(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】ヒューズ及び関連製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 85/05 20060101AFI20230809BHJP
H01H 85/10 20060101ALI20230809BHJP
H01H 69/02 20060101ALI20230809BHJP
【FI】
H01H85/05
H01H85/10
H01H69/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506036
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2021071152
(87)【国際公開番号】W WO2022023418
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515017094
【氏名又は名称】メルセン フランス エスベー ソシエテ パ アクシオンス シンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ローラン ミリエール
(72)【発明者】
【氏名】フランク サリュス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ ドゥ パルマ
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA09
5G502AA20
5G502BA04
5G502BB01
5G502BB07
5G502BB09
5G502BC03
5G502BD06
5G502CC26
5G502JJ01
(57)【要約】
ヒューズであって、ブレードヒューズの長手方向軸(A2)に沿って延びる2つの対向する主面を有するシートで形成されている、少なくとも1つのブレードヒューズ(4)を備え、各ブレードヒューズは、ブレードヒューズに横断面(P4)を画定する縮小部分が形成されている部分を含む。ヒューズはまた、予め形成された弾性材料で作られ、対(60)で関連付けられたアークガード(6)を含み、同じ対のアークガードはそれぞれ、同じブレードヒューズのそれぞれの主面上に互いに対向している。アークガード(6)の少なくとも第1の対(60)について、接着剤の層(72)が、ブレードヒューズ(4)と、この対の各アークガード(6)の内面(66)との間に介在され、ブレードヒューズに各アークガードを固定するように、内面がブレードヒューズの一方の主面に向けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのブレードヒューズ(4)であって、前記ブレードヒューズの長手方向軸(A2)に沿って延びる2つの対向する主面を有するシートで形成され、各ブレードヒューズが、前記ブレードヒューズに横断面(P4)を画定する縮小部分(46、46A)が形成されている部分を含む、少なくとも1つのブレードヒューズ(4)と、
-2つの接続端子(22)であって、各端子が、各ブレードヒューズに接続されている、2つの接続端子(22)と、
-予め形成された弾性材料で作られ、対(60)になっているアークガード(6)であって、前記同じ対の前記アークガードが、前記同じブレードヒューズの1つの主要な側のそれぞれで互いに対向している、アークガード(6)と、
を備える、ヒューズ(2)であって、
少なくとも第1の対(60)のアークガード(6)について、前記ブレードヒューズに各アークガードを固定するように、接着剤層(72)が、前記ブレードヒューズ(4)と、この対の各アークガード(6)の内面(66)との間に介在し、前記内面が、前記ブレードヒューズの一方の前記主面に向けられていることを特徴とする、
ヒューズ(2)。
【請求項2】
前記ヒューズが、前記第1の対(60)のアークガード(6)に加えて、第2の対(60)のアークガードを備え、前記第1及び前記第2の対のアークガードが、少なくとも1つの縮小部分(46、46A)によって互いに分離されている、請求項1に記載のヒューズ(2)。
【請求項3】
各アークガード(6)が、縮小部分(46、46A)に向けられた前面(62)と、前記前面と対向する後面(64)と、を含み、各アークガードの前記前面及び前記後面が、5mm~30mmの長さ(L6)で分離されている、請求項1又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項4】
前記前面と、対向している前記縮小部分(46A)の境界線(70)との間の距離(L8)が、0.5mm~20mm、好ましくは1mm~15mm、より好ましくは2mm~12mmである、請求項3に記載のヒューズ(2)。
【請求項5】
各アークガード(6)が、前記内面(66)と対向する外面(68)を含み、各アークガードの、前記内面(66)と前記外面(68)を隔てる距離として画定される厚さ(L2)が、0.2mm~20mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項6】
前記アークガード(6)がエラストマー材料で作られており、ショアAスケールで測定した硬度が、20~90、好ましくは40~70である、請求項1~5のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項7】
前記アークガード(6)がシリコーンで作られている、請求項1~6のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項8】
少なくとも1つの穿孔(80)が、前記縮小部分(46A)の1つの側で前記ブレードヒューズ(4)に作られ、前記穿孔の各々が、同じ対(60)の前記2つのアークガード(6)の前記内面(66)によって少なくとも部分的に閉鎖されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項9】
前記穿孔(80)が、リアベント(82)を形成するように、前記アークガード(6)の前記後面(64)を越えて前記ブレードヒューズ(4)の前記長手方向(A2)と平行に延びている、請求項8に記載のヒューズ(2)。
【請求項10】
前記リアベント(82)が、0.1mm~10mm、好ましくは0.5mm~8mm、より好ましくは1mm~5mmの長さ(L82)を有している、請求項9に記載のヒューズ(2)。
【請求項11】
前記穿孔(80)が、フロントベント(84)を形成するように、前記アークガード(6)の前記前面(62)を越えて前記ブレードヒューズ(4)の前記長手方向(A2)と平行に延びており、前記フロントベント(84)が、0.1mm~5mm、好ましくは1mm~3mmの長さ(L84)を有している、請求項8~10のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項12】
前記ヒューズが、前記ヒューズの本体(20)の空洞(V20)に収容され、スペーサー(52)及び/又はシム(58)によって前記本体に関する前記ブレードヒューズ(4)の動きを制限する、フレーム(48)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項13】
前記ヒューズ(2)が組み立てられると、前記アークガード(6)が、前記ブレードヒューズ(4)の前記主面に直交する方向に圧縮され、各アークガード(6)が、このアークガード(6)が外部応力を受けていないときのこの同じアークガード(6)の厚さ(L7)の99%未満、好ましくは98%未満、より好ましくは95%未満の前記厚さ(L7)を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のヒューズ(2)。
【請求項14】
ヒューズ(2)の製造方法であって、前記ヒューズが、少なくとも1つのブレードヒューズ(4)に横断面(P4)を画定する縮小部分(46、46A)を有する前記少なくとも1つのブレードヒューズ(4)を含み、前記方法が、
-第1の対(60)の2つのアークガード(6)を製造する工程(800)であって、前記アークガード(6)が、弾性架橋材料で作られ、平坦な内面(66)を有する、工程(800)と、
