(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-18
(54)【発明の名称】光検出および距離測定のためのビームウォークオフ緩和
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20230810BHJP
G01S 17/931 20200101ALI20230810BHJP
G01S 17/34 20200101ALN20230810BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/931
G01S17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515044
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 US2021048925
(87)【国際公開番号】W WO2022051544
(87)【国際公開日】2022-03-10
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437397
【氏名又は名称】アワーズ テクノロジー リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ・アンドルー・スタイル
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AA10
5J084AC02
5J084BA04
5J084BA20
5J084BA23
5J084BB14
5J084BB35
5J084BB40
5J084CA08
5J084EA04
(57)【要約】
LIDARシステムは、第1受信光カプラ、第2受信光カプラ、第1光ミキサ、第2光ミキサ、および光スイッチを含む。第1光ミキサは、第1受信光カプラから第1受信信号を受信するように構成される。第2光ミキサは、第1受信光カプラから第2受信信号を受信するように構成される。光スイッチは、第1光ミキサと第2光ミキサとの間で発振器光信号をスイッチングするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1受信光カプラと、
第2受信光カプラと、
前記第1受信光カプラから第1受信信号を受信するように構成される第1光ミキサと、
前記第2受信光カプラから第2受信信号を受信するように構成される第2光ミキサと、
前記第1光ミキサと前記第2光ミキサとの間で発振器光信号をスイッチングするように構成される光スイッチと、を含む
LIDARシステム。
【請求項2】
前記第1光ミキサは、前記発振器光信号および前記第1受信信号の受信に応答して第1電気信号を生成するように構成される
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記第2光ミキサは、前記発振器光信号および前記第2受信信号の受信に応答して第2電気信号を生成するように構成される
請求項2に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記光スイッチが前記第1光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるときに第1方向に回転し、前記光スイッチが前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるときに第2方向に回転するように構成される回転ミラーをさらに含み、
前記第1方向は、前記第2方向とは反対である
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記光スイッチが前記第1光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第1光ミキサから第1電気信号を受信するように構成される処理ロジックをさらに含み、
前記処理ロジックは、また、前記光スイッチが前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第2光ミキサから第2電気信号を受信するように構成される
請求項3に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記回転ミラーは、前記回転ミラーが前記第1方向に回転するとき、リターンビームを前記第1受信光カプラに向けるように構成される
請求項3に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記回転ミラーは、前記回転ミラーが前記第2方向に回転するとき、前記リターンビームを前記第2受信光カプラに向けるように構成される
請求項6に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
前記第1受信光カプラと前記第2受信光カプラとの間に配置される送信光カプラをさらに含む
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記第1受信光カプラは、前記送信光カプラに直交し、
前記第2受信光カプラは、前記送信光カプラに直交する
請求項8に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
前記送信光カプラは、第1偏光配向を有する送信ビームを放出するように構成される
請求項9に記載のLIDARシステム。
【請求項11】
前記第1受信光カプラは、前記第1偏光配向に直交する第2偏光配向を受信するように構成され、
前記第2受信光カプラは、また、前記第2偏光配向を受信するように構成される
請求項10に記載のLIDARシステム。
【請求項12】
レーザ光を受信するように構成されるスプリッタをさらに含み、
前記スプリッタは、前記送信光カプラに前記レーザ光の第1パーセンテージを提供し、前記光スイッチに前記レーザ光の第2パーセンテージを提供するように構成される
請求項8に記載のLIDARシステム。
【請求項13】
前記レーザ光は、赤外線波長を有する
請求項12に記載のLIDARシステム。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDARシステムを含む
自律車両制御システム。
【請求項15】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDARシステムを含む
自律車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2020年9月4日付で出願された米国仮出願第63/074,834号と2020年9月4日付で出願された米国仮出願第63/074,837号についての優先権を主張する2021年9月1日付で出願された米国特許出願第17/463,934号についての優先権を主張する。米国特許出願第17/463,934号、第63/074,834号、および第63/074,837号は、本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本開示は、一般に光学に関するものであって、特に光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LIDAR)に関する。
【背景技術】
【0003】
FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)LIDARは、周波数変調されコリメートされた光ビームをターゲットに向けてオブジェクトの距離と速度を直接測定する。ターゲットの距離および速度情報は、FMCW LIDAR信号から導出できる。LIDAR信号の精度を高める設計および技術が好ましい。
【0004】
自動車産業は、現在、特定の状況で車両を制御するための自律機能(Autonomous Feature)を開発している。SAE国際規格J3016によると、レベル0(自律なし)からレベル5(あらゆる条件で運転者入力なしで操作できる車両)まで、6レベルの自律性の範囲がある。自律機能を有する車両は、車両が走行する環境を感知するためにセンサーを用いる。センサーからデータを取得して処理することによって、車両は、周囲の環境を探索することができる。自律車両は、その環境を感知するための1つ以上のFMCW LIDAR装置を含み得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、第1受信光カプラ、第2受信光カプラ、第1光ミキサ、第2光ミキサ、および光スイッチを含むLIDARシステムを含む。第1光ミキサは、第1受信光カプラから第1受信信号を受信するように構成される。第2光ミキサは、第2受信光カプラから第2受信信号を受信するように構成される。光スイッチは、第1光ミキサと第2光ミキサとの間で発振器光信号をスイッチングするように構成される。第1光ミキサは、発振器光信号および第1受信信号の受信に応答して第1電気信号を生成するように構成される。第2光ミキサは、発振器光信号および第2受信信号の受信に応答して第2電気信号を生成するように構成される。
【0006】
一実施形態において、LIDARシステムは、光スイッチが発振器光信号を第1光ミキサに提供するためにスイッチングされるときに、第1方向に回転するように構成される回転ミラーをさらに含む。回転ミラーは、光スイッチが発振器光信号を第2光ミキサに提供するためにスイッチングされるときに、第2方向に回転するように構成され得る。第1方向は、第2方向とは反対であり得る。
【0007】
一実施形態において、LIDARシステムは、光スイッチが発振器光信号を第1光ミキサに提供するためにスイッチングされるときに、第1光ミキサから第1電気信号を受信するように構成される処理ロジックをさらに含む。処理ロジックは、また、光スイッチが発振器光信号を第2光ミキサに提供するためにスイッチングされるときに、第2光ミキサから第2電気信号を受信するように構成される。
【0008】
一実施形態において、回転ミラーは、回転ミラーが第1方向に回転するとき、リターンビームを第1受信光カプラに向けるように構成される。回転ミラーは、また、回転ミラーが第2方向に回転するとき、リターンビームを第2受信光カプラに向けるように構成される。
【0009】
一実施形態において、LIDARシステムは、第1受信光カプラと第2受信光カプラとの間に配置される送信光カプラをさらに含む。
【0010】
一実施形態において、第1受信光カプラは、送信光カプラに直交し、第2受信光カプラは、送信光カプラに直交する。
【0011】
一実施形態において、送信光カプラは、第1偏光配向(Polarization Orientation)を有する送信ビームを放出するように構成され、第1受信光カプラは、第1偏光配向に直交する第2偏光配向を受信するように構成される。第2受信光カプラは、また、第2偏光配向を受信するように構成される。
【0012】
一実施形態において、LIDARシステムは、レーザ光を受信するように構成されるスプリッタをさらに含み、スプリッタは、レーザ光の第1パーセンテージを送信光カプラに提供するように構成される。スプリッタは、光スイッチにレーザ光の第2パーセンテージを提供するように構成される。
【0013】
一実施形態において、レーザ光は、赤外線波長を有する。
【0014】
本開示の実施形態は、LIDAR(Light Detection and Ranging)装置を動作させる方法を含む。方法は、回転ミラーが第1方向に回転するときに、第1光ミキサに発振器光信号を提供するように光スイッチを駆動するステップと、第1光ミキサが発振器光信号を受信している間に、第1光ミキサによって生成された第1信号をサンプリングするステップと、回転ミラーが第1方向とは反対の第2方向に回転するとき、発振器光信号を第2光ミキサに提供するように光スイッチを駆動するステップと、第2光ミキサが発振器光信号を受信している間に、第2光ミキサによって生成された第2信号をサンプリングするステップと、を含む。
