(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(54)【発明の名称】非絶縁ソフトスイッチング回路
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20230809BHJP
【FI】
H02M3/155 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506495
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2021104403
(87)【国際公開番号】W WO2022022228
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】202010763499.7
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ジュンジエ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リングオ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ビン
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB15
5H730DD04
5H730FF09
5H730FG01
(57)【要約】
本発明の実施例は、入力電源、電力変換回路、トランス回路、コントローラ、及び負荷を備える非絶縁ソフトスイッチング回路であって、電力変換回路は、第1のインダクタンス素子と、第1のスイッチング素子と、第1の整流素子とを含み、第1のインダクタンス素子が、第1のスイッチング素子及び第1の整流素子にそれぞれ接続され、トランス回路の1次側回路は、第1のスイッチング素子と並列に接続され、トランス回路の2次側回路は、第1の整流素子と並列に接続され、コントローラは、第1のスイッチング素子及びトランス回路にそれぞれ接続され、入力電源は、第1のスイッチング素子を介して第1のインダクタンス素子に接続され、負荷は、電力変換回路及びトランス回路に接続されている非絶縁ソフトスイッチング回路を提供する。本発明の実施例によれば、電力変換回路における各素子のスイッチング損失を効果的に低減する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電源、電力変換回路、トランス回路、コントローラ、及び負荷を備える非絶縁ソフトスイッチング回路であって、
前記電力変換回路は、第1のインダクタンス素子と、第1のスイッチング素子と、第1の整流素子とを含み、前記第1のインダクタンス素子が、前記第1のスイッチング素子及び前記第1の整流素子にそれぞれ接続され、
前記トランス回路の1次側回路は、前記第1のスイッチング素子と並列に接続され、前記トランス回路の2次側回路は、前記第1の整流素子と並列に接続され、
前記コントローラは、前記第1のスイッチング素子及び前記トランス回路にそれぞれ接続され、
前記入力電源は、前記第1のスイッチング素子を介して前記第1のインダクタンス素子に接続され、
前記負荷は、前記電力変換回路及び前記トランス回路に接続されている、
非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項2】
前記トランス回路は、トランスと、第2のスイッチング素子と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子と、を含み、
前記トランス回路の1次側回路には、前記トランスの1次側と前記第2のスイッチング素子とが含まれており、前記トランスの1次側と前記第2のスイッチング素子とが直列に接続され、
前記トランス回路の2次側回路には、前記トランスの2次側と、前記第2の整流素子と、前記第2のインダクタンス素子と、が含まれており、前記トランスの2次側と、前記第2の整流素子と、前記第2のインダクタンス素子とが直列に接続される、
請求項1に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項3】
前記トランス回路は、前記トランス回路の1次側回路と直列に接続された第3のインダクタンス素子をさらに含む、
請求項2に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項4】
前記コントローラは、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のオンオフを制御する、
請求項2に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項5】
前記第1の整流素子が第1のダイオードである場合、前記コントローラは、さらに、予め設定された電力変換周期において前記第1のスイッチング素子がターンオンされる前に、前記トランス回路の1次側回路と前記第1のスイッチング素子との間に閉ループが形成されるとともに、前記トランス回路の2次側回路と前記第1のダイオードとの間に閉回路が形成されるように、前記トランス回路をターンオンさせる制御を行い、前記電力変換周期は、前記第1のスイッチング素子の隣接する2回の閉動作間の時間長である、
