(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】デュワー乾燥デバイス
(51)【国際特許分類】
F26B 9/00 20060101AFI20230809BHJP
F25D 3/10 20060101ALI20230809BHJP
F26B 3/353 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
F26B9/00 E
F25D3/10 A
F26B3/353
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504241
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 US2021042408
(87)【国際公開番号】W WO2022020372
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520244016
【氏名又は名称】クライオポート,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス,エデン
(72)【発明者】
【氏名】ボーリンガー,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】リー,ベン
【テーマコード(参考)】
3L044
3L113
【Fターム(参考)】
3L044AA01
3L044BA04
3L044CA17
3L044DB03
3L044HA01
3L044HA06
3L044JA01
3L044KA03
3L044KA04
3L113AA01
3L113AB06
3L113AC08
3L113AC25
3L113BA12
3L113CA04
3L113CB05
(57)【要約】
デュワーを乾燥させるための方法、システム、装置、および/またはデバイス。デュワー乾燥装置は、加熱要素を含む。加熱要素は、デュワー内のペイロード領域を温める熱を生成するように構成されている。デュワー乾燥装置はコントローラを含む。コントローラは加熱要素に結合され、デュワーのペイロード領域内の温度を判定または検出するように構成されている。コントローラは、加熱要素を使用して、デュワーのペイロード領域内の温度を制御し、ペイロード領域内の液体または気体を蒸発させるように構成されている。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュワー用のデュワー乾燥装置であって、
前記デュワーの内部のペイロード領域を温める熱を生成するように構成された加熱要素と、
前記加熱要素に結合されたコントローラであって、
前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の温度を判定または検出し、前記加熱要素を使用して前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の前記温度を制御し、前記ペイロード領域の内部の液体または気体を蒸発させるように構成された、コントローラと、
を備える、デュワー乾燥装置。
【請求項2】
前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の温度を制御するために、前記コントローラは、
前記加熱要素を作動させ、
前記加熱要素を使用して、前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の前記温度を上昇させ、前記温度が第1の閾値温度を下回ったときに前記液体または前記気体を蒸発させる、ように構成されている、請求項1に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の温度が第2の閾値温度以上である場合に、前記加熱要素を停止するように構成されている、請求項2に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項4】
前記第2の閾値温度が前記第1の閾値温度よりも高い、請求項3に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記温度が前記第2の閾値温度から前記第1の閾値温度まで低下する時間を測定し、
前記時間が閾値量よりも長い場合、前記デュワーの内部の前記ペイロード領域が乾燥していると判断する、ように構成されている、請求項4に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項6】
前記コントローラを囲み、前記デュワーの内部の前記ペイロード領域が乾燥したことを視覚的に示すように構成されたインジケータを有するハウジングをさらに備え、
前記コントローラは、前記ペイロード領域が乾燥していることを視覚的に示すために前記インジケータを作動させるように構成されている、請求項1に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項7】
ハウジングの底部に配置され、前記デュワーの首部の開口部の上に配置されるように構成されたデュワーカバーと、
近位端で前記ハウジングに結合され、遠位端で前記加熱要素に結合された細長い部材であって、前記細長い部材は、電源から前記加熱要素に電気エネルギーを供給する1つまたは複数のワイヤを取り囲む中空の管状構造を有し、前記細長い部材の前記遠位端は、前記加熱要素が前記ペイロード領域の内部に延在するように、前記デュワーの前記ペイロード領域の内部に配置される、細長い部材と、
をさらに備える、請求項1に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項8】
前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の前記温度を測定するように構成された熱電対デバイスであって、前記コントローラが、前記熱電対デバイスに結合され、前記熱電対デバイスを使用して前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の前記温度を判定または検出するように構成された、熱電対デバイス、
をさらに備える、請求項1に記載のデュワー乾燥装置。
【請求項9】
第1のペイロード領域を有する第1のデュワーと、
第2のペイロード領域を有する第2のデュワーと、
前記第1のデュワーに挿入され、前記第1のデュワーの前記第1のペイロード領域を温める熱を生成するように構成された第1の加熱要素を有する第1のデュワー乾燥デバイスと、
前記第2のデュワーに挿入され、前記第2のデュワーの前記第2のペイロード領域を暖める熱を生成するように構成された第2の加熱要素を有する第2のデュワー乾燥デバイスと、
前記第1のデュワー乾燥デバイスおよび前記第2のデュワー乾燥デバイスに連結されたコントローラであって、
前記第1の加熱要素を使用して、前記第1のペイロード領域の内部の第1の温度を制御し、
前記第2の加熱要素を使用して、前記第2のペイロード領域の内部の第2の温度を制御する、ように構成された、コントローラと、
を備える、デュワー乾燥システム。
【請求項10】
電気エネルギーを前記第1の加熱要素および前記第2の加熱要素に供給するように構成された電源であって、前記コントローラは、前記第1の加熱要素を使用して前記第1の温度を制御し、前記第2の加熱要素を使用して前記第2の温度を独立して制御する、ように構成された、電源、をさらに備える、請求項9に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項11】
前記第1の温度を制御し、前記第2の温度を制御するために、前記コントローラは、
前記第1の加熱要素に第1の量の電気エネルギーを供給して前記第1の温度を上昇させ、
前記第2の加熱要素に第2の量の電気エネルギーを供給して前記第2の温度を上昇させる、ように構成されている、請求項10に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項12】
前記第1の量が前記第2の量と異なるか、または前記第2の量が供給される前もしくは後に前記第1の量が供給される、請求項11に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項13】
