さらに短絡による発火、爆発などの安全上の問題を防止し、電池の安全性能を向上させ、また、腐食による電池寿命の問題を防止し、電池全体の寿命を向上させることができる。
【0008】
一可能な実現形態において、該閉塞部材は該隙間内まで延伸し、閉塞部材の隙間内での安定性を向上させ、且つ隙間内に進入する空気を減少させ、冷却システムに凝縮液が発生する可能性を低減し、閉塞部材の閉塞効果を向上させる。
【0009】
一可能な実現形態において、該閉塞部材は該隙間内において該冷却システムに接続される。
【0010】
該技術案において、閉塞部材と冷却システムとの間は、空気の進入を大幅に減少させ又は回避することができ、それによって冷却システムに凝縮液が発生することをより良く防止し、閉塞部材の閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0011】
一可能な実現形態において、該閉塞部材の材料は吸液材料である。
【0012】
該実施形態によって、たとえ少量の空気が冷却システムに接触して凝縮液が発生したとしても、該閉塞部材は、該凝縮液を吸収し、凝縮液が電池内で運動し、電池におけるバスバー部品又は他の部品に到着し、安全上の潜在的なリスクを発生させることを防止することができる。
【0013】
一可能な実現形態において、該閉塞部材は弾性を有し、且つ該閉塞部材は該絶縁層と該第1の面との間に圧縮される。
【0014】
該実施形態において、閉塞部材は弾性を有し、それを隣接する二つの電池セル列の間の隙間に取り付けやすく、且つ隙間内に位置する閉塞部材が圧縮状態にある場合、それと電池セルとの間に一定の作用力があり、閉塞部材の隙間での取り付け安定性及び閉塞効果を向上させることができる。さらに、閉塞部材は、隣接する二つの電池セル列の間の隙間に圧縮して設置される以外、さらに絶縁層と電池セル群の第1の面との間に圧縮して設置されるため、閉塞部材の取り付け安定性及び閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0015】
一可能な実現形態において、該絶縁層は、該開口に向かって突出して該閉塞部材を形成する。
【0016】
該実現形態において、該閉塞部材は、電池における従来の部品、例えば、絶縁層を再利用して形成されてもよく、閉塞のために追加の部品を設置する必要がなく、電池の製造コストを削減することができる。
【0017】
一可能な実現形態において、該閉塞部材の、該第2の方向に垂直な平面における断面は凸字状又はΩ形である。
【0018】
一可能な実現形態において、該閉塞部材はストリップ状の閉塞部材であり、該ストリップ状の閉塞部材は該第2の方向に沿って延伸する。
【0019】
第2の態様によれば、電力消費機器を提供し、該電力消費機器は、第1の態様又は第1の態様におけるいずれかの可能な実現形態における電池を含み、該電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0020】
第3の態様によれば、電池を製造する方法を提供し、該方法は、N個の電池セル列を含む電池セル群を提供することであって、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列のうちの各電池セル列の電池セルは第2の方向に沿って並べられ、該第1の方向は該第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数であることと、該電池セル群の第1の面に設置される信号伝送アセンブリを提供することであって、該第1の面は、該第1の方向と該第2の方向により確定された平面に平行し、該信号伝送アセンブリはバスバー部品と絶縁層とを含み、該絶縁層は該バスバー部品をパッケージングするためのものであり、該絶縁層は開孔を有し、該バスバー部品は該開孔で該電池セル群における電池セルと電気的に接続するためのものであることと、該N個の電池セル列のうちの隣接する二つの電池セル列の間に設置される冷却システムを提供することとを含み、ここで、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、該第1の面に向かう開口には、該開口を閉塞して該冷却システムに発生した凝縮液が該バスバー部品に到着することを阻止するための閉塞部材が設置されている。
【0021】
第4の態様によれば、電池を製造する機器を提供し、該機器は、上記第3の態様の方法を実行するモジュールを含む。
【0022】
本出願の実施例の技術案は、電池セル群、信号伝送アセンブリ及び冷却システムを含む電池を提供し、ここで、冷却システムは電池セル群における隣接する二つの電池セル列の間に設置され、電池セル群における電池セルを降温させ、電池セルの発熱による安全上の問題を防止するために用いることができ、それとともに、該隣接する二つの電池セル列の間の隙間の、電池セル群の第1の面における開口には閉塞部材が設置されており、それによって冷却システムに発生した凝縮液が信号伝送アセンブリにおけるバスバー部品に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品の短絡、腐食などの問題を防止し、さらに短絡による発火、爆発などの安全上の問題を防止し、電池の安全性能を向上させ、また、腐食による電池寿命の問題を防止し、電池全体の寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下では、本出願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【
図1】本出願の一実施例による車両の概略図である。
【
図2】本出願の一実施例による電池の概略図である。
【
図3】本出願の一実施例による電池の概略図である。
【
図4】本出願の一実施例による電池セルの概略図である。
【
図5】本出願の一実施例による電池の概略分解図である。
【
図6】本出願の一実施例による電池の概略断面図である。
【
図7】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図8】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図9】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図10】
図6における閉塞部材が位置する領域の一つの概略的局所拡大図である。
【
図11】
図10に示される実施例における閉塞部材の局所斜視概略図である。
【
図12】本出願の一実施例による、電池を製造する方法の概略的フローチャートである。
【
図13】本出願の一実施例による、電池を製造する機器の概略的ブロック図である。 図面において、図面は、実際の縮尺に応じて描かれるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面と実施例を参照して本出願の実施形態をさらに詳細に説明する。以下の実施例の詳細な説明と図面は、本出願の原理を例示的に説明するために使用されるが、本出願の範囲を限定するために使用されるべきではなく、即ち、本出願は、説明された実施例に限定されない。
