(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】プラスチック容器を製造するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 49/42 20060101AFI20230814BHJP
B29C 49/30 20060101ALI20230814BHJP
B29C 49/04 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
B29C49/42
B29C49/30
B29C49/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505772
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2021067718
(87)【国際公開番号】W WO2022022925
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】102020004564.2
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514056207
【氏名又は名称】コッヒャー-プラスティック マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100227835
【氏名又は名称】小川 剛孝
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュネル
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG07
4F208AH55
4F208AJ08
4F208LA01
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD06
4F208LD09
4F208LD12
4F208LD16
4F208LG04
4F208LG22
4F208LJ09
(57)【要約】
成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック容器(10)を製造するための装置であって、少なくとも、開いた受取位置から成形シール位置へと相対して繰り返し移動可能な個別の成形型(18)を有する成形装置(16)と、少なくとも1つの押し出されたプラスチックチューブ(14)を成形型(18)の開いた受取位置に導入することができる押出ユニット(12)とからなるものにおいて、押出ユニット(12)は、移動装置(20)を使用して、成形型(18)の各位置において固定された成形装置(16)に対して押し出された各プラスチックチューブ(14)と反対方向に互いに移動可能であることを特徴とする装置が開示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック容器(10)を製造するための装置であって、少なくとも、開いた受取位置から成形シール位置へ繰り返し相対して移動可能な個別の成形型(18)を備えた成形装置(16)と、少なくとも1つの押し出されたプラスチックチューブ(14)を前記成形型(18)の前記開いた受取位置に導入できる押出ユニット(12)とからなり、
移動装置(20)によって、前記押出ユニット(12)は、押し出された各前記プラスチックチューブ(14)と共に、前記成形型(18)の各位置に固定された前記成形装置(16)に対して互いに反対方向へ移動可能であることを特徴とする、装置。
【請求項2】
別の移動装置(58)によって、前記成形装置(16)の前記成形型(18)は、互いに対して反対方向に、好ましくは水平方向に、移動可能であり、かつ、1つの前記移動装置(20)によって、前記方向に対して横断する方向、好ましくは垂直方向において、前記押出ユニット(12)を互いに反対方向に移動可能であり、下降した前記押出ユニット(12)を用いて、前記プラスチックチューブ(14)の一部を最上部の押出位置から最下部の成形位置へ移動可能である、好ましくは、排出長さが一定のままで移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記成形装置(16)の前記成形型(18)は、対をなしてグループ(60、64)に分けられ、主型(60)として各容器(10)の容器本体を成形するために使用されると共に、頂部型(64)として割り当てられた頂部を成形するために使用され、かつ、少なくとも前記主型(60)が開き、前記頂部型(64)が閉じている場合に、前記押出ユニット(12)の反対側から前記主型(60)に挿入された把持装置(90)は、先行製造工程において製造された