前記第1のデュワーの内部の前記第1のペイロード領域が乾燥したことを視覚的に示すように構成された第1のインジケータと、
前記第2のデュワーの内部の前記第2のペイロード領域が乾燥したことを視覚的に示すように構成された第2のインジケータと、
をさらに備える、請求項9に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項14】
前記第1のデュワー乾燥デバイスは、前記第1のデュワーの開口部の上に配置されるように構成された第1の平面基部と、前記第1の平面基部に結合された近位端および前記第1の加熱要素に結合された遠位端を有する第1の細長い部材とを含み、前記第2のデュワー乾燥デバイスは、前記第2のデュワーの開口部の上に配置されるように構成された第2の平面基部と、前記第1の平面基部に結合された近位端と前記第2の加熱要素に結合された遠位端とを有する第2の細長い部材とを含む、請求項9に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項15】
前記第1のデュワー乾燥デバイスが前記第1のデュワーの内部の液体または気体を蒸発させ、前記第2のデュワー乾燥デバイスが前記第2のデュワーの内部の液体または気体を蒸発させるとき、前記第1のデュワーおよび前記第2のデュワーは直立したままである、請求項9に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項16】
デュワーを乾燥させるための方法であって、
プロセッサおよびセンサを使用して、前記デュワーのペイロード領域の内部の温度を判定または検出することと、
前記プロセッサによって、前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の前記温度が第1の閾値以下であると判定することと、
プロセッサが電源を使用して加熱要素に電気エネルギーを供給し、前記ペイロード領域の内部の前記温度を上昇させることと、
前記プロセッサによって、インジケータを使用して前記デュワーが乾燥していることをユーザに示すことと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記ペイロード領域の内部の温度が、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上である場合、前記加熱要素への前記電気エネルギーの供給を停止することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記温度が前記第1の閾値以下である場合、前記ペイロード領域の内部の前記温度を上昇させるために前記加熱要素に前記電気エネルギーを再供給することと、
前記電気エネルギーの供給が停止されてから、前記電気エネルギーの前記再供給までの時間を測定することと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デュワーが乾燥していることを前記ユーザに示すことは、前記測定された時間量と閾値時間量との比較に基づく、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記温度を判定または検出する前に、前記デュワーの前記ペイロード領域の内部に前記加熱要素と前記センサとを配置することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記温度に基づいて、供給する前記電気エネルギーの量または前記電気エネルギーを供給する持続時間を決定することをさらに含み、
前記ペイロード領域の内部の前記温度を上昇させるために前記加熱要素に前記電気エネルギーを供給することは、供給する前記電気エネルギーの前記量または前記電気エネルギーを供給する前記持続時間に基づく、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記デュワーが乾燥していることを前記ユーザに示すことは、前記デュワーが乾燥していることを示すために視覚インジケータを照らすことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
周囲温度未満の液体または気体を保持するように構成されたペイロード領域を有するデュワーと、
デュワー乾燥デバイスと、を備え、
前記デュワー乾燥デバイスは、
前記デュワーの内部のペイロード領域を温める熱を生成するように構成された加熱要素と、
前記ペイロード領域の内部の温度を検出するように構成されたセンサと、
前記センサと前記加熱要素とに結合されたコントローラであって、
前記センサを使用して、前記デュワーの前記ペイロード領域の内部の温度を判定または検出し、
前記加熱要素を使用して、前記ペイロード領域の内部の温度を上昇させる、ように構成された、コントローラと、
を含む、デュワー乾燥システム。
【請求項24】
前記デュワー乾燥デバイスは、
前記加熱要素にエネルギーを供給して前記温度を上げるように構成された電源をさらに含み、
前記コントローラは、前記温度が第2の閾値量以上である場合に前記エネルギーの供給を停止するように構成されている、
請求項23に記載のデュワー乾燥システム。
【請求項25】
前記デュワー乾燥デバイスは、ヒーター設定を示すユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインターフェースを有し、
前記コントローラは、前記ヒーター設定に基づいて前記温度を制御するように構成されている、請求項23に記載のデュワー乾燥システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001]本出願は、2020年7月22日に出願された「DEWAR DRYING DEVICE」という名称の米国非仮出願第16/936,099号に対する優先権および利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0003]本発明は、乾燥蒸気輸送容器を乾燥させるデュワー乾燥デバイスのためのシステム、デバイスまたは装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0005]回漕業では、特定の種類の内容物や貨物には特別な注意が必要である。この必要性は、生物学的サンプルおよび標本を出荷するときに明らかである。企業、病院、研究所、その他の研究施設または消費者施設では、特定の温度に保たないと細胞劣化の影響を非常に受けやすい生物学的材料を輸送する必要があり、生物学的材料を極低温(摂氏約-150度)で輸送するための極低温輸送サービスが必要である。これらの温度管理された材料の輸送には、細胞の劣化や損失を防止または回避するために極低温を長期間維持することが確認された乾燥蒸気輸送容器などの特別な機器が必要である。例えば、乾燥蒸気輸送容器は、生物学的物質の輸送を可能にするために、生物学的物質を極低温で長期間保持するペイロード領域またはウェルを備えた金属製のフラスコである。
【0004】
[0006]乾燥蒸気輸送容器が返却されたら、次のペイロードの出荷前に乾燥蒸気輸送容器の機能を確認し、洗浄して相互汚染の可能性を低減する必要がある。標準的な手順では、乾燥蒸気輸送容器が周囲温度に戻ることで乾燥蒸気輸送容器が洗浄され得るように、乾燥蒸気輸送容器の内部からすべての液体窒素(LN2)を除去する必要がある。乾燥蒸気輸送容器は、乾燥蒸気輸送容器を極低温で10日以上保持する効果的な吸収材を利用しているため、これは困難である。現在の方法では、最低24時間、乾燥蒸気輸送容器を逆さにし、これにより、乾燥蒸気輸送容器内のLN2が乾燥蒸気輸送容器の開口部に移動することを確実にし、LN2の蒸発率が増加する。ただし、これにより、乾燥蒸気輸送容器の処理時間が長くなり、乾燥蒸気輸送容器の可用性が低下する。
【0005】
