(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】リップシールを備えた逆止バルブを有するニードルレスコネクター
(51)【国際特許分類】
A61M 39/26 20060101AFI20230814BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
A61M39/26
A61M39/10 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505363
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 US2021043564
(87)【国際公開番号】W WO2022026619
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェイス、レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】ゾリンジャー、クリス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ05
(57)【要約】
コネクターのためのバルブ部材は、ヘッド部分と、本体部分と、ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在する円周方向リップシールとを含む。ヘッド部分は、第1のシール部分を画定する上部セクションを含む。本体部分は、ヘッド部分から長手方向に延在しており、その近位端部において第2のシール部分を画定している。第2のシール部分は、第1のシール部分の遠位に配設されている。円周方向リップシールは、第1のシール部分と第2のシール部分との間に配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクターのためのバルブ部材であって、前記バルブ部材は、
第1のシール部分を画定する上部セクションを含むヘッド部分と;
本体部分であって、前記本体部分は、前記ヘッド部分から長手方向に延在しており、その近位端部において第2のシール部分を画定しており、前記第2のシール部分は、前記第1のシール部分の遠位に配設されている、本体部分と;
前記ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在している円周方向リップシールであって、前記円周方向リップシールは、前記第1のシール部分と前記第2のシール部分との間に配設されている、円周方向リップシールと
を含む、バルブ部材。
【請求項2】
前記円周方向リップシールは、可撓性の部材を含み、前記可撓性の部材は、前記コネクターの内側表面に係合し、前記バルブ部材が前記コネクターの中で往復運動するときに撓むように構成されている、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項3】
前記円周方向リップシールと前記第1のシール部分との間の距離は、前記円周方向リップシールと前記第2のシール部分との間の距離よりも小さい、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項4】
前記円周方向リップシールが前記ヘッド部分の前記外側表面から半径方向外向きに延在する距離は、前記円周方向リップシールと前記第1のシール部分との間の距離よりも小さい、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項5】
前記上部セクションは、平面的な上部表面を含み、前記円周方向リップシールは、前記平面的な上部表面に対して平行に配向されている、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項6】
前記上部セクションは、平面的な上部表面を含み、前記円周方向リップシールは、前記平面的な上部表面に対して非平行の角度で配向されている、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項7】
前記ヘッド部分は、前記ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、前記円周方向リップシールは、前記ヘッド部分の前記軸線方向中心に対して実質的に垂直方向に配向されている、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項8】
前記ヘッド部分は、前記ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、前記円周方向リップシールは、前記ヘッド部分の前記軸線方向中心に対して非垂直の角度で配向されている、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項9】
前記ヘッド部分は、前記ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、前記カラムセクションは、前記ヘッド部分の前記外側表面に沿って配設されている少なくとも1つのノッチをさらに画定している、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項10】
前記ヘッド部分または前記円周方向リップシールのうちの少なくとも1つは、エラストマー材料を含む、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項11】
前記円周方向リップシールは、シリコーンまたはシリコーン化合物を含む、請求項1に記載のバルブ部材。
【請求項12】
ニードルレスコネクターであって、前記ニードルレスコネクターは、
ハウジングであって、前記ハウジングは、前記ハウジングの入口ポートを画定する近位端部、前記ハウジングの出口ポートを画定するベースを含む遠位端部、および、前記入口ポートと前記出口ポートとの間に延在する内部キャビティーを画定する内側表面を有する、ハウジングと;
弾性バルブであって、前記弾性バルブは、前記内部キャビティーの少なくとも一部分の中に配設されており、前記ハウジングの中に移動可能に保持されている、弾性バルブと
を含み、
前記弾性バルブは、
上部セクションを含むヘッド部分と、前記ヘッド部分から遠位に延在する本体部分と;
円周方向リップシールであって、前記円周方向リップシールは、前記ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在しており、前記上部セクションと前記本体部分との間に配設されている、円周方向リップシールと
を含み、
前記ハウジングの前記内側表面と前記ヘッド部分の前記外側表面との間にギャップが存在している前記弾性バルブの開放状態において、前記円周方向リップシールは、前記ハウジングの前記内側表面の少なくとも一部分に係合し、流体が前記内部キャビティーから前記ヘッド部分の前記上部セクションに向けておよび前記上部セクションの上に流れることを妨害する、ニードルレスコネクター。
【請求項13】
