(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】固体Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/352 20060101AFI20230809BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230809BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230809BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230809BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20230809BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20230809BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230809BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20230809BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230809BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20230809BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230809BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230809BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20230809BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230809BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20230809BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20230809BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20230809BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20230809BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230809BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20230809BHJP
A23L 33/175 20160101ALI20230809BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20230809BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
A61K31/352
A61P25/04
A61P25/28
A61P25/16
A61P21/02
A61P25/14
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A61P25/08
A61P29/00
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A61P35/00
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A61P3/10
A61P3/06
A61P3/00
A61K47/22
A61K47/18
A61K9/20
A23L33/105
A23L33/175
A23L33/10
A23L2/52
A23L2/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503175
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2021041992
(87)【国際公開番号】W WO2022016060
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523017198
【氏名又は名称】カンナ - ケミストリーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リグスビー、エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ヨナイタス、デイヴィット、ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シュルタイス、ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、ロイド、スティーブン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
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4C086ZC37
(57)【要約】
本発明は、Delta9-THC及び粉末形成剤を含有し、流動性Delta9-THC粉末を形成するためのDelta9-THCと粉末形成剤とのモル比を有する、固体Delta9-THC組成物に関する。粉末形成剤は、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ピペコリン酸、サッカリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される。本発明はまた、本発明の固体Delta9-THC組成物を製造する方法に関する。Delta9-THCは、合成Delta9-THCであってもよく、又は抽出されたDelta9-THCであってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Δ
9-THC及び粉末形成剤を含み、流動性Δ
9-THC粉末を形成するためのΔ
9-THCと粉末形成剤とのモル比を有する、固体Δ
9-THC組成物であって、前記粉末形成剤は、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ピペコリン酸、サッカリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される、固体Δ
9-THC組成物。
【請求項2】
Δ
9-THCと粉末形成剤との前記モル比が、約4:1~約1:4の範囲、約3:1~約1:3の範囲、約2:1~約1:2の範囲、又は約1:1である、請求項1に記載の固体Δ
9-THC組成物。
【請求項3】
前記粉末形成剤が、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン及びそれらの混合物から選択される、請求項1又は請求項2に記載の固体Δ
9-THC組成物。
【請求項4】
前記粉末形成剤がアスパルテームである、請求項1又は請求項2に記載の固体Δ
9-THC組成物。
【請求項5】
前記粉末形成剤がカフェインであり、Δ
9-THCと粉末形成剤との前記モル比が約1:1~約1:4の範囲である、請求項1又は請求項2に記載の固体Δ
9-THC組成物。
【請求項6】
前記粉末形成剤がL-バリンである、請求項1又は請求項2に記載の固体Δ
9-THC組成物。
【請求項7】
流動性Δ
9-THC粉末を形成するための条件及びモル比でΔ
9-THCを粉末形成剤と組み合わせる工程を含む、固体Δ
9-THC組成物を製造する方法であって、前記粉末形成剤は、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ピペコリン酸、サッカリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される、固体Δ
9-THC組成物を製造する方法。
【請求項8】
前記Δ
9-THC及び前記粉末形成剤を溶媒系に溶解して溶液を形成する工程と、前記溶液から前記溶媒を除去して固体Δ
9-THC組成物を得る工程と、を含む、請求項7に記載の固体Δ
9-THC組成物を製造する方法。
【請求項9】
前記溶解工程が、前記Δ
9-THCを溶媒系に溶解してΔ
9-THC溶液を形成する工程と、前記粉末形成剤を溶媒系に溶解して粉末形成剤溶液を形成する工程と、前記Δ
9-THC溶液及び前記粉末形成剤溶液を組み合わせて、Δ
9-THC及び前記粉末形成剤化合物の両方を含有する組合せ溶液を形成する工程と、前記組合せ溶液から前記溶媒を除去して、固体Δ
9-THC組成物を得る工程と、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Δ
9-THCと粉末形成剤との前記モル比が、約4:1~約1:4の範囲、約3:1~約1:3の範囲、約2:1~約1:2の範囲、又は約1:1である、請求項7、8又は9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記Δ
9-THCが合成Δ
