(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】インターロイキン-1受容体関連キナーゼ1及び4の阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20230814BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230814BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230814BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230814BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230814BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230814BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230814BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230814BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230814BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20230814BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20230814BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230814BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230814BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230814BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230814BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20230814BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230814BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K45/00
A61P37/02
A61P29/00 101
A61P19/02
A61P3/10
A61P9/00
A61P29/00
A61P35/00
A61P1/16
A61P7/06
A61P1/04
A61P27/02
A61P35/02
A61P25/04
A61P35/04
A61P21/00
A61P43/00 111
A61K31/541
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504544
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021042874
(87)【国際公開番号】W WO2022020661
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508146307
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ロチェスター
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【氏名又は名称】田村 恭子
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シング,ラケシュ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】カルヴィ,ローラ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB01
4C063CC22
4C063DD12
4C063EE01
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA01
4C084ZA08
4C084ZA33
4C084ZA36
4C084ZA55
4C084ZA68
4C084ZA94
4C084ZA96
4C084ZB07
4C084ZB071
4C084ZB11
4C084ZB15
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZC35
4C084ZC422
4C084ZC75
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC88
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA55
4C086ZA68
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC35
4C086ZC42
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ1及び4(IRAK1及びIRAK4)の阻害剤である化合物、並びに自己免疫障害、がん、及び疼痛障害などの医学的障害の治療におけるその使用を提供する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグであって、
式中、
X
1は、NR
a、O、又はSから選択され、
X
2は、N、CH、及びCR
1から選択され、
X
3及びX
4は、独立して、N、CH、及びCR
2から選択され、
X
5は、O、NR
a、S、及びCR
bR
cから選択され、
X
6は、NR
a、-CR
dR
e-、S、及びOから選択され、
X
7は、結合又はNR
aであり、
R
aは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
3-C
7シクロアルキル、4~10員の単環式若しくは二環式複素環、5~10員の単環式若しくは二環式アリール、又は5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリールから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
b及びR
cは、独立して、各場合において、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
3-C
7シクロアルキル、4~10員の単環式若しくは二環式複素環、5~10員の単環式若しくは二環式アリール、C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
1、R
2、及びR
3は、独立して、各場合において、ハロ、ニトロ、シアノ、アジド、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、-NR
xR
y、-C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
mは、0、1、又は2であり、
nは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、3、又は4であり、
R
4は、
【化2】
から選択され、
X
8は、N、CH、及びCR
5から選択され、
X
9は、S、S(O)、及びS(O)
2から選択され、
R
5は、独立して、各場合において、ハロ、ニトロ、シアノ、アジド、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、-NR
xR
y、-C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
pは、0、1、2、3、又は4であり、
X
10は、NR
aであり、
X
11は、-(CR
dR
e)
q-であり、式中、qは、1又は2であり、
R
d及びR
eは、独立して、各場合において、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、アジド、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、-NR
xR
y、-C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
6は、-S(O)
2R
z又は-OS(O)
2R
zから選択され、
R
x及びR
yは、独立して、各場合において、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、及び(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)から選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
zは、独立して、各場合において、水素、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、及び-NR
xR
yから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
Yは、独立して、各場合において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-CHO、-COOH、-CONH
2、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルカノイル、(モノ若しくはジ-C
1-C
6アルキルアミノ)C
0-C
2アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、ヒドロキシC
1-C
6アルキル、エステル、カルバメート、尿素、スルホンアミド、-C
1-C
6アルキル(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)、-C
1-C
6アルキル(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)、-C
1-C
6アルキル(C
3-C
7シクロアルキル)、O-C
1-C
6アルキル(C
3-C
7シクロアルキル)、B(OH)
2、ホスフェート、ホスホネート、及びC
1-C
6ハロアルコキシから選択される、化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項2】
X
1がNR
aである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項3】
X
1がNHである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項4】
X
1がSである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項5】
X
1がOである、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項6】
X
2がNである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項7】
X
2がCHである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項8】
【化3】
から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項9】
【化4】
から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項10】
X
3がNである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項11】
X
3がCHである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項12】
X
4がNである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項13】
X
4がCHである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項14】
【化5】
から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項15】
【化6】
から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項16】
X
5がOである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項17】
X
6がNHである、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項18】
【化7】
から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項19】
【化8】
から選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項20】
X
7が結合である、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項21】
X
7がNHである、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項22】
R
4が
【化9】
である、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項23】
X
8がNである、請求項22に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項24】
X
9がS(O)である、請求項22又は23に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項25】
X
9がS(O)
2である、請求項22又は23に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項26】
【化10】
から選択される、請求項22に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項27】
【化11】
から選択される、請求項22に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項28】
R
4が
【化12】
である、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項29】
X
10がNHである、請求項28に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項30】
X
11が-(CR
dR
e)
2-である、請求項28又は29に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項31】
R
6が-S(O)
2R
zである、請求項28~30のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項32】
R
6が-S(O)
2(C
1-C
6アルキル)である、請求項28~30のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項33】
【化13】
から選択される、請求項28に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項34】
前記化合物が、
【化14】
から選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項35】
前記化合物が、
【化15-1】
【化15-2】
から選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項36】
前記化合物が、
【化16-1】
【化16-2】
から選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項37】
前記化合物が、
【化17-1】
【化17-2】
から選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ。
【請求項38】
請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
【請求項39】
第2の治療薬を更に含む、請求項38に記載の薬学的組成物。
【請求項40】
自己免疫障害の治療を必要とする対象において自己免疫障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ、あるいは請求項38に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項41】
前記自己免疫障害が、関節リウマチ、ループス、糖尿病、全身性硬化症、血管炎、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、巨細胞動脈炎(GCA)、自己免疫性脳炎、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性肝炎、溶血性貧血、炎症性腸疾患、クローン性造血、貧血又は慢性疾患、及び炎症性眼疾患からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、治療有効量の請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ、あるいは請求項38に記載の薬学的組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項43】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記固形腫瘍が、膵臓がん、肺がん、卵巣がん、結腸直腸がん、乳がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、及び腎がんからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記がんが、血液がんを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記血液がんが、白血病を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記血液がんが、骨髄腫を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
疼痛障害の治療を必要とする対象において疼痛障害を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ、あるいは請求項38に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
