(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】繊維マット内部の測定システムを備えたオーブン
(51)【国際特許分類】
B65G 43/00 20060101AFI20230809BHJP
B65G 15/14 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
B65G43/00 Z
B65G15/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505970
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 FR2021051399
(87)【国際公開番号】W WO2022023662
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502425053
【氏名又は名称】サン-ゴバン イゾベール
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100210697
【氏名又は名称】日浅 里美
(72)【発明者】
【氏名】ブリス デュバエル
(72)【発明者】
【氏名】ジョナタン ボーシャール
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン メロープ
(72)【発明者】
【氏名】ピエリック ギヨ
【テーマコード(参考)】
3F023
3F027
【Fターム(参考)】
3F023AA01
3F023AB05
3F023BB06
3F023BC01
3F023CA02
3F023CA08
3F023EA01
3F027AA02
3F027CA07
3F027DA32
3F027DA33
(57)【要約】
【課題】繊維マットを加熱するためのオーブンの提供。
【解決手段】進行方向においてマットを輸送するための第一のコンベヤ(4)と、マット内部の測定システムとを含む、繊維マットを加熱するためのオーブンであって、この測定システムはセンサを含み、このセンサは、前記第一のコンベヤ(4)に取り付けられており、かつ、作動システムの作用下でコンベヤ内部の第一の格納位置とマット内部の測定位置との間でマットの横断方向(Y)において移動するように適合されており、測定システムは、センサが第一のコンベヤ(4)の側面(4c)から突き出たフィンガー(54)に機械的伝達システム(40)によって接続されているように構成されており、作動システム(60)は少なくとも1つの接触表面(64)を含み、この接触表面(64)は、コンベヤ(4)の前記側面(4c)に面して配置されており、かつ、機械的伝達システム(40)によって、センサをその格納位置からその測定位置に移動させるために、フィンガー(54)が進行方向に移動する際に、前記フィンガー(54)と係合するように適合されている、オーブン。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維マット(15)、特に、バインダーによって結合された鉱物繊維又は植物繊維を含むマットを加熱するためのオーブン(2)であって、前記オーブン(2)は、少なくとも、進行方向(X)において前記マット(15)を輸送するための第一のコンベヤ(4)と、前記マット(15)内部の測定システム(30)とを含み、前記測定システム(30)は、センサ(34)を含み、このセンサ(34)は、前記第一のコンベヤ(4)に取り付けられており、かつ、作動システム(60)の作用下で前記コンベヤ(4)内部の格納位置と前記マット(15)内部の測定位置との間で横断方向(Y)において移動するように適合されており、前記測定システム(30)は、前記センサ(34)が前記第一のコンベヤ(4)の側面(4c)から突き出たフィンガー(54)に機械的伝達システム(40)によって接続されているように構成されており、前記作動システム(60)は、少なくとも1つの接触表面(64)を含み、この接触表面(64)は、前記第一のコンベヤ(4)の前記側面(4c)に面して配置されており、かつ、前記機械的伝達システム(40)によって、前記センサ(34)をその格納位置からその測定位置に移動させるために、前記進行方向(X)での前記フィンガー(54)の移動中に、前記フィンガー(54)と協働するように適合されている、オーブン(2)。
【請求項2】
前記機械的伝達システム(40)が、横方向に延在する伝達アーム(46)と、旋回レバー(44)とを含み、この旋回レバーは、前記アーム(46)及び前記センサ(34)に接続されており、それにより、前記伝達アーム(46)の横方向の動きが前記センサ(34)の横断方向の動きを生み出すようになっている、請求項1に記載のオーブン(2)。
【請求項3】
前記フィンガー(34)が回転ローラである、請求項1又は2に記載のオーブン(2)。
【請求項4】
前記測定システム(30)が、前記センサ(34)の測定位置を、前記第一のコンベヤ(4)に面する第二のコンベヤ(5)の、前記横断方向(Y)における位置の関数として調整するためのシステム(80)をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項5】
前記位置調整システム(80)が、前記第二のコンベヤ(5)の位置に応じて、横方向(Z)における前記接触表面(64)の位置を調整するための手段を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項6】