-前記第1の対(60)の各アークガード(6)を、各アークガード(6)の前面(62)と、対向する前記縮小部分の境界線(70)との間の距離(L8)が1mm~15mmとなるように、各アークガードの前記内面(66)と、前記ブレードヒューズのそれぞれの主面との間に接着剤の層(72)を介在させることによって、前記縮小部分(46、46A)近傍の前記ブレードヒューズ(4)のそれぞれの主面に接着させる、工程(802)と、
を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のヒューズ(2)の製造方法。
【請求項15】
前記方法が、前記接着工程(802)の前に、前記横断面(P4)の両側に少なくとも1つの穿孔(80)を前記ブレードヒューズ(4)に設けること(804)である工程を含み、前記接着工程の間に、前記第1の対(60)の前記アークガード(6)が、各穿孔(80)が前記アークガード(6)によって少なくとも部分的に遮断されるように、前記ブレードヒューズに接着される、請求項14に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒューズ及び関連製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズは、2つの端子を含み、ヒューズ定格と呼ばれる限度を超える過電流の場合に、2つの端子間の電流を遮断することが可能な電気部品である。2つの端子は、絶縁体に固定され、絶縁体に形成された空洞内に配置された少なくとも1つのブレードヒューズによって、互いに電気的に接続されている。1つ以上のブレードヒューズは、ヒューズの大きさに応じて2つの端子に並列に接続されてもよい。ブレードヒューズについて説明した内容は、複数ある場合には、他のブレードヒューズに置き換えてもよい。
【0003】
ブレードヒューズは、所定の電気抵抗と所定の溶断温度を有する導電材料で作られている。通常の動作では、電流は、ブレードヒューズを通過し、ブレードヒューズの温度は、溶断温度未満に保たれる。過電流の場合、ブレードヒューズの温度が上昇し、ブレードヒューズの1箇所以上で溶断温度を超え、少なくとも一部が溶断し、電流が不可逆的に遮断される。ブレードヒューズは、2つの極との接続部の間に、縮小した表面部分を有する少なくとも1つの中間部分を含む。このような中間部分は、「縮小部分」と呼ばれる。各縮小部分は、ブレードの残りの部分よりも電流に対してより大きい抵抗を与える。ブレードを流れる電気の強度が増加すると、各縮小部分の温度は、ブレードの残りの部分の温度よりも上昇する。過電流の場合、ブレードは、好ましくは縮小部分で溶断する。
【0004】
縮小部分が溶断すると電気アークが発生し、電気アークが消えるまで電気が流れ続ける。物質のプラズマ状態と定義される電気アークは、ブレードヒューズの融合を促進する強力な局部加熱を引き起こす。熱的及び電気的条件により、このブレードヒューズの材料の状態変化は、電気アークの維持及び延長を順番に促進させる。
【0005】
アークの伝播を制限するために、弾性材料のアークガードをブレードヒューズに配置することは既知の慣行である。例えば、シリコーンをペースト状にしてブレードヒューズに適用し、シリコーンが架橋して完全に硬化するまでには数時間待つ必要がある。この方法では、このようにして作られたアークガードの形状は、近似的なものである。待機時間は生産性を低下させ、有害な溶剤が蒸発することも多い。
【0006】
US-2015 294 828-A1では、ブレードヒューズに硬化したシリコーンストリップをリベットで留めることを教示している。リベットの組み立ては、工業的に非常に精密であり、ブレードヒューズを損傷する危険性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、より詳細には、より性能が良く、組み立てがより簡単なヒューズを提案することによって、これらの問題を改善することを意図している。
【0008】
この目的のために、本発明は、
-少なくとも1つのブレードヒューズであって、ブレードヒューズの長手方向軸に沿って延びる2つの対向する主面を有するシートで形成され、各ブレードヒューズは、ブレードヒューズに横断面を画定する縮小部分が形成されている部分を含む、少なくとも1つのブレードヒューズと、
-2つの接続端子であって、各端子は、各ブレードヒューズに接続されている、2つの接続端子と、
-予め形成された弾性材料で作られ、対になっているアークガードであって、同じ対のアークガードは、同じブレードヒューズのそれぞれの主面に配置されている、アークガードと、
を備える、ヒューズに関する。
【0009】
本発明によれば、少なくとも第1の対のアークガードについて、ブレードヒューズに各アークガードを固定するように、接着剤の層が、ブレードヒューズと、この対の各アークガードの内面との間に介在し、内面が、ブレードヒューズの一方の主面に向けられている。
【0010】
本発明のおかげで、アークガードは、ブレードヒューズへの組み立てが容易であり、製造時の時間節約の源となる。組み立て時の破損の危険性を低減する。
【0011】
本発明の有利ではあるが必須ではない態様によれば、このようなヒューズは、単独で、又は任意の技術的に実現可能な組み合わせで以下の特性の1つ以上を組み込むことができる。
-ヒューズは、第1の対のアークガードの他に、第2の対のアークガードを備え、第1及び第2の対のアークガードは、少なくとも1つの縮小部分によって互いに分離されている。
-各アークガードは、縮小部分に向けられた前面と、前面と対向する後面と、を含み、各アークガードの前面及び後面は、5mm~30mmの長さで分離されている。
-前面と、対向する縮小部分の境界線との間の距離は、0.5mm~20mm、好ましくは1mm~15mm、より好ましくは2mm~12mmである。
-各アークガードは、内面と対向する外面を含み、各アークガードは、内面と外面を隔てる距離として画定する厚さが、0.2mm~20mmである。
-アークガードは、エラストマー材料で作られており、ショアAスケールで測定した硬度が、20~90、好ましくは40~70である。
-アークガードは、シリコーンで作られている。
-少なくとも1つの穿孔は、縮小部分の片側でブレードヒューズに作られ、前記穿孔の各々は、同じ対の2つのアークガードの内面によって少なくとも部分的に閉鎖されている。
-穿孔は、リアベントを形成するように、アークガードの後面を越えてブレードヒューズの長手方向と平行に延びている。
-リアベントは、0.1mm~10mm、好ましくは0.5mm~8mm、より好ましくは1mm~5mmの長さを有している。
-穿孔は、フロントベントを形成するように、アークガードの前面を越えてブレードヒューズの長手方向と平行に延びており、フロントベントは、0.1mm~5mm、好ましくは1mm~3mmの長さを有している。
-ヒューズは、ヒューズの本体の空洞に収容され、スペーサー及び/又はシムによって本体に関するブレードヒューズの動きを制限する、フレームを含む。
-ヒューズが組み立てられると、アークガードは、ブレードヒューズの主面に直交する方向に圧縮され、各アークガードは、このアークガードが外部応力を受けていないときに、この同じアークガードの厚さの99%未満、好ましくは98%未満、より好ましくは95%未満の厚さを有する。
【0012】
本発明はまた、上記のようなヒューズの製造方法に関するものであり、ヒューズは、ブレードヒューズに横断面を画定する縮小部分を有する少なくとも1つのブレードヒューズを含む。当該方法は、
-第1の対の2つのアークガードを製造する工程であって、アークガードは、弾性架橋材料で作られ、平坦な内面を有する、工程と、
-第1の対の各アークガードを、各アークガードの前面と、対向する縮小部分の境界線との間の距離が1mm~15mmとなるように、各アークガードの内面と、ブレードヒューズのそれぞれの主面との間に接着剤の層を介在させることによって、縮小部分近傍のブレードヒューズのそれぞれの主面に接着させる、工程と、
を含む。
【0013】
有利には、当該方法は、接着工程の前に、横断面の両側に少なくとも1つの穿孔をブレードヒューズに設ける工程からなる工程を含み、接着工程の間に、第1の対のアークガードは、各穿孔がアークガードによって少なくとも部分的に遮断されるように、ブレードヒューズに接着される。
【0014】