製品(10)の少なくとも一部を着脱可能に把持することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記頂部型(64)が開くと、前記把持装置(90)は、第3の移動装置(94)を使用して、垂直に整列された容器チェーン(74)の一部としての各容器(10)を前記成形装置(16)から取り出すことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記主型(60)が閉じた場合に押出方向に見て、前記主型(60)の下方側において、前記把持装置(90)は、第4の移動装置(102)を使用して、前記容器(10)を受け取るクランプ位置から前記容器(10)を解放する解放位置へ、及び、その逆へ移動可能であることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記押出ユニット(12)が下降した場合に、少なくとも1つの充填マンドレル(54)は、前記主型(60)において成形された各容器本体の充填を行い、かつ、この目的のために、各前記充填マンドレル(54)の自由端が前記主型(60)の前記成形型(18)の間で前記容器本体の内部に係合することを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記押出ユニット(12)の昇降運動のために、前記押出ユニット(12)は、製造順序において上流側の可塑化ユニット(44)と共に、コラムガイド(26)上を案内され、前記装置の他の機械ユニットに対して支持され、1つの前記移動装置(20)を使用して直線的に昇降するように案内されていることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記押出ユニット(12)は、1つの前記移動装置(20)を使用して、垂直方向において緩速な上昇、又は、迅速な下降を実行することを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
プラスチック容器(10)の製造方法であって、
垂直に昇降可能な押出ユニット(12)によって、固定された成形型(18)の各受入スペース(22)の方向へ、垂直に方向付けされた少なくとも1つのプラスチックチューブ(14)を連続的に押し出すことと、その際に、
i. 連続的に押し出されたチューブ(14)の一部を成形型(18)の各前記受入スペース(22)内の成形位置に運ぶために、完成したプラスチック容器(10)の全高に相当する区間にわたって前記押出ユニット(12)を開いた前記成形型(18)の方向へ移動させ、
ii. 前記成形型(18)を作動することによって、各プラスチック容器を形成し、同時に、前記成形型(18)に対する軸方向間隔が増加する逆方向に下降した前記押出ユニット(12)を移動させることによって、連続的に押し出されたチューブ(14)の一部を成形かつ閉塞して各プラスチック容器を形成し、これによって、i及びiiのプロセスを少なくとも2回通過すると、連続的に少なくとも1つのプラスチック容器チェーン(74)が製造され、
各前記プラスチック容器(10)を、前記プラスチック容器チェーン(74)の上流側の前記プラスチック容器(10)から分離することと、を少なくとも含む方法。
【請求項10】
上流側の製造工程において製造されたチェーン(74)の製品(10)の少なくとも一部を把持することによって、前記押出ユニット(12)から延伸する各プラスチックチューブ(14)及び/又は各前記プラスチック容器チェーン(74)を引張状態に保つための把持装置(90)が設けられ、前記プラスチック容器(10)の頂部を成形するための頂部型顎部(64)がまだ閉鎖位置に保持されている場合に、前記成形型(18)の開いた主型顎部(60)の間で前記プラスチック容器の本体が成形された後に、前記把持装置(90)が各前記チェーン(74)を把持することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック容器を製造する装置であって、少なくとも、開いた受取位置から成形シール位置へ相対して繰り返し移動可能な個別の成形型を有する成形装置と、少なくとも1つの押し出されたプラスチックチューブを成形型の開いた受取位置に導入できる押出ユニットとからなる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック材料から容器製品を連続的に製造するための装置を開示している。この装置は、固定された押出ユニットによって可塑化プラスチック材料の成形チューブを供給することができる成形装置を有する。成形装置は、予め設定可能な容器形状を模倣する可動成形面を有しており、成形、充填及び閉塞プロセスのために、これらに成形チューブを当接させることができる。