請求項4に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項6】
前記コントローラは、さらに、前記電力変換周期において前記第1のスイッチング素子がターンオンされてからターンオフされるまでに、前記トランス回路をターンオフさせる制御を行う、
請求項5に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項7】
前記第1のスイッチング素子がターンオンされる前に、前記第1のダイオードの電流が減少し始め、前記第1のダイオードの電流がゼロに減少した後、前記トランス回路の1次側と前記トランスの2次側が前記第1のスイッチング素子の接合容量を放電させ、前記第1のスイッチング素子における接合容量と前記第2のインダクタンス素子とが共振を開始し、前記第1のスイッチング素子の電圧が最低電圧値まで低下すると、前記コントローラは、前記第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御を行う、
請求項5に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項8】
前記第1の整流素子が第1の同期整流管である場合、前記トランス回路は、前記第1の同期整流管がオフになる前にターンオンし、その後、前記第1の同期整流管を流れる電流は、流れ方向が変化するまで減少し続け、前記第1の同期整流管がオフになった後、前記トランスの1次側回路及び前記トランスの2次側回路は、前記第1のスイッチング素子の接合容量の放電及び前記第1の同期整流管の接合容量の充電を開始し、そして、前記第1のスイッチング素子の電圧がゼロに低下し、かつ前記第1のスイッチング素子の寄生ダイオードがターンオンされると、前記コントローラは、前記第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御を行う、
請求項4に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項9】
前記第1の同期整流管がオフになった後であって前記第1のスイッチング素子がオンになる前に、前記トランス回路をターンオンさせる、
請求項8に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項10】
前記第1のスイッチング素子は、スイッチ、三極管、電界効果トランジスタ、リレー、及びダイオードのうちの何れか1つを含み、前記第2のスイッチング素子は、スイッチ、三極管、電界効果トランジスタ、リレー、及びダイオードのうちの何れか1つを含む、
請求項2から請求項9のうちの何れか1項に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【請求項11】
前記電力変換回路は、降圧(buck)トポロジー回路、昇圧(boost)トポロジー回路、負から正への昇降圧(buck-boost)トポロジー回路、正から正への昇降圧(buck-boost)トポロジー回路のうちの何れか1つを含む、
請求項1から請求項9のうちの何れか1項に記載の非絶縁ソフトスイッチング回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年7月31日に出願された、発明の名称が「非絶縁ソフトスイッチング回路」である中国特許出願202010763499.7に基づくものであり、当該特許出願についての優先権を主張し、その開示された内容の全てを参照により本開示に組み込むものとする。
【0002】
本発明の実施例は、電子回路の技術分野に関し、具体的には、非絶縁ソフトスイッチング回路に関する。
【背景技術】
【0003】
通信用直流給電システムでは、DC-C(Direct Current-Common)直流配電システムを用いて配電を行う。コスト節約と設計の複雑さの軽減を考慮して、現在のDC-C配電システムでは、
図1に示すような昇降圧(buckboost)トポロジーを用いて直流給電機能を実現するのが一般的である。通常、その動作原理は、主電力管Q1が閉じられると、電源の入力電圧VinによってインダクタンスL1にエネルギーが蓄えられ、Q1がターンオフされると、インダクタンスL1はダイオードD1を通じてエネルギーを放出し、負荷R1に出力電圧Voutを供給し、このように繰り返すことで、入力電圧Vinから出力電圧Voutへの変換を実現することである。
【0004】
しかしながら、実践にあたり、Q1がターンオンされた瞬間に、ダイオードD1がVin+Voutの電圧を受けることがわかった。D1の逆回復過程において、この電圧が直接Q1に加わって放熱を行い、これによって、D1に大きな逆回復損失が発生し、同時に、オンになった瞬間に、Q1の接合容量におけるエネルギーも直接、ターンオンされたQ1を通じて瞬時に散逸するため、Q1に大きなオン損失及び接合容量損失が発生する。
【0005】
主電力管Q1のオン時に発生する損失問題を解決するために、関連技術ではbuck-boostトポロジー回路に関して提案された一般的な動作モードは、次の3つを含む。
【0006】
1つ目は、不連続モードである。
図2に示すように、不連続モードでは、インダクタンスLは、電力変換周期Tが終了する前に、その電流が0Aに低下するため、ダイオードD1は、Q1が導通する前に逆回復を完了することができ、高電圧での逆回復損失を回避する。ここで、電力変換周期Tは、隣接する2回のQ1の閉動作間の時間長である。
