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特表2023-535769温度センサ、及びこの種の温度センサを製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】温度センサ、及びこの種の温度センサを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/16 20060101AFI20230814BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
H05K1/16 B
H05K1/02 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505410
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-25
(86)【国際出願番号】 EP2021072514
(87)【国際公開番号】W WO2022043084
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】20193018.7
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516284998
【氏名又は名称】ヘレウス ネクセンソス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Nexensos GmbH
【住所又は居所原語表記】Reinhard-Heraeus-Ring 23, 63801 Kleinostheim, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ウィーナント、カールハインツ
(72)【発明者】
【氏名】アスムス、ティム
(72)【発明者】
【氏名】ニック、クリストフ
【テーマコード(参考)】
4E351
5E338
【Fターム(参考)】
4E351AA07
4E351AA09
4E351BB50
4E351DD04
4E351DD05
4E351DD06
4E351DD10
4E351DD11
4E351DD19
4E351DD20
4E351GG06
4E351GG20
5E338AA01
5E338AA18
5E338CC10
5E338CD12
5E338CD40
5E338EE11
5E338EE22
(57)【要約】

温度センサ、及びこの種の温度センサを製造するための方法
本発明は、
金属要素、特に金属箔から形成された基板(15)であって、表側(16)及び裏側(17)を有する基板(15)と、
絶縁層のない部分(25)が基板(15)の表側(16)上に形成されているように、基板(15)の表側(16)を部分的にのみ覆う絶縁層(20)と、
絶縁層(20)上に、及び基板(15)の表側(16)の絶縁層のない部分(25)上に形成されたセンサ構造(30)、特に抵抗性センサ構造と
を備える温度センサ(10)であって、
センサ構造(30)は、少なくとも2つの電気接触部分(31、32)を有し、第1の接触部分(31)は、基板(15)の表側(16)の絶縁層のない部分(25)に接続されており、第2の接触部分(32)は、第1のコンタクト経路(41)であり、又は第1のコンタクト経路(41)に接続されており、第1のコンタクト経路(41)は、好ましくは、絶縁層(20)上に配置されている、温度センサ(10)に関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属要素、特に金属箔から形成された基板(15)であって、表側(16)及び裏側(17)を備える基板(15)と、
絶縁層のない部分(25)が前記基板(15)の前記表側(16)上に形成されているように、前記基板(15)の前記表側(16)を部分的にのみ覆う絶縁層(20)と、
前記絶縁層(20)上に、及び前記基板(15)の前記表側(16)の前記絶縁層のない部分(25)上に形成されたセンサ構造(30)、特に抵抗性センサ構造と
を備える温度センサ(10)であって、
前記センサ構造(30)は、少なくとも2つの電気接触部分(31、32)を備え、第1の接触部分(31)は、前記基板(15)の前記表側(16)の前記絶縁層のない部分(25)に接続されており、第2の接触部分(32)は、第1のコンタクトパッド(41)であり、又は第1のコンタクトパッド(41)に接続されており、前記第1のコンタクトパッド(41)は、好ましくは、前記絶縁層(20)上に配置されている、温度センサ(10)。
【請求項2】
前記絶縁層のない部分(25)は、前記基板(15)の前記表側(16)の縁部(18)上に形成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の温度センサ(10)。
【請求項3】
前記温度センサ(10)は、前記基板(15)の前記裏側(17)に接続された第1の給電線(51)を備え、前記第1のコンタクトパッド(41)に接続された少なくとも1つの第2の給電線(52)を備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度センサ(10)。
【請求項4】
パッシベーション層(60)は、前記基板とは反対側である、前記センサ構造(30)の前記側(35)上に、少なくとも部分的に形成されている
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサ(10)。
【請求項5】
前記第1のコンタクトパッド(41)は、前記第1のコンタクトパッド(41)が、前記センサ構造(30)とは反対側である、前記パッシベーション層(60)の前記側(61)上に、部分的に載置されているように、配置されている、特に曲げられている
ことを特徴とする、請求項4に記載の温度センサ(10)。
【請求項6】
前記金属要素、特に前記金属箔は、アルミニウム(Al)、及び/又は鋼、特にフェライト鋼、及び/又はチタン(Ti)、及び/又はニオブ(Nb)、及び/又はタンタル(Ta)、及び/又はニッケル(Ni)、及び/又は銅(Cu)から形成されている
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の温度センサ(10)。
【請求項7】
前記絶縁層(20)は、酸化アルミニウム(Al)、及び/又はチタン酸アルミニウム(AlTiO)、及び/又は二酸化チタン(TiO)、及び/又は二酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化マグネシウム(MgO)、及び/又はチタン酸マグネシウム(MgTiO)、及び/又は二元二酸化ジルコニウム合金、及び/又は三元二酸化ジルコニウム合金、及び/又は窒化ホウ素(BN)、及び/又は窒化アルミニウム(AlN)、及び/又は窒化ケイ素(Si)を含む
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の温度センサ(10)。
【請求項8】
前記絶縁層(20)は、
金属酸化物層、特に陽極酸化金属酸化物層、若しくは金属窒化物層、若しくは金属酸窒化物層であり、
又は
層複合体から形成されており、
又は
金属酸化物、特に酸化アルミニウム粒子(Al)及び/若しくは酸化マグネシウム粒子(MgO)を含有するスラリー若しくはペーストから形成されたガラス様若しくはガラスセラミック層を含み、
又は
層複合体であって、少なくとも1つの層はポリマー層を有する、層複合体から形成されている
ことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の温度センサ(10)。
【請求項9】
特に前記絶縁層(20)上に形成された第2のコンタクトパッド(42)であって、前記第2のコンタクトパッド(42)は、前記第1のコンタクトパッド(41)に電子的に接続されており、前記第2のコンタクトパッド(42)は、好ましくは、抵抗器網の更なるタップを形成する、第2のコンタクトパッド(42)