[0007]さらに、液体窒素を除去するために乾燥蒸気輸送容器を逆さにすると、乾燥蒸気輸送容器のペイロード領域内の吸収材内に水分が蓄積する可能性がある。この吸収材内部の水分の蓄積は、吸収材の有効性に有害である。その結果、吸収材内に保持され得る液体窒素の量が減少し、保持時間が短縮される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0008]したがって、乾燥蒸気輸送容器からのLN2蒸発率を増加させ、吸収材に保持される水分の量を低減し、乾燥蒸気輸送容器の可用性を向上させ、乾燥蒸気輸送容器内のすべてのLN2が蒸発したことを確認するための方法、システム、デバイスまたは装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0009]概して、本明細書に記載された主題の一態様は、デュワー用のデュワー乾燥装置で具現化される。デュワー乾燥装置は、加熱要素を含む。加熱要素は、デュワー内のペイロード領域を温める熱を生成するように構成されている。デュワー乾燥装置はコントローラを含む。コントローラは加熱要素に結合され、デュワーのペイロード領域の内部の温度を判定または検出するように構成されている。コントローラは、加熱要素を使用して、デュワーのペイロード領域の内部の温度を制御し、ペイロード領域の内部の材料に損傷を与えることなく、ペイロード領域の内部の液体または気体を蒸発させる(evaporate)ように構成されている。
【0008】
[0010]これらおよび他の実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を任意に含んでもよい。コントローラは、加熱要素を作動させ、加熱要素を使用してデュワーのペイロード領域の内部の温度を上昇させ、液体または気体を蒸発させるように構成されてもよい。コントローラは、デュワーのペイロード領域の内部の温度が第2の閾値温度以上である場合に加熱要素を停止するように構成されてもよい。コントローラは、温度が第2の閾値から第1の閾値まで低下する時間を測定するように構成されてもよい。コントローラは、時間が閾値量よりも長い場合、デュワーの内部のペイロード領域が乾燥していると判断するように構成されてもよい。
【0009】
[0011]デュワー乾燥装置はハウジングを含んでいてもよい。ハウジングは、コントローラとインジケータとを囲繞していてもよい。インジケータは、デュワーの内部のペイロード領域が乾燥したことを視覚的に示すように構成されてもよい。コントローラは、ペイロード領域が乾燥していることを視覚的に示すためにインジケータを作動させるように構成されてもよい。
【0010】
[0012]デュワー乾燥装置は、デュワーカバーを含んでいてもよい。デュワーカバーは、ハウジングの底部に配置されてもよく、デュワーの首部の開口部の上に配置するように構成されてもよい。デュワー乾燥装置は、細長い部材を含んでいてもよい。細長い部材は、近位端でハウジングに結合され、遠位端で加熱要素に結合されてもよい。細長い部材は、中空の管状構造を有していてもよい。中空の管状構造は、電源から加熱要素に電気エネルギーを供給する1つまたは複数のワイヤを取り囲んでもよい。加熱要素がペイロード領域の内部に延在するように、細長い部材の遠位端をデュワーのペイロード領域の内部に配置してもよい。
【0011】
[0013]デュワー乾燥装置は、熱電対デバイスを含んでいてもよい。熱電対デバイスは、デュワーのペイロード領域の内部の温度を測定するように構成されてもよい。コントローラは、熱電対デバイスに結合されてもよい。コントローラは、熱電対デバイスを使用して、デュワーのペイロード領域の内部の温度を判定または検出するように構成されてもよい。
【0012】
[0014]別の態様では、主題は、デュワー乾燥システムで具現化される。デュワー乾燥システムは、第1のペイロード領域を有する第1のデュワーと、第2のペイロード領域を有する第2のデュワーとを含む。デュワー乾燥システムは、第1の加熱要素を有する第1のデュワー乾燥デバイスを含む。第1の加熱要素は、第1のデュワーの第1のペイロード領域を温める熱を生成するように構成されている。デュワー乾燥システムは、第2の加熱要素を有する第2のデュワー乾燥デバイスを含む。第2の加熱要素は、第2のデュワーの第2のペイロード領域を温める熱を生成するように構成されている。デュワー乾燥システムはコントローラを含む。コントローラは、第1のデュワー乾燥デバイスおよび第2のデュワー乾燥デバイスに結合されている。コントローラは、第1の加熱要素を使用して、第1のペイロード領域の内部の第1の温度を制御するように構成されている。コントローラは、第2の加熱要素を使用して、第2のペイロード領域の内部の第2の温度を制御するように構成されている。この構成は、同時に複数のデュワーに能力を拡張するために増加させてもよい。
【0013】
[0015]別の態様では、主題は、デュワーを乾燥させる方法で具現化される。本方法は、プロセッサによって、およびセンサを使用して、デュワーのペイロード領域の内部の温度を判定または検出することを含む。本方法は、プロセッサによって、デュワーのペイロード領域の内部の温度が第1の閾値以下であることを判定することを含む。本方法は、プロセッサが電源を使用して加熱要素に電気エネルギーを供給し、ペイロード領域の内部の温度を上昇させることを含む。本方法は、プロセッサがインジケータを使用して、デュワーが乾燥していることをユーザに示すことを含む。
【0014】
[0016]別の態様では、主題は、デュワー乾燥システムで具現化される。デュワー乾燥システムは、周囲温度未満の液体または気体を保持するように構成されたペイロード領域を有するデュワーを含む。デュワー乾燥システムは、デュワー乾燥デバイスを含む。デュワー乾燥デバイスは、デュワーの内部のペイロード領域を温める熱を生成するように構成された加熱要素を含む。デュワー乾燥デバイスは、ペイロード領域の内部の温度を検出するように構成されたセンサを含む。デュワー乾燥デバイスはコントローラを含む。コントローラはセンサと加熱要素とに結合されている。コントローラは、センサを使用してデュワーのペイロード領域の内部の温度を判定または検出し、加熱要素を使用してペイロード領域の内部の温度を上昇させるように構成されている。
【0015】
[0017]本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。図面に示される構成部品は、必ずしも縮尺どおりではなく、本発明の重要な特徴をよりよく示すために誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】本発明の一態様によるデュワー乾燥装置の一例を示す図である。
【
図1B】本発明の一態様によるデュワー乾燥装置の別の例を示す図である。
【
図2】本発明の一態様による
図1Aの乾燥装置の概略図の一例を示す図である。
【
図3A】本発明の一態様による、
図1のデュワー乾燥装置を備えたデュワー乾燥システムを示す図である。
【
図3B】本発明の一態様による、デュワーのペイロード領域を加熱する
図1のデュワー乾燥装置を示す図である。
【
図4】本発明の一態様による、
図1のデュワー乾燥装置を使用してデュワーを乾燥させる例示的な処理の流れ図である。
【
図5】本発明の一態様による
図1のデュワー乾燥装置を使用して、デュワー内の環境の温度に基づいてデュワーが乾燥しているかどうかを判断するための例示的な処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0025]本明細書に開示されるのは、デュワー乾燥装置のためのシステム、装置、およびデバイスである。デュワー乾燥装置は、デュワー内に配置された制御された熱源を使用して、デュワー内または他の乾燥蒸気輸送容器内の液体窒素(LN2)または他の液体または気体の蒸発速度を増加させる。デュワー乾燥装置は、相互汚染がないように、デュワーのペイロード領域内のすべての液体または気体が次の出荷前に確実に除去されるようにする。さらに、LN2などの液体または気体を蒸発させる加熱源を使用することにより、デュワー乾燥装置は、デュワー内の液体または気体内容物を除去するためにデュワーを逆さにする従来の標準的な手順と比較して、デュワーを蒸発および乾燥させる時間を短縮する。実際、加熱源を使用して液体または気体を蒸発させると、蒸発時間が約1日(または24時間)から約8時間未満に短縮される。これにより、処理時間が長くなり、デュワーの可用性が向上する。
【0018】
[0026]加熱源を使用して液体または気体を蒸発させることの他の利益および利点には、デュワー乾燥装置が液体または気体を蒸発させている間、デュワーを覆い、直立させたままにしておくことができることが含まれる。デュワー乾燥装置は、デュワーを直立させて覆うことにより、異物がデュワー内のペイロード領域を汚染するのを防ぐ。さらに、デュワーは逆さにされないため、必要な乾燥ラックが少なくて済み、デュワーの乾燥に必要なスペースが削減される。さらに、デュワーを乾燥させている操作者は、デュワーを持ち上げて乾燥ラック上に逆さにする必要がないため、安全性が向上し、危険が最小限に抑えられる。
