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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】検出システムを洗浄するための装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
B60S1/62 120C
B60S1/62 110A
B60S1/62 110B
B60S1/62 110C
B60S1/62 110D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504401
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2021068603
(87)【国際公開番号】W WO2022017771
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】2007686
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】マクシム、ボードゥイン
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AB01
3D225AC04
3D225AD22
(57)【要約】
本発明は、自動車両に設けられる検出システム(6)を洗浄するための方法に関し、検出システム(6)は、光沢面(16)と、少なくとも一つの検出装置(20)と、検出装置(20)から情報を取得するための装置(22)と、を備え、該取得装置が第1の周波数(F1)で情報を取得し、車両(1)は、光沢面(16)へと向けられるパルス空気を用いる洗浄装置(8)を備え、洗浄装置は、第2の周波数(F2)で検出システム(6)の光沢面(16)上にパルス空気を投射し、第1の周波数(F1)及び第2の周波数(F2)が実質的に同一である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)が備える検出システム(6)を洗浄するための方法であって、
前記検出システム(6)は、光沢領域(16)と、少なくとも一つの検出装置(20)と、前記検出装置(20)から情報を取得するための装置(22)と、を備え、
前記車両(1)は、前記光沢領域(16)へと向けられるパルス空気を使用する洗浄装置(8)を備え、
前記取得装置(22)は、所定の第1の周波数(F1)で前記検出装置(6)から情報を捕捉し、
前記洗浄装置(8)は、前記第1の周波数(F1)とプラス又はマイナス10%で同一である第2の周波数(F2)で前記光沢領域(16)上に前記パルス空気を吹き付ける、洗浄方法。
【請求項2】
前記第1の周波数(F1)及び前記第2の周波数(F2)が同一である、請求項1に記載の洗浄方法。
【請求項3】
パルス空気が前記洗浄装置(8)によって前記光沢領域(16)上に吹き付けられるのと同時に、前記検出装置(20)から前記取得装置(22)によって情報が取得される、請求項1又は2に記載の洗浄方法。
【請求項4】
パルス空気が前記洗浄装置(8)によって前記光沢領域(16)上に吹き付けられた後に、前記検出装置(20)から前記取得装置(22)によって情報が取得される、請求項1又は2に記載の洗浄方法。
【請求項5】
気象事象の検出に応じて、前記検出装置(20)から情報が取得され、前記光沢領域(16)上にパルス空気が吹き付けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の洗浄方法。
【請求項6】
前記気象事象が天候センサ(24)によって検出される、請求項5に記載の洗浄方法。
【請求項7】
前記方法の過程では、パルス空気が前記洗浄装置(8)によって前記光沢領域(16)上に吹き付けられる前に、前記方法が、前記天候センサ(24)によって前記気象事象を検出する少なくとも一つのステップを含む、請求項6に記載の洗浄方法。
【請求項8】
前記天候センサ(24)によって収集される気象事象データは、前記気象事象の強度に関する少なくとも一つのデータを含み、該データは、前記検出装置(20)から情報が取得される際の前記第1の周波数(F1)と、前記洗浄装置(8)によって前記パルス空気が前記光沢領域(16)上に吹き付けられる際の前記第2の周波数(F2)とを制御する、請求項7に記載の洗浄方法。
