(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】車両センサのための洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
B60S1/62 120C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504402
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 EP2021068606
(87)【国際公開番号】W WO2022017772
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】マキシム、ボドワン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、シャサーニュ
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AC04
3D225AD22
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの車両センサ(9,11)のための洗浄装置(3)に関する。洗浄装置(2)は、少なくとも1つの空気流生成器(3)と、空気流生成器の排気ポートからセンサ(9,11)に空気流を搬送するための少なくとも1つの空気流輸送ダクト(5,7)とを備え、ダクト(5,7)は、少なくとも1つの空気流入口開口と、少なくとも1つの空気流出口オリフィス(105,155)とを備える。ダクト(5,7)の入口開口の1つの断面は、ダクト(5,7)の出口オリフィス(105,155)の1つの断面よりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの車両センサ(9,11)のための洗浄装置(2)であって、少なくとも1つの空気流生成器(3)と、前記空気流生成器の排出オリフィスから前記センサ(9,11)上にわたって空気流を搬送するための少なくとも1つの空気流輸送ダクト(5,7)とを備え、前記ダクト(5,7)が、前記空気流のための少なくとも1つの入口開口(53,73)と、前記空気流のための少なくとも1つの出口オリフィス(105,155)とを有する、洗浄装置(2)において、前記ダクト(5,7)の前記入口開口(53,73)の断面が前記ダクト(5,7)の前記出口オリフィス(105,155)の断面よりも大きいことを特徴とする、洗浄装置(2)。
【請求項2】
前記ダクト(5,7)は、少なくとも1つのチャネル(51,71)であって、前記入口開口(53,73)を前記チャネル(51,71)の前記空気流のための出口開口(55,75)に対して接続する、少なくとも1つのチャネル(51,71)と、少なくとも1つのノズル(100,150,200,300)であって、前記出口オリフィス(105,155,205,305)を前記ノズル(100,150,200,300)の前記空気流のための入口オリフィスに対して接続する、少なくとも1つのノズル(100,150,200,300)とを備え、前記ノズル(100,150,200,300)の前記入口オリフィス(103,203,303)が前記チャネル(51,71)の前記出口開口(55,75)に面している、請求項1に記載の洗浄装置(2)。
【請求項3】
前記ダクト(5,7)は、前記ノズル(100,150,200,300)を前記チャネル(51,71)に保持するためのスリーブ(69,89)を備える、請求項2に記載の洗浄装置(2)。
【請求項4】
前記ノズル(100,150,200,300)の内部断面が前記入口オリフィス(103,203,303)から前記出口オリフィス(105,155,205,305)まで減少する、請求項2又は3に記載の洗浄装置(2)。
【請求項5】
前記ノズル(300)は、前記ノズル(300)内の前記空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で延在する換気グリル(309)を備える、請求項2から4のいずれか一項に記載の洗浄装置(2)。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一項と組み合わされる請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも2つの洗浄装置(2)の組立体であって、前記洗浄装置(2)のうちの1つの前記チャネル(51,71)は、前記洗浄装置(2)のうちの少なくとも1つの他の洗浄装置(2)のチャネル(51,71)と同一の形状を有し、前記洗浄装置(2)のうちの1つの前記ノズル(100,150,200,300)は、前記洗浄装置(2)のうちの少なくとも1つの他の洗浄装置(2)のノズル(100,150,200,300)とは異なる形状を有することを特徴とする、組立体。
【請求項7】
少なくとも1つのセンサ(9,11)と、請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つの洗浄装置(2)とを備える、車両用の運転支援モジュール(1)。
【請求項8】
前記センサ(9,11)は、前記洗浄装置(2)に起動するよう命令するように構成される、請求項7に記載の運転支援モジュール(1)。
【請求項9】
前記ノズル(100,150,200,300)の前記出口オリフィス(105,155,205,305)は、前記空気流が前記センサ(9,11)の受信及び/又は送信外面(10,12)を掃引するように構成される、請求項7又は8に記載の運転支援モジュール(1)。
【請求項10】
前記センサ(9)が第1のセンサであり、前記ダクト(5)が第1のダクトであり、前記運転支援モジュール(1)が第2のセンサ(11)を備え、前記洗浄装置(2)は、前記空気流生成器(3)の前記排出オリフィス(29)から前記第2のセンサ(11)上にわたって前記空気流を搬送するための第2のダクト(7)を備える、請求項7から9のいずれか一項に記載の運転支援モジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両洗浄装置の分野に関する。より詳細には、本発明は、車両センサ、特に車両の運転を支援するためのモジュールに組み込まれるセンサのための洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自律車両の出現を視野に入れて、自動車両、ユーティリティビークル、及び特殊車両の安全性を高めるために、年々車両に運転支援モジュール用のセンサが装備されるようになってきている。これらのセンサは、例えば、後方支援、距離制御レーダ、交通標識検出、旋回支援、死角支援、車線逸脱警告、又は360°パノラマ視界などの用途に不可欠である。これらのセンサは、例えば、カメラ、光学センサ、LIDARシステム、レーダシステム又は超音波テレメトリシステムである。
【0003】
センサによって取り込まれた全ての情報は、運転支援モジュールの処理ユニットに送信される。処理ユニットは、この送信された情報を解析し、次いで、車両の運転を支援するためのモジュールが車両の運転を環境条件に適合させることができるように制御命令を生成する。
【0004】
これらのセンサの殆どは、異物が蓄積する可能性がある送信及び/又は受信外面を有する。これらの異物は、例えば、塵、埃又は水滴であり得る。異物は、センサの外面に放置されると、センサによって取り込まれた情報を改ざんする又はセンサを動作不能にする可能性さえある。しかしながら、特に自律車両における運転支援モジュールの場合、センサによって送信される情報は、車両が走行している環境条件に関係なく信頼性がなければならない。