前記接触表面(64)が、前記第二のコンベヤ(5)と一体のレール(88)に沿ってスライド可能に取り付けられたスライド要素(86)と一体であり、前記横断方向(Y)及び前記横方向(Z)に対する前記レール(88)の傾きは、前記第二のコンベヤ(5)の横断方向の動きが、前記スライド要素(86)、ひいては前記接触表面(64)の、横方向の動きをもたらすような傾きになっている、請求項1~5のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項7】
前記フィンガー(54)は、前記センサ(34)がその格納位置にある位置において、前記第一のコンベヤ(4)から離れて弾性的に戻されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項8】
前記接触表面(64)が、少なくとも1つの配備傾斜面(66)を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項9】
前記傾斜面(66)が、ベアリング(68)によって延長されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項10】
前記測定システム(30)は、前記センサ(34)が、前記進行方向(X)における測定開始と呼ばれる横座標(X1)においてその測定位置に配備され、かつ、前記センサ(34)が、前記進行方向(X)における測定完了と呼ばれる横座標(X2)においてその格納位置に戻されるように構成されている、請求項8又は9に記載のオーブン(2)。
【請求項11】
前記作動システム(60)は、前記フィンガー(54)と前記接触表面(64)との間の接触が前記測定完了横座標(X2)から上流で断たれるように、構成されている、請求項8~10のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項12】
前記接触表面(64)が、1メートル未満の、前記進行方向(X)において測定される長さを有する、請求項8~11のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項13】
前記ベアリング(68)が、前記測定完了横座標(X2)まで連続的に延在する、請求項9又は10に記載のオーブン(2)。
【請求項14】
前記作動システム(60)が、横方向の位置において前記フィンガー(54)をロックするためのシステム(70)をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項15】
前記位置ロックシステム(70)が、少なくとも1つの停止歯(74)を備えておりかつロック位置において弾性復帰手段(75)によって付勢される回転つめ(72)を含み、前記歯(74)は、前記フィンガー(54)又は前記フィンガー(54)の支持要素(50)が有する相補的な保持手段(51)と協働するように適合されており、前記作動システムは、前記つめ(72)のロックを解除するための手段(76,78)を含み、このロックを解除するための手段(76,78)は、前記つめ(72)を、前記歯(74)が前記相補的な保持手段(51)から外れる係合解除位置に、前記弾性復帰手段(75)に逆らって旋回させることを可能にする、請求項1~14のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項16】
前記ロック解除手段が、前記接触表面(64)に垂直な前記つめ(72)と協働するように構成された少なくとも1つの第一の脱活性化傾斜面(76)を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項17】
前記ロック解除手段が、前記進行方向において前記第一の脱活性化傾斜面(76)から間隔を置かれた第二の脱活性化傾斜面(78)を含む、請求項15又は16に記載のオーブン(2)。
【請求項18】
少なくとも前記第一のコンベヤ(4)が、関節で繋がっておりかつ穴の開いたスクリーンからなる複数のパレット(6)で形成されている、請求項1~17のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【請求項19】
前記センサ(34)が温度センサである、請求項1~18のいずれか一項に記載のオーブン(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維マット、特に、バインダーによって結合された鉱物繊維又は植物繊維を含むマットの分野に関する。これらのマットは、例えば、熱及び/又は音の遮断パネル又はロールを形成するために切断されることが意図される。
【背景技術】
【0002】
そのような繊維マットの製造は、主に、繊維化すること、及び穴の開いた移動コンベヤ又はトランスポーター上に繊維を堆積させることを含む。繊維は、繊維が堆積するトランスポーターの下に配置されたサクションボックス(吸引ボックス)を用いて、コンベヤ上に押しつけられる。繊維化中に、バインダーが繊維上にスプレーされ、このバインダーは、接着特性を有し、通常、熱硬化性樹脂などの熱硬化可能な材料を含む。
【0003】
次いで、収集コンベヤ上の比較的緩い繊維の一次層は、当該分野で一般に架橋オーブンと呼ばれる加熱装置に移される。繊維マットは、追加のコンベヤのおかげで、その全長にわたってオーブンを通過する。これらは、互いに向き合っておりかつ形成されるマットの厚さを決定するように調整された距離で間隔を置かれた2つのエンドレスベルトであることが多い。さらに、コンベヤの各ベルトはパレットで構成され、このパレットは、マットの加熱により生じる空気及び他のガスが透過するように穴が空いた、関節で繋がったスクリーンを形成している。したがって、そのようなマットは、オーブン中の2つのコンベヤによって加えられる圧縮の程度に応じて、比較的大きい密度、又は比較的小さい密度を有する。
