(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-18
(54)【発明の名称】水性バリアコーティングを有する二重壁板紙容器
(51)【国際特許分類】
B65D 3/22 20060101AFI20230810BHJP
D21H 19/36 20060101ALI20230810BHJP
D21H 19/82 20060101ALI20230810BHJP
B32B 29/00 20060101ALI20230810BHJP
D21H 27/30 20060101ALI20230810BHJP
D21H 27/32 20060101ALI20230810BHJP
B65D 65/42 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
B65D3/22 C
D21H19/36 Z
D21H19/82
B32B29/00
D21H27/30 B
D21H27/32 A
B65D65/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502799
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 US2021044015
(87)【国際公開番号】W WO2022026899
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504376810
【氏名又は名称】ウエストロック・エム・ダブリュー・ヴイ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジエビン・パン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・アール・マクニール
(72)【発明者】
【氏名】ナターシャ・ジー・メルトン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ケー・クナップ
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
4L055
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AD06
3E086BA14
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BA35
3E086BB01
3E086BB51
3E086BB71
3E086CA01
3E086CA11
4F100AA08C
4F100AC03C
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4F100AK12C
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4F100YY00C
4L055AG11
4L055AG27
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4L055AH02
4L055AH37
4L055EA10
4L055EA12
4L055GA05
(57)【要約】
コートされた板紙容器は、内側板紙基材、外側板紙基材、内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティング、および外側板紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングを含む。内側板紙基材および前記外側板紙基材は接着剤で結合される。第1の水性バリアコーティングおよび第2の水性バリアコーティングは、顔料およびバインダーを含み、第1の水性バリアコーティングはヒートシール可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側板紙基材と、
外側板紙基材と、
前記内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティングと、
前記外側板紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングと、を含むコートされた板紙容器。
【請求項2】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は接着剤で結合される請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項3】
前記内側板紙基材と前記第1の水性バリアコーティングとの間に位置する第1のベースコーティングを含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項4】
前記外側板紙基材と前記第2の水性バリアコーティングとの間に位置する第2のベースコーティングを含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項5】
前記第2の水性バリアコーティングは前記外側板紙基材の内面上に位置する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項6】
前記第2の水性バリアコーティングは前記外側板紙基材の外面上に位置する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項7】
前記第1の水性バリアコーティングは前記内側板紙基材の内面上に位置する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項8】
前記外側板紙基材の外面上に位置するトップコート層を含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項9】
前記第2の水性バリアコーティング上に位置するトップコート層を含む請求項6に記載のコートされた板紙容器。
【請求項10】
前記外側板紙基材は固体漂白硫酸塩を含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項11】
前記内側板紙基材は固体漂白硫酸塩を含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項12】
前記外側板紙基材は、約140lb/3000ft
2~約185lb/3000ft
2の範囲の基本重量を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項13】
前記板紙基材は、約120lb/3000ft
2~約200lb/3000ft