【0025】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に指摘しない限り、使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じである。使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とし、本出願を制限することを意図していない。本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。「複数」は二つ以上を意味する。「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などの用語により示される方位又は位置関係は、示された装置又は素子が特定の方位を有しなければならず、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを示したり、暗示したりするのではなく、本出願を容易に説明し、説明を単純化するためだけのものであるため、本出願の限定として理解されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要な性を示したり、暗示したりするものとして理解されるべきではない。「垂直」は、厳密な意味での垂直ではないが、誤差の許容範囲内である。「平行」は、厳密な意味での平行ではないが、誤差の許容範囲内である。
【0026】
本出願において「実施例」と言及する場合、実施例で説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本出願に説明された実施例が他の実施例と組み合わされてもよいことを明示的かつ暗示的に理解できる。
【0027】
以下の説明に現れる方位詞はいずれも、図に示されている方向であり、本出願の特定の構造を限定するものではない。なお、本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、たとえば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体的に接続されることであってもよいし、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0028】
本出願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本出願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0029】
本出願において、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本出願の実施例はことについて限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、長方体、又はその他の形状などを有してもよく、本出願の実施例ではこれについても限定しない。電池セルは、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池セル、直方体角形電池セルとパウチ電池セルの3つの種類に分けられ、本出願の実施例ではこれについても限定しない。
【0030】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本出願で言及した電池は、電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的には、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0031】
電池セルは電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極板、負極板及びセパレータによって構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極活物質層が塗布された集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極活物質層が塗布された集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質は、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)又はポリエチレン(polyethylene、PE)などであってもよい。また、電極アセンブリは、捲回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0032】
異なる電力需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含んでもよく、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。任意選択的に、複数の電池セルをまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池を構成する。つまり、複数の電池セルは直接的に電池を構成してもよく、又は、まず電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールで電池を構成してもよい。電池はさらに電力消費機器に設置され、電力消費機器のために電気エネルギーを提供する。
【0033】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0034】
電池セルに対し、安全上の主なリスクは充電と放電する過程に由来し、適切な温度設計が必要とされる。電池セルを適切な温度に制御するために、電池内に冷却システムを設置してもよい。冷却システムは、冷媒を収容して電池セルの温度を低減させるためのものである。冷却システムは冷却部品又は冷却板などと呼ばれてもよく、冷媒は冷却流体と呼ばれてもよく、さらに具体的には、冷却液又は冷却ガスと呼ばれてもよい。冷却流体は、循環して流れることによって、より高い温度調節効果を達成する。任意選択的に、冷媒は水、水とエチレングリコールの混合液、又は空気などであってもよい。冷媒が水である場合、冷却システムは、水冷板と呼ばれてもよい。
【0035】
電池の筐体にとっては、その形状は、収容される複数の電池セルに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施例において、筐体は、6つの壁を有する直方体であってもよい。任意選択的に、筐体の底壁と天井壁に上記冷却システムを集積することによって、それぞれ筐体の底部と最上部において電池セルに対して冷却を行うことができる。筐体の側壁に梁が設置され、梁は複数の副壁を含み、複数の副壁は中空の梁構造を形成し、即ち梁内部はキャビティを有する。任意選択的に、筐体の底部と最上部の他、筐体の中間部、例えば、複数の電池セルの間に冷却システムを設置して冷却効果をさらに向上させてもよい。
【0036】