【0004】
オーブンの通過中に、マットは、同時に乾燥され、特定の熱処理を受け、これにより、繊維の表面に存在するバインダーの熱硬化性樹脂の重合(又は「硬化」)が引き起こされる。
【0005】
バインダーの硬化を引き起こすために用いられる手順は、マットの厚さの全体にわたって存在するバインダーが次第にその硬化温度より高い温度になるように、マットへ加熱空気を通過させることにある。この目的のために、架橋オーブンは、マットを取り囲むチャンバを構成する囲いで構成され、そこでは、バーナーから送られファンによって循環される加熱空気が供給される一連のボックスが、配置される。したがって、各ボックスは独立した加熱ゾーンを画定し、そこでは特定の加熱条件が設定される。ボックスは、マットと上側及び下側のコンベヤのための開口部を有する壁によって区切られる。したがって、複数のボックスの使用は、オーブンの通過中にマットの温度を段階的に上昇させることを可能にし、局所的に過剰な加熱、又はマット内のバインダーが完全には重合していないゾーンの存在によるホットスポットの出現を防止する。したがって、ミネラルウール製造プロセスにおいて用いられるオーブンは、非常に一般的に、多くのボックス(例えば3~10)と、各ボックス内の可変の熱条件を確立することを可能にする既知の手段とを含む。
【発明の概要】
【0006】
現在、ホルモフェノール樹脂の代わりに新しい代替のバインダーを使用すると、上に記載されているような従来式のオーブンにおいて繊維のマットを硬化する方法の条件を制御することはより困難になる。「グリーンバインダー」と記載されることもあるそのようなバインダーは、通常、ホルムアルデヒドを含まず、特に、それらが、再生可能な原材料、特に植物のベース、特に、水素化又は非水素化糖に基づいたタイプのベースに少なくとも部分的に由来する場合、例えばWO2009/080938及びWO2010/029266に記載されたものである場合、ほとんどの場合、熱硬化状態に到達させるために硬化温度の非常に良好な調節を要求し、この硬化温度範囲はより狭い。最も具体的には、バインダーは、その硬化を完了するための最小値と、最大値との間の温度にさらされる必要があり、最大値を超えると、急速に劣化し、設置の後にさえ、最終製品の劣化した機械的特性を最終的に生じる。グリーンバインダーのタイプに応じて、最小値と最大値の差は、およそ20℃程度である場合があり、それより小さい場合もある。したがって、繊維のマットの温度の制御は、新しい技術を要求し、特に、オーブンの設計そのものの変更を必要とする。
【0007】
繊維マット内部の測定法は、本出願人の出願WO2016/108006に既に記載されているが、より複雑さが軽減されておりかつ高温環境及びオーブンからのダストに対する比較的高い耐性を有するシステムに対する必要が、依然としてある。
【0008】
本発明の1つの目的は、硬化中のマットの特徴の正確な測定のためのシステムを含んでおりかつ長期間にわたって耐性のあるオーブンを提供することである。
【0009】
この目的のために、本発明の目的は、繊維マット、特に、バインダーによって結合された鉱物繊維又は植物繊維を含むマットを加熱するためのオーブンであり、前記オーブンは、少なくとも、進行方向においてマットを輸送するための第一のコンベヤと、マット内部の測定システムとを含み、前記測定システムは、センサを含み、このセンサは、前記第一のコンベヤに取り付けられており、かつ、作動システムの作用下でコンベヤ内部の格納位置とマット内部の測定位置との間で横断方向において移動するように適合されており、測定システムは、センサが第一のコンベヤの側面から突き出たフィンガー(指部)に機械的伝達システムによって接続されているように構成されており、作動システムは、少なくとも1つの接触表面を含み、この接触表面は、コンベヤの前記側面に面して配置されており、かつ、機械的伝達システムによって、センサをその格納位置からその測定位置に移動させるために、進行方向でのフィンガーの移動中に、前記フィンガーと協働するように適合されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下の図において、表現は、必ずしも縮尺どおりではない。
【
図1】
図1は、本発明に係るオーブンを含む、繊維マットを製造するための設備の概略立面図である;
【
図3】
図3は、本発明に係る測定システム、センサを担持するパレット、機械的伝達システム、及び本発明に係るフィンガーを統合する、
図1のオーブンの下側コンベヤのパレットを示す;
【
図4】
図4は、
図3のパレット、及び測定開始横座標付近における関連する作動システムを示す。
【
図7】
図7は、測定完了横座標付近における前の図の測定システムの部分的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るオーブンは、以下の3つの方向によって定義される:
- オーブン内部のマットの進行方向
- マットの厚さの方向に対応する横断方向、
- 上に言及された2つの方向に垂直な横方向。
【0012】
フィンガー、伝達システム、及びセンサは、第一のコンベヤに取り付けられ、その進行方向における動きと一体であることが理解される。フィンガーは、コンベヤの側面に配置される。
【0013】