を特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の温度センサ(10)。
【請求項10】
前記温度センサ(10)の面積(A)は、10mm未満、好ましくは3mm未満、より好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の温度センサ(10)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の温度センサ(10)を製造するための方法であって、
a)金属要素から形成されており、表側(16)及び裏側(17)を有する基板(15)を準備するステップ、
b)前記基板(15)の絶縁層のない部分(25)が形成されるように、少なくとも1つの絶縁層(20)を前記基板(15)の前記表側(16)上に形成するステップ、
c)センサ構造(30)、特に抵抗性センサ構造を、前記絶縁層(20)と、前記基板(15)の前記表側(16)の前記絶縁のない部分(25)とに適用するステップ、
d)少なくとも1つのコンタクトパッド(41、42)を適用するステップ
を含む方法。
【請求項12】
ステップb)において、前記絶縁層(20)は、前記基板(15)の前記表側(16)に表面全体にわたって適用され、更なる方法ステップにおいて、前記基板(15)の前記絶縁層のない部分(25)が形成されるように、少なくとも部分的に除去される
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップb)において、前記絶縁層(20)は、ガス分離法、印刷法、浸漬法、又は噴霧法によって、特にエアロゾルデポジション法(ADM)によって適用される
ことを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
ステップa)~ステップd)は、複数の温度センサ(10)が、基板ストリップ及び/又は基板キャリア上に一緒に製造され、その後、個片化されるように、実施される
ことを特徴とする、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1の供給ライン(51)は、前記基板(15)の前記裏側(17)に接続され、第2の供給ライン(52)は、前記少なくとも1つのコンタクトパッド(41、42)に接続される
ことを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサ、及びこの種の温度センサを製造するための方法に関する。
【0002】
温度センサを可能な限り小さく又は小型化されて設計することが、従来技術から知られている。例えば、欧州特許第1692476(B1)号は、白金薄膜センサに基づく温度センサを提案する。薄膜センサの接触面は、基板の対向する側上に配置されている。この場合、センサ構造は、上側の第1のコンタクトパッドを基板の下側上のメタライゼーションに電気的に接続するいわゆるフィードスルーによって接触している。しかしながら、このようなセンサの製造は、比較的複雑である。フィードスルーは、絶縁基板内に導入されるべきであり、このフィードスルーは、導電性材料で充填されている必要がある。
【0003】
しかしながら、米国特許第6151771(A)号では、白金薄膜構造に基づくSMD温度センサが開示されている。接点は、基板の2つの側面をメタライズすることによって、基板の上側から下側上に案内されている。基板の上側及び下側上の2つの接点部分間の確実な電気接続を確実にするために、側面を囲む追加のはんだ接続部が形成されている。次いで、温度センサのこのような設計の不利点は、製造の複雑さである。上記の側面は、メタライゼーションために必要とされる作業ステップにおいて、メタライズされなければならない。更に、追加のはんだ接続部を形成することは、2つの接触部分間の接続を可能にするために必要とされる。
【0004】
更に、NTCの形態の小さい温度センサを実現することが知られている。この目的で、直方体の形態の半導体材料が、準備され、2つの相互に対向する側面上でメタライズされる。次いで、メタライズされた側面は、電気導線のための接点として機能する。この設計は、温度センサの小さい構造寸法を可能にするが、このような温度センサは、限られた精度のみという不利点を有する。
【0005】
以上から、本発明の目的は、一方では小さい寸法を有することができ、他方では高レベルの測定精度を有し、更に、製造するのが簡単である、このタイプの温度センサを提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、本発明による温度センサを製造するための方法を特定することである。
【0007】
本発明によれば、この目的は、温度センサに関して請求項1の主題によって達成され、温度センサを製造するための方法に関して請求項11の主題によって達成される。
【0008】
本発明は、
金属要素、特に金属箔から形成された基板であって、表側及び裏側を有する基板と、
絶縁層のない部分が基板の表側上に形成されているように、基板の表側を部分的にのみ覆う絶縁層と、
絶縁層上に、及び基板の表側の絶縁層のない部分上に形成されたセンサ構造、特に抵抗性センサ構造と
を備える温度センサであって、
センサ構造は、少なくとも2つの電気接触部分を備え、第1の接触部分は、基板の表側の絶縁層のない部分に接続されており、第2の接触部分は、第1のコンタクトパッドであり、又は第1のコンタクトパッドに接続されており、第1のコンタクトパッドは、好ましくは、絶縁層上に配置されている、温度センサを特定するという概念に基づく。
【0009】
センサ構造は、特にコヒーレント構造として理解されたい。換言すれば、センサ構造は、好ましくは、ワンピースで形成されている。
【0010】
センサ構造が、コヒーレント構造又はワンピース構造として形成されているときに、第1の接触部分及び少なくとも第2の接触部分はそれぞれ、コヒーレント又はワンピースセンサ構造の一部分によって形成されている。
【0011】
センサ構造は、構造的に互いに別個である複数の構成要素からならないコヒーレント構造を意味すると理解される。
【0012】
特に、第1の接触部分及び少なくとも第2の接触部分は、構造的に別個の構成要素でない。
【0013】
電気接触部分は、特に、更なる構成要素又は別の層との電気接触を行う部分として理解されたい。
【0014】
好ましくは、センサ構造は、少なくとも部分的に蛇行構造を有し、少なくとも2つの接触部分は、蛇行構造の異なる部分である。
【0015】
本発明によれば、第1の接触部分は、絶縁層のない部分上に形成されている、センサ構造の部分から形成されている。
【0016】
換言すれば、基板と、絶縁層と、センサ構造とを有する温度センサが特定され、絶縁層は、基板の表側上に、基板の表面全体未満にわたって適用されている。絶縁層のない部分は、基板上に形成されている。次いで、センサ構造は、この絶縁層のない部分上に少なくとも部分的に形成されている。センサ構造は、センサ構造の少なくとも1つの接触部分が、基板の表側の絶縁層のない部分に接続されている、特に電気的に接続されているように、絶縁層のない部分上に形成されている。したがって、根本的な目的は、センサ構造が、比較的小さい寸法を有することができる基板に適用され得るということにおいて、本発明により達成され、電気接触は、コンタクトパッドへの接続によって、一方、絶縁層のない部分上でのセンサ構造の形成に起因して基板に接触することによって、絶縁層上で行われる。
【0017】
第1のコンタクトパッドは、絶縁層上に直接若しくは間接的に配置され得、又は絶縁層に接続され得る。第1のコンタクトパッドは、第2の接触部分を介して絶縁層に間接的に接続されていることが可能である。
【0018】
基板の表側及び裏側は、基板の2つの対向する側である。これらは、基板の対向する側であり、基板の対向する側は、面積に関してより大きい。基板の表側及び裏側は、好ましくは、基板の層厚さ又は構成要素厚さによって形成されている、基板の側でないとして理解されたい。表側及び裏側の両方が、同じ材料からなる又は同じコーティングを含む場合、両方の側は、表側及び/又は裏側として機能することができる。