電池は高温高湿な環境において、その電池の筐体内で凝縮液が発生しやすく、安全上の潜在的なリスクをもたらし、電池の安全性に影響を及ぼす。具体的には、電池内の高温高湿なガスが電池の筐体内の冷却システムに当たると、凝縮液が発生し、この凝縮液が電池内の電気的接続領域に滴下すると、電池の安全性に影響を与えるおそれがある。
【0037】
これに鑑み、本出願は技術案を提供し、電池セルの間の冷却システムに発生した凝縮液が電池内の電気的接続領域に到着し、該電気的接続領域に影響を及ぼすことを阻止することによって、電池の安全性を向上させるように、電池セルの間の隙間には閉塞部材が設置されている。
【0038】
電池の筐体において、以上で言及した電池セル及び冷却部品の他、バスバー部品及び電池の他の部品をさらに含んでもよい。いくつかの実施例において、筐体には、電池セルを固定するための構造を設置してもよい。
【0039】
バスバー部品は、複数の電池セル間の電気的接続、例えば、並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現するためのものである。バスバー部品は、電池セルの電極端子を接続することによって電池セル間の電気的接続を実現することができる。いくつかの実施例において、バスバー部品は、溶接によって電池セルの電極端子に固定することができる。バスバー部品から形成される電気的接続は、「高圧接続」と呼ばれてもよい。
【0040】
バスバー部品の他、電池内にセンサデバイスをさらに設置してもよく、センサデバイスは、電池セルの状態を検知するためのものであり、例えば、電池セルの温度、荷電状態などを検知する。本出願の実施例において、電池内の電気的接続領域は、バスバー部品で形成された電気的接続領域及び/又はセンサデバイスにおける電気的接続領域を含んでもよい。
【0041】
バスバー部品とセンサデバイスは、絶縁層にパッケージングして信号伝送アセンブリを形成することができる。それに応じて、信号伝送アセンブリは、電池セルの電圧及び/又はセンシング信号を伝送するために用いることができる。信号伝送アセンブリは電池セルの電極端子との接続位置に絶縁層がなく、即ち、絶縁層がここで開孔を有し、それによって電池セルの電極端子と接続する。
【0042】
電池の筐体上には、筐体内外の圧力をバランスするための圧力バランス機構が設置されてもよい。例えば、筐体内の圧力が筐体外より高い時、筐体内部のガスは圧力バランス機構を介して筐体外へ流れることができ、筐体内の圧力が筐体外より低い時、筐体外部のガスは圧力バランス機構を介して筐体内部に流れることができる。
【0043】
理解すべきこととして、以上で説明された電池の筐体における各部品は、本出願の実施例を限定するものとして理解すべきではなく、つまり、本出願の実施例における電池用の筐体は、上記部品を含んでもよいし、上記部品を含まなくてもよい。
【0044】
本出願の実施例で説明された技術案はいずれも電池を使用する様々な機器、例えば、携帯電話、携帯型デバイス、ノートパソコン、電動スクーター、電動玩具、電動工具、電動車両、船舶及び宇宙航空機などに適用でき、宇宙航空機は飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含む。
【0045】
理解すべきこととして、本出願の実施例で説明された技術案は、上記で説明された機器のみに適用できるというわけではなく、電池を使用する全ての機器に適用できるが、説明を簡潔にするために、下記実施例では、電動車両を例にして説明する。
【0046】
例えば、
図1に示すように、本出願の一実施例による車両1の構造概略図である。車両1は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1の内部には、モータ14と、コントローラ13と、電池10とが設置されてもよく、コントローラ13は、電池10がモータ14に給電するように制御するためのものである。例えば、車両1の底部又は先頭又は後尾に電池10を設置してもよい。電池10は、車両1への給電に用いられてもよい。例えば、電池10を車両1の操作電源とすることができ、車両1の電気回路システムに用いられ、例えば、車両1の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。本出願の別の実施例では、電池10は、車両1の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1に駆動動力を提供することもできる。
【0047】
様々な電力使用の需要を満たすために、電池10は複数の電池セルを含んでもよい。例えば、
図2に示すように、本出願の一実施例による電池10の構造概略図である。電池10は、複数の電池セル20を含んでもよい。電池10は、筐体11をさらに含んでもよく、筐体11の内部は中空構造であり、複数の電池セル10は筐体11内に収容される。
図2に示すように、筐体11は2つの部分を含んでもよく、ここでそれぞれ第1の部分111(上筐体)と第2の部分112(下筐体)と呼び、第1の部分111と第2の部分112は一体に係合される。第1の部分111と第2の部分112の形状は、複数の電池セル20を組み合わせた形状に基づいて決定されてもよく、第1の部分111と第2の部分112はいずれも1つの開口を有してもよい。例えば、第1の部分111と第2の部分112はいずれも中空の長方体であってもよく、且つそれぞれ1つの面のみが開口面であり、第1の部分111の開口と第2の部分112の開口は対向して設置されるとともに、第1の部分111と第2の部分112は互いに係合されて、密閉のキャビティを有する筐体11を形成する。複数の電池セル20を互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み立てた後に、第1の部分111と第2の部分112を係合して形成された筐体11内に置く。
【0048】
任意選択的に、電池10は他の構造をさらに含んでもよいが、ここでは説明を省略する。例えば、この電池10は、複数の電池セル20の間の電気的接続、例えば、並列又は直列又は直並列接続を実現するためのバスバー部材をさらに含んでもよい。具体的に、バスバー部材は、電池セル20の電極端子に接続されることで電池セル20の間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバー部品は、溶接によって電池セル20の電極端子に固定されることができる。複数の電池セル20の電力はさらに、導電機構により筐体11を通過して引き出されてもよい。任意選択的に、導電機構は、バスバー部材に属するものであってもよい。
【0049】
様々な電力需要に応じて、電池セル20の数は、任意の数値に設定されてもよい。複数の電池セル20は、大きい容量又は電力を実現するために、直列、並列又は直並列の方式で接続されてもよい。各電池10に含まれる電池セル20の数が多い場合があるため、取り付けを容易にするために、電池セル20をグループ化して設置し、各グループの電池セル20が電池モジュールを構成してもよい。電池モジュールに含まれる電池セル20の数は限定されず、需要に応じて設置すればよい。電池は、複数の電池モジュールを含んでもよく、これら電池モジュールは、直列、並列、又は直並列に接続することができる。