9-THCである、請求項7、8、9又は10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記Δ
9-THCが、抽出されたΔ
9-THCである、請求項7、8、9又は10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記溶媒が、凍結乾燥又は蒸発によって前記溶液から除去される、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の固体Δ
9-THC組成物と、薬学的又は栄養補助食品として許容される担体とを含む、医薬組成物又は栄養補助食品組成物であって、Δ
9-THCは、薬学的又は栄養補助食品として有効な量で前記組成物中に存在する、医薬組成物又は栄養補助食品組成物。
【請求項15】
疾患、障害、又は状態を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の請求項1~6のいずれか一項に記載の固体Δ
9-THC組成物を投与する工程、又はそれを必要とする患者に請求項14に記載の固体Δ
9-THC組成物を含有する治療用組成物を投与する工程、を含む、疾患、障害、又は状態を治療する方法。
【請求項16】
請求項1~6のいずれか一項に記載の固体Δ
9-THC組成物を含む食品又は飲料製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月17日に出願された米国特許出願第63/053,205号、2021年2月26日に出願された米国特許出願第63/154,151号、2021年2月26日に出願された米国特許出願第63/154,153号の優先権を主張する。各出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
大麻は、多くの文化において、及び長い間、伝統的な薬物及び治療薬であった。大麻は、20世紀初期まで、喘息から片頭痛に及ぶ様々な障害の治療に使用されていた。天然カンナビノイド化合物の概要については、David T.Brown ed.,Cannabis,Hardwood Academic Publishers 1998,ISBN 90-5702-291-5を参照されたい。テトラヒドロカンナビノール(THC)、より具体的には(-)-トランス-Δ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)及びその異性体は、大麻の精神賦活性成分である。それは規制物質であるが、近年、Δ9-THCは、食欲刺激剤及び制吐薬としての治療的使用が見出されている。市販されているΔ9-THC製品の例は、Marinol(登録商標)(一般名ドロナビノール)である。現在、Δ9-THC製品は、薬物が油に溶解された経口投与用のソフトゼラチンカプセルとして製剤化されている。欠点は、この製剤ではΔ9-THCが安定していないことである。その結果、低温(4℃)で保管する必要がある。Δ9-THCは、光、酸素及び熱に対して化学的に不安定である。化合物の安定性が低く、医薬製剤を冷蔵庫に保存する必要があることは、医薬品にとって重大な欠点である。したがって、例えば周囲条件で長時間貯蔵することができるΔ9-THCの安定な製剤が必要とされている。
【0003】
更に、精製されたΔ9-THCは、松の木の樹液及び/又はゴムセメントと比較されている、厚く、褐色で粘性の樹脂材料である。したがって、Δ9-THCは、製剤化が極めて困難であり、他の固体医薬化合物に典型的に利用可能な標準的な剤形への組込みに容易に適合されない。その製剤に関連する困難を考慮すると、そのような原薬を固体粉末状態で得る方法を有することが望ましいであろう。
【0004】
したがって、特定の既知の量のΔ9-THCを含有し、治療的使用のためにΔ9-THCの医薬組成物を調製するために使用され得るΔ9-THC製剤を有する必要もある。流動性粉末は、他の剤形、例えば、肺送達用の乾燥粉末製剤及び経口又は舌下投与用の錠剤を開発する可能性を提供する。固体Δ9-THC組成物が必要とされている。本発明は、そのような必要性に応える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比を有するΔ9-THC及び粉末形成剤を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる固体Δ9-THC組成物に関し、粉末形成剤は、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ピペコリン酸、サッカリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Δ9-THCと粉末形成剤とのモル比は、約4:1~約1:4、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2の範囲であってもよく、又は約1:1であってもよい。1つの固体Δ9-THC組成物において、粉末形成剤はアスパルテームである。別の場合では、粉末形成剤はカフェインである。また別の場合では、粉末形成剤はL-バリンである。
【0006】
本発明はまた、流動性Δ9-THC粉末を形成するための条件及びモル比でΔ9-THCを粉末形成剤と組み合わせる工程を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる固体Δ9-THC組成物を製造する方法に関し、粉末形成剤は、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ピペコリン酸、サッカリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される。固体Δ9-THC組成物を製造する1つの方法は、Δ9-THC及び粉末形成剤を溶媒系に溶解して溶液を形成する工程と、溶液から溶媒を除去して固体Δ9-THC組成物を得る工程とを含む。本発明の方法又は組成物において、Δ9-THCは合成Δ9-THCであってもよく、又は抽出Δ9-THCであってもよい。
【0007】
本発明は、本発明の固体Δ9-THC組成物と、薬学的に又は栄養補助食品として許容される担体と、を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる医薬組成物又は栄養補助食品組成物を提供し、Δ9-THCは、薬学的又は栄養補助食品として有効な量で組成物中に存在する。本発明はまた、治療有効量の本発明による固体Δ9-THC組成物を、それを必要とする患者に投与する工程、又は固体Δ9-THC組成物を含有する治療用組成物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなる疾患、障害、又は状態を治療する方法を提供する。
【0008】
固体Δ9-THC組成物はまた、食品(食用)及び飲料製品に組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/アデニン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0010】
【
図2】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/アスパルテーム粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0011】
【
図3】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/カフェイン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0012】
【
図4】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/グルタミン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0013】
【
図5】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/ヒスチジン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0014】
【
図6】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/ラクトース粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0015】
【
図7】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/D-マンニトール粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0016】
【
図8】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/ニコチンアミド粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0017】
【
図9】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/L-ピペコリン酸粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0018】
【