【請求項9】
ウインドシールド(4)と、車外の環境を検出するためのシステム(6)とを備える自動車両(1)であって、
前記検出システム(6)は、前記ウインドシールド(4)とは別個の光沢領域(16)と、少なくとも一つの検出装置(20)と、前記検出装置(20)から情報を取得するための装置(22)と、を備え、
前記自動車両(1)は、前記検出システム(6)の前記光沢領域(16)へと向けられるパルス空気を使用する洗浄装置(8)を備え、
前記自動車両(1)は、請求項1から8のいずれか一項に記載の洗浄方法を実施するように構成されている、自動車両(1)。
【請求項10】
前記ウインドシールド(4)を拭き取るためのシステム(2)を備え、
前記拭き取りシステム(2)が第3の周波数(F3)で動作され、前記第2の周波数(F2)が前記第3の周波数(F3)とプラス又はマイナス10%で同一である、請求項9に記載の自動車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両洗浄システムの分野に関する。より詳細には、本発明は、自動車両に設置された検出システムを洗浄するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
検出システム、例えば光学センサ又は電磁センサが、自動車両のウインドシールドの背後に配置される場合、これらの検出システムは、特に気象現象の出現時に、ウインドシールド拭き取りシステムの拭き取り動作によって間接的に洗浄される。データが検出システムによって確実に読み取られるようにするために、検出システムは、拭き取りシステムが検出システムの前を通過するときに拭き取りシステムの動作と同期されるように構成される。
【0003】
検出システムが自動車両のウインドシールドの背後に位置されない場合、検出システムは、前記ウインドシールドとは別個であって外部汚れに晒され得る光沢領域を有する場合がある。このとき、これらの検出システムは、ウインドシールド拭き取りシステムから独立した別個の洗浄装置と関連付けられる。
【0004】
これらの検出システムの洗浄装置に伴う問題の一つは、一方では、洗浄装置が検出システムによるデータの捕捉と同期されなければならず、他方では、検出システムと洗浄装置との間のこの同期を可能にするために洗浄装置が新たな制御ユニットを作成する必要があり得るという事実にある。言い換えると、検出システムは、それらが拭き取りシステムを備える自動車両ウインドシールドの背後で動作するように構成される場合、検出システムが同様に洗浄装置と同期されないときに低下したデータを検出システムが捕捉するそれらの性能及び信頼性を見る。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の一つの目的は、検出システムによるデータの捕捉と同期されるように構成される検出システムを洗浄するための装置を提供することによって前述の欠点を改善することである。また、任意選択的に、この検出システムは、自動車両のウインドシールドを拭き取るためのシステムと同期されてもよい。
【0006】
したがって、本発明は、車両が備える検出システムを洗浄するための方法に関し、検出システムは、光沢領域と、少なくとも一つの検出装置と、検出装置から情報を取得するための装置と、を備え、車両は、光沢領域へと向けられるパルス空気を使用する洗浄装置を備え、取得装置は、所定の第1の周波数で検出装置から情報を捕捉し、洗浄装置は、第1の周波数とプラス又はマイナス10%で同一である第2の周波数で光沢領域上にパルス空気を吹き付ける。
【0007】
そのような検出システムの洗浄方法は、自動車製造業者によって既に開発された計算手段を使用できるようにし、したがって新しい上流開発の必要性を回避する。換言すると、本発明の洗浄方法のおかげにより、先行技術において自動車両のウインドシールドの背後に配置され、したがって前記ウインドシールドを拭き取るためのシステムと同期して動作するように構成された検出システムは、それらがウインドシールドの背後に配置されないときに、事前に新たな開発を必要とせずに確実に動作することができる。
【0008】
