(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】パッシブ光学位置合わせ式の光導波路エッジ結合のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20230814BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20230814BHJP
G02B 6/122 20060101ALI20230814BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/42
G02B6/122
G02B6/12 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505358
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2021043650
(87)【国際公開番号】W WO2022031508
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519011669
【氏名又は名称】アヤー・ラブス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】AYAR LABS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラバル・マナン
(72)【発明者】
【氏名】シサク・マシュー
(72)【発明者】
【氏名】リー・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・チョン
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137AB11
2H137BA31
2H137BA53
2H137BB02
2H137BB12
2H137CA22B
2H137CA33
2H137CA51
2H137CA62
2H137EA02
2H137EA04
2H137EA05
2H147AB04
2H147AB05
2H147CC03
2H147CD02
2H147EA12A
2H147FC01
2H147FC08
(57)【要約】
【解決手段】第1チップは、第1チップのファセットで露出されている第1複数の光導波路を備える。第2チップは、第2チップのファセットで露出されている第2複数の光導波路を備える。第2チップは、第2複数の光導波路の両側に第1および第2スペーサを備える。第1および第2スペーサは、第2チップのファセットから制御された垂直距離に、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられているそれぞれの位置合わせ面を有する。第2チップは、第1および第2スペーサの位置合わせ面が第1チップのファセットと接触し、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、配置されている。第1および第2スペーサは、第1および第2複数の光導波路の間に、少なくともマイクロメートルレベルの精度のエアギャップを規定して維持する。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学チップのエッジ結合のためのシステムであって、
第1チップであって、前記第1チップのエッジに形成されているファセットと、前記第1チップの前記ファセットで露出されている第1複数の光導波路と、を備える、第1チップと、
第2チップであって、前記第2チップのエッジに形成されているファセットと、前記第2チップの前記ファセットで露出されている第2複数の光導波路と、を備える、第2チップと、を備え、前記第2複数の光導波路は、前記第2チップが前記第1チップへエッジ結合された時に、前記第1複数の光導波路と位置合わせされるように配置され、前記第2チップは、前記第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1スペーサを備え、前記第2チップは、前記第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2スペーサを備え、前記第1スペーサは、前記第2チップの前記ファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有し、前記第2スペーサは、前記第2チップの前記ファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有し、前記第1および第2スペーサの前記位置合わせ面は、前記第2チップの前記ファセットと垂直な方向に測定された前記第2チップの前記ファセットからの制御された距離に配置され、
前記第2チップは、前記第1および第2スペーサの前記位置合わせ面が前記第1チップの前記ファセットと接触し、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように配置され、前記第1および第2スペーサは、前記第1および第2複数の光導波路の間にエアギャップを規定して維持し、前記エアギャップは、前記第2チップの前記ファセットと垂直な前記方向に測定された、前記制御された距離と等しいサイズを有する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記制御された距離は、マイクロメートルレベルの精度を有する、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記制御された距離は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記制御された距離は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記エアギャップのサイズは、前記第1チップの前記ファセットと前記第2チップの前記ファセットとの間の領域にわたって実質的に均一である、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップの一部が前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、前記第2チップの厚さ全体未満を通して延伸している、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記第1チップと、前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも前記一部の上に延伸している前記第2チップの前記一部との間に、ギャップが存在する、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムであって、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップの一部が前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、前記第2チップ内へ特定の距離だけ延伸し、前記特定の距離は、前記第2チップの前記一部が前記第1チップと接触するように配置された時に、前記第2複数の光導波路と前記第1複数の光導波路との垂直位置合わせを達成するように規定されている、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記特定の距離は、マイクロメートルレベルの精度を有する、システム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムであって、前記特定の距離は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する、システム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムであって、前記第1チップは、前記第1複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせトレンチと、前記第1複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせトレンチと備え、前記第2チップは、前記第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、前記第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備え、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路と位置合わせされる時に、前記第1水平位置合わせフィーチャは、前記第1水平位置合わせトレンチに適合するよう構成されており、前記第2水平位置合わせフィーチャは、前記第2水平位置合わせトレンチに適合するよう構成されている、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの位置およびサイズは、マイクロメートルレベルの精度で実装される、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの位置およびサイズは、サブマイクロメートルレベルの精度で実装される、システム。
【請求項14】
電気光学チップのエッジ結合のための方法であって、
第1複数の光導波路が第1チップのファセットで露出されるように、前記第1チップのエッジに前記ファセットを形成し、
第2複数の光導波路が第2チップのファセットで露出されるように、前記第2チップのエッジに前記ファセットを形成し、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップが、前記第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1スペーサと、前記第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2スペーサとを備えるように形成され、前記第1スペーサは、前記第2チップの前記ファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有し、前記第2スペーサは、前記第2チップの前記ファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有し、前記第2チップの前記ファセットは、前記第1および第2スペーサの前記位置合わせ面が、前記第2チップの前記ファセットと垂直な方向に測定された前記第2チップの前記ファセットからの制御された距離に配置されるように形成され、
前記第1および第2スペーサの前記位置合わせ面が前記第1チップの前記ファセットと接触し、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、前記第1チップに対して前記第2チップを配置すること、を備え、前記第1および第2スペーサは、前記第1および第2複数の光導波路の間にエアギャップを規定して維持し、前記エアギャップは、前記第2チップの前記ファセットと垂直な前記方向に測定された、前記制御された距離と等しいサイズを有する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記制御された距離は、マイクロメートルレベルの精度を有する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、前記制御された距離は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法であって、前記制御された距離は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある、方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップが前記第1チップに対して配置された時に、前記第2チップの一部が前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、前記第2チップの厚さ全体未満を通して延伸するように形成される、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップが前記第1チップに対して配置された時に、前記第1チップと、前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも前記一部の上に延伸している前記第2チップの前記一部との間に、ギャップが存在するように形成される、方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法であって、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップが前記第1チップに対して配置された時に、前記第2チップの一部が前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、前記第2チップ内へ特定の距離だけ延伸するように形成され、前記特定の距離は、前記第2チップが前記第1チップに対して配置された時に、前記第2複数の光導波路と前記第1複数の光導波路との垂直位置合わせを達成するように規定される、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、さらに、
前記第1チップ内で前記第1複数の光導波路の第1側に第1水平位置合わせトレンチを形成し、
前記第1チップ内で前記第1複数の光導波路の第2側に第2水平位置合わせトレンチを形成すること、
を備え、
前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップが、前記第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、前記第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備えるように形成され、前記第2チップが前記第1チップに対して配置される際、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路と位置合わせされる時に、前記第1水平位置合わせフィーチャは、前記第1水平位置合わせトレンチに適合するように形成され、前記第2水平位置合わせフィーチャは、前記第2水平位置合わせトレンチに適合するように形成される、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの各々は、位置およびサイズに関してマイクロメートルレベルの精度で形成される、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの各々は、位置およびサイズに関してサブマイクロメートルレベルの精度で形成される、方法。
【請求項24】
電気光学チップのエッジ結合のためのシステムであって、
第1チップであって、前記第1チップのエッジに形成されているファセットと、前記第1チップの前記ファセットで露出されている第1複数の光導波路と、を備える、第1チップと、
第2チップであって、前記第2チップのエッジに形成されているファセットと、前記第2チップの前記ファセットで露出されている第2複数の光導波路とを備る第2チップと、を備え、前記第2複数の光導波路は、前記第2チップが前記第1チップへエッジ結合された時に、前記第1複数の光導波路と位置合わせされるように配置され、