専ら例として挙げられ、添付の図面を参照して行われる、本発明の原理に従ったヒューズの幾つかの実施形態の以下の説明に照らして、本発明はより良く理解され、その他の利点はより明確となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に関する複数のブレードヒューズ及びアークガードを含むヒューズの透視図であり、読みやすくするために一部の部品を模式的に示している。
【
図2】
図2は、
図1のヒューズを
図1中の矢印IIに沿って見た図であり、読みやすくするために一部を省略している。
【
図3】
図3は、
図1中の矢印IIIに沿って、
図1のブレードヒューズ及びアークガードを拡大した模式的透視図である。
【
図4】
図4は、インサートa)及びb)上に、本発明の他の実施形態に関する同じブレードヒューズ及びアークの2つの図を模式的に示している。
【
図5】
図5は、
図4と同様の図であり、本発明の他の実施形態に関する同じブレードヒューズ及びアークを示している。
【
図6】
図6は、
図4と同様の図であり、本発明の他の実施形態に関する同じブレードヒューズ及びアークを示している。
【
図7】
図7は、従来技術又は本発明の実施形態に関するブレードヒューズを通過する電流の推移を示すグラフである。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態によるブレードヒューズ及びアークアレスタの製造方法の工程を示す図である。
【
図9】
図9は、
図3と同様の図であり、本発明の他の実施形態に関するブレードヒューズ及びアークを示している。
【
図10】
図10は、インサートa)及びb)上に、
図9の同じブレードヒューズ及びアークの2つの図を模式的に表している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ヒューズ2は、
図1に示されている。ヒューズ2は、点線で図式的に示される本体20と、2つの接続端子22と、を含む。
【0017】
本体20は、例えばセラミックなどの絶縁材料で作られる。本体20は、一般に、ヒューズ2の長手方向軸A2を画定する細長い円筒の形状を有する。図示の例では、本体20は、平行六面体形状を有し、すなわち本体20は、矩形部分の筒である。非限定的な変形例では、本体20は、楕円形の、あるいは円形の部分を有する。横断方向は、軸A2に直交する方向として画定される。したがって、ヒューズ2の横断面は、軸A2に直交する平面である。
【0018】
図示の例では、端子22は、本体20の、対向しかつ軸A2と直交する2つのそれぞれの面に配置されている。各端子22は、卵形部分の円柱の形状を有し、軸A2に概ね平行な形状を有する。長孔24は、各端子22を貫通して作られている。各端子22は、ヒューズ2を、示されていないヒューズホルダーに組み立てることを意図したプレート26を含む。
【0019】
ヒューズ2の本体20は、空洞V20を含み、その中にブレードヒューズ4が収容されている。各ブレードヒューズ4は、2つの対向する取り付け端部40を含み、各端部40は、端子22の1つに接続されている。したがって、ブレードヒューズ4は、端子22に対して電気的に並列に接続されている。言い換えれば、各端子22は、各ブレードヒューズ4のそれぞれの取り付け端部40の1つに接続されている。
【0020】
ブレードヒューズ4は、ここでは4つであるが、この数は、ヒューズ2の大きさ、特にヒューズ2が設計されている電圧及びアンペア数によって異なる場合がある。ヒューズ2が複数のブレードヒューズ4を含む場合、ブレードヒューズ4は、有利には同じ構造を有し、同じように動作する。ヒューズ2のブレードヒューズ4は、好ましくは同一である。あるブレードヒューズ4について説明したことは、他のブレードヒューズ4に置き換えてもよい。
【0021】
ブレードヒューズ4は、導電性材料で作られた構成部分であり、電気抵抗と溶断温度とを有している。ブレードヒューズ4の材料は、好ましくは金属、例えば、Agと表記される銀である。ここでの各ブレードヒューズ4は、細長い長方形の形状を有し、その長辺は、軸A2と平行に配置されている。各ブレードヒューズ4は、軸A2に対して横方向に測定した一定の幅を有する。
【0022】
ここでの各ブレードヒューズ4は、横断面P4に関して対称な形状を有し、シート状に形成されており、このシートは、長手方向軸A2に沿って延びる2つの対向する主面を有し、横断折り目42によって分離された平坦部分を含む。図示の例では、同じブレードヒューズ4の平坦部分は、同じ平均平面に位置しており、各ブレードヒューズ4の平均平面は、相互に平行であり、A4と示される主軸を画定する。軸A4は、軸A2に対して横方向の軸である。変形例として、同じブレードヒューズ4の平坦部分は、全て同じ平均平面内に位置していない。
【0023】
各ブレードヒューズ4の平坦部分の一部に孔44の列が作られ、孔44の各列は、軸A2に対して横方向に向けられ、縮小部分46を画定する。言い換えれば、各ブレードヒューズ4は、縮小部分46が設けられた2つの締結端部40の間の中間部分を含む。
【0024】
各ブレードヒューズ4は、各縮小部分46のレベルにおいて、縮小部分46のレベル以外の場所の電気抵抗よりも大きな電気抵抗を有している。したがって、端子22間に電気が流れると、ブレードヒューズ4は、縮小部分46において、局部加熱を有する。過電流の場合、ブレードヒューズ4の材料の溶断は、好ましくは、縮小部分46で起こる。
【0025】
図示の例では、各ブレードヒューズ4は、複数種類の縮小部分46を有し、例えば孔44は、考慮される縮小部分46に応じて異なる直径を有する。したがって、過電流が発生した場合、幾つかの縮小部分46は、他の縮小部分46よりも早く溶断する可能性が高い。ブレードヒューズ4が単一の種類の縮小部分46を含む場合、その応答曲線「遮断時間/遮断電流」は、所定の態様を有する。異なる種類の縮小部分46を組み合わせることで、各部分に対応する応答曲線のそれぞれを重ね合わせた応答曲線が得られる。この態様については、本明細書ではこれ以上詳しく説明しない。
【0026】
図示の例では、ヒューズ2はまた、本体20の空洞V20に収容されるフレーム48を含む。フレーム48は、本明細書に記載された発明の実施に必須ではないが、その実施に寄与する。フレーム48は、とりわけ、本体20をヒューズ2の残りの部分に組み立て、ブレードヒューズ4を保持し、例えばヒューズ2の製造中にそれらを保護することに役立つ。ブレードヒューズ4は、実際には非常に薄く柔軟であり、ブレードヒューズ4は、0.1mm又はそれ以下のオーダーの厚さを有してもよい。
【0027】
フレーム48は、絶縁材料、好ましくは剛性材料、例えば合成材料で作られ、任意にガラス繊維などの無機繊維で補強される。非限定的な例として、補強材48は、ポリイミド-PIとも表記される-、ポリエーテルエーテルケトン-PEEKとも表記される-、ポリテトラフルオロエチレン-PTFEとも表記される-、ポリアミド-PAとも表記される-、シリコーン又はポリフェニルスルホン-PPSUとも表記される-で作られてもよい。
【0028】
図示の例では、フレーム48は、互いに対向し、スペーサー52によって互いに連結された2つのサイドパネル50を含む。フレーム48の構造は、非限定的ではない。
【0029】
各パネル50は、他方のパネル50に向けられた一方の面に、ブレードヒューズ4を保持するためのノッチ54を含む。
【0030】
図2に図示される例では、スペーサー52は断面で示され、一方、サイドパネル50は、示されていない。スペーサー52は、ここでは、それぞれ5つのスペーサー52の2つのスタック56に纏められており、各スタック56は、ここでは、ブレードヒューズ4の取り付け端部40の近傍に配置されている。ブレードヒューズ4は、このように、2つの隣接するスペーサー52の間に、挟み込むことによって保持され、各スタック56の端部に位置する2つのスペーサー52は、本体20の、空洞V20の内側に支持される。本体20がヒューズ2の残りの部分に組み立てられるとき、スペーサー52は、ヒューズ2の残りの部分に対するブレードヒューズ4の動きの振幅を制限する。
【0031】
本体20の空洞V20に収容されたブレードヒューズ4及びフレーム48に加えて、空洞20には、一般に、過電流時に現れる電気アークのエネルギーの一部を吸収し、より速いアーク消滅とより速い電流遮断に寄与する役割を果たす粉末が充填される。このような粉末は、図示されていないが、マイクロメートルの粒子状であることが好ましく、例えば珪砂である。
【0032】