車両は、例えば、少なくともウインドシールドと、ウインドシールドの表面を拭き取ることができる拭き取りシステムとを備える自動車両である。本発明の第1の例によれば、検出システムの光沢領域は、自動車両のウインドシールドとは別個であってもよい。本発明の第2の例によれば、光沢領域は、その表面がワイパーブレードによって拭き取られない自動車両のウインドシールドのセグメントであってもよい。
【0009】
光沢領域は、検出装置に面して配置され、それにより、検出装置は、自動車両の外部の環境に関する情報を捕捉しながら保護され得る。したがって、光沢領域は、検出装置によって放出及び/又は受信される光線が通過できるようにするべく、透明又は半透明の領域であることが理解され得る。光沢領域は、例えば、非限定的に、ガラス又はプレキシガラスであってもよい。
【0010】
検出システムは、光学的、電磁的、或いは更には超音波であるかどうかにかかわらず、任意のタイプのセンサ/送信機を備えることができる。
【0011】
より詳細には、検出システムは、例えば、カメラなどの光学撮像センサの形態をとることができる。それは、CCDセンサ(電荷結合素子を表すCCD)又は小型フォトダイオードのマトリクスアレイを備えるCMOSセンサの問題であり得る。検出システムは、他の例によれば、赤外線カメラなどの赤外線放射のセンサの形態をとってもよい。
【0012】
或いは、検出システムは、例えば、電波を送受信することが望まれる場合には、レーダー(無線検出及び測距を表すレーダー)、レーザーベースのリモートセンシングを使用することが望まれる場合には、ライダー(光検出及び測距を表すライダー)、又は、赤外線を送受信することが望まれる場合には、赤外線エミッタ/センサなどの電磁放射線のトランシーバの形態をとることができる。
【0013】
検出システムは、例えば、超音波を放出及び受信することが望まれる場合には、音響放射線のトランシーバの形態をとることもできる。
【0014】
したがって、検出システムは、自動車両の外部の環境に関する情報を取得装置がこの情報を処理できるように取得装置に送信する検出装置を備え、取得装置が第1の周波数で情報を取得し、洗浄装置が第1の周波数と+/-10%で同一である第2の周波数でパルス空気を光沢領域上に吹き付けることが理解される。
【0015】
この前述の特徴は、取得装置によってデータをより確実に取得できるようにするという点で有利である。換言すると、取得装置によって捕捉される情報は、洗浄装置によって所定の同一周波数でいかなる汚れも吹き飛ばされてしまって光沢領域が外面的に清浄である又はほぼ清浄である場合には、より信頼性が高い。
【0016】
本発明の一つの特徴によれば、第1の周波数及び第2の周波数は同一である。
【0017】
本発明の一つの特徴によれば、パルス空気が洗浄装置によって光沢領域上に吹き付けられると同時に、情報が検出装置から取得装置によって取得される。
【0018】
本発明の一つの別の代替案によれば、パルス空気が洗浄装置によって光沢領域上に吹き付けられた後に、情報が検出装置から取得装置によって取得される。すなわち、パルス空気は、情報の取得と同期して吹き付けられてもよいが、この取得ステップの直前に時間的に吹き出されるようにオフセットされてもよい。
【0019】
検出装置に面して配置される光沢領域を洗浄し、取得装置によって情報を捕捉する同時動作又はオフセット動作は、情報が読み取られる瞬間に光沢領域がその表面に視覚的に干渉する物質をほとんど又は全く有さないという意味で信頼できる情報を得ることができるようにすることが理解され得る。したがって、同時という特徴は、検出装置からの情報が捕捉される時間と洗浄装置によってパルス空気が吹き付けられる時間との間に0秒に近い時間間隔が存在することを意味する。オフセットは、検出装置からの情報の2回の捕捉同士の間の時間長の2%~25%の間に含まれる時間間隔を意味する。
【0020】
本発明の一つの特徴によれば、気象事象の検出に応じて、検出装置から情報が取得されて、光沢領域上にパルス空気が吹き付けられる。
【0021】
気象事象は、例えば雨であってもよく、このとき、洗浄装置は、検出システムの光沢領域上に落ちる水滴を除去することができる。
【0022】
本発明の一つの特徴によれば、天候センサによって気象事象が検出される。
【0023】