前記本体部分は、その近位端部において1次シール部分を画定しており、前記ヘッド部分の前記上部セクションは、2次シール部分を画定しており、前記円周方向リップシールは、前記1次シール部分と前記2次シール部分との間に位置決めされたシールを含む、請求項12に記載のニードルレスコネクター。
【請求項14】
前記円周方向リップシールと前記2次シール部分との間の距離は、前記円周方向リップシールと前記1次シール部分との間の距離よりも小さい、請求項13に記載のニードルレスコネクター。
【請求項15】
前記円周方向リップシールが前記ヘッド部分の前記外側表面から半径方向外向きに延在する距離は、前記円周方向リップシールと前記2次シール部分との間の距離よりも小さい、請求項13に記載のニードルレスコネクター。
【請求項16】
前記円周方向リップシールの直径は、前記入口ポートにおける前記内側表面の直径よりも大きい、請求項12に記載のニードルレスコネクター。
【請求項17】
前記円周方向リップシールは、可撓性の部材を含み、前記可撓性の部材は、前記入口ポートにおける前記ハウジングの前記内側表面に係合し、前記バルブ部材が前記開放状態と閉鎖状態との間において前記ハウジングの中で往復運動するときに、反転された形状に撓む、請求項16に記載のニードルレスコネクター。
【請求項18】
前記上部セクションは、平面的な上部表面を含み、前記円周方向リップシールは、前記平面的な上部表面に対して平行に配向されている、請求項12に記載のニードルレスコネクター。
【請求項19】
前記上部セクションは、平面的な上部表面を含み、前記円周方向リップシールは、前記平面的な上部表面に対して非平行の角度で配向されている、請求項12に記載のニードルレスコネクター。
【請求項20】
前記ヘッド部分は、前記ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、前記円周方向リップシールは、前記ヘッド部分の前記軸線方向中心に対して実質的に垂直方向に配向されている、請求項12に記載のニードルレスコネクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ニードルレスコネクターに関し、とりわけ、シーリングリップを有するバルブ部材を備えたニードルレスコネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的な治療は、静脈内(IV)カテーテルを使用して医療用流体(たとえば、生理食塩溶液または液体薬剤)を患者に注入することを含むことが多く、静脈内(IV)カテーテルは、可撓性のチュービングおよびフィッティング(一般に、「IVセット」と称される)の配置を通して、流体の供給源(たとえば、IVバッグ)に接続されている。特定のニードルレスコネクターが、IVセットにおいて使用される可能性があり、また、自己シール式ポートを有することが可能であり、嵌合する医療器具がそのようなニードルレスコネクターから切り離されるときに、流体の漏出を防止する。追加的に、ニードルレスコネクターは、機械的なバルブ(たとえば、崩壊可能なバルブ)を含むことが可能であり、それは、自己シール式ポートを提供するための、および、IVセットの中の流体のフローを制御するための、可撓性の材料を含む。
【0003】
現存するおよび/または先行技術のニードルレスバルブ幾何学形状の性質に起因して、一般に、バルブ部材を開放位置に設置するために軸線方向の力を印加するために使用される医療器具(たとえば、嵌合するオス型ルアー)の除去のときに、流体がバルブヘッドの面の上に堆積される。これらの現存するニードルレスバルブでは、バルブヘッドの上に堆積された流体は、時としてバルブ部材から分離し、患者に投与するための流体通路の中へ流入し、それによって、潜在的な血流疾患とともに不安を引き起こすこととなる。
【0004】
背景技術の章において提供される説明は、単にそれが背景技術の章に述べられているかまたは背景技術の章に関連付けられているからといって、先行技術であると見なされるべきではない。背景技術の章は、主題の技術の1つまたは複数の態様を説明する情報を含むことが可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、コネクターのためのバルブ部材は、第1のシール部分を画定する上部セクションを含むヘッド部分と、本体部分であって、本体部分は、ヘッド部分から長手方向に延在しており、その近位端部において第2のシール部分を画定している、本体部分とを含むことが可能である。第2のシール部分は、第1のシール部分の遠位に配設され得る。バルブ部材は、ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在している円周方向リップシールをさらに含むことが可能である。円周方向リップシールは、第1のシール部分と第2のシール部分との間に配設され得る。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ニードルレスコネクターは、ハウジングであって、ハウジングは、ハウジングの入口ポートを画定する近位端部、ハウジングの出口ポートを画定するベースを含む遠位端部、および、入口ポートと出口ポートとの間に延在する内部キャビティーを画定する内側表面を有する、ハウジングを含むことが可能である。ニードルレスコネクターは、弾性バルブであって、弾性バルブは、内部キャビティーの少なくとも一部分の中に配設されており、ハウジングの中に移動可能に保持されている、弾性バルブをさらに含むことが可能である。弾性バルブは、上部セクションを含むヘッド部分と、ヘッド部分から遠位に延在する本体部分と;円周方向リップシールであって、円周方向リップシールは、ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在しており、上部セクションと本体部分との間に配設されている、円周方向リップシールとを含むことが可能である。ハウジングの内側表面とヘッド部分の外側表面との間にギャップが存在している弾性バルブの開放状態において、円周方向リップシールは、ハウジングの内側表面の少なくとも一部分に係合し、流体が内部キャビティーからヘッド部分の上部セクションに向けておよび上部セクションの上に流れることを妨害することが可能である。
【0007】
先述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的なものであり、特許請求されているような主題の技術のさらなる説明を提供することを意図しているということが理解されるべきである。また、他の態様も利用され得り、主題の技術の範囲から逸脱することなく変更が行われ得るということも理解されるべきである。
【0008】
以下の図は、実施形態の特定の態様を図示するために含まれており、排他的な実施形態として見られるべきではない。開示されている主題は、本開示の利益を有する当業者に思い付くこととなるように、形態および機能に関して、かなりの修正例、代替例、組み合わせ、および均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、その中に据え付けられた弾性バルブを有するニードルレスコネクターのハウジングの部分的な切り欠きの斜視図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、ニードルレスコネクターの弾性バルブの例を図示する斜視図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、閉鎖位置にある