【0003】
成形装置の成形面を形成する顎部は、成形チューブの垂直運動方向と直交する運動方向を有する閉鎖ユニットを用いて、型閉鎖位置と型を開放する排出位置との間で移動可能である。移動ユニットによって、閉鎖ユニットは、成形、充填及び閉塞プロセスの間、スタート位置から成形チューブの移動と共に垂直方向下方側へ移動可能であり、このプロセスの完了後はスタート位置へ向けて反対方向である上方側へ移動可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、プラスチック容器を製造するための公知の装置を、その効率に関して改良することである。さらに、このようなプラスチック容器を製造するための改良された方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、請求項1の特徴をその全体において有する、成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック容器を製造するための装置と、請求項9の特徴をその全体において有する、対応する容器を製造するための方法によって解決される。
【0007】
成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック容器を製造するための本発明による装置は、請求項1の特徴部に従い、移動装置によって、押出ユニットが、押し出された各プラスチックチューブと共に、成形型の各位置に固定された成形装置に対して互いに反対方向に移動可能であることを特徴としている。
【0008】
請求項による特徴によって、押出ユニットによってプラスチックチューブを連続的に押し出す際に、本発明による成形型を用いた成形は固定した状態で行なうことができる。成形型を固定配置することは、先行技術から知られている装置と比較して、本発明による成形型は運動学的に複雑な方法でプラスチックチューブの押出方向に往復移動する必要がないという利点を有する。このことによって、それぞれ1つの容器製品を製造するために複数のキャビティを設けている場合は非常に重くなることがある成形型を動かす必要がなくなるだけでなく、固定配置された成形型の型半体を容器製品の製造のために互いに正確に位置合わせすることが容易になる。加えて、本発明による成形型を固定配置したことによって、例えばエネルギー媒体、冷却媒体及び/又は圧縮空気を成形型に供給する接続部は、成形型が押出方向に移動する際に一緒に動く必要はない。これによって装置のエネルギー消費を抑えることができ、装置の効率的な運用が可能になる。さらに、実質的に無菌の充填側若しくは生産側にあるリニアガイド、配管ガイド、及び、ケーブルガイドを省くことができる結果、ハイジェニックデザインに準拠した条件下ではるかに優れた技術的仕様が可能になる。
【0009】
また、本発明の目的は、少なくとも次の方法ステップを有する、プラスチック容器の製造方法を提供することである。即ち、垂直方向に昇降可能な押出ユニットを用いて、垂直に方向付けされた少なくとも1つのプラスチックチューブを固定配置された成形型の各1つの受取スペースへ向けて連続的に押し出す工程と、その際に、i.連続的に押し出された各チューブの一部を成形型の各受取スペース内の成形位置へ運ぶために、開いた成形型へ向けて、押出ユニットを完成したプラスチック容器の全高に実質的に相当する区間にわたって移動させ、ii.成形型を作動するのと同時に、下降した押出ユニットを成形型に対する軸方向間隔が増加する逆方向に移動させることによって、連続的に押し出されたチューブの各部分を成形及び閉塞して各プラスチック容器を形成し、これによって、プロセスi及びiiを少なくとも2回通過すると、連続的に少なくとも1つのプラスチック容器チェーンが製造され、各プラスチック容器を、各プラスチック容器チェーンの上流側の別のプラスチック容器から分離する工程である。
【0010】
本発明による製造方法では、プラスチックチューブの押出は、連続的かつ永続的に行われる。ホットナイフでチューブ全体からチューブ部分を分離してチューブ開口部を形成し、充填装置に搬送する不連続製造法と比較して、連続製造法は、連続的に押し出されたプラスチックチューブが、気密隔壁の形態で、容器の充填及び閉塞プロセス中にチューブ内部の充填物に対して無菌閉鎖環境を確保するという利点を有し、その限りで高められた滅菌要件を考慮している。
【0011】
本発明による装置によって、又は、本発明による方法によって、プロセス速度(サイクルタイム)を増加させることができ、それによってより高いアウトプット率を達成することができる。これに対し、先行技術から知られている装置は、複雑な動作シーケンスのために処理時間が長く、それが低いアウトプット率に反映する可能性がある。また、処理時間が長いのは、追加の動作シーケンスによってプロセス関連の動作が行われない「デッドタイム」が長いせいでもある。
