(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】駆動アームにロックするための固定手段を有するワイパーブレード及び当該ワイパーブレードを有するワイパーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60S 1/40 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
B60S1/40 300F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505770
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2021069539
(87)【国際公開番号】W WO2022023033
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ミシェル、ジャラソン
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AD02
3D225AD09
3D225AE25
(57)【要約】
本発明は、ワイパーブレード(12)であって、少なくとも1つのワイパーラバー(14)のための支持コネクタ(18)と、ワイパーブレード(12)の駆動アームの前方終端部(10)を受け入れることができるアダプタ(20)であって、作動位置とメンテナンス位置との間で、関節軸(A)を中心としてコネクタ(18)に対して関節運動するように取り付けられ、かつ、前記終端部(10)をアダプタ(20)にロックするためのロック部材(32)であって、ロック位置と前記終端部(10)を解放する後退位置との間を移動するように取り付けられたロック部材(32)を備えるアダプタ(20)とを備え、ワイパーブレード(12)が、アダプタ(20)が作動位置にあるときにロック部材(32)をロック位置に固定し、アダプタ(20)がメンテナンス位置にあるときにロック部材(32)を解放するための部材(68、38)を有する、ワイパーブレード(12)を提案する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーブレード(12)であって、
-少なくとも1つのブレードラバー(14)を支持するためのコネクタ(18)と、
-前記ワイパーブレード(12)用の駆動アームの前方エンドピース(10)を受け入れることができるアダプタ(20)であって、
--作動位置とメンテナンス位置との間で、関節軸(A)を中心として前記コネクタ(18)に対して関節運動するように取り付けられ、かつ、
--前記エンドピース(10)を前記アダプタ(20)上でロックするための部材(32)であって、前記エンドピース(10)をロック/解放するためのロック位置と後退解放位置との間を移動するように取り付けられた部材(32)を備えるアダプタ(20)とを備え、
前記ワイパーブレード(12)が、前記アダプタ(20)が前記作動位置にあるときに前記ロック部材(32)を前記ロック位置でブロックし、前記アダプタ(20)が前記メンテナンス位置にあるときに前記ロック部材(32)を解放するための部材(68、38)を備える、ワイパーブレード(12)。
【請求項2】
-前記ロック部材(32)が、前記アダプタ(20)に対して、前記ロック位置と前記後退解放位置との間で前記関節軸(A)に直交する方向(D2)に移動するように取り付けられ、かつ、
-前記ブロック部材が、前記ロック部材(32)又は前記コネクタ(18)によって担持された当接面(38)に対向して延在し、それぞれ前記コネクタ(18)又は前記ロック部材(32)によって担持されたストップ部材(68)を備える、請求項1に記載のワイパーブレード(12)。
【請求項3】
前記ワイパーブレード(12)が、前記コネクタ(18)によって担持された前記ワイパーブレード(12)用の液圧及び/又は電気接続アセンブリ(60)を備え、前記ストップ部材(68)が、前記接続アセンブリ(60)又は前記ロック部材(32)によって担持され、それぞれ前記ロック部材(32)又は前記接続アセンブリ(60)によって担持された当接面(38)に対向して延在する、請求項2に記載のワイパーブレード(12)。
【請求項4】
前記液圧及び/又は電気接続アセンブリ(60)が、前記コネクタ(18)に堅固に固定された前部(64H、64E)と、前記エンドピース(10)が作動位置にあるときに占有する前方接続位置と、前記エンドピース(10)がメンテナンス位置にあるときに占有する後方非接続位置との間で、前記関節軸(A)に直交する方向(D3)に、前記前部(64H、64E)に対して長手方向に移動するように取り付けられた取り外し可能な後部(62H、62E)とを備える、請求項3に記載のワイパーブレード(12)。