図10】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/サッカリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0019】
【
図11】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/L-トリプトファン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0020】
【
図12】フリーズドライした、1:1のΔ
9-THC/L-バリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0021】
【
図13】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-アスパラギン酸粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0022】
【
図14】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-グルタミン酸粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0023】
【
図15】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-ロイシン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0024】
【
図16】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-メチオニン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0025】
【
図17】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0026】
【
図18】フリーズドライした、1:2のΔ
9-THC/L-フェニルアラニン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0027】
【
図19】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-プロリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0028】
【
図20】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-セリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0029】
【
図21】蒸発によって調製されたΔ
9-THC/アスパルテーム1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0030】
【
図22】蒸発によって調製されたΔ
9-THC/カフェイン1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0031】
【
図23】蒸発によって調製されたΔ
9-THC/L-ピペコリン酸1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0032】
【
図24】物理的混合によって調製されたΔ
9-THC/アスパルテーム1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0033】
【
図25】物理的混合によって調製されたΔ
9-THC/カフェイン1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0034】
【
図26】物理的混合によって調製されたΔ
9-THC/ラクトース1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0035】
【
図27】物理的混合によって調製されたΔ
9-THC/L-ピペコリン酸1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0036】
【
図28】フリーズドライした、2:1のΔ
9-THC/EGCG粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0037】
【
図29】フリーズドライした、1:2のΔ
9-THC/L-グルタミン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0038】
【
図30】回転蒸発によって調製されたΔ
9-THC/HPbCD1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0039】
【
図31】回転蒸発によって調製されたΔ
9-THC/TOMBC1:1粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0040】
【
図32】フリーズドライした、1:2のΔ
9-THC/アスパルテーム粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0041】
【
図33】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/アスパルテーム粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0042】
【
図34】フリーズドライした、2:1のΔ
9-THC/アスパルテーム粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0043】
【
図35】フリーズドライした、4:1のΔ
9-THC/アスパルテーム粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0044】
【
図36】フリーズドライした、1:2のΔ
9-THC/L-バリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0045】
【
図37】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/L-バリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0046】
【
図38】フリーズドライした、2:1のΔ
9-THC/L-バリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0047】
【
図39】フリーズドライした、4:1のΔ
9-THC/L-バリン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0048】
【
図40】フリーズドライした、1:2のΔ
9-THC/カフェイン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【0049】
【
図41】フリーズドライした、1:4のΔ
9-THC/カフェイン粉末のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
固体Δ9-THC組成物
【0051】
本発明は、第1の成分としてのΔ9-THC及び第2の成分としての粉末形成剤を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる固体Δ9-THC組成物に関する。本発明の固体Δ9-THC組成物において、Δ9-THC及び粉末形成剤は、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比で存在する。流動性粉末は、粉末のバルク特性として流動する遊離微粒子の固体組成物である。一般的な用語では、例示として、粉末はオリフィスを通って流れてもよく(例えば、砂時計を通る砂)、又は注がれてもよい(例えば、袋からの糖)。いくつかの例では、流動性粉末は、その流れに影響を与え、表面に付着させることができる静的又は摩擦電気的電荷を有することができる。
【0052】
本発明の固体Δ9-THC組成物において、粉末形成剤は、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ピペコリン酸、サッカリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される。各粉末形成剤は、本発明の固体Δ9-THC組成物中で個別に使用することができる。2つ、3つ、4つ、5つ以上、最大全ての粉末形成剤の混合物の組合せを、本発明の固体Δ9-THC組成物で使用することができる。
【0053】
粉末形成剤には、L-アミノ酸、D-アミノ酸又はD,L-アミノ酸であり得る、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン及びバリンのアミノ酸が含まれる。アミノ酸粉末形成剤は、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-ヒスチジン、L-ロイシン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-トリプトファン、L-バリン及びそれらの混合物であり得る。粉末形成剤がピペコリン酸である場合、それはL-ピペコリン酸、D-ピペコリン酸又はD,L-ピペコリン酸であり得る。
