IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イニファーム,インク.の特許一覧

特表2023-535453キナゾリノンHSD17B13阻害剤とその使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】キナゾリノンHSD17B13阻害剤とその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/88 20060101AFI20230809BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20230809BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230809BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230809BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20230809BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20230809BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
C07D239/88 CSP
A61P3/00
A61P1/16
A61P9/00
A61K31/517
C07D401/12
C07D401/14
C07D403/12
A61K31/519
C07D487/04 143
C07D495/04 105Z
C07D413/06
C07D417/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504746
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2021042999
(87)【国際公開番号】W WO2022020730
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/056,168
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/113,557
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025056
【氏名又は名称】イニファーム,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オディンゴ,ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】アナンダン,サンパース クマル
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ヘザー ケイ ウェブ
(72)【発明者】
【氏名】フローリオ,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】タントリ,スブラマニアム ジャナルダン
(72)【発明者】
【氏名】デュライスワミ,アシサヤマニ ジェヤラージ
(72)【発明者】
【氏名】クップサミィ,バラシィ モーハン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB05
4C050CC08
4C050EE04
4C050FF01
4C050GG03
4C050GG04
4C050HH04
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB02
4C063CC31
4C063CC42
4C063CC47
4C063CC52
4C063CC62
4C063DD12
4C063DD22
4C063DD26
4C063DD31
4C063EE01
4C071AA01
4C071BB01
4C071CC02
4C071CC21
4C071EE13
4C071FF05
4C071GG01
4C071GG03
4C071HH08
4C071HH17
4C071JJ01
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC28
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA75
4C086ZC21
4C086ZC41
(57)【要約】
本明細書には、HSD17B13阻害剤、および当該阻害剤を含む医薬組成物が記載される。本件の化合物と組成物は、NAFLDやNASH、もしくは薬物性肝障害(DILI)などの肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患の処置に有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II):
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、式中、
【化2】
は、
【化3】
であり、
は、NまたはCRX1であり、
X1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX2であり、
X2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX3であり、
X3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRY1であり、
Y1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、S、O、またはNRY2であり、
Y2は、水素、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、
は、水素、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
10は、C-C10アルキル、C-C10ハロアルキル、C-C10ジューテロアルキル、C-C10ヒドロキシアルキル、C-C10アミノアルキル、C-C10ヘテロアルキル、C-C10アルケニル、C-C10アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換され、
10aは、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいは同じ炭素上の2つのR10aは、一体となることでオキソを形成し、
11は、アルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換され、
11aは、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-S(=O)NRC(=O)R、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいは同じ炭素上の2つのR11aは、一体となることでオキソを形成し、
は、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいはRとRは、それらが結合する原子と一体となって、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、
但し、式(II)の化合物が
【化4】
ではないことを前提とする、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項2】
がNである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは立体異性体。
【請求項3】
がCRX1である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項4】
がNである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項5】
がCRX2である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項6】
がNである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項7】
がCRX3である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項8】
がNである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項9】
がCRY1である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項10】
がSである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項11】
がOである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項12】
がNRY2である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項13】
式(II)の化合物が式(IIa):
【化5】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項14】
式(II)の化合物が式(IIb):
【化6】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項15】
式(II)の化合物が式(IIc):
【化7】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項16】
式(II)の化合物が式(IId):
【化8】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項17】
式(II)の化合物が式(IIe):
【化9】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項18】
式(II)の化合物が式(IIf):
【化10】
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項19】
X1が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項20】
X1が水素である、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項21】
X2が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項22】
X2が水素である、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項23】
X3が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項24】
X3が水素である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項25】
がSである、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項26】
がNRY2である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項27】
Y1が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである、請求項1から26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項28】
Y1が、水素またはC-Cアルキルである、請求項1から27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項29】
Y1が水素である、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項30】
Y2が、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである、請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項31】
Y2が、水素またはC-Cアルキルである、請求項1から30のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項32】
が水素である、請求項1から31のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項33】
が水素である、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項34】
10が、C-C10アルキル、C-C10ハロアルキル、C-C10ジューテロアルキル、C-C10ヒドロキシアルキル、C-C10アミノアルキル、C-C10ヘテロアルキル、C-C10アルケニル、またはC-C10アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項35】
10が、1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換されるC-C10アルキルである、請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項36】
10が、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールが、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される、請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項37】
10が、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アリール、およびヘテロアリールが、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される、請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項38】
10がC-C10アルキル(アリール)であり、アルキルとアリールが、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される、請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項39】
10aが、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cジューテロアルキルである、請求項1から38のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項40】
10aが、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである、請求項1から39のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項41】
10aが、それぞれ独立して、ハロゲン、-OR、またはC-Cアルキルである、請求項1から40のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項42】
10aがそれぞれ独立して-ORである、請求項1から41のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項43】
11が、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、またはC-Cアルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項44】
11が、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールが、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項45】
11が、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アリール、およびヘテロアリールが、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項46】
11が、1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換されるアリールである、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項47】
11が、C-C10アルキル(アリール)またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アリール、およびヘテロアリールが、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項48】
11aが、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cジューテロアルキルである、請求項1から47のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項49】
11aが、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである、請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項50】
11aが、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、またはC-Cアルキルである、請求項1から49のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項51】
11aが、それぞれ独立してハロゲンまたは-OHである、請求項1から50のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項52】
表1に見られる化合物から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項53】
請求項1から52のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体と、薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項54】
疾患の処置を必要とする対象の疾患を処置する方法であって、請求項1から52のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、あるいは請求項53に記載の医薬組成物を薬学的有効量で投与する工程を含む方法。
【請求項55】
前記疾患が、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記疾患がNAFLDである、請求項54または55に記載の方法。
【請求項57】
前記疾患がNASHである、請求項54または55に記載の方法。
【請求項58】
前記疾患が薬物性肝障害(DILI)である、請求項54または55に記載の方法。
【請求項59】
前記疾患がHSD17B13に関連する、請求項54または55に記載の方法。
【請求項60】
前記疾患がアルコール性肝疾患である、請求項54または55に記載の方法。
【請求項61】
前記疾患が肝硬変である、請求項54または55に記載の方法。
【請求項62】
前記疾患が非代償性門脈圧亢進症である、請求項54または55に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2020年7月24日出願の米国仮特許出願第63/056,168号、および2020年11月13日出願の米国仮特許出願第63/113,557号に基づく利益を主張し、これらはそれぞれ全体を参照することで本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を含む非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、メタボリック症候群の肝臓表現型(hepatic manifestations)とみなされており、過剰なアルコール摂取の既往歴のない患者の肝臓にトリグリセリドが蓄積することを特徴とする。NAFLD患者の大多数は肥満または病的肥満であり、インスリン抵抗性が付随する。NAFLD/NASHの出現は、肥満症の蔓延増加に伴い世界中で急速に増えつつあり、現在では最もよくみられる慢性肝炎である。
【0003】
NAFLDは、脂肪肝のみが観察される単純な脂肪過多症、および肝細胞の小葉内炎症と気球状変性が脂肪肝とともに観察されるNASHに分類される。NASHを患うNAFLD患者の割合は依然として明らかではないが、20~40%となる場合がある。NASHは進行性疾患であり、肝硬変や肝細胞癌を生じさせるおそれがある。NASH患者の20パーセントが肝硬変を発症すると報告され、NASH肝硬変患者の30~40%が肝臓関連で死亡する。近年では、NASHは米国で第3位の肝移植適応症となっている。現在、NAFLD/NASHの主な処置は、食事と運動による生活様式の改善である。しかし、NAFLDを患う肥満患者は生活様式の改善を維持するのに苦労することが多いため、医薬による治療が不可欠である。
【0004】
17β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD17B)は15員の大型ファミリーであり、その一部は性ホルモン代謝に関与する。一部のHSD17B酵素は、コレステロール代謝と脂肪酸代謝でも重要な役割を果たす。近年の試験では、未知の生体機能を有する酵素であるヒドロキシステロイド17β-デヒドロゲナーゼ13(HSD17B13)が、マウスおよびヒトに対する新規な肝臓特異的脂質滴(LD)関連タンパク質であることが示されている。HSD17B13の発現は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者およびマウスにおいて顕著にアップレギュレートされる。HSD17B13が肝臓で過剰発現されると、肝臓での脂質蓄積が促進される。HSD17B13はさらに、アルコール性肝臓疾患(ALD)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)(例えば、脂肪過多症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、NASH線維症、肝硬変)、脂肪性肝炎、肝臓癌などの慢性肝炎のバイオマーカーとなる可能性もある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、HSD17B13の発現または活性を減少させることを必要とする対象のHSD17B13の発現または活性を減少させるのに有用な方法、化合物、および組成物を提供する。また本明細書には、HSD17B13に関連する疾患または疾病の罹患率を下げることを必要とする対象のHSD17B13に関連する疾患または疾病の罹患率を下げるのに有用な可能性のある方法、化合物、およびHSD17B13特異的阻害剤を含む組成物を提供する。このような方法、化合物、および組成物は、例えば、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患を処置、予防、遅延、または軽快するのに有用な可能性がある。
【0006】
本明細書には、式(II):
【0007】
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、式中、
【0008】
【化2】
は、
【0009】
【化3】
であり、
は、NまたはCRX1であり、
X1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX2であり、
X2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX3であり、
X3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRY1であり、
Y1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、S、O、またはNRY2であり、
Y2は、水素、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、
は、水素、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
10は、C-C10アルキル、C-C10ハロアルキル、C-C10ジューテロアルキル、C-C10ヒドロキシアルキル、C-C10アミノアルキル、C-C10ヘテロアルキル、C-C10アルケニル、C-C10アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換され、
10aは、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいは同じ炭素上の2つのR10aは、一体となることでオキソを形成し、
11は、アルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換され、
11aは、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-S(=O)NRC(=O)R、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいは同じ炭素上の2つのR11aは、一体となることでオキソを形成し、