【0019】
本発明の特に好ましい実施形態において、基板は、導電性基板である。
【0020】
基板の表側は、好ましくは、絶縁層が直接又は間接的に形成されている、基板の側として理解されたい。絶縁層は、基板を完全に覆わない又は不完全に覆う。
【0021】
本発明の好ましい実施形態において、絶縁層のない部分は、基板の表側の縁部上に形成されている。特に、基板の表側の少なくとも1つの側縁に隣接する、表側の部分は、縁部として理解されたい。好ましくは、表側の縁部は、基板の短辺によって形成されている、表側の縁部である。
【0022】
温度センサとの電気接点をなすために、温度センサは、供給ラインを備える。好ましくは、温度センサは、2つの給電線を備える。温度センサは、基板の裏側に接続された第1の給電線を備えることが可能であり、第1のコンタクトパッドに接続された少なくとも1つの第2の給電線を備えることが可能である。したがって、温度センサの電気接触は、一方では、基板の裏側上で起こり、他方では、温度センサの反対側上で、すなわち、第1のコンタクトパッド上で起こる。このような電気接触に起因して、特に小さい寸法を有する温度センサを提供することが可能である。小さい寸法は、特に、温度センサの接触が、温度センサの対向する側上で実施され、センサ構造の場合通常であるように、温度センサの1つの側上で又は基板の1つの側上で互いに隣接して実施されないということによって、実現される。
【0023】
本発明の更なる実施形態において、パッシベーション層は、基板とは反対側である、センサ構造の側上に、少なくとも部分的に形成され得る。
【0024】
パッシベーション層は、ガラスフリットから形成されている又はガラスフリットを含むことが可能である。更に、例えば、酸化アルミニウム(Al)の層が、パッシベーション層として形成されていることが可能である。
【0025】
本発明の更なる実施形態において、センサ構造は、パッシベーション層で完全に覆われている。温度センサの第1のコンタクトパッドは、パッシベーション層によって少なくとも部分的に覆われていることが可能である。
【0026】
更に、第1のコンタクトパッドは、第1のコンタクトパッドが、センサ構造とは反対側である、パッシベーション層の側上に、部分的に載置されており、同時にセンサ構造に電気的に接続されているように、配置されていることが可能である。本発明のこのような実施形態において、センサ表面の更なる低減がもたらされる。このような実施形態は、例えば貴金属含有ペーストをスクリーン印刷することによって、パッシベーション層の適用後に、コンタクトパッドをパッシベーション層及びセンサ構造の覆われていない領域に同時に適用することによって、実現される。
【0027】
基板が形成されている金属要素、特に金属箔は、好ましくは、以下の元素、アルミニウム(Al)、及び/又は鋼、特にフェライト鋼、及び/又はチタン(Ti)、及び/又はニオブ(Nb)、及び/又はタンタル(Ta)、及び/又はニッケル(Ni)、及び/又は銅(Cu)のうちの1つを含む。
【0028】
特に好ましい実施形態において、金属要素、特に金属箔は、以下の元素、アルミニウム(Al)、及び/又は鋼、特にフェライト鋼、及び/又はチタン(Ti)、及び/又はニオブ(Nb)、及び/又はタンタル(Ta)、及び/又はニッケル(Ni)、及び/又は銅(Cu)のうちの1つから形成されている。
【0029】
特に、金属箔は、好ましくは、アニオン酸化中に高レベルの電気絶縁を示す緻密な金属酸化物層を形成する材料から形成されていることが可能である。これは、対応する絶縁層を製造するのに役立つ。
【0030】
鋼、特にフェライト鋼は、好ましくはFeCrAl合金、特にX8CRAl20-5又はFeCr25Al5である。金属合金を基板の構成要素として使用するときに、これらの金属合金は、好ましくは、これらの金属合金の抵抗が、これらの金属合金の寿命にわたって、可能な限り一定のままであるように、選択される。加えて、センサの幾何形状に従ったキャリア基板の抵抗は、センサの可能なトリミング調整の場合に考慮され得る。
【0031】
別の実施形態において、ロールめっきされた若しくは積層された金属基体、又は電気めっきなどの金属表面コーティングを有する金属シートが、準備され得る。
【0032】
基板は、好ましくは、10μm~1mm、特に0.02mm~0.5mm、特に好ましくは0.05mm~0.3mmの基板厚さを有する。基板が、300μm未満の基板厚さを有する金属箔から形成されている場合、基板は、特に良好な機械的可撓性を有する。
【0033】
センサ構造に関連して選択された材料に依存して、基板の材料に関する特別な選択が起こり得る。例えば、センサ構造が、白金及び/又は白金合金から形成されている場合、基板の熱膨張係数は、6×10-6-1~15×10-6-1の範囲であるべきである。このような膨張係数を有する基板の材料の選択は、白金及び/又は白金合金から作製されている、基板に適用されたセンサ構造のチッピングを防止する。センサ構造が、白金から形成されている場合、フェライト鋼又はチタン又はタンタルが、基板材料に関して特に好適である。
【0034】
更に、基板は、少なくとも1つの側上に、特に好ましくは表側上及び裏側上の両方に、特に好ましくは完全に、ニッケル保護層及び/又は金保護層でコーティングされていることが可能である。このようなニッケル保護層は、好ましくは、約3μmの厚さを有する。金保護層は、好ましくは、0.1μm、特に約0.1μmの層厚さを有する。
【0035】
特に好適な絶縁層は、導電性基板を加熱構造から電気的に分離するような電気絶縁層である。概して、10E10Ω*cm超の比抵抗を示す層が、この目的で好適である。
【0036】
絶縁層は、好ましくは、金属酸化物層、特に陽極酸化金属酸化物層、又は金属窒化物層、又は金属酸窒化物層を含む。本発明の特に好ましい実施形態において、絶縁層は、金属酸化物層、特に陽極酸化金属酸化物層、又は金属窒化物層、又は金属酸窒化物層である。
【0037】
金属酸化物層、金属窒化物層若しくは金属酸窒化物層である、又は金属酸化物層、金属窒化物層若しくは金属酸窒化物層を含む絶縁層の利点は、このような絶縁層が、良好な絶縁特性を示すのみでなく、また可能な限り薄く機械的可撓性を有して設計され得ることである。
【0038】
アルミニウム又はFeCrAl合金などのいくつかの金属は、特に安定した金属酸化物層を形成し、このため、温度における迅速変化の場合でも、絶縁層の剥離又は絶縁層におけるクラックの形成が防止される。
【0039】
更に、絶縁層は、以下の構成要素、
酸化アルミニウム(Al)、及び/又はチタン酸アルミニウム(AlTiO)、及び/又は二酸化チタン(TiO)、及び/又は二酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化マグネシウム(MgO)、及び/又はチタン酸マグネシウム(MgTiO)、及び/又は二元二酸化ジルコニウム合金、及び/又は三元二酸化ジルコニウム合金、及び/又は窒化ホウ素(BN)、及び/又は窒化アルミニウム(AlN)、及び/又は窒化ケイ素(Si
を含む又はこれらの構成要素からなることが可能である。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態において、絶縁層は、エアロゾルデポジション法(aerosol deposition method、ADM)によって製造される。このような方法によって、セラミック又はガラス様絶縁層が製造され得る。これらの層は、特に高い電気絶縁を有し、加えて、薄い層厚さを有することができる。絶縁層がADM法によって製造される場合、絶縁層厚さは、0.2μm~10μmであることができる。
【0041】