【0054】
本発明の固体Δ9-THC組成物は、流動性Δ9-THC粉末を形成するΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比で組み合わされた、Δ9-THC及び粉末形成剤を有する。Δ9-THCと粉末形成剤との例示的なモル比は、約4:1~約1:4の範囲であってもよく、約3:1~約1:3の範囲であってもよく、約2:1~約1:2の範囲であってもよく、又は約1:1であってもよい。本発明の固体Δ9-THC組成物は、これらの例示的なモル比に限定されない。異なる粉末形成剤は、流動性Δ9-THC粉末をもたらす異なるΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比を有し得る。
【0055】
1つの固体Δ9-THC組成物は、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比を有する、Δ9-THC及び粉末形成剤を含み、粉末形成剤は、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トリプトファン、バリン及びそれらの混合物からなる群から選択される。Δ9-THCと粉末形成剤との例示的なモル比は、約4:1~約1:4の範囲であってもよく、約3:1~約1:3の範囲であってもよく、約2:1~約1:2の範囲であってもよく、又は約1:1であってもよい。
【0056】
本発明の固体Δ9-THC組成物は、Δ9-THC及び粉末形成剤としてL-バリンを含み、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比を有する。Δ9-THCとL-バリン粉末形成剤との例示的なモル比は、約4:1~約1:4の範囲であってもよく、約3:1~約1:3の範囲であってもよく、約2:1~約1:2の範囲であってもよく、又は約1:1であってもよい。
【0057】
本発明の別の固体Δ9-THC組成物は、Δ9-THC及び粉末形成剤としてアスパルテームを含み、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比を有する。Δ9-THCとアスパルテーム粉末形成剤との例示的なモル比は、約4:1~約1:4の範囲であってもよく、約3:1~約1:3の範囲であってもよく、約2:1~約1:2の範囲であってもよく、又は約1:1であってもよい。
【0058】
本発明の1つの別の固体Δ9-THC組成物は、Δ9-THC及び粉末形成剤としてカフェインを含み、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比を有する。Δ9-THCとカフェイン粉末形成剤との例示的なモル比は、約1:1~約1:4の範囲であってもよく、約1:1~約1:3の範囲であってもよく、約1:1~約1:2の範囲であってもよく、又は約1:1であってもよい。
【0059】
固体Δ9-THC組成物の製造方法
【0060】
本発明の固体Δ9-THC組成物は、本発明によるΔ9-THC及び粉末形成剤を組み合わせる当技術分野で公知の様々な方法によって作製され得る。例えば、固体Δ9-THC組成物は、Δ9-THC及び粉末形成剤の溶液を凍結乾燥(フリーズドライ)することによって、又は溶液から溶媒をゆっくり又は回転蒸発させることによって製造され得る。本発明の固体Δ9-THC組成物は、Δ9-THC及び粉末形成剤の単純な混合によっても製造され得る。したがって、本発明は、流動性Δ9-THC粉末を形成する条件下でΔ9-THCを粉末形成剤と組み合わせることによって固体Δ9-THC組成物を製造する方法に関する。Δ9-THC及び粉末形成剤は、流動性Δ9-THC粉末を形成するΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比で組み合わされる。例示的なモル比は上で議論されており、以下の例に示されている。
【0061】
本発明は、Δ9-THC及び粉末形成剤を溶媒系に溶解して溶液を形成することによって固体Δ9-THC組成物を製造する方法に関する。Δ9-THC及び粉末形成剤を最初に別々に溶解する場合、溶液を組み合わせて、Δ9-THC及び粉末形成剤の両方を含有する溶液を形成することができる。Δ9-THC及び粉末形成剤は、溶媒が除去されると流動性Δ9-THC粉末を形成するΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比で溶液中に存在する。次いで、溶媒を、例えば凍結乾燥又は蒸発によって溶液から除去して、流動性粉末を得る。Δ9-THC及び粉末形成剤が溶液中に残るように、Δ9-THC及び粉末形成剤の両方を溶解する溶媒、並びに溶媒の混合物を使用することができる。適切な溶媒としては、例えば、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、酢酸エチル、及びC2-C4アルコール(エタノール、プロパノール等)が挙げられる。水を使用してもよいが、Δ9-THCを溶解するために使用される溶媒と混和性であるべきであり、溶液からのΔ9-THCの沈殿を引き起こすほどではない必要がある。
【0062】
本発明のΔ9-THC粉末組成物はまた、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比でちょうど記載されるように、合成Δ9-THC及び粉末形成剤を組み合わせることによって製造され得る。あるいは、本発明のΔ9-THC粉末組成物はまた、流動性Δ9-THC粉末を形成するためのΔ9-THCと粉末形成剤とのモル比でちょうど記載されるように、抽出Δ9-THC及び粉末形成剤を組み合わせることによって製造され得る。
【0063】
本発明の一方法では、(+)-p-メントー2-エン-1,8-ジオールをオリベトールと反応させて、合成デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)を調製する。参照により組み込まれる米国特許第2007/0287843号を参照されたい。(+)-p-メンタ-2-エン-1,8-ジオールは、2-カレンエポキシド、(+)-p-メンタ-2-エン-1,8-ジオールが不溶性である溶媒、水、及び酸触媒を含む反応混合物から調製され得る([0013]と同様)。(+)-p-メンタ-2-エン-1,8-ジオールはまた、2-カレンエポキシド及び3-カレンエポキシド、(+)-p-メンタ-2-エン-1,8-ジオールが不溶性である溶媒、水、並びに酸触媒を混合して調製することができる([0014]と同様)。したがって、2-カレンから調製された環状化合物、又は2-カレン及び3-カレンの混合物から調製された環状化合物を、非置換レゾルシノール又は置換レゾルシノール(例えばオリベトール)と反応させると、Δ9-THCを合成することができる([0015]と同様)。次いで、得られた合成Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)及びそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してTHC粉末を得る。
【0064】
本発明の別の方法は、最初に粗Δ9-THCアリールスルホン酸エステルを生成し、次いでこれを加水分解して合成Δ9-THCを生成する「ワンポット」縮合及びスルホニル化反応順序で合成Δ9-THCを調製する。参照により組み込まれる国際公開第2009/099868号を参照されたい。Δ9-THCは、置換レゾルシノール化合物を酸触媒及び非アルカリ脱水剤の存在下で縮合させることにより合成することができる([0017]と同様)。縮合反応完了後、塩基の存在下、反応混合物をアリールスルホニルハロゲン化物で処理することにより反応混合物をスルホン化して、アリールスルホナートを製造する([0019]と同様)。次いで、単離されたアリールスルホナートを加水分解して、合成Δ9-THCを形成する([0020]と同様)。次いで、得られた合成Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)及びそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してTHC粉末を得る。
【0065】
本発明の一方法では、合成Δ
9-THCは、第1の中間体化合物を有機アルミニウム系ルイス酸触媒で処理することによって調製される。参照により組み込まれる国際公開第2007/041167号を参照されたい。第1の中間体化合物は、式Iの化合物であり、
【化1】
式中、
R
1は、H、置換若しくは非置換のアルキル、カルボン酸エステル、又はアシルであり、
R
2は、H、OH、保護ヒドロキシル、置換若しくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、アリール、又はヘテロアリールであり、
R
3は、H、置換若しくは非置換のアルキル、カルボン酸エステル、又はアシルであり、
R
4は、H、置換若しくは非置換のアルキル、シリル、ヘテロ置換若しくは非置換のアシル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルホスホリル、又はアリールホスホリルである(頁2、行29-頁3、行9と同様)。次いで、得られた合成Δ
9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)及びそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ
9-THC粉末を得る。
【0066】
本発明の別の方法では、6,12-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-カンナビジオールを環縮合させて合成Δ9-THCを調製する。参照により組み込まれる欧州特許第0494665号を参照されたい。環縮合は、炭化水素、芳香族炭化水素、及び塩素化炭化水素からなる群から選択される溶媒中で行われる(請求項9と同様)。次いで、得られた合成Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)及びそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ9-THC粉末を得る。
【0067】
本発明の別の方法では、カンナビジオール(CBD)が有機溶媒中に存在し、加熱しながらモレキュラーシーブの存在下で環化させて合成Δ9-THCを調製する。参照により組み込まれる米国特許第8324408号を参照されたい。有機溶媒に溶解したCBDを、反射下で煮沸しながらモレキュラーシーブと接触させる(請求項2と同様)。次いで、得られた合成Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)及びそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ9-THC粉末を得る。
【0068】
本発明の別の方法では、合成Δ9-THCはCBDから調製される。参照により組み込まれる国際公開第2002/070506号を参照されたい。窒素雰囲気下、有機溶媒中、CBDを含む反応混合物に触媒を添加する(3と同様)。NaHCO3を反応混合物に添加し、撹拌する(4と同様)。混合物を水相及び有機相に分離させる(同上)。有機相を除去し、Δ9-THCを有機相から溶出する(同上)。次いで、得られた合成Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)及びそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ9-THC粉末を得る。
【0069】
本発明の一方法では、Δ9-THCを非極性溶媒で植物材料から抽出し、続いて真空蒸留及びクロマトグラフィを行う。参照により組み込まれる米国特許第6,365,416号を参照されたい。大麻植物材料を非極性有機溶媒で抽出して抽出物を形成する(請求項1と同様)。溶媒を抽出物から除去し、抽出物残渣を得る(同上)。抽出物残渣を第1の低圧フラッシュ蒸留に供し、第1の蒸留物はΔ9-THCを含有する(同上)。第1の蒸留物を第2の低圧フラッシュ蒸留に供して、Δ9-THCを含有する第2の蒸留物を生成することができる(同上)。第1及び第2の留出物をカラムクロマトグラフィ、通常のHPLC、又は逆HPLCに供して、Δ9-THCを含有する生成物を得る(同上)。次いで、抽出THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ9-THC粉末を得る。
【0070】
本発明の別の方法では、超臨界流体を使用して大麻植物からΔ9-THCを抽出する。例えば、両方とも参照により組み込まれる米国特許第2003/0050334号及び国際公開第2020/102898号を参照されたい。植物を、単独で、又は他の共溶媒と組み合わせて、超臨界流体、好ましくは液体CO2に供して、Δ9-THCを抽出する。米国特許第2003/0050334号の[0053]を参照されたい。抽出は、植物材料からCBDよりもΔ9-THCを選択的に抽出するために>65℃の温度で行われる。国際公開第2020/102898号の請求項1を参照されたい。次いで、抽出Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)それらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ9-THC粉末を得る。
【0071】
本発明の別の方法では、気密容器中のCBD含有試料、ルイス酸、及び溶媒を含む反応混合物にマイクロ波を照射することによって、大麻植物からΔ9-THCが抽出される。参照により組み込まれる米国特許第2021/0002247号を参照されたい。次いで、抽出Δ9-THCを、アデニン、アスパルテーム、カフェイン、グルタミン、ヒスチジン、ラクトース、マンニトール、ニコチンアミド、ピペコリン酸、サッカリン、トリプトファン、バリン、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)、及びトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)それらの混合物からなる群から選択される粉末形成剤と、上記のような方法を使用して組み合わせる。例えば、溶媒系で組み合わせて溶液を形成し、次いで溶媒を溶液から除去してΔ9-THC粉末を得る。
【0072】
固体Δ9-THC組成物の使用
【0073】
上述のように、Δ9-THCは、様々な疾患、障害、及び状態の治療に有用であることが当技術分野で公知である。次いで、本発明の固体Δ9-THC組成物、及びそれらを含有する医薬組成物を使用して、そのような疾患、障害、及び状態を治療することもできる。本発明の固体Δ9-THC組成物で治療することができる疾患、障害又は状態には、疼痛(急性疼痛;慢性疼痛;神経障害性疼痛及び癌性疼痛を含むがこれに限定されない)、神経変性疾患(アルツハイマー病;パーキンソン病;筋萎縮性側索硬化症;ハンチントン病;多発性硬化症;前頭側頭型認知症;プリオン病;レビー小体型認知症;進行性核上性麻痺;血管性認知症;正常圧水頭症;外傷性脊髄損傷;HIV認知症;アルコール誘発神経毒性;ダウン症候群;てんかん又は任意の他の関連する神経学的又は精神医学的神経変性疾患を含むがこれに限定されない)、炎症性又は自己免疫疾患、線維症、癌、悪心及び嘔吐、糖尿病、脂肪過多及びメタボリックシンドロームが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
したがって、本発明は、上記疾患、障害又は状態を治療する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の固体Δ9-THC組成物を投与する工程、又はそれを必要とする患者に本発明の固体Δ9-THC組成物を含有する治療用組成物を投与する工程を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる、上記疾患、障害又は状態を治療する方法に関する。
【0075】
「治療」又は「治療すること」という用語は、哺乳動物における疾患、障害又は状態の任意の治療を意味し、それには、疾患、障害又は状態を予防するか又は保護すること、すなわち、臨床症状を発症させないことと、疾患、障害又は状態を阻害すること、すなわち、臨床症状の発症を停止又は抑制することと、並びに/あるいは疾患、障害又は状態を軽減すること(状態又は障害に関連する不快感の軽減を含む)、すなわち、臨床症状の後退を引き起こすことと、を含む。ヒト医学では、最終的な1つ又は複数の誘導事象が未知であり得るか、潜在的であり得るか、あるいは1つ又は複数の事象の発生の十分に後まで患者が確認されないため、「予防」及び「抑制」を区別することは必ずしも可能ではないことが当業者には理解されるであろう。したがって、本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、疾患、障害又は状態の「防止」及び「抑制」の両方を包含する「治療」の要素として意図されている。「保護」という用語は、「予防」を含むことを意味する。
【0076】
本発明の別の態様は、上述の疾患、障害及び状態の治療における本発明の固体Δ9-THC組成物の使用に関する。したがって、本発明は更に、そのような疾患、障害及び状態の治療に使用するための医薬品の製造に関する。
【0077】
固体Δ9-THC組成物を含有する組成物
【0078】
本発明は、本発明の固体Δ9-THC組成物と、薬学的に又は栄養補助食品として許容される担体と、を含有する医薬組成物又は栄養補助食品組成物に関する。医薬組成物又は栄養補助食品組成物は、ビタミン組成物を含む。固体Δ9-THC組成物は、流動性粉末として存在してもよく、担体と混合されてもよい。Δ9-THCは、薬学的又は栄養補助食品として有効な量で組成物中に存在する。上述のように、これらの医薬組成物は、上述のような障害を治療又は予防するために治療的に有用である。本発明のそのような組成物は、本発明の固体Δ9-THC組成物で作製された固体剤形又は溶液であり得る。
【0079】
本発明の組成物は、本発明による固体Δ9-THC組成物を含有する任意の医薬形態又は栄養補助食品形態であり得る。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、消耗性製剤、注射用組成物、局所用組成物、吸入用組成物又は経皮用組成物であり得る。
【0080】
組成物は、一般に、例えば、約0.1重量%~約99.9重量%の本発明の固体Δ9-THC組成物、例えば、約0.5重量%~約99重量%の本発明の固体Δ9-THC組成物と、例えば、99.5重量%~0.5重量%の少なくとも1つの適切な医薬賦形剤又は溶媒と、を含有する。一実施形態では、組成物は、約5重量%~約75重量%本発明の固体Δ9-THC組成物であり得、残りは、後述するように、少なくとも1つの適切な医薬賦形剤、溶媒又は少なくとも1つの他のアジュバントである。