は、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいはRとRは、それらが結合する原子と一体となって、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、
但し、式(II)の化合物が
【0010】
【化4】
ではないことを前提とする、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が、開示される。
【0011】
また本明細書には、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が、開示される。
【0012】
また本明細書には、疾患の処置を必要とする対象の疾患を処置する方法であって、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体、あるいは本明細書に開示される医薬組成物を、薬学的有効量で投与する工程を含む方法が、開示される。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患は、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患である。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患はNAFLDである。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患はNASHである。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患は、薬物性肝損傷(drug induced liver injury:DILI)である。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患はHSD17B13に関連する。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患はアルコール性肝疾患である。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患は肝硬変である。疾患を処置する方法のいくつかの実施形態では、疾患は非代償性門脈圧亢進症である。
【0013】
参照による引用
本明細書で言及される刊行物、特許、および特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により援用されるように具体的かつ個々に示されるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に援用される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
以下の記載では、様々な実施形態の完全な理解をもたらすために、ある特定の詳細が記述される。しかし、当業者は、これらの詳細なしに本発明が実施される場合があることを理解する。他の例では、実施形態の記載を不必要に不鮮明にすることを避けるべく、周知の構造は詳細に示すことも記載することもされていない。前後関係からの要求がない限り、本明細書と後述する特許請求の範囲全体にわたり、「含む(comprise)」およびその変形(「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」など)の語は、開放的で包括的な意味、つまり、「含むが、限定されない(including,but not limited)」として解釈されることになる。さらに、本明細書で提供される見出しは便宜性のためだけのものであり、請求された発明の範囲または意味を解釈するものではない。
【0015】
「いくつかの実施形態」または「一実施形態」に対する本明細書全体での言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、本明細書全体にわたる様々な場所での「一実施形態では(in one embodiment)」または「一実施形態では(in an embodiment)」という句が現れることは、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合わされてよい。また、本明細書と添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、前後関係から明らかでない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、概して内容に明らかな指定のない限り、「および/または」を含む意味で利用されることにも留意されたい。
【0016】
以下の用語は、本明細書で使用するとき、別段の定めのない限り以下の意味を有する。
【0017】
「オキソ」は、=Oを指す。
【0018】
「カルボキシル」は、-COOHを指す。
【0019】
「アルキル」は、1~約10個の炭素原子、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素モノラジカルを指す。例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-3-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-メチル-1-ペンチル、3-メチル-1-ペンチル、4-メチル-1-ペンチル、2-メチル-2-ペンチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル、2,2-ジメチル-1-ブチル、3,3-ジメチル-1-ブチル、2-エチル-1-ブチル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-アミル、ヘキシル、ヘプチルやオクチルなどの長いアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない。「C-Cアルキル」や「C1-6アルキル」などの数的範囲は、本明細書で現れる場合は常に、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなる場合があることを意味するが、数的範囲の指定がない場合、本定義は用語「アルキル」の出現も包含する。いくつかの実施形態では、アルキルは、C1-10アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、C1-5アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、C1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、C1-3アルキルである。本明細書中に別段の定めのない限り、アルキル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、アルキルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキルはハロゲンにより任意選択で置換される。
【0020】
「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素炭素二重結合と、2~約10個の炭素原子、より好ましくは2~約6個の炭素原子とを有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素モノラジカルを指す。基は、二重結合ではシス配置またはトランス配置のいずれかにあってよく、両異性体を含むものと理解されたい。例として、エテニル(-CH=CH)、1-プロペニル(-CHCH=CH)、イソプロペニル[-C(CH)=-CH]、ブテニル、1,3-ブタジエニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。「C-Cアルケニル」や「C2-6アルケニル」などの数値範囲は、本明細書で現れる場合は常に、アルケニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなる場合があることを意味するが、数値範囲の指定がない場合、本定義は用語「アルケニル」の出現も包含する。本明細書中に別段の定めのない限り、アルケニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、アルケニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、-COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルケニルは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0021】
「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素炭素三重結合と、2~約10個の炭素原子、より好ましくは2~約6個の炭素原子とを有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素モノラジカルを指す。例として、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、1,3-ブタジイニルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「C-Cアルキニル」や「C2-6アルキニル」などの数値範囲は、本明細書で現れる場合は常に、アルキニル基が、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子、または6個の炭素原子からなる場合があることを意味するが、数値範囲の指定がない場合、本定義は用語「アルキニル」の出現も包含する。本明細書中に別段の定めのない限り、アルキニル基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、アルキニルは、オキソ、ハロゲン、-CN、COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキニルは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0022】
「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の二価炭化水素鎖を表す。本明細書中に別段の定めのない限り、アルキレン基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、アルキレンは、オキソ、ハロゲン、-CN、COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルキレンは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0023】
「アルコキシ」は、Rが定義されるとおりのアルキルラジカルである式-ORのラジカルを指す。本明細書中に別段の定めのない限り、アルコキシ基は、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲン、-CN、COOH、-COOMe、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲン、-CN、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アルコキシは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0024】
「アリール」は、6~30個の炭素原子と少なくとも1個の芳香環を含む、炭化水素環系由来のラジカルを指す。アリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系の場合があり、これは、縮合環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの環とともに縮合されると、アリールは芳香環原子を介して結合する)または架橋環系を含む場合がある。いくつかの実施形態では、アリールは、6~10員アリールである。いくつかの実施形態では、アリールは、6員アリール(フェニル)である。アリールラジカルとして、アントリレン、ナフチレン、フェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、トリフェニレンの炭化水素環系由来のアリールラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に別段の定めのない限り、アリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、COOH、-COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、アリールは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0025】
「シクロアルキル」は、部分的もしくは完全に飽和した単環式または多環式の環状炭素を指し、この環状炭素は、縮合環系(アリールまたはヘテロアリール環と縮合されると、シクロアルキルは非芳香環原子を介して結合される)または架橋環系を含む場合がある。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは完全に飽和している。代表的なシクロアルキルとして、3~15個の炭素原子(C-C15シクロアルキルまたはC-C15シクロアルケニル)、3~10個の炭素原子(C-C10シクロアルキルまたはC-C10シクロアルケニル)、3~8個の炭素原子(C-CシクロアルキルまたはC-Cシクロアルケニル)、3~6個の炭素原子(C-CシクロアルキルまたはC-Cシクロアルケニル)、3~5個の炭素原子(C-CシクロアルキルまたはC-Cシクロアルケニル)、または3~4個の炭素原子(C-CシクロアルキルまたはC-Cシクロアルケニル)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3~10員シクロアルキルまたは3~10員シクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、3~6員シクロアルキルまたは3~6員シクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、5~6員シクロアルキルまたは5~6員シクロアルケニルである。単環式シクロアルキルとして、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。多環式シクロアルキルとして、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル(decalinyl)、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、シス-デカリン、トランス-デカリン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、およびビシクロ[3.3.2]デカン、ならびに7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。部分的に飽和したシクロアルキルとして、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。本明細書中に別段の定めのない限り、シクロアルキルは、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、COOH、-COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、-OMe、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0026】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードを指す。いくつかの実施形態では、ハロゲンは、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはフルオロである。
【0027】
「ハロアルキル」は、上記で定義される1つまたは複数のハロラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、1,2-ジブロモエチルなどにより置換される、上記で定義されるアルキルラジカルを指す。
【0028】
「ヒドロキシアルキル」は、1つまたは複数のヒドロキシルにより置換される、上記に定義されるアルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つのヒドロキシルで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1、2、または3つのヒドロキシルで置換される。ヒドロキシアルキルとして、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、またはヒドロキシペンチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシメチルである。
【0029】
「アミノアルキル」は、1つまたは複数のアミンにより置換される、上記に定義されるアルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つのアミンで置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1、2、または3つのアミンで置換される。アミノアルキルとして、例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピル、アミノブチル、またはアミノペンチルが挙げられる。いくつかの実施形態では、アミノアルキルは、アミノメチルである。
【0030】
「ジューテロアルキル」は、1つまたは複数の重水素により置換される、上記に定義されるアルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキルは、1つの重水素で置換さる。いくつかの実施形態では、アルキルは、1、2、または3つの重水素で置換される。いくつかの実施形態では、アルキルは、1、2、3、4、5、または6つの重水素で置換される。ジューテロアルキルとして、例えば、CD、CHD、CHD、CHCD、CDCD、CHDCD、CHCHD、CHCHDが挙げられる。いくつかの実施形態では、ジューテロアルキルは、CDである。
【0031】
「ヘテロシクロアルキル」は、2~23個の炭素原子と、窒素、酸素、リン、および硫黄からなる群から選択される1~8個のヘテロ原子とを含む、部分的または完全に飽和した3~24員の環ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは完全に飽和している。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、窒素および酸素からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1~3個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1または2個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、1個の窒素と1個の酸素を含む。本明細書で別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系の場合があり、この環系は、縮合環系(アリールまたはヘテロアリール環と縮合されると、ヘテロシクロアルキルは非芳香環原子を介して結合される)または架橋環系を含む場合があり、ヘテロシクロアルキルラジカル中の窒素、炭素、または硫黄の原子は、任意選択で酸化される場合があり、窒素原子は任意選択で四級化される場合がある。代表的なヘテロシクロアルキルとして、2~15個の炭素原子(C-C15ヘテロシクロアルキルまたはC-C15ヘテロシクロアルケニル)、2~10個の炭素原子(C-C10ヘテロシクロアルキルまたはC-C10ヘテロシクロアルケニル)、2~8個の炭素原子(C-CヘテロシクロアルキルまたはC-Cヘテロシクロアルケニル)、2~7個の炭素原子(C-C7ヘテロシクロアルキルまたはC-C7ヘテロシクロアルケニル)、2~6個の炭素原子(C-CヘテロシクロアルキルまたはC-C7ヘテロシクロアルケニル)、2~5個の炭素原子(C-CヘテロシクロアルキルまたはC-Cヘテロシクロアルケニル)、または2~4個の炭素原子(C-CヘテロシクロアルキルまたはC-Cヘテロシクロアルケニル)を有するヘテロシクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。かかるヘテロシクロアルキルラジカルの例として、アジリジニル、アゼチジニル、オキセタニル、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル(piperidonyl)、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル(thiamorpholinyl)、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、3-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-1-イル、メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イル、2-オキソ-1,3-ジオキソール-4-イルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。「ヘテロシクロアルキル」という用語として、単糖類、二糖類、オリゴ糖を含むがこれらに限定されない炭水化物の環状形態すべても挙げられる。他に明記されない限り、ヘテロシクロアルキルは、環に2~10個の炭素を有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子数は、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子数を表すとき、ヘテロシクロアルキルを構築する原子(ヘテロ原子を含む)(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)の総数と同じでないことが理解される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~8員ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~7員ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~6員ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、4~6員ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、5~6員ヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~8員ヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~7員ヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、3~6員ヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、4~6員ヘテロシクロアルケニルである。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、5~6員ヘテロシクロアルケニルである。本明細書中に別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルは、後述のように、例えば、オキソ、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、オキソ、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、COOH、-COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキルは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0032】