【0050】
任意選択的に、
図3に示すように、筐体11の第1の部分111は、開口のない上蓋であってもよく、即ち、第1の部分111は、平板状の上蓋である。この上蓋に冷却部品を集積することによって、筐体11の最上部において電池セル20に対して冷却を行うことができる。筐体11の第2の部分112は、開口を有するキャビティであり、底壁と側壁を含む。底壁に冷却部品を集積することによって、筐体11の底部において電池セル20に対して冷却を行うことができる。側壁に梁を設置してもよく、梁は複数の副壁を含み、複数の副壁は中空の梁構造を形成し、即ち梁内部はキャビティを有する。
【0051】
任意選択的に、筐体11の底部と最上部の他、筐体11の中間部に冷却部品を設置してもよい。例えば、上下2列の電池セル20の間に冷却部品を設置することによって、冷却効果をさらに向上させることができる。
【0052】
任意選択的に、筐体11内の電池セル20の、電極端子が設置された壁は、筐体11の底壁に垂直であってもよい。つまり、電池セル20は、横方向に(「横臥」)配置されてもよい。このように、筐体11の底壁に垂直な方向に、2列ごとの電池セル20の間にいずれも冷却部品を設置してもよい。それに応じて、各電池セル20の両側にいずれも冷却部品が設置されている。任意選択的に、各電池セル20の面積が最大となる側壁に冷却部品を接続することによって、電池セル20に対する高い程度の冷却を実現する。
【0053】
図4に示すように、本出願の一実施例による電池セル20の構造概略図である。電池セル20は、1つ又は複数の電極アセンブリ22と、ハウジング211と、カバープレート212とを含む。ハウジング211とカバープレート212は、ハウジング又は電池ボックス21を形成する。ハウジング211の壁及びカバープレート212はいずれも電池セル20の壁と呼ばれ、ここで、長方体型の電池セル20に対し、ハウジング211の壁は、底壁と4つの側壁を含む。ハウジング211は、1つ又は複数の電極アセンブリ22を組み立てた後の形状に基づいて決定され、例えば、ハウジング211は、中空の長方体又は立方体又は円柱体であってもよく、かつハウジング211における1つの面は、1つ又は複数の電極アセンブリ22がハウジング211内に置かれることが可能であるように、開口を有する。例えば、ハウジング211が中空の長方体又は立方体である場合、ハウジング211のうちの1つの平面が開口面である。即ち、この平面は壁体を有さず、ハウジング211の内外を連通させる。ハウジング211が中空の円柱体であり得る場合、ハウジング211の端面が開口面である。即ち、この端面は壁体を有さず、ハウジング211の内外を連通させる。カバープレート212は開口を覆い、かつハウジング211に接続されることによって、電極アセンブリ22を配置するための密閉のキャビティを形成する。ハウジング211内には、電解質、例えば、電解液が充填されている。
【0054】
該電池セル20は2つの電極端子214をさらに含んでもよく、2つの電極端子214はカバープレート212上に設置されてもよい。カバープレート212は、一般的には平板形状であり、2つの電極端子214は、カバープレート212の平板表面上に固定され、2つの電極端子214は、それぞれ正電極端子214aと負電極端子214bである。各電極端子214に対応してそれぞれ1つの接続部材23が設置され、又は集電部材23と呼ばれてもよいが、それはカバープレート212と電極アセンブリ22との間に位置し、電極アセンブリ22と電極端子214との電気的接続を実現するためのものである。
【0055】
図4に示すように、各電極アセンブリ22は、第1のタブ221aと第2のタブ222aを有する。第1のタブ221aと第2のタブ222aとは、極性が逆である。例えば、第1のタブ221aが正極タブであれば、第2のタブ222aは負極タブである。1つ又は複数の電極アセンブリ22の第1のタブ221aは1つの接続部材23を介して1つの電極端子に接続され、1つ又は複数の電極アセンブリ22の第2のタブ222aはもう1つの接続部材23を介してもう1つの電極端子に接続される。例えば、正電極端子214aは1つの接続部材23を介して正極タブに接続され、負電極端子214bはもう1つの接続部材23を介して負極タブに接続される。
【0056】
該電池セル20において、実際の使用上の需要に応じて、電極アセンブリ22は1つ又は複数設置されてもよいが、
図4に示すように、電池セル20内に4つの独立した電極アセンブリ22が設置されている。
【0057】
電池セル20上に、放圧機構213をさらに設置してもよい。放圧機構213は、電池セル20の内圧又は温度が閾値に達したときに作動して内圧又は温度を逃がすためのものである。
【0058】
放圧機構213はいかなる可能な放圧構造であってもよいが、本出願の実施例ではこれについても限定しない。例えば、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部温度が閾値に達する時に溶融できるように構成されている感温性放圧機構であってもよく、及び/又は、放圧機構213は、放圧機構213を設けた電池セル20の内部気圧が閾値に達する時に破裂できるように構成されている感圧性放圧機構であってもよい。
【0059】
図5は、本出願の実施例による電池10の概略的分解図を示す。
【0060】
図5に示すように、電池10は、N個の電池セル列113を含む電池セル群110であって、該N個の電池セル列113は第1の方向に沿って並べられ、且つ該N個の電池セル列113のうちの各電池セル列113の電池セル20は第2の方向に沿って並べられ、ここで、第1の方向は第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である電池セル群110を含む。
【0061】
例として、
図5において、z方向は第1の方向であり、x方向は第2の方向であり、x方向において、複数の電池セル20は並べられて一つの電池セル列113を形成し、z方向において、N個の電池セル列113は順に並べられる。
図5に示される実施例において、二つの電池セル列113がz方向において順に並べられることが例示的に示される。
【0062】
任意選択的に、いくつかの実施例において、z方向は地面の水平面に垂直な方向であってもよく、電池セル群110が地面の水平面に設置される場合、電池セル群110におけるN個の電池セル列113はz方向に沿って積み重ねて設置される。
【0063】
引き続き
図5を参照すると、本出願の実施例の電池10は、上記電池セル群110の第1の面101に設置される信号伝送アセンブリ120であって、該第1の面101は、上記第1の方向と上記第2の方向により確定された平面に平行し、該信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該絶縁層122は該バスバー部品121をパッケージングするためのものであり、且つ該絶縁層122は開孔123を有し、該バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブリ120をさらに含む。