【請求項49】
前記疼痛障害が、神経障害性疼痛又は侵害受容性疼痛を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記疼痛障害が、炎症性疼痛、術後疼痛、変形性関節炎、転移性がんに伴う疼痛、三叉神経痛、急性ヘルペス性及びヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、カウザルギー、腕神経叢剥離、後頭神経痛、反射性交感神経ジストロフィー、線維筋痛、痛風、又は幻肢痛を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記化合物が、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて、又はそれと交互に投与される、請求項40~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記1つ以上の追加の治療薬が、NLRP3阻害剤を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上の追加の治療薬が、化学療法剤を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記1つ以上の追加の治療薬が、治療用抗体を含む、請求項51に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月24日に出願された米国仮出願番号第63/055,970号の優先権の利益を主張するものであり、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医学的障害の治療のための化合物、より具体的には、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ1及び4(IRAK1及びIRAK4)の阻害剤である化合物、並びにその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
インターロイキン受容体関連キナーゼ4(IRAK4)は、IRAK1、IRAK2、IRAK3、及びIRAK4からなる細胞内セリン-スレオニンキナーゼであるIRAKファミリーの重要な機能メンバーである(S. Li et al.PNAS,99(2002),p.5567を参照されたい)。IRAK4は、受容体の炎症誘発性IL-1ファミリー、並びに病原体感知及び自然免疫シグナル伝達Toll様受容体(TLR)の下流シグナル伝達メディエーターである。TLRは、慢性炎症過程の重要な特徴である壊死性細胞死及び組織損傷に関連した内因性病原体によって活性化される。IRAK4の異常な発現は、関節リウマチ及びループスなどの慢性炎症性疾患を形成する。また、MyD88アダプタータンパク質の活性化変異によるIRAK4経路の異常なシグナル伝達も、悪性腫瘍に関与しているとされている。IRAK4は免疫シグナル伝達受容体(TLR及びIL-1R)に近接していることから、自己免疫疾患及び炎症性疾患に対する制御を行うために、IRAK4の治療標的化に大きな関心が持たれている。IRAK4を標的とする治療薬は、膵臓がんなどの高リスクの悪性腫瘍の制御にも有用であることが示唆されている(D. Zhang et al.Clin.Canc.Res.(2016):doi:10.1158/1078-0432.CCR-16-1121),colitis-induced tumorigenesis and chemoresistance in colorectal cancer(Q. Li et al.JCI Insight 4(19),(2019),e130867を参照されたい)。
【0004】
アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health、NIH)によると、2350万人ものアメリカ人(人口の7%以上)が、自己免疫疾患に分類される疾患のいろいろな形態に罹患しており、その割合は増加傾向にある(NIH Autoimmune Diseases Coordinating Committee:Autoimmune Diseases Research Plan,March 2005を参照されたい)。一態様では、自己免疫疾患は、感染と戦う代わりに、自身の体の細胞、組織、臓器に付着する抗体の産生を導くことがある。自己免疫疾患は、体のほとんどどこにでも起こる可能性があり、中には体の複数の部位に影響を及ぼすものもある。また、自己免疫疾患には、不十分で深刻なアンメット・メディカル・ニーズが存在することが特徴である。同様に、2012年には150万人以上の新しいがん患者が診断され、その多くが直接的又は間接的にIRAK4シグナル伝達の異常によって形成されている。免疫障害及び悪性腫瘍の治療のために、IRAKファミリー、特にIRAK1及びIRAK4を標的とした新しい治療法の開発が必要であることは明らかである。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、インターロイキン受容体関連キナーゼ1及び4(IRAK1及びIRAK4)の阻害剤である化合物、並びに本明細書に記載の化合物を用いてIRAK1及び/又はIRAK4の異常な発現又はシグナル伝達と関連する障害を治療するための方法を提供するものである。
【0006】
したがって、一態様では、式Iの化合物、
【化1】
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグが提供され、
式中、全ての変数は、本明細書にて更に定義される。
【0007】
本明細書に記載される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグ、及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物も提供される。
【0008】
別の態様では、IRAK1及び/又はIRAK4の異常な発現又はシグナル伝達に関連する対象の医学的障害を治療する方法であって、対象に、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくはプロドラッグを治療有効量投与することを含む、方法。
【0009】
いくつかの実施形態では、医学的障害は、がんを含む。いくつかの実施形態では、医学的障害は、自己免疫障害を含む。別の態様では、医学的障害は、疼痛障害、例えば、神経障害性疼痛又は侵害受容性疼痛を含む。
【0010】
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】UR241-1の合成スキーム及び化学構造を示す。
【
図1B】UR241-2とIRAK-1とのin silico予測相互作用を示す。
【
図1C】UR241-2とIRAK-4とのin silico予測相互作用を示す。
【
図1D】UR241-2が、ヒト白血病THP-1レポーター細胞株において、IL1b誘導によるNF-kB活性を用量依存的に阻害したことを示す。
【
図1E】10分間及び30分間でのTHP-1細胞におけるUR241-2阻害IL1bシグナル伝達事象を示す[hIL-1β 10ng/mL、UR241-2 4μM、WB 30μg/レーン]。
【
図1F】マウスMLL-AF9白血病のメチルセルロース培養におけるコロニー形成活性のMCC950(100nM)を伴う、及び伴わないUR241-2(4uM)阻害を示す。
【
図2A】THP-1 NF-kBアッセイにおけるIRAK-1及び-4阻害剤の効果を示す。96ウェルホワイトプレートに播種したTHP-1(1e4細胞/0.1mL/ウェル)を、ビヒクル(DMS)0.4%、hIL-1β 10ng/mL、IKK2阻害剤20μMで処理した。
図2A:UR241-1。
図2B:PF06650833。
図C及びD:UR241-2 バッチ1及び3(B1、B3)。細胞は、30分間薬物で前処理した後、更に6時間hIL-1βで処理した。
【
図3】THP-1細胞におけるMAPキナーゼ発現の発現に対する、本明細書に開示された化合物の代表的な化合物であるUR241-1及びUR241-2の効果を示す。ビヒクル、hIL-1B(10ng/mL)、UR241-1(10μM)、UR241-2(4μM)で10分間及び30分間処理したTHP1の全細胞ライセート。30μgのタンパク質を電気泳動し、ホスホ-/ネイティブp65、ホスホ-p38、pAKT、GAPDHでプローブした。
【
図4A】THP-1細胞のインビトロでのコロニー形成能に対するMCC950(標準)、UR241-1、及びUR241-2の効果を示す。MCC-950(
図4A0、UR241-1(
図4B)、及びUR241-2(
図4C)は、THP-1細胞により形成されるコロニーを用量依存的に抑制した。
【
図5A】UR241-1(
図5A)、PF06650833(
図5B)、UR241-2、バッチ1(
図5C)、及びUR241-2、バッチ3(
図5D)での処理による、安定的にトランスフェクトされたTHP-1細胞におけるNF-kBレポーター活性の相対的阻害を示す。
【
図6A】MDS-L細胞のインビトロでのコロニー形成能に対するUR241-1及びUR241-2の効果を示す。(
図6A)UR241-1、及び(
図6B)UR241-2は、MDS-L細胞により形成されるコロニーを用量依存的に抑制した。
【
図7A】UR241-2(
図7A)、PF-06650833(
図7B、標準)、及びMCC950(
図7C、標準)処理が、MDS-L細胞のインビトロでのコロニー形成を阻害したことを示す。
【
図8A】UR241-1(
図8A)、UR241-2、バッチ1(
図8B)、UR241-2、バッチ2(
図8C)、及びUR241-2、バッチ3(
図8D)による、PANC-1膵臓がん細胞におけるNF-kBレポーター活性の阻害を示す。
【0012】
様々な図面における同様の参照記号は、同様な要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示された多くの変更及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示された教示の利益を有する開示された化合物、組成物、及び方法が属する技術分野の当業者には想定されるであろう。したがって、開示内容は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態が添付の請求項の範囲内に含まれることが意図されることが理解される。当業者は、本明細書に記載された態様の多くの変形及び適応を認識するであろう。これらの変形及び適応は、本開示の教示に含まれ、本明細書の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
【0014】
本書では特定の用語が用いられるが、これらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的としたものではない。
【0015】
本開示を読めば当業者には明らかなように、本明細書で説明及び例示した個々の実施形態の各々は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態の任意の特徴から容易に分離及び結合することができる個別の構成要素及び特徴を有している。
【0016】
記載された任意の方法は、記載された事象の順序で実行することも、論理的に可能な他の順序で実行することもできる。すなわち、別途明示的に述べられていない限り、本明細書に記載される任意の方法又は態様が、その工程が特定の順序で実行されることを要求していると解釈されることは、全く意図していない。したがって、工程が特定の順序に限定されることとなる旨が本願の特許請求の範囲又は本明細書において具体的に述べられていない場合、いかなる点においても、順序を黙示的に示すことは、全く意図していない。これは、工程の配置又は操作フローに関する論理的な事柄、文法的な構成又は句読点から導かれる平易な意味、又は本明細書に記載された態様の数若しくは種類を含む、あらゆる可能な明示的でない解釈の原則に適用される。
【0017】
本明細書で言及した全ての刊行物は、その刊行物が引用されている方法及び/又は材料に関連して開示及び説明されているため、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で論じた刊行物は、本出願の出願日に先立つ開示についてのみ提供されるものである。本明細書で提供されている刊行日は、実際の刊行日と異なる場合があり、別途確認が必要な場合がある。
【0018】
本明細書で使用される用語は特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されるべきである。別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、開示された化合物、組成物、及び方法が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。更に、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、本明細書及び関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されるべきでないことが理解されるであろう。
【0019】
本開示の様々な態様を説明する前に、以下の定義が提供され、特に示されない限り、使用されるべきである。更なる用語が、本開示の他の箇所で定義される場合がある。
【0020】
定義
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」は、言及された特徴、整数、工程、又は構成要素の存在を特定すると解釈されるが、1つ以上の特徴、整数、工程、又は構成要素、又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。更に、用語「により(by)」、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、「から構成される(comprised of)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、「含んだ(included)」、「関わる(involving)」、「関わる(involved)」、「関わった(involved)」、及び「など」の各々は、それらの開放的、非限定的な意味で用いられ、交換可能に使用されてもよい。更に、用語「含む(comprising)」は、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」によって包含される例及び態様を含むことが意図される。同様に、「本質的にからなる(consisting essentially of)」という用語は、「からなる(consisting of)」という用語に包含される例を含むことを意図している。
【0021】
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物」、「薬学的組成物」、又は「医学的障害」への言及は、2つ以上のそのような化合物、薬学的組成物、又は医学的障害などを含むが、これらに限定されるものではない。
【0022】
なお、本明細書では、比率、濃度、量、及びその他の数値データを範囲形式で表現することができる。更に、範囲の各々の端点は、他の端点と関連している場合も、他の端点とは独立している場合でも、有意であることが理解されるであろう。また、本明細書に開示される多くの値があり、各値はまた、その値自体に加えて、「約」を用いたその特定の値としても本明細書に開示されていることが理解される。例えば、「10」という値が開示されていれば、「約10」も開示されている。本明細書では、範囲は、「約」を用いた一方の特定の値から、及び/又は「約」を用いた他方の特定の値までを表すことができる。同様に、先行する「約」を使用することにより値が近似値として表される場合、その特定の値は更なる一態様を形成することが理解されよう。例えば、「10」という値が開示されていれば、「約10」も開示されている。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「約(about)」、「おおよそ(approximate)」、「そのあたり(at or about)」、及び「実質的に(substantially)」は、問題となる量又は値が、正確な値であるか、又は請求項に記載されているか、若しくは本明細書に教示されているのと同等の結果若しくは効果を提供する値であり得ることを意味している。すなわち、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の量、及び特性は、正確ではなく、また正確である必要もないが、同等の結果又は効果が得られるように、公差、変換係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に既知の他の要因を反映して、所望に応じて近似的及び/又は大きく又は小さくてもよいことが理解されよう。状況によっては、同等の結果又は効果をもたらす値を合理的に決定することができない場合がある。このような場合、本明細書で使用される場合、「約(about)」及び「そのあたり(at or about)」は、特に指示又は推論がない限り、示された公称値±10%の変動を意味すると一般に理解されている。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、又はその他の量若しくは特性は、明示的にそのように記載されているかどうかに関わらず、「約」、「おおよそ」、又は「そのあたり」である。定量値の前に「約」、「おおよそ」、「そのあたり」が使用されている場合、別途具体的に述べられていない限り、そのパラメータには特定の定量値自体も含まれると理解される。
【0024】
本明細書で使用される「有効量」は、細胞、組織、系、動物、又はヒトの有益な又は所望の生物学的、感情的、医学的、又は臨床的反応をもたらすのに十分な、本明細書に提供される開示化合物又は薬学的組成物の量を指す場合がある。有効量は、1回以上の投与、適用又は投薬で投与され得る。また、この用語は、実質的に正常な生理機能を増強又は回復させるのに有効な量もその範囲に含めることができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「治療上有効な量」という用語は、所望の治療結果を達成するのに十分な量、又は望ましくない症状に効果を有するが、有害な副作用を引き起こすには一般的に不十分である量を指す。任意の特定の患者に対する特定の治療上有効な用量レベルは、治療される障害及びその障害の重症度、用いられる特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的健康、性別及び食事、投与の時間、投与経路、用いられる特定の化合物の排泄率、治療の期間、用いられる特定の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬物、並びに医療従事者の知識及び専門知識の範囲内にあり医学分野でよく知られている同様の因子を含む様々な因子に依存するだろう。特定の疾患又は状態を治療する場合、場合によっては、所望の反応は、疾患又は状態の進行を抑制することになり得る。そのため、これは、一時的に疾患の進行を遅らせるだけということを含む。しかし、場合によっては、疾患の進行を永久に止めることが望まれることもある。これは、任意の特定の疾患について当業者に知られている慣用的な診断方法によってモニターすることができる。疾患又は状態の治療に対する所望の反応はまた、疾患若しくは状態の発症を遅らせること、又は発症を予防することであってもよい。