【0081】
「治療有効量の本発明によるΔ9-THC」は、治療効果と相関し、例えば、約5mg~約2,000mg、約50mg~約1500mg、約100mg~約1000mg、約250mg~約750mg、又は約500mgであり得る。任意の特定の患者の任意の特定の疾患、障害又は状態の治療に必要な実際の量は、例えば、治療される特定の疾患、障害又は状態;治療される疾患状態及びその重症度;使用される特定の医薬組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事;投与様式;投与時間;投与経路;及び排泄速度;治療期間;使用される特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される任意の薬物;並びに医学分野で周知の他のそのような要因を含む様々な要因に依存し得る。これらの要因は、参照により本明細書に組み込まれる、Goodman and Gilman’s ’’The Pharmacological Basis of Therapeutics’’,Tenth Edition,A.Gilman,J.Hardman and L.Limbird,eds.,McGraw-Hill Press,155-173,2001に記載されている。
【0082】
組成物の種類に応じて、薬学的に許容される担体又は栄養補助食品として許容される担体は、当技術分野で公知の担体の任意の1つ又は組合せから選択され得る。担体の選択は、使用される医薬形態又は栄養補助食品形態及び所望の投与方法に依存する。担体は、例えば、固体Δ9-THC組成物が粘着性になるように、又はΔ9-THC成分が油性になるように、固体Δ9-THC組成物を実質的に変化させてはならない。また、担体は、望ましくない生物学的効果をもたらすこと、又はそうでなければ医薬組成物又は栄養補助食品組成物の任意の他の成分(複数可)と有害な様式で相互作用することによって等、使用される固体Δ9-THC組成物と不適合であってはならない。
【0083】
本発明の医薬組成物又は栄養補助食品組成物は、製剤分野で公知の方法によって調製することができ、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990)を参照されたい。固体剤形では、本発明の固体Δ9-THC組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤又は栄養補助食品として許容される賦形剤、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、あるいは(a)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸、(b)結合剤、例えばセルロース誘導体、デンプン、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアラビアゴム、(c)保水剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、複合シリケート及び炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、例えば、例えば、パラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアラート、ステアリン酸マグネシウム等、(h)吸着剤、例えば、カオリン及びベントナイト、並びに(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、又はそれらの混合物と混合され得る。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。
【0084】
医薬製剤分野及び栄養補助食品製剤分野で公知の薬学的に許容されるアジュバント及び栄養補助食品として許容されるアジュバントも、本発明の医薬組成物又は栄養補助食品組成物に使用することができる。これらには、保存剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、乳化剤、及び分注剤が含まれるが、これらに限定されない。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等を含めることによって確実にすることができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を含むことが望ましい場合もある。所望であれば、本発明の医薬組成物は、少量の補助物質、例えば、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤等、例えば、クエン酸、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、ブチル化ヒドロキシトルエン等も含有し得る。
【0085】
上記のような固体剤形は、医薬分野又は栄養補助食品分野で知られているように、腸溶コーティング及び他のもの等のコーティング及びシェルを用いて調製され得る。それらは、鎮静剤を含有してもよく、腸管の特定の部分で遅延様式で1つ又は複数の活性化合物を放出するような組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の非限定的な例は、ポリマー物質及びワックスである。活性化合物はまた、適切な場合には、上記の賦形剤の1つ又は複数と共にマイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0086】
懸濁液は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント、又はこれらの物質の混合物等を含み得る。
【0087】
直腸投与のための組成物は、例えば、本発明の固体Δ9-THC組成物を、例えば、適切な非刺激性賦形剤又は担体、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール又は坐剤ワックスと混合することによって調製され得る坐剤であり、これは、常温では固体であり得るが、体温では液体であり得、したがって、適切な体腔にある間に融解し、その中の活性成分を放出する。
【0088】
局所投与に適した組成物には、リニメント剤、ローション、ゲル、アプリカント(applicant)、水中油型又は油中水型エマルジョン、例えばクリーム、軟膏、ペースト又はフォーム等の液体又は半液体製剤、あるいは当該技術分野で知られているような液滴等の溶液又は懸濁液が含まれる。本発明の組成物は、局所投与を意図することができ、その場合、担体は、溶液、エマルジョン、軟膏又はゲル基剤を適切に含み得る。担体又は基剤は、例えば、以下のもの、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱油、水及びアルコール等の希釈剤、並びに乳化剤及び安定剤のうちの1つ又は複数を含み得る。増粘剤は、局所投与用の医薬組成物中に存在し得る。経皮投与を意図する場合、組成物は、経皮パッチ又はイオン導入装置を含み得る。局所製剤は、約0.1~約10%w/v(単位体積当たりの重量)の濃度の本発明の化合物を含有し得る。
【0089】
上記の局所投与方法に加えて、本発明の活性な固体Δ9-THC組成物を肺に局所投与する様々な方法がある。そのような手段の1つは、治療される患者が吸入する本発明の固体Δ9-THC組成物からなる呼吸用粒子の乾燥粉末吸入器製剤を含むことができる。乾燥粉末製剤は、固体Δ9-THC組成物粒子が付着することができる担体粒子を含むことが一般的である。担体粒子は、任意の許容される薬理学的に不活性な材料又は材料の組合せであり得る。例えば、担体粒子は、糖アルコール;ポリオール、例えばソルビトール、マンニトール又はキシリトール、及び単糖類及び二糖類を含む結晶性糖;塩化ナトリウム、炭酸カルシウム等の無機塩;乳酸ナトリウム等の有機塩;及び尿素、多糖類、例えばシクロデキストリン及びデキストリン等の他の有機化合物から選択される1つ又は複数の材料から構成され得る。担体粒子は、結晶性糖、例えばグルコース若しくはアラビノース等の単糖、又はマルトース、サッカロース、デキストロース若しくはラクトース等の二糖であってもよい。
【0090】
上記の局所投与方法に加えて、そのような方法によって本発明の活性な固体Δ9-THC組成物を全身投与する様々な方法がある。そのような手段の1つは、治療される患者が吸入する本発明の固体Δ9-THC組成物からなる呼吸用粒子のエアロゾル懸濁液を含む。固体Δ9-THC組成物は、医薬的に有効な量で肺を介して血流に吸収される。呼吸用粒子は、吸入時に口及び喉頭を通過するのに十分に小さい粒径を有する液体又は固体であり得る。
【0091】
固体Δ9-THC組成物は調製中に維持され得るので、固体剤形は本発明の医薬組成物の一実施形態である。カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末、顆粒剤、及び懸濁剤を含む、経口投与のための剤形が使用され得る。定量吸入器、乾燥粉末吸入器又はエアロゾル製剤を含む、肺投与のための剤形が使用され得る。そのような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される又は栄養補助食品として許容される賦形剤(薬学的に許容される又は栄養補助食品として許容される担体としても知られる)と混合され得る。
