(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】アンカーレール及び該アンカーレールの製造方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/41 20060101AFI20230814BHJP
A47H 1/144 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
E04B1/41
A47H1/144
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546076
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021068684
(87)【国際公開番号】W WO2022028799
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】102020120750.6
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522012787
【氏名又は名称】ヴィルヘルム モーダーゾーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モーダーゾーン, ヴィルヘルム ヨッヘン ペーター
【テーマコード(参考)】
2E125
2E182
【Fターム(参考)】
2E125AA01
2E125AC13
2E125CA91
2E182DF02
(57)【要約】
本発明は、互いに連結される第1のレール部(2a)と第2のレール部(2b)とを有し、夫々にアンカーウェブ(3)が形成された、締結手段(20)を固定するためのアンカーレール(1)に関し、第1のレール部(2a)の第1の壁(8a)と第2のレール部(2b)の第2の壁(8b)との間に締結手段(20)のヘッド部(21)用のチャネル形状の受け部(13)が形成され、第1の壁(8a)には内向きに突出したウェブ(10)が設けられ、第2の壁(8b)には内向きに突出したウェブ(10)が設けられ、両内向きに突出したウェブ(10)がチャネル形状の受け部(13)に縁部で重なり、外向きに突出した支持ウェブ(12)が、第1の壁(8a)及び/又は第2の壁(8b)上の少なくとも一部分で内向きに突出したウェブ(10)の反対側に突出している。本発明はまた、特に強い力を吸収できるアンカーレール(1)を製造する方法に関する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連結される第1のレール部(2a)と第2のレール部(2b)とを有し、夫々にアンカーウェブ(3)が形成された、締結手段(20)を固定するためのアンカーレール(1)であって、
前記第1のレール部(2a)の第1の壁(8a)と前記第2のレール部(2b)の第2の壁(8b)との間に締結手段(20)のヘッド部(21)用のチャネル形状の受け部(13)が形成され、前記第1の壁(8a)には内向きに突出したウェブ(10)が設けられ、前記第2の壁(8b)には内向きに突出したウェブ(10)が設けられ、両内向きに突出したウェブ(10)が前記チャネル形状の受け部(13)に縁部で重なるアンカーレールにおいて、
外向きに突出した支持ウェブ(12)が、第1の壁(8a)及び/又は第2の壁(8b)上の少なくとも一部分で内向きに突出したウェブ(10)の反対側に突出している、アンカーレール(1)。
【請求項2】
前記第1の壁及び第2の壁(8a、8b)の夫々に、連続して外向きに突出する支持ウェブ(12)が設けられている、請求項1に記載のアンカーレール。
【請求項3】
第1の壁(8a)、内向きに突出したウェブ(10)及び外向きに突出した支持ウェブ(12)が断面でT字形の構成である、請求項1又は2に記載のアンカーレール。
【請求項4】
支持ウェブ(12)が第1の壁又は第2の壁(8a、8b)に溶接される、請求項1乃至3の何れかに記載のアンカーレール。
【請求項5】
支持ウェブ(12)が内向きに突出したウェブ(10)と一体的に形成される、請求項1乃至4の何れかに記載のアンカーレール。
【請求項6】
前記支持ウェブ(12)及び内向きに突出したウェブ(10)は、前記第1のレール部及び第2のレール部(2a、2b)よりも厚く、好ましくは少なくとも20%厚くされている、請求項5に記載のアンカーレール。
【請求項7】