【0026】
例えば、化合物の投与を、所望の治療効果を得るために必要なレベルよりも低いレベルから開始し、所望の効果が得られるまで徐々に投与量を増加させることは、当業者の十分な知識である。所望により、1日の有効用量を投与の目的で複数回に分割することができる。その結果、単回用量の組成物は、1日用量を構成するために、そのような量又はその更なる分割量を含むことができる。用量は、任意の禁忌の場合には、個別の医師により調整することができる。一般に、本発明の薬理学的な薬剤の最大量(単独又は他の治療薬との併用)を使用することが好ましく、すなわち、健全な医学的判断に基づく最も高い安全な用量を使用することが好ましい。しかし、当業者であれば、患者が医学的理由、心理的理由、又は実質的に他のいかなる理由によっても、より低い用量又は耐容量を主張しうることは理解されよう。
【0027】
開示された化合物又は薬学的組成物の治療上有効量に対する応答は、治療又は薬理学的な薬剤の投与後の疾患症状の減少又は欠如などの生理学的効果を決定することによって測定することができる。他のアッセイは、当業者に既知であり、応答のレベルを測定するために採用することができるであろう。治療量は、例えば、開示された化合物及び/又は薬学的組成物の量を増加又は減少させることにより、投与される開示された化合物及び/又は薬学的組成物を変更することにより、投与経路を変更することにより、投与タイミングを変更することにより、などによって、変化させることができる。用量は変えることができ、1日又は数日間で、毎日1回以上の用量投与で投与されることができる。所与の部類の医薬製品の適切な用量については、文献に手引きを見出すことができる。
【0028】
本明細書において、「予防的に有効な量」という用語は、疾患又は状態の発症又は開始を予防するために有効な量を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「予防する」又は「予防」という用語は、特に事前の行動によって、何かが起こるのを阻止、回避、妨害、排除、停止、又は妨害することを指す。特に明記しない限り、阻害する(inhibit)又は予防する(prevent)が本明細書で使用される場合、他の2つの単語の使用も明示的に開示されることが理解される。
【0030】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」又は「任意選択に」とは、後で説明する事象若しくは状況が発生し得る、又は発生し得ないことを意味し、この説明には、前述の事象若しくは状況が発生する場合及び発生しない場合が含まれる。
【0031】
本明細書で互換的に使用されるように、「対象」、「個体」、又は「患者」は、哺乳類(例えば、ヒト)などの脊椎動物を指すことができる。「対象」は、細胞、細胞集団、組織、器官、又は生物、好ましくは、ヒト及びその構成要素を指すこともできる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「治療する」及び「治療」という用語は、一般に、所望の薬理学的効果及び/又は生理学的効果を得ることを指すことができる。効果は、医学的障害などの疾患、症状、又はその状態を予防又は部分的に防止するという点で、予防的であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。効果は、疾患、状態、症状、又は疾患、障害若しくは状態に起因する副作用の部分的、又は完全な治癒という点で、治療的であり得る。本明細書で使用される場合、用語「治療」は、対象、特にヒトにおける医学的障害の任意の治療を含むことができ、以下のいずれか1つ以上を含むことができる:(a)疾患の素因はあるが、まだ疾患と診断されていない対象において、疾患の発生を予防すること、(b)疾患を抑制すること、すなわち疾患の進行を阻止すること、並びに(c)疾患を緩和すること、すなわち疾患及び/又はその症状若しくは状態を軽減又は改善させること。本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、治療的治療のみ、予防的治療のみ、又は治療的治療及び予防的治療の両方を意味することができる。治療を必要とする者(すなわち、それを必要とする対象)には、既に障害を有する者、及び/又は障害を予防しようとする者が含まれ得る。本明細書で使用される場合、用語「治療する」は、疾患、障害又は状態を阻害すること、例えば、その進行を妨げること、並びに疾患、障害又は状態を緩和すること、例えば、疾患、障害、及び/又は状態の退行を引き起こすこと、を含むことができる。疾患、障害、又は状態を治療することは、基礎となる病態生理学が影響を受けない場合でも、特定の疾患、障害、又は状態の少なくとも1つの症状を改善することを含むことができ、例えば、鎮痛剤は疼痛の原因を治療しないが、鎮痛剤の投与によって対象の痛みを治療することができる。
【0033】
本明細書で使用される「用量」、「単位用量」又は「投与量」は、対象への使用に適した物理的に個別の単位を指すことができ、各単位は、その投与に関連して所望の応答又は複数の応答をもたらすように計算された所定の量の開示化合物及び/又はその薬学的組成物を含んでいる。
【0034】
本明細書において、「治療的」とは、疾患、障害、状態、又は副作用を治療、治癒、及び/又は改善すること、或いは疾患、障害、状態、又は副作用の進行速度を減少させることを指す場合がある。
【0035】
化学的定義
化合物は標準的な命名法を用いて記載される。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0036】
本明細書に記載される化合物は、特に示されない限り、又は文脈によって除外されない限り、エナンチオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマー、互変異性体、ラセミ体、及び回転異性体のような他の異性体を、あたかもそれぞれが明確に記載されているように含む。
【0037】
2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示す。例えば、-(C=O)NH2は、ケト(C=O)基の炭素を介して結合している。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「置換された」は、指定された原子又は基上の任意の1つ以上の水素が、指定された原子の通常の原子価を超えず、得られる化合物が安定であることを条件に、示された基から選択された部位で置換されることを意味する。例えば、置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、原子上の2つの水素が置換される。例えば、オキソで置換されたピリジル基は、ピリジンである。置換基及び/又は変数の組み合わせは、これらの組み合わせが安定した化合物又は有用な合成中間体をもたらす場合にのみ許容される。安定な活性化合物とは、単離することができ、少なくとも1ヶ月の貯蔵寿命を持つ剤形に製剤化できる化合物を指す。安定な製造中間体又は活性化合物の前駆体は、反応又は他の用途に必要な期間内に分解されない場合、安定である。安定な部分又は置換基とは、使用に必要な期間内に分解、反応、又は崩壊しないものである。不安定な部分の非限定的な例は、当業者に典型的に知られており識別可能なように、不安定な配置でヘテロ原子を結合するものである。
【0039】
安定な分子を形成し、本発明の所期の目的を満たす「置換」又は「任意選択的に置換」された位置に任意の適切な基が存在してもよく、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロ、ヒドロキシ、ケト、ニトロ、シアノ、アジド、シリル、スルホオキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシド、スルホニルアミノ、又はチオールなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0040】
「アルキル」は、直鎖又は分岐の飽和脂肪族炭化水素基である。特定の実施形態では、アルキルは、C1-C2、C1-C3、又はC1-C6である(すなわち、アルキル鎖は、1、2、3、4、5、又は6個の炭素の長さであり得る)。本明細書で使用する指定範囲は、独立した種として記載された範囲の各メンバーの長さを有するアルキル基を示す。例えば、本明細書で使用されるC1-C6アルキルは、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有するアルキル基を示し、これらの各々が独立した種として記載されることを意味することが意図され、本明細書で使用されるC1-C4アルキルは、1、2、3又は4個の炭素原子を有するアルキル基を示し、これらの各々が独立した種として記載されることを意味することが意図される。C0-Cnアルキルが、例えば(C3-C7シクロアルキル)C0-C4アルキル、又は-C0-C4(C3-C7シクロアルキル)などの別の基と関連して本明細書で使用される場合、示された基、この場合、シクロアルキルは、単一の共有結合によって直接結合されているか(C0アルキル)、又はアルキル鎖、この場合、1、2、3、又は4個の炭素原子によって結合されているかのいずれかである。アルキルは、-O-C0-C4アルキル(C3-C7シクロアルキル)のように、ヘテロ原子などの他の基を介して結合することも可能である。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、2-メチルペンテン、3-メチルペンテン、2,2-ジメチルブタン、及び2,3-ジメチルブタンを含むが、これに限定されない。一実施形態では、アルキル基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0041】
「シクロアルキル」は、飽和単環式又は多環式の炭化水素環系である。2つ以上の環で構成される場合、環同士は融合又は架橋様式で一緒に結合されていてもよい。典型的なシクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。一実施形態では、シクロアルキル基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0042】
「アルケニル」は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基であり、それぞれが独立して、シス又はトランスであり、鎖に沿って安定な点で発生してもよい。非限定的な例としては、C2-C4アルケニル及びC2-C6アルケニル(すなわち、2、3、4、5、又は6個の炭素を有するもの)が挙げられる。本明細書で使用される所定の範囲は、アルキル部分について上述したように、独立した種として記載された範囲の各メンバーを有するアルケニル基を示す。アルケニルの例には、エテニル及びプロペニルが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、アルケニル基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0043】
「アルキニル」は、鎖に沿った任意の安定点で発生し得る1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基であり、例えば、C2-C4アルキニル又はC2-C6アルキニル(すなわち、2、3、4、5又は6個の炭素を有する)である。本明細書で使用される所定の範囲は、アルキル部分について上述したように、独立した種として記載された範囲の各メンバーを有するアルキニル基を示す。アルキニルの例としては、エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、及び5-ヘキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、アルキニル基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0044】
「アルコキシ」は、酸素橋(-O-)を介して共有結合した上記で定義したようなアルキル基である。アルコキシの例としては、メトキシ、エトキシ(ethoy)、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、2-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、2-ペントキシ、3-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n-ヘキソキシ、2-ヘキソキシ、3-ヘキソキシ、及び3-メチルペントキが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、「アルキルチオ」又は「チオアルキル」基は、硫黄橋(-S-)を介して共有結合した指定された数の炭素原子を有する上記で定義したようなアルキル基をいう。一実施形態では、アルコキシ基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0045】
「アルカノイル」は、カルボニル(C=O)橋を介して共有結合した上記で定義したようなアルキル基である。カルボニル炭素は炭素数に含まれ、例えば、C2アルカノイルは、CH3(C=O)-基である。一実施形態では、アルカノイル基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0046】
「ハロアルコキシ」は、酸素橋(アルコールラジカルの酸素)を介して結合した本明細書で定義したようなハロアルキル基を示す。
【0047】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードのいずれかを示す。
【0048】
「アリール」は、芳香環又は複数の芳香環の中に炭素のみを含む芳香族基を示す。一実施形態では、アリール基は、1~3個の別個の又は融合した環を含み、環メンバーとしてヘテロ原子を含まず、6~14又は18個の環原子である。示される場合、そのようなアリール基は、炭素又は非炭素原子若しくは基で更に置換されていてもよい。このような置換には、N、O、B、P、Si及びSから独立して選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を任意選択的に含む4~7員又は5~7員の飽和又は部分不飽和の環状基への融合を含んでもよく、例えば、3,4-メチレンジオキシフェニル基を形成することができる。アリール基としては、例えば、フェニル、並びに1-ナフチル及び2-ナフチルを含むナフチルが挙げられる。一実施形態では、アリール基がペンダントしている。ペンダント環の例としては、フェニル基で置換されたフェニル基が挙げられる。一実施形態では、アリール基は、本明細書に記載されるように任意選択的に置換される。
【0049】
用語「複素環」は、飽和及び部分飽和のヘテロ原子含有の環ラジカルを指し、ヘテロ原子は、N、O、及びSから選択され得る。複素環という用語は、単環式3~12員環、並びに二環式5~16員環系(これは、融合、架橋、又はスピロ二環系を含み得る)を含む。それは、O-O-、-O-S-、及び-S-S-部分を含有する環は含まない。飽和複素環基の例としては、1~4個の窒素原子を含有する飽和4~7員の単環基[例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、アゼチジニル、ピペラジニル、及びピラゾリジニル]、1~2個の酸素原子及び1~3個の窒素原子を含有する飽和4~6員単環基[例えば、モルホリニル]、並びに1~2個の硫黄原子及び1~3個の窒素原子を含有する飽和3~6員複素単環式基[例えば、チアゾリジニル]が含まれる。部分飽和複素環ラジカルの例としては、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリル、及びジヒドロチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。部分飽和及び飽和複素環基の例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリジニル、ジヒドロチエニル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキサニル、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾフリニル、イソクロマニル、クロマニル、1,2-ジヒドロキノリル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリル、2,3,4,4a,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-3-アザ-フルオレニル、5,6,7-トリヒドロ-1,2,4-トリアゾロ[3,4-a]イソキノリル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジニル、ベンゾ[1,4]ジオキサニル、2,3,-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イソタゾル-6-イル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリル、及びジヒドロチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。二環式複素環には、複素環ラジカルがアリールラジカルと縮合した基であって、その結合点が複素環である基も含まれる。二環式複素環には、炭素環式ラジカルと縮合した複素環式ラジカルも含まれる。代表的な例としては、例えばインドリン及びイソインドリンなどの窒素原子1~5個を含有する部分不飽和縮合複素環基、酸素原子1~2個及び窒素原子1~3個を含有する部分不飽和縮合複素環基、硫黄原子1~2個及び窒素原子1~3個を含有する部分不飽和縮合複素環基、並びに酸素原子又は硫黄原子1~2個を含有する飽和縮合複素環基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
