(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】適応型生産システム
(51)【国際特許分類】
B22F 12/80 20210101AFI20230809BHJP
B22F 10/00 20210101ALI20230809BHJP
B22F 10/31 20210101ALI20230809BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230809BHJP
B33Y 30/00 20150101ALN20230809BHJP
G05B 19/418 20060101ALN20230809BHJP
【FI】
B22F12/80
B22F10/00
B22F10/31
G06Q50/04
B33Y30/00
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575343
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021036687
(87)【国際公開番号】W WO2021252686
(87)【国際公開日】2021-12-16
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516093851
【氏名又は名称】ダイバージェント テクノロジーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Divergent Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】19601 Hamilton Avenue,Los Angeles,California 90502 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ツィンガー ケヴィン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ケンワーシー マイケル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ツィンガー ルーカス フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジンボ
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス アントニオ バーナード
(72)【発明者】
【氏名】ケラー マシュー クーパー
(72)【発明者】
【氏名】ハマデ アレックス
【テーマコード(参考)】
3C100
4K018
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA65
3C100BB06
3C100BB13
3C100BB15
3C100EE01
4K018AA06
4K018AA14
4K018BA03
4K018BA08
5L049CC03
(57)【要約】
適応型製造システム、方法、及び装置が開示されている。本開示に従う製品を製造するための装置は、設計装置と、アセンブリ装置と、設計装置及びアセンブリ装置に結合された制御装置と、を含んでもよい。制御装置は、設計装置及びアセンブリ装置から入力情報を受信する。制御装置は、製品の製造において、設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方によって使用される少なくとも1つのパラメータを変更するための出力情報を提供する。また、この装置は、試験装置をさらにオプションとして含んでもよく、その出力は、設計装置又はアセンブリ装置によって使用される少なくとも1つのパラメータを変更するために、制御装置によって使用される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を製造するための装置であって、
設計装置と、
アセンブリ装置と、
前記設計装置及び前記アセンブリ装置に結合された制御装置であって、前記制御装置が前記設計装置及び前記アセンブリ装置から入力情報を受信し、前記製品の前記製造に使用される少なくとも1つのパラメータを変更するための出力情報を提供する、制御装置と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記設計装置又は前記アセンブリ装置によって使用される少なくとも1つのパラメータを変更する間、少なくとも1つの第一のパラメータを所望の値に維持する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第一のパラメータは、強度、衝突安全性、コスト、又はアセンブリ時間のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力情報は、前記設計装置又は前記アセンブリ装置の動作を変更するために、前記設計装置及び前記アセンブリ装置に配信される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
試験装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記試験装置の出力は、前記制御装置によって、前記設計装置又は前記アセンブリ装置で使用される少なくとも1つのパラメータを変更するために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御装置は、監視装置を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記監視装置は、少なくとも前記アセンブリ装置を監視し、前記アセンブリ装置で使用される少なくとも1つの材料が、前記アセンブリ装置での前記少なくとも1つの材料の使用前の時点で、前記アセンブリ装置に提供されるようにする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記監視装置は、さらに前記設計装置を監視し、前記設計装置によってなされた前記製品の設計の変更が前記アセンブリ装置に伝達されるようにする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記監視装置は、前記少なくとも1つの材料のインベントリを監視する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
製品を製造するための装置であって、
設計装置と、
アセンブリ装置と、
メモリと、
前記メモリ、前記設計装置、及び制御装置に結合された少なくとも1つのプロセッサであって、
前記設計装置及び前記アセンブリ装置から入力情報を受信し、
前記製品の前記製造に使用される少なくとも1つのパラメータを変更するための出力情報を提供する
ように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項12】
製品を製造するための方法であって、
設計装置とアセンブリ装置の少なくとも一方から入力情報を受信するステップと、
前記設計装置と前記アセンブリ装置の少なくとも一方に出力情報を提供するステップと、
前記出力情報を用いて、前記製品の前記製造において前記設計装置及び前記アセンブリ装置の少なくとも一方が使用する少なくとも1つのパラメータを変更するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「ADAPTIVE PRODUCTION SYSTEM」と題され、2020年6月10日に出願された米国仮出願第63/037,555号の米国特許法第119条(e)の利益を主張し、また「ADAPTIVE PRODUCTION SYSTEM」と題され、2020年7月2日に出願された米国仮出願第63/047,815号の米国特許法第119条(e)の利益を主張する。参照による組み込みが認められている法域においては、この節に列挙された出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に製造業に関し、より具体的には、適応型生産システムに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車等の大型機械の製造は、高度に資本集約的な部門である。設計、金型(例えば、部品の大量生産に使用される鋼鉄製の金型)、部品の製造ライン、及び最終製品のアセンブリラインは、大きな資本支出を必要とし、設計変更のたびに、これらの製造体制の大部分を変更する必要がある。
【0004】
自動車産業の経済性、及び設計とアセンブリ作業を維持するために必要な資本支出は、しばしば、数年にわたる資本投資、設計と製造の人員チームの維持、及びアセンブリラインの確立、維持、再設計を必要とする。これらの構造が整って初めて、製造業者は、製品の生産を開始することができる。
【0005】
自動車アセンブリの重要な部分は、自動車のボディとシャーシの構造である。ボディ及びシャーシ構造は、自動車の乗員、パワートレイン、及び自動車に含まれる他の大型部品のための保護構造である。多くの自動車メーカーは、よりタイムリーかつ効率的に自動車を生産するために、「ユニボディ」構造と呼ばれるボディとシャーシを組み合わせた構造を使用している。ユニボディ構造とは、自動車のボディとシャーシを一つの構造に組み合わせ、型抜きして、溶接したものである。百年以上前にユニボディが開発されて以来、全体的な製造プロセスは、ほとんど変更されていない。ほとんどの自動車、スポーツ・ユーティリティ・ビークル、ミニバン、さらに一部の小型トラックは、ユニボディ構造を使用して作られている。
【0006】
所与の自動車の生産ライフサイクルは、最初に認識された需要から始まり、短期間しか続かない場合がある。一部の人気モデルは、数世代にわたって、時には数十年続くこともあるが、多くの自動車モデルは、2~5年ごとにスタイリング、機能、及び構成部品を更新している。モデルの設計が開始され、生産ラインが始動し、アセンブリが行われる。所与のモデルの設計を決定してから、最初に生産される自動車までの時間は、3年か4年であり、その間に、投資に対する見返りはない場合がある。
【0007】
所与の自動車モデルのユニボディは、完全に設計し、エンジニアリングするのに、1年以上を要することがある。デザインスタジオからの物理的モデルをユニボディに変換する前に、複数の特性、例えば、衝突安全性、耐久性、製造性、空気力学等の広範なコンピュータシミュレーションが必要である。エンジニアリング設計が完成すると、何百もの異なる板金ボディとフレーム部品を打ち抜くために使用される工具を機械加工するのに9~12ヵ月を要することがある。これらのボディ及びフレーム部品は、次に、ユニボディを形成するために、アセンブリラインで、多くの場合、何千ものスポット溶接を用いて、固定され、溶接される。
【0008】
ユニボディの他のタイプのアセンブリ、例えば、構造用接着剤、セルフタッピングねじ、リベット、機械的クリンチング技術等も採用されることがある。その後、ユニボディは電気塗装され、自動車の残りの部品、例えば、ガラス、ドライブトレイン、内装部品、電子機器等が取り付けられ、自動車の製造が完了する。
【0009】
この説明から分かるように、このようなシステムは資本集約的であり、しばしば、設計に特化した工具、構築機器、及び他の構成要素を使用する。このようなシステムは、修正が困難であり、迅速に、効率的に、又は財政的に妥当な方法で修正することはさらに困難である。市場勢力、技術革新、又は他の制約が変化したとき、生産ラインを修正するために必要な時間と費用は、正当化することが困難なことが多い。
【0010】
したがって、所与のモデルを生産するためのコストは、3~4年の設計及び検証期間と、6~7年の販売期間にわたって償却されることが多い。10~15年の償却は長いように思えるが、初期投資と、投資回収までの期間が長いため、任意の所与の自動車モデルに対して、収益に大きなリスクが生じる。
【発明の概要】
【0011】
適応型製造システム、方法、及び装置のいくつかの態様及び特徴が開示されている。本開示に従う製品を製造するための装置は、設計装置と、アセンブリ装置と、設計装置及びアセンブリ装置に結合された制御装置と、を備えてもよい。制御装置は、設計装置及びアセンブリ装置から入力情報を受信する。制御装置は、製品の製造において設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方によって使用される少なくとも1つのパラメータを変更するための出力情報を提供する。
【0012】
本開示の一態様に従う製品を製造するための装置は、設計装置と、アセンブリ装置と、制御装置と、を備える。制御装置は、設計装置及びアセンブリ装置に結合される。制御装置は、設計装置及びアセンブリ装置から入力情報を受け取り、製品の製造において使用される少なくとも1つのパラメータを変更するための出力情報を提供する。
【0013】
このような装置は、設計装置又はアセンブリ装置によって使用される少なくとも1つのパラメータを変更する間に、少なくとも1つの第一のパラメータを所望の値に維持する制御装置をオプションとして含んでもよく、少なくとも1つの第一のパラメータは強度、衝突安全性、コスト、又はアセンブリ時間のうちの少なくとも1つであり、出力情報は設計装置又はアセンブリ装置の動作を変更するために設計装置及びアセンブリ装置に配信される。
【0014】
このような装置は、試験装置をさらにオプションとして含んでもよく、試験装置の出力は、設計装置又はアセンブリ装置によって使用される少なくとも1つのパラメータを変更するために、制御装置によって使用される。
【0015】
制御装置は、監視装置をさらにオプションとして含んでもよく、監視装置は、少なくともアセンブリ装置を監視し、アセンブリ装置で使用される少なくとも1つの材料が、アセンブリ装置での少なくとも1つの材料の使用前の時点で、アセンブリ装置に提供されるようにし、監視装置は、設計装置をさらに監視し、設計装置によってなされる製品の設計における変更がアセンブリ装置に伝達されるようにし、監視装置は、少なくとも1つの材料のインベントリを監視する。
【0016】
本開示の一態様に従う製品を製造するための装置は、設計装置と、アセンブリ装置と、メモリと、少なくとも1つのプロセッサとを備え、少なくとも1つのプロセッサは、メモリ、設計装置、及び制御装置に結合され、設計装置及びアセンブリ装置から入力情報を受信し、製品の製造に使用される少なくとも1つのパラメータを変更するための出力情報を提供するように構成される。
【0017】
本開示の一態様に従う製品を製造するための方法は、設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方から入力情報を受信するステップと、設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方に出力情報を提供するステップと、出力情報を用いて、製品の製造において設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方が使用する少なくとも1つのパラメータを変更するステップと、を含んでもよい。
【0018】
全体の設計及び製造プロセスの変更を含む製造の他の態様は、本明細書の実施形態において例示としてのみ図示され説明される以下の詳細な説明から、当業者に容易に明らかになることが理解されるであろう。当業者によって理解され得るように、本開示の原理又は特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態で実現することができる。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものとみなされ、制限的なものとはみなされることはない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の様々な態様が、添付の図面において、限定としてではなく、例として詳細な説明に提示される。
【0020】
【
図1】本開示の一態様に従う例示的な適応型生産システム(APS)を示す。
【
図2】本開示の一態様に従う例示的なAPSを示す。
【
図3】本開示の一態様に従う処理システムの機能ブロック図を示す。
【
図4】本開示の一態様に従う設計サブシステムの一実施形態を示す。
【
図5】本開示の一態様に従う製造サブシステムの一実施形態を示す。
【
図6】本開示の一態様に従うデータボールトの一実施形態を示す。
【
図7】本開示の一態様に従う試験サブシステムの更なる詳細を示す。
【
図8】本開示の一態様に従うソフトウェア設計モジュールの更なる詳細を示す。
【
図9】本開示の一態様に従うコンポーネント設計モジュールの更なる詳細を示す。
【
図10】本開示の一態様に従うコアコンポーネント設計モジュールの更なる詳細を示す。
【
図11】本開示の一態様に従う生成的設計モジュールによって生成され得る結果のタイプのいくつかの例を示す。
【
図12】本開示の一態様に従う生成的設計モジュールによって生成され得る結果のタイプのいくつかの例を示す。
【
図13】本開示の一態様に従う生成的設計モジュールによって生成され得る結果のタイプのいくつかの例を示す。
【
図14】本開示の一態様に従う製造制約解析1011によってなされる例示的な修正を示す。
【
図15】本開示の一態様に従う荷重/境界条件(LBC)管理モジュールの例示的な動作を示す。
【
図16】本開示の一態様に従うマージン用設計モジュールの更なる詳細を示す。
【
図17】本開示の一態様に従う設計検証モジュールの更なる詳細を示す。
【
図18】本開示の一態様に従う付加モジュールの更なる詳細を示す。
【
図19】本開示の一態様に従うアセンブリモジュールの更なる詳細を示す。
【
図20】本開示の一態様に従う工場管理モジュールの更なる詳細を示す。
【
図21】本開示の一態様に従うAM粉末及び材料管理モジュールの更なる詳細を示す。
【
図22】本開示の一態様に従うAMコンポーネント製造モジュールの更なる詳細を示す。
【
図23】本開示の一態様に従うAM印刷モジュールの更なる詳細を示す。
【
図24】本開示の一態様に従う機械加工(コンポーネント)モジュールの更なる詳細を示す。
【
図25】本開示の一態様に従う材料搬送及び保管モジュールの更なる詳細を示す。
【
図26】本開示の一態様に従う品質/検査モジュールの更なる詳細を示す。
【
図27】本開示の一態様に従うコーティングの更なる詳細を示す。
【
図28A】本開示の一態様に従う3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図28B】本開示の一態様に従う3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図28C】本開示の一態様に従う3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図28D】本開示の一態様に従う3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図28E】本開示の一態様に従う3Dプリンタシステムの機能ブロック図を示す。
【
図29】本開示の一態様に従うアセンブリ製造モジュールの更なる詳細を示す。
【
図30】本開示の一態様に従う部品ステージングモジュールの更なる詳細を示す。
【
図31】本開示の一態様に従う自動アセンブリモジュールの更なる詳細を示す。
【
図32】本開示の一態様に従う自動硬化モジュールの更なる詳細を示す。
【
図33】本開示の一態様に従う機械加工(アセンブリ)モジュールの更なる詳細を示す。
【
図34】本開示の一態様に従う完成品インベントリモジュールの更なる詳細を示す。
【
図35】本開示の一態様に従うアセンブリシステムの透視図を示す。
【
図36】本開示の一態様に従うコンポーネントを付加製造するための例示的な方法を示すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、適応型生産システムの例示的な実施形態の説明を提供することを意図しており、本開示が実施され得る唯一の実施形態を示すことを意図していない。本開示を通して使用される「例示的」という用語は、「例、インスタンス、又は説明として役立つ」ことを意味し、必ずしも好ましい、有利なもの、又は排他的なものとして解釈されるべきではない。詳細な説明は、当業者に本開示の範囲を十分に伝える徹底的かつ完全な開示を提供する目的で、特定の詳細を含む。しかしながら、本開示は、これらの具体的な詳細なしに実施することができる。場合によっては、本開示を通じて提示される様々な概念を不明瞭にしないために、周知の構造及び構成要素をブロック図の形態で示すことも、あるいは完全に省略することもある。
【0022】
(概観)
本開示の一態様において、本明細書においてDivergent Adaptive Production System(商標)(DAPS(商標))と呼ばれ得る適応型生産システムは、今日の産業における現在の自動車製造プロセス及び/又は他の重工業のプロセスに存在する資本集約度、設計の柔軟性の欠如、及び長い製品サイクル問題を軽減させることができる。本開示の一態様において、DAPSは、自動車メーカーによって使用される場合、資本コストを削減し、製品サイクルを短縮し、製品導入のリスクを低減し、材料効率、エネルギー効率及び資本効率がより高い車両の生産を可能にし得る。
【0023】
本開示の一態様において、DAPSが一実施形態である適応型生産システムは、他の製造業と同様に、より局所的で弾力的な自動車産業を提供し得る。DAPSは、また、付加製造可能な製造を使用することによって、複雑な構造物(自動車等)における効率的な材料分配を可能にし得る。本開示の一態様において、DAPSのような適応型生産システムは、その動作及び/又は安全要求の間、複雑な構造物における予想される負荷経路に材料を配置する。対照的に、打ち抜かれたコンポーネントは製造プロセス駆動であるため、打ち抜かれたコンポーネントは、負荷経路として機能しない領域にも材料を含んでいる。この余分な材料は、質量とエネルギーの消費につながり、材料コストの負担にもなる。
【0024】
本開示の一態様において、DAPSのような適応型生産システムは、デジタルユニバーサル構築又は製造システムとして機能し、ユニボディ構築プロセスを部分的及び/又は完全に置き換えることができる。自動車産業以外では、DAPSのような適応型生産システムは、製品がシャーシ又はマザーボードとして機能する大きく複雑な構造物に基づいている航空宇宙のような任意の主要産業部門に適用されてもよい。そのような産業も、自動車産業に類似するDAPSのような適応型生産システムから利益を受けることができる。
【0025】
本開示の一態様において、DAPSのような適応型生産システムは、複数の製造技術を統合するエンドツーエンドの複雑な生産システムであり得る。このような態様では、デジタル設計制約がシステムへの入力として提供され、システムは、デジタル入力を表す物理的構造体を生成する。製品は、デジタル設計通りに生産されてもよいし、あるいは修正されて、全体的な設計目標が依然として達成可能かどうかを判断するために再評価されてもよい。
【0026】
本開示の一態様において、DAPSのような適応型生産システムは、設計チームに普遍的な構築モジュール又はシステムを提供することができ、ユーザが任意の構造物のための様々な設計要件を入力し、システムに、全ての入力性能要件を満たすデジタル形式の材料選択、製造順序等を含む完全にエンジニアリングされた構造物設計を生成させることを可能にする。
【0027】
設計は、付加製造、自動アセンブリ、及び統合付加製造のために設計された物理的構造体として表現されてもよい。また、システムは、コンポーネントが付加製造であるか、又はその他の製造であるかにかかわらず、設計のコンポーネントの精密アセンブリを提供し、出力として最終的な物理的構造体を生成してもよい。設計は、サイズ又は製品出力、(すなわち、生産量)を拡大縮小することができ、本開示のシステムは、いくつかの特性を維持しながら、設計及び製造プロセス全体において改善がなされ得る場所を決定するために他の特性を変更することが可能である。
【0028】
本開示の一態様において、DAPSのような適応型生産システムは、適応型生産システムのハードウェア及びソフトウェアが変更されないままであるので、現在の設計及び製造システムよりも追加の設計及び製造の柔軟性を提供し得る。その代わりに、設計要件は、システムへの入力として使用され、正確に表現された物理的構造体が出力される。本開示の一態様に従う適応型生産システムは、ある設計から別の設計にシームレスに切り替えてもよい。
【0029】
本開示の一態様において、DAPS等の適応型生産システムは、1つ以上のサブシステムを備えてもよい。各サブシステムは、1つ以上のモジュールを備えてもよい。例えば、限定ではなく、本開示の一態様において、DAPS等の適応型生産システムのサブシステムは、機能的プロセス経路、例えば、設計サブシステム、製造サブシステム、試験サブシステム、及び/又は追加のサブシステムを用いて指定されてもよい。そのような態様において、サブシステムは、モジュール、例えば、データボールト(Data Vault)モジュール、ソフトウェア設計モジュール、付加モジュール、アセンブリモジュール、付加製造(AM)コンポーネント製造モジュール、及び自動アセンブリモジュール、及び/又は追加のサブシステムを含んでもよい。
【0030】
本開示の一態様に従う適応型生産システムは、生成的又は反復的な設計プロセス、材料選択、性能要件、付加製造、ロボット製造、調達、及び機械学習をグローバル化されたシステムに統合してもよい。このグローバル化されたシステムは、性能、品質、及び工場のスループットパラメータ、並びに他のパラメータを維持しながら、設計及び製造プロセスを変更することができる。
【0031】
本開示の一態様に従う適応型生産システムは、設計、使用材料、製造データ、アセンブリプロセス、試験を監視してもよく、監視した1つの側面によって生成されたデータを使用して、システムの他の部品における側面を変更することができる。サブアセンブリレベルではなくグローバルにデータを見ることによって、コスト、性能、品質、又は他のパラメータの観点から最終製品設計を改善するために、より詳細な解析及びインテリジェンスを収集してもよい。グローバルなデータ解析により、システム全体が、ある領域における変化に適応することができるかもしれないが、別の領域では必ずしも見えないかもしれないが、それでも影響を及ぼす可能性がある。本開示に従う適応型システムは、今度は、製品全体を改善するだけでなく、システムを改善するために使用される情報を生成してもよい。
【0032】
本開示の一態様に従う適応型生産システムは、生成され生産される有用な製品あたりの材料、エネルギー、及び資本支出をより効率的に使用し得る。より大きな部分、又はシステム全体からのデータが解析に使用されるので、本開示の一態様に従う適応型生産システムは、新製品開発に着手する財務リスクを低減することができ、経済価値、生産コスト、及び環境への影響について、より多くの洞察を提供することができる。
【0033】
DAPS等の本開示の一態様に従う適応型生産システムは、デジタルユニバーサル構築システムとして見ることができる。適応型生産システムは設計に固有のものでないため、工場は、工具の組み替え、再編成、又はダウンタイムなしに、ある設計から別の設計に容易に変更することができる。適応型生産システムへのデジタル設計の入力は、物理的な出力を決定するが、システムのソフトウェア及びハードウェア、又はその構成への影響は、最小限になるか、全くない。
【0034】
(適応型生産システムの図)
図1は、本開示の一態様に従うDAPS等の例示的な適応型生産システム(APS)を示す。
【0035】
APS100は、設計サブシステム101と、製造サブシステム103との2つのサブシステムを含んでもよい。サブシステムは、データボールト105と、ソフトウェア設計モジュール107と、付加モジュール109と、アセンブリモジュール111と、AMコンポーネント製造モジュール113と、アセンブリ製造モジュール115との6つのモジュールを含むことができる。
【0036】
設計サブシステム101は、ユーザが任意の構造の設計要件を入力することを可能にし、サブシステムは、全ての入力性能要件を満たし、製造サブシステム103の付加製造及び自動アセンブリのために設計できる完全エンジニアリング構造設計(材料選択を含む)をデジタル形式で自動的に生成することができる。設計サブシステム101は、製造サブシステム103で使用されるAM及び自動アセンブリの組合せのために、特に構造設計を最適化することができる。このようにして、例えば、設計は、AMと自動アセンブリの組み合わせの特定の要件、利点、及び制限に基づくことができるので、構造は、より効率的に、コストを削減して、設計及び製造することができる。
【0037】
様々な実施形態において、設計サブシステム101は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)モデルとして実装することができる。例えば、設計サブシステム101は、インターネットを介して製造サブシステム103によってアクセスされ得るサービスとすることができる。この例では、設計サブシステム101及び製造サブシステム103は、地理的に異なる場所に存在することができる。様々な実施形態において、設計サブシステム101は、製造サブシステム103と局所的に統合されてもよく、例えば、製造サブシステムの工場フロア上の1つ以上のコンピューティングシステム及びデータベースにおいて、統合されてもよい。様々な実施形態において、設計サブシステムの機能のいくつかは、例えば、いくつかの機能に対する「工場レベル」の決定を可能にするために、製造サブシステムで代行することができる。例えば、設計サブシステムは、特定の部品の完全に設計されたCADを生成し、製造サブシステムにCADを送信し、製造サブシステムは、CADに基づいて部品のためのプリンタ命令を生成することができる。
【0038】
設計サブシステム101は、APS100で使用されるAMとアセンブリの組み合わせに基づいて、製造のための設計(DFM)を行うことができる。設計サブシステム101は、AM及び自動アセンブリの製造制約等、多くの要因を考慮することができる。例えば、設計サブシステム101は、プリンタ速度対品質、様々な材料の印刷特性等のAMの製造制約、及びロボットリーチ、ロボット速度、ロボットセルレイアウト等の自動アセンブリの制約に基づいて設計することができる。様々な実施形態において、例えば、設計サブシステム101は、特定のプリンタパラメータで特定の材料を用いて特定の部品を印刷すると、熱効果による部品の特定の収縮をもたらす可能性が高いと判断してもよい。この場合、設計サブシステム101は、収縮を補償するために設計のサイズを大きくすること、印刷後に部品をロボットセル内のアセンブリに結合するために使用する接着剤の量を調整すること、印刷速度の低下という犠牲を払って収縮を減らすためにプリンタパラメータを調整すること等の措置、あるいはこれら又は他の措置の組み合わせ等の様々な措置をとってもよい。様々な実施形態において、部品は、部品に設計されたクイックコネクト(QC)フィーチャ(すなわち、ロボットが部品をピックアップして操作するために迅速に接続できるフィーチャ)を含んでもよい。設計サブシステム101は、部品におけるQCフィーチャの位置を決定する際に、AM及びアセンブリの両方の要因を考慮してもよい。例えば、QCフィーチャを特定の場所に配置することは3D印刷にとって有利なこともあるが(例えば、QCフィーチャはサポート構造を使用せずに印刷できるため)、その場所によって、特定のアセンブリシーケンスの間に、ロボットがQCフィーチャにアクセスできなくなるかもしれない。この場合、設計サブシステム101は、QCフィーチャの位置を調整してもよく、及び/又は部品をアセンブリするために使用されるアセンブリシーケンスを調整してもよい。