支持ウェブ(12)及び内向きに突出したウェブ(10)が、第1のレール部及び第2のレール部(2a、2b)よりも高い強度の材料から成る、請求項5又は6に記載のアンカーレール。
【請求項8】
支持ウェブ(12)及び内向きに突出したウェブ(10)は、平坦な鋼製シートから作られ、該鋼製シートは溶接された突合せ継ぎ目(14)を介して中央領域で第1の壁または第2の壁(8a、8b)に接続される、請求項1乃至7の何れかに記載のアンカーレール。
【請求項9】
各レール部(2a、2b)が曲げられた鋼製シートから作られている、請求項1乃至8の何れかに記載のアンカーレール。
【請求項10】
前記第1のレール部及び第2のレール部(2a、2b)は、相互に溶接した接続ウェブ(6a、6b)を介して相互に接続されている、請求項1乃至9の何れかに記載のアンカーレール。
【請求項11】
内向きに突出したウェブ(10)の各々に凹凸形(11)が形成される、請求項1乃至10の何れかに記載のアンカーレール。
【請求項12】
締結手段(20)を固定するためのアンカーレール(1)を生産する方法であって、
鋼製シートからアンカーウェブ(3)を備えた第1及び第2のレール部(2a、2b)のための2つのブランクを生産する工程と、
鋼製シートからストリップ形状のブランクを生産する工程と、
第1のストリップ形状のブランクを第1のレール部(2a)の第1の壁(8a)に溶接する工程と、
ストリップ形状のブランクを第2のレール部(2b)の第2の壁(8b)に帯状のブランクを溶接する工程、及び
第1のレール部(2a)を第2のレール部(2b)に接続する工程であって、締結手段(20)のヘッド部(21)用のチャネル形状の受け部(13)が、第1の壁(8a)と第2の壁(8b)との間に形成され、各ストリップ状ブランクは、第1の壁及び第2の壁(8a、8b)上に、縁部で受け部(13)を覆う、内向きに突出したウェブ(10)と、外向きに突出した支持ウェブ(12)とを形成している工程とを備える、方法。
【請求項13】
第1及び第2のストリップ形状のブランクの溶接がレーザー溶接により実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ストリップ形状のブランクは、突合せ継ぎ目(14)を介して中央領域にて第1の壁及び第2の壁の各々の前側に溶接される、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに連結される第1のレール部と第2のレール部とを有し、夫々にアンカーウェブが形成された締結手段を固定するためのアンカーレールであって、前記第1のレール部の第1の壁と前記第2のレール部の第2の壁との間に締結手段のヘッド部用のチャネル状の受け部が形成され、前記第1の壁には内向きに突出したウェブが設けられ、前記第2の壁には内向きに突出したウェブが設けられ、両内向きに突出したウェブが前記チャネル状の受け部を縁部で覆うアンカーレールに関し、及びアンカーレールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーロッパ公開公報1764448号は、第1のレール部上にアンカーウェブが形成され、このアンカーウェブは、底部領域の第2のC字形レール部に接続されているたアンカーレールを開示している。2つのレール部の間のこの接続点は、締結手段が第2のレール部に挿入され、高い力が加えられると機能しなくなる弱点を形成する。
【0003】
さらに、アンカーレールが2つのレール部から作られているアンカーレール(ドイツ公開公報102008029838号、ドイツ公開公報102018003160号)で、各レール部はアンカーウェブで構成され、締結手段を受け入れるべくチャネルを囲む壁を形成する。折り曲げられ、内向きに突出するウェブが各壁上に形成され、ウェブは締結手段のヘッド部によって背後に係合される。
【0004】
これにより、締結手段を通る引張力が、各レール部を介して直接アンカーウェブに導入され、その結果、高い保持力が得られる。このようなアンカーレールは、一般にそれ自体が証明されているが、高強度鋼板を曲げることは、特に、それがいくらか大きな厚さで製造される場合には、問題がある。チャネル状の受け部の領域では、壁部上にて内側に突出したウェブがほぼ直角に曲げられ、これは鋼板の強度と厚さを制限し、従ってアンカーレールによって許容される最大保持力も制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、特に高い保有力を吸収し、効果的に製造できるアンカーレール及び該アンカーレールを製造する方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1の特徴を有するアンカーレールと請求項12の特徴を有する方法で解決される。