【0019】
[0027]また、デュワーが直立したままになり得ることで、周囲の空気がデュワーの内部に引き込まれないことになり、このため、霜、結露、湿気、またはその他の水蒸気がデュワーに入り、吸収材に吸収されて、吸収材がLN2を吸収できなくなる可能性がある。吸収材が水蒸気を吸収すると、吸収材の空隙と毛細管が水蒸気を保持して膨張し、吸収材がLN2を吸収して保持する能力を失う。このように、デュワーを直立状態に保つことにより、吸収材は水蒸気の吸収によって膨張せず、吸収材は後でより多くのLN2を吸収し、デュワーの全体的な極低温保持時間を維持することができる。
【0020】
[0028]
図1Aは、デュワー乾燥装置(または「乾燥装置」)100を示す。乾燥装置100は、乾燥プラットフォーム101および処理回路103を含む。乾燥装置100は、処理回路103を囲繞し、処理回路を環境から保護するハウジング102を含んでいてもよい。ハウジング102は、乾燥プラットフォーム101のデュワーカバー112の上部に配置されてもよい。乾燥装置100は、乾燥蒸気輸送容器が、洗浄、消毒、および/または次の出荷の準備のために送り主に返送されたときに、デュワー瓶などの乾燥蒸気輸送容器(または「輸送容器」)内に残っている液体窒素(LN2)などの任意の液体または気体を蒸発させるために使用されてもよい。
【0021】
[0029]乾燥装置100は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101を含んでいてもよい。例えば、乾燥装置100は、
図1Aに示されるように単一の乾燥プラットフォーム101を含んでいてもよく、または
図1Bに示されるように、第1の乾燥プラットフォーム101aおよび第2の乾燥プラットフォームなどの複数の乾燥プラットフォーム101を含んでいてもよい。複数の乾燥プラットフォーム101は、任意の数の乾燥プラットフォーム、例えば20の乾燥プラットフォームを含んでいてもよい。1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101のそれぞれは、対応する処理回路103に結合されてもよく、または1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101のすべてが単一の処理回路103に結合されてもよい。乾燥装置100は、中央処理回路103に連結された任意の数の乾燥プラットフォーム101を含んでいてもよい。1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101は、有線または無線接続を介して結合されてもよい。
【0022】
[0030]乾燥装置100は処理回路103を含む。処理回路103は、処理回路103を環境から保護するハウジング102内に収容されてもよい。ハウジング102は、乾燥プラットフォーム101に結合されてもよいし、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101とは分離されて結合されてもよい。
【0023】
[0031]処理回路103は、プロセッサ104、メモリ106および/または調整可能な回路などの複数の構成要素を含んでいてもよい。処理回路103が1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101から分離されて結合されている場合、処理回路103は、例えば
図1Bに示されるように、ネットワークアクセスデバイス124を含んでいてもよい。処理回路103は、1つまたは複数のインジケータ108a~108b、スイッチ120および/またはユーザインターフェース122のための回路を含んでいてもよい。
【0024】
[0032]プロセッサ104は、単一のプロセッサとして、または複数のプロセッサとして実装されてもよい。プロセッサ104は、マイクロプロセッサ、データプロセッサ、マイクロコントローラ、または他のコントローラであってもよく、処理回路103内の他の構成要素の一部またはすべてに電気的に結合されていてもよい。プロセッサ104は、1つもしくは複数のインジケータ108a~108b、スイッチ120および/または1つもしくは複数のセンサ114を制御し得る。
【0025】
[0033]プロセッサ104はまた、電源110から加熱要素118への電気エネルギーの供給を制御し得る。例えば、プロセッサ104は、電源110から加熱要素118に供給される電気エネルギーの量、電気エネルギーの供給の作動もしくは作動停止、および/または電気エネルギーの供給の頻度を制御し得る。供給される電気エネルギーの量は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101のそれぞれについて約500Wであってもよく、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101のそれぞれについて異なる量であってもよい。例えば、プロセッサ104は、第1の量の電気エネルギーを第1の乾燥プラットフォーム101aに供給し、第2の量を第2の乾燥プラットフォーム101bに供給してもよい。プロセッサ104は、電気エネルギーを1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101に同時に、並行して、または順次供給してもよい。乾燥装置100は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101への電気エネルギーの供給中に電源110の電気負荷が維持され、増加しないように、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101の間で電気エネルギーの供給を輪番でまたは周期的に行ってもよい。プロセッサ104は、メモリ106に結合されていてもよい。
【0026】
[0034]メモリ106は、プロセッサ104に結合され、プロセッサ104が実行する命令を格納してもよい。メモリ106は、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、USB記憶装置、または他の揮発性もしくは不揮発性メモリのうちの1つまたは複数を含んでいてもよい。メモリ106は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスクドライブ、ハイブリッドディスクドライブ、または他の適切なデータストレージなどの非一時的メモリまたはデータストレージデバイスであってもよく、プロセッサ104によってロードおよび実行され得る機械可読命令をさらに格納してもよい。
【0027】
[0035]ネットワークアクセスデバイス124は、専用短距離通信(DSRC:Dedicated Short-Range Communication)ユニット、Wi-Fiユニット、Bluetooth(登録商標)ユニット、無線周波数識別(RFID:radio frequency identification)タグまたはリーダー、またはセルラーネットワーク(3G、4G、5Gなど)にアクセスするためのセルラーネットワークユニットのうちの1つまたは複数などの通信ポートまたはチャネルを含んでいてもよい。ネットワークアクセス装置124は、処理回路103と1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101との間でデータを送受信し得る。例えば、乾燥プラットフォーム101aおよび乾燥プラットフォーム101bは、ネットワーク126およびネットワークアクセスデバイス124を介して処理回路103に温度データを通信および送信してもよく、これに応答して、処理回路103は、乾燥プラットフォーム101aおよび/または乾燥プラットフォーム101bのそれぞれに供給される電気エネルギーの量を制御してもよい。
【0028】
