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特表2023-535791アームに流体ラインを取り付けるためのクリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】アームに流体ラインを取り付けるためのクリップ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/48 20060101AFI20230814BHJP
   F16L 3/13 20060101ALI20230814BHJP
   F16B 2/22 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
B60S1/48 Z
F16L3/13
F16B2/22 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505755
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2021069536
(87)【国際公開番号】W WO2022023031
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】2007900
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】シリル、ジロド
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ、クチリー
(72)【発明者】
【氏名】クエンタン、フォリオル
【テーマコード(参考)】
3D225
3H023
3J022
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC02
3D225AD01
3D225AF07
3D225AF10
3H023AA03
3H023AB01
3H023AD02
3H023AE02
3J022DA11
3J022EA32
3J022EB14
3J022EC17
3J022FA05
3J022FB04
3J022FB08
3J022FB12
3J022HB02
3J022HB06
(57)【要約】
本発明は、自動車両用の噴射システムのワイパーアーム(100)に流体管(102)を取り付けるためのクリップ(1)であって、前記クリップ(1)がV形状となる全体形状を有し、前記V形状の基部が前記流体管(102)の一部のためのレセプタクル(5)を形成し、前記クリップ(1)が第1の保持アーム(3a)及び第2の保持アーム(3b)を備え、前記保持アーム(3a,3b)は、前記V形状の第1の端部(1a)及び第2の端部(1b)に位置されるとともに、互いに向かって延在し、前記保持アーム(3a,3b)は、2つの前記保持アーム(3a,3b)間の空間が軸方向(Δ)で末広がり形状を有する開口を形成するように、前記流体管(102)と平行になるように意図された軸方向に非対称である、クリップ(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の噴射システムのワイパーアーム(100)に流体管(102)を取り付けるためのクリップ(1)であって、前記クリップ(1)がV形状となる全体形状を有し、前記V形状の基部が前記流体管(102)の一部のためのレセプタクル(5)を形成し、前記クリップ(1)が第1の保持アーム(3a)及び第2の保持アーム(3b)を備え、前記保持アーム(3a,3b)は、前記V形状の第1の端部(1a)及び第2の端部(1b)に位置されるとともに、互いに向かって延在し、前記保持アーム(3a,3b)は、2つの前記保持アーム(3a,3b)間の空間が軸方向(Δ)で末広がり形状を有する開口を形成するように、前記流体管(102)と平行になるように意図された軸方向に非対称である、クリップ(1)。
【請求項2】
前記保持アーム(3a,3b)の前記端部は、直線状であるとともに、前記軸方向(Δ)と5°~10°の傾斜角を成す、請求項1に記載のクリップ(1)。
【請求項3】
前記保持アーム(3a,3b)間の距離は、前記保持アーム(3a,3b)の最大間隔で前記ワイパーアーム(100)の幅の90%~110%である、請求項1又は2に記載のクリップ(1)。
【請求項4】
前記保持アーム(3a,3b)間の距離は、前記保持アーム(3a,3b)の最小間隔で前記ワイパーアーム(102)の幅の70%~90%である、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
【請求項5】
前記保持アーム(3a,3b)は、前記ワイパーアーム(100)に対する前記クリップ(1)の挿入を容易にするために前記保持アーム(3a,3b)の外面に面取り形状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
【請求項6】
前記面取り形状の角度が15°~20°である、請求項5に記載のクリップ(1)。
【請求項7】
前記V形状となる全体形状が丸みを帯びた角を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
【請求項8】
前記V形状の2つの内壁にそれぞれ配置されて前記流体管(102)の前記一部を受けるようになっている前記レセプタクル(5)を画定する2つの隆起部(7a,7b)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のクリップ(1)。
【請求項9】
前記隆起部(7a,7b)は、前記V形状の前記内壁から90°~120°の角度で延びるとともに、前記流体管(102)の直径の0.1~0.3倍の高さを有する、請求項6に記載のクリップ(1)。
【請求項10】