【0007】
本発明によるアンカーレールでは、締結手段のヘッド部分のためのチャネル状の受け部が、第1の壁と第2の壁との間に形成され、内方に突出するウェブが、各壁に設けられ、該壁は、縁部でチャネル形状の受け部を覆い、外方に突出する支持ウェブが、内向きに突出するウェブに対向する第1の壁及び/又は第2の壁の少なくとも一部に突出する。
【0008】
その結果、アンカーレールがコンクリートまたは別の成形材料に投入された後、外向きに突出する支持ウェブが使用されて、内向きに突出するウェブを安定させることができる。締結手段によって引張荷重が加えられると、内向きに突出するウェブは、アンカーレールから離れる方向に僅かに回転され、ここで、外向きに突出する支持ウェブによって変形が制限され、これが隣接部を形成する。外向きに突出する支持ウエブは、成形材料上に支持され、従って、内向きに突出するウェブでの変形を打ち消すことができる。これはまた、壁の変形を防止し、一種の曲げ支持として作用する。このように、少なくとも1つの支持ウェブが添付されると、この領域でのアンカーレールの強度が増し、その結果、より高い保持力が付与される。
【0009】
好ましくは、第1の壁と第2の壁の両方に支持ウェブが、特に内向きに突出するウェブと実質的に同じ長さに延びる連続的な支持ウェブが提供される。これにより、アンカーレールの全長にわたって支持ウェブを設けることができる。あるいは、支持ウェブの幾つかの部分を夫々1つの壁に固定することもできる。
【0010】
第1の壁、内向きに突出するウェブ、および外向きに突出する支持ウェブは、好ましくは、断面がT字形に構成され、その結果、第1の壁は、内向きに突出するウェブおよび支持ウェブに対して本質的に直角に整列される。同じことは第2の壁にも当てはまり、内向きに突出したウェブおよび該ウェブに取り付けられた支持ウェブに対して直角に配置されていることが好ましい。
【0011】
効果的な製造のために、支持ウェブは、例えばレーザー溶接工程によって、第1の壁または第2の壁に溶接される。好ましくは、支持ウェブは、内向きに突出するウェブと一体的に形成され、これにより、支持ウェブと内向きに突出するウェブは、第1の壁または第2の壁に高精度で固定することができる。試験は、ウェブとそれらに対してある角度で配列された壁との間の十分に安定した接続が、溶接接続によって、特にレーザー溶接によって生成され得ることを示している。
【0012】
好ましい構成では、支持ウェブ及び内向きに突出したウェブは、金属シート、特に、第1のレール部及び第2のレール部よりも厚い鋼製シートで作られている。その結果、締結手段のヘッド部が置かれる内向きに突出したウェブは、特に安定した構成とすることができる。内向きに突出したウェブは、壁を形成する2つのレール部のうちの1つよりも、少なくとも20%厚く、例えば、少なくとも1mm厚くなることが望ましい。
【0013】
厚さの構成とは代替的に、又はこれに加えて、支持ウェブ及び内向きに突出したウェブは、第1のレール部及び第2のレール部よりも高い強度の材料から形成することができる。支持ウェブと内側に突出したウェブ用のストリップ形状のブランクを高強度鋼板を用いて製造することにより、締結手段による力を受ける領域を、適当な材料を選択することによってレール部と同じ厚さでもより安定させることができる。
【0014】
支持ウェブおよび内向きに突出したウェブは、好ましくは、特にストリップ形状のブランクによって、平坦な鋼製シートから作られ、ここで、このブランクは、溶接された突合せ継ぎ目によって中央領域にて第1の壁または第2の壁に接続される。内向きに突出したウェブと支持ウェブは、夫々の壁から、例えば1mmから20mm、特に3mmから12mm突出する。2つのウェブを生産するためのストリップ形状ブランクの厚さは、例えば、2mmから10mmの間、特に3mmから8mmの間であり得る。
【0015】
各レール部は、曲げられた鋼製シートからなるのが好ましい。アンカーウェブは、レール部の角度を以って配列されるのが望ましい。第1のレール部および第2のレール部は、例えばドイツ公開公報102020103568号に開示されているように、溶接接続ウェブによって互いに接続することができる。付随的に、2つのレール部を互いに一体的に形成し、単一のブランクから製造することもできる。