2の範囲の基本重量を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項14】
前記第1の水性バリアコーティングは、第1の層および第2の層を含み、
前記第2の水性バリアコーティングは、第1の層および第2の層を含む、請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項15】
前記第1の水性バリアコーティングの前記第1の層は、約6.0lb/3msf~約10.0lb/3msfの範囲のコート重量を有し、
前記第2の水性バリアコーティングの前記第1の層は、約6.0lb/3msf~約10.0lb/3msfの範囲のコート重量を有する、請求項14に記載のコートされた板紙容器。
【請求項16】
前記第1の水性バリアコーティングの前記第1の層は、約7.5lb/3msf~約7.8lb/3msfの範囲のコート重量を有し、
前記第2の水性バリアコーティングの前記第1の層は、約7.5lb/3msf~約7.8lb/3msfの範囲のコート重量を有する、請求項14に記載のコートされた板紙容器。
【請求項17】
前記第1の水性バリアコーティングの前記第2の層は、約2.0lb/3msf~約6.0lb/3msfの範囲のコート重量を有し、
前記第2の水性バリアコーティングの前記第2の層は、約2.0lb/3msf~約6.0lb/3msfの範囲のコート重量を有する、請求項14に記載のコートされた板紙容器。
【請求項18】
前記第1の水性バリアコーティングの前記第2の層は、約2.8lb/3msf~約5.0lb/3msfの範囲のコート重量を有し、
前記第2の水性バリアコーティングの前記第2の層は、約2.8lb/3msf~約5.0lb/3msfの範囲のコート重量を有する、請求項14に記載のコートされた板紙容器。
【請求項19】
前記第1の水性バリアコーティングはバインダーおよび顔料を含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項20】
前記第2の水性バリアコーティングはバインダーおよび顔料を含む請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項21】
前記バインダーはスチレン-アクリレートを含む請求項19に記載のコートされた板紙容器。
【請求項22】
前記バインダーはスチレン-アクリレートを含む請求項20に記載のコートされた板紙容器。
【請求項23】
前記顔料はカオリンクレイを含む請求項19に記載のコートされた板紙容器。
【請求項24】
前記顔料はカオリンクレイを含む請求項20に記載のコートされた板紙容器。
【請求項25】
前記顔料はCaCO
3を含む請求項19に記載のコートされた板紙容器。
【請求項26】
前記顔料はCaCO
3を含む請求項20に記載のコートされた板紙容器。
【請求項27】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも約3.8g/m
2の30分-水-Cobb評点を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項28】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも約4.8g/m
2の30分-水-Cobb評点を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項29】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも約5.2g/m
2の30分-水-Cobb評点を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項30】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも約10.0g/m
2の30分-水-Cobb評点を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項31】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも1日につき約200g/m2の水蒸気透過率を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項32】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも1日につき約300g/m2の水蒸気透過率を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項33】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも1日につき約400g/m2の水蒸気透過率を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項34】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも1日につき約500g/m2の水蒸気透過率を有する請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項35】
第1の水性バリアコーティングでコートされた内側板紙基材および第2の水性バリアコーティングでコートされた外側板紙基材を有する二重壁カップを製造する方法であって、
前記内側板紙基材でカップ構造を形成するステップと、
接着剤を前記カップ構造へ塗布するステップと、
前記カップ構造を前記外側板紙基材で包むステップと、を含む方法。
【請求項36】
前記接着剤は、にかわである請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記内側板紙基材は固体漂白硫酸塩を含む請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記外側板紙基材は固体漂白硫酸塩を含む請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の水性バリアコーティングはバインダーおよび顔料を含む請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記第2の水性バリアコーティングはバインダーおよび顔料を含む請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記バインダーはスチレン-アクリレートを含む請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記バインダーはスチレン-アクリレートを含む請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の水性バリアコーティングは、前記外側板紙基材の内面上に位置する請求項35に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の水性バリアコーティングは、前記外側板紙基材の外面上に位置する請求項35に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の水性バリアコーティングは、前記内側板紙基材の内面上に位置する請求項35に記載の方法。
