(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-18
(54)【発明の名称】外向きに拡張する機械的作動を有するニードル送達システムを備えた錠剤
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20230810BHJP
A61M 29/02 20060101ALI20230810BHJP
A61J 3/07 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A61M37/00 510
A61M29/02
A61J3/07 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577771
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021042551
(87)【国際公開番号】W WO2022026267
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516035068
【氏名又は名称】ヴェリリー ライフ サイエンシズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ベネット,エリック
(72)【発明者】
【氏名】カム,キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】シェリダン,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】カリチェリア,アンナプルナ
(72)【発明者】
【氏名】マクフェイル,キャシディ
【テーマコード(参考)】
4C047
4C267
【Fターム(参考)】
4C047AA40
4C047BB07
4C047CC04
4C267AA53
4C267AA58
4C267BB03
4C267BB12
4C267BB40
4C267BB42
4C267CC20
4C267CC23
4C267GG02
4C267GG24
4C267GG32
4C267HH30
(57)【要約】
【課題】 生物治療薬または他のペイロードの送達を容易にすることである。
【解決手段】 装置は、マイクロニードルのアレイおよび機械的アクチュエータを含有するカプセルを含み得る。該装置は、対象内の十二指腸または他の標的位置への送達のための摂取可能な形態とし得、十二指腸または他の標的位置内またはその途中の刺激または状況に応答して、機械的アクチュエータを、カプセルによる制約から解放可能である。機械的アクチュエータは、カプセルによる制約からの解放時に、機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れた方向に(例えば、機械的アクチュエータの可撓性の弾性材料によって提供される付勢に応答して)外向きに拡張し、マイクロニードルのアレイを、十二指腸の内層または他の標的位置との貫通係合に駆動することができる。貫通係合により、マイクロニードルを介して、生物治療薬または他のペイロードの送達が容易になり得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
カプセルであって、
前記カプセルの内部容積を画定する内面と、
消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面と、を有するシェルを含む、カプセルと、
前記カプセルの前記内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアと、
前記マイクロニードルに前記消化管の前記内層を貫通させるために、前記キャリアを外向きに移動させるように動作可能な機械的アクチュエータであって、
第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、前記第一の端部および前記第二の端部が、拡張状態から、前記機械的アクチュエータが前記カプセルの前記内部容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動するために、互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み、前記可撓性の弾性材料は、前記第一の端部および前記第二の端部を互いから離れて付勢させて、前記収縮状態から前記拡張状態に向けて移動させ、前記機械的アクチュエータが前記カプセルによって提供される制約を克服または回避する際に、前記キャリアを外向きに移動させる、弾性をさらに有する、折り畳み式付勢部材と、
前記付勢部材の前記第一の端部とヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルの前記アレイを支える前記キャリアを支持するための支持面を含む、ホルダと、を備える、機械的アクチュエータと、を備える、システム。
【請求項2】
前記折り畳み付勢部材の前記第一の端部と連結されたリンク機構をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リンク機構は、前記ホルダが前記カプセルの前記内面からマイクロニードルの前記アレイの先端を、間隔をあけて配置するために、前記収縮状態で受けられる、チャネルを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ホルダは、前記リンク機構に少なくとも部分的に含まれるヒンジを介して、前記付勢部材の前記第一の端部とヒンジ式に取り付けられる、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記ホルダまたは前記リンク機構上に含まれ、前記ヒンジが所定の限界を超えて回転することを防止するように配置される、ヒンジ止め面をさらに備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記折り畳み式付勢部材は、ニチノールワイヤを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記折り畳み式付勢部材は、第一の折り畳み式付勢部材であり、前記ホルダは、前記第一の折り畳み式付勢部材および第二の折り畳み式付勢部材に対向する側面でヒンジ式に取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記折り畳み式付勢部材および前記ホルダは、
第一のホルダおよび第二のホルダと、
第一のリンク機構、第二のリンク機構、第三のリンク機構、および第四のリンク機構と、
配置された第一の折り畳み式付勢部材および第二の第一の折り畳み式付勢部材と、を備える、組立体内に含まれ、その結果、
前記第一の折り畳み式付勢部材が、前記第一のリンク機構および前記第二のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
前記第二の折り畳み式付勢部材が、前記第三のリンク機構および第四のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
前記第一のホルダが、前記第一のリンク機構および前記第三のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結され、
前記第二のホルダが、前記第二のリンク機構および前記第四のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ホルダは、第一のホルダであって、前記収縮状態で第二のホルダに取り付けられるように配置され、第一のホルダおよび前記第二のホルダを互いに対して対称的に配置することを可能にするように解放するように構成される、取り外し可能な取り付け面を備える、第一のホルダである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
横方向に隣接するホルダの間にそれぞれ延在するように配置された少なくとも三つの折り畳み式付勢部材によって相互接続された、少なくとも三つのホルダを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
システムであって、
カプセルであって、
第一のシェル部分と、
第二のシェル部分と、
前記第一のシェル部分を、前記第二のシェル部分と取り外し可能に取り付ける関節部と、
前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、前記カプセルの内部容積を画定する内面と、
前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面と、を有する、シェルを含む、カプセルと、
前記カプセルの前記内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアと、
前記関節部によって提供される制約を克服または回避する際に動作可能で、前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分を前記キャリアから離れて駆動し、マイクロニードルの前記アレイを露出させるために動作可能なランチャーと、を備える、システム。
【請求項12】
前記ランチャーは、マイクロニードルの前記アレイの周りの前記消化管の蠕動収縮によって引き起こされる前記消化管の前記内層との貫通係合を達成するための位置に、マイクロニードルの前記アレイを露出させるように動作可能である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ランチャーの部分は、前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分を前記キャリアから離れて前記駆動した後に、その中に保持されるように、前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分内にそれぞれ取り付けられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記ランチャーは、前記キャリアと連結されたコアのレバレッジ面に対して押圧するように配置されたコイルばねを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分は、前記キャリアと連結されたコアから延在するフランジを受けて、前記カプセル内の前記コアの移動を制限するように成形された溝を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記キャリアは、マイクロニードルの前記アレイを、前記消化管の前記内層との貫通係合から解除するのに十分な解除力よりも大きさが小さい解放力に応答して、解放可能な結合によってコアに取り付けられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
マイクロニードル送達のために構成された機械的アクチュエータを備えるシステムであって、前記機械的アクチュエータは、
第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、前記第一の端部および前記第二の端部が、拡張状態から、前記機械的アクチュエータが摂取可能なカプセル内に嵌合するようにサイズ設定された容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動するために、互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み、前記可撓性の弾性材料は、前記第一の端部および前記第二の端部を互いから離れて付勢させて、前記収縮状態から前記拡張状態に向けて移動させる、弾性をさらに有する、折り畳み式付勢部材と、
前記付勢部材の前記第一の端部にヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアを支持するために構成された支持面を含む、ホルダであって、前記支持面が、前記収縮状態から前記拡張状態への移動に応答して、前記マイクロニードルを展開するための外向きの移動のために前記キャリアを支持するよう構成される、ホルダと、を備える、システム。
【請求項18】
マイクロニードルの前記アレイを支える前記キャリアをさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記カプセルをさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記折り畳み式付勢部材および前記ホルダは、
第一のホルダおよび第二のホルダと、
第一のリンク機構、第二のリンク機構、第三のリンク機構、および第四のリンク機構と、
配置された第一の折り畳み式付勢部材および第二の第一の折り畳み式付勢部材と、を備える、組立体内に含まれ、その結果、
前記第一の折り畳み式付勢部材が、前記第一のリンク機構および前記第二のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
前記第二の折り畳み式付勢部材が、前記第三のリンク機構および第四のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
前記第一のホルダが、前記第一のリンク機構および前記第三のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結され、
前記第二のホルダが、前記第二のリンク機構および前記第四のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
マイクロニードルのアレイおよびランチャーを含有するカプセルを含む装置であって、前記装置は、対象の十二指腸への送達のために摂取可能な形態であり、前記十二指腸内またはその途中の刺激または状況に応答して、前記カプセルの第一のシェル部分および第二のシェル部分を互いから解放して、前記ランチャーは、前記解放された第一のシェル部分および第二のシェル部分を互いから離れて駆動して、露出したマイクロニードルの前記アレイの周りの前記十二指腸の前記内層の蠕動収縮によって引き起こされる前記十二指腸の内層との貫通係合を達成するための位置に、マイクロニードルの前記アレイを露出させ、前記貫通係合により、前記マイクロニードルを介してペイロードの送達が容易になる、装置。
【請求項22】
マイクロニードルのアレイおよび機械的アクチュエータを含有するカプセルを備える装置であって、前記装置は、対象の十二指腸への送達のために摂取可能な形態であり、前記十二指腸内またはその途中の刺激または状況に応答して、前記機械的アクチュエータを、前記カプセルによる制約から解放し、前記機械的アクチュエータが、前記カプセルによる制約からの解放時に、前記機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れた方向に外向きに拡張し、マイクロニードルの前記アレイを、前記十二指腸の内層との貫通係合に駆動し、前記貫通係合により、前記マイクロニードルを介したペイロードの送達が容易になる、装置。
【請求項23】
前記機械的アクチュエータは、
第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、前記第一の端部および前記第二の端部が、拡張状態から収縮状態に向けて移動するために、互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を示し、前記付勢部材は、前記第一の端部および前記第二の端部を、前記収縮状態から前記拡張状態に向けて移動させるために、互いから離れて押し付けるような弾性を示す、折り畳み式付勢部材と、
前記付勢部材の前記第一の端部とヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルの前記アレイを支持するための支持面を含む、ホルダと、を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記装置は、一つ以上の生分解性材料から完全に形成され、それによって、前記装置が、前記対象から除去される排泄物を介して通過を要する部分が残らないように、完全に生分解性である、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記機械的アクチュエータは、前記機械的アクチュエータの外向きに拡張状態での、前記機械的アクチュエータによる前記十二指腸の内腔の完全な閉塞を回避するために、それを通過させる構造から形成される、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記機械的アクチュエータは、
前記機械的アクチュエータの前記中央長手方向軸に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能な、折り畳み式管と、
中央ヒンジを有する側方カラムによって接合された上部クロスビームおよび下部クロスビームと、
拡張状態よりも収縮状態でよりきつく巻かれる、複数の重複回転部を有するコイルと、
近位端で中央コアに取り付けられ、遠位端が螺旋方向に前記コアから離れて回転して、収縮状態から拡張状態へ移動するように移動可能な、複数の湾曲アームと、
複数の二重ヒンジ式アームと連結されたハブであって、二重ヒンジ式アームは各々、(i)前記アームの近位部分を前記ハブに連結する第一のヒンジと、(ii)前記アームの前記近位部分を前記アームの遠位部分に連結する第二のヒンジと、を含む、ハブと、を備える、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
マイクロニードルの前記アレイは、前記機械的アクチュエータの周りに配置され、前記機械的アクチュエータの拡張に応答して、拡張するように構成される、拡張可能なバンドによって支えられる、請求項22に記載の装置。
【請求項28】
システムであって、
カプセルであって、
前記カプセルの内部容積を画定する内面と、
消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面と、を有するシェルを含む、カプセルと、
前記カプセルの前記内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアと、
前記マイクロニードルに前記消化管の前記内層に浸透させるように、前記キャリアを外向きに移動させるように動作可能な機械的アクチュエータであって、前記機械的アクチュエータの拡張状態から離れて、前記機械的アクチュエータが前記カプセルの前記内部容積内に嵌合する、収縮状態に向けて収縮することを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み、前記可撓性の弾性材料は、前記機械的アクチュエータを、前記収縮状態から前記拡張状態に向けて外向きに拡張する方向に付勢させ、前記機械的アクチュエータが前記カプセルによって提供される制約から克服または回避する際に、前記キャリアを外向きに移動させる弾性をさらに有する、機械的アクチュエータと、を備える、システム。
【請求項29】
前記機械的アクチュエータは、互いに向けて折り畳み可能な第一の端部および第二の端部を備える、付勢部材と、