[0036]ネットワークアクセスデバイス124は、ネットワーク126を介して、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101および処理回路103との間でデータを送受信してもよい。ネットワーク126は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101および処理回路103の間など、異なる構成要素の間で通信するために使用されてもよい。ネットワーク126は、有線または無線接続であってもよく、乾燥装置100の異なる構成要素間で接続、結合、および/または通信する専用短距離通信(DSRC)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、広域ネットワーク(WAN:wide area network)、セルラーネットワーク、インターネット、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0029】
[0037]これらの構成要素はすべて、複数の加熱要素を制御できるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)も組み込まれた別のコントロールボックスに配置されてもよい。また、加熱処理からのデータを保存し、個々の加熱要素を制御してもよい。このデータを使用して、乾燥処理を削減することにより、システムの効率を高めることができる。
【0030】
[0038]乾燥装置100は、ユーザインターフェース122を含むか、またはそれに結合されていてもよい。ユーザインターフェース122は、ユーザインターフェース要素、ボタン、ダイアル、マイクロフォン、キーボード、スイッチ120などのスイッチ、またはタッチスクリーンからユーザ入力を受信する入力/出力デバイスを含んでいてもよい。ユーザインターフェース122は、ディスプレイ、スピーカ、音声および/または視覚的なインジケータであり得る1つまたは複数のインジケータ108a~108bなどのインジケータ、更新可能な点字ディスプレイまたはその他のヒューマンマシンインターフェース(HMI:human machine interface)などの出力デバイスに出力を提供してもよい。ユーザインターフェース122は、ペイロード領域内の温度を上昇または低下させるように加熱要素を制御するためにコントローラによって使用され得る1つまたは複数のヒーター設定またはレシピを取得し得る。
【0031】
[0039]ユーザインターフェース122は、輸送容器のペイロード領域内の温度または湿度などのセンサデータを表示してもよい。ユーザインターフェース122は、1つまたは複数の輸送容器のそれぞれの中で供給されている電気エネルギーの量または供給されている電気エネルギーの周波数などの他のデータを表示してもよい。ユーザ入力により、処理回路103を作動させ、電気エネルギーを加熱要素118に供給することができる。
【0032】
[0040]ユーザインターフェース122は、輸送容器が乾いていることの表示など、ユーザまたは他の操作者に通知を提供してもよい。ユーザインターフェース122は、センサデータから計算された統計、例えば、乾燥蒸気輸送容器が乾燥するまでの推定時間、および/またはペイロード領域内のLN2の蒸発に関連する他の統計を表示してもよい。ユーザインターフェース122はまた、電気エネルギーの供給を遮断する必要性などの警告を表示してもよい。
【0033】
[0041]乾燥装置100は、1つまたは複数のインジケータ108a~108bを含んでいてもよい。1つまたは複数のインジケータ108a~108bは、例えばデュワー302などの乾燥蒸気輸送容器の状態を示してもよい。例えば、インジケータ108bは、
図3Aに示されるように、加熱要素118がオフまたは作動停止されたときを示すためにオンになり得る。加熱要素118は、乾燥装置100が電気エネルギーをオフにするか、または電気エネルギーを遮断するときに、オフになるか、または作動を停止し、電気エネルギーが加熱要素118に供給されないようにする。別の例では、インジケータ108aは、
図3Bに示されるように、加熱要素118がオンまたは作動されたときを示すためにオンになってもよい。加熱要素は、乾燥装置100が電源110をオンにするか、または電源110を加熱要素118に接続して、電気エネルギーを加熱要素118に提供または供給するときに、オンまたは起動される。
【0034】
[0042]乾燥装置100は、1つまたは複数のインジケータ108a~108bを使用して、例えばデュワー302が乾燥しているときなど、輸送容器の状態を示してもよい。乾燥装置100は、輸送容器の様々な状態または乾燥装置100の状態を示すために明滅、点滅、または別の方法でオンオフシーケンスを使用してもよい。いくつかの実装形態では、乾燥装置100は、ユーザインターフェース122を使用して、輸送容器および/または乾燥装置100の様々な状態を表示してもよい。表示ライトは、異なる色を表示できるLEDライトであってもよい。赤色は、乾燥装置100が動作中であり、加熱要素118に触れると安全ではないことを示し得る。乾燥装置100が処理を完了し、加熱要素118が安全に取り扱われることを示すために、緑色の光が使用されてもよい。
【0035】
[0043]乾燥装置100は、スイッチ120を含んでいてもよい。スイッチ120は、オン位置にあるとき電力が処理回路103をオンにすることを可能にし、オフ位置にあるとき電力を遮断して処理回路103をオフにするオンオフスイッチであってもよい。処理回路103がオンになると、処理回路103は、電源110を接続し、1つもしくは複数のセンサ114を操作し、および/または1つもしくは複数のインジケータ108a~108bを操作してもよい。処理回路103がオフになると、電源110が切断され、1つもしくは複数のセンサ114が非アクティブになり、および/または1つもしくは複数のインジケータ108a~108bが非アクティブになり得る。
【0036】
[0044]乾燥装置100は電源110を含んでいてもよい。電源110は、コンセントなどの外部電源に接続された電気ソケットまたはケーブルであってもよいし、ハウジング102内に配置されたおよび/または1つもしくは複数の乾燥プラットフォーム101に結合されたバッテリまたは他の内部電源であってもよい。電源110は、加熱要素118に電気エネルギーを供給して、加熱要素118を作動させ、加熱要素118が輸送容器のペイロード領域内に配置されたときに温度を上昇させる。電源110は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101に対応する1つまたは複数の加熱要素118のそれぞれに約500Wの電気エネルギーを供給してもよい。1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101用の電源110は、オフにするとすべての加熱要素118を無効にする遮断スイッチを含み得る1つの制御ボックス内に配置されてもよい。また、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101用の電源110がオンになると、電源110は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101のすべてに電力を供給することができる。これにより、1本の電源ケーブルを電源コンセントまたは代替電源に直接接続することができる。
【0037】
[0045]乾燥装置100は、1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101を含んでいてもよい。1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101は、デュワーカバー112、1つまたは複数のセンサ114、加熱要素118、および1つまたは複数のセンサ114もしくは加熱要素118とデュワーカバー112との間の1つまたは複数の細長い部材116を含んでいてもよい。デュワーカバー112は、輸送容器の首部の開口部の上に配置されたときに輸送容器の首部の開口部を覆うように、円周が輸送容器の首部の開口部よりも大きい円形、円筒形、楕円形、またはその他の多角形の平面であってもよい。デュワーカバー112は、例えば、加熱要素118がペイロード領域内に配置されて、LN2を蒸発させるか、さもなければ輸送容器を乾燥させるとき、開口部を覆って、乾燥プラットフォーム101が輸送容器の上に挿入されるときに輸送容器のペイロード領域に異物が入るのを防ぐことができる。
【0038】