【0015】
一実施形態において、第1信号は、発振器光信号および第1受信光カプラによって生成された第1受信信号に応答して生成される。第2信号は、発振器光信号および第2受信光カプラによって生成された第2受信信号に応答して生成される。
【0016】
一実施形態において、回転ミラーは、リターンビームを第1受信光カプラに向けるように構成され、回転ミラーは、リターンビームを第2受信光カプラに向けるように構成される。
【0017】
一実施形態において、回転ミラーは、送信ビームを送信光カプラからターゲットに向けるようにさらに構成され、リターンビームは、ターゲットから反射される送信ビームである。
【0018】
一実施形態において、送信光カプラは、第1受信光カプラと第2受信光カプラとの間に配置される。
【0019】
一実施形態において、送信光カプラは、第1偏光配向を有する送信ビームを放出するように構成され、第1受信光カプラは、第1偏光配向に直交する第2偏光配向を受信するように構成される。第2受信光カプラは、また、第2偏光配向を受信するように構成される。
【0020】
一実施形態において、発振器光信号は、赤外線波長を有し、第1受信信号および第2受信信号は、赤外線波長を有する。
【0021】
本開示の実施形態は、LIDAR(Light Detection and Ranging)装置およびLIDAR装置によって生成された第1電気信号および第2電気信号に応答して自律車両を制御するように構成された1つ以上のプロセッサを含む自律車両用の自律車両制御システムを含む。LIDAR装置は、第1受信光カプラ、第2受信光カプラ、第1光ミキサ、第2光ミキサ、および光スイッチを含む。第1光ミキサは、第1受信光カプラから第1受信信号を受信するように構成される。第2光ミキサは、第2受信光カプラから第2受信信号を受信するように構成される。光スイッチは、第1光ミキサと第2光ミキサとの間で発振器光信号をスイッチングするように構成される。第1光ミキサは、発振器光信号および第1受信信号の受信に応答して第1電気信号を生成するように構成される。第2光ミキサは、発振器光信号および第2受信信号の受信に応答して第2電気信号を生成するように構成される。
【0022】
一実施形態において、LIDAR装置は、光スイッチが第1光ミキサに提供するために発振器光信号をスイッチングするとき、第1方向に回転するように構成される回転ミラーをさらに含む。回転ミラーは、光スイッチが発振器光信号を第2光ミキサに提供するためにスイッチングされるときに第2方向に回転するように構成される。第1方向は、第2方向とは反対である。
【0023】
一実施形態において、LIDAR装置は、光スイッチが発振器光信号を第1光ミキサに提供するためにスイッチングされるとき、第1光ミキサから第1電気信号を受信するように構成される処理ロジックをさらに含む。処理ロジックは、また、光スイッチが発振器光信号を第2光ミキサに提供するためにスイッチングされるとき、第2光ミキサから第2電気信号を受信するように構成される。
【0024】
一実施形態において、回転ミラーは、リターンビームを第1受信光カプラに向けるように構成され、回転ミラーは、リターンビームを第2受信光カプラに向けるように構成される。
【0025】
本開示の実施形態は、送信機、受信ピクセル、回転ミラー、およびビーム変位装置を含むLIDAR(Light Detection and Ranging)システムを含む。送信機は、送信ビームを放出するように構成される。受信ピクセルは、リターンビームを受信するように構成される。回転ミラーは、送信ビームをターゲットに向け、リターンビームを受信ピクセルに向けるように構成される。ビーム変位装置は、受信ピクセルと回転ミラーとの間に配置される。ビーム変位装置は、送信機と受信ピクセルとの間の間隔を補償するためにリターンビームに変位(Displacement)を導入するように構成される。
【0026】
一実施形態において、ビーム変位装置は、回転ミラーから反射される送信ビームとリターンビームとの間の反射角度の差を補償するように構成される。
【0027】
一実施形態において、ビーム変位装置は、複屈折材料を含むビーム変位エレメントを含み、送信ビームは、送信ビームがビーム変位エレメントに出会うときに第1偏光配向を有する。複屈折材料は、送信ビームの第1偏光配向に直交するリターンビームの第2偏光配向に変位を導入する。
【0028】
一実施形態において、ビーム変位装置は、送信機とビーム変位エレメントとの間に配置されるビーム回転子を含み、ビーム回転子は、送信ビームの送信偏光がビーム変位エレメントの光軸に垂直になるように、送信ビームの送信偏光を回転させるように構成される。
【0029】
一実施形態において、ビーム回転子は、スイッチャブル(Switchable)ビーム回転子であり、回転ミラーは、定期動作(Regular Operation)中に第1方向および第2反対方向に回転するように構成される。スイッチャブルビーム回転子は、回転ミラーが第1方向に回転するときに第1遅延(Retardation)値で駆動され、回転ミラーが第2反対方向に回転するときに第2遅延値で駆動されることができる。
【0030】
一実施形態において、第1遅延値は、0度であり、第2遅延値は、90度である。
【0031】
一実施形態において、ビーム変位装置は、ビーム変位エレメントと回転ミラーとの間に配置される波長板を含む。
【0032】
一実施形態において、波長板は、1/4波長板である。
【0033】
一実施形態において、ビーム変位装置は、ビーム変位エレメントと回転ミラーとの間に配置されるレンズを含み、レンズは、送信ビームをコリメート(Collimate)するように構成される。
【0034】
一実施形態において、ビーム変位装置は、送信機および受信ピクセルを非同軸(Non-Coaxial)にするように構成される。
【0035】
一実施形態において、リターンビームは、ターゲットから反射する送信ビームである。
【0036】
一実施形態において、送信ビームは、近赤外線波長を有し、リターンビームは、近赤外線波長を有する。
【0037】
本開示の実施形態は、LIDAR装置を含む光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LIDAR)およびLIDAR装置の受信ピクセルの出力に応答して自律車両を制御するように構成される1つ以上のプロセッサを含む自律車両用の自律車両制御システムを含む。LIDAR装置は、送信機、受信ピクセル、回転ミラー、およびビーム変位装置を含む。送信機は、送信ビームを放出するように構成される。受信ピクセルは、リターンビームを受信するように構成される。回転ミラーは、送信ビームをターゲットに向け、リターンビームを受信ピクセルに向けるように構成される。ビーム変位装置は、送信機と受信ピクセルとの間の間隔を補償するためにリターンビームに変位を導入するように構成される。
【0038】
一実施形態において、ビーム変位装置は、回転ミラーから反射される送信ビームとリターンビームとの間の反射角度の差を補償するように構成される。
【0039】
一実施形態において、ビーム変位装置は、複屈折材料を含むビーム変位エレメントを含み、送信ビームは、送信ビームがビーム変位エレメントに出会うときに第1偏光配向を有する。複屈折材料は、送信ビームの第1偏光配向に直交するリターンビームの第2偏光配向に変位を導入する。
【0040】
一実施形態において、ビーム変位装置は、送信機とビーム変位エレメントとの間に配置されるビーム回転子を含み、ビーム回転子は、送信ビームの送信偏光がビーム変位エレメントの光軸に垂直になるように、送信ビームの送信偏光を回転させるように構成される。
【0041】
一実施形態において、ビーム回転子は、スイッチャブルビーム回転子であり、回転ミラーは、定期動作中に第1方向および第2反対方向に回転するように構成される。スイッチャブルビーム回転子は、回転ミラーが第1方向に回転するときに第1遅延値で駆動され、回転ミラーが第2反対方向に回転するときに第2遅延値で駆動される。
【0042】
本開示の実施形態は、送信機、受信ピクセル、回転ミラー、およびビーム変位装置を含む自律車両、および赤外線リターンビームに応答して自律車両を制御するように構成される制御システムを含む。送信機は、赤外線送信ビームを放出するように構成される。受信ピクセルは、赤外線リターンビームを受信するように構成される。回転ミラーは、赤外線送信ビームをターゲットに向け、赤外線リターンビームを受信ピクセルに向けるように構成される。ビーム変位装置は、受信ピクセルと回転ミラーとの間の光路に沿って配置され、ビーム変位装置は、送信機と受信ピクセルとの間の間隔を補償するために赤外線リターンビームに変位を導入するように構成され、回転ミラーから反射される赤外線送信ビームと赤外線リターンビームとの間の反射角度差を補償するために変位を導入するように構成される。
【0043】
一実施形態において、ビーム変位装置は、複屈折材料を含むビーム変位エレメントを含み、赤外線送信ビームは、赤外線送信ビームがビーム変位エレメントに出会うときに第1偏光配向を有する。複屈折材料は、赤外線送信ビームの第1偏光配向に直交する赤外線リターンビームの第2偏光配向に変位を導入する。
【0044】
一実施形態において、ビーム変位装置は、送信機とビーム変位エレメントとの間に配置されるビーム回転子を含み、ビーム回転子は、赤外線送信ビームの送信偏光がビーム変位エレメントの光軸に垂直になるように、赤外線送信ビームの送信偏光を回転させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本開示の非限定的かつ非包括的な実施形態は、以下の図面を参照して説明され、ここで特に明示されない限り、同様の参照番号は、様々な図面全体にわったて同様の部分を指す。
【0046】
【
図1】本開示の実施形態によってLIDAR装置のピクセルの一実施形態のダイヤグラムを示す。
【0047】
【
図2】本開示の実施形態によってLIDARデバイスのピクセルのダイヤグラムを示す。
【0048】
【
図3a】本開示の実施形態によって送信光カプラと2つの受信光カプラとを含むピクセルを示す。
【0049】
【
図3b】本開示の実施形態によって回転ミラーが回転している間に信号を選択するプロセスを示す。
【0050】
【
図4】本開示の実施形態によって
図1~
図3aに示される例示的なコヒーレント(Coherent)ピクセルが並列FMCW LIDAR測定を行うためにどのように放出機および受信機のアレイに組み立てられるかを示す。
【0051】
【
図5】本開示の実施形態によって例示的なビーム変位装置を示す。
【0052】
【
図6】本開示の実施形態によって非同軸動作のための例示的なビーム変位装置を示す。
【0053】
【
図7】本開示の実施形態によってスイッチャブルビーム回転子を含む例示的なビーム変位装置を示す。
【0054】
【
図8a】本開示の実施形態によって例示的なセンサーアレイを含む自律車両を示す。
【0055】
【
図8b】本開示の実施形態によって例示的なセンサーアレイを含む自律車両の平面図を示す。
【0056】
【
図8c】本開示の実施形態によってセンサー、ドライブトレイン(Drivetrain)、および制御システムを含む例示的な車両制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