前記付勢部材の前記第一の端部とヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルの前記アレイを支持するための支持面を含む、ホルダと、を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記カプセルは、前記機械的アクチュエータを、前記十二指腸に対応する前記消化管の一部分の制約から解放するように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記カプセルは、前記十二指腸内で分解して、前記機械的アクチュエータを制約から解放するように構成される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記機械的アクチュエータおよび前記キャリアは各々、前記機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れる方向に、外向きに移動するように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
前記機械的アクチュエータは、前記機械的アクチュエータの中央長手方向軸に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能な、折り畳み式管を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
前記折り畳み式管は、前記部材間の配置間隔が前記収縮状態よりも前記拡張状態で大きい、相互接続された可撓性部材のネットワークから形成される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記機械的アクチュエータは、中央ヒンジを有する側方カラムによって接合された上部クロスビームおよび下部クロスビームを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項36】
前記中間ヒンジの少なくとも一つは、前記収縮状態と前記拡張状態との間でシフトする場合、前記上部クロスビームの一方の端部の下方から反対の端部の下方まで移動する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記中央ヒンジは、前記収縮状態と前記拡張状態との間でシフトする場合、互いに通過する、請求項35に記載のシステム。
【請求項38】
前記側方カラムは、前記側方カラムのうちの少なくとも一つが、前記収縮状態と前記拡張状態との間のシフトの間に移動する、その間にスロットを画定する、少なくとも一組の二つのカラムを含む、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記機械的アクチュエータは、前記拡張状態よりも前記収縮状態でよりきつく巻かれる、複数の重複回転部を有するコイルを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項40】
前記機械的アクチュエータは、近位端で中央コアに取り付けられ、遠位端が、螺旋方向に前記コアから離れて回転して、前記収縮状態から前記拡張状態へ移動するように移動可能な、複数の湾曲アームを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項41】
前記機械的アクチュエータは、複数の二重ヒンジ式アームと連結されたハブであって、二重ヒンジ式アームは各々、(i)前記二重ヒンジ式アームの近位部分を、前記ハブに連結する第一のヒンジと、(ii)前記二重ヒンジ式アームの前記近位部分を、前記二重ヒンジ式アームの遠位部分に連結する第二のヒンジと、を含む、ハブを備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項42】
前記収縮状態で、前記二重ヒンジ式アームの前記近位部分は、前記機械的アクチュエータの中央長手方向軸に対して、前記二重ヒンジ式アームの前記遠位部分の外向きに位置決めされる、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記収縮状態から前記拡張状態へ移動する際に、(i)前記二重ヒンジ式アームの前記近位部分は、前記ハブから離れて開き、(ii)前記二重ヒンジ式アームの前記遠位部分は、前記二重ヒンジ式アームの前記近位部分から離れて開く、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記キャリアは、前記機械的アクチュエータの周りに配置された拡張可能なバンドを備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項45】
マイクロニードルの前記アレイは、前記機械的アクチュエータと機械的に連結される、請求項28に記載のシステム。
【請求項46】
マイクロニードルの前記アレイは、前記機械的アクチュエータの材料に一体的に形成される、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
マイクロニードルの前記アレイは、
2以上3以下のアスペクト比と、
1.5mm以上2mm以下のピッチと、
1ミクロン未満の鋭利度と、を含む、特性を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項48】
対象を、薬剤または生物治療薬により治療する方法であって、請求項22に記載の装置を、前記対象に投与することを含み、前記装置が、薬剤または生物治療薬ペイロードを含む、方法。
【請求項49】
対象を、薬剤または生物治療薬により治療する方法であって、請求項28に記載のシステムを、前記対象に投与することを含み、前記システムが、薬剤または生物治療ペイロードを含む、方法。
【請求項50】
マイクロニードルのアレイを、中央長手方向軸から外向きに拡張可能な機械的アクチュエータと連結することによって、組立体を形成すること、
前記組立体を、前記カプセルが、前記機械的アクチュエータが拡張することを制約する第一の状態を有するカプセル内に配置することであって、前記カプセルによる制約が解除されて、マイクロニードルの前記アレイを、前記標的位置で組織に係合するように駆動するために、前記機械的アクチュエータが拡張することを可能にする、第二の状態に、対象内の標的位置で前記カプセルが再構成可能である、配置すること、を含む、作製方法。
【請求項51】
前記機械的アクチュエータと連結する前に、マイクロニードルの前記アレイを形成することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
マイクロニードルの前記アレイを、前記機械的アクチュエータと連結することは、マイクロニードルの前記アレイを、前記機械的アクチュエータの材料に一体的に形成することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
マイクロニードルの前記アレイを、前記機械的アクチュエータと連結することは、前記機械的アクチュエータを、前記マイクロニードルを支える拡張可能なバンド内に配置することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
2以上3以下のアスペクト比と、
1.5mm以上2mm以下のピッチと、または
1ミクロン未満の鋭利度と、を含む、特性を備えたマイクロニードルの前記アレイを形成することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月30日出願の米国仮特許出願第63/058,842号の利益を主張するものであり、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般的に、対象の体内に薬剤または他のペイロードを送達するためのシステムであって、より詳しくは、必ずしも限定されないが、ペイロードを、対象の消化管の内層の一部に送達するように作動可能であるニードル送達システムを含有する摂取可能な錠剤に関する。
【背景技術】
【0003】
生物治療薬(例えば、ペプチド、タンパク質、抗体、および核酸を含む)などの様々な化合物は、従来、経口送達可能な薬剤に対し認識されたサイズ制限と比較して、大きさが少なくとも100倍と大きすぎるため、経口送達には効果的でなかった。例えば、生物治療薬が、約150キロダルトン(kDa)の大きさであり得る場合、経口送達可能な薬剤は、約0.5kDaの大きさであり得る。生物治療薬は、消化プロセス中に経口的に送達および吸収され得る従来の小分子治療剤と比較すると、より優れた有効性および特異性をもたらすが、薬剤送達に課題がある場合が多い。本質的に、これらの生物治療薬のサイズが大きいため、手持ち式の注射器または一般的にIVと称される静脈内カテーテルなど、ニードル注射による頻繁な送達が、従来から必要である。しかしながら、注射または注入は、患者の服薬順守の課題、訓練を受けた医療スタッフによる高い投与コスト、注射ニードルによる汚染、先端(ニードル)恐怖症、および全身性感染のリスク増加の要因になる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の様々な実施例は、ニードルを消化管または他の体内の内腔の内層に係合して駆動するための、外向きに拡張する機械的作動を利用するものであって、例えば、対象の体内のこのような係合により治療剤または他のペイロードの送達を容易にするために、コンパクトなニードル送達システムを含有する、錠剤またはカプセルを対象とする。
【0005】
一つの実施例では、システムは、カプセルを含む。カプセルは、カプセルの内部容積を画定する内面を有するシェルを含む。シェルはまた、消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面を有する。システムはまた、カプセルの内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアを含み得る。さらに、システムはまた、マイクロニードルに消化管の内層を貫通させるために、キャリアを外向きに移動させるように動作可能な機械的アクチュエータを含む。機械的アクチュエータは、第一の端部および第二の端部を含む、折り畳み式付勢部材を含む。折り畳み式付勢部材は、第一の端部および第二の端部が互いに向けて折り畳み可能で、拡張状態から、機械的アクチュエータがカプセルの内部容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動できるような可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含む。可撓性の弾性材料は、第一の端部および第二の端部を、収縮状態から拡張状態に向けて移動するために互いから離れて付勢させ、機械的アクチュエータがカプセルによって提供される制約を克服または回避する際に、キャリアを外向きに移動させる弾性をさらに有し得る。機械的アクチュエータはまた、付勢部材の第一の端部とヒンジ式に取り付けられたホルダを含み得る。ホルダは、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアを支持するための支持面を含み得る。
【0006】
別の実施例では、システムは、カプセルを含む。カプセルは、第一のシェル部分、第二のシェル部分を有するシェル、および第一のシェル部分を第二のシェル部分と取り外し可能に取り付ける関節部を含む。カプセルはまた、第一のシェル部分および第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、カプセルの内部容積を画定する内面を含む。さらに、カプセルは、第一のシェル部分および第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面を含む。システムはまた、カプセルの内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアを含み得る。さらに、システムは、関節部によって提供される制約を克服または回避する際に動作可能で、第一のシェル部分および第二のシェル部分をキャリアから離れて駆動し、マイクロニードルのアレイを露出させるために動作可能な、ランチャーを含み得る。
【0007】
さらなる実施例では、システムは、マイクロニードル送達のために構成された機械的アクチュエータを含む。機械的アクチュエータは、第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材を含む。折り畳み式付勢部材は、第一の端部および第二の端部が互いに向けて折り畳み可能で、拡張状態から、機械的アクチュエータが摂取可能なカプセル内に嵌合するようにサイズ設定された容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動できるような可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み得る。可撓性の弾性材料はさらに、第一の端部および第二の端部を、収縮状態から拡張状態に向けて移動するために互いから離れて付勢させる弾性を有し得る。機械的アクチュエータはまた、付勢部材の第一の端部とヒンジ式に取り付けられたホルダを含み得る。ホルダは、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアを支持するように構成された支持面を含み得る。支持面は、収縮状態から拡張状態に向けての移動に応答して、マイクロニードルを展開するために、キャリアを外向きに移動するよう支持するように構成され得る。
【0008】
さらに別の実施例では、装置は、マイクロニードルのアレイおよびランチャーを含有するカプセルを含む。装置は、対象の十二指腸への送達のための摂取可能な形態であり、十二指腸内またはその途中の刺激または状況に応答して、カプセルの第一のシェル部分および第二のシェル部分を互いから解放する。ランチャーは、解放された第一のシェル部分および第二のシェル部分を互いから離れて駆動し、マイクロニードルのアレイを露出させることであって、露出したマイクロニードルのアレイの周りの十二指腸の内層の蠕動収縮によって引き起こされる十二指腸の内層との貫通係合を達成するための位置に、マイクロニードルのアレイを露出させる。貫通係合により、マイクロニードルを介して、ペイロードの送達が容易になる。
【0009】
さらなる実施例では、装置は、マイクロニードルのアレイおよび機械的アクチュエータを含有するカプセルを含む。装置は、対象の十二指腸への送達のための摂取可能な形態であり、十二指腸内またはその途中の刺激または状況に応答して、機械的アクチュエータをカプセルによる制約から解放する。機械的アクチュエータは、カプセルによる制約からの解放時に、機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れた方向に外向きに拡張し、マイクロニードルのアレイを、十二指腸の内層と貫通係合するように駆動する。貫通係合により、マイクロニードルを介して、ペイロードの送達が容易になる。
【0010】
別の実施例では、システムは、カプセルを含む。カプセルは、カプセルの内部容積を画定する内面を有するシェルを含む。シェルはまた、消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面を有する。システムはまた、カプセルの内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアを含む。さらに、システムは、マイクロニードルに消化管の内層を貫通させるために、キャリアを外向きに移動させるように動作可能な機械的アクチュエータを含む。機械的アクチュエータは、機械的アクチュエータが、拡張状態から離れて、機械的アクチュエータがカプセルの内部容積内に嵌合する、収縮状態に向けて収縮することを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含む。可撓性の弾性材料は、機械的アクチュエータを、収縮状態から拡張状態に向けて外向きに拡張させるように付勢させ、機械的アクチュエータがカプセルによって提供される制約を克服または回避する際に、キャリアを外向きに移動させる弾性をさらに有する。
【0011】
さらなる実施例では、対象を薬剤または生物治療薬により治療する方法を提供可能である。該方法は、薬剤または生物学的治療ペイロードを含み得る、上述のものなどの装置を対象に投与することを含み得る。
【0012】
さらに別の実施例では、作製方法を提供可能である。該方法は、マイクロニードルのアレイを、中央長手方向軸から外向きに拡張可能な機械的アクチュエータと連結することによって、組立体を形成することを含み得る。方法は、組立体を、カプセルにより機械的アクチュエータが拡張しないよう制約される、第一の状態を有する、カプセル内に配置することをさらに含み得る。カプセルは、カプセルによる制約が解除されて、マイクロニードルのアレイを、標的位置で組織に係合するよう駆動するために、機械的アクチュエータが拡張可能になる、第二の状態に、対象内の標的位置で再構成され得る。
【0013】
これらの例示的な実施例は、本開示の範囲を限定または定義するものではないが、むしろその理解の一助として、実施例を提供するように言及される。例示的な実施例については、さらなる説明を提供する「発明を実施するための形態」において記載する。様々な実施例によって提供される利点は、本明細書を精査することによって、さらに理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、一つ以上の特定の実施例を例示し、実施例の説明と共に、特定の実施例の原則および実施を説明する役割を果たす。
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の特定の実施例に係る、体内の治療剤または他のペイロードの送達用のシステムの収縮された、準備完了状態の端面図を示す。
【0016】
【
図2】
図2は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムの拡張された、展開状態の端面図を示す。
【0017】
【
図3】
図3は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムと共に利用され得る、管状アクチュエータの収縮された、準備完了状態の斜視図を示す。
【0018】
【
図4】
図4は、本開示の特定の実施例に係る、
図3の管状アクチュエータの拡張された、展開状態の斜視図を示す。
【0019】
【
図5】
図5は、本開示の特定の実施例に係る、
図3および
図4の管状アクチュエータの収縮された、準備完了状態の端面図を示す。
【0020】
【
図6】
図6は、本開示の特定の実施例に係る、
図3~5の管状アクチュエータの拡張された展開状態の端面図を示す。
【0021】
【
図7】
図7は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムと共に使用され得る、ヒンジ付き側方カラムを備えたアクチュエータの拡張された、展開状態の斜視図を示す。
【0022】
【
図8】
図8は、本開示の特定の実施例に係る、
図7のアクチュエータの拡張された、展開状態の端面図を示す。
【0023】
【
図9】
図9は、本開示の特定の実施例に係る、収縮状態と展開状態との間の
図7および
図8のアクチュエータの中間状態の端面図を示す。
【0024】
【
図10】
図10は、本開示の特定の実施例に係る、
図7~9のアクチュエータの収縮された、準備完了状態の端面図を示す。