【請求項5】
前記ストップ部材が、前記後部(62H)によって担持され、前記ロック部材(32)によって担持された当接面(38)に対向して延在するストップフィンガ(68)である、請求項4に記載のワイパーブレード(12)。
【請求項6】
前記アダプタ(20)に堅固に固定された前記ロック部材(32)が、可撓性タブ(30)を備え、前記可撓性タブ(30)の端部には、前記エンドピースに設けられた窓(44)に収容されるように構成されたロックボタンが設けられる、請求項2から5のいずれか一項に記載のワイパーブレード(12)。
【請求項7】
駆動アームの前方エンドピース(10)と、請求項4に記載のワイパーブレードとを備えるアセンブリであって、前記液圧及び/又は電気接続アセンブリ(60)の前記取り外し可能な後部(62H、62E)が、前記エンドピース(10)によって担持されるガイドボディ(50)に解放可能に接続され、前記アダプタ(20)が前記メンテナンス位置にあるときには前記ガイドボディ(50)に堅固に固定され、前記アダプタ(20)が前記作動位置にあるときには前記ガイドボディ(50)から分離されるようになっている、アセンブリ。
【請求項8】
前記エンドピース(10)と、前記ガイドボディ(50)と、前記取り外し可能な後部(62H、62E)とを備えるサブアセンブリを備え、前記サブアセンブリが、前記アダプタ(20)が前記メンテナンス位置にあり、前記ロック部材(32)が前記後退解放位置にあるときに、前記コネクタ(18)と、前記アダプタ(20)と、前記液圧及び/又は電気接続アセンブリ(60)の前記前部(64H、64E)とを備える前記ワイパーブレードから分離されるようになっている、請求項7に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーブレード、及び、アームとワイパーブレードとの間の接続を固定するための手段を備えるアーム/ワイパーブレードアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、従来、特にフロントガラスの外面を清掃し、それによって運転者の周囲の視界を妨げないようにするためのワイパーを装備している。
【0003】
フロントガラスワイパーは、一般に、特に角度のある往復運動を行う駆動アーム(ワイパーアーム又はワイパーキャリアとも呼ばれる)と、ゴム又はエラストマー材料などの弾性材料で作られたワイパーストリップ又はブレードラバーを支持する長手方向に細長いワイパーブレードとを備える。
【0004】
ブレードラバーは、フロントガラスの外面を擦り、運転者の視野から水を除去することによって水を排出する。
【0005】
従来のバージョンでは、ワイパーブレードは、長手方向に分散されたいくつかの別個の位置でワイパーラバーを保持し、フロントガラスの任意の曲率に密接に追従できるように曲げを付与する関節ブラケットの形態で製造される。
【0006】
「フラットブレード」として知られるより最近のバージョンでは、ワイパーブレードは、ブラケットを使用する必要なしにブレード及びブレードラバーをフロントガラスに対して押圧できるようにする1つ以上の屈曲椎骨によって、ブレードラバーをその全長に沿って保持する半剛性アセンブリの形態で製造される。
【0007】
いずれの設計においても、ワイパーブレードは、相補的なコネクタ及びアダプタを有する接続システムによって駆動アームに接合される。
【0008】
コネクタは、ワイパーブレードに堅固に固定され、一般にブレードラバー又はフラットブレードに直接固定される部分であり、一方、アダプタは駆動アームに堅固に固定される。
【0009】
アダプタは、コネクタを駆動アームに接合して固定できるようにする仲介部である。アダプタは、一般に、くびき状であり逆U字形断面を有する駆動アームのヘッド又はエンドピースに挿入されるように構成される。
【0010】
これら2つの構成要素(コネクタ及びアダプタ)のそれぞれは、2つの構成要素の互いに対する少なくとも1つの横方向の関節軸であって、ワイパーブレードの駆動アームに対する関節軸でもある軸を画定するように、他方の構成要素の相補的手段と協働するように設計された関節手段を備える。
【0011】
当技術分野で知られている一構成では、コネクタなどの構成要素のうちの一方は、一般に、関節軸を画定し、他方の構成要素内の相補的な形状のハウジング内に受け入れられる実質的に円筒形の物理的ピンを備える。
【0012】