【0005】
その原理がポンプを備える噴射システムから送信外面及び/又は受信外面に洗浄物を噴射することに基づく、センサ洗浄装置が存在する。
【0006】
そのような解決策の第1の欠点は、これらの洗浄装置のサイズが大きく、複数のセンサが互いに近接している場合に管理が困難であり得ることである。
【0007】
そのような解決策の第2の欠点は、それぞれの所定のセンサにおける各洗浄システムの特異性である。したがって、1つのセンサに関して1つの洗浄システムが開発され、それにより、多数のセンサが1つの自動運転モジュールに組み込まれる場合には高い製造コストを引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の問題を少なくとも部分的に解決し、新たなタイプの洗浄装置を提案することによって他の利点にもつながることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つの空気流生成器と、空気流生成器の排出オリフィスからセンサ上にわたって空気流を搬送するための少なくとも1つの空気流輸送ダクトとを備え、ダクトが、空気流のための少なくとも1つの入口開口と、空気流のための少なくとも1つの出口オリフィスとを有する、少なくとも1つの車両センサのための洗浄装置を提案する。ダクトの入口開口の断面は、ダクトの出口オリフィスの断面よりも大きい。
【0010】
入口開口の断面及び出口オリフィスの断面は、ダクト内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。
【0011】
空気流生成器は、空気流輸送ダクトによって洗浄されるべきセンサ上にわたって搬送される空気流を生成できるようにする。したがって、本発明は、センサ上で乾燥した洗浄液によって引き起こされる汚れを依然として回避しながら、空気を吹き付けることによって少なくとも1つのセンサ上に異物が蓄積することを回避できるようにする。更に、ダクトの入口開口の断面は、ダクトの出口オリフィスの断面よりも大きく、この結果、空気流は、入口開口よりも出口オリフィスでより高い速度を有する。したがって、洗浄装置は、センサに強固に付着した異物を除去することができる。したがって、本発明は、空気を使用して少なくとも1つのセンサを洗浄する機能を果たすことができるようにする。
【0012】
一実施形態によれば、ダクトの入口開口は、空気流生成器の排出オリフィスと空気連通する。
【0013】
一実施形態によれば、排出オリフィスは、空気流生成器のプロペラの回転軸に対して径方向に配置される。
【0014】
一実施形態によれば、排出オリフィスは、空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で展開する。
【0015】
一実施形態によれば、空気流生成器は、空気流生成器のプロペラの回転軸に対して垂直な平面内で延在する吸気オリフィスを備える。
【0016】
一実施形態によれば、空気流生成器がラジアルファンである。
【0017】
一実施形態によれば、ダクトは、入口開口をチャネルの空気流のための出口開口に接続する少なくとも1つのチャネルと、出口オリフィスをノズルの空気流のための入口オリフィスに接続する少なくとも1つのノズルとを備え、ノズルの入口オリフィスがチャネルの出口開口に面している。したがって、チャネルを標準とすることができ、ノズルを洗浄されるべきセンサの特定の特徴に適合させることができる。したがって、可能な限り多くの標準的な構成要素を依然として有しつつ、洗浄装置を車両に組み込むこともより容易である。最後に、例えば液滴サイズ、雨水流量、又は車両速度などの必要な動作条件に基づく洗浄装置の性能は、更に、車両で使用される任意のタイプのセンサに関して最適化され得る。
【0018】
一実施形態によれば、ダクトは、ノズルをチャネルに保持するためのスリーブを備える。
【0019】
一実施形態によれば、スリーブがチャネルと一体に形成される。
【0020】
ここでは及び以下の本文を通して、「一体に形成される」という用語は、一体に形成される要素が、単一の構成要素を形成し、したがって同じ1つ又は複数の材料から作られることを意味すると理解されるべきである。この構成要素は、例えば、成形又は射出成形によって得ることができる。したがって、この構成要素は、溶接又は接着によって互いに接合される要素とは異なる。
【0021】
一実施形態によれば、スリーブがノズルと一体に形成される。
【0022】
一実施形態によれば、ダクトは、250mm以下、好ましくは200mm以下、好ましくは150mm以下の長さを有する。長さは、ダクトの入口開口と出口オリフィスとの間で延びる空気流の流れラインに沿って測定される。
【0023】
一実施形態によれば、チャネルは、入口開口から出口開口まで減少する内部断面を有し、内部断面は、チャネル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。
【0024】
ここでは及び以下の本文を通して、「チャネルの内部断面」という用語は、チャネル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときのチャネルの中空部分の断面に対応するものとして理解されるべきである。これにより、ノズルの出口オリフィスからある距離を隔てたカメラを標的とすることが可能になる。
【0025】
一実施形態によれば、チャネルの内部断面が連続的に減少する。
【0026】
一実施形態によれば、チャネルの内部断面が徐々に減少する。言い換えれば、チャネルの内部断面は、チャネルの第1の部分にわたって一定であり、その後小さくなり、チャネルの第2の部分にわたって一定のままである。
【0027】
一実施形態によれば、ノズルの出口オリフィスは、センサの表面の範囲の平面と交差する平面内に展開する輪郭を有する。
【0028】
一実施形態によれば、出口オリフィスは、入口オリフィスが延在する平面と交差する平面内で展開する。
【0029】
一実施形態によれば、ノズルの内部断面は、入口オリフィスから出口オリフィスまで減少する。内部断面は、ノズル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。
【0030】
ここでは及び以下の本文を通して、「ノズルの内部断面」という用語は、ノズル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときのノズルの中空部分の断面に対応するものとして理解されるべきである。
【0031】
一実施形態によれば、ノズルの内部断面が連続的に減少する。
【0032】
一実施形態によれば、ノズルの内部断面が徐々に減少する。言い換えれば、ノズルの内部断面は、ノズルの第1の部分にわたって一定であり、その後小さくなり、ノズルの第2の部分にわたって一定のままである。
【0033】
一実施形態によれば、ノズルは、ノズル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で延在する換気グリルを備える。
【0034】
一実施形態によれば、換気グリルが出口オリフィスに配置される。
【0035】