【0025】
【
図11】
図11は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムと共に利用され得る、コイル状アクチュエータの収縮された、準備完了状態の斜視図を示す。
【0026】
【
図12】
図12は、本開示の特定の実施例に係る、
図11のコイル状アクチュエータの収縮された、準備完了状態の端面図を示す。
【0027】
【
図13】
図13は、本開示の特定の実施例に係る、
図11および
図12のコイル状アクチュエータの拡張された、展開状態の端面図を示す。
【0028】
【
図14A】
図14Aは、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムと共に利用され得る、湾曲アームを備えたアクチュエータの拡張された、展開状態の斜視図を示す。
【0029】
【0030】
【
図15】
図15は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムと共に使用され得る、二重ヒンジ式アームを備えたアクチュエータの収縮された、準備完了状態の側面図を示す。
【0031】
【
図16】
図16は、本開示の特定の実施例に係る、
図15のアクチュエータの拡張された、展開状態の側面図を示す。
【0032】
【
図17】
図17は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステム内で利用され得る、マイクロニードルのアレイの一部分の実施例を示す側面斜視図である。
【0033】
【
図18】
図18は、本開示の特定の実施例に係る、例示的な作製プロセスを示すフローチャートである。
【0034】
【
図19】
図19は、本開示の特定の実施例に係る、対象に対して使用される装置の移動の実施例を示す。
【0035】
【
図20】
図20は、本開示の特定の実施例に係る、
図1のシステムと共に利用され得る、折り畳み式付勢部材を備えたアクチュエータの収縮した、準備完了状態の斜視図を示す。
【0036】
【
図21】
図21は、本開示の特定の実施例に係る、
図20のアクチュエータの拡張された、展開状態の斜視図を示す。
【0037】
【0038】
【
図23】
図23は、本開示の特定の実施例に係る、
図20~22のアクチュエータの部分断面端図を示す。
【0039】
【
図24】
図24は、本開示の特定の実施例に係る、追加の折り畳み式付勢部材を備えたアクチュエータの拡張された、展開状態の斜視図を示す。
【0040】
【
図25】
図25は、本開示の特定の実施例に係る、
図24のアクチュエータの収縮された、準備完了状態の斜視図を示す。
【0041】
【
図26】
図26は、本開示の特定の実施例に係る、中央ヒンジによって取り付けられたホルダを備えたアクチュエータの拡張された、展開状態の斜視図を示す。
【0042】
【
図27】
図27は、本開示の特定の実施例に係る、
図26のアクチュエータの収縮された、準備完了状態の斜視図を示す。
【0043】
【
図28】
図28は、本開示の特定の実施例に係る、コアに対して展開可能なカプセルシェル部分を備えたアクチュエータの分解組立体図を示す。
【0044】
【
図29】
図29は、本開示の特定の実施例に係る、コアの外部上にレバレッジ面を備えたアクチュエータの組立図を示す。
【0045】
【
図30】
図30は、本開示の特定の実施例に係る、コアの内部上にレバレッジ面を備えたアクチュエータの組立図を示す。
【0046】
【
図31】
図31は、本開示の特定の実施例に係る、使用される環境での
図28のアクチュエータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
実施例は、本明細書において、コンパクトなニードル送達システムを含有する錠剤またはカプセルとの関連で記述される。当業者であれば、以下の説明は例示に過ぎず、いかなる方法でも限定することを意図するものではないことを理解するであろう。ここで、添付図面に図示する実施例の実施について詳細に説明する。同一の参照指標は、同一又は類似の要素を指し、図面全体及び以下の説明を通して使用される。
【0048】
明示目的で、本明細書記載の実施例の慣例的な特徴すべてを示し、説明するわけではない。もちろん、このような実際の任意の実装の開発において、アプリケーションやビジネスに関連する制約へのコンプライアンスなど、開発者の具体的な目標を達成するために、実装に特有な決定を数多く行う必要があり、これらの具体的な目標は、実装ごとに、また開発者ごとに異なることを理解する必要がある。
【0049】
例示的な実施例では、対象は、注射器による注射、静脈内注入、および不快感またはその他の懸念を伴う可能性を用いることなく、生物治療薬または他の化合物の服用を望む場合がある。この目的のために、利用者は、本開示に係る装置を使用して、投与量を提供し得る。この実施例では、該装置は、対象が嚥下可能な錠剤またはカプセルの形態で提供され得る。錠剤またはカプセルの内部には、内部注射を効果的に提供するために体内に展開可能な構成要素があり、これは、外部からの注射または注入と比較して、はるかに小さな組織障害およびより少ない全身的効果を引き起こす可能性がある。錠剤またはカプセルが消化管(十二指腸など)の標的部分に到達する際に、錠剤またはカプセルの特殊コーティングは、粉々になり、錠剤内の機械的アクチュエータが外向きに拡張するのを可能にする程度に十分、溶解または分解する。外向きに拡張する機械的アクチュエータには、様々なオプションが採用され得、垂直または径方向に拡張するステント様管、巻き戻しコイル、一組の湾曲アームを広げたもの、中央ハブに対して展開し、その後、ハブに接続された部品に対して再び展開する一組の二重ヒンジ式アーム、またはカラムの部分が互いに向けてヒンジ状である、圧縮状態から拡張状態に直立して現れる、中央ヒンジ式側方カラムを備えたシザーリフト様配置などがある。マイクロニードルの複数のアレイは、機械的アクチュエータの周りに配置され、外向きに拡張することによって、周囲組織(例えば、十二指腸の粘膜内層の組織)に係合するように駆動される。薬剤の服用量は、中空の場合、マイクロニードルを通して流れることによって、または薬剤がマイクロニードルの溶解可能な組成物に埋め込まれている場合、直接吸収によってなど、係合されたマイクロニードルを通して組織に送達され得る。投与量の送達後、装置の構成要素は、生体分解し、可能性のある複雑な要素が、装置の残部を体外に通過させようとすることを回避し得る。したがって、対象は、外部注射器または静脈内注入を使用する代替物よりも、最終的に対象にとって侵襲性が低く、難儀ではなく、および/または煩わしさが少ない、内部注射を投与するために、該装置を使用し得る。
【0050】
ここで図面(原理の提示目的で与えられるため、必ずしも一定の縮尺ではない)を参照すると、
図1および
図2は、体内に薬剤または他のペイロードを送達するためのシステム100の異なる状態を示す。システム100は、例えば、内腔102を覆う組織で形成された内腔壁103によって囲まれている、またはそれ以外では少なくとも部分的に境界形成され得る、体内の内腔102内に位置し得る装置101を含み得る。装置101は、カプセル104を含む、またはカプセル104内に嵌合され得る。一般的に、カプセル104は、対象内の標的位置で、克服、回避、または別の方法で解除され得る(例えば、
図2に図示するように)制約(例えば、
図1に図示するように)を提供し、装置101が外向きに拡張し、薬剤または他のペイロードの送達用に標的位置で組織に係合することができる。様々な実施例では、装置101は、体内の内腔102の著しい閉塞なしに、および/または体内の内腔102の粘膜内層または他の内層もしくは内腔壁103上に相当なせん断力なしに、ペイロード送達を可能にし得る。一部の実施例では、装置101は、生分解性材料から完全に構築され得、装置101を完全に生分解性にし得る。装置101は、生分解性であることで、対象から除去される排泄物を介して通過を要する部分が残らないように、装置101を使用後に対象の体内によって吸収可能にし得るが、一部の事例では、装置101の分解された生分解性材料の少なくとも一部は、排泄を介して除去され得る。
【0051】
カプセル104(例えば、
図1)は、シェル106を含み得る。シェル106は、カプセル104が、対象内で、カプセルによる制約から装置101を分解する、またはそうでなければ解放し得る場合に影響を与えるなど、機能に変化をもたらすために、同様のまたは異なる組成物の一つ以上の層を含むか、またはそれらで補充することができる。シェル106は、外面108および内面110を有する、または画定することができる。
【0052】
カプセル104の外面108は、体内の内腔102を通過するようにサイズ設定され得る。例えば、体内の内腔102は、消化管の内層によって画定された内腔壁103を有する内腔に対応し得る。一部の実施例では、カプセル104は、当業者によって既知の000カプセルに分類するための基準を満たすことができるが、他の標準化されたカプセル104またはカスタムタイプのカプセル104を使用してもよい。カプセル104は、特定の体内部分内の機能を促進するようにサイズ設定され得る。例えば、000タイプのカプセル104は、全長約26.14mm(ミリメートル)、本体直径9.55mmの外面108を有し得、この寸法は、(例えば、典型的には、完全開通時は25mm、蠕動時の完全閉通または絞扼時はほぼ0mmの範囲である、ヒト十二指腸に基づいて)十二指腸に対応する消化管の一部分での動作または使用に適し得る。一部の実施例では、カプセル104の長さが、体内の内腔102の予想最大直径または他の断面寸法を超えるかまたはほぼ等しいことにより、装置101が、内腔壁103の周囲組織に係合するよう拡張するために好適に整列される(例えば、装置101が、装置101および体内の内腔102の直径に沿って拡張可能に整列された、カプセル104および体内の内腔102の長さを備える)所定の配向に向けて、カプセルが事前に配置され得る。
【0053】
内面110は、例えば、装置101および/またはそれぞれの構成要素が配置され得る、カプセル104の内部容積112の境界を形成してもよく、または他の方法で画定することができる。内面110は、壁厚によって外面108から分離され得、その結果、例えば、内面110のそれぞれの部分の間の寸法が、外面108の寸法から壁の厚さの2倍低減されてもよい。例示的な実施例として、000タイプのカプセル104は、内部容積112が、およそ25.92mm(ミリメートル)の全長および9.33mmの本体内径を有するように、0.11mmの壁厚を有し得る。
【0054】
図1は、カプセル104内の装置101の様々な構成要素を示す。例えば、装置101は、マイクロニードル116の少なくとも一つのアレイ114、キャリア118、および機械的アクチュエータ120を含み得る。アレイ114は、キャリア118によって支えられ得る。機械的アクチュエータ120は、使用時に、キャリア118を移動可能である。例えば、機械的アクチュエータ120は、矢印122などで示すように、キャリア118を外向きに移動させ得る。外向きへの移動は、機械的アクチュエータ120の中心軸124から離れる移動に対応し得る。(例えば、
図1の中心軸124は、
図1の図中のページ内または外を移動する方向に整列される軸を表す点として示される。)機械的アクチュエータ120によって引き起こされるキャリア118の外向きの動きにより、
図1に図示した位置から、
図2に示す位置に向けてまたはその内部になど、マイクロニードル116が、体内の内腔102の内腔壁103の組織へ向けてまたはそれに係合するよう移動し得る。
【0055】
マイクロニードル116は、ペイロードを関連組織に提供可能な任意の好適な形態の組織透過部材に対応し得る。一部の実施例では、マイクロニードル116は、ペイロードを含有する溶解可能な組成物を含み、その結果、例えば、ペイロードが、係合されたマイクロニードルが溶解する際に係合された組織に吸収され得る。追加的または代替的に、マイクロニードル116は、中空であり得、またはそうでなければ、ペイロードが送達用に流れることができる通路を含み得る。
【0056】
マイクロニードル116は、それらの機能に対して、好適にサイズ設定され、配置され得る。例えば、マイクロニードル116は、マイクロニードルが、装置101の他の構成要素とカプセル104内で嵌合するのに十分小さくあり得るという意味で、「ミクロ」であり得る。例示的な実施例では、マイクロニードル116は、約1.5mmの長さを有し得、その結果、カプセル104内の対向する側面上にマイクロニードル116を供給すると、カプセル104用に直径約3mmのスペースをとることになり得、例えば、000タイプのカプセル104内の他の構成要素に対して利用可能な約9.33mmの内径のうち約6.33mmが残るであろう。
【0057】
マイクロニードル116は、任意の好適な様式で分配され得る。一部の実施例では、マイクロニードル116は、互いに対して順番に分配されるアレイ114にグループ化される。例えば、
図1は、円周の周りに均等に分配される16個のアレイ114を示すが、その他任意の数の一つ以上のアレイ114を利用してもよく、均等または不均等に分配し得る。一般的に、利用されるアレイ114は、任意の数の一つ以上の行および/または一つ以上の列のマイクロニードル116(または行または列を単位として千鳥状であり得る、またはそうでなければ明確に画定され得ない他の任意のクラスタまたは配置)を含み得る。例えば、
図1は、各々が三つの行および一つの列を可視化して有する16個のアレイ114の配置を示すが、別の例示的配置は、各々二つの行および12個の列を有する6つのアレイ114を有する、またはアレイ、行および列の数の他の任意の好適な組み合わせを利用することができる。さらに、単一のマイクロニードル116が、装置101用に、またはそれぞれのアレイ114内で利用され得るが、送達され得るペイロードの量は、含まれるマイクロニードル116の数を増やすことによって増加され得る。
【0058】
一部の実施例では、マイクロニードル116および/またはアレイ114は、追加的または代替的に、体内の内腔102の内腔壁103のそれぞれの内層との穿刺または他の係合を容易にすることができる、特定の幾何学的形状または他の特定の物理的特徴(鋭利度および/またはピッチなど)を含み得る。このような特徴の一部の実施例は、本明細書の
図17に関して、さらに記載される。
【0059】
キャリア118は、機械的アクチュエータ120の影響下で、垂直または径方向に拡張可能であるバンドとして
図1に示される。しかしながら、キャリア118は、バンドの形状因子に限定されない。キャリア118は、マイクロニードル116を支持するための任意の好適な構造に対応し得る。
【0060】
キャリア118は、任意の好適な様式で機械的アクチュエータ120と相互作用して、マイクロニードル116を外向きに移動させ得る。一部の実施例では、キャリア118および機械的アクチュエータ120は、別個の構造に対応し得る。例えば、
図1では、キャリア118は、機械的アクチュエータ120から分離し、その周りに位置決めされるように示され、その結果、例えば、機械的アクチュエータ120が、キャリア118と少なくとも部分的な非接触状態から開始し、外向きに拡張し得、キャリア118と接触して、キャリア118を、キャリア118によって支えられるマイクロニードル116と共に、外向きに駆動する。あるいは、キャリア118は、機械的アクチュエータ120と少なくとも部分的に接触した状態で開始し得る。一部の実施例では、キャリア118および機械的アクチュエータ120は、機械的アクチュエータ120が拡張または収縮されるかどうかにかかわらず、接触を保つように共に連結される。一部の実施例では、キャリア118は、機械的アクチュエータ120のサブコンポーネントであり得、またはその逆であってもよい。例えば、キャリア118は、機械的アクチュエータ120の一部に一体的に形成され得、またはそうでなければこれに対応し得る。
【0061】
任意の好適な機械的アクチュエータ120を使用して、キャリア118を移動し得る。この目的のために、機械的アクチュエータ120は、破線表示の機能ブロックとして一般化された用語で
図1に示される(
図2では、明示目的で図から除外する)。好適な機械的アクチュエータ120の様々な実施例は、本明細書の他の図を参照して図示および/または記述されており、これらの機械的アクチュエータ120のいずれかは、
図1の機械的アクチュエータ120を示す破線によって示される場所への置換など、
図1に関して図示および/または記述された配置と併せて利用され得る。例えば、本明細書の他の図面の機械的アクチュエータ120は、
図1を参照して図示および/または記述された配置に、より簡単に組み入れられるように、それらの図面に示す直接取り付けられたマイクロニードル116なしで提供され得、その結果、例えば、マイクロニードル116が、機械的アクチュエータ120に、またはその上に組み込まれている別個の組なしで、キャリア118上に提供される。
【0062】
一部の実施例では、キャリア118は、バンドであり、機械的アクチュエータ120が、径方向または法線方向に直接拡張するか否かにかかわらず、マイクロニードル116を、(内腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る)径方向または法線方向に直接外向きに移動させ得る。例えば、キャリア118は、バンドであり、マイクロニードル116を効果的に拘束して、直接的に径方向/法線上に移動する、および/または非径方向または非法線上の構成要素を、機械的アクチュエータ120からの動きに変換または無効にし得る。
【0063】
機械的アクチュエータ120は、キャリア118を移動するための外向きの拡張を提供するための好適な構造を含み得る。該構造は、外向きの拡張を提供するための好適な材料を含むか、またはそれと連結することができる。例えば、機械的アクチュエータ120は、可撓性の弾性材料を含み得る。該材料は、(例えば、
図2のような拡張状態から離れて、および/または
図1のような収縮状態に向けて)機械的アクチュエータ120の収縮を可能にする可撓性を有するまたは示し得る。該収縮により、機械的アクチュエータ120は、カプセルの内部容積112内に嵌合することが可能になり得る。材料はさらに、機械的アクチュエータ120を、(例えば、
図1に示される状態から離れて、
図2に示される状態まで、そうでなければ収縮状態から離れて、拡張状態に向けて)外向きの拡張に向けて付勢する弾性を有する、または示し得る。外向きの拡張により、機械的アクチュエータ120がカプセル104によって提供される制約を克服または回避する際に、キャリア118は、外向きに移動し得る。
【0064】