LIDARのためのビームウォークオフ(Walkoff)緩和の具現が説明される。以下の説明においては、前記具現についての完全な理解を提供するためにいくつかの詳細が提示される。しかし、関連技術分野の技術者は、本明細書に説明されている技術が1つ以上の特定の詳細を除いて、または他の方法、構成要素または材料などを用いて実行され得ることを認識するであろう。他の場合において、周知の構造、材料または動作は、特定の態様を曖昧にすることを防止するために詳細に表示または説明されていない。
【0058】
本明細書全体にわたって「1つの実施形態」または「実施形態」についての言及は、実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって、様々な位置での「1つの実施形態における」または「実施形態における」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態で任意の適切な方法で結合され得る。
【0059】
本明細書全体にわたって、いくつかの技術用語が使用される。これらの用語は、本明細書で具体的に定義されていないか、または使用文脈が明確に別段の意味を持たない限り、その用語が由来した技術分野における一般的な意味を取るべきである。本開示の目的のために、「自律車両」という用語は、SAE国際規格J3016の自律性レベルで自律機能を有する車両を含む。
【0060】
本開示の態様において、可視光線は、約380nm~700nmの波長範囲を有すると定義されることができる。非可視光は、紫外線、赤外線などの可視光線領域外の波長を有する光として定義されることができる。約700nm~1mmの波長範囲を有する赤外線光は、近赤外線光を含む。本開示の態様において、近赤外線光は、約700nm~1.6μmの波長範囲を有すると定義されることができる。
【0061】
本開示の態様において、「透明」という用語は、90%より大きい光透過率を有すると定義されることができる。一部の実施形態において、「透明」という用語は、可視光線の90%より大きい透過率を有する物質として定義されることができる。
【0062】
FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)LIDARは、周波数変調されコリメートされた光ビームをオブジェクトに向け、オブジェクトの距離と速度を直接測定する。オブジェクトから反射される光は、タップバージョン(Tapped Version)のビームと結合される。結果として得られるビートトーン(Beat Tone)の周波数は、ドップラーシフトが修正されると、LIDARシステムからオブジェクトまでの距離に比例し、2番目の測定が必要になる場合がある。同時に実行または実行されない可能性がある両方の測定は、距離と速度の両方の情報を提供する。
【0063】
FMCW LIDARは、向上した生産性(Manufacturability)と性能のために、集積フォトニクス(Integrated Photonics)を活用できる。集積フォトニックシステムは、一般にミクロン規模の導波装置(Waveguiding Device)を使用して単一の光モードを操作する。
【0064】
LIDARシステムは、出ていく光をターゲットに向かって操向し、ターゲットから受信した光を受信機に反射させる1つ以上の連続移動ミラーを含み得る。LIDARからターゲットまで移動して戻ってくる光の走行時間(Transit Time)により、ミラーの連続的な動きは、受信された光を数ミクロンサイズのトランシーバから遠ざかるようにする。この「ビームウォークオフ(Beam Walkoff)」効果は、システム性能の低下につながる可能性がある。
【0065】
FMCW LIDARの従来の統合具現は、送信機と受信機を同じ位置に配置することを含む。しかし、この場合は、受信光電力がLO/信号スプリッタを再び通過しなければならないため、さらなる損失が発生する可能性がある。性能を向上させるために、このスプリッタが光システムにさらなる損失を加えないように送信機と受信機を分離することが好ましいことがある。このような実施形態において、送信機と受信機は、非同軸(Non-Coaxial)であり、互いに離隔している。
【0066】
本開示の実施形態において、LIDARシステムは、第1受信光カプラ、第2受信光カプラ、第1光ミキサ、第2光ミキサ、および光スイッチを含む。第1受信光カプラの間に配置される送信光カプラは、回転ミラーによってターゲットに向かう近赤外線送信ビームを放出することができる。送信ビームは、ターゲットから反射され、リターンビームとして戻る。回転ミラーが第1方向(例えば、時計回り)に回転するとき、ビームウォークオフにより、リターンビームが第2方向に変位し、リターンビームが第1受信光カプラに入射することができる。回転ミラーが第2方向(例えば、反時計回り)に回転するとき、ビームウォークオフにより、リターンビームが第2方向に変位し、リターンビームが第2受信光カプラに入射することができる。送信カプラと非同軸の受信光カプラでリターンビームをキャプチャすると、リターンビームの信号が増加する。2つの異なる受信光カプラでリターンビームのキャプチャを容易にするために、光スイッチは、第1光ミキサと第2光ミキサとの間で発振器光信号をスイッチングするように構成され得、ここで第1光ミキサは、発振器光信号と第1受信信号の受信に応答して第1信号を生成するように構成され、第2光ミキサは、発振器光信号と第2受信信号の受信に応答して第2信号を生成するように構成される。
【0067】
本開示の一部の態様においては、偏光ダイバースコヒーレントピクセル(Polarization-Diverse Coherent Pixel)および複屈折材料の傾斜した部分(Tilted Piece of Birefringent Material)を含むLIDARアプリケーションにおけるビームウォークオフを補正するための装置が説明される。光は、複屈折材料を通過する偏光Aを有するコヒーレントピクセルから放出できる。光が複屈折材料を通過するとき、ビームは、屈折の結果として光源に対してオフセットされる。この光は、LIDARシステムを出てシステムからわずかに離れた拡散表面で反射される。拡散表面から反射した光は、任意の偏光を有し得る。放出された偏光Aに直交する偏光の光は、放出された光と比較してビームに異なる変位を導入する複屈折材料を通じて再び伝搬する。このビームは、光を受信する偏光ダイバースコヒーレントピクセルを照らす。LIDARシステムでビームウォークオフを緩和する特定の送信および受信オフセットのセットを選択するために複屈折材料および形状を選択できる。非同軸送信機および受信機を具現する特定の送信および受信オフセットのセットを選択するために複屈折材料および形状を選択することもできる。これらおよび他の実施形態は、
図1~
図8cに関連してより詳細に説明される。
【0068】
図1は、本開示の実施形態によってビームウォークオフを補正するために複屈折ビーム変位とともに使用できる偏光ダイバースコヒーレントピクセル111の具現のダイヤグラムを示す。ピクセル111の例示的な実施形態は、1×2スプリッタ102、光ミキサ109、および二重偏光格子カプラ104を含む。
【0069】
光101は、ピクセル111に入り、スプリッタ(例えば、1×2スプリッタ102)によって分割できる。光101は、連続波(CW)レーザによって生成された赤外線レーザ光であり得る。一部の実施形態において、レーザ光は、コリメートされることがある。例えば、光のX%(光の第1パーセンテージ)は、上部相互接続部103でスプリッタを離れ、第1偏光された光105(例えば、TE偏光された光)を放出することができる二重偏光格子カプラ104を介してルーティングされる。一部の実施形態において、光の第1パーセンテージは、70%から99%の間であり得る。一部の実施形態において、第1偏光された光105は、レンズを介して結合され、ミラーからターゲットシーン(Target Scene)に反射され得る。一部の実施形態において、第1偏光された光105は、コリメートされていない光であり得、レンズによってコリメートされた発散ビームであり得る。
【0070】
コヒーレントピクセル111に戻る光106は、二重偏光格子カプラ104によってコヒーレントピクセル111に再び結合される第2偏光された成分106(例えば、TM偏光された光)を有し得る。したがって、二重偏光格子カプラ104は、第1偏光配向(例えば、TE偏光された光)を有する光を放出し、第2偏光配向(例えば、TM偏光された光)を有する反射ビーム(光106)をピクセル111に結合させることができる。ピクセル111に結合されたこの光は、送信経路とは異なる相互接続部107に沿って光ミキサ109にルーティングされ、光ミキサ109は、1×2スプリッタ102から下部相互接続部108に分割される光の残りのY%(光の第2パーセンテージ)と相互接続部107のリターン光フィールドとを混合する。一部の実施形態において、光の第2パーセンテージは、1%から30%の間であり得る。一部の実施形態において、反射ビーム(光106)は、自律車両の環境でターゲットから反射/散乱することができる。光ミキサ109(1つ以上があることがある)からの出力110は、受信機光電子回路によって処理される。したがって、光ミキサ109は、スプリッタ102によって相互接続部108に分割された光の第2パーセンテージ(Y%)を相互接続部107に沿ってルーティングされた反射ビームと混合することによって出力110を生成するように構成される。
【0071】
図2は、本開示の実施形態によってLIDAR装置の偏光ダイバースコヒーレントピクセル212の具現のダイヤグラムを示す。ピクセル212は、ビームウォークオフを補正するために複屈折ビーム変位とともに使用できる。ピクセル212の例示された具現は、1×2スプリッタ202、光ミキサ210、送信格子カプラ204、および送信格子カプラ204に垂直に配向された単一偏光格子カプラ207を含む。
【0072】
光201は、ピクセル212に入り、スプリッタ(例えば、1×2スプリッタ202)によって分割できる。光201は、CWレーザによって生成された赤外線レーザ光であり得る。一部の実施形態において、レーザ光は、コリメートされることがある。例えば、光のX%(光の第1パーセンテージ)は、上部相互接続部203でスプリッタを出て第1偏光された光205(例えば、TE偏光された光)を放出する単一偏光格子カプラー204にルーティングされる。一部の実施形態において、光の第1パーセンテージは、70%から99%の間であり得る。第1偏光された光205は、レンズを介して結合され、ターゲットシーン上にミラーから反射され得る。一部の実施形態において、第1偏光された光205は、コリメートされていない光であり得、レンズによってコリメートされる発散ビームであり得る。
【0073】
コヒーレントピクセル212に戻る光は、光の直交偏光を受信するように送信格子カプラ204に垂直に配向される単一偏光格子カプラ207によってコヒーレントピクセル212に再び結合される第2偏光された成分206(例えば、TM偏光された成分)を含み得る。この光は、送信経路とは異なる相互接続部208に沿って光ミキサ210にルーティングされ、光ミキサ210は、1×2スプリッタ202から下部相互接続部209に分割される光の残りのY%(光の第2パーセンテージ)と相互接続部208のリターン光フィールドとを混合する。一部の実施形態において、光の第2パーセンテージは、1%から30%の間であり得る。一部の実施形態において、反射ビーム光206は、自律車両の環境でターゲットから反射/散乱することができる。このミキサ210(1つ以上があることがある)からの出力211は、受信機光電子回路によって処理される。したがって、光ミキサ210は、スプリッタ202によって相互接続部209に分割された光の第2パーセンテージ(Y%)を相互接続部208に沿ってルーティングされた反射ビームと混合することによって、出力211を生成するように構成される。