自動車両用の噴射システムのワイパーアーム(100)に流体管(102)を取り付けるための方法であって、前記方法が、
請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのクリップ(1)を提供するステップと、
流体管(102)の一部を、特に前記V形状の前記端部(1a,1b)を離間させることによって又は前記流体管を前記V形状の底部へとスライドさせることによって、前記少なくとも1つのクリップ(1)のレセプタクル(5)内に配置するステップと、
前記ワイパーアーム(100)の一部を前記V形状の内側に挿入できるようにするために、前記保持アーム(3a,3b)を前記ワイパーアーム(100)に当て付けて配置しつつ、前記クリップ(1)を前記ワイパーアーム(100)に向かって押し出すことによって、前記少なくとも1つのクリップ(1)を前記ワイパーアーム(100)上に配置するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両用の洗浄液噴射システムの分野に関し、特に、ワイパーブレードが配置されるワイパーアームに及び/又はワイパーブレード自体に噴射ノズルを備える洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパーアーム及び/又はブレードに洗浄液を噴射することは、洗浄液を噴射ノズルに搬送することを伴う。この搬送は、内部で洗浄液が循環するホースとも呼ばれる配管によって実現される。配管内の洗浄液の推進は、例えば、洗浄システムのポンプによって実現され、該ポンプは、洗浄液をリザーバからスプレーノズルに圧送するように構成される。
【0003】
したがって、配管はワイパーアームに取り付けられるべきである。そのために、配管及びワイパーアームに沿って均等に配置され得るクリップが存在する。しかしながら、従来技術のクリップは、装着が面倒であり及び/又は長時間を必要とし、ワイパーアームに装着されるときに配管を妨げるなどの特定の欠点を有することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ワイパーアームへの配管の取り付けを容易にできるようにする解決策を見出すことが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その目的のために、本発明が提案するものは、自動車両用の噴射システムのワイパーアームに流体管を取り付けるためのクリップであり、前記クリップがV形状となる全体形状を有し、V形状の基部が流体管の一部のためのレセプタクルを形成し、クリップが第1の保持アーム及び第2の保持アームを備え、これらの保持アームは、V形状の第1の端部及び第2の端部に位置されるとともに、互いに向かって延在し、前記保持アームは、2つの保持アーム間の空間が軸方向で末広がり形状を有する開口を形成するように、流体管と平行になるように意図された軸方向に非対称である。
【0006】
本発明の一態様によれば、保持アームの端部は、直線状であるとともに、軸方向と5°~10°の傾斜角を成す。
【0007】
本発明の他の態様によれば、保持アーム間の距離は、これらの保持アームの最大間隔でワイパーアームの幅の90%~110%である。
【0008】
本発明の他の態様によれば、保持アーム間の距離は、これらの保持アームの最小間隔でワイパーアームの幅の70%~90%である。
【0009】
本発明の他の態様によれば、保持アームは、ワイパーアームに対するクリップの挿入を容易にするためにそれらの外面に面取り形状を有する。
【0010】
本発明の他の態様によれば、面取り形状の角度が15°~20°である。
【0011】
本発明の他の態様によれば、V形状となる全体形状が丸みを帯びた角を有する。
【0012】
本発明の他の態様によれば、クリップは、V形状の2つの内壁にそれぞれ配置されて流体管の一部を受けるようになっているレセプタクルを画定する2つの隆起部を備える。
【0013】
本発明の他の態様によれば、隆起部は、V形状の内壁から90°~120°の角度で延びるとともに、流体管の直径の0.1~0.3倍の高さを有する。
【0014】
本発明の他の態様によれば、クリップはプラスチック材料、特にエチレンプロピレンから形成される。
【0015】
また、本発明は、自動車両用の噴射システムのワイパーアームに流体管を取り付けるための方法であって、
-前述の少なくとも1つのクリップを提供するステップと、
-流体管の一部を、特にV形状の端部を離間させることによって又は流体管をV形状の底部へとスライドさせることによって、少なくとも1つのクリップのレセプタクル内に配置するステップと、
-ワイパーアームの一部をV形状の内側に挿入できるようにするために、保持アームをワイパーアームに当て付けて配置しつつ、クリップをワイパーアームに向かって押し出すことによって、少なくとも1つのクリップをワイパーアーム上に配置するステップと、
を含む方法に関する。
【0016】
本発明の更なる特徴及び利点は、例示的且つ非限定的な例として与えられる以下の説明を読むことによって及び添付図面からより明確に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るクリップの典型的な実施形態の概略斜視図を示す。
図2】流体管の一部の周りに位置されたクリップの概略斜視図を示す。
図3】ワイパーアーム上のクリップの位置決めの概略斜視図を示す。
図4】流体管をワイパーアームに取り付けるための方法の様々なステップのフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
これらの図では、同一の要素が同じ参照符号を有する。
【0019】
以下の実施形態は一例である。説明は1つ以上の実施形態に言及しているが、これは、各言及が同じ実施形態に関連すること又は特徴が1つの実施形態にのみ適用されることを必ずしも意味しない。異なる実施形態の個々の特徴を組み合わせたり置き換えたりして、他の実施形態を提供することができる。