ADMに加えて、絶縁層を金属箔に適用するための化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)又は化学溶液堆積(chemical solution deposition、CSD)又は物理蒸着(physical vapor deposition、PVD)などの他の既知の堆積法も可能である。
【0042】
絶縁層は、
金属酸化物層、特に陽極酸化金属酸化物層、若しくは金属窒化物層、若しくは金属酸窒化物層であり、
又は
層複合体から形成されており、
又は
金属酸化物、特に酸化アルミニウム粒子(Al)及び/若しくは酸化マグネシウム粒子(MgO)を含有するスラリー若しくはペーストから形成されたガラス様若しくはガラスセラミック層を含み、
又は
層複合体であって、少なくとも1つの層はポリマー層を有する、層複合体から形成されている
ことが可能である。
【0043】
絶縁層の材料の選択を、金属要素のための、特に金属箔のための材料に関する選択に適合させることが可能である。
【0044】
基板を製造又は準備するための金属箔の使用、特にアルミニウム箔の使用は、製造される温度センサが、より高い温度で適用されるときに、金属箔の歪みが防止されるという利点を有する。
【0045】
導電性基板を形成するための金属箔の使用は、例えばポリマー基板の使用とは対照的に、絶縁層が、可変の方法によって適用され得るという利点を更に有する。
【0046】
金属箔は高温に曝露され得るため、絶縁層はまた、高温荷重を伴うこのような方法によって適用され得る。これは、例えば、金属を含有するペーストを適用するときにあてはまる。このようなペースト又は焼結ペースト層は、通常、例えば1,000℃の高温で焼結される必要がある。金属箔が使用されるため、このような温度曝露は、容易に提供され得る。
【0047】
陽極酸化金属酸化物層は、より高い電気絶縁を有することにおいて、大気金属酸化物層とは異なる。陽極酸化金属酸化物層は、例えば、金属表面を陽極酸化することによって、製造され得る。換言すれば、陽極酸化金属酸化物層である絶縁層は、基板の金属表面を陽極酸化することによって製造され得る。電解酸化に起因して、金属箔の表面は金属酸化物層に変換される。
【0048】
陽極酸化法は、陽極酸化によって酸化物保護層を製造するための表面技術における方法である。ガルバニックコーティング法とは対照的に、保護層は、ワークピース上に堆積せず、代わりに、酸化物又は水酸化物が、最上金属層を変換することによって形成される。5μm~25μmの層が製造され、この層は、下にある層又は要素、すなわち基板を保護及び分離する。
【0049】
金属酸化物層を製造するための更なる可能性は、硬質陽極酸化法である。ここで、金属箔は、上記のエロキサール法の場合のように、電解質中に浸漬され、陽極として接続される。これにより、金属箔の表面が酸化し、このため、金属酸化物層が形成される。この場合、金属箔における体積増加が起こる。
【0050】
導電性基板の材料の適切な選択は、導電性基板上に形成される絶縁層に関して対応する選択を可能にする。
【0051】
FeCrAl合金から作製された鋼箔が使用されるときに、高温での空気中のこの層の酸化はまた、金属酸化物層を製造することができる。
【0052】
例えば、6%のアルミニウム含有量を有するFeCrAl合金が使用されるときに、電気絶縁絶縁層、特に5μmまでの電気絶縁酸化アルミニウム層が、1,000℃~1,100℃の酸化温度でオーブン内で酸素含有雰囲気中で製造され得る。
【0053】
本発明の更なる実施形態において、低CrAl含有量を有する鋼箔が、少なくとも1つの表面上に又は少なくとも1つの表面上にアリタイジング(alitize)されていれば、このような鋼材料が使用されることも可能である。アリタイジング法は、アルミニウム含有層が基板金属箔に適用されることを含み、このアルミニウム含有層は、その後、800℃~1,200℃の温度でアニールされる。これは、20μm超の厚さを有する緻密なAl層を製造する。Al層は、α相中に存在する。この方法に基づいて、絶縁層は、基板の少なくとも1つの側上に形成される。このような絶縁層は、電気絶縁金属酸化物層である。
【0054】
絶縁層はまた、ガラス様接続部から製造され得る。この目的で、様々な微粉砕された金属酸化物、特に酸化アルミニウム粒子及び/又は酸化マグネシウム粒子及び/又は酸化チタン粒子を含有するガラススラリーが使用される。
【0055】
絶縁層は、層複合体から形成されていることも可能である。換言すれば、絶縁層は、多層構造を有することができる。このような層複合体又は多層構造は、層複合体の第1の層におけるピンホール又は他の障害及び/若しくは欠陥が、更なる層の適用によって覆われており、このため、センサ構造と導電性基板との間の短絡確率が減少するという利点を有する。
【0056】
本発明による温度センサが、260℃未満の温度で使用される場合、層複合体はまた、無機層とポリマー層との組み合わせを損ない得る。絶縁層が、ポリマー層を有する層複合体から形成されている場合、特に、溶液から分離され得る材料を含むポリマー層が、形成され得る。例えば、ポリマー層は、ポリイミド及び/又はTeflon(登録商標)及び/又はポリカーボネートから作製された層である。
【0057】
本発明の特に好ましい実施形態において、層複合体は、3つの層から形成され得る。第1の層は、酸化アルミニウム(Al)層である。この層は、好ましくは、ADMによって製造される。第2の層は、ポリイミド層であってもよい。次いで、第3の層は、好ましくは、酸化アルミニウム(Al)層であり、これは、特に好ましくは、ADMによって製造される。このような層状複合体は、特に耐短絡性の絶縁層を提供する。
【0058】
絶縁層の実施形態に関係なく、絶縁層は、基板、特に導電性基板を部分的にのみ覆う。換言すれば、基板、特に導電性基板は、少なくとも1つの部分において絶縁層で覆われておらず、したがって、この絶縁層のない部分において電気的に接触可能である。
【0059】
本発明の更なる実施形態において、温度センサは、特に絶縁層上に形成された第2のコンタクトパッドを備えることが可能である。第2のコンタクトパッドは、好ましくは、第1のコンタクトパッドに電子的に接続されており、第2のコンタクトパッドは、好ましくは、抵抗器網の更なるタップを形成する。
【0060】
第1のコンタクトパッド及び/又は第2のコンタクトパッドは、センサ構造の接触部分への、特にセンサ構造の第2の接触部分へのセンサ構造の接続を形成する。本発明による温度センサが、複雑な抵抗器網を有する場合、2つ以上のコンタクトパッドをセンサ構造の側上に形成することが必要である。コンタクトパッドは、電気導線及び対応するタップの両方のための接触部分として機能する。
【0061】
本発明の一実施形態において、互いに架橋された2つのコンタクトパッドが形成され得、このため、センサ構造の全抵抗への給電線の寄与が検出され得る。
【0062】
第1のコンタクトパッド及び/又は第2のコンタクトパッドは、例えばボンディングパッドであることができる。少なくとも1つのコンタクトパッドは、好ましくは、このような易焼結性材料を含む又はこのような易焼結性材料からなる。易焼結性材料は、金属を含有することができる又は金属からなることができる。金属は、好ましくは、貴金属又は非貴金属からなる群から選択され得る。
【0063】
貴金属は、金、銀、白金、パラジウム、又はイリジウムからなる群から選択され得る。
【0064】
非貴金属は、アルミニウム、銅又はニッケルからなる群から選択され得る。
【0065】
金属は、元素金属若しくは合金を有することができる又は元素金属若しくは合金からなることができる。
【0066】
好ましい実施形態において、金属は合金である。合金は、金、銀、白金、パラジウム、又はイリジウムからなる群から選択される貴金属を含有することができる。合金は、好ましくは、2つ以上の貴金属を含有する。例えば、合金は、銀合金、又は銀-白金合金であることができる。別の実施形態において、合金は、少なくとも1つの貴金属と、少なくとも1つの非貴金属とを含むことができる。合金は、任意選択で、貴金属及び非貴金属の両方を有してもよい。更に、合金は、非金属を含むことが可能である。