【0039】
DFMの別の例では、3Dプリンタの印刷サイズ制約のために3Dプリンタが一度に大型構造物の全体を印刷できない場合、設計サブシステム101は、大型構造物を様々な分割位置で分割してもよく、その結果、構造物全体は複数の部品に分割され、それらの部品が一緒に印刷され、アセンブリされて、構造物全体を形成するようになる。この場合、分割数が少なければ、アセンブリする必要のある部品が少なくなり、一般に、アセンブリ時間が短くなる。しかしながら、設計サブシステム101は、分割の数を増やすことを決定してもよく、それによって最終的にアセンブリ時間が長くなるが、これは、分割の数が増えると、部品が小さくなるからであり、これらの部品は、ネスティング(nesting)して3Dプリンタでより効率的に印刷できる。
【0040】
このようにして、例えば、設計サブシステム101は、3Dプリンタとロボットアセンブリの統合された組み合わせを使用する特定の製造環境に対して設計してもよい。
【0041】
(データボールト105)
データボールト105は、APS100の様々なコンポーネントから収集された全てのデータに対して、スケーラブルで安全なデータ格納及びデータ照会アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を提供することができる。データマイニング及び機械学習をデータボールト105に適用して、製造プロセスにおける広範なデータカバレッジを活用し、設計、AM及びアセンブリのアルゴリズムを改善することができる。データボールト105は、APS100内の任意のモジュール(設計サブシステム101のソフトウェア設計モジュール107、付加モジュール109、及びアセンブリモジュール111と、製造サブシステム103のAMコンポーネント製造モジュール113及びアセンブリ製造モジュール115とを含む)から収集したデータも、使用時(in-service)データ(例えば、顧客使用データ(例えば、APS100によって製造され顧客によって用いられる構造体に組み込まれたセンサからのデータ)を含み得る)等のAPS100外部のソースから収集したデータも含むことができる。試験サブシステムを含む様々な実施形態では、データボールト105に収集されたデータには、試験からのデータ、例えば、以下により詳細に説明される試験サブシステム204からのデータを含むことができる。
【0042】
ソフトウェア設計モジュール107のデータは、例えば、設計入力データ(FEM、CAD)、設計目標、シミュレーションデータ(トポロジー最適化、自由形状最適化、疲労解析、衝突吸収性解析、熱解析)、設計出力(CAD、設計検証、設計目標に対する指標)、設計オプションごとの提案ジョイント、及び名目アセンブリシーケンスとコストを含むことができる。付加モジュール109のデータは、例えば、ビルドログ、ビルド命令等のAM製造中に収集されたデータ、又はAMデータ仕様で定義された他のデータを含むことができる。様々な実施形態において、AMデータは、Splunk(登録商標)等の1つ以上の様々なソフトウェアアプリケーションから利用可能であってもよい。付加モジュール109のデータは、例えば、画像処理によって解析され得るコーティング前/コーティング後の画像を含むことができる。様々な実施形態において、MinIO等のクラウドストレージを使用することができる。付加モジュール109データは、例えば、以下でより詳細に説明するような製造実行システム(MES)2003からのデータを含むことができる。アセンブリモジュール111のデータは、例えば、アセンブリ製造モジュール115のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)からのデータを含むことができる。このようにして、例えば、ロボットの動き、タイミング等の全てのデータを収集し、解析のために格納することができる。様々な実施形態において、Splunk(登録商標)等の1つ以上の様々なソフトウェアアプリケーションから利用可能であってもよい。試験サブシステムを含む様々な実施形態において、データボールト105内のデータは、試験データを含むことができる。
【0043】
データボールト105は、設計データ、AMデータ、アセンブリデータ、試験データ、使用時データ等に対する統一インターフェースを提供し、データを相関させて、品質、性能、コストを向上させることができる。データボールト105の一部である材料データベース601からのデータは、ソフトウェア設計モジュール107に転送することができる。より具体的には、このデータは、ソフトウェア設計モジュール107の一部であるアーキテクチャ設計/最適化モジュール701に転送することができ、これは、本明細書において以下でより詳細に説明する。このデータは、例えば、合金及びパラメータデータベース605からのアプリケーション用の1つ以上の合金の材料選択、接着剤データベース607からのアプリケーション用の1つ以上の接着剤の材料選択、商用オフザシェルフ(COTS)部品ライブラリ609からのCOTS形状、のうちの1つ以上を含んでもよい。材料データベース601、合金及びパラメータデータベース605、接着剤データベース607、及び商用オフザシェルフ(COTS)部品ライブラリ609は、以下でより詳細に説明される。さらに、いくつかのデータは、製造103に転送することができる。より具体的には、このデータは、本明細書において以下でより詳細に説明されるAM粉末及び材料管理214に転送することができる。このデータは、例えば、合金及びパラメータデータベース605からのアプリケーション用の1つ以上の合金の材料選択、接着剤データベース607からのアプリケーション用の1つ以上の接着剤の材料選択、のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0044】
(ソフトウェア設計モジュール107)
ソフトウェア設計モジュール107は、システムアプローチを使用して、構造性能要件、AM製造プロセス及びアセンブリプロセスについて、また効率、コスト、及び性能を最適化するためにシステムのこれらの部品のそれぞれがどのように相互作用できるかについて、考慮することによって、強力な設計者中心ソリューションを提供することができる。ソフトウェア設計モジュール107は、生成的設計とプライベートHPCクラウドを利用して、検証済みのソリューションを迅速に生成することができる。さらに、データボールト105のデータ上で機械学習を使用することによって、ソフトウェア設計モジュール107は、より多くのデータが収集され、複数のデータ次元のより良いカバレッジが達成されるにつれて、より良いソリューションを生成して製造コストを低減するために、そのアルゴリズムを自己改善することができる。
【0045】
ソフトウェア設計モジュール107の入力は、設計入力データ(FEM、CAD)、及び設計目標を含むことができる。ソフトウェア設計モジュール107は、設計出力(CAD、設計検証、設計目標に対する指標)を生成することができる。
【0046】
(付加モジュール109)
付加モジュール109は、デジタルモデル及び印刷命令等の命令を生成することができ、AMコンポーネント製造モジュール113等の製造サブシステム103のモジュールに、フィードストック(典型的には粉末又はワイヤ)をネット又はニアネット形状出力に変換する一連のプロセスを実行させることができる。命令は、さらに、例えば、3Dプリンタによって製造された物理的構造体に、目標とする性能特性が達成されたことを保証するための一連の所定の後処理及び検証ステップを通過させることができる。これらの後処理ステップは、一般に、熱的方法(例えば、熱間静水圧プレス(HIP)熱処理)、サブトラクティブプロセス(機械加工、サポート除去又は切断等)、表面仕上げ(例えば、マスメディア、化学)、及びコーティングプロセス(例えば、変換コーティング、電気コーティング、陽極酸化)の組み合わせを伴い、これらが一緒に行われて、狙いとする設計環境に対する一連の機械目標を確実に達成できる。デジタル設計の物理的実現は、システムで綿密に監視できる要因(材料組成/劣化、AMシステムの状態等)の積み重ねに基づいて、定義された一連の許容限界(寸法、材料特性)内で変化する。フィードストック及びAMシステムのこれらの監視要素は、アプリケーションの重要性及び関連する品質要件によって保証されるように、事前、現場、事後、又はそれらの任意の組み合わせで規定することができる。
【0047】
付加モジュール109の入力は、設計最適化プロセスから得られる一連の性能要件を満たすデジタルモデル(三次元構造)を含むことができる。付加モジュール109は、コンポーネントを製造するために製造サブシステム103によって使用することのできる一連の出力(例えば、コンポーネントを印刷するためのプリンタ命令、後処理命令を含む)を生成することができる。様々な実施形態において、システム性能を向上させるための後の解析のために、付加モジュール109からのデータをデータボールト105に送信して、格納することができる。
【0048】
(アセンブリモジュール111)
アセンブリモジュール111は、所与の構造/アセンブリに関する自動化特有の製造エンジニアリングを自動化するための命令を生成することができる。アセンブリ命令(例えば、ロボットアセンブリセル命令)の作成に要する時間を数週間から数分に劇的に短縮することができ、標準的なロボットアセンブリ基準を考慮するだけで到達できるよりも優れたソリューションに導く/収束させる。このモジュール自体は、ソフトウェアで具現化することができ、ユーザがCADをアップロードしてレイアウトを選択するロボットアセンブリセルのフロントエンド(プリセット可能)となり、自動化された出力は、全ての自動化フィーチャと全てのロボット及びPLC/IPCコードを含む詳細なCADにすることができる。基本的にこのモジュールが計算を完了した後、ロボットアセンブリセルに対する命令を出力することができ、それによって、セルは、物理的なアセンブリプロセスを開始するために必要な全ての情報を備えることができ、設計モジュールは、詳細なCADの自動生成に含めるための全ての自動化/製造データ(ロボットグリッパフィーチャ位置(QCの)、紫外線フィーチャ、計測フィーチャ)を受信することができる。
【0049】
アセンブリモジュール111の入力は、ロボットアセンブリレイアウト(全てのハードウェア、及びハードウェアの定量化された性能)及びアセンブリ/構造CAD(関連情報付き)を含むことができる。アセンブリモジュール111の出力は、製造データ及びフィーチャを有する詳細なCAD、完成したアセンブリの精度予測、サイクルタイム予測、アセンブリシーケンス、セルにアップロードする準備が整った全てのロボットプログラム(OLP)、注目点、経由点、プログラム論理、PLC/IPC(産業用PC)用のアセンブリログ/ガント等を含むことができる。出力は、製造サブシステム103に送信され、例えば、物理的なアセンブリのために、ロボットアセンブリセル/サーバ/MESによって使用され得る。様々な実施形態において、アセンブリモジュール111からのデータは、データボールト105に送信されて、格納され、システム性能を改善するために後の解析のために、生成されたアセンブリデータ/フィーチャを詳細CADに含めることができる。
【0050】
(製造サブシステム103)
製造サブシステム103は、設計サブシステム101によって生成された完全にエンジニアリングされた構造設計のデジタル形式を、統合された付加製造を通じて物理的構造体に表現することができ、付加製造されたコンポーネント及び他のコンポーネントを、全ての設計及び製品要件を満たして出力される最終的な物理的構造体に正確に自動的にアセンブリすることができる。
【0051】
(AMコンポーネント製造モジュール113)
AMコンポーネント製造モジュール113は、主に付加プロセスを用いて、設計意図に合わせて設計サブシステム101によって設計された構造を付加製造することができる。AMプロセスから直接経済的又は技術的に達成できない公差又は仕上げ要件を達成するために、必要に応じて、サブトラクティブプロセスを採用することができる。AMコンポーネント製造モジュール113は、例えば、1つ以上の3Dプリンタ、後処理マシン、例えば、ビルドプレート、仕上げの様々な中間状態の構造体を搬送するための自動マシン等を含むことができる。
【0052】
付加製造技術の例には、自由形状製造、溶融堆積モデリング、電子ビーム溶融、積層体製造、バインダ噴射、選択的レーザ焼結、直接金属レーザ焼結又は溶融とも、あるいは選択的レーザ溶融とも呼ばれるレーザ粉末床融合、及び立体リソグラフィー、冷間スプレー堆積、指向性エネルギー堆積等を含む。
【0053】
AMコンポーネント製造モジュール113の入力は、例えば、構造を印刷するためのプリンタ命令、構造を精緻化するための後処理命令等とすることができる。AMコンポーネント製造モジュール113の出力は、デジタル設計の物理的実現である3D印刷部品を、スタンドアロン製品として、又は他のコンポーネントと統合してアセンブリにするために、最終的な一連の要件に含むことができる。
【0054】
(アセンブリ製造モジュール115)
アセンブリ製造モジュール115は、複数のコンポーネントをアセンブリへと物理的にアセンブリすることを実行することができる。様々な実施形態において、これは、例えば、部品ステージング、自動アセンブリ、アセンブリの機械加工、及び完成品インベントリを含むことができる。アセンブリ製造モジュール115は、例えば、ロボット(例えば、ロボットアセンブリセル内に配置され得る)、自動誘導車(AGV)、部品テーブル、1つ以上の硬化オーブン等を含むことができる。アセンブリ製造モジュール115の入力は、インベントリからの物理的部品と、アセンブリモジュール111からの命令/コードとを含むことができる。様々な実施形態において、アセンブリ製造モジュール115は、MES/工場計画/インベントリソフトウェアから命令を受信し、アセンブリ製造モジュールの様々な態様を制御することができる。様々な実施形態において、MESソフトウェアは、例えば、インベントリから物理的部品を解放することを調整することができる。アセンブリ製造モジュール115の出力は、完成したアセンブリ構造体とすることができ、これは、例えば、結合、焼き付け、コンピュータ数値制御(CNC)機械加工等を行うことができる。
【0055】
図2は、本開示の一態様に従う適応型生産システムの構成を示す。
【0056】
APS200は、特に、3つのサブシステム、例えば、設計サブシステム201と、製造サブシステム203と、試験サブシステム204と、を含むことができる。サブシステムは、特に、
図2に示すように、8つのモジュールを含むことができる。
【0057】
設計サブシステム201は、ユーザが任意の構造の設計要件を入力することを可能にし、サブシステムは、全ての入力性能要件を満たし、製造サブシステム203の付加製造及び自動アセンブリのために設計できる完全エンジニアリング構造設計(材料選択を含む)をデジタル形式で自動的に生成することができる。設計サブシステム201は、製造サブシステム203で使用されるAM及び自動アセンブリの組合せのために、特に構造設計を最適化することができる。このようにして、例えば、設計は、AMと自動アセンブリの組み合わせの特定の要件、利点、及び制限に基づくことができるので、構造は、より効率的に、コストを削減して、設計及び製造することができる。
【0058】
様々な実施形態において、設計サブシステム201は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)モデルとして実装することができる。例えば、設計サブシステム201は、インターネットを介して製造サブシステム203によってアクセスされ得るサービスとすることができる。この例では、設計サブシステム201及び製造サブシステム203は、地理的に異なる場所に存在することができる。様々な実施形態において、設計サブシステム101は、製造サブシステム203と局所的に統合されてもよく、例えば、製造サブシステムの工場フロア上の1つ以上のコンピューティングシステム及びデータベースにおいて、統合されてもよい。様々な実施形態において、設計サブシステムの機能のいくつかは、例えば、いくつかの機能に対する「工場レベル」の決定を可能にするために、製造サブシステムで代行することができる。例えば、設計サブシステムは、特定の部品の完全に設計されたCADを生成し、製造サブシステムにCADを送信し、製造サブシステムは、CADに基づいて部品のためのプリンタ命令を生成することができる。
【0059】
設計サブシステム201は、APS200で使用されるAMとアセンブリの組み合わせに基づいて、製造のための設計(DFM)を行うことができる。設計サブシステム201は、AM及び自動アセンブリの製造制約等、多くの要因を考慮することができる。例えば、設計サブシステム201は、プリンタ速度対品質、様々な材料の印刷特性等のAMの製造制約、及びロボットリーチ、ロボット速度、ロボットセルレイアウト等の自動アセンブリの制約に基づいて設計することができる。様々な実施形態において、例えば、設計サブシステム201は、特定のプリンタパラメータで特定の材料を用いて特定の部品を印刷すると、熱効果による部品の特定の収縮をもたらす可能性が高いと判断してもよい。この場合、設計サブシステム201は、収縮を補償するために設計のサイズを大きくすること、部品をロボットセル内のアセンブリに結合するために使用する接着剤の量を調整すること、印刷速度の低下という犠牲を払って収縮を減らすためにプリンタパラメータを調整すること等の措置、あるいはこれら又は他の措置の組み合わせ等の様々な措置をとってもよい。様々な実施形態において、部品は、部品に設計されたクイックコネクト(QC)フィーチャ(すなわち、ロボットが部品をピックアップして操作するために迅速に接続できるフィーチャ)を含んでもよい。設計サブシステム201は、部品におけるQCフィーチャの位置を決定する際に、AM及びアセンブリの両方の要因を考慮してもよい。例えば、QCフィーチャを特定の場所に配置することは3D印刷にとって有利なこともあるが(例えば、QCフィーチャはサポート構造を使用せずに印刷できるため)、その場所によって、特定のアセンブリシーケンスの間に、ロボットがQCフィーチャにアクセスできなくなるかもしれない。この場合、設計サブシステム201は、QCフィーチャの位置を調整してもよく、及び/又は部品をアセンブリするために使用されるアセンブリシーケンスを調整してもよい。
【0060】
DFMの別の例では、3Dプリンタの印刷サイズ制約のために3Dプリンタが一度に大型構造物の全体を印刷できない場合、設計サブシステム201は、大型構造物を様々な分割位置で分割してもよく、その結果、構造物全体は複数の部品に分割され、それらの部品が一緒に印刷され、アセンブリされて、構造物全体を形成するようになる。この場合、分割数が少なければ、アセンブリする必要のある部品が少なくなり、一般に、アセンブリ時間が短くなる。しかしながら、設計サブシステム201は、分割の数を増やすことを決定してもよく、それによって最終的にアセンブリ時間が長くなるが、これは、分割の数が増えると、部品が小さくなるからであり、これらの部品は、ネスティングして3Dプリンタでより効率的に印刷できる。
【0061】
このようにして、例えば、設計サブシステム201は、3Dプリンタとロボットアセンブリの統合された組み合わせを使用する特定の製造環境に対して設計してもよい。
【0062】
(製造サブシステム203)
製造サブシステム203は、設計サブシステム201によって生成された完全にエンジニアリングされた構造設計のデジタル形式を、統合された付加製造を通じて物理的構造体に表現することができ、付加製造されたコンポーネント及び他のコンポーネントを、全ての設計及び製品要件を満タして出力される最終的な物理的構造体に正確に自動的にアセンブリすることができる。
【0063】
(データボールト205)
データボールト205は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、APS200の様々なコンポーネントから収集された全てのデータに対して、スケーラブルで安全なデータ格納及びデータ照会APIを提供することができる。データマイニング及び機械学習をデータボールト205に適用して、製造プロセスにおける広範なデータカバレッジを活用し、設計、AM及びアセンブリのアルゴリズムを改善することができる。データボールト205は、APS200内の任意のモジュール(設計サブシステム201のソフトウェア設計モジュール207、付加モジュール209、及びアセンブリモジュール211と、製造サブシステム203のAMコンポーネント製造モジュール213、アセンブリ製造モジュール215、及びAM粉末及び材料管理モジュール214と、試験サブシステム204とを含む)から収集したデータも、使用時データ(例えば、顧客使用データ(例えば、APS200によって製造され顧客によって用いられる構造体に組み込まれたセンサからのデータ)を含み得る)等のAPS100外部のソースから収集したデータも含むことができる。
【0064】
ソフトウェア設計モジュール207のデータは、例えば、設計入力データ(FEM、CAD)、設計目標、シミュレーションデータ(トポロジー最適化、自由形状最適化、疲労解析、衝突吸収性解析、熱解析)、設計出力(CAD、設計検証、設計目標に対する指標)、設計オプションごとの提案ジョイント、及び名目アセンブリシーケンスとコストを含むことができる。付加モジュール209のデータは、例えば、ビルドログ、ビルド命令等のAM製造中に収集されたデータ、又はAMデータ仕様で定義された他のデータを含むことができる。様々な実施形態において、AMデータは、Splunk(登録商標)等の1つ以上の様々なソフトウェアアプリケーションから利用可能であってもよい。付加モジュール109のデータは、例えば、画像処理によって解析され得るコーティング前/コーティング後の画像を含むことができる。様々な実施形態において、MinIO等のクラウドストレージを使用することができる。付加モジュール209データは、例えば、製造実行システム(MES)(例えば、以下でより詳細に説明するようなMES2003)からのデータを含むことができる。アセンブリモジュール211のデータは、例えば、アセンブリ製造モジュール215のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)からのデータを含むことができる。このようにして、例えば、ロボットの動き、タイミング等の全てのデータを収集し、解析のために格納することができる。様々な実施形態において、Splunk(登録商標)等の1つ以上の様々なソフトウェアアプリケーションから利用可能であってもよい。試験サブシステムを含む様々な実施形態において、データボールト205内のデータは、試験データを含むことができる。
【0065】
データボールト205は、設計データ、AMデータ、アセンブリデータ、試験データ、使用時データ等に対する統一インターフェースを提供し、データを相関させて、品質、性能、コストを向上させることができる。データボールト205の一部であり得る材料データベース601からのデータは、ソフトウェア設計モジュール207に転送することができる。より具体的には、このデータは、ソフトウェア設計モジュール207の一部であり得るアーキテクチャ設計/最適化モジュール801に転送することができ、これは、本明細書において以下でより詳細に説明する。このデータは、例えば、合金及びパラメータデータベース605からのアプリケーション用の1つ以上の合金の材料選択、接着剤データベース607からのアプリケーション用の1つ以上の接着剤の材料選択、商用オフザシェルフ(COTS)部品ライブラリ609からのCOTS形状のうちの1つ以上を含んでもよい。材料データベース601、合金及びパラメータデータベース605、接着剤データベース607、及び商用オフザシェルフ(COTS)部品ライブラリ609は、以下でより詳細に説明される。さらに、いくつかのデータは、製造203に転送することができる。より具体的には、このデータは、本明細書において以下でより詳細に説明されるAM粉末及び材料管理214に転送することができる。このデータは、例えば、合金及びパラメータデータベース605からのアプリケーション用の1つ以上の合金の材料選択、接着剤データベース607からのアプリケーション用の1つ以上の接着剤の材料選択、のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0066】
(ソフトウェア設計モジュール207)
ソフトウェア設計モジュール207は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、システムアプローチを使用して、構造性能要件、AM製造プロセス及びアセンブリプロセスについて、また効率、コスト、及び性能を最適化するためにシステムのこれらの部品のそれぞれがどのように相互作用できるかについて、考慮することによって、強力な設計者中心ソリューションを提供することができる。ソフトウェア設計モジュール207は、生成的設計とプライベートHPCクラウドを利用して、検証済みのソリューションを迅速に生成することができる。さらに、データボールト205のデータ上で機械学習を使用することによって、ソフトウェア設計モジュール207は、より多くのデータが収集され、複数のデータ次元のより良いカバレッジが達成されるにつれて、より良いソリューションを生成して製造コストを低減するために、そのアルゴリズムを自己改善することができる。
【0067】
ソフトウェア設計モジュール207の入力は、設計入力データ(FEM、CAD)、及び設計目標を含むことができる。ソフトウェア設計モジュール207は、設計出力(CAD、設計検証、設計目標に対する指標)を生成することができる。
【0068】
(付加モジュール209)
付加モジュール209は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、デジタルモデル及び印刷命令等の命令を生成することができ、AMコンポーネント製造モジュール213等の製造サブシステム203のモジュールに、フィードストック(典型的には粉末又はワイヤ)をネット又はニアネット形状出力に変換する一連のプロセスを実行させることができる。命令は、さらに、例えば、3Dプリンタによって製造された物理的構造体に、目標とする性能特性が達成されたことを保証するための一連の所定の後処理及び検証ステップを通過させることができる。これらの後処理ステップは、一般に、熱的方法(例えば、HIP、熱処理)、サブトラクティブプロセス(機械加工、サポート除去又は切断等)、表面仕上げ(例えば、マスメディア、化学)、及びコーティングプロセス(例えば、変換コーティング、電気コーティング、陽極酸化)の組み合わせを伴い、これらが一緒に行われて、狙いとする設計環境に対する一連の機械目標を確実に達成できる。デジタル設計の物理的実現は、システムで綿密に監視できる要因(材料組成/劣化、AMシステムの状態等)の積み重ねに基づいて、定義された一連の許容限界(寸法、材料特性)内で変化する。フィードストック及びAMシステムのこれらの監視要素は、アプリケーションの重要性及び関連する品質要件によって保証されるように、事前、現場、事後、又はそれらの任意の組み合わせで規定することができる。
【0069】
付加モジュール209の入力は、設計最適化プロセスから得られる一連の性能要件を満たすデジタルモデル(三次元構造)を含むことができる。付加モジュール209は、コンポーネントを製造するために製造サブシステム203によって使用することのできる一連の出力(例えば、コンポーネントを印刷するためのプリンタ命令、後処理命令を含む)を生成することができる。様々な実施形態において、システム性能を向上させるための後の解析のために、付加モジュール209からのデータをデータボールト205に送信して、格納することができる。
【0070】
(アセンブリモジュール211)
アセンブリモジュール211は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、所与の構造/アセンブリに関する自動化特有の製造エンジニアリングを自動化するための命令を生成することができる。アセンブリ命令(例えば、ロボットアセンブリセル命令)の作成に要する時間を数週間から数分に劇的に短縮することができ、標準的なロボットアセンブリ基準を考慮するだけで到達できるよりも優れたソリューションに導く/収束させる。このモジュール自体は、ソフトウェアで具現化することができ、ユーザがCADをアップロードしてレイアウトを選択するロボットアセンブリセルのフロントエンド(プリセット可能)となり、自動化された出力は、全ての自動化フィーチャと全てのロボット及びPLC/IPCコードを含む詳細なCADにすることができる。基本的にこのモジュールが計算を完了した後、ロボットアセンブリセルに対する命令を出力することができ、それによって、セルは、物理的なアセンブリプロセスを開始するために必要な全ての情報を備えることができ、設計モジュールは、詳細なCADの自動生成に含めるための全ての自動化/製造データ(ロボットグリッパフィーチャ位置(QCの)、紫外線フィーチャ、計測フィーチャ)を受信することができる。
【0071】
アセンブリモジュール111の入力は、ロボットアセンブリレイアウト(全てのハードウェア、及びハードウェアの定量化された性能)及びアセンブリ/構造CAD(関連情報付き)を含むことができる。アセンブリモジュール211の出力は、製造データ及びフィーチャを有する詳細なCAD、完成したアセンブリの精度予測、サイクルタイム予測、アセンブリシーケンス、セルにアップロードする準備が整った全てのロボットプログラム(OLP)、注目点、経由点、プログラム論理、PLC/IPC(産業用PC)用のアセンブリログ/ガント等を含むことができる。出力は、製造サブシステム203に送信され、例えば、物理的なアセンブリのために、ロボットアセンブリセル/サーバ/MESによって使用され得る。様々な実施形態において、アセンブリモジュール211からのデータは、データボールト205に送信されて、格納され、システム性能を改善するために後の解析のために、生成されたアセンブリデータ/フィーチャを詳細CADに含めることができる。
【0072】
(工場管理モジュール212)