「ヘテロアリール」は、1~13個の炭素原子と、窒素、酸素、リン、および硫黄から成る群から選択される1~6個のヘテロ原子と、少なくとも1つの芳香環とを含む5~14員環の環系ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、窒素および酸素からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1~3個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1または2個の窒素を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、1個の窒素を含む。ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、または四環式の環系の場合があり、これは、縮合環系(シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルの環と縮合されると、ヘテロアリールは芳香環原子を介して結合する)または架橋環系を含む場合があり、ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素、または硫黄の原子は、任意選択で酸化される場合があり、窒素原子は任意選択で四級化される場合がある。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5~10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、5~6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは5員ヘテロアリールである。例として、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1-オキシドピリジニル、1-オキシドピリミジニル、1-オキシドピラジニル、1-オキシドピリダジニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に別段の定めのない限り、ヘテロアリールは、例えば、ハロゲン、アミノ、ニトリル、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、カルボキシル、カルボキシレート、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールなどにより任意選択で置換される場合がある。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、メチル、エチル、-CN、COOH、-COOMe、-CF、-OH、-OMe、-NH、または-NOにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲン、メチル、エチル、-CN、-CF、-OH、または-OMeにより任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールは、ハロゲンにより任意選択で置換される。
【0033】
「任意選択の」または「任意選択で」という用語は、後に記載される事象または状況が生じることもあれば、生じないこともあること、および、この記載が、前述の事象または状況が生じる例と、それらが生じない例とを含んでいることを意味する。例えば、「任意選択で置換したアルキル」は、上記で定義されるような「アルキル」または「置換したアルキル」を意味する。さらに、任意選択で置換した基は、置換されていない(例えば、-CHCH)か、完全に置換される(例えば、-CFCF)か、単置換である(例えば、-CHCHF)か、または完全な置換と単置換との間のいずれかにあるレベルで置換される(例えば、-CHCHF、-CHCF、-CFCH、-CFHCHFなど)場合がある。1つまたは複数の置換基を含有するいずれかの基に関して、このような基は、立体的に非実用的な、および/または合成的に実行不可能ないずれかの置換もしくは置換パターン(例えば、置換されたアルキルは、任意選択で置換されたシクロアルキル基を含み、このシクロアルキル基は、任意選択で置換されたアルキル基を無限に含む可能性があるものとして定義される)を導入することを意図していないことが、当業者により理解されるであろう。ゆえに、記載される任意の置換基は通常、約1,000ダルトン、より典型的には最大約500ダルトンの最大分子量を有していると理解されたい。
【0034】
「有効量」または「治療有効量」は、単一用量、または一連の用量の一部として、哺乳動物対象に投与される化合物の量を指し、この量は所望の治療効果をもたらすのに有効である。
【0035】
個体(例えばヒトなどの哺乳動物)または細胞の「処置」は、個体または細胞の自然経過を変えようとする際に使用される、あらゆる種類の介入である。いくつかの実施形態では、処置は、病理学的事象の開始後または原因微生物との接触後の医薬組成物の投与を含み、かつ、疾病(例えば、疾病は悪化しない)の安定化または疾病の緩和を含む。他の実施形態では、処置はまた、予防処置(例えば、個体が肝疾患、例えばNAFLDを患っている疑いがあるときの、本明細書に記載の組成物の投与)を含む。
【0036】
「相乗作用」または「相乗作用する」は、同じ用量における各成分の効果の相加より大きい、組合せの効果を指す。
【0037】
「HSD17B13」は、ヒドロキシステロイド17-βデヒドロゲナーゼ13を意味し、HSD17B13の核酸を指す。例えば、いくつかの実施形態では、HSD17B13は、HSD17B13をコードするDNA配列、HSD17B13をコードするDNAから転写されるRNA配列(イントロンおよびエクソンを含むゲノムDNAを備える)を含む。HSD17B13はまた、DNA配列および/またはRNA配列によりコードされる、HSD17B13のアミノ酸配列を指す可能性もある(タンパク質分子の2次構造または3次構造を含む場合がある)。この標的は、上位または下位のいずれかの場合において言及される場合がある。
【0038】
化合物
本明細書には、肝疾患の処置に有用な、式(I)および式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が記載される。いくつかの実施形態では、肝疾患はNAFLDである。
【0039】
本明細書には、式(I):
【0040】
【化5】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、式中、
【0041】
【化6】
は、
【0042】
【化7】
であり、
は、NまたはCRX1であり、
X1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX2であり、
X2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX3であり、
X3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRY1であり、
Y1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、S、O、またはNRY2であり、
Y2は、水素、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、
は、水素、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
Lは、-(CR-であり、
とRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
pは、0~4であり、
環Bは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
nは、1~4であり、
環Cは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
mは1~4であり、
は、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいはRとRは、それらが結合する原子と一体となって、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換されるヘテロシクロアルキルを形成する、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が、開示される。
【0043】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、
【0044】
【化8】
は、
【0045】
【化9】
である。
【0046】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRX1である。
【0047】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRX2である。
【0048】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRX3である。
【0049】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、
【0050】
【化10】
は、
【0051】
【化11】
である。
【0052】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはNである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはCRY1である。
【0053】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはSである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはOである。式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはNRY2である。
【0054】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ia):
【0055】
【化12】
の化合物である。
【0056】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ib):
【0057】
【化13】
の化合物である。
【0058】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ic):
【0059】
【化14】
の化合物である。
【0060】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Id):
【0061】
【化15】
の化合物である。
【0062】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(Ie):
【0063】
【化16】
の化合物である。
【0064】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(If):
【0065】
【化17】
の化合物である。
【0066】
式(I)、(Ia)、(Ic)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ic)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ic)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ic)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ic)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は水素である。
【0067】
式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Id)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は水素である。
【0068】
式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Ic)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Ic)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Ic)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Ic)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(I)、(Ia)、(Ib)、もしくは(Ic)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は水素である。
【0069】
式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはOである。式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはSである。式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはNRY2である。
【0070】
式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(I)もしくは(Ie)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は水素である。
【0071】
式(I)、(Ie)、もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(I)、(Ie)、もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2は、水素またはC-Cアルキルである。式(I)、(Ie)、もしくは(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2は水素である。式(I)、(Ie)、もしくは(If)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2はC-Cアルキルである。
【0072】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ハロゲン、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0073】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0074】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは、0~2である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは、1または2である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは2である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは1である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、pは0である。
【0075】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素またはハロゲンである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ水素である。
【0076】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Bは、アリールまたはヘテロアリールである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Bは、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Bはアリールである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Bはヘテロアリールである。
【0077】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cジューテロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OR、またはC-Cアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して-ORである。
【0078】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは2である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは1である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、nは、1または2である。
【0079】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Cは、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Cは、アリールまたはヘテロアリールである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Cはアリールである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、環Cはヘテロアリールである。
【0080】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cジューテロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、またはC-Cアルキルである。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立してハロゲンまたは-OHである。
【0081】
式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、mは、1または2である。式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、mは1である。 式(I)もしくは式(Ia)~(If)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、mは2である。
【0082】
また本明細書には、式(II):
【0083】
【化18】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体であって、式中、
【0084】
【化19】
は、
【0085】
【化20】
であり、
は、NまたはCRX1であり、
X1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX2であり、
X2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRX3であり、
X3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、NまたはCRY1であり、
Y1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、S、O、またはNRY2であり、
Y2は、水素、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり、
は、水素、-S(=O)R、-S(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
10は、C-C10アルキル、C-C10ハロアルキル、C-C10ジューテロアルキル、C-C10ヒドロキシアルキル、C-C10アミノアルキル、C-C10ヘテロアルキル、C-C10アルケニル、C-C10アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換され、
10aは、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいは同じ炭素上の2つのR10aは、一体となることでオキソを形成し、
11は、アルキル、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換され、
11aは、それぞれ独立して、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-SH、-SR、-S(=O)R、-S(=O)、-NO、-NR、-NHS(=O)、-S(=O)NR、-S(=O)NRC(=O)R、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいは同じ炭素上の2つのR11aは、一体となることでオキソを形成し、
は、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
は、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
とRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-Cアルキル(シクロアルキル)、C-Cアルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-Cアルキル(アリール)、またはC-Cアルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、それぞれ独立して、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換され、
あるいはRとRは、それらが結合する原子と一体となって、1、2、もしくは3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換されるヘテロシクロアルキルを形成し、
但し、式(II)の化合物が
【0086】
【化21】
ではないことを前提とする、
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が、開示される。
【0087】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、
【0088】
【化22】
は、
【0089】
【化23】
である。
【0090】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRX1である。
【0091】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRX2である。
【0092】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはNである。式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、あるいは立体異性体のいくつかの実施形態では、XはCRX3である。
【0093】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、
【0094】
【化24】
は、
【0095】
【化25】
である。
【0096】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはNである。式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはCRY1である。
【0097】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはSである。式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはOである。式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはNRY2である。
【0098】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIa):
【0099】
【化26】
の化合物である。
【0100】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIb):
【0101】
【化27】
の化合物である。
【0102】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIc):
【0103】
【化28】
の化合物である。
【0104】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IId):
【0105】
【化29】
の化合物である。
【0106】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIe):
【0107】
【化30】
の化合物である。
【0108】
式(II)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、化合物は、式(IIf):
【0109】
【化31】
の化合物である。
【0110】
式(II)、(IIa)、(IIc)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIc)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIc)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIc)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIc)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX1は水素である。
【0111】
式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IId)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX2は水素である。
【0112】
式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IIc)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IIc)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IIc)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IIc)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(II)、(IIa)、(IIb)、もしくは(IIc)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RX3は水素である。