図示された例では、各ブレードヒューズ4の縮小部分46のうちの1つである、参照46Aは、横断面P4と一致する横断面にまたがって配置されている。以下では、縮小部分46Aについて主に検討するが、縮小部分46Aについて有効なことは、一般に他の縮小部分46に置き換えてもよいことを承知している。
【0033】
図2では断面で見え、
図3では遠近法で拡大して見えるアークガード6は、各縮小部分46Aの近傍に配置されている。特に、各縮小部分46Aに対して、4つのアークガード6が、一方では横断面P4に関して対称に、他方ではブレードヒューズ4に関して対称に配置される。したがって、横断面P4の同じ側に位置する2つのアークガード6は、アークガード6の対60を形成し、同じ対60のアークガード6はそれぞれ、同じブレードヒューズ4のそれぞれの主面上に互いに対向している。
【0034】
図示の例では、アークガード6の2つの対60は、単一の縮小部分46Aによって互いに分離されている。図示されていない変形例では、2つの対60のアークガード6は、複数の縮小部分46又は46Aによって分離されている。
【0035】
アークガード6は、類似の形状を有し、同じように動作する。特に、同じ対60のアークガード6は、同一であることが好ましい。本明細書の残りの記述では、縮小部分46Aの近傍に位置する4つのアークガード6が同一であると見なされる。
【0036】
「アークサプレッサー」としても知られるアークガード6は、予め形成されたポリマー材料、すなわち既に架橋された材料で作られている。アーク6の材料は、弾性材料、すなわち、機械的応力の影響下で変形することができ、応力のない状態でその初期形状に戻ることができる材料である。図示の例では、アークガード6は、エラストマー材料で作られている。
【0037】
アーク6のエラストマー材料は、例えば、ポリシロキサンであり、シリコーンとも呼ばれる。
【0038】
既に架橋されたシリコーン材料は、形状が決まっており、取り扱いが容易な固体材料であり、特に厳しい寸法公差で切断及び/又は機械加工することができるのに対し、非架橋のシリコーン材料は、一般に、明確な形状を有しない生地の形態である。
【0039】
ヒューズ2はまた、特にヒューズ2の組み立て中又は取り扱い中に、ブレードヒューズ4に関して固定化されるように、ブレードヒューズ4又はアークガード6に接続されるシム58を含む。したがって、ヒューズ2の組み立ての間、取り扱いによる力は、全てのブレードヒューズ4の間で分散され、ブレードヒューズ4が損傷する危険性を低減することができる。
【0040】
シム58はまた、フレーム48が存在するときにフレーム48に対して、及び/又はヒューズ2が完全に組み立てられたときに本体20に対して、ブレードヒューズ4を固定化することを可能とする。任意選択的に、フレーム48が存在するとき、シム58の一部は、フレーム48に対するブレードヒューズ4の動きを制限するように、フレーム48に形成されているノッチ54、あるいは他の形状又は図示されていない機械加工と協働する。より一般的には、フレーム48は、スペーサー52及び/又はシム58によって、ブレードヒューズ4の動きを制限する。したがって、ヒューズ2の組み立ての間、ブレードヒューズ4は、フレーム48によって保護される。組み立て作業は、不具合の発生確率を低減しながら、より迅速に実施することができるため、これは経済的に有利である。
【0041】
図2の例では、シム58はそれぞれ、平行六面体の形状を有している。有利には、シム58は、アークガード6の材料と同一の材料、例えばシリコーンなどの既に架橋されたエラストマー材料で作られている。
図2では、シム58及びアークガード6が、概略的に示されている。特に、アークガード6の寸法とシム58の寸法との比率は、限定されるものではない。
【0042】
図示の例では、ブレードヒューズ4の縮小部分46Aは、横断面P4上に整列され、アークガード6は、横断面P4の両側に配置されている。縮小部分46Aの近傍に位置するシム58の一部は、横断面P4の同じ側に位置し、隣り合う2つのブレードヒューズ4にそれぞれ属する2つのアークガード6間に介在している。
【0043】
有利には、シム58は、接着によって、すなわち本明細書で後述する方法に類似した方法で、ブレードヒューズ4又はアークガード6に固定され、アークガード6がブレードヒューズ4に取り付けられる。
【0044】
変形例として、アークガード6がシム58と接触している場合、このシム58は、このアークガード6と一体である。このようなアークガード6は、一方ではアークの消滅に寄与し、他方ではブレードヒューズ4を維持するのに寄与する。
【0045】
ヒューズ2が完全に組み立てられると、シム58は、軸A4の方向に僅かに圧縮される。特に、アークガード6は、シム58によって軸A4の方向に僅かに圧縮される。
【0046】
フレーム48が存在する場合、シム58の一部は、アークガード6が軸A4の方向に圧縮されるように、フレーム48と協働する。
【0047】
次に、縮小部分46Aを有するブレードヒューズ4と、この縮小部分46Aの近傍に位置する2つの対60のアークガード6と、を含むサブアセンブリについて、特に
図3を援用して説明する。
【0048】
ここでの各アークガード6は、細長い平行六面体形状を有し、縮小部分46Aに平行にその長さに沿って配置され、ここでの各アークガード6の長さは、ブレードヒューズ4の幅と等しくなっている。図示されていない変形例では、各アークガード6は、ブレードヒューズ4の幅よりも大きい長さを有している。各アークガード6は、このアークガード6が配置される近傍の縮小部分46Aに向けられた前面62と、前面62の反対側、言い換えれば縮小部分46Aから離れる方向に向けられた後面64と、を有している。長さL6は、前面62と後面64とを隔てる長さであるとして画定される。
【0049】
各アークガード6は、ブレードヒューズ4の主面に向けられる内面66と、内面66に対向している外面68と、を有している。アークガード6の厚さL7は、内面66と外面68とを隔てる距離であるとして画定される。
【0050】
縮小部分46Aの2本の境界線70は、横断面P4に平行で、その面P4の両側に位置し、縮小部分46Aを含む2本の線であるとして画定され、2本の境界線70は、それぞれ縮小部分46Aの少なくとも1つの孔44の接線に位置している。したがって、各境界線70は、縮小部分46Aと、隣接するアークガード6の前面62との間に位置する。
図3に示される例では、縮小部分46Aの孔44は、全て整列して同じ直径を有しており、したがって、境界線70は、縮小部分46Aの全ての孔44に対して接線上にある。
【0051】
各アークガード6について、このアークガード6と、対向する縮小部分46Aとの間の距離L8は、このアークガード6の前面62と、対向する縮小部分46Aの境界線70に最も近い部分との間の、軸A2に平行に測定した距離であるとして定義される。
【0052】
各アークガード6について、接着剤の層72は、このアークガード6をブレードヒューズ4に固定するように、内面66と、対向するブレードヒューズ4の面との間に介在している。言い換えれば、各アークガード6は、ブレードヒューズ4に接着されている。各アークガード6がブレードヒューズ4に適切に固定されることを確実にするために、各内面66は、好ましくは、平坦である。
【0053】
同じ対60の2つのアークガード6がブレードヒューズ4に固定されると、同じ対60のアークガード6の内面66は、互いに重ね合わされる。
【0054】
各接着剤層72は、好ましくは薄層であり、すなわち10μm~0.5mm、好ましくは0.1mm未満の厚さを有する。各接着剤層72は、好ましくは均一であり、すなわち、接着剤層72は、内面66全体にわたって一定の厚さを有する。
【0055】
幾つかの例によれば、接着剤層72は、ブレードヒューズ4に直接適用され、その後アークガード6は、ブレードヒューズ4上に配置され、その後接着剤が硬化する時間を確保するために動かないように保持しながら静止状態にされる。
【0056】
好ましくは、アークガード6の内面66は、予備接着処理され、すなわち、接着剤層72は、アークガード6の内面66に直接適用される。次に、予備接着処理されたアークガード6は、ブレードヒューズ4上に配置され、その後、接着剤が硬化する時間を与えるために、例えば保持クランプなどの装置によって不動に保たれたまま静止状態にされる。保持クランプは、示されていない。接着剤層72の組成によっては、アークガード6のブレードヒューズ4の表面への取り付けが瞬間的に行われる場合がある。「瞬間的」とは、接着剤層72の硬化に数秒、例えば10秒未満しかかからないことを意味し、非架橋のシリコーン材料の架橋時間と比較して非常に短い時間である。