工場管理モジュール212は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、コスト、エネルギー、時間、特定のプロセス容量等を含む製品ミックスの変動に対して、継続的に最適化することができる。工場管理モジュール212は、例えば、設計サブシステム201と製造サブシステム203との間でデータを効率的に統合するための様々なソフトウェアを含むことができる。例えば、工場管理モジュール212は、企業リソース計画(ERP)ソフトウェア、製造実行システム(MES)ソフトウェア、品質管理システム(QMS)ソフトウェア、及び/又は製品ライフサイクル管理(PLM)ソフトウェアを含むことができる。例示的な工場管理モジュールは、
図20を参照して以下でより詳細に説明される。
【0073】
(AMコンポーネント製造モジュール213)
AMコンポーネント製造モジュール213は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、主に付加プロセスを用いて、設計意図に合わせて設計サブシステム201によって設計された構造を付加製造することができる。AMプロセスから直接経済的又は技術的に達成できない公差又は仕上げ要件を達成するために、必要に応じて、サブトラクティブプロセスを採用することができる。AMコンポーネント製造モジュール213は、例えば、1つ以上の3Dプリンタ、後処理マシン、例えば、ビルドプレート、仕上げの様々な中間状態の構造体を搬送するための自動マシン等を含むことができる。
【0074】
付加製造技術の例には、自由形状製造、溶融堆積モデリング、電子ビーム溶融、積層体製造、バインダ噴射、選択的レーザ焼結、直接金属レーザ焼結又は溶融とも、あるいは選択的レーザ溶融とも呼ばれるレーザ粉末床融合、及び立体リソグラフィー、冷間スプレー堆積、指向性エネルギー堆積等を含む。
【0075】
AMコンポーネント製造モジュール213の入力は、例えば、構造を印刷するためのプリンタ命令、構造を精緻化するための後処理命令等とすることができる。AMコンポーネント製造モジュール213の出力は、デジタル設計の物理的実現である3D印刷部品を、スタンドアロン製品として、又は他のコンポーネントと統合してアセンブリにするために、最終的な一連の要件に含むことができる。
【0076】
(アセンブリ製造モジュール215)
アセンブリ製造モジュール215は、設計サブシステム201の一部として含まれることもあり、複数のコンポーネントをアセンブリへと物理的にアセンブリすることを実行することができる。様々な実施形態において、これは、例えば、部品ステージング、自動アセンブリ、アセンブリの機械加工、及び完成品インベントリを含むことができる。アセンブリ製造モジュール215は、例えば、ロボット(例えば、ロボットアセンブリセル内に配置され得る)、自動誘導車(AGV)、部品テーブル、1つ以上の硬化オーブン等を含むことができる。アセンブリ製造モジュール215の入力は、インベントリからの物理的部品と、アセンブリモジュール211からの命令/コードとを含むことができる。様々な実施形態において、アセンブリ製造モジュール215は、MES/工場計画/インベントリソフトウェア2003から命令を受信し、アセンブリ製造モジュールの様々な態様を制御することができる。様々な実施形態において、MESソフトウェア2003は、例えば、インベントリから物理的部品を解放することを調整することができる。アセンブリ製造モジュール115の出力は、完成したアセンブリ構造体とすることができ、これは、例えば、結合、焼き付け、CNC機械加工等を行うことができる。
【0077】
(AM粉末及び材料管理214)
AM粉末及び材料管理214は、製造サブシステム203の一部として含まれることもあり、ライフサイクルのプロセスフィードストックと、廃棄物/リサイクル部分との両方を含み得る工場内の材料管理を含むことができる。
【0078】
AM粉末及び材料管理214の入力には、ベンダーから供給されるバージン粉末、バルク容器内の接着剤(システムは現場で修正することができる)、ベンダーから供給されるCOTS、工場のAMコンポーネントを循環する使用済み粉末、プリンタ、表面仕上げ、機械加工、コーティング及びボンディングシステムの廃棄物管理要件を含むことができる。AM粉末及び材料管理214の出力には、工場内で必要な品質と状態(生、半仕上げ、仕上げ)で、これらの材料を必要とする個々のセクション/モジュールに全体的に供給することを含む。例示的なAM粉末及び材料管理モジュールは、以下でより詳細に説明される。
【0079】
(試験サブシステム204)
試験サブシステム204は、詳細な試験及び検証プロセスを通じて、設計サブシステム201によって使用、設計、及びエンジニアリングされ、製造サブシステム203によって製造される材料、コンポーネント及びアセンブリの機械特性及び物理特性のデータを、生成することができる。例示的な試験サブシステムは、
図5を参照して、以下でより詳細に説明される。
【0080】
図3は、本開示の一態様に従う処理システムの機能ブロック図を示す。
【0081】
本開示の一態様では、コンピュータソフトウェアを含む制御デバイス及び/又は要素は、APS100又はAPS200に結合されて、APS100又はAPS200内の1つ以上のコンポーネントを制御してもよい。そのようなデバイスは、コンピュータ300であってもよく、コンピュータ300は、APS100又はAPS200の制御を支援し得る1つ以上のコンポーネントを含んでもよい。理解を容易にするために、
図3は、コンピュータ300がAPS100に結合されていることを示すように図示されるが、コンピュータ300は、APS100及び/又はAPS200の一部であってもよく、APS200を制御してもよく、あるいは本開示の一態様に従う任意のAPSの一部であっても、又は任意のAPSを制御してもよい。
【0082】
コンピュータ300は、1つ以上のインターフェース302を介して、APS100、及び/又はAPSの部分と通信してもよい。コンピュータ300及び/又はインターフェース302は、本明細書に記載の様々な方法を実装するように構成され得るデバイスの例である。
【0083】
本開示の一態様では、コンピュータ300は、少なくとも1つのプロセッサ304と、メモリ306と、信号検出器308と、デジタル信号プロセッサ(DSP)310と、1つ以上のユーザインターフェース312と、を備えてもよい。コンピュータ300は、本開示の範囲から逸脱することなく、追加のコンポーネントを含んでもよい。
【0084】
プロセッサ304は、中央処理ユニット(CPU)とも呼ばれることがある。メモリ306は、読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでもよく、プロセッサ304に命令及び/又はデータを提供してもよい。メモリ306の一部分は、また、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでもよい。プロセッサ304は、典型的には、メモリ306内に格納されたプログラム命令に基づいて、論理演算及び算術演算を実行する。メモリ306内の命令は、本明細書に記載される方法を実装するために(例えば、プロセッサ304によって)実行可能であってもよい。メモリ306、又はメモリ306の一部分は、本開示の態様において、データボールト105又はデータボールト205として具現化されてもよい。
【0085】
プロセッサ304は、1つ以上のプロセッサで実装された処理システムのコンポーネントを備えてもよいし、そのコンポーネントであってもよい。1つ以上のプロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、浮動小数点ゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、コントローラ、状態機械、ゲート論理、離散ハードウェアコンポーネント、専用ハードウェア有限状態機械、又は計算又は情報の他の操作を実行できる他の適切なエンティティの任意の組み合わせで実装されてもよい。
【0086】
プロセッサ304は、ソフトウェアを格納するための機械可読媒体を含むこともできる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語等と呼ばれるかどうかにかかわらず、任意のタイプの命令を意味するように広義に解釈されるものとする。命令は、コード(例えば、ソースコード形式、バイナリコード形式、実行可能コード形式、RS-274命令(Gコード)、数値制御(NC)プログラミング言語、及び/又は他の任意の適切な形式のコード)を含んでもよい。命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、処理システムに、本明細書で説明する様々な機能を実行させる。
【0087】
信号検出器308は、プロセッサ304及び/又はコンピュータ300の他のコンポーネントによって使用するために、コンピュータ300が受信した信号の任意のレベルを検出して、定量化するために使用されてもよい。信号検出器308は、エネルギービーム源出力、偏向器位置、ビルドフロア高さ、デポジッタに残っている粉末の量、レベラー位置、ロボットアーム位置、材料選択、及び他の信号等の信号を検出してもよい。DSP310は、コンピュータ300が受信した信号の処理に使用されてもよい。DSP310は、APS100に送信するための命令及び/又は命令のパケットを生成するように構成されてもよい。
【0088】
ユーザインターフェース312は、キーパッド、ポインティングデバイス、及び/又はディスプレイを備えてもよい。ユーザインターフェース312は、コンピュータ300のユーザに情報を伝える、及び/又はユーザからの入力を受信する、任意の要素又はコンポーネントを含んでもよい。
【0089】
コンピュータ300の様々なコンポーネントは、インターフェース302によって一緒に結合されてもよく、インターフェース302は、例えば、バスシステムを含んでもよい。インターフェース302は、データバスを含んでもよいが、データバスに加えて、例えば、電源バス、制御信号バス、及びステータス信号バスを含んでもよい。コンピュータ300のコンポーネントは、何らかの他の機構を用いて、互いに結合されてもよいし、あるいは互いに入力を承認又は提供してもよい。
【0090】
図3には、多数の別個のコンポーネントが図示されているが、コンポーネントの1つ以上が組み合わされるか、又は共通に実装されてもよい。例えば、プロセッサ304は、プロセッサ304に関して上述した機能性を実装するだけでなく、信号検出器308、DSP310、及び/又はユーザインターフェース312に関して上述した機能性を実装するために使用されてもよい。さらに、
図3に図示されたコンポーネントのそれぞれは、複数の別個の要素を使用して実装されてもよい。
【0091】
図4は、本開示の一態様に従う設計サブシステムの一実施形態を示す。
【0092】
図4は、APS200の設計サブシステム201内のモジュールとサブシステムとの間のデータフローの一例を示す。
図4に示すように、データボールト205(メモリ306の一部であってもよい)は、APS200内の多くのソースからデータを受信することができる。適応型生産システムの多くの側面からデータを収集することによって、設計サブシステム201の設計能力、製造サブシステム203の製造効率、又はAPS200の全体的な効率を向上させることができる。
【0093】
図4は、設計サブシステム201に含まれる他のモジュール、例えば、データボールト205と、ソフトウェア設計モジュール207と、付加モジュール209と、アセンブリモジュール211と、工場管理モジュール212も示している。
【0094】
本開示の一態様において、データボールト205は、製造サブシステム203及び試験サブシステム204からデータを収集することができ、設計サブシステム201内の他のモジュールから、例えば、ソフトウェア設計モジュール207、添加剤モジュール209、及びアセンブリモジュール211からデータを収集することができる。
【0095】
例えば、また
図4に示すように、データボールト205は、試験サブシステム204から、例えば、測定された引張強度、伸び、温度性能、又は様々な3D印刷又はCOTS材料の他の材料特性等のデータを受信してもよい。さらに、データボールト205は、製造サブシステム203から、3Dプリンタ及びロボットアセンブリセルの動作に関するデータ等のデータを受信してもよい。データボールト205は、設計サブシステム201の各モジュール、及びAPS200の他のサブシステムが、APS200の他の部分によって生成された情報を使用して、最終製品の全体設計を改善できるように、付加モジュール209、アセンブリモジュール211、及びソフトウェア設計モジュール201からデータを受信してもよい。
【0096】
収集され、データボールト205に保管されたデータは、また、例えば、機械学習アルゴリズムによって解析され、設計及び製造を改善するために、APS200によって使用され得る相関及び関係を決定してもよい。
【0097】
図5は、本開示の一態様に従う製造サブシステムの一実施形態を示す。
【0098】
図5は、
図4と同様に、APS200内の様々なモジュールとサブシステムとの間のデータ及び材料/部品のフローと、製造サブシステム203に含まれ得るいくつかのモジュールの一例を示す。
【0099】
例えば、限定するわけではないが、AMコンポーネント製造モジュール213は、設計サブシステム201からプリンタ命令、後処理命令等を受信することができ、AM粉末及び材料管理214から印刷用粉末等の原材料を受け取ることができる。AM粉末及び材料管理214は、AMコンポーネント製造モジュール213から、使用済み粉末、除去されたサポート構造等の廃棄物/リサイクル可能な材料を受け取ることができる。AM粉末及び材料管理214は、設計サブシステム201から、プリンタ命令等のデータを受け取ることができる。アセンブリ製造モジュール215は、AMコンポーネント製造モジュール213から印刷された部品を受け取ることができ、AM粉末及び材料管理214からCOTS部品及び未硬化接着剤を受け取ることができ、設計サブシステム201からアセンブリ用のPLCコードに関するデータ等を受け取ることができる。
【0100】
図6は、本開示の一態様に従うデータボールトの一実施形態を示す。
【0101】
上述したように、データボールト205は、メモリ306の一部として含まれることもあるが、APS200の様々な構成要素から収集されたデータの中央リポジトリとして機能することができる。データボールト205に格納されたデータは、APS200内の様々なサブシステムによって検索、解析、又は格納されてもよく、その結果、共通のデータセットが個々の構成要素を製造し、最終製品をアセンブリするために使用される。
【0102】
様々なコンポーネント、アセンブリ、及びアセンブリ全体のデータを単一の場所に格納することによって、所与の製品の効率及び全体的な設計を改善してもよい。
【0103】
データボールト205は、特に、情報ストレージとして使用するための材料データベース601及び情報データベース603を含んでもよい。材料データベース601は、合金及びパラメータデータベース605と、接着剤データベース607と、COTSデータベース609と、他の材料に特有のパラメータとを含んでもよい。情報データベース603は、構造設計及び製造データリポジトリ611と、使用時データベース613と、製造データベース615とを含んでもよい。
【0104】
(材料データベース601)
材料データベース601は、データボールト205の一部として含まれることもあり、設計の一連の性能要件を満たすために、例えば、以下に説明するAPS200のアーキテクチャ設計/最適化モジュールによって引き出され得る利用可能な要素のメニューを提供してもよい。
【0105】
一連の性能要件は、設計の機械的性能を包含することができ、静的要件、動的要件、疲労要件、衝撃要件、環境(例えば、腐食)要件、美観及び仕上げ制約等を含む。材料データベース601内の各材料は、これらの性能次元のそれぞれについて完全に捕捉することができ、実際の性能の限界は、測定データ又は経験的データに基づくことがある。
【0106】
材料データベース601の入力は、設計ボリューム及び材料選択を必要とする一連の性能要件を含むことができる。材料データベース601の出力は、最終製品の全体的な設計のための最良の候補材料に分割された設計ボリュームを含むことができる。
【0107】
(データベース(情報ストレージ)603)
本開示の一態様では、データボールト205は、材料データベース601内のデータのデータ管理、データ解析、及び機械学習のためのストレージとして、情報データベース603を含むことができる。情報データベース603の入力は、識別されたAM材料データ、及び本明細書に記載の1つ以上のサブモジュールのための他の入力データを含むことができる。情報データベース603の出力は、データ解析、データマイニング、及び機械学習のためのスケーラブルなインデックス付きAM材料データと、以下に説明する他のサブモジュールの出力データと、を含むことができる。
【0108】
(合金及びパラメータデータベース605)
金属構造を設計及び製造するシステムの場合、材料データベース601は、合金及びパラメータデータベース605を含むことができる。いくつかのシステムは、主にアルミニウムをベースとする軽金属に焦点を当てることができる。これらは、動作温度、腐食環境、剛性、強度、耐久性等に関して、異なるが、完全に定義された一連の機能要件を有する。各合金の付加製造は、目標とする特性(機械特性、様々な層厚のコスト生産性/経済性等)を達成するために、独自の処理パラメータと機械設定を必要とする。各合金及びパラメータの組み合わせは、さらに、マスメディア又は化学的仕上げ等の後処理のための異なる、完全に定義されたガイダンスを運ぶ。
【0109】
合金及びパラメータデータベース605の入力は、動作環境(温度、腐食)、後続のコーティングプロセスとの互換性、剛性、強度、コスト等の性能/機能要件を含むことができる。合金及びパラメータデータベース605の出力は、用途のための1つ以上の合金の材料選択を含むことができる。
【0110】
本開示の一態様において、合金及びパラメータデータベース605は、母材の基礎構造を含んでもよく、その母材は、例えば、立方体構造(すなわち、母材の原子が立方体の各角に位置する)、面心立方構造(すなわち、母材の原子が立方体の角及び少なくとも一つの面に位置する)等の結晶型構造又は周期的構造であってもよい。例えば、母材として、アルミニウム(Al)金属は面心立方(fcc)構造に配置され、チタンが体心立方(bcc)構造、六方最密充填(hcp)構造等に配置される。
【0111】
本開示の一態様では、置換型溶質又は侵入型溶質は、所望のパラメータを有する合金を作成するために、母材と共に使用され得る。例えば、限定するわけではないが、母材は鉄(Fe)であってもよく、置換型溶質はニッケル(Ni)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、又は他の材料のうちの1つ以上であってもよい。置換型合金は、溶質が母材とほぼ同じ原子サイズである場合に形成され得る。
【0112】
侵入型溶質は、母材の特性を変化させるために使用することもできる。例えば、限定するわけではないが、母材はアルミニウム(Al)であってもよく、侵入型溶質はマグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、及び/又はマンガン(Mn)の1つ以上であってもよい。侵入型化合物は、溶質が母材よりも小さい原子サイズの場合に形成され得る。置換型溶質と侵入型溶質の両方を有する組み合わせ合金も形成されることがあり、その特性は、合金及びパラメータデータベース605に格納される。
【0113】
合金及びパラメータデータベース605はその他にも、標準化されて「命名された」合金の特性及びコストを含んでもよい。例えば、限定するわけではないが、国際合金指定システム(IADS)は、アルミニウム合金に対して広く受け入れられている命名方式であり、各合金は四桁の番号を使用して参照される。その番号の一桁目は、その合金に含まれる主要な溶質元素を示す。二桁目はその溶質合金の変種を示し、三桁目と四桁目はその系列の特定の合金を識別する。
【0114】
IADSで命名(すなわち番号付け)されたアルミニウム合金について、1000系アルミニウム合金は重量パーセント(wt%)で本質的に純粋なアルミニウム含有量であり、他の桁はそのような合金の様々な用途を表す。2000系アルミニウム合金はCuで合金にされ、3000系アルミニウム合金はMnで合金にされ、4000系アルミニウム合金はSiで合金にされ、5000系アルミニウム合金はMgで合金にされ、6000系アルミニウム合金はMgとSiで合金にされ、7000系アルミニウム合金はZnで合金にされ、8000系アルミニウム合金は他の元素又は他の系列指定でカバーできない元素の組み合わせと合金にされる。一例として、限定するわけではないが、一般的なアルミニウム合金は「6061」と呼ばれ、IADSの命名方式に従って、主要な合金溶質としてMgとSiを有する。しかしながら、6061は、様々な割合で、例えば、鉄(Fe)、銅(Cu)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)等の他の合金溶質を有しており、ある割合以下の「不純物」と呼ばれ得る他の溶質を有することが許容される。6061に存在する溶質は、用途、製造業者、合金の許容範囲、及び/又は他の理由によって、wt%の範囲を有してもよい。
【0115】
これらの合金、及びこれらの名称の合金の混合物の特性は、3D印刷とは対照的に、合金が製錬、鍛造、及び/又は鋳造によって製造されるかどうかに応じて、変化することがある。このように、設計が特性、製作時間、コスト、及び/又は他の要因に基づいて1つ以上の適切な材料を選択できるように、異なるタイプの製造技術を合金及びパラメータデータベース605に入力してもよい。
【0116】
(接着剤データベース607)
コンポーネントを結合してアセンブリを形成するために接着剤を使用するAPS200の場合、材料データベース601は、接着剤データベース607も含むことができる。本開示の一態様では、APS200は、構造用接着剤と保持用接着剤という2種類の接着剤を使用してもよい。
【0117】
保持用接着剤は、典型的には、ロボットが部品の1つを「手放す」ことができ、アセンブリプロセスを継続できるように、互いに対して2つの(又はそれ以上の)部品を保持(すなわち、固定)するために用いられる速硬化接着剤であり、それに対し、部品間の構造用接着剤は、より長い時間をかけて硬化できる。構造用接着剤は、2つの部品間のジョイントに所望の強度を提供する接着剤である。これらの接着剤は、動作温度、剛性、強度等に関して定義された一連の機能要件が異なる場合があり、APS200は、アセンブリプロセスの所望の時点で所望の接着剤を使用し、それに応じて、硬化/乾燥時間/技術をスケジュールし、適切な適用技術等を提供できる。
【0118】
接着剤データベース607への入力は、動作環境(温度、腐食)、基板互換性、剛性、強度、コスト等の性能/機能要件を含んでもよい。接着剤データベース607からの出力は、アセンブリプロセスにおける所与の時点で使用される1つ以上の接着剤の材料選択を含んでもよい。
【0119】
(商用オフザシェルフ部品ライブラリ609)
商用オフザシェルフ(COTS)部品ライブラリ609は、材料データベース601の一部として含まれることもあり、APS200で使用するためのCOTS部品の技術仕様、性能データ、寸法データ、及び他のデータ等を含んでもよい。COTSは、3D印刷部品よりも製造コストが低い可能性のあるマルチ材料構造の要素であってもよいし、チューブ、ビーム又はフラットパネル等の単純な幾何学的形状で、複雑な幾何学的形状、インターフェース、接合フィーチャ、又は他の複雑な機能フィーチャもしくは形状を組み込まない形状であってもよい。
【0120】
COTS部品ライブラリ609は、また、第三者供給業者から標準化された材料として調達することもできる。フラットパネル及びチューブは、任意の断面を有することができる。チューブは、任意の材料から製造することができ、そのような材料特性は、APS200で使用するためにCOTS部品ライブラリ609内にデータとして含むことができる。COTS部品ライブラリ609は、COTS部品の構造性能及びコストのためのリポジトリとしても機能することができる。
【0121】
COTS部品ライブラリ609への入力データは、COTS材料及びコストのデータを含むことができる。商用オフザシェルフ(COTS)部品ライブラリ609の出力データは、COTS形状、仕様等を含むことができる。
【0122】
(構造設計及び製造データリポジトリ611)
構造設計及び製造データリポジトリ611は、最適化設計リポジトリであってもよく、APS200によって生成された1つ以上の設計に関するデータを含むことができ、情報データベース603の一部であってもよい。設計が完了すると、生成されたエンジニアリング、製造及びコストのデータは、人間による設計、機械で生成された設計、又は部分的に人間によって、部分的に機械によって生成されたハイブリッド設計と比較されてもよい。データボールト205は、構造設計及び製造データリポジトリ611に格納された設計情報を、所与の部品の修正履歴として使用しても、またAPS200によって生成された新しい設計及び製造データの入力と検証のために使用してもよい。
【0123】
構造設計及び製造データリポジトリ611への入力データは、様々なプログラムからの最終設計データを含むことができる。構造設計及び製造データリポジトリ611の出力データは、機械学習をサポートするためのデータを含むことができる。
【0124】
(使用時データベース613)
本開示の一態様において、APS200は、自動車等の車両の設計及び製造に使用することができる。APS200によって生産される車両の台数が増加するにつれて、APS200技術を使用する車両からの使用時データの量は比例して増加する。
【0125】
運転中の車両の使用時データは、運転性能データ、故障データ、及び他の運転サービスパラメータを見つけるためのデータマイニングに使用されてもよい。使用時データベース613は、情報データベース603の一部として含まれることもあり、例えばAPS200によって製造された車両構造体に組み込まれたセンサから得られた使用時データを含むことができる。いくつかの車両は、時折の使用から、設計された動作限界以上に押される可能性がある設計まで、様々な動作シナリオを経験する可能性がある。例えば、トラックのシャーシは、高速道路で車両を運転する運転手によって使用されることも、同じシャーシは、岩場、泥等のオフロード走行で使用されることもある。加速度計、歪みゲージ等のセンサは、構造体と一体化され、構造体から取り込まれ得るエンジニアリング/性能データ生成デバイスの例である。このようなデータは、全地球測位システム(GPS)データ等の他のデータと組み合わされて、地理的位置による地形のデータベースに追加することができる。
【0126】
そのようなデータベースによって、APS200が地域要件に基づいて異なる方法で共通の部品を製造することが可能になる。使用時データベース613の一部として、そのような情報は、設計改善のために実行される他の相関試験と同様であろう。使用時データベース613への入力データは、車両構造体上のセンサからのデータを含むことができる。使用時データベース613からの出力データは、使用時の構造体の実際の性能に関する経験的データを含むことができる。
【0127】
(製造データ615)
製造データ615は、製造プロセス中に生成されたデータを格納することができる。ほとんどの製造機器は、統合されたセンサを含み、これらのセンサは、情報データベース603の一部として含まれ得る製造データ615にリアルタイムデータを提供することができる。複数の製造ランが完了すると、製造データ615は、記録及びシステム性能改善の目的のために、履歴情報を格納する。APS200が十分な大きさのデータベースを有する場合、相関関係を描くことができ、ニューラルネットワークを作成することができ、又は他のデータ予測/解析アルゴリズムにより、パラメータを予測/提案することができ、それらのパラメータは、1つ以上のサブシステム又はモジュールにおいてAPS200の性能を改善するために変更することができる。
【0128】
製造データ615への入力は、AMデータ及びアセンブリデータを含むことができる。データ入力は、履歴記録として、またシステム改善のために、工場内のセンサから記録されてもよい。AMデータへの入力は、AM印刷ビルドデータを含むことができる。アセンブリデータへの入力は、サイクル時間、計測データ、あらゆる故障、接着剤ディスペンスデータ(量、温度等)、硬化時間、予測サイクル時間、あらゆる変動、ロボット動作経路、保守指標等、ロボットアセンブリセルに関連する全ての活動のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)及びロボットアセンブリセル(設計固有でないフレキシブルなロボットファームシステム)サーバのタイムログを含むことができる。
【0129】
本開示の一態様において、APS200は、製作される設計から始めてもよく、材料、寸法、構造技術等に関連するデジタルデータがデータボールト205に入力されてもよい。データボールト205は、ソフトウェア設計モジュール207と相互作用して、どの部品を3D印刷するのか、どの部品をCOTS部品として購入できるのかを決定し、付加モジュール209、アセンブリモジュール211、工場管理モジュール212、及び製造モジュール203にコードを提供してもよい。材料データベース601からの材料を使用するプロトタイプモデルを構築し、試験モジュール204で試験して、設計が所望のパラメータ、例えば、安全性、性能等を満たしていることを判断してもよい。
【0130】
APS200は、次に、データボールト205からのデータ、例えば、情報データベース603からのデータを使用して、設計のための初期ビルドプランを生成してもよい。その後、ビルドプランを部品別、プロセス別、又は部品とプロセスの組み合わせで反復して、1つ以上のパラメータ(例えば、重量、コスト、性能、ビルド時間等)で設計を改善してもよい。APS200内の各モジュールの様々な詳細の記述により、APS200の様々な部分(例えば、設計パラメータ、製造パラメータ、コストパラメータ等)の解析及び制御が可能になり、所与の設計の製造効率を向上させることができる。
【0131】
設計に変更が加えられた場合、APS200は、実装の時間と労力におけるコストを削減しながら、そのような変更を実装する方法に関する様々な解決策を提供することができる。所与の部品を「作るか買うか」の決定、又は所与の部品に必要な精度に関する決定は、本開示の一側面において、それらの決定が製造プロセス全体にどのように影響するかについて表示することができる。さらに、部品の入手可能性における中断、材料の変更等は、APS200にそのような遅延に対する回避策を生成させることによって、フラグを立てて、適応させることができる。