【0020】
本発明の実施及び実施形態は、特に自動車両用の液体噴射システムのためのクリップ1に関する。図3に示されるように、クリップ1は、ワイパーアーム100及び/又は前記ワイパーアーム100に装着されたワイパーブレードに配置されるスプレーノズル(図示せず)で洗浄液を供給するための流体管102のワイパーアーム100への取り付けを可能にするようになっている。
【0021】
図1は、V形状の第1の端部1a及び第2の端部1bにそれぞれ位置されて互いに向かって延在する第1の保持アーム3a及び第2の保持アーム3bを備える、全体がV形状のクリップ1の斜視図を示す。2つの保持アーム3a,3b間の空間は、保持アーム3a,3bが軸方向で非対称であるように軸方向で末広がり形状を有する開口を形成する。図中に軸Δで示される軸方向は、クリップ1が流体管102の一部及び/又はワイパーアーム100の一部に装着されるときの流体管102又はワイパーアーム100の方向と平行な方向に対応する。図1図3の例において、保持アーム3a,3bの端部は、直線状であるとともに、軸方向に対して5°~10°の角度を有するが、他の非直線形状を使用することも可能であるが、末広がり、例えば湾曲した、特に凸形状を有するものである。保持アーム3a,3b間の空間によって形成された末広がり形状は、ワイパーアーム100に対するクリップ1の装着を容易にできるようにするとともに、クリップ1を適切に中心付けることができるようにする。保持アーム3a,3b間のそれらの最大間隔での距離は、例えば、クリップ1をワイパーアーム100に容易に挿入して位置決めできるようにするためにワイパーアーム100の幅の90%~110%であり、また、保持アーム3a、3b間のそれらの最小間隔での距離は、例えば、クリップ1をワイパーアーム100に確実に取り付けることができるようにするためにワイパーアーム100の幅の70%~90%である。
【0022】
また、保持アーム3a,3bは、ワイパーアーム100に対するクリップ1の挿入を容易にするためにそれらの外面に面取り形状を有してもよい。面取り形状の角度は、例えば、15°~20°である。
【0023】
クリップ1のV形状の基部は、流体管102の一部のためのレセプタクル5を形成する。隆起部7a,7bが、このレセプタクルを画定してクリップ1がワイパーアーム100に装着されるときに流体管102のいかなる干渉も回避するために、V形状の内壁に形成されてもよい。隆起部7a,7bは、例えば、(V形状の壁から)90°~120°の角度で延びるとともに、例えば、流体管102の直径の0.1~0.3倍の高さを有し、それにより、流体管102の一部分をレセプタクル5内に容易に挿入できる一方で、この部分が依然としてレセプタクル5内に保持されるようにする。隆起部7a,7bの端部は、丸みを帯びた形状を有してもよい。図2は、流体管102の一部がレセプタクル5内に位置される概略図を示す。
【0024】
要件に応じて、隆起部7a,7bは、流体管のスライド又は流体管のクランプのいずれかを可能にし、これにより、留め具を前記流体管上の定位置に保持することが可能になる。
【0025】
クリップ1の様々な角度、特にV形状の角度は、図1図3の実施形態のように丸みを帯びていてもよい。更に、クリップ1の壁の厚さが変化してもよい。V形状の基部は、V形状の2つの端部を容易に離間させることを可能にする弾性を与えるために2つの側壁よりも薄い壁を有してもよい。また、保持アーム3a,3bは、ワイパーアーム100上での位置決めを容易にするために薄い厚さを有してもよい。
【0026】
好ましくは、クリップ1は、プラスチック材料、特にエチレンプロピレンから形成される。
【0027】
また、本発明は、前述のような1つ以上のクリップ1を使用する自動車両用噴射システムのワイパーアーム100に流体管102を取り付けるための方法に関する。図4は、本方法の様々なステップを示す。
【0028】
第1のステップ101は、1つ以上のクリップを提供することに関する。
【0029】
第2のステップ102は、特にV形状の端部を離間させることによって又は流体管をV形状内へとスライドさせることによって、前述のようにクリップ1のレセプタクル5内に流体管102の一部を配置することに関する。流体管102をクリップ1内へ、特にレセプタクル5内へ挿入できるようにするべく、保持アーム3a,3b間に位置されるクリップ1の開口が流体管102と接触するようにクリップ1を位置決めすることによって、次いで、流体管102の方向でクリップ1のV形状の基部の外側部分を押圧することによって、V形状の端部を離間させることができる。第2のステップ102は、図2に示されるように、流体管102の一部がレセプタクル5内に位置されると終了する。
【0030】
第3のステップ103は、図3の矢印によって示されるように、クリップ1の端部が離間された後にワイパーアーム100の一部をV形状の内側に、すなわち、レセプタクル5と保持アーム3a,3bとの間に挿入できるようにするべく、保持アーム3a,3bをワイパーアーム100に当てつけて配置しつつ、クリップ1をワイパーアーム100に向かって押すことによって、クリップ1をワイパーアーム100上に配置することに関する。
【0031】
取り付けが複数のクリップ1を必要とする場合、ステップ102,103をそれぞれのクリップ1ごとに繰り返すことができる。これらのステップの順序は変更可能である。例えば、全てのクリップ1を液圧配管102に配置した後、様々なクリップ1をワイパーアーム100に取り付けたり或いは液圧配管102及びワイパーアーム100にクリップ1を順次位置決めしたりすることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】