【0064】
具体的には、
図5に示される実施例において、電池セル群110における電池セル20はブロック状電池セルとして近似的に理解することができ、例えば、それは立方体構造又は長方体構造であってもよく、該電池セル20における、電極端子214が設置される面は、電池セル20の第1の面と呼ばれてもよく、複数の電池セル20がx方向に沿って並べられて一つの電池セル列113を形成する場合、該複数の電池セル20の複数の第1の面は、互いに接合されて一つの大きい平面を形成し、それを一つの電池セル列113の第1の面と呼ぶ。さらに、N個の電池セル列113がz方向に沿って並べられて電池セル群110を形成する場合、該N個の電池セル列113の第1の面が接合されて一つのより大きい平面を形成し、それを電池セル群110の第1の面101と呼び、該電池セル群110の第1の面は、z方向とx方向により確定された平面に平行する。即ち、本出願の実施例において、電池セル群110の第1の面101はxz平面に平行する。
【0065】
さらに、該電池セル群110の第1の面101には、電池10の信号伝送アセンブリ120が設置されており、具体的には、該信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該バスバー部品121は、複数の電池セル20の電極端子に接続されてもよく、且つ該複数の電池セル20の電気エネルギーを伝送するためのものであり、バスバー部品121が複数の電池セル20の電気エネルギーを伝送するためのものであるため、その伝送性能と安全性能は、電池10にとっては、非常に重要であり、そのため、信号伝送アセンブリ120は絶縁層122をさらに含み、該バスバー部品121をパッケージングし、外部環境要因による該バスバー部品121への影響を低減し、バスバー部品121の伝送性能と安全性能を確保するためのものである。しかし、バスバー部品121と複数の電池セル20の電極端子との電気的接続を実現するために、絶縁層122には開孔123が形成されており、バスバー部品121は該開孔123で電池セル群110における電池セル20の電極端子214と電気的に接続するためのものである。
【0066】
引き続き
図5を参照すると、本出願の実施例の電池10は、N個の電池セル列113のうちの隣接する二つの電池セル列113の間に設置される冷却システム130であって、冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止するように、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1
の面101に向かう開口には閉塞部材140が設置されている冷却システム130をさらに含む。
【0067】
任意選択的に、
図5に示される実施例において、冷却システム130は冷却板を含んでもよく、該冷却板は、N個の電池セル列113のうちの隣接する二つの電池セル列113の間に設置されてもよく、且つ冷却板は電池セル群110の第1
の面101に垂直に設置されてもよい。
【0068】
該技術案に基づき、冷却システム130は、隣接する二つの電池セル列113の間に設置され、該隣接する二つの電池セル列113における電池セル20を降温させることができ、任意選択的に、該冷却システム130は冷却板を含んでもよく、冷却板は、隣接する二つの電池セル列113における電池セル20に対応する面積が大きく、電池セル20に対する降温効果が高い。
【0069】
図5に示すように、冷却システム130上に形成された凝縮液による、電池セル群110の第1の面101に設置される信号伝送アセンブリ120(特に信号伝送アセンブリ120におけるバスバー部品121)への影響を低減するために、冷却システム130は、電池セル群110の第1の面101に当接せず、それによって隣接する二つの電池セル列113の間に隙間が存在する。
【0070】
冷却システム130に形成された凝縮液による、信号伝送アセンブリ120におけるバスバー部品121への影響をさらに低減するために、該隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の面101における開口、又は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の面101における開口には、閉塞部材140が設置されており、それによって冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止する。具体的には、該閉塞部材140は、冷却システム130に発生した凝縮液が絶縁層122の開孔123位置のバスバー部品121に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品121の短絡、腐食などの問題を防止することができる。
【0071】
上記技術案に基づき、本出願の実施例は、電池セル群110、信号伝送アセンブリ120及び冷却システム130を含む電池10を提供し、ここで、信号伝送アセンブリ120は、電池セル群113の電気エネルギーを伝送するためのバスバー部品121及びバスバー部品121をパッケージングするための絶縁層122を含み、絶縁層122の設置は、外部環境要因によるバスバー部品121への影響を低減し、バスバー部品121の伝送性能と安全性能を確保することができ、且つバスバー部品121と電池セル群110との電気的接続を実現するために、絶縁層122に開孔123が設置され、バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである。また、冷却システム130は電池セル群110における隣接する二つの電池セル列113の間に設置されてもよく、それは電池セル群110における電池セル20を降温させ、電池セル20の発熱による安全上の問題を防止するために用いることができ、それとともに、該隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、電池セル群110の第1の面101における開口には閉塞部材140が設置されており、それによって冷却システム130に発生した凝縮液が信号伝送アセンブリ120におけるバスバー部品121に到着することを阻止し、凝縮液によるバスバー部品121の短絡、腐食などの問題を防止し、さらに短絡による発火、爆発などの安全上の問題を防止し、また腐食による電池性能と寿命上の問題を防止することができる。
【0072】
理解できるように、
図5において、電池セル群110がz方向に並べられる二つの電池セル列113を含む場合のみが例示され、これ以外、z方向において、電池セル群110はより数多くの電池セル列113をさらに含んでもよく、各隣接する二つの電池セル列113の間に冷却システム130が設置されてもよく、又は、そのうちの一部の隣接する二つの電池セル列113の間に冷却システム130が設置されてもよい。
【0073】
さらに理解できるように、