【0132】
図7は、本開示の一態様に従う試験サブシステム204の更なる詳細を示す。
【0133】
試験サブシステム204は、原材料から完全にアセンブリされた構造体まで、様々なレベルの材料粒度で試験を実行することができる。試験は、例えば、基本的な材料特性、印刷された構造体の特性、COTS構造体の特性、及び印刷及び/又はCOTS部品を有するアセンブリされた構造体の特性を決定することを含むことができる。様々な実施形態において、試験用の印刷構造体及び試験用のアセンブリ構造体は、製造サブシステム203から受け取ることができる。試験サブシステムは、材料試験R&Dモジュール701と、検証試験(要素)モジュール703と、既知材料検証モジュール707を含むことができる検証試験(コンポーネント&アセンブリ)705と、を含むことができる。
【0134】
(材料試験R&D(新合金開発)701)
材料試験R&D701は、例えば、新しい合金を開発する際に実施される材料試験を含むことができる。この試験は、粉末調達の非常に初期の段階で開始することができ、APS200に関わる様々な処理パラメータの微調整を通じて継続される。得られた特性は、APS200の最適化及び詳細なエンジニアリングモジュール中に使用される包括的なデータシートにコンパイルすることができる。
【0135】
材料のAM加工性は、一般的な最初のステップで、材料がある種の3D印刷に関連する非常に急速な冷却プロセス(10^5~10^6deg./secタイプの速度)に耐えられるかどうかを評価する。鋳造等の遅い冷却プロセス用に設計された従来の合金では、様々なタイプの割れが一般的に生じる。加工性設計空間の実験的調査では、一般に、電力、ハッチ間隔、速度、層厚、さまざまなオフセット係数等、さまざまなパラメータの掃引が必要である。これは、典型的には、ml/hの容積流量(volumetric rate)として表される「純粋な」レーザ処理/造形率(build rate)の観点から、経済的な実行可能性の指標を提供することができる。
【0136】
材料試験R&D(例えば、新合金開発)のための入力は、所与の仕様の粉末サンプル等の粉末、印刷密度キューブ、様々な印刷向きでの印刷引張棒、及び印刷疲労棒を含むことができる。材料試験研究R&D(例えば、新合金開発)の出力には、湿度、酸素含有量、粒度分布、真球度/真円度、化学的性質、流動時間等の粉末データを含むことができる。その他の出力には、印刷密度キューブから得ることができる所与の密度/気孔率、粒径、及び顕微鏡写真等のデータを含むことができる。その他の出力には、印刷引張棒から得ることができる応力-ひずみ曲線、硬度等のデータを含むことができる。その他の出力には、印刷疲労棒から得ることができるS/N曲線等のデータを含むことができる。その他の出力には、エンジニアリングデータシートを含むことができる。
【0137】
(検証試験(要素-接着剤/コーティング)703)
検証試験(要素-接着剤/コーティング)703は、多くの異なる種類の試験を含むことができる。例えば、接着剤固有の特性は、所与の接着剤に対するレオメーター、GIC及びGIIC試験、所与の接着剤、基板及びコーティング仕様に対する剪断特性を評価するための試験を通じて収集することができる。この試験は、室温でも、最低周囲温度条件、最高周囲温度条件でも実施される。この試験は、業界標準の加速エージング試験及び腐食試験にさらされた後にも実施される。ジョイントの疲労特性は、所与の接着剤、基板、コーティングの構成で特性評価することができる。この試験は、軸と軸を完全に反転させた荷重プロファイルを使用して実施される。得られた特性は、APS200の最適化及び詳細エンジニアリングモジュール中に使用される包括的データシートにコンパイルすることができる。
【0138】
検証試験(要素-接着剤/コーティング)703の入力は、例えば、接着二重ラップ剪断試験片、接着さねはぎ試験片、GIC及びGIIC試験片、及び接着剤を含むことができる。検証試験(要素-接着剤/コーティング)703の出力は、例えば、-40℃~150℃までの力/変位曲線、加速腐食力/変位曲線、-40~150℃での疲労曲線、及び複素弾性率対温度と粘度対温度等のレオメータデータを含むことができる。
【0139】
(検証試験(コンポーネント&アセンブリ)705)
検証試験(コンポーネント&アセンブリ)705は、コンポーネントレベルの試験を実施することを含むことができ、例えば、サスペンションコントロールアーム、ナックル、ブレーキ、ヒンジ、ステアリングホイール、ステアリングコラム、クラッシュレール等を含む。このコンポーネントレベルの試験は、モデルを相関させ、生産使用のためにコンポーネントをさらに検証するために使用することができる。
【0140】
検証試験(コンポーネント&アセンブリ)705の入力は、試験されるコンポーネントを含むことができる。入力には、コンポーネントの静荷重及びベクトルの情報(例えば、予想される歪み(所与のx,y,z座標において)、予想されるたわみ(所与のx,y,z座標において)、及び予想される破損荷重及び破損位置等)も含むことができる。入力には、コンポーネントの動的荷重、ベクトル、繰り返し係数(破損までの予想サイクル数等)の情報も含むこともできる。入力には、予想される破損モード及び衝撃エネルギー等のコンポーネントの衝撃荷重、予想される加速度-時間曲線等の情報も含むことができる。入力には、コンポーネント腐食暴露要件の情報も含むこともできる。
【0141】
検証試験(コンポーネント&アセンブリ)705の出力は、静荷重及びベクトルの測定データ(例えば、測定された歪み(所与のx,y,z座標において)、測定されたたわみ(所与のx,y,z座標において)、及び測定された破損荷重及び破損位置等)を含むことができる。出力には、動的荷重、ベクトル、及び繰り返し係数(破損までの測定サイクル数)の測定データを含むことができる。出力には、測定された破損モード及び衝撃エネルギー等の衝撃荷重の測定データ、測定された加速度-時間曲線等も含むことができる。出力には、部品に対する腐食の影響、部品の剛性に影響を与えたかどうかの評価等、腐食暴露の測定データも含むことができる。
【0142】
(既知材料検証(引張サンプル等)707)
既知材料検証(引張サンプル等)707は、例えば、APS200で使用される全ての材料について、内部試験を通じてエンジニアリング特性を開発することを含むことができる。これには、炭素繊維パネル及びチューブも、押し出し金属も含む市販の材料が含まれる。
【0143】
既知材料検証(引張サンプル等)707の入力は、引張サンプル、圧縮サンプル、面内剪断サンプル、CTE試験片、及び積層体等の複合材料の密度試験片を含むことができる。他の入力には、押し出し材又は他のCOTS金属用の引張試験片を含むことができる。
【0144】
既知材料検証(引張サンプル等707)の出力には、積層体については、弾性係数(縦及び横)、ポアソン比、応力対歪み曲線(引張サンプルから得られる)、密度、弾性係数、減衰係数、繊維体積率、繊維重量率(圧縮試料から得られる)、横応力対剪断、面内応力対剪断(剪断サンプルから得られる)、層間剪断サンプルから得られるその他のデータを含むことができ、押出し材(又は他のCOTS金属)については、粒径と方向、及び(粒径と比較した各方向の)エンジニアリング及び真の応力対歪み曲線(引張試験片から得られる)を含むことができる。
【0145】
図8は、本開示の一態様に従うソフトウェア設計モジュールの更なる詳細を示す。
【0146】
本開示の一態様において、ソフトウェア設計モジュール207であり得るソフトウェア設計モジュールは、1つ以上のモジュールを含んでもよい。例えば、限定ではなく、本開示の一態様に従うソフトウェア設計モジュールは、アーキテクチャ設計モジュール801と、コンポーネント設計及び最適化モジュール803とを含んでもよい。他のモジュールが、本開示の範囲から逸脱することなく、ソフトウェア設計モジュール207内に含まれてもよい。
【0147】
アーキテクチャ設計モジュール801は、
図8に示すようなアーキテクチャ設計/最適化モジュールであってもよく、マルチ材料選択モジュール805と、自動ジョイント分割モジュール807と、AM/アセンブリ/構造モジュールによる分割解析809と、最適化ジョイント分割モジュール811と、を含んでもよい。
【0148】
(アーキテクチャ設計モジュール801)
アーキテクチャ設計/最適化モジュール801は、アーキテクチャ設計オプションを生成してもよく、そのオプションは、性能、材料選択、製造コスト、ライフサイクル解析、及び他のパラメータに関する定量的な指標を含んでもよい。設計者は、アーキテクチャ設計モジュール801からの出力をレビューして、設計要件の変更又は所定の設計に対する他の変更入力に基づいて、設計を修正、改良、又は他の方法で変更することができる。
【0149】
アーキテクチャ設計モジュール801からの出力設計は、所与の製品の初期設計として機能し得るが、その後、所与の設計の一部に対する変更が設計の他の部分にどのように影響し得るかを見るために、議論、更新、変更等を反復し得る。この反復プロセスは、コンポーネント設計/最適化モジュール803によって実行され、最終的に、アーキテクチャ設計/最適化モジュール801から出力される、より完成された「高忠実度」アーキテクチャに至ることができる。
【0150】
例えば、アーキテクチャ設計モジュール801は、3D印刷されたコンポーネントを含むシャーシの初期構造設計を解析してもよい。初期設計の解析は、COTSコンポーネントと交換することができる3D印刷コンポーネントを見つけることができ、設計においてそのような交換が行われた場合、時間、材料コスト、アセンブリの容易さ等の観点で費用便益解析を設計者に提供することができる。
【0151】
アーキテクチャ設計モジュール801への入力は、設計入力データ(FEM、CAD)、及び設計目標を含むことができる。入力は、車両仕様(例えば、スポーツカー、スーパーカー、又は乗用車、予想コスト、予想販売価格等)及びAPS200独自の荷重ケースに関する高レベルの要件も含むことができる。アーキテクチャ設計モジュール801からの出力は、車両/サブ構造体に関する低忠実度設計出力(コンポーネントCAD及びCOTSの選択からなるBOM、設計検証、設計目標に対する指標)を含むことができる。このモジュールは、コンポーネントの低忠実度設計最適化を実行することができ、コンポーネント設計/最適化モジュール803とループすることができる。
【0152】
(コンポーネント設計モジュール803)
コンポーネント設計モジュール803は、コンポーネント設計/最適化モジュール803であってもよく、APS200の製造プロセス(設計、AM、アセンブリ及び試験)を捕捉し、これらのプロセスを部分的又は完全に自動化してもよい。コンポーネント設計モジュール803は、ジオカーネル技術、トポロジー最適化、双方向進化型構造最適化(BESO)、高性能計算(HPC)、又は他の計算技術を使用して、コンポーネント設計を迅速に生成してもよい。設計アルゴリズムは、データボールト205に存在するデータの機械学習及び解析によって、さらに強化されてもよい。
【0153】
コンポーネント設計モジュール803への入力は、設計最適化入力データ(FEM、CAD)、及び最適化目標(性能目標、印刷コスト目標、アセンブリ目標)を含むことができる。入力は、材料データベース601からのデータも含むことができる。コンポーネント設計モジュール803からの出力は、シミュレーションデータ(トポロジー最適化、自由形状最適化、疲労解析、衝突吸収性解析、熱解析等)を含むことができる。また、出力は、設計出力(CAD、設計検証、設計目標に対する指標)、例えば、各設計オプションの提案されたジョイント(該当する場合)及び公称アセンブリシーケンス及びコスト(該当する場合)等を含むことができる。
【0154】
(マルチ材料選択(MMSO)805)
マルチ材料選択805は、性能又はコスト等の要件を満たす材料及び/又はCOTSを選択することができ、また、各材料選択案の指標を計算してもよい。MMSO805は、例えば、COTSアルミニウム管が設計の一部に使用され得ると判断することができ、それらの管を3D印刷部品、例えば、ノードと一緒にアセンブリすることができる。MMSO805は、設計全体のより徹底した理解を得ることができるように、コスト、性能、衝突吸収性等の観点から、COTSアルミニウム管と1つ以上の材料の3D印刷管との比較を提供することもできる。
【0155】
MMSO805への入力は、設計入力データ(例えば、FEM、CAD)、及びCOTSの使用量の最大化、安全性の最大化等のマルチ材料選択の設計目標を含むことができる。入力は、データボールト205のCOTSデータベース609からのデータも含むことができる。MMSO805の出力は、CADファイル、特定されたCOTS使用の仕様、設計検証、及び設計目標に対する指標、並びに最終製品の所与の位置における材料間の比較を含むことができる。
【0156】
(自動ジョイント分割807)
自動ジョイント分割807は、1つ以上の全体的な設計要件(例えば、性能、コスト、安全性等)を依然として満たしつつ、コンポーネント又はサブ構造体を分割する方法を提案することができる。自動ジョイント分割807は、各案の指標(例えば、全体的な効率、COTS部品を3D印刷部品に置き換えることによるコスト又はスケジュールの変化、部品を変更するための重量ペナルティ等)を計算することもできる。自動ジョイント分割807への入力は、設計入力データ(FEM、CAD)、及びCOTSの最大使用、材料重量の最小化等のマルチ材料選択の設計目標を含むことができる。自動ジョイント分割807のための出力は、分割を伴うCADデータ、ジョイントの仕様、設計検証、分割案等を含む設計目標に対する指標を含むことができる。
【0157】
(AM/アセンブリ/構造による分割解析809)
AM/アセンブリ/構造による分割解析809は、自動ジョイント分割807からの各ジョイント分割案を設計要件に対して評価することができる。例えば、様々な設計のそれぞれをAM/アセンブリ/構造による分割解析809に入力することによって、様々な設計間の性能、コスト、製造時間、耐衝撃性等の変化、又は所与の設計の個々の変更を比較することができる。設計者、コスト解析者、及び経営者は、その後、個々の部品のコスト又は性能の問題を見るのではなく、全体的な観点で各設計の違いを比較することができる。このように、任意の下流選択プロセスは、人間の対話、自動選択、又は様々な設計パラメータのハイブリッド人間-自動選択を使用して実行することができ、これは、最適化されたジョイント/分割モジュール811における機械学習に基づいてもよい。
【0158】
AM/アセンブリ/構造809による分割解析のための入力は、分割を伴うCAD、ジョイントの仕様を含むことができる。入力は、データボールト205の合金及びパラメータデータベース605、接着剤データベース607、及びCOTSデータベース609からのデータも含むことができる。AM/アセンブリ/構造809による分割解析の出力は、分割案及び構造の性能/質量、印刷コスト、アセンブリコスト、及びライフサイクル解析等の設計目標に対する指標を含むことができる。
【0159】
(最適化ジョイント分割811)
最適化ジョイント分割811は、自動ジョイント分割807及びAM/アセンブリ/構造による分割解析809の様々な解決策をサンプリングして、部品間のジョイントがどこに位置し得るかに関する1つ以上の解決策を生成し得る。アセンブリにおける各部品は多数の変数の影響を受けるので、部品間の各ジョイント又は接続をどうするかという全体的な見直しが、所与の位置にジョイントを配置することがコスト、性能、製造効率、及び他の要素の観点から全体の設計にどのように影響するかという観点から、有用なことがある。
【0160】
最適化ジョイント分割811への入力は、設計最適化入力データ(FEM、CAD)、及び最適化目標(性能目標、印刷コスト目標、アセンブリ目標)を含むことができる。入力は、データボールト205の合金及びパラメータデータベース605、接着剤データベース607、及びCOTSデータベース609からのデータも含むことができる。最適化ジョイント分割811の出力は、様々な設計目標(性能、印刷コスト、アセンブリコスト等)を満たすための複数の解決策(異なる分割案)を含むことができる。
【0161】
図9は、本開示の一態様に従うコンポーネント設計モジュール703の更なる詳細を示す。
【0162】
コンポーネント設計モジュール703は、1つ以上のモジュール、例えば、コアコンポーネント設計モジュール901と、マージン用設計モジュール903と、設計検証モジュール905と、を含んでもよい。
【0163】
(コアコンポーネント設計901)
コアコンポーネント設計901は、部品の初期設計を生成することができる。コアコンポーネント設計901は、以下の
図10で詳細に説明される。
【0164】
(マージン用設計903)
マージン用設計903は、データボールト205からのデータを解析し、データボールト205からのパラメータを試験サブシステム204からの試験データに関連付け、期待される設計マージンを達成するために内部設計マージンを調整してもよい。マージン用設計903への入力は、アーキテクチャ設計モジュール801からの構造、所望の設計マージン、データボールト205からのAMデータ、及びデータボールト205からの試験データを含むことができる。マージン用設計903からの出力は、期待される安全係数を有する設計を含むことができるが、この安全係数は、マージン用設計903への入力として使用される安全係数とは異なる可能性がある、
【0165】
(設計検証905)
設計検証905は、設計を評価するために、市販のソフトウェアツールであってもよいソフトウェアツールを使用することができる。例えば、限定するわけではないが、設計検証905は、安全性、衝突安全性等の1つ以上の規格への準拠を保証することができる。設計検証905への入力は、アーキテクチャ設計モジュール801によって生成された構造を含むことができる。設計検証905からの出力は、静的解析、疲労解析、衝突安全性解析、及び熱解析を含むことができ、これらは、設計ソリューションを検証するために使用され得る。
【0166】
図10は、本開示の一態様に従うコアコンポーネント設計モジュールの更なる詳細を示す。
【0167】
本開示の一態様において、コアコンポーネント設計モジュール901は、ジオカーネル1001、生成的設計モジュール1003、格子モジュール1005、トポロジー最適化モジュール1007、サイズ/形状最適化モジュール1009、製造制約解析モジュール1011、衝突解析、疲労解析モジュール1013、荷重/境界条件管理モジュール1015、印刷最適化、製造最適化モジュール1017、アセンブリ解析モジュール1019、及びライフサイクル解析モジュール1021を含み得る。
【0168】
(ジオカーネル1001)
ジオカーネル1001は、コンポーネントの設計に使用するために、幾何及びメッシュ操作の技術(例えば、メッシュの平滑化、メッシュ修復、及び再メッシュ化、薄い領域及び薄い骨の検出及び固定、融合、又は中空化操作等)を提供し得る。ジオカーネル1001への入力は、設計最適化入力データ(FEM、CAD)、平滑化、融合、肥厚化、又はクリーンアップ等の幾何/メッシュ操作指令を含むことができる。ジオカーネル1001からの出力は、結果として得られるメッシュを含むことができ、このメッシュによって、トポロジー結果の解釈、自由形状最適化、中空骨設計等の下流最適化処理が可能になる。
【0169】
(生成的設計(骨、中空骨、ボックス)1003)
生成的設計1003は、ジオカーネル及びBESO技術を活用して構造を生成することができる。生成的設計1003は、コンポーネント設計でも、全体的な製品設計でも使用するために、例えば、内部格子を有する/有さない、骨、中空骨、又はボックス等の異なる設計オプションを生成することができる。生成的設計1003によって生成された設計オプションは、製品全体に対する設計要件に対して、さらに評価され、ランク付けされてもよい。
【0170】
(格子モジュール1005)
格子モジュール1005は、ジオカーネル1001及び/又は生成的設計1003の一部として含まれることもあり、格子構造を設計するために使用されてもよく、これは、衝突構造における衝撃エネルギーのより効率的なエネルギー吸収を提供し得る。さらに、格子フィーチャは、付加製造中に、統合されたビルドサポートとして同時に機能してもよい。
【0171】
格子モジュール1005の入力は、エンジニアリング要件(荷重、衝撃性能目標等)を含むことができる。格子モジュール1005の出力は、付加製造された構造体に組み込まれた格子フィーチャを含むことができる。
【0172】
(トポロジー最適化1007)
トポロジー最適化1007は、ジオカーネル1001及び/又は生成的設計1003の一部として含まれることもあり、BESO及び他の解析ツールを介して、トポロジー改善能力を提供し得る。設計検証中、APS200は、例えば、OptiStruct(登録商標)等の市販のトポロジーソフトウェアを使用して、トポロジー比較又は他のコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)解析を実行することができる。BESO技術は、トポロジー解の品質と計算時間効率を改善するために、勾配に基づく改善とGPUを使用することによって、双方向進化的構造性能をさらに拡張することができる。
【0173】
トポロジー最適化1007への入力は、荷重ケース及び最適化制約を有する入力FEMを含むことができる。トポロジー最適化1007からの出力は、様々な性能指標で比較するための構造を含むことができる。
【0174】
(サイズ/形状最適化1009)
サイズ/形状最適化1009は、ジオカーネル1001及び/又は生成的設計1003の一部として含まれることもあり、設計のサイズ及び/又は形状をさらに改善することができる。様々なコンポーネント設計の間で比較をすることで、設計の性能を大幅に低下させることなく、設計の質量削減を行うことができる。APS200は、サイズ/形状最適化1009からの出力を使用して、1つ以上の所与のコンポーネントのサイズ/形状を低減又は変更し、全体の完成品に対する効果を報告することができる。サイズ/形状最適化1009への入力は、荷重ケース及び最適化制約を有する入力FEMを含むことができる。サイズ/形状最適化1009からの出力は、選択された性能パラメータ(例えば、重量減少、空気力学的抗力等)において、様々な改善を伴う、修正及び/又は改善された構造を含むことができる。
【0175】
(製造制約解析1011)
製造制約解析1011は、ジオカーネル1001及び/又は生成的設計1003の一部として含まれることもあり、製造制約を解析し、これらの制約を設計に適用することができる。例えば、製造制約解析1011は、設計における薄肉領域、薄肉骨、粉末捕捉領域、及び熱歪みの問題を検出することができ、設計の中でこれらの領域を調整して、コンポーネント及び/又は最終製品の製造性における問題を低減又は排除することができる。製造制約解析1011は、強度、衝突吸収性、全体重量等の他の設計制約を維持しながら、厚くしたり薄くしたりして様々な領域を調整し、粉末を排出するために中空領域への穴を自動的に生成し、熱歪みを緩和するためにモデルを補正してもよい。
【0176】
製造制約解析1011は、AM製造制約及び/又はアセンブリ製造制約を解析し、所与のコンポーネント、ジョイント、ノード等に対してなされるべき選択に関する情報を作成又は提供することができる。例えば、3D印刷部品の初期設計は、部品の重量を軽減するように設計された薄い領域を含むことができる。しかしながら、製造制約解析1011は、薄い領域が、その部品を他の部品とアセンブリする間に曲がる可能性があると判断することがある。製造制約解析1011は、AM制約及びアセンブリ制約に基づいて、この判断を行うことができる。なぜなら、印刷された薄い領域の強度は、印刷された材料、プリンタのパラメータ及び設定等に依存し得るからである。同様に、アセンブリ中に薄い領域に加えられる力は、アセンブリのシーケンス、ロボットの運動等に依存し得る。したがって、薄い領域が曲がるかどうか、したがって修正されなければならないかどうかの判断は、AM制約及びアセンブリ制約に依存し得る。製造制約解析1011が、薄い領域がアセンブリ中に曲がる可能性があると決定すると、解析は、AMプロセス、アセンブリプロセス、又はその両方に修正がなされるべきであると決定することができる。例えば、製造制約解析1011は、薄い領域をより厚くするように部品の設計を修正することによって、AMプロセスを修正して、アセンブリ中にその領域が耐える力に抵抗して曲がらないようにしてもよい。AMプロセスを修正することの追加、又は代替として、製造制約解析1011は、例えば、アセンブリの順序を変更することによって、アセンブリプロセスを修正してもよく、こうして、薄い領域を有する部品が異なる順序でアセンブリに追加され、その薄い領域にそれほど多くの応力を与えない向きで追加される。
【0177】
(衝突解析、疲労解析1013)
衝突解析、疲労解析1013は、設計が性能要件を満たすことを保証するために、提案された設計に対して衝突解析及び/又は疲労解析を実行することができる。衝突解析、疲労解析1013の入力は、アーキテクチャ設計/最適化701によって生成された最適化構造を含むことができる。衝突解析、疲労解析1013の出力には、衝突解析(例えば、LS-Dynaを使用)と耐久性/疲労NVH解析(例えば、nCode)の両方を使用して、設計が衝突安全性と疲労の基準を通過することの確認を含むことができる。
【0178】
(荷重/境界条件管理1015)
荷重/境界条件(LBC)管理1015は、LBCを新しい設計に投影することにより、手作業なしで、ロバストな方法でメッシュ操作を行うことができる。その結果、LBCは、新規に生成された設計に正確に転送され、LBC管理1015は、設計最適化シミュレーションにおける精度を維持することができる。
【0179】
(印刷最適化、製造最適化1017)
印刷最適化、製造最適化1017は、サポートを最小化するために最適な方向を計算し、印刷精度を改善するために熱歪みのモデルを補償し、生産性を改善するために梱包/ネスティングを最適化することによって、印刷準備プロセスを最適化することができる。印刷最適化、製造最適化1017の入力は、アーキテクチャ設計/最適化701によって生成された最適化構造及びデータボールト205からのAMデータを含むことができる。印刷最適化、製造最適化1017の出力は、印刷方向、梱包/ネスティング、熱補償を含むことができる。
【0180】
(アセンブリ解析1019)
アセンブリ解析1019は、所与のモデル(接続性及びジョイント定義)及びロボットアセンブリセル構成について、利用効率解析及び感度解析を行うことができる。解析は、異なるジョイント定義及び異なるロボットアセンブリセル構成を試すために使用されてもよい。アセンブリ解析1019の入力は、アーキテクチャ設計/最適化701、ジョイント定義、及びロボットアセンブリセル構成によって生成された最適化構造を含むことができる。アセンブリ解析1019の出力は、ロボット利用率、アセンブリ時間、感度解析を含むことができる。
【0181】
(ライフサイクル解析1021)
ライフサイクル解析1021は、一次資源からエンドオブサイクル(揺り籠から墓場まで)までのコスト解析を行うことができ、好ましくはエンドオブサイクル出力ストリーム(揺り籠から揺り籠まで)のアップグレードを含むことができる。ライフサイクル解析1021の入力は、アーキテクチャ設計/最適化701によって生成された最適化構造を含むことができる。ライフサイクル解析1021の出力は、ライフサイクル特性を改善するための最適化構造に対する調整を含むことができる。
【0182】
図11~
図13は、本開示の一態様に従う生成的設計モジュールによって生成され得る結果を示す。
【0183】
図11は、様々な実施形態に従う例示的な骨設計1101を示す。骨設計1101は、中実な内部を有することができ、これは、高性能で、内部粉末を除去する必要がなく、一般的に印刷速度が速い所望の特性を有することができる。
【0184】
図12は、様々な実施形態に従う例示的な中空骨設計1201を示す。中空骨設計1201は、骨設計1101と類似し得るが、中空の部分を含むことができ、中空の部分には、格子、肋骨等の内部構造を含むことができる。中空骨構造は、特定の荷重ケースに対する高性能の特性を有し得るが、内部粉末の除去を必要とすることがあり、潜在的に印刷速度が遅いことがある。
【0185】
図13は、様々な実施形態に従う例示的なボックス状設計1301を示す。xボックス状構造は、壁を薄くできること、及び特定の荷重ケースに対して高い性能を有すること等の特性を有することができる。しかしながら、ボックス状構造は、内部粉末の除去を必要とすることがあり、潜在的に印刷速度が遅いことがある。
【0186】
生成的設計(骨、中空骨、ボックス)1003の入力は、設計最適化入力データ(FEM、CAD)、及び設計目標(性能目標、印刷コスト目標、アセンブリ目標)を含むことができる。生成的設計(骨、中空骨、ボックス)1003の出力は、設計目標を満たす高度な最適化構造を含むことができる。
【0187】
図14は、本開示の一態様に従う製造制約解析1011によってなされる例示的な修正を示す。
【0188】
図14は、初期設計1401を示す。初期設計は、薄い骨領域1403を含む。製造制約解析1011は、薄い骨領域が他の部品とのアセンブリ中に曲がる可能性があると判断することができる。製造制約解析1011は、初期設計1401を調整して、より暗い色合いで示される調整された設計1405を作成することができる。調整された設計1405はまた、印刷適性及び性能を改善することができるより厚い骨領域1407を含むことができる。
図14は、初期設計1401を示す。初期設計は、薄い骨領域1403を含む。製造制約解析1011は、薄い骨領域が他の部品とのアセンブリ中に曲がる可能性があると判断することができる。製造制約解析1011は、初期設計1401を調整して、より暗い色合いで示される調整された設計1405を作成することができる。調整された設計1405は、また、印刷適性及び性能を改善することができるより厚い骨領域1407を含むことができる。
【0189】
製造制約解析1011の入力は、最適化構造を含むことができる。製造制約解析1011の出力は、厚さ、余分なストッキング、及び熱補償等の製造制約を満たす改善された構造を含むことができる。
【0190】
図15は、本開示の一態様に従うLBC管理1015の例示的な動作を示す。
【0191】
LBC管理1015は、LBC1501とターゲットメッシュ1503との設計空間を受け取ることができる。LBC管理1015は、次に、入力に基づいて、LBC1505でターゲットメッシュを生成することができる。
【0192】
荷重/境界条件管理1015の入力は、設計入力モデルにおける荷重ケース及び境界条件(LBC)を含むことができる。荷重/境界条件管理1015の出力は、APS200が一連の設計最適化プロセスの間にLBCを正確に転送できるように、LBCの高レベル表現を含むことができる。
【0193】
図16は、本開示の一態様に従うマージン用設計903の更なる詳細を示す。