任意の好適な技術を利用して、機械的アクチュエータ120が、カプセル104によって提供される制約の克服または回避を容易にすることができる。一部の実施例では、カプセル104は、対象内の特定の標的位置で粉々になりまたは分解し、制約を克服し得る。例えば、カプセル104のシェル106は、標的位置での分解を可能にするために、腸溶性コーティングの好適な組成物および/または厚さを含み得る。機械的アクチュエータ120の材料の弾性は、カプセル104の分解を補助し得る。例えば、カプセル104は、予め装填された機械的アクチュエータ120によって提供される力によって克服され得る、特定の厚さまたは強度まで分解され得る。一部の実施例では、カプセル104は、例えば、カプセル104の分解による制約の解放に加えて、またはその代替となり得る、機械的アクチュエータ120を起動または吐出する構成要素を含有し得る。一般的に、任意の好適な技術を利用して、十二指腸または他の標的位置内またはその途中の刺激または状況に応答して、解放を引き起こし得るコーティングまたは他の材料の一部または全体でのカプセル104の構築を含むがこれに限定されない、機械的アクチュエータ120からの制約の解放または解除を誘発し得る。例えば、解放は、化学物質(pHなど)、電気、機械、または外部刺激(特定の組成物に影響を及ぼすように適用され得る超音波エネルギーなど)に応答して、誘発され得る。機械的アクチュエータ120は、カプセル104によって提供される制約から一旦解放されると、ペイロードの送達用に、(
図2に示す位置などに)マイクロニードル116を、体内の内腔102の内腔壁103の組織に係合するように駆動するための適切な速度および/または力を提供し得る。
【0065】
図3は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。一部の実施例(
図3など)では、機械的アクチュエータ120は、折り畳み式管130を含み得る。折り畳み式管130は、(例えば、管腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る、径方向または法線方向に)機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に向けて圧縮可能であり、それから離れて拡張可能であり得る。例えば、
図3および
図5がそれぞれ、準備完了の、収縮状態の折り畳み式管130の斜視図および端面図を示す一方、
図4および
図6はそれぞれ、拡張された、展開状態の折り畳み式管130の斜視図および端面図を示す。
【0066】
マイクロニードル116が、折り畳み式管130に別個に取り付けられるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に形成される配置、またはキャリア118が
図1および
図2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に対応する配置を含むがこれらに限定されない、その他の配置も可能である。
【0067】
図4で最も明らかなように、折り畳み式管130は、相互接続された可撓性部材132のネットワークから形成され得る。部材132は、格子またはレースの形態で配置され得る。部材132間の配置間隔は、収縮状態よりも拡張状態の方で大きくてもよい。例えば、窓134は、それぞれの部材132の間に形成され得、各窓134は、拡張状態と比較して、収縮状態でより小さな断面開口部を表し得る。一部の実施例では、部材132および/または窓134は、折り畳み式管130の周辺に沿って圧縮し得る。例えば、部材132は、窓134によって画定された空間に圧縮され得る。一部の実施例において、(例えば、
図5および
図6を比較するのに最も明らかなように)、管130は、圧縮される場合、例えば、折り畳み式管130の外周から内向きに部分を突き出すような方法で折り畳むのではなく、拡張された場合よりも小さな外周を有するように示され得る。一部の実施例では、折り畳み式管の全長は、拡張状態および収縮状態の両方で略同一である。
【0068】
部材132は、可撓性の弾性材料から形成され得る。例えば、材料は、折り畳み式管130が、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮することを可能にするのに十分な可撓性を提供し得、該材料は、例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、材料を圧縮状態から離れて、拡張状態に向けて付勢させるのに十分な弾性を提供し得る。一部の実施例では、部材132は、生分解性材料(例えば、消化管内またはその特定の標的部分内で分解可能である)から構成される。一部の実施例では、部材132は、3D印刷(3次元印刷)または他の特定の作製技術によって折り畳み式管130を構築するのに好適な材料で構築される。部材132用の材料の一部の好適な実施例には、立体光法(SLA)3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。
【0069】
折り畳み式管130は、使用時に、拡張状態で中心の略貫通通路を提供し、それゆえ、十二指腸の内腔または他の関連する体内の体腔102の完全な閉塞を防止または回避し得る。さらに、折り畳み式管130は、例えば、機械的アクチュエータ120が、径方向または垂直方向に配向された構成要素に加えて、いくつかの接線方向に配向された構成要素を代わりに付与した場合に起こり得るせん断力を低減または回避するために、内腔の長軸に垂直な方向に、体内の内腔102の内腔壁103の内層への、マイクロニードル116の法線外向きまたは径方向の外向きの移動を提供し得る。
【0070】
図7は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。一部の実施例(
図7など)では、機械的アクチュエータ120は、ヒンジ式カラム138(添字A、B、およびCで個別に識別される)を含み得る。カラム138のヒンジ作用の能力により、機械的アクチュエータ120は、(例えば、内腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る、径方向または法線方向に)機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に向けて圧縮可能であり、それから離れて拡張可能になることが可能になり得る。例えば、
図7および
図8がそれぞれ、拡張された、展開状態でのヒンジ付きカラム138の斜視図および端面図を示す場合、
図10が、対応する準備完了の、収縮状態の斜視端面図を示す一方、
図9は、収縮状態と拡張状態との間の中間状態の端面図を示す。
【0071】
図7に関して最良に理解され得るように、カラム138は、機械的アクチュエータ120の本体140の一部を形成し得る。本体140は、カラム138およびクロスビーム142(例えば、上部クロスビーム142Aおよび下部クロスビーム142B)を含み得る。
【0072】
マイクロニードル116は、本体140のクロスビーム142と共に一体的に形成されるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に別個に取り付けられる配置、またはキャリア118が
図1および
図2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に対応する配置を含むがこれらに限定されない、その他の配置も可能である。
【0073】
本体140は、例えば、略長方形であり得る。本体140は、
図7に示すように、上部左角部144A、上部右角部144B、下部左角部144C、および下部右角部144Dなどの角部144を画定し得る。カラム138は、本体140に対して横方向に位置決めされ得、したがって、代替的に側方カラムと称され得る。上部クロスビーム142Aおよび下部クロスビーム142Bは、本体140の角部144など、カラム138によって接合され得る。
【0074】
各カラム138は、それぞれのヒンジ146を有し得る(添字A、B、およびCで個別に識別される)。ヒンジ146は、カラム138の中央に向けて位置決めされ得、それゆえ、代替的に、中央ヒンジと称され得る。一部の実施例では、ヒンジ146が、カラム138の他の部分と比較して、断面が減少したカラム138の一部に相当し得るが、ヒンジ146は、ヒンジ146の周りのカラム138の曲げまたは屈曲を促進するための任意の好適な構造に対応し得る。
【0075】
本体140のカラム138および/または他の部分は、好適な材料で形成され得る。一部の実施例では、材料は、可撓性の弾性材料である(例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮可能にするのに十分な可撓性を有し、材料を圧縮状態から離れて拡張状態に向けて拡張するよう付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、SLA、3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。
【0076】
ヒンジ146は、収縮状態(例えば、
図10)と拡張状態(例えば、
図7)との間の再構成を容易にし得る。拡張状態(
図7および
図8に示すような)では、各カラム138のヒンジ146は、カラム138に直接接続されるクロスビーム142のそれぞれの端部に整列され得る(例えば、その下方または上方に位置決めされる)。例えば、拡張状態の左カラム138Aのヒンジ146Aは、上部左角部144Aの下方および下部左角部144Cの上方に整列して位置決めされ得る。拡張状態から収縮状態への移動の間、ヒンジ146は、ヒンジ146が屈曲する際に、互いに向けて動くことによってなど、このような整列から外れて移動し得る。一部の実施例では、それぞれのヒンジ146は、収縮状態と拡張状態との間でシフトする場合、上部クロスビーム142の一方の端部の下方または上方から、反対の端部の下方または上方まで移動する。例えば、拡張位置(例えば、
図7)における左カラム138Aのヒンジ146Aの上述の位置とは対照的に、収縮位置(例えば、
図10)における左カラム138Aは、(例えば、上部右角部144Bの下方および下部右角部144Dの上方などの)カラム138に直接接続されないクロスビーム142のそれぞれの端部に整列(例えば、その下方または上方に位置決めされる)され得る。
【0077】
異なるカラム138のヒンジ146は、動作中、収縮状態と拡張状態との間でシフトする場合、互いに通過し得る。例えば、
図9に最も容易に明らかなように、左カラム138Aのヒンジ146Aは、右に向けて移動し(例えば、矢印148Aによって図示されるように)、右カラム138Bのヒンジ146Bが、代わりに左に向けて移動する際に(例えば、矢印148Bによって図示されるように)、右カラム130Bのヒンジ146Bを通過する。カラム138の移動は、(矢印148Cによって例示されるように)上部クロスビーム142Aおよび底部クロスビーム142Bが互いに向かって移動することを引き起こし得、これによって引き起こされ得、またはそれ以外ではそれと同時に起こる場合がある。
【0078】
本体140の様々な部分は、本体140の積み重ねおよび/または入れ子配置への収縮を容易にするために、ほぼ等しい長さであり得る。例えば、クロスビーム142の各々、およびヒンジ146の両側のカラム138の部分は、ほぼ等しい長さであり得る。
図10を参照して最もよく認識され得るように、ほぼ等しい長さを利用することによって、それぞれの部分が、カプセル104内に嵌合するのに好適な所定の長さ内に嵌合する、コンパクトな配置が容易になり得る。
【0079】
張力部材150は、カラム138の複数の間に取り付けられ得る。張力部材150は、付勢力を加えるための任意の好適な材料から形成され得る。好適な実施例は、シリコン管を含み得るが、好適な特性を備えた他の任意の種類の材料および/または形態を利用し得る。一部の実施例では、張力部材150は、ヒンジ146のうちの一つ以上と連結される。張力部材150は、使用時に、機械的アクチュエータ120を拡張状態に向けて開くように付勢するための力を提供し得る。装置101の収縮状態では、張力部材150は、拡張状態よりも伸張され得る。例えば、装置101の収縮状態(例えば、
図10)のアンカーポイント152間の張力部材150の伸張長さは、装置101の拡張状態(例えば、
図8)に一旦移動される場合、同一のアンカーポイント間の張力部材150の長さよりも大きい場合がある。一部の実施例では、アンカーポイント152は、拡張された構成で互いに面し、収縮した構成で互いから離れて面する表面に対応し得る。
図8のアンカー点152がヒンジ146に位置して示されるものの、カラム138に沿った他の任意の好適な位置を利用してもよい。張力部材150は、拡張状態から収縮状態へのシフト中、カラム138のうちの一つ以上を少なくとも部分的に包囲し、拡張状態に向けて付勢するために、張力部材150から利用可能な予圧による力の量を増加し得る。張力部材150は、拡張状態では、カラム138に何らかの力を加え続け得る。したがって、カラム138が拡張状態(例えば、
図8)で完全に直立して示されるが、一部の実施例では、拡張状態のカラム138は、張力部材150の結果として、ある程度の内向きの曲げまたは屈曲を示し得る。
【0080】
任意の好適な数のカラム138を利用し得る。一部の実施例では、異なる数のカラム138は、対向する側方側に配置されてもよい。例えば、
図7では、一つのカラム138Aが左側に示される一方、右側では、一対のカラム138Bおよび138Cが示される。スロット154は、一対のカラム138Bと138Cの間など、隣接するカラム間に画定され得る。矢印156によって図示されるように、スロット154は、収縮状態と拡張状態との間のシフト中に、反対側からカラム138を通って移動できるようにサイズ設定され得る。さらに、スロット154は、張力部材150が、少なくとも部分的に通過できるようにサイズ設定されてもよい。一部の実施例では、側方側の少なくとも一つに二つ以上の単一のカラム138を含むことで、より大きな寸法安定性が提供され得、および/または各側面で単一のカラム138のみを使用する場合よりも意図しないねじれのリスクが低減され得る。
【0081】
本体140は、使用時に、(例えば、張力部材150によって細分される通路からの最小限の閉塞による)拡張状態で、中心の略貫通通路を提供し、それゆえ、十二指腸の内腔または他の関連する体内の内腔102の完全閉塞を防止または回避し得る。さらに本体140は、マイクロニードル116の略直線外向きの動きを提供し得、その結果、体内の内腔102の内腔壁103の内層に垂直に係合し、機械的アクチュエータ120が、(内腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る、径方向または法線方向に沿って配向されたものなどの)直線の外向き構成要素に加えて、いくつかの接線方向に配向された構成要素を代わりに付与した場合に発生する可能性のあるせん断力を低減または回避する。
【0082】
図11は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。一部の実施例(
図11など)では、機械的アクチュエータ120は、コイル160を含み得る。コイル160は、(例えば、内腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る、径方向または法線方向に)機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に向けて圧縮可能であり、それから離れて拡張可能である。例えば、
図11および
図12がそれぞれ、準備完了の、収縮状態のコイル160の斜視図および端面図を示す場合、
図13は、対応する拡張された、展開状態のコイル160の端面図を示す。
【0083】
図7に関して最良に理解され得るように、コイル160は、複数の重複回転部162を含み得る。例えば、
図7では、コイル160の下半分には、合計三つの回転部162A、162B、および162Cが視認される一方、コイル160の上半分には、合計で二つの回転部162A、162Bが視認される。コイル160は、図示される数の回転部162に限定されないが、マイクロニードル116を、体内の内腔102の内腔壁103の内層に駆動するために、コイルの巻きを解除し、外向きに拡張するための好適な素因を提供するために、任意の好適な数の回転部162を含み得る。
【0084】
コイル160は、好適な材料で形成され得る。一部の実施例では、材料は、可撓性の弾性材料である(例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮可能にするのに十分な可撓性を有し、材料を圧縮状態から離れて拡張状態に向けて拡張するよう付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、SLA、3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。
【0085】
コイル160は、収縮状態(例えば、
図12)と拡張状態(例えば、
図13)との間の再構成を容易にし得る。例えば、コイル160の回転部162は、拡張状態(例えば、
図13)よりも収縮状態(例えば、
図12)で、よりきつく(および/またはより多く)巻かれ得る。巻回のきつさにより、コイル160は、制約からの解放時に巻き出すように事前に配置され得、マイクロニードル116を外向きに駆動する。
【0086】
マイクロニードル116は、コイル160に別個に取り付けられるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に形成される配置、またはキャリア118が
図1および
図2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に対応する配置を含むがこれらに限定されない、その他の配置も可能である。さらに、マイクロニードル116が、コイル160の外面または最外端の回転部162にのみ配置されて示されるが、一部の実施例では、マイクロニードル116は、追加的または代替的に、コイル160の内部表面および/または内部回転部162上に配置され得る。
【0087】
コイル160は、使用時に、拡張状態で中心の略貫通経路を提供し、それゆえ、十二指腸の内腔または他の関連する体内の内腔102の完全閉塞を防止または回避し得る。さらに、コイル160が、径方向または法線方向に沿って整列する直線の外向き構成要素に加えて、いくつかの接線方向に配向された構成要素を含むマイクロニードル116の動きを提供し得る(したがって、いくらかのせん断力を与え得る)が、せん断の量は、(例えば、体内の内腔102の内腔壁103の組織を係合するためのより強い力をもたらし得る、より大きな剛性を与えるために)コイル160の厚さを調節することによって緩和し得る。さらに、コイル160は、本明細書のいくつかの他の代替物よりも滑らかな全体表面および/またはより少ない鋭利な端部を呈し得、これは、せん断力をさらに低減し得る。さらに、コイル160は、本明細書の他の代替物と比較して、アレイ114の取り付けのためにより多くの選択肢を提供する、連続表面を提示し得る。さらに、コイル160の形状因子は、本明細書の他の代替案のための作製工程と比較して、より速く、より経済的に、および/またはそれ以外では有益であり得る、ロール間の作製工程の使用を容易にし得る。
【0088】
図14Aは、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。一部の実施例(
図14Aなど)では、機械的アクチュエータ120は、湾曲アーム170(添字A、B、C、D、E、およびFで個別に識別される)を含み得る。湾曲アーム170は、(例えば、内腔102の長軸に垂直な方向に対応することができる、径方向または法線方向に)機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に向けて圧縮可能であり、それから離れて拡張可能である。例えば、湾曲アーム170は、拡張された、展開状態の
図14Aに示され、互いの上で湾曲され、準備完了の、収縮状態(