作動システム、特にはフィンガーと協働することが意図された接触表面を含む作動システムは、第一のコンベヤの側面に面して、オーブンの側に少なくとも部分的に位置し、オーブンの枠に固定される。したがって、それは、オペレーターによって容易にアクセス可能で観察可能である。加えて、既存のオーブンへの測定システムの設置が容易になる。
【0014】
したがって、測定システムは、それがさらされる困難な条件にもかかわらず、シンプルで、堅牢で、耐久性である。
【0015】
第一のコンベヤは、オーブンの下側コンベヤであっても上側コンベヤであってもよい。
【0016】
1つの例によれば、機械的伝達システムは、フィンガーの横方向の動きがセンサの横断方向の動きを生み出すように構成される。例えば、機械的伝達システムは、横方向に延在する伝達アームと、旋回レバーとを含み、この旋回レバーが、前記伝達アーム及び前記センサに接続されており、それにより、伝達アームの横方向の動きがセンサの横断方向の動きを生み出すようになっている。
【0017】
本明細書の残りについては、センサがその格納位置にある場合のフィンガーの位置をフィンガーの第一の位置、センサがその測定位置にある場合の位置をフィンガーの第二の位置と呼ぶ。
【0018】
1つの例よれば、フィンガーは回転ローラである。ローラは、いわば、接触表面に沿って回転する。それは、摩擦を制限して、動き及び接触表面との協働を容易にすることを可能にする。
【0019】
オーブン内部で、コンベヤは、マットを圧縮して、それに所望の厚さを与える。したがって、製造される製品に応じて、第一及び第二のコンベヤ間の距離は調整可能である。特に、上側コンベヤの高さは、通常、ラインの各開始時に、又は製品の変更中に設定される。測定を可能な限り正確にするために、製品の中心、すなわち、好ましくは第一及び第二のコンベヤの中間で測定することが望ましい。有利には、測定システムは、センサの測定位置を、前記第一のコンベヤに面する第二のコンベヤの、横断方向における位置の関数として調整するためのシステムを含む。好ましくは、調整システムは、センサの測定位置が、横断方向で第一及び第二のコンベヤの中間に位置するように構成される。
【0020】
1つの例によれば、位置調整システムは、第二のコンベヤの位置に応じて、横方向における接触表面の位置を調整するための手段を含む。
【0021】
1つの例によれば、位置調整手段は、第二のコンベヤの横断方向の動きを接触表面の横方向の動きに変換するように構成された伝達システムを含む。
【0022】
1つの例によれば、接触表面は、第二のコンベヤと一体のレールに沿ってスライド可能に取り付けられたスライド要素と一体であり、横断方向及び横方向に対するその傾きは、第二のコンベヤの横断方向の動きが、スライド要素、ひいては接触表面の、横方向の動きをもたらすようなものである。
【0023】
スライド要素は、例えば、レールを形成する溝内部のスライド突起である。またはそれは、レールを形成するリブ上をスライドするように適合されたスライド部であってよい。
【0024】
1つの例によれば、接続アーム、好ましくは、横方向に移動するようにガイドされた接続アームは、接触表面をスライド要素に接続し、それはスライド要素と一体である。
【0025】
1つの例によれば、フィンガーは、センサがその格納位置にある位置(第一の位置)に弾性的に戻されており、特に、第一のコンベヤから横方向に離れて付勢される。
【0026】
接触表面は、オーブンの枠に対して、進行方向において既定の固定位置に配置される。1つの例によれば、接触表面は少なくとも1つの配備傾斜面を形成し、これは、フィンガーが、その第一の位置からその第二の位置(フィンガーが傾斜面の頂部に到達した際に到達する)に徐々に移行することを可能にする。
【0027】
傾斜面は、好ましくは、進行方向において測定される、5~50cmの長さを有する。
【0028】
好ましいが、非限定的な構成によれば、傾斜面は、ベアリングによって延長される。フィンガーがベアリングと接触している場合、センサはその測定位置において保持される。
【0029】
ベアリングが、フィンガーをガイドするためのレール形状を有することも考えられうる。
【0030】
1つの例によれば、測定システムは、センサが、測定開始と呼ばれる進行方向における横座標においてその測定位置に配備されるように、かつ、センサが、進行方向におけるいわゆる測定完了横座標においてその格納位置に戻されるように、構成される。
【0031】
マット内部の測定の期間及び頻度は、測定システムの構成に応じて変更できる。1つの実施態様によれば、測定システムは、測定がオーブン内部のマットの経路全体にわたって連続的であるように構成することができる。別の実施態様によれば、測定システムは、経路の異なる場所での複数の短い測定を可能にするように構成することができる。
【0032】
1つの例によれば、作動システムは、フィンガーと接触表面との間の接触が測定完了横座標から上流で断たれるように、構成される。
【0033】
したがって、接触表面は、それが単にセンサを配備する機能を有するが、測定位置でセンサを維持する機能を有さない限り、非常に短くてよい。この実施態様は、既存のオーブンでの測定システムの容易な組み込みを可能にする。
【0034】
例えば、接触表面は、1メートル未満、好ましくは50cm未満の、進行方向において測定される全体長さを有してよい。
【0035】
特に、このように接触表面が所望の測定長さより小さい長さを有する場合、作動システムは、横方向の位置においてフィンガーをロックするためのシステムをさらに含んでよく、このロックシステムは、測定完了横座標までフィンガーを測定位置に維持する機能を有する。好ましくは、この位置ロックシステムは、フィンガーが、デフォルトで、その横方向の位置においてロックされるように構成される。言いかえれば、ロックシステムは、デフォルトで、所定の位置にフィンガーをロックするように機能する。