「ヘテロアリール」は、N、O、S、B、及びPから選択される(典型的にはN、O、及びSから選択される)1~3個、又はいくつかの実施形態では、1、2、若しくは3個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素である、安定な単環式、二環式、若しくは多環式芳香環を指すか、或いはN、O、S、B、若しくはPから選択される1~3個、又はいくつかの実施形態では、1~2個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子が炭素である、少なくとも1個の5、6、若しくは7員の芳香環を含有する安定な二環系又は三環系である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子は、窒素である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子は、酸素である。一実施形態では、唯一のヘテロ原子は、硫黄である。単環式ヘテロアリール基は、典型的には、5~6個の環原子を有する。いくつかの実施形態では、二環式ヘテロアリール基は、8員~10員ヘテロアリール基、すなわち、1つの5員、6員、又は7員の芳香環が第2の芳香環又は非芳香環に融合している8又は10個の環原子を含有する基であり、ここで、結合点は、芳香環である。ヘテロアリール基のS原子及びO原子の合計数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接していない。一実施形態では、ヘテロアリール基中のS原子及びO原子の合計数は、2以下である。別の実施形態では、ヘテロアリール基中のS原子及びO原子の合計数は、1以下である。ヘテロアリール基の例としては、ピリジニル、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、トリアゾリルチアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
「薬学的に許容される塩」は、親化合物が、その無機及び有機の無毒の薬学的に許容される酸若しくは塩基付加塩を作製することによって修飾される、開示された化合物の誘導体である。本化合物の塩は、慣用の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態を、化学両論的量の適切な塩基(例えば、Na、Ca、Mg、又はKの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩など)と反応させることによって、又はこれらの化合物の遊離塩基形態を、化学両論的量の適切な酸と反応させることによって調製することができる。そのような反応は、典型的には、水中又は有機溶媒中、又はそれら2つの混合物中で行われる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が、実行可能な場合には典型的である。本化合物の塩は、化合物及び化合物の塩の溶媒和物を更に含む。薬学的に許容され得る塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸又は有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ又は有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩には、ヒトでの消費に許容される塩、及び、例えば、無機酸又は有機酸から形成された親化合物の四級アンモニウム塩が含まれる。そのような塩の例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸に由来する塩、並びに、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、メシル酸、エシル酸、ベシル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、HOOC-(CH2)1-4-COOHなどの有機酸から調製される塩、又は同じ対イオンを生成する異なる酸を使用する塩が挙げられる。追加の好適な塩のリストは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA.,p.1418(1985)で見出すことができる。
【0052】
式Iの化合物
本開示は、インターロイキン-1受容体関連キナーゼ1及び4(IRAK1及びIRAK4)の阻害剤である化合物を提供する。本開示化合物は、IRAK1及び/又はIRAK4の異常な発現又はシグナル伝達に関連する医学的障害、例えば、炎症性障害又はがんの治療に有用である。
【0053】
したがって、一態様では、式Iの化合物、
【化2】
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグが提供され、
式中、
X
1は、NR
a、O、又はSから選択され、
X
2は、N、CH、及びCR
1から選択され、
X
3及びX
4は、独立して、N、CH、及びCR
2から選択され、
X
5は、O、NR
a、S、及びCR
bR
cから選択され、
X
6は、NR
a、-CR
dR
e-、S、及びOから選択され、
X
7は、結合又はNR
aであり、
R
aは、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
3-C
7シクロアルキル、4~10員の単環式若しくは二環式複素環、5~10員の単環式若しくは二環式アリール、又は5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリールから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
b及びR
cは、独立して、各場合において、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
3-C
7シクロアルキル、4~10員の単環式若しくは二環式複素環、5~10員の単環式若しくは二環式アリール、C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
1、R
2、及びR
3は、独立して、各場合において、ハロ、ニトロ、シアノ、アジド、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、-NR
xR
y、-C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
mは、0、1、又は2であり、
nは、0、1、又は2であり、
oは、0、1、2、3、又は4であり、
R
4は、
【化3】
から選択され、
X
8は、N、CH、及びCR
5から選択され、
X
9は、S、S(O)、及びS(O)
2から選択され、
R
5は、独立して、各場合において、ハロ、ニトロ、シアノ、アジド、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、-NR
xR
y、-C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
pは、0、1、2、3、又は4であり、
X
10は、NR
aであり、
X
11は、-(CR
dR
e)
q-であり、式中、qは、1又は2であり、
R
d及びR
eは、独立して、各場合において、水素、ハロ、ニトロ、シアノ、アジド、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、-NR
xR
y、-C(O)R
z、-S(O)R
z、及び-S(O)
2R
zから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
6は、-S(O)
2R
zから選択され、
R
x及びR
yは、独立して、各場合において、水素、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
0-C
6アルキル)、及び(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)から選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
R
zは、独立して、各場合において、水素、ハロ、C
1-C
6アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、C
2-C
6アルケニル、C
2-C
6アルキニル、C
3-C
7シクロアルキル、(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)-(C
0-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式アリール)-(C
1-C
6アルキル)、(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)-(C
0-C
6アルキル)、-OR
x、-SR
x、及び-NR
xR
yから選択され、それらの各々は、原子価が許容する限り、1つ以上のY基で任意選択的に置換されてもよく、
Yは、独立して、各場合において、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、-CHO、-COOH、-CONH
2、C
1-C
6アルキル、C
2-C
6アルカノイル、(モノ若しくはジ-C
1-C
6アルキルアミノ)C
0-C
2アルキル、C
1-C
6ハロアルキル、ヒドロキシC
1-C
6アルキル、エステル、カルバメート、尿素、スルホンアミド、-C
1-C
6アルキル(4~10員の単環式若しくは二環式複素環)、-C
1-C
6アルキル(5~10員の単環式若しくは二環式ヘテロアリール)、-C
1-C
6アルキル(C
3-C
7シクロアルキル)、O-C
1-C
6アルキル(C
3-C
7シクロアルキル)、B(OH)
2、ホスフェート、ホスホネート、及びC
1-C
6ハロアルコキシから選択される。
【0054】
式Iのいくつかの実施形態では、X1はNRaである。式Iのいくつかの実施形態では、X1はOである。式Iのいくつかの実施形態では、X1はSである。式Iのいくつかの実施形態では、X1はNHである。
【0055】
式Iのいくつかの実施形態では、X2はNである。式Iのいくつかの実施形態では、X2はCHである。式Iのいくつかの実施形態では、X2はCR1である。
【0056】
式Iのいくつかの実施形態では、
【化4】
は、
【化5】
から選択される。
【0057】
式Iのいくつかの実施形態では、X3はNである。式Iのいくつかの実施形態では、X3はCHである。式Iのいくつかの実施形態では、X3はCR2である。
【0058】
式Iのいくつかの実施形態では、X4はNである。式Iのいくつかの実施形態では、X4はCHである。式Iのいくつかの実施形態では、X4はCR2である。
【0059】
式Iのいくつかの実施形態では、
【化6】
は、
【化7】
から選択される。
【0060】
式Iのいくつかの実施形態では、X5はOである。式Iのいくつかの実施形態では、X5はNRaである。式Iのいくつかの実施形態では、X5はSである。式Iのいくつかの実施形態では、X5はCRbRcである。
【0061】
式Iのいくつかの実施形態では、X6はNRaである。式Iのいくつかの実施形態では、X6はNHである。式Iのいくつかの実施形態では、X6はOである。式Iのいくつかの実施形態では、X6は-CRdRe-である。式Iのいくつかの実施形態では、X6はCH2である。式Iのいくつかの実施形態では、X6はSである。
【0062】
式Iのいくつかの実施形態では、
【化8】
は、
【化9】
から選択される。
【0063】
いくつかの実施形態では、
【化10】
は、
【化11】
から選択される。
【0064】
式Iのいくつかの実施形態では、X7は結合である。式Iのいくつかの実施形態では、X7はNRaである。式Iのいくつかの実施形態では、X7はNHである。
【0065】
式Iのいくつかの実施形態では、R
4は
【化12】
である。
【0066】
式Iのいくつかの実施形態では、R
4は
【化13】
である。
【0067】
式Iのいくつかの実施形態では、
【化14】
は、
【化15】
から選択される。
【0068】
式Iのいくつかの実施形態では、
【化16】
は、
【化17】
から選択される。
【0069】
式Iのいくつかの実施形態では、化合物は、
【化18】
からなる群から選択される。
【0070】
式Iのいくつかの実施形態では、化合物は、
【化19-1】
【化19-2】
からなる群から選択される。
【0071】
式Iのいくつかの実施形態では、化合物は、
【化20-1】
【化20-2】
からなる群から選択される。
【0072】
式Iの化合物の代表例は、
【化21-1】
【化21-2】
を含むが、これらに限定されない。
【0073】
本開示はまた、原子の少なくとも1つの所望の同位体置換を、その同位体の天然存在量以上の量で、すなわち、富化した式Iの化合物を含む。
【0074】
本開示の化合物に組み込まれ得る同位体の例には、それぞれ、水素,炭素,窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、15N、17O、18O、18F,31P、32P、35S、36Cl、及び125Iが含まれる。一実施形態では、放射性同位体で標識された化合物は、代謝研究(14Cによる)、反応速度研究(例えば2H若しくは3Hによる)、薬剤及び基質の組織分布測定を含むポジトロン放出断層撮影(PET)若しくは単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)などの検出若しくはイメージング技術、又は患者の放射線治療に使用することができる。特に、18F標識された化合物は、PET又はSPECTの研究に特に望ましい場合がある。同位体標識された本発明の化合物及びそのプロドラッグは、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬に置き換えて、本明細書に開示した手順を実施することにより調製することができる。
【0075】
限定的ではない一般的な例として、水素の同位体、例えば重水素(2H)及びトリチウム(3H)を、記述された構造中の所望の結果を達成する任意の場所に任意選択的に使用することができる。代替的に又は追加的に、炭素の同位体、例えば、13C及び14Cを使用してもよい。一実施形態では、同位体置換は、薬物としての分子の性能、例えば、薬力学、薬物動態、生体内分布、半減期、安定性、AUC、Tmax、Cmaxなどを改善するために、分子上の1つ以上の位置で水素を重水素に置き換えることをいう。例えば、重水素は、代謝中の結合切断の配分において炭素に結合することができ(α-重水素の運動同位体効果)、又は結合切断の部位の隣若しくは近くで炭素に結合することができる(β-重水素の運動同位体効果)。
【0076】
同位体置換、例えば、重水素置換は、部分的なもの又は完全なものであり得る。部分的な重水素置換とは、少なくとも1つの水素が重水素で置換されていることを意味する。特定の実施形態では、同位体は、目的の任意の位置で、同位体が80、85、90、95、又は99%以上富化されている。いくつかの実施形態では、重水素は、所望の位置で、80、85、90、95、又は99%富化されている。特に断らない限り、任意の点における富化は、自然存在量以上であり、一実施形態では、ヒトにおける薬剤としての化合物の検出可能な特性を変化させるのに十分である。
【0077】
本開示の化合物は、溶媒(水を含む)と溶媒和物を形成していてもよい。したがって、一実施形態では、本発明は、活性化合物の溶媒和された形態を含む。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物(その塩を含む)と1つ又は複数の溶媒分子との分子複合体を指す。溶媒の非限定的な例としては、水、エタノール、ジメチルスルホキシド、アセトン、及び他の一般的な有機溶媒が挙げられる。「水和物」とは、開示された化合物と水を含む分子複合体を指す。本発明による薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体置換されていてもよいもの、例えば、D2O、d6-アセトン、又はd6-DMSOを含む。溶媒和物は、液体又は固体形態であり得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」とは、インビボで宿主に投与されると親薬物に変換される化合物を意味する。本明細書で使用される場合、用語「親薬物」は、本明細書に現在記載されている化合物のいずれかを意味する。プロドラッグは、親薬物の特性を強化すること、又は親薬物の薬学的若しくは薬物動態学的特性を改善することを含む、任意の所望の効果を達成するために使用することができ、インビボでの薬物の半減期を増加させることも含まれる。プロドラッグ戦略は、親薬物をインビボで生成するための条件を調整するための選択肢となる。プロドラッグ戦略の非限定的な例としては、除去可能な基、又は基の除去可能な部分の共有結合を含み、例えば、アシル化、リン酸化、ホスホニル化、ホスホロアミド誘導体、アミド化、還元、酸化、エステル化、アルキル化、他のカルボキシ誘導体、スルホキシ若しくはスルホン誘導体、カルボニル化、又は無水物等があるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、プロドラッグは、親化合物をより親油性にする。特定の実施形態では、直鎖状、分岐状、又は環状の様式で複数のプロドラッグ部分を有するプロドラッグを提供することができる。例えば、非限定的な実施形態は、ジカルボン酸、アミノ酸、ジアミン、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシアミン、ジヒドロキシ化合物、又は親化合物を別のプロドラッグ部分と連結でき、かつ一般的にインビボで生分解性である、少なくとも2つの官能基を有する他の化合物などの二価リンカー部位の使用を含む。いくつかの実施形態では、2、3、4、又は5個のプロドラッグの生分解性部位が、親化合物に順列、分岐、又は環状の様式で共有結合している。本開示によるプロドラッグの非限定的な例としては、以下のもの:親薬物上のカルボン酸とヒドロキシル化プロドラッグ部分とでエステルを形成するもの;親薬物上のカルボン酸とアミンプロドラッグとでアミドを形成するもの;親薬物上のアミノとカルボン酸プロドラッグ部分とでアミドを形成するもの;親薬物上のアミノとスルホン酸でスルホンアミドを形成するもの;親薬物上のスルホン酸とプロドラッグ部分上のアミノとでスルホンアミドを形成するもの;親薬物上のヒドロキシル基とプロドラッグ部分上のカルボン酸でエステルを形成するもの;親薬物上のヒドロキシルとヒドロキシル化プロドラッグ部分でエステルを形成するもの;親薬物上のホスホン酸塩とヒドロキシル化プロドラッグ部分でホスホン酸塩エステルを形成するもの;親薬物上のリン酸とヒドロキシル化プロドラッグ部分でリン酸エステルを形成するもの;親薬物上のヒドロキシルとプロドラッグ上のホスホン酸塩でホスホン酸エステルを形成するもの;親薬物上のヒドロキシルとリン酸プロドラッグ部分でリン酸エステルを形成するもの;親薬物上のカルボン酸と構造HO-(CH2)2-O-(C2-24アルキル)のプロドラッグでエステルを形成するもの;親薬物上のカルボン酸と構造HO-(CH2)2-S-(C2-24アルキル)のプロドラッグでチオエステルを形成するもの;親薬物上のヒドロキシルと構造HO-(CH2)2-O-(C2-24アルキル)のプロドラッグでエーテルを形成するもの;親薬物上のヒドロキシルと構造HO-(CH2)2-O-(C2-24アルキル)のプロドラッグでチオエーテルを形成するもの;及び親化合物上のカルボン酸、オキシム、ヒドラジド、ヒドラジン、アミン又はヒドロキシルと、ポリ乳酸、ポリ乳酸-コ-グリコリド、ポリグリコリド、ポリエチレングリコール、ポリ無水物、ポリエステル、ポリアミド、又はペプチドなどを含むがこれらに限定されない生分解性ポリマー又はオリゴマーであるプロドラッグ部分と、で形成される。