図14Bなどに示す)に達し得る。
【0089】
マイクロニードル116は、湾曲アーム170と共に一体的に形成されるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に別個に取り付けられる配置、またはキャリア118が
図1および
図2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に対応する配置を含むがこれらに限定されない、その他の配置も可能である。
【0090】
図14Aに関して最良に理解され得るように、各湾曲アーム170は、近位端172および近位端172に対向する遠位端174を含み得る。各湾曲アーム170は、近位端172で中央コア176に取り付けられ得る。例えば、近位端172は、コア176内のスリットに位置決めされ得る。近位端172は、追加的または代替的に、好適な接着剤によってコア176に固定され得、またはそれ以外では旋回可能な様式で接合され得る。
【0091】
湾曲アーム170は、近位端172と遠位端174との間に弧を画成し得る。弧は、装置が、収縮状態と拡張状態との間(例えば、
図14Aおよび
図14Bに示す状態との間)でシフトする際に、変化し得る。湾曲アーム170は、動作中、遠位端174が、収縮状態から拡張状態へ移動する螺旋方向に、コア176から離れて回転するように、移動可能であり得る。
【0092】
任意の好適な数の湾曲アーム170を使用することができる。したがって、6つの湾曲アーム170が図示されるが、前後の数のアームを、代替的に利用し得る。
【0093】
湾曲アーム170および/またはコア176は、好適な材料で形成され得、また利用される材料において互いに異なっていてもよく、または異なっていなくてもよい。一部の実施例では、材料は、可撓性の弾性材料である(例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮可能にするのに十分な可撓性を有し、材料を圧縮状態から離れて拡張状態に向けて拡張するよう付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、SLA、3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。一部の実施例では、該材料は、少なくとも一つのフィルム層として提供され得るか、または少なくとも一つのフィルム層を含み得る。一部の実施例では、湾曲アーム170の材料は、湾曲アーム170がより大きな駆動力を付与することができるように、湾曲アーム170を、このような処理の非存在下よりもさらに開放される平衡状態に向けて事前に配置することができる、予応力または予圧された曲げ構造を付与することができる、スピンコーティングおよび乾燥プロセスまたは他の好適なプロセスに供され得る。
【0094】
湾曲アーム170は、使用時に、(例えば、湾曲アーム170によって分離される通路からの最小限の閉塞による)拡張状態で、一組の略貫通通路を提供し、それゆえ、十二指腸の内腔または他の関連する体内の内腔102の完全な閉塞を防止または回避し得る。さらに 湾曲アーム170が、径方向または法線方向に沿って整列した直線の外向きの構成要素に加えて、いくつかの接線方向に配向された構成要素を含むマイクロニードル116の動きを提供し得る(したがって、いくらかのせん断力を与え得る)が、湾曲アーム170の正常な構成要素の大きさは、本明細書に記載されるコイル160または他の構成要素により提供されるものよりも大きくなり得る(例えば、体内の内腔102の内腔壁103の内層の組織に係合するためのより強力な力をもたらし得る)。
【0095】
図15は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。一部の実施例(
図15など)では、機械的アクチュエータ120は、二重ヒンジ式アーム180(添字A、B、およびCで個別に識別される)を含み得る。二重ヒンジ式アーム180は、(例えば、内腔102の長軸に垂直な方向に対応する径方向または法線方向に)機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能である。例えば、
図15が、準備完了の、収縮状態の二重ヒンジ式アーム180の側面図を示す一方、
図16は、対応する拡張された、展開状態の側面図を示す。
【0096】
マイクロニードル116は、二重ヒンジ式アーム180と共に一体的に形成されるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に別個に取り付けられる配置、またはキャリア118が
図1および
図2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に対応する配置を含むがこれらに限定されない、その他の配置も可能である。
【0097】
図16に関して最良に理解され得るように、二重ヒンジ式アーム180は、ハブ182に対して展開し得る。任意の好適な数の二重ヒンジ式アーム180が、利用され得る。したがって、三つの二重ヒンジ式アーム180が図示されるが、前後の数のアームを、代替的に利用し得る。
【0098】
アーム180はそれぞれ、同様の特徴を有し得るが、簡略化のために、このような特徴の様々なものは、
図16および
図17のアーム180Bに関してのみ識別される。各二重ヒンジ式アーム180は、第一のヒンジ184および第二のヒンジ186を含んでもよく、これは、二重ヒンジ式アーム180のそれぞれのサブ部分を画定し得る。例えば、二重ヒンジ式アームは、近位部分188および遠位部分190を含み得る。
【0099】
第一のヒンジ184は、二重ヒンジ式アーム180の近位部分188をハブ182に連結し得る。近位部分188は、第一のヒンジ184と第二のヒンジ186との間に延在(例えば、伸長)し得る。
【0100】
第二のヒンジ186は、近位部分188を、二重ヒンジ式アーム180の遠位部分190に連結し得る。遠位部分190は、第二のヒンジ186から二重ヒンジ式アーム180の自由端192まで延在し得る。
【0101】
第一のヒンジ184および/または第二のヒンジ186は、二重ヒンジ式アーム180の他の部分と比較して、断面が減少した二重ヒンジ式アーム180の一部に対応し得、および/または第一のヒンジ184および/または第二のヒンジ186の周りの二重ヒンジ式アーム180の曲げまたは屈曲を促進するための任意の好適な構造に対応し得る。
【0102】
二重ヒンジ式アーム180および/または他の関連する構成要素は、好適な材料で形成され得る。一部の実施例では、材料は、可撓性の弾性材料である(例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮可能にするのに十分な可撓性を有し、材料を圧縮状態から離れて拡張状態に向けて拡張するよう付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、SLA、3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。
【0103】
二重ヒンジ式アーム180は、収縮状態(例えば、
図15)と拡張状態(例えば、
図16)との間の再構成を容易にし得る。収縮状態(例えば、
図15)では、二重ヒンジ式アーム180の近位部分188は、機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に対して、二重ヒンジ式アーム180の遠位部分190の外向きに位置し得る(その結果、例えば、遠位部分190は、
図15の図から隠されている)。二重ヒンジ式アーム180の近位部分188は、収縮状態(例えば、
図15)から拡張状態(例えば、
図16)へ移動する際に、ハブ182から離れて開き得る(例えば、矢印194で図示するように)。例えば、近位部分188は、含まれる材料の特性に起因するなどして、第一のヒンジ184の周りを旋回し得る。さらに、二重ヒンジ式アーム180の遠位部分190は、二重ヒンジ式アーム180の近位部分188から離れて開き得る(例えば、矢印196によって図示されるように)。例えば、遠位部分190は、含まれる材料の特性に起因するなどして、第二のヒンジ186の周りを旋回し得る。一部の実施例では、マイクロニードル116は、(例えば、
図16の中央二重ヒンジ式アーム180に対する実線で示されるように)展開前に装置101の内部に向けて面し、(例えば、
図16の中央の二重ヒンジ式アーム180に対する二点鎖線で示すように)、展開後に装置101から外向きに面するように位置決めされ得る。例えば、マイクロニードル116は、第二のヒンジ186の周りに展開する結果、内部に面する位置から、装置から外向きに面する位置へシフトし得る。
【0104】
二重ヒンジ式アーム180は、使用時に、(例えば、二重ヒンジ式アーム180によって分離される通路からの最小限の閉塞による)拡張状態で、一組の略貫通通路を提供し、それゆえ、十二指腸の内腔または他の関連する体内の内腔102の完全な閉塞を防止または回避し得る。さらに二重ヒンジ式アーム180が、径方向または法線方向に沿って整列した直線の外向きの構成要素に加えて、いくつかの接線方向に配向された構成要素を含むマイクロニードル116の動きを提供し得る(したがって、いくらかのせん断力を与え得る)が、二重ヒンジ式アーム180の正常な構成要素の大きさは、本明細書に記載されるコイル160または他の構成要素により提供されるものよりも大きくなり得る(例えば、体内の内腔102の内腔壁103の内層の組織に係合するためのより強力な力をもたらし得る)。
【0105】
図17は、システム100で利用され得るマイクロニードル116のアレイ114の一部分の実施例を示す側面斜視図である。マイクロニードルは、基部202および先端204を含み得る。先端204は、基部202から最遠のマイクロニードル116の一部分に対応し得る。
【0106】
様々な形状および/または他の物理的特徴は、
図17で理解され得る。例えば、マイクロニードル116は、基部202と先端204との間に画定された長さLによって特徴付けられ得る。マイクロニードル116は、基部202での幅寸法によって画定された基部幅Wによってさらに特徴付けられ得る。マイクロニードル116は、長さLを基部幅Wで割ることで得られる値に対応するアスペクト比を有し得る。鋭利度Sは、先端でマイクロニードル116の最小の断面サイズに対応し得る。ピッチPは、マイクロニードルの対応する基部202間の距離として定義され得る。例えば、ピッチPは、中心間距離、隣接する縁部間の距離、または隣接するマイクロニードル116のそれぞれの機構の間の他の任意の関連する距離に対応し得る。
【0107】
マイクロニードル116の物理的機構の好適な寸法は、マイクロニードルの標的組織との係合およびペイロードの組織への解放を、所望の結果として達成するために実施され得る。一部の実施例では、機構の組み合わせは、力が複数の支持体の間に十分に分散して、支持体による表面への浸透有効性を防止または低減する、「爪の床」効果を軽減し得る。一例として、約1.5mmの長さLを有するマイクロニードル116については、2以上3以下のアスペクト比、および/または1.5mm以上2mm以下のピッチは、十二指腸の組織または体内の内腔102の内腔壁103のその他の関連する内層に係合する場合、「爪の床効果」を軽減し得る。
【0108】
追加的または代替的に、1ミクロン以下の鋭利度Sは、使用する標的組織を十分に穿刺するマイクロニードル116の能力を促進し得る。一部の実施例では、1ミクロン以下の鋭利度Sは、例えば、マイクロニードル116を生成する、またはそれからマイクロニードル116を生成する好適な型を生成するために、二光子重合を用いて三次元(「3D」)印刷のプロセスによって達成され得る。1ミクロンの鋭利度Sを達成することは、粉末の圧縮、固体ニードルへの油圧圧縮、または放電加工(EDM)などの他のプロセスによって利用可能であり得る約5ミクロンの限界を超える大幅な改善であり得る。
【0109】
図18は、一部の実施例に係る、作製の例示的なプロセス1800を示すフローチャートである。
【0110】
動作1810でのプロセス1800は、組立体を形成することを含み得る。例えば、組立体は、マイクロニードル116のアレイ114および機械的アクチュエータ120を含み得る。機械的アクチュエータ120は、中央長手方向軸124から外向きに拡張可能である。例えば、機械的アクチュエータ120は、本明細書に記載の任意の構造を含み得る。
【0111】
動作1810はまた、マイクロニードル116を形成することを含み得る。例えば、マイクロニードルは、
図17に関して記載される特徴および/またはプロセスによって、および/または特徴および作製プロセスの他の任意の組み合わせによって形成され得る。任意の好適な作製プロセスまたは技術を利用して、マイクロニードル116を形成し得る。非限定的な実施例として、プロセスは、3D印刷および/またはマイクロニードル116の形状を好適な材料に付与することができる、一組の一つ以上の型の使用を含み得る。さらなる例として、ロール間の刻印を利用してもよい。
【0112】
動作1810は、マイクロニードル116を機械的アクチュエータ120と連結することを含み得る。一部の実施例では、マイクロニードル116のアレイ114は、機械的アクチュエータ120と連結する前に形成される。例えば、アレイ114は、シリコン接着剤、シアノアクリレート、または他の接着剤(または他の方法で機械的アクチュエータ120に接合または機械的に連結される)によって接合され得る。一部の実施例では、マイクロニードル116のアレイ114は、マイクロニードル116のアレイ114を機械的アクチュエータ120の材料に一体的に形成することによって、機械的に連結される。例えば、アレイ114は、機械的アクチュエータ120の材料を形成する同一の印刷または他の作製工程で印刷されるか、またはそうでなければ作製され得る。一部の実施例では、アレイ114は、介在構造の使用によって連結される。例えば、機械的アクチュエータ120は、マイクロニードル116(
図1など)を支える拡張可能なバンドまたは他のキャリア118内に配置され得、これは、拡張可能なバンドまたは他のキャリア118に固定されているか、または固定されていない機械的アクチュエータ120の代替物を含み得る。
【0113】
動作1810はまた、機械的アクチュエータ120を形成することを含み得る。該作製によって、機械的アクチュエータ120の一部または全体は、それから機械的アクチュエータ120が圧縮されて、機械的アクチュエータ120が制約からの解放時に拡張する準備ができている(カプセル104によって提供され得るなど)収縮状態に到達し得る、平衡状態で生成され得る。キャリア118および/またはアレイは、平衡状態または拡張状態から圧縮する前および/または後に、機械的アクチュエータ120と連結され得る。
【0114】
任意の好適な作製工程または技術を利用して、機械的アクチュエータ120を形成し得る。一部の実施例では、機械的アクチュエータのすべてまたは少なくとも一部は、3D印刷、SLA、または他の付加的または減算的な作製工程によって生成され得る。一部の実施例では、機械的アクチュエータ120の材料は、少なくとも一つのフィルム層として提供またはそれを含んでもよく、および/または、機械的アクチュエータ120の機能を補助する、予応力または予圧された構造を付与することができるスピンコーティングおよび乾燥プロセスまたは他の適切なプロセスに供され得る。一部の実施例では、ロール間のプロセスを利用することができる。例示的な実施例として、一部の実施例では、コイル160を生成するために、材料は、ロール間のプロセスからシートまたはフィルムとして提供され、マンドレルの周りに巻回され、最も外側の層上にマイクロニードルを備え、カプセルへの挿入用にマンドレルから除去され得る部分に切り取られ得る。
【0115】
任意の好適な材料または材料の組み合わせは、機械的アクチュエータ120およびマイクロニードル116を有する組立体を作製する間に、それぞれの要素を生成および/または接続するために利用され得る。一部の実施例では、材料は、可撓性の弾性材料である(例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮可能にするのに十分な可撓性を有し、材料を圧縮状態から離れて拡張状態に向けて拡張するよう付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、立体光法(SLA)3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。一部の実施例では、該材料は、少なくとも一つのフィルム層として提供され得るか、または少なくとも一つのフィルム層を含み得る。一部の実施例では、材料は、収縮状態から拡張状態への移動に寄与するための特定のバイアスを付与することができる、予張力状態で生成され得るなど、注型発泡を含み得る。
【0116】
動作1820でのプロセス1800は、組立体をカプセル104内に配置することを含み得る。例えば、カプセル104は、カプセル104が機械的アクチュエータ120を拡張から制約する第一の状態を有し得、カプセル104は、カプセル104による制約が解除されて、マイクロニードル116のアレイ114を、標的位置での組織に係合するよう駆動するために、機械的アクチュエータ120が拡張するのを可能にする、第二の状態に、対象内の標的位置で再構成可能である。標的位置は、例えば、十二指腸または他の体内の内腔102に対応し得る。
【0117】
動作1810および1820は、連続的に実施され得、または少なくとも部分的に重複し得る。例えば、一部の実施例では、組立体を動作1810で形成することは、組立体が、カプセル104内に形成されるように、それぞれの構成要素をカプセル104に挿入することを含み得る。
【0118】
図19は、対象1902に対して使用される装置101の移動の例を示す。例えば、プロセス1800に係り、および/または他の方法で本明細書の他の開示に係り作製された装置101は、対象1902を治療するために使用され得る。装置101は、対象の胃1906内に導入され得る。例えば、装置101は、装置101を嚥下して、対象の口部1910および食道1912を通って対象の胃部1906内に通る(例えば、矢印1908によって示されるように)ことを可能にする、錠剤、またはそうでなければ摂取可能な形態で含有され得る。装置101は、胃1906から十二指腸1914(例えば、矢印1916で示されるように)に通過することができる。例えば、装置101が、装置101の作動に好適な標的位置の例として十二指腸1914に示されるが、標的位置は、代替的に、遠位小腸(すなわち、空腸および回腸)1918、大腸1920、または結腸1922などの消化管内の他の任意の位置を含み得る。装置101は、標的位置内またはその途中に存在する刺激および/または条件に応答して、標的位置で作動し得る。作動によって、マイクロニードル116(
図19の装置101内の図には示されない)が、標的位置で組織に外向きに拡張して、薬剤または他のペイロードを送達し得る。好適なペイロードは、例えば、小分子および生物治療薬(例えば、ペプチド、モノクローナル抗体、および核酸を含む)を含み得る。様々な実施例では、ペイロード送達の後、またはこれと併せて、装置101のそれぞれの構成要素は、(例えば、生分解性材料の使用に基づいて)対象1902に吸収され得、および/または、例えば、他の排泄物内で対象1902の結腸1922を通って、対象1902から排出され得る。