【0074】
図3aは、本開示の実施形態によって送信光カプラと2つの受信光カプラを含むピクセル399を示す。ピクセル399は、
図2に説明されたピクセルの変形である。
図3aのLIDARシステム300は、ピクセル399、処理ロジック331、および回転ミラー360を含む。ピクセル399は、1×2スプリッタ302、光スイッチ315、第1光ミキサ313、第2光ミキサ311、第1受信光カプラ309、第2受信光カプラ307、および送信光カプラ304を含む。送信光カプラ304は、第1受信光カプラ309と第2受信光カプラ307との間に配置される。一実施形態において、送信光カプラ304は、第1受信光カプラ309と第2受信光カプラ307との間の中間点(Midpoint)に配置され得る。
【0075】
送信光カプラ304は、第1偏光配向を有する送信ビーム305を放出するように構成された単一偏光格子カプラであり得る。第1受信光カプラ309は、第1偏光配向に直交する第2偏光配向を有するリターンビームを受信するように構成された単一偏光格子カプラであり得る。第2受信光カプラ307は、第1偏光配向に直交する第2偏光配向を有するリターンビームを受信するように構成された単一偏光格子カプラであり得る。
【0076】
光301は、ピクセル399に入り、1×2スプリッタ302によって分割される。光301は、CWレーザによって生成された赤外線レーザ光であり得る。光301は、CWレーザによって生成された近赤外線レーザ光であり得る。
図3aの例において、光のX%は、上部相互接続部303で1×2スプリッタ302を出て、TE偏光された光を送信ビーム305として放出する単一偏光格子カプラ304にルーティングされる。図示の実施形態において、回転ミラー360は、送信ビーム305をシーンのターゲットに向けるように構成される。送信ビーム305は、回転ミラー360に出会う前に追加の光学装置(
図3aに特に示されていない)を介して伝搬されることができる。
【0077】
送信ビーム305は、ターゲットによって反射または散乱し、リターンビームとして戻ることができる。リターンビームがどのように変位されるかに応じて、2つの経路のうちの1つを介してピクセル399に再び結合することができる。第1経路におけるリターンビームは、第1受信光カプラ309によってピクセル399に再び結合されるTM偏光された成分308を有し得る。第1受信光カプラ309は、光の直交偏光を受信するように、送信格子カプラ304に垂直に配向される単一偏光格子カプラであり得る。第2経路におけるリターンビームは、第2受信光カプラ307によってピクセル399に再び結合されるTM偏光された成分306を有し得る。第2受信光カプラ307は、また、光の直交偏光を受信するように、送信格子カプラ304に垂直に配向される単一偏光格子カプラであり得る。
【0078】
リターンビームの変位方向は、回転方向または回転ミラー360に依存し得る。変位は、回転ミラー360から反射される送信ビームと回転ミラー360から反射されるリターンビームとの間の時間遅延から回転ミラー360の異なる角度によって少なくとも部分的に引き起こされる。リターンビームの変位は、ピクセル399と回転ミラー360との間に配置された様々な光学装置によっても引き起こされ得る。一例として、回転ミラー360が第1方向に回転する場合、リターンビームは、第1受信光カプラ309に入射するために変位することができる。そして、回転ミラー360が第2方向に回転する場合、リターンビームは、第2受信光カプラ307に入射するために変位することができる。リターンビームが異なる受信光カプラで受信されることを説明するために、光スイッチ315は、リターンビームを受信する受信光カプラに対応する異なる光ミキサに発振器信号(光導波管314で伝搬される)を提供するように駆動できる。
図3aの例において、光スイッチ315は、能動光スイッチであるが、一部の実施形態において、光スイッチ315は、能動的に駆動される必要がない受動光スイッチであり得る。
【0079】
第1光ミキサ313は、第1受信光カプラ309から第1受信信号312を受信するように構成され、第2光ミキサ311は、第2受信光カプラ307から第2受信信号310を受信するように構成される。光スイッチ315は、第1光ミキサ313と第2光ミキサ311との間の発振器光信号(光相互接続部314でスプリッタ302から受信される)をスイッチングするように構成される。例示的な実施形態において、処理ロジック331は、第1光ミキサ313と第2光ミキサ311との間の発振器光信号のスイッチングを制御するために、スイッチング信号337を光スイッチ315に駆動する。第1光ミキサ313は、光スイッチ315から発振器光信号を受信するように構成される。第2光ミキサ311は、また、光スイッチ315から発振器光信号を受信するように構成される。第1光ミキサは、発振器光信号および第1受信光カプラ309から受信された第1受信信号312の受信に応答して第1電気信号319を生成するように構成される。第2光ミキサ311は、発振器光信号および第2受信光カプラ307から受信された第2受信信号310の受信に応答して第2電気信号318を生成するように構成される。
【0080】
一部の実施形態において、回転ミラー360は、光スイッチ315が第1光ミキサ313に発振器光信号を提供するためにスイッチングされるときに、第1方向(例えば、時計回り)に回転するように構成される。
図3aにおいて、回転ミラー360が第1方向に回転するとき、リターンビームのビームウォークオフが第1受信光カプラ309に向かって変位するため、処理ロジック331は、回転ミラー360を第1方向に回転させるために回転信号335を駆動するとき、光スイッチ315を駆動するためのスイッチング信号337を駆動して発振器光信号を第1光ミキサ313に提供し得る。回転ミラー360は、また、光スイッチ315が第2光ミキサ311に発振器光信号を提供するようにスイッチングされるとき、第2方向(例えば、反時計回り)に回転するように構成され得る。
図3aにおいて、回転ミラー360が第2方向に回転するとき、リターンビームのビームウォークオフが第2受信光カプラ307に向かって変位するため、処理ロジック331は、回転ミラー360を第2方向に回転させるために回転信号335を駆動するとき、光スイッチ315を駆動するためのスイッチング信号337を駆動して発振器光信号を第2光ミキサ311に提供し得る。
【0081】
リターンビームが回転ミラー360の回転方向に応じて異なる受信光カプラによって受信されるため、処理ロジック331は、(回転ミラー360が第1方向に回転している間)発振器光信号を第1光ミキサ313に提供するために光スイッチ315がスイッチングされるとき、第1光ミキサ313から第1電気信号319を受信するように構成され得る。次に、処理ロジック331は、また(回転ミラー360が第2方向に回転している間)、発振器光信号を第2光ミキサ311に提供するために光スイッチ315がスイッチングされるとき、第2光ミキサ311から第2電気信号318を受信するように構成され得る。処理ロジック331は、入力X1で第1電気信号319を受信し、入力X2で第2電気信号318を受信し得る。第1電気信号319は、第1ビート信号の電気的表現と見なすことができ、第2電気信号318は、第2ビート信号の電気的表現と見なすことができる。第1電気信号319および第2電気信号318は、LIDARシステムの外部環境(例えば、シーン)の1つ以上の画像を生成するためにLIDARシステム300によって処理できる。
【0082】
図3bは、本開示の実施形態によって回転ミラーが回転している間に信号を選択するプロセス350を示す。一部またはすべてのプロセスブロックがプロセス350に現れる順序は、限定的なものと見なされるべきではない。むしろ、本開示の利点を有する当業者は、プロセスブロックの一部が図示されていない様々な順序で、または並行して行われ得ることを理解するであろう。一部の実施形態において、処理ロジック331は、プロセス350の全部または一部を行い得る。
【0083】
プロセスブロック351において、回転ミラーが第1方向に回転するとき、光スイッチ(例えば、光スイッチ315)は、発振器光信号を第1光ミキサ(例えば、313)に提供するように駆動される。
【0084】
プロセスブロック353において、第1光ミキサが発振器光信号を受信している間に、第1光ミキサによって生成された第1信号(例えば、信号319)がサンプリングされる。
例えば、第1信号は、処理ロジック331に含まれるアナログ-デジタル変換器によってサンプリングされ得る。第1信号は、発振器光信号および第1受信光カプラ(例えば、第1受信光カプラ309)によって生成された第1受信信号に応答して生成され得る。
【0085】
プロセスブロック355において、回転ミラーが第1方向とは反対の第2方向に回転するとき、光スイッチは、発振器光信号を第2光ミキサ(例えば、311)に提供するように駆動される。
【0086】
プロセスブロック357において、第2光ミキサが発振器光信号を受信している間に、第2光ミキサによって生成された第2信号(例えば、信号318)がサンプリングされる。例えば、第2信号は、処理ロジック331に含まれるアナログ-デジタル変換器によってサンプリングされ得る。第2信号は、発振器光信号および第2受信光カプラ(例えば、第2受信光カプラ307)によって生成された第2受信信号に応答して生成され得る。
【0087】
プロセス350の一部の実施形態において、回転ミラーは、リターンビームを第1受信光カプラに向けるように構成され、回転ミラーは、また、リターンビームを第2受信光カプラに向けるように構成される。回転ミラーは、送信ビーム(例えば、送信ビーム305)を送信光カプラ(例えば、送信光カプラ304)からターゲットに向けるようにさらに構成され得、リターンビームは、ターゲットから反射する送信ビームである。一部の実施形態において、プロセス350は、プロセスブロック357を実行した後にプロセスブロック351に戻ることができる。
【0088】
図4は、本開示の実施形態によって
図1~
図3aに示される例示的なコヒーレントピクセルが並列FMCW LIDAR測定を行うために放出機および受信機のアレイにどのように組み立てられるかを示す。入力光401は、入力光をN個の光出力に送るM×Nチャネル光電力分配ネットワーク402に入る。この光電力分配は、本質的に能動的であるか、または受動的であり得る。分配ネットワークの各光出力403は、ピクセルアレイ404に配置されたコヒーレントピクセル405に結合される。
【0089】
各コヒーレントピクセル405は、特定の偏光406(例えば、TE偏光された光)の光を放出する。この光ビームは、ビーム変位光学装置407および408に入った後、光をコリメートして望む方向410に調整するレンズ409を通過する。この光は、環境411におけるターゲットから反射され、FMCW LIDARシステム400に向かって再び伝搬される光のリターンビーム412を生成し得る。光ビームは、レンズ409を再び通過した後、ビーム変位光学装置407および408を再び通過する。このリターン光は、
図1~
図3aに示すように、送信経路とは異なる光路を介してコヒーレントピクセルに再び結合される送信偏光に直交する偏光成分413(例えば、TM偏光された光)を有し得る。
【0090】
図5は、本開示の実施形態によって例示的なビーム変位装置533を示す。例示的なビーム変位装置533は、例えば、ビーム変位光学装置407/408として使用できる。
図5は、FMCW LIDARにおけるビームウォークオフ補正のためのビーム変位装置の基本動作を示す。ビーム変位装置533の動作は、送信経路501および受信経路514について説明することができる。
【0091】