アダプタは、一般に、駆動アームの前方の自由エンドピースに挿入されるように構成された細長い本体を有し、この本体は、エンドピースの2つの実質的に平行な側壁の間に少なくとも部分的に延在するようになっている。
【0013】
アダプタは、ワイパーブレードを特定のタイプのエンドピースに接合できるようにする。逆U字形断面を有する上記のエンドピースの場合、それにはいくつかの種類がある。
【0014】
アダプタに取り付けられてロックされたフロントガラスワイパー作動位置又は使用位置と呼ばれる第1の前方位置又は前進位置と、例えば交換する目的でフロントガラスワイパーアームを分解又は分離できるようにするためにロック解除されたメンテナンス位置又はサービス位置と呼ばれる第2の後方位置又は後退位置との間で、長手方向に並進して摺動するように取り付けられたヘッド又は前方エンドピースを有する駆動アームも知られている。
【0015】
様々なタイプのアダプタが知られており、これらのうちのいくつかは、駆動アームの自由エンドピースに形成された対応するサイズの開口部に受け入れられるようになされたロックボタンを可撓性タブの端部に備える。
【0016】
駆動アームがアダプタに取り付けられると、可撓性タブは、典型的には、駆動アームが主に延在する方向に平行な長手方向に整列される。
【0017】
アダプタを駆動アームの自由エンドピースに挿入した後、ロックボタンは、開口部に係合されたロック位置にある。
【0018】
ロックボタンと開口部との間の相互作用によるこの取付け部は、特に長手方向の両方向における、駆動アームに対するアダプタの位置決め及び確実な固定に寄与する。
【0019】
アダプタを駆動アームから係合解除するには、ユーザは、ロックボタンを開口部内に押し下げてロックボタンを後退解放位置に到達させ、駆動アームの長手方向への後方摺動を可能にしなければならない。
【0020】
使用時において、ブレードラバーが拭き取り対象のガラスの外面と接触し、ワイパーブレードが駆動アームによって交互の掃引運動で駆動されると、アダプタは、基準「0」位置に対して例えばプラスマイナス10度(+/-10°)の角度位置の範囲でコネクタに対して関節軸を中心に両方向に枢動する。
【0021】
メンテナンスのため、例えばワイパーブレードを交換するために、ワイパーブレードの代わりに駆動アームを、拭き取り対象のガラス表面に対してメンテナンス位置へと持ち上げ、約90°回転させ、ワイパーブレードを角度のある位置に枢動させて作業角度位置の範囲に隣接するメンテナンス角度位置の範囲に入れる方法が知られている。
【0022】
基準となるゼロ角度位置に関して、メンテナンス角度範囲は、例えば、+10°より大きく+20°未満である。
【0023】
このようなメンテナンス又はサービス位置では、ユーザは、ロックボタンを押してワイパーブレードを駆動アームのエンドピースから分離することができる。
【0024】
使用時には、安全動作のために、アダプタが駆動アームのエンドピースから分離されないことが特に重要である。
【0025】
しかしながら、例えば、構成要素間のサイズの違い及びプラスチック部品の可撓性のために、不慮の分離が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、この問題に対する解決策を提案することを目的とする。
【0027】
非限定的な例として、本発明は、ワイパーブレードがコネクタによって担持されるワイパーブレードの液圧及び/又は電気接続のためのアセンブリを備える場合に特に適用可能である。
【0028】
具体的には、フロントガラスワイパーは、車両に配置されたタンクから供給され、液体の分配を改善するためにフロントガラスワイパー自体に配置された噴霧器によってフロントガラスの方向に噴霧されるフロントガラスウォッシャ液を供給するための装置を備えることがある。ブレード上に配置されたノズルの場合、フロントガラスウォッシャ液は、フロントガラスワイパー駆動アームに取り付けられ、コネクタでワイパーブレードの分配システムに接続される1つ以上の管によって搬送されてからノズルに分配される。したがって、コネクタは、シールされた接続部で前記管の先端を受け入れるようになされた孔を備える。
【0029】
極端な寒冷時にブレードを解凍し、霜によるフロントガラスへのブレードの付着を防止するためのフロントガラスワイパー加熱装置もある。
【0030】
より具体的には「フラットブレード」ワイパーに適合されたこれらの装置は、一般に、ブレードラバーを支持するアセンブリに一体化された加熱装置を備える。それらはまた、車両から来る電流を加熱装置に伝達するために、コネクタに配置された電気接続装置を必要とする。
【0031】