【0007】
2つ目は、臨界モードである。
図3に示すように、臨界モードでは、インダクタンスLは、電力変換周期Tの終了時に、その電流がちょうど0Aまで低下するので、同様にダイオードD1は、Q1がターンオンされる前に逆回復を完了することができ、高電圧での逆回復損失を回避する。
【0008】
3つ目は、最小電流がゼロクロスになる連続モードである。具体的には、ダイオードD1を電界効果トランジスタに置き換えて同期整流の効果を達成することができ、0未満の電流(すなわち、逆方向電流)を得ることができる。
図4に示すように、連続モードでは、インダクタンスLは、電力変換周期Tが終了する前に、その電流が0A以下に低下するので、D1は逆方向電流により直接逆回復を完了し、高電圧での逆回復損失を回避する。
【0009】
しかしながら、上記3つのモードは何れも、次の欠点がある。すなわち、負荷が大きい場合、インダクタンスの電流の平均値が大きく、インダクタンスの電流のゼロクロスを実現することが非常に困難であり、インダクタンスの電流の最大値が平均値の2倍以上になることを満たす必要がある。また、インダクタンスの電流のゼロクロスを実現する過程では、インダクタンスに大きな銅損と磁気損を与え、インダクタンスが損傷しやすくなるとともに、Q1に大きなオフ損失を与える。つまり、変換すべき出力電力(又は電圧)が大きい場合、上記3つのモードを採用することによるインダクタンス損失及びオフ損失は、D1の逆回復損失を遥かに上回る。それゆえ、関連技術における昇降圧回路には、主電力管のオン損失が大きく、ダイオードの逆回復損失が大きいという問題が残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施例は、関連技術における、非絶縁回路のスイッチング損失が大きいという問題を解決するための、非絶縁ソフトスイッチング回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例によれば、入力電源、電力変換回路、トランス回路、コントローラ、及び負荷を備える非絶縁ソフトスイッチング回路であって、上記電力変換回路は、第1のインダクタンス素子と、第1のスイッチング素子と、第1の整流素子とを含み、上記第1のインダクタンス素子が、上記第1のスイッチング素子及び上記第1の整流素子にそれぞれ接続され、上記トランス回路の1次側回路は、上記第1のスイッチング素子と並列に接続され、上記トランス回路の2次側回路は、上記第1の整流素子と並列に接続され、上記コントローラは、上記第1のスイッチング素子及び上記トランス回路にそれぞれ接続され、上記入力電源は、上記第1のスイッチング素子を介して上記第1のインダクタンス素子に接続され、上記負荷は、上記電力変換回路及び上記トランス回路に接続されている非絶縁ソフトスイッチング回路を提供する。
【0012】
1つの例示的な実施例では、上記トランス回路は、トランスと、第2スイッチング素子と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子とを含み、上記トランス回路の1次側回路には、上記トランスの1次側と上記第2のスイッチング素子とが含まれており、上記トランスの1次側と上記第2スイッチング素子とが直列に接続され、上記トランス回路の2次側回路には、上記トランスの2次側と、上記第2の整流素子と、上記第2のインダクタンス素子とが含まれており、上記トランスの2次側と、上記第2の整流素子と、上記第2のインダクタンス素子と、が直列に接続される。
【0013】
1つの例示的な実施例では、上記トランス回路は、上記トランス回路の1次側回路と直列に接続された第3のインダクタンス素子をさらに含む。
【0014】
1つの例示的な実施例では、上記コントローラは、上記第1のスイッチング素子及び上記第2のスイッチング素子のオンオフを制御する。
【0015】
1つの例示的な実施例では、上記第1の整流素子が第1のダイオードである場合、上記コントローラは、さらに、予め設定された電力変換周期において上記第1のスイッチング素子がターンオンされる前に、上記変圧回路の1次側回路と上記第1のスイッチング素子との間に閉ループが形成されるとともに、上記変圧回路の2次側回路と上記第1のダイオードとの間に閉回路が形成されるように、上記トランス回路をターンオンさせる制御を行う、上記電力変換周期は、上記第1のスイッチング素子の隣接する2回の閉動作間の時間長である。
【0016】
1つの例示的な実施例では、上記コントローラは、さらに、上記電力変換周期において上記第1のスイッチング素子がターンオンされてからターンオフされるまでに、上記トランス回路をターンオフさせる制御を行う。
【0017】
1つの例示的な実施例では、上記第1のスイッチング素子がターンオンされる前に、上記第1のダイオードの電流が減少し始め、上記第1のダイオードの電流がゼロに減少した後、上記トランス回路の1次側及び上記トランスの2次側が上記第1のスイッチング素子の接合容量を放電させ、上記第1のスイッチング素子における接合容量と上記第2のインダクタンス素子とが共振を開始し、上記第1のスイッチング素子の電圧が最低電圧値まで低下すると、上記コントローラは、上記第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御を行う。