【0079】
いくつかの実施形態では、プロドラッグは、天然又は非天然アミノ酸を親化合物上の適切な機能部位、例えば、酸素、窒素、又は硫黄、典型的には、酸素又は窒素に、通常はアミノ酸がインビボで切断されて親薬を提供するような方法で結合させることにより、提供される。アミノ酸は、単独で、又は1つ以上の他のプロドラッグ部分に共有結合(直鎖、分岐若しくは環状)して、半減期の増加、親油性、又は他の薬物送達若しくは薬物動態学的特性などの所望の性能を達成するために、親薬物を修飾して使用することができる。アミノ酸は、アミノ基及びカルボン酸を有する任意の化合物であればよく、脂肪族アミノ酸、アルキルアミノ酸、芳香族アミノ酸、ヘテロ脂肪族アミノ酸、ヘテロアルキルアミノ酸、ヘテロ環状アミノ酸、又はヘテロアリールアミノ酸が含まれる。
【0080】
治療方法
一態様では、IRAK4の異常な発現又はシグナル伝達に関連する医学的障害の治療のための方法が提供される。
【0081】
別の態様では、炎症性障害の治療を必要とする対象において炎症性障害を治療するための方法であって、治療有効量の本明細書で開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはブロドラッグを対象に投与することを含む方法も提供される。炎症性障害の代表的な例としては、腹膜炎、変形性関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、喘息、成人呼吸促迫症候群、糸球体腎炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、バセドウ病、自己免疫性胃炎、インスリン依存性糖尿病(I型)、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、アトピー性皮膚炎、移植片対宿主病、骨粗鬆症、多発性骨髄腫関連骨障害、白血病及び関連障害、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、クローン性造血、慢性疾患の貧血、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポジ肉腫、多発性硬化症、敗血症、敗血性ショック、赤痢、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳虚血、心筋虚血、脊髄性筋萎縮症、多発性硬化症、AIDS関連脳炎、HIV関連脳炎、老化、脱毛症、脳卒中による神経損傷、潰瘍性大腸炎、感染性肝炎、若年性糖尿病、扁平苔癬、急性皮膚筋炎、湿疹、原発性肝硬変、ブドウ膜炎、ベーチェット病、アトピー性皮膚疾患、赤芽球癆、再生不良性貧血、筋萎縮性側索硬化症、ネフローゼ症候群、火傷、気管支炎、腱炎、滑液包炎、結節性多発動脈炎、甲状腺炎、ホジキン病、リウマチ熱、サルコイドーシス、多発性筋炎、歯肉炎、過敏症、結膜炎、損傷後に生じる腫れ、アレルギー性鼻炎、内毒素性ショック症候群、及びアテローム性動脈硬化症、乾癬性関節炎、血管炎、リウマチ性多発性筋痛症、ウェゲナー肉芽腫症、側頭動脈炎、慢性閉塞性肺疾患、クリオグロブリン血症、移植拒絶、眼炎症性疾患、及び毛細血管拡張性運動失調症が挙げられる。
【0082】
別の態様では、臓器繊維症の治療を必要とする対象において臓器繊維症を治療するための方法であって、治療有効量の本明細書で開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはブロドラッグを対象に投与することを含む方法も提供される。治療され得る臓器線維症の代表的な例としては、腎線維症、肺線維症、肝硬変、心内膜心筋線維症、クローン病、肝線維症、心臓線維症、強皮症、又は進行性塊状線維症が挙げられる。
【0083】
本開示の化合物を用いて治療することのできる悪性腫瘍は、卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がん、子宮内膜がん、及び子宮体がんを含み、例えば、限定されないが、漿液性がん、類内膜がん、明細胞がん、未分化がん、低分化型がん肉腫(MMMT)、肉腫胚細胞腫瘍、及び性器索間質腫瘍などの、それらに関連する全ての組織学的亜型が含まれる。
【0084】
本発明の方法による治療を意図するがん腫には、腺房がん、小葉がん、濾胞状腺がん、がん腺腫(carcinoma adenomatosum)、腺がん、副腎皮質がん、肺胞がん、肺胞上皮がん、基底細胞がん(basal cell carcinoma)、基底細胞がん(carcinoma basocellular)、類基底細胞がん、基底扁平細胞がん、乳がん、気管支肺胞上皮がん、細気管支がん、大脳様がん(cerebriform carcinoma)、胆管細胞がん、絨毛がん(chorionic carcinoma)、粘液がん(colloid carcinoma)、面皰がん、体がん(corpus carcinoma)、篩状がん、よろい状がん、皮膚がん、円柱状がん(cylindrical carcinoma)、円柱細胞がん、腺管がん、硬性がん(carcinoma durum)、胎児性がん、髄様がん、眼球上がん、類表皮がん、上皮腺様がん(carcinoma epitheliate adenoids)、潰瘍がん、線維がん(carcinoma fibrosum)、ゼラチン状がん、膠様がん、巨細胞がん、巨細胞、腺がん、顆粒膜細胞がん、毛母体がん、血球様がん、肝細胞がん、ヒュルトレ細胞がん、硝子質がん(hyaline carcinoma)、副腎様がん(hypernephroid carcinoma)、乳児胎児性がん(infantile embryonal carcinoma)、上皮内がん(carcinoma in situ)、表皮内がん、上皮内がん(intraepithelial carcinoma)、クロムペッカーがん(Krompecher’s carcinoma)、クルチスキー細胞がん(Kulchitzky-cell carcinoma)、レンズ状がん(lentivular carcinoma)、レンズ状がん(carcinoma lenticulare)、脂肪腫性がん、リンパ上皮がん、乳腺炎様がん(carcinoma mastotoids)、髄様がん(carcinoma medullare)、髄様がん(medullary carcinoma)、黒色がん(carcinoma melanodes)、黒色がん(melanotonic carcinoma)、粘液性がん(mucinous carcinoma)、粘液性がん(carcinoma muciparum)、粘膜細胞がん(carcinoma mucocullare)、粘膜がん(mucous carcinoma)、粘液腫様がん、鼻咽頭がん(masopharyngeal carcinoma)、黒色がん(carcinoma nigrum)、燕麦細胞がん、骨化性がん(carcinoma ossificans)、類骨がん(osteroid carcinoma)、卵巣がん、乳頭がん、門脈周囲がん(periportal carcinoma)、前浸潤がん、前立腺がん、腎臓の腎細胞がん、予備細胞がん、肉腫様がん(carcinoma sarcomatodes)、シュナイダーがん腫(scheinderian carcinoma)、硬性がん(scirrhous carcinoma)、陰嚢がん(carcinoma scrota)、印環細胞がん、単純がん、小細胞がん、ソラノイドがん(solandoid carcinoma)、回転楕円面細胞がん腫、紡錘細胞がん、海綿様がん、扁平上皮がん、有棘細胞がん、ストリングがん(string carcinoma)、毛細血管拡張性がん(carcinoma telangiectaticum)、毛細血管拡張様がん(carcinoma telangiectodes)、移行上皮がん、結節がん(carcinoma tuberrosum)、結節がん(tuberous carcinoma)、疣状がん、絨毛がん(carcinoma vilosum)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
本発明は、肉腫を治療するための方法及び薬剤も提供する。肉腫は、骨及び軟部組織で発生するまれな間葉性新生物である。異なる種類の肉腫が認識されており、これらには、脂肪肉腫(粘液型脂肪肉腫及び多形型脂肪肉腫を含む)、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、神経線維肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、ユーイング肉腫(骨性、骨外性又は非骨性ユーイング肉腫を含む)並びに原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、滑膜肉腫、血管内皮腫、線維肉腫、デスモイド腫瘍、隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)、悪性線維性組織球腫(MFH)、血管周囲細胞腫、悪性間葉腫、胞巣状軟部肉腫、類上皮肉腫、明細胞肉腫、線維形成小細胞腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)並びに骨肉腫(骨原性肉腫としても知られる)(骨格及び骨外)、及び軟骨肉腫が挙げられる。
【0086】
任意選択的に、治療されるがんは、難治性又は応答性のがんである。
【0087】
別の重要な態様では、本発明の化合物は、免疫原性であるがんを治療するために使用することもできる。免疫原性がんの例としては、悪性黒色腫及び腎細胞がん、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、バーキットリンパ腫、骨髄腫、免疫細胞腫、急性前骨髄球性白血病、慢性骨髄性/急性リンパ芽球性白血病、急性白血病、B細胞急性リンパ芽球性白血病、未分化大細胞白血病、骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、一般的(プレB)急性リンパ性白血病、悪性黒色腫、T細胞リンパ腫、白血病、B細胞リンパ腫、上皮性悪性腫瘍、リンパ性悪性腫瘍、婦人科系がん、胆管腺がん、及び導管腺がんが挙げられる。
【0088】
本開示はまた、対象において血管新生を阻害するための方法であって、治療有効量の本明細書で開示される化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法も提供される。血管新生、すなわち、新しい血管の形成をもたらす上皮細胞の急速な増殖は、腫瘍の進行及び生存を支援する。二次的な影響としては、血管新生は、様々な臓器並びに組織、目、皮膚、心臓、血管、肺、胃腸管及び尿生殖器官を損傷し得る。血管新生を評価するための方法及び技術は、当業者に知られている。
【0089】
腫瘍細胞増殖を抑制することを必要とする対象において腫瘍細胞増殖を抑制するための方法であって、治療有効量の、本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法も提供される。
【0090】
追加の治療薬を用いる治療に対して腫瘍細胞を増感させるための方法であって、治療有効量の本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法も提供される。
【0091】
別の態様では、NF-κBのIL1b誘導活性化を必要とする対象におけるNF-κBのIL1b誘導活性化のための方法であって、治療有効量の本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0092】
別の態様では、本明細書に記載の薬剤を単独で、又は追加の治療薬と組み合わせて投与することにより、対象において幹細胞動員及び/又は幹細胞生着を行うための方法が提供される。
【0093】
別の態様では、疼痛障害の治療を必要とする対象において疼痛障害を治療するための方法であって、治療有効量の本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、若しくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。治療対象となり得る疼痛障害の代表例としては、炎症性疼痛(インフルエンザ、SARS、若しくは風邪を含むがこれらに限定されない感染誘発性炎症性疼痛を含む)、術後疼痛、変形性関節炎、転移性がんに伴う疼痛、三叉神経痛、急性ヘルペス性及びヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、カウザルギー、腕神経叢剥離、後頭神経痛、反射性交感神経ジストロフィー、線維筋痛、痛風、及び幻肢痛などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施形態では、疼痛障害は、神経障害性疼痛又は侵害受容性疼痛を含む。神経障害性疼痛は、体性神経系に影響を及ぼす損傷又は疾患によって引き起こされる疼痛である。神経障害性疼痛は、典型的には、異常な感覚(感覚異常)又は通常は痛みを伴わない刺激による痛み(アロディニア)を特徴とする。神経障害性疼痛は、末梢系の障害又は中枢神経系、例えば、脳若しくは脊髄の障害に起因する場合がある。中枢神経障害性疼痛は、脊髄損傷、多発性硬化症、及び脳卒中の症例で見られる。末梢神経障害性疼痛は、糖尿病(糖尿病性神経障害)、帯状疱疹感染、HIV感染、栄養不足、毒素への曝露、悪性腫瘍の遠隔症状、免疫介在性障害、及び神経幹への物理的外傷を有する患者で見られる。がんの場合、腫瘍が直接末梢神経を圧迫する場合と、化学療法(化学療法誘発性末梢神経障害)、放射線療法、手術の副作用として、神経障害性疼痛が生じる場合がある。
【0095】
本明細書に記載される化合物は、例えば、放射線療法、手術、従来の化学療法、1つ以上のチェックポイント阻害剤などの他の療法と併用して、又は1つ以上の追加の療法と併用して投与され得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、化学療法剤及び/又は細胞毒性剤の前、後、又はそれと同時に投与することができる。同時投与は、2種類以上の活性成分を含む1つの固定された組み合わせの形で行われることもあれば、又は独立して配合された2種類以上の化合物を同時に投与することによっても行われる。例えば、投与されてもよい化学療法剤及び/又は細胞障害性剤は、アルキル化剤(例えば、クロラムブシル、シクロホスファミド、ccnu、メルファラン、プロカルバジン(procarbazine)、チオテパ(thiotepa)、bcnu、及びブスルファン(busulfan))、代謝拮抗剤(例えば、6-メルカプトプリン及び5-フルオロウラシル)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン、イダルビシン(idarubicin)、エピルビシン(epirubicin)、及びミトキサントロン(mitoxantrone))、抗腫瘍抗生物質(例えば、ブレオマイシン)、モノクローナル抗体(例えば、アレムツズマブ(alemtuzumab)、ベバシズマブ(bevacizumab)、セツキシマブ、ゲムツズマブ(gemtuzumab)、イブリツモマブ(ibritumomab)、パニツムマブ(panitumumab)、リツキシマブ、トシツモマブ(tositumomab)、及びトラスツズマブ)、白金(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチン)、植物アルカロイド(例えば、ビンクリスチン)、トポイソメラーゼI又はII阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン(amsacrine)、エトポシド、エトポシドリン酸塩、及びテニポシド)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、及びビンデシン)、タキサン(例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、ヌクレオシドアナログ、並びに血管新生阻害剤(例えば、アバスチン(ベラシズマブ(beracizumab))、VEGF-Aに特異的なヒト化モノクローナル抗体)を含むが、これらに限定されない。グルタチオン拮抗薬の例には、ブチオニンスルホキシミン、シクロホスファミド、イフォスファミド、アクチノマイシンd、及びN-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド(4-HPR)が含まれるが、これらに限定されない。血管新生阻害剤の例には、2-メトキシエストラジオール(2-ME)、AG3340、アンギオスタチン、アンチトロンビンIII、抗VEGF抗体、バチマスタット、ベバシズマブ(アバスタチン)、BMS-275291、CA1、カンスタチン、コンブレタスタチン、コンブレタスタチン-A4リン酸、CC-5013、カプトプリル、セレコキシブ、ダルテパリン、EMD 121974、エンドスタチン、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ゲニステイン、ハロフジノン、ID1、ID3、IM862、メシル酸イマチニブ、誘導タンパク質10、インターフェロン-アルファ、インターロイキン12、ラベンダスチン-a、LY317615又はAE-941、マリマスタット、マスピン、メドロキシプロゲステロン(Medroxyprogエステルone)アセテート、Meth-1、Meth-2、ネオバスタット(Neovastat)、オステオポンチン切断産物、PEX、色素上皮増殖因子(PEGF)、血小板因子第4因子、プロラクチンフラグメント、プロリフェリン関連タンパク質(PRP)、PTK787/ZK222584、組換えヒト血小板第4因子(rPF4)、レスチン、スクアラミン、SU5416、SU6668、スラミン、タキソール、テコガラン(Tecogalan)、サリドマイド、テトラチオモリブデート(TM)、トロンボスポンジン、TNP-470、トロポニンI、バソスタチン、VEGF1、VEGF-TPvAP、及びZD6474が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、血管新生阻害剤は、VRGF拮抗薬である。VEGF拮抗薬は、VEGF結合分子であり得る。VEGF結合分子には、VEGF抗体、又はその抗原結合フラグメントが挙げられる。VEGF拮抗薬の一例はNeXstarである。
【0096】
本明細書に開示される化合物と組み合わせることができる化学療法剤としては、DNA損傷剤が含まれ、これらには、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、テニポシド、ミトキサントロン)、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン)、抗代謝剤(例えば、シタラビン、メトトレキサート、ヒドロキシ尿素、5-フルオロウラシル、フルオウリジン、6-チオグアニン、6-メルカプトプリン(mercaptompurine)、フルダラビン、ペントスタチン、クロロデオキシアデノシン)、DNAアルキル化剤(例えば、シスプラチン、メクロレタミン(mecholorethamine)、シクロホスファミド、イフォスファミド(ifosphamide)、メルファラン、クロラムブシル(chlorambucil)、ブスルファン、チオテパカルムスチン、ロムスチン、カルボプラチン、ダカルバジン、プロカルバジン)、及びDNA鎖切断誘導剤(例えば、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