図5において、前記のx方向とz方向の他、三次元区間は該x方向とz方向に垂直なy方向をさらに含んでもよく、任意選択的に、本出願の実施例における電池10は複数の電池セル群113を含んでもよく、該複数の電池セル群113はy方向に沿って並べられてもよい。任意選択的に、y方向において隣接する二つの電池セル群113はミラーリングして設置されてもよい。
【0074】
以上では、
図5を結び付けながら本出願の実施例による電池10の基本的技術案を紹介した。以下は、
図6~
図9を結び付けて、本出願の実施例の電池10における各部品の関連する技術案を説明する。
【0075】
図6は、本出願の実施例による電池10の一つの概略的断面図を示す。任意選択的に、該
図6に示される断面図は、
図5における電池10のyz平面に沿う概略的断面図であってもよい。
【0076】
図6に示すように、信号伝送アセンブリ120は二層の絶縁層122を含み、二層の絶縁層122の間にバスバー部品121(
図6には図示せず)が設置され、且つ該二層の絶縁層122は、バスバー部品121を被覆して、バスバー部品121をパッケージングするためのものである。
【0077】
任意選択的に、バスバー部品121の他、信号伝送アセンブリ120は、センシング部品(図示せず)をさらに含み、同様に、該センシング部品は上記二層の絶縁層の間に設置され、該二層の絶縁層122は、さらに、該センシング部品を被覆して、センシング部品をパッケージングするためのものである。例として、センシング部品はセンサと伝送線路とを含んでもよく、ここで、センサは、電池セル20の温度、電圧、電流などの状態信号を検知するためのセンサを含むが、それに限られず、該センサにより検知された電池セル20の状態信号は伝送線路によって伝送され、該伝送線路は、例えば、電気信号伝送線又は可撓性回路基板であってもよい。
【0078】
理解できるように、バスバー部品121とセンシング部品の他、信号伝送アセンブリ120は他の電子部品をさらに含んでもよく、二層の絶縁層122は、さらに、該他の電子部品をパッケージングするために用いることができ、本出願の実施例は該電子部品の具体的なタイプについて限定しない。
【0079】
例として、本出願の実施例において、信号伝送アセンブリ120は、電池セル群110の信号伝送を実現するように、熱間プレス電池セル接続システム(Cell Connection System、CCS)であってもよい。
【0080】
図6を引き続き参照すると、冷却システム130は冷却板であり、z方向において、該冷却システム130は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に等しいか又は近いサイズであってもよく、該冷却システム130の大きい面は、電池セル20を冷却するために、電池セル20に接触してもよい。
【0081】
y方向において、該冷却システム130のサイズが電池セル20のサイズより小さくてもよいため、隣接する二つの電池セル列113の間に隙間が存在し、該隙間の第1の面101における開口には、冷却システム130に発生した凝縮液を阻止するための閉塞部材140が設置されている。
【0082】
図5と
図6から分かったように、上記隣接する二つの電池セル列113の間の隙間はx方向に沿って延伸し、対応して、閉塞部材140はストリップ状の閉塞部材であってもよく、該ストリップ状の閉塞部材はx方向に沿って延伸し、それは各電池セル列113のx方向における長さに近いか又は等しい長さであってもよい。
【0083】
図7は、
図6における閉塞部材140が位置する領域(A領域)の一つの概略的局所拡大図を示す。
【0084】
図7に示すように、該実施形態において、閉塞部材140は、該隙間の第1の面101における開口を閉塞するために、隙間外に閉塞され、電池セル群110の第1の面101に密着して設置される。
【0085】
又は、他の実施形態において、
図8と
図9は、
図6における閉塞部材140が位置する領域(A領域)の別の二つの概略的局所拡大図を示す。
【0086】
図8に示すように、該閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間内まで延伸し、閉塞部材140の隙間内における安定性を向上させ、且つ隙間内に進入する空気を減少させ、冷却システム130に凝縮液が発生する可能性を低減し、閉塞部材140の閉塞効果を向上させる。
【0087】
図9に示すように、閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間内まで延伸し、且つ冷却システム130に接続される。該技術案において、閉塞部材140と冷却システム130との間は、空気の進入を大幅に減少させ又は回避することができ、それによって冷却システム130に凝縮液が発生することをより良く防止し、閉塞部材140の閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0088】
任意選択的に、上記出願の実施例において、閉塞部材140は、冷却システム130に形成した凝縮液を吸収するための吸液材料であってもよく、該実施形態によって、たとえ少量の空気が冷却システム130に接触して凝縮液が発生したとしても、該閉塞部材140は、該凝縮液を吸収し、凝縮液が電池10内で運動し、電池10におけるバスバー部品121又は他の部品に到着し、安全上の潜在的なリスクを発生させることを防止することができる。
【0089】
任意選択的に、上記出願の実施例において、閉塞部材140は弾性を有してもよく、それを隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に取り付けやすく、且つ隙間内に位置する閉塞部材140が圧縮状態にある場合、それと電池セル20との間に一定の作用力があり、閉塞部材140の隙間での取り付け安定性及び閉塞効果を向上させることができる。
【0090】
いくつかの可能な実施形態において、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間内に位置する局所閉塞部材140が圧縮状態にあるのに対して、隙間外に位置する局所閉塞部材140は非圧縮状態にある。
【0091】
別のいくつかの可能な実施形態において、閉塞部材140全体は、いずれも圧縮状態にある。例として、
図7~
図9に示すように、閉塞部材140は、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮される。
【0092】
該実施形態によって、閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に圧縮して設置される以外、さらに絶縁層122と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮して設置されるため、閉塞部材140の取り付け安定性及び閉塞効果をさらに向上させることができる。
【0093】