図1の組み立てられたニードルレスコネクターハウジングおよび圧縮可能なバルブの部分的な断面図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、バルブを開放位置に設置するために軸線方向の力が印加された状態の、その中に据え付けられた圧縮可能なバルブを有するニードルレスコネクターのハウジングの部分的な切り欠きの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記に記載されている詳細な説明は、主題の技術のさまざまな構成を説明しており、主題の技術が実践され得る唯一の構成を表すことを意図していない。詳細な説明は、主題の技術の徹底的な理解を提供する目的のための具体的な詳細を含む。したがって、寸法は、特定の態様に関して、非限定的な例として提供され得る。しかし、主題の技術はこれらの具体的な詳細なしに実践され得るということが、当業者に明らかになることとなる。いくつかの場合において、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、周知の構造およびコンポーネントは、ブロック図の形態で示されている。
【0011】
本開示は、主題の技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないということが理解されるべきである。ここで、主題の技術のさまざまな態様は、特定のしかし非限定的な例にしたがって開示されることとなる。本開示において説明されているさまざまな実施形態は、異なる方式およびバリエーションにおいて実施され得り、また、所望の用途または実装形態にしたがって実施され得る。
【0012】
本開示のさまざまな実施形態は、概して、自己シール式のニードルレスコネクターに関し、ニードルレスコネクターは、コネクターのハウジングの中に配設されている弾性の圧縮可能なバルブを組み込んでおり、弾性バルブは、ワイパーまたはダムとして作用する円周方向リップシールを有しており、それは、ハウジングの内側表面(内径)に係合し、バルブが傾けられるか、傾斜されるか、押し下げられるか、または、その他の方法で圧縮されるときに、バルブとハウジングとの間に生成される一時的なギャップを介して、キャビティーからバルブの上部に向けて流体が移動することを防止する。
【0013】
より具体的には、本開示のさまざまな実施形態は、ハウジングおよび圧縮可能なバルブを有するニードルレスコネクターに関し、圧縮可能なバルブは、軸線方向の力を受けるときに、圧縮可能なバルブのヘッド部分の傾斜(それは、既存のニードルレスコネクターの中に流体流路を形成する)が排除されるように構成されている。
【0014】
本開示のさまざまな実施形態によれば、軸線方向の力が除去されたときに、弾性バルブは、シールされた構成で、ハウジングの中のその位置に戻るように拡大し始める。弾性バルブが拡大するとき、円周方向リップシールは、ハウジングの内側表面に係合し、反転するかまたはその他の方法で曲がり、それによって、ワイパーまたはダムとして作用し、それは、一時的なギャップを介してハウジングのキャビティーからバルブ面に向けて流体が移動することを防止する。したがって、円周方向リップシールを有する本明細書で説明されているさまざまな実施形態のバルブ部材の構成は、有利である。その理由は、それが、一時的なギャップを介してキャビティーから上部表面へ流体が移動することを妨害することによって、流体の液滴がバルブの上部表面の上に集まることを防止するからである。バルブ面の上に堆積され得る流体を円周方向リップシールが最小化するので、それは、有利には、バルブヘッドのバルブ面(上部表面)の上に堆積される流体に一般的に関連付けられる潜在的な血流疾患にともなう不安を防止する。
【0015】
以下の説明は、開示されているニードルレスコネクターを使用する医師による患者への医療用流体の投与に関するものであるが、この説明は、単に使用法の例に過ぎず、特許請求の範囲を制限しないということが理解されるべきである。
【0016】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、その中に据え付けられた弾性バルブを有するニードルレスコネクター100のハウジング110の部分的な切り欠きの斜視図である。示されているように、ハウジング110は、近位端部105および遠位端部120を有することが可能であり、近位端部105は、ハウジング110の入口ポート112を画定しており、遠位端部120は、ハウジング110の出口ポート123を画定するベース部分160を含む。いくつかの実施形態において、ハウジング110は、内側表面130をさらに含むことが可能であり、内側表面130は、内部キャビティー133を画定しており、内部キャビティー133は、ハウジング110の近位端部105と遠位端部120との間に少なくとも部分的に延在している。ハウジング110は、本体部分115から形成され得り、本体部分115は、ベース部分160に連結されているか、または、ベース部分160とその他の方法で一体的に形成されている。しかし、いくつかの実施形態において、ハウジング110は、弾性バルブ200をその中に収容するように同様に寸法決めされている他のピースまたはパーツの組み合わせから形成され得る。動作時に、流体経路が、たとえば、入口ポート112から出口ポート123へニードルレスコネクター100を通して確立され得る。本明細書において言及されているように、「近位に」は、ハウジング110の入口ポート112に向かう配向を指し、「遠位に」は、入口ポート112の反対側のハウジング100のベース部分160または底部に向かう配向を指す。
【0017】
示されているように、医療器具(たとえば、オス型ルアー300(
図4に図示されている))とインターフェースするためのハウジング110の入口ポート112をハウジング110が含むことに加えて、ハウジング110は、ハウジング110のベース160と接続するための開口部155をさらに含むことが可能である。示されているように、ハウジング110の本体部分115は、1つまたは複数の流体フローチャネル145および1つまたは複数の内部支持カラム(図示せず)を含むことが可能である。本体部分115の下側セクション(たとえば、開口部155の近位にあるセクション)は、増加した直径を有することが可能であり、1つまたは複数の内部接触タブ(図示せず)を含むことが可能である。ニードルレスコネクター100の中に組み立てられたとき、1つまたは複数の内部接触タブは、ハウジング110の中心長手方向軸線X
1に実質的に直交する半径方向の力を、ベース部分160のバルブマウントの上に配置されている弾性バルブ200のフランジ部分の上に提供することが可能である。
【0018】