【0036】
1つの構成によれば、ロックシステムは、複数の既定の横方向のロック位置においてフィンガーをロックすることを可能にし、これらのロック位置は、規則的に間隔を置かれていてもよく、そうでなくてもよい。
【0037】
例えば、位置ロックシステムは、少なくとも1つの停止歯を備えておりかつロック位置において弾性復帰手段によって付勢される回転つめを含んでよく、この歯は、フィンガー又はフィンガーの支持要素が有する相補的な保持手段と協働するように適合される。
【0038】
回転つめは、第一のコンベヤに固定される。
【0039】
これらの相補的な保持手段は、例えば、横方向に分散した、歯の複数の保持要素を含み、各保持要素は、フィンガーの既定の横方向のロック位置に対応する。
【0040】
作動システムがそのようなロックシステムを含む場合、作動システムは、フィンガーの特に接触表面との係合を可能にするように構成された、フィンガーの横方向の位置のロックを解除するための手段をさらに含む必要があることが理解される。
【0041】
例えば、作動システムは、つめのロックを解除するための手段を含み、これは、つめを、歯が前記相補的な保持手段から外れる係合解除位置に、弾性復帰手段に逆らって旋回させることを可能にする。
【0042】
1つの例によれば、ロック解除手段は、少なくとも1つの第一の脱活性化傾斜面を含み、これは、支持表面に沿って、より詳しくは配備傾斜面の上流で、適切な場合にはベアリングの少なくとも一部分に沿って、つめと協働するように構成されている。これにより、フィンガーは、その格納位置からその測定位置に移動することができる。脱活性化傾斜面は、オーブンの枠に固定される。横方向の位置においてフィンガーをロックするためのシステムにより、フィンガーがベアリングから離れた際に、センサが戻る代わりにその測定位置に留まることが可能となる。
【0043】
ひとたび測定がオーブン内部で実施されると、センサは通常格納される。
【0044】
この目的のために、特に、フィンガーがその第一の位置に弾性的に戻される場合、ロック解除手段は、進行方向において第一の脱活性化傾斜面から間隔を置かれた第二の脱活性化傾斜面を含んでよい。ロック手段を脱活性化することによって、第二の傾斜面は、弾性復帰手段の作用下でフィンガーがその第一の位置に戻ることを可能にする。第二の脱活性化傾斜面は、オーブンの枠に固定される。
【0045】
代替的な実施態様によれば、接触表面は、測定完了横座標まで、特に、オーブンの出口の付近まで連続的に延在するベアリングを含んでよい。この場合、接触表面は、センサを配備すること、及びその測定位置においてセンサを保持することの両方の機能を有する。フィンガーを所定の位置にロックする/ロック解除する手段は、任意選択的に省略してよい。この構成の利点は、測定が、マットの中心で正確に、有利には1ミリメートル以内で、ロックする/ロック解除する手段に関して上で言及されたような既定のロック位置に従わずに行われることである。
【0046】
1つの例によれば、少なくとも第一のコンベヤは、関節で繋がっておりかつ穴の開いたスクリーンからなる複数のパレットで形成される。
【0047】
1つの例によれば、センサは温度センサである。しかし、この構成は限定的ではなく、測定システムは水分測定システムであってもよく、この場合、センサは水分センサである。
【0048】
1つの有利な規定によれば、測定システムは、硬化方法の制御部材にも接続され、それは、センサによって実施された測定の関数として製品の硬化を最適化するように適合される。
【0049】
以下の例は、非限定的に本発明を示す。
【0050】
図1は、ガラスウールに基づいた繊維製品を製造するための設備1を概略的に示す。この設備1は繊維化ユニット11を含み、そこには溶融ガラスが通常の方法で炉からもたらされる。設備1は、繊維化ユニット11によって製造された繊維マット13上にバインダーを、特にスプレーすることによって堆積させるように設計されたバインダーアプリケーター12を含む。繊維は、バインダーと混合されたガラスウール繊維のマット15の形態で、有孔コンベヤ14上に収集される。バインダーは熱硬化性樹脂であっても、他の種類の適切なバインダーであってもよい。
【0051】
コンベヤ14の終わりに、設備1は、囲い3で囲まれた架橋オーブン2を含み、囲い3は、(入口及び出口でのマットのまわりを除いて)閉じており、それは、入口2aにおいて入口ポート20a、及び出口2bにおいて出口ポート20b、並びに入口ポート及び出口ポート20a、20b間において、壁(図示せず)によって互いから分離された一連のボックスを画定し、これらのボックスは、マットを硬化するための高温ガスを導入するための1つ又はそれより多くの給気ダクト21と、マットの硬化、特に、マットに含有される水の気化に由来するガスを放出するための1つ又はそれより多くの排気ダクト22とに接続される。マット15を輸送し、調節するための2つのコンベヤ4、5は、囲い3を通る。これは、互いに向かい合う下側コンベヤ4及び上側コンベヤ5を含む。コンベヤ4、5間の距離は、マット15の厚さを調節するように調整可能である。
【0052】
これらのコンベヤ4、5の各々は、エンドレスコンベヤベルトを形成する。各々は、従来のように、互いに関節で繋がっておりかつガス透過性であるように穴の開いた複数のパレット6を含み、それぞれ入力ローラ25、27、及び出口ローラ26、28のまわりで駆動される。しかし、より一般的には、各コンベヤは、ガス透過性でありかつエンドレスベルトを形成するあらゆる輸送要素によって、形成することができる。