天候センサは、例えば、雨センサであってもよい。この場合、本発明の実施形態の第1の例によれば、雨センサは、検出システムから独立していてもよく、自動車両のウインドシールドの近傍に設置されてもよい。本発明の実施形態の第2の例によれば、雨センサが検出システムに組み込まれてもよい。
【0024】
本発明の一つの特徴によれば、パルス空気が洗浄装置によって光沢領域上に吹き付けられる前に、方法は、天候センサによって気象事象を検出する少なくとも一つのステップを含む。
【0025】
天候センサ、例えば雨センサは、自動車両の外部の気象状況に関するデータを、取得装置を備える制御ユニットに送信する。その後、制御ユニットは、雨センサによって送信された情報を処理し、一方では、第1の周波数で検出装置から情報を捕捉するように取得装置に命令し、他方では、第2の周波数で光沢領域上にパルス空気を吹き付けるように洗浄装置に命令し、第2の周波数は第1の周波数に等しい。
【0026】
本発明の一つの特徴によれば、天候センサによって収集される気象事象データは、前記気象事象の強度に関する少なくとも一つのデータを含み、情報が検出装置から取得される際の第1の周波数及びパルス空気が洗浄装置によって光沢領域上に吹き付けられる際の第2の周波数は、気象事象の強度を示すこのデータに応じて設定される。
【0027】
この特徴から分かるように、第1の周波数及び第2の周波数は、天候センサによって決定される気象事象の強度に直接に相関される。言い換えると、気象事象が強いほど、検出装置から情報が取得される際の第1の周波数と、パルス空気が光沢領域上に吹き付けられる際の第2の周波数とが高くなる。
【0028】
また、本発明は、ウインドシールドと、車外の環境を検出するためのシステムとを備える自動車両も対象とし、検出システムは、ウインドシールドとは別個の光沢領域と、少なくとも一つの検出装置と、検出装置から情報を取得するための装置と、を備え、自動車両は、検出システムの光沢領域へと向けられるパルス空気を使用する洗浄装置を備え、自動車両は、先に規定された洗浄方法を実施するように構成されている。
【0029】
したがって、検出システムによって放出又は受信される光線は、自動車両のウインドシールドを通過せず、むしろ前記検出システムの光沢領域を通過することが理解され得る。
【0030】
検出システムを洗浄するためのそのような方法は、特に、例えば雨などの気象事象中に自動車両が動いているときに有利である。
【0031】
自動車両の一つの特徴によれば、自動車両は、ウインドスクリーンを拭き取るためのシステムを備え、拭き取りシステムは第3の周波数で動作され、第2の周波数は、第3の周波数とプラス又はマイナス10%で同一である。
【0032】
ウインドシールド拭き取りシステムは、少なくとも一つのワイパーブレードと、ワイパーブレードを支持するアームと、前記アーム及びワイパーブレードを移動させるためのモータと、を備える。したがって、拭き取りシステムと、洗浄装置による検出システムの光沢領域の洗浄とが同期されることが理解され得る。
【0033】
また、取得装置によって検出装置から情報が取得される際の第1の周波数は、ワイパーブレードが移動される際の第3の周波数と同一であることも理解され得る。
【0034】
また、拭き取りシステムが制御ユニットによって制御されてもよく、制御ユニットは取得装置を備える。
【0035】
この場合、制御ユニットは天候センサに接続される。気象事象に関するデータ、特に気象事象の強度の受信に続いて、制御ユニットは、一方では、拭き取りシステムのモータにワイパーブレードを第3の周波数で移動させるための信号をモータに送信し、他方では、取得装置に検出装置から第1の周波数で情報を捕捉させるための信号を取得装置に送信し、最後に、第1の周波数と同一である第2の周波数で検出システムの光沢領域上にパルス空気の流れを洗浄装置に吹き付けさせるための信号を洗浄装置に送信する。
【0036】
好適には、第1の周波数、第2の周波数、及び第3の周波数は互いに等しく、それらの周波数が関連する全ての動作は、同時に実行される又はオフセットされるが、同じ周波数である。
【0037】
本発明の他の特徴、詳細及び利点は、一方では、以下の説明を読むと、他方では、添付の概略図を参照して、非限定的な表示として与えられる実施形態の幾つかの例から、より明確に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】拭き取りシステムが装備されるウインドシールドと、本発明に係る洗浄方法が実施される自動車両のグリル内に収容される検出システムとを備える自動車両の全体図である。