本開示のさまざまな実施形態によれば、入口ポート112は、上部ポート表面114と、内部キャビティー133の中に画定されているチャネルとを含むことが可能である。入口ポート112は、別のデバイス(たとえば、流体移送アッセンブリ)に連結するための係合特徴135を含むことが可能である。たとえば、係合特徴135は、協働する機械的なエレメント(たとえば、内部表面または外部表面のネジ山、戻り止め、バヨネットタイプのロッキングエレメントなど)および他の表面構成(たとえば、摩擦係合のためのテーパー付きルアー表面など)を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、入口ポート112は、ルアーロックネジ切り部135を備えたメス型ルアーフィッティングを画定することが可能である。内側表面130およびその中に画定された内部キャビティー133は、入口ポート112の上部ポート表面114の開口部からハウジング110の本体部分115の中へ長手方向に延在することが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態において、内部シーリング縁部122が、ハウジング110の内側表面130の上に画定され得る。内部シーリング縁部122は、円周方向の縁部であり、組み立てられたニードルレスコネクター100の内部キャビティー133の中に弾性バルブ200を保持するように構成され得る。動作時に、内部シーリング縁部122は、圧縮可能なバルブ200の1次シール部分225と連動して流体フローの遮断を提供するように配置され得る。
【0020】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、ニードルレスコネクターの弾性バルブの例を図示する斜視図である。
図2は、例示的な弾性バルブ200を単独で図示している。弾性バルブ200は、ヘッド部分220と、ヘッド部分220から遠位に延在する本体部分230とを含むことが可能である。特定の実施形態において、ヘッド部分220は、カラムセクション218を含み、カラムセクション218は、弾性バルブ200の軸線方向中心X
2を画定することが可能である。軸線方向中心X
2は、弾性バルブ200の閉鎖状態でニードルレスコネクターハウジング100の中に組み立てられたときに、ニードルレスコネクターハウジング100の中心長手方向軸線X
1に実質的に対応することが可能である。非活性化状態(たとえば、孤立しているか、または、コネクターの中にあるが医療器具によって変位されていない)では、軸線方向中心X
2は、(
図1に示されているように)圧縮可能なバルブ200のヘッド部分220および本体部分230を通って長手方向に延在することが可能である。上述の状態において、圧縮可能なバルブ200の本体部分230は、圧縮可能なバルブ200のヘッド部分220または他の部分と同じ軸線方向中心を有することが可能である。しかし、さらに詳細に下記に説明されているように、活性化状態では(たとえば、医療器具(たとえば、オス型ルアー300)を使用して、軸線方向の力が圧縮可能なバルブ200に印加されているとき)、弾性バルブ200の軸線方向中心X
2は、弾性バルブ200が医療器具によって活性化させられると、中心長手方向軸線X
1に対して変化および枢動することが可能である。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、ヘッド部分220は、上部セクション212を含むことが可能であり、上部セクション212は、弾性バルブ200の第1のシール部分または2次シール部分214を画定している。本体部分230は、本体部分230の近位端部において、第2のシール部分または1次シール部分225をさらに画定することが可能である。示されているように、1次シール部分225は、2次シール部分214に対して遠位に配設され得る。
【0022】
本開示のさまざまな態様によれば、ヘッド部分220は、ヘッド部分220の外側表面から半径方向外向きに延在する円周方向リップシール215をさらに含むことが可能である。示されているように、円周方向リップシール215は、ヘッド部分220の外側表面からハウジング110の内側表面130に向けて半径方向外向きに突出することが可能である。円周方向リップシール215は、コネクター100のハウジング110の内側表面130に係合する薄くて可撓性の部材であることが可能である。たとえば、さらに詳細に下記に議論されるように、円周方向リップシール215は、(.0005~0.005インチのオーダーの)薄いシールを形成することが可能であり、それは、医療器具(たとえば、シリンジ300)の除去の間に内部キャビティー133からバルブ面(すなわち、上部表面216)へ流体が流れることを防止することとなる。したがって、円周方向リップシール215は、医療器具300の除去の間に、内部キャビティーから流れる流体の大部分がバルブ200の上部表面216に到達することを妨害するように機能することが可能である。円周方向リップシール215の上述の薄くて可撓性の構成は、有利である。その理由は、円周方向リップシール215が、シリンジ挿入の間に反転されるのに十分に、および、シリンジ除去の間に最小の抗力を伴ってスライドするのに十分に薄いからである。したがって、円周方向リップシール215は、流体が一方向に移動することを可能にすることができる。たとえば、円周方向リップシール215は、円周方向リップシール215と2次シール部分214との間に形成された第1のキャビティー145から、円周方向リップシール215と1次シール部分225との間に形成された第2のキャビティー165に向けて、流体が流れるかまたはその他の方法で排出することを可能にすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、円周方向リップシール215がヘッド部分220の外側表面から半径方向外向きに延在する距離H1は、円周方向リップシール215と第1の(2次)シール部分214との間の距離H2よりも小さいかまたは短くなっていることが可能である。上述の構成は、バルブ200が開放状態から閉鎖状態へ拡大するときに、破断するかまたはハウジング130の内側表面との間にその他の方法で引っ掛かるリスクなしに、円周方向リップシール215が2次シール部分に向けて上向きに曲がるかまたはその他の方法で撓むことを可能にする。
【0024】
いくつかの実施形態において、円周方向リップシール215は、第1の(2次)シール部分214と第2の(1次)シール部分225との間に配設され得る。とりわけ、示されているように、円周方向リップシール215は、1次シール部分225よりも2次シール部分214の近くの位置に配設され得る。たとえば、距離または高さH2は、円周方向リップシール215と2次シール部分214との間に画定され得る。同様に、距離または高さH3は、円周方向リップシール215と2次シール部分214との間に画定され得る。いくつかの実施形態において、距離または高さH2は、距離または高さH3よりも短いかまたは小さくなっていることが可能である。上述の構成は、第1のキャビティー145の中に集まることができる流体の体積を最小化するために有利である。
【0025】
上部セクション212は、平面的な上部表面216を含むことが可能であり、平面的な上部表面216は、カラムセクション218の軸線方向中心X
2に対して垂直方向に配向されている。いくつかの実施形態において、