【0113】
式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはOである。式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはSである。式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、YはNRY2である。
【0114】
式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、またはシクロアルキルである。式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、重水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は、水素、ハロゲン、またはC-Cアルキルである。式(II)もしくは(IIe)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY1は水素である。
【0115】
式(II)、(IIe)、もしくは(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2は、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、またはC-Cヒドロキシアルキルである。式(II)、(IIe)、もしくは(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2は、水素またはC-Cアルキルである。式(II)、(IIe)、もしくは(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2は水素である。式(II)、(IIe)、もしくは(IIf)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体のいくつかの実施形態では、RY2はC-Cアルキルである。
【0116】
式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、重水素、ハロゲン、またはC-Cハロアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0117】
式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、水素またはC-Cアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RはC-Cアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0118】
式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10は、C-C10アルキル、C-C10ハロアルキル、C-C10ジューテロアルキル、C-C10ヒドロキシアルキル、C-C10アミノアルキル、C-C10ヘテロアルキル、C-C10アルケニル、またはC-C10アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10は、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10は、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10はC-C10アルキル(アリール)であり、アルキルとアリールは、独立して1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10はC-C10アルキル(アリール)であり、アリールは、1、2、または3つのR10aにより任意選択で置換される。
【0119】
式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cジューテロアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OR、またはC-Cアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R10aは、それぞれ独立して-ORである。
【0120】
式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11は、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、C-Cアルケニル、またはC-Cアルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(シクロアルキル)、C-C10アルキル(ヘテロシクロアルキル)、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11は、アリール、ヘテロアリール、C-C10アルキル(アリール)、またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11は、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換されたアリールである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11は、C-C10アルキル(アリール)またはC-C10アルキル(ヘテロアリール)であり、アルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して1、2、または3つのR11aにより任意選択で置換される。
【0121】
式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-OP(=O)OH、-NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-C-(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルであり、アルキルは、独立して、1、2、もしくは3つの重水素、オキソ、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、-S(=O)Me、-S(=O)Me、-NH、-S(=O)NH、-C(=O)Me、-C(=O)OH、-C(=O)OMe、C-Cアルキル、C-Cジューテロアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、またはC-Cアミノアルキルにより任意選択で置換される。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、-NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NR、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはC-Cジューテロアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、またはC-Cアルキルである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立してハロゲンまたは-OHである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aは、それぞれ独立してアリールまたはヘテロアリールである。式(II)もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、R11aはそれぞれ独立してヘテロアリールである。
【0122】
式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、C-CアルキルまたはC-Cハロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立してC-Cアルキルである。
【0123】
式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rはそれぞれ水素である。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、Rは、それぞれ独立してC-Cアルキルである。
【0124】
式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、C-Cアミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cハロアルキル、またはシクロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それぞれ独立して、水素またはC-Cアルキルである。式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRはそれぞれ水素である。
【0125】
式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体のいくつかの実施形態では、RとRは、それらが結合される原子と一体となることで、1、2、もしくは3つのハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cハロアルキルにより任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0126】
様々な変形における上述の基のあらゆる組合せも、本明細書で企図されている。本明細書全体にわたり、基とその置換基は、安定した部分と化合物を提供するために当業者により選択される。
【0127】
本明細書には、表1の化合物から選択される、式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が記載される。
【0128】
【表1-1】
【0129】
【表1-2】
【0130】
【表1-3】
【0131】
【表1-4】
【0132】
【表1-5】
【0133】
【表1-6】
【0134】
【表1-7】
【0135】
【表1-8】
【0136】
【表1-9】
【0137】
本明細書には、表1aの化合物から選択される、式(I)、式(Ia)~(If)、式(II)、もしくは式(IIa)~(IIf)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体が記載される。
【0138】
【表2-1】
【0139】
【表2-2】
【0140】
本明細書に開示される化合物のさらなる形態
異性体/立体異性体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、幾何異性体として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の二重結合を有する。本明細書に示される化合物は、シス、トランス、シン、アンチ、エントゲーゲン(E)、およびツザメン(Z)の異性体のほか、それらの対応する混合物すべてを含む。状況によっては、本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数のキラル中心を有し、各中心はR配置またはS配置に存在する。本明細書に記載の化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマーの形態のほか、それらの対応する混合物すべてを含む。本明細書に提供される化合物と方法の追加の実施形態では、単一の調製工程、組合せ、もしくは相互変換から結果として得られるエナンチオマーおよび/またはジアステレオ異性体の混合物は、本明細書に記載される用途に有用である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分解剤と反応させて一対のジアステレオ異性体化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、化合物の個々の立体異性体として調製される。いくつかの実施形態では、分離可能な複合体が好ましい。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、別個の物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、これら相違点を利用することにより分離される。いくつかの実施形態では、ジアステレオマーは、キラルクロマトグラフィー、または好ましくは、溶解度の相違に基づく分離/分解技法により分離される。いくつかの実施形態では、光学的に純粋なエナンチオマーは、ラセミ化を生じないいずれかの実用的な手段により、分解剤とともに回収される。
【0141】
標識化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、同位体標識された形態で存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、このような同位体標識された化合物の投与により疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、このような同位体標識された化合物を医薬組成物として投与することにより疾患を処置する方法を含む。ゆえに、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物は同位標識された化合物を含み、この化合物は、1つまたは複数の原子が、通常自然に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられること以外、本明細書に列記されるものと同一である。本明細書に開示される化合物に組み込むことができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、亜リン酸、硫黄、フッ素、およびクロリドの同位体が挙げられ、それぞれH、H、13C、14C、l5N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clなどである。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本明細書に記載の化合物、ならびにその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、または立体異性体は、本発明の範囲内にある。特定の同位体標識された化合物、例えばHや14Cなどの放射性同位体が取り込まれる化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(すなわちH)および炭素-14(すなわち14C)同位体は、調製および検出が容易なため特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHなどの重同位体での置換により、より大きな代謝安定性から結果として生じる特定の治療上の利点、例えば、in vivoでの半減期の増加または必要用量の減少がもたらされる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、発色団または蛍光部分、生物発光標識、化学発光標識の使用を含むがこれらに限定されない他の手段により標識される。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の標識化合物は、未標識のHSD17B13阻害剤のin vitroおよびin vivoでの結合の測定に使用される。
【0144】
薬学的に許容可能な塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、その薬学的に許容可能な塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、このような薬学的に許容可能な塩を投与することにより疾患を処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、このような薬学的に許容可能な塩を医薬組成物として投与することにより疾患を処置する方法を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、酸性基または塩基性基を有しているため、多くの無機塩基または有機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応することで薬学的に許容可能な塩を生じさせる。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に開示される化合物またはその溶媒和物もしくは立体異性体の最終的な単離と精製中に、または、遊離形態にある精製化合物を適切な酸または塩基と別々に反応させて、これにより形成された塩を分離することによって、in situで調製される。
【0146】
薬学的に許容可能な塩の例として、本明細書に記載の化合物と鉱物、有機酸、または無機塩基との反応により調製された塩が挙げられ、このような塩として、酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、臭化物、酪酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩(glucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオエート、ヒドロキシ安息香酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素、1-ナフタレンスルホネート、2-ナフタレンスルホネート、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-プロピオン酸フェニル、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオン酸塩(propiolate)、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩、キシレンスルホン酸塩が挙げられる。
【0147】
さらに、本明細書に記載の化合物は、化合物の遊離塩基形態を薬学的に許容可能な無機酸または有機酸と反応させることによって形成される薬学的に許容可能な塩として調製可能であり、限定されないが、無機酸として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などが挙げられ、有機酸として、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコペプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプルピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、シュウ酸などの他の酸は、それ自体では薬学的に許容可能ではないが、本開示の化合物、その溶媒和物、または立体異性体、および薬学的に許容可能な酸付加塩を得る際に、中間体として有用な塩の調製に利用される。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物のうち遊離酸基を含むものは、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩など、薬学的に許容可能な金属カチオンの適切な塩基と、アンモニアと、または薬学的に許容可能な有機一級アミン、二級アミン、三級アミン、もしくは四級アミンと反応する。代表的な塩として、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのようなアルカリまたはアルカリ土類の塩、アルミニウム塩などが挙げられる。塩基の例示的な例として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、コリン水酸化物、炭酸ナトリウム、N(C1-4アルキル)などが挙げられる。
【0149】
塩基付加塩の形成に役立つ代表的な有機アミンとして、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、それらに含有されるあらゆる塩基性窒素含有基の四級化も含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、水溶性、油溶性、または分散性の生成物は、このような四級化により得られる。
【0150】
溶媒和物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は溶媒和物として存在する。本発明は、このような溶媒和物の投与により疾患を処置する方法を提供する。本発明はさらに、かかる溶媒和物を医薬組成物として投与することにより疾患を処置する方法を提供する。
【0151】
溶媒和物は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含み、いくつかの実施形態では、水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化プロセス中に形成される。溶媒が水のときには水和物が形成され、または溶媒がアルコールのときにはアルコラートが形成される。本明細書に記載の化合物の溶媒和物は、本明細書に記載のプロセス中に都合よく調製または形成することができる。ほんの一例ではあるが、本明細書に記載の化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノールなどを含むがこれらに限定されない有機溶媒を用いて、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により都合よく調製することができる。加えて、本明細書で提供される化合物は、非溶媒和形態に加え、溶媒和形態でも存在することができる。通常、溶媒和形態は、本明細書に提供される化合物と方法の目的において非溶媒和形態と同等であるとみなされる。
【0152】
互変異性体
状況によっては、化合物は互変異性体として存在する。本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の式の中にすべての可能な互変異性体を含む。互変異性体は水素原子の移動により相互転換可能な化合物であり、単結合および隣接する二重結合の切り換えが付随する。互変異性化が起こり得る結合構成では、互変異性体の化学平衡が存在する。本明細書に開示される化合物の互変異性型が、すべて企図される。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒、およびpHを含む様々な要因に依存する。
【0153】
処置方法
本明細書には、NAFLDやNASHなどHSD17B13に関連する疾患を処置、予防、または軽快することを必要とする対象のHSD17B13に関連する疾患を、HSD17B13を標的とする化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体の投与により処置、予防、または軽快するのに有用であり得る、HSD17B13の発現または活性を阻害する方法が、提供される。
【0154】
本明細書には、細胞中のHSD17B13の発現または活性を阻害する方法であって、本開示のHSD17B13阻害剤またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体に細胞を接触させることで、細胞中のHSD17B13の発現または活性を阻害する工程を含む方法が、提供される。いくつかの実施形態では、細胞は肝細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は肝臓にある。いくつかの実施形態では、細胞は、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害に関連する疾患、障害、疾病、症状、または生理学的マーカを有するか、そのリスクにある対象の肝臓にある。いくつかの実施形態では、細胞は、疾患を患っているかそのリスクにある対象の脂肪細胞または単球である。いくつかの実施形態では、細胞は、疾患を患っているかそのリスクにある対象のリンパ球である。いくつかの実施形態では、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害は、メタボリック症候群、脂肪肝疾患、慢性肝疾患、肝硬変、脂肪肝、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性肝臓疾患、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、劇症性ウィルソン病、急速に線維組織を形成するC型肝炎ウイルス損傷、および非代償性門脈高血圧症である。いくつかの実施形態では、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害は、NASHである。
【0155】
いくつかの実施形態では、肝疾患は、原発性胆汁性肝硬変または原発性硬化性胆管炎である。
【0156】