【0018】
1つの例示的な実施例では、上記第1の整流素子が第1の同期整流管である場合、上記トランス回路は、上記第1の同期整流管がオフになる前にターンオンし、その後、上記第1の同期整流管を流れる電流は、流れ方向が変化するまで減少し続け、上記第1の同期整流管がオフになった後、上記トランスの1次側回路及び上記トランスの2次側回路は、上記第1のスイッチング素子の接合容量の放電及び上記第1の同期整流管の接合容量の充電を開始し、そして、上記第1のスイッチング素子の電圧がゼロに低下し、かつ上記第1のスイッチング素子の寄生ダイオードがターンオンされると、上記コントローラは、上記第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御を行う。
【0019】
1つの例示的な実施例では、上記第1の同期整流管がオフになった後であって上記第1のスイッチング素子がオンになる前に、上記トランス回路をターンオンさせる。
【0020】
1つの例示的な実施例では、上記第1のスイッチング素子は、スイッチ、三極管、電界効果トランジスタ、リレー、及びダイオードのうちの何れか1つを含み、上記第2のスイッチング素子は、スイッチ、三極管、電界効果トランジスタ、リレー、及びダイオードのうちの何れか1つを含む。
【0021】
1つの例示的な実施例では、上記電力変換回路は、降圧(buck)トポロジー回路、昇圧(boost)トポロジー回路、負から正への昇降圧(buck-boost)トポロジー回路、正から正への昇降圧(buck-boost)トポロジー回路のうちの何れか1つを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例によれば、第1の整流素子を流れる電流は、第1のスイッチング素子がターンオンされる前に徐々にゼロに低下することができ、同時に、第1のスイッチング素子の接合容量における電圧も、第1のスイッチング素子がターンオンされる前に大幅に減少することができる。これにより、電力変換回路における各素子のスイッチング損失を大幅に低減することができ、関連技術における、損失が大きいという問題を克服する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】関連技術による昇降圧回路の回路構成図である。
【
図2】関連技術による昇降圧回路の電流模式図である。
【
図3】関連技術による別の昇降圧回路の電流模式図である。
【
図4】関連技術によるさらに別の昇降圧回路の電流模式図である。
【
図5】本発明の実施例による非絶縁ソフトスイッチング回路の構成ブロック図である。
【
図6】本発明の実施例による非絶縁ソフトスイッチング回路の適用模式図である。
【
図7】本発明の実施例による別の非絶縁ソフトスイッチング回路の適用模式図である。
【
図8】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の適用模式図である。
【
図9】本発明の実施例による非絶縁ソフトスイッチング回路の回路接続の模式図である。
【
図10】本発明の実施例による非絶縁ソフトスイッチング回路における素子のパラメータ変化を示すグラフである。
【
図11】本発明の実施例による非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図12】本発明の実施例による別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図13】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図14】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図15】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図16】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図17】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の回路接続の模式図である。
【
図18】本発明の実施例による別の非絶縁ソフトスイッチング回路における素子のパラメータ変化を示すグラフである。
【
図19】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図20】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図21】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図22】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図23】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【
図24】本発明の実施例によるさらに別の非絶縁ソフトスイッチング回路の制御過程の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