図2に示されているように、円周方向リップシール215は、平面的な上部表面216に対して平行に配向され、および/または、平面的な上部表面216に関して同心円状に配設され得る。しかし、本開示のさまざまな実施形態は、上述の構成に限定されない。他の実施形態において、円周方向リップシール215は、平面的な上部表面216に対して非平行の角度で配向され得る。これらの実施形態では、シリンジ挿入の間に、ヘッド部分220が軸線方向の力F(
図4に図示されている)を受け、図示されているようにヘッド部分220が傾くか、曲がるか、またはその他の方法で撓むことを引き起こすときに、円周方向リップシール215は、それが上部ポート表面114に対して平行になるように配向され得る。この構成は、有利である可能性がある。その理由は、円周方向リップシール215の最大または全体の周囲部が、ハウジングの内側表面130と同時に接触することができるからである。したがって、円周方向リップシール215のシーリング能力は、円周方向リップシール215の全体の周囲部がハウジング110の内側表面130に係合するときに最適化され得る。
【0026】
以前に上記に説明されたように、ならびに、
図1および
図2に図示されているように、カラムセクション218は、ヘッド部分220の軸線方向中心X
2を画定することが可能であり、円周方向リップシール215は、ヘッド部分の軸線方向中心Xに対して実質的に垂直方向に配向され得る。上述の構成は、弾性バルブが閉鎖位置にあるときに、円周方向リップシール215の最大限の露出およびハウジングの内側表面130との係合を可能にする。しかし、他の実施形態において、円周方向リップシール215は、ヘッド部分の軸線方向中心に対して非垂直の角度で配向され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、円周方向リップシール215は、所定の角度で配向され得り、ヘッド部分220が軸線方向の力Fを受け、ヘッド部分220が傾くか、曲がるか、またはその他の方法で撓むことを引き起こすときに、円周方向リップシール215の最大または全体の周囲部がハウジングの内側表面130に同時に接触することができるように、円周方向リップシール215が配向され得るようになっている。したがって、円周方向リップシール215のシーリング能力は、円周方向リップシール215の全体の周囲部がハウジング110の内側表面130に係合するときに最適化され得る。
【0027】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ヘッド部分220は、カラムセクション218の外側表面に沿って配設されている少なくとも1つのノッチ210を含むことが可能である。
図2に示されているように、カラムセクション218は、概して中実の円筒状のセクションを有することが可能である。
図3の縦断面図に関して見ることができるように、少なくとも1つのノッチ210は、カラムセクション218の中の円弧形状の凹部の形態になっていることが可能である。しかし、ノッチ210の実装形態は、さまざまな形状およびサイズ(たとえば、それに限定されないが、三角形のまたはさまざまな幾何学的な断面を有するノッチなど)を含むことが可能であるということが認識されるべきである。
【0028】
いくつかの実施形態において、弾性バルブ200のヘッド部分220は、ノッチを含まなくてもよく、むしろ、カラムセクション218の上に配設されている不連続セグメントを有することが可能である。たとえば、カラムセクションの側部または側部の一部分は、カラムセクションの残りの部分とは異なる材料(または、異なる硬度値を有する同じ材料)から形成され得る。追加的に、カラムセクションの側部または側部の一部分は、中空になっていることが可能であり、一方では、カラムセクションの残りの部分の他の側部または部分は、中実になっていることが可能である。したがって、ヘッドの移動に関する弾力性の効果的な変化が結果として生じる可能性がある(ノッチの除去されたまたは抽出された体積のものと同様)。ノッチ210は、カラムセクション218の上に互いに概して反対側に示されているが、カラムセクション218の上の少なくとも1つのノッチ210の他の配置(3つ以上のノッチを含む)も企図されるということが理解されるべきである。
【0029】
本開示のさまざまな実施形態によれば、弾性バルブ200は、ニードルレスコネクターおよび他の医療器具のための機械的なバルブを作り出すために使用されるさまざまな材料のいずれかを含むことが可能である。いくつかの実装形態において、ヘッド部分220は、エラストマー材料(たとえば、それに限定されないが、シリコーン化合物など)を含むことが可能である。そのうえ、1次シール部分225および下側部分230は、エラストマー材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、可撓性のバルブのうちのすべてまたはいくらかは、液体シリコーンゴムから形成され得る。
【0030】
追加的に、さまざまな実施形態によれば、ヘッド部分220のエラストマー材料は、下側部分230のエラストマー材料よりも高いデュロメーター値を有することが可能である。たとえば、ニードルレスコネクター100の中の流体流路を促進させることに関連付けられる下側部分230の崩壊機能性は、動作のためにより柔軟な材料または組成物の属性から利益を得ることが可能であり、一方では、ヘッド部分220および1次シール部分230は、1次シール225を係合解除するためのよりリジッドの構築体を必要とする可能性がある。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、ならびに、再び
図1および
図2を参照すると、1次シール部分225は、ヘッド部分220のカラムセクション218の断面積よりも大きい断面積を有することが可能である。たとえば、1次シール部分225は、コネクターハウジング110の内部シーリング縁部122と係合するための切頭円錐状の表面222の形態になっていることが可能である。1次シール部分225の切頭円錐状の形状は、ヘッド部分220の近位にある1次シール部分225の第1の断面積が、ヘッド部分210の遠位にある1次シール部分225の第2の断面積よりも小さくなるように構成され得る。換言すれば、1次シール部分225は、ヘッド部分220に向けてより狭くなっており、下側部分230に向けて広くなっていることが可能である。
【0032】
いくつかの実施形態において、下側部分230は、細長いチューブ状の部材231の形態になっていることが可能であり、細長いチューブ状の部材231は、1次シール部分225の近位にある閉鎖端部と、1次シール部分225の遠位にある開放端部とを有している。そうであるので、内部空気スペースが、弾性バルブ200の内部に画定され得る。いくつかの態様によれば、弾性バルブ200は、動作時にニードルレスコネクターアッセンブリによって崩壊可能であり得る。これらの実施形態では、下側部分230は、さまざまなディンプルおよび/または切り込みを含み、本開示の異なる実施形態による適正な崩壊機能性を促進させることが可能である。そのうえ、弾性バルブ200のヘッド部分220は、医療器具または同様の相互接続デバイスのオス型ルアーテーパー付き先端部によってそれが動作することを可能にする概して円筒状の特性を有することが可能であるが、下側部分230は、弾性バルブがその中で使用されるニードルレスコネクター装置と協働した弾性バルブの機能性および動作に関連付けられる複数の形状、サイズ、および特質の形態になっていることが可能である。いくつかの実施形態において、下側部分230がチューブ状のセクション231を有しているときに、このセクション231は、複数のチューブ状の形状(たとえば、それに限定されないが、円筒状の形状、長方形の形状、六角形の形状、チューブ状の形状など)を含むことが可能である。