【0194】
マージン用設計903は、荷重ケース解析モジュール1601、バリエーション作成モジュール1603、及び分割最適化モジュール1605を含むことができる。
【0195】
(荷重ケース解析1601)
荷重ケース解析1601は、識別された荷重ケースの感度解析(例えば、適用される特定の力又は圧力の異なる値、又は適用される力の異なる方向)を実行して、設計の堅牢性を向上させることができる。荷重ケース解析1601の入力は、設計入力モデルにおける荷重ケース及び境界条件(LBC)を含むことができる。荷重ケース解析1601の出力は、クリティカルな荷重ケースの特定とクリティカルな荷重ケースの感度解析を含むことができる。
【0196】
(バリエーション作成1603)
バリエーション作成1603は、知識、機械学習、及びデータボールト205からのデータを使用して、設計に関する一連の代表的なバリエーションを生成してもよい。これらのバリエーションによって、設計要件及び制約に基づいて、より効率的な全体設計が可能になり得る。所与の設計のバリエーションを作成することによって、バリエーション作成1603は、計算解析が特定の設計特性に焦点を当てた多数の設計を生成できるように、コストを削減し、製造時間を短縮をしても、あるいは設計内の特定の制約に重みを置いてもよい。バリエーション作成1603は、APS200内の多くのモジュール(例えば、コンポーネント設計モジュール803、最適化分割811、分割解析809、MMSO805等)によって使用され、設計のための異なる案を生成することができる。
【0197】
バリエーション作成1603の入力は、設計最適化入力データ(FEM、CAD)、及び設計目標(性能目標、印刷コスト目標、アセンブリ目標)、並びにCOTS材料選択、印刷材料選択、ジョイント分割戦略、アセンブリ戦略選択、印刷戦略選択、及び他の製造プロセス戦略を選択する方法を定義する設計のバリエーションルール定義を含むことができる。バリエーション作成1603の出力は、システムが一連の要件に基づいてバリエーションを評価できるように、エンドツーエンド仕様(設計、アセンブリ、印刷)のバリエーションのリストを含むことができる。
【0198】
(分割最適化1605)
分割最適化1605は、複数の設計目標(印刷時間短縮又はコスト削減、アセンブリ時間短縮又はコスト削減、構造性能、及び他の基準)を達成するために、異なる分割戦略を解析することができる。分割最適化1605の入力は、バリエーション作成1603によって生成されたバリエーションのリストと、分割を評価するための目的関数(印刷コスト、アセンブリコスト、構造性能、及び他の基準)を含むことができる。分割最適化1605の出力は、コンポーネント/サブ構造体の最適化分割を含むことができる。
【0199】
図17は、本開示の一態様に従う設計検証モジュールの更なる詳細を示す。
【0200】
設計検証モジュール905は、特に、荷重/境界条件(LBC)管理モジュール1701と、応力解析モジュール1703と、疲労解析モジュール1705と、衝突解析モジュール1707と、熱解析モジュール1709と、を含むことができる。
【0201】
(荷重/境界条件管理1701)
LBC管理1701は、LBCを設計に投影することによって、メッシュ操作技術を設計に適用してもよい。言い換えれば、LBC管理1701は、メッシュ構造において特定の設計制約を有する設計を作成し、荷重及び境界条件を全体の設計に適用してもよい。その結果、これらの条件は設計に転送され、APS200は、設計シミュレーションにおいて境界条件の精度を維持してもよい。LBC管理1701への入力は、設計入力モデルにおける荷重ケース及び境界条件を含むことができる。LBC管理1701の出力は、APS200が一連の設計改善/最適化プロセスの間にLBCを正確に転送できるように、LBCの高レベル表現を含むことができる。
【0202】
(応力解析1703)
応力解析1703は、構造体に対する応力を決定することができる。応力解析1703は、包括的又は局所的な設計解を生成することも、またスケーリング可能な解を生成することもできる。設計のスケーリングは、1つ以上の変数に関して行うことができ、線形又は非線形であり、静的及び動的条件において実行することができ、及び/又は音響、疲労、衝突吸収性、材料変化、又は他の要因を考慮することができる。応力解析1703は、重量、強度、剛性、振動及び疲労特性等の様々な性能指標について構造を修正、改善、又は最適化し、材料、設計思想、製造技術等の変更の影響を判断することができる。本開示の一態様では、Optistruct(登録商標)等の市販のソフトウェアを応力解析1703の一部又は全部として使用することができる。応力解析1703への入力は、有限要素モデル入力を含むことができる。応力解析1703からの出力は、変位、応力、及びモーメント値等のFEM解析結果を含むことができる。
【0203】
(疲労解析1705)
疲労解析1705は、デジタル信号処理、音響及び振動解析、疲労寿命予測、耐久性解析、エンジニアリングデータ管理、及びレポーティングを提供することができる。疲労解析1705は、設計内のクリティカルな応力点を特定することができ、様々なコンポーネントの疲労寿命を計算することができる。これらの解析は、金属及び複合材を含む様々な材料に対する有限要素(FE)解析結果を含んでもよい。本開示の一態様では、nCode等の市販のソフトウェアを使用することができる。疲労解析1705への入力は、アーキテクチャ設計モジュール801によって生成された構造、疲労荷重ケース、合金及びパラメータデータベース605、接着剤データベース607、COTS部品ライブラリ609からのデータ、又はデータボールト205内の他のデータを含むことができる。疲労解析1705からの出力は、コンポーネント、サブアセンブリ、又は最終製品の構造の疲労寿命解析を含むことができる。
【0204】
(衝突解析1707)
衝突解析1707は、サブアセンブリ、コンポーネント、又は製品についてシミュレーションを実行することができる。これらのシミュレーションは、特に、明示的な時間積分を用いた非線形過渡動的有限要素解析(FEA)、故障解析、疲労解析1705からの疲労解析、又は他のシミュレーションを含むことができる。本開示の一態様では、LS-DYNA等の市販のソフトウェアを使用することができる。衝突解析1707への入力は、アーキテクチャ設計/最適化801からの構造を含むことができる。衝突解析1707からの出力は、最適化構造の衝突安全性解析を含むことができる。
【0205】
(熱解析1709)
熱解析1709は、設計の熱解析を実行することができる。本開示の一態様では、Altair、MSC Software、又は他の標準的なCAEソフトウェアパッケージ等の市販のソフトウェアを使用することができる。熱解析1709への入力は、アーキテクチャ設計/最適化801からの構造及び熱解析入力を含むことができる。熱解析1709からの出力は、最適化構造の熱解析を含むことができる。
【0206】
図18は、本開示の一態様に従う付加モジュール209の更なる詳細を示す。
【0207】
付加モジュール209は、AM(印刷)モジュール1801を含むことができ、AMモジュール1801は、自動ネスティングモジュール1803及び自動サポート生成モジュール1805を含むことができる。
【0208】
(AMモジュール1801)
AMモジュール1801では、三次元構造は、溶接、マイクロ溶接、堆積、結合、融合、そうでなければ、フィードストック材料のより大きな全体への部分的な結合を管理する一連の命令に分解される。一般に、サブトラクティブ製造とは対照的に、アディティブ(付加)製造と呼ばれ、一連のプロセスによって、より大きな基板が最終形状に縮小される。
【0209】
AMモジュール1801の入力は、印刷に必要なフィーチャを備え、一般に、厚さが一定又は可変であり得る一連のスライスへの分解を伴って準備されたデジタル設計モデルを含むことができ、またビルドの成功を促進するために、熱と応力とを管理するサポート構造を含んでもよい。AMモジュール1801の出力は、一般に、ビルド基板プレートに直接的に、及び/又は関連するサポート構造、部分的に焼結又は結合された粉末等と共に、取り付けられた半完成品/構造を含むことができる。この製品は、次の処理にさらされて、その後、最終的に使用される。
【0210】
(自動ネスティング1803)
自動ネスティング1803では、境界エンベロープ、形状の複雑さ/凹面の値、クリティカルなフィーチャ等の一連の特性を有するデジタル設計モデルのグループ又はプールを解析することができる。これらのモデルは、一連の生産要件(例えば、数量、スケジュール、関連する機器の能力等)に従って、一連のアルゴリズムによって特徴付けられ、解釈されることがある。アルゴリズムは、材料の無駄、ビルド時間、ダウンタイム等を削減するために、補完的で類似した活動を組み合わせることによって、工場の運用効率を改善又は最大化しようとする。
【0211】
自動ネスティング1803への入力は、ネスティング解析に必要な一連の特性を有するデジタル設計モデルのグループ/プールを含むことができる。自動ネスティング1803からの出力は、工場の操業効率の目的関数を最大化し、付加プロセスで共同製造される各品目の必要な位置及び向きを定義する、最適化された一連のビルド定義を含むことができる。
【0212】
(自動サポート生成1805)
自動サポート生成1805は、印刷中にサポート構造を採用し得るAM設計のためのサポート構造設計を生成してもよい。定義されたビルドベクトルを有する任意の所与のデジタル設計モデルについて、そのモデルは、印刷プロセス中に使用されるフィーチャで修正することもできる。自動サポート生成1805の出力は、印刷に使用される機械に応じて、また印刷中の部品の角度又は回転、APS200の他のモジュールによって生成される部品の分割等に応じて変化してもよい。
【0213】
選択的レーザ溶融又は粉末床溶融技術は、一般に、設計を一定又は可変の厚さの一連のスライスに分解し、そのような設計は、ビルドの成功を促進するために、熱及び応力管理するサポート構造を採用することができる。これらの熱機械構造は、選択したAM技術の制限要件(例えば、ビルド角度、プロセス設定による残留物、予熱/環境条件等)内でビルドの成功する確率を高めるために使用される。AMプロセスシミュレーションソフトウェアからの知識ベースと、製造された以前の製品の増大するデータベース、及び入力モデルに対する寸法精度等の他の特性によって、このプロセスは、時間とともにますます自動化され、印刷プロセスの歩留まりを高めることができる。
【0214】
自動サポート生成1805への入力は、準備されたデジタル設計モデルと、関連するビルドベクトル/配向とを、該当する場合に、含むことができる。自動サポート生成1805からの出力は、印刷が成功する確率を高めるために必要な任意の熱機械構造で修正されたモデルを含むことができる。
【0215】
図19は、本開示の一態様に従うアセンブリモジュール211の更なる詳細を示す。
【0216】
アセンブリモジュール211は、特に、アセンブリ計画モジュール1901を含むことができ、アセンブリ計画モジュール1901は、アセンブリプランナユーザインターフェース1903、シーケンスプランナ1905、アセンブリフィーチャロケータ1907、モーションプランナ1909、精度予測器/導出器1911、及びオフラインプログラミング(OLP)プランナ1913を含むことができる。これらのコンポーネントは、互いにループすることができ、最適化アセンブリのソリューションに収束させることができる。
【0217】
(アセンブリプランナユーザインターフェース1903)
アセンブリプランナユーザインターフェース1903は、アセンブリプランナのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含むことができ、GUIは、ロボットアセンブリセル/自動アセンブリプロセスのユーザインターフェースであり得る。アセンブリプランナユーザインターフェース1903は、専門的な訓練なしに操作できるように、グラフィカルで直感的なものとすることができる。
【0218】
アセンブリプランナユーザインターフェース1903は、直感的な方法でシミュレーションされたアセンブリプロセスを表示し、製造プロセスが進むにつれて、アセンブリ又はサブアセンブリの部品及びステップを強調してもよい。ユーザへの出力は、機械のサイクルタイム、予測されるアセンブリ精度、及びロボット利用率を含んでもよい。
【0219】
アセンブリプランナユーザインターフェース1903は、1つ以上のソフトウェアを含んでもよく、それらは、市販のソフトウェア又は独自のソフトウェア、幾何学ベースのシミュレーション、センサ入力を評価するプロセッサ、及び他のアイテムを含んでもよい。アセンブリプランナユーザインターフェースへの入力は、構造CAD及びアセンブリレイアウト、自動化機器からのセンサ出力、部品ロケータ、及び他の入力を含むことができる。アセンブリプランナユーザインターフェース1903からの出力は、グラフィカルインターフェースを含むことができる。
【0220】
(シーケンスプランナ1905)
シーケンスプランナ1905は、構造のCAD及びアセンブリレイアウトを受け取り、所与のサブアセンブリ又は製品のアセンブリシーケンスを出力することができる。アセンブリシーケンスは、最終アセンブリ又は最終製品を作成するために、部品又はサブアセンブリがアセンブリされるか又は接合される順序を記述している。シーケンスプランナ1905は、全体のアセンブリライン/セルにおける各ロボットのシーケンス及び位置、どのロボットがどの部品を保持/アセンブリしているか、各ロボットの動作順序、どの部品テーブルがどの部品から始まるか、等を記述して維持する。
【0221】
シーケンスプランナ1905によって生成されたシーケンスは、より大きなロボットプログラム及びPLC/IPCコードを開発するための基礎となり得る。シーケンスプランナ1905によって生成されたシーケンスは、アセンブリ製造モジュール215によって従うべきアセンブリの順序を示す。アセンブリプロセスは、またアーキテクチャ設計モジュール801と統合されてまた、アセンブリ全体の最適な分割を決定してもよい。このような分割は、異なるアセンブリシーケンス間の精度、サイクルタイム、効率等を比較するために、アセンブリシーケンスプランナから出力された情報を含んでもよい。このシーケンスプランナ1905は、また、アセンブリフィーチャロケータ1907、モーションプランナ1909、及び精度プランナ1911と統合され、これらとインターフェースすることができる。アセンブリ計画モジュール1901内の様々な計画モジュールとインターフェースする場合、最終アセンブリシーケンスがシーケンスプランナ1905によって生成され、OLPプランナ1913のためのベースラインとして使用される。
【0222】
シーケンスプランナ1905の入力は、構造CAD、アセンブリレイアウト、アセンブリフィーチャロケータ、モーションプランナ、及び精度予測器とのループ、並びにアーキテクチャ設計/最適化モジュールとのループを含むことができる。シーケンスプランナ1905の出力は、アセンブリシーケンス、アセンブリフィーチャロケータ、モーションプランナ、及び精度予測器とのループ、並びにアーキテクチャ設計/最適化モジュールとのループを含むことができる。
【0223】
(アセンブリフィーチャロケータ1907)
アセンブリフィーチャロケータ1907は、部品、サブアセンブリ、又は最終製品上の全てのアセンブリフィーチャの位置を決定することができる。次に、これらの位置を使用して、アセンブリフィーチャを自動的に設計することができる。アセンブリフィーチャロケータ1907は、APS200全体のコスト及び効率性能を考慮しながら、最適な位置を決定するために、複数の解析を行うことができる。
【0224】
アセンブリフィーチャロケータ1907は、接合位置、品質管理(QC)フィーチャ、紫外線(UV)フィーチャ、及び計測フィーチャに注目してもよいが、他のフィーチャロケータ位置がアセンブリフィーチャロケータ1907によって考慮されることもある。
【0225】
アセンブリフィーチャロケータ1907モジュールは、シーケンス及び位置の変更が互いに影響するように、シーケンスプランナ1905とインターフェースし、また、分割及びCAD設計フィーチャの変更を考慮するために、アーキテクチャ設計モジュール801及びコンポーネント設計モジュール803とインターフェースする。
【0226】
アセンブリフィーチャロケータ1907の入力は、構造CAD、アセンブリレイアウト、シーケンスプランナ1905、モーションプランナ1909、及び精度予測器1911、並びにアーキテクチャ設計/モジュール801及びコンポーネント設計モジュール803を含むことができる。アセンブリフィーチャロケータ1907の出力は、結合位置の選択又は場所決定、決定されたQC(ロボットグリッパ)位置、決定されたUVフィーチャ位置、決定された計測フィーチャ位置、シーケンスプランナの変更、モーションプランナの変更、及び精度予測器の変更、並びにアーキテクチャ設計モジュール801及びコンポーネント設計モジュール803の入力を含むことができる。
【0227】
(モーションプランナ1909)
モーションプランナ1909は、アセンブリフィーチャロケータ1907の入力を使用して、アセンブリセル又はアセンブリライン内の各ロボットに対する動作経路を決定することができる。この経路は、1つ以上のパラメータ(例えば、サイクルタイム、プロセス、アセンブリラインの安全性(ロボット衝突制御等)、又は他のパラメータ)に基づいて改善されることがある。モーションプランナ1909への入力は、アセンブリシーケンス、アセンブリフィーチャ位置、シーケンスプランナ、アセンブリフィーチャロケータ、及び精度予測器とのループ、並びにアーキテクチャ設計/最適化モジュール及びコアコンポーネント設計モジュールとのループを含むことができる。モーションプランナ1909からの出力は、各ロボットに対する動作経路、シーケンスプランナ1905、アセンブリフィーチャロケータ1907、及び精度予測器1911のためのデータ、並びにアーキテクチャ設計モジュール801及びコンポーネント設計モジュール803のためのデータを含むことができる。
【0228】
(精度予測器/導出器1911)
精度予測器/導出器1911は、最終アセンブリ/製品の精度の予測を提供してもよく、また、製造プロセス中にアセンブリ精度を改善するために使用されてもよい。精度予測器/導出器1911は、構造CAD、アセンブリシーケンス、アセンブリフィーチャ位置等に基づいて、製造精度を予測するソフトウェアモジュールを使用してもよい。精度予測器/導出器1911は、シーケンスプランナ1905、アセンブリフィーチャロケータ1907、及びモーションプランナ1909とインターフェースして製造/ビルドプロセスにおける各ステップの精度を向上させてもよい。ビルド時間、コスト、又はビルド精度に関する他の要因に基づいて、トレードオフを提供してもよい。精度予測器/導出器1911は、また、アーキテクチャ設計モジュール801及びコンポーネント設計モジュール803とインターフェースして、製造精度に関して所望の又は改善された分割及び形状について通知してもよい。
【0229】
精度予測器/導出器1911への入力は、アセンブリシーケンス、アセンブリフィーチャ位置、シーケンスプランナ1905、アセンブリフィーチャロケータ1907、及びモーションプランナ1909、並びにアーキテクチャ設計モジュール801及びコンポーネント設計モジュール803からの入力を含むことができる。精度予測器/導出器1911からの出力は、位置を調整し、アセンブリ全体の精度を改善するために、アセンブリ精度の予測、物理アセンブリプロセスのライブ制御のオプション、機械学習(ロボットへのフィードバック)等を含むことができる。
【0230】
(OLPプランナ1913)
OLPプランナ1913は、IPC/PLC/セルサーバに送信され、ロボットがダウンロードできる構造化OLPを作成する。OLPプランナ1913は、アセンブリモジュール211の出力をアセンブリセルハードウェアと互換性のある形式にコンパイルし、アセンブリモジュール211の出力をアセンブリセルによって受け取ってサブアセンブリ/製品を構築できるようにする。OLPプランナ1913の入力は、ロボット動作経路、アセンブリシーケンス(例えば、IPC/PLC用のガントログ)、及びアセンブリフィーチャ位置を含むことができる。OLPプランナ1913の出力は、構造化されたOLPと、アセンブリセルによって使用される機能、I/O、及び他の通信を含むことができる。
【0231】
図20は、本開示の一態様に従う工場管理モジュールの更なる詳細を示す。
【0232】
工場管理モジュール212は、企業リソースプランナ(ERP)2001と、製造実行システム(MES)2003と、品質管理システム(QMS)2005と、製品ライフサイクル管理(PLM)システム2007と、を含むことができる。
【0233】
(企業リソースプランナ(ERP)2001)
ERP2001は、インベントリ管理及び自動調達を実行してもよい。ERP2001は、Oracleのような市販のソフトウェアであってもよいし、アセンブリプロセスの一部又は全部に対応する独自のソフトウェアであってもよい。ERP2001の入力は、MES2003データとPLM2007との統合を含むことができる。ERP2001の出力は、MES2003とPLM2007からの供給データに基づくインベントリ管理及び自動調達を含むことができる。
【0234】
(MES2003)
MES2003は、アクティビティ又は製造のステップをスケジュール/シーケンスするためのハイレベルなコントローラとして機能することができる。また、MES2003は、製造プロセス中に生成されたデータの検証、データの記録、及びデータの表示に使用してもよい。MES2003は、設計の選択又は設計サブシステム201を統合し、入力を提供してもよい。MES2003は、工場の生産能力、スケジューリング、及び他の要因を考慮し、過剰生産能力があるかどうか、及び過剰生産能力に関連するコストを決定することができる。
【0235】
MES2003は、複雑な設計選択、例えば、サイクルタイムよりも性能に重点を置いた設計(すなわち、工場に過剰生産能力がある場合)、又は生産能力やスケジュールの変更によって影響を受ける可能性のある他のトレードオフ等の選択を可能にするデータを提供することができる。MES2003は、特定のマシンのセンサ、システム内のPLC/IPC等を通じて、APS200に接続することができる。また、MESは、ERP2001に接続し、インベントリ管理及び材料調達に関連するデータを共有することができる。
【0236】
MES2003への入力は、APS200の設計サブシステム201部分及び製造サブシステム203からの製造命令を含むことができる。MES2003からの出力は、生産スケジュール、例えば、各製造ステップ/プロセスのスケジューリングの詳細、ISO規格に対する検証済み生産データ、管理された生産データ、記録されたデータ、及び調達とインベントリ管理のためにERP2001と統合するデータを含むことができる。
【0237】
(品質管理システム(QMS)2005)
QMS2005は、APS200技術の開発及び生産プログラムの実行に使用される一連のポリシー、プロセス、及び手順を提供することができる。これらのポリシー、プロセス、及び手順は、文書化して改善の機会を提供し、欠陥の防止を支援し、生産中及びサプライチェーンにおいて、ばらつきと無駄を削減する。QMS2005の入力は、顧客要件、プロセス要件、及び技術要件を含むことができる。QMS2005の出力は、教訓、標準化された書式、標準作業手順書、作業指示書、教育資料、リスク評価と対応、不適合報告と是正処置、メンテナンスログ、エンドオブライン又はその場品質監視試験等の性能監視と実行による測定データ等を含むことができる。
【0238】
(製品ライフサイクル管理(PLM)システム2007)
PLMシステム2007は、標準製品ライフサイクル管理機能、設計及びプロセス文書の管理、BOM、分類及び他のメタデータ、並びに輸出管理データ等のコンプライアンスデータを提供することができる。PLMシステム2007への入力は、製品及びプロセスのリストを含むことができる。PLMシステム2007からの出力は、ライフサイクル管理された製品データを含むことができる。
【0239】
図21は、本開示の一態様に従うAM粉末及び材料管理モジュール214の更なる詳細を示す。
【0240】
AM粉末及び材料管理モジュール214は、粉末管理モジュール2101と、接着剤管理モジュール2103、廃棄物管理モジュール2105と、COTS管理モジュール2107と、を含むことができる。粉末管理モジュール2101は、粉末品質試験モジュール2109と、粉末配送及び保管モジュール2111と、を含むことができる。接着剤管理モジュール2103は、接着剤品質試験モジュール2113と、接着剤配送及び保管モジュール2115と、を含むことができる。廃棄物管理モジュール2105は、フィルタ交換モジュール2117と、材料廃棄物/リサイクルモジュール2119と、を含むことができる。
【0241】
(粉末管理モジュール2101)
粉末管理モジュール2101は、アセンブリ用部品の製造に使用される3Dプリンタのための粉末及び他のフィードストックの試験、保管、及び配送を管理することができる。粉末管理モジュール2101の入力は、未使用粉末及び使用済み粉末と、使用可能なストックに戻るサポートのリサイクルと、ストック内の新たに受け取った粉末と、を含むことができる。粉末管理モジュール2101の出力は、AM操作のためのフィードストックを含むことができる。
【0242】
(接着剤管理モジュール2103)
接着剤管理モジュール2103は、適切な条件下での接着剤の保管に関する情報(例えば、温度制御、冷蔵等)を提供することができ、ロボットアセンブリセルに接着剤(例えば、分配されるべき量の保持用接着剤、構造用接着剤等)を、部品結合ラインに適用するために目的設計のディスペンスシステムに搬入するために、供給することができる。
【0243】
接着剤管理モジュール2103は、アセンブリセル又はロボットで使用される接着剤の用量、適用、及び種類、並びに一旦適用された接着剤の硬化を管理する。接着剤管理モジュール2103は、また、使用される接着剤の廃棄物を制御し、適用される規制基準に従って廃棄物を管理してもよい。接着剤管理モジュール2103への入力は、部品結合のためにロボットアセンブリセルに供給される接着剤(接着剤の種類、量、使用率等)を含むことができる。接着剤管理モジュール2103の出力は、アセンブリセル動作のために供給される接着剤のレートを含むことができる。
【0244】
(廃棄物管理モジュール2105)
廃棄物管理モジュール2105は、APS200によって生成される廃棄物/リサイクル可能な材料を管理することができる。廃棄物管理モジュール2105は、フィルタ、露出した粉末、サポート、コーティングリンス材料、使用済みバス材料、中和剤、ノズル内の露出した接着剤、オフガス、機械加工チップ、使用済みタンブリングメディア及び廃水等の工場プロセスによって生成された廃棄物、並びに他の廃棄物材料を管理することができる。廃棄物管理モジュール2105の入力は、処分、浄化、又はリサイクルを必要とする全ての廃棄物を含むことができる。廃棄物管理モジュール2105の出力は、廃棄物に関連するデータを含むことができ、全ての規制要件に準拠した適切な廃棄物処分に対処するレポートも含む。
【0245】
(COTS管理モジュール2107)
COTS管理モジュール2107は、製造サブシステム203のためのCOTS要件を管理することができる。例えば、COTS管理モジュール2107は、COTS部品のインベントリを含むことができる。これらのCOTS部品は、マルチ材料アセンブリでアセンブリされるように、必要に応じて、アセンブリ製造モジュール215に配送することができる。COTS管理モジュール2107への入力は、アセンブリに対するCOTS要件を含むことができる。COTS管理モジュール2107の出力は、アセンブリ製造モジュール215によるアセンブリのためのCOTS部品を含むことができる。
【0246】
(粉末品質試験モジュール2109)
粉末品質試験モジュール2109は、粉末試験、例えば、各CTQ(品質にクリティカルな)パラメータ(例えば、粉末流量、湿度、化学等)のチェックを提供することができる。粉末品質試験モジュール2109は、複数のAMシステムに対して定義された制御限界内に粉末を維持する中央粉末処理及び分配システムに送達及び導入される材料の種類及び品質を確認することができる。粉末品質試験モジュール2109は、粉末の寿命/劣化モデル等の使用及び環境変数に基づいて、様々な間隔で定期的及び/又はランダムに粉末を確認及び検査してもよい。
【0247】
粉末品質試験モジュール2109の入力は、ベンダーの証明及び試験を伴う受領時の粉末、及び継続的な使用を確認するためにシステム内で循環する使用済み粉末を含むことができる。粉末品質試験モジュール2109の出力は、APS200の一部であるAMシステムで使用するための承認された粉末/フィードストックを含むことができる。
【0248】
(粉末配送及び保管モジュール2111)
粉末配送及び保管モジュール2111は、3Dプリンタ用の粉末及び他のフィードストックの保管及び配送に関するデータを提供することができる。粉末配送及び保管モジュール2111は、各粉末に固有であり得る安全規制、(例えば、反応性、熱発生性等)に従う場所に保管される承認済み粉末の命令及び場所を提供し得る。また、粉末配送及び保管モジュール2111は、承認済み粉末を中央粉末処理及び分配システムに導入してもよい。粉末配送及び保管2111への入力は、粉末/フィードストックの配送及び適切な保管の命令及び検証と、受け入れの基準及び命令と、を含むことができる。粉末配送及び保管モジュール2111の出力は、ERP2001及びQMS2005等の工場管理ツールの要求要件に従ってAMシステムに供給される粉末/フィードストックを含むことができる。
【0249】
(接着剤品質試験モジュール2113)
接着剤品質試験モジュール2113は、接着剤の品質要件が満たされていることを保証するために、在庫にある接着剤を試験することができる。接着剤がAPS200内で使用されるのに十分な品質であることを確認するために、硬化プロファイル、ラップシャー、及び他の試験技術等、様々な品質対策を実施することができる。接着剤品質試験モジュール2113の入力は、評価及び確認を必要とする在庫の接着剤を含むことができる。接着剤品質試験モジュール2113の出力は、APS200における使用のために確認されたそれらの在庫の接着剤を含むことができる。
【0250】
(接着剤配送及び保管モジュール2115)
接着剤配送及び保管モジュール2115は、ロボットアセンブリセルへの接着剤の保管及び配送のための追跡を提供することができる。接着剤配送及び保管モジュール2115は、使用点での需要が、アセンブリ作業を完了するために追加の接着剤材料が必要とされ得るような閾値に達するまで、承認済み接着剤に関するデータ(例えば、保管場所、配送ステータス、安全規制、環境制御要件等)を提供する。接着剤配送及び保管モジュール2115の入力は、所与の接着剤が配送され、検証及び受入時に適切に保管されているというデータを含むことができる。接着剤配送及び保管モジュール2115の出力は、ERP2001及びQMS2005等の工場管理ツールの需要要件ごとにロボットセルシステムに供給されている所与の接着剤に関連するデータを含むことができる。