【0092】
食用組成物
【0093】
本発明の固体Δ9-THC組成物はまた、食品及び飲料等の食用組成物に組み込まれてもよい。食品は、ケーキ、キャンディ、パン等の調製食品、又はそのような製品を調製するために使用される混合物であってもよい。食品はまた、茶又はコーヒー飲料を調製するために使用される茶又はコーヒーであってもよい。飲料製品は、ソーダ、茶、コーヒー、ジュース、スポーツ飲料、ビール等のレディ・トゥ・ドリンク飲料であってもよい。食品又は飲料は、ヒト又は動物の消費用であってもよい。
【0094】
例
【0095】
例1~3及び6のX線粉末回折(XRPD):線源X線ビームを使用して反射BraggBrentano幾何形状用にRigaku Smart-Lab X線回折システムを構成した。X線源は、40kV及び44mAで動作したCu Long Fine Focus管である。その光源は、高角度の狭い線から低角度の広い長方形に変化する入射ビームプロファイルを試料に提供する。ビーム調整スリットは、最大ビームサイズが線に沿って、及び線に垂直の両方で、10mm未満であることを保証するために線X線源上で使用される。Bragg-Brentano幾何学的形状は、受動発散及び受容スリットによって制御されるパラ集束幾何学的形状であり、試料自体が光学系の集束構成要素として作用する。Bragg-Brentano幾何形状の固有の分解能は、使用される回折計の半径及び受容スリットの幅によって部分的に支配される。典型的には、ピーク幅が0.1゜2θ以下となるようにRigaku Smart-Labを動作させる。X線ビームの軸方向発散は、入射ビーム経路及び回折ビーム経路の両方において5.0度のソーラースリットによって制御される。粉末試料を、試料表面を試料ホルダの基準面に対して平坦かつ水平に保つために軽い手動圧力を使用して低バックグラウンドSiホルダ内で調製した。有効工程サイズ0.02゜2θで6゜2θ/分の連続スキャンを使用して、各試料を2から40゜2θまで分析した。
【0096】
例4及び5のX線粉末回折(XRPD):XRPDパターンもまた、Optixロングファインフォーカス源を使用して生成されたCu放射線の入射ビームを使用してPANalytical X’Pert PRO MPD又はPANalytical Empyrean回折計で収集した。楕円傾斜多層ミラーを使用して、Cu Kα X線を、試験片を通して検出器に集束させた。分析の前に、シリコン試料(NIST SRM 640f)を分析して、Si 111ピークの観察された位置がNIST認証位置と一致することを確認した。試料の試験片を厚さ3μmのフィルムの間に挟み込み、透過幾何形状で分析した。ビームストップ、短い散乱防止延長部、及び散乱防止ナイフエッジを使用して、空気によって生成されるバックグラウンドを最小にした。入射ビーム及び回折ビームのためのソーラースリットは、軸方向の発散からの広がりを最小限に抑えるために使用された。回折パターンは、試験片から240mmに位置する走査位置感知検出器(X’Celerator)及びData Collectorソフトウェアv.5.5を用いて収集した。
【0097】
例1:フリーズドライ(凍結乾燥)による固体Δ9-THC組成物
【0098】
市販のΔ9-THC-アセトニトリル溶液(Cayman Chemical)、約50mgのΔ9-THC/mLを使用した。バイアルを引き裂き、その重量を記録し、1mLの溶液を添加し、溶液を蒸発させ、室温で12時間試料を真空乾燥し、バイアルを再秤量することによって、実際の濃度を重量測定により決定した。実際の濃度は51mg/mLと決定された。1ドラムバイアルに、300μlのΔ9-THCアセトニトリル溶液を分注し、室温で蒸発させて、約15.3mgのΔ9-THCを含有する各バイアルを得た。
【0099】
Δ9-THC(約15.3mg)をジオキサン(使用した溶媒3mL)に溶解し、25mL丸底フラスコに移した。粉末形成剤(1:1、1:2又は1:4のΔ9-THC:粉末形成剤モル比に基づく量)をH2O(2mL)に溶解し、必要に応じてジオキサン(2mL)を添加して溶液を形成した。粉末形成剤溶液を丸底フラスコ中のΔ9-THC溶液に添加した。次いで、丸底フラスコをドライアイス/アセトン浴又は液体窒素に浸して、フラスコを手で連続的に回転させながら溶液を凍結させて表面積を最大にし、フラスコの周りに均一な薄層を形成した。一旦凍結したら、丸底フラスコを、約-50℃で予め平衡化したEdwards RV8真空ポンプを備えたLabConco凍結乾燥機に取り付けた。試料を一晩(18時間)放置し、翌日取り出した。
【0100】
Δ9-THC及びいくつかの粉末形成剤を、記載された手順を用いて凍結乾燥して、流動性粉末が生じるかどうかを決定した。L-アスパラギン、L-ロイシン、及びL-アスパラギン酸を使用する実験では、透明な溶液を得るために約45℃で一晩加熱する必要があった。これらの場合、粉末形成剤の溶液を、まだ熱いうちにΔ9-THC溶液に添加した。沈殿のリスクを最小限に抑えるために、丸底フラスコをドライアイス/アセトン浴又は液体窒素のいずれかに素早く浸して溶液を凍結させた。
【0101】
粉末形成剤を用いずに同じ手順に従ってΔ
9-THCを凍結乾燥すると、ジオキサン単独からゲルが得られ、ジオキサン/水(体積で約75/25)から粘着性ゲルが得られた。流動性粉末のプロトン(
1H)NMR分析は、存在するTHCがΔ
9-THCであることを示した。Δ
9-THC:粉末形成剤流動性粉末のサンプリングを21~30日間、周囲温度以下(約-18℃)で保存し、流動性粉末が残っているかどうかを観察した。次に、Δ
9-THC流動性粉末のサンプリングを周囲温度で放置し、流動性粉末が残っているかどうかを確認するために再び観察した。これらの結果はまた、表1及び表2に示す。
【表1】
【表2】
【0102】
Rigaku Smart-Lab X線回折システムを使用して、流動性粉末を特性決定し、それらのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図1~20に示す。Δ
9-THC/アスパルテーム粉末(
図2)、Δ
9-THC/ラクトース粉末(
図6)及びΔ
9-THC/β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド粉末(
図17)は、非晶質ハロのみを示した。各粉末試料のXRPDパターンは、いくつかの粉末形成剤及び非晶質ハロの存在を示した。
【0103】
例2:蒸発による固体Δ9-THC組成物
【0104】
Δ
9-THC(約15.3mg、例1と同様に調製)をメタノール(MeOH)(1mL)に溶解した。粉末形成剤(1:1のΔ
9-THC:粉末形成剤モル比に基づく量)を溶液に添加した。必要に応じて、固体が完全に溶解するまで更なるMeOH(1~3mL)を添加した。バイアルを周囲温度での高速蒸発(FE)のためにキャップを外したままにした。使用した粉末形成剤は、アスパルテーム、カフェイン、ヒスチジン、ラクトース及びL-ピペコリン酸であった。Δ
9-THC/ヒスチジン混合物は、蒸発後にゲルをもたらした。他のΔ
9-THC/粉末形成剤混合物は流動性粉末であり、周囲温度で放置した場合、流動性粉末のままであった。XRPDパターンを、Δ
9-THC/アスパルテーム粉末(
図21)、Δ
9-THC/カフェイン粉末(
図22)、及びΔ
9-THC/L-ピペコリン酸粉末(
図23)について得た。各XRPDパターンは、いくつかの結晶性粉末形成剤及び非晶質ハロの存在を示した。
【0105】
例3:物理的混合による固体Δ9-THC組成物
【0106】
Δ
9-THC(約15.3mg、例1と同様に調製)及び粉末形成剤(1:1のΔ
9-THC:粉末形成剤モル比に基づく量)を1ドラムバイアルに入れた。固体をガラス撹拌棒及び金属スパチュラで混合した。使用した粉末形成剤は、アスパルテーム、カフェイン、ヒスチジン、ラクトース及びL-ピペコリン酸であった。得られた材料は粉末であった。得られた材料は流動性粉末であり、周囲温度で放置すると流動性粉末のままであった。Δ
9-THC/ヒスチジン混合物は粘着性固体をもたらした。XRPDパターンを、Δ
9-THC/アスパルテーム粉末(
図24)、Δ
9-THC/カフェイン粉末(
図25)、Δ
9-THC/ラクトース粉末(
図26)、及びΔ
9-THC/L-ピペコリン酸粉末(
図27)について得た。XRPDパターンは、いくつかの結晶性粉末形成剤及び非晶質ハロの存在を示した。
【0107】
例4:フリーズドライ(凍結乾燥)による固体Δ9-THC組成物
【0108】
Teavigo(Healthy Origins、94%没食子酸エピガロカテキン、EGCG)の1つのカプセルをバイアル(正味重量207.7mg;没食子酸エピガロカテキン含量195.2mg)に移した。水(1mL)を添加し、混合物を約30分間撹拌して、濃厚なピンク色の懸濁液を得た。懸濁液を0.2μmナイロンフィルタで濾過して清浄なバイアルに入れ、透明なピンク色の溶液を得た。溶液中に没食子酸エピガロカテキン含量は確認されなかった。
【0109】
没食子酸エピガロカテキン水溶液の一部(374μL)をアセトニトリル中のΔ