図2】本発明を実施する検出システムの洗浄装置の概略図である。
図3】検出システム、洗浄システム、及び拭き取りシステムの使用の周波数を示すグラフのセットである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の特徴、変形、及び様々な実施形態は、相互に適合しない又は相互に排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに関連付けられてもよい。特に、特徴のこの選択が技術的利点をもたらすために又は本発明を従来技術から区別するために十分である場合には、以下に記載される特徴の選択のみを、記載された他の特徴から分離して備える本発明の変形を考慮することが想定し得る。
【0040】
図1は、ウインドシールド4を拭き取るための少なくとも一つのシステム2と、少なくとも一つの検出装置20と、検出装置20から情報を取得するための装置22と、を備え、特に車両1の運転者支援システムの一部を形成することができる、自動車両1の外部の環境を検出するためのシステム6を備える自動車両1を示す。非限定的な例として、車両1のこの運転者支援システムは、適応制動システム、車両を車線内に維持するためのシステム、駐車支援システム、又は、自動もしくは半自動運転システムで構成されていてもよい。
【0041】
実施形態の一例によれば、検出システム6は、検出システム6を清浄に保つことができるようにする洗浄装置8(図2に示される)を備え、それにより、取得された後に使用されるデータは信頼性が高い。
【0042】
図1に示される例では、検出システム6が自動車両1のグリル10内に配置されるが、以下から分かるように、そのような検出システム6は、場合によっては又は代替的に、自動車両1に対して後方又は側方に位置され、或いは、更にはこの車両のバックミラー内に位置される。
【0043】
ウインドシールド4を拭き取るためのシステム2は、少なくとも一つのワイパーブレード12と、ワイパーブレードを支持するアーム13と、ウインドシールド4上にわたって移動するようにワイパーブレード12を駆動させることができる少なくとも一つのモータ14と、を備える。図示の例において、拭き取りシステム2は、二つのアーム13上に二つのワイパーブレード12を備え、アームの全てがモータ14によって移動するように駆動される。ワイパーブレード12がウインドシールド4の表面上にわたってそのように移動することにより、ウインドシールド4から雨のしぶき又は他の視覚的な混乱を取り除くことができる。より正確には、拭き取りシステム2は、ワイパーブレード12によって拭き取られるウインドシールド4の領域に対応するウインドシールド4の拭き取り領域17を拭き取ることができるようにする。したがって、自動車両1の運転者は道路を明瞭に見ることができる。更に、自動車両1がウインドシールド4の背後で拭き取りシステム2により拭き取られる領域17に位置される少なくとも一つのデータ取得センサ15を組み込む変形形態において、前記データ取得センサ15は、視覚的干渉を伴うことなく信頼性の高いデータを読み取ることができる。
【0044】
本発明によれば、検出システム6によるデータの捕捉をより確実にするために、洗浄装置8(図2に示される)は、検出システム6の光沢領域16が確実に洗浄されるように配置される。
【0045】
ここで、図2及び図3に関連して、洗浄装置8、検出システム6、より詳細には検出システム6を洗浄するための方法について更に詳しく説明する。
【0046】
図2は、検出システム6、洗浄装置8、拭き取りシステム2及び制御ユニット18の間の通信及び制御リンクの概略図である。
【0047】
検出システム6は、検出装置20及び光沢領域16から情報を取得するための装置22を少なくとも備える。
【0048】
取得装置22の機能は、検出装置20によって捕捉された情報を取得するとともに、その情報を処理して、例えば自動車両の補助装置23に情報を提供することである。非限定的な例によれば、取得装置22は、前記自動車両の外側の障害物に対する自動車両の距離の推定を配信するように情報を処理することができる。この距離推定は、その後、駐車支援との関連で、運転者に情報を配信するべく補助装置23によって使用されてもよく、或いは、更には、適応制動システムとの関連で、自動車両によって使用されてもよい。