【請求項46】
内側板紙基材と、
外側板紙基材と、
前記内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティングと、
前記外側板紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングと、
前記内側板紙基材と前記外側板紙基材との間に位置する接着剤と、を含む二重壁カップ。
【請求項47】
前記内側板紙基材と前記第1の水性バリアコーティングとの間に位置する第1のベースコーティングを含む請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項48】
前記外側板紙基材と前記第2の水性バリアコーティングとの間に位置する第2のベースコーティングを含む請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項49】
前記第2の水性バリアコーティングは前記外側板紙基材の内面上に位置する請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項50】
前記第2の水性バリアコーティングは前記外側板紙基材の外面上に位置する請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項51】
前記第1の水性バリアコーティングは前記内側板紙基材の内面上に位置する請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項52】
前記外側板紙基材の外面上に位置するトップコート層を含む請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項53】
前記第2の水性バリアコーティング上に位置するトップコート層を含む請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項54】
前記外側板紙基材は固体漂白硫酸塩を含む請求項46に記載の二重壁カップ。
【請求項55】
前記内側板紙基材は固体漂白硫酸塩を含む請求項46に記載の二重壁カップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コートされた板紙容器の分野に関し、より詳細には、水性バリアコーティングを有するコートされた板紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
板紙は、容器など種々の包装用途に使用される。例えば、板紙は、食品および飲料業界において、熱または冷飲料を保持するための板紙カップを形成するために使用される。
【0003】
熱飲料を保持するための板紙カップは、通常、飲料から板紙基材内への液体の吸収を最小限に抑えるために、カップの内面上に強化された液体バリア特性を必要とする。冷飲料を保持するための板紙カップは、通常、飲料から板紙基材内への液体の吸収を最小限に抑えるためにカップの内面上、および凝縮液から板紙基材内への液体の吸収を最小限に抑えるためにカップの外面上で、強化された液体バリア特性を必要とする。
【0004】
板紙は、通常、ヒートシール可能であり、カップ製造機上で板紙カップを形成することを可能にする。ポリエチレン(PE)押出コートされた板紙は、優れたバリア特性および優れたヒートシール特性の両方を提供することにより、そのような用途においては現在のところまだ主流である。しかしながら、このようなポリエチレン押出コーティングを有する板紙カップは、再パルプ化プロセス中、ポリエチレンフィルムが分解し難いため、リサイクルおよび再パルプ化における困難さがあり、容易にリサイクルすることができず、環境問題が生じる。したがって、ポリエチレン押出コートされた板紙カップを置き換える新しいコーティング技術を含む代替の解決策に対する要求が増大している。
【0005】
さらに、ポリエチレンコーティングを有しない多くの板紙容器は、液体浸透の問題を被る可能性がある。液体浸透は、板紙容器の構造的完全性を損ない、容器の内面を染色し、容器の外面を染色する可能性がある。構造的および染色の問題は、高温、空気の流れの増加、または酸性ソーダ飲料などの攻撃性のある添加剤が容器に入っている場合の条件下で悪化する可能性がある。
【0006】
したがって、当業者は、コートされた板紙容器の分野で研究開発を継続する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例では、コートされた板紙容器は、内側板紙基材と、外側板紙基材と、内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティングと、外側紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングとを含む。内側板紙基材および外側板紙基材は接着剤で結合されている。第1の水性バリアコーティングおよび第2の水性バリアコーティングは、顔料およびバインダーを含み、第1の水性バリアコーティングはヒートシール可能である。
【0008】
一実施例では、第1の水性バリアコーティングでコートされた内側板紙基材および第2の水性バリアコーティングでコートされた外側板紙基材を有する二重壁カップを製造する方法は、内側板紙基材でカップ構造を形成し、接着剤をカップ構造へ塗布し、そしてカップ構造を外側板紙基材で包むことを含む。
【0009】
一実施例では、二重壁カップは、内側板紙基材と、外側板紙基材と、内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティングと、外側板紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングと、内側板紙基材と外側板紙基材との間に位置する接着剤とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】開示された板紙ベースの容器の一態様の1つの側面の立面図である。