なお、本発明の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、類似の対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序又は先後順を説明するために使用されるわけではない。
【0025】
本実施例では、非絶縁ソフトスイッチング回路を提供する。
図5は、本発明の実施例による非絶縁ソフトスイッチング回路の回路模式図であり、
図5に示すように、この非絶縁ソフトスイッチング回路は、入力電源502、電力変換回路504、トランス回路506、コントローラ508、及び負荷510を備える。
【0026】
1)電力変換回路504は、第1のインダクタンス素子と、第1のスイッチング素子と、第1の整流素子とを含み、第1のインダクタンス素子が、第1のスイッチング素子及び第1の整流素子にそれぞれ接続されている。
2)トランス回路506の1次側回路は、第1のスイッチング素子と並列に接続され、トランス回路の2次側回路は、第1の整流素子と並列に接続される。
3)コントローラ508は、第1のスイッチング素子及びトランス回路にそれぞれ接続されている。
4)入力電源502は、第1のスイッチング素子を介して第1のインダクタンス素子に接続されている。
5)負荷510は、電力変換回路504及びトランス回路506に接続されている。
【0027】
選択的に、本実施例では、上記非絶縁ソフトスイッチング回路は、直流配電システムにおける昇降圧回路に適用することができるが、これに限定されない。ここで、上記電力変換回路は、降圧(buck)トポロジー回路(回路構成は
図6に示すものであってもよい)、昇圧(boost)トポロジー回路(回路構成は
図7に示すものであってもよい)、負から正への昇降圧(buck-boost)トポロジー回路(回路構成は
図1に示すものであってもよい)、正から正への昇降圧(buck-boost)トポロジー回路(回路構成は
図8に示すものであってもよい)のうちの何れか1つを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0028】
具体的には、負荷が大きい場合、上記新しく追加されたトランス回路を制御することにより、第1の整流素子を流れる電流を、第1のスイッチング素子がオンされる前に徐々にゼロに低下させることができるとともに、第1のスイッチング素子がオンされる前の電圧を大幅に低下させることができる。これにより、電力変換回路におけるスイッチング素子のオン損失、スイッチング素子における接合容量の損失、及び整流素子の逆回復損失を低減することができ、関連技術における、スイッチング損失が大きいという問題を克服する。
【0029】
選択的に、本実施例では、上記トランス回路は、1次側回路と、2次側回路とを含んでもよい。1次側回路には、トランスの1次側と第2のスイッチング素子とが含まれており、トランスの1次側と第2のスイッチング素子とが直列に接続される。2次側回路には、トランスの2次側と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子とが含まれており、トランスの2次側と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子とが直列に接続される。
【0030】
また、本実施例では、上記第1のスイッチング素子は、スイッチ、三極管(triode)、電界効果トランジスタ、リレー、及びダイオードのうちの何れか1つを含んでもよいが、これらに限定されない。第2のスイッチング素子は、スイッチ、三極管、電界効果トランジスタ、リレー、及びダイオードのうちの何れか1つを含んでもよいが、これらに限定されない。上記第1の整流素子及び第2の整流素子は、ダイオード、同期整流管を含んでもよいが、これらに限定されない。選択的に、本実施例では、上記負荷は、第1の整流素子を介して第1のインダクタンス素子に接続されてもよいが、これに限定されない。
【0031】
以上は一例であり、本実施例ではこれに限定されるものではない。
【0032】
選択的に、本実施例では、上記電力変換回路は、連続モードでの動作に対応でき、第1のインダクタンス素子を流れる最小電流は、0よりも大きくてもよいが、これに限定されない。
【0033】
具体的には、
図9に示す例を参照しながら説明すると、第1のスイッチング素子Q1には、スイッチS1と、ダイオードD3と、接合容量C2とが含まれており、第2のスイッチング素子Q2には、スイッチS2と、ダイオードD4と、接合容量C3とが含まれており、第1の整流素子がダイオードD1であり、第2の整流素子がダイオードD2である場合を想定する。また、回路には、さらに、第1のインダクタンス素子L1、第2のインダクタンス素子L2、トランスT、容量C1、及び関連する負荷R1が含まれている。上記回路構成に基づいて、回路の制御過程は以下のようにしてもよい。
【0034】
予め設定された電力変換周期(隣接する2回のQ1の導通間の時間長)において、電力変換回路におけるQ1がターンオンされる前に、トランス回路の1次側回路とQ1との間に閉ループが形成されるとともに、トランス回路の2次側回路とD1との間に閉回路が形成されるように、トランス回路をターンオンさせる制御を行う。このようにして、トランス回路におけるQ2がターンオンされると、Q1の両端の電圧がトランスTの1次側に加えられ、トランスの電圧マッピングの原理に従って、トランスの2次側にも対応する電圧が発生する。