一実施形態によれば、本発明に係る洗浄装置は、ダクト内を循環する空気流を加熱するための少なくとも1つの加熱要素を備える。加熱要素は、ダクトを通過する空気流の温度を上昇させることができるようにする。したがって、センサの外面をより迅速に乾燥させることができ、これは特にゲルの場合に有用である。
【0036】
一実施形態によれば、加熱要素は、ダクトの内側及びダクトの壁に配置される。
【0037】
一実施形態によれば、加熱要素は、ノズルの内側及びノズルの壁に配置される。
【0038】
一実施形態によれば、加熱要素と出口オリフィスとの間の距離は、50mm以下、好ましくは10mm以下である。
【0039】
一実施形態によれば、本発明は、本発明に係る少なくとも2つの洗浄装置の組立体を更に提供し、洗浄装置のうちの1つのチャネルは、洗浄装置のうちの少なくとも1つの他の洗浄装置のチャネルと同一の形状を有し、洗浄装置のうちの1つのノズルは、洗浄装置のうちの少なくとも1つの他の洗浄装置のノズルとは異なる形状を有する。
【0040】
一実施形態によれば、チャネルが標準的な構成要素である。仕様に関しては前の段落と同様である。
【0041】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも1つのセンサと本発明に係る少なくとも1つの洗浄装置を備える、車両用の運転支援モジュールを提供する。
【0042】
一実施形態によれば、センサは、洗浄装置に起動するように命令するべく構成される。
【0043】
一実施形態によれば、センサが雨水検出器である。
【0044】
一実施形態によれば、センサがカメラである。
【0045】
一実施形態によれば、運転支援モジュールは、センサの少なくとも1つの表面を洗浄するための洗浄液噴射装置を備え、洗浄装置は、センサの表面を乾燥させるように構成される。
【0046】
一実施形態によれば、ダクトの出口オリフィスは、空気流がセンサの受信及び/又は送信外面を掃引するように構成される。
【0047】
一実施形態によれば、センサが第1のセンサであり、ダクトが第1のダクトであり、運転支援モジュールが第2のセンサを備え、洗浄装置は、空気流生成器の排出オリフィスから第2のセンサ上にわたって空気流を搬送するための第2のダクトを備える。
【0048】
一実施形態によれば、第2のダクトは、空気流のための少なくとも1つの第2の入口開口と、空気流のための少なくとも1つの第2の出口オリフィスとを有し、第2のダクトの第2の入口開口の断面は、第2のダクトの第2の出口オリフィスの断面よりも大きい。
【0049】
一実施形態によれば、第2のダクトは、第2の入口開口を第2のチャネルの空気流のための第2の出口開口に接続する少なくとも1つの第2のチャネルと、第2の出口オリフィスを第2のノズルの空気流のための第2の入口オリフィスに接続する少なくとも1つの第2のノズルとを備え、第2のノズルの第2の入口オリフィスが第2のチャネルの第2の出口開口に面している。
【0050】
一実施形態によれば、第2のダクトは、第2のノズルを第2のチャネルに保持するための第2のスリーブを備える。
【0051】
一実施形態によれば、第2のスリーブは、第2のチャネルと一体に形成される。
【0052】
一実施形態によれば、第2のスリーブは、第2のノズルと一体に形成される。
【0053】
一実施形態によれば、第2のダクトは、250mm以下、好ましくは200mm以下、好ましくは150mm以下の長さを有する。長さは、ダクトの第2の入口開口と第2の出口オリフィスとの間で延びる空気流の流れラインに沿って測定される。
【0054】
一実施形態によれば、第2のチャネルは、第2の入口開口から第2の出口開口まで減少する内部断面を有し、内部断面は、第2のチャネル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。
【0055】
ここでは及び以下の本文を通して、「第2のチャネルの内部断面」という用語は、第2のチャネル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第2のチャネルの中空部分の断面に対応するものとして理解されるべきである。これにより、第2のノズルの第2の出口オリフィスから距離を隔てるカメラを標的とすることが可能になる。
【0056】
一実施形態によれば、第2のチャネルの内部断面は連続的に減少する。
【0057】
一実施形態によれば、第2のチャネルの内部断面は徐々に減少する。言い換えれば、第2のチャネルの内部断面は、第2のチャネルの第1の部分にわたって一定であり、その後に小さくなり、第2のチャネルの第2の部分にわたって一定のままである。
【0058】
一実施形態によれば、第2のノズルの第2の出口オリフィスは、第2のセンサの表面の範囲の平面と交差する平面内に展開する輪郭を有する。
【0059】
一実施形態によれば、第2の出口オリフィスは、第2の入口オリフィスが延びる平面と交差する平面内で展開する。
【0060】
一実施形態によれば、第2のノズルの内部断面は、第2の入口オリフィスから第2の出口オリフィスまで減少する。内部断面は、第2のノズル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。
【0061】
ここでは及び以下の本文を通して、「第2のノズルの内部断面」という用語は、第2のノズル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第2のノズルの中空部分の断面に対応するものとして理解されるべきである。
【0062】
一実施形態によれば、第2のノズルの内部断面は連続的に減少する。
【0063】
一実施形態によれば、第2のノズルの内部断面は徐々に減少する。言い換えれば、第2のノズルの内部断面は、第2のノズルの第1の部分にわたって一定であり、その後に小さくなり、第2のノズルの第2の部分にわたって一定のままである。
【0064】
一実施形態によれば、第2のノズルは、第2のノズル内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で延在する換気グリルを備える。
【0065】
一実施形態によれば、第2のノズルの換気グリルは、第2の出口オリフィスに配置される。
【0066】
一実施形態によれば、加熱要素が第1の加熱要素であり、本発明に係る洗浄装置は、第2のダクト内を循環する空気流を加熱するための少なくとも1つの第2の加熱要素を備える。加熱要素は、第2のダクトを通過する空気流の温度を上昇させることができるようにする。したがって、第2のセンサの外面をより迅速に乾燥させることができ、これは特にゲルの場合に有用である。
【0067】
一実施形態によれば、第2の加熱要素は、第2のダクトの内側及び第2のダクトの壁に配置される。
【0068】
一実施形態によれば、第2の加熱要素は、第2のノズルの内側及び第2のノズルの壁に配置される。
【0069】
一実施形態によれば、第2の加熱要素と第2の出口オリフィスとの間の距離は、50mm以下、好ましくは10mm以下である。
【0070】
一実施形態によれば、第1のセンサと第2のセンサとの間の距離は、350mm以下、好ましくは300mm以下、好ましくは250mm以下である。2つのセンサ間の距離は、2つのセンサを通る直線に沿って測定される。
【0071】
一実施形態によれば、本発明は、最後に、本発明に係る運転支援モジュール及び/又は本発明に係る少なくとも1つの洗浄装置を備える車両を提供する。