前記第2チップは、前記第2チップの前記ファセットと前記第1チップの前記ファセットとの間に実質的にギャップが存在しないように、前記第2チップの前記ファセットが前記第1チップの前記ファセットと接触すると共に、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるよう配置されている、システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップの一部が前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、前記第2チップ内へ特定の距離だけ延伸し、前記特定の距離は、前記第2チップの前記一部が前記第1チップと接触するように配置された時に、前記第2複数の光導波路と前記第1複数の光導波路との垂直位置合わせを達成するように規定されている、システム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムであって、前記特定の距離は、マイクロメートルレベルの精度を有する、システム。
【請求項27】
請求項25に記載のシステムであって、前記特定の距離は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する、システム。
【請求項28】
請求項25に記載のシステムであって、前記第1チップは、前記第1複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせトレンチと、前記第1複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせトレンチと備え、前記第2チップは、前記第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、前記第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備え、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路と位置合わせされる時に、前記第1水平位置合わせフィーチャは、前記第1水平位置合わせトレンチに適合するよう構成されており、前記第2水平位置合わせフィーチャは、前記第2水平位置合わせトレンチに適合するよう構成されている、システム。
【請求項29】
請求項28に記載のシステムであって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの位置およびサイズは、マイクロメートルレベルの精度で実装される、システム。
【請求項30】
請求項28に記載のシステムであって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの位置およびサイズは、サブマイクロメートルレベルの精度で実装される、システム。
【請求項31】
電気光学チップのエッジ結合のための方法であって、
第1複数の光導波路が第1チップのファセットで露出されるように、前記第1チップのエッジに前記ファセットを形成し、
前記第1チップ内で前記第1複数の光導波路の第1側に第1水平位置合わせトレンチを形成し、
前記第1チップ内で前記第1複数の光導波路の第2側に第2水平位置合わせトレンチを形成し、
第2複数の光導波路が第2チップのファセットで露出されるように、前記第2チップのエッジに前記ファセットを形成し、前記第2チップの前記ファセットは、前記第2チップが、前記第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、前記第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備えるように形成され、前記第1水平位置合わせフィーチャは、前記第1チップの前記第1水平位置合わせトレンチに適合するように形成され、前記第2水平位置合わせフィーチャは、前記第1チップの前記第2水平位置合わせトレンチに適合するように形成され、前記第2チップの前記ファセットは、さらに、前記第2チップが前記第1チップに対して配置された時に、前記第2チップの一部が前記第2チップの前記ファセットから前記第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、前記第2チップ内へ特定の距離だけ延伸するように形成され、前記特定の距離は、前記第2複数の光導波路と前記第1複数の光導波路との垂直位置合わせを達成するように規定され、
前記第2チップの前記ファセットが前記第1チップの前記ファセットと接触し、前記第2複数の光導波路が前記第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、前記第1チップに対して前記第2チップを配置すること、
を備える、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記特定の距離は、マイクロメートルレベルの精度を有する、方法。
【請求項33】
請求項31に記載の方法であって、前記特定の距離は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する、方法。
【請求項34】
請求項31に記載の方法であって、前記第2チップが前記第1チップに対して配置された時に、前記第1チップの前記ファセットと前記第2チップの前記ファセットとの間に実質的にギャップが存在しない、方法。
【請求項35】
請求項31に記載の方法であって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの各々は、位置およびサイズに関してマイクロメートルレベルの精度で形成される、方法。
【請求項36】
請求項31に記載の方法であって、前記第1水平位置合わせトレンチ、前記第2水平位置合わせトレンチ、前記第1水平位置合わせフィーチャ、および、前記第2水平位置合わせフィーチャの各々は、位置およびサイズに関してサブマイクロメートルレベルの精度で形成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
【0002】
本発明は、光データ通信に関する。
【0003】
【背景技術】
【0004】
光データ通信システムは、デジタルデータパターンを符号化するためにレーザ光を変調することによって動作する。変調レーザ光は、光データネットワークを通して送信ノードから受信ノードへ送信される。受信ノードに到達した変調レーザ光は、元のデジタルデータパターンを取得するために復調される。したがって、光データ通信システムの実装および動作は、光信号変調用および光信号受信用の信頼性の高い効率的なデバイスを有することに依存する。本発明は、この文脈で生まれたものである。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態例において、電気光学チップのエッジ結合のためのシステムが開示されている。システムは、第1チップのエッジに形成されているファセットを備えた第1チップを備える。第1チップは、第1チップのファセットで露出されている第1複数の光導波路を備える。システムは、さらに、第2チップのエッジに形成されているファセットを備えた第2チップを備える。第2チップは、第2チップのファセットで露出されている第2複数の光導波路を備える。第2複数の光導波路は、第2チップが第1チップへエッジ結合された時に、第1複数の光導波路と位置合わせされるように配置されている。第2チップは、第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1スペーサを備える。第2チップは、第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2スペーサを備える。第1スペーサは、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有する。第2スペーサも、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有する。第1および第2スペーサの位置合わせ面は、第2チップのファセットと垂直な方向に測定された第2チップのファセットからの制御された距離に配置されている。第2チップは、第1および第2スペーサの位置合わせ面が第1チップのファセットと接触し、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、配置されている。第1および第2スペーサは、第1および第2複数の光導波路の間にエアギャップを規定して維持する。エアギャップは、第2チップのファセットと垂直な方向に測定された、制御された距離と等しいサイズを有する。
【0006】
一実施形態例において、電気光学チップのエッジ結合のための方法が開示されている。方法は、第1複数の光導波路が第1チップのファセットで露出されるように、第1チップのエッジにファセットを形成することを備える。方法は、さらに、第2複数の光導波路が第2チップのファセットで露出されるように、第2チップのエッジにファセットを形成することを備える。第2チップのファセットは、第2チップが、第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1スペーサと、複数の光導波路の第2側に配置されている第2スペーサとを備えるように形成される。第1スペーサは、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有する。第2スペーサも、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有する。第2チップのファセットは、第1および第2スペーサの位置合わせ面が、第2チップのファセットと垂直な方向に測定された第2チップのファセットからの制御された距離に配置されるように形成される。方法は、さらに、第1および第2スペーサの位置合わせ面が第1チップのファセットと接触し、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、第1チップに対して第2チップを配置することを備える。第1および第2スペーサは、第1および第2複数の光導波路の間にエアギャップを規定して維持する。エアギャップは、第2チップのファセットと垂直な方向に測定された、制御された距離と等しいサイズを有する。
【0007】
一実施形態例において、電気光学チップのエッジ結合のためのシステムが開示されている。システムは、第1チップのエッジに形成されているファセットを備えた第1チップを備える。第1チップは、第1チップのファセットで露出されている第1複数の光導波路を備える。システムは、さらに、第2チップのエッジに形成されているファセットを備えた第2チップを備える。第2チップは、第2チップのファセットで露出されている第2複数の光導波路を備える。第2複数の光導波路は、第2チップが第1チップへエッジ結合された時に、第1複数の光導波路と位置合わせされるように配置されている。第2チップは、第2チップのファセットと第1チップのファセットとの間に実質的にギャップが存在しないように、第2チップのファセットが第1チップのファセットと接触すると共に、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるよう配置されている。
【0008】
一実施形態例において、電気光学チップのエッジ結合のための方法が開示されている。方法は、第1複数の光導波路が第1チップのファセットで露出されるように、第1チップのエッジにファセットを形成することを備える。方法は、さらに、第1チップ内で第1複数の光導波路の第1側に第1水平位置合わせトレンチを形成することを備える。方法は、さらに、第1チップ内で第1複数の光導波路の第2側に第2水平位置合わせトレンチを形成することを備える。方法は、さらに、第2複数の光導波路が第2チップのファセットで露出されるように、第2チップのエッジにファセットを形成することを備える。第2チップのファセットは、第2チップが、第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備えるように形成される。第1水平位置合わせフィーチャは、第1チップの第1水平位置合わせトレンチに適合するように形成される。第2水平位置合わせフィーチャは、第1チップの第2水平位置合わせトレンチに適合するように形成される。第2チップのファセットは、さらに、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第2チップの一部が第2チップのファセットから第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップ内へ特定の距離だけ延伸するように形成される。特定の距離は、第2複数の光導波路と第1複数の光導波路との垂直位置合わせを達成するように規定される。方法は、さらに、第2チップのファセットが第1チップのファセットと接触し、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、第1チップに対して第2チップを配置することを備える。
【0009】
開示されている実施形態のその他の態様および利点については、開示されている実施形態を例示した添付図面を参照しつつ行う以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】いくつかの実施形態に従って、第1チップを示す斜視図。
【0011】
【
図1B】いくつかの実施形態に従って、第2チップを示す斜視図。
【0012】
【
図1C】いくつかの実施形態に従って、第1チップと共にエッジ結合構成で配置されている第2チップを示す斜視図。
【0013】
【
図1D】いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップおよび第2チップを示す側面図。
【0014】
【
図1E】いくつかの実施形態に従って、
図1Dの矢視線A-Aにおける、第1チップおよび第2チップのエッジ結合領域を示す水平断面図。
【0015】
【
図2A】いくつかの実施形態に従って、第1チップを示す斜視図。
【0016】
【
図2B】いくつかの実施形態に従って、第2チップを示す斜視図。
【0017】
【
図2C】いくつかの実施形態に従って、第1チップと共にエッジ結合構成で配置されている第2チップを示す斜視図。
【0018】
【
図2D】いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップおよび第2チップを示す側面図。
【0019】
【
図2E】いくつかの実施形態に従って、
図2Dの矢視線A-Aにおける、第1チップおよび第2チップのエッジ結合領域を示す水平断面図。
【0020】
【
図3A】いくつかの実施形態に従って、第1チップを示す斜視図。
【0021】
【
図3B】いくつかの実施形態に従って、第2チップを示す斜視図。
【0022】
【
図3C】いくつかの実施形態に従って、第1チップと共にエッジ結合構成で配置されている第2チップを示す斜視図。
【0023】
【
図3D】いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップおよび第2チップを示す側面図。
【0024】
【
図3E】いくつかの実施形態に従って、
図3Dの矢視線A-Aにおける、第1チップおよび第2チップのエッジ結合領域を示す水平断面図。
【0025】
【
図4A】いくつかの実施形態に従って、第1チップを示す斜視図。
【0026】
【
図4B】いくつかの実施形態に従って、第2チップを示す斜視図。
【0027】
【
図4C】いくつかの実施形態に従って、第1チップと共にエッジ結合構成で配置されている第2チップを示す斜視図。