本明細書には、HSD17B13に関連する1つもしくは複数の疾患、障害、疾病、症状、または生理学的マーカを処置し、予防し、その発症を遅らせ、その進行を緩やかにし、または軽快する方法であって、本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を、それを必要とする対象に投与する工程を含む方法が、提供される。いくつかの実施形態では、必要とする対象は、疾患、障害、疾病、症状、または生理学的マーカを有しているかそのリスクがあると特定される。いくつかの実施形態では、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害は、メタボリック症候群、肝疾患、脂肪肝疾患、慢性肝疾患、肝硬変、脂肪肝、脂肪性肝炎、アルコール性肝臓疾患、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。いくつかの実施形態では、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害は、NASHである。
【0157】
本明細書には、対象の脂肪肝、肝線維症、トリグリセリド合成、脂質レベル、肝臓脂質、ALT値、NAFLD活性スコア(NAS)、コレステロール値、もしくはトリグリセリド値、またはそれらの組合せを低下、改善、または調節する方法であって、本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を対象に投与する工程を含む方法が、提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体の脂肪肝の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体の肝臓線維症の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体のトリグリセリド合成の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体の脂質レベルの低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体の脂肪肝の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体のALT値の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体のNAFLD活性スコアの低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体のコレステロール値の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体は、個体のトリグリセリド値の低下、改善、または調節での使用において提供される。いくつかの実施形態では、対象は、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害に関連する疾患、障害、疾病、症状、または生理学的マーカを有しているか、そのリスクにあると特定される。いくつかの実施形態では、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害は、メタボリック症候群、肝疾患、脂肪肝疾患、慢性肝疾患、肝硬変、脂肪肝、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。いくつかの実施形態では、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患もしくは障害は、NASHである。
【0158】
本明細書には、対象の薬物性肝障害(DILI)を処置、予防、またはその発症を遅らせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、肝損傷は脂肪性肝炎である。また本明細書には、対象の薬物性脂肪性肝炎(DISH)を処置、予防、またはその発症を遅らせる方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、癌を処置するための化学療法を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、循環器疾患の処置を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、精神医学的疾患/疾病の処置を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、疼痛の処置を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、関節炎の処置を受けている。いくつかの実施形態では、化学療法は、タモキシフェン、トレミフェン、イリノテカン、メトトレキサート、フルオロウラシル(5-FU)、またはそれらのあらゆる組合せである。いくつかの実施形態では、対象は、アミオダロン、ペルヘキシリン、プロプラノロール、またはそれらのあらゆる組合せを与えられている。いくつかの実施形態では、対象は、アミトリプチリン、クロザピン、またはそれらのあらゆる組合せを与えられている。いくつかの実施形態では、対象は、メトトレキサート、ピルプロフェン、またはそれらのあらゆる組合せを与えられている。
【0159】
投薬
ある実施形態では、本明細書に記載の化合物を含有する組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。特定の治療用途では、組成物は、疾患または疾病の症状の少なくとも1つを治癒するか少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で、疾患または疾病を既に患っている患者に投与される。この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度と経過、治療歴、患者の健康状態、体重、および薬物に対する反応、ならびに処置を行う医師の判断に依存する。治療有効量は、用量漸増試験および/または用量範囲の臨床試験を含むがこれらに限定されない方法によって任意選択で決定される。
【0160】
予防用途では、本明細書に記載の化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害、もしくは疾病の影響を受け易いか、またはそのリスクに曝されている患者に投与される。かかる量は、「予防的有効量または用量」であると定義される。この用途では、正確な量は、患者の健康状態や体重などにも依存する。患者に使用するとき、この用途に有効な量は、疾患、障害、または疾病の重症度と経過、治療歴、患者の健康状態および薬物に対する反応、ならびに処置する医師の判断に依存する。一態様では、予防的処置は、疾患または疾病の症状の再発を防ぐために、処置されている疾患の少なくとも1つの症状またはリスク因子を経験したことがあって現在は寛解期にある哺乳動物に、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。一態様では、予防的処置は、肝損傷を予防するために、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(patatin-like phospholipase domain-containing 3:PNPLA3)多型を有する哺乳動物に、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を投与する工程を含む。肝臓で発現されて脂質代謝に関係するタンパク質である、パタチン様ホスホリパーゼドメイン含有3(PNPLA3)の148イソロイシン-メチオニンタンパク質変異体(148 Isoleucine to Methionine protein variant)(I148M)は、近年では肝臓脂肪含有量の主要な決定因子であると特定されている。一部の試験では、I148M変異体は、単純な脂肪過多症から脂肪性肝炎や進行性線維症まで、脂肪肝に関連する肝損傷の全スペクトルの素因となることが認められた。さらに、I148M変異体は、アルコール性脂肪性肝炎から肝硬変への進行の主要な決定因子を表し、慢性C型肝炎ウイルス肝炎、場合によっては慢性B型肝炎ウイルス肝炎、遺伝性ヘモクロマトーシス、および原発性硬化性胆管炎における線維発生および関連する臨床的転帰に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、PNPLA3多型は、肝疾患の進行を予測するために使用される。
【0161】
患者の疾病が改善されない特定の実施形態では、患者の疾患もしくは疾病の症状を改善、またはその他の方法で抑制するか制限するために、医師の裁量により化合物の投与は、長期的に、すなわち患者の生存時間全体を含む長期間にわたり投与される。
【0162】
患者の状態が改善する特定の実施形態では、投与されている薬物の用量は、一時的に減らされるか、または一定期間にわたり一時的に止められる(すなわち、「休薬期間」)。特定の実施形態では、休薬期間の長さは、ほんの一例として、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、または28日以上を含めて、2日から1年の間である。休薬期間中の用量減少は、ほんの一例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%を含めて、ほんの一例として10%~100%である。
【0163】
患者の状態が改善すると、必要に応じて維持量が投与される。続いて、特定の実施形態では、投与の用量もしくは頻度、またはその両方は、症状に応じて、疾患、障害、または疾病の改善が保持される程度にまで減少される。しかし、ある実施形態では、患者は、症状の再発後に長期間にわたり間欠的または毎日の処置を必要とする。
【0164】
このような量に相当する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の状態と重症度、処置を必要とする対象または宿主の同一性(例えば、体重、性別)などの因子に依存して変動するが、それにも関係なく、例えば投与されている特定の薬剤、投与経路、処置されている疾病、および処置されている対象または宿主を含む、その症例を取り巻く特別な状況に応じて決定される。
【0165】
しかし、一般的にヒト成人の処置に使用される用量は、典型的に1日に0.01mg~5000mgの範囲である。一態様では、成人の処置に利用される用量は、約1mg/日~約1000mg/日である。一実施形態では、望ましい用量は、単回用量で、または、例えば1日2、3、4回以上のサブ用量として、同時もしくは適切な間隔で投与される分割用量で提供される。
【0166】
一実施形態では、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に適切な毎日の投与量は、体重1kgにつき約0.01~約50mgである。いくつかの実施形態では、剤形中の有効成分の毎日の投与量または量は、個々の処置レジメンに関する多くの変数に基づいて、本明細書に示される範囲より少なくなるか、または高くなる。様々な実施形態では、毎日の投与量および単位投与量は、使用される化合物の活性、処置される疾患または疾病、投与の様式、対象個別の要件、処置されている疾患または疾病の重症度、医師の判断を含むがこれらに限定されない多くの変数に依存して変更される。
【0167】
こうした治療レジメンの毒性と治療効果は、LD10とED90の判定を含むがこれらに限定されない、細胞培養物または実験動物における標準の製薬手順により判定される。治療指数は毒性と治療効果との用量比であり、LD10とED90の比として表される。ある実施形態では、細胞培養アッセイと動物試験から得たデータは、ヒトを含む哺乳動物に使用するための治療上有効な1日量の範囲および/または治療上有効な単位用量を製剤化するのに使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物の毎日の投与量は、毒性が最小限であるED50を含む循環濃度の範囲内にある。ある実施形態では、毎日の投与量の範囲および/または単位投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動する。
【0168】
前述の態様のいずれかでは、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、有効量で(a)哺乳動物に全身に投与され、および/または(b)哺乳動物に経口投与され、および/または(c)哺乳動物に静脈内投与され、および/または(d)哺乳動物に注射され、および/または(e)哺乳動物に局所投与され、および/または(f)哺乳動物に非全身または局所投与される、さらなる実施形態がある。
【0169】
前述の態様のいずれかでは、(i)化合物が1日1回投与される、または(ii)化合物が1日にわたり哺乳動物に複数回投与されるさらなる実施形態を含む、有効量の化合物の単回投与を含むさらなる実施形態がある。
【0170】
前述の態様のいずれかでは、有効量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態が提供され、当該実施形態は、(i)化合物が継続的または断続的に単回投与として投与され、(ii)複数回投与の間隔が6時間ごとであり、(iii)化合物が8時間ごとに哺乳動物に投与され、(iv)化合物が12時間ごとに対象に投与され、(v)化合物が24時間ごとに対象に投与される、さらなる実施形態を含む。さらなるまたは代替的な実施形態では、上記方法は休薬期間を含み、化合物の投与は一時的に中断され、または投与されている化合物の量は一時的に減らされ、休薬期間の終わりに化合物の投薬が再開される。一実施形態では、休薬期間の長さは2日から1年まで変動する。
【0171】
投与経路
適切な投与経路として、経口投与、静脈内投与、直腸投与、エアロゾル投与、非経口投与、経眼投与、経肺投与、経粘膜投与、経皮投与、膣内投与、経耳投与、経鼻投与、局所投与が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ほんの一例ではあるが、非経口送達として、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、髄内注射のほか、くも膜下腔内注射、直接脳室内注射、腹腔内注射、リンパ内注射、鼻腔内注射も挙げられる。
【0172】
ある実施形態では、本明細書に記載される化合物は、全身的ではなく局所的に、例えば、多くの場合にデポー製剤または徐放製剤において、器官への化合物の直接注射を介して投与される。ある実施形態では、植込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射により、長期間作用型製剤が投与される。さらに、他の実施形態では、薬物は、標的とされた薬物送達系において、例えば、器官特異的抗体(organ-specific antibody)を被覆したリポソームにおいて送達される。かかる実施形態では、リポソームは器官に対し標的とされ、器官により選択的に吸収される。また他の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、急速放出製剤の形態、持続放出製剤の形態、または中間体放出製剤の形態で提供される。また他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は局所投与される。
【0173】
医薬組成物/製剤
本明細書に記載の化合物は、標準薬務に従い単独で、または医薬組成物中に薬学的に許容可能な担体、賦形剤、もしくは希釈剤と組み合わせて、投与を必要とする対象に投与される。一実施形態では、本発明の化合物は動物に投与される場合がある。化合物は、経口投与、または静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸、局所の投与経路を含めて非経口投与することができる。
【0174】
本明細書の別の態様では、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が記載される。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用可能な製剤へと処理するのを容易にする1つまたは複数の薬学的に許容可能な不活性成分を用いて、従来どおりに製剤化される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書に記載の医薬組成物の概要は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)で見ることができ、これらの文献は開示のために参照により本明細書で援用される。
【0175】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、担体、充填剤、懸濁化剤、香料、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、湿潤剤、可塑剤、安定化剤、浸透促進剤、湿潤剤、起泡防止剤、抗酸化剤、防腐剤、およびそれらのあらゆる組合せから選択される。
【0176】
本明細書に記載の医薬組成物は、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内)、鼻腔内、頬側、局所、直腸、または経皮の投与経路を含むがこれらに限定されない多くの投与経路により対象に投与される。本明細書に記載の医薬製剤には、水性液体分散剤、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、懸濁剤、自己乳化分散剤、固溶体、リポソーム分散剤、エアロゾル、固形経口剤形、粉末剤、即時放出製剤、制御放出製剤、急速溶解製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、糖衣錠、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、徐放製剤、パルス放出製剤、多重微粒子製剤、および即時放出・制御放出の混合型製剤(mixed immediate and controlled release formulations)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む医薬組成物は、ほんの一例として、従来の混合、溶解、粒状化、糖衣錠製造、粉末化、乳化、カプセル化、封入、圧縮のプロセスなどの従来様式で製造される。
【0178】
経口用の医薬組成物は、1つまたは複数の固形賦形剤を、本明細書に記載される1つまたは複数の化合物と混合し、得られた混合物を任意選択で粉砕し、必要に応じて適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コア(dragee cores)を得ることにより混合される。適切な賦形剤として、例えばラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトールを含む糖などの充填材、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、またはポリビニルピロリドン(PVPもしくはポビドン)やリン酸カルシウムなどの他のものが挙げられる。必要に応じて、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、もしくはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩といった崩壊剤が添加される。いくつかの実施形態では、識別のために、または活性化合物用量の異なる組合せを特徴付けるために、染料または色素が、錠剤または糖衣錠コーティングに添加される。
【0179】
経口投与される医薬組成物として、ゼラチン製の押込み式カプセルのほか、ゼラチン、およびグリセロールやソルビトールなどの可塑剤で作られた密閉式の軟カプセルが挙げられる。押込み式カプセルには、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクやステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに任意選択で安定剤と混合した有効成分が含まれる。軟カプセル中、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁される。いくつかの実施形態では、安定剤が添加される。
【0180】
非経口用の医薬組成物は、注入または注射として製剤化される。いくつかの実施形態では、注射または注入に適した医薬組成物として、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を含む滅菌水溶液、分散液、または滅菌粉末が挙げられる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は液体担体を含む。いくつかの実施形態では、液体担体は、例えば、水、生理食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびこれらのあらゆる組合せを含む溶媒または液体分散媒体である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、微生物の成長を防止する防腐剤をさらに含む。
【0181】
組合せ
本明細書には、本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくは立体異性体を追加の治療剤と組み合わせて使用し、肝疾患、代謝疾患、または循環器疾患を処置する方法が開示される。
【0182】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、糖尿病または糖尿病関連の疾患もしくは疾病の処置に使用される。
【0183】
いくつかの例では、追加の治療剤は、スタチン、インスリン抵抗性改善薬、インスリン分泌促進薬、αグルコシダーゼ阻害剤、GLPアゴニスト、GIPアゴニスト、THRβアゴニスト、PDE阻害剤、DPP-4阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、アナグリプチン、テネリグリプチン、アログリプチン、ゲミグリプチン、デュトグリプチンなど)、カテコールアミン(エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミンなど)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)-γアゴニスト(例えば、チアゾリジンジオン(TZD)[ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、リボグリタゾン、トログリタゾンなど]、アレグリタザル、ファルグリタザル、ムラグリタザル、またはテサグリタザル)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)-αアゴニスト、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)-δアゴニスト、ファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト(例えば、オベチコール酸)、またはそれらの組合せを含む。場合により、スタチンはHMG-CoA還元酵素阻害剤である。他の例では、追加の治療剤として、魚油、フィブラート、ナイアシンなどのビタミン、レチノイン酸(例えば、9シス-レチノイン酸)、ニコチンアミドリボヌクレオシド、もしくはそれらのアナログ、またはそれらの組合せが挙げられる。他の例では、追加の治療剤として、ACC阻害剤、FGF19およびFGF21模倣物、CCR2/CCR5アンタゴニスト、またはそれらの組合せが挙げられる。
【0184】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤はビビトロールである。
【0185】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、HMG-CoAリダクターゼ阻害剤、魚油、フィブラート、ナイアシンなどのスタチン、またはそれらの組合せである。他の例では、追加の治療剤は、オルリスタットなど脂質吸収を予防する脂質異常症薬である。
【0186】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、食物摂取による体重増加および/または血糖値上昇を低下させるなど、糖尿病と糖尿病関連の障害または疾病の処置のための、レチノイン酸やトコフェニルなどのビタミンである。
【0187】
いくつかの実施形態で、追加の治療剤は、グルコース低下剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、抗肥満症剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)アゴニスト(ガンマ、デュアル、またはパン)、ジペプチジルペプチダーゼ(IV)阻害剤、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-I)アナログ、インスリンまたはインスリンアナログ、インスリン分泌促進物質、ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤、グルコファージ(glucophage)、ヒトアミリンアナログ、ビグアニド、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、メグリチニド、チアゾリジンジオン、およびスルホニル尿素の中から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、メトホルミン、シタグリプチン、サキサグリプチン、レパグリニド、ナテグリニド、エキセナチド、リラグルチド、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングラルギン、インスリンデテミル、インスリンイソフェン、およびグルカゴン様ペプチド1、またはそれらのあらゆる組合せである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、脂質低下剤である。