これらの要素はすべて、ユーザがワイパーブレードを交換する必要があるときに接続されなければならない。
【0032】
この交換中に実行される作業を単純化するために、経験の浅いユーザであっても嵌合が容易な、ワイパーブレードコネクタへの液圧及び/又は電気接続のためのアセンブリが提案されている。
【0033】
このような接続アセンブリの設計は、いくつかの改良と共に、特に国際公開第2012/072748号パンフレット、仏国特許出願公開第1-2 962 094号明細書及び仏国特許出願公開第1-3 034 385号明細書に示されている。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、ワイパーブレードであって、
-少なくとも1つのブレードラバーを支持するためのコネクタと、
-ワイパーブレード用の駆動アームの前方エンドピースを受け入れることができるアダプタであって、
--作動位置とメンテナンス位置との間で、関節軸を中心としてコネクタに対して関節運動するように取り付けられ、かつ、
--前記エンドピースをアダプタ上でロックするための部材であって、前記エンドピースをロック/解放するためのロック位置と後退解放位置との間を移動するように取り付けられた部材を備えるアダプタとを備え、
ワイパーブレードが、アダプタが作動位置にあるときにロック部材をロック位置でブロックし、アダプタがメンテナンス位置にあるときにロック部材を解放するための部材を備える、ワイパーブレードを提案する。
【0035】
ワイパーブレードの他の特徴によれば、
-ロック部材は、アダプタに対して、ロック位置と後退解放位置との間で前記関節軸に直交する方向に移動するように取り付けられ、かつ、
-ブロック部材は、ロック部材又はコネクタによって担持された当接面に対向して延在し、それぞれコネクタ又はロック部材によって担持されたストップ部材を備え、
-ストップ部材は、ロック部材又はコネクタによって担持された当接面に対向して延在し、それぞれコネクタ又はロック部材によって担持された突出部材であり、
-ワイパーブレードは、コネクタによって担持されたワイパーブレード用の液圧及び/又は電気接続アセンブリを備え、ストップ部材は、接続アセンブリ又はロック部材によって担持され、それぞれロック部材又は接続アセンブリによって担持された当接面に対向して延在し、
-液圧及び/又は電気接続アセンブリは、コネクタに堅固に固定された前部と、前記エンドピースが作動位置にあるときに占有する前方接続位置と、前記エンドピースがメンテナンス位置にあるときに占有する後方非接続位置との間で、前記関節軸に直交する方向に、前記前部に対して長手方向に移動するように取り付けられた取り外し可能な後部とを備え、
-ストップ部材は、前記後部によって担持され、ロック部材によって担持された当接面に対向して延在するストップフィンガであり、
-アダプタに堅固に固定されたロック部材は、可撓性タブを備え、可撓性タブの端部には、エンドピースに設けられた窓に収容されるように構成されたロックボタンが設けられる。
【0036】
本発明はまた、上述のような駆動アームの前方エンドピースとワイパーブレードとを備えるアセンブリであって、液圧及び/又は電気接続アセンブリの取り外し可能な後部が、前記エンドピースによって担持されるガイドボディに解放可能に接続され、アダプタがメンテナンス位置にあるときにはガイドボディに堅固に固定され、アダプタが作動位置にあるときにはガイドボディから分離されるようになっているアセンブリを提案する。
【0037】
このアセンブリは、前記エンドピースと、前記ガイドボディと、前記取り外し可能な後部とを備えるサブアセンブリを更に備え、サブアセンブリは、アダプタがメンテナンス位置にあり、ロック部材が後退解放位置にあるときに、コネクタと、アダプタと、液圧及び/又は電気接続アセンブリの前記前部とを備えるワイパーブレードから分離されるようになっている。
【0038】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むことから明らかになり、その理解のために添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】ワイパーブレードの駆動アームの前方エンドピースに関連して示された、本発明に係るワイパーアームの中央部を備えるアセンブリを示す斜視図である。
【
図2】コネクタに対するアダプタの作動位置及びロックボタンのロック位置における、駆動アームのエンドピースやブレードラバーなしで示された
図1のアセンブリの側面図である。
【
図3】
図2に示す構成要素の垂直方向及び長手方向の中央平面を通る断面図である。