【0016】
さらなる構成では、内向きに突出したウェブは、それぞれ、締結手段をアンカーレールの長手方向に固定することができるようにするために、凹凸形を有する。締結手段を長手方向に固定するために、ドイツ公開公報102020102977号に開示されているように、エッジ部分に凹凸形を有する保持プレートを設けることができる。
【0017】
本発明のアンカーレールの製造方法では、アンカーウェブを有する第1のレール部と第2のレール部用の2つのブランクを鋼製シートから作り、ストリップ形状のブランクを鋼製シートから作る。第1のストリップ形状のブランクが第1のレール部の第1の壁に溶接され、第2のストリップ形状のブランクが第2のレール部の第2の壁に溶接される。
【0018】
更に、2つのレール部は、特に、ストリップ形状のブランクが互いに溶接される前又は後に、互いに接合され、ここで、締結手段のヘッド部用のチャネル形状の受け部が第1の壁と第2の壁との間に形成され、各ストリップ形状のブランクは、第1の壁又は第2の壁に内向きに突出したウェブを形成し、該内向きに突出したウェブは、縁部で受け部を覆い、外向きに突出した支持ウェブを形成する。
【0019】
このように、本発明に係る方法では、2つのレール部を曲げてからそれらを接合する代わりに、ストリップ形状のブランクにより付加的な部品が製造され、これがレール部の壁に溶接される。その結果、アンカーレールの載荷面積は、機械的要件に応じてストリップ形状のブランクを選択することにより、特に安定させることができる。また、外向きに突出したウェブは、成形状態では支持ウェブが成形体に支持されているため、内向きに突出したウェブの変形を制限することができる。
【0020】
好ましくは、第1及び第2のストリップ形状のブランクの溶接は、レーザー溶接によって行われ、この場合、ストリップ形状のブランクとレール部の壁の端面との間の接触領域の材料は、更に溶接を追加することなく溶接される。これにより、内向きに突出したウェブを、高い精度で第1のレール部または第2のレール部上に位置させることができる。
【0021】
好ましくは、ストリップ形状のブランクは、ストリップ形状のブランクが夫々の壁から両側に突出するように、突合せ継ぎ目を介して中央領域にて第1の壁または第2の壁の夫々の端面に溶接される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、添付の図面を参考にした本実施の形態によって、以下により詳しく説明されている。
【
図1A】本発明に従ったアンカーレールの図を示す。
【
図1B】本発明に従ったアンカーレールの図を示す。
【
図3】締結手段を備えた
図1のアンカーレールを通る断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
アンカーレール1は、金属シート、特に鋼製のシートで作られた2つのレール部2a及び2bを含む。一体的に形成されたアンカーウェブ3が、各レール部2aおよび2bに設けられ、アンカーウェブ3は、拡幅された足部分4を有し、後に成形体、特にコンクリートの1つに浸漬される。
【0024】
アンカーウェブ3の少なくとも1つの部分に、凹部5が設けられ、凹部5にて3方向の側部に打ち出されたウェブ形状の材料を用いて、接続ウェブ6aまたは6bを生成する。接続ウェブ6a及び6bはそれらの対向端部において段差のある構成となっており、2つのレール部2a及び2bを所定の距離で固定することができる。接続ウェブ6aおよび6bは、ドイツ公開公報102020103568号に記載されているように、一緒に溶接されることが好ましい。
【0025】
特に
図2に示すように、第1のレール部2a上には壁8aがあり、第1の壁8aから離間して第2のレール部2bと一体に形成された第2の壁8bがある。2つの壁8aと8bの間には、締結手段のヘッド部を挿入するためのチャネル形状の受け部13が形成されている。チャネル形状の受け部13は、互いに固定された接続ウェブ6a及び6bによって境界が定められている。
【0026】
アンカーウェブ3は、壁8aまたは8bに対する角度で、望ましくは、5°から30°の間の範囲に位置することができる角度αで配列される。アンカーウェブ3と壁8aまたは8bの間に筋交い9が設けられる。
【0027】