【0072】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の概略図に関連して、以下の説明及び示唆として与えられる複数の非限定的で典型的な実施形態の両方からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】本発明に係る車両センサ洗浄装置を備える車両用の運転支援モジュールの概略斜視図である。
【
図2】
図1に示される洗浄装置の空気流生成器の概略斜視図である。
【
図3】第1の野角から見た、
図1に示される洗浄装置の空気流輸送ダクトの概略図である。
【
図4】第2の視角から見た、
図3に示される空気流輸送ダクトの概略図である。
【
図5】第1の実施形態に係る、
図1に示される洗浄装置の第1のノズルの概略斜視図である。
【
図6】第2の実施形態に係る第1のノズルの概略斜視図である。
【
図7】第3の実施形態に係る第1のノズルの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
まず最初に、図は、本発明をその実施のために詳細に示すが、当然ながら、必要に応じて本発明をより良く規定するためにこれらの図が使用されてもよいことに留意すべきである。全ての図において、類似している及び/又は同じ機能を果たす要素が同じ参照符号によって示されることにも留意すべきである。
【0075】
以下の説明では、縦軸Lの方向、横軸Tの方向、及び垂直軸Vの方向が、図中の三面体(L、T、V)によって表わされる。水平面は、垂直軸Vに対して垂直な平面として規定され、縦平面は、横軸Tに対して垂直な平面として規定され、及び、横平面は、縦軸Lに対して垂直な平面として規定される。
【0076】
図1は、第1のセンサ7と、第2のセンサ9と、特に少なくとも2つのセンサ7、9を洗浄するために使用される洗浄装置2とを備える車両用の運転支援モジュールの斜視図を示す。また、この洗浄装置2は、自動車両に位置される他のセンサ及び/又は他の構成要素のために利用することもできる。
【0077】
図1を参照すると、洗浄装置2は、空気流生成器3と、第1のセンサ9上にわたって空気流を搬送するための第1の空気流輸送ダクト5と、第2のセンサ11上にわたって空気流を搬送するための第2の空気流輸送ダクト7とを備える。空気流生成器3、2つの空気流輸送ダクト5、7、及びセンサ9、11は、支持体13に締結される。
【0078】
空気流生成器3は径方向流ファンである。空気流生成器はケーシング15を備え、ケーシング内には駆動シャフト(図示せず)とプロペラ(図示せず)とがあり、プロペラは、該プロペラを回転軸Rを中心に回転させるように機能する駆動シャフトに固定される。プロペラの回転軸Rは垂直軸Vと平行である。プロペラは、駆動シャフトに連結されたハブと、複数のブレードとを有する。各ブレードは、ハブから径方向外側に延在し、ブレードは、ハブの周りに等距離に位置される。プロペラの回転速度は1000rpm~10000rpmであり、0m/s~20m/sの速度を有する空気流を生成する。
【0079】
図2を参照すると、ケーシング15には、垂直軸Vに沿って下側ベース19から上側ベース21まで延在する4つの側壁17が設けられる。下側ベース19及び上側ベース21はそれぞれ、先に規定された水平面と平行な範囲の平面内で延在する。下側ベース19の範囲の平面は、上側ベース21の範囲の平面と平行であり、交差しない。
【0080】
図2において、ケーシング15の下側ベース19は、プロペラの回転軸Rに対して垂直な範囲の平面内で展開し、したがって水平面と平行である。下側ベース19は、プロペラの回転軸Rに対して垂直な平面内で見たとき、すなわち水平面内で見たときに正方形の形状を有する。ケーシング15の上側ベース21は、プロペラの回転軸Rに対して垂直な範囲の平面内で展開し、したがって水平面と平行である。
図1及び
図2に示される典型的な実施形態において、上側ベース21は、ケーシング15の下側ベース19と平行である。上側ベース21は、プロペラの回転軸Rに対して垂直な平面内で見たとき、すなわち水平面内で見たときに正方形の形状を有する。下側ベース19及び/又は上側ベース21の一辺の長さは、実質的に150mmに等しい。
【0081】
ケーシング13は、垂直軸Vに沿って延びる3つの貫通穴23を備える。これらの穴23にはねじが切られている。穴23は、空気流生成器3を支持体13に締結するようにねじ25と相互作用するべく構成される。各穴23は、ケーシング3の2つの連続する側壁17間の交差部にある。
【0082】
図1及び
図2を参照すると、空気流生成器3は、第1のダクト5及び第2のダクト7と空気連通する空気流のための吸気オリフィス27と空気流のための排出オリフィス29とを備える。空気流生成器3のプロペラを回転させることにより、吸気オリフィス27を介して洗浄装置1の外部環境から空気を吸引することができるとともに、排出オリフィス29を介して生成された空気流を排出することができる。したがって、空気流生成器3のプロペラが回転するように設定されると、空気は吸気オリフィス27から排出オリフィス29へとダクト5、7の方向で循環する。
【0083】
吸気オリフィス27は、上側ベース21に形成された開口によって画定される。吸気オリフィス27は、水平面内で見たときに円形の輪郭を有する。吸気オリフィス27には、空気流生成器3への塵埃及び/又は異物の進入を制限するためにカバー31が設けられる。
【0084】
排出オリフィス29は、側壁17の一方に形成される開口によって画定される。したがって、排出オリフィス29は、空気流生成器3のプロペラの回転軸Rに対して径方向に配置される。排出オリフィス29は、空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときに長方形の輪郭を有する。
【0085】
空気流生成器3は、その電力に関して制御されるように構成される。空気流生成器3の制御は、空気流生成器3の始動を決定するために及び/又はセンサ9、11のうちの少なくとも一方の汚れ及び/又は例えば雨などの環境条件に基づいて空気流を調整するために、センサ9、11のうちの少なくとも一方に委ねられ得る。
【0086】
図示されない実施形態において、空気流生成器3には、コネクタが設けられた電気ケーブルを介して車両の電気バッテリによって電気が供給される。図示されない他の実施形態において空気流生成器には、車両に搭載された太陽電池セルによって電気が供給される。
【0087】
図1に示されるように、空気流生成器3の排出オリフィス29は、第1のダクト5及び第2のダクト7と空気連通する。
【0088】
図1を参照すると、第1のダクト5は、空気流が第1のセンサ9を通じて出て通り過ぎるために、空気流のための少なくとも1つの第1の入口開口53と、空気流のための少なくとも1つの第1の出口オリフィス105とを有する。第1のダクト5の長さは500mm以下である。長さは、第1のダクト5の第1の入口開口53と第1のダクト5の第1の出口オリフィス105との間で延びる空気流の流れライン沿って測定される。
【0089】
図1を参照すると、第1のダクト5は、第1の実施形態に係る第1のチャネル51及び第1のノズル100を備える。
【0090】
図3及び
図4を参照すると、第1のチャネル51は、第1の入口開口53を第1の出口開口55に接続する。第1の入口開口53と第1の出口開口55との間で、第1のチャネル51は、第1のチャネル51内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で見たときに湾曲した形状を有する。湾曲は、10mm~100mmの曲率半径を有し、曲率半径は、第1のチャネル51内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で測定される。