【0057】
接着剤層72は、例えば噴霧によって適用される。変形例として、接着剤層72は、いわゆる「両面」接着剤、すなわち、紙製又は絶縁ポリマー製のシートなどの基材を含み、両面にそれぞれの接着剤フィルムがコーティングされた接着剤層であってもよい。両面接着剤を使用することにより、ヒューズ2の組み立てが容易になる。
【0058】
使用中、ヒューズ2は電気が流れるため発熱し、このヒューズ2は、100℃を超える温度、例えば150℃~200℃の温度を有し、これが数ヶ月あるいは数年継続することがある。アークガード6をブレードヒューズ4に固定するために使用する接着剤は、これらの動作条件に耐えるものが選択される。一方、ヒューズ2が溶断して電気アークが発生した場合、接着剤が電気アークに晒されることがある。接着剤は、電気アークを受けたときに発熱反応を起こさないようなものが選択される。
【0059】
非限定的な例として、接着剤は、シリコーン接着剤などの無機接着剤、あるいはシアノアクリレート接着剤、エポキシ接着剤、更にはビニル又はアクリル、又は脂肪族、又はポリウレタン、又はネオプレン接着剤などの有機接着剤などである。使用される接着剤の種類によっては、例えばアークガード6の内面66に表面活性化が必要な場合がある。
【0060】
次に、縮小部分46Aの近傍に配置されるアークガード6を含むブレードヒューズ4の動作原理を模式的に説明する。回路に接続されたこのブレードヒューズ4に過大な電気が流れると、縮小部分46Aが溶断し、縮小部分46Aに電気アークが出現する。このアークが存在する限り、ブレードヒューズ4には電気が流れ続け、ブレードヒューズ4の材料は溶断し続け、アークは縮小部分46Aから遠ざかるように伝播し続ける。アーク長が長くなるにつれて、アーク電圧は上昇する。最終的に、アーク電圧が回路の電位より大きい値に達すると、アークは消滅し、ブレードヒューズ4にはそれ以上電流が流れない。アークが発生した瞬間から、電気アークが消滅するまでの時間は、ヒューズ2の遮断時間を定義する。
【0061】
本発明との関連では、2つのアークガード6の対60は、それらの間に、アークの進行に伴ってアークによって生成されるイオン生成物を流す閉じ込めゾーンを形成する。したがって、電気アークの進行は、縮小部分46Aから離れながら、ここでは軸A2に平行な、優先的な方向に流される。このようにチャンネル化されたアークの進行は、先行技術にあるように、アークガード6がない場合よりも速くなる。アークの進行が速くなると、アーク電圧も速く上昇し、アーク消滅瞬間に速く到達する。アークガード6のおかげで、ブレードヒューズ4の切断時間は、より短くなる。言い換えれば、縮小部分46Aの両側にアークガード6を含むヒューズ2の切断は、切断時間がより早くなる。
【0062】
アークがアークガード6に到達していない限り、アークの進行速度は、アークガード6によって顕著な影響を受けない、すなわち、アークの進行速度は、アークガードがない場合に起こることと同様である。アークガード6が縮小部分46Aから離れすぎていると、アークガード6の効果が不必要に遅れる。
【0063】
逆に、アークガード6が縮小部分46Aに近すぎると、アークが出現したときに、後者から放出される熱が大きすぎて、例えば炭化によってアークガード6の材料が破壊される危険性がある。同様に、通常の運転では、縮小部分46Aは、ブレードヒューズ4の他の部分よりも加熱される。アークガード6が縮小部分46Aに近すぎると、アークガード6がより早く老化し、特に硬化する可能性があり、これは、本明細書で後に説明する理由から好ましくはない。したがって、アークガード6と縮小部分の境界線70との間の距離L8は、1mm~15mm、好ましくは3mm~10mm、より好ましくは4mm~8mmである。距離L8が6mmに等しいと、良好な結果が得られる。
【0064】
アークガード6の閉じ込め効果が著しく、アークがアークガード6を迂回することができないようにするために、アークガード6は、特に十分な厚みL7を有していなければならない。したがって、各アークガード6は、0.2mmより大きい、好ましくは0.5mmより大きい、より好ましくは1mmより大きい厚みL7を有する。厚さL7が2mmに等しいと、良好な結果が得られる。厚さL7は、例えば、特にヒューズ2の組み立て時のスペースの実用的な理由を除いて、制限されない。したがって、厚さL7は、20mm未満、好ましくは10mm未満、より好ましくは5mm未満である。
【0065】
アークガード6の閉じ込め効果が著しくなるためには、アークがアークガード6の後面64の側に現れる前に、アーク電圧が回路の電圧に達するように、電気アークが十分な長さにわたって流されることも必要である。アークガード6の長さL6が短すぎると、電気アークは、アークガード6の後面64の側に現れ、その後、アークガードがない場合に起こるのと同様の速度で進行し続けることになる。したがって、各アークガード6は、5mmより大きい長さL6、好ましくは7mmより大きい長さL6を有する。長さL6は、例えばスペースの実用的な理由を除いて、限定されるものではない。したがって、長さL6は、30mm未満、好ましくは25mm未満、より好ましくは20mm未満である。
【0066】
アークガード6の弾性材料の硬度は、ヒューズ2の遮断時間の短縮に少なからず影響を与える。アークガード6の弾性材料は、ショアAと呼ばれるスケールで評価される硬度を有し、このスケールは、非常に柔らかい材料の0から非常に硬い材料の100までの範囲である。ショアA硬度が20未満の柔らかすぎる材料の閉じ込め効果は、不十分である。40よりも大きい硬度が好ましい。
【0067】
逆に、硬すぎる材料で作られたアークガード6は、いずれも良好な性能が得られない。したがって、アークガード6の材料は、ショアA硬度が90未満のものが選択される。一方、ヒューズ2の動作条件下では、アーク6が100℃や150℃を超えるような温度に晒され、エラストマーは、経時的に硬化する傾向がある。したがって、アークガード6の材料は、経年変化後もショアA硬度が90未満になるように選択される。したがって、アークガード6の新材料のショアA硬度は、好ましくは70未満に選択される。
【0068】
したがって、アークガード6は、ショアAスケールで測定される硬度が20~90、好ましくは40~70である材料で作られている。
【0069】
驚くべきことに、アークガード6の機械的圧縮の状態は、ヒューズ2の遮断時間の短縮に好影響を与える。有利には、ヒューズ2が組み立てられるとき、アークガード6は、軸A4に平行な方向、すなわちこれらのアークガード6が配置される場所においてブレードヒューズ4の主面に直交する方向に僅かに圧縮される。ヒューズ2が組み立てられると、各アークガード6は圧縮され、この同じアークガード6が外部応力を受けていないときの99%未満、好ましくは98%未満、より好ましくは95%未満の厚さL7を有する。
【0070】
同じ対のアークガード6の圧縮は、圧縮クランプなどの特定の装置によって、及び/又はフレーム48が存在する場合には、例えばシム58を介して行われる。
【0071】
圧縮クランプは、示されていない。アークガード6を固定し、接着剤を硬化させる時間を与えるために、組み立て中に保持クランプを使用する場合、これらの保持クランプは、有利には圧縮クランプとしても機能し、一度接着剤層72が硬化すると、アークガード6の所定位置に残される。
【0072】
本発明の第2、第3及び第4の実施形態に従うブレードヒューズ4及びアークガード6を、それぞれ
図4、5及び6に示し、本発明の第5の実施形態によるブレードヒューズ4及びアークガード6を、
図9及び
図10に示す。第1の実施形態と同様の構成部分には、同じ参照を付し、同じように動作させる。以下では、各実施形態と前の実施形態との間の相違点を主に説明する。
【0073】
図4に示される第2の実施形態が第1の実施形態と大きく異なる点は、縮小部分46Aの両側、言い換えれば横断面P4の両側で、ブレードヒューズ4に少なくとも1つの穿孔80が形成されていることである。第1の実施形態では、穿孔80は、アークガード6によって覆われており、すなわちヒューズ2が溶断していない限り、穿孔80は、アークガード6の内面66によって軸A4方向に完全に密閉される。同じブレードヒューズ4が