【
図4】本発明によるブロック部材によってブロックされたロック位置にあるロックボタンが示された、
図3と同様の図である。
【
図5】コネクタに対するアダプタのメンテナンス位置及びロックボタンのロック位置における、
図2に示す構成要素のアセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5に示す構成要素のアセンブリの側面図である。
【
図7】
図6に示す構成要素の垂直方向及び長手方向の中央平面を通る断面図である。
【
図8】ロックボタンがエンドピースを解放するための後退解放位置に示されている、
図7と同様の図である。
【
図9】前方及び後方の接続位置に示されている、液圧及び電気接続アセンブリの構成要素を示す側面図である。
【
図10】
図10に示すアセンブリの後方液圧接続部品の斜視図である。
【
図11】駆動アームの前方エンドピースによって担持されたガイド要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明では、同一の構造又は同様の機能を有する要素は、同じ参照符号で示される。
【0041】
本明細書の以下の説明及び特許請求の範囲では、図中の三面体「L、V、T」によって示される長手方向、垂直方向、横方向、側方、前方及び後方の向きが、非限定的な方法で使用される。長手方向及び横方向に延在する水平面も定義される。
【0042】
垂直方向は、地球の重力を参照せずに定義される。
【0043】
長手軸Lは、定義上、後方から前方に向けられている。
【0044】
横軸Tは、定義上、左から右に向けられている。
【0045】
下、上、底、頂などの用語は、軸Vによって定義される垂直方向を参照して使用される。
【0046】
図1は、フロントガラスワイパー用の駆動アーム(図示せず)に属する、一般に逆U字形のくびき状の前方エンドピース10を示す。
【0047】
エンドピース10は、長手方向D1に全体的に延在し、ワイパーブレード12用のアダプタを受け入れるように設計された、前方に向かって長手方向に開口する内部ハウジングを画定し、アダプタの中央部は、エンドピース10に組み付けられて取り付けられる位置で
図1に示されている。
【0048】
ワイパーブレード12は、既知の方法で、補強手段、限定はしないがこの場合には空気力学的スポイラの形態の上部16に関連するブレードラバー14を備える。
【0049】
空力スポイラ16の2つの長手方向部の間で、ブレードラバー及びこれらの補強手段の上部は、成形プラスチック部品であるコネクタ18に堅固に固定される。代替的に、コネクタは金属製であってもよい。
【0050】
既知の方法で、コネクタ18は、エンドピース10に相補的なアダプタ20に関連付けられる。
【0051】
特に
図9に見られるように、コネクタ18は、その上部に、アダプタ20の垂直側壁24の内面に既知の方法で形成された2つのヒンジロッド部(図示せず)と相補的な、横方向に対向する2つの軸孔部22を備える。
【0052】
したがって、アダプタ20がコネクタ18上に組み立てられた位置では、これらの2つの構成要素は、横方向の関節軸「A」を中心として互いに対して関節運動するように取り付けられ、アダプタ20がコネクタ18に対して両方向に枢動できるようになっており、後者は本明細書の文脈では固定基準と見なされる。
【0053】
既知の方法で、U字形断面のアダプタ20は、2つの垂直側壁24と水平上壁26とを備え、水平上壁は、横方向垂直前面28によって、特にコネクタ18の上部が受け入れられる内部ハウジングを画定する。
【0054】
水平上壁26は、その長手方向後端部において、弾性的に変形可能であり、その自由後端部においてロックボタン32に対応するロック部材によって延在する一体成形された可撓性タブ30によって延在する。
【0055】
ロックボタン32は、垂直横方向前面33及び垂直横方向後面34によって後方に向かって長手方向に画定される。
【0056】
ロックボタン32はまた、可撓性タブ30が延在する平面、この場合、平坦な端壁37によって上方に向かって垂直方向に、かつ、前面及び後面38によって横方向に画定された凹部36が形成された平面に実質的に平行な下面によって、下方に向かって垂直方向に画定される。
【0057】
くびき状のエンドピース10は、アダプタ20に取り付けられた組立て位置において、アダプタ20の上壁26の対向する横方向後縁部29に対して前方に向かって長手方向に当接する横方向前縁部42によって前方に向かって長手方向に画定される水平上部バック40を備える。
【0058】
水平上部バック40はまた、特に
図1、
図3又は