【0012】
さらに、本発明による装置若しくは本発明による方法によって、プロセスに起因する廃棄物量が減少し、それによって生産ラインの環境バランス及び資源利用が向上する。これに対し、先行技術から知られている装置は、一部不釣り合いに高い廃棄物量を有し、特に小容量容器の場合には作業サイクル当たりの廃棄物量は最大で60%に達することもある。先行技術から知られている装置では、使用される方法及び装置の機械的構造による制限のために、成形型の高さを減らすことは可能ではなく、したがってプロセス関連の廃棄物はシステム上減らすことができない。
【0013】
加えて、本発明による装置の設計及び制御技術に関する複雑性を総じて減らすことができ、それによりこのような機械を用いる新規プロジェクトの計画、生産、及び試運転の進行時間を短縮することができる。これに対し、先行技術から知られている装置では、膨大な設計及び制御技術のコストが前提とされる。中央のプロセスユニットやクランプユニットだけでも、多数の複雑な製造部品や個別コンポーネントを必要とし、それらの機能は先ず個々の機能を互いに同期させなければならない。
【0014】
さらに、本発明による装置のシステムの複雑さの低減と、それに伴うプロセス安定性によって、いわゆるランタイム効率(RTE)の改善を達成できる。先行技術から知られている装置は、プロセスシーケンスが複雑なため、機械機能が故障しやすくなったり、個別コンポーネントの故障が生じたりして、生産条件下でのシステムのランタイム効率(RTE)に不利な影響を与える可能性がある。
【0015】
さらに、本発明による装置は所用スペースが少なく全高が低いために、既存のラインや、構造上の制約がある環境でも、はるかに容易に組み込むことができる。先行技術から知られている装置は、構造が複雑なために所用スペースが大きい。そのために先行技術によるシステムは、既存のラインに組み込むことがはるかに困難である。なぜなら、クリーンルーム内にある後続ユニット(下流ユニット)は高い追加コストを伴い、しばしば設計上若しくはスペース上の理由からおよそ実現できないからである。
【0016】
さらに、本発明による装置によって、単層及び多層のエンドレスチューブを使用する連続的な押出プロセスを、ホットナイフを使用することなく実施することができ、充填マンドレルの移動経路は、特に較正過程(LUER較正)において短縮され、それによってプロセスに起因するマンドレルパイプ表面の摩耗と、それに伴って生じて充填物を汚染する可能性のある固有の粒子形成が低減される。
【0017】
本発明による解決策のその他の利点は、従属請求項に記載されている。
【0018】
以下に、本発明による装置を図面に基づいてより詳細に説明する。図面は原理図であり、縮尺通りに表現されていない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明によるプラスチック容器の製造装置の透視斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に比べて拡大した、
図1に示す装置の本質的な構成要素の透視斜視図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示す装置の押出ヘッド、成形装置及び把持装置の透視正面図を示し、閉じた把持装置は開いた成形装置の中に配置されてチューブ・容器チェーンの少なくとも1つの容器を締め付けて保持している。
【
図4】
図4は、
図3に示す装置の透視正面図を示し、閉じた把持装置は開いた成形装置の下方側に配置されている。
【
図5】
図5は、
図3に示す装置の透視正面図を示し、成形装置の下方側に配置された把持装置が開き、成形装置の頂部型が開き、主型が閉じた状態で各容器を解放する。
【
図6】
図6は、
図3に示す装置の透視正面図を示し、成形装置の下方に配置された把持装置が開き、成形装置が閉じて各容器を解放する。
【
図7】
図7は、
図3に示す装置の透視正面図を示し、頂部型が閉じた状態で、閉じた把持装置が開いた主型の中に配置され、各容器を締め付けて保持している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び