【0035】
D1の両端の電圧がゼロであるため、L2の両端の電圧の大きさはトランスTの2次側の大きさと同じであるが、逆方向になる。L2を流れる電流は増加し続け、D2は順方向にターンオンし、トランスTの1次側にも対応する誘導電流が発生する。キルヒホフの法則によれば、D1を流れる電流は、それゆえ、ゼロになるまで減少し続ける。これにより、D1の逆回復損失を大幅に低減又は回避することができる。
【0036】
さらに、D1の電流がゼロに減少した後、トランスTの1次側回路と2次側回路の電流がQ1の接合容量を放電させ始める。このため、Q1の両端の電圧とトランスTの1次側及び2次側の電圧が同時に減少し始め、D1の両端の電圧が増加し始め、D2を流れる電流の上昇速度が遅くなり、その後低下し始める。Q1における接合容量とL2とが共振を開始し、Q1の両端の電圧が最下点まで低下すると、コントローラは、Q1をターンオンさせる制御を行う。これにより、Q1のオン損失を大幅に低減することができる。
【0037】
その後、電力変換周期においてQ1がターンオンされてからターンオフされるまでに、コントローラは、L1が入力電源の入力電力をトランス回路で分流することなく負荷の出力電力に変換するように、前記トランス回路をターンオフさせる制御を行う。
【0038】
本願による実施例によれば、上記新しく追加されたトランス回路の制御により、電力変換回路において第1のスイッチング素子を流れる電流が、ターンオン前に徐々にゼロに低下することができ、これにより、第1のスイッチング素子が繰り返しターンオンされるときに、瞬時的な電流変化が電力変換回路における各素子に与える損失を低減することができ、関連技術における、スイッチング損失が大きいという問題を克服することを実現する。
【0039】
選択的な一実施態様として、トランス回路は、トランスと、第2のスイッチング素子と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子とを含む。
【0040】
1)トランス回路の1次側回路には、トランスの1次側と第2のスイッチング素子とが含まれており、トランスの1次側と第2のスイッチング素子とが直列に接続される。
【0041】
2)トランス回路の2次側回路には、トランスの2次側と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子とが含まれており、トランスの2次側と、第2の整流素子と、第2のインダクタンス素子とが直列に接続される。
【0042】
選択的に、本実施例では、上記トランス回路は、トランス回路の1次側回路と直列に接続された第3のインダクタンス素子をさらに含んでもよい。なお、トランス回路の1次側回路に第3のインダクタンス素子が直列に接続されている場合、2次側回路における第2のインダクタンス素子を置き換えてもよい。
【0043】
また、本実施例では、上記トランス回路は、順方向電流の導通及び逆方向電流の遮断をサポートし、順方向電流の流れ方向は、第1のインダクタンス素子が入力電源の励磁によって発生した電流のトランス回路を流れる方向であり、逆方向電流は、前記順方向電流と逆方向の電流である。
【0044】
選択的に、本実施例では、上記トランスの1次側と2次側の間のターン比は、トランスを流れる電流及びトランスにおける関連電圧を調整するために、実際のニーズに応じて異なる値に設定されてもよいが、これに限定されない。ここで、トランスの結合方向は、トランスの1次側回路と2次側回路とを同時に順方向にターンオンさせることを可能にする。
【0045】
選択的に、本実施例では、上記トランス回路における第2のインダクタンス素子は、インダクタンスであってもよいが、これに限定されず、トランスのリーケージインダクタンスによって実現されてもよいが、これに限定されない。
【0046】
本願による実施例によれば、トランス回路における1次側回路及び2次側回路のトランス、スイッチング素子、インダクタンス素子、及び整流素子によって、電力変換回路を流れる電流の制御を実現する。ここで、トランス回路はソフトスイッチとして、電力変換回路を柔軟に制御することで、瞬時的な変化による大きな損失の問題を回避する。
【0047】
選択的な一実施態様として、コントローラは、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子のオンオフを制御する。
【0048】
依然として
図9に示す例で説明を続けると、上記コントローラの制御方式及び回路の動作時の典型的な波形は、
図10に示すものであってもよく、
図10の1番目の電圧変化グラフでは、線分-線分からなる曲線がD2の電圧変化を示し、実線がQ1のVgs電圧変化を示す。
図10の2番目の電流変化グラフにおいて、線分-線分からなる曲線がL1の電流変化を示し、点-線がL2の電流変化を示し、点-点からなる曲線がD2の電流変化を示す。
図10の3番目の電圧変化グラフにQ1のVds電圧変化を示す。
【0049】
本発明による実施例によれば、コントローラによって第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子のオンオフを制御することで、入力電源とインダクタンス素子との間の柔軟なオンオフ制御を実現し、入力電源から電力変換回路に供給される入力電力を、インダクタンス素子によって負荷の出力電力に変換する。