【0067】
本発明によれば、少なくとも1つのコンタクトパッドの面積は、更に限定されない。好ましい実施形態において、第1のコンタクトパッド及び/又は第2のコンタクトパッドは、特に基板表面と平行に延びる第1の方向において、1mm以下、特に200μm以下、非常に特に好ましくは50μm以下の寸法を有する。
【0068】
更なる実施形態において、第1のコンタクトパッド及び/又は第2のコンタクトパッドは、好ましくは基板表面と平行にまた延びる、第1の方向に垂直な第2の方向において、300μm以下、特に100μm以下、特に5mm以下、非常に特に好ましくは50μm以下の寸法を有する。
【0069】
第1のコンタクトパッド及び/又は第2のコンタクトパッドの形状は、更に限定されない。例えば、第1のコンタクトパッド及び/又は第2のコンタクトパッドは、円形又は鋭角的、特に長方形であることができる。
【0070】
センサ構造、特に抵抗性センサ構造は、特に金属から形成され得る。好ましくは、センサ構造、特に抵抗性センサ構造は、純金属又は金属合金からなることができる。特に、センサ構造は、3E-3/K超の温度係数を有する金属又は金属合金を有する。
【0071】
本発明の特に好ましい実施形態において、センサ構造は、白金及び/又はアルミニウム及び/又はニッケルを含む。本発明の特に好ましい実施形態において、センサ構造、特に抵抗性センサ構造は、白金及び/又は白金合金から形成されている。少なくとも1つのセンサ構造は、好ましくは、絶縁層に部分的に直接適用されている。換言すれば、1つのセンサ構造は、基板とは反対側である、絶縁層の側に、少なくとも部分的に直接適用されている。本発明のこのような実施形態において、更なる層は、センサ構造と、基板とは反対側である、絶縁層の側との間に形成されていない。
【0072】
しかしながら、チタン/酸化チタン又はタンタル/酸化タンタル層又は窒化チタンなどの接着促進剤層が絶縁層とセンサ構造との間に形成されている実施形態も可能である。
【0073】
センサ構造は、このように構造化された素子を表し、この素子は、好ましくは、実際に温度を検出する金属から作製されている。
【0074】
特に金属構造から製造されたセンサ構造は、任意の形状を備えることができる。例えば、センサ構造を角形で形成することが可能である。実質的に直線構造を有するセンサ構造を形成することも可能である。
【0075】
特に、センサ構造は、蛇行形状を有する。このような蛇行形状は、例えば、連続的な織り合わされた及び/又は入れ子にされた及び/又は噛み合わされた線構造から形成され得る。個々の部分、特に個々の線部分は、比較的薄く作製され得る。
【0076】
特に蛇行形状で存在するセンサ構造は、形成された構造に起因して、任意の所望のサイズの領域を覆うことができる。これは、検出される温度の迅速な検出を可能にする。
【0077】
センサ構造は、構造化された金属箔から形成され得る。このような設計がセンサ構造に関して存在する場合、センサ構造は、別個のプロセスにおいて製造されてもよく、その後、絶縁層に適用されてもよい。
【0078】
更に、センサ構造は、金属を含有するペースト、及び/又は金属を含有するインクから製造されていることが可能である。金属を含有するこのようなペースト及び/又はインクは、印刷の文脈において、特にスクリーン印刷法の文脈において、絶縁層に、及び基板の表側の絶縁層のない部分上に適用され得る。
【0079】
本発明の特に好ましい実施形態において、センサ構造は、貴金属を含有するペーストから製造されている。特に、貴金属は、白金及び/又は銀及び/又は金であってもよい。
【0080】
本発明の更なる実施形態において、センサ構造は、薄箔金属堆積によって製造された金属構造である。
【0081】
本発明により設計された層を有する、本発明による温度センサの実施形態と、センサ構造の配置とに起因して、低減された面積を有する、従来技術と比較して改善された温度センサが、提供され得る。
【0082】
温度センサの面積は、好ましくは10mm未満、特に好ましくは3mm未満、特に好ましくは2mm未満、非常に特に好ましくは1mm未満である。温度センサの面積は、特に温度センサの平面図において見ることができる。
【0083】
本発明の更なる実施形態において、センサ構造は、トリミング経路を有することができる。トリミング経路は、センサ構造の好ましい抵抗設定点を調整するように機能する。
【0084】
本発明の更なる実施形態において、3次元センサ構造は、基板上に配置されていることが可能である。3次元センサ構造は、少なくとも部分的に互いに離間する少なくとも2つの金属層を有するセンサ構造を意味すると理解される。金属層間には、絶縁層が、少なくとも部分的に形成されている。加えて、2つの金属層は、少なくとも部分的に接触する。好ましくは、少なくとも2つの金属層は、第1の接触部分の領域において接触する。
【0085】
本発明による温度センサによって、高レベルの精度と、非常に小さい全体サイズとで顕著な温度センサが提供される。温度センサの小さい設計に起因して、温度センサの質量がまた低減されており、このため、温度センサの応答時間が、対応して低減されている。換言すれば、温度センサは、温度変化により速く応答する。
【0086】
NTCセンサに対する、特にPtから作製されたセンサ構造を有する、本発明による構造に従った温度センサの利点は、DIN IEC 60751に従った、広い温度範囲にわたる線形特性曲線、長期安定性、及び高い精度である。
【0087】
本発明の更なる態様は、本発明による温度センサを製造するための方法に関する。個々の方法態様に関しては、本発明による温度センサに関連する説明を参照されたい。温度センサの製造に関する個々の態様は、本明細書の上記の部分に既に含まれている。
【0088】
本発明による温度センサを製造するための、本発明による方法は、
a)金属要素から形成されており、表側及び裏側を有する基板を準備するステップ、
b)基板の絶縁層のない部分が形成されるように、少なくとも1つの絶縁層を基板の表側上に形成するステップ、
c)センサ構造、特に抵抗性センサ構造を、絶縁層と、基板の表側の絶縁のない部分とに適用するステップ、
d)少なくとも1つのコンタクトパッドを適用するステップ
を含む。
【0089】
ステップb)において、絶縁層は、基板の表側に、例えば表面全体にわたって適用され、更なる方法ステップにおいて、基板の絶縁層のない部分が形成されるように、少なくとも部分的に除去される。例えば、レーザアブレーション及び/若しくはリフトオフによって、並びに/又は化学エッチングによって、並びに/又はプラズマエッチング及び/若しくは研磨除去によって、基板の表側に適用された絶縁層を除去することが可能である。いくつかの除去方法において、絶縁層の除去に加えて、下にある基板材料の一部分が、任意選択で除去され得、この厚さが、局所的に低減され得る。
【0090】
絶縁層のない部分の実際の形成、又は絶縁層のない部分を製造するために実際に適用されるプロセスは、例えば、絶縁層の組成と、絶縁層が基板の表側に適用される/適用された方法とに依存する。
【0091】
本発明の更なる実施形態において、絶縁層は、ガス分離法及び/又は印刷法及び/又は浸漬法及び/又は噴霧法によって、特にエアロゾルデポジション法(ADM)によって、基板の表側に適用されることが可能である。
【0092】
絶縁層が、例えば印刷法によって、特にスクリーン印刷法によって可能であるように、既に構造化されて適用されている場合、後続の方法ステップは、絶縁層を部分的に除去するために必要とされない。
【0093】
遮光マスクの使用はまた、絶縁層が基板の表側上に構造化されて適用されることを可能にする。
【0094】
ステップc)において、例えば、厚膜が、例えばスクリーン印刷によって、センサ構造を適用するために絶縁層及び絶縁層のない部分に適用され得る。
【0095】
本発明の更なる実施形態において、ステップc)において、センサ構造は最初に、PVD法によって、均質な金属層として、好ましくは表面全体にわたって適用され得る。その後、金属層は、レーザ構造化法によって又はフォトリソグラフィによって構造化され得る。