【0028】
【
図4D】いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップおよび第2チップを示す側面図。
【0029】
【
図4E】いくつかの実施形態に従って、
図4Dの矢視線A-Aにおける、第1チップおよび第2チップのエッジ結合領域を示す水平断面図。
【0030】
【
図5】いくつかの実施形態に従って、電気光学チップのエッジ結合のための方法を示すフローチャート。
【0031】
【
図6】いくつかの実施形態に従って、電気光学チップのエッジ結合のための方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下では、開示されている実施形態を理解できるように、多くの具体的な詳細事項について説明する。ただし、当業者にとって明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全部がなくとも実施可能である。また、開示されている実施形態が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の詳細な説明は省略している。
【0033】
光データ通信システムは、しばしば、集積光学システムを含む。いくつかの実施形態において、集積光学システムのパッケージングは、2つの異なるチップ上の光導波路の直接エッジ結合によってなされる。例えば、いくつかの実施形態において、集積光学システムのパッケージングは、異なる材料系に実装された2つの異なるチップ上のフォトニック集積回路(PIC)の間での光の光導波路間結合を含む。チップ間の光エッジ結合は、2つのチップ上の光導波路の光モードの正確な水平方向および垂直方向の位置合わせを必要とする。チップ間の光エッジ結合のいくつかの実施例において、異なるチップのファセットの間に小さいが制御されたギャップを維持することも必要とされる。2つのチップ間のファセット間ギャップをマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルでアクティブ制御しつつ、2つのチップ上の光導波路の光モードの十分な光学位置合わせも達成するには、最新式のチップ間位置合わせエンジンが必要であり、それにはかなりの設備投資が必要になる。また、アクティブな光学チップ間位置合わせ処理は、光導波路の光学位置合わせを検出する必要に応じて光ループバックを閉じるために、光学位置合わせ処理中に2つのチップの内の少なくとも一方のチップ上の少なくとも1つのフォトニックデバイスの給電(電源オン)を必要とする。アクティブな光学チップ間位置合わせ処理でフォトニックデバイスに給電する必要があることは、集積光学システムのパッケージングに必要な動作の組み立て順序に制約を課すことを理解されたい。それでも多くの場合に、アクティブな光学チップ間位置合わせが可能であるが、パッシブな光学チップ間位置合わせは、よりコスト効率が高く、はるかに高い生産能力を提供するため、集積光学システムの大量生産に望ましい選択肢である。
【0034】
一方または両方のチップのファセット上にエッチングされる1または複数のスペーサフィーチャをフォトリソグラフィで規定し、スペーサフィーチャの形成に利用されるファセットエッチングの深さを制御することによって、様々な軸に沿って(例えば、x-方向、y-方向、および/または、z-方向に)2つのチップ上の光導波路の位置合わせをパッシブ制御するための様々な実施形態が開示されている。フォトリソグラフィベースの半導体製造処理は、サブマイクロメートルサイズのフィーチャのパターニングおよび加工を可能にするので、本明細書で開示されている実施形態は、マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で、かつ、光伝搬方向でのそれぞれのチップ内の光導波路のアクティブ光学位置合わせを利用する必要なしに、それぞれのチップにおける光学的に位置合わせされた光導波路の間のエアギャップの実装を提供する。さらに、ファセットおよびスペーサフィーチャの形成に利用されるファセットエッチング深さ、ならびに、スペーサフィーチャの形状が光の伝搬方向(例えば、z-方向)に垂直な平面(例えば、x-y平面)における水平方向(例えば、x-方向)および垂直方向(例えば、y-方向)でのそれぞれのチップ内の光導波路のパッシブ光学位置合わせを可能にするために制御される。
【0035】
また、2つのチップが、それぞれのチップ内の光学的に位置合わせされた光導波路の間にエアギャップを有することなしに(製造公差に起因するものを除いて基本的にエアギャップなしに)エッジ結合される実施形態も本明細書で開示されている。これらの実施形態は、一方のチップ上に水平位置合わせフィーチャを有すると共に他方のチップ上に対応する水平位置合わせトレンチを有することによって、水平方向(例えば、x-方向)での光導波路のパッシブ位置合わせを提供し、ここで、水平位置合わせフィーチャは、それぞれ、水平位置合わせトレンチ内に適合するよう構成されている。また、これらの実施形態は、他方のチップの表面に接触するようにファセット位置から延伸することで垂直方向における光導波路の位置合わせのための参照構造を提供する部分を一方のチップに有することによって、光の伝搬方向(例えば、z-方向)に垂直な平面(例えば、x-y平面)における垂直方向(例えば、y-方向)での光導波路のパッシブ位置合わせを提供する。
【0036】
上述のように、チップ間の光学位置合わせおよび結合(2つの異なるチップ内の光導波路の光学位置合わせおよび結合)のための1つのアプローチは、2つのチップの間のファセット間分離距離のアクティブ制御を利用して、2つのチップをエッジ結合することを含み、ここで、光学的に位置合わせされて結合されるそれぞれのチップ内の光導波路は、2つのチップのそれぞれのファセットで露出されている。いくつかの場合に、屈折率整合エポキシが、2つのチップのファセットの間に配置されており、ここで、光学的に位置合わせされて結合されるそれぞれのチップ内の光導波路は、2つのチップのファセットで露出されている。屈折率整合エポキシは、最初に2つのチップの2つのファセットの間に配置された時、2つのチップ内の光導波路の光屈折率と実質的に一致する光屈折率を有する。しかしながら、エポキシは、時間と共に、2つのチップ内の位置合わせ/結合された光導波路の間の光透過に関連する高い光強度にさらされるため、エポキシの光透過性が低下し、ひいては、それが、2つのチップ内の位置合わせ/結合された光導波路の間の光結合効率を低下させる。したがって、いくつかの実施形態において、2つのチップのファセットの間に屈折率整合エポキシを利用することなしに、2つの取り付けられたチップの光導波路を位置合わせさせて互いに光結合させることが有利である。
【0037】
いくつかの実施形態において、2つのチップのファセットの間に屈折率整合エポキシを有するのではなく、2つのチップのファセットの間にエアギャップを有することが有利であり、ここで、2つのチップの光導波路は、位置合わせされてエアギャップを通して/またいで互いに光結合されている。しかしながら、それぞれの光導波路が露出されている2つのチップのファセットの間のエアギャップのかかる利用は、2つのチップ内の位置合わせおよび光結合された光導波路の間で十分に高い光結合効率を達成するために、2つのチップの間のファセット間分離距離を、慎重に制御された非ゼロであるが非常に小さい(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルのオーダー)距離に維持する必要がある。2つのチップの間のこのファセット間分離距離のマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの正確な制御が、2つのチップ内の位置合わせおよび結合された光導波路の間にエアギャップを十分に形成して維持するために必要になる。しかしながら、ファセット間分離距離のマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの正確な制御は、特に、アクティブ光学位置合わせ処理が、アクティブ光学位置合わせ処理中に2つのチップの少なくとも一方でフォトニック回路の電源オンを必要とすることを考慮すると、光導波路の間の位置合わせに利用される現在利用可能なアクティブ光学位置合わせツールでは、非常に困難で、時間がかかり、高価である。
【0038】
例えば、チップ間の光学位置合わせおよび結合のためのいくつかのアプローチは、垂直方向(y-方向)および水平方向(x-方向)におけるそれぞれのチップ内の光導波路のアクティブ光学位置合わせを必要とし、ここで、垂直方向および水平方向は、2つのチップの間の光導波路間の光伝搬方向に垂直な平面を規定する。アクティブ光学位置合わせは、チップ間での光の伝達および検出を用いて、2つのチップの光導波路が適切に光学的に位置合わせされたことを決定することを理解されたい。逆に、パッシブ光学位置合わせは、2つのチップの光導波路が光学的に位置合わせされたことを決定するために、チップ間での光の伝達および検出を必要としないことが有利である。さらに、任意の軸(垂直軸または水平軸)に沿った2つのチップ内の光導波路のパッシブ光学位置合わせは、特に、信頼性、コスト、および、スループットに関して、アクティブ光学位置合わせよりも大量生産に適している。
【0039】
上記に鑑みて、チップ間光エッジ結合構成において、十分に正確なファセット間距離制御で2つのチップの光学的に位置合わせ/結合された光導波路の間のエアギャップを達成および維持するためにアクティブ光学位置合わせを用いる代わりに、そして、2つのチップの光学的に位置合わせ/結合された光導波路の間に経年劣化に弱い屈折率整合エポキシを用いる代わりに、2つのチップの間のファセット間分離距離のマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの正確な制御で、2つのチップの位置合わせ/結合された光導波路の間のエアギャップをパッシブに達成および維持するために、1または複数のフォトリソグラフィで規定されたスペーサフィーチャがチップの一方または両方のエッチングされたファセットに形成されている様々な実施形態が、本明細書で開示されている。スペーサフィーチャによって規定される2つのチップの位置合わせ/結合された光導波路の間のエアギャップのサイズ(ファセット間分離距離)は、2つのチップの互いに対する水平方向および垂直方向の粗位置合わせが、それぞれのチップ内の光導波路の適切な光学位置合わせ/結合に対応する検出可能な最初の光信号(「第1光」信号)を生成するように規定される。また、いくつかの実施形態において、一方または両方のチップのファセット上の垂直方向(y-方向)におけるエッチング済みスペーサフィーチャの深さは、チップのファセットをまたいで垂直方向に2つのチップの光導波路をパッシブに位置合わせするために用いられる。また、いくつかの実施形態において、両方のチップは、2つのチップのファセットをまたいで水平方向(x-方向)に2つのチップの光導波路をパッシブ位置合わせすることを可能にするように物理的にはまり合うフィーチャを形成するためにエッチングされる。
【0040】
記載の簡単のために、本明細書で用いられているチップという用語は、電気光学デバイスを含む半導体チップ(または半導体ダイ)を意味する。様々な実施形態において、本明細書で言及されている任意のチップは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)チップおよび/または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップである。様々な実施形態において、本明細書で言及されている任意のチップは、電気デバイス、光学デバイス、電気光学デバイス、および/または、熱光学デバイス、ならびに、対応する電気回路および光学回路を含む。いくつかの実施形態において、本明細書で言及されているチップのいずれかは、米国特許出願第16/510,821号に記載されているカリフォルニア州サンタクララのAyar Labs社によって提供されるTeraPHY(商標)半導体チップである。ただし、本明細書で参照されるチップのどのチップも、TeraPHY(商標)チップであろうと別のタイプの電気光学チップであろうと、基本的に任意のタイプの電気光学チップでありうることを理解されたい。
【0041】
また、本明細書で用いられている「光」という用語は、光データ通信システムによって利用可能な電磁スペクトルの部分の範囲内の電磁放射を指す。いくつかの実施形態において、電磁スペクトルのその部分は、約1100ナノメートル~約1565ナノメートルの範囲内の波長を有する光を含む(電磁スペクトルのOバンドからCバンドまでを境界も含めて網羅する)。ただし、光が、光の変調/復調を通してデジタルデータの符号化、伝送、および、復号のために光データ通信システムによって利用可能である限りは、本明細書で言及される電磁スペクトルのその部分は、1100ナノメートルより小さくまたは1565ナノメートルより大きい波長を有する光を含んでもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態において、光データ通信システムで用いられる光は、電磁スペクトルの近赤外部分の波長を有する。
【0042】
図1A~
図1Eは、いくつかの実施形態に従って、エアギャップが第1チップ101のファセット103と第2チップ111のファセット115との間にパッシブに規定され維持されているチップ間光学位置合わせ/光結合システムを示す。
図1Aは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ101を示す斜視図である。第1チップ101は、第2チップ111への第1チップ101の光エッジ結合のためにファセット103まで延伸している複数の光導波路102を備える。光導波路102は、光導波路102が第2チップ111内の対応する光導波路113へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット103の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット103は、第1チップ101の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図1Aの例において、ファセット103は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット103付近の光導波路102の部分は、ファセット103と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、第1チップ101内に統合されている。いくつかの実施形態において、第1チップ101の光導波路102は、実質的に均一な材料厚104が光導波路102の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第1チップ101は、任意の数の光導波路102を備えてよいことを理解されたい。また、様々な実施形態において、第1チップ101は、エッチングされたファセット、研磨されたファセット、または、割断されたファセットなど、任意のタイプのファセット103を有してよい。
【0043】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図1Aは、ファセット103に隣接する第1チップ101の部分の一例を示していることを理解されたい。第1チップ101は、