送信経路501において、コヒーレントピクセル502は、特定の偏光を有する送信ビーム503を放出する。送信ビーム503は、例えば、レーザによって生成されたレーザ光101であり得る。送信ビーム503は、赤外線であり得る。一部の実施形態において、送信ビーム503は、近赤外線である。コヒーレントピクセル502の図示された位置は、一部の実施形態において、二重偏光格子カプラ104と同じ位置にあり得る。
図5の例において、送信ビーム503の送信偏光は、45度であるが、この初期偏光は、異なる実施形態で異なり得る。送信ビーム503は、ビーム変位エレメント506の光軸に垂直になるように、送信ビーム505として図示された送信偏光を回転させる選択的(Optional)なビーム回転子504を介して伝搬される。選択的なビーム回転子504は、半波長板(Half Wave Plate)または他の異方性結晶(Anisotropic Crystal)を使用して具現できる。
図5において、ビーム変位エレメント506は、コヒーレントピクセル502と回転ミラー511との間に配置される。
【0092】
ビーム変位エレメント506によって伝搬された後に、送信ビーム507は、元の軸に沿って伝搬され、その偏光は変わらない(送信ビーム505の例と比較するとき)。
図5において、送信ビーム507は、ビーム変位エレメント506と回転ミラー511との間に配置されたレンズ508に入る。レンズ508は、光をコリメートして望む方向に操向することができる。レンズ508は、1つ以上のバルク光学レンズエレメント、マイクロレンズ、または薄い回折格子を使用して具現できる。レンズ508によって伝搬された後、光は、ビーム変位エレメント506と回転ミラー511との間に配置された選択的(Optional)な波長板509によって伝搬されることができる。波長板509は、入射光の偏光軸を45度移動させるように構成された1/4波長板であり得る。したがって、入射線形偏光された光は、波長板509によって円形偏光された光に変換されることができる。同様に、入射円形偏光された光は、波長板509によって線形偏光された光に変換されることができる。波長板509は、例えば、石英、有機材料シート、または液晶などの複屈折材料から形成され得る。
【0093】
図示の実施形態において、この円形偏光された送信ビーム510は、回転ミラー511から反射される。回転ミラー511は、特定の方向581(例えば、
図5における反時計回り581)に回転する連続回転ミラーであり得る。回転ミラー511は、LIDARシステムまたは装置の環境で送信ビーム510をターゲット513に向けるように構成される。回転ミラー511は、また、受信経路514でリターンビームを1つ以上のコヒーレントピクセル502に向けるように構成される。
【0094】
環境内のターゲットに衝突した後、送信ビームは、
図5の受信経路514に示されるように、リターンビーム516として戻る。すなわち、リターンビーム516は、ターゲット513から反射/散乱する送信ビーム512である。したがって、リターンビーム516は、送信ビーム512と同じ波長を有し得る。
【0095】
ターゲット513から反射/散乱するリターンビーム516は、回転ミラー511に再び伝搬される。光がターゲット513に伝搬され、再び戻るのにかかる時間の間、回転ミラー511は、方向581にわずかに回転する。その結果、リターンビーム516の光は、リターンビーム518によって示されるように、送信経路501に沿って伝搬される光について小さい角度(反射角度差593)で回転ミラー511から反射される。リターンビーム518は、コヒーレントピクセル502と回転ミラー511との間に配置されたビーム変位装置533に伝搬される。ビーム変位装置533は、回転ミラー511から反射される送信ビーム510とリターンビーム518との間の反射角度差593を補償するためにリターンビームに変位D2595を導入するように構成される。
【0096】
リターンビーム518は、1/4波長板509を再び通過する。ターゲット表面が入射偏光を維持すると、1/4波長板509を出るリターンビームは、送信方向にレンズを離れる偏光に垂直な線形偏光をもたらす。ターゲットが偏光をランダム化すると、1/4波長板509を出るリターンビームの偏光は、送信偏光と垂直偏光の両方を含む。この光は、レンズ508を再び通過する。ミラー角度の小さな変化(反射角度差593)により、リターンビームは、小さな角度でレンズ508に入り、これは送信経路501に対してレンズ508の下のリターンビーム521の位置で小さいオフセット、または「ビームウォークオフ」522に変換される。このリターンビームの偏光配向523のコンポーネントは、ビーム変位エレメント506の光軸上にゼロ以外の投影を有する。これは、ビーム変位エレメント506を介して伝搬されるとき、リターンビームを固定された変位量595だけ変位させる。ビーム変位エレメント506パラメータ(例えば、材料、厚さ、光軸配向)は、指定された距離でターゲットについてのビームウォークオフを除去(または少なくとも調整)する変位寸法(Displacement Dimension)D2595を生成(Yield)するように選択できる。すなわち、ビーム変位エレメント506は、回転ミラー511から反射される送信ビーム510とリターンビーム518との間の反射角度差593を補償するように構成され得る。
【0097】
一部の実施形態において、ビーム変位エレメント506は、複屈折材料を含む。一部の実施形態において、複屈折材料は、LiNO
3(Lithium Nitrate)であり得る。一部の実施形態において、複屈折材料は、YVO
4(Yttrium Orthovanadate)であり得る。一部の実施形態において、ビーム変位エレメント506は、複屈折材料を含まない。
図5において、送信ビーム505は、送信ビーム505がビーム変位エレメント506に出会うときに第1偏光配向を有し、リターンビーム523は、送信ビーム505の第1偏光配向に直交する第2偏光配向を有する。ビーム変位エレメント506の複屈折材料は、第1偏光配向ではなく第2偏光配向に変位寸法D2595を導入するように選択/構成され得る。
【0098】
ビーム変位エレメント506を通過した後に、リターンビーム525は、送信ビームと同じ軸に沿って伝搬されるが、送信ビーム505の送信偏光に対して垂直偏光を有する。リターンビーム525は、送信ビーム527に直交する偏光配向を有するリターンビーム527を生成するために望む量だけ偏光を回転させる選択的なビーム回転子504(コヒーレントピクセル502とビーム変位エレメント506との間に配置される)を介して伝搬される。偏光ダイバースコヒーレントピクセル502は、リターンビーム527を受信するように構成される。
【0099】
図6は、本開示の実施形態によって例示的なビーム変位装置633を示す。例示的なビーム変位装置633は、例えば、偏光ダイバースコヒーレントピクセル212とともに使用できる。
図5のコンポーネントは、リターンビームが送信ビームが放出されるチップの部分とは異なる部分に衝突するように、ウォークオフよりも大きいビームオフセットを生成するために修正され得る。これは、
図2および
図3に関連して説明したように、異なるコヒーレントピクセルアーキテクチャを使用できるようにする。
図6は、FMCW LIDARにおいて非同軸送信機および受信機を具現し、ビームウォークオフを補正するためのビーム変位装置の動作を示す。ビーム変位装置633の動作は、送信経路601および受信経路614について説明できる。
【0100】
送信経路601において、送信機602は、特定の偏光を有する送信ビーム603を放出する。送信ビーム603は、赤外線であり得る。一部の実施形態において、送信ビーム603は、近赤外線である。
図6の例において、送信ビーム603の送信偏光は、45度であるが、この初期偏光は、異なる実施形態で異なり得る。送信ビーム603は、ビーム変位エレメント606の光軸に垂直になるように送信ビーム605として示された送信偏光を回転させる選択的なビーム回転子604を介して伝搬される。選択的なビーム回転子604は、半波長板または他の異方性結晶を使用して具現できる。
図6において、ビーム変位エレメント606は、送信機602と回転ミラー611との間に配置される。
【0101】
ビーム変位エレメント606を介して伝搬された後、送信ビーム607は、元の軸に沿って伝搬され、その偏光は変わらない(送信ビーム605の例と比較するとき)。
図6において、送信ビーム607は、ビーム変位エレメント606と回転ミラー611との間に配置されたレンズ608に入る。レンズ608は、光をコリメートして望む方向に操向することができる。レンズ608は、1つ以上のバルク光学レンズエレメント、マイクロレンズ、または薄い回折格子を使用して具現できる。レンズ608を介して伝搬された後、光は、ビーム変位エレメント606と回転ミラー611との間に配置された選択的な波長板609を介して伝搬されることができる。波長板609は、入射光の偏光軸を45度移動させるように構成された1/4波長板であり得る。したがって、入射線形偏光された光は、波長板609によって円形偏光された光に変換されることができる。同様に、入射円形偏光された光は、波長板609によって線形偏光された光に変換されることができる。波長板609は、例えば、石英、有機材料シート、または液晶などの複屈折材料から形成され得る。
【0102】
図示の実施形態において、この円形偏光された送信ビーム610は、回転ミラー611で反射される。回転ミラー611は、特定の方向681(例えば、
図6の反時計回り681)に回転する連続回転ミラーであり得る。回転ミラー611は、LIDARシステムまたは装置の環境で送信ビーム610をターゲット613に向けるように構成される。回転ミラー611は、また、受信経路614でリターンビームを1つ以上の受信ピクセル628に向けるように構成される。
【0103】
環境でターゲットに衝突した後、送信ビームは、
図6の受信経路614に示されるように、リターンビーム616として戻る。すなわち、リターンビーム616は、ターゲット613から反射/散乱する送信ビーム612である。したがって、リターンビーム616は、送信ビーム612と同じ波長を有し得る。
【0104】
ターゲット613から反射/散乱するリターンビーム616は、回転ミラー611に再び伝搬される。光がターゲット613に伝搬され、再び戻るのにかかる時間の間、回転ミラー611は、方向681にわずかに回転する。その結果、リターンビーム616の光は、リターンビーム618によって示されるように、送信経路601に沿って伝搬される光について小さい角度(反射角度差693)で回転ミラー611から反射される。リターンビーム618は、受信ピクセル628と回転ミラー611との間に配置されたビーム変位装置633に伝搬される。ビーム変位装置633は、送信機602と受信ピクセル628との間の間隔691を補償するためにリターンビームに変位D2695を導入するように構成される。
図6において、ビーム変位装置633は、また、回転ミラー611から反射される送信ビーム610とリターンビーム618との間の反射角度差693を補償するように構成される。
【0105】