【
図2】
図1の板紙ベースの容器の側壁を形成する二重壁板紙構造の断面図である。
【
図3】
図2に示される板紙構造の代替として使用されてよい二重壁板紙構造の断面図である。
【
図4】
図2に示される板紙構造の代替として使用されてよい二重壁板紙構造の断面図である。
【
図5】
図2に示される板紙構造の代替として使用されてよい二重壁板紙構造の断面図である。
【
図6】
図2に示される板紙構造の代替として使用されてよい二重壁板紙構造の断面図である。
【
図7】二重壁カップを製造する方法のフローチャートである。
【
図8】実験試行後の3つのカップの内面の説明図である。
【
図9】実験試行後の3つのカップの外面の説明図である。
【
図10】実験試行後の2つのカップの内面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
持続可能性は、食品用の新しい包装容器の開発における重要な推進力である。低密度ポリエチレン(LDPE)押出コーティングを施した板紙は、通常、食品業界で使用されている。しかしながら、これらのコーティングは容易にリサイクルすることができないため、環境への懸念が生じる。水性コーティングでコートされた板紙は、一般にリサイクル可能であるので、持続可能であると考えられているが、通常、LDPEでコートされた板紙と同じ構造特性をもたらさない。特に、水性コーティングを施した板紙は、LDPEコートされた板紙の容器と比較して、通常、液体耐性のレベルが劣る。
【0012】
コーヒー、ソーダ、スポーツドリンクなどの多くの飲料は、板紙壁を通して水性バリアコーティング層を損傷かつ浸透する可能性がある油および界面活性剤を含有する。追加のバリアで、より厚い構造を作成すると、劣化過程を停止または大幅に遅延させるので、液体の吸収および透過機構を修正することにより、板紙容器の寿命を延ばす可能性がある。液体の吸収および透過機構の修正の一実施例には、上包の使用である。別の実施例には、単一壁容器の外壁上の低蒸気透過率コーティングの使用が含まれる。
【0013】
実施例では、本明細書は、内側板紙基材と、外側板紙基材、別の言い方をすれば上包とからなる側壁を有するコートされた板紙容器に関する。内側板紙基材および外側板紙基材は、それぞれ、優れた性能および特性を備えた水性バリアコーティングを有する。水性バリアコーティングは、再パルプ化中に容易に分解するので、ポリエチレン押出コーティングを有する板紙容器よりも容易に再パルプ化可能である。さらに、本明細書のコートされた板紙容器は、従来の水性バリアコートされた板紙カップに対して著しく改善された性能および特性を示す。異なるコーティング構造および構成を有する水性バリアコートされた板紙容器は、広範囲の特性および性能について試験かつ評価された。
【0014】
実施例では、コートされた板紙容器は、ボトムストック板紙基材と、ボトムストック板紙基材の内面上の水性バリアコーティングと、を含む底壁をさらに含み、ボトムストック板紙基材の円周部が、側壁の水性バリアコーティングおよび底壁の水性バリアコーティングのうち少なくとも1つを経由して、側壁板紙基板の下端へヒートシールされる。試験および評価方法の詳細は本明細書に記載される。
【0015】
図1は、板紙容器100の例示的な実施形態を示す。実施例では、板紙容器100はカップである。板紙容器100は、側壁102および底壁104を含んでよい。側壁102は、内側板紙基材110および外側板紙基材120を含んでよい。内側板紙基材110および外側板紙基材120は、漂白されても無漂白であってもよい。適切な板紙基材の例には、段ボール用中芯、ライナーボード、固体漂白硫酸塩(SBS)、無漂白クラフト、および折り畳み箱用ボード(FBB)が含まれる。実施例では、内側板紙基材110および外側板紙基材120は、18pt、1851b/3000ft
2、TruServ(登録商標)Cupstockを含んでよい。実施例では、底壁104は、13pt、150lb/3000ft
2、TruServ(登録商標)Cupstockを含んでよい。実施例では、底壁104は、11pt、140lb/3000ft
2、TruServ(登録商標)Cupstockを含んでよい。
【0016】
図2は、板紙容器100の側壁102の断面図の例示的な実施形態を示す。実施例では、側壁102は、内側板紙基材110および外側板紙基材120からなる。内側板紙基材110は、第1の水性バリアコーティング130でコートされてよい。第1の水性バリアコーティング130は、内側板紙基材110の内面112上に位置してよい。外側板紙基材120は、第2の水性バリアコーティング140でコートされてよい。第2の水性バリアコーティング140は、外側板紙基材120の内面122上に位置してよい。実施例では、第1の水性バリアコーティング130はヒートシール可能である。加熱されると、ヒートシール可能なコーティングは、接触する製品の他の領域へ接着する。
【0017】
接着剤150は、内側板紙基材110と外側板紙基材120との間に位置してよい。接着剤150は、内側板紙基材110を外側板紙基材120と結合するように構成されてよい。実施例では、接着剤150は、にかわである。接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って概ね円形の滴で塗布されてよい。実施例では、接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って単層として塗布されてよい。
【0018】
第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140は、顔料およびバインダーを含んでよい。一表現では、顔料に対するバインダーの比率は、重量比で少なくとも約1:2であり得る。別の表現では、顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2~約9:1であり得る。別の表現では、顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:1~約4:1であり得る。さらに別の表現では、顔料に対するバインダーの比率は、重量比で少なくとも約1:1であり得る。
【0019】
実施例では、顔料は、炭酸カルシウム(CaCO3)顔料を含んでよい。実施例では、CaCO3顔料は、粒子の約60%が2ミクロン未満である粒度分布を有する粗粉砕CaCO3であり得る。実施例では、CaCO3顔料は、粒子の約90%が2ミクロン未満である粒度分布を有する微粉砕CaC3であり得る。実施例では、CaCO3顔料は、約0.4ミクロンの平均粒度を有する微粉砕CaCO3であり得る。実施例では、顔料は、高アスペクト比を有する板状クレイであり得る。実施例では、第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140は、炭酸カルシウム顔料およびクレイ顔料の組み合わせを含む、本明細書に記載される顔料の任意の組み合わせを含んでよい。