【0050】
選択的な一実施態様として、第1の整流素子が第1のダイオードである場合、コントローラは、さらに、予め設定された電力変換周期において第1のスイッチング素子がターンオンされる前に、トランス回路の1次側回路と第1のスイッチング素子との間に閉ループが形成されるとともに、トランス回路の2次側回路と第1のダイオードとの間に閉回路が形成されるように、トランス回路をターンオンさせる制御を行い、電力変換周期は、第1のスイッチング素子の隣接する2回の閉動作間の時間長である。
【0051】
ここで、電力変換周期Tは電圧変換周期とも呼ばれ、インダクタンスがQ1の閉動作で電気エネルギーを蓄え始め、Q1がターンオフされるとインダクタンスが電気エネルギーを放出してから、Q1の次回の閉動作までの時間長、すなわち、隣接する2回のQ1の閉動作間の時間長を指す。
【0052】
選択的に、本実施例では、コントローラは、さらに、電力変換周期において第1のスイッチング素子がターンオンされてからターンオフされるまでに、トランス回路をターンオフさせる制御を行ってもよい。
【0053】
選択的に、本実施例では、第1のスイッチング素子がターンオンされる前に、第1のダイオードの電流が減少し始め、第1のダイオードの電流がゼロに減少した後、トランス回路の1次側とトランスの2次側が第1のスイッチング素子の接合容量を放電させ、第1のスイッチング素子における接合容量と第2のインダクタンス素子とが共振を開始し、第1のスイッチング素子の電圧が最低電圧値まで低下すると、コントローラは、第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御を行うようにしてもよい。
【0054】
具体的には、以下の例を参照しながら説明すると、上記非絶縁ソフトスイッチング回路の回路構成は、
図9に示すものであってもよく、電力変換回路は、第1のインダクタンス素子L1と、第1のスイッチング素子Q1と、第1のダイオードD1とを含み、トランス回路は、トランスTと、第2のインダクタンス素子L2と、第2のスイッチング素子Q2と、第2のダイオードD2とを含む場合を想定する。回路の制御過程は以下のようにしてもよい。
【0055】
図11に、予め設定された電力変換周期において、Q1がターンオンされる前であってトランス回路がターンオンされる前の回路の動作状態を示している。時刻t0では、Q2がターンオンし、
図12に示すように、トランス回路の1次側回路とQ1との間に閉ループが形成されるとともに、トランス回路の2次側回路とD1との間に閉回路が形成される。このとき、Q1の両端の電圧がトランスの1次側に加えられ、トランスの電圧マッピングの原理に従って、トランスの2次側にも対応する電圧が発生する。
【0056】
D1の両端の電圧がゼロであるため、L2の両端の電圧の大きさはトランスの2次側の大きさと同じであるが、逆方向になる。L2を流れる電流は増加し続け、第2のダイオードは順方向にターンオンし、トランスの1次側にも対応する誘導電流が発生する。キルヒホフの法則によれば、D1を流れる電流は、それゆえ、ゼロになるまで減少し続ける。これにより、D1の逆回復損失を大幅に低減又は回避することができる。
【0057】
時刻t1では、
図13に示すように、D1を流れる電流はゼロに減少する。その後、
図14に示すように、図示されたトランスの1次側及び2次側の電流がQ1の接合容量を放電させ始める。このため、Q1の両端の電圧とトランスの1次側及び2次側の電圧が同時に減少し始め、D1の両端の電圧が増加し始め、D2を流れる電流の上昇速度が遅くなり、その後低下し始める。Q1の接合容量とL2とが共振を開始し、時刻t2では、Q1の両端の電圧が最下点まで低下すると、
図15に示すように、コントローラは、Q1をターンオンさせる制御を行う。これにより、Q1のオン関連損失を大幅に低減することができる。
【0058】
電力変換周期においてQ1がターンオンされてからターンオフされるまでに、時刻t3では、
図16に示すように、トランス回路をターンオフさせる制御を行い、その結果、その後の入力電源は、電力変換回路504を介してエネルギーを負荷に伝達するのみであり、トランス回路によって分流されることはない。
【0059】
本願による実施例によれば、第1の整流素子がダイオードである場合、トランス回路における各部品の制御によって、第1の整流素子を流れる電流が穏やかに低下することができ、大負荷の場合に、頻繁にターンオンさせたりオフさせたりすることによる回路素子の損失を回避する。
【0060】
選択的な一実施態様として、第1の整流素子が第1の同期整流管である場合、トランス回路は、第1の同期整流管がオフになる前にターンオンし、その後、第1の同期整流管を流れる電流は、流れ方向が変化するまで減少し続け、第1の同期整流管がオフになった後、トランスの1次側回路及びトランスの2次側回路は、第1のスイッチング素子の接合容量の放電及び第1の同期整流管の接合容量の充電を開始し、そして、第1のスイッチング素子の電圧がゼロに低下し、かつ第1のスイッチング素子の寄生ダイオードがターンオンされると、コントローラは、第1のスイッチング素子をターンオンさせる制御を行う。
【0061】