【0091】
第1のチャネル51は、第1の入口開口53から第1の出口開口55まで減少する内部断面を有し、内部断面は、第1のチャネル51内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。第1のチャネル51の内部断面は、第1のチャネル51内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときに第1のチャネル51の中空部分の断面に対応する。第1のチャネル51の内部断面は、連続的に減少する。図示されない実施形態では、第1のチャネル51の内部断面が徐々に減少する。
【0092】
第1のチャネル51は、空気流のための第1の入口開口53を空気流のための第1の出口開口55に接続する壁57を備える。壁57は、滑らかな内面58を有する。言い換えると、第1のチャネル51の内面58には凹凸がない。これにより、圧力降下を制限することが可能になる。第1のチャネル51の内面58は鋭い縁角を有さず、それによって圧力降下を制限することも可能にする。
【0093】
第1のチャネル51の、したがって第1のダクト5の第1の入口開口53は、第1の入口開口53における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で展開する。第1の入口開口53は、第1の入口開口53における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときに角が丸い長方形の輪郭を有する。第1の入口開口53における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第1の入口開口53の断面は、排出オリフィス29における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの排出オリフィス29の断面以下である。これにより、第1のチャネル51、したがって第1のダクト5を、第1の排出オリフィス29で空気流生成器3に挿入することができる。この場合、挿入は強制的に行なわれる。図示されない実施形態において、排出オリフィス29は、サードパーティコンポーネントを介して第1の入口開口53に取り付けられる。
【0094】
第1のチャネル51の第1の出口開口55は、第1の出口開口55における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で延在する。第1の出口開口55の範囲の平面は、第1の入口開口53の範囲の平面と交差する。図示されない実施形態では、これらの範囲の平面が平行であり、交差しない。
【0095】
第1の出口開口55は、第1の出口開口55における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見て、角が丸い長方形の輪郭を有する。第1の入口開口53における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第1のダクト51の第1の入口開口53の断面は、第1の出口開口55における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第1の出口開口55の断面以上である。
【0096】
図3を参照すると、第1のチャネル51は第1のスリーブ59を備え、第1のスリーブ59は、第1のチャネル51の第1の出口開口55の輪郭から第1のノズル100まで、第1のスリーブ59における空気流の全体的な流れ方向と平行な方向に延びる。第1のスリーブ59は、第1のチャンネル51と一体に形成される。図示されない実施形態では、第1のスリーブ59が付加的な構成要素である。
【0097】
第1のスリーブ59は、第1のノズル100を少なくとも部分的に受けるためのハウジングを共に画定する4つの実質的に平坦なセクション61、63、65、67から形成される。より具体的には、セクション61、63、65、67は、縁角68で交わる。セクション61,63,65,67は共に直方体を形成する。セクション61、63、65、67は、第1のスリーブ59における空気流の全体的な流れ方向において同じ寸法を有する。したがって、第1のスリーブ59は、第1のノズル100が第1のチャネル51に保持されるようにする。更に、第1のスリーブ59は、第1のチャネル51の第1の出口開口55と第1のノズル100との間の空気連通を可能にする。
【0098】
図5を参照すると、第1の実施形態に係る第1のノズル100は、空気流のための第1の入口オリフィス103を空気流のための第1の出口オリフィス105に接続する。第1のノズル100は、第1のノズル100の第1の入口オリフィス103が第1のチャネル51の第1の出口開口55に面するように、第1のスリーブ59によって第1のチャネル51に保持される。
【0099】
第1の入口オリフィス103と第1の出口オリフィス105との間で、第1のノズル100は、第1のノズル100内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で見て湾曲した形状を有する。湾曲は、10mm~100mmの曲率半径を有し、曲率半径は、第1のノズル100内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で測定される。
【0100】
第1のノズル100は、第1の入口オリフィス103から第1の出口オリフィス105まで減少する内部断面を有し、内部断面は、第1のノズル100内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。第1のノズル100の内部断面は、第1のノズル100における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときに第1のノズル100の中空部分の断面に対応する。第1のノズル100の内部断面は、連続的に減少する。図示されない実施形態では、第1のノズル100の内部断面が徐々に減少する。
【0101】
第1のノズル100は、空気流のための第1の入口オリフィス103を空気流のための第1の出口オリフィス105に接続する壁107を備える。第1のノズル100の壁107は、滑らかな内面108を有する。換言すれば、第1のノズル100の内面108は、凹凸を有していない。第1のノズル100の内面108は鋭い縁角を有さず、それによって圧力降下を制限することも可能にする。
【0102】
第1のノズル100の第1の入口オリフィス103は、第1の入口オリフィス103における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で延在する。第1の入口オリフィス103は、第1の入口オリフィス103における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見て、角が丸い長方形の輪郭を有する。
【0103】
第1のノズル100の第1の出口オリフィス105は、第1の出口オリフィス105における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で延在する。第1の出口オリフィス105の範囲の平面は、第1の入口オリフィス103の範囲の平面と交差する。
【0104】