【0119】
図20は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。一部の実施例(
図20など)では、機械的アクチュエータ120は、折り畳み式付勢部材220を含み得る。折り畳み式付勢部材220の折り畳みの能力により、機械的アクチュエータ120は、(例えば、内腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る、径方向または法線方向に)機械的アクチュエータ120の中央長手方向軸124に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能になり得る。例えば、
図20が、準備完了の、収縮状態の折り畳み式付勢部材220の斜視図を示す一方、
図21は、対応する拡張された、展開状態の斜視図を示す。さらに、
図22は、分解組立体の図を示し、
図23は、
図20に示す線に沿って部分断面端面図を示す。
【0120】
図22で最も明らかなように、折り畳み式付勢部材220は、ホルダ222と関連付けられ得る。例えば、折り畳み式付勢部材220は、ホルダ222とヒンジ式に取り付けられ得る。
【0121】
マイクロニードル116は、ホルダ222に別個に取り付けられるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に形成される配置、またはキャリア118が
図1および
図2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に対応する配置を含むがこれらに限定されない、その他の配置も可能である。
【0122】
さらに
図22を参照すると、折り畳み式付勢部材220および/またはホルダ222は、リンク機構224と関連付けられ得る。例えば、折り畳み式付勢部材220およびホルダ222は、リンク機構224を介してヒンジ式に取り付けられ得る。一つの末端または部分でのリンク機構224は、例えば、折り畳み式付勢部材220を受けるか、または他の方法でそれと連結可能または連結され得、別の末端または部分では、ホルダ222とヒンジ付き、または他の方法で連結可能または連結され得る。
【0123】
任意の好適なヒンジ225を利用し得る。例えば、
図22に示すように、ヒンジ225は、ポスト226と、ポスト226を受けるように配置され、ポスト226の回転またはそれに対する回転を可能にするように配置される、対応するシート228と、を含む。
図22の図示は、ホルダ222内に形成されたフックとしてのシート228および連結224によって支えられるポスト226を示すが、他の変形例が好適な場合がある。例えば、ポスト226がホルダ222によって支えられる一方、シート228がリンク機構224によって支えられる(例えば、
図24の配置に類似)ように、相対的な位置決めを反対にし得る。一部の実施例では、シート228は、開フックではなく、閉カラーに対応し得る。一体成形のヒンジまたは他のヒンジインターフェースは、追加的または代替的に、ホルダ222を、リンク機構224および/または折り畳み式付勢部材220に対して連結するために使用され得る。
【0124】
折り畳み式付勢部材220、ホルダ222、リンク機構224、ヒンジ225、および/または他の関連する構成要素は、好適な材料から形成され得る。一部の実施例では、材料の少なくとも一部は、可撓性の弾性材料である(例えば、組織係合のためにマイクロニードル116を外向きに駆動するために、拡張状態から圧縮状態に向けて圧縮することを可能にするのに十分な可撓性を有し、材料を圧縮状態から離れて拡張状態に向けて拡張するよう付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、SLA、3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。
【0125】
一部の実施例では、使用される材料は、(例えば、排泄を介して通過され得る)非生分解性材料を含み得る。一部の実施例では、折り畳み式付勢部材220の材料は、ニチノールまたは関連する合金などの金属を含み得る。一部の実施例では、超弾性ニチノールが使用され得、(例えば、メモリを示し得る)熱硬化ニチノールと比較して、性能の改善を示し得る。例えば、超弾性ニチノールは、永久変形なしに、顕著に曲げられ、歪みが起こり得る。ニチノールは、圧縮状態に折り畳むことを可能にし、マイクロニードル116を駆動するための適切な拡張力を提供し得る。ニチノールはさらに、相当な量の時間の間に折り畳み状態であること、例えば、性能にマイナスの影響を与え得る相当のプラスチック変形、クリープ、および/または他の分解を呈さずに、応力状態に保持可能なことに、好適に耐久性がある。さらに、折り畳み式付勢部材220が、複数のワイヤの形態因子で示されているが、個々のワイヤまたはバーを含むがこれらに限定されない、他の任意の好適な形態因子を利用し得る。一部の実施例では、シート金属の部分片は、追加的または代替的に利用され得る。ばねにおける使用に好適なステンレス鋼またはその他の材料を、追加的にまたは代替的に利用し得る。
【0126】
任意の適切な数の折り畳み式付勢部材220、ホルダ222、および/またはリンク機構224を利用することができ、それぞれの数は、互いに対して類似または異なってもよい。例えば、
図21では、合計四つの折り畳み式付勢部材220、二つのホルダ222、および四つのリンク機構224が示されているが、一つ、二つ、三つ、四つ、または他の任意の数で利用され得る。各要素は、同一名称であれば、それぞれ同様の特徴を有し得るが、簡略化のために、および図が不明瞭化になることを回避するために、このような特徴の様々なものは、主に、
図21のこのような特徴の最上部左部分のみに関して識別される。
【0127】
折り畳み式付勢部材220は、第一の端部230および第二の端部232を含み得る。折り畳み式付勢部材220の可撓性によって、第一の端部230および第二の端部232は、拡張状態(例えば、
図21)から収縮状態(例えば、
図20)に向けて移動するなど、互いに向けて折り畳み可能である。反対に、折り畳み式付勢部材220の弾性により、収縮状態(例えば、
図20)から拡張状態(例えば、
図21)に向けて移動するためなど、第一の端部230および第二の端部232は、互いから離れて付勢され得る。
【0128】
折り畳み式付勢部材220(例えば、末端で)は、連結部224によって受けられる、または他の方法で覆われ得る。例えば、
図21に示すように、第一の端部230が、第一のリンク機構224A内に受けられ、それによって覆われる一方、第二の端部232は、第二のリンク機構224B内に受けられ、それによって覆われる。折り畳み式付勢部材220の両端を覆うことで、体内を通過中の鋭利な先端への曝露またはその他の穿刺リスクが防止され得る。例えば、折り畳み式付勢部材220が、非生分解性材料で形成される場合、リンク機構224はまた、消化管を通過中に安全対策として非生分解性材料で形成され得る。一部の実施形態では、シリコンまたは他の材料のコーティングは、折り畳み式付勢部材220の周り(例えば、第一のリンク機構224Aと第二のリンク機構224Bとの間)に配置され得、折り畳み式付勢部材220の金属または他の材料への曝露を防止し得る。
【0129】
図23で最も明らかなように、リンク機構224は、チャネル234を画定し得る。チャネル234は、ホルダ222、マイクロニードル116、および/またはキャリア118を受けるようにサイズ設定され得る。例えば、チャネル234は、このような構成要素が少なくとも部分的に嵌合し得る高さ、幅、および/または奥行きを有し得る。チャネル234は、マイクロニードル116が、装置101が圧縮状態にある場合にカプセル104に接触しないように配置されるように、サイズ設定され得る。マイクロニードル116をカプセル104と接触しないように維持することで、そうでなければ展開時の有効性を低減し得る、マイクロニードル116の鈍りが防止され得る。
【0130】
ホルダ222は、他の構成要素に係合するのに好適な機構を含み得る。例えば、
図22で最も明らかなように、ホルダ222は、使用中のキャリア118および/またはマイクロニードル116を支持し得る支持面236を含み得る。支持面236が、別個に取り付けられたキャリア118を受けるように(例えば、接着剤、オーバーモールド、または他の取り付け技術によって)配置されているが、支持面236は、一体的に共に形成される、または
図1および2に関して記載されるようなバンドまたは他の別個の構造に係合することによる、その他の方法によってキャリア118を支持し得る。
【0131】
ホルダ222は、対向する端部または側面で、複数の他の構成要素に取り付けられ得る。例えば、
図22では、第一または上部ホルダ222Aが、第一または上部左リンク機構224Aおよび第三または上部右リンク機構224Cに対して、それぞれ(例えば、前部および後部に対応し得る)左側および右側でヒンジ付けされる一方、第二または下部ホルダ222Bは、第二または下部左リンク機構224Bおよび第四または下部右リンク機構224Dに対して、それぞれ左側および右側でヒンジ付けされる。さらに、
図22では、第一の折り畳み式付勢部材220Aおよび第二の折り畳み式付勢部材220Bが、(例えば、第一または上部左リンク機構224Aおよび第二のまたは下部左リンク機構224Bとの接続に基づいて)第一のホルダまたは上部ホルダ222Aおよび第二のホルダまたは下部ホルダ222Bと連結されて示される一方、第三の折り畳み式付勢部材220Cおよび第四の折り畳み式付勢部材220Dはまた、(例えば、第三または上部右リンク機構224Cおよび第四または下部右リンク機構224Dとの結合に基づいて)第一または上部ホルダ222Aおよび第二または下部ホルダ222Bの両方と連結されて示される。
【0132】
折り畳み式付勢部材220は、使用時に、収縮状態(例えば、
図20)と拡張状態(例えば、
図21)との間で再構成を容易し得る。例えば、収縮状態(例えば、
図20)では、折り畳み式付勢部材220は、折り畳み状態(例えば、曲線または弧に近似する)であり得る。折り畳み状態では、折り畳み式付勢部材220は、対向する端部(例えば、第一の端部230および第二の端部232)が整列される(例えば、互いの下方または上方に位置決めされる)ように、配置され得る。収縮状態(例えば、
図20)では、装置101の対向する側面からの折り畳み式付勢部材220は、互いに重複するループを形成し得る一方、拡張状態(例えば、
図21)では、装置101の対向する側面からの折り畳み式付勢部材220は、重複することなく互いから間隔をあけて配置され得る。また、収縮状態(例えば、
図20)では、ホルダ222は、リンク機構224のチャネル234内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0133】
折り畳み式付勢部材220は、制約から解放される際に、例えば、折り畳み状態から離れて移動(例えば、
図20に示す状態から
図21に示す状態まで移動)するように、少なくとも部分的に直線になるなど、外向きに拡張し得る。外向きの拡張に応答して、互いに面して、隣接または整列するリンク機構224は、(例えば、
図20に示す開始位置から互いから離れて変位する第一のリンク機構224Aおよび第二のリンク機構224Bにより、
図21で理解され得るように)互いから離れて移動され得る。
【0134】
また、外向きの拡張に応答して、(例えば、ポスト226およびシート228の周りの)ヒンジ225に対して回転が発生し得る。ヒンジ225の周りで回転すると、チャネル234が、キャリア118から少なくとも部分的に離れて移動し、マイクロニードル116を露出するように、リンク機構224Aは、再配向され得る。また、外向きの拡張に応答して、マイクロニードル116は、周囲組織との係合のために外向きに移動され得る。
【0135】
追加の機構は、展開を制御および/または制限するために含まれ得る。
図22に最も明らかであり得る一例として、ホルダ222は、取り外し可能な取り付け面238を含み得る。取り外し可能な取り付け面238は、ホルダ222の下側および/または支持面236の反対側にあり得る。例えば、取り外し可能な取り付け面238は、支持面236から離れて延在する突出ステムの下側に配置されるように、
図22に示される。
図21で最も明らかなように、対向するホルダ222Aおよび222Bの取り外し可能な取り付け面238Aおよび238Bは、使用時に、拡張状態で間隔をあけて配置した関係で互いに面し得る。対照的に、
図20で最も明らかなように、収縮状態では、対向するホルダ222Aおよび222Bの取り外し可能な取り付け面238Aおよび238Bは、互いに接触および/または係合し得る。例えば、取り外し可能な取り付け面238Aおよび238Bは、内腔102内で遭遇する状態に応答して、解放可能な分解性接着剤または他の特徴によって、取り外し可能に取り付けられ得る。対向する解放可能な取り付け面238Aおよび238Bの係合により、対向するホルダ222Aおよび222Bを、互いに対して整列させて保持され得し、収縮状態から拡張状態への再構成中に、片方の側面(例えば、
図20の左側面または右側面)が他方の前に拡張することが防止され得る。例えば、(例えば、内腔102内の条件に応答して)対向する解放可能な取り付け面238Aおよび238Bを解放することにより、対向するホルダ222Aおよび222Bの中央部は、展開のために互いから離れて移動し、対向するホルダ222Aおよび222Bは、展開中に対称または平行の配向に留まることが可能になる。このような対称的または平行な配向により、キャリア118上のマイクロニードル116の全体または相当の部分による効果的な係合が容易になり得、いくつかの選択されたマイクロニードル116を、ホルダ222の端部で、周囲組織との係合に好適な位置にのみ配置し得る角度付き展開が回避され得る。加えて、または代替として、対向するホルダ222Aおよび222Bは、組立体の内部上の解放可能な取り付け面238に加えて、またはその代わりに、組立体の外部の周りに解放可能なカラーまたはクランプによって、展開前に平行配向に保持され得る。
【0136】
一部の実施例では、展開は、ヒンジストッパ240によって制御および/または制約され得る。例えば、
図22で最も明らかなように、ヒンジストッパ240は、ホルダ222上のヒンジ止め面242および/またはリンク機構224上のヒンジ止め面244を含み得る。ホルダ222上のヒンジ止め面242および/またはリンク機構224上のヒンジ止め面244は、展開する相対的回転中に互いおよび/または他の部品に接触する、または遮断するように配置され得る。ヒンジストッパは、使用時に、リンク機構224および/または折り畳み式付勢部材220に対して所定の限界を超えて、ホルダ222の過回転を防止し得る。過回転を防止することで、展開するマイクロニードル116の過拡張、転置、および/または他の不整列または不均一な作動を防ぐことができる。例示的な実施例として、ヒンジストッパ240は、ホルダ222とリンク機構224との間の角度80°超の回転を防止し得るが、60°、65°、70°、75°、80°、85°、90°、95°、100°、または他の最大角度も利用し得る。
【0137】
折り畳み式付勢部材220は、使用時に、拡張状態(例えば、折り畳み式付勢部材220の間または周囲)で、中心の略貫通通路および/またはバイパス通路を提供し得、それゆえ、十二指腸の内腔または他の関連する体内の内腔102の完全な閉塞を防止または回避し得る。さらに 折り畳み式付勢部材220は、マイクロニードル116の略直線外向きの動きを提供し得、その結果、体内の内腔102の内腔壁103の内層に垂直に係合し、機械的アクチュエータ120が、(内腔102の長軸に垂直な方向に対応し得る、径方向または法線方向に沿って配向されたものなどの)直線の外向き構成要素に加えて、いくつかの接線方向に配向された構成要素を代わりに付与した場合に発生する可能性のあるせん断力を低減または回避する。
【0138】
図24は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。
図24は、機械的アクチュエータ120が折り畳み式付勢部材220を含み得る、別の実施例を示す。
図24の様々な特徴は、
図20~23に関して上述した特徴に対応し得、簡略化のために、このような特徴の説明は繰り返さない。
図24は、拡張された、展開状態の折り畳み式付勢部材220の斜視図を示し、
図25は、対応する準備完了の、収縮状態の斜視図を示す。
【0139】
図24は、三つ以上のホルダ222が利用される実施例を示す。例えば、
図24では、三つのホルダ222が含まれる。各ホルダ222は、対向する側面または端部にヒンジ式に取り付けられて図示される。例えば、各ホルダ222は、一対のそれぞれのリンク機構224に係合して配置されるように示される。三つのリンク機構224は、合計六つのリンク機構224に対し、装置101の各端部に示される。両方とも一つのリンク機構224から延在し、両方とも単一の他のリンク機構224内に収容される二つの折り畳み式付勢部材220を含む、
図21の配置とは対照的に、
図24の配置は、一つのリンク機構224から複数の他のリンク機構224まで延在する折り畳み式付勢部材220を含む。折り畳み式付勢部材220は、単一のリンク機構224から複数の横方向に隣接するリンク機構224まで延在し得る。例えば、
図24の右側では、一つの折り畳み式付勢部材220が、上部リンク機構224から、反時計回りの方向に横方向に隣接して配置される左リンク機構224まで延在する一方、別の折り畳み式付勢部材220は、上部リンク機構224から、時計回りの方向に横方向に隣接して配置される右リンク機構224まで延在する。
【0140】
図24は、ヒンジ225が
図20~23に示すものとは異なる形状因子で提供される実施例を示す。例えば、
図24のヒンジ225が、ホルダ222によって支えられるポスト226と、リンク機構224によって支えられるシート228と、を含むが、他の配置は、本明細書に記載される他のヒンジ付きインターフェースオプションを利用し得る。
【0141】
図24は、ヒンジストッパ240が、
図20~23に示すものとは異なる形状因子で提供される実施例をさらに示す。例えば、ホルダ222上の
図24のヒンジストッパ240は、展開する回転中にリンク機構224上の別のヒンジ止め面244に係合し、過回転を防止または軽減するように配置されるフランジまたは延長部として形成される一つのヒンジ止め面242を含む。
【0142】
図26は、システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。
図26は、機械的アクチュエータ120が折り畳み式付勢部材220を含み得る別の実施例を示す。
図26の様々な特徴は、
図20~23および/または
図24および
図25に関して上述した特徴に対応し得、簡略化のために、このような特徴の説明は繰り返さない。
図26は、拡張された、展開状態の折り畳み式付勢部材220の斜視図を示し、
図27は、対応する準備完了の、収縮状態の斜視図を示す。
【0143】
図26は、ヒンジ225がホルダ222の中央部分と連結される実施例を示す。例えば、単一のヒンジ225は、例えば、ホルダ222が対向する端部または側面で複数のヒンジ225に係合する、
図20~23および/または
図24および