【0020】
バインダーは、ガラス転移温度Tgが約30℃である水ベースのアクリルエマルションポリマーであってよい。実施例では、バインダーは、約8℃のTgを有する水ベースのスチレン-アクリルラテックスポリマーであってよい。1つの一般的かつ非限定的な例として、バインダーはスチレン-アクリレート(SA)であってよい。別の一般的かつ非限定的な例として、バインダーは、スチレン-アクリレート(SA)を含むバインダーの混合物であってよい。他の水性バインダー、例えば、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、エチレンアクリル酸(EAA)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)、ポリビニルアクリル、ポリエステル分散、およびこれらの組み合わせなども考えられる。
【0021】
実施例では、第1および第2の水性バリアコーティング130、140は、それぞれ、第1の層130A、140A(
図2参照)については、約6.0lb/3msf~約10.0lb/3msf、例えば、約7.5lb/3msf~約7.8lb/3msfの範囲のコート重量であり、第2の層130B、140B(
図2参照)については、約2.0lb/3msf~約6.0lb/3msf、例えば、約2.8lb/3msf~約5.0lb/3msfの範囲のコート重量である2層バリアコーティングを有する。実施例では、底壁104は、約9lb/3msf~約12.5lb/msfの範囲の第1の層のコート重量を有する。実施例では、底壁104は、約2.1lb/3msf~約5.1lb/msfの範囲の第2の層のコート重量を有する。3層以上の層も、本開示の範囲を逸脱することなく使用されてよい。
【0022】
図3は、側壁102の二重壁板紙構造の例示的な断面図を示す。実施例では、側壁102は、内側板紙基材110および外側板紙基材120からなる。内側板紙基材110は、第1の水性バリアコーティング130でコートされてよい。第1の水性バリアコーティング130は、内側板紙基材110の内面112上に位置してよい。外側板紙基材120は、第2の水性バリアコーティング140でコートされてよい。第2の水性バリアコーティング140は、外側板紙基材120の内面122上に位置してよい。実施例では、第1の水性バリアコーティング130はヒートシール可能である。加熱されると、ヒートシール可能なコーティングは、接触する製品の他の領域へ接着する。
【0023】
トップコート層160は、1つまたは複数のコーターなどの任意の好適な方法を使用して、外側板紙基材120の外面124へ塗布されてよい。トップコート層160は、バインダーおよび顔料を含んでよい。第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140に有用な顔料およびバインダーは、トップコート層160にも使用されてよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:1~約1:10であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2~約1:8であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2.5~約1:5であってよい。
【0024】
接着剤150は、内側板紙基材110と外側板紙基材120との間に位置してよい。接着剤150は、内側板紙基材110を外側板紙基材120と結合するように構成されてよい。実施例では、接着剤150は、にかわである。接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って概ね円形の滴で塗布されてよい。実施例では、接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って単層として塗布されてよい。
【0025】
図4は、側壁102の二重壁板紙構造の例示的な断面図を示す。実施例では、側壁102は、内側板紙基材110および外側板紙基材120からなる。内側板紙基材110は、第1の水性バリアコーティング130でコートされてよい。第1の水性バリアコーティング130は、内側板紙基材110の内面112上に位置してよい。外側板紙基材120は、第2の水性バリアコーティング140でコートされてよい。第2の水性バリアコーティング140は、外側板紙基材120の外面124上に位置してよい。実施例では、第1の水性バリアコーティング130はヒートシール可能である。
【0026】
トップコート層160は、1つまたは複数のコーターなどの任意の好適な方法を使用して、第2の水性バリアコーティング140の上で外側板紙基材120の外面124へ塗布されてよい。トップコート層160は、バインダーおよび顔料を含んでよい。第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140に有用な顔料およびバインダーは、トップコート層160にも使用されてよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:1~約1:10であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2~約1:8であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2.5~約1:5であってよい。
【0027】
接着剤150は、内側板紙基材110と外側板紙基材120との間に位置してよい。接着剤150は、内側板紙基材110を外側板紙基材120と結合するように構成されてよい。実施例では、接着剤150は、にかわである。接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って概ね円形の滴で塗布されてよい。実施例では、接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って単層として塗布されてよい。
【0028】