本明細書に記載の化合物と組み合わせることができる他の化学療法剤としては、合成、半合成及び天然由来の薬剤が挙げられる。重要な化学療法剤としては、アビシン、アクラルビシン、アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アドリアマイシン、アルデスロイキン、アリトレチノイン、アロプリノールナトリウム(アロプリノールナトリウム)、アルトレタミン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストラゾール、バンレイシ科アセトゲニン、アントラマイシン、アシマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ビスナフィド、ビゼレシン、ブレオマイシン、ブレキナル、ブロピリミン、ブラタシン、ブスルファン、カベルゴリン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴール、クロラムブシル、セレコキシブ、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、DACA、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デシタビン、デニロイキン、デキソルマプラチン、デザグアニン、ジアジクロン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、デュアゾマイシン、エダトレキサート、エフロルニチン、エルサミトルシン、エストラムスチン、エタニダゾール、エトポシド、エトプリン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシタビン(Flurocitabine)、5-FdUMP、ホスキドン、ホステウエシン(Fosteuecine)、FK-317、FK-973、FR-66979、FR-900482、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、Gold Aul 98、ゴセレリン、グアナコーン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イルモフォシン、インターフェロンアルファ及び類似体、イプロプラチン、イリノテカン、ランレオチド、レトロゾール、ロイプロリド、リアロゾール、ロメトレキソール、ロムスチン、ロソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、メクロレタミン、メガストロール、メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メトプリン、マツレデパ(maturedepa)、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトギリン、ミトマラシン、ミトマイシン、ミトマイシンC、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン、マイコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オプレルベキン(Oprelvekin)、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、パミドロネート、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシン、ペルフォスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマー、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、プロマイシン、ピラゾフリン、リボプリン、リツキシマブ、ログレチミド、ロリニアスタチン(Rolliniastatin)、サフィンゴール、サマリウム、セムスチン、シントラゼン、スファルフォサート、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、スクアモシン、スクアモタシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、SrC12、スルフォフェヌル(Sulphofenur)、タリソマイシンタキサン、トキソイド、テコグラン、テガフル、テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオテパ、チミタク(Thymitaq)、チアゾフリン、チラパザミン、トムデックス、Top-53、トポテカン、トレミキシキシフム(Toremixifme)、トラスツズマブ、トレストロン、トリシリビン(triciribine)、トリシリビン(Triciribine)、トリメトレキサート(Trimetrexate)、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バルルビシン、バプレオチド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネピジン、ビングリシネート、ビンロイロシン、ビノレルビン、ビンロシジン、ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾルビシン、2-クロロデオキシルビシン、2’-デオキシフォルマイシン、9-アミノカンプトテシン、ラルチトレキセド、N-プロパルギル-5,8-ジデザフォリン酸、2-クロロ-2’アラビノフルオロ-2’デオキシアデノシン、2-クロロ-2’-デオキシアデノシン、アニソマイシン、トリコスタチン、hPRL-G129R、CEP-751、リノミド、硫黄マスタード、窒素マスタード、N-メチル-N-ニトロソ尿素、フォテムスチン、ストレプトゾトシン、デカルバジン、ミトゾロミド、テモゾロミド、AZQ、オルマプラチン、CI-973、DWA21 14R、JM216、JM335、ビスプラチナム、トムデックス、アゼシチジン、シトラビンシン、ゲムシタビン、6-メルカプトプリン、ヒポキサンチン、テミポシド、CPT-11、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、ダルビシン、ロソキサントロン、アムサクリン、ピラゾロアクリジン、オールトランスレチノール、14-ヒドロキシ-レトロ-レチノール、オールトランスレチノイン酸、N-(4-ヒドロキシフェニル)レチナミド、13-シスレチノイン酸、3-メチルTTNEB、9-シスレチノイン酸、フルダラビン、及び2-Cdaが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
本明細書に記載の化合物と組み合わせることができる他の化学療法剤としては、20-エピ、1,25-ジヒドロキシビタミン-D3、5-エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL-TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミフォスチン、アミノレブリン酸、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニスト類D、アンタレリクス、抗背方化形態形成タンパク質-1、抗アンドロゲン、抗エストロゲン、抗ネオプラストロン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリン、アポトーシス遺伝子モジュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリン酸、ara-cdp-dl-PTBA、アルギニンアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナマスチン1並びにアキシナマスチン2、アキシナマスチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルサウロスポリン(ベンゾylsaurosporine)、ベータラクタム誘導体、ベータ-アレチン。ペリリルアルコール、フェノゼノマイエイン(phenozenomyein)、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニル、ピロカルビン及びその塩若しくは類似体、ピラルブシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラスミノゲン活性化因子阻害剤、白金錯体、フェニルエチルイソチオシアネート及びその類似体、白金化合物、白金トリアミン錯体、ポドフィロトキシン(podophylotoxin)、ポルフィマーナトリウム(porfimer sodium)、ポルフィロマイシン(porphyromycin)、プロピルビスアクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、プロテインAベース免疫モジュレーター、PKC阻害剤、マイクロアルガル(microalgal)、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン(purpurins)、ピラゾールアクリジン(pyrazoloacridine)、ピロリドキシレーテッド(pyridoxylated)ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド(raltitrexed)、ラモセトロン(ramosetron)、rasファルネシルタンパク転移酵素阻害剤(ras farnesyl protein tranaferase inhibitors)、ras阻害剤;ras-GAP阻害剤、脱メチル化レテルリプチン(ratellitptine demethylated)、レニウムRe186エチドロン酸塩(rhenium Re 186 etidronate)、リゾキシン(rhizoxine)、リボザイム、RIIレチナミド(RII retinide)、ログレチミド(rogletimide)、ロサグリアタゾン(rosagliatazone)及びその類似体並びに誘導体、ロヒツキン(rohitukine)、ロムルチド(romurtide)、ロクイニメックス(roquinimex)、ルビギノンB1(rubiginone B1)、ルボキシル(ruboxyl)、サフィンゴール(safingol)、サイントピン(saintopin)、SarCNU、サルコフィトールA(sarcophytol A)、サルグラモスチム(sargrmostim)、sdi1模倣薬、セムスチン(semustine)、老化由来阻害剤1(senescence derived inhibitor 1)、センスオリゴヌクレオチド、情報伝達阻害剤、情報伝達モジュレーター、単鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン(sizofiran)、ソブゾキサン、ボロカプタンナトリウム、フェニルアセテートナトリウム、ソルベロール(solverol)、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフォス酸(sparfosic acid)、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンジスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分裂阻害剤、スチピアミド、ストロメリシン、スルフィノシン(sulfinosine)、超活性(superactive)血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ(suradista)、スラミン(siramin)、スワインソニン(swainsonine)、合成グリコサミノグリカン、タルリムスチン、タモキシフェンメチオジド(tamoxifen methiodide)、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフル、テルラピリリウム(tellurapyrilium)、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン(thaliblastine)、サリドマイド、チオコラリン、トロンボポイエチン及びその模倣薬、チマルファシン、チモポイエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、スズ・エチル・エチオプルピン(tin ethyl etiopurpin)、チラパザミン(tirapazamine)、チタノセン及びその塩、トポテカン、トプセンチン、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリクリビン(tricribine)、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステライド(turosteride)、チロシンキナーゼ阻害剤、チロホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、尿生殖洞由来増殖抑制因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド(vapreotide)、バリオリンB(variolin B)、ベクター系、赤血球遺伝子治療、ベラレソール(velaresol)、ベラミン、ベルディン、ベルテポルフィン、ビノレルビン(vinorelbine)、ビンキサルチン、ビタキシン(vitaxin)、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、及びジノスタチンが挙げられる。
【0099】
本明細書に記載の化合物と組み合わせることができる更なる化学療法剤としては、抗増殖剤(例えば、ピリトレキシムイソチオシアネート)、抗前立腺肥大剤(シトグルシド)、良性前立腺過形成療法剤(例えば、トムスロシン、RBX2258)、前立腺増殖阻害薬(ペントモン)及び放射性剤:フィブリノーゲン11 25、フルデオキシグルコースF18、フルオロドーパF18、インシュリン1125、イオベングアン1123、ヨージパミドナトリウム1131(lodipamide sodium 1131)、ヨードアンチピリン1131(lodoantipyrine 1131)、ヨードコレステロール1131、ヨードピラセット1125(Iodopyracet 1125)、イオフェタミンHCL 1123、イオメチン1131(Iomethin 1131)、イオメチン1131(Iomethin 1131)、イオタラミック酸ナトリウム1125(Iothalamate sodium 1125)、イオタラミック酸ナトリウム1131、イオチロシン1131、リオチロニン1125、メリソプロール Hgl97(Merosproprol Hgl 97)、ヨードベンゾグアニンメチル(MIBG-I131又はMIBGI 123)、セレノメチオニンSe75、テクネチウムTc99mフリホスミン(furifosmin)、テクネチウムTc99mグルセプテート(technetium Tc99m gluceptate)、Tc99mビスシセート(Biscisate)、Tc99mディソフェニン(disofenin)、Tc99mグルセプテート、Tc99mリドフェニン(lidofenin)、Tc99m メブロフェニン(mebrofenin)、Tc99mメドロネート(medronate)及びそのナトリウム塩、Tc99mメルチアチド(mertiatide)、Tc99mオキシドロネート(oxidronate)、Tc99mペンテテート(pentetate)及びその塩、Tc99mセスタムビ(sestambi)、Tc99mシボロキシム(siboroxime)、Tc99mスクシマー(succimer)、Tc99m硫黄コロイド、Tc99mテボロキシム(teboroxime)、Tc99mテトロフォスミン(Tetrofosmin)、Tc99mチアチド(Tiatide)、チロキシン1125、チロキシン1131、トルポビドン1131、トリオレイン1125及びトレオリン1125、並びにトレオレイン131、MIBG-I123及びMIBG1131が挙げられる。
【0100】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤、キナーゼ阻害剤、チューブリン阻害剤、又はトポイソメラーゼ阻害剤と併用して投与される。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、1つ以上の免疫チェックポイント阻害剤阻害剤と併用して投与される。免疫チェックポイント阻害剤には、免疫系の阻害経路を免疫系の統計的に有意な方法で遮断又は阻害する任意の薬剤が含まれる。遮断又は阻害のための例示の免疫チェックポイントの標的としては、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(CD2ファミリー分子に属し、全てのNK、γδ、及びメモリCD8+(αβ)T細胞上で発現される)、CD160(BY55とも称される)、CGEN-15049、CHK1及びCHK2キナーゼ、A2aR並びに様々なB-7ファミリーのリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。B7ファミリーリガンドとしては、B7-1、B7-2、B7-DC、B7-H1、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H5、B7-H6及びB7-H7が挙げられるが、これらに限定されない。免疫チェックポイント阻害剤としては、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160及びCGEN-15049のうちの1つ以上に結合し、それらの活性を遮断若しくは阻害する、抗体、又はその抗原結合フラグメント、他の結合タンパク質、生物学的治療薬若しくは小分子が含まれる。例示的免疫チェックポイント阻害剤としては、トレメリムマブ(CTLA-4遮断抗体)、抗OX40、PD-L1モノクローナル抗体(抗B7-H1;MEDI4736)、MK-3475(PD-1遮断剤)、ニボルマブ(抗PD1抗体)、CT-011(抗PD1抗体)、BY55モノクローナル抗体、AMP224(抗PDLl抗体)、BMS-936559(抗PDL1抗体)、MPLDL3280A(抗PDL1抗体)、MSB0010718C(抗PDL1抗体)及びヤーボイ/イピリムマブ(抗CTLA-4チェックポイント阻害剤)が挙げられる。チェックポイントタンパク質リガンドとしては、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD28、CD86及びTIM-3が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物が、免疫チェックポイント受容体のプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)とそのリガンドであるPD-L1との間の相互作用を遮断する1つ以上の追加の治療薬とともに使用され得ることをカバーする。例えば、A. Mullard,“New checkpoint inhibitors ride the immunotherapy tsunami,“ Nature Reviews:Drug Discovery(2013),12:489-492を参照されたい。PD-1は、T細胞上で発現され、T細胞の活性を調節する。具体的には、PD-1がPDL-1に結合されない場合、T細胞は標的細胞に関与して殺傷することができる。しかしながら、PD-1がPDL-1に結合される場合、これは、T細胞が標的細胞に関与して殺傷することを停止させる。更に、他のチェックポイントとは異なり、PD-1は、そのようなPDLに近接して作用し、がん細胞上で直接過剰発現され、これが、PD-1発現T細胞への結合の増加をもたらす。