図4のインサートa)及びb)に示されており、インサートb)は、インサートa)上の切断面4bに沿ったインサートa)のブレードヒューズ4の部分を表す。
【0074】
アークがアークガード6の前面62に到達すると、穿孔80は電気アークの進行中に溶融する材料の量を減少させる。したがって、アークの進行は、
図7に示されるように、本発明の第1の実施形態の場合よりも速くなる。穿孔80は、電気アークの進行を妨げないように、ヒューズ2の軸A2に平行な方向において、接着剤の層72によって、又はアークガード6によって塞がれていない。
【0075】
有利には、穿孔80は、それぞれ細長い形状を有し、その長さがヒューズ2の軸A2に平行に、言い換えればブレードヒューズ4の長手方向に平行に配置される。模式的には、細長い形状の穿孔80は、長手方向の軸A2に平行に、電気アークの進行を促進するチャネルを提供する。本発明の第2の実施形態では、各穿孔80は、ヒューズ2の長手方向軸A2に平行に測定され、この穿孔80を閉鎖するアークガード6の長さL6に実質的に等しい長さを有する。
【0076】
横断面P4の一方の側に作られた穿孔80は、横断面P4の他方の側に作られた穿孔80に対して対称であることが好ましい。横断面P4の同じ側に位置する穿孔80は、穿孔80のグループを形成する。第1の実施形態では、同じグループの穿孔80は、したがって、同じ対60の2つのアークガード6の内面66によって完全に閉鎖される。
【0077】
図示の例では、穿孔80の各グループは、3つの穿孔80を含み、この数は制限されるものではない。変形例として、穿孔80の各グループは、単一の穿孔80、又は2つ、あるいは4つ以上の穿孔を含む。
【0078】
同じグループの穿孔80は、好ましくは、ブレードヒューズ4に直交する方向、言い換えれば、軸A2に直交する方向に互いに対して整列して、すなわち、列状に配置される。
【0079】
図4のインサートa)で説明される例では、穿孔80は、長方形の部分を有する。非限定的な変形例では、穿孔80は、卵形の形状、あるいは菱形の形状、より一般的には長円形の形状を有する。穿孔80の形状は、特に穿孔80の製造方法に依存し、穿孔80は、限定されないが、スタンピングによって、レーザー切断によって、あるいは電気分解によって製造される。同じグループの穿孔80は、好ましくは、それぞれ同じ形状を有する。
【0080】
各穿孔80のグループについて、穿孔80が多数で、ブレードヒューズ4の横方向に平行に測定されるその幅が広いほど、ヒューズ2の軸A2に平行に測定される電気抵抗は増加し、この穿孔80のグループの通路は増加する。しかしながら、縮小部分46又は46Aとは異なり、穿孔80の目的は、過電流の場合に、過電流の場合における電気アークの開始を促進することではなく、一度アークがアークガード6に到達したときのアークの進行を有利にする通路を提供することである。
【0081】
各ブレードヒューズ4について、このブレードヒューズ4の長手方向軸に沿って測定した穿孔80のグループの表面部分は、このブレードヒューズ4に設けられた縮小表面部分46又は46Aの中の最小の表面部分よりも5倍、好ましくは10倍大きい。
【0082】
同一グループの穿孔80は、ブレードヒューズ4の材料を局所的に弱めることを避けるため、又はブレードヒューズ4に電気が流れたときにホットスポットを生じることを避けるために、ブレードヒューズ4の横方向に規則的に間隔を空けて配置されていることが好ましい。
【0083】
図5に示される第3の実施形態が第2の実施形態と大きく異なる点は、穿孔80が縮小部分46Aに対向する側のアークガード6から突出していることである。インサートa)及びb)には、同じブレードヒューズ4が示されており、インサートb)は、インサートa)上の切断平面5bに沿ってインサートa)のブレードヒューズ4の部分を表している。
【0084】
各穿孔80は、隣接するアークガード6の後面64を越えて、ヒューズ2の長手方向軸A2と平行に延びている。したがって、各穿孔80は、縮小部分46Aに対向する側に位置する後方部分を含み、この後方部分は、後面64から突出し、穿孔80が開口するリアベント82を形成する。
【0085】
アークが同じ対60のアークガード6の間で進行するとき、リアベント82は、アークによって発生した生成物、特に溶融金属又は他のイオン化生成物をより迅速に排出することを可能とする。これらの生成物の迅速な排除は、アークを不安定にし、電流の完全な遮断に達するために必要な時間の短縮につながる。
【0086】
各穿孔80について、長さL82は、ヒューズ2の長手方向軸A2に平行に測定した、縮小部分46Aから最も遠いこの穿孔80の一端と、隣接するアークガード6の後面64との間の長さであるとして画定される。したがって、長さL82は、リアベント82の長さを表している。長さL82は、0.1mm~10mm、好ましくは0.5mm~8mm、より好ましくは1mm~5mmである。
【0087】
このように第3の実施形態では、同じグループの穿孔80は、同じ対60の2つのアークガード6の内面66によって部分的に閉鎖されている。
【0088】
図6に示される第4の実施形態が第3の実施形態と大きく異なる点は、穿孔80が縮小部分46Aに面する側のアークガード6から突出していることである。
図6のインサートa)、b)には、同じブレードヒューズ4が示されており、インサートb)は、インサートa)上の切断平面6bに沿ってインサートa)のブレードヒューズ4の部分を示している。
【0089】
各穿孔80は、アークガード6の前面62を越えて、ヒューズ2の長手方向軸A2と平行に延びている。したがって、各穿孔80は、縮小部分46A側に位置する前方部分を含み、この前方部分は、前面62から突出し、穿孔80が開口するフロントベント84を形成する。このように第4の実施形態では、同じ列の穿孔80は、同じ対60の2つのアークガード6の内面66によって部分的に閉鎖されている。
【0090】
アークが同じ対60のアークガード6に向かって進行するとき、フロントベント84は、アークによって発生した溶融金属又は他のイオン化生成物の一部が縮小部分46Aの近傍に排出することを可能とし、空洞V20は砂で充填されている。したがって、これらのイオン化生成物は、もはやアークの維持を促進しない。
【0091】
各穿孔80について、長さL84は、ヒューズ2の長手方向軸A2に平行に測定した、縮小部分46Aに最も近いこの穿孔80の一端と、隣接するアークガード6の前面62との間の長さであるとして画定される。したがって、長さL84は、フロントベント84の1つの長さを表している。長さL84は、0.1mm~5mm、好ましくは1mm~3mmである。
【0092】
図7は、特性の異なるブレードヒューズ4について、縮小部分46Aを含むブレードヒューズ4を通過する電流の推移を示すグラフ700を表している。ヒューズ2の性能は、特に、一度縮小部分46Aの溶断が開始されると電流が打ち消されるために必要な時間である、遮断時間によって評価される。
【0093】
曲線99は、ブレードヒューズ4が縮小部分46Aの近傍にアークガードを含まない場合の電流の推移を説明する。電気アークは、時点t0で発生する。電流は、時点t99でゼロになる。破断時間は、t99-t0に等しい。
【0094】
曲線100は、ブレードヒューズ4が上述した本発明の第1の実施形態に従ってアークガード6を含む場合、すなわち、縮小部分46Aの両側に2つの対60のアークガード6が配置されている場合の電流の推移を説明する。電流は、時刻t100でゼロになる。t100-t0に等しく、アークガード6を含むブレードヒューズ4の遮断時間は、アークガードを含まないブレードヒューズ4の遮断時間よりも約40%短い。
【0095】
曲線200は、ブレードヒューズ4が上述した本発明の第2の実施形態に従ってアークガード6を含む場合、すなわち、同じ対60のアークガード6間のブレードヒューズ4に穿孔80が形成されている場合の電流の推移を説明する。電流は、時点t200でゼロとなる。t200-t0に等しく、穿孔を有するアークガード6を含むブレードヒューズ4の遮断時間は、アークガードを含まないブレードヒューズ4の遮断時間よりも約45%短い。
【0096】