【0096】
更に、リフトオフプロセスが、構造を生成するために実行されることが可能である。この目的で、フォトレジストが、絶縁層及び絶縁層のない部分に適用される。次いで、フォトレジストは、乾燥及び露光され、その後、現像される。その後、導電層が、このようにして製造されたフォトレジスト構造に適用される。これに続いて、導電層は、フォトレジスト構造を溶剤によって溶解することによって構造化される。この場合、メタライゼーションは、フォトレジスト上で除去され、次いで、表面上に残る膜は、元のフォトレジスト構造のネガに対応する。
【0097】
本発明の一実施形態において、ステップd)において適用されるコンタクトパッドは、絶縁層に適用され得る。更に、少なくとも1つのコンタクトパッドは、少なくとも間接的に絶縁層に適用される、又は少なくとも間接的に絶縁層に接続されることが可能である。
【0098】
本発明による方法の更なる実施形態において、センサ構造に少なくとも部分的に適用されるパッシベーション層が準備される。
【0099】
パッシベーション層は、好ましくは、センサ構造の上側に表面全体にわたって適用される。少なくとも1つのコンタクトパッドには、パッシベーション層が少なくとも部分的に設けられる。更に、1つ又は複数のコンタクトパッドは、パッシベーション層が完全になく形成されることが可能である。これは、対応して簡単な様式でのコンタクトパッドの電気接触を可能にする。
温度センサを製造するための、本発明による方法は、特に簡単な技法と、経費効率が良い実装とを特徴とする。
【0100】
本発明による方法の更なる実施形態において、ステップa)~ステップd)は、基板ストリップ及び/又は基板キャリア上で実施される。換言すれば、ステップa)~ステップd)は、複数の温度センサが、基板ストリップ及び/又は基板キャリア上に一緒に製造され、その後、個片化されるように、実施される。
【0101】
個々の基板の形態は、基板ストリップ及び/又は基板キャリア上に導入される。この目的で、基板は、側上で基板ストリップ及び/又は基板キャリアから分離される。基板は、角及び/又は個々の側部において基板ストリップ及び/又は基板キャリアから取り外されず又は分離されず、このため、個々の基板は、基板ストリップ及び/又は基板プレートに接続されたままである。次いで存在するこの形態で、個々の基板は、更に処理され得、このため、ステップb)~ステップd)は、共通の方法ステップにおいて一緒に実施され得る。
【0102】
最後に、個々の基板は、基板ストリップ及び/又は基板キャリアから分離される。
【0103】
本発明の更なる実施形態において、温度センサの第1の供給ラインは、基板の裏側に接続され、温度センサの第2の供給ラインは、好ましくは表側上に形成された少なくとも1つのコンタクトパッドに接続される。
【0104】
以下では、実施形態1~実施形態3に従って、本発明による異なる温度センサ、及びこのような温度センサを製造するための様々な方法が特定される。
【0105】
実施形態1
基板は、ニッケルシートから形成され、基板は、表側及び裏側を有する。基板は、両方の側が金めっきされており、0.8mmの長さ、0.8mmの幅、及び100μmの高さを備える。絶縁層は、基板の表側上に適用される。これは、ADMによって適用された酸化アルミニウム(Al)層である。絶縁層の層厚さは、2μmである。その後、絶縁層の一部分、すなわちAl層の一部分は、レーザアブレーションによって再び除去され、このため、例えば、下にある金コーティング付き基板、すなわち金コーティング付きニッケル金属シートの0.1mm×0.8mmのストリップが露出する。
【0106】
その後、白金層が、絶縁層及び絶縁層のない部分に適用される。これは、PVD法によって行われる。200nmの層厚さを有する白金層が適用される。レーザアブレーションによって、センサ構造が、白金層から加工される。この場合、レーザによって製造されたトレンチはまた、Al層に変換され得る、及び/又は露出したニッケルシートの領域に貫通し得る。センサ構造は、基板の表側の絶縁層のない部分上に形成された第1の接触部分と、蛇行部分と、トリミング経路と、第2の接触部分とからなる。第2の接触部分は、コンタクトパッドに接続されている。センサ構造の蛇行部分は、以下のように寸法決めされている。
【0107】
蛇行バー間の距離は、20μmである。バー幅は、20μmである。バー長さは、500μmである。3.81mmの蛇行部分長さでは、蛇行部分の全抵抗は、約100Ωである。蛇行部分は、約0.3mm×0.5mmの面積を覆う。
【0108】
レーザアブレーションによって白金層からまた加工されたトリミング経路は、同様の寸法を有する。センサ構造の全面積は、0.5mm×0.6mmである。
【0109】
その後、センサ構造は、トリミング経路の個々のセグメントをレーザで除去することによって、抵抗設定点値に調整される。
【0110】
次いで、ガラススラリーが、第2の接触部分を除いてセンサ構造全体に適用され、焼き付けられる。
【0111】
その後、第2の接触部分に電気的に接続された第1のコンタクトパッドが、パッシベーション層に適用される。
【0112】
第1の給電線が、適用され、基板の裏側に接続される。好ましくは、第1の給電線は、はんだ付けによって下側に接続される。第2の給電線が、金ボンディングワイヤの形態で得られる。この金ワイヤは、第1のコンタクトパッドに接続される。
【0113】
実施形態2
基板は、銅シートから形成される。銅シートの表側上には、Al絶縁層が適用される。Al層は、ADMによって堆積する。絶縁層の厚さは、20μmである。
【0114】
その後、銅シートは、空気供給下で500℃でオーブン内で1時間エージングされる。Al絶縁層の下では、エージング後、追加の銅酸化は観察されない。
【0115】
実施形態3
実施形態2とは対照的に、ガラススラリー層が、清浄化された銅シートに適用され、焼き付けられる。層厚さは、約20μmである。その後、銅シートは、空気供給下で500℃でオーブン内で1時間エージングされる。
【0116】
実施形態2においてまた使用されるエージング条件と同じエージング条件の場合、実施形態3において、覆われた領域における銅膜上の円形酸化表面が形成される。このような円形酸化表面は、ガラスカバーにおけるピンホールを示す。
【0117】
したがって、実施形態2及び実施形態3の比較において、ADMによって製造された絶縁層の改善された絶縁特性は、ガラススラリー層に関して明白である。
【0118】
実施形態4
基板は、ニッケルシートから形成され、基板は、表側及び裏側を有する。これらの2つの側は、化学溶液堆積法における浸漬コーティングによって、それぞれの場合で厚さ200nmのジルコン酸ランタン層(LaZr)で、表面全体にわたって同時に適用される。熱処理中の望ましくない酸化から基板を保護するために、このステップは、フォーミングガス雰囲気下で実施される。
化学溶液堆積法において、特定の対策が裏側のコーティングを防止するためにとられなければ、裏側は、必然的にコーティングされる。この場合、正の副作用は、裏側が、同じ絶縁層で同様に覆われ、基板が、更なるメタライゼーションステップにおいて、意図しない酸化から保護され得ることである。
したがって、3つのメタライゼーションステップに続いて、白金堆積ステップ、及びスクリーン印刷によって適用された酸化アルミニウム層(Al)の2つの更なる堆積ステップが行われて、約300オームの全抵抗を有する3次元構造を形成する。
【0119】
第1の白金メタライゼーションステップにおいて、0.25mmの大きさのコンタクトパッドと、20μmのバー幅及び3.81mmのバー長さ及び200nmの層厚さを有する蛇行構造とが、ジルコン酸ランタン層上に適用され、このため、これから露光される領域がその後接触するのに十分に大きい面積が、使用されないままである。加えて、蛇行部分は、蛇行部分長さの最後の約0.4mmが、既に堆積したコンタクトパッドの近傍に位置するように、設計される。レーザアブレーション法が、蛇行部分を構造化するために使用される。