【0049】
光沢領域16は、検出装置20が自動車両の外部の環境に関する情報を捕捉できるように、検出装置20に面して配置される。このとき、光沢領域16は、検出装置20によって放出及び受信される光線が通過できるようにするべく、透明又は半透明の領域である。光沢領域16は、例えば、ガラス又はプレキシガラスであってもよい。更に、光沢領域16は、好適には、材料の直接的な処理の結果として又は疎水性コーティングによる被覆の結果として、疎水性であってもよい。
【0050】
光沢領域16は、検出装置20の一体部分又は検出装置に付加された要素であってもよい。好適には、光沢領域16が検出装置20の一体部分ではない場合、光沢領域16は、その寸法が検出装置20の寸法と同一又は実質的に同一であり、例えば、検出装置20の放出及び/又は受信ゾーンの領域の寸法と同一であるように構成される。
【0051】
検出システム6の光沢領域16は、それが自動車両1の外側に向けられ、したがって水のしぶき又は汚れの他の環境的原因に晒されるようになっている。したがって、液体が光沢領域16上に存在する場合があり、この液体が悪天候の場合の雨滴に対応する場合がある。したがって、雨滴の量が天候に応じて変化する場合があるが、雨滴は光沢領域16上にわたってランダムに分布される。この場合、洗浄装置8によって果たされる機能は、これらの液滴が取得装置22による光沢領域16を通じた検出装置20からのデータの取得に悪影響を及ぼすのを防止するために、これらの液滴を光沢領域16から除去することである。
【0052】
本発明によれば、洗浄装置8は、パルス空気洗浄装置8である。より正確には、洗浄装置8は、前記光沢領域16から水滴を除去するのに適切且つ十分な空気圧及び流量を有する空気流を検出装置20の光沢領域16へと導くことができる。パルス空気流は、埃などの他の汚れの場合にも使用され得るので、水滴の除去に限定されると考えるべきではない。
【0053】
自動車両1のウインドシールド4(図2に示される)は、拭き取りシステム8及び天候センサ24を備える。天候センサ24の機能は、自動車両1の外部の環境における気象事象を検出することである。この場合、天候センサ24は、例えば、ウインドシールド4に当たる雨滴を検出することができる雨センサ26であってもよい。このとき、雨センサ26は、気象現象を感知することができるように自動車両1上/中に配置されることが理解され得る。
【0054】
したがって、雨センサ26は、図2に示されるように、自動車両1のウインドシールド4の近傍に配置されてもよいが、図示されていない一例によれば、検出システム6に組み込まれてもよい。
【0055】
また、天候センサ24は、例えば前記気象事象の強度などの気象事象に関する少なくとも一つの情報を収集するように構成されてもよい。この場合、雨センサ26は、その接触面積によって雨に関する情報を収集することができ、これにより、雨の強度を推定することができる。雨センサ26は、気象事象に関連するあらゆるタイプの情報を収集できると考えられるべきであるが、ここでは強度の利用についてのみ説明する。
【0056】
天候センサ24による気象事象の検出に続いて、天候センサは、前記気象事象に関連する少なくとも一つの情報、特にこの気象事象の強度を制御ユニット18に送信する。
【0057】
制御ユニット18の機能は、拭き取りシステム2及び検出システム6を制御することであり、また、洗浄方法を実施することでもある。より正確には、制御ユニット18は、一方では、拭き取りシステム2のモータ14と通信し、他方では、検出システム6の取得装置22及び検出装置20の光沢領域16を洗浄するための装置8と通信し、最後に、任意選択的に、ウインドシールド4の背後に配置されてその観察領域が自動車両のウインドシールド4を拭き取るためのシステム2によって拭き取られる、すなわち洗浄されるデータ取得センサ15と通信する。
【0058】