内向きに突出するウェブ10が、チャネル形状の受け部13の反対側に設けられている。2つの内向きに突出するウェブ10は、チャネル形状の受け部13の縁部を覆い、ヘッド部分を有する締結手段をチャネル形状の受け部13内に挿入することができるスロットを残す。締結手段をアンカーレール1の長手方向に固定できるようにするために、内向きに突出したウェブ10上に凹凸形11が形成されている。
【0028】
内向きに突出したウェブ10は、レール部2a又は2bの1つと一体的に形成されるのではなく、外向きに突出する支持ウェブ12をも形成するストリップ状のブランクから作られる。この平坦なブランクは、好ましくは鋼製シートから作られ、該鋼製シートは、溶接突合せ継ぎ目14によって第1の壁8a又は第2の壁8bの端面に中央領域で接続される。このようにして内向きに突出したウェブ10と支持ウェブ12は、それぞれの壁8aまたは8bの両側から突出している。
【0029】
図3では、アンカーレール1は、ハンマーヘッドねじの形態の締結手段20とともに示されている。締結手段20のヘッド部21は、チャネル形状の受け部13に挿入され、ヘッド部21が2つの内向きに突出したウェブ10の背後に係合するように回転されている。ヘッド部21からねじ部22がアンカーレール1から突出しており、該ねじ部22に更なる部品を取り付けることができる。
【0030】
アンカーレール1を成形体、特にコンクリート本体に正確に固定するために、保持ブラケット30が設けられ、該保持ブラケット30は各場合において両側に突出フランジ31を有し、該突出フランジ31を締結手段、例えば釘によって型枠部品に固定することができる。それにより、ブラケット形状の部分32がチャネル形状の受け部13を収容し、該受け部13は、壁8aおよび8bと、接続ウェブ6aおよび6bとによって囲まれている。保持ブラケット30は、ドイツ公開公報102019124308号に記載されているように構成することができる。
【0031】
アンカーレール1を製造するために、2つのブランクが鋼製シートから作られ、該ブランクからアンカーウェブを有する第1のレール部および第2のレール部が形成される。また、ストリップ形状のブランクは、後に内側ウェブ10と支持ウェブ12を形成する鋼製シートから製造される。ストリップ形状のブランク用の鋼製シートは、レール部用の鋼製シートより厚く、及び/又は強度が高い。例えば、ストリップ形状のブランクの厚さは、レール部用の鋼製シートから作られたブランクの厚さよりも20%大きくすることができる。特に、厚さは0.5mmを超え、特に1mmを超える場合がある。或いは又は追加的に、レール部を製造するための鋼製シートよりも強度が高いストリップ形状のブランク用に鋼板を選択することができる。
【0032】
ブランクが製造された後、第1のブランクが第1のレール部2aの第1の壁8aに溶接され、第2のストリップ形状のブランクが第2のレール部2bの第2の壁8bに溶接される。溶接は、望ましくは、レーザ溶接工程を用いて行なわれ、壁8a又は8b上の材料が接触面の領域にて溶けてストリップ形状のブランクを溶接し、又は溶接しない。ストリップ形状のブランクは、突合せ継ぎ目14を介して中央領域で溶接される。
【0033】
この溶接とは一時的に独立して、2つのレール部2a及び2bは、接続ウェブ6a及び6bを介して互いに溶接することができ、好ましくは、レール部2a及び2bは、溶接されるブランクと共に個別に製造されるが、これらは同一の製造が可能であるからである。溶接が製造された後、次いで、レール部2a及び2bは、接続ウェブ6a及び6bを介して互いに溶接されることができる。
【0034】
図示された実施の形態では、接続ウェブ6a及び6bは、アンカーウェブ3上に凹部5を作ることにより提供される材料で構成されている。また、別の位置でレール部2a及び2b用のブランクからつくられた接続ウェブにより、レール部2a及び2bを接続することも明らかに可能である。さらに、別の材料で作られた別々の接続ウェブを、2つのレール部2aと2bを接続するために使用することもできる。更に別の方法では、レール部2a及び2bも一体に製造することができる。
【符号の説明】
【0035】
符号一覧
1 アンカーレール
2a, 2b レール部
3 アンカーウェブ
4 足部
5 凹部
6a, 6b 接続ウェブ
8a, 8b 壁
9 筋交い
10 ウェブ
11 凹凸形
12 支持ウェブ
13 チャネル形状の受け部
14 突合せ継ぎ目
20 締結手段
21 ヘッド部
22 ねじ部
30 保持ブラケット
31 フランジ
32 ブラケット形状の部分
α 角度
【国際調査報告】