この光は、1/4波長板609を再び通過する。ターゲット表面が入射偏光を維持すると、1/4波長板609を出るリターンビームは、送信方向にレンズを離れる偏光に垂直な線形偏光をもたらす。ターゲットが偏光をランダム化すると、1/4波長板609を出るリターンビームの偏光は、送信偏光と垂直偏光の両方を含む。この光は、レンズ608を再び通過する。ミラー角度の小さな変化(反射角度差693)により、リターンビームは、小さな角度でレンズ608に入り、これは送信経路に対してレンズの下のリターンビーム621の位置での小さいオフセット、または「ビームウォークオフ」622に変換される。このリターンビームの偏光配向623のコンポーネントは、ビーム変位エレメント606の光軸上にゼロ以外の投影を有する。これは、ビーム変位エレメント606を介して伝搬されるとき、リターンビームを固定された変位量695だけ変位させる。ビーム変位エレメント606パラメータ(例えば、材料、厚さ、光軸配向)は、指定された距離でターゲットについてのビームウォークオフを除去(または少なくとも調整)する変位寸法D2695を生成するように選択できる。すなわち、ビーム変位エレメント606は、ミラーから反射される送信ビーム610とリターンビーム618との間の反射角度差693を補償するように構成され得る。また、ビーム変位エレメント606は、送信機602と受信ピクセル628との間の間隔691を補償する変位寸法D2695を算出するように構成され得る。
【0106】
一部の実施形態において、ビーム変位エレメント606は、複屈折材料を含む。一部の実施形態において、複屈折材料は、LiNO
3(Lithium Nitrate)であり得る。一部の実施形態において、複屈折材料は、YVO
4(Yttrium Orthovanadate)であり得る。一部の実施形態において、ビーム変位エレメント606は、複屈折材料を含まない。
図6において、送信ビーム605は、送信ビーム605がビーム変位エレメント606に出会うときに第1偏光配向を有し、リターンビーム623は、送信ビーム605の第1偏光配向に直交する第2偏光配向を有する。
ビーム変位エレメント606の複屈折材料は、第1偏光配向ではなく第2偏光配向に変位寸法D2695を導入するように選択/構成され得る。
【0107】
一部の実施形態において、ビーム変位エレメント606を通過した後、リターンビーム625は、送信ビームと同じ軸に沿って伝搬されるが、送信ビーム605の送信偏光に対して垂直偏光を有する。一部の実施形態において、リターンビーム625は、送信ビームの軸とは異なる軸に沿って伝搬される。リターンビーム625は、送信ビーム603に直交する偏光配向を有するリターンビーム627を生成するために望む量だけ偏光を回転させる選択的なビーム回転子604(送信機602とビーム変位エレメント606との間に配置される)を介して伝搬される。受信ピクセル628は、リターンビーム627を受信するように構成される。
【0108】
図7は、本開示の実施形態によってスイッチャブルビーム回転子704を含む例示的なビーム変位装置733を示す。スイッチャブルビーム回転子704は、電気信号705に応答してビーム変位方向を変更するように構成される。スイッチャブルビーム回転子704は、液晶を含むスイッチャブル半波長板であり得る。
【0109】
図7は、スイッチャブルビーム回転子704が電気信号705を使用して制御できるという点を除いたビーム変位装置533の変形を示す。スイッチャブルビーム回転子704は、回転ミラーが第1方向(例えば、方向781)に回転するときに第1遅延値(例えば、0度)に駆動され、回転ミラーが第2反対方向(例えば、方向782)に回転するとき、第2遅延値(例えば、90度)に駆動できる。したがって、送信ビーム706の偏光配向は、動的に90度変化し、ビームを異なる方向に変位させることができる。これは、回転ミラー712が通常の動作(ウォークオフ方向を逆にする)中に時計回り(例えば、方向782)および反時計回り(例えば、方向781)の両方で回転する場合に有用である。
【0110】
図8aは、本開示の態様によって
図1~
図7のLIDARデザインを含み得る例示的な自律車両800を示す。図示された自律車両800は、自律車両800の動作を制御する目的で自律車両の外部環境の1つ以上のオブジェクトをキャプチャし、キャプチャされた1つ以上のオブジェクトに関連するセンサーデータを生成するように構成されたセンサーアレイを含む。
図8aは、センサー833A、833B、833C、833Dおよび833Eを示す。
図8bは、センサー833A、833B、833C、833Dおよび833Eに加えて、センサー833F、833G、833Hおよび833Iを含む自律車両800の平面図を示す。任意のセンサー833A、833B、833C、833D、833E、833F、833G、833Hおよび/または833Iは、
図1~
図7の設計を含むLIDAR装置を含み得る。
図8cは、自律車両800のための例示的なシステム899のブロック図を示す。例えば、自律車両800は、エネルギーソース806によって動力の供給を受け、ドライブトレイン808に電力を提供できる原動機804を含むパワートレイン802を含み得る。自律車両800は、方向制御812、パワートレイン制御814、およびブレーキ制御816を含む制御システム810をさらに含み得る。自律車両800は、人および/または貨物を輸送することができ、様々な異なる環境で走行することができる車両を含む多くの異なる車両として具現できる。前述のコンポーネント802~816は、これらのコンポーネントが使用される車両のタイプによって広範囲に変化する可能性があることを理解するであろう。
【0111】
例えば、以下で説明する実施形態は、自動車、バン、トラック、またはバスなどの車輪付き陸上車両に焦点を合わせる。このような実施形態において、原動機804は、(その中でも)1つ以上の電気モータおよび/または内燃機関を含み得る。エネルギーソースは、例えば、燃料システム(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素を提供)、バッテリーシステム、ソーラーパネルまたは他の再生エネルギーソースおよび/または燃料電池システムを含み得る。ドライブトレイン808は、原動機804の出力を車両運動に変換するのに適したトランスミッションおよび/または任意の他の機械駆動コンポーネントとともにホイールおよび/またはタイヤを含み得るだけでなく、自律車両800を制御可能に停止または減速するように構成される1つ以上のブレーキおよび自律車両800の軌跡を制御するのに適した方向またはステアリングコンポーネント(例えば、自律車両800の1つ以上のホイールが車両の縦軸に対するホイールの回転平面の角度を変更するために、一般に垂直軸を中心に旋回することを可能にするラックおよびピニオンステアリング接続装置)を含み得る。一部の実施形態において、パワートレインとエネルギーソースの組み合わせが使用できる(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合)。一部の実施形態において、複数の電気モータ(例えば、個々の車輪または車軸専用)を原動機として使用できる。
【0112】
方向制御812は、自律車両800が望む軌跡に沿うことができるように、方向またはステアリングコンポーネントからフィードバックを制御かつ受信するための1つ以上のアクチュエーターおよび/またはセンサーを含み得る。パワートレイン制御814は、パワートレイン802の出力を制御するように構成され得るが、例えば、原動機804の出力電力を制御し、ドライブトレイン808の変速機ギアを制御することによって、自律車両800の速度および/または方向を制御できる。ブレーキ制御816は、自律車両800を減速または停止させる1つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールに結合されたディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成され得る。
【0113】
オフロード車両、オールテレーン(All-Terrain)またはトラック車両、または建設装備を含むが、これらに限定されない他の車両タイプは、必然的に、本開示の利点を有する通常の技術者であれば理解する他のパワートレイン、ドライブトレイン、エネルギーソース、方向制御、パワートレイン制御、およびブレーキ制御を活用する。また、一部の実施形態において、一部のコンポーネントは結合され得るが、例えば、車両の方向制御は、主に1つ以上の原動機の出力を変更することによって処理できる。したがって、本明細書に開示された実施形態は、車輪付き陸上自律車両において本明細書に説明された技術の特定の用途に限定されない。
【0114】
図示の実施形態において、自律車両800についての自律制御は、車両制御システム820で具現され、これは、処理ロジック822内の1つ以上のプロセッサおよび1つ以上のメモリ824を含み得、処理ロジック822は、メモリ824に格納されたプログラムコード(例えば、命令826)を実行するように構成される。処理ロジック822は、例えば、グラフィック処理装置(GPU)および/または中央処理装置(CPU)を含み得る。車両制御システム820は、リターンビームに応答して、または信号319および320に応答して自律車両800のパワートレイン802を制御するように構成され得る。車両制御システム820は、複数のLIDARピクセルからの出力に応答して自律車両800のパワートレイン802を制御するように構成され得る。
【0115】
センサー833A~833Iは、自律車両の動作を制御するのに使用するために自律車両の周辺環境からデータを収集するのに適した様々なセンサーを含み得る。例えば、センサー833A~833Iは、RADARユニット834、LIDARユニット836、3Dポジショニングセンサー838、例えば、GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、またはCompassなどの衛星航法システムを含み得る。
図1~
図7のLIDAR設計は、LIDARユニット836に含まれ得る。LIDARユニット836は、例えば、自律車両800の周囲に分散した複数のLIDARセンサーを含み得る。一部の実施形態において、3Dポジショニングセンサー838は、衛星信号を用いて地球上の車両の位置を決定し得る。センサー833A~833Iは、選択的に1つ以上の超音波センサー、1つ以上のカメラ840、および/または慣性測定ユニット(IMU)842を含み得る。一部の実施形態において、カメラ840は、静止画および/またはビデオ画像を記録することができるモノグラフィックカメラまたはステレオグラフィックカメラであり得る。カメラ840は、自律車両800の外部環境にある1つ以上のオブジェクトのイメージをキャプチャするように構成されたCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサーを含み得る。IMU842は、3つの方向で自律車両800の線形および回転運動を検出できるマルチジャイロスコープおよび加速度計を含み得る。ホイールエンコーダなどの1つ以上のエンコーダ(図示せず)は、自律車両800の1つ以上のホイールの回転をモニタリングするために使用できる。
【0116】
センサー833A~833Iの出力は、位置推定(Localization)サブシステム852、軌跡サブシステム856、知覚サブシステム854、および制御システムインターフェース858を含む制御サブシステム850に提供され得る。位置推定サブシステム852は、周辺環境内で、そして一般的に特定の地理的領域内で自律車両800の位置および(また、時々「姿勢」とも呼ばれる)方向を決定するように構成され得る。自律車両の位置は、ラベル付き自律車両データ生成の一部として、同じ環境内の追加車両の位置と比較できる。知覚サブシステム854は、自律車両800を囲む環境内のオブジェクトを検出、追跡、分類および/または決定するように構成され得る。軌跡サブシステム856は、特定のタイムフレームにわたって希望する目的地が与えられた自律車両800についての軌跡だけでなく、環境内で静止および移動するオブジェクトの軌跡を生成するように構成され得る。一部の実施形態による機械学習モデルは、車両軌跡を生成するために活用できる。制御システムインターフェース858は、自律車両800の軌跡を実施するために制御システム810と通信するように構成される。一部の実施形態において、機械学習モデルは、計画された軌跡を実施するために自律車両を制御するために活用できる。