【0103】
別の態様では、本開示の化合物は、PD-1のアゴニストとして作用することができ、それにより、PD-1によって制御された免疫応答を調節する、抗体と併用して使用することができる。一実施形態では、抗PD-1抗体は、抗原結合フラグメントであり得る。本明細書に開示される抗PD-1抗体は、ヒトPD-1に結合し、PD-1の活性を刺激することができ、それによって、PD-1を発現する免疫細胞の機能を阻害する。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、ペムブロリズマブ(pembrolizumab)、ニボルマブ(nivolumab)、セミプリマブ(cemiplimab)、スパルタリズマブ(spartalizumab)、カムレリズマブ(camrelizumab)、シンチリマブ(sintilimab)、チスレリズマブ(tislelizumab)、トリパリマブ(toripalimab)、ニボルマブ(nivolumab)、AMP-224、又はAMP-514から選択される1つ以上のPD-1阻害剤と併用して使用され得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、アテゾリズマブ(atezolizumab)、アベルマブ(avelumab)、デュルバルマブ(durvalumab)、KN035、CK-301、AUNP12、CA-170、又はBMS-986189から選択される1つ以上のPD-L1阻害剤と併用して使用され得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CTLA-4を阻害する1つ以上の治療薬と併用して使用され得る。本明細書で使用するために好適な抗CTLA4アンタゴニスト剤としては、抗CTLA4抗体、ヒト抗CTLA4抗体、マウス抗CTLA4抗体、哺乳動物抗CTLA4抗体、ヒト化抗CTLA4抗体、モノクローナル抗CTLA4抗体、ポリクローナル抗CTLA4抗体、キメラ抗CTLA4抗体、MDX-010(イピリムマブ(ipilimumab))、トレメリムマブ(tremelimumab)、抗CD28抗体、抗CTLA4アドネクチン、抗CTLA4ドメイン抗体、一本鎖抗CTLA4フラグメント、重鎖抗CTLA4フラグメント、軽鎖抗CTLA4フラグメント、共刺激経路を刺激するCTLA4の阻害剤、PCT公開第2001/014424号に開示された抗体、PCT公開第2004/035607号に開示された抗体、米国特許公開第2005/0201994号に開示された抗体、及び付与された欧州特許第1212422B1号に開示された抗体が挙げられるが、これらに限定されない。追加のCTLA-4抗体は、米国特許第5,811,097号、同第5,855,887号、同第6,051,227号、及び同第6,984,720号に;PCT公開第01/14424号及び同第00/37504号に;並びに米国特許公開第2002/0039581号及び同第2002/086014号に記載されている。本発明の方法で使用され得る他の抗CTLA-4抗体には、WO98/42752;米国特許第6,682,736号及び同第6,207,156号;Hurwitz et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95(17):10067-10071(1998); Camacho et al.,J. Clin.Oncology,22(145):Abstract No. 2505(2004)(antibody CP-675206); Mokyr et al.,Cancer Res.,58:5301-5304(1998)、並びに米国特許第5,977,318号、同第6,682,736号、同第7,109,003号、及び同第7,132,281号に開示されているものが挙げられる。追加の抗CTLA4アンタゴニストとしては、以下の:CD28抗原のその同族リガンドに結合する能力を破壊し、CTLA4のその同族リガンドに結合する能力を阻害し、共刺激経路を介するT細胞応答を増強させ、B7のCD28及び/又はCTLA4に結合する能力を破壊し、B7の共刺激経路を活性化する能力を破壊し、CD80のCD28及び/又はCTLA4に結合する能力を破壊し、CD80の共刺激経路を活性化する能力を破壊し、CD86のCD28及び/又はCTLA4に結合する能力を破壊し、CD86の共刺激経路を活性化する能力を破壊し、かつ共刺激経路が一般的に活性化されるのを破壊することができる任意の阻害剤を含むが、これらに限定されない。必然的に、これには、共刺激経路の他のメンバーのうち、CD28、CD80、CD86、CTLA4の低分子阻害剤;共刺激経路の他のメンバーのうち、CD28、CD80、CD86、CTLA4に指向した抗体;共刺激経路の他のメンバーのうち、CD28、CD80、CD86、CTLA4に対して指向したアンチセンス分子;共刺激経路の他のメンバーのうち、CD28、CD80、CD86、CTLA4に対して指向したアドネクチン、他の抗CTLA4アンタゴニストのうち、共刺激経路の他のメンバーのうち、CD28、CD80、CD86、CTLA4のRNAi阻害薬(一本鎖及び二本鎖の両方)が含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、TIM-3を阻害する1つ以上の治療薬と併用して使用され得る。リガンドによるTIM-3の活性化の遮断は、Th1細胞活性化の増加をもたらす。更に、TIM-3は、疲弊したCD8+T細胞によって発現される重要な阻害受容体として特定されている。TIM-3はまた、核酸媒介抗腫瘍免疫の重要な調節因子としても報告されている。一例では、TIM-3は、腫瘍関連樹状細胞(TADC)上でアップレギュレートされることが示されている。
【0106】
投与の方法
本明細書に記載の方法で使用される化合物は、当業者に現在知られているか、今後知られると予想される任意の好適な方法及び技法によって投与され得る。例えば、本明細書に記載の活性成分は、生理学的に許容されるか、又は薬学的に許容される形態で製剤化され、例えば、投与の経口及び非経口経路を含む、当該技術分野において既知の任意の好適な経路によって投与され得る。本明細書で使用される場合、「非経口」という用語は、注射などによる、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、腹腔内、及び胸骨内投与を含む。それらの組成物の活性成分の投与は、単回投与であってもよく、又は連続で、かつ当業者により容易に決定され得る明確な間隔をあけてもよい。
【0107】
活性化合物と、ある種の賦形剤とを含む本明細書に記載される組成物は、様々な医学的用途及び非医学的用途に有用であり得る。例えば、活性化合物と賦形剤とを含む薬学的組成物は、マイコバクテリウムによる感染症の治療及び予防に有用であり得る。
【0108】
「賦形剤」には、所望される特定の剤形に適した、ありとあらゆる溶媒、希釈剤若しくは他の液体ビヒクル、分散若しくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑沢剤などが含まれる。製剤及び/又は製造における一般的考察は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)、及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition(Lippincott Williams & Wilkins,2005)で見出すことができる。
【0109】
例示的な賦形剤としては、任意の無毒の、不活性固体、半固体若しくは液体の、いかなる種類の充填剤、希釈剤、封入材料、又は製剤補助剤が挙げられるが、これらに限定されない。賦形剤として機能し得る材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、スクロースなどの糖;コーンスターチ及び馬鈴薯デンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び座薬用ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;Tween 80などの洗剤;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;等張生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;及びリン酸緩衝液、並びにラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの他の無毒の適合性のある滑沢剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び香料添加剤が挙げられるが、これらに限定されず、防腐剤及び酸化防止剤もまた、配合者の判断に従って、組成物中に存在することができる。当業者に理解されるように、賦形剤は、組成物が何に有用であるかに基づいて選択されてもよい。例えば、薬学的組成物又は化粧品組成物では、賦形剤の選択は、投与の経路、送達される薬剤、薬剤の送達の時間的経過などに依存し、ヒト及び/又は動物に、経口、直腸内、非経口、大槽内、膣内、鼻腔内、腹腔内、局所(粉末、クリーム、軟膏、又は液滴によってなど)、口腔内、又は経口若しくは鼻スプレーとして投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される活性化合物は、局所投与される。
【0110】
例示的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖など、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0111】
例示的な造粒及び/又は分散剤としては、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーゴム、柑橘ジュース粕、寒天、ベントナイト、セルロース及び木材産物、海綿、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、シリケート、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル-ピロリドン)(クロスカルメロース)、デンプンカルボキシメチルナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム(Veegum))、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物など、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0112】
例示的な界面活性剤及び/又は乳化剤としては、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、及びレシチン)、コロイド粘土(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]及びビーガム[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、エチレングリコールジステアレート、モノステアリン酸グリセリル、及びプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミテート[Span 40]、ソルビタンモノステアレート[Span 60]、ソルビタントリステアレート[Span 65]、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステアレート、及びSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F 68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、及び/又はそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ及びデンプンペースト)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然及び合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモス抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム、イサポール皮の粘質物(mucilage of isapol husks)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、セルロースアセテート、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)及びカラマツアラボガラクタン)、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコールなど、並びに/又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0113】
例示的な防腐剤としては、酸化防止剤、キレート剤、抗菌防腐剤、抗真菌防腐剤、アルコール防腐剤、酸性防腐剤、及び他の防腐剤が挙げられる。
【0114】
例示的な酸化防止剤としては、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0115】
例示的なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩並びに水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸二ナトリウムカルシュム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸及びその塩並びに水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸及びその塩並びに水和物、リンゴ酸及びその塩並びに水和物、リン酸及びその塩並びに水和物、並びに酒石酸及びその塩並びに水和物が挙げられる。例示的な抗菌防腐剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、及びチメロサールが挙げられる。
【0116】
例示的な真菌防腐剤としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、及びソルビン酸が挙げられる。
【0117】
例示的なアルコール防腐剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、及びフェニルエチルアルコールが挙げられる。
【0118】
例示的な酸性防腐剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ-カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、及びフィチン酸が挙げられる。他の防腐剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon、及びEuxylが挙げられる。ある特定の実施形態では、防腐剤は酸化防止剤である。他の実施形態では、防腐剤はキレート剤である。
【0119】
例示的な緩衝剤としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張食塩水、リンガー溶液、エチルアルコールなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
例示的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水添植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0121】
例示的な天然油としては、アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、カシス種子、ルリデサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェー、カルナバ、ヒマシ、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミア(macademia)ナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォーム種子、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パーム核、桃仁、ピーナッツ、ケシ種子、カボチャ種子、ナタネ、米ヌカ、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サスクアナ(sasquana)、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、ダイズ、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、及びコムギ胚芽油が挙げられる。例示的な合成油としては、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