9-THCの溶液(1mLの50mg/mL溶液、Cayman Chemicals)と合わせ、透明でわずかにピンクがかった褐色の溶液を得た。溶液を周囲温度で1日間撹拌し、次いで、窒素ガス流下でジャー内の穿孔箔で覆われたバイアルから蒸発させた。透明で褐色の粘着性油が得られた。tert-ブタノール(1mL)及び水(200μL)を超音波処理しながら油に添加すると、透明な橙色の溶液が得られた。溶液をドライアイス及びイソプロパノールの浴中で回転させることによってバイアルの壁上の薄層中で凍結させ、バイアルをジャーに入れ、-87.1℃及び0.159torrで、Labconco FreeZone 2.5Liter-84℃ Benchtop Freeze Dryerに取り付けた。1日後、試料を取り出し、自由流動性のふわふわした淡いピンク色の非複屈折性固体が観察された。2:1のΔ
9-THC/EGCG粉末についてXRPDパターンが得られ、2つのアモルファスハロ(
図28)を示した。
【0110】
アセトニトリル中のΔ
9-THCの溶液(1mLの50mg/mL溶液、Cayman Chemicals)を清浄なバイアルに添加し、冷凍庫で約1ヶ月貯蔵し、窒素ガス流下で蒸発させると褐色油が形成された。油を超音波処理でtert-ブタノール(2mL)に溶解した。2モル当量のL-グルタミン(45.8mg、Sigma-Aldrich)を超音波処理により水(2mL)に溶解した。L-グルタミン溶液を撹拌しながらΔ
9-THC溶液に添加し、沈殿を観察した。更なる水(2mL)及びtert-ブタノール(2mL)を添加すると、透明な溶液が得られた。溶液をドライアイス及びイソプロパノールの浴中で回転させることによってフラスコの壁上の薄層中で凍結させ、フラスコをジャーに入れ、-86.9℃及び約0.2torrで、Labconco FreeZone 2.5Liter-84℃ Benchtop Freeze Dryerに取り付けた。1日後、試料を取り出し、自由流動性のふわふわした非常に淡い紫色の非複屈折性固体が観察された。2:1のΔ
9-THC/L-グルタミン粉末のXRPDパターンは、いくつかの結晶性粉末形成剤及び非晶質ハロ(
図29)の存在を示した。
【0111】
例5:回転蒸発による固体Δ9-THC組成物
【0112】
アセトニトリル中のΔ
9-THCの溶液(1mLの50mg/mL溶液、Cayman Chemicals)を清浄なバイアルに添加した。1モル当量のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)(248.4mg、TCI America)を添加して、スラリーを生成した。メタノール(3mL)を超音波処理で添加し、透明な淡黄色溶液が観察された。溶液を55℃の水浴温度で約2分間回転蒸発させた(Buchi Rotavapor R-114)。白色固体がバイアルを裏打ちし、油は見えなかった。試料を周囲温度の真空オーブンに1日間入れて、不透明で非複屈折性の自由流動性オフホワイト粉末を得た。非晶質ハロ(
図30)を示す1:1のΔ
9-THC/ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPbCD)粉末のXRPDパターンを得た。
【0113】
アセトニトリル中のΔ
9-THCの溶液(1mLの50mg/mL溶液、Cayman Chemicals)を清浄なバイアルに添加した。1モル当量のトリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)(227.4mg、TCI America)を添加し、透明な溶液を生成した。溶液を周囲温度で約2分間回転蒸発させ(Buchi Rotavapor R-114)、体積が一定のままであることが観察された。回転蒸発を32℃の水浴中で継続し、試料を急速に蒸発させ、白色固体を生成した。試料を回転蒸発器に約4時間放置した。得られた白色/オフホワイトの固体を削り取り、ガラス状であることが観察された。試料を周囲温度の真空オーブンに1日間入れた。除去すると、割れたガラス状の非複屈折固体が観察された。非晶質ハロ(
図31)を示す1:1のΔ
9-THC/トリメチル-β-シクロデキストリン(TOMBC)粉末についてXRPDパターンを得た。
【0114】
例6:凍結乾燥による固体Δ9-THC組成物(比研究)
【0115】
市販のΔ9-THC-アセトニトリル溶液(Cayman Chemical)、約50mgのΔ9-THC/mLを使用した。バイアルを引き裂き、その重量を記録し、1mLの溶液を添加し、溶液を蒸発させ、室温で12時間試料を真空乾燥し、バイアルを再秤量することによって、実際の濃度を重量測定により決定した。実際の濃度は51mg/mLと決定された。1ドラムバイアルに、300μlのΔ9-THCアセトニトリル溶液を分注し、室温で蒸発させて、約15.3mgのΔ9-THCを含有する各バイアルを得た。
【0116】
Δ9-THC(約15.3mg)をジオキサン(使用した溶媒3mL)に溶解し、25mL丸底フラスコに移した。粉末形成剤(1:1、1:2、1:4、2:1又は4:1のΔ9-THC:粉末形成剤モル比に基づく量)をH2O(2mL)に溶解し、必要に応じてジオキサン(2mL)を添加して溶液を形成した。粉末形成剤溶液を丸底フラスコ中のΔ9-THC溶液に添加した。次いで、丸底フラスコをドライアイス/アセトン浴に浸して、フラスコを手で連続的に回転させながら溶液を凍結させて表面積を最大にし、フラスコの周りに均一な薄層を形成した。一旦凍結したら、丸底フラスコを、約-50℃で予め平衡化したEdwards RV8真空ポンプを備えたLabConco凍結乾燥機に取り付けた。試料を一晩(18時間)放置し、翌日取り出した。
【0117】
Δ
9-THC及び粉末形成剤(アスパルテーム、カフェイン及びL-バリン)を、記載された手順を用いて凍結乾燥して、流動性粉末が生じるかどうかを決定した。Δ
9-THC流動性粉末のサンプリングを7日間、周囲温度以下(約-18℃)で保存し、流動性粉末が残っているかどうかを観察した。次に、Δ
9-THC流動性粉末のサンプリングを周囲温度で7日間放置し、流動性粉末が残っているかどうかを確認するために再び観察した。これらの結果を表3に示す。
【表3】
【0118】
Rigaku Smart-Lab X線回折システムを使用して、流動性粉末を特性決定し、それらのX線粉末回折(XRPD)パターンを
図32~41に示す。
【0119】
例7:凍結乾燥による固体Δ9-THC組成物(湿度試験)
【0120】
市販のΔ9-THC-アセトニトリル溶液(Cayman Chemical)、約50mgのΔ9-THC/mLを使用した。バイアルを引き裂き、その重量を記録し、1mLの溶液を添加し、溶液を蒸発させ、室温で12時間試料を真空乾燥し、バイアルを再秤量することによって、実際の濃度を重量測定により決定した。実際の濃度は51mg/mLと決定された。1ドラムバイアルに、1,000μlのΔ9-THCアセトニトリル溶液を分注し、室温で蒸発させて、約50mgのΔ9-THCを含有する各バイアルを得た。以下の実験のそれぞれについて、4つの1ドラムバイアルで合計で約200mgのΔ9-THCを使用した。
【0121】
7.1 スケールアップした1:1のΔ9-THC:アスパルテーム粉末:Δ9-THC(約200mg)を1,4-ジオキサン(8~12mLの溶媒を使用)に溶解し、50mL丸底フラスコに移した。別のバイアルにおいて、アスパルテーム(1モル当量、187.3mg)をジオキサン及び水で溶解した。アスパルテーム溶液を丸底フラスコ内のΔ9-THC溶液に添加した。次いで、丸底フラスコを液体窒素に浸して、フラスコを手で連続的に回転させながら溶液を凍結させて、表面積を最大にし、フラスコの周りに均一な薄層を形成した。一旦凍結したら、丸底フラスコを、約-50℃で予め平衡化したEdwards RV8真空ポンプを備えたLabConco凍結乾燥機に取り付けた。試料を一晩放置し、翌日取り出した。
【0122】
7.2 スケールアップした1:1のΔ9THC:L-バリン粉末:Δ9-THC(約200mg)を1,4-ジオキサン(8~12mLの溶媒を使用)に溶解し、50mL丸底フラスコに移した。別のバイアルにおいて、L-バリン(1モル当量、74.5mg)をジオキサン及び水に溶解した。バリン溶液を丸底フラスコ内のΔ9-THC溶液に添加した。次いで、丸底フラスコを液体窒素に浸して、フラスコを手で連続的に回転させながら溶液を凍結させて、表面積を最大にし、フラスコの周りに均一な薄層を形成した。一旦凍結したら、丸底フラスコを、約-50℃で予め平衡化したEdwards RV8真空ポンプを備えたLabConco凍結乾燥機に取り付けた。試料を一晩放置し、翌日取り出した。
【0123】
7.3 スケールアップした1:1のΔ9-THC:カフェイン粉末:Δ9THC(約200mg)を1,4-ジオキサン(8~12mLの溶媒を使用)に溶解し、50mL丸底フラスコに移した。別のバイアルにおいて、カフェイン(1モル当量、123.4mg)をジオキサン及び水で溶解した。カフェイン溶液を丸底フラスコ内のΔ9-THC溶液に添加した。次いで、丸底フラスコを液体窒素に浸して、フラスコを手で連続的に回転させながら溶液を凍結させて、表面積を最大にし、フラスコの周りに均一な薄層を形成した。一旦凍結したら、丸底フラスコを、約-50℃で予め平衡化したEdwards RV8真空ポンプを備えたLabConco凍結乾燥機に取り付けた。試料を一晩放置し、翌日取り出した。
【0124】
次いで、スケールアップされた各二成分混合物をサブサンプリングし、様々な湿度条件でストレスをかけた。1日後、3日後、7日後及び28日後に、材料を目視検査し、流動性について注いだ。流動性粉末の湿度ストレスデータを表4に示す。
【表4】
【国際調査報告】