図5は、側壁102の二重壁板紙構造の例示的な断面図を示す。実施例では、側壁102は、内側板紙基材110および外側板紙基材120からなる。内側板紙基材110は、第1の水性バリアコーティング130でコートされてよい。第1の水性バリアコーティング130は、内面112に沿った内側板紙基材110と第1の水性バリアコーティング130との間に位置する第1のベースコーティング170の上で内側板紙基材110の内面112上に位置してよい。外側板紙基材120は、第2の水性バリアコーティング140でコートされてよい。第2の水性バリアコーティング140は、内面122に沿った外側板紙基材120と第2の水性バリアコーティング140との間に位置する第2のベースコーティング180の上で外側板紙基材120の内面122上に位置してよい。実施例では、第1の水性バリアコーティング130はヒートシール可能である。
【0029】
第1のベースコーティング170および第2のベースコーティング180は、1つまたは複数のコーターなどの好適な方法により塗布されてよい。第1のベースコーティング170および第2のベースコーティング180は、第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140と同様の成分、すなわちバインダーおよび顔料を含んでよい。しかしながら、実施例では、比率は異なってよく、すなわち、ベースコーティングにおける顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約15:100~約45:100であってよい。
【0030】
接着剤150は、内側板紙基材110と外側板紙基材120との間に位置してよい。接着剤150は、内側板紙基材110を外側板紙基材120と結合するように構成されてよい。実施例では、接着剤150は、にかわである。接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って概ね円形の滴で塗布されてよい。実施例では、接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って単層として塗布されてよい。
【0031】
図6は、側壁102の二重壁板紙構造の例示的な断面図を示す。実施例では、側壁102は、内側板紙基材110および外側板紙基材120からなる。内側板紙基材110は、第1の水性バリアコーティング130でコートされてよい。第1の水性バリアコーティング130は、内面112に沿った内側板紙基材110と第1の水性バリアコーティング130との間に位置する第1のベースコーティング170の上で内側板紙基材110の内面112上に位置してよい。外側板紙基材120は、第2の水性バリアコーティング140でコートされてよい。第2の水性バリアコーティング140は、内面122に沿った外側板紙基材120と第2の水性バリアコーティング140との間に位置する第2のベースコーティング180の上で外側板紙基材120の内面122上に位置してよい。実施例では、第1の水性バリアコーティング130はヒートシール可能である。
【0032】
第1のベースコーティング170および第2のベースコーティング180は、1つまたは複数のコーターなどの好適な方法により塗布されてよい。第1のベースコーティング170および第2のベースコーティング180は、第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140と同様の成分、すなわちバインダーおよび顔料を含んでよい。しかしながら、実施例では、比率は異なってよく、すなわち、ベースコーティングにおける顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約15:100~約45:100であってよい。
【0033】
トップコート層160は、1つまたは複数のコーターなどの任意の好適な方法を使用して、外側板紙基材120の外面124へ塗布されてよい。トップコート層160は、バインダーおよび顔料を含んでよい。第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140に有用な顔料およびバインダーは、トップコート層160にも使用されてよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:1~約1:10であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2~約1:8であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2.5~約1:5であってよい。
【0034】
接着剤150は、内側板紙基材110と外側板紙基材120との間に位置してよい。接着剤150は、内側板紙基材110を外側板紙基材120と結合するように構成されてよい。実施例では、接着剤150は、にかわである。接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って概ね円形の滴で塗布されてよい。実施例では、接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って単層として塗布されてよい。
【0035】
図7は、方法200のフローチャートを示す。方法200は、第1の水性バリアコーティング130でコートされた内側板紙基材110と、第2の水性バリアコーティング140でコートされた外側板紙基材120とを有する二重壁カップを製造する実施例を開示する。実施例では、方法200は、内側板紙基材110でカップ構造を形成すること210を含む。実施例では、方法200は、接着剤150をカップ構造へ塗布すること220を含む。接着剤150は、内側板紙基材110を外側板紙基材120と結合するように構成されてよい。実施例では、接着剤150は、にかわである。接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って概ね円形の滴で塗布されてよい。実施例では、接着剤150は、内側板紙基材110の外面114に沿って単層として塗布されてよい。
【0036】
実施例では、方法200は、カップ構造を外側板紙基材120で包むこと230を含む。方法200の内側板紙基材110は、第1の水性バリアコーティング130でコートされてよい。第1の水性バリアコーティング130は、内面112に沿った内側板紙基材110と第1の水性バリアコーティング130との間に位置する第1のベースコーティング170の上で内側板紙基材110の内面112上に位置してよい。外側板紙基材120は、第2の水性バリアコーティング140でコートされてよい。第2の水性バリアコーティング140は、内面122に沿った外側板紙基材120と第2の水性バリアコーティング140との間に位置する第2のベースコーティング180の上で外側板紙基材120の内面122上に位置してよい。実施例では、第1の水性バリアコーティング130はヒートシール可能である。