図1Aの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第1チップ101の光導波路102は、第1チップ101内に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図1A~
図1Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0044】
図1Bは、いくつかの実施形態に従って、第2チップ111を示す斜視図である。第2チップ111は、第1チップ101への第2チップ111の光エッジ結合のために第2チップ111のファセット115まで延伸している光導波路113を備える。光導波路113は、光導波路113が第1チップ101内の対応する光導波路102へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット115の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット115は、第2チップ111の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図1Bの例において、ファセット115は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット115付近の光導波路113の部分は、ファセット115と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、第2チップ111内に統合されている。いくつかの実施形態において、第2チップ111の光導波路113は、実質的に均一な材料厚125が光導波路113の各々の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第2チップ111は、任意の数の光導波路113を備えてよいことを理解されたい。第2チップ111の光導波路113は、第1チップ101の光導波路102へそれぞれ光結合される。したがって、いくつかの実施形態において、第2チップ111の光導波路113は、第2チップ111が第1チップ101と適切に位置合わせされた時に、第1チップ101の光導波路102と位置合わせされるように配置されている。
【0045】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図1Bは、ファセット115に隣接する第2チップ111の部分の一例を示していることを理解されたい。第2チップ111は、
図1Bの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第2チップ111の光導波路113は、第2チップ111内に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図1A~
図1Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0046】
第2チップ111のファセット115は、x-方向に関してファセット115の側方にフォトリソグラフィでパターニングされたスペーサ123Aおよび123Bをそれぞれ形成するために、z-方向に距離119だけ、かつ、y-方向に距離117だけ、第2チップ111内にエッチングされている。ファセット115は、第2チップ111の部分111Aがファセット115から第2チップ111のエッジまで延伸するように、第2チップ111のエッジから距離119に配置されている。第1スペーサ123Aは、ファセット115の第1端部に配置され、第2スペーサ123Bは、ファセット115の第2端部に配置されている。第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、光導波路113のアレイを挟むように、光導波路113のアレイの各側にx-方向に配置されている。第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、第2チップ111が第1チップ101へエッジ結合された時に、第1チップ101のファセット103と第2チップ111のファセット115との間の(z-方向に測定した)エアギャップサイズ121のパッシブ制御を提供するように形成されている。いくつかの実施形態において、第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、x-y平面と実質的に平行であると共にファセット115の表面と実質的に平行になるように方向付けられている実質的に相互に整列された露出面123A1および123B1をそれぞれ有するように形成されている。このように、実質的に均一な距離が、ファセット115にわたって、露出した光導波路113と、第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bのそれぞれ表面123A1および123B1との間に維持される。様々な実施形態において、第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、半導体フォトリソグラフィ加工処理を用いて、高精度(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度など)で形成される。第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、第2チップ111が第1チップ101へエッジ結合された時に、第2チップ111のファセット115と第1チップ101のファセット103との間にマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルのエアギャップサイズ121を確立して維持するように形成されている。いくつかの実施形態において、エアギャップサイズ121は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある。
【0047】
図1Cは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ101と共にエッジ結合構成で配置されている第2チップ111を示す斜視図である。第2チップ111は、第1スペーサ123の露出面123A1および第2スペーサ123Bの露出面123B1が第1チップ101のファセット103と接触するように配置されている。また、第2チップ111は、第2チップ111が第1チップ101へエッジ結合される時に、ファセット115を越えて第2チップ111のエッジまでz-方向に延伸している第2チップ111の部分111Aが第1チップと衝突しないことを保証するようにy-方向に垂直に配置されている。いくつかの実施形態において、ファセット115は、第2チップ111が第1チップ101へエッジ結合された時に、第2チップ111が、第1チップ101の上に張り出す部分111Aを含まないように、(y-方向の)第2チップ111の厚さ全体を通して垂直にエッチングされる。
【0048】
図1Dは、いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップ101および第2チップ111を示す側面図である。第1チップ101の光導波路102は、第2チップ111の光導波路113と垂直方向(y-方向)において位置合わせされている。
図1Eは、いくつかの実施形態に従って、
図1Dの矢視線A-Aにおける、第1チップ101および第2チップ111のエッジ結合領域を示す水平断面図である。第1スペーサ123Aの表面123A1は、第1チップ101のファセット103と接触し、第2スペーサ123Bの表面123B1は、第1チップ101のファセット103と接触している。z-方向に測定されたサイズ121を有するエアギャップ127が、第1チップ101のファセット103と第2チップ111のファセット115との間に確立される。このように、第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、光導波路102および113のそれぞれのペアが、互いに光学的に位置合わせされ光結合されるように、第1チップ101の光導波路102と第2チップ111の光導波路113との間に(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルで)実質的に均一な制御されたエアギャップ厚さを確立して維持する。
【0049】
第2チップ111上の第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、第2チップ111のファセット115と第1チップ101のファセット103との間のエアギャップ距離/サイズ121を制御するためのアクティブ光学位置合わせ技術を用いることなしに、第1チップ101への第2チップ111のエッジ結合を提供することを理解されたい。また、第2チップ111上の第1スペーサ123Aおよび第2スペーサ123Bは、第1チップ101のファセット103と第2チップ111のファセット115との間に屈折率整合エポキシを配置する必要なしに、第1チップ101への第2チップ111のエッジ結合を提供する。したがって、
図1A~
図1Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、第2チップ111を第1チップ101へエッジ結合する際にアクティブ光学位置合わせ技術および屈折率整合エポキシを利用しなければならない不利を回避することを理解されたい。
【0050】
図2A~
図2Eは、いくつかの実施形態に従って、エアギャップが第1チップ201のファセット203と第2チップ211のファセット215との間にパッシブに規定され維持されているチップ間光学位置合わせおよび光結合システムを示す。
図2A~
図2Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、垂直方向(y-方向)での第1チップ201および第2チップ211のパッシブ位置合わせも提供する。
図2Aは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ201を示す斜視図である。第1チップ201は、第2チップ211への第1チップ201の光エッジ結合のためにファセット203まで延伸している複数の光導波路202を備える。光導波路202は、光導波路202が第2チップ211内の対応する光導波路213へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット203の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット203は、第1チップ201の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図2Aの例において、ファセット203は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット203付近の光導波路202の部分は、ファセット203と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、チップ201内に統合されている。いくつかの実施形態において、第1チップ201の光導波路202は、実質的に均一な材料厚204が光導波路202の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第1チップ201は、任意の数の光導波路202を備えてよいことを理解されたい。また、様々な実施形態において、第1チップ201は、エッチングされたファセット、研磨されたファセット、または、割断されたファセットなど、任意のタイプのファセット203を有してよい。
【0051】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図2Aは、ファセット203に隣接する第1チップ201の部分の一例を示していることを理解されたい。第1チップ201は、
図2Aの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第1チップ201の光導波路202は、第1チップ201内に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図2A~
図2Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0052】
図2Bは、いくつかの実施形態に従って、第2チップ211を示す斜視図である。第2チップ211は、第1チップ201への第2チップ211の光エッジ結合のために第2チップ211のファセット215まで延伸している光導波路213を備える。光導波路213は、光導波路213が第1チップ201内の対応する光導波路202へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット215の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット215は、第2チップ211の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図2Bの例において、ファセット215は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット215付近の光導波路213の部分は、ファセット215と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、第2チップ211内に統合されている。いくつかの実施形態において、第2チップ211の光導波路213は、実質的に均一な材料厚225が光導波路213の各々の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第2チップ211は、任意の数の光導波路213を備えてよいことを理解されたい。第2チップ211の光導波路213は、第1チップ201の光導波路202へそれぞれ光結合される。したがって、いくつかの実施形態において、第2チップ211の光導波路213は、第2チップ211が第1チップ201と適切に位置合わせされた時に、第1チップ201の光導波路202と位置合わせされるように配置されている。
【0053】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図2Bは、ファセット215に隣接する第2チップ211の部分の一例を示していることを理解されたい。第2チップ211は、
図2Bの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第2チップ211の光導波路213は、第2チップ211内に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図2A~
図2Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0054】