【0188】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、抗酸化剤、ブデソニドなどのコルチコステロイド、抗腫瘍壊死因子(TNF)、またはそれらの組合せである。
【0189】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物と同時に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤と本明細書に開示される化合物は、連続して投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物ほど頻繁に投与されない。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物より頻繁に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、本明細書に開示される化合物の投与後に投与される。
【実施例
【0190】
実施例1:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミド
【0191】
【化32】
【0192】
工程1:5-ブロモ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオンの合成
2-アミノ-6-ブロモ安息香酸(2.00g、9.26mmol)のテトラヒドロフラン(20.0mL)懸濁液に、固形トリホスゲン(2.75g、9.26mmol)を周囲温度で添加し、16時間かけて60℃に加温した。反応混合物を真空下で蒸発させた。得られた固形物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオンをオフホワイト固形物(1.8g、80.33%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C8H4BrNO3,242.03;found,243.9(M+2H)。
【0193】
工程2:5-ブロモ-3-(2-メトキシフェネチル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオン(0.5g、2.07mmol)のトリメトキシメタン(5.00mL)懸濁液に、2-(2-メトキシフェニル)エタン-1-アミン(312mg、2.07mmol)を周囲温度で添加した後、16時間かけて100℃に加温した。反応混合物を真空下で蒸発させた。得られた固形物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、5-ブロモ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンをオフホワイト固形物(0.65g、87.6%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C17H15BrN2O2,359.22;found,361.1(M+2H)。
【0194】
工程3:tert-ブチル(3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメートの合成
5-ブロモ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(500mg、1.39mmol)とtert-ブチルカルバメート(489mg、4.18mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)撹拌溶液を、アルゴンで10分間パージした。これに4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.32g、0.55mmol)、炭酸セシウム(1.36g、4.18mmol)、およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.16g、0.27mmol)を添加した。得られた反応混合物を100℃に加温して16時間維持した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で乾燥した。粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した純粋な画分を集めて濃縮することで、tert-ブチルN-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバメート(0.5g、91%)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C22H25N3O4,395.46;found,396.2(M+H)。
【0195】
工程4:5-アミノ-3-(2-メトキシフェネチル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
固形tert-ブチルN-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバメート(0.5g、1.26mmol)に、4M塩化水素の1,4-ジオキサン(15.8mL、63.2mmol)溶液を0℃で添加した。得られた反応混合物を60℃に加温して16時間維持した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテル(25mLで2回)でトリチュレートし、真空下で乾燥することで、5-アミノ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(0.4g、粗製)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C17H17N3O2,295.34;found,296.2(M+H)。
【0196】
工程5:3-クロロ-N-(3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メトキシ)ベンズアミドの合成
3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸(0.23g、0.76mmol)を5-アミノ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(0.15g、0.51mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解した撹拌溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.82mL、10.2mmol)、N,N-ジメチルピリジン-4-アミン(12.4mg、0.1mmol)、三塩化ホスホリル(0.14mL、1.52mmol)のジクロロメタン(0.5mL)溶液を添加した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮することで粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した純粋な画分を集めて濃縮することで、3-クロロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(0.29g、18.6%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C30H34ClN3O5Si,580.15;found,582.2(M+2H)。
【0197】
工程6:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
3-クロロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(0.07g、0.121mmol)のテトラヒドロフラン(1.00mL)溶液に、1Mテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン(0.7mL、2.42mmol)溶液を周囲温度で添加した後、60℃で16時間維持した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した純粋な画分を集めて濃縮することで、3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミドをオフホワイト固形物(0.025g、46%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C24H20ClN3O4,449.89;found,450.1(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.06(s,1H),11.12(s,1H),8.72(d,J=8.4Hz,1H),7.93(s,2H),7.81-7.77(m,2H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.19-7.15(m,2H),7.09(d,J=6.4Hz,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),6.83-6.79(m,1H),4.23(t,J=6.0Hz,2H),3.53(s,3H),3.02(t,J=6.0Hz,2H)。
【0198】
実施例2:3-フルオロ-4-ヒドロキシ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミドの合成
【0199】
【化33】
【0200】
工程1:メチル3-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾエートの合成
3-フルオロ-4-ヒドロキシ安息香酸(4.00g、25.6mmol)のメタノール(80mL)撹拌溶液に、塩化チオニル(12.0mL、16.5mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を70℃で2時間加温した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)、水(50mL)、およびブライン溶液(50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させることで、メチル3-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾエートをオレンジ色のガム(4.0g)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C8H7FO3,170.0;found,171.1(M+H)。
【0201】
工程2:メチル3-フルオロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンゾエートの合成
メチル3-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾエート(4.00g、23.5mmol)をDMF(40.0mL)に溶解した撹拌溶液に、水素化ナトリウム(1.08g、28.2mmol)を0℃で少量ずつ添加した。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。次いで、反応混合物に[2-(クロロメトキシ)エチル]トリメチルシラン(4.5mL、25.9mmol)を滴加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を氷冷水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(100mLで2回)で抽出した。有機相をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させることで、メチル3-フルオロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンゾエートをオレンジ色のガム(6.5g、粗製)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C14H21FO4Si,300.1;found,301.1(M+H)。
【0202】
工程3:3-フルオロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸の合成
メチル3-フルオロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンゾエート(6.5g、21.5mmol)のメタノール(80.0mL)および水(20.0mL)撹拌溶液に、水酸化ナトリウム(2.6g、64.9mmol)を窒素下で添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を濃縮し、残渣を水(40mL)に溶解し、1N HClで酸性化した(pH=4)。得られた沈殿物を濾過して集め、真空下で乾燥することで、粗製の3-フルオロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸を白色固形物(6g)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C13H19FO4Si,286.1;found,285.0(M-H)。
【0203】
工程4:3-フルオロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)}-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミドの合成
3-フルオロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸(0.727g、2.54mmol)、トリエチルアミン(1.52mL、8.26mmol)、および2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨウ化物(1.07g、4.95mmol)のクロロホルム(15.0mL)撹拌溶液を、窒素で5分間パージした。反応混合物に5-アミノ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(500mg、1.69mmol)を添加し、18時間かけて80℃に加温した。完了後、反応混合物を氷冷水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(150mLで2回)で抽出し、ブライン(50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させることで粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、3-フルオロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(0.45g、47%)を得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C30H34FN3O5Si,563.2;found,564.2(M+H)。
【0204】
工程5:3-フルオロ-4-ヒドロキシ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミドの合成
3-フルオロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(0.45g、0.798mmol)のテトラヒドロフラン(6.0mL)撹拌溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(7.98mL、7.98mmol)溶液を添加した。反応混合物を16時間かけて90℃に加温した。完了後、反応混合物に水(30mL)を添加し、酢酸エチル(50mLで2回)で抽出した。有機層をブライン溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させることで粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、3-フルオロ-4-ヒドロキシ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミド(0.2g、58%)を得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C24H20FN3O4,433.1;found,434.1(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.07(s,1H),11.2-10.4(bs,1H),8.71(d,J=8.0Hz,1H),7.91(S,1H),7.91-7.77(m,1H),7.72-7.67(m,2H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.19-7.13(m,2H),7.09(d,J=7.2Hz,1H),6.87(d,J=8.4Hz,1H),6.83-6.79(m,1H),4.24(t,J=5.6Hz,2H),3.52(S,3H),3.02(t,J=5.6Hz,2H)。
【0205】
実施例3:N-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアミドの合成
【0206】
【化34】
【0207】
工程1:3-ベンジル-5-ブロモ-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンの合成
5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオン(1.00g、4.13mmol)のトリメトキシメタン(6.00mL)懸濁液に、1-フェニルメタンアミン(0.45g、4.13mmol)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加温した。完了後、反応混合物に水(50mL)を添加し、酢酸エチル(100mLで2回)で抽出した。有機相をブライン溶液(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させることで粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、純粋な3-ベンジル-5-ブロモ-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(850mg、2.70mmol)を黄色化合物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C15H11BrN2O,316.0;found,317.0(M+H)。
【0208】
工程2:tert-ブチルN-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメートの合成
3-ベンジル-5-ブロモ-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(860mg、2.73mmol)、tert-ブチルカルバメート(959mg、8.19mmol)、およびtert-ブチルカルバメート(959mg、8.19mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)懸濁液を、窒素でパージした。次いで、反応物に[5-(ジフェニルホスファニル)-9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4-イル]ジフェニルホスファン(0.63g、1.09mmol)とビス((1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン)パラジウム(314mg、0.546mmol)を添加した。反応の塊(reaction mass)を100℃で16時間加温した。反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチル(50mLで2回)で洗浄し、濾液を蒸発させることで粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、tert-ブチルN-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(750mg、2.13mmol)を黄色のガムとして得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C20H21N3O3,351.1;found,352.2(M+H)。
【0209】
工程3:5-アミノ-3-ベンジル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンの合成
固形tert-ブチルN-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(750mg、2.13mmol)に、4M HClの1,4-ジオキサン(7.00mL)溶液を添加した。反応の塊を80℃で3時間加温した。反応の完了後、反応物を真空下で蒸発させ、得られた残渣をジエチルエーテル(25mLで2回)でトリチュレートし、真空下で乾燥することで、5-アミノ-3-ベンジル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(650mg、粗製)を得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C15H13N3O,251.11;found,252.11(M+H)。
【0210】
工程4:N-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミドの合成
3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸(603mg、1.99mmol)、トリエチルアミン(1.84mL、9.95mmol)、および2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(1.29g、5.97mmol)のクロロホルム(10mL)溶液を、窒素で5分間パージした。次いで、反応混合物に5-アミノ-3-ベンジル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(500mg、1.99mmol)を添加した。添加の後、反応物を16時間かけて80℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を氷冷水(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(150mLで2回)で抽出し、ブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させることで、粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、N-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(650mg、1.21mmol)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C28H30ClN3O4Si,535.17;found,536.2(M+H)。
【0211】
工程5:N-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアミドの合成
N-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(0.65g、1.12mmol)のテトラヒドロフラン(10.0mL)撹拌溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(12.1mL、12.1mmol)を添加した。反応混合物を90℃で16時間加温した。完了後、反応混合物を水(50mL)に添加し、酢酸エチル(150mLで2回)で抽出した。有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させることで粗製生成物を得た。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、N-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-3-クロロ-4-ヒドロキシベンズアミド(0.1g、21%)を得た。(LCMS)m/z calcd.For C22H16ClN3O3,405.09;found,405.9(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.91(s,1H),8.72(d,J=8.4Hz,1H),8.58(s,1H),7.90(S,1H),7.84-7.80(m,1H),7.75(d,J=8.4Hz,1H),7.41-7.13(m,6H),7.12(d,J=8.4Hz,1H),5.25(s,2H)。
【0212】
実施例4:2-[2-フルオロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)フェノキシ]酢酸の合成
【0213】
【化35】
【0214】
工程1:エチル2-[2-フルオロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)フェノキシ]アセテートの合成