曲線300は、ブレードヒューズ4が上述した本発明の第3の実施形態に従ってアークガード6を含む場合、すなわち、穿孔80がアークガード6から縮小部分46Aとは反対側に突出している場合の電流の推移を説明する。電流は、時点t300でゼロとなる。t300-t0に等しく、穿孔及びリアベント82を有するアークガード6を含むブレードヒューズ4の遮断時間は、アークガードを含まないブレードヒューズ4の遮断時間よりも約50%短い。
【0097】
曲線400は、ブレードヒューズ4が上述した本発明の第4の実施形態に従ってアークガード6を含む場合、すなわち、穿孔80が縮小部分46A側及び縮小部分46Aに対向する側の両方でアークガード6から突出している場合の電流の推移を説明する。電流は、時点t400でゼロとなる。t400-t0に等しく、穿孔80、フロントベント84及びリアベント82を有するアークガード6を含むブレードヒューズ4の遮断時間は、アークガードを含まないブレードヒューズ4の遮断時間よりも約60%短い。
【0098】
図7は、先行技術によるヒューズと比較して、本発明に従ってヒューズ2の、遮断時間の短縮によって測定される性能の向上の態様を示している。縮小部分46Aの同じ側に位置する穿孔80が、同じ対60のアークガード6によって少なくとも部分的に塞がれている、本発明の第2及び第3及び第4の実施形態によるヒューズ2は、本発明の第1の実施形態と比較して、ヒューズ2の性能を更に向上させることが可能である。図示の例では、穿孔80は、縮小部分46Aの両側に作られている。示されていない変形例では、1つ以上の穿孔80は、縮小部分46Aの1つの側で、この縮小部分46Aの近傍に形成されており、少なくとも1つの穿孔80も電気アークの消滅に寄与する。
【0099】
図示の例では、アークガード6は、本発明を説明するために、ブレードヒューズ4の中央に位置する縮小部分46Aの両側にのみ配置されている。当然ながら、ブレードヒューズ4が縮小部分46A以外の縮小部分46を含む場合には、アークガード6の種類の他のアークガードを、必要に応じて、これらの縮小部分46の近傍に配置することができる。
【0100】
示されていない変形例によれば、アークガード6の2つの対60は、2つの、あるいは更に多くの、縮小部分46及び/又は46Aの種類の縮小部分によって互いに分離されている。上述したように、穿孔80及びアークガード6は、正確な寸法を有する形状を有し、これらの寸法は、特に、ヒューズ2の寸法及び定格、縮小部分46Aの孔44の大きさに応じて変更できる。
【0101】
図示の例では、アークガード6の対60は、ブレードヒューズ4の平坦な部分に組み立てられている。示されていない変形例では、ブレードヒューズ4が横断折り目42のような折り目を有する場合、折り目は、平坦部、スロットなどの様々な側面を有する折り目を形成する。アークガード6は、例えば折り目やスロットのような折り目の中に直接存在してもよく、これにより、ブレードヒューズ4のネット長を短くすることが可能となる。
【0102】
特に
図8を用いて説明するヒューズ2の製造方法は、したがって、第1の対60の2つのアークガード6を製造することである工程800を含み、アークガード6は、特に架橋エラストマーの、予め形成された弾性材料で作られ、それぞれが平面状の内面66を有している。非限定的な方法では、アークガード6は、例えば成形によって製造され、内面66は、任意に機械加工によって修正される。他の例によれば、例えばカレンダー仕上げによって、アークガード6が接着される予定のブレードヒューズ4の幅に等しい幅を有する弾性材料の較正されたストリップが製造され、当該ストリップは、アークガード6の厚さL7に等しい厚さを有する。次に、この較正されたストリップからアークガード6が切断される。アークガード6の面の1つ以上は、機械加工してその形状を修正してもよく、特に、接着剤層72の接着を促進するために好ましくは平坦である内面66と、縮小部分46Aの方に向けられた前面62とが、機械加工される。
【0103】
次に、当該方法は、各アークガード6の内面66と、ブレードヒューズ4のそれぞれの主面との間に接着剤の層72を介在させることによって、縮小部分46Aの近傍で、同じ対60の各アークガード6をブレードヒューズ4のそれぞれの主面に接着することからなる工程802を含んでいる。アークガード6は、横断面P4の同じ側に配置され、アークガード6の前面62は、各アークガード6の前面62と最も近い境界線70との間の距離L8が1mm~15mmとなるように、縮小部分46Aに向けられている。
【0104】
ブレードヒューズ4に穿孔80が形成される場合、製造方法は、接着工程802の前に、縮小部分46Aの近傍に少なくとも1つの穿孔80をブレードヒューズ4に設けることからなる工程804を含んでいる。接着工程804の間、アークガード6は、穿孔80がアークガード6によって本質的に閉鎖されるように、ブレードヒューズ4上に配置される。穿孔80がアークガード6の長さL6よりも大きい長さを有する場合、フロントベント84及び/又はリアベント82が提供される。
【0105】
図9及び
図10に示されるブレードヒューズ4及びアークガード6の第5の実施形態は、縮小部分46Aの近傍に形成された穿孔80が、アークガード6の前面62及び後面64から突出して、それぞれフロントベント84及びリアベント82を形成する点で、第4の実施形態に類似している。穿孔80のそれぞれが、同じ対60の2つのアークガード6の内面66によって少なくとも部分的に閉鎖されており、各穿孔80は、同じ対60の2つのアークガード6の間に空洞を残している。他の実施形態と同様に、第4の実施形態のアークガード6は、弾性材料、ここではシリコーンで作られており、対60によって関連付けられ、ブレードヒューズ4と、対応する対60の各アークガード6の内面66との間に介在する接着剤の層72によって、ブレードヒューズ4に固定される。
【0106】
これまでの実施形態と比較した、第5の実施形態のブレードヒューズ4及びアークガード6の主な相違点のうち、穿孔80は、細長い楕円形であり、その長さは、ヒューズ2の縦軸A2と平行に延びている。一方、ここでのブレードヒューズ4は、アークガード6の前面62及び後面64に折り目86を有している。図示の例では、折り目86は、横断面P4と平行な面内に位置している。フロントベント84及びリアベント82は、これらの折り目86の上に延びている。したがって、フロントベント84は、縮小部分46Aに向けられている。図示の例では、アークガード6の各対60のリアベント82は、それぞれの縮小部分46に向けられている。本明細書で使用される命名規則によれば、縮小部分46Aに対するリアベント82は、したがって、縮小部分46のうちの1つに関するフロントベントである。
【0107】
折り目86を含む、このようなブレードヒューズ4の構造は、折り目のないブレードヒューズ4と比較して、よりコンパクトな構造を可能にする。
【0108】
図示された実施形態の全てにおいて、アークガード6は、予め形成された弾性材料、特にシリコーンなどのエラストマー材料で作られている。任意に、アークガード6は、鉱物及び/又は有機粒子を含んでもよく、これらは、粉末及び/又は繊維の形態で弾性材料に添加される。これらの粒子は、アークガード6の材料の特性を調整することに役立ち、例えば材料のショア硬度を調整することに役立ち、及び/又は機械的補強材として役立つ。次に、アークガード6の材料は、弾性材料、特にシリコーンなどのエラストマー材料で作られたマトリックスを含む、複合材料とも呼ばれる強化材料である。強化材料とは反対に、粒子が添加されていない材料は、「原材料」と言われる。
【0109】
示されていない変形例によれば、アークガードは、発泡弾性材料、すなわち、ガス気泡を含み、50%より大きい、好ましくは60%より大きい、より好ましくは70%より大きい平均気孔率を有する材料で作られる。部品の平均気孔率は、その部品の総体積に対するその部品に含まれるガス気泡の体積の割合として定義される。
【0110】
示されていない他の変形例によれば、アークガード6は、積み重ねられた材料の複数の層からなる。層のうちの少なくとも1つは、上述したような弾性材料、特にシリコーンなどのエラストマー材料で作られている。例によれば、これらの層は明確な特性、特に明確な硬度特性を有し、これらの材料の層は、有利には接着によって互いに組み立てられている。
【0111】
多くのその他の実施形態が可能である。
【0112】