図7に示すように、ロックボタン32を受け入れることができるように、輪郭及び寸法がロックボタン32のものと相補的である開口部又は窓44を含む。そのような位置では、ロックボタン32は、駆動アームのエンドピース10に対して方向D1に長手方向に摺動する両方向において、駆動アームのエンドピース10上にアダプタ20をブロックする。
【0059】
くびき状のエンドピース10はまた、それぞれが垂直及び長手方向の平面内に延在する、対向する2つの側部フランジ48を備える。
【0060】
エンドピース10は、フランジ48の対向する内面の間及び後端部の近傍で、特に
図11に詳細に示されているガイドボディ50を内部に収容する。
【0061】
ガイドボディ50は、同様に一般的なくびきの形状を持つ成形プラスチック部品であり、その寸法はエンドピース10の後端部の内部寸法と相補的である。
【0062】
ガイドボディ50は、特に対向する2つの側部フランジ52を備え、その各々は垂直及び長手方向の平面内に延在する。
【0063】
ガイドボディ50は、特に2つのラグ54によってエンドピース10内に収容かつ固定され、ラグ54の各々は、フランジ52の下縁の近傍に形成され、エンドピース10の関連する側部フランジ48の下縁に形成された相補的なノッチ49に弾性的に嵌合することによって受け入れられるように横方向外側に延在する。
【0064】
したがって、ガイドボディ50はエンドピース10に対し、その様々な移動及び変位において、特に、エンドピース10がアダプタ20に堅固に固定されているときにアダプタ20に対して方向D1の両方の長手方向に摺動する際、かつ、関節軸Aを中心に両方向に枢動する際に、常にしっかりと固定される。
【0065】
ガイドボディ50は、その側部フランジ52の各々において、それ自体が前方に向かって長手方向に開口する窓58内へと上方に向かって垂直方向に開口するノッチ56を備える。
【0066】
既知の方法で、例えば国際公開第2012/072748号パンフレットの教示によれば、ワイパーブレードは、ワイパーブレードの液圧及び電気接続のための手段のアセンブリ60を備える。
【0067】
フロントガラスワイパーの要素及び構成要素の組立て位置ならびにフロントガラスワイパーの使用状態において、このアセンブリは、コネクタによって担持され、特に
図9に示される全体を形成する。
【0068】
液圧接続のために、アセンブリは、この場合にはコネクタの本体に一体化された「雌」前部64Hに接続された取り外し可能な「雄」後部62Hを備え、これらの2つの部分は、この場合には「中央」液圧経路を確立するように非限定的に設計される。
【0069】
電気接続のために、アセンブリは、この場合にはコネクタ18の本体に担持された「雌」前部64Eに接続された取り外し可能な「雄」後部62Eを備え、これらの2つの部分は、この場合には2つの電力線を確立するように非限定的に設計される。
【0070】
様々な部品がその「接続」状態又は相対位置で示されており、後部62H及び62Eはコネクタ18の本体に対して前方位置にあり、前部64H及び64Eはコネクタ18の本体によって担持される。
【0071】
アセンブリは、2つの後部62H及び62Eを同時に長手方向後方に分離された後部位置(図示せず)へ駆動することによって、長手方向「D3」に分離できるように設計されている。
【0072】
この目的のために、後方液圧接続部62Hは、D3に沿って長手方向に並進するように後方電気接続部62Eに堅固に固定される。
【0073】
コネクタ18に対するエンドピース10の角度位置に応じて、以下に説明するように、後方液圧接続部62Hは、エンドピース10に接続されたガイドボディ50にD1に沿って長手方向に並進するように堅固に固定されるか、又は固定されない。
【0074】
この目的のために、特に
図10に見られるように、後方液圧接続部62Hは対向する2つの横方向スタッド66を備え、その各々は、ガイドボディ50の関連するノッチ56の輪郭と相補的な輪郭を有する。
【0075】
したがって、コネクタ18に対するエンドピース10の角度位置に応じて、例えば
図2及び
図6に示すように、各スタッド66は、関連するノッチ56に嵌合することができるか、又は嵌合しない。
【0076】
本発明によれば、アダプタが作動位置にあるときにロック位置でロックボタン32をブロックし、アダプタが角度のあるメンテナンス位置にあるときにロックボタンを解放するための後退解放位置でロックボタン32をブロックするための部材が設けられる。
【0077】
ブロック部材の目的は、ロックボタンの方向D2への十分な下方移動に対抗して、ロックボタンが後退解放位置に到達してエンドピース10の長手方向の摺動を可能にするのを防止することである。