図25の配置とは対照的に、ホルダ222を装置101の残りの部分に連結し得る。ホルダ222を単一のヒンジを介して連結することで、例えば、一つの端部が周囲の組織に係合する場合、反対側の端部が回転を継続可能で、周囲の組織にも係合できるように、ホルダ222が展開中に回転を継続する自由度が提供され得る。
【0144】
図28は、(例えば、本明細書の他の特徴の代わりに、および/またはそれらと共に)システム100に組み込まれ得る構造のさらなる実施例を示す斜視図である。装置101は、コア250を含み得る。コア250は、使用中のカプセル104から展開可能である。
【0145】
マイクロニードル116は、コア250に別個に取り付けられるキャリア118によって支持されるように図示されるが、マイクロニードル116および/またはキャリア118が代わりに一体的に形成される配置を含むがこれに限定されない、他の配置が可能である。
【0146】
カプセル104は、カプセル104内のコア250の受け入れを容易にする特徴を含み得る。例えば、カプセルは、組み合わせられて、使用されるカプセル104を形成し得る、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を含み得る。カプセル104は、コア250に対する一致するプロファイルまたは形状を含み得る。例えば、
図28のカプセル104は、コア250によって画定された三つのフランジ257を受けるようにそれぞれサイズ設定された三つの溝256とともに示されているが、他の数および/またはサイズ設定も利用され得る。フランジ257は、例えば、マイクロニードル116用の取り付け面を提供し得る。溝256は、使用中のカプセル104内のコア250の回転またはその他の動きを、インデックス作成するおよび/またはそうでなければ防止または制限し得る。溝256は、そうでなければ使用前のマイクロニードルの鈍りにつながる可能性のある方法で、カプセル104の他の部分に接触することなく、マイクロニードル116が配置され得る空間を提供することによってなど、マイクロニードル116を収容するようにサイズ設定され得る。
【0147】
装置101は、ランチャー258を含み得る。ランチャー258は、
図28にばねとして示されるが、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を、互いに分離し、および/または使用中のコア250から分離可能な任意の構造に対応し得る。他の非限定的な実施例は、拡張可能材料(超吸収性ポリマーなど)および/または噴射剤または他のガス膨張の利用を含み得る。ランチャー258は、第一のシェル部分252および/または第二のシェル部分254内に取り付けられる、および/またはそうでなければ保持され得、コア250をランチャー258から独立または分離させることができる。一部の実施形態では、ランチャー258の一部は、追加的にまたは代替的に、コア250内に保持され得、またはコア250と連結され得、および/またはそうでなければ、第一のシェル部分252および/または第二のシェル部分254から分離され得る。
【0148】
ランチャー258は、他の好適な構造と相互作用し、および/またはそれに応答し得る。一つの実施例として、コア250は、少なくとも一つのレバレッジ面260を含み得る。例えば、
図29では、レバレッジ面260は、コア250の外部のいずれかの端部に配置され、ランチャー258が使用中に押圧可能な表面を提供する。
図29では、ランチャー258は、コア250の完全な外側に配置される。
【0149】
一部の実施例では、関連する構造は、少なくとも部分的にコア250内にあり得る。例えば、
図29では、コア250は、レバレッジ面260を端部とする内部中空空洞を含む。ランチャー258のばねまたは他の構造は、例えば、使用中のレバレッジ面260に対して押圧するために、コア250内部に少なくとも部分的に延在するように位置決めされ得る。一部の実施例では、コア250は、完全に中空であり得、ランチャー258の構成要素が、コア250を通して互いに当接する、接触する、またはそうでなければ係合することを可能にし得る。
【0150】
第一のシェル部分252および第二のシェル部分254は、使用時に、関節部262(例えば、
図29)により共に取り外し可能に取り付けられ得る。関節部262は、例えば、カプセル104の周囲の周りに延在し得る。関節部262は、化学的(pHなど)、電気的、機械的、または外部刺激(特定の組成物に影響を及ぼすように適用され得る超音波エネルギーなど)に応答するなどして、十二指腸または他の標的位置内またはその途中の刺激もしくは条件に応答して、分解し得る、またはそうでなければ解放を引き起こし得る、コーティングまたはその他の好適な構造に対応し得る。関節部262は、分解または解放の前に、ランチャー258の存在にもかかわらず、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を互いに係合して保持するのに十分な強度を提供し得る。
【0151】
ランチャー258は、関節部262によって提供される制約を克服または回避する際に、動作可能または起動され得る。例えば、カプセル104は、使用時に、十二指腸または他の標的位置に到達し、分解および/または解放を開始し得る。これにより、ランチャー258は、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を、互いから離れておよび/またはコア250を駆動するように誘導される(例えば、
図29または
図30のいずれかに示される格納状態から、
図28に示される展開状態までシフトする)。ランチャー258がばねを含む実施例では、ばねは、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を離れて駆動するために、レバレッジ面260に対して押圧し得る。ランチャー258が拡張可能材料を含む実施例では、標的位置からの流体が入り、化学反応を生じて、例えば、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を離れて駆動するための拡張を引き起こし得る。
【0152】
第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を離れて駆動するランチャー258は、マイクロニードル116を、周囲の組織を貫通するのに好適な位置に露出させ得る。例えば、
図31を参照すると、十二指腸または他の標的位置の内腔壁103の組織は、蠕動収縮に応答するなどして、コア250の周りで収縮し得る。コア250の周りのこのような収縮により、マイクロニードル116の十二指腸の内層または他の標的位置への貫通係合を達成するために十分な力が提供され得る。貫通係合によって、好適な解除力なしに、マイクロニードル116が組織に係合したままになる場合がある。様々な実施例では、マイクロニードル116のキャリア118は、解除力の大きさよりも小さい解放力に供される場合に解放するように構成される、接着剤または他の種類の結合によりコア250に取り付けられ得る。結果として、マイクロニードル116のキャリア118は、コア250から分離し得、組織が蠕動または他のサイクル中に収縮する際に、組織への係合を保持できる。組織への係合を保持すると、例えば、マイクロニードル116を介したペイロードの送達が容易になり得る。解除力は、実施されるマイクロニードル116の配置に応じて変化し得、解放力は、利用される結合技術に基づいて、調整され得る。
【0153】
コア250、ランチャー258、および/または他の関連する構成要素は、好適な材料で形成され得る。一部の実施例では、材料の少なくとも一部は、可撓性の弾性材料である(例えば、第一のシェル部分252および第二のシェル部分254を離れて駆動するために、ランチャー258を圧縮させるのに十分な可撓性を有し、材料を拡張に向けて付勢させるのに十分な弾性をさらに有するなど)。一部の実施例では、材料は、生分解性材料(例えば、消化管内で分解可能である)であり、および/または3D印刷または他の特定の作製技術による構築に好適である。好適な材料の一部の実施例には、SLA、3D印刷された耐久樹脂、ゼラチン紙またはシート、ライスペーパーまたはシート、ポリ乳酸、ナイロン、ポリエステル、PVA(ポリビニルアルコール)、またはトウモロコシ系ポリマーが含まれ得る。一部の実施例では、使用される材料は、(例えば、排泄を介して通過され得る)非生分解性材料を含み得る。非限定的な例として、材料は、ステンレス鋼または他の金属(ランチャー258用のコイルばねまたは他のばね部材など)、プラスチック(コア250、第一のシェル部分252、および/または第二のシェル部分254用など)、または他の物質を含み得る。
【0154】
一部の実施例の前述の説明は、例示および説明の目的にのみ提示されており、網羅的であるか、または本開示を、開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。数多くの修正および適合は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。例えば、本明細書に記述されるプロセスよりも数が前後するステップが、本開示に係り、実行され得る。さらに、他の構造は、本明細書に記載のプロセスの一つ以上のステップを実行し得る。
【0155】
一部の態様では、装置、システム、または方法は、以下の態様のうちの一つ以上に係り、またはそれらの要素のいくつかの組み合わせに係り提供される。一部の態様では、これらの態様のうちの一つ以上に記載される装置またはシステムを利用して、他の態様のうちの一つに記載される方法を実行することができる。さらに、装置またはシステムに関して記述された特徴は、方法に対して実施され得、またはその逆もあり得る。
【0156】
態様1.
マイクロニードルのアレイおよび機械的アクチュエータを含有するカプセルを備える装置であって、該装置は、対象の十二指腸への送達のために摂取可能な形態であり、十二指腸内またはその途中の刺激または状況に応答して、機械的アクチュエータを、カプセルによる制約から解放し、機械的アクチュエータが、カプセルによる制約からの解放時に、機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れた方向に外向きに拡張し、マイクロニードルのアレイを、十二指腸の内層との貫通係合に駆動し、貫通係合により、マイクロニードルを介したペイロードの送達が容易になる、装置。
【0157】
態様1A.
機械的アクチュエータは、
第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、第一の端部および第二の端部が、拡張状態から収縮状態に向けての移動のために互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を示し、第一の端部および第二の端部を、収縮状態から拡張状態に向けての移動のために互いから離れるように付勢する弾性を示す、付勢部材と、
付勢部材の第一の端部とヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルのアレイを支持するための支持面を含む、ホルダと、を備える、態様1に記載の装置。
【0158】
態様2.
該装置は、一つ以上の生分解性材料から完全に形成され、それによって、装置が、対象から除去される排泄物を介して通過を要する部分が残らないように、完全に生分解性である、態様1の装置。
【0159】
態様3.
機械的アクチュエータは、機械的アクチュエータの外向きに拡張状態での、機械的アクチュエータによる十二指腸の内腔の完全な閉塞を回避するように、それを通過させる構造から形成される、態様1の装置。
【0160】
態様4.
機械的アクチュエータは、
機械的アクチュエータの中央長手方向軸に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能な折り畳み式管と、
中央ヒンジを有する側方カラムによって接合された上部クロスビームおよび下部クロスビームと、
拡張状態よりも、収縮状態でよりきつく巻かれる、複数の重複回転部を有するコイルと、
近位端で中央コアに取り付けられ、遠位端が螺旋方向にコアから離れて回転して、収縮状態から拡張状態へ移動するように移動可能な複数の湾曲アームと、複数の二重ヒンジ式アームと連結されたハブであって、二重ヒンジ式アームは各々、(i)アームの近位部分をハブ
に連結する第一のヒンジと、(ii)アームの近位部分をアームの遠位部分に連結する第二のヒンジと、を含む、ハブと、を備える、態様1に記載の装置。
【0161】
態様5.
マイクロニードルのアレイは、機械的アクチュエータの周りに配置され、機械的アクチュエータの拡張に応答して、拡張するように構成される、拡張可能なバンドによって支えられる、態様1に記載の装置。
【0162】
態様6.
システムであって、
カプセルであって、
カプセルの内部容積を画定する内面と、
消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面と、を有する、シェルを含む、カプセルと、
カプセルの内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアと、マイクロニードルに消化管の内層に浸透させるために、キャリア
を外向きに移動させるように動作可能な機械的アクチュエータであって、機械的アクチュエータの拡張状態から離れて、機械的アクチュエータがカプセルの内部容積内に嵌合する、収縮状態に向けて収縮することを可能にする可撓性を有する可撓性の弾性材料を含み、可撓性の弾性材料は、機械的アクチュエータを、収縮状態から拡張状態に向けて外向きに拡張する方向に付勢させ、機械的アクチュエータがカプセルによって提供される制約を克服または回避する際に、キャリアを外向きに移動させる弾性をさらに有する、機械的アクチュエータと、を備える、システム。
【0163】
態様6A.
機械的アクチュエータは、第一の端部と第二の端部とを互いに向けて折り畳むことができるように含む付勢部材と、付勢部材の第一の端部と
ヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルのアレイを支持するための支持面を含む、ホルダと、を備える、態様6に記載のシステム。
【0164】
態様7.
カプセルは、機械的アクチュエータを、十二指腸に対応する消化管の一部分の制約から解放するように構成される、態様6に記載のシステム。
【0165】
態様8.
カプセルは、十二指腸内で分解して、機械的アクチュエータを制約から解放するように構成される、態様7に記載のシステム。
【0166】
態様9.
機械的アクチュエータおよびキャリアは各々、機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れる方向に、外向きに移動するように構成される、態様6に記載のシステム。
【0167】
態様10.
機械的アクチュエータは、機械的アクチュエータの中央長手方向軸に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能な、折り畳み式管を含む、態様6に記載のシステム。
【0168】
態様11.
折り畳み式管は、部材間の配置間隔が収縮状態よりも拡張状態で大きい、相互接続された可撓性部材のネットワークから形成される、態様10に記載のシステム。
【0169】
態様12.
機械的アクチュエータは、中央ヒンジを有する側方カラムによって接合された上部クロスビームおよび下部クロスビームを含む、態様6に記載のシステム。
【0170】
態様13.
中間ヒンジの少なくとも一つは、収縮状態と拡張状態との間でシフトする場合、上部クロスビームの一方の端部の下方から反対の端部の下方まで移動する、態様12に記載のシステム。
【0171】
態様14.
中間ヒンジは、収縮状態と拡張状態との間でシフトする場合、互いに通過する、態様12に記載のシステム。
【0172】
態様15.
側方カラムは、側方カラムのうちの少なくとも一つが、収縮状態と拡張状態との間でシフトする間に移動する、その間にスロットを画定する、少なくとも一組の二つのカラムを含む、態様12に記載のシステム。
【0173】
態様16.
機械的アクチュエータは、拡張状態よりも収縮状態でよりきつく巻かれる、複数の重複回転部を有するコイルを含む、態様6に記載のシステム。
【0174】
態様17.
機械的アクチュエータは、近位端で中央コアに取り付けられ、遠位端が螺旋方向にコアから離れて回転して、収縮状態から拡張状態へ移動するように移動可能な、複数の湾曲アームを含む、態様6に記載のシステム。
【0175】
態様18.
機械的アクチュエータは、複数の二重ヒンジ式アームと連結されたハブであって、二重ヒンジ式アームは各々、(i)二重ヒンジ式アームの近位部分をハブに連結する第一のヒンジと、(ii)二重ヒンジ式アームの近位部分を二重ヒンジ式アームの遠位部分に連結する第二のヒンジと、を含む、ハブを備える、態様6に記載のシステム。
【0176】
態様19.
収縮状態で、二重ヒンジ式アームの近位部分は、機械的アクチュエータの中央長手方向軸に対して、二重ヒンジ式アームの遠位部分の外向きに位置決めされる、態様18に記載のシステム。
【0177】
態様20.
収縮状態から拡張状態へ移動する際に、(i)二重ヒンジ式アームの近位部分は、ハブから離れて開き、(ii)二重ヒンジ式アームの遠位部分は、二重ヒンジ式アームの近位部分から離れて開く、態様18に記載のシステム。
【0178】
態様21.
キャリアは、機械的アクチュエータの周りに配置された拡張可能なバンドを含む、態様6に記載のシステム。
【0179】
態様22.
マイクロニードルのアレイは、機械的アクチュエータと機械的に連結される、態様6に記載のシステム。
【0180】
態様23.
マイクロニードルのアレイは、機械的アクチュエータの材料に一体的に形成される、態様22に記載のシステム。
【0181】
態様24.
マイクロニードルのアレイは、
2以上3以下のアスペクト比、
1.5mm以上2mm以下のピッチ、
および1ミクロン未満の鋭利度を含む、特性を備える、態様6に記載のシステム。
【0182】
態様25.
対象を、薬剤または生物治療薬により治療する方法であって、態様1に記載の装置を、対象に投与することを含み、装置が、薬剤または生物治療ペイロードを含む、方法。
【0183】
態様26.
対象を、薬剤または生物治療薬により治療する方法であって、態様に記載6のシステムを、前記対象に投与することを含み、システムが、薬剤または生物治療薬ペイロードを含む、方法。
【0184】
態様27.
マイクロニードルのアレイを、中央長手方向軸から外向きに拡張可能な機械的アクチュエータと連結することによって組立体を形成すること、
組立体を、カプセルが、機械的アクチュエータが拡張することを制約する第一の状態を有するカプセル内に配置することであって、カプセルによる制約が解除されて、マイクロニードルのアレイを、標的位置での組織との係合に駆動するために、機械的アクチュエータが拡張することを可能にする、第二の状態に、対象内の標的位置でカプセルが再構成可能である、配置すること、を含む、作製方法。
【0185】
態様28.
機械的アクチュエータと連結する前に、マイクロニードルのアレイを形成することをさらに含む、態様27に記載の方法。
【0186】
態様29.
マイクロニードルのアレイを、機械的アクチュエータと連結することは、マイクロニードルのアレイを、機械的アクチュエータの材料に一体的に形成することを含む、態様27に記載の方法。
【0187】
態様30.