理解できるように、本出願の実施例において、閉塞部材140は、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮されてもよい以外、さらに、他の部品と電池セル群110の第1の面101との間に圧縮されてもよく、本出願の実施例はこれについて具体的に限定しない。
【0094】
任意選択的に、上記出願の実施例において、閉塞部材140の材料は、発泡綿を含むが、それに限定されず、それは吸液能力及び/又は弾性を有し、且つコストが低く、本出願による電池10に良好に適用することができる。
【0095】
上記実施例において、閉塞部材140は、独立した部品であってもよく、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間に取り付けられ、他の実施例において、該閉塞部材140は、電池10における従来の部品を再利用して形成されてもよく、閉塞のために追加の部品を設置する必要がなく、製造コストを削減することができる。
【0096】
図10は、
図6における閉塞部材140が位置する領域(A領域)の別の概略的局所拡大図を示す。
【0097】
図10に示すように、本出願の実施例において、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122は、電池セル群110の第1の面101に向かって突出して閉塞部材140を形成し、具体的には、絶縁層122は、第1の面101における開口に向かって突出して閉塞部材140を形成し、該開口は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、第1の面101における開口である。
【0098】
図6と
図10から分かったように、本出願の実施例において、信号伝送アセンブリ120の二層の絶縁層122のうち、第1の面101に近い絶縁層122における一部の領域は突出し、しわを形成し、該突出するしわは本出願の実施例の閉塞部材140を形成するためのものである。
【0099】
任意選択的に、いくつかの実施例において、閉塞部材140の、第2の方向に垂直な平面における断面はほぼΩ形を呈し、例えば、
図10に示すように、第2の方向(即ちx方向)に垂直な平面はyz平面であり、yz平面において、閉塞部材140の断面はほぼΩ形を呈する。
【0100】
又は、他の実施例において、閉塞部材140の、第2の方向に垂直な平面における断面は、他の形状を呈してもよく、例えば、「口」字状、「凸」字状又は他のいずれかの形状であり、本出願の実施例はこれについて具体的に限定しない。
【0101】
任意選択的に、
図10に示すように、該閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列の間の隙間内まで延伸することができ、該閉塞部材140は、電池セルの、隙間内に位置する壁に密着して、閉塞部材140の閉塞効果を確保することができる。
【0102】
又は、他の実施形態において、該閉塞部材140は、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間まで延伸することなく、開口位置に設置されてもよく、この場合に、良好な閉塞効果を実現するように、閉塞部材140のサイズは隙間の幅より大きい必要がある。
【0103】
以上の
図10は、閉塞部材140のyz平面における断面図のみを例示的に示し、該閉塞部材140の斜視形態をより明瞭に示すために、
図11は、
図10に示される実施例における閉塞部材140の局所斜視概略図を示す。
図11に示すように、信号伝送アセンブリ120における絶縁層122が突出して形成したしわは、x方向に沿って延伸して、ストリップ状の閉塞部材140を形成する。言い換えれば、本出願の実施例において、x方向では、絶縁層122が突出して形成した閉塞部材140は、x方向に沿って延伸して、x方向に沿って延伸する電池セル列113の間の隙間に対応する開口を閉塞する。
【0104】
本出願の一実施例は、電力消費機器をさらに提供する。該電力消費機器は上記各実施例における電池10を含んでもよく、電池10は該電力消費機器に電気エネルギーを提供するためのものである。任意選択的に、電力消費機器は、車両1、船舶又は宇宙航空機であってもよい。
【0105】
以上は、本出願の実施例による電池10及び電力消費機器を記述した。以下は、本出願の実施例による電池を製造する方法と機器を説明する。ここで、詳細に説明されない部分は、上記の各実施例を参照することができる。
【0106】
図12は、本出願の一実施例の電池を製造する方法300の概略的フローチャートを示す。
図12に示すように、該方法300は、以下を含んでもよい。
【0107】
310、電池セル群110を提供する。
【0108】
ここで、該電池セル群110はN個の電池セル列113を含み、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列113のうちの各電池セル列113の電池セル20は第2の方向に沿って並べられ、第1の方向は第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である。
【0109】
320、信号伝送アセンブリ120を提供する。
【0110】
ここで、該信号伝送アセンブリ120は電池セル群110の第1の面101に設置され、該第1の面101は、第1の方向と第2の方向により確定された平面に平行し、信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該絶縁層122はバスバー部品121をパッケージングするためのものであり、絶縁層122は開孔123を有し、バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである。
【0111】
330、冷却システム130を提供する。
【0112】
ここで、該冷却システム130は、N個の電池セル列113のうちの隣接する二つの電池セル列113の間に設置され、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、第1の面101における開口には、開口を閉塞して、冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止するための閉塞部材140が設置されている。
【0113】
図13では、本出願の一実施例による、電池を製造する機器400の概略的ブロック図が示されている。
図13に示すように、電池を製造する機器400は、提供モジュール41
0を含んでもよい。
【0114】
提供モジュール410は、電池セル群110を提供するためのものであり、ここで、該電池セル群110はN個の電池セル列113を含み、該N個の電池セル列は第1の方向に沿って並べられ、該N個の電池セル列113のうちの各電池セル列113の電池セル20は第2の方向に沿って並べられ、第1の方向は第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である。
【0115】