【0053】
バインダーの急速硬化を促進する高温ガスの通過を保証しつつ、コンベヤ4、5は、マット15を所望厚さに圧縮する。
【0054】
本明細書の残りについては、オーブン2の方向Xは、オーブン内部のマット15の進行方向に対応するものとして定義され、Yは、マット15の厚さの方向に対応するオーブン2の横断方向であり、したがって、各コンベヤの有効表面4a、5a(すなわちマットと接触する表面)に直交しており、最後に、Zは横方向であり、すなわち方向X及びYに直交する。
【0055】
図2は、横方向断面におけるオーブン2の部分図である:マット15は、下側及び上側コンベヤ4、5の有効表面4a、5a間で圧縮され、各有効表面4a、5aは、ここでは関連するコンベヤの複数のパレット6の有効表面6aの並置によって形成されている。
【0056】
下側コンベヤの側面4c、4dは、複数のパレット6の側面6c、6dの並置によって、それぞれ形成される。同じことが、上側コンベヤの側面5c、5dにも当てはまる。
【0057】
典型的には、
図2において示されるように、熱風吹き付けモジュール23が、下側コンベヤ4の有効側の真下に位置し、吸引モジュール24が、上側コンベヤ5の有効側の真上に位置する。
【0058】
図2の右側に示されるように、コンベヤ4及び5のパレット6は、オーブン2内部に配置された支持手段と関連づけられ、支持手段はそれらの動きをガイドする。
図2に示されるように、各パレット6について、支持手段は鎖18を含み、それは、ホイール(図示せず)のまわりに巻き付けられ、パレット6の横方向の舌部7に接続されている。
【0059】
図2は、下側コンベヤ4のパレット6を示し、それは、本発明に係る測定システム30の要素を統合する。図において示されるように、測定システム30は、下側コンベヤ4の側面4cに少なくとも部分的に位置する。
【0060】
図3は、同じパレット6、及び測定システム30をより詳細に示す。
【0061】
図示された実施態様では、測定システム30はオーブン2の下側コンベヤ4と関連づけられているが、説明した構成を上側コンベヤ5に転換することは明らかに十分可能である。
【0062】
測定システム30は、少なくとも1つのセンサ34を備える測定装置32を含み、センサ34は、例において、横断方向Yに(すなわち、パレット6の有効表面6aの面に直交して)延在する長手方向プローブ36の遠位端36aに配置されている。プローブは、有効表面6aの貫通オリフィス(図では見えない)を通って移動するように適合される。したがって、センサ34は、それが有効表面6aの下に(「上」は、ここではマットの方向で定義される)位置する格納位置と、センサ34がマット15中へ突き出る測定位置との間で移動することができる。センサ34は、好ましくは、横方向Zにおいて、パレット6の中心に向けて配置される。それは、有利には、側面4c、4dの中間に配置される。
【0063】
例において、センサ34は温度センサであり、有利には、SAW(表面音響波)技術と呼ばれる一種の技術を用いた温度センサである。他の実施態様において、センサは水分センサ又は他のセンサであってよい。
【0064】
変形例として、測定システム30は、同じパレット、又は異なるパレット上に配置された複数のセンサ34を含んでよい。
【0065】
例において、センサ34は、パレット6に取り付けられたアンテナ38にワイヤ(図示せず)によって接続され、それは、センサ34に垂直である。このアンテナ38(以下、内蔵アンテナ)は、ワイヤレス接続によって、測定デバイスの問合せユニットを形成しておりオーブンの枠に固定されている別のアンテナ(図示せず)(以下、固定アンテナ)に接続される。固定アンテナは、信号を処理しかつデータをコンピューター、別のユーザーインターフェース、又は適切な部材へ送信するための電子ボックスに、接続される。したがって、有利な規定によれば、測定システム30は、硬化方法の制御部材に接続され、制御部材は、センサによって実施される測定の関数として製品の硬化を最適化するように適合されるものである。変形例として、アンテナ38は、長手方向プローブ36に固定して取り付けることができる。
【0066】
SAWタイプ技術は、ワイヤレスであるという利点を有し、以下のように動作する:電磁波は、固定アンテナによって内蔵アンテナ38に伝送される。電磁波は音響波に変換される。センサ34が配置されている媒体の温度(マット15内部の温度)は、センサ34の表面で伝播する音響波の物性に影響を及ぼす。戻りにおいて、変化した波は、固定アンテナに送り返される電磁波に変換される。固定アンテナが接続された電子ボックスは、次いで信号を処理し、外部へそれを送信する。
【0067】
本発明によれば、センサ34は、機械的伝達システム40によって、第一のコンベヤ4の側面、ここでは側面4cから突き出るフィンガー54に接続される。したがって、フィンガー54のあらゆる動きが、センサ34の動きを生じさせる。
【0068】
測定システム30は、作動システム60をさらに含み、作動システム60は少なくとも1つの接触表面を含み、この接触表面は、機械的伝達システム40を介して、センサ34をその格納位置とマット15内部のその測定位置との間で移動させるように、フィンガー54が進行方向Xに移動する際に、フィンガー54と協働することが意図される。
【0069】
機械的伝達システム40及び作動システム60は、以下に、より詳細に記載されている:
【0070】
伝達システム40は、通常、
図3に示されるようにオーブン2の横方向の面(軸Xに直交する面)において定義され、例において、旋回伝達レバー44と、ロッドの形態の伝達アーム46(以下、伝達ロッド)とを含む。