第2チップ211のファセット215は、x-方向に関してファセット215の側方にフォトリソグラフィでパターニングされたスペーサ223Aおよび223Bをそれぞれ形成するために、z-方向に距離219だけ、かつ、y-方向に距離217だけ、第2チップ211内にエッチングされている。ファセット215は、第2チップ211の部分211Aがファセット215から第2チップ211のエッジまでz-方向に延伸するように、第2チップ211のエッジから距離219に配置されている。第1スペーサ223Aは、ファセット215の第1端部に配置され、第2スペーサ223Bは、ファセット215の第2端部に配置されている。第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、光導波路213のアレイを挟むように、光導波路213のアレイの各側にx-方向に配置されている。第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、第2チップ211が第1チップ201へエッジ結合された時に、第1チップ201のファセット203と第2チップ211のファセット215との間の(z-方向に測定した)エアギャップサイズ221のパッシブ制御を提供するように形成されている。いくつかの実施形態において、第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、x-y平面と実質的に平行であると共にファセット215の表面と実質的に平行になるように方向付けられている実質的に相互に整列された露出面223A1および223B1をそれぞれ有するように形成されている。このように、実質的に均一な距離が、ファセット215にわたって、露出した光導波路213と、第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bのそれぞれ表面223A1および223B1との間に維持される。第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、半導体フォトリソグラフィ加工処理を用いて、高精度(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度など)で形成される。第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、第2チップ211が第1チップ201へエッジ結合された時に、第2チップ211のファセット215と第1チップ201のファセット203との間にマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルのエアギャップサイズ221を確立して維持するように形成されている。いくつかの実施形態において、エアギャップサイズ221は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある。
【0055】
図2Cは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ201と共にエッジ結合構成で配置されている第2チップ211を示す斜視図である。第2チップ211は、第1スペーサ223の露出面223A1および第2スペーサ223Bの露出面223B1が第1チップ201のファセット203と接触するように配置されている。また、第2チップ211は、ファセット215から第2チップ211のエッジまでz-方向に延伸する第2チップの部分211Aが第1チップ201の上に載るように配置されている。第2チップ211のファセット215の垂直エッチング距離217は、第2チップ201の部分211Aがエッジ結合構成で第1チップ201上に載るように配置された時に、第1チップ201の光導波路202と第2チップ211の光導波路213との間に垂直方向(y-方向)のパッシブ位置合わせを提供するために、マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御される。いくつかの実施形態において、第2チップ211のファセット215の垂直エッチング距離217は、第2チップ211の部分211Aが
図2Cのエッジ結合構成で第1チップ201と接触した時に、第2チップ211の光導波路213が、第1チップ201のそれぞれの光導波路202と垂直方向(y-方向)において光学的に位置合わせされるように、光導波路213からファセット215の底部までの距離226(
図2B参照)が、第1チップ201上の光導波路202上方の材料厚204と実質的に一致するように制御される。また、第2チップ211の第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、第2チップ211の光導波路213と第1チップ201の光導波路202との間に必要とされる(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度の)z-方向のエアギャップサイズ221をパッシブに確立して維持する。
【0056】
図2Dは、いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップ201および第2チップ211を示す側面図である。第2チップ211の部分211Aは、第1チップ201と接触するように配置されている。第2チップ211のファセット215の垂直エッチング距離217は、垂直方向(y-方向)における第1チップ201の光導波路202と第2チップ211の光導波路213とのパッシブ位置合わせを提供する。
図2Eは、いくつかの実施形態に従って、
図2Dの矢視線A-Aにおける、第1チップ201および第2チップ211のエッジ結合領域を示す水平断面図である。第1スペーサ223Aの表面223A1は、第1チップ201のファセット203と接触し、第2スペーサ223Bの表面223B1は、第1チップ201のファセット203と接触している。z-方向に測定されたサイズ221を有するエアギャップ227が、第1チップ201のファセット203と第2チップ211のファセット215との間に確立される。このように、第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、光導波路202および213のそれぞれのペアが、互いに光学的に位置合わせされ光結合されるように、第1チップ201の光導波路202と第2チップ211の光導波路213との間に(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルで)実質的に均一な制御されたエアギャップ厚さを確立して維持する。
【0057】
第2チップ211上の第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、第2チップ211のファセット215と第1チップ201のファセット203との間のエアギャップ距離/サイズ221を制御するためのアクティブ光学位置合わせ技術を用いることなしに、第1チップ201への第2チップ211のエッジ結合を提供することを理解されたい。また、第2チップ211上の第1スペーサ223Aおよび第2スペーサ223Bは、第1チップ201のファセット203と第2チップ211のファセット215との間に屈折率整合エポキシを配置する必要なしに、第1チップ201への第2チップ211のエッジ結合を提供する。したがって、
図2A~
図2Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、第2チップ211を第1チップ201へエッジ結合する際にアクティブ光学位置合わせ技術および屈折率整合エポキシを利用しなければならない不利を回避することを理解されたい。
【0058】
図3A~
図3Eは、いくつかの実施形態に従って、エアギャップが第1チップ301のファセット303と第2チップ311のファセット315との間にパッシブに規定され維持されているチップ間光学位置合わせ/光結合システムを示す。
図3A~
図3Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、垂直方向(y-方向)での第1チップ301および第2チップ311のパッシブ位置合わせも提供する。
図3A~
図3Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、水平方向(x-方向)での第1チップ301および第2チップ311のパッシブ位置合わせも提供する。
図3Aは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ301を示す斜視図である。第1チップ301は、第2チップ311への第1チップ301の光エッジ結合のためにファセット303まで延伸している複数の光導波路302を備える。光導波路302は、光導波路302が第2チップ311内の対応する光導波路313へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット303の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット303は、第1チップ301の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図3Aの例において、ファセット303は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット303付近の光導波路302の部分は、ファセット303と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、チップ301内に統合されている。いくつかの実施形態において、第1チップ301の光導波路302は、実質的に均一な材料厚304が光導波路302の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第1チップ301は、任意の数の光導波路302を備えてよいことを理解されたい。また、様々な実施形態において、第1チップ301は、エッチングされたファセット、研磨されたファセット、または、割断されたファセットなど、任意のタイプのファセット303を有してよい。
【0059】
第1チップ301は、水平位置合わせ面308Aを形成するために第1チップ301の第1上面エッジに形成されている第1水平位置合わせトレンチ307Aを備える。第1チップ301は、さらに、水平位置合わせ面308Bを形成するために第1チップ301の第2上面エッジに形成されている第2水平位置合わせトレンチ307Bを備える。第1水平位置合わせトレンチ307Aおよび第2水平位置合わせトレンチ307Bは、ファセット303のそれぞれの外側端に形成されている。第1水平位置合わせトレンチ307Aおよび第2水平位置合わせトレンチ307Bは、光導波路302のアレイを挟むように配置されている。いくつかの実施形態において、水平位置合わせ面308Aおよび水平位置合わせ面308Bは、y-z基準面と実質的に平行な垂直の向きを有する。これらの実施形態において、水平位置合わせ面308Aおよび水平位置合わせ面308Bは、ファセット303と垂直な方向(z-方向)へ互いに実質的に平行に延伸している。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ307Aおよび第2水平位置合わせトレンチ307Bは、第1チップ301の上面から垂直方向(y-方向)に測定された実質的に等しい深さ309を有するよう形成されている。第1チップ301の上面は、第1水平位置合わせトレンチ307Aの水平位置合わせ面308Aと第2水平位置合わせトレンチ307Bの水平位置合わせ面308Bとの間で水平方向(x-方向)に測定された幅305を有する。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ307Aおよび第2水平位置合わせトレンチ307Bは、深さ309および幅305がマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御されるように第1チップ301の上面にエッチングすることによって形成されている。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ307Aおよび第2水平位置合わせトレンチ307Bの一方または両方が、第1チップ301の上面にエッチングされた対応するチャネルに置き換えられ、ここで、チャネルは、2つの対向する垂直側面および底面を有する。
【0060】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図3Aは、ファセット303に隣接する第1チップ301の部分の一例を示していることを理解されたい。第1チップ301は、
図3Aの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第1チップ301の光導波路302は、第1チップ301内に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図3A~
図3Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0061】
図3Bは、いくつかの実施形態に従って、第2チップ311を示す斜視図である。第2チップ311は、第1チップ301への第2チップ311の光エッジ結合のために第2チップ311のファセット315まで延伸している光導波路313を備える。光導波路313は、光導波路313が第1チップ301内の対応する光導波路302へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット315の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット315は、第2チップ311の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図3Bの例において、ファセット315は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット315付近の光導波路313の部分は、ファセット315と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、第2チップ311内に統合されている。いくつかの実施形態において、第2チップ311の光導波路313は、実質的に均一な材料厚325が光導波路313の各々の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第2チップ311は、任意の数の光導波路313を備えてよいことを理解されたい。第2チップ311の光導波路313は、第1チップ301の光導波路302へそれぞれ光結合される。したがって、いくつかの実施形態において、第2チップ311の光導波路313は、第2チップ311が第1チップ301と適切に位置合わせされた時に、第1チップ301の光導波路302と位置合わせされるように配置されている。
【0062】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図3Bは、ファセット315に隣接する第2チップ311の部分の一例を示していることを理解されたい。第2チップ311は、
図3Bの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第2チップ311の光導波路313は、第2チップ311と共に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図3A~
図3Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0063】