[0046]1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101は、1つまたは複数のセンサ114を含んでいてもよい。センサ114は、湿度センサであってもよい。湿度センサは、輸送容器のペイロード領域内の結露の量を測定してもよい。センサ114は熱電対であってもよい。熱電対は、電気接合部を形成する2つの異なる電気伝導体で構成される電気デバイスである。熱電対は、温度を測定するために解釈され得る熱電効果により、温度依存の電圧を生成する。1つまたは複数のセンサ114は、輸送容器が液体または気体の内容物を内部に有するとき、および輸送容器が乾燥しているときの輸送容器の重量の差を測定することができる、スケールなどの様々な他のセンサ、または輸送容器のペイロード領域内のLN2の量を測定できるLN2センサを含んでいてもよい。他のセンサは、電気的接触、静電容量、または加熱要素118を取り囲む光の量などの1つまたは複数のパラメータに基づいて、加熱要素118がいつ安全に熱を放出できるかを認識するセンサを含んでいてもよい。センサは、ユーザインターフェース122を使用して、加熱要素118を取り外すこと、および/または加熱要素118を使用して電力を供給することが安全かどうかを示すために、音声インジケータまたは視覚インジケータであり得る1つまたは複数のインジケータなどの表示を提供してもよい。例えば、乾燥装置100は、電力が加熱要素118に供給されているときなど、加熱要素118を取り外すことが安全でないことをセンサが示すとき、ユーザに警告する音を発してもよい。
【0039】
[0047]1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101は、加熱要素118を含んでいてもよい。加熱要素118は、ジュール加熱の処理などによって、電気エネルギーを熱に変換する。例えば、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、加熱要素を通して電流が供給されて抵抗に遭遇し、その結果、加熱要素118が加熱されて、デュワー302のペイロード領域304内の温度が上昇する。
【0040】
[0048]
図3Aおよび
図3Bは、デュワー302およびデュワー302内に配置された乾燥装置100を含む、デュワー乾燥システム300内の乾燥装置100の様々な構成要素の配置を示す。デュワー302は、乾燥装置100がデュワー302内の液体または気体内容物を蒸発させている間、直立したままである。これにより、結露などの水蒸気または他の水分を含む周囲空気がデュワー302に入り、吸収材の空隙および/または毛細管の膨張を引き起こすのを防ぐ。これにより、吸収材は、LN2を貯蔵または保持し、デュワー302のペイロード領域304内の環境を極低温冷却する能力を維持することができる。
【0041】
[0049]さらに、デュワー302が直立している場合、デュワー302は、蒸発処理中により安定し、乾燥領域内の占有スペースが少なくなり、蒸気プラグの蓋が損傷するのを防止する。デュワー302はより安定しており、保管領域を占有しないため、デュワー302が傾くかまたは転倒する可能性が減少し、乾燥のために保管領域に同時に保管できるデュワーの数が増加する。
【0042】
[0050]デュワー302または他の乾燥蒸気輸送容器は、内壁と外壁とを備えた二重壁のフラスコであってもよい。デュワー302は、内壁と外壁との間に真空を作り出すことができ、これにより、その間の空間を完全に排気して、貯蔵された材料を断熱することができる。デュワー302は首部306を有する開口部を有していてもよく、これは内壁から形成されたペイロード領域304につながり、冷凍生物材料、液体および/または気体を貯蔵、保持、または別の方法で含んでいてもよく、極低温で材料を貯蔵することができる。
【0043】
[0051]加熱要素118がデュワー302のペイロード領域304内に配置され、電気エネルギーが加熱要素118に供給されると、加熱要素118は、例えば
図3Bに示すように、デュワー302のペイロード領域304内に熱または暖かさ308を発する。これにより、デュワー302のペイロード領域304内の温度が上昇し、デュワー302のペイロード領域304内に残っている液体または気体が蒸発する。加熱要素118に電気エネルギーが供給されない場合、ペイロード領域304内の周囲温度は徐々に冷えて低下し得る。
【0044】
[0052]1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101は、1つまたは複数の細長い部材116を含んでいてもよい。細長い部材116は、近位端および近位端の反対側の遠位端を有する中空の細長い管状構造またはパイプであってもよい。近位端は、デュワーカバー112に結合または接続されてもよく、遠位端は、1つもしくは複数のセンサ114および/または加熱要素118に結合または接続されてもよい。デュワーカバー112がデュワー302の首部306の開口部の上に配置されたとき、1つまたは複数の細長い部材116により、1つもしくは複数のセンサ114および/または加熱要素118をデュワー302のペイロード領域304に挿入することができる。1つまたは複数のセンサ114に結合された細長い部材116は、1つまたは複数のセンサ114が、加熱要素118からの熱の発散ではなく、ペイロード領域304内の環境のセンサデータを測定するように、加熱要素118に結合された別の細長い部材116から離れて配置されてもよい。
【0045】
[0053]1つまたは複数の細長い部材116は、1つまたは複数のセンサ114および/または加熱要素118がデュワー302のペイロード領域304内の中央に配置されるように、デュワーカバー112の中央領域から延在してもよく、これにより、均一な温度測定および/またはデュワー302のペイロード領域304の内部環境の加熱が可能になる。
【0046】
[0054]1つまたは複数の乾燥プラットフォーム101は、シュラウド128を含んでいてもよい。シュラウド128は、1つもしくは複数の細長い部材116、1つもしくは複数のセンサ114、および/または加熱要素118を囲繞するか、または円周方向に取り囲んでいてもよい。シュラウド128は、細長い部材116、1つまたは複数のセンサ114、および/または加熱要素118を囲繞するか、または取り囲み、構成要素がデュワー302のペイロード領域304の壁に接触するのを防ぎ、構成要素への損傷を防ぐことができる。シュラウド128は、細長い部材116の全長にわたって延在し、1つまたは複数の細長い部材116の遠位端を越えて、1つもしくは複数のセンサ114および/または加熱要素118を囲繞するか、または取り囲んでいてもよい。シュラウド128は、センサデータの測定および/またはペイロード領域304内の環境の加熱を妨げないように、穴をあけられてもよい。いくつかの実装形態では、シュラウドは吸熱器、例えば加熱要素118の周りに配置され加熱要素118の長さに延在するアルミニウムフィンの形態であってもよいか、またはシュラウド128は乾燥装置100の全体を取り囲み、ユーザが加熱要素118に触れることを防ぐ安全デバイスとして作用してもよい。
【0047】
[0055]
図2は、乾燥装置100の概略
図200を示す。概略
図200は、乾燥装置100の断面図を示す。概略
図200は、ハウジング102内の処理回路103と、処理回路103を加熱要素118に接続する1つまたは複数のワイヤ202とを示す。1つまたは複数のワイヤ202は、電源110から加熱要素118に電気エネルギーを供給して、デュワー302のペイロード領域304の内部に熱を放出する。処理回路103は、1つの制御ボックス内に収容されてもよく、別の別個の制御ボックスをジャンクションボックスとして使用して、1つまたは複数のワイヤ202および/または他のコネクタを収容してもよい。
【0048】
[0056]
図4は、デュワー302のペイロード領域304内でLN2などの液体または気体を蒸発させるための処理400の流れ図である。1つもしくは複数のコンピュータまたは1つもしくは複数のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた
図1の乾燥装置100の処理回路103が、処理400を実施してもよい。
【0049】
[0057]ユーザ、技術者、または他の操作者は、乾燥装置100を、デュワー302などの輸送容器上に、およびデュワー302のペイロード領域304内に配置してもよい(402)。ユーザ、技術者、または他の操作者は、加熱要素118をデュワー302に挿入し、デュワー302の首部306の開口部を覆うようにデュワーカバー112を配置してもよい。