【0037】
第1のベースコーティング170および第2のベースコーティング180は、1つまたは複数のコーターなどの好適な方法により塗布されてよい。第1のベースコーティング170および第2のベースコーティング180は、第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140と同様の成分、すなわちバインダーおよび顔料を含んでよい。しかしながら、実施例では、比率は異なってよく、すなわち、ベースコーティングにおける顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約15:100~約45:100であってよい。
【0038】
トップコート層160は、1つまたは複数のコーターなどの任意の好適な方法を使用して、外側板紙基材120の外面124へ塗布されてよい。トップコート層160は、バインダーおよび顔料を含んでよい。第1の水性バリアコーティング130および第2の水性バリアコーティング140に有用な顔料およびバインダーは、トップコート層160にも使用されてよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:1~約1:10であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2~約1:8であってよい。実施例では、トップコート層160における顔料に対するバインダーの比率は、重量比で約1:2.5~約1:5であってよい。
【0039】
この時点で、当業者であれば、種々の層が、本開示の範囲から逸脱することなく、底壁104を形成するために本明細書に記載される種々の板紙構造に組み込まれてよいことを理解する。
【0040】
(実験例)
実験は、本明細書に記載されたように水性バリアコーティングでコートされた2つの板紙基材を有する二重壁構造の使用を評価するために行われた。3つのバリアコーティング配合物(BC-1、BC-2、およびBC-3)および1つの非バリアコーティング配合物(NBC-1)を調製し、実験に使用した。実験において水性バリアコーティングに使用した原料をTable 1(表1)に提示する。Table 1(表1)の顔料およびバインダーの量を含む、実験において使用された水性バリアコーティング配合物をTable 2(表2)に提示する。実験に使用した板紙アセンブリをTable 3(表3)に提示する。実験で使用かつ試験した容器サンプルをTable 4(表4)に提示する。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
水性バリアコーティングの種々の配合物を、18pt、13pt、および1lpt固体漂白硫酸塩(SBS)カップストック、または板紙に塗布した。実験に使用した種々の水性バリアコーティングをブレードコーターにより塗布した。Table 4(表4)の一次カップは、Paper Machinery Corporation社製のパイロットカップフォーマー(PMCモデル1250)で作製した。
【0046】
包む手順は、以下の条件下で行った。まず、一次の単一壁カップは、パイロットカップフォーマー(PMCモデル1250)で作製した。次に、いくつかのカップは、コートされたまたはコートされない一片の板紙を使用して手で包み、カップ側-壁ブランクと同様の形状に事前に切断した。従来のホットメルトにかわの1小滴を、包みを開始した一次カップの側壁の上部、中央、および下部にそれぞれ置いた。次に、上包の上面をカップの縁の下に揃え、にかわスポットに圧力を加えて、にかわを固めた。次に、ホットメルトにかわの2小滴を、開始ポイントから約45°(または円の1/8)のカップ側壁の上部および下部に塗布し、続いて、にかわポイントで上包に圧力を加えて、にかわを固めた。いくつかの例では、最初の3滴の、にかわパターンと同様に、余分な1滴の、にかわを中央の位置に塗布した。二重壁または包まれたカップは、上包が一次カップのまわりを完全に包むまで上記のステップを繰り返すことによって形成した。したがって、一次カップと外壁との間に、合計で18~24の、離隔した、にかわポイントを置いて、約0.5~lmmの空隙で包装を固定した。
【0047】
各実施例におけるコーティングの水バリアの有効性は、23℃の水を使用して、30分当たりg/m2の水Cobb(TAPPI規格T441 om-04)によって評価した。言い換えれば、Cobb試験は30分後にどれだけの水が吸収されるかを決定する。水蒸気バリア特性は、以下の試験条件で試験かつ評価した:38℃および90%の相対湿度の条件でのWVTR(水蒸気透過率)(TAPPI規格T464 OM-12)。カップ液体耐性試験はCoca-Cola(登録商標)で行われた。Coca-Cola(登録商標)、Original、約4℃が12液量オンス缶から実施例および対照例の試験カップ内へ、カップの縁から約10mm下の高さまで注いだ。次に、Coca-Cola(登録商標)を含有するカップは、49℃、相対湿度50%で事前設定された環境室内へ入れた。4時間後、カップを空にして、直ちに、染色、漏れ、および損傷について評価した。
【0048】
一態様では、本明細書のコートされた板紙は、1日当たり平方メートル当たり500グラム未満の水蒸気透過率を有する。別の態様では、本明細書のコートされた板紙は、1日当たり平方メートル当たり400グラム未満の水蒸気透過率を有する。さらに別の態様では、本明細書のコートされた板紙は、1日当たり平方メートル当たり300グラム未満の水蒸気透過率を有する。さらに別の態様では、本明細書のコートされた板紙は、1日当たり平方メートル当たり200グラム未満の水蒸気透過率を有する。湿蒸気バリアは、TAPPI規格T464 OM-12に準拠した38℃および相対湿度90%のWVTR(水蒸気透過率)によって評価する。
【0049】
各対照例および実施例を実験の終わりに撮影し、側壁102の内部、またはフェルト、壁および外部、またはワイヤ、壁上の染色量を比較した。
図8に示されるように、対照例1(上包なしの一次カップ)および対照例2(コートされない板紙包装を有する一次カップ)の両方が、カップの内壁に著しい染色を示した。しかしながら、対照例1は、1片のScotch(登録商標)テープを外壁に貼った長方形の断面では染色を示さなかった。実施例1は、対照例1および対照例2と同じ一次カップを使用したが、第1の層の水性バリアコーティングBC-1および第2の層の水性バリアコーティングBC-2でコートされた板紙側壁(SW)-1を使用した追加の上包を有するが、
図8に示すように目視検査において染色は著しく少ない。
【0050】
図9は、対照例1の外面114ならびに対照例2および実施例1の外面124上に示された染色の量を示す。