【0078】
ブロック部材は、この場合、コネクタ18によって担持されるストップフィンガ68である。
【0079】
より具体的には、ストップフィンガ68は、この場合、後方液圧接続部62Hの上面によって担持され、横方向スタッド66と実質的に一列に配置される。
【0080】
ストップフィンガ68は、上部ファセット70によって上方に向かって垂直方向に画定され、前側面及び後側面69によって横方向に画定される。
【0081】
以下に説明するように、構成要素の相対的な角度位置に応じて、ストップフィンガ68は、ストップフィンガ68の後側面69と相互作用することができる当接面を構成する表面38に対向し、ロックボタン32に形成された凹部36に受け入れられるか、又は受け入れられない。当接面38は、ロックボタンの凹部36を画定する後側面に対応する。
【0082】
ここまで説明したアセンブリは、次のように機能する。
【0083】
コネクタ18を幾何学的基準とすると、アダプタ20の角度位置は、特に
図2及び
図6に示す角度「アルファ」の値に従ってコネクタ18に対して画定される。
【0084】
アダプタ20の角度位置を画定する上部点線が水平、すなわちコネクタ18の水平下部線に平行である場合、角度αの値は0に等しい。
【0085】
図2では、
図1に示すアダプタ20及びエンドピース10は、例えば約10°に等しい角度αの値に対応する作動位置にある。
【0086】
この作動位置及び各作動位置において、スタッド66は、ノッチ56の外側に位置し、一般に窓58の内側で方向D2に自由に移動する。
【0087】
図3に見られるように、エンドピース10は、エンドピース10内の中央窓44の内側に収容されたロックボタン32によってアダプタ20上でロックされ、タブ30によってその位置に弾性的に戻される。
【0088】
エンドピース10をロック解除及び解放するには、通常、ロックボタン32に対して上方から下方へと方向D2にロック解除力を加えてロックボタン32をエンドピース10の中央窓44から完全に係合解除する必要がある。
【0089】
図4に見られるように、また、本発明に係る設計のおかげで、アダプタ20がコネクタ18に対して作動位置にある限り、ロック解除のためにロックボタン32に何らかの作用を加えると、ロックボタンの凹部36を画定する後側面に対応するロックボタン32の当接面38がロックフィンガ68の後側面69に当接し、したがって、ロックボタン32の十分なロック解除が防止され、したがって、ワイパーブレード12が作動位置にあるときにおける、ワイパーブレード12のエンドピース10からの不慮の分離に対抗する。
【0090】
図6では、
図1に示すアダプタ20及びエンドピース10は、角度αの値が例えば約14.5°に等しいサービス又はメンテナンス位置にある。
【0091】
特に
図6~
図8に示すこの相対位置では、スタッド66はそれぞれ、エンドピース10に堅固に固定されたガイドボディ50の関連する各ノッチ56に係合する。
【0092】
さらに、10°よりも大きい、特に14.5°よりも大きい角度αの値に対応するそのようなメンテナンス位置において、ストップフィンガ68が対向する当接面38と相互作用することがない限り、ロックボタン32を作用して
図7及び
図8に示されるようにロックボタン32をエンドピース10の中央窓44から出すことによって、ワイパーブレード12に対して、より詳細にはアダプタ20に対してエンドピース10を解放することが可能である。
【0093】
したがって、エンドピース10を
図1に示す方向D1に、長手方向の前方から後方に摺動させることによって、エンドピースをアダプタ20から分離することが可能である。
【0094】
ノッチ56内にスタッド66が存在することにより、ワイパーブレード12に加えられる任意の長手方向の力は、同時にガイドボディ50を駆動し、ガイドボディ50自体は、後方液圧接続部62Hを後方に向かって長手方向に並進させるように駆動し、後方液圧接続部62H自体は、同時に後方液圧接続部62Eを駆動する。
【0095】
したがって、メンテナンス又はサービス位置では、例えば、ワイパーブレード12を、後方の液圧接続部62H及び電気接続部62Eの部分を相補的な前方接続部64H及び64Eから自動的に分離した新しいワイパーブレードと交換することが可能である。
【0096】
既知の方法で、後方接続部62H及び62Eは、新しいワイパーブレードを嵌合して組み立てるときに、それらが相補的な前方接続部64H及び64Eに自動的かつ確実に接続されるように、エンドピース10によって整列位置に担持される。
【国際調査報告】