【0120】
絶縁層の第2の堆積ステップにおいて、蛇行構造の90%が、スクリーン印刷によって堆積した酸化アルミニウムからなる更なる絶縁層で覆われる。この場合、少なくとも既に取り付けられたコンタクトパッドは、コーティングされない。
【0121】
白金層構造の堆積ステップにおいて、酸化アルミニウムで覆われていない導体トラック端部から開始して、3.81mmの長さ及び20μmの幅を有する更なる蛇行構造が、第2の絶縁層上に主に印刷される。第1の蛇行構造及び第2の蛇行構造は、第2の絶縁層によって覆われていない領域において互いに接触する。
【0122】
絶縁層の第3の堆積ステップにおいて、第2の堆積ステップの第2の白金層構造の90%が再び覆われる。
【0123】
少なくとも、白金で覆われていない基板領域上では、全ての覆っている絶縁層が、下にある金属基体を露出するためにレーザアブレーションによって除去される。基板へのその後の電気接触領域は、0.5mmの長さ及び20μmの幅を有する。これは、0.01mmのみの面積に対応する。
【0124】
蛇行白金構造の第3の堆積において、蛇行白金構造は、蛇行白金構造の第1の端部領域で第2の白金構造に接触する。蛇行白金構造の第2の端部領域では、レーザアブレーションによって露出した金属基体が接触している。
【0125】
最後の作業ステップにおいて、0.30mmの大きい面積が、コンタクトパッドとしてのジルコン酸ランタン層から、レーザアブレーションによって露出したニッケル基板へ、基板の裏側上に形成される。
【0126】
その後、ニッケル基板に対する0.01mmの小さい接触面積を含むが、最初に堆積した白金コンタクトパッドを除く基板表側は、任意選択で、パッシベーション層でコーティングされ得る。
【0127】
3次元蛇行部分全体の電気接触は、第1のメタライゼーションステップにおいて堆積した白金コンタクトパッドと、基板裏側上に露出した金属ニッケル領域とを介して起こる。
【0128】
当業者は、実施形態4に関連して示す寸法が例示的な値であることを認識する。実施形態4に記載の3次元構造はまた、他の材料で及び/又は他の寸法で製造され得る。
【図面の簡単な説明】
【0129】
添付の図面を参照して例示的な実施形態を使用して、本発明について以下でより詳細に説明する。
【0130】
図面において、
図1a】本発明による第1の温度センサの異なる図及び製造中間製品を示す図である。
図1b】本発明による第1の温度センサの異なる図及び製造中間製品を示す図である。
図1c】本発明による第1の温度センサの異なる図及び製造中間製品を示す図である。
図1d】本発明による第1の温度センサの異なる図及び製造中間製品を示す図である。
図2a】本発明による更なる温度センサを示す図である。
図2b】本発明による更なる温度センサを示す図である。
図3】本発明による温度センサの第3の実施形態を示す図である。
【0131】
以下では、同じ参照符号が、同一構成要素及び同一に作用する構成要素のために使用される。
【0132】
図1aは、製造される温度センサ10の中間段階の平面図を示す。絶縁層20は、基板15上の表側16に適用されており、基板15は、例えば金属箔から形成されている。
【0133】
図1bの側面図に示すように、絶縁層20は、基板15の表側16を完全に覆わない。代わりに、絶縁層のない部分25が形成されている。絶縁層のない部分25は、基板15の表側16の縁部18上に形成されている。
【0134】
基板15の図示の側縁19又は側縁19’のうちの少なくとも1つに隣接する、基板15の表側16の一部分は、縁部18として理解されたい。側縁19は、基板15の長辺縁である。対照的に、側縁19’は、長方形の基板15の短辺縁である。
【0135】
絶縁層のない部分25は、例えば、既に構造化された絶縁層20によって、すなわち、達成される最終形状で基板15の表側16に適用された絶縁層20によって製造される。本発明の更なる実施形態において、最初に、完全な表側16を絶縁層20でコーティングし、その後、対応する絶縁層部分を除去することによって絶縁層のない部分を製造することが可能である。
【0136】
更に、センサ構造30が見ることができる。センサ構造30は、蛇行部分36を有する。センサ構造30は、第1の接触部分31と、第2の接触部分32とを更に備える。第1の接触部分31は、基板15の表側16の絶縁層のない部分25に接続されている。対照的に、第2の接触部分32は、第1のコンタクトパッド41に接続されている。次いで、コンタクトパッド41は、絶縁層20上に配置されている。
【0137】
センサ構造30は、絶縁層20の第1の側21上に及び基板15の表側16上に第1の側34を有して、配置されている。次いで、絶縁層20は、直接基板15上に又は基板15の表側16上に第2の側22を有して、配置されている。
【0138】
図1cから分かるように、センサ構造30の第2の側35、又は基板15とは反対側である、センサ構造30の側35は、パッシベーション層60でコーティングされ得る。これは、第1の接触部分31を備える、センサ構造30の部分と、第2の接触部分32を有する、センサ構造30の部分との両方に関係する。第1のコンタクトパッド41はまた、パッシベーション層60によって少なくとも部分的にコーティングされている。
【0139】
次いで、パッシベーション層60は、第1の側61と、第2の側62とを実質的に有する。パッシベーション層60の第1の側61は、センサ構造30とは反対側である。パッシベーション層の第2の側62は、とりわけ、絶縁層のない部分25上に及び絶縁層20上に載置されている、パッシベーション層の側である。
【0140】
図1dは、温度センサ10の供給ライン51及び供給ライン52を示す。
【0141】
したがって、温度センサ10は、基板15の裏側17に接続された第1の給電線51を有する。第2の給電線52は、第1のコンタクトパッド41に接続されている。
【0142】
したがって、温度センサ10の電気接触は、一方では第1のコンタクトパッド41を介して起こり、他方では基板15の裏側17を介して起こる。基板15の裏側17の接触は、第1の接触部分31におけるセンサ構造30が、絶縁層のない部分25における基板15の表側16に電気的に接続されていることにおいて、可能である。
【0143】
センサ構造30は、好ましくは白金構造である。このセンサ構造30は、温度検出のために機能する。図1a~図1dに示すように、温度センサ10は、とりわけ、白金センサ構造に起因して、高度な精度を有する。温度センサ10の小さい寸法は、温度センサ10の電気接触が、温度センサの対向する側上で、すなわち基板15の裏側17上で及びコンタクトパッド41の側上で起こることにおいて、実現され得る。
図1dに示すように、温度センサ10は、供給ライン51、52と一緒にガラススラリー中に浸漬され焼成されることが可能であり、このため、温度センサ10は、完全に封入されている。
【0144】
温度センサ10の面積Aは、好ましくは10mm未満、特に好ましくは1mm未満である。温度センサ10の表面Aは、基板15の長辺側縁19及び短辺側縁19’に基づいて形成されている(図1aを参照されたい)。
【0145】
図2a及び図2bは、本発明による温度センサ10の更なる実施形態を示す。このような実施形態は、センサ表面の更なる低減を可能にする。構造は、図1a~図1dの構造に実質的に対応する。
【0146】
図1a~図1dによる実施形態とは対照的に、第1のコンタクトパッド41は、このコンタクトパッド41が、センサ構造30とは反対側である、パッシベーション層60の側61上に、少なくとも部分的に載置されており、同時に、パッシベーション層60で覆われていない第2の接触部分32に電気的に接続されているように、配置されている。このような配置に起因して、加えて、基板15のスペースが節約され、これは、図1aの第1のコンタクトパッド41の延長を伴う。図2aに示す実施形態では、温度センサの面積は更に低減されている。