【0071】
センサ34のプローブ36は、横断方向Yにおいてスライド可能に取り付けられ、その近位端36bは、伝達レバー44(以下、レバー)に対して軸A1のまわりで枢動可能に取り付けられ、レバー44自体は、パレット6に対して進行方向Xにおいて延在する主軸Oのまわりで枢動可能に取り付けられる。
【0072】
したがって、レバー44は、オーブン2の横方向の面において、軸Oのまわりを旋回する。
【0073】
軸O及びA1は、互いに平行であり、かつ、横断方向Yに実質的に直交する面に含まれる。したがって、レバー44が旋回する際、軸A1が上昇するか下降し、センサ34を、その測定位置からその格納位置へ、又はその逆に、横断方向Yにおいてスライドさせる。
【0074】
レバー44は、軸A2のまわりで、横方向Zにおいて延在する伝達ロッド46にも接続される。
【0075】
軸O及びA2は、互いにかつ進行方向Xに対して平行であり、かつ、横方向Zに実質的に直交する面に含まれる。したがって、レバー44が旋回する際、軸A2は横方向に移動し、同じ横方向Zにロッド46を移動させる。
【0076】
さらに、
図2に示されるように、伝達ロッド46は戻しばね48と関連づけられ、戻しばね48は、静止時に、それをパレット6の側面4cに向かって(すなわち、センサ34から離れるように)付勢する。
【0077】
その端部では、伝達ロッド46は、測定システム30のフィンガーを構成するローラ又はホイール54の回転軸を形成するシャフト(図では見えない)を支持するフォーク50によって終端される。回転軸は、横断方向Yにおいて延在する。
【0078】
レバー44及び伝達ロッド46が、ローラ54の動き及びセンサ34の動きを以下のように接続することが理解される:スプリング48の戻り力の作用下では、ローラ54は、デフォルトで、パレット6から最も遠い第一の位置にある。この位置において、センサ34はその格納位置にある。ローラ54がスプリング48の力に逆らって第二の規定位置まで移動する場合、伝達ロッド46は横方向に移動し、レバー44はその軸Oのまわりを回転し、同時にセンサ34をその測定位置まで駆動する。
【0079】
測定システム30は、通常、センサ34が、オーブン2の入口の付近でその測定位置において配備され、次いでオーブン出口2の付近で格納されるように構成される。このように、測定は、マット15のある点で、オーブン内部におけるこの点の経路全体にわたって実施することができる。
【0080】
以下の説明を容易にするために、X軸に沿った各要素又は各ゾーンの横座標は、以下に定義され、オーブンの入口から出口に向けられる。
【0081】
例えば、横座標XOは、コンベヤ4、5の表面が、入力ローラ25、27の付近のベルトの端部で平坦になる横座標として定義され、横座標XFは、コンベヤ4、5の表面が、出口ローラ26、28の付近のベルトの端部で平坦である最大の横座標として定義される。
【0082】
接触表面64は、オーブンの枠に対して固定位置で配置され、軸Xに沿って予め決定される。X1は、センサ34がマット15内部のその測定位置に到達する測定開始横座標であり、X2は、センサ34がマット15から抜き取られる測定完了横座標である。
好ましくは、距離XO-X1は2メートル未満である。
好ましくは、距離X2-XF(絶対値)は2メートル未満である。
【0083】
距離X1-X2は、オーブンの長さ及び所望の測定の性質に完全に依存する。測定を、全硬化処理の間の温度プロフィルを決定するために可能な限り長くする必要がある場合、この距離は可能な限り長く選択される。
【0084】
図4~7に示される作動システム60は、オーブン2の入口の付近に配置されておりオーブンの枠に固定された接触要素62を含み、その表面64は、測定システムを運ぶコンベヤ4(ここでは下側コンベヤ)の側面4cに面して配置され、ローラ54と協働することが意図される接触表面を形成する。
【0085】
図6においてよりよく見える接触表面64は、方向X及びZに対して傾いた配備傾斜面66、好ましくは、横断方向Yと平行な面において画定された平坦な傾斜面を形成する。横座標が増加するにつれて、配備傾斜面66は、コンベヤ4の側面4cに近づくように動く。
【0086】
配備傾斜面66は、有利には、ベアリング68、好ましくは、横方向Zに直交する面において画定された平坦なベアリングによって延長される。
【0087】
進行方向Xで移動することによって、フィンガー54は傾斜面66と接触する。スプリング48の戻り力より大きい押し力の作用下で、フィンガー54は、コンベヤ4の方に向かって徐々に駆動される。ベアリング68と接触した際(横座標X1)、ローラ54はその第二の位置に到達しており、このときセンサ34はその配備位置にある。
【0088】
したがって、横方向Zにおけるベアリング68の位置決めは、センサ34の測定深さを調整する。伝達ロッド46の長さが固定されているため、ベアリング68がコンベヤ4に近いほど、測定位置は高くなり、逆も同様である。
【0089】
考慮されている実施態様において、接触要素62は、オーブンの入口において制限された長さにわたって延在する。それは、典型的には、1メートル未満の、進行方向において測定される長さを有する。
【0090】
ローラ54が、接触要素62から離れた際に、スプリング48によって引き起こされる弾性復帰の作用下でその第一の位置に戻ることを防止するために、作動システム60は、
図5において見ることができるように、横方向の位置においてフィンガー54をロックするためのシステム70を備える。
【0091】