選択的に、本実施例では、第1の同期整流管がオフになった後であって第1のスイッチング素子がオンになる前に、トランス回路をターンオンさせてもよい。ここでの動作原理は、上述した実施例における原理を参照することができる。
【0062】
選択的に、本実施例では、上記第1のダイオードを、
図17に示すような回路を有する第1の同期整流管に置き換えてもよいが、第1の同期整流管Q3には、容量C4と、ダイオードD5と、スイッチS3とが含まれる場合を想定する。かかる場合には、前記コントローラの制御方式及び回路の動作時の典型的な波形を
図18に示すが、
図18の1番目の電圧変化グラフにおいて、点-点がQ1のVgs電圧変化を示し、実線がQ2のVgs電圧変化を示し、点-線からなる曲線がQ3のVgs電圧変化を示す。
図18の2番目の電流変化グラフにおいて、線分-線分からなる曲線がQ1のVds電圧変化を示す。
図18の3番目の電流変化グラフにおいて、点-点がQ3の電流変化を示し、実線からなる曲線がL1の電流変化を示し、点-線からなる曲線がL2の電流変化を示す。回路の制御過程は以下のようにしてもよい。
【0063】
図19に示すように、Q3の導通損失を低減するために、Q3は、Q1がオフになる間にオンになる。時刻T0では、Q2がオンになる。その後、
図20に示すように、L2を流れる電流が上昇し始め、Q3を流れる電流が低下し始める。Q3を流れる電流がゼロに低下して方向変換した後、Q3は時刻T1でオフになる。これにより、Q3のダイオードに生じる可能性のある逆回復損失を完全に回避する。
【0064】
Q3がオフになった後、
図21に示すように、トランスの1次側及び2次側の電流がQ1の接合容量の放電及びQ3の接合容量の充電を開始する。時刻T2では、Q1の両端の電圧が完全にゼロに低下し、その後、
図22に示すように、Q1の寄生ダイオードがターンオンされる。時刻T3では、コントローラは、
図23に示すように、Q1をオンさせる制御を行う。Q1は、それゆえ、ZVSオンを実現することができる。時刻T4では、
図24に示すように、L2を流れる電流がゼロに低下し、時刻T5では、Q2がオフになる。時刻T5は、Q1がオフになる前に発生する。
【0065】
本願による実施例によれば、第1の整流素子が同期整流管である場合、トランス回路における各部品の制御によって、スイッチング素子を流れる電流が緩やかに変化することができ、大負荷の場合に、頻繁にターンオンさせたりオフさせたりすることによる回路素子の損失を回避する。
【0066】
以上の実施形態の説明を通じて、上記実施例による方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームを介して実現されることができ、もちろんハードウェアによって実現されることも可能であるが、多くの場合、前者の方がより適切な実施形態であることが当業者には明確に理解されるであろう。このような理解に基づいて、本発明の技術案は、本質上、あるいは、関連技術に貢献する部分が、ソフトウェア製品の形で体現されることができ、このコンピュータソフトウェア製品は、本発明の各実施例に記載の方法を端末デバイス(携帯電話、コンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイス等であってもよい)に実行させるための若干の命令を含む、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に格納される。
【0067】
上述した本発明の各モジュール又は各ステップは、汎用の計算装置によって実現することができ、単一の計算装置に集成させることができれば、複数の計算装置から構成されるネットワークに分布させることもでき、さらに、計算装置で実行可能なプログラムのコードによって実現することができるので、それらを記憶装置に格納して計算装置によって実行することができ、場合によっては、図示又は説明されたステップをここでの順序とは異なる順序で実行するか、あるいは、それぞれ集積回路モジュールとして製作したり、そのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールとして製作したりして実現することができることは、当業者にとって自明なことである。このように、本発明は、如何なる特定のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにも限定されない。
【0068】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本願を限定することを意図するのではない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本願の原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の実施例では、第1の整流素子を流れる電流は、第1のスイッチング素子がターンオンされる前に徐々にゼロに低下することができ、同時に、第1のスイッチング素子の接合容量における電圧も、第1のスイッチング素子がターンオンされる前に大幅に減少することができる。これにより、電力変換回路における各素子のスイッチング損失を大幅に低減することができ、関連技術における、損失が大きいという問題を克服する。
【国際調査報告】