図1、
図4及び
図5を参照すると、第1のノズル100の第1の出口オリフィス105の範囲の平面は、第1のチャネル51の第1の入口開口53の範囲の平面と交差する。
【0105】
図5を参照すると、第1の出口オリフィス105は、第1の出口オリフィス105における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見て、角が丸い長方形の輪郭を有する。したがって、輪郭は、互いに実質的に平行な2つの長縁113,117と、互いに実質的に平行であって長縁113,117に対して垂直であるとともに輪郭の小辺を形成する側縁111,115とから形成される。
【0106】
第1の入口オリフィス103における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第1のノズル100の第1の入口オリフィス103の断面は、第1の出口オリフィス105における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第1のノズル100の第1の出口オリフィス105、したがって第1のダクト5の断面以上である。
【0107】
図3及び
図5を参照すると、第1のノズル100の第1の出口オリフィス105における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第1のノズル100の第1の出口オリフィス105、したがって第1のダクト5の断面は、第1のチャネル51の第1の入口開口53における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第1のチャネル51の第1の入口開口53、したがって第1のダクト5の断面よりも小さい。
【0108】
図1を参照すると、第1のセンサ9は、第1のノズル100の第1の出口オリフィス105、したがって第1のダクト5の近傍に配置される。言い換えれば、空気流生成器3によって生成されて第1の出口オリフィス105から出る空気流は、第1のセンサ9に到達することができる。この場合、第1の出口オリフィス105と第1のセンサとの間の距離は約5mmである。距離は、ダクト5の第1の出口オリフィス105の範囲の平面に対して垂直な軸に沿って測定される。図示されない実施形態では、この長さが50mmであってもよい。
【0109】
図1を参照すると、第1のセンサ9は、車両が取り付けられる少なくとも1つのデータ取得システムに接続されるカメラである。第1のセンサ9は、受信及び/又は送信外面10を備える。受信及び/又は送信外面10は、車両の表面、この場合には支持体13から、車両の外部環境に向かって突出する。言い換えれば、受信及び/又は送信光学面10は、支持体13の壁から支持体13の壁の範囲の平面に対して垂直な方向に延びる。
【0110】
第1のセンサ9の受信及び/又は送信外面10は、第1のノズル100の第1の出口オリフィス105の範囲の平面と交差する平面内で展開する。
【0111】
図1に示される例において、第1のセンサ9は、洗浄装置2に起動するように命令するべく構成される。言い換えると、洗浄装置2の動作は、第1のセンサ9に委ねられる。
【0112】
図1を参照すると、洗浄装置2の第2のダクト7は、空気流が第2のセンサ11を通じて出て通り過するために、空気流のための少なくとも1つの第2の入口開口71と、空気流のための少なくとも1つの第2の出口オリフィス155とを有する。第2のダクト7は、第1のダクト5よりも短い長さ、すなわち250mm未満の長さを有する。長さは、第2のダクト7の第2の入口開口73と第2のダクト7の第2の出口オリフィス155との間で延びる空気流の流れライン沿って測定される。
【0113】
図1、
図3及び
図4を参照すると、第2のダクト7は、第2の入口開口73を第2の出口開口75に接続する第2のチャネル71と、空気流のための第2の入口オリフィス153を空気流のための第2の出口オリフィス155に接続する第2のノズル150とを備える。
【0114】
第2の入口開口73と第2の出口開口75との間で、第2のチャネル71は、第2のチャネル71内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で見たときに湾曲した形状を有する。湾曲は、10mm~100mmの曲率半径を有し、曲率半径は、第2のチャネル71内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で測定される。
【0115】
第2のチャネル71は、第2の入口開口73から第2の出口開口75まで減少する内部断面を有し、内部断面は、第2のチャネル71内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。第2のチャネル71の内部断面は、第2のチャネル71内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第2のチャネル71の中空部分の断面に対応する。第2のチャネル71の内部断面は、連続的に減少する。図示されない実施形態では、第2のチャネル71の内部断面が徐々に減少する。
【0116】
第2のチャネル71は、空気流のための第2の入口開口73を空気流のための第2の出口開口75に接続する壁77を備える。壁77は、滑らかな内面78を有する。言い換えると、第2のチャネル71の内面78には凹凸がない。第2のチャネル51の内面78は鋭い縁角を有さず、それによって圧力降下を制限することも可能にする。
【0117】
第2のチャネル71、したがって第2のダクト7の第2の入口開口73は、第2の入口開口53における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で展開する。第2の入口開口53は、第2の入口開口73における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときに、角が丸い長方形の輪郭を有する。第2の入口開口71における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第2の入口開口73の断面は、排出オリフィス29における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの排出オリフィス29の断面以下である。これにより、第2のチャネル71、したがって第2のダクト7は、第1の排出オリフィス29における空気流生成器3に挿入することができる。図示されない実施形態において、排出オリフィス29は、サードパーティコンポーネントを介して第2の入口開口73に取り付けられる。
【0118】
第2のチャネル71の第2の出口開口75は、第2の出口開口75における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で延在する。第2の出口開口75の範囲の平面は、第2の入口開口73の範囲の平面と交差する。
【0119】
第2の出口開口75は、第2の出口開口75における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときに、角が丸い長方形の輪郭を有する。第2の入口開口73における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第2のダクト71の第2の入口開口73の断面は、第2の出口開口75における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第2の出口開口75の断面以上である。