第2チップ311のファセット315は、x-方向に関してファセット315の側方にフォトリソグラフィでパターニングされたスペーサ323Aおよび323Bをそれぞれ形成するために、z-方向に距離319だけ、かつ、y-方向に距離317だけ、第2チップ311内にエッチングされている。ファセット315は、第2チップ311の部分311Aがファセット315から第2チップ311のエッジまでz-方向に延伸するように、第2チップ311のエッジから距離319に配置されている。第1スペーサ323Aは、ファセット315の第1端部に配置され、第2スペーサ323Bは、ファセット315の第2端部に配置されている。第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、光導波路313のアレイを挟むように、光導波路313のアレイの各側にx-方向に配置されている。第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、第2チップ311が第1チップ301へエッジ結合された時に、第1チップ301のファセット303と第2チップ311のファセット315との間の(z-方向に測定した)エアギャップサイズ321のパッシブ制御を提供するように形成されている。いくつかの実施形態において、第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、x-y平面と実質的に平行であると共にファセット315の表面と実質的に平行になるように方向付けられている実質的に相互に整列された露出面323A1および323B1をそれぞれ有するように形成されている。このように、実質的に均一な距離が、ファセット315にわたって、露出した光導波路313と、第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bのそれぞれ表面323A1および323B1との間に維持される。第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、半導体フォトリソグラフィ加工処理を用いて、高精度(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度など)で形成される。第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、第2チップ311が第1チップ301へエッジ結合された時に、第2チップ311のファセット315と第1チップ301のファセット303との間にマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルのエアギャップサイズ321を確立して維持するように形成されている。いくつかの実施形態において、エアギャップサイズ321は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある。
【0064】
第2チップ311は、さらに、第1水平位置合わせフィーチャ327Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ327Bを備える。第1水平位置合わせフィーチャ327Aは、第1スペーサ323Aの表面323A1から第2チップ311のエッジまでz-方向に距離322だけ延伸している。第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、第2スペーサ323Bの表面323B1から第2チップ311のエッジまでz-方向に距離322だけ延伸している。第1水平位置合わせフィーチャ327Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、光導波路313のアレイを挟むように配置されている。第1水平位置合わせフィーチャ327Aは、水平位置合わせ面328Aを有する。第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、水平位置合わせ面328Bを有する。いくつかの実施形態において、水平位置合わせ面328Aおよび328Bは、y-z基準面と実質的に平行な垂直の向きを有する。これらの実施形態において、水平位置合わせ面328Aおよび328Bは、ファセット315と実質的に垂直な方向(z-方向)へ互いに実質的に平行に延伸している。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせフィーチャ327Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、垂直方向(y-方向)に測定された実質的に等しい深さ317を有するよう形成されている。第1水平位置合わせフィーチャ327Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、水平方向(x-方向)に測定された距離324だけ分離されている。
【0065】
図3Cは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ301と共にエッジ結合構成で配置されている第2チップ311を示す斜視図である。第2チップ311は、第1スペーサ323の露出面323A1および第2スペーサ323Bの露出面323B1が第1チップ301のファセット303と接触するように配置されている。また、第2チップ311は、ファセット315から第2チップ311のエッジまでz-方向に延伸する第2チップの部分311Aが第1チップ301の上に載るように配置されている。第2チップ311のファセット315の垂直エッチング距離317は、第2チップ301の部分311Aがエッジ結合構成で第1チップ301上に載るように配置された時に、第1チップ301の光導波路302と第2チップ311の光導波路313との間に垂直方向(y-方向)のパッシブ位置合わせを提供するために、マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御される。いくつかの実施形態において、第2チップ311のファセット315の垂直エッチング距離317は、第2チップ311の部分311Aが
図3Cのエッジ結合構成で第1チップ301と接触した時に、第2チップ311の光導波路313が、第1チップ301のそれぞれの光導波路302と垂直方向(y-方向)において光学的に位置合わせされるように、光導波路313からファセット315の底部までの距離326(
図3B参照)を第1チップ301上の光導波路302上方の材料厚304と実質的に一致させるように制御される。また、第2チップ311の第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、第2チップ311の光導波路313と第1チップ301の光導波路302との間に必要とされる(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度の)z-方向のエアギャップサイズ321をパッシブに確立して維持する。
【0066】
図3Cに示すように、第2チップ311が第1チップ301へエッジ結合された時、第2チップ311の第1水平位置合わせフィーチャ327Aは、第1水平位置合わせフィーチャ327Aの水平位置合わせ面328Aが第1水平位置合わせトレンチ307Aの水平位置合わせ面308Aと接触した状態で、第1チップ301の第1水平位置合わせトレンチ307Aに適合するよう構成されている。また、
図3Cに示すように、第2チップ311が第1チップ301へエッジ結合された時、第2チップ311の第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、第1水平位置合わせフィーチャ327Bの水平位置合わせ面328Bが第1水平位置合わせトレンチ307Bの水平位置合わせ面308Bと接触した状態で、第1チップ301の第2水平位置合わせトレンチ307Bに適合するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせフィーチャ327Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ327Bは、深さ317および距離324がマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御されるように第2チップ311にエッチングすることによって形成されている。
図3Aおよび
図3Bを参照すると、距離305は、距離324と実質的に等しくなっており、その結果、第1および第2水平位置合わせフィーチャ327Aおよび327Bと、第1および第2水平位置合わせトレンチ307Aおよび307Bとのそれぞれの組み合わせが、マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で、第2チップ311の光導波路313と第1チップ301の光導波路302との(x-方向での)パッシブ水平位置合わせを提供する。
【0067】
図3Dは、いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップ301および第2チップ311を示す側面図である。第2チップ311の部分311Aは、第1チップ301と接触するように配置されている。第2チップ311のファセット315の垂直エッチング距離317は、垂直方向(y-方向)における第1チップ301の光導波路302と第2チップ311の光導波路313とのパッシブ位置合わせを提供する。
図3Eは、いくつかの実施形態に従って、
図3Dの矢視線A-Aにおける、第1チップ301および第2チップ311のエッジ結合領域を示す水平断面図である。第1スペーサ323Aの表面323A1は、第1チップ301のファセット303と接触し、第2スペーサ323Bの表面323B1は、第1チップ301のファセット303と接触している。z-方向に測定されたサイズ321を有するエアギャップ327が、第1チップ301のファセット303と第2チップ311のファセット315との間に確立される。このように、第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、光導波路302および313のそれぞれのペアが、互いに光学的に位置合わせされ光結合されるように、第1チップ301の光導波路302と第2チップ311の光導波路313との間に(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルで)実質的に均一な制御されたエアギャップ厚さを確立して維持する。
【0068】
第2チップ311上の第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、第2チップ311のファセット315と第1チップ301のファセット303との間のエアギャップ距離/サイズ321を制御するためのアクティブ光学位置合わせ技術を用いることなしに、第1チップ301への第2チップ311のエッジ結合を提供することを理解されたい。また、第2チップ311上の第1スペーサ323Aおよび第2スペーサ323Bは、第1チップ301のファセット303と第2チップ311のファセット315との間に屈折率整合エポキシを配置する必要なしに、第1チップ301への第2チップ311のエッジ結合を提供する。したがって、
図3A~
図3Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、第2チップ311を第1チップ301へエッジ結合する際にアクティブ光学位置合わせ技術および屈折率整合エポキシを利用しなければならない不利を回避することを理解されたい。
【0069】
図4A~
図4Eは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ401の光導波路402と第2チップ411の光導波路413との間に基本的にエアギャップがない状態で、第1チップ401内の光導波路402が第2チップ411内のそれぞれの光導波路413と光学的に位置合わせおよび結合されるチップ間光学位置合わせ/光結合システムを示す。
図4A~
図4Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムは、垂直方向(y-方向)かつ水平方向(x-方向)での第1チップ401および第2チップ411のパッシブ位置合わせを提供する。
図4Aは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ401を示す斜視図である。第1チップ401は、第2チップ411への第1チップ401の光エッジ結合のためにファセット403まで延伸している複数の光導波路402を備える。光導波路402は、光導波路402が第2チップ411内の光導波路413の内の対応する光導波路へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット403の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット403は、第1チップ401の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図4Aの例において、ファセット403は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット403付近の光導波路402の部分は、ファセット403と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、チップ401内に統合されている。いくつかの実施形態において、第1チップ301の光導波路402は、実質的に均一な材料厚404が光導波路402の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第1チップ401は、任意の数の光導波路402を備えてよいことを理解されたい。また、様々な実施形態において、第1チップ401は、エッチングされたファセット、研磨されたファセット、または、割断されたファセットなど、任意のタイプのファセット403を有してよい。
【0070】
第1チップ401は、水平位置合わせ面408Aを形成するために第1チップ401の第1上面エッジに形成されている第1水平位置合わせトレンチ407Aを備える。第1チップ401は、さらに、水平位置合わせ面408Bを形成するために第1チップ401の第2上面エッジに形成されている第2水平位置合わせトレンチ407Bを備える。第1水平位置合わせトレンチ407Aおよび第2水平位置合わせトレンチ407Bは、ファセット403のそれぞれの外側端に形成されている。第1水平位置合わせトレンチ407Aおよび第2水平位置合わせトレンチ407Bは、光導波路402のアレイを挟むように配置されている。いくつかの実施形態において、水平位置合わせ面408Aおよび水平位置合わせ面408Bは、y-z基準面と実質的に平行な垂直の向きを有する。これらの実施形態において、水平位置合わせ面408Aおよび水平位置合わせ面408Bは、ファセット403と垂直な方向(z-方向)へ互いに実質的に平行に延伸している。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ407Aおよび第2水平位置合わせトレンチ407Bは、第1チップ401の上面から垂直方向(y-方向)に測定された実質的に等しい深さ409を有するよう形成されている。第1チップ401の上面は、第1水平位置合わせトレンチ407Aの水平位置合わせ面408Aと第2水平位置合わせトレンチ407Bの水平位置合わせ面408Bとの間で水平方向(x-方向)に測定された幅405を有する。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ407Aおよび第2水平位置合わせトレンチ407Bは、深さ409および幅405がマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御されるように第1チップ401の上面にエッチングすることによって形成されている。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ407Aおよび第2水平位置合わせトレンチ407Bの一方または両方が、第1チップ401の上面にエッチングされた対応するチャネルに置き換えられ、ここで、チャネルは、2つの対向する垂直側面および底面を有する。