【0033】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、医療器具の挿入の前の閉鎖位置にある、
図1のハウジング110および圧縮可能なバルブ200を備えた組み立てられたニードルレスコネクター100の部分的な断面図である。引き続き
図1を参照しながら
図3を参照すると、
図3に図示されているような組み立てられたニードルレスコネクター100は、シールされた構成になっており、出口ポート123に連結されている相互接続された流体通路からの任意の流体が、入口ポート112からシールされるようになっている。いくつかの実施形態において、ニードルレスコネクター100は、圧縮可能なバルブ200のフランジ部分240が、ベース部分160のバルブマウントの上に連結されるか、スナップされるか、またはその他の方法で取り付けられるように組み立てられ得る。
【0034】
ハウジング110の内部キャビティー133は、ベース部分160に連結されている圧縮可能なバルブ200の上に配置され得り、圧縮可能なバルブ200のヘッド部分220が、入口ポート112の中に整合および配設されるようになっている。組み立てのときに、圧縮可能なバルブ200のヘッド部分220の上部表面216は、結果として生じる平面を有することが可能であり、それは、ヘッド部分220がハウジング110の入口ポート112の中に係合されているときに、中心長手方向軸線X
2またはヘッド部分220のカラムセクション218の軸線方向中心に対して実質的に垂直になっている。追加的に、ハウジング110の本体部分115の下側セクションの上に配設されている1つまたは複数の内部接触タブ(図示せず)は、フランジ部分240の側壁部を取り囲んでそれに圧力を印加し、ハウジング110の中に圧縮可能なバルブ200を固定および/またはアンカー固定することが可能である。動作時に、ニードルレスコネクターの弾性バルブ200は、軸線方向の力F(
図4に図示されている)が圧縮可能なバルブ200の上部表面216に印加されるときに、圧縮し、崩壊し、傾き、および/または折り畳まれ、さらに詳細に下記に説明されているように、軸線方向の力が除去されるときに、拡大して再整合することが可能である。
【0035】
したがって、1つまたは複数の内部接触タブ(図示せず)は、中心長手方向軸線X2に実質的に直交する半径方向の力を、フランジ部分240の側壁部の上に提供することが可能である。この点において、軸線方向の力Fが、圧縮可能なバルブ200のヘッド部分220の上部表面216に印加されるときに、圧縮可能なバルブ200を通してハウジング100のベース部分120の上に結果として生じる任意の軸線方向の力の影響が、排除されないとしても低減される。ベース部分120の上に印加されるそのような結果として生じる軸線方向の力は、たとえば、ベース部分120と本体部分115との間の溶融接続に対抗してまたは逸脱して働くことが可能であり、また、時間の経過とともに、不利なことには、溶融接続が破断および/または分離されることを引き起こす可能性がある。
【0036】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、バルブを開放位置に設置するために軸線方向の力が印加された状態の、その中に据え付けられた圧縮可能なバルブを有するニードルレスコネクターのハウジングの部分的な切り欠きの断面図である。
図4は、医療器具300が入口ポート112の中へ最初に進入するときの弾性バルブ200を示すニードルレスコネクター100の縦断面図を提供している。医療器具300(たとえば、シリンジ)がニードルレスコネクター100の入口ポート112の中へ最初に挿入されるときに、軸線方向の力Fが、弾性バルブ200の上に働かされ、弾性バルブが遠位に変位させられ、1次シール部分225の切頭円錐状の表面222が内部シーリング縁部122から分離することを引き起こすようになっている。
【0037】
軸線方向の力Fが印加され続けるとき、医療器具300は、入口ポート112の中へさらに下降することが可能であり、バルブ200のヘッド部分220は、さらに圧縮し、崩壊し、傾き、および/または折り畳まれることが可能である。ノッチ210のうちの1つが折り畳まれるかまたは崩壊するときに、他のノッチ210が開放または拡大することが可能であり、上部表面216が、
図4に図示されているように、下向きに(遠位に)傾斜することができるようになっている。したがって、一時的なギャップが、ハウジング110の内側表面130と弾性バルブ200のヘッド部分220との間に形成され得る。この点において、入口ポート112の中の医療器具300からの流体通路が、ニードルレスコネクター100の内部を通して出口ポート123へ確立され得る。たとえば、流体通路は、内部キャビティー133を介して入口ポート112と出口ポート123との間に確立され得る。
【0038】
医療器具50が、第1のポート252から除去されるときに、弾性バルブ100は、拡大し始め、
図3に図示されているように、シールされた構成でハウジングの中のその位置に戻ることが可能である。弾性バルブが拡大するとき、円周方向リップシール215が、ハウジング110の内側表面130に係合して反転し、または、その他の方法で曲がり、それによって、流体が一時的なギャップを介してキャビティー133からバルブ200の上部表面216に向けて移動することを防止するワイパーまたはダムとして作用する。したがって、円周方向リップシール215を有する本明細書で説明されているさまざまな実施形態のバルブ部材の構成が有利である。その理由は、それが、流体が一時的なギャップを介してキャビティー133から上部表面216へ移動することを妨害することによって、流体の液滴がバルブ200の上部表面216の上に集まることを防止するからである。
【0039】
本開示の態様のさまざまな例が、便宜上、付番された条項(1、2、3など)として説明されている。これらは、例として提供されており、主題の技術を限定するものではない。図および参照数字の識別は、単に例示目的のための例として下記に提供されているに過ぎず、条項は、それらの識別によって限定されるものではない。
【0040】
条項1: コネクターのためのバルブ部材であって、バルブ部材は、第1のシール部分を画定する上部セクションを含むヘッド部分と;本体部分であって、本体部分は、ヘッド部分から長手方向に延在しており、その近位端部において第2のシール部分を画定しており、第2のシール部分は、第1のシール部分の遠位に配設されている、本体部分と;ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在している円周方向リップシールであって、円周方向リップシールは、第1のシール部分と第2のシール部分との間に配設されている、円周方向リップシールとを含む、バルブ部材。