【0120】
図3を参照すると、第2のチャネル71は第2のスリーブ79を備え、第2のスリーブ79は、第1のチャネル71の第2の出口開口75の輪郭から第2のノズル150まで、第2のスリーブ79における空気流の全体的な流れ方向と平行な方向に延びる。第2のスリーブ79は、第2のチャネル71と一体に形成される。
【0121】
第2のスリーブ79は、第2のノズル150を少なくとも部分的に受けるためのハウジング89を共に画定する4つの実質的に平坦なセクション81、83、85、87から形成される。より具体的には、セクション81、83、85、87は、縁角91で交わる。セクション81,83,85,87は共に直方体を形成する。セクション81、83、85、87は、第2のスリーブ79における空気流の全体的な流れ方向において同じ寸法を有する。したがって、第2のスリーブ79は、第2のノズル150が第2のチャネル71に保持されるようにする。更に、第2のスリーブ79は、第2のチャネル71の第2の出口開口75と第2のノズル150の第2の入口オリフィス153との間の空気連通を可能にする。
【0122】
図1、
図3及び
図4を参照すると、第1のダクト5及び第2のダクト7は、共通の入口部分91を共有するように構成される。この共通の入口部分91は、空気流生成器3からくる空気流のための入口通路を備える。空気流のための入口通路は、第1の入口開口53と第2の入口開口73とによって形成され、これらの入口開口間に分離はない。更に、共通部分91は、第1のチャネル51の一部と第2の入口チャネルの一部とによって形成され、その間に距離間隔はない。したがって、空気流生成器3によって生成される空気流は、最初に共通部分91を通じて流れ、その後、その第1の出口オリフィス105を介して第1のダクト5によって、及びその第2の出口オリフィス155を介して第2のダクト7によって各センサ上に特に導かれる。
【0123】
図示されない実施形態では、第1のダクト5の第1の入口開口53と第2のダクト7の第2の入口開口73とが別個である。適切な場合には、第1の入口開口53及び第2の入口開口73は、空気流生成器3の排出オリフィス29に面するように互いに隣り合って配置される。したがって、排出オリフィス29は、それらのそれぞれの別個の入口開口を介して空気流を2つのダクトに供給する。
【0124】
図1を参照すると、第2のノズル150は、空気流のための第2の入口オリフィス(図示せず)を空気流のための第2の出口オリフィス155に接続する。第2のノズル100は、第2のノズル150の第2の入口オリフィスが第2のチャネル71の第2の出口開口75に面するように、第2のスリーブ79によって第2のチャネル71に保持される。
【0125】
第2の入口オリフィスと第2の出口オリフィス155との間で、第2のノズル150は、第2のノズル150内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で見たときて湾曲した形状を有する。湾曲は、10mm~100mmの曲率半径を有し、曲率半径は、第2のノズル150内の空気流の全体的な流れ方向を含む平面内で測定される。
【0126】
第2のノズル150は、第2の入口オリフィスから第2の出口オリフィス155まで減少する内部断面を有し、内部断面は、第2のノズル150内の空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で測定される。第2のノズル150の内部断面は、第2のノズル150における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの第2のノズル150の中空部分の断面に対応する。第2のノズル150の内部断面は、連続的に減少する。図示されない実施形態では、第2のノズル150の内部断面が徐々に減少する。
【0127】
第2のノズル150は、空気流のための第2の入口オリフィスを空気流のための第2の出口オリフィス155に接続する壁157を備える。第2のノズル150の壁157は、滑らかな内面(見えない)を有している。言い換えると、第2のノズル150の内面は、凹凸を有していない。第2のノズル150の内面は鋭い縁角を有さず、それによって圧力降下を制限することも可能にする。
【0128】
第2のノズル150の第2の入口オリフィスは、第2の入口オリフィスにおける空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で延在する。第2の入口オリフィスは、第2の入口オリフィスにおける空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見て、角が丸い長方形の輪郭を有する。
【0129】
第2のノズル150の第2の出口オリフィス155は、第2の出口オリフィス155における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な範囲の平面内で延在する。第2の出口オリフィス155の範囲の平面は、第2の入口オリフィスの範囲の平面と交差する。
【0130】
図1及び
図4を参照すると、第2のノズル150の第2の出口オリフィス155の範囲の平面は、第2のチャネル71の第2の入口開口73の範囲の平面と交差する。
【0131】
図1を参照すると、第2の出口オリフィス155は、第2の出口オリフィス155における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見て、角が丸い長方形の輪郭を有する。第2の入口オリフィスにおける空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第2のノズル150の第2の入口オリフィスの断面は、第2の出口オリフィス155における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第2のノズル150の第2の出口オリフィス155、したがって第2のダクト7の断面以上である。
【0132】
図1、
図3及び
図4を参照すると、第2のノズル150の第2の出口オリフィス155における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第2のノズル150の第2の出口オリフィス155、したがって第2のダクト7の断面は、第2のチャネル71の第2の出口開口73における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見たときの、第2のチャネル71の第2の入口開口73、したがって第2のダクト7の断面よりも小さい。
【0133】
図1を参照すると、第1のノズル100及び第2のノズル150は異なる形状を有し、したがって同じ形状を有さない。
【0134】
図1を参照すると、第2のセンサ11は、第2のノズル150の第2の出口オリフィス155、したがって第2のダクト7の近傍に配置される。言い換えれば、空気流生成器3によって生成されて第2の出口オリフィス155から出る空気流は、センサ11に到達することができる。この場合、第2の出口オリフィス155と第2のセンサとの間の距離は約5mmである。距離は、ダクト7の第2の出口オリフィス155の範囲の平面に対して垂直な軸に沿って測定される。
【0135】