【0050】
[0058]乾燥装置100がデュワー302上に配置されると、乾燥装置100は、デュワー302のペイロード領域304内の環境のセンサデータを測定、判定、または別の方法で取得し得る(404)。センサデータは、デュワー302のペイロード領域304内の温度および/またはデュワー302のペイロード領域304内の湿度もしくは結露の量を含んでいてもよい。センサデータは、デュワー302の重量またはデュワー302のペイロード領域304内のLN2の量など、他の測定パラメータを含んでいてもよい。
【0051】
[0059]乾燥装置100は、センサデータを得るために、熱電対または湿度センサなどの1つまたは複数のセンサ114を使用してもよい。例えば、乾燥装置100は、熱電対を使用してペイロード領域304内の温度を測定もしくは判定するか、または湿度センサを使用してペイロード領域304内の湿度の量もしくは結露の量を測定もしくは判定してもよい。
【0052】
[0060]1つまたは複数のセンサ114は、細長い部材116の遠位端に配置されて結合されてもよく、デュワーカバー112の反対側にあり、デュワーカバー112は、細長い部材116の近位端に配置されて結合されてもよい。温度、湿度もしくは結露の量、または、デュワー302の重量またはペイロード領域304内のLN2の量など、他の測定パラメータを使用して、デュワー302のペイロード領域304が乾燥しているかどうかを判断することができる。
【0053】
[0061]乾燥装置100は、デュワー302のペイロード領域304内の温度を上昇させるために加熱要素118を作動させるかどうかを判断する(406)。乾燥装置100は、加熱要素118を作動させてペイロード領域304内の液体または気体を蒸発させる。乾燥装置100は、センサデータに基づいて加熱要素118を作動させるかどうかを判断してもよい。例えば、センサデータが、ペイロード領域304に残っている湿度の量または結露の量またはLN2の量が閾値量より大きいことを示す場合、これは、ペイロード領域304が、蒸発させる必要がある可能性があるLN2などのペイロード領域304内に液体または気体の内容物を有することを示し得、したがって、乾燥装置100は、加熱要素118を作動させて、液体または気体内容物を蒸発させてもよい。別の例では、ペイロード領域304内の温度が閾値温度以下であることをセンサデータが示す場合、これは、ペイロード領域304がペイロード領域304内にLN2などの液体または気体の内容物を有し、蒸発させる必要がある可能性があることを示し得る。
図5は、デュワー302のペイロード領域304内の温度に基づいて加熱要素118に電気エネルギーを供給する処理500をさらに説明する。別の例では、デュワー302の重量がベースライン重量よりも大きい場合、ペイロード領域304内に液体または気体が存在し、デュワー302が乾燥していないことを示し得る。
【0054】
[0062]乾燥装置100が、加熱要素118を作動させるべきではないと判断した場合、乾燥装置は、上述のように、センサデータを監視または判定し続けてもよい(404)。そうでない場合、乾燥装置100が、加熱要素118を作動させるべきであると判断すると、乾燥装置100は、電気エネルギーを加熱要素118に供給する(408)。1つまたは複数のユーザインターフェース122は、ペイロード領域の温度および湿度を表示してもよい。センサデータから収集された情報に基づいて、1つまたは複数のユーザインターフェースから乾燥サイクルとしてプログラムを選択してもよい。このプログラムは、乾燥装置100に予めプログラムされ、乾燥サイクルの機能としてリストされてもよい。
【0055】
[0063]乾燥装置100は、電源110を使用して、1つまたは複数の細長い部材116内の1つまたは複数のワイヤ202を介して加熱要素118に電気エネルギーを供給および印加する。乾燥装置100は、電源110からの電気エネルギーが1つまたは複数のワイヤ202を介して加熱要素118に供給されるように、オンにするか、作動させるか、または別の方法で可能にしてもよい。電気エネルギーを加熱要素118に供給することによって、加熱要素118は、例えば
図3Bに示されるように、デュワー302のペイロード領域304に熱308を放出する。したがって、乾燥装置100は、ペイロード領域304内の環境を加温または加熱し、ペイロード領域304内の環境の温度を上昇させる。
【0056】
[0064]加熱要素118がペイロード領域304内の環境を加熱している間、乾燥装置100はセンサデータを監視し続ける(410)。乾燥装置100は、1つまたは複数のセンサ114を使用してセンサデータを再判定、再検出および/または別の方法で再取得する。乾燥装置100は、センサデータを継続的または定期的にサンプリングし、および/または平均を計算するか、または別の方法でセンサデータのサンプルを処理して、ペイロード領域304内の液体または気体が蒸発してデュワー302が乾燥しているかどうかを判断してもよい。
【0057】
[0065]乾燥装置100は、ペイロード領域304が乾燥しているかどうか、および/またはペイロード領域304内の液体または気体が蒸発したかどうかを判断する(412)。乾燥装置100は、センサデータを使用して、ペイロード領域304が乾燥しているかどうか、および/またはペイロード領域304内の液体または気体が蒸発したかどうかを判断してもよい。例えば、乾燥装置100は、ペイロード領域304が乾燥していること、および/またはペイロード領域304内の液体または気体が蒸発したことを判断するために、温度、湿度の量、結露の量、重量、および/またはそれらの組み合わせを使用してもよい。乾燥装置100は、ペイロード領域304が乾燥しているかどうかを判断するために、センサデータを1つまたは複数の閾値と比較してもよい。例えば、ペイロード領域304内の湿度量または結露量が閾値量より大きいことをセンサデータが示す場合、これは、ペイロード領域304が乾燥していないことを示し得る。別の例では、乾燥装置100は、ペイロード領域304が乾燥しているかどうかを決定するために温度を使用してもよい。
図5はさらに、ペイロード領域304内の液体または気体が蒸発し、デュワー302が乾燥しているかどうかを、温度を使用して判定する1つの実装形態を説明する。
【0058】
[0066]ペイロード領域304が乾燥しておらず、ペイロード領域304内にまだ液体または気体があると乾燥装置100が判断した場合、乾燥装置100は、電気エネルギーを加熱要素118に再供給して、上述のように液体または気体を蒸発させ続けてもよい(408)。ペイロード領域304が乾燥しており、液体または気体が蒸発したと乾燥装置100が判断した場合、乾燥装置100は、デュワー302が乾燥していることをユーザに示してもよい(414)。
【0059】
[0067]乾燥装置100は、デュワー302の状態を示すために1つまたは複数のインジケータ108a~108bを作動させてもよい。例えば、1つのインジケータ108aを使用して、加熱要素118がオフであること、およびデュワー302が乾燥していることを示し、別のインジケータ108bを使用して、加熱要素118がオンのままであること、およびデュワー302が乾燥していないことを示してもよい。1つまたは複数のインジケータ108a~108bは、デュワー302の状態および/または加熱要素118の状態を示すために、緑および/または赤など、様々な色を有していてもよく、または点滅、明滅、または別の方法で状態を変化させてもよい。
【0060】
[0068]いくつかの実装形態では、乾燥装置100は、ユーザインターフェース122上などのリモートコンピュータを介して表示を提供していてもよい。表示は、加熱要素118の状態および/またはデュワー302のペイロード領域304内の環境の状態に関する他の情報を含んでいてもよい。他の情報は、蒸発の量または速度、現在または平均温度、および/またはデュワー302のペイロード領域304内に残っている液体または気体の量を含んでいてもよい。
【0061】
[0069]
図5は、ペイロード領域内の液体または気体が蒸発し、デュワーが乾燥しているかどうかを、温度データを使用して判断するための処理500の流れ図である。1つもしくは複数のコンピュータまたは1つもしくは複数のデータ処理装置、例えば、適切にプログラムされた
図1の乾燥装置100の処理回路103が、処理500を実施してもよい。
【0062】