提供モジュール410は、さらに、信号伝送アセンブリ120を提供するためのものであり、ここで、該信号伝送アセンブリ120は電池セル群110の第1の面101に設置され、該第1の面101は、第1の方向と第2の方向により確定された平面に平行し、信号伝送アセンブリ120はバスバー部品121と絶縁層122とを含み、該絶縁層122はバスバー部品121をパッケージングするためのものであり、絶縁層122は開孔123を有し、バスバー部品121は開孔123で電池セル群110における電池セル20と電気的に接続するためのものである。
【0116】
提供モジュール410は、さらに、冷却システム130を提供するためのものであり、ここで、該冷却システム130は、N個の電池セル列113のうちの隣接する二つの電池セル列113の間に設置され、隣接する二つの電池セル列113の間の隙間の、第1の面101における開口には、開口を閉塞して、冷却システム130に発生した凝縮液がバスバー部品121に到着することを阻止するための閉塞部材140が設置されている。
【0117】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な改善を行うことができ、そのうちの部材を同等のものに置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれるすべての技術的解決手段を含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
N個の電池セル
列を含む電池セル
群であって、前記N個の電池セル
列は、第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル
列のうちの各電池セル
列の電池セ
ルは第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数である電池セル
群と、
前記電池セル
群の第1の
面に設置される信号伝送アセンブ
リであって、前記第1の
面は、前記第1の方向と前記第2の方向により確定された平面に平行し、前記信号伝送アセンブ
リはバスバー部
品と絶縁
層とを含み、前記絶縁
層は前記バスバー部
品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁
層は開
孔を有し、前記バスバー部
品は前記開
孔で前記電池セル
群における電池セ
ルと電気的に接続するためのものである信号伝送アセンブ
リと、
前記N個の電池セル
列のうちの隣接する二つの電池セル
列の間に設置される冷却システ
ムと、
を含み、
ここで、前記隣接する二つの電池セル
列の間の隙間の、前記第1の
面に向かう開口には、前記開口を閉塞して前記冷却システ
ムに発生した凝縮液が前記バスバー部
品に到着することを阻止するための閉塞部
材が設置されている
、電池。
【請求項2】
前記閉塞部
材は前記隙間内まで延伸する
、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記閉塞部
材は前記隙間内において前記冷却システ
ムに接続される
、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記閉塞部
材の材料は吸液材料である
、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記閉塞部
材は弾性を有し、且つ前記閉塞部
材は前記絶縁
層と前記第1の
面との間に圧縮される
、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記絶縁
層は前記開口に向かって突出して前記閉塞部
材を形成する
、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記閉塞部
材の、前記第2の方向に垂直な平面における断面は凸字状又はΩ形である
、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記閉塞部
材はストリップ状の閉塞部材であり、前記ストリップ状の閉塞部材は前記第2の方向に沿って延伸する
、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
電力消費機器であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである
、電力消費機器。
【請求項10】
電池を製造する方法であって、
N個の電池セル
列を含む電池セル
群を提供することであって、前記N個の電池セル
列は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル
列のうちの各電池セル
列の電池セ
ルは第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数であるこ
とと、
前記電池セル
群の第1の
面に設置される信号伝送アセンブ
リを提供することであって、前記第1の
面は、前記第1の方向と前記第2の方向により確定された平面に平行し、前記信号伝送アセンブ
リはバスバー部
品と絶縁
層とを含み、前記絶縁
層は前記バスバー部
品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁
層は開
孔を有し、前記バスバー部
品は前記開
孔で前記電池セル
群における電池セ
ルと電気的に接続するためのものであるこ
とと、
前記N個の電池セル
列のうちの隣接する二つの電池セル
列の間に設置される冷却システ
ムを提供するこ
とと、
を含み、
ここで、前記隣接する二つの電池セル
列の間の隙間の、前記第1の
面に向かう開口には、前記開口を閉塞して前記冷却システ
ムに発生した凝縮液が前記バスバー部
品に到着することを阻止するための閉塞部
材が設置されている
、電池を製造する方法。
【請求項11】
電池を製造する機器であって、提供モジュー
ルを含み、前記提供モジュー
ルは、
N個の電池セル
列を含む電池セル
群を提供することであって、前記N個の電池セル
列は第1の方向に沿って並べられ、前記N個の電池セル
列のうちの各電池セル
列の電池セ
ルは第2の方向に沿って並べられ、前記第1の方向は前記第2の方向に垂直であり、Nは1より大きい整数であることと、
前記電池セル
群の第1の
面に設置される信号伝送アセンブ
リを提供することであって、前記第1の
面は、前記第1の方向と前記第2の方向により確定された平面に平行し、前記信号伝送アセンブ
リはバスバー部
品と絶縁
層とを含み、前記絶縁
層は前記バスバー部
品をパッケージングするためのものであり、前記絶縁
層は開
孔を有し、前記バスバー部
品は前記開
孔で前記電池セル
群における電池セ
ルと電気的に接続するためのものであることと、
前記N個の電池セル
列のうちの隣接する二つの電池セル
列の間に設置される冷却システ
ムを提供することとに用いられ、
ここで、前記隣接する二つの電池セル
列の間の隙間の、前記第1の
面に向かう開口には、前記開口を閉塞して前記冷却システ
ムに発生した凝縮液が前記バスバー部
品に到着することを阻止するための閉塞部
材が設置されている
、電池を製造する機器。
【国際調査報告】