【0071】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図4Aは、ファセット403に隣接する第1チップ401の部分の一例を示していることを理解されたい。第1チップ401は、
図4Aの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第1チップ401の光導波路402は、第1チップ401内に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図4A~
図4Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0072】
図4Bは、いくつかの実施形態に従って、第2チップ411を示す斜視図である。第2チップ411は、第1チップ401への第2チップ411の光エッジ結合のために第2チップ411のファセット415まで延伸している光導波路413を備える。光導波路413は、光導波路413が第1チップ401内の対応する光導波路402へ光学的に位置合わせおよび結合されうるように、ファセット415の表面に露出されている。いくつかの実施形態において、ファセット415は、第2チップ411の側面(すなわちエッジ)に対応する。
図4Bの例において、ファセット415は、x-y基準面と実質的に平行に方向付けられており、ファセット415付近の光導波路413の部分は、ファセット415と実質的に垂直なz-方向に延伸するように、第2チップ411内に統合されている。いくつかの実施形態において、第2チップ411の光導波路413は、実質的に均一な材料厚425が光導波路413の各々の上方に存在するように形成されている。様々な実施形態において、第2チップ411は、任意の数の光導波路413を備えてよいことを理解されたい。第2チップ411の光導波路413は、第1チップ401の光導波路402へそれぞれ光結合される。したがって、いくつかの実施形態において、第2チップ411の光導波路413は、第2チップ411が第1チップ401と適切に位置合わせされた時に、第1チップ401の光導波路402と位置合わせされるように配置されている。
【0073】
説明の簡単のために、そして、本明細書の実施形態の開示を不必要に分かりにくくしないように、
図4Bは、ファセット415に隣接する第2チップ411の部分の一例を示していることを理解されたい。第2チップ411は、
図4Bの例に示されているもの以外のさらなる部分および特徴を含むことを理解されたい。また、第2チップ411の光導波路413は、第2チップ411と共に形成されているフォトニック構成要素および/またはフォトニック回路に光学的に接続されており、これも、
図4A~
図4Eのチップ間光学位置合わせ/光結合システムを不必要に分かりにくくしないように示されていないことを理解されたい。
【0074】
第2チップ411のファセット415は、z-方向に距離419だけ、かつ、y-方向に距離417だけ、第2チップ411内にエッチングされている。ファセット415は、第2チップ411の部分411Aがファセット415から第2チップ411のエッジまでz-方向に延伸するように、第2チップ411のエッジから距離419に配置されている。第1チップ401のファセット403および第2チップ411のファセット415は、第2チップ411が第1チップ401へエッジ結合された時に、互いに接触するように配置されている。第1チップ401のファセット403および第2チップ411のファセット415は、第2チップ411が第1チップ401へエッジ結合された時に、第1チップ401のファセット403と第2チップ411のファセット415との間に基本的にギャップが存在しないように、半導体フォトリソグラフィ加工処理を用いて高精度(マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度など)で形成されている。
【0075】
第2チップ411は、さらに、第1水平位置合わせフィーチャ427Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ427Bを備える。第1水平位置合わせフィーチャ427Aは、ファセット415から第2チップ411のエッジまでz-方向に距離422だけ延伸している。第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、ファセット415から第2チップ411のエッジまでz-方向に距離422だけ延伸している。第1水平位置合わせフィーチャ427Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、光導波路413のアレイを挟むように配置されている。第1水平位置合わせフィーチャ427Aは、水平位置合わせ面428Aを有する。第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、水平位置合わせ面428Bを有する。いくつかの実施形態において、水平位置合わせ面428Aおよび428Bは、y-z基準面と実質的に平行な垂直の向きを有する。これらの実施形態において、水平位置合わせ面428Aおよび428Bは、ファセット415と実質的に垂直な方向(z-方向)へ互いに実質的に平行に延伸している。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせフィーチャ427Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、垂直方向(y-方向)に測定された実質的に等しい深さ417を有するよう形成されている。第1水平位置合わせフィーチャ427Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、水平方向(x-方向)に測定された距離424だけ分離されている。
【0076】
図4Cは、いくつかの実施形態に従って、第1チップ401と共にエッジ結合構成で配置されている第2チップ411を示す斜視図である。第2チップ411は、第2チップ411のファセット415が第1チップ401のファセット403と接触するように配置されている。また、第2チップ411は、ファセット415から第2チップ411のエッジまでz-方向に延伸する第2チップの部分411Aが第1チップ401の上に載るように配置されている。第2チップ411のファセット415の垂直エッチング距離417は、第2チップ401の部分411Aがエッジ結合構成で第1チップ401上に載るように配置された時に、第1チップ401の光導波路402と第2チップ411の光導波路413との間に垂直方向(y-方向)のパッシブ位置合わせを提供するために、マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御される。いくつかの実施形態において、第2チップ411のファセット415の垂直エッチング距離417は、第2チップ411の部分411Aが
図4Cのエッジ結合構成で第1チップ401と接触した時に、第2チップ411の光導波路413が、第1チップ401のそれぞれの光導波路402と垂直方向(y-方向)において光学的に位置合わせされるように、光導波路413からファセット415の底部までの距離426(
図4B参照)を第1チップ401上の光導波路402上方の材料厚404と実質的に一致させるように制御される。
【0077】
図4Cに示すように、第2チップ411が第1チップ401へエッジ結合された時、第2チップ411の第1水平位置合わせフィーチャ427Aは、第1水平位置合わせフィーチャ427Aの水平位置合わせ面428Aが第1水平位置合わせトレンチ407Aの水平位置合わせ面408Aと接触した状態で、第1チップ401の第1水平位置合わせトレンチ407Aに適合するよう構成されている。また、
図4Cに示すように、第2チップ411が第1チップ401へエッジ結合された時、第2チップ411の第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、第1水平位置合わせフィーチャ427Bの水平位置合わせ面428Bが第1水平位置合わせトレンチ407Bの水平位置合わせ面408Bと接触した状態で、第1チップ401の第2水平位置合わせトレンチ407Bに適合するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせフィーチャ427Aおよび第2水平位置合わせフィーチャ427Bは、深さ417および距離424がマイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で制御されるように第2チップ411にエッチングすることによって形成されている。
図4Aおよび
図4Bを参照すると、距離405は、距離424と実質的に等しくなっており、その結果、第1および第2水平位置合わせフィーチャ427Aおよび427Bと、第1および第2水平位置合わせトレンチ407Aおよび407Bとのそれぞれの組み合わせが、マイクロメートルレベルまたはサブマイクロメートルレベルの精度で、第2チップ411の光導波路413と第1チップ401の光導波路402との(x-方向での)パッシブ水平位置合わせを提供する。
【0078】
図4Dは、いくつかの実施形態に従って、エッジ結合構成の第1チップ401および第2チップ411を示す側面図である。第2チップ411の部分411Aは、第1チップ401と接触するように配置されている。第2チップ411のファセット415の垂直エッチング距離417は、垂直方向(y-方向)における第1チップ401の光導波路402と第2チップ411の光導波路413とのパッシブ位置合わせを提供する。
図4Eは、いくつかの実施形態に従って、
図4Dの矢視線A-Aにおける、第1チップ401および第2チップ411のエッジ結合領域を示す水平断面図である。第1チップ401のファセット403は、光導波路402および413のそれぞれのペアが互いに光学的に位置合わせおよび光結合された時に、ファセット403とファセット415との間に基本的にギャップが存在しないように、第2チップ411のファセット415と接触している。
【0079】
上記に従って、いくつかの実施形態において、電気光学チップのエッジ結合のためのシステムが開示されている。システムは、第1チップ(101、201、301)のエッジに形成されているファセット(103、203、303)を備えた第1チップ(101、201、301)を備える。第1チップ(101、201、301)は、第1チップ(101、201、301)のファセット(103、203、303)で露出されている第1複数の光導波路(102,202、302)を備える。システムは、さらに、第2チップ(111、211、311)のエッジに形成されているファセット(115、215、315)を備えた第2チップ(111、211、311)を備える。第2チップ(111、211、311)は、第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)で露出されている第2複数の光導波路(113,213、313)を備える。第2複数の光導波路(113、213、313)は、第2チップ(111、211、311)が第1チップ(101、201、301)へエッジ結合された時に、第1複数の光導波路(102、202、302)と位置合わせされるように配置されている。
【0080】
第2チップ(111、211、311)は、第2複数の光導波路(113、213、313)の第1側に配置されている第1スペーサ(123A、223A、323A)を備える。第2チップ(111、211、311)は、第2複数の光導波路(113、213、313)の第2側に配置されている第2スペーサ(123B、223B、323B)を備える。第1スペーサ(123A、223A、323A)は、第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)と実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面(123A1、223A1、323A1)を有する。第2スペーサ(123B、223B、323B)は、第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)と実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面(123B1、223B1、323B1)を有する。第1および第2スペーサ(123A、223A、323A、および、123B、223B、323B)の位置合わせ面(123A1、223A1、323A1、および、123B1、223B1、323B1)は、第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)と垂直な方向(z-方向)に測定された第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)からの制御された距離(121、221、321)に配置されている。第2チップ(111、211、311)は、第1および第2スペーサ(123A、223A、323A、および、123B、223B、323B)の位置合わせ面(123A1、223A1、323A1、および、123B1、223B1、323B1)が第1チップ(101、201、301)のファセット(103、203、303)と接触すると共に、第2複数の光導波路(113、213、313)が第1複数の光導波路(102、202、302)とそれぞれ位置合わせされるように配置されている。
【0081】
第1および第2スペーサ(123A、223A、323A、および、123B、223B、323B)は、第1複数の光導波路(102、202、302)と第2複数の光導波路(113、213、313)との間にエアギャップを規定して維持する。エアギャップは、第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)と垂直な方向(z-方向)に測定された、制御された距離(121、221、321)と等しいサイズを有する。いくつかの実施形態において、制御された距離(121、221、321)は、マイクロメートルレベルの精度を有する。いくつかの実施形態において、制御された距離(121、221、321)は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する。いくつかの実施形態において、制御された距離(121、221、321)は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある。いくつかの実施形態において、エアギャップのサイズ(121、221、321)は、第1チップ(101、201、301)のファセット(103、203、303)と第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)との間の領域にわたって実質的に均一である。
【0082】
いくつかの実施形態において、第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)は、第2チップ(111、211、311)の一部(111A、211A、311A)が第2チップ(111、211、311)のファセット(115、215、315)から第1チップ(101、201、301)の少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップ(111、211、311)の(yー方向の)厚さ全体未満を通して延伸している。
図1A~