本発明に係る洗浄方法は、自動車両の外部の環境において気象現象、ここでは雨が発生し、雨センサ26が自動車両のウインドシールド4に当たる雨滴を検出するときに始まる。その後、雨センサ26は、この気象事象、特にその強度に関する情報を収集し、強度は、自動車両の外側に落下する雨の重さを表す。この雨の強度が設定されておらず、天候が変化するにつれて強度が増大又は減少することが理解され得る。その後、雨センサ26は、気象状態を特徴づける情報をリアルタイムに制御ユニット18に送信するために、雨の強度を連続的に捕捉する。
【0059】
次に、制御ユニット18は、強度データを処理して、そこから、洗浄装置8の動作周波数、拭き取りシステム2の動作周波数、及び検出装置20から情報を取得するための装置22の動作周波数を推定する。より正確には、制御ユニット18は、雨センサ26によって捕捉されるこの降雨強度に応じて、ワイパーブレード12のアーム13の脈動する第3の周波数F3を設定する。ワイパーブレード12のアーム13が動かされる際の第3の周波数F3は、自動車両の運転者が運転している道路の信頼できる視界を得ることができるように制御ユニット18によって決定されることが理解され得る。続いて、制御ユニット18は、ワイパーブレード12のアーム13の脈動する第3の周波数F3と同じ第1の周波数F1で検出装置20から情報を捕捉するように取得装置22に求める。最後に、制御ユニット18は、取得装置22によって検出装置20から情報が捕捉される際の第1の周波数F1とプラス又はマイナス5%で同一の第2の周波数F2で検出装置20の光沢領域16にパルス空気を吹き付けるように洗浄装置8に命令する。
【0060】
任意選択的に、データ取得センサ15は、ワイパーブレード12のアーム13の脈動する第3の周波数F3と同期して自動車両の外部からデータを捕捉する。そのような特徴によってデータ取得センサ15が信頼できるデータを捕捉でき、ワイパーブレード12によって拭き取り領域17が拭き取られた後にこの信頼できるデータが読み取られることが理解され得る。
【0061】
第1の周波数F1、第2の周波数F2、及び第3の周波数F3は、各周波数を表す三つのグラフで図3に示されており、これらのグラフにおいて、x軸は時間に対応し、y軸は取得装置又は洗浄装置又は拭き取りシステムの動作に対応する。
【0062】
本発明の一つの特徴によれば、取得装置22によって検出装置20からデータが取得される際の第1の周波数F1と、検出装置20の光沢領域16の方向で洗浄装置8によりパルス空気が吹き付けられる際の第2の周波数F2とは同一である。
【0063】
好適には、パルス空気が光沢領域16上に吹き付けられると同時に取得装置22によって検出装置20から情報が取得され、又は代替的に、取得がオフセットされ、すなわち、取得は、パルス空気が吹き付けられた直後に経時的に行なわれる。これらの特徴は、洗浄装置8によって光沢領域16上に同時に吹き付けられるパルス空気の流れの結果として、検出装置20の光沢領域16に視覚的な混乱がないことによって取得装置22により情報を取得する信頼性が向上するという点で有利である。本発明を装備した自動車両の製造業者によって既に開発及び検証されている計算手段を本発明が使用することも有利であり、これにより、新たな開発が回避され、本発明に関連するコストが制限される。
【0064】
更に、図3にも示されるように、前述の第2の周波数F2は、拭き取りシステム2、より詳細には前記拭き取りシステム2のモータ14によって回転駆動されるワイパーブレード12の移動の第3の周波数F3とプラス又はマイナス10%で同一である。
【0065】
したがって、今しがた説明したような検出システム洗浄方法は、それが機能するための新たな制御ユニット又は強度から周波数を計算するための新たなシステムの実装を必要としないという点で有利であることが理解され得る。したがって、本方法は、取得システムがどのように動作すべきかを計算するための手段を既に備える自動車両に実装することができる。
【0066】
本発明は、実装が簡単な手段を介して、検出システムの光沢領域が最適に洗浄されるようにする及び検出装置によって取得された後に取得装置によって処理される情報が信頼できるようにすることによって、設定された目的を明確に達成する。
【0067】
しかしながら、本発明は、説明及び図示された手段及び構成のみに限定されず、任意の同等の手段又は構成、及びそのような手段又は構成の任意の組み合わせにも適用可能である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】