【0117】
図8cに示す車両制御システム820についてのコンポーネントの集合は、本質的に単なる例示であることが理解されるであろう。個々のセンサーは、一部の実施形態においては省略され得る。一部の実施形態において、
図8cに示される異なるタイプのセンサーが自律車両を囲む環境で冗長的におよび/または異なる領域をカバーするために使用できる。一部の実施形態において、制御サブシステムの異なるタイプおよび/または組み合わせが使用できる。また、サブシステム852~858は、処理ロジック822およびメモリ824とは別のものとして示されているが、一部の実施形態において、サブシステム852~858の機能のうちの一部または全部は、メモリ824に常駐し、処理ロジック822によって行われる命令826などのプログラムコードで具現でき、これらのサブシステム852~858は、場合によっては、同じプロセッサおよび/またはメモリを使用して具現できることが理解されるであろう。一部の実施形態において、サブシステムは、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なFPGA(Field Programmable Gate Array)、様々なASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、様々なリアルタイムコントローラなどで具現でき、前述したように、複数のサブシステムが回路、プロセッサ、センサー、および/または他のコンポーネントを活用できる。また、車両制御システム820の様々なコンポーネントは、様々な方法でネットワーク化することができる。
【0118】
一部の実施形態において、自律車両800は、また、自律車両800のための冗長またはバックアップ制御システムとして使用できる2次車両制御システム(図示せず)を含み得る。一部の実施形態において、2次車両制御システムは、特定イベントに応答して自律車両800を操作できる。2次車両制御システムは、1次車両制御システム820で検出された特定イベントに応答して制限された機能のみを有し得る。また他の実施形態において、2次車両制御システムは、省略され得る。
【0119】
一部の実施形態において、ソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサー、およびネットワークの様々な組み合わせを含む異なるアーキテクチャが
図8cに示される様々なコンポーネントを具現するために使用できる。それぞれのプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサとして具現でき、それぞれのメモリは、メインストレージだけでなく、メモリの任意の補助レベル、例えば、キャッシュメモリ、不揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、またはリードオンリーメモリを表すことができる。また、それぞれのメモリは、例えば、大容量格納装置または他のコンピュータコントローラに格納されているような仮想メモリとして使用される任意の格納容量だけでなく、自律車両800の他の場所に物理的に位置したメモリストレージ、例えば、プロセッサの任意のキャッシュメモリを含むものと見なすことができる。
図8cに示される処理ロジック822、または完全に別個の処理ロジックは、自律制御の目的以外に自律車両800で追加の機能を実施するために、例えば、エンターテインメントシステムを制御したり、ドア、照明、または便宜機能を操作するために使用できる。
【0120】
また、追加の格納のために、自律車両800は、また、1つ以上の大容量格納装置、例えば、リムーバブルディスクドライブ、ハードディスクドライブ、直接アクセス格納装置(「DASD」)、光ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブ)、SSD(Solid State Storage Drive)、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、および/またはテープドライブなどを含み得る。また、自律車両800は、自律車両800が乗客から複数の入力を受信し、乗客のための出力を生成するためのユーザーインターフェース864、例えば、1つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声および/またはジェスチャーインターフェース、ボタン、およびその他の触覚コントロールを含み得る。一部の実施形態において、乗客からの入力は、他のコンピュータまたは電子装置を介して、例えば、モバイル装置のアプリを介して、またはウェブインターフェースを介して受信され得る。
【0121】
一部の実施形態において、自律車両800は、1つ以上のネットワーク870(例えば、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、無線ネットワーク、および/またはインターネットなど)と通信するのに適している1つ以上のネットワークインターフェース、例えば、ネットワークインターフェース862を含み得、これにより、例えば、自律車両800が自律制御に使用するために環境およびその他のデータを受信するためのクラウドサービスなどの中央サービスを含む他のコンピュータおよび電子装置との情報通信を可能にすることができる。一部の実施形態において、1つ以上のセンサー833A~833Iによって収集されたデータは、追加処理のためにネットワーク870を介してコンピューティングシステム872にアップロードされることができる。このような実施形態において、タイムスタンプは、アップロード前に車両データの各インスタンスに関連付けることができる。
【0122】
本明細書に開示される様々な追加のコントローラおよびサブシステムだけでなく、
図8cに示される処理ロジック822は、一般に、オペレーティングシステムの制御下で動作かつ実行されるか、そうでなければ以下に詳細に説明される様々なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、またはデータ構造に依存する。また、様々なアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、またはモジュールは、ネットワーク870を介して、例えば、分散、クラウドベース、またはクライアント-サーバコンピューティング環境で自律車両800に結合された他のコンピュータの1つ以上のプロセッサで行い得、これにより、コンピュータプログラムの機能を実施するために必要な処理がネットワークを介して複数のコンピュータおよび/またはサービスに割り当てられる。
【0123】
本明細書に記載されている様々な実施形態を具現するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部または特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令シーケンス、またはそのサブセットの一部として具現されているかどうかにかかわらず、ここで「プログラムコード」 と呼ばれる。プログラムコードは、一般に、様々なメモリおよび格納装置に常駐する1つ以上の命令を含み、1つ以上のプロセッサによって読み取りおよび実行されるとき、本開示の様々な態様を具現するステップまたは要素を実行するために必要なステップを実行する。また、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびシステムの文脈で説明されており、今後もそうであろうが、本明細書に記載されている様々な実施形態は、様々な形態のプログラム製品として配布されることができ、実施形態が実際に配布を実行するために使用される特定のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体に関係なく具現できることが理解されるであろう。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、揮発性および不揮発性メモリデバイス、フロッピーおよび他のリムーバブルディスク、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気テープおよび光ディスク(例えば、CD-ROM、DVD)のようなタイプの非一時的な媒体を含む。
【0124】
また、以下で説明される様々なプログラムコードは、特定の実施形態で具現されるアプリケーションに基づいて識別できる。しかし、以下の任意の特定のプログラム命名法は、単に便宜のために使用されたものであり、したがって、本発明は、このような命名法によって識別および/または暗示された任意の特定アプリケーションでのみ使用するように制限されてはならないことを理解するべきである。また、コンピュータプログラムがルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどで構成できる一般に無限の数の方式およびプログラム機能が通常のコンピュータ(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレット)内に常駐する様々なソフトウェア層の間に割り当てられる様々な方式を考慮するとき、本開示は、本明細書に記載のプログラム機能の特定の組織および割り当てに限定されないことを理解するべきである。
【0125】
本開示の利点を有する当業者は、
図8cに示す例示的な環境が本明細書に開示された実施形態を制限することを意図していないことを認識するであろう。実際、当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲から逸脱することなく、他の代替ハードウェアおよび/またはソフトウェア環境を使用できることを認識するであろう。
【0126】
本明細書において、「処理ロジック」(例えば、処理ロジック331または522)という用語は、本明細書に開示されている動作を実行するための1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)を含み得る。一部の実施形態において、メモリ(図示せず)は、演算を実行および/またはデータを格納するための命令を格納するために処理ロジックに統合される。また、処理ロジックは、本開示の実施形態に係る動作を実行するためのアナログまたはデジタル回路を含み得る。
【0127】
本明細書で説明する「メモリ」または「複数のメモリ」は、1つ以上の揮発性または不揮発性メモリアーキテクチャを含み得る。「メモリ」または「複数のメモリ」は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報格納のための任意の方法または技術で具現された取り外し可能および取り外し不可能媒体であり得る。メモリ技術の例においては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD、高精細マルチメディア/データ格納ディスクまたはその他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納装置、またはコンピューティング装置によってアクセスを可能にするように情報を格納するために使用できるその他の非送信媒体を含み得る。
【0128】