図1Eに示したようないくつかの実施形態において、第1チップ(101)と、第2チップ(111)のファセット(115)から第1チップ(101)の少なくとも一部の上に延伸している第2チップ(111)の部分(111A)との間に、ギャップが存在する。
【0083】
図2A~
図2Eおよび
図3A~
図3Eに示したようないくつかの実施形態において、第2チップ(211、311)のファセット(215、315)は、第2チップ(211、311)の一部(211A、311A)が第2チップ(211、311)のファセット(215、315)から第1チップ(201、301)の少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップ(211、311)内へ特定の距離(217、317)だけ延伸している。特定の距離(217、317)は、第2チップ(211、311)の一部(211A、311A)が第1チップ(201、301)と接触するように配置された時に、第2複数の光導波路(213、313)と第1複数の光導波路(202、302)との位置合わせを達成するように規定されている。いくつかの実施形態において、特定の距離(217、317)は、マイクロメートルレベルの精度を有する。いくつかの実施形態において、特定の距離(217、317)は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する。
【0084】
図3A~
図3Eに示したようないくつかの実施形態において、第1チップ(301)は、第1複数の光導波路(302)の第1側に配置されている第1水平位置合わせトレンチ(307A)と、第1複数の光導波路(302)の第2側に配置されている第2水平位置合わせトレンチ(307B)と、備える。これらの実施形態において、第2チップ(311)は、第2複数の光導波路(313)の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャ(327A)と、第2複数の光導波路(313)の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャ(327B)と、備える。第2複数の光導波路(313)が第1複数の光導波路(302)と位置合わせされる時に、第1水平位置合わせフィーチャ(327A)は、第1水平位置合わせトレンチ(307A)に適合するよう構成されており、第2水平位置合わせフィーチャ(327B)は、第2水平位置合わせトレンチ(307B)に適合するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ(307A)、第2水平位置合わせトレンチ(307B)、第1水平位置合わせフィーチャ(327A)、および、第2水平位置合わせフィーチャ(327B)の位置およびサイズは、マイクロメートルレベルの精度で実装される。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ(307A)、第2水平位置合わせトレンチ(307B)、第1水平位置合わせフィーチャ(327A)、および、第2水平位置合わせフィーチャ(327B)の位置およびサイズは、サブマイクロメートルレベルの精度で実装される。
【0085】
いくつかの実施形態において、第1チップ(401)が第1チップ(401)のエッジに形成されているファセット(403)を備える電気光学チップのエッジ結合のためのシステムが開示されている。第1チップ(401)は、第1チップ(401)のファセット(403)で露出されている第1複数の光導波路(402)を備える。システムは、さらに、第2チップ(411)のエッジに形成されているファセット(415)を備えた第2チップ(411)を備える。第2チップ(411)は、第2チップ(411)のファセット(415)で露出されている第2複数の光導波路(413)を備える。第2複数の光導波路(413)は、第2チップ(411)が第1チップ(401)へエッジ結合された時に、第1複数の光導波路(402)と位置合わせされるように配置されている。第2チップ(411)は、第2チップ(411)のファセット(415)と第1チップ(401)のファセット(403)との間に実質的にギャップが存在しないように、第2チップ(411)のファセット(415)が第1チップ(401)のファセット(403)と接触すると共に、第2複数の光導波路(413)が第1複数の光導波路(402)とそれぞれ位置合わせされるよう配置されている。
【0086】
いくつかの実施形態において、第2チップ(411)のファセット(415)は、第2チップ(411)の一部(411A)が第2チップ(411)のファセット(415)から第1チップ(401)の少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップ(411)内へ特定の距離(417)だけ延伸している。特定の距離(417)は、第2チップ(411)の一部(411A)が第1チップ(401)と接触するように配置された時に、第2複数の光導波路(413)と第1複数の光導波路(402)との垂直位置合わせを達成するように規定されている。いくつかの実施形態において、特定の距離(417)は、マイクロメートルレベルの精度を有する。いくつかの実施形態において、特定の距離(417)は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1チップ(401)は、第1複数の光導波路(402)の第1側に配置されている第1水平位置合わせトレンチ(407A)と、第1複数の光導波路(402)の第2側に配置されている第2水平位置合わせトレンチ(407B)と、備える。また、これらの実施形態において、第2チップ(411)は、第2複数の光導波路(413)の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャ(427A)と、第2複数の光導波路(413)の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャ(427B)と、備える。第2複数の光導波路(413)が第1複数の光導波路(402)と位置合わせされる時に、第1水平位置合わせフィーチャ(427A)は、第1水平位置合わせトレンチ(407A)に適合するよう構成されており、第2水平位置合わせフィーチャ(427B)は、第2水平位置合わせトレンチ(407B)に適合するよう構成されている。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ(407A)、第2水平位置合わせトレンチ(407B)、第1水平位置合わせフィーチャ(427A)、および、第2水平位置合わせフィーチャ(427B)の位置およびサイズは、マイクロメートルレベルの精度で実装される。いくつかの実施形態において、第1水平位置合わせトレンチ(407A)、第2水平位置合わせトレンチ(407B)、第1水平位置合わせフィーチャ(427A)、および、第2水平位置合わせフィーチャ(427B)の位置およびサイズは、サブマイクロメートルレベルの精度で実装される。
【0088】
図5は、いくつかの実施形態に従って、電気光学チップのエッジ結合のための方法を示すフローチャートである。方法は、第1複数の光導波路が第1チップのファセットで露出されるように、第1チップのエッジにファセットを形成する工程501を備える。方法は、さらに、第2複数の光導波路が第2チップのファセットで露出されるように、第2チップのエッジにファセットを形成する工程503を備える。第2チップのファセットは、第2チップが、第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1スペーサと、複数の光導波路の第2側に配置されている第2スペーサとを備えるように形成される。第1スペーサは、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有する。第2スペーサは、第2チップのファセットと実質的に平行に方向付けられている位置合わせ面を有する。第2チップのファセットは、第1および第2スペーサの位置合わせ面が、第2チップのファセットと垂直な方向に測定された、第2チップのファセットからの制御された距離に配置されるように形成される。
【0089】
方法は、さらに、第1および第2スペーサの位置合わせ面が第1チップのファセットと接触し、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、第1チップに対して第2チップを配置する工程505を備える。第1および第2スペーサは、第1および第2複数の光導波路の間にエアギャップを規定して維持する。エアギャップは、第2チップのファセットと垂直な方向に測定された、制御された距離と等しいサイズを有する。いくつかの実施形態において、制御された距離は、マイクロメートルレベルの精度を有する。いくつかの実施形態において、制御理された距離は、サブマイクロメートルレベルの精度を有する。いくつかの実施形態において、制御された距離は、約10ナノメートル~約10マイクロメートルの範囲内にある。
【0090】
いくつかの実施形態において、第2チップのファセットは、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第2チップの一部が第2チップのファセットから第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップの厚さ全体未満を通して延伸している。いくつかの実施形態において、第2チップのファセットは、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第1チップと、第2チップのファセットから第1チップの少なくとも一部の上に延伸している第2チップの一部との間に、ギャップが存在するように形成される。
【0091】
いくつかの実施形態において、第2チップのファセットは、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第2チップの一部が第2チップのファセットから第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップ内へ特定の距離だけ延伸するように形成される。これらの実施形態において、特定の距離は、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第2複数の光導波路と第1複数の光導波路との位置合わせを達成するように規定される。
【0092】
いくつかの実施形態において、方法は、第1チップ内で第1複数の光導波路の第1側に第1水平位置合わせトレンチを形成する工程を備える。これらの実施形態において、方法は、さらに、第1チップ内で第1複数の光導波路の第2側に第2水平位置合わせトレンチを形成する工程を備える。これらの実施形態において、第2チップのファセットは、第2チップが、第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備えるように形成される。第2チップが第1チップに対して配置される際、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路と位置合わせされる時に、第1水平位置合わせフィーチャは、第1水平位置合わせトレンチに適合するように形成され、第2水平位置合わせフィーチャは、第2水平位置合わせトレンチに適合するように形成される。
【0093】
図6は、いくつかの実施形態に従って、電気光学チップのエッジ結合のための方法を示すフローチャートである。方法は、第1複数の光導波路が第1チップのファセットで露出されるように、第1チップのエッジにファセットを形成する工程601を備える。方法は、さらに、第1チップ内で第1複数の光導波路の第1側に第1水平位置合わせトレンチを形成する工程603を備える。方法は、さらに、第1チップ内で第1複数の光導波路の第2側に第2水平位置合わせトレンチを形成する工程605を備える。方法は、さらに、第2複数の光導波路が第2チップのファセットで露出されるように、第2チップのエッジにファセットを形成する工程607を備える。第2チップのファセットは、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第2チップの一部が第2チップのファセットから第1チップの少なくとも一部の上に延伸するように、第2チップ内へ特定の距離だけ延伸するように形成される。これらの実施形態において、特定の距離は、第2チップが第1チップに対して配置された時に、第2複数の光導波路と第1複数の光導波路との垂直位置合わせを達成するように規定される。
【0094】
また、工程607において、第2チップのファセットは、第2チップが、第2複数の光導波路の第1側に配置されている第1水平位置合わせフィーチャと、第2複数の光導波路の第2側に配置されている第2水平位置合わせフィーチャとを備えるように形成される。第2チップが第1チップに対して配置される際、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路と位置合わせされる時に、第1水平位置合わせフィーチャは、第1チップの第1水平位置合わせトレンチに適合するよう形成され、第2水平位置合わせフィーチャは、第1チップの第2水平位置合わせトレンチに適合するよう形成される。方法は、さらに、第2チップのファセットが第1チップのファセットと接触し、第2複数の光導波路が第1複数の光導波路とそれぞれ位置合わせされるように、第1チップに対して第2チップを配置する工程609を備える。これらの実施形態において、工程609は、第2チップのファセットと第1チップのファセットとの間に実質的にギャップが存在しないように実行される。
【0095】
以上の実施形態の記載は、例示および説明を目的としたものであり、包括的であることも限定的であることも意図されていない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、適用可能であれば、置き換え可能であり、特に図示も記載もない限りは、選択された実施形態で利用できる。このように、本明細書で開示されている1または複数の実施形態からの1または複数の特徴を、本明細書で開示されている1または複数の他の実施形態からの1または複数の特徴と組み合わせることで、本明細書で明示的に開示されていないが本明細書で暗示的に開示されている別の実施形態を形成することができる。この他の実施形態も、多くの方法で変形されてよい。かかる実施形態の変形例は、本開示からの逸脱と見なされず、すべてのかかる実施形態の変形例および変更例が、本明細書で提供されている開示の範囲内に含まれると意図されている。
【0096】
いくつかの方法工程は、本明細書で具体的な順序で記載されている場合があるが、方法工程の処理が、方法の実施が成功するような方法で実行される限りは、他のハウスキーピング工程が、方法工程の合間に実行されてもよく、および/または、方法工程が、若干異なる時刻または同時に実行されるように調整されてもよく、または、処理に関連する様々な間隔で処理工程が実行されることを許容するシステムに分配されてもよいことを理解されたい。
【0097】
本実施形態は、理解しやすいように、或る程度詳しく説明されているが、添付の特許請求の範囲内でいくらかの変更および変形を行ってもよいことは明らかである。したがって、本明細書で開示されている実施形態は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなされ、そのため、本明細書に示した詳細のみに限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲および等価物の中で変形されてもよい。
【国際調査報告】