マイクロニードルのアレイを、機械的アクチュエータと連結することは、機械的アクチュエータを、マイクロニードルを支える拡張可能なバンド内に配置することを含む、態様27に記載の方法。
【0188】
態様31.
2以上3以下のアスペクト比
1.5mm以上2mm以下のピッチ、
または1ミクロン未満の鋭利度を含む、特徴を有するマイクロニードルのアレイを形成することをさらに含む、態様27に記載の方法。
【0189】
一部の態様では、装置、システム、または方法は、以下の実施例のうちの一つ以上に係り、またはそれらの要素のいくつかの組み合わせに係り提供される。一部の態様では、これらの実施例のうちの一つ以上に記載される装置またはシステムを利用して、他の実施例のうちの一つに記載される方法を実行することができる。さらに、装置またはシステムに関して記述された特徴は、方法に対して実施され得、またはその逆もあり得る。
【0190】
実施例1.
システムであって、
カプセルであって、
カプセルの内部容積を画定する内面と、および消化管
の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された外面と、を有する、シェルを含む、カプセルと、
カプセルの内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアと、マイクロニードルに消化管の内層に浸透させるために、キャリア
を外向きに移動させるように動作可能な機械的アクチュエータと、を備え、機械的アクチュエータは、
第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、第一の端部および前記第二の端部が、拡張状態から、機械的アクチュエータがカプセルの内部容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動するために、互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み、可撓性の弾性材料は、第一の端部および第二の端部を互いに付勢させて、収縮状態から拡張状態に向けて移動させ、機械的アクチュエータがカプセルによって提供される制約を克服または回避する際にキャリアを外向きに移動させる、弾性をさらに有する、折り畳み式付勢部材と、
付勢部材の第一の端部とヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアを支持するための支持面を含む、ホルダと、を備える、システム。
【0191】
実施例2.
折り畳み付勢部材の第一の端部と連結されたリンク機構をさらに備える、実施例1に記載のシステム。
【0192】
実施例3.
リンク機構は、ホルダがカプセルの内面からマイクロニードルのアレイの先端を、間隔をあけて配置するために、収縮状態で受けられる、チャネルを含む、実施例2に記載のシステム。
【0193】
実施例4.
ホルダは、リンク機構に少なくとも部分的に含まれるヒンジを介して、付勢部材の第一の端部とヒンジ式に取り付けられる、実施例2に記載のシステム。
【0194】
実施例5.
ホルダまたはリンク機構上に含まれ、ヒンジが所定の限界を超えて回転することを防止するように配置される、ヒンジ止め面をさらに備える、実施例4に記載のシステム。
【0195】
実施例6.
折り畳み式付勢部材は、ニチノールワイヤを含む、実施例1に記載システム。
【0196】
実施例7.
折り畳み式付勢部材は、第一の折り畳み式付勢部材であり、ホルダは、第一の折り畳み式付勢部材および第二の折り畳み式付勢部材に対向する側面でヒンジ式に取り付けられる、実施例1に記載のシステム。
【0197】
実施例8.
折り畳み式付勢部材およびホルダは、
第一のホルダおよび第二のホルダと、
第一のリンク機構、第二のリンク機構、第三のリンク機構および第四のリンク機構と、
配置される第一の折り畳み式付勢部材および第二の折り畳み式付勢部材と、を備える、組立体内に含まれ、その結果、
第一の折り畳み式付勢部材が、第一のリンク機構および第二のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
第二の折り畳み式付勢部材が、第三のリンク機構および第四のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
第一のホルダが、第一のリンク機構および第三のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結され、
第二のホルダが、第二のリンク機構および第四のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結される、実施例1に記載のシステム。
【0198】
実施例9.
ホルダは、第一のホルダであって、収縮状態で第二のホルダに取り付けられるように配置され、第一のホルダおよび第二のホルダを互いに対して対称的に配置することを可能にするように解放するように構成される、取り外し可能な取り付け面を備える、第一のホルダである、実施例1に記載のシステム。
【0199】
実施例10.
横方向に隣接するホルダの間にそれぞれ延在するように配置された少なくとも三つの折り畳み式付勢部材によって相互接続された、少なくとも三つのホルダを含む、実施例1に記載のシステム。
【0200】
実施例11.
システムであって、
カプセルであって、
第一のシェル部分と、
第二のシェル部分と、
第一のシェル部分を第二のシェル部分と取り外し可能に取り付ける関節部と、
第一のシェル部分および第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、カプセルの内部容積を画定する内面と、第一のシェル部分および第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、消化管の内層によって画定された内腔を通過するようにサイズ設定された
外面と、を有する、シェルを備える、カプセルと、
カプセルの内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアと、関節部によって提供される制約を克服または回避する際に動作可能であり
第一のシェル部分および第二のシェル部分をキャリアから離れて駆動して、マイクロニードルのアレイを露出させるために動作可能なランチャーと、を備える、システム。
【0201】
実施例11A.
ランチャーは、マイクロニードルのアレイの周りの消化管の蠕動収縮によって引き起こされる消化管の内層との貫通係合を達成するための位置に、マイクロニードルのアレイを露出させるように動作可能である、実施例11に記載のシステム。
【0202】
実施例12.
ランチャーの部分は、第一のシェル部分および第二のシェル部分をキャリアから離れて駆動した後に、その中に保持されるように、第一のシェル部分および第二のシェル部分内にそれぞれ取り付けられる、実施例11に記載のシステム。
【0203】
実施例13.
ランチャーは、キャリアと連結されたコアのレバレッジ面に対して押圧するように配置されたコイルばねを備える、実施例11に記載のシステム。
【0204】
実施例14.
第一のシェル部分および第二のシェル部分は、キャリアと連結されたコアから延在するフランジを受けて、カプセル内のコアの移動を制限するように成形された溝を含む、実施例11に記載のシステム。
【0205】
実施例15.
キャリアは、マイクロニードルのアレイを、消化管の内層との貫通係合から解除するのに十分な解除力よりも大きさが小さい解放力に応答して、解放可能な結合によってコアに取り付けられる、実施例11に記載のシステム。
【0206】
実施例16.
マイクロニードル送達のために構成された機械的アクチュエータを備えるシステムであって、機械的アクチュエータは、第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、
第一の端部および第二の端部が、拡張状態から、機械的アクチュエータが摂取可能なカプセル内に嵌合するようにサイズ設定された容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動するために、互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み、可撓性の弾性材料は、収縮状態から拡張状態に向けて移動するために、第一の端部および第二の端部を互いから離れて付勢させる弾性をさらに有する、折り畳み式付勢部材と、
付勢部材の第一の端部とヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアを支持するように構成された支持面を含むホルダであって、支持面は、収縮状態から拡張状態に向けての移動に応答して、マイクロニードルを展開するための外向きの移動のためにキャリアを支持するように構成される、ホルダと、を備える、システム。
【0207】
実施例17.
マイクロニードルのアレイを支えるキャリアをさらに備える、実施例16に記載のシステム。
【0208】
実施例18.
カプセルをさらに含む、実施例16に記載のシステム。
【0209】
実施例19.
折り畳み式付勢部材およびホルダは、
第一のホルダおよび第二のホルダと、
第一のリンク機構、第二のリンク機構、第三のリンク機構および第四のリンク機構と、
配置される第一の折り畳み式付勢部材および第二の折り畳み式付勢部材と、を備える、組立体内に含まれ、その結果、
第一の折り畳み式付勢部材が、第一のリンク機構および第二のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
第二の折り畳み式付勢部材が、第三のリンク機構および第四のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
第一のホルダが、第一のリンク機構および第三のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結され、
第二のホルダが、第二のリンク機構および第四のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結される、実施例16に記載のシステム。
【0210】
実施例20.
マイクロニードルのアレイおよびランチャーを含有するカプセルを含む装置であって、該装置は、対象の十二指腸への送達のために摂取可能な形態であり、十二指腸内またはその途中の刺激または状況に応答して、カプセルの第一のシェル部分および第二のシェル部分を互いから解放して、ランチャーは、解放された第一のシェル部分および第二のシェル部分を互いから離れて駆動して、露出したマイクロニードルのアレイの周りの十二指腸の内層の蠕動収縮によって引き起こされる十二指腸の内層との貫通係合を達成するための位置に、マイクロニードルのアレイを露出させ、貫通係合により、マイクロニードルを介してペイロードの送達が容易になる、装置。
【0211】
本明細書における実施例または実装への言及は、実施例に関連して記述される特定の特徴、構造、動作、またはその他の特性が、本開示の少なくとも一つの実装に含まれ得ることを意味する。本開示は、そのように記載される特定の実施例または実装に限定されない。「一つの実施例での」、「ある実施例での」、「一つの実装での」、または「ある実装では」語句の記載、もしくは本明細書の様々な箇所でのその変形例は、必ずしも同一の実施例又は実装を指すものではない。一つの実施例または実装に関連して、本明細書に記述される任意の特定の特徴、構造、動作、またはその他の特性は、他の任意の実施例または実装に関して記述される他の特徴、構造、動作、またはその他の特性と組み合わせられ得る。
【0212】
本明細書における用語「or(または)」の使用は、包括的かつ排他的なOR条件を網羅することを意図する。言い換えれば、AまたはBまたはCは、特定の使用に適切な場合、以下の代替的な組み合わせ:A単独、B単独、C単独、AおよびBのみ、AおよびCのみ、BおよびCのみ、ならびにAおよびBおよびCの三つすべてのいずれかまたはすべてを含む。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
カプセルであって、
第一のシェル部分と、
第二のシェル部分と、
前記第一のシェル部分を、前記第二のシェル部分と取り外し可能に取り付ける関節部と、
前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、前記カプセルの内部容積を画定する内面と、
前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分によって少なくとも部分的に画定され、内層を有する消化管の一部分を通過するようにサイズ設定された外面と、を有する、シェルを含む、カプセルと、
前記カプセルの前記内部容積内に嵌合するようにサイズ設定され、マイクロニードルのアレイを支える、キャリアと、
前記関節部によって提供される制約を克服または回避する際に動作可能で、前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分を前記キャリアから離れて駆動し、マイクロニードルの前記アレイを露出させるために動作可能なランチャーと、を備える、システム。
【請求項2】
前記ランチャーは、マイクロニードルの前記アレイの周りの前記消化管の蠕動収縮によって引き起こされる前記消化管の前記内層との貫通係合を達成するための位置に、マイクロニードルの前記アレイを露出させるように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ランチャーの部分は、前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分を前記キャリアから離れて前記駆動した後に、その中に保持されるように、前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分内にそれぞれ取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ランチャーは、前記キャリアと連結されたコアのレバレッジ面に対して押圧するように配置されたコイルばねを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一のシェル部分および前記第二のシェル部分は、前記キャリアと連結されたコアから延在するフランジを受けて、前記カプセル内の前記コアの移動を制限するように成形された溝を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記キャリアは、マイクロニードルの前記アレイを、前記消化管の前記内層との貫通係合から解除するのに十分な解除力よりも大きさが小さい解放力に応答して、解放可能な結合によってコアに取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
マイクロニードル送達のために構成された機械的アクチュエータを備えるシステムであって、前記機械的アクチュエータは、
第一の端部および第二の端部を含む折り畳み式付勢部材であって、前記第一の端部および前記第二の端部が、拡張状態から、前記機械的アクチュエータが摂取可能なカプセル内に嵌合するようにサイズ設定された容積内に嵌合する、収縮状態に向けて移動するために、互いに向けて折り畳まれることを可能にする可撓性を有する、可撓性の弾性材料を含み、前記可撓性の弾性材料は、前記第一の端部および前記第二の端部を互いから離れて付勢させて、前記収縮状態から前記拡張状態に向けて移動させる、弾性をさらに有する、折り畳み式付勢部材と、
前記付勢部材の前記第一の端部にヒンジ式に取り付けられ、マイクロニードルのアレイを支えるキャリアを支持するために構成された支持面を含む、ホルダであって、前記支持面が、前記収縮状態から前記拡張状態への移動に応答して、前記マイクロニードルを展開するための外向きの移動のために前記キャリアを支持するよう構成される、ホルダと、を備える、システム。
【請求項8】
前記折り畳み付勢部材の前記第一の端部と連結されたリンク機構をさらに含み、前記リンク機構が、前記ホルダが前記カプセルの前記内面から前記マイクロニードルのアレイの先端を、間隔を開けて配置するために、収縮状態で受けられる、チャネルを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記折り畳み付勢部材の前記第一の端部と連結されたリンク機構をさらに含み、前記ホルダが、前記リンク機構に少なくとも部分的に含まれるヒンジを介して、前記付勢部材の前記第一の端部とヒンジ式に取り付けられる、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ホルダまたは前記リンク機構に含まれ、前記ヒンジが所定の限界を超えて回転することを防止するように配置される、ヒンジ止め面をさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記折り畳み付勢部材が、第一の折り畳み付勢部材であって、前記ホルダが、前記第一の折り畳み付勢部材および第二の折り畳み付勢部材に対向する側面でヒンジ式に取り付けられる、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記折り畳み式付勢部材および前記ホルダは、
第一のホルダおよび第二のホルダと、
第一のリンク機構、第二のリンク機構、第三のリンク機構、および第四のリンク機構と、
配置された第一の折り畳み式付勢部材および第二の第一の折り畳み式付勢部材と、を備える、組立体内に含まれ、その結果、
前記第一の折り畳み式付勢部材が、前記第一のリンク機構および前記第二のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
前記第二の折り畳み式付勢部材が、前記第三のリンク機構および第四のリンク機構にそれぞれ受けられる対向する端部を有し、
前記第一のホルダが、前記第一のリンク機構および前記第三のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結され、
前記第二のホルダが、前記第二のリンク機構および前記第四のリンク機構に対向する側面でヒンジ式に連結される、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記ホルダが、収縮状態で第二のホルダに取り付けられるように配置され、前記第一のホルダおよび前記第二のホルダを互いに対して対称的に配置することを可能にするように解放するように構成される、取り外し可能な取り付け面を備える、第一のホルダである、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
マイクロニードルのアレイおよび機械的アクチュエータを含有するカプセルを備える装置であって、前記装置は、対象の消化管への送達のために摂取可能な形態であり、前記消化管内またはその途中の刺激または状況に応答して、前記機械的アクチュエータを、前記カプセルによる制約から解放し、前記機械的アクチュエータが、前記カプセルによる制約からの解放時に、前記機械的アクチュエータの中央長手方向軸から離れた方向に外向きに拡張し、マイクロニードルの前記アレイを、前記消化管の内層との貫通係合に駆動し、前記貫通係合により、前記マイクロニードルを介したペイロードの送達が容易になり、前記機械的アクチュエータが、
前記機械的アクチュエータの前記中央長手方向軸に向けて圧縮可能で、それから離れて拡張可能な、折り畳み式管と、
中央ヒンジを有する側方カラムによって接合された上部クロスビームおよび下部クロスビームと、
拡張状態よりも収縮状態でよりきつく巻かれる、複数の重複回転部を有するコイルと、
近位端で中央コアに取り付けられ、遠位端が螺旋方向に前記コアから離れて回転して、収縮状態から拡張状態へ移動するように移動可能な、複数の湾曲アームと、
複数の二重ヒンジ式アームと連結されたハブであって、二重ヒンジ式アームは各々、(i)前記アームの近位部分を前記ハブに連結する第一のヒンジと、(ii)前記アームの前記近位部分を前記アームの遠位部分に連結する第二のヒンジと、を含む、ハブと、を備える、装置。
【請求項15】
マイクロニードルの前記アレイは、前記機械的アクチュエータの周りに配置され、前記機械的アクチュエータの拡張に応答して、拡張するように構成される、拡張可能なバンドによって支えられる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
対象を、薬剤または生物治療薬により治療する方法であって、請求項14に記載の装置を、前記対象に投与することを含み、前記装置が、薬剤または生物治療薬ペイロードを含む、方法。
【国際調査報告】