ネットワークは、ピアツーピアネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのパブリックネットワーク、プライベートネットワーク、セルラーネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、有無線組み合わせのネットワーク、および衛星ネットワークなどの任意のネットワークまたはネットワークシステムを含むが、これらに 限定されない。
【0129】
通信チャネルは、IEEE802.11プロトコル、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)、USB(Universal Serial Port)、CAN(Controller Area Network)、セルラーデータプロトコル(例えば、3G、4G、LTE、5G)、光通信ネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISP)、ピアツーピアネットワーク、LAN、WAN、パブリックネットワーク(例えば、「インターネット」)、プライベートネットワーク、衛星ネットワークまたは他のものを用いる1つ以上の有線または無線通信を含むか、またはこれによってルーティングされることができる。
【0130】
コンピューティング装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、フィーチャーホン、サーバコンピュータなどを含み得る。サーバコンピュータは、データセンターに遠隔に位置するか、またはローカルに格納できる。
【0131】
前述したプロセスは、コンピュータソフトウェアおよびハードウェアの側面で説明される。説明された技術は、機械によって実行されるときに、機械が説明された動作を実行させる有形または非一時的な機械(例えば、コンピュータ)可読格納媒体内に具現された機械実行可能命令を構成し得る。また、プロセスは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)などのハードウェア内に具現できる。
【0132】
有形の非一時的な機械可読格納媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、PDA、製造ツール、1つ以上のプロセッサセットを有する任意の装置など)によってアクセス可能な形態の情報を提供(例えば、格納)するための任意のメカニズムを含み得る。例えば、機械可読格納媒体は、記録可能/記録不可能媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリ装置など)を含む。
【0133】
要約書に説明されたものを含め、本開示の例示された実施形態についての前述の説明は、網羅的であること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態および例示が例示的な目的で本明細書に説明されているが、関連技術分野の技術者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0134】
このような本発明の修正は、前述の詳細な説明に照らして行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されてはならない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、これは特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1受信光カプラと、
第2受信光カプラと、
前記第1受信光カプラから第1受信信号を受信するように構成される第1光ミキサと、
前記第2受信光カプラから第2受信信号を受信するように構成される第2光ミキサと、
光素子の第1回転方向を示すスイッチング信号に応答して前記第1光ミキサに発振器光信号を提供するように構成され、前記光素子の第2回転方向を示すスイッチング信号に応答して前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するように構成される光スイッチと、を含み、
前記第1光ミキサは、前記発振器光信号および前記第1受信信号の受信に応答して第1電気信号を生成するように構成され、
前記第2光ミキサは、前記発振器光信号および前記第2受信信号の受信に応答して第2電気信号を生成するように構成される、
LIDARシステム。
【請求項2】
前記光素子は、
前記光スイッチが前記第1光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき
、前記第1
回転方向に回転
するように構成され、前記光スイッチが前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき
、前記第2
回転方向に回転するように構成される回転ミラー
を含み、
前記第1
回転方向は、前記第2
回転方向とは反対である
、
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項3】
前記光スイッチが前記第1光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第1光ミキサから第1電気信号を受信するように構成さ
れ、前記光スイッチが前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第2光ミキサから第2電気信号を受信するように構成される
処理ロジックをさらに含む、
請求項2に記載のLIDARシステム。
【請求項4】
前記回転ミラーは、前記回転ミラーが前記第1
回転方向に回転するとき、リターンビームを前記第1受信光カプラに向けるように構成され、
前記回転ミラーは、前記回転ミラーが前記第2回転方向に回転するとき、リターンビームを前記第2受信光カプラに向けるように構成される、
請求項2に記載のLIDARシステム。
【請求項5】
前記第1受信光カプラと前記第2受信光カプラとの間に配置される送信光カプラをさらに含む
、
請求項1に記載のLIDARシステム。
【請求項6】
前記第1受信光カプラは、前記送信光カプラに直交し、
前記第2受信光カプラは、前記送信光カプラに直交する
、
請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項7】
前記送信光カプラは、第1偏光配向を有する送信ビームを放出するように構成され
、
前記第1受信光カプラは、前記第1偏光配向に直交する第2偏光配向を受信するように構成され、
前記第2受信光カプラは、また、前記第2偏光配向を受信するように構成される、
請求項6に記載のLIDARシステム。
【請求項8】
レーザ光を受信するように構成されるスプリッタをさらに含み、
前記スプリッタは、前記送信光カプラに前記レーザ光の第1パーセンテージを提供
するように構成され、
前記スプリッタは、前記光スイッチに前記レーザ光の第2パーセンテージを提供するように構成される
、
請求項5に記載のLIDARシステム。
【請求項9】
前記レーザ光は、赤外線波長を有する
、
請求項8に記載のLIDARシステム。
【請求項10】
回転ミラーが第1方向に回転するときに第1光ミキサに発振器光信号を提供するために光スイッチを駆動するステップと、
前記第1光ミキサが前記発振器光信号を受信している間に、前記第1光ミキサによって生成された第1信号をサンプリングするステップと、
前記回転ミラーが前記第1方向とは反対の第2方向に回転するとき、第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するために前記光スイッチを駆動するステップと、
前記第2光ミキサが前記発振器光信号を受信している間に、前記第2光ミキサによって生成された第2信号をサンプリングするステップと、を含む、
LIDAR装置の動作方法。
【請求項11】
前記第1信号は、前記発振器光信号および第1受信光カプラによって生成された第1受信信号に応答して生成され、
前記第2信号は、前記発振器光信号および第2受信光カプラによって生成された第2受信信号に応答して生成される、
請求項10に記載のLIDAR装置の動作方法。
【請求項12】
前記回転ミラーは、リターンビームを前記第1受信光カプラに向けるように構成され、
前記回転ミラーは、前記リターンビームを前記第2受信光カプラに向けるように構成される、
請求項11に記載のLIDAR装置の動作方法。
【請求項13】
前記回転ミラーは、送信ビームを送信光カプラからターゲットに向けるようにさらに構成され、
前記リターンビームは、前記ターゲットから反射される送信ビームである、
請求項12に記載のLIDAR装置の動作方法。
【請求項14】
前記送信光カプラは、前記第1受信光カプラと前記第2受信光カプラとの間に配置される、
請求項13に記載のLIDAR装置の動作方法。
【請求項15】
前記送信光カプラは、第1偏光配向を有する前記送信ビームを放出するように構成され、
前記第1受信光カプラは、前記第1偏光配向に直交する第2偏光配向を受信するように構成され、
前記第2受信光カプラは、また、前記第2偏光配向を受信するように構成される、
請求項13に記載のLIDAR装置の動作方法。
【請求項16】
前記発振器光信号は、赤外線波長を有し、
前記第1受信信号と前記第2受信信号は、前記赤外線波長を有する、
請求項11に記載のLIDAR装置の動作方法。
【請求項17】
自律車両のための自律車両制御システムにおいて、
LIDAR装置と、
第1電気信号および第2電気信号に応答して前記自律車両を制御するように構成される1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記LIDAR装置は、
第1受信光カプラと、
第2受信光カプラと、
前記第1受信光カプラから第1受信信号を受信するように構成される第1光ミキサと、
前記第2受信光カプラから第2受信信号を受信するように構成される第2光ミキサと、
光素子の第1回転方向を示すスイッチング信号に応答して前記第1光ミキサに発振器光信号を提供するように構成され、前記光素子の第2回転方向を示すスイッチング信号に応答して前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するように構成される光スイッチと、を含み、
前記第1光ミキサは、前記発振器光信号および前記第1受信信号の受信に応答して第1電気信号を生成するように構成され、
前記第2光ミキサは、前記発振器光信号および前記第2受信信号の受信に応答して第2電気信号を生成するように構成される、
自律車両制御システム。
【請求項18】
前記光素子は、
前記光スイッチが前記第1光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第1回転方向に回転するように構成され、前記光スイッチが前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第2回転方向に回転するように構成される回転ミラーを含み、
前記第1回転方向は、前記第2回転方向とは反対である、
請求項17に記載の自律車両制御システム。
【請求項19】
前記LIDAR装置は、
前記光スイッチが前記第1光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第1光ミキサから第1電気信号を受信するように構成され、前記光スイッチが前記第2光ミキサに前記発振器光信号を提供するためにスイッチングされるとき、前記第2光ミキサから第2電気信号を受信するように構成される処理ロジックをさらに含む、
請求項18に記載の自律車両制御システム。
【請求項20】
前記回転ミラーは、リターンビームを前記第1受信光カプラに向けるように構成され、
前記回転ミラーは、前記リターンビームを前記第2受信光カプラに向けるように構成される、
請求項18に記載の自律車両制御システム。
【国際調査報告】