【0251】
(フィルタ交換モジュール2117)
フィルタ交換モジュール2117は、粉末床溶融プリンタ等、フィルタを必要とする3Dプリンタのフィルタ要件を管理することができる。フィルタ交換モジュール2117は、広範囲のパラメータにわたってプロセスの安定性を保証するために、特定の清浄度の範囲内で動作を必要とするフィルタを監視することができる。
【0252】
フィルタ交換モジュール2117の入力は、交換又は置換を必要とするフィルタを含むことができる。フィルタ交換2117の出力は、背圧要件を満たすフィルタ、在庫のフィルタ、及び今後の使用のために注文されるフィルタを含むことができる。
【0253】
(材料廃棄物/リサイクルモジュール2119)
材料廃棄物/リサイクルモジュール2119は、製造203の様々なモジュールから廃棄物及び/又はリサイクル可能な材料を受け取り、処分及び/又はリサイクルのために材料を処理することができる。材料廃棄物/リサイクルモジュール2119は、サポート材料のリサイクル、サポートのボールミル、電解研磨廃棄物の再生、フィルタ材料の再利用等の廃棄物/リサイクル可能な機能を管理することができる。材料廃棄物/リサイクルモジュール2119は、相変化リサイクル又は処分、例えば、液体に変換された固体リサイクル物、溶液からの金属の再メッキ、あるいは他のリサイクル又は処分プロセスも管理することができる。材料廃棄物/リサイクルモジュール2119の入力は、リサイクルの候補である様々な廃棄物の流れを含むことができる。材料廃棄物/リサイクルモジュール2119の出力は、APS200のためのフィードストックに再び変換することができるリサイクル材料を含むことができる。
【0254】
図22は、本開示の一態様に従うAMコンポーネント製造モジュールの更なる詳細を示す。
【0255】
AMコンポーネント製造モジュール213は、付加製造(印刷)モジュール2201と、機械加工(コンポーネント)モジュール2203と、材料搬送及び保管モジュール2205と、品質/検査モジュール2207と、コーティングモジュール2209と、を含むことができる。
【0256】
(付加製造(印刷)モジュール2201)
付加製造(印刷)モジュール2201は、部品を付加製造するための3Dプリンタ及び後処理機械を管理及び操作することができる。付加製造(印刷)モジュール2201は、完成した部品、又はアセンブリ製造モジュール215によってアセンブリされるアセンブリに使用される部品を追跡又は印刷することができる。付加製造(印刷)モジュール2201は、フィードストックから半製品又は完成品出力までのAMプロセスチェーン(検討中のコンポーネントに適用可能であれば、機械加工及びアセンブリ作業を除く)を管理することができる。付加製造(印刷)モジュール2201の入力は、3Dプリンタ用の粉末及び/又はフィードストック等を含むことができる。付加製造(印刷)モジュール2201の出力は、3D印刷された部品を含むことができる。
【0257】
(機械加工(コンポーネント)モジュール2203)
機械加工(コンポーネント)モジュール2203は、最も一般的にはCNC切断及び穿孔ツールを含む従来のサブトラクティブ法を管理することができる。機械加工(コンポーネント)モジュール2203は、3D印刷された部品を機械加工するために関係する材料に応じて、EDMのような他の方法を管理することもできる。機械加工(コンポーネント)モジュール2203の入力は、タンブル面を有する又は有さない半完成部品又は完成部品を含むことができる。機械加工(コンポーネント)モジュール2203の出力は、完成した機械加工されたコンポーネントを含むことができる。
【0258】
(材料搬送及び保管モジュール2205)
材料搬送及び保管モジュール2205は、作業指示書/トラベラーによって管理されるように、一時的な保管場所を含む、施設内でのステーションからステーションへのコンポーネント移動を管理及び追跡することができる。材料搬送及び保管モジュール2205は、外注プロセスが使用されている場合、施設外搬送を含むこともある。材料搬送及び保管モジュール2205は、処理を完了するために、品質保留/隔離領域、再加工/修復を必要とする部品又は材料等を含むことができる。材料搬送及び保管モジュール2205の入力は、処理又はアセンブリを完了するために、施設内でのステーションからステーションへの移動を必要とする部品の場所を含むことができる。材料搬送及び保管モジュール2205の出力は、部品又は材料の完了した処理及び最終インベントリ場所への配送を含むことができる。
【0259】
(品質/検査モジュール2207)
品質/検査モジュール2207は、それら部品の適合性を検証するために品質試験を必要とするそれら部品を管理し、追跡することができる。品質/検査モジュール2207は、使用不可能なハードウェアへの時間及び製造リソースの投資を避けるために採用され得る。品質試験は、プロセス能力及び欠陥の性質によって知らされる頻度で実行することができる。品質/検査モジュール2207の入力は、品質試験を必要とする部品を含むことができる。品質/検査モジュール2207の出力は、品質試験に合格した検査済み部品と、再加工、修理、又は製造業者への返却を必要とする部品とを含むことができる。
【0260】
(コーティングモジュール2209)
コーティングモジュール2209は、製造プロセス中にコーティングされ得る部品を管理し、追跡することができる。コーティングは、多種多様な特性を満たすために適用されてもよいが、最も一般的には、摩擦、腐食、又は美観のために適用される。コーティングモジュール2209は、用途要件に基づき、基板性能を考慮した適切なコーティングの選択を管理してもよい。e-コーティングの他に、陽極酸化、自己組織化単分子膜、塗料、有機コーティング等が可能である。コーティングモジュール2209の入力は、コーティングを必要とする部品を含むことができる。コーティングモジュール2209の出力は、正常にコーティングされた部品と、コーティングの使用量、在庫量、又は注文必要量と、を含むことができる。
【0261】
図23は、本開示の一態様に従うAM印刷モジュールの更なる詳細を示す。
【0262】
付加製造(印刷)モジュール2201は、特に、ビルドシリンダ再マージモジュール2301と、ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2203と、印刷モジュール2305と、ビルドパッケージアンマージモジュール2307と、ビルドパッケージ冷却モジュール2309と、粉末回収モジュール2311と、自動ビルドプレート分離モジュール2313と、ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315と、ビルドプレートショットピーニングモジュール2317と、熱処理モジュール2319と、サポート除去モジュール2321と、表面処理モジュール2323と、を含むことができる。
【0263】
(ビルドシリンダ再マージモジュール2301)
ビルドシリンダ再マージモジュール2301は、ビルドプレートパッケージをビルドシリンダに機械的に連動させて封止し、全体的なビルドパッケージを形成することができる専門機器を含むことができる。ビルドシリンダ再マージモジュール2301は、ビルドパッケージを構築してもよく、これは、完成したビルドを未溶融粉末で囲むための密閉容器であってもよい。ビルドシリンダ再マージモジュール2301は、粉末が汚染されたり、緩い粉末が不注意によってこぼれたり、大気に露出したりすること等を防止するための蓋等の頂部表面用の密封要素をさらに追加してもよい。ビルドシリンダ再マージモジュール2301の入力は、アセンブリされたビルドプレートパッケージ[これは自動化されてもよい]と、適切に準備されたビルドシリンダと、を含むことができる。ビルドシリンダ再マージモジュール2301の出力は、プリンタ内に設置するための完全にマージされたアセンブリと、関連する処理と、を含むことができる。
【0264】
(ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2303)
ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2303は、ビルドプレート/シリンダの予熱のための命令を含むことができる。製造される各材料は、パラメータ設定及び他のマシン設定と一体である特定のプレート予熱を有する。また、ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2303は、ビルドボリューム全体にわたる一貫性を確保するために、許容変動範囲内でAM処理中の予熱温度を維持してもよい。また、ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2303は、プリンタ外の特殊な一連のステーションで発生することによって、工場全体のサイクル時間及び利用率を改善するためにプレート予熱を監視及び制御してもよく、これは、個別ステーションのマシン使用時間価値対コスト、予熱される合計質量、周囲条件に対する予熱温度差等の関数であり得る。ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2303の入力は、材料固有の予熱設定を含むことができる。ビルドプレート/シリンダ予熱モジュール2303の出力は、ビルドジョブを通して維持される予熱温度を含むことができる。
【0265】
(印刷モジュール2305)
印刷モジュール2305は、部品(3D印刷部品を含む)の製造を監視及び追跡することができる。印刷モジュール2305は、わずかに異なるプロセスチェーンを有する異なるAMプロセスを監視及び制御してもよく、これは、層ごとの製造プロセスを監視及び制御することを伴う。各層は、一組の品質特性について印刷モジュール2305によって監視される。印刷モジュール2305は、開ループ又は閉ループプロセスで層を監視してもよく、潜在的な欠陥の現場(ex situ)検証のために、部分的な状態でビルドを停止するか、完成まで実行させるかのバランスをとること、あるいはプロセスの問題が識別されたときに介入することを含んでもよい。印刷モジュール2305の入力は、一連の工学的要件(材料性能、寸法、熱交換又は流量等の他の機能)を達成するために、フィードストック、プロセスガス、関連パラメータ及びマシン設定を有するビルドファイルを含むことができる。印刷モジュール2305の出力は、印刷されたままの部品、プロセス廃棄物(フィルタ、ガス、特大粉末)を含むことができる。
【0266】
(ビルドパッケージアンマージモジュール2307)
ビルドパッケージアンマージモジュール2307は、ビルドパッケージを後続のプロセスのための構成要素に機械的に分離する機器を監視及び制御することができる。ビルドパッケージアンマージモジュール2307の入力は、クリーンビルドパッケージを含むことができる。ビルドパッケージアンマージモジュール2307の出力は、部品を含むアセンブリされたビルドプレートパッケージと、使用済みのビルドシリンダと、を含むことができる。
【0267】
(ビルドパッケージ冷却モジュール2309)
ビルドパッケージ冷却モジュール2309は、ビルドパッケージの冷却の監視及び制御を含むことができる。ビルドパッケージ冷却モジュール2309は、外部シリンダ及びプレートパッケージを含んでもよく、ビルドパッケージ全体を監視及び制御してもよい。ビルドプレートパッケージは、プレートに加えて、加熱要素及び/又は冷却要素を含む嵌合プレートを含んでもよい。ビルドパッケージ冷却モジュール2309は、温度監視等の様々な目的のために、ビルドパッケージ内のセンサを監視及び制御してもよい。プリンタの動作が冷却時間によって制限されないように、余分なハードウェアを含んでもよく、これは、工場のAM部分のステーションを含んでもよい。ビルドパッケージ冷却モジュール2309の入力は、その後の安全な取り扱いに適さない温度のビルドパッケージを含むことができる。ビルドパッケージ冷却モジュール2309の出力は、その後の安全な取り扱いに適した温度のビルドパッケージを含むことができる。
【0268】
(粉末回収モジュール2311)
粉末回収モジュール2311は、粉末を利用するAPS200の3D印刷プロセスにおける粉末の回収の監視及び制御を含むことができる。粉末回収モジュール2311は、攪拌下で排水することによって粉末を回収してもよく、撹拌には、部品の姿勢を連続的に変化させながらの高周波及び低周波での攪拌を含んでも、あるいは別個の機器でビルドプレートレベルの詳細な洗浄を含んでもよい。部品の回転は、複雑な内部通路からの除去を容易にするために、少なくとも一軸、好ましくは三軸で進行してもよい。粉末回収モジュール2311の入力は、粉末で汚染されたビルドパッケージを含むことができる。粉末回収モジュール2311の出力は、清浄なビルドパッケージを含むことができる。
【0269】
(自動ビルドプレート分離モジュール2313)
自動ビルドプレート分離モジュール2313は、ビルドプレートからの部品の分離の監視及び制御を含むことができる。アルミニウム合金の場合、一般に機械的切断方法を使用することができ、他の材料の場合、放電加工等の他の戦略がより経済的であり得る。自動ビルドプレート分離モジュール2313は、アセンブリセル又は個々のロボットレベルでのビルドプレート分離の監視及び制御を含むことができ、また、QC機能、専用切断ロボット、又は他の監視及び制御プロセスを含むことができる。自動ビルドプレート分離モジュール2313の入力は、サポートによって取り付けられた部品を有するビルドプレートを含むことができる。自動ビルドプレート分離モジュール2313の出力は、サポートが取り付けられたままの半製品上で、残っているサポートのために再表面処理する必要があるビルドプレートを含むことができる。
【0270】
(ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315)
ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315は、ビルドプレートの表面研削又は機械加工(ミリング)の監視及び制御を含むことができる。ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315は、様々な技術の監視及び制御を含むことができ、例えば、アルミニウムは比較的柔らかい材料であるため、研削は、研削石のドレス間隔のためにアルミニウムの機械加工よりも好ましくないことがある。ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315は、製造プロセスにおける様々なステップで適切であり得る標準化された方法の監視及び制御を含むことができるが、経済性がアセンブリプロセスにおける特定の材料又はプロセスに対して支持される場合、レーザアブレーション等の独自の方法が検討され得る。ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315の入力は、サポートが残っているために、再表面処理(又は薄すぎる場合はスクラップ)を必要とするビルドプレートを含むことができる。ビルドプレート再表面処理(CNC)モジュール2315の出力は、厚さ及び平坦度/仕上げ要件内のビルドプレート、又は第一層の接着を促進するために後続の粗面化を必要とするビルドプレートを含むことができる。
【0271】
(ビルドプレートショットピーニングモジュール2317)
ビルドプレートショットピーニングモジュール2317は、プレート表面を粗くするためのショットピーニング又はビーズブラストの監視及び制御を含むことができる。プレート表面のショットピーニング又はビーズブラストは、プレート表面へのサポートの優れた取り付けを促進し得る。ビルドプレートショットピーニングモジュール2317は、プレート表面の粗面化なしで、印刷可能なAM材料に対して、プレート表面の粗さのパラメータを変更することができる。例えば、限定するわけではないが、チタン等の一部の材料は、プレート表面の粗面化なしに、プレートに強固に取り付けられ、その後除去することができるが、他の材料は、印刷プロセス中に適切に接着するためにプレート表面をより粗くすることを必要とする。ビルドプレートショットピーニングモジュール2317の入力は、厚さ及び平坦度/仕上げ要件内のビルドプレート、又は第一層の接着を促進するために後続の粗面化を必要とするビルドプレートを含むことができる。ビルドプレートショットピーニングモジュール2317の出力は、次のジョブに使用するためのビルドプレートのレディネス(readiness)を含むことができる。
【0272】
(熱処理モジュール2319)
熱処理モジュール2319は、ビルドパッケージの熱処理の監視及び制御を含むことができる。熱処理モジュール2319は、プレートから分離する前の部品の歪みを低減するように、残留応力の応力緩和の監視及び制御を含むことができる。熱処理モジュール2319は、所望の一連の機械特性及び関連する微細構造を達成するために、特定の部品の熱処理の監視及び制御、例えば、析出硬化熱処理、エージング等を含むことができる。熱処理モジュール2319の入力は、熱処理を必要とするビルドパッケージ又はコンポーネントを含むことができる。熱処理モジュール2319の出力は、熱処理/応力緩和されたアセンブリ又はコンポーネントを含むことができる。
【0273】
(サポート除去モジュール2321)
サポート除去モジュール2321は、所望の仕上げ基準を満たす部品からのサポート除去プロセスの監視及び制御を含むことができる。サポート除去モジュール2321は、追加の材料除去を必要とする部品の監視及び制御と、後続の処理又は配送の準備が整った部品の監視及び制御を含むことができる。サポート除去モジュール2321は、動力式又は非動力式のハンドツールの使用を含む様々な機械的手段、熱エネルギー法、又は電解研磨等の電気化学的方法の監視及び制御を含むことが可能である。サポート除去モジュール2321の入力は、サポートが取り付けられた半完成部品を含むことができる。サポート除去モジュール2321の出力は、ほとんど/全くサポートのない半完成部品又は完成部品を含むことができる。
【0274】
(表面処理モジュール2323)
表面処理モジュール2323は、半完成部品又は完成部品の表面処理の監視及び制御を含むことができる。表面処理モジュール2323は、仕上げの均一性、滑らかさ、アップスキン表面とダウンスキン表面との比較、支持された領域と支持されていない領域等、様々な表面仕上げを有する部品の監視及び制御を含むことができる。表面処理モジュール2323は、数分又は数時間にわたって粗い領域を除去するために湿潤状態の媒体を使用する研磨プロセス等の1つ以上のプロセスの監視及び制御を含むことができ、機械加工の前に、場合によっては、化学プロセス又は他の機械/研磨プロセス等の他の仕上げプロセスとの組み合わせて、実行することができる。表面処理モジュール2323の入力は、サポートがほとんど/ない半完成部品又は完成部品を含むことができる。表面処理(タンブル)[マスメディア仕上げ(mass media finishing)]モジュール2323の出力は、タンブルされた表面を有する半完成部品又は完成部品を含むことができる。
【0275】
図24は、本開示の一態様に従う機械加工(コンポーネント)モジュールの更なる詳細を示す。
【0276】
機械加工(コンポーネント)モジュール2203は、コンポーネント機械加工モジュール2401と、ドリル/タップ機械加工モジュール2403と、COTS機械加工モジュール2405と、脱脂/部品洗浄モジュール2407と、を含むことができる。
【0277】
(コンポーネント機械加工モジュール2401)
コンポーネント機械加工モジュール2401は、複雑なコンポーネントのための工作物保持の考慮事項、全ての必要な表面に対処するための多数の加工セットアップのフィクスチャ、及び/又は特殊な工作物保持機能の監視、制御、及び設計を含むことができる。コンポーネント機械加工モジュール2401は、確実で正確な機械加工を促進するためのコンポーネント設計の監視、制御、及び設計を含むことができる。コンポーネント機械加工モジュール2401の入力は、タンブル面を有する又は有しない半完成部品又は完成部品を含むことができる。コンポーネント機械加工モジュール2401の出力は、完成した機械加工コンポーネントの位置及びステータスを含むことができる。
【0278】
(ドリル/タップ機械加工モジュール2403)
ドリル/タップ機械加工モジュール2403は、レーザドリル加工、ホールポッパー/シンカー(hole popper/sinker)、放電加工(EDM)、化学ミリング、又はAPS200で使用される他の方法の監視及び制御を含むことができる。ドリル/タップ機械加工モジュール2403は、基板に基づく機械加工の監視及び制御を含むことができる。ドリル/タップ機械加工モジュール2403の入力は、タンブル面を有する又は有しない半完成部品又は完成部品を含むことができる。ドリル/タップ機械加工モジュール2403の出力は、完成した機械加工コンポーネントの位置及びステータスを含むことができる。
【0279】
(COTS機械加工モジュール2405)
COTS機械加工モジュール2405は、COTSコンポーネントの機械加工の監視及び制御を含むことができる。COTS機械加工モジュール2405は、様々なCOTSコンポーネントの幾何学的要件又はパラメータを含むことができる。COTS機械加工モジュール2405は、アセンブリセル及び/又はマルチ材料構造内の後続の処理及び取り付けを容易にするために、様々なフィーチャを監視及び制御することができる。COTS機械加工モジュール2405の入力は、押出成形品、鋳造品、シート等の半完成COTSコンポーネントを含むことができる。COTS機械加工モジュール2405の出力は、完成した機械加工COTSコンポーネントの位置及びステータスを含むことができる。
【0280】
(脱脂/部品洗浄モジュール2407)
脱脂/部品洗浄モジュール2407は、APS200内で使用される洗浄方法の監視及び制御を含むことができる。脱脂/部品洗浄モジュール2407は、超音波攪拌、熱適用、ドライアイスブラスト、部品を洗浄する際に使用される溶媒、界面活性剤、及びプロセス、材料組成等の監視及び制御を含むことができる。脱脂/部品洗浄モジュール2407の入力は、機械加工チップ、残留粉末、切削液及び他の潤滑剤等を含む汚染されたコンポーネント(AM、COTS)を含むことができる。脱脂/部品洗浄モジュール2407の出力は、後続の処理又は配送のために汚染の許容範囲内で清浄な部品の位置及びステータスを含むことができる。
【0281】
図25は、本開示の一態様に従う材料搬送及び保管モジュール2205の更なる詳細を示す。
【0282】
材料搬送及び保管モジュール2205は、自動材料及びコンポーネント搬送モジュール2501と、スマートラッキング/インベントリモジュール2503とを含むことができる。
【0283】
(自動材料及びコンポーネント搬送モジュール2501)
自動材料及びコンポーネント搬送モジュール2501は、材料及びコンポーネントをAPS200内の場所に搬送するために、AGV及びロボットカート、コンベヤ、ガントリー搬送等の監視及び制御を含むことができる。自動材料及びコンポーネント搬送モジュール2501の入力は、コンポーネントがアセンブリ又は部品処理を完了するために施設内でステーションからステーションへ移動する際のコンポーネントの位置を含むことができる。自動材料及びコンポーネント搬送モジュール2501の出力は、完了した処理及び最終的なインベントリ場所/配送への配送を含むことができる。
【0284】
(スマートラッキング/インベントリモジュール2503)
スマートラッキング/インベントリモジュール2503は、倉庫及びラッキングシステムの監視及び制御を含むことができる。スマートラッキング/インベントリモジュール2503は、ビルドプレートからの分離及び必要とされる個々の仕上げ操作の完了後の部品のトレーサビリティの監視及び制御を含むことができる。
【0285】
本開示の一態様において、スマートラッキング/インベントリモジュール2503は、UID又は視覚ベースのシステムを使用して部品を認識し、その後のロボットピックアップに適した方法で部品を方向付けることを含むことができる。スマートラッキング/インベントリモジュール2503は、ロボットアセンブリセル部品テーブル上での適切な方向付けを促進することができ、アセンブリ時間を短縮し得る。スマートラッキング/インベントリモジュール2503の入力は、既知の処理履歴及びトレーサビリティを有する部品と、設計に適用可能であれば、方向付けのためのフィーチャを含むことができる。スマートラッキング/インベントリモジュール2503の出力は、顧客への発送、外部ベンダーサービス、及び他の工場モジュールへの供給等の後続の用途のためにインベントリとなった部品を含むことができる。
【0286】
図26は、本開示の一態様に従う品質/検査モジュール2207の更なる詳細を示す。
【0287】
品質/検査モジュール2207は、材料品質検証モジュール2601と、自動計測検査モジュール2603と、を含むことができる。
【0288】
(材料品質検証モジュール2601)
材料品質検証モジュール2601は、様々なレベルの様々な材料検証試験の監視及び制御を含むことができる。材料品質検証モジュール2601は、材料組成、硬度、関心のある温度範囲での強度、アプリケーション関連データ、疲労値、靭性、濡れ性、コーティング/材料厚、レオロジー、粘性、流動、体積解析、材料粉末、部品、接着剤、COTS等のX線/CT等の一般的に行われる品質試験の監視及び制御を含むことができる。材料品質検証モジュール2601の入力は、材料品質試験を必要とする部品を含むことができる。材料品質検証モジュール2601の出力は、検証済み材料を有する検査済み部品に関連するデータを含むことができる。
【0289】
(自動計測検査モジュール2603)
自動計測検査モジュール2603は、部品の寸法検査の監視及び制御を含むことができる。自動計測検査モジュール2603は、プロービング装置、構造化光スキャン等を使用して実行される寸法検査の監視及び制御を含むことができる。寸法検査は、例えば、検査のために部品又はサブアセンブリ上のフィーチャをプログラミングすることによって、アセンブリプロセスの一部として自動化されてもよい。自動計測検査モジュール2603の入力は、計測評価を必要とする部品を含むことができる。自動計測検査モジュール2603の出力は、目標寸法を満たす検証済み部品(又は適用可能な処分のために拒否された品質)を含むことができる。
【0290】
図27は、本開示の一態様に従うコーティング2209の更なる詳細を示す。
【0291】
コーティング2209は、E-コートモジュール2701を含むことができる。
【0292】
(E-コートモジュール2701)
E-コートモジュール2701は、部品の電気コーティングの監視及び制御を含むことができる。E-コートモジュール2701は、環境腐食を低減するための腐食保護として使用され得る電気コーティング又は電気めっきの監視及び制御を含むことができる。E-コートモジュール2701は、サイクルの完了時に浴溶液の出口の監視及び制御を含むことができ、これは、内部の複雑なフィーチャ又は部品の特殊な保持を効果的にコーティングするためのつきまわり性(throwing power)を含み、ノードレベルのコーティング、サブアセンブリレベルのコーティング、又はフルアセンブリのコーティングも監視することができる。E-コートモジュール2701の入力は、電気コーティングされるそれらの部品又はアセンブリを含むことができる。E-コートモジュール2701の出力は、電気コーティングされるそれらの部品又はサブアセンブリの位置及びステータスを含むことができる。
【0293】
【0294】
この例では、3Dプリンタシステムは、粉末床融合(PBF)システム2800である。
図28A~
図28Dは、動作の異なる段階中のPBFシステム2800を示している。
図28A~
図28Dに示される特定の実施形態は、本開示の原理を採用するPBFシステムの多くの適切な例の1つである。また、本開示の
図28A~
図28D及び他の図の要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないが、本明細書で説明される概念をよりよく例示する目的で、より大きく、又は小さく描かれている場合があることに留意すべきである。PBFシステム2800は、金属粉末の各層を堆積することのできるデポジッタ2801と、エネルギービームを生成することのできるエネルギービーム源2803と、エネルギービームを適用して粉末材料を融合することのできる偏向器2805と、ビルドピース2809等の1つ以上のビルドピースを支持することのできるビルドプレート2807と、を含むことができる。「融合する」及び/又は「融合している」という用語は、粉末粒子の機械的結合を説明するために用いられるが、他の機械的作用(例えば、焼結、溶融)、及び/又は他の電気、機械、電気機械、電気化学、及び/又は化学結合方法は、本開示の範囲内であると想定される。
【0295】
PBFシステム2800は、また、粉末床レセプタクル内に配置されたビルドフロア2811を含むことができる。粉末床レセプタクル壁2812は、一般に、側面から壁2812の間に挟まれ、下のビルドフロア2811の一部分に隣接する粉末床レセプタクルの境界を画定する。ビルドフロア2811は、デポジッタ2801が次の層を堆積できるように、ビルドプレート2807を徐々に下げることができる。メカニズム全体は、他のコンポーネントを封入することができるチャンバ2813内に存在し得、それにより、機器を保護し、大気及び温度の調節を可能にし、汚染リスクを軽減する。デポジッタ2801は、金属粉末等の粉末2817を含むホッパー2815と、堆積された粉末の各層の頂部を水平にすることができるレベラー2819とを含むことができる。
【0296】
特に
図28Aを参照すると、この図は、ビルドピース2809のスライスが融合された後、しかし、粉末の次の層が堆積される前のPBFシステム2800を示している。実際、
図28Aは、PBFシステム2800が、例えば2850のスライスで形成されたビルドピース2809の現在の状態を形成するために、複数の層、例えば、2850の層でスライスをすでに堆積して、融合している時点を示す。すでに堆積された複数の層は、堆積されたが融合されていない粉末を含む粉末床2821を作成した。
【0297】
図28Bは、ビルドフロア2811が粉末層の厚さ2823だけ下げることのできる段階におけるPBFシステム2800を示している。ビルドフロア2811が下がると、ビルドピース2809及び粉末床2821が粉末層の厚さ2823だけ下がり、こうして、ビルドピース及び粉末床の頂部は、粉末層の厚さに等しい量だけ、粉末床レセプタクル壁2812の頂部よりも低くなる。このようにして、例えば、粉末層の厚さ2823に等しい一定の厚さを有する空間を、ビルドピース2809及び粉末床2821の頂部の上に作成することができる。