例において、このシステム70はラチェット72を含み、ラチェット72は、パレット6に対して進行方向Xにおいて延在する軸A3のまわりで枢動可能に取り付けられ、かつ、少なくとも1つの停止歯74を備える。つめ72は、歯74がフィンガーと一体の複数の相補的な保持要素のうちの1つと協働するロック位置において、スプリング75によって弾性的に付勢され、複数の相補的な保持要素は、横方向Zにおいて分布し、フィンガー54の複数の既定の横方向のロック位置にそれぞれ対応する。例において、相補的な保持要素は、ローラ54の支持のためのフォーク50が有する複数のノッチ51である。
【0092】
ローラ54の傾斜面66との係合を可能にするために、接触要素62の上流でロックシステム70を脱活性化することが必要であることは明らかである。
【0093】
この目的のために、作動システムは、つめのロックを解除するための手段を含み、これは、歯74がノッチ51から外れるまでつめを旋回することを可能にする。
図6において見ることができるように、これらのロック解除手段は、枠と一体の脱活性化傾斜面76を含み、これは、通常、進行方向X及び横断方向Yに対して傾いておりかつ横方向Zと平行である面において、画定される。脱活性化傾斜面76は、接触要素62と少なくとも部分的に並置されており、かつ、つめ72の遠位端72aと協働するように適合されており、それにより、接触要素62の上流、そして接触要素62と沿い、ベアリング68と沿うまで、つめ72をその軸A3のまわりで旋回させ、歯74の係合を解除するようになっている。
【0094】
脱活性化傾斜面76の寸法は、ローラがベアリング68に到着した際につめ72との接触が断たれるように、選択される。
【0095】
脱活性化傾斜面76を離れると、つめ72は、スプリング75によって、そのロック位置に直ちに戻される。歯74がフォーク50のノッチ51と協働することによって、ローラ54は、ベアリング68の横方向の配置によって決定されるその第二の位置に保持される。
【0096】
歯74が脱活性化の瞬間にノッチに面していない場合のために、接触表面64は、(上向きの配備傾斜面66に対立するものとしての)下降安全傾斜面によってベアリング68の下流に延長されることができ、下降安全傾斜面は、歯74と、隣接するノッチ51のうちの1つとの間の漸進的なロックを可能にし、かつ、その第一の位置へのフィンガー54の突然の戻りを回避するように機能する。
【0097】
図7に示されるように、オーブン2の出口の付近において、センサ34の、スプリング48の弾性復帰の作用下でのその格納位置への復帰を保証するために、作動システム40は、第二の脱活性化傾斜面78を含み、この傾斜面も、枠に固定されており、つめを持ち上げて、歯74をノッチ51から外すように適合される。
【0098】
上で示したように、上側コンベヤ5の高さは、通常、ラインの各開始時、及び製品の変更中に設定される。マット15内部の温度測定を可能な限り近くするために、マットの中心、すなわち、好ましくは、第一及び第二のコンベヤ4、5の中間で測定することが望ましい。有利には、測定システム30は、上側コンベヤ5の位置の関数としてセンサ34の測定位置を調整するためのシステム80を備える。より具体的には、この調整システム80は、第二のコンベヤ5の位置に基づいて、特に、横断方向Yにおける下側コンベヤ4に対するその高さに基づいて、横方向Zにおける接触要素62の位置を調整するための手段を含む。
【0099】
図示された例において、特に、
図4において見ることができるように、接触要素62は、ガイド84内部で横方向Zにスライド可能に取り付けられた接続アーム82に固定される。接続アーム82は、突起の形態のスライド要素86にも固定され、この突起は、ここでは垂直プロファイル90の厚み中に形成された細長い開口部によって形成されたレール88に沿ってスライド可能に取り付けられている。プロファイル90及びレール88は、通常横断方向Yに延在し、かつ、上側コンベヤ5に固定される。図において示されるように、レール88は、横断方向Y及び横方向Zに対して傾いているため、第二のコンベヤ5の横断方向の動きが、スライド要素86、ひいてはそれと一体の接触表面64の、横方向の動きを引き起こす。
【0100】
調整は以下のように行われる:
図4において、測定位置はその最大にある。上側コンベヤ5を、マット15の厚さを低減するために下げる場合、プロファイル90及びレール88も下向きに移動する。突起86がレール88の傾斜部分に侵入する場合、それは、下側コンベヤ4から離れて徐々に横方向に移動し、接触要素62のベアリング68を連動して動かし、したがってセンサ34の測定位置を下げる。
【0101】
フォーク50に配置された複数の保持要素(ここではノッチ)51によって、つめ72は、異なる測定高さに対応する複数の異なる(第二の)位置において、ローラ54の位置をロックすることができる。
【0102】
上に示され、記載された実施態様は、本発明を制限するものではなく、多数の変形が考えられることは明らかである。例えば、図示されない代替的な実施態様によれば、接触表面は、測定完了横座標X2まで連続的に延在するベアリングによって延長された傾斜面を形成することができる。この場合、接触表面は、オーブンの実質的な長さ、例えば少なくとも10メートルの長さにわたって延在することができる。特に、オーブンの入口の付近からオーブンの出口の付近まで延在するベアリングを提供する準備をすることができる。
【0103】
この場合、センサ位置はローラと接触要素のベアリングとの協働によって保持されるため、位置のロック手段及びロック解除手段は省略することができる。
【国際調査報告】