【0041】
条項2: 円周方向リップシールは、可撓性の部材を含み、可撓性の部材は、コネクターの内側表面に係合し、バルブ部材がコネクターの中で往復運動するときに撓むように構成されている、条項1に記載のバルブ部材。
【0042】
条項3: 円周方向リップシールと第1のシール部分との間の距離は、円周方向リップシールと第2のシール部分との間の距離よりも小さい、条項1に記載のバルブ部材。
【0043】
条項4: 円周方向リップシールがヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在する距離は、円周方向リップシールと第1のシール部分との間の距離よりも小さい、条項1に記載のバルブ部材。
【0044】
条項5: 上部セクションは、平面的な上部表面を含み、円周方向リップシールは、平面的な上部表面に対して平行に配向されている、条項1に記載のバルブ部材。
【0045】
条項6: 上部セクションは、平面的な上部表面を含み、円周方向リップシールは、平面的な上部表面に対して非平行の角度で配向されている、条項1に記載のバルブ部材。
【0046】
条項7: ヘッド部分は、ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、円周方向リップシールは、ヘッド部分の軸線方向中心に対して実質的に垂直方向に配向されている、条項1に記載のバルブ部材。
【0047】
条項8: ヘッド部分は、ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、円周方向リップシールは、ヘッド部分の軸線方向中心に対して非垂直の角度で配向されている、条項1に記載のバルブ部材。
【0048】
条項9: ヘッド部分は、ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、カラムセクションは、ヘッド部分の外側表面に沿って配設されている少なくとも1つのノッチをさらに画定している、条項1に記載のバルブ部材。
【0049】
条項10: ヘッド部分または円周方向リップシールのうちの少なくとも1つは、エラストマー材料を含む、条項1に記載のバルブ部材。
【0050】
条項11: 円周方向リップシールは、シリコーンまたはシリコーン化合物を含む、条項1に記載のバルブ部材。
【0051】
条項12: ニードルレスコネクターであって、ニードルレスコネクターは、ハウジングであって、ハウジングは、ハウジングの入口ポートを画定する近位端部、ハウジングの出口ポートを画定するベースを含む遠位端部、および、入口ポートと出口ポートとの間に延在する内部キャビティーを画定する内側表面を有する、ハウジングと;弾性バルブであった、弾性バルブは、内部キャビティーの少なくとも一部分の中に配設されており、ハウジングの中に移動可能に保持されている、弾性バルブとを含み、弾性バルブは、上部セクションを含むヘッド部分と、ヘッド部分から遠位に延在する本体部分と;円周方向リップシールであって、円周方向リップシールは、ヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在しており、上部セクションと本体部分との間に配設されている、円周方向リップシールとを含み、ハウジングの内側表面とヘッド部分の外側表面との間にギャップが存在している弾性バルブの開放状態において、円周方向リップシールは、ハウジングの内側表面の少なくとも一部分に係合し、流体が内部キャビティーからヘッド部分の上部セクションに向けておよび上部セクションの上に流れることを妨害する、ニードルレスコネクター。
【0052】
条項13: 本体部分は、その近位端部において1次シール部分を画定しており、ヘッド部分の上部セクションは、2次シール部分を画定しており、円周方向リップシールは、1次シール部分と2次シール部分との間に位置決めされたシールを含む、条項12に記載のニードルレスコネクター。
【0053】
条項14: 円周方向リップシールと2次シール部分との間の距離は、円周方向リップシールと1次シール部分との間の距離よりも小さい、条項13に記載のニードルレスコネクター。
【0054】
条項15: 円周方向リップシールがヘッド部分の外側表面から半径方向外向きに延在する距離は、円周方向リップシールと2次シール部分との間の距離よりも小さい、条項13に記載のニードルレスコネクター。
【0055】
条項16: 円周方向リップシールの直径は、入口ポートにおける内側表面の直径よりも大きい、条項12に記載のニードルレスコネクター。
【0056】
条項17: 円周方向リップシールは、可撓性の部材を含み、可撓性の部材は、入口ポートにおけるハウジングの内側表面に係合し、バルブ部材が開放状態と閉鎖状態との間においてハウジングの中で往復運動するときに、反転された形状に撓む、条項16に記載のニードルレスコネクター。
【0057】
条項18: 上部セクションは、平面的な上部表面を含み、円周方向リップシールは、平面的な上部表面に対して平行に配向されている、条項12に記載のニードルレスコネクター。
【0058】
条項19: 上部セクションは、平面的な上部表面を含み、円周方向リップシールは、平面的な上部表面に対して非平行の角度で配向されている、条項12に記載のニードルレスコネクター。
【0059】
条項20: ヘッド部分は、ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、円周方向リップシールは、ヘッド部分の軸線方向中心に対して実質的に垂直方向に配向されている、条項12に記載のニードルレスコネクター。
【0060】
条項21: ヘッド部分は、ヘッド部分の軸線方向中心を画定するカラムセクションをさらに含み、円周方向リップシールは、ヘッド部分の軸線方向中心に対して非垂直の角度で配向されている、条項12に記載のニードルレスコネクター。
【0061】
本開示は、任意の当業者が本明細書で説明されているさまざまな態様を実践することを可能にするために提供されている。本開示は、主題の技術のさまざまな例を提供しており、主題の技術は、これらの例に限定されない。これらの態様に対するさまざまな修正例は、当業者に容易に明らかになることとなり、本明細書で規定されている一般的な原理は、他の態様にも適用され得る。
【0062】
単数形でのエレメントへの言及は、具体的にそのように述べられていない限り、「唯一の」を意味することを意図しているのではなく、「1つまたは複数の」を意味することを意図している。具体的にそうでないことを述べられていない限り、「いくつかの」という用語は、「1つまたは複数の」を指す。男性の代名詞(たとえば、彼の)は、女性および中性(たとえば、「彼女の」および「その」)を含み、その逆もまた同様である。見出しおよび小見出しは(それらがある場合には)、単に便宜のために使用されており、本発明を限定しない。
【0063】