特に、本発明によるブレードヒューズ4及びアークガード6の特性、特にアークガードの構造特性及びその製造方法は、上述したフレーム48を含む本体20とは独立して実施することができ、従来のヒューズ本体に実施することができる。特に、穿孔80は、フレーム48とは独立して使用することができる。
【0113】
上記において、ある実施形態又は変形例について説明した特徴は、技術的に可能な限り、上記で説明した他の実施形態及び変形例について実施することができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-少なくとも1つのブレードヒューズ(4)であって、前記ブレードヒューズの長手方向軸(A2)に沿って延びる2つの対向する主面を有するシートで形成され、各ブレードヒューズが、前記ブレードヒューズに横断面(P4)を画定する縮小部分(46、46A)が形成されている部分を含む、少なくとも1つのブレードヒューズ(4)と、
-2つの接続端子(22)であって、各端子が、各ブレードヒューズに接続されている、2つの接続端子(22)と、
-予め形成された弾性材料で作られ、対(60)になっているアークガード(6)であって、前記同じ対の前記アークガードが、前記同じブレードヒューズの1つの主要な側のそれぞれで互いに対向している、アークガード(6)と、
を備える、ヒューズ(2)であって、
少なくとも第1の対(60)のアークガード(6)について、前記ブレードヒューズに各アークガードを固定するように、接着剤層(72)が、前記ブレードヒューズ(4)と、この対の各アークガード(6)の内面(66)との間に介在し、前記内面が、前記ブレードヒューズの一方の前記主面に向けられていることを特徴とする、
ヒューズ(2)。
【請求項2】
前記ヒューズが、前記第1の対(60)のアークガード(6)に加えて、第2の対(60)のアークガードを備え、前記第1及び前記第2の対のアークガードが、少なくとも1つの縮小部分(46、46A)によって互いに分離されている、請求項1に記載のヒューズ(2)。
【請求項3】
各アークガード(6)が、縮小部分(46、46A)に向けられた前面(62)と、前記前面と対向する後面(64)と、を含み、各アークガードの前記前面及び前記後面が、5mm~30mmの長さ(L6)で分離されている、請求項1又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項4】
前記前面と、対向している前記縮小部分(46A)の境界線(70)との間の距離(L8)が、0.5mm~20
mmである、請求項3に記載のヒューズ(2)。
【請求項5】
前記前面と、対向している前記縮小部分(46A)の境界線(70)との間の距離(L8)が、1mm~15mmである、請求項4に記載のヒューズ(2)。
【請求項6】
前記前面と、対向している前記縮小部分(46A)の境界線(70)との間の距離(L8)が、2mm~12mmである、請求項4に記載のヒューズ(2)。
【請求項7】
各アークガード(6)が、前記内面(66)と対向する外面(68)を含み、各アークガードの、前記内面(66)と前記外面(68)を隔てる距離として画定される厚さ(L2)が、0.2mm~20mmである、請求項1
又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項8】
前記アークガード(6)がエラストマー材料で作られており、ショアAスケールで測定した硬度が、20~
90である、請求項1
又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項9】
前記アークガード(6)がエラストマー材料で作られており、ショアAスケールで測定した硬度が、40~70である、請求項8に記載のヒューズ(2)。
【請求項10】
前記アークガード(6)がシリコーンで作られている、請求項1
又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項11】
少なくとも1つの穿孔(80)が、前記縮小部分(46A)の1つの側で前記ブレードヒューズ(4)に作られ、前記穿孔の各々が、同じ対(60)の前記2つのアークガード(6)の前記内面(66)によって少なくとも部分的に閉鎖されている、請求項1
又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項12】
前記穿孔(80)が、リアベント(82)を形成するように、前記アークガード(6)の前記後面(64)を越えて前記ブレードヒューズ(4)の前記長手方向(A2)と平行に延びている、請求項
11に記載のヒューズ(2)。
【請求項13】
前記リアベント(82)が、0.1mm~10
mmの長さ(L82)を有している、請求項
12に記載のヒューズ(2)。
【請求項14】
前記リアベント(82)が、0.5mm~8mmの長さ(L82)を有している、請求項13に記載のヒューズ(2)。
【請求項15】
前記リアベント(82)が、1mm~5mmの長さ(L82)を有している、請求項14に記載のヒューズ(2)。
【請求項16】
前記穿孔(80)が、フロントベント(84)を形成するように、前記アークガード(6)の前記前面(62)を越えて前記ブレードヒューズ(4)の前記長手方向(A2)と平行に延びており、前記フロントベント(84)が、0.1mm~5
mmの長さ(L84)を有している、請求項
11に記載のヒューズ(2)。
【請求項17】
前記フロントベント(84)が、1mm~3mmの長さ(L84)を有している、請求項16に記載のヒューズ(2)。
【請求項18】
前記ヒューズが、前記ヒューズの本体(20)の空洞(V20)に収容され、スペーサー(52)及び/又はシム(58)によって前記本体に関する前記ブレードヒューズ(4)の動きを制限する、フレーム(48)を含む、請求項1
又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項19】
前記ヒューズ(2)が組み立てられると、前記アークガード(6)が、前記ブレードヒューズ(4)の前記主面に直交する方向に圧縮され、各アークガード(6)が、このアークガード(6)が外部応力を受けていないときの、この同じアークガード(6)の厚さ(L7)の99%
未満の前記厚さ(L7)を有する、請求項1又は2に記載のヒューズ(2)。
【請求項20】
前記ヒューズ(2)が組み立てられると、前記アークガード(6)が、前記ブレードヒューズ(4)の前記主面に直交する方向に圧縮され、各アークガード(6)が、このアークガード(6)が外部応力を受けていないときの、この同じアークガード(6)の厚さ(L7)の98%未満の前記厚さ(L7)を有する、請求項19に記載のヒューズ(2)。
【請求項21】
前記ヒューズ(2)が組み立てられると、前記アークガード(6)が、前記ブレードヒューズ(4)の前記主面に直交する方向に圧縮され、各アークガード(6)が、このアークガード(6)が外部応力を受けていないときの、この同じアークガード(6)の厚さ(L7)の95%未満の前記厚さ(L7)を有する、請求項20に記載のヒューズ(2)。
【請求項22】
ヒューズ(2)の製造方法であって、前記ヒューズが、少なくとも1つのブレードヒューズ(4)に横断面(P4)を画定する縮小部分(46、46A)を有する前記少なくとも1つのブレードヒューズ(4)を含み、前記方法が、
-第1の対(60)の2つのアークガード(6)を製造する工程(800)であって、前記アークガード(6)が、弾性架橋材料で作られ、平坦な内面(66)を有する、工程(800)と、
-前記第1の対(60)の各アークガード(6)を、各アークガード(6)の前面(62)と、対向する前記縮小部分の境界線(70)との間の距離(L8)が1mm~15mmとなるように、各アークガードの前記内面(66)と、前記ブレードヒューズのそれぞれの主面との間に接着剤の層(72)を介在させることによって、前記縮小部分(46、46A)近傍の前記ブレードヒューズ(4)のそれぞれの主面に接着させる、工程(802)と、
を含む、請求項1
又は2に記載のヒューズ(2)の製造方法。
【請求項23】
前記方法が、前記接着工程(802)の前に、前記横断面(P4)の両側に少なくとも1つの穿孔(80)を前記ブレードヒューズ(4)に設けること(804)である工程を含み、前記接着工程の間に、前記第1の対(60)の前記アークガード(6)が、各穿孔(80)が前記アークガード(6)によって少なくとも部分的に遮断されるように、前記ブレードヒューズに接着される、請求項
22に記載の製造方法。
【国際調査報告】