【0298】
図28Cは、デポジッタ2801が、ビルドピース2809及び粉末床2821の頂部表面の上に作成され、粉末床レセプタクル壁2812によって境界付けられた空間に粉末2817を堆積するように配置される段階でのPBFシステム2800を示す。この例では、デポジッタ2801は、ホッパー2815から粉末2817を放出しながら、定義された空間上を徐々に移動する。レベラー2819は、放出された粉末を水平にして、粉末層頂部表面2826によって画定され、粉末層の厚さ2823と実質的に等しい厚さを有する粉末層125を形成することができ、る(
図28Bを参照)。したがって、PBFシステム内の粉末は、例えば、ビルドプレート2807、ビルドフロア2811、ビルドピース2809、壁2812等を含むことができる粉末材料サポート構造によって支持することができる。粉末層2825の図示された厚さ(すなわち、粉末層の厚さ2823(
図28B)は、
図28Aを参照して上で論じた2850個の以前に堆積された層を含む例に使用される実際の厚さよりも大きいことに留意されたい。
【0299】
図28Dは、粉末層2825(
図28C)の堆積に続いて、エネルギービーム源2803がエネルギービーム2827を生成し、偏向器2805がエネルギービームを適用してビルドピース2809内の次のスライスを融合する段階におけるPBFシステム2800を示す。様々な例示的な実施形態において、エネルギービーム源2803は電子ビーム源であり得、その場合、エネルギービーム2827は電子ビームを構成する。偏向器2805は、偏向板を含むことができ、偏向板は、電子ビームを選択的に偏向させて、電子ビームを融合するように指定された領域を横切って走査させる電場又は磁場を生成することができる。様々な実施形態において、エネルギービーム源2803は、レーザであり得、その場合、エネルギービーム2827は、レーザビームである。偏向器2805は、反射及び/又は屈折を使用してレーザビームを操作して、融合される選択された領域を走査する光学システムを含むことができる。
【0300】
様々な実施形態において、偏向器2805は、エネルギービーム源を回転及び/又は並進移動させてエネルギービームを配置することができる1つ以上のジンバル及びアクチュエータを含むことができる。様々な実施形態において、エネルギービーム源2803及び/又は偏向器2805は、エネルギービームを変調することができ、例えば、エネルギービームが粉末層の適切な領域にのみ適用されるように、偏向器が走査するときにエネルギービームをオン及びオフにすることができる。例えば、様々な実施形態において、エネルギービームは、デジタル信号プロセッサ(DSP)によって変調することができる。
【0301】
図28Eは、本開示の一態様に従う3Dプリンタシステムの機能ブロック図を示す。
【0302】
本開示の一態様では、コンピュータソフトウェアを含む制御デバイス及び/又は要素は、PBFシステム2800に結合されて、PBFシステム2800内の1つ以上のコンポーネントを制御してもよい。そのようなデバイスは、コンピュータ2850であってもよく、コンピュータ2850は、PBFシステム2800の制御を支援し得る1つ以上のコンポーネントを含んでもよい。コンピュータ2850は、1つ以上のインターフェース2851を介して、PBFシステム2800、及び/又は他のAMシステムと通信してもよい。コンピュータ2850及び/又はインターフェース2851は、本明細書に記載の様々な方法を実装するように構成され得るデバイスの例であり、PBFシステム2800及び/又は他のAMシステムの制御を支援し得る。
【0303】
本開示の一態様では、コンピュータ2850は、少なくとも1つのプロセッサ2852と、メモリ2854と、信号検出器2856と、デジタル信号プロセッサ(DSP)2858と、1つ以上のユーザインターフェース2860と、を備えてもよい。コンピュータ2850は、本開示の範囲から逸脱することなく、追加のコンポーネントを含んでもよい。
【0304】
プロセッサ2852は、PBFシステム2800の制御及び/又は操作を支援することができる。プロセッサ2852は、中央処理ユニット(CPU)とも呼ばれることがある。メモリ2854は、読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含んでもよく、プロセッサ2852に命令及び/又はデータを提供してもよい。メモリ2854の一部分は、また、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでもよい。プロセッサ2852は、典型的には、メモリ2854内に格納されたプログラム命令に基づいて、論理演算及び算術演算を実行する。メモリ2854内の命令は、本明細書に記載される方法を実装するために(例えば、プロセッサ2852によって)実行可能であってもよい。
【0305】
プロセッサ2852は、1つ以上のプロセッサで実装された処理システムのコンポーネントを備えてもよいし、そのコンポーネントであってもよい。1つ以上のプロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、浮動小数点ゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、コントローラ、状態機械、ゲート論理、離散ハードウェアコンポーネント、専用ハードウェア有限状態機械、又は計算又は情報の他の操作を実行できる他の適切なエンティティの任意の組み合わせで実装されてもよい。
【0306】
プロセッサ2852は、ソフトウェアを格納するための機械可読媒体を含むこともできる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語等と呼ばれるかどうかにかかわらず、任意のタイプの命令を意味するように広義に解釈されるものとする。命令は、コード(例えば、ソースコード形式、バイナリコード形式、実行可能コード形式、RS-274命令(Gコード)、数値制御(NC)プログラミング言語、及び/又は他の任意の適切な形式のコード)を含んでもよい。命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、処理システムに、本明細書で説明する様々な機能を実行させる。
【0307】
信号検出器2856は、プロセッサ2852及び/又はコンピュータ2850の他のコンポーネントによって使用するために、コンピュータ2850が受信した信号の任意のレベルを検出して、定量化するために使用されてもよい。信号検出器2856は、エネルギービーム源2803の電力、偏向器2805の位置、ビルドフロア2811の高さ、デポジッタ2801に残っている粉末2817の量、レベラー2819の位置、及び他の信号等の信号を検出してもよい。DSP2858は、コンピュータ2850が受信した信号の処理に使用されてもよい。DSP2858は、PBFシステム2800に送信するための命令及び/又は命令のパケットを生成するように構成されてもよい。
【0308】
ユーザインターフェース2860は、キーパッド、ポインティングデバイス、及び/又はディスプレイを備えてもよい。ユーザインターフェース2860は、コンピュータ2850のユーザに情報を伝える、及び/又はユーザからの入力を受信する、任意の要素又はコンポーネントを含んでもよい。
【0309】
コンピュータ2850の様々なコンポーネントは、インターフェース2851によって一緒に結合されてもよく、インターフェース2851は、例えば、バスシステムを含んでもよい。インターフェース2851は、データバスを含んでもよいが、データバスに加えて、例えば、電源バス、制御信号バス、及びステータス信号バスを含んでもよい。コンピュータ2850のコンポーネントは、何らかの他の機構を用いて、互いに結合されてもよいし、あるいは互いに入力を承認又は提供してもよい。
【0310】
図28Eには、多数の別個のコンポーネントが図示されているが、コンポーネントの1つ以上が組み合わされるか、又は共通に実装されてもよい。例えば、プロセッサ2852は、プロセッサ2852に関して上述した機能性を実装するだけでなく、信号検出器2856、DSP2858、及び/又はユーザインターフェース2860に関して上述した機能性を実装するために使用されてもよい。さらに、
図28Eに図示されたコンポーネントのそれぞれは、複数の別個の要素を使用して実装されてもよい。
【0311】
図29は、本開示の一態様に従うアセンブリ製造モジュールの更なる詳細を示す。
【0312】
アセンブリ製造モジュール215は、部品ステージングモジュール2901と、自動アセンブリモジュール2903と、自動硬化モジュール2905と、機械加工(アセンブリ)モジュール2907と、完成品インベントリモジュール2909と、を含むことができる。
【0313】
(部品ステージングモジュール2901)
部品ステージングモジュール2901は、インベントリからの部品の受け取りの監視及び制御と、部品の監視、制御、及び部品テーブル上への部品の搬入とを含むことができる。部品テーブルは移動可能であり、どのような構造にも柔軟に対応でき、アセンブリセルへの出し入れも可能である。部品ステージングモジュール2901の入力は、インベントリからの物理的部品の識別と位置を含むことができ、これはMES2003によって制御されてもよい。部品は、部品テーブルごとに「キッティング/グループ化」することができる。入力は、アセンブリモジュール211からの命令、例えば、所与のビルドのためにリリースする部品の識別、どの部品がどのテーブルに置かれるか、及びそれらの部品をテーブルに置くための命令、例えば、位置、方向等を含むことができる。部品ステージングモジュール2901の出力は、所与の構造の自動アセンブリプロセスを開始又は継続するために、部品が搬入されるべき部品テーブル、又は部品が搬入された部品テーブルを含むことができる。
【0314】
(自動アセンブリモジュール2903)
自動アセンブリモジュール2903は、自動構造体アセンブリの物理的プロセスの監視及び制御を含むことができる。自動アセンブリモジュール2903は、搬入された部品テーブル、及びアセンブリモジュール211からのコード、及びアセンブリセルへの他の入力の監視及び制御を含むことができ、自動アセンブリモジュール2903は、アセンブリセルからの接合構造/アセンブリの監視及び制御を含むこともできる。自動アセンブリモジュール2903の入力は、部品ステージングモジュール2901からの搬入された部品テーブル及びアセンブリモジュール211からの命令を含むことができ、また、MES2003からの入力もあり得る。自動アセンブリモジュール2903の出力は、アセンブリセルからのアセンブリ構造体/アセンブリ又は接合構造体/アセンブリのステータス及び位置を含むことができる。
【0315】
(自動硬化モジュール2905)
自動硬化モジュール2905は、オーブンへのアセンブリの搬送、オーブンへのアセンブリの搬入、硬化プロセスのタイミング及び制御、並びにオーブンからのアセンブリの搬出の監視及び制御を含むことができる。自動硬化モジュール2905は、構造用接着剤の硬化の監視及び制御、並びに最終接着特性の取得を含むことができる。自動硬化モジュール2905の入力は、アセンブリ、アセンブリセルからオーブンにアセンブリを搬送するAGV又は他の搬送方法、オーブンセンサ入力、アセンブリモジュール211からの命令、並びに接着剤硬化に特有のロボットOLP及びIPC/PLCコードを含むことができる。(硬化サイクルを決定するために使用される)材料特性も入力することができる。自動硬化モジュール2905の出力は、硬化又は部分硬化されたアセンブリのステータス及び位置を含むことができる。
【0316】
(機械加工(アセンブリ)モジュール2907)
機械加工(アセンブリ)モジュール2907は、アセンブリの機械加工の監視及び制御を含むことができる。機械加工(アセンブリ)モジュール2907は、CNCプロセスを支援するために使用され得る印刷の監視及び制御を含むことができ、また、アセンブリプロセスを改善又は修正するために、アセンブリプロセスから生成されるデータ(接合フレーム、計測フィーチャの位置等)の解析を含むことができる。機械加工(アセンブリ)モジュール2907の入力は、完了した硬化プロセスからの接合アセンブリのステータス及び位置、AGV又は他の搬送装置上のアセンブリフィクスチャ/ホルダーの位置、アセンブリモジュール211からの命令、CNCコード、及びMES2003を含むことができる。機械加工(アセンブリ)モジュール2907の出力は、アセンブリのステータス及び位置を含むことができる。
【0317】
(完成品インベントリモジュール2809)
完成品インベントリモジュール2809は、完成したアセンブリのインベントリの監視及び制御を含むことができる。完成品インベントリモジュール2809は、MES2003及びERP2001を有するAPS200ソフトウェアモジュールの監視及び制御を含むことができ、これにより、必要なBOM部品の自動調達、インベントリ追跡、配送タイミング等を可能にすることができる。完成品インベントリモジュール2909の入力は、完成したアセンブリのステータス及び位置、APS200サーバと統合可能なMES2003インベントリ管理システムからのデータ、及びERP2001インベントリ管理システムからのデータを含むことができる。完成品インベントリモジュール2909の出力は、ERP2001システムを起動するために調達と統合することができる完成した部品インベントリのステータス及び位置を含むことができる。
【0318】
図30は、本開示の一態様に従う部品ステージングモジュールの更なる詳細を示す。
【0319】
部品ステージングモジュール2901は、インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001と、部品テーブルへの自動搬入モジュール3003と、及び搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005と、を含むことができる。
【0320】
(インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001)
インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001は、インベントリから部品を解放し、部品を部品テーブル搬入ステーションに搬送するプロセスを監視し、制御することができる。どの部品を解放し、キット化するかという命令は、アセンブリモジュール211によって提供され得る。インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001の入力は、インベントリ内の部品の位置及びステータスを含むことができ、部品テーブルによってキット化又はグループ化されてもよく、本開示のいくつかの態様では、キットはMES2003によって制御又は監視されてもよい。アセンブリモジュール211からの命令は、インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001によって受信され、所与のビルドのためにどの部品を解放するか、どの部品がどのテーブルに行くか、AGVコード、インベントリ管理、及びMES2003が制御してもよいテーブルをいつ搬入するかの情報を特定することができる。インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001の出力は、インベントリから部品テーブル又は搬入/ステージングステーションへの部品の自動搬送のステータス及び位置を含むことができる。
【0321】
(部品テーブルへの自動搬入モジュール3003)
部品テーブルへの自動搬入モジュール3003は、部品を部品テーブルに搬入するプロセスの監視及び制御を含むことができる。部品テーブルへの自動搬入モジュール3003の入力は、搬入する準備ができた部品、インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージング3001から受信され得る、部品テーブル上にキット化される部品のキット化又はキット化命令、及び部品テーブルのどの場所にどの部品を配置するかという命令等のアセンブリモジュール211からの命令、テーブル面、品質管理等、並びに自動搬入の場合はロボット及びIPC/PLCプログラムを含むことができる。部品テーブルへの自動搬入モジュール3003の出力は、アセンブリセルへの搬送準備が整った搬入された部品テーブルのステータス及び位置を含むことができる。
【0322】
(搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005)
搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005は、搬入された部品テーブルをアセンブリセルに、AGVを介して搬送するプロセスの監視及び制御を含むことができる。搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005は、アセンブリモジュール211から搬入のための命令を受信する。搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005は、アセンブリセルへの部品テーブルの制御された進入を可能にし、より連続的で中断されないアセンブリを提供することができる。本開示のそのような態様において、搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005によって、また、部品テーブルが任意のアセンブリセル構造に普遍的であることが可能になり得る。搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005のAGV搬送の入力は、完全に搬入された部品テーブルのステータス及び位置、並びにアセンブリセル内に持ち込む部品テーブルのタイミング及び命令等のアセンブリモジュール211からの命令、及びAGVコード/制御を含むことができる。搬入されたテーブルのセルへのAGV搬送モジュール3005の出力は、AGVを介してアセンブリセル内に搬送されている又は搬送される予定の部品テーブルのステータス及び監視を含むことができる。
【0323】
図31は、本開示の一態様による自動アセンブリモジュールの更なる詳細を示す。
【0324】
自動アセンブリモジュール2903は、セル制御アーキテクチャモジュール3101、セルレイアウトモジュール3103、製品ピックモジュール3105、接着剤充填モジュール3107、接合モジュール3109、紫外線硬化モジュール3111、基幹ドロップモジュール3113、部品テーブルへの再搬入モジュール3115、及びアセンブリ搬出モジュール3117を含むことができる。
【0325】
(セル制御アーキテクチャモジュール3101)
セル制御アーキテクチャモジュール3101は、ロボットアセンブリセル内のアクティビティの監視及び制御を提供することができる。セル制御アーキテクチャモジュール3101は、アセンブリモジュール211からデータを受信して、アセンブリセル内のアクティビティに関するステータスを監視及び報告することができる。セル制御アーキテクチャモジュール3101の入力は、MES2003を通過することができるロボットアセンブリセルロボットに送られる出力等のアセンブリモジュール211からの命令、安全ハードウェア及びセンサからのデータ等の制御ハードウェア、IPC/PLC、及び計測ハードウェア、ライブ精度導出器モジュールを含むことができる移動-計測-修正(MMC)ソフトウェア、ツール中心点較正のためのツール中心点(TCP)ソフトウェア、並びにIPC及びロボットプログラミングコードを含むことができる。セル制御アーキテクチャモジュール3101の出力は、受信され、ロボットアセンブリセルを動作させるための準備の整ったセルコードを含むことができる。
【0326】
(セルレイアウトモジュール3103)
セルレイアウトモジュール3103は、ロボットアセンブリセルの物理的レイアウトのソフトウェア記述、すなわち、ロボットがセルレイアウトにどのように配置されるかという記述を含むことができる。ロボットが物理的に同じ場所にある場合でも、セルレイアウトモジュール3103を他の制御ソフトウェアと統合して、ロボットを異なるように動かすことができるので、セルレイアウトモジュール3103を異なるビルドのために使用することができる。セルレイアウトモジュール3103の入力は、ロボットアセンブリセル内のロボットのレイアウトのためのハードウェア位置(例えば、放射状レイアウト、線形レイアウト等)を含むことができる。セルレイアウトモジュール3103の出力は、ロボットアセンブリセル内のロボットのレイアウトを含むことができる。
【0327】
(製品ピックモジュール3105)
製品ピックモジュール3105は、ロボットが部品テーブルから部品を取り出すプロセスの監視及び制御を含むことができる。製品ピックモジュール3105は、アセンブリモジュール211によって提供され得る各特定ピックのためのコード/OLPを実行するロボット及び部品テーブルの監視及び制御を含むことができる。製品ピックモジュール3105は、カメラ又は他のセンサからの入力を使用して、部品テーブル上の部品のわずかな誤配置を修正することができ、ロボットと部品テーブルの両方が同時に部品と係合することを可能にする部品テーブル上のコンプライアンスデバイスを使用することができる。
【0328】
製品ピックモジュール3105の入力は、セル制御アーキテクチャ、セルレイアウトモジュール3103からのセルレイアウト、及びアセンブリモジュール211からの命令を含むことができる。本開示の一態様では、ピックモジュール3105への入力は、部品テーブルに対する命令を含むことができ、この命令は、部品テーブル上のポスト及びコンプライアンスデバイスからの入力、QCハードウェアロボット入力、カメラ又は他のビジョンシステム入力、及び部品テーブルとロボットとの間のハンドオフのピックプロセスを含むことができる。製品ピックモジュール3105の出力は、部品テーブルからの部品の成功した取り出し又は「ピック」のステータスを含むことができる。
【0329】
(接着剤充填モジュール3107)
接着剤充填モジュール3107は、構造的又は速硬化(UV)接着剤で部品間のジョイントを充填するプロセスの監視及び制御を含むことができる。接着剤充填モジュール3107は、部品が部品テーブルから取り出されたとき、及び部品と接着剤注入器の位置、並びにジョイントに塗布される接着剤の状態、識別、及び流量の監視と制御を含むことができる。
【0330】
接着剤充填モジュール3107は、部品が接合位置に移動されることの監視と、1つ以上の接着剤ディスペンサからジョイントへの接着剤の塗布の監視及び制御を含むことができる。接着剤充填モジュール3107の入力は、一般に、セル制御アーキテクチャ、セルレイアウト、アセンブリモジュール211からの命令、部品が接着される準備ができていることを示す接合モジュール3109からの入力、接着剤計量分配システムからの入力、接着剤分配の視覚モニタリング、接着剤塗布に特有のロボットOLP及びIPC/PLCコード、構造ジョイントアーキテクチャ情報、1つ以上の紫外線フィーチャ、QCセンサ、接着剤、及び接着剤充填ノズルの位置を正確に確認できるTCP較正ハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。接着剤充填モジュール3107の出力は、接着剤で充填されたジョイントのステータス及び監視を含むことができる。
【0331】
(接合モジュール3109)
接合モジュール3109は、部品を一緒に接合することの監視及び制御を含むことができる。接合モジュール3109は、フィクスチャを使用して、又は使用せずに、部品を位置決めして接合するために、印刷されたフィーチャ、レーザレーダ、又は他の計測ユニットの監視を含むことができる。2つの部品又はアセンブリが接合されると、接合モジュールは、接着剤充填モジュール3107と通信して、接着剤を塗布できることを示すことができる。
【0332】
接合モジュール3109の入力は、セル制御アーキテクチャ、セルレイアウト、アセンブリモジュール211からの命令、接着剤充填モジュール3107からの入力、部品接合に特有のロボットOLP及びIPC/PLCコード、部品又は部品の寸法又はエッジに印刷された計測フィーチャ、ビルド中に精度を向上させるための精度モニタを含むことができる。接合モジュール3109の出力は、部品又はアセンブリがロボットアセンブリセルプロセスの精度仕様内で接合されているというステータスを含むことができる。
【0333】
(UV硬化モジュール3111)
UV硬化モジュール3111は、接着剤が硬化している間、接合完了後に部品を空間に保持するプロセスの監視及び制御を含むことができる。UV硬化モジュール3111は、UV光、熱放射源等の出力を監視し、接着剤が所望の方法及び量で硬化されることを保証するために、硬化デバイスの出力を制御することができる。
【0334】
UV硬化モジュール3111の入力は、セル制御アーキテクチャ、セルレイアウト、アセンブリモジュール211からの命令、製品ピックモジュール3105、接着剤充填モジュール3107、接合モジュール3109からの入力、接着剤硬化に特有のロボットOLP及びIPC/PLCコード、UV硬化エンドエフェクタ、及びロボットアーム上のUVライト及びセンサからのデータを含むことができる。UV硬化モジュール3011の出力は、硬化中又は硬化後のジョイントのステータス及び位置を含むことができる。
【0335】
(基幹ドロップモジュール3113)
基幹ドロップモジュール3113は、1つ以上のロボットから基幹ロボットに部品又はアセンブリを転送するプロセスの監視及び制御を含むことができる。基幹ロボットは、例えば、大きなサブアセンブリ又はアセンブリされた構造体を保持することができるより大きなロボットであり得る。基幹ロボットは、例えば、アセンブリセル内の他のロボットの大部分又は全部に対して、中央に配置されるか、又は他の方法でアクセス可能であってもよい。
【0336】
基幹ドロップモジュール3113の入力は、セル制御アーキテクチャ、セルレイアウト、アセンブリモジュール211からの命令、製品ピックモジュール3105、接着剤充填モジュール3107、接合モジュール3109からの入力、及びロボットOLPとIPC/PLCコードを含むことができる。基幹ドロップ3113の出力は、アセンブリロボットから基幹ロボットに移送される予定の、又は移送された部品又はアセンブリのステータスを含むことができる。
【0337】
(部品テーブルへの再搬入モジュール3115)
部品テーブルへの再搬入モジュール3115は、本明細書で説明した部品テーブルへの自動搬入モジュール3003と類似することができる。アセンブリセルは、アセンブリセルがアセンブリのための部品を連続的に供給できるように、余分な部品テーブルを有するように設計されてもよい。ビルドの間、部品テーブルは空になるまでピックされ、AGVを介してセルを出るようにトリガされ、部品搬入ステーションに運ばれ、搬入され、アセンブリセルに戻される。
【0338】
部品テーブルへの再搬入モジュール3115の入力は、搬入準備が整った部品のステータス及び監視、インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001からのデータ、及びアセンブリモジュール211からの命令(どの部品をどの場所に配置するかという命令を含むことができる)、ロボット及びIPC/PLCプログラムとを含むことができる。部品テーブルへの再搬入モジュール3115の出力は、AGVを介してセルから搬送され、部品が再搬入される部品テーブルのステータスを含むことができる。
【0339】
(アセンブリ搬出モジュール3117)
アセンブリ搬出モジュール3117は、基幹EOTの側面をつかむために、1つ以上のロボットを監視し、制御をすることができる。基幹EOTのツール側は解放され、アセンブリ全体は、AGV又は他のアセンブリキャリアの上に下ろされて、次の製造ステップに進むことができる。アセンブリ搬出モジュール3117は、ロボットアセンブリセルからのアセンブリの取り外しを監視し、制御することができる。
【0340】
アセンブリ搬出モジュール3117の入力は、搬入準備ができた部品のステータス及び監視、インベントリからテーブルへの自動コンポーネント搬送ステージングモジュール3001からのデータ、及びアセンブリモジュール211からの命令を含むことができる。アセンブリ搬出モジュール3117のための出力は、ロボットアセンブリセルから搬出される、又は搬出されたアセンブリのステータスを含むことができる。
【0341】
図32は、本開示の一態様に従う自動硬化モジュールの更なる詳細を示す。
【0342】
自動硬化2805は、オーブンへの自動搬送モジュール3201と、オーブン硬化モジュール3203とを含むことができる。
【0343】
(オーブンへの自動搬送モジュール3201)
オーブンへの自動搬送モジュール3201は、熱硬化される接着剤を含むアセンブリの搬送を監視及び制御することができる。オーブンへの自動搬送モジュール3201の入力は、熱硬化性接着剤を受け取った部品又は受け取る予定の部品のステータスを含むことができ、これは、アセンブリモジュール211又はMES2003から来ることができる。オーブンへの自動搬送モジュール3201の出力は、オーブンへの搬送中のアセンブリ又はオーブンに搬入されたアセンブリのステータス及び位置、並びにオーブン硬化モジュール3203へのステータス出力を含むことができる。
【0344】
(オーブン硬化モジュール3203)
オーブン硬化モジュール3203は、アセンブリ内の接着剤の熱硬化の監視及び制御を含むことができる。オーブン硬化モジュール3203の出力は、硬化されるべきアセンブリ、硬化中のアセンブリ、又は硬化後のアセンブリのいずれかのステータスを含むことができる。オーブン硬化モジュール3203の入力は、オーブンへの自動搬送モジュール3201、オーブンセンサ及びタイマーからの情報、アセンブリモジュール211からの命令、及び接着剤データベース607からの材料特性を含むことができる。オーブン硬化モジュール3203の出力は、硬化されるべきアセンブリ、硬化中のアセンブリ、又は硬化後のアセンブリのいずれかのステータスを含むことができる。
【0345】
図33は、本開示の一態様に従う機械加工(アセンブリ)モジュールの更なる詳細を示す。
【0346】
機械加工(アセンブリ)モジュール2907は、機械加工(アセンブリ)モジュール3301と、COTS CF機械加工モジュール3303と、脱脂/部品洗浄モジュール3305と、を含むことができる。
【0347】
(機械加工(アセンブリ)モジュール3301)