[0070]乾燥装置100は、上述のように、デュワー302のペイロード領域304内の温度を判定してもよい(502)。温度は、時間の経過とともに平均化されるか、または瞬間的な温度であり得る。乾燥装置100は、ペイロード領域304が乾燥しているかどうかを判定するために温度を使用してもよい。
【0063】
[0071]乾燥装置は、温度が第1の閾値以下であるかどうかを判断する(504)。第1の閾値は、ペイロード領域304を加温または加熱し、ペイロード領域304内の液体または気体を蒸発させるか、または蒸発させ続けるために、加熱要素118を作動させることを乾燥装置100に指示する温度を表し得る約70℃~75℃などの最低温度であってもよい。第1の閾値は、ペイロード領域304内の熱が、デュワー302内の液体または気体の蒸発を促進するのにそれほど効果的でないか、またはもはや効果的でないことを示す温度であり得る。
【0064】
[0072]いくつかの実装形態では、第1の閾値は、ユーザ構成された、事前構成された、または決定された、および/またはユーザもしくは操作者によって設定されるか、または製造または流通中に要因で設定される初期設定温度であってもよい。第1の閾値は、メモリ106から取得されてもよく、様々なタイプ、種類、またはサイズのデュワーに対して異なっていてもよい。調節可能であることにより、第1の閾値は、乾燥装置100を使用して、様々なタイプ、種類、またはサイズのデュワーを乾燥させることを可能にする。
【0065】
[0073]温度が第1の閾値よりも高いと乾燥装置100が判断した場合、これは、ペイロード領域304内の熱が放散されておらず、温度を温め続け、ペイロード領域304内の液体または気体を蒸発させ続けている可能性があることを示し得る。乾燥装置100は、温度が第1の閾値よりも高い場合、デュワー302のペイロード領域304内の温度を判定および監視し続けてもよい(502)。温度が第1の閾値以下であると乾燥装置100が判断した場合、これはペイロード領域304内の熱が放散したことを示し得る。乾燥装置は、ペイロード領域304内の液体または気体をさらに蒸発させるために、加熱要素118を作動または再作動させる必要がある。したがって、乾燥装置100は、電気エネルギーを加熱要素118に供給して、加熱要素118を作動させ、デュワー302のペイロード領域304内の温度を温め、デュワー302のペイロード領域304内の液体または気体を蒸発させる。
【0066】
[0074]乾燥装置100は、温度が第1閾値以下であると判断した場合、乾燥装置100は、デュワー302のペイロード領域304内の温度を加熱、再加熱、またはその他の方法で上昇させるために、加熱要素118に電気エネルギーを供給してもよい(506)。電源110は、1つまたは複数の細長い部材116内の1つまたは複数のワイヤ202を介して電気エネルギーを加熱要素118に供給する。電力が供給されると、加熱要素118は、デュワー302のペイロード領域304を加温または加熱する。これによりペイロード領域304内の温度が上昇し、ペイロード領域304内の残りの液体または気体が蒸発する。
【0067】
[0075]加熱要素118がペイロード領域304内の温度を温めている間、乾燥装置100は、ペイロード領域内の温度を監視、判定、または別の方法で検出し続ける(508)。乾燥装置100は、温度センサを使用して温度を監視し続け、加熱要素118がペイロード領域304内の環境を過熱させ、および/またはデュワー302を損傷させないようにする。これにより、乾燥装置100がデュワー302を損傷するのを防止する。
【0068】
[0076]乾燥装置100は、温度が第2の閾値以上であるかどうかを判断する(510)。乾燥装置100は、温度を第2閾値と比較する。第2の閾値は、デュワー302の最高温度限界を表す閾値温度であってもよい。デュワー302に損傷が生じる前のデュワー302の最高温度限界は、約80℃~100℃であってもよい。第2の閾値は第1の閾値より大きい。ペイロード領域304内の温度が第2の閾値を超えた場合、デュワー302が損傷する可能性があり、そのため、乾燥装置100は、ペイロード領域304内の温度が第2の閾値未満に確実に留まるようにされてもよい。両方の閾値の温度は、1つまたは複数のユーザインターフェース122から選択されてもよい。これらの温度はまた、1つまたは複数のユーザインターフェース122から選択された各レシピで事前にプログラムされていてもよい。
【0069】
[0077]温度が第2の閾値未満である場合、乾燥装置100は、上述のように加熱要素118に電気エネルギーを供給し続けてもよい(506)。乾燥装置100は、ペイロード領域304内の液体または気体を蒸発させるために、ペイロード領域304内を暖めるおよび/または温度を上げるために電気エネルギーを供給し続ける。そうではなく、温度が第2の閾値以上である場合、乾燥装置100は加熱要素118を停止する(512)。乾燥装置100は、温度が第2の閾値を超えて上昇し、デュワー302を損傷することを防止するために、加熱要素118を停止する。
【0070】
[0078]乾燥装置100は、電源110をオフまたは切断して、電気エネルギーが1つまたは複数のワイヤ202を介して加熱要素118に供給されるのを防止してもよい。電気エネルギーが供給されていないとき、加熱要素118は、ペイロード領域304内の環境を暖めるために熱を放射または放出しない。これにより、ペイロード領域304内の温度が低下するが、これは、デュワー302内に液体または気体が残っているためである可能性がある。
【0071】
[0079]ペイロード領域304内の温度が下がる間、乾燥装置100は、ペイロード領域304内の環境の温度を測定し続ける。乾燥装置100は、タイマ、時計、または他のデバイスを使用して、温度が冷却する、低下する、またはさもなければ第1の閾値を下回るまでの時間を測定してもよい(514)。温度が冷却するか、低下するか、またはそうでなければ第1の閾値を下回ると、乾燥装置100は、ペイロード領域304内の温度を温めるか、加熱するか、またはそうでなければ上昇させるために、加熱要素118を再作動させてもよい。
【0072】
[0080]乾燥装置100は、ペイロード領域304内に残っている液体または気体の量を推定するために、測定された時間を使用してもよい。残っている液体または気体の量が多ければ多いほど、ペイロード領域304内の温度はより速く低下する。液体や気体の残量が少なくなると、LN2などの液体または気体の一部が蒸発するため、ペイロード領域304内の温度が第2の閾値から第1の閾値まで低下するのにかかる時間は増加する。
【0073】
[0081]乾燥装置100は、時間が閾値量以上であるかどうかを判定する(516)。閾値量は、温度を下げるためにペイロード領域304内の液体または気体の助けなしに、温度が第1の閾値まで下がるときと同等の時間を示してもよい。したがって、これは、ペイロード領域304内の環境を冷却するのを助ける液体または気体がペイロード領域304内に存在しないことを示している。
【0074】
[0082]時間量が閾値量未満の場合、これは、ペイロード領域304内にまだ液体または気体があることを示している可能性があり、したがって、乾燥装置は、上述のように、ペイロード領域304の環境内の温度を再加熱、再加温、または他の方法で上昇させるために、電気エネルギーを加熱要素118に再供給してもよい(506)。それ以外の場合、時間が閾値以上の場合、これは、ペイロード領域304の環境内の温度を下げるのに役立つ液体またはガスが残っていないことを示している可能性があり、そのため、デュワー302は乾燥している可能性がある。したがって、乾燥装置100は、デュワー302が乾燥していると判断し、上述のように、乾燥装置100が乾燥していることをユーザに示すことができる(518)。
【0075】
[0083]方法/システムの例示的な実施形態が、例示的なスタイルで開示された。したがって、全体を通して使用される用語は、非限定的な方法で読まれるべきである。当業者には、本明細書の教示に対する小さな変更が思いつくであろうが、ここで保証される特許の範囲内に限定されることを意図しているものは、ここで提供される技術の進歩の範囲内に合理的に入るすべての実施形態であり、その範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物に照らしての場合を除き、制限されないものとする。
【国際調査報告】