図9に見られるように、対照例1は、テープを貼ったセクションを取り囲む外面114に沿って有意な染色を示したが、テープを貼ったセクション内には示されない。対照例2および実施例1は、各外面124のそれぞれに最小の染色を示し、または全く示さない。
図10は、側壁(SW)-3の上包を有する実施例2および実施例3における目視試験の結果を示し、いずれも目視検査において内面の染色が最小限であった。対照試験と同様に、上包なしの実施例2の一次カップは、カップの内面および外面の両方に有意な染色を示した。また、
図10に示すように、実施例2ではカップの底に沿って中程度の染色が生じたが、実施例3ではカップの底に沿って全く染色がないか、または最小の染色が生じ、これは、おそらく、実施例3のカップボトムストック(BS)-2が両側にバリアコーティングを有し、液吸収および透過性を低減させたためであった。
【0051】
開示されたヒートシール可能な板紙構造および関連する板紙ベースの容器の種々の態様が示され、記載されているが、本明細書を読めば当業者であれば修正が生じ得る。本出願は、そのような修正を含み、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0052】
100 板紙容器
102 側壁
104 底壁
110 内側板紙基材
112、122 内面
114、124 外面
120 外側板紙基材
130 第1の水性バリアコーティング
130A、140A 第1の層
130B、140B 第2の層
140 第2の水性バリアコーティング
150 接着剤
160 トップコート層
170 第1のベースコーティング
180 第2のベースコーティング
【手続補正書】
【提出日】2023-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側板紙基材と、
外側板紙基材と、
前記内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティングと、
前記外側板紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングと、を含むコートされた板紙容器。
【請求項2】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は接着剤で結合される請求項1に記載のコートされた板紙容器。
【請求項3】
前記内側板紙基材と前記第1の水性バリアコーティングとの間に位置する第1のベースコーティングを含む請求項1
または2に記載のコートされた板紙容器。
【請求項4】
前記外側板紙基材と前記第2の水性バリアコーティングとの間に位置する第2のベースコーティングを含む請求項1
から3のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項5】
前記第2の水性バリアコーティングは前記外側板紙基材の内面上に位置する請求項1
から4のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項6】
前記第2の水性バリアコーティングは前記外側板紙基材の外面上に位置する請求項1
から5のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項7】
前記第1の水性バリアコーティングは前記内側板紙基材の内面上に位置する請求項1
から6のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項8】
前記外側板紙基材の外面上に位置するトップコート層を含む請求項1
から7のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項9】
前記第2の水性バリアコーティング上に位置するトップコート層を含む請求項6に記載のコートされた板紙容器。
【請求項10】
前記第1の水性バリアコーティングは、第1の層および第2の層を含み、
前記第2の水性バリアコーティングは、第1の層および第2の層を含む、請求項1から
9のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項11】
前記第1の水性バリアコーティングの前記第1の層は、約6.0lb/3msf~約10.0lb/3msfの範囲のコート重量を有し、
前記第2の水性バリアコーティングの前記第1の層は、約6.0lb/3msf~約10.0lb/3msfの範囲のコート重量を有する、請求項
10に記載のコートされた板紙容器。
【請求項12】
前記第1の水性バリアコーティングの前記第2の層は、約2.8lb/3msf~約5.0lb/3msfの範囲のコート重量を有し、
前記第2の水性バリアコーティングの前記第2の層は、約2.8lb/3msf~約5.0lb/3msfの範囲のコート重量を有する、請求項
10に記載のコートされた板紙容器。
【請求項13】
前記第1の水性バリアコーティングはバインダーおよび顔料を含む請求項1から
12のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項14】
前記バインダーはスチレン-アクリレートを含む請求項
13に記載のコートされた板紙容器。
【請求項15】
前記顔料はカオリンクレイを含む請求項
13に記載のコートされた板紙容器。
【請求項16】
前記顔料はCaCO
3を含む請求項
13に記載のコートされた板紙容器。
【請求項17】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも約3.8g/m
2の30分-水-Cobb評点を有する請求項1から
16のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項18】
前記内側板紙基材および前記外側板紙基材は、最大限でも1日につき約200g/m
2の水蒸気透過率を有する請求項1から
17のいずれか一項に記載のコートされた板紙容器。
【請求項19】
第1の水性バリアコーティングでコートされた内側板紙基材および第2の水性バリアコーティングでコートされた外側板紙基材を有する二重壁カップを製造する方法であって、
前記内側板紙基材でカップ構造を形成するステップと、
接着剤を前記カップ構造へ塗布するステップと、
前記カップ構造を前記外側板紙基材で包むステップと、を含む方法。
【請求項20】
内側板紙基材と、
外側板紙基材と、
前記内側板紙基材上に位置する第1の水性バリアコーティングと、
前記外側板紙基材上に位置する第2の水性バリアコーティングと、
前記内側板紙基材と前記外側板紙基材との間に位置する接着剤と、を含む二重壁カップ。
【国際調査報告】