3-フルオロ-4-ヒドロキシ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミド(60mg、0.138mmol)のDMF(3mL)溶液に、炭酸セシウム(135mg、0.415mmol)とエチル2-ブロモアセテート(34.7mg、208μmol)を添加した。反応混合物を100℃で12時間加温した。完了後、反応混合物を水(20mL)に添加し、酢酸エチル(50mLで2回)で抽出し、ブライン(25mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させることで、エチル2-[2-フルオロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)フェノキシ]アセテート(40mg、56%)を白色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C28H26FN3O6,519.18;found,520.2(M+H)。
【0215】
工程2:2-[2-フルオロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)フェノキシ]酢酸の合成
エチル2-[2-フルオロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)フェノキシ]アセテート(40mg、0.138mmol)のメタノール(8mL)および水(4mL)溶液に、水酸化リチウム(3.98mg、0.166mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を濃縮し、残渣を水(10mL)に溶解し、1N HClで酸性化した(pH=4)。生じた沈殿物を濾過し、水(5mLで2回)で洗浄し、真空下で濃縮することで、2-[2-フルオロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)フェノキシ]酢酸(20mg、30%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C26H22FN3O6,491.1;found,492.0(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.14(s,1H),8.71(d,J=8.0Hz,1H),7.92(S,1H),7.82-7.75(m,3H),7.37-7.31(m,2H),7.18-7.15(m,1H),7.08(d,J=7.2Hz,1H),6.87(d,J=8.0Hz,1H),6.82-6.79(m,2H),4.92(S,2H),4.23(m,2H),3.41(s,3H),3.02(s,2H)。
【0216】
実施例5:2-クロロ-4-((3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバモイル)シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-カルボン酸の合成
【0217】
【化36】
【0218】
工程1:4-ブロモ-3-クロロ-N-(3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
4-ブロモ-3-クロロ安息香酸(500mg、2.12mmol)のジクロロメタン(3.0mL)撹拌溶液に、2-クロロ-1-メチルピリジン-1-イウムヨージド(1.63g、3eq.、6.37mmol)、エチルビス(プロパン-2-イル)アミン(1.14mL、3eq.、6.37mmol)、および5-アミノ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(502mg、0.8eq.、1.70mmol)を室温で添加した。添加の後、反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応混合物を氷水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mLで2回)で抽出した。組み合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、4-ブロモ-3-クロロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミド(0.38g、34%)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C24H19BrClN3O3,513.03;found,513.8(M+H)。
【0219】
工程2:2-クロロ-4―((3-(2-メトキシフェネチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバモイル)シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-カルボン酸の合成
4-ブロモ-3-クロロ-N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}ベンズアミド(100mg、195μmol)の1,2-ジメトキシエタン(1.0mL)撹拌溶液に、tert-ブチルホスファニウムテトラフルオロボレート(11.3mg、0.039mmol)、ヘキサカルボニルモリブデニウム(0)(103mg、0.39mmol)、炭酸ナトリウム(24.6mg、0.293mmol)の水(0.5mL)および酢酸パラジウム(2.2mg、0.0975mmol)撹拌溶液を、マイクロウェーブ中、120℃で15分間加温した。反応の完了後、反応混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタン(10mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮することで粗製生成物を得た。粗製生成物を逆相分取HPLCにより精製した。純粋な画分を集めて真空下で蒸発させることで、純粋な2-クロロ-4-({3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}カルバモイル)安息香酸(0.013g、13%)を白色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C25H20ClN3O5,477.1;found,478.1(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.26(s,1H),8.71(s,1H),8.04-7.95(m,4H),7.83(t,J=6.8Hz,1H),7.37(d,J=8.0Hz,1H),7.017-7.08(m,2H),6.86-6.81(m,3H),4.23(bs,2H),3.52(s,3H),3.02(bs,2H)。
【0220】
実施例6:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
【0221】
【化37】
【0222】
工程1:5-ブロモ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオンの合成
2-アミノ-6-ブロモ安息香酸(2.00g、9.26mmol)のテトラヒドロフラン(20.0mL)懸濁液に、固形トリホスゲン(2.75g、9.26mmol)を周囲温度で添加した後、反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応混合物を蒸発させることで固形物を得て、これをジエチルエーテル中でトリチュレートにより精製した。これにより、5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオンをオフホワイト固形物(1.8g、80.3%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C8H4BrNO3,240.9;found,241.9(M+H)。
【0223】
工程2:5-ブロモ-3-(2-メトキシベンジル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオン(1.00g、4.13mmol)のトリメトキシメタン(5.00mL)懸濁液に、1-(2-メトキシフェニル)メタンアミン(567mg、4.13mmol)を周囲温度で添加した後、16時間かけて100℃に加温した。反応混合物を真空下で蒸発させた。得られた固形物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、純粋な5-ブロモ-3-(2-メトキシベンジル)キナゾリン-4(3H)-オンをオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C16H13BrN2O2,344.0;found,345.0(M+H)。
【0224】
工程3:tert-ブチル(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-キナゾリノン-5-イル)カルバメートの合成
5-ブロモ-3-[(2-メトキシフェニル)メチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(800mg、2.32mmol)とtert-ブチルカルバメート(500mg、1.07mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)撹拌溶液を、アルゴンで10分間パージした。これに4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.53g、0.92mmol)、炭酸セシウム(1.36g、4.18mmol)、およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.267g、0.464mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間かけて100℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製材料をcombiフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、tert-ブチル(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(0.5g、82%)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C21H23N3O4,381.2;found,382.2(M+H)。
【0225】
工程4:5-アミノ-3-(2-メトキシベンジル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
tert-ブチルN-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(500mg、1.42mmol)の固形物に、4M HClの1,4-ジオキサン(15.8mL、63.2mmol)溶液を0℃で添加した。得られた反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテル(25mLで2回)でトリチュレートし、真空下で乾燥することで、5-アミノ-3-(2-メトキシベンジル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.42g)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C16H15N3O2,281.1;found,282.1(M+H)
【0226】
工程5:3-クロロ-N-(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メトキシ)ベンズアミドの合成
3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸(0.72g、2.38mmol)のクロロホルム(5.0mL)撹拌溶液を、窒素で10分間パージした。これにトリエチルアミン(1.54mL、8.26mmol)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(1.54g、7.14mmol)、および5-アミノ-3-(2-メトキシベンジル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.53g、1.9mmol)を周囲温度で添加した。得られた反応混合物を16時間かけて80℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で乾燥した。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、3-クロロ-N-(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メトキシ)ベンズアミドをオフホワイト固形物(0.52g、31%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C29H32ClN3O5Si,565.18;found,566.2(M+H)。
【0227】
工程6:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
3-クロロ-N-{3-[(2-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}ベンズアミド(0.3g、0.530mmol)のテトラヒドロフラン(1.00mL)溶液に、1Mテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン(2.3mL、7.95mmol)溶液を周囲温度で添加した後、16時間かけて60℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で乾燥した。粗製材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。精製により、3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-(2-メトキシベンジル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドをオフホワイト固形物(0.025g、46%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C23H18ClN3O4,435.1;found,436.1(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.94(s,1H),11.13(s,1H),8.72(d,J=8.4Hz,1H),8.47(s,1H),7.90(s,1H),7.82(t,J=12Hz,1H),7.75(d,J=8Hz,1H),7.39(d,J=8Hz,1H),7.29(t,J=8Hz,1H),7.13(d,J=8.8Hz,2H),7.04(d,J=8Hz,1H),6.90(d,J=7.2Hz,1H),5.17(s,2H),3.83(s,3H)。
【0228】
実施例7:N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボキサミドの合成
【0229】
【化38】
【0230】
2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボン酸(300mg、1.57mmol)と5-アミノ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(464mg、1.57mmol)のクロロホルム(5mL)撹拌溶液に、窒素雰囲気下、エチルビス(プロパン-2-イル)アミン(1.45mL、8.26mmol)と2-クロロ-1-メチルピリジン-1-イウムヨージド(1.20g、4.71mmol)を添加し、80℃で16時間撹拌した。反応をLCMS及びTLCによってモニタリングした。反応の完了後、反応混合物を氷水(50mL)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で抽出し、有機層をブライン溶液(25mLで2回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製により、N-{3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル}-2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-カルボキサミド(65.0mg、8%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C24H19F3N4O3,468.1;found,467.0(M-H)。1H-NMR(400MHz,DMSO-d):δ 13.42(s,1 H),9.11(d,J=5.2Hz,1H),8.71(d,J=8Hz,1H),8.284(s,1H),8.18(d,J=4.4Hz,1H),7.98(s,1H),7.86(t,1H),7.4(d,J=8,1H),7.17(t,1H),7.09(d,J=7.2,1H),6.88-6.79(m,2H),4.25-4.22(t,2H),3.52(s,3H),3.03-3.00(t,2H)。
【0231】
実施例8:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
【0232】
【化39】
【0233】
工程1:5-ブロモ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンの合成
5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンジル-2,4-ジオン(1.00g、4.13mmol)のトリメトキシメタン(3mL)撹拌溶液に、アニリン(385mg、4.13mmol)を添加し、100℃で16時間撹拌した。分離した固形物をn-ペンタンで洗浄することで、5-ブロモ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンをオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C14H9BrN2O,301.99;found,303.0(M+H)。
【0234】
工程2:tert-ブチルN-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメートの合成
5-ブロモ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(1.10g、3.65mmol)とtert-ブチルN-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(1.20g、3.56mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)懸濁液を、窒素でパージした。次いで、[5-(ジフェニルホスファニル)-9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4-イル]ジフェニルホスファン(845mg、1.46mmol)とビス((1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オン)パラジウム(420mg、0.731mmol)を添加した。反応の塊を100℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチル(50mLで2回)で洗浄し、濾液を水(20mL)、ブライン溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することで、粗製生成物を茶色のガムとして得た。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製することで、tert-ブチルN-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメートを白色固形物(1.2g、97.3%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C19H19N3O3,337.1;found,338.1(M+H)。
【0235】
工程3:5-アミノ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンの合成
tert-ブチルN-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(1.5g、4.45mmol)の固形物に、4M HClの1,4-ジオキサン(30mL、125mmol)溶液を0℃で添加した。得られた反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテル(25mLで2回)でトリチュレートし、真空下で乾燥することで、5-アミノ-3-[2-(2-メトキシフェニル)エチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(950mg、90%)を淡黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C14H11N3O,237.1;found,238.1(M+H)。
【0236】
工程4:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
5-アミノ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(500mg、2.11mmol)と3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸(364mg、2.11mmol)のクロロベンゼン(7mL)撹拌溶液に、トリクロロホスファン(145mg)を添加し、130℃で16時間撹拌した。反応物を室温に降温し、重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機質層をブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製により、3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(4-オキソ-3-フェニル-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドをオフホワイト固形物(10mg、1.21%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C21H14ClN3O3,391.07;found,392.1(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.87(s,1H),11.10(s,1H),8.79(d,J=8.4Hz,1 H),8.36(s,1H),7.89(d,J=11.2Hz,2H),7.7(d,J=8Hz,1 H),7.58(m,4H),7.44(d,J=8Hz,1H),7.10(d,J=8Hz,1H)。
【0237】
実施例9:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
【0238】
【化40】
【0239】
工程1:5-ブロモ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオンの合成
2-アミノ-6-ブロモ安息香酸(2.00g、9.26mmol)のテトラヒドロフラン(20.0mL)撹拌溶液に、固形トリホスゲン(2.75g、9.26mmol)を周囲温度で添加した後、16時間かけて60℃に加温した。反応混合物を真空下で蒸発させた。分離した固形物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオンをオフホワイト固形物(1.8g、80.3%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C8H4BrNO3,240.9;found,241.9(M+H)。
【0240】
工程2:5-ブロモ-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオン(1.00g、4.13mmol)のトリメトキシメタン(5.00mL)撹拌溶液に、ピリジン-3-アミン(0.778g、8.26mmol)を周囲温度で添加し、100℃で16時間加温した。反応混合物を真空下で蒸発させた。分離した固形物をジエチルエーテルでトリチュレートすることで、5-ブロモ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンをオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for,C13H8BrN3O,300.99;found,302.0(M+H)。
【0241】
工程3:tert-ブチル(4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イルカルバメートの合成