図1を参照すると、第2のセンサ11は、車両が取り付けられる少なくとも1つのデータ取得システムに接続される雨水検出器である。第2のセンサ11は、受信及び/又は送信外面12を備える。受信及び/又は送信外面12は、車両の表面、この場合は支持体13から車両の外部環境に向かって突出する。言い換えれば、受信及び/又は送信光学面12は、支持体13の壁から、支持体13の壁の範囲の平面に対して垂直な方向に延びる。
【0136】
センサ11の受信及び/又は送信外面12は、第2のノズル150の第2の出口オリフィス155の範囲の平面と交差する平面内で展開する。
【0137】
図示しない例において、第2センサ11は、洗浄装置2に起動するように命令するべく構成されている。
【0138】
図1を参照すると、第1のセンサ9と第2のセンサ11との間の距離は、実質的に350mmに等しい。この距離は、300mm以下、より詳細には250mm以下であることが好ましくなり得る。
【0139】
ここで、洗浄装置の動作方法について説明する。第1のセンサ9、すなわちカメラは、その受信及び/又は送信外面10上の異物を検出すると、車両のデータ取得システムに信号を送信し、次いで、データ取得システムが空気流生成器3を作動させる。空気流生成器は空気流を生成し、空気流は、排出オリフィス29を通じてファンから出た後、第1の入口開口53及び第2の入口開口73を通じて空気流輸送ダクト5、7に入る。ダクト5,7は、空気流をセンサ9,11に導く。空気流は、第1の出口オリフィス105,205,305及び第2の出口オリフィス155を通じてダクト5、7から出る。第1の出口オリフィス105,205,305は、空気流を第1のセンサ9の受信及び/又は送信外面10へと方向付けて第1のセンサ9の受信及び/又は送信外面10上の異物を同伴させることができるようにする。同時に、第2の出口オリフィス155は、空気流を第2のセンサ11の受信及び/又は送信外面12へと方向付けてそこに位置するあらゆる異物を巻同伴させることができるようにする。
【0140】
異物が空気流によって第1のセンサ9の受信及び/又は送信外面10から除去されない場合、データ取得システムは、空気流がより強力になるように空気流生成器3のプロペラの回転速度を増大させることができる。
【0141】
また、洗浄装置2は、車両が停止しているとき又は作動しているときに、操作によって直接作動されてもよい。
【0142】
図6は、第2の実施形態に係る第1のノズルを示す。この第2の実施形態は、出口オリフィスから出る空気流が第1の実施形態におけるよりも第1の出口オリフィスから更に離れたセンサの受信及び/又は送信外面に到達できるようにすることを目的とする。第2の実施形態に係る第1のノズル200は、第1の出口オリフィスを除いて、第1の実施形態に係る第1のノズル100と同一である。同一の要素については、上記の
図1及び
図5の説明を参照する。
【0143】
図6を参照すると、第1の出口オリフィス205は、第2の実施形態に係る第1のノズル200の第1の出口オリフィス205における空気流の全体的な流れ方向に対して垂直な平面内で見て、角が丸い長方形の輪郭を有する。したがって、輪郭は、互いに実質的に平行な2つの長縁213,217と、互いに実質的に平行であって長縁213,217に対して垂直であるとともに第1の出口オリフィス205の輪郭の小辺を形成する側縁211,215とから形成される。
【0144】
第2の実施形態の第1の出口オリフィス205の輪郭の2つの長縁213,217は、第1の実施形態の第1の出口オリフィス105の輪郭の2つの長縁113,117のそれよりも長い長さを有する。第2の実施形態の第1の出口オリフィス205の輪郭の2つの側縁211,215は、第1の実施形態の第1の出口オリフィス105の輪郭の2つの側縁111,115のそれよりも短い長さを有する。第2の実施形態の第1の出口オリフィス205の輪郭の形状は、第1の実施形態の第1の出口オリフィス105の輪郭の形状よりも、センサ9の受信及び/又は送信外面上にわたってより多くの層流を促進させる。したがって、空気流生成器からの空気流は、たとえ受信及び/又は送信外面10が更に離れており且つ空気流が周囲空気に拡散する前であっても、第1のセンサ9の受信及び/又は送信外面10に到達することができる。
【0145】
図7は、第3の実施形態における第1のノズルを示す。この第3の実施形態は、第2の実施形態よりも第1の出口オリフィスから更に離れたセンサの受信及び/又は送信外面を標的とすることを可能にする。第3の実施形態に係る第1のノズル300は、第1の出口オリフィスを除いて、第1の実施形態の第1のノズル100と同一である。
【0146】
図7を参照すると、第1のノズル300は換気グリル309を備える。換気グリル309は、第1のノズル305の第1の出口オリフィス305に配置される。換気グリル309は、格子状に配置されたバー311を備える。換言すれば、換気グリル309は格子である。換気グリル309は、たとえ受信及び/又は送信外面10が更に離れており且つ空気流が周囲空気中に拡散する前であっても、第1のセンサ9の受信及び/又は送信外面10に到達する目的で可能な限り層状の空気流を確保できるようにする。これにより、第1のセンサ9が第1の出口オリフィス305から遠く離れている場合でも、適切な標的化が可能になる。
【0147】
換気グリル309は、第1のノズル300の壁107と一体に形成される。
【0148】
第2のノズル150は、第1のノズル100,200,300の3つの実施形態の特徴のうちの少なくとも1つを採用するように設計されてもよい。例えば、第2のノズル150は、第1のノズル100の第3の実施形態で説明したような換気グリルを組み込むことができる。
【0149】
したがって、洗浄装置2は、必要な動作条件に基づいてシステムの性能を最適化するために、洗浄されるべきセンサの表面の特定の特徴に容易に適合させることができる。これは、行なわれる必要があるのは1つ以上のノズルを適合させることだけであるからである。
【0150】
例えば運転支援モジュールの製造中又は運転支援モジュールを改良するための動作中など、運転支援モジュールで使用されるセンサのタイプに応じて、ノズルを適合させるだけで洗浄装置2を適合させることが可能である。
【0151】
図示されない実施形態において、洗浄装置2は、2つのダクト5、7のうちの少なくとも一方を循環する空気流を加熱するための少なくとも1つの加熱要素を備える。加熱要素は、抵抗体であってもよく、加熱フィルムであってもよい。加熱要素は、2つのダクト5、7の少なくとも一方を通過する空気流の温度を上昇させることができるようにする。
【0152】
図示されない実施形態において、加熱要素は、2つのダクト5、7のうちの少なくとも一方の内側に配置される。加熱要素は、内面及びダクト5、7のチャネル51、71の少なくとも一方の内面58、78、又はダクト5、7のノズル100,150,200,300の少なくとも一方の内面108,158に配置されてもよい。
【0153】
加熱要素と第1の出口オリフィス105,205,305との間の距離は、加熱要素が第1のダクト5の内側に位置される場合、50mm以下、好ましくは10mm以下である。加熱要素と第2の出口オリフィス155との間の距離は、加熱要素が第2のダクト7の内側に位置される場合、50mm以下、好ましくは10mm以下である。
【0154】
無論、本発明は今しがた説明した例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの例に対して多くの変更を行なうことができる。
【国際調査報告】