更に、組成物は、ポリマーを更に含んでもよい。本明細書で企図される例示的なポリマーとしては、セルロースポリマー及びコポリマー、例えば、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及び例えばナトリウム塩を含むその様々な塩、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース(HECMC)及びその様々な塩、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)及びその様々な塩などのセルロースエーテル、デンプン、デキストラン、デキストラン誘導体、キトサン、並びにアルギン酸及びその様々な塩などの他の多糖類及び多糖類誘導体、カラギーナン、キサンタンゴム、グアーゴム、アラビアゴム、カラヤゴム、ガティーゴム、コンニャク、トラガカントゴムを含む様々なゴム、ヒアルロン酸及びその塩などのグリコサミノグリカン及びプロテオグリカン、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、及びフィブリンなどのタンパク質、他のポリマー、例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)及びポリ(イプシロン-カプロラクトン-コ-グリコリド)-などのポリヒドロキシ酸、カルボキシビニルポリマー及びそれらの塩(例えば、カルボマー)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸及びその塩、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸/アクリルアミドコポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド-プロピレンオキシド)などのポリアルキレンオキシド、並びにプルロニック(Pluronic)ポリマー、ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール)、ポリ無水物、ポリビニルアルコール、ポリエチレンアミンとポリピリジン、PEG化脂質などのポリエチレングリコール(PEG)ポリマー(例えば、PEG-ステアレート、l,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-1000]、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000]、及び1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-5000])、それらのコポリマー及び塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
加えて、組成物は、乳化剤を更に含んでもよい。例示的な乳化剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ-N-ビニルピロリドン及びそのコポリマー、ポロキサマー非イオン性界面活性剤、天然水溶性多糖類(例えば、デキストラン、フィコール、セルロース)、非カチオン性ポリ(メタ)アクリレート、非カチオン性ポリアクリレート、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、及びそのエステルアミド並びにヒドロキシアルキルアミド、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、及びレシチン)、コロイド粘土(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]及びビーガム[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、エチレングリコールジステアレート、モノステアリン酸グリセリル、及びプロピレングリコールモノステアレート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[Tween 20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween 60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[Tween 80]、ソルビタンモノパルミテート[Span 40]、ソルビタンモノステアレート[Span 60]、ソルビタントリステアレート[Span 65]、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンモノオレエート[Span 80])、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート[Myrj 45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステアレート、及びSolutol)、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij 30])、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic F 68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドキュセートナトリウムなど、及び/又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、乳化剤は、コレステロールである。
【0124】
液体組成物には、エマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルが含まれる。活性化合物に加えて、液体組成物は、例えば、水若しくは他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物などの、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤を含有してもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤並びに懸濁剤、甘味剤、香味剤及び香料添加剤などのアジュバントも含み得る。
【0125】
注射用組成物、例えば、注射用水性若しくは油性懸濁液は、好適な分散若しくは湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の分野に従って製剤化され得る。無菌注射用製剤はまた、無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の注射用溶液、懸濁液、又はエマルジョン、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液であり得る。用いることができる薬学的組成物又は化粧品組成物用の許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンガー溶液、米国薬局方生理食塩水がある。加えて、無菌の凝固油は、溶媒又は懸濁媒体として従来から用いられている。合成モノ-若しくはジグリセリドを含む任意のブランドの凝固油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用製剤で使用される。ある特定の実施形態では、粒子が、1%(w/v)のカルボキシメチルセルロースナトリウム及び0.1%(v/v)のTween 80を含む担体流体中に懸濁される。注射用組成物は、例えば、細菌保持フィルターを通しての濾過によって、又は使用前に滅菌水若しくは他の無菌注射用媒体中に溶解又は分散し得る滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
【0126】
直腸又は膣投与のための組成物は、座薬の形態であってもよく、座薬は、粒子を、周囲温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸又は膣腔内で融解して粒子を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は座薬用ワックスなどの好適な非刺激性の賦形剤又は担体と混合することによって調製することができる。
【0127】
固体組成物には、カプセル剤、錠剤、ピル、粉末剤、及び顆粒剤が含まれる。そのような固体組成物では、粒子は、少なくとも1つの賦形剤と、及び/又はa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの充填剤と、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシアなどの結合剤と、c)グリセロールなど湿潤剤と、d)寒天(agar-agar)、炭酸カルシウム、馬鈴薯若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤と、e)パラフィンなどの溶液遅延剤と、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤と、g)例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤と、h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収材と、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物などの滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤、及びピルの場合、剤形はまた緩衝材を含んでもよい。同様な種類の固体組成物は、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質及び硬質充填ゼラチンカプセルで充填剤として用いられてもよい。
【0128】
錠剤、カプセル剤、ピル、及び顆粒剤は、腸溶コーティングなどのコーティング並びにシェル及び医薬品製剤分野において周知の他のコーティングを用いて調製することができる。それらは、任意選択的に乳白剤を含有してもよく、またそれらが有効成分のみを放出するか、又は優先的に、腸管のある特定の部分で、任意選択的に、遅延様式で放出する組成物のものであり得る。使用することができる埋め込み組成物の例には、ポリマー物質及びワックスが含まれる。同様な種類の固体組成物は、ラクトース又は乳糖並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質及び硬質充填ゼラチンカプセルで充填剤として用いられてもよい。
【0129】
局所投与又は経皮投与のための組成物としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入薬、又はパッチが挙げられる。活性化合物は、賦形剤と、必要に応じて任意の必要とされる防腐剤若しくは緩衝液と混合される。
【0130】
軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは、活性化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、並びに酸化亜鉛、又はそれらの混合物などの賦形剤を含有してもよい。
【0131】
粉末及びスプレーは、活性化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレーは、更に、クロロフルオロハイドロカーボンなどの通常の推進剤を含有することができる。
【0132】
経皮パッチは、化合物の身体への制御された送達を提供する付加された利点を有する。そのような剤形は、ナノ粒子を適切な媒体中に溶解又は分散させることによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を通しての化合物の流れを増加させるために使用され得る。速度は、速度制御膜を提供することによるか、又は粒子をポリマーマトリックス若しくはゲル中に分散させることによるか、のいずれかによって、制御され得る。
【0133】
有効成分は、所望の結果を得るために必要であると考えらえるような量、時間、及び経路で投与され得る。有効成分の正確な量は、対象の種、年齢、及び全身状態、感染症の重症度、特定の有効成分、その投与形式、その活性の形式などに応じて、対象毎に異なるであろう。有効成分は、活性化合物それ自体であろうと、又は活性化合物が薬剤と組み合わせられようと、投与の容易さ及び投与量の均一性のために、単位剤形製剤化されることが好ましい。しかしながら、有効成分の1日の総使用量は、主治医によって、健全な医学的判断の範囲内で決定されることが理解されよう。任意の特定の対象のためのある一定の治療的に有効な用量レベルは、治療される障害及び障害の重症度;用いられる有効成分の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食事;用いられる特定の有効成分の投与時間、投与経路、及び排泄率;治療の期間;用いられる特定の有効成分と併用して若しくは同時に使用される薬物;並びに医学分野において周知の同様な因子を含む様々な因子に依存するであろう。
【0134】
有効成分は、任意の経路によって投与されてもよい。いくつかの実施形態では、有効成分は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、脊髄内、髄腔内、皮下、心室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏、クリーム、及び/又は液滴として)、粘膜、鼻腔内、口腔内、経腸、舌下を含む様々な経路を介して;気管内注入、気管支注入、及び/又は吸入によって;並びに/又は経口スプレー、鼻スプレー、及び/若しくはエアロゾルとして投与される。一般に、投与の最も適切な経路は、有効成分の性質(例えば、胃腸管の環境におけるその安定性)、対象の状態(例えば、対象が経口投与に耐えることができるかどうか)などを含む様々な因子に依存するであろう。
【0135】
治療有効量又は予防有効量を得るのに必要とされる有効成分の正確な量は、対象の種族、年齢、及び全身の健康状態、副作用若しくは障害の重症度、特定の化合物のアイデンティティ、投与の様式などに依存して、対象間で変化するであろう。例えば、小児又は青年に投与されるべき量は、医療従事者若しくは当業者によって決定することができるか、又は成人に投与される量よりも低いか、同様であり得る。
【0136】
本明細書に開示される活性薬剤及び薬学的組成物の有用な投与量は、それらのインビトロ活性、及び動物モデルにおけるインビボ活性を比較することによって決定することができる。マウス、及び他の動物における有効投与量のヒトへの外挿の方法は、当該技術分野において既知である。
【0137】
組成物の投与のための投与量範囲は、症状又は障害が影響を受ける所望の効果を生じるのに十分大きな投与量それらのインビトロ活性、及びインビボ活性範囲である。用量は、望ましくない交差反応、アナフィラキシー型反応などの副作用を引き起こすほど多いものであってはならない。一般的に、用量は、患者の年齢、状態、性別、及び疾患の程度で異なり、当業者によって決定されることができる。用量は、任意の禁忌の場合には、個々の医師によって調整されることができる。用量は変えることができ、1日又は数日間で、毎日1回以上の用量投与で投与されることができる。
【0138】
本開示のいくつかの実施形態を説明してきた。それにもかかわらず、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができることが理解されよう。したがって、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
【0139】
非限定的な説明によって、本開示の特定の実施形態の例を以下に与える。
【実施例】
【0140】
以下の実施例は、本明細書で特許請求された化合物、組成物、及び/又は方法がどのように作製され評価されるかの完全な開示及び記述を当業者に提供するために提示されており、本開示について純粋に例示的であることが意図されており、発明者らがそれらの開示とみなすものの範囲を限定することは意図されていない。数字に関して正確性を確保するための努力がなされているが、一部の誤差及び偏差が考慮されるべきである。
【0141】
実施例1化合物1を用いた、ST2細胞におけるIL1b誘導NF-κB活性化の阻害
以下の化学構造:を有するUR241-2:
【化22】
をST2細胞に投与した。
【0142】
手順:薬物治療のために、ウェル当たり1x104個のTHP-1 NF-κB-ルシフェラーゼレポーター細胞を、96ウェルホワイトプレート中のRPMI/0.5% FBS培地に播種した。低分子化合物をRPMI/0.5%FBS培地で連続希釈し、細胞とともに37℃で30分間プレインキュベートした。ヒトIL-1βを最終濃度10ng/mLになるようにウェルに添加し、プレートを37℃で更に6時間インキュベートした。ルシフェラーゼアッセイは、ONE-Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を用いて、製造業者のプロトコルに従って実施した。簡単に説明すると、1ウェル当たり100μLのONE-Glo試薬を加え(1:1)、少なくとも3分間待ち、完全に細胞を溶解させた。発光は、Synergy2マイクロプレートリーダー(BioTek)で測定した。
【0143】
合成方法:市販の酸を、無水DMF中でDCCを用いて置換アニリンとカップリングさせた。簡単に説明すると、置換ピリジンカルボン酸の溶液に等モルのDCCを添加し、氷温で20分間攪拌した。その後、等モルの置換アニリンを添加し、反応混合物を一晩撹拌した。Buchiロータリーエバポレーターを用いて、DMFを減圧下で除去した。反応混合物に氷を加え、トリチュレートした。分離された粗固体を濾過した。粗製物のごく一部は、分取用TCLプレートを用いて精製した。分取用TLCプレートから、純粋な化合物のバンドを抽出した。MeOH/DCM(90:10)を用いて、シリカゲルから化合物を引き剥がした。溶媒を蒸発させ、化合物は研究のために-20℃で貯蔵した。高分解能質量分析計(HRMS)を用いて、化合物の構造を確認した。
【0144】
上記の合成手順に従い、代表的な化合物であるUR241-1及びUR241-2を調製した:
【化23】
【0145】
添付の特許請求の範囲の組成物及び方法は、本明細書に記載の特定の組成物及び方法によって範囲が限定されず、それらは、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図され、機能的に等価な任意の組成物及び方法は、特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本明細書に示されて説明されたものに加えて、組成物及び方法の様々な変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。更に、本明細書に開示される特定の代表的な組成物及び方法ステップのみが具体的に説明されるが、具体的に記載されなくても、組成物及び方法ステップの他の組み合わせもまた、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。したがって、工程、要素、成分又は構成要素の組み合わせが本明細書又は以下において明示的に言及され得るが、明示的に記載されてなくても、工程、要素、成分又は構成要素の他の組み合わせが含まれる。
【0146】
実施例以外、又は特記のない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表す全ての数字は、少なくとも、特許請求の範囲と均等の原則の適用を制限する試みとしてではなく、有効数字の数と通常の丸めアプローチに照らして解釈されることが理解されるべきである。
【国際調査報告】