機械加工(アセンブリ)モジュール3301は、アセンブリの機械加工の監視及び制御を含むことができる。機械加工(アセンブリ)モジュール3301は、CNCプロセスを支援するために使用され得る印刷プロセスの監視及び制御を含むことができ、また、アセンブリプロセスを改善するために、アセンブリプロセスの間に生成されるデータ(接合フレーム、計測フィーチャの位置等)の監視を含むことができる。機械加工(アセンブリ)モジュール3301の入力は、アセンブリセル内のアセンブリのステータス及び位置、CNCコード等のアセンブリモジュール211からの命令、及びMES2003からのデータを含むことができる。機械加工(アセンブリ)モジュール3301の出力は、機械加工するアセンブリのステータス及び位置、及び機械加工中のアセンブリ又は機械加工プロセスを完了したアセンブリのステータスを含むことができる。
【0348】
(COTS CF機械加工モジュール3303)
COTS CF機械加工モジュール3303は、COTS部品の機械加工の監視及び制御を含むことができ、これには、ロボットグリッパフィーチャ、他のアセンブリフィーチャ、ジョイントアーキテクチャ、又は他のフィーチャを組み込むための機械加工を含んでもよい。COTS CF機械加工モジュール3303の入力は、COTS部品、図面、機械加工される位置の情報、及びCOTS部品ライブラリ609からのCNCコードを含むことができる。COTS CF機械加工モジュール3303の出力は、機械加工の準備ができたCOTS部品、機械加工中のCOTS部品のステータス及び位置、又は機械加工されてアセンブリの準備ができたそれらのCOTS部品を含むことができる。
【0349】
(脱脂/部品洗浄モジュール3305)
脱脂/部品洗浄モジュール3305は、アセンブリの所望の洗浄のためのワークフローの監視及び制御を含むことができる。例えば、洗浄EOTを有するロボットアーム、あるいはスプレー若しくはディップクリーナを使用することができる。脱脂/部品洗浄モジュール3305の入力は、洗浄されるべきアセンブリのステータス及び位置を含むことができる。脱脂/部品洗浄モジュール3305の出力は、脱脂され洗浄されたアセンブリのステータス及び位置を含むことができる。
【0350】
図34は、本開示の一態様に従う完成品インベントリモジュールの更なる詳細を示す。
【0351】
完成品インベントリモジュール2909は、スマート最終インベントリモジュール3401を含むことができる。
【0352】
(スマート最終インベントリモジュール3401)
スマート最終インベントリモジュール3401は、最終製品のインベントリの監視及び制御を含むことができる。スマート最終インベントリモジュール3401は、必要な部品の調達、インベントリ追跡、配送タイミング等を提供するために、APS200データをMES2003及びERP2001データとともに監視することを含むことができる。スマート最終インベントリモジュール3401の入力は、完成したアセンブリのステータス及び位置、並びにMES2003及び/又はERP2001のデータを含むことができる。スマート最終インベントリモジュール3401の出力は、完成した部品のインベントリのステータス及び位置を含むことができ、これは、新しい材料を調達するために、ERP2001及びMES2003と統合されることができる。
【0353】
(アセンブリシステム)
図35は、本開示の一態様に従うアセンブリシステムの透視図を示す。
【0354】
本開示の一態様において、ロボット等の機械デバイスは、自動化及び/又は半自動化された方法で部品及び/又は構造体をアセンブリしてもよい。少なくとも2つの構造体の少なくとも1つは、例えば、上記の
図28A~28Eに関して説明したように、付加製造されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの構造体の少なくとも1つは、ピース、部品、ノード、コンポーネント、及び/又は他の付加製造された構造体であってもよく、これらは、以前に接合された2つの構造体を含んでもよい。APS200は、本明細書に記載されるような1つ以上のアセンブリシステム3500と相互作用してもよいし、その一部として含まれてもよい。
【0355】
車両のアセンブリに関連して接合される構造体は、様々なアセンブリ作業(例えば、接合)を容易又は可能にし得る1つ以上のフィーチャを備えて付加製造されてもよい。本開示の一態様では、アセンブリシステム3500は、2つのロボットを含んでもよく、そのうちの少なくとも1つは、フィクスチャを使用せずに、ある構造体を別の構造体と接合するように配置されてもよい。車両の少なくとも一部分(例えば、車両のシャーシ、ボディ、パネル等)をフィクスチャなしでアセンブリするにあたって、複数の構造体が接合され得るように、様々なアセンブリ作業が、潜在的に繰り返し実行されてもよい。
【0356】
APS200内では、製造モジュール203、工場管理モジュール212、アセンブリ製造モジュール215、及び他のモジュールが、アセンブリ又は最終製品の構築において、1つ以上のアセンブリセル3500と相互作用し得る。そのような態様において、第一のロボットは、車両等の最終製品の少なくとも一部分のアセンブリに関連して実行される様々な操作の間に、第一の構造体と係合し、これを保持するように構成されてもよく、この第一の構造体に、1つ以上の他の構造が接合されてもよい。例えば、第一の構造体は、車両のシャーシ、パネル、ベースピース、ボディ、フレーム等のセクションであってもよく、一方、他の構造体は、車両のシャーシ、パネル、ベースピース、ボディ、フレーム等の他のセクションであってもよい。
【0357】
本開示の一態様において、第一のロボットは、第二の構造体と接合されるべき第一の構造体を係合及び保持してもよく、第二の構造体は、第二のロボットによって係合及び保持されてもよい。第一の構造体を用いて行われる様々な作業(例えば、第一の構造体を、2つ以上の以前に接合された構造体を含み得る1つ以上の他の構造体と接合すること)は、複数のロボットを含むアセンブリセル内で少なくとも部分的に行われてもよい。したがって、ロボットの少なくとも1つは、接合作業に見合った精度に従って機能するように、第一の構造体の操作中に指示(例えば、制御)されてもよい。
【0358】
本開示は、アセンブリ作業(アセンブリ前及び/又はアセンブリ後作業を含む)のためにアセンブリシステム内で少なくとも部分的に1つ以上のロボットを指示する様々な異なる実施形態を提供する。本明細書に記載された様々な実施形態は、一緒に実施されてもよいことが理解されるであろう。x例えば、本開示の1つの図解に関して説明した実施形態は、本開示の別の図解に関して説明した別の実施形態で実施されてもよい。
【0359】
図35に示すように、アセンブリシステム3500がコンポーネント及び/又は部品のアセンブリに採用されてもよい。アセンブリセル3505は、フィクスチャレスアセンブリシステム3500の場所に構成されてもよい。アセンブリセル3505は、垂直アセンブリセルであってもよい。アセンブリセル3505内で、フィクスチャレスアセンブリシステム3500は、一連のロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517を含んでもよい。ロボット507は、「基幹ロボット」と呼ばれることがある。フィクスチャレスアセンブリシステム3500は、ロボットがアクセスするための部品及び構造体を保持できる部品テーブル3520、3521、及び3522を含んでもよい。例えば、第一の構造体3523、第二の構造体3525、及び第三の構造体3527は、ロボットによってピックアップされ、一緒にアセンブリされるように部品テーブル3521、3522のうちの1つに配置されてもよい。構造体の重量及び堆積は、本開示の範囲から逸脱することなく、変化してもよい。様々な実施形態において、構造体の1つ以上は、複合ノード等の付加製造された構造体であってもよい。
【0360】
フィクスチャレスアセンブリシステム3500は、以下でより詳述するように、アセンブリセル3505のロボットの様々なコントローラにコマンドを発行するためのコンピューティングシステム3529を含むこともできる。この例では、コンピューティングシステム3529は、無線通信ネットワークを介してロボットと通信可能に接続されている。フィクスチャレスアセンブリシステム3500は、ロボットのロボットアーム及び/又はロボットによって保持される構造体の位置を正確に測定できる計測システム3531を含むこともできる。コンピューティングシステム3529及び/又は計測システム3531は、
図28Eに関連して本明細書で説明したように、コンピューティングシステム2850によって、及び/又はその一部によって制御されてもよい。
【0361】
基幹ロボット3507は、ベースとロボットアームを含んでもよい。ロボットアームは、基幹ロボット3507と通信可能に接続されたプロセッサにロードされたコンピュータ実行可能な命令によって指示され得る動きのために構成されてもよい。基幹ロボット3507は、ベースを介してアセンブリセル3505の表面(例えば、アセンブリセルの床)に接触してもよい。
【0362】
基幹ロボット507は、第一の構造体、部品、及び/又はコンポーネントを係合して保持するように構成されたエンドエフェクタ及び/又はフィクスチャを含んでも、及び/又はそれと接続されてもよい。エンドエフェクタは、少なくとも1つの構造体とインターフェースするように構成されたコンポーネントであってよい。エンドエフェクタの例は、ジョー、グリッパ、ピン、あるいはロボットによって構造体のフィクスチャなしの係合及び保持を促進することができる他の類似のコンポーネントを含んでもよい。基幹ロボット3507は、第一の構造体、部品、及び/又はコンポーネントを係合及び保持するために、フィクスチャを使用することもできる。
【0363】
例えば、構造体は、メッシュ、ハニカム、及び/又は格子配置等、構造体の強度を高める1つ以上のフィーチャで共印刷されてもよい。そのようなフィーチャは、アセンブリプロセス中に構造体の意図しない動きを防止するために構造体を剛性化してもよい。別の例では、構造体は、エンドエフェクタによって係合される(例えば、「把持される」)のに適した突出部及び/又は凹部等、エンドエフェクタによる構造体の係合及び保持を容易にする1つ以上のフィーチャで共印刷又は付加製造されてもよい。構造体の前述のフィーチャは、構造体と共印刷されてもよく、したがって、構造体と同じ材料であってもよい。
【0364】
構造体を保持する際に、基幹ロボット3507は、第一の構造体を位置決め(例えば、移動)してもよく、すなわち、基幹ロボットによって保持されるときに、第一の構造体の位置を基幹ロボット507によって制御してもよい。基幹ロボット3507は、例えば、基幹ロボット3507のロボットアームのエンドエフェクタを使用して、及び/又は、第一の構造体を操作するためのフィクスチャを使用して、構造体を「ホールド」又は「把持」することによって、構造体を保持してもよい。例えば、基幹ロボット3507は、グリッパフィンガー、ジョー等を第一の構造体の1つ以上の表面に接触させ、基幹ロボットが第一の構造体の位置を制御するように十分な圧力をそれに加えることによって、第一の構造体を保持してもよい。すなわち、第一の構造体は、基幹ロボット3507によって保持されるとき、空間内で自由に動くことが妨げられ、第一の構造体の動きは、基幹ロボット3507によって制約されてもよい。
【0365】
第一の構造体に他の構造体(サブアセンブリ、構造体のサブ構造体等を含む)が接続されると、基幹ロボット3507は、第一の構造体との係合を保持することができる。第一の構造体とそれに接続された1つ以上の構造体の集合体は、構造体そのものと称されることもあるが、本明細書では「アセンブリ」又は「サブアセンブリ」と称されることもある。基幹ロボット3507は、基幹ロボットが第一の構造体そのものと係合した後、アセンブリとの係合を保持してもよい。
【0366】
いくつかの実施形態では、アセンブリセル3505のロボット3509及び3511は、基幹ロボット3507と同様であってもよく、したがって、基幹ロボットによって保持される第一の構造体と接続され得る、第一の構造体と係合するように構成されたそれぞれのエンドエフェクタ及び/又はフィクスチャを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ロボット3509、3511は、「アセンブリロボット」及び/又は「材料処理ロボット」と呼ばれてもよい。
【0367】
いくつかの実施形態において、アセンブリセル3505のロボット3513は、第一の構造体と第二の構造体との間の構造的接続を実現するために使用されてもよい。ロボット3513は、「構造用接着剤ロボット」と呼ばれてもよい。構造用接着剤ロボット3513は、基幹ロボット507と同様であってもよいが、ただし、構造用接着剤ロボットは、基幹ロボット3507及び/又はアセンブリロボット3509、3511によって保持された構造体の少なくとも1つの表面に構造用接着剤を塗布するように構成されたツールを、ロボットアームの遠位端に含んでよいことを除く。構造用接着剤の塗布は、構造体が他の構造体と接合するために他の構造体に対して接合近接に配置される前に行われても、後に行われてもよい。接合近接は、第一の構造体を第二の構造体に接合することができる位置とすることができる。例えば、様々な実施形態において、第一及び第二の構造体は、両構造体が接合近接内にある間に接着剤を塗布することで接合されてもよい。
【0368】
しかしながら、構造用接着剤は、硬化するのに比較的長い時間を要することがある。この場合、第一及び第二の構造体を保持するロボットは、例えば、両構造体を接合近傍で長時間にわたって保持しなければならないことがある。そのため、接着剤が硬化するまでの間、ロボットを他のタスク(例えば、構造体のピックアップやアセンブリ等)に長時間使用することができなくなる。ロボットをより効率的に使用できるようにするために、いくつかの実施形態において、速硬化接着剤を追加的に塗布して、構造体を迅速に接合し、構造体を保持してもよく、こうして、硬化している間に両方のロボットが構造体を保持することを必要とせずに、構造用接着剤が硬化できる。
【0369】
本開示の一態様において、フィクスチャレスアセンブリシステム3500のロボット3515は、速硬化接着剤を塗布するために使用されてもよい。このような態様において、速硬化UV接着剤が使用されてもよく、ロボット3515は、「UVロボット」と呼ばれてもよい。UVロボット3515は、基幹ロボット3507と同様であってよいが、ただし、UVロボットは、例えば、構造体が接合近接内に配置されたときに、速硬化UV接着剤を塗布し、接着剤を硬化させるように構成されたツールをロボットアームの遠位端に含んでもよいことを除く。すなわち、UVロボット3515は、構造体が基幹ロボット3507及び/又はアセンブリロボット3509、3511のロボットアームの接合近接内にあるときに、接着剤が第一の構造体及び/又は第二の構造体に塗布された後に接着剤を硬化させてもよい。
【0370】
本開示の一態様では、ロボット3507、3509、3511、3513、3515、及び3517のうちの1つ以上のロボットは、複数の異なる役割のために使用されてもよい。例えば、ロボット3517は、アセンブリロボット3509、3511のようなアセンブリロボットの役割と、UVロボット3515のようなUVロボットの役割とを実行してもよい。この点で、ロボット517は、「アセンブリ/UVロボット」と称されることがある。アセンブリ/UVロボット517は、アセンブリ/UVロボットのロボットアームの遠位端がエンドエフェクタを含む(例えば、ツールフランジによって接続される)場合、アセンブリロボット3509、3511のそれぞれと同様の機能性を提供してもよい。しかしながら、アセンブリ/UVロボット3517は、アセンブリ/UVロボットのロボットアームの遠位端が、UV接着剤を塗布し、UV接着剤を硬化させるために紫外線を放射するように構成されたツールを含む場合、UVロボット3515と同様の多機能の能力を提供してもよい。
【0371】
UVロボット3515及びアセンブリ/UVロボット3517によって塗布された速硬化接着剤は、構造用接着剤が第一の構造体と第二の構造体とを恒久的に接合するために塗布されるまで、接着剤が接合近接内の第一の構造体と第二の構造体との相対位置を保持するために使用し得るという点で部分接着結合を提供してもよい。その後、部分接着剤接合を提供する接着剤を(例えば、仮接着剤のように)除去することも、あるいは(例えば、相補接着剤のように)除去しないこともある。
【0372】
フィクスチャレスアセンブリシステム3500において、接着剤が塗布されるべき第一の構造体及び/又は第二の構造体の少なくとも1つの表面は、アセンブリ体の様々な領域での重力又はその他の耐荷重力に基づいて決定されてもよい。有限要素法(FEM)解析は、接着剤が塗布されるべき第一の構造体及び/又は第二の構造体の少なくとも1つの表面と、少なくとも1つの表面上の1つ以上の離散エリアとを決定するために使用されてもよい。例えば、FEM解析は、1つ以上の接続部について配置された構造アセンブリのセクションを支持する可能性が低い、又は支持できない可能性がある構造アセンブリの1つ以上の接続部を示すことができる。
【0373】
アセンブリセル3505で車両の少なくとも一部分をアセンブリする際に、本明細書に記載されるように、様々なロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517を指示することによって、第二の構造体を第一の構造体に直接的に接合してもよい。追加の構造体を、第一の構造体に間接的に接合してもよい。例えば、第一の構造体は、基幹ロボット3507、構造用接着剤ロボット3513、少なくとも1つのアセンブリロボット3509、3511、及び/又はUVロボット3515の動きを介して、第二の構造体に直接接合されてもよい。その後、第二の構造体と接合された第一の構造体は、追加の構造体が第二の構造体に直接接合されることにより、間接的に追加の構造体に接合されてもよい。こうして、基幹ロボット3507によって保持され続けられることもある第一の構造体は、追加の構造体が直接的又は間接的に接合されるにつれて、アセンブリプロセスを通じて進化してもよい。
【0374】
本開示の態様において、アセンブリロボット3509、3511は、例えば、部分速硬化接着ボンドで、2つ以上の構造体を一緒に接合してもよく、その後、基幹ロボット3507によって保持された第一の構造体と、それらの2つ以上の構造体を接合してもよい。構造アセンブリで接合される前に互いに接合される2つ以上の構造体も、また構造体であってよく、さらに「サブアセンブリ」と称されることもある。したがって、構造体が、基幹ロボット3507、構造用接着剤ロボット3513、少なくとも1つのアセンブリロボット3509、3511、及びUVロボット3515の動きを通じて第一の構造体と接続される構造サブアセンブリの一部分を形成する場合、構造サブアセンブリの構造体は、その構造サブアセンブリが第一の構造体を含む構造アセンブリに接合されると、第一の構造体に間接的に接続されることもある。
【0375】
本開示の一態様において、第一及び第二の構造体が接合近接内にもたらされる前に、構造用接着剤を塗布してもよく、例えば、構造体のうちの1つの溝内に堆積してもよい。例えば、構造用接着剤ロボット3513は、構造用接着剤のためのディスペンサーを含んでもよく、構造体が接合近接内に導かれる前に、構造用接着剤を塗布してもよい。構造用接着剤は、構造アセンブリが完全に構築された後、(すなわち、車両の部分の各構造体が第一の構造体に接続されると)、塗布されてもよい。例えば、構造用接着剤は、第一の構造体と第二の構造体との間の1つ以上のジョイント又は他の接続部に塗布されてもよい。構造用接着剤は、UVロボット3515による最後の接着剤硬化が実行された後の時点で塗布されてもよい。構造用接着剤は、フィクスチャレスアセンブリシステム3500とは別個に塗布されてもよい。
【0376】
本開示の一態様において、ロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517のうちの1つ以上は、それぞれのロボットのそれぞれのベースを介してアセンブリセル3505の表面に固定されてもよい。例えば、ロボットのうちの1つ以上は、アセンブリセルの床にボルトで固定されるベースを有していてもよい。様々な他の実施形態において、ロボットのうちの1つ以上は、アセンブリセル3505内でロボットを移動させるように構成されたコンポーネントを含んでもよいし、それと接続されてもよい。例えば、アセンブリセル3505内のキャリア3519は、アセンブリ/UVロボット3517に接続されてもよい。
【0377】
ロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517のそれぞれは、
図6A~6Vに示す3550、3552、3554、3556、3558、3560のうちのそれぞれの1つのようなコントローラと通信可能に接続されてもよい。コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560のそれぞれは、例えば、メモリと、メモリ(例えば、以下の
図28Eに関連して説明したメモリ2854)に通信可能に接続されたプロセッサとを含んでもよい。いくつかの他の実施形態によれば、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560のうちの1つ以上は、単一のコントローラとして実装されてもよく、単一のコントローラは、その単一のコントローラによって制御されるロボットのうちの1つ以上に通信可能に接続されている。コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、及び/又は3560は、
図28Eに関連して説明したように、コンピュータ2850のプロセッサユニット2852の一部であってもよいし、あるいはそれによって制御されてもよい。
【0378】
フィクスチャレスアセンブリを実行するためのコンピュータ可読命令は、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560のメモリ上に格納することができ、コントローラのプロセッサは、ロボット3507、3509、3511、3513,3515,3517に、様々な作業を実行させるための命令を実行することができる。
【0379】
コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560は、例えば、有線(例えば、バス又は他の相互接続)及び/又は無線(例えば、無線ローカルエリアネットワーク、無線イントラネット)接続を介して、関連ロボット3507、3509、3511、3513、3515又は3517の1つ以上のコンポーネントと通信可能に接続されてもよい。コントローラのそれぞれは、例えば、様々なフィクスチャレス作業を実行するために、関連ロボットの1つ以上のコンポーネントにコマンド、リクエスト等を発行することができる。
【0380】
本開示の一態様において、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560は、関連ロボット507、509、511、513、515、又は517のロボットアームにコマンド等を発行してもよく、例えば、アセンブリセル3505のグローバルセル基準フレームに対する絶対座標のセットに基づいてロボットアームを指示することができる。様々な実施形態において、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560は、ロボットアームの遠位端に接続されたツールにコマンド等を発行してもよい。例えば、コントローラは、接着剤アプリケータによって制御された量の接着剤を第一の構造体又は第二の構造体の表面に堆積させること、硬化ツールによって構造体間に堆積された接着剤を制御された時間だけUV光に曝すこと、等を含むツールの作業を制御してもよい。様々な実施形態において、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560は、ロボットアームの遠位端にあるエンドエフェクタにコマンド等を発行してもよい。例えば、コントローラは、構造体を係合、保持、及び/又は操作することを含む、エンドエフェクタの作業を制御してもよい。
【0381】
様々な他の態様によれば、同様にプロセッサ及びメモリを有するコンピューティングシステム3529等のコンピューティングシステムは、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560のうちの1つ以上と通信可能に接続されてもよい。様々な実施形態において、コンピューティングシステムは、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、ワイドエリアネットワーク等の有線及び/又は無線接続を介して、コントローラと通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560のうちの1つ以上に実装されてもよい。いくつかの他の実施形態では、コンピューティングシステムは、例えば、
図28Eに関連して説明したコンピュータ2850の一部として、アセンブリセル3505の外部に配置されてもよい。
【0382】
コンピューティングシステムのプロセッサは、メモリからロードされた命令を実行してもよく、それらの命令の実行は、例えば、ネットワーク接続又は他の通信リンクを介してコントローラのうちの1つにコマンド等を含むメッセージを送信することにより、コンピューティングシステムにコントローラ3550、3552、3554、3556、3558、3560へのコマンド等を発行させてもよい。
【0383】
いくつかの実施形態によれば、コマンドのうちの1つ以上は、座標のセットを示し、コマンドを受信したコントローラの1つに関連するロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517の1つによって実行されるべきアクションを示すことができる。コマンドによって示され得るアクションの例には、ロボットアームの動きを指示すること、ツールを操作すること、構造体を係合すること、構造体を回転及び/又は並進させること等が含まれる。例えば、コンピューティングシステムによって発行されたコマンドは、ロボットアームの遠位端がコマンドによって示される座標のセットに基づいて位置し得るように、アセンブリロボット3509のコントローラ3552に、アセンブリロボット3509のロボットアームを指示させてもよい。
【0384】
メモリからロードされ、コンピューティングシステムのプロセッサによって実行される命令で、コントローラにロボットの動作を制御させる命令は、コンピュータ支援設計(CAD)データに基づいてもよい。例えば、アセンブリセル3505のCADモデル(例えば、物理的なロボットのCADモデルを含む)が構築され、コンピューティングシステムによって発行されるコマンドを生成するために使用されてもよい。
【0385】
いくつかの実施形態では、1つ以上のCADモデルは、アセンブリセル3505内の様々な要素に対応する場所を表してもよい。具体的には、CADモデルは、ロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517のうちの1つ以上に対応する場所を表してもよい。さらに、CADモデルは、構造体及び構造体のリポジトリ(例えば、アセンブリロボットによって係合される前に構造体が配置され得るフィクスチャレスアセンブリシステム3500内の部品テーブル等の格納要素)に対応する場所を表してもよい。様々な実施形態において、CADモデルは、各ロボット3507、3509、3511、3513、3515、3517のそれぞれの初期位置又はベース位置に対応する座標のセットを表してもよい。
【0386】
図36は、本開示の一態様に従う製造するための例示的な方法3600を示すフロー図を示す。
【0387】
図36の例示的な機能を少なくとも部分的に実行するオブジェクトは、例えば、コンピュータ2850及びその中の1つ以上のコンポーネント、
図28A~Eに例示されるような三次元プリンタ、
図35に例示されるようなアセンブリセル等の他のオブジェクトを含んでもよく、説明した機能を実装するために使用されてもよい。
【0388】
図36で特定されたステップは本質的に例示的なものであり、ステップの異なる順序又はシーケンス、及び追加の又は代替のステップが本開示で企図されるように実施されて、同様の結果に到達し得ることを理解されたい。
【0389】
3602で、制御装置は、設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方から入力情報を受信する。制御装置は、プロセッサ304、2852、3550、3552、3554、3556、3558、及び3560として
図3、
図28E、及び
図35で説明したような1つ以上のプロセッサ又はコントローラ、あるいはAPS200内の他のプロセッサ又はコントローラであってもよい。
【0390】
3604で、制御装置は、設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方に出力情報を提供し、出力情報は、入力情報に少なくとも部分的に基づいている。
【0391】
3606で、制御装置は、出力情報を使用して、製品の製造において設計装置及びアセンブリ装置の少なくとも一方が使用する少なくとも1つのパラメータを変更する。
【0392】
前述の説明は、本明細書で説明される様々な態様を当業者が実施できるようにするために提供される。本開示を通して提示されるこれらの例示的な実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に開示される概念は、本明細書に開示された例とは異なる方法で適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本開示を通して提示される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲に与えられるべきである。当業者に既に知られている、又は当業者に今後知られるようになる本開示を通して説明される例示的な実施形態の要素に対する全ての構造的及び機能的な均等物は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。請求項のいかなる要素も、その要素が「のための手段」という語句を使用して明示的に列挙されていない限り、あるいは方法の請求項において、その要素が「のためのステップ」という語句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて、あるいは適用される管轄区域の類似法に基づいて解釈されるべきではない。
【0393】
本開示に基づく特許請求の範囲は、本開示を通して提示される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲に与えられるべきである。当業者に既に知られている、又は当業者に今後知られるようになる本開示を通して説明される例示的な実施形態の要素に対する全ての構造的及び機能的な均等物は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【国際調査報告】