「例示的な」という言葉は、「例または図示としての役割を果たす」ということを意味するように、本明細書で使用されている。「例示的な」として本明細書で説明されている任意の態様または設計は、必ずしも、他の態様または設計を上回る好適なまたは有利なものとして解釈されるべきではない。1つの態様では、本明細書で説明されているさまざまな代替的な構成および動作は、少なくとも均等物であると考えられ得る。
【0064】
本明細書で使用されているように、一連の項目に先行する「の少なくとも1つ」という語句は(項目のいずれかを分離するために「または」という用語を伴う)、リストのそれぞれの項目ではなく、全体としてリストを修飾する。「の少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を必要とするのではない。むしろ、この語句は、項目のうちの任意の1つの少なくとも1つ、および/または、任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または、項目のそれぞれの少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、もしくは、Cのみ;または、A、B、およびCの任意の組み合わせを指すことが可能である。
【0065】
「態様」などのような語句は、そのような態様が主題の技術に必須であるということ、または、そのような態様が主題の技術のすべての構成に適用されることを暗示しているのではない。ある態様に関する開示は、すべての構成、または、1つもしくは複数の構成に適用することが可能である。ある態様は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。ある態様などのような語句は、1つまたは複数の態様を指す可能性があり、その逆もまた同様である。「実施形態」などのような語句は、そのような実施形態が主題の技術に必須であるということ、または、そのような実施形態が主題の技術のすべての構成に適用されることを暗示しているのではない。ある実施形態に関する開示は、すべての実施形態、または、1つもしくは複数の実施形態に適用することが可能である。ある実施形態は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。そのような実施形態という語句は、1つまたは複数の実施形態を指す可能性があり、その逆もまた同様である。「構成」などのような語句は、そのような構成が主題の技術に必須であるということ、または、そのような構成が主題の技術のすべての構成に適用されることを暗示しているのではない。構成に関する開示は、すべての構成、または、1つもしくは複数の構成に適用することが可能である。ある構成は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。そのような構成という語句は、1つまたは複数の構成を指す可能性があり、その逆もまた同様である。
【0066】
1つの態様では、別段の記述がない限り、本明細書(以下に続く特許請求の範囲を含む)において記述されているすべての測定値、値、レーティング、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、概算であり、正確ではない。1つの態様では、それらは、それらが関連する機能、および、それらが関連する技術分野において慣習的な機能と一貫する合理的な範囲を有することを意図している。
【0067】
開示されているステップ、または、プロセスにおける動作、または方法の特定の順序または階層は、例示的なアプローチの図示であるということが理解される。実装形態の好みまたはシナリオに基づいて、ステップ、動作、またはプロセスの特定の順序または階層は再配置され得るということが理解される。ステップ、動作、またはプロセスのうちのいくつかは、同時に実施され得る。いくつかの実装形態の好みまたはシナリオにおいて、特定の動作が実施されてもよくまたは実施されなくてもよい。ステップ、動作、またはプロセスのうちのいくつかまたはすべては、ユーザーの介入なしに、自動的に実施され得る。添付の方法の請求項は、サンプル順序において、さまざまなステップ、動作、またはプロセスのエレメントを提示しており、提示されている特定の順序または階層に限定されることを意味していない。
【0068】
当業者に知られているか、または、当業者に後に知られることになる、本開示の全体を通して説明されているさまざまな態様のエレメントに対するすべての構造的なおよび機能的な均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれており、特許請求の範囲によって包含されることを意図している。そのうえ、本明細書で開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に提供されたものであることを意図していない。請求項のエレメントは、そのエレメントが「のための手段(means for)」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、または、方法の請求項の場合には、そのエレメントが「のためのステップ(step for)」という語句を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。そのうえ、「含む(include)」または「有する」などの用語が使用されている範囲において、そのような用語は、請求項の中の移行句として用いられるときに「含む(comprise)」が解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様の様式で、包括的であることを意図している。
【0069】
発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明、および、本開示の要約は、これによって本開示に組み込まれており、制限的な説明としてではなく、本開示例示目的の例として提供される。特許請求の範囲または意味を限定するものとして使用されることとならないという理解の下で、それは提出される。加えて、詳細な説明において、説明は例示目的の例を提供しているということ、および、本開示を合理化する目的のためにさまざまな特徴がさまざまな実施形態において一緒にグループ化されているということが理解され得る。この開示の方法は、特許請求されている主題が、それぞれの請求項の中に明示的に記載されているものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示されている構成または動作のすべての特徴よりも少ないものにある。以下の特許請求の範囲は、これによって詳細な説明の中へ組み込まれており、それぞれの請求項は、別個の特許請求されている主題として自立している。
【0070】
特許請求の範囲は、本明細書で説明されている態様に限定されることを意図しているのではなく、特許請求の範囲の文言と一貫する完全な範囲を与えられており、すべての法的な均等物を包含することを意図している。それにもかかわらず、請求項のいずれも、米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たすことができない主題を包含することを意図しておらず、それらはそのように解釈されるべきでもない。
【国際調査報告】