5-ブロモ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(0.5g、1.65mmol)とtert-ブチルカルバメート(0.6g、1.51mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)撹拌溶液を、アルゴンで10分間パージした。これに4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.326g、0.57mmol)、炭酸セシウム(1.36g、4.18mmol)、およびビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.167g、0.282mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間かけて100℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で乾燥した。粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製により、tert-ブチルN-[4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル]カルバメート(0.6g、85%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C18H18N4O3,338.14;found,339.2(M+H)。
【0242】
工程4:5-アミノ-3-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
tert-ブチルN-(3-ベンジル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(0.5g、1.42mmol)の固形物に、4M HClの1,4-ジオキサン(15.8mL、63.2mmol)溶液を0℃で添加した。得られた反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテル(25mLで2回)でトリチュレートし、真空下で乾燥することで、5-アミノ-3-[(2-メトキシフェニル)メチル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(420mg、定量的)を茶色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C13H10N4O,238.01;found,239.1(M+H)。
【0243】
工程5:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸(0.118g、1.09mmol)と5-アミノ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン.ヒドロクロリド(0.25g、0.91mmol)のクロロベンゼン(5.0mL)撹拌溶液に、トリクロロホスファン(0.39ml、0.45mmol)を周囲温度で添加した。次いで、得られた混合物を16時間かけて130℃に加熱した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタン(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮することで粗製生成物を得た。粗製材料を逆相分取HPLCにより精製した。純粋な画分を集めて濃縮することで、3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-[4-オキソ-3-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル]ベンズアミド(32.0mg、8%)を得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C20H13ClN4O3,390.07;found,391.0(M+H)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.76(s,1H),11.12(s,1H),8.81-8.78(m,2H),8.72(d,J=4.4Hz,1H),8.80-8.78(m,2H),8.436(s,1H),8.09(d,J=7.6Hz,1H),7.92-7.87(m,2H),7.72-7.64(m,2H),7.46(d,J=8.4Hz,1H),7.10(d,J=8.8Hz,1H)。
【0244】
実施例10:3-クロロ-N-(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-ヒドロキシベンズアミド
【0245】
【化41】
【0246】
工程1:5-ブロモ-3-(3,3-ジメチルブチル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
5-ブロモ-2,4-ジヒドロ-1H-3,1-ベンズオキサジン-2,4-ジオン(1.00g、4.13mmol)と3,3-ジメチルブタン-1-アミンヒドロクロリド(569mg、4.13mmol)のトリメトキシメタン(10.0mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.861mL、6.20mmol)を周囲温度で添加した後、16時間かけて100℃に加温した。反応混合物を真空下で蒸発させた。粗製材料を、酢酸エチル-ヘキサン勾配を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(必要な生成物は約25%酢酸エチル-ヘキサンで溶出する)により精製した。精製により、5-ブロモ-3-(3,3-ジメチルブチル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.65g、50.8%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C14H17BrN2O,310.05;found,311.1(M+H)。
【0247】
工程2:tert-ブチル(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリノン-5-イル)カルバメートの合成
5-ブロモ-3-(3,3-ジメチルブチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オン(0.65g、2.10mmol)とtert-ブチルカルバメート(0.5g、4.20mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)撹拌溶液に、炭酸セシウム(2.05g、6.31mmol)を添加した。次いで、反応混合物をアルゴンで10分間パージした。これに4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(0.48g、0.841mmol)とビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(0.2g、0.42mmol)を添加した。得られた反応混合物を16時間かけて100℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製材料を、酢酸エチル-ヘキサン勾配を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(必要な生成物は約20%酢酸エチル-ヘキサンで溶出する)により精製した。精製により、tert-ブチル(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(0.6g、82.6%)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C19H27N3O3,345.2;found,346.3(M+H)。
【0248】
工程3:5-アミノ-3-(3,3-ジメチルブチル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
tert-ブチルN-[3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル]カルバメート(0.43g、1.26mmol)の固形物に、4M HClの1,4-ジオキサン(10.9mL、43.4mmol)溶液を0℃で添加した。得られた反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。得られた残渣をジエチルエーテル(25mLで3回)でトリチュレートし、真空下で乾燥することで、5-アミノ-3-(3,3-ジメチルブチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンヒドロクロリド(0.45g、定量的)を黄色固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C14H19N3O,245.15;found,246.2(M+H)。
【0249】
工程4:3-クロロ-N-(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メトキシ)ベンズアミドの合成
3-クロロ-4-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}安息香酸(0.58g、1.92mmol)とトリエチルアミン(1.1mL、7.98mmol)のジクロロメタン撹拌溶液に、2-クロロ-1-メチルピリジン-1-イウムヨージド(1.22g、4.79mmol)を添加した。反応混合物を窒素で5分間脱気した。反応混合物に5-アミノ-3-(3,3-ジメチルブチル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンヒドロクロリド(0.45g、1.6mmol)を添加した。反応混合物を16時間かけて60℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、ジクロロメタン(100mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製材料を、酢酸エチル-ヘキサン勾配を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(必要な生成物は約30%酢酸エチル-ヘキサンで溶出する)により精製した。精製により、3-クロロ-N-(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メトキシ)ベンズアミド(0.4g、47.25%)をオフホワイト固形物として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C27H36ClN3O4Si,529.2;found,530.3(M+H)。
【0250】
工程5:3-クロロ-N-(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-ヒドロキシベンズアミドの合成
3-クロロ-N-(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メトキシ)ベンズアミド(0.4g、0.75mmol)のテトラヒドロフラン(5.00mL)溶液に、1Mテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン(7.5mL、7.5mmol)溶液を周囲温度で添加した後、16時間かけて90℃に加温した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。粗製材料を、酢酸エチル-ヘキサン勾配を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(必要な生成物は約35%酢酸エチル-ヘキサンで溶出する)により精製した。精製により、3-クロロ-N-(3-(3,3-ジメチルブチル)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)-4-ヒドロキシベンズアミドをオフホワイト固形物(0.125g、41.4%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C21H22ClN3O3,399.1;found,399.9(M+H),H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.02(s,1H),8.71(d,J=8.4Hz,1H),8.47(s,1H),7.94(s,1H),7.82-7.80(m,2H),7.36(d,J=7.6Hz,1H),7.12(d,J=8.4Hz,1H),4.03(m,2H),1.62(m,2H)0.98(s,9H)。
【0251】
実施例11.3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-メチル-4-オキソ-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
【0252】
【化42】
【0253】
工程1:2-アミノ-6-ブロモ-N-メチルベンズアミドの合成
5-ブロモ-2H-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2,4(1H)-ジオン(1.50g、6.20mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(20.0mL)撹拌溶液に、メチルアミン.HCl(2.09g、31.0mmol)とトリエチルアミン(4.36mL、31.のmmol)を添加した。得られた反応混合物を50℃で6時間撹拌した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)に注ぎ入れ、酢酸エチル(50mLで3回)で抽出した。有機相を水、ブライン溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮することで、2-アミノ-6-ブロモ-N-メチルベンズアミドを茶色固形物(1.10g、78%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C8H9BrN2O,229.99;found,231.0(M+H)。
【0254】
工程2:5-ブロモ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロキナゾリン-4(1H)-オンの合成
2-アミノ-6-ブロモ-N-メチルベンズアミド(1.10g、4.80mmol)のエタノール(20.0mL)撹拌溶液に、ピリジン-3-カルバルデヒド(0.787g、7.35mmol)、p-TSA(0.165g、0.960mmol)、およびMgSO(2.00g、16.6mmol)を窒素雰囲気下、室温で添加した。反応の塊を4時間かけて80℃にする。反応の進行状況をTLCによりモニタリングした。反応の完了後、反応の塊を真空下で濃縮することで、thepyridine-3-カルバルデヒドを茶色固形物(0.787g、51%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C14H12BrN3O,317.0;found,318.0(m+H)。
【0255】
工程3:5-ブロモ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
5-ブロモ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)-2,3-ジヒドロキナゾリン-4(1H)-オン(1.50g、4.71mmol)のオキソラン(10.0mL)撹拌溶液に、PIDA(2.28g、7.07mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。反応の進行状況をLCMSによりモニタリングし、反応の完了後、反応の塊を水(10.0mL)でクエンチし、炭酸水素ナトリウム(10mL)、水(10mL)で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させることで、粗製生成物を得た。粗製生成物を、酢酸エチル-ヘキサン勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、純粋な5-ブロモ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-オンを茶色固形物(0.900g、60%の収率)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C14H10BrN3O,317.0;found,318.1(M+H)。
【0256】
工程4:tert-ブチル(3-メチル-4-オキソ-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメートの合成
5-ブロモ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.5g、1.58mmol)とtert-ブチルカルバメート(0.556g、4.74mmol)の1,4-ジオキサン(10.0mL)撹拌溶液に、炭酸セシウム(1.55g、4.74mmol)とXanthphos(0.366g、0.633mmol)を添加した後、窒素ガス下で10分間脱気した。これにビス((1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタ-1,4-ジエン-3-オンパラジウム(182mg、0.316mmol)を添加し、100℃で12時間撹拌した。反応の進行状況をTLCとLCMSによりモニタリングし、反応の完了後、反応の塊をセライトベッドに通して濾過し、濃縮することで粗製生成物を得た。粗製材料を、酢酸エチル-ヘキサン勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製することで、tert-ブチル(3-メチル-4-オキソ-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメートを黄色固形物(400mg、72%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C19H20N4O3,352.1;found,353.0(M+H)。
【0257】
工程5:5-アミノ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンの合成
tert-ブチル(3-メチル-4-オキソ-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)カルバメート(557mg、1.58mmol)の1,4-ジオキサン(4.0mL)撹拌溶液に、1,4-ジオキサンヒドロクロリド(4.00mL)を添加し、反応の塊を6時間かけて80℃に加温した。反応の進行状況をTLCによりモニタリングし、反応の完了後、反応の塊を濃縮することで、5-アミノ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オンを黄色固形物(200mg、50%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.For C14H12N4O,252.1;found,253.1(M+H)。
【0258】
工程6:3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-メチル-4-オキソ-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドの合成
3-クロロ-4-ヒドロキシ安息香酸(145mg、0.839mmol)と5-アミノ-3-メチル-2-(ピリジン-3-イル)キナゾリン-4(3H)-オン(0.212g、0.839mmol)のクロロベンゼン(10mL)溶液に、窒素下、室温でPCl(0.08g、0.588mmol)を添加し、反応の塊を6時間かけて130℃に加温した。反応の進行状況とLCMSをTLCによりモニタリングし、反応の完了後、反応の塊を水でクエンチし、固形物を濾過し、乾燥することで、粗製生成物を得た。粗製生成物を分取HPLC(カラム:Inertsil C18(250mm×20mm×5mic)、移動相A:水中で0.1%TFA;移動相B:アセトニトリル、流速19mL/分)により精製した。純粋な画分を濃縮することで、3-クロロ-4-ヒドロキシ-N-(3-メチル-4-オキソ-2-(ピリジン-3-イル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-5-イル)ベンズアミドを黄色固形物(30.0mg、8.7%)として得た。LCMS(ES)m/z calcd.for C21H15ClN4O3,406.08;found,407.1 [M+H];H NMR(400MHz,DMSO-d):H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 13.31(s,1H),11.16(s,1H),8.89(s,1H),8.76(d,J=6.4Hz,2H),8.16(d,J=8.0Hz,1H),7.95(s,1H),7.82-7.78(m,2H),7.65-7.58(m,1H),7.39(d,J=7.6,1H),7.16(d,J=8.4,1H),3.41(s,3H)。
【0259】
以下の化合物は、実施例1~11に記載するように合成した。
【0260】
【表3-1】
【0261】
【表3-2】
【0262】
【表3-3】
【0263】
【表3-4】
【0264】
【表3-5】
【0265】
実施例A:HSD17β13活性の評価と阻害剤の特定におけるNADH検出アッセイ
蛍光ベースのロイコトリエンB3(LTB3)アッセイにおいて、基質LTB3の脱水素反応中にNAD+から生成したNADHの蛍光をモニタリングする。384ウェルプレート(Greiner;#655076)中、試薬として25μM LTB3(Cayman;#20109)、3mM NAD(Sigma;#N0623)、125nM HSD17B13酵素(院内;大腸菌はHisタグ付きの精製された可溶性タンパク質を発現した)、pH7.41Mリン酸カリウム緩衝液、および1%DMSOを含有する20μl反応体積(最終濃度)で、反応を行った。NAD+と酵素を同時添加することで反応を開始し、26.5℃で1時間モニタリングした。NADHの生成は、1時間での蛍光シグナル(励起340nm、発光445nm)からt=0でのベースライン蛍光を減算したものとして測定した。LTB3(陰性対照値)がない状態での蛍光シグナルはすべての値から減算し、その結果、NADHの基質依存性の産生が反映された。相対蛍光単位の酵素活性速度への変換を可能とするためのNADH標準を含めた。被験化合物が存在する状態での酵素活性は未阻害酵素活性の割合として表し、阻害剤濃度に対してプロットを行った。4つのパラメータ・ロジスティック・モデルとMicrosoft Excel Solver(登録商標)ソフトウェアを用いて、非線形回帰を行った。10個の阻害剤濃度に対し二通りに試験を行い(30μM~2.5nMの範囲)、2つの独立した濃度反応アッセイを行った。
【0266】
実施例B:HSD17s13活性の評価と阻害剤の特定におけるエストロン検出アッセイ
液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)エストロン検出アッセイにより、HSD17B13によるエストラジオールからエストロンへの変換をモニタリングする。本アッセイは、96wpフォーマット(Eppendorf deep well Plate 96/500)で、4μMエストラジオール(E2;Cayman;#10006315)、6mM NAD(Sigma;#N0623)、および30nM HSD17B13酵素(院内;大腸菌はHisタグ付の精製された可溶性タンパク質を発現した)を含有する80μl反応体積中、pH7.4の1Mリン酸カリウム緩衝液と0.5%ビヒクル(DMSO)を伴う反応において行った。反応物を26.5℃で2時間インキュベートし、エストラジオール(E2)からエストロン(E1)への変換を、LCMS等級の試薬を用いてE2とE1の両方に対する分析物検出に基づきLC-MS/MSにより定量した。
【0267】
内部標準として用いた重水素化(D4)-E1(Clear Synth;#CST-54273;最終濃度500ng/mL)を含有する2体積のアセトニトリル(MeCN;LCMS等級;CAS#75/05/8)を添加することで、反応を終了した。試料を事前に用意したBond Elut-C18抽出カートリッジ(3mL;Agilent;#12102028)に適用し、洗浄し、MeCN中で溶出した。溶出物を窒素の下で乾燥させ、60%メタノール(LCMS等級のメタノール;CAS#67/56/1)中で再懸濁させてから、解析に提出した。定量化にE2とE1の水性の水溶液線形性(Aqueous linearity)を含めた。
【0268】
試料の解析は、XBridge BEH C18カラム(Waters;#186003033)上、MeCN中の0.1%ジエチルアミン(移動相A;DEA CAS#109-89-7)とmilli-Q水中の0.1%ジエチルアミン(移動相B)を用いて、25%Bで3分の勾配において行った。MRM解析を使用してネガティブモードで分析物を検出し、E2のRTは1.85分、E1のRTは2分であった。NADがない場合、酵素活性を用いて変換の特異性を評価した。被験試料が存在する状態での酵素活性は未阻害酵素活性の割合として表し、阻害剤濃度に対してプロットを行った。4つのパラメータ・ロジスティック・モデルとGraphPad Prismソフトウェア(GraphPad Software,La Jolla,CA)を使用して、非線形回帰を実施した。精査はすべて複製評価で行い、抽出プロセス中にプールされた後にLC-MS/MS解析において複製として注入した。
【0269】
両実施例に関するデータを下記の表2に示す。
【0270】
【表4-1】
【0271】
【表4-2】
【国際調査報告】