【0147】
図2bには、供給ライン51及び供給ライン52が再び示されている。次いで、第1の供給ライン51は、基板15の裏側17に接続されている。第2の給電線52は、第1のコンタクトパッド41に接続されている。
【0148】
図3は、温度センサ10に関する更なる実施形態を示す。構造は、図1aに示す温度センサの構造に実質的に対応する。
【0149】
加えて、第2のコンタクトパッド42が形成されている。センサ構造30、又はセンサ構造の第2の接触部分32は、第1のコンタクトパッド41に間接的に接続されている。第2のコンタクトパッド42及び第1のコンタクトパッド41は、互いに接続されている。第2のコンタクトパッド42は、例えば、無電流の様式で電位をタップオフするために、抵抗器網のためのセンタータップとして使用され得る。
【符号の説明】
【0150】
10 温度センサ
15 基板
16 基板の表側
17 基板の裏側
18 縁部
19、19’ 側縁
20 絶縁層
21 絶縁層の第1の側
22 絶縁層の第2の側
25 絶縁層のない部分
30 センサ構造
31 第1の接触部分
32 第2の接触部分
34 センサ構造の第1の側
35 センサ構造の第2の側
36 蛇行部分
41 第1のコンタクトパッド
42 第2のコンタクトパッド
51 第1の給電線
52 第2の給電線
60 パッシベーション層
61 パッシベーション層の第1の側
62 パッシベーション層の第2の側
A 温度センサ面積
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属要素、特に金属箔から形成された基板(15)であって、表側(16)及び裏側(17)を備える基板(15)と、
絶縁層のない部分(25)が前記基板(15)の前記表側(16)上に形成されているように、前記基板(15)の前記表側(16)を部分的にのみ覆う絶縁層(20)と、
前記絶縁層(20)上に、及び前記基板(15)の前記表側(16)の前記絶縁層のない部分(25)上に形成されたセンサ構造(30)、特に抵抗性センサ構造と
を備える温度センサ(10)であって、
前記センサ構造(30)は、少なくとも2つの電気接触部分(31、32)を備え、第1の接触部分(31)は、前記基板(15)の前記表側(16)の前記絶縁層のない部分(25)に接続されており、第2の接触部分(32)は、第1のコンタクトパッド(41)であり、又は第1のコンタクトパッド(41)に接続されており、前記第1のコンタクトパッド(41)は、好ましくは、前記絶縁層(20)上に配置されている、温度センサ(10)。
【請求項2】
前記絶縁層のない部分(25)は、前記基板(15)の前記表側(16)の縁部(18)上に形成されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の温度センサ(10)。
【請求項3】
前記温度センサ(10)は、前記基板(15)の前記裏側(17)に接続された第1の給電線(51)を備え、前記第1のコンタクトパッド(41)に接続された少なくとも1つの第2の給電線(52)を備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の温度センサ(10)。
【請求項4】
パッシベーション層(60)は、前記基板とは反対側である、前記センサ構造(30)の前記側(35)上に、少なくとも部分的に形成されている
ことを特徴とする、請求項3に記載の温度センサ(10)。
【請求項5】
前記第1のコンタクトパッド(41)は、前記第1のコンタクトパッド(41)が、前記センサ構造(30)とは反対側である、前記パッシベーション層(60)の前記側(61)上に、部分的に載置されているように、配置されている、特に曲げられている
ことを特徴とする、請求項4に記載の温度センサ(10)。
【請求項6】
前記金属要素、特に前記金属箔は、アルミニウム(Al)、及び/又は鋼、特にフェライト鋼、及び/又はチタン(Ti)、及び/又はニオブ(Nb)、及び/又はタンタル(Ta)、及び/又はニッケル(Ni)、及び/又は銅(Cu)から形成されている
ことを特徴とする、請求項3に記載の温度センサ(10)。
【請求項7】
前記絶縁層(20)は、酸化アルミニウム(Al)、及び/又はチタン酸アルミニウム(AlTiO)、及び/又は二酸化チタン(TiO)、及び/又は二酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化ケイ素(SiO)、及び/又は酸化マグネシウム(MgO)、及び/又はチタン酸マグネシウム(MgTiO)、及び/又は二元二酸化ジルコニウム合金、及び/又は三元二酸化ジルコニウム合金、及び/又は窒化ホウ素(BN)、及び/又は窒化アルミニウム(AlN)、及び/又は窒化ケイ素(Si)を含む
ことを特徴とする、請求項3に記載の温度センサ(10)。
【請求項8】
前記絶縁層(20)は、
金属酸化物層、特に陽極酸化金属酸化物層、若しくは金属窒化物層、若しくは金属酸窒化物層であり、
又は
層複合体から形成されており、
又は
金属酸化物、特に酸化アルミニウム粒子(Al)及び/若しくは酸化マグネシウム粒子(MgO)を含有するスラリー若しくはペーストから形成されたガラス様若しくはガラスセラミック層を含み、
又は
層複合体であって、少なくとも1つの層はポリマー層を有する、層複合体から形成されている
ことを特徴とする、請求項3に記載の温度センサ(10)。
【請求項9】
特に前記絶縁層(20)上に形成された第2のコンタクトパッド(42)であって、前記第2のコンタクトパッド(42)は、前記第1のコンタクトパッド(41)に電子的に接続されており、前記第2のコンタクトパッド(42)は、好ましくは、抵抗器網の更なるタップを形成する、第2のコンタクトパッド(42)
を特徴とする、請求項3に記載の温度センサ(10)。
【請求項10】
前記温度センサ(10)の面積(A)は、10mm未満、好ましくは3mm未満、より好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である
ことを特徴とする、請求項3に記載の温度センサ(10)。
【請求項11】
請求項3に記載の温度センサ(10)を製造するための方法であって、
a)金属要素から形成されており、表側(16)及び裏側(17)を有する基板(15)を準備するステップ、
b)前記基板(15)の絶縁層のない部分(25)が形成されるように、少なくとも1つの絶縁層(20)を前記基板(15)の前記表側(16)上に形成するステップ、
c)センサ構造(30)、特に抵抗性センサ構造を、前記絶縁層(20)と、前記基板(15)の前記表側(16)の前記絶縁のない部分(25)とに適用するステップ、
d)少なくとも1つのコンタクトパッド(41、42)を適用するステップ
を含む方法。
【請求項12】
ステップb)において、前記絶縁層(20)は、前記基板(15)の前記表側(16)に表面全体にわたって適用され、更なる方法ステップにおいて、前記基板(15)の前記絶縁層のない部分(25)が形成されるように、少なくとも部分的に除去される
ことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップb)において、前記絶縁層(20)は、ガス分離法、印刷法、浸漬法、又は噴霧法によって、特にエアロゾルデポジション法(ADM)によって適用される
ことを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
ステップa)~ステップd)は、複数の温度センサ(10)が、基板ストリップ及び/又は基板キャリア上に一緒に製造され、その後、個片化されるように、実施される
ことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の供給ライン(51)は、前記基板(15)の前記裏側(17)に接続され、第2の供給ライン(52)は、前記少なくとも1つのコンタクトパッド(41、42)に接続される
ことを特徴とする、請求項13に記載の方法。

【国際調査報告】