図2は、当業界ではボトルパック(登録商標)プロセスとして知られている成形、充填及び閉塞プロセスによってプラスチック容器10を製造するための本発明による装置を示す。この装置は、少なくとも1つのプラスチックチューブ14を押し出すための移動可能な押出ユニット12と、開いた受取位置と閉じた成形位置との間で相対して移動可能な個別の成形型18を備えた固定式成形装置16とを有する。押出ユニット12は、第1の移動装置20によって、押し出された各プラスチックチューブ14と共に、成形型18の各移動位置に固定配置された成形装置16に対して互いに反対方向へ移動することができ、それによって各プラスチックチューブ14は、受取位置に配置された成形型18の各1つの受入スペース22に導入することが可能である。
【0021】
第1の移動装置20は、押出ユニット12を上端位置と下端位置との間で互いに反対方向に垂直移動させるために使用される。第1の移動装置20によって、押出ユニット12は直線的に移動可能であり、押出ユニット12を下端位置から出発して上端位置へ向けて上昇させることによって、成形装置16が閉じた状態で、各プラスチックチューブ14を連続的に引張状態に保ちながら押し出すことができ、また、押出ユニット12を上端位置から出発して下端位置へ向けて下降させることによって、このように押し出されたプラスチックチューブ14の一部を押出位置から成形装置16の開いた成形型18の間の成形位置に運ぶことができる。
【0022】
押出ユニット12は、押出ユニット12の移動方向に対して垂直、かつ、成形型18の移動方向に対して垂直に方向付けされた、互いに間隔を置いて平行に延びる2つの長手方向ビーム24を有する。各長手方向ビーム24は、垂直に整列された2つのコラムガイド26に沿って案内されており、これらのコラムガイド26は、直方体フレーム30の閉じているヘッドプレート28上に互いに間隔を置いて固定されて、各長手方向ビーム24を貫通している。長手方向ビーム24の成形装置16に対面する側の端部領域の間に、押出ユニット12の押出ヘッド32が固持されており、この押出ヘッド32はそれぞれ可塑化プラスチックをチューブ状に排出するために少なくとも1つの環状押出ノズル34を有している。プラスチック顆粒を可塑化プラスチックに溶融し、そうして可塑化したプラスチック材料を押出ヘッド32に供給するために、長手方向ビーム24の成形装置16とは反対側の端部の方向に、長手方向ビーム24の間に固定された押出スクリューユニット36が押出ヘッド32に隣接している。スクリューユニット36は、通常の駆動装置38によって駆動可能であり、駆動装置38は一部が長手方向ビーム24の成形装置16と反対側の端部領域の間に配置され、一部が成形装置16から離れる方向へ長手方向ビーム24を越えて突出している。スクリューユニット36の駆動装置38に対面する側の端部領域には、角度を付けた保持部40によって支持された貯蔵ホッパー42が、チューブ14の押出方向とは反対方向にスクリューユニット36から離れるように延びて、プラスチック顆粒をスクリューユニット36に供給するために設けられている。この限りで駆動装置38を備えたスクリューユニット36と貯蔵ホッパー42は、押出ユニット12の可塑化ユニット44の一部とされている。
【0023】
直方体フレーム30内には、第1の移動装置20の第1の駆動装置46が配置されて、フレーム30のヘッドプレート28に固持されている。第1の駆動装置46のアクチュエータロッド48はヘッドプレート28を貫通し、終端側でスクリューユニット36の支持構成、特にトラフ50に作用する。押出ユニット12は、第1の駆動装置46であるサーボモータのアクチュエータロッド48が進入及び進出することによって、
図1及び
図2の視線方向で見て上端位置から下端位置に繰り返し移動できる。
【0024】
押出ヘッド32は、少なくとも1つの充填マンドレル54を備えた充填装置52と連結されており、充填マンドレル54は少なくとも部分的に押出ヘッド32を通って垂直方向に延びている。各充填マンドレル54は、主型60によって成形された各容器本体に、充填されるべき流体を充填する役割を果たす。追加の移動装置56によって、各充填マンドレル54は上端位置と下端位置又は排出位置との間で押出ヘッド32に対して移動可能である。下端位置又は排出位置において、各充填マンドレル54は各押出ノズル34に包囲されて、押出ヘッド32から下方側に離れて各チューブ14の内部に延びている。各充填マンドレル54とそれを包囲するプラスチックチューブ14との間に支持空気を導入するための追加の空気ガイドは、簡略化のために図示されていない。充填マンドレル54を通して容器内に流体を導入する前に、成形型18内で容器10を成形するために、必要に応じて充填マンドレル54を通してブロー空気を供給することもできる。ブロー空気又は成形空気は、充填マンドレル54とは独立に特別なエアノズルを通して、例えば充填マンドレル54と同心円状に供給することもできる。それ以外に、容器10の成形は、容器製品10が最初はチューブ14として導入される型半体18に真空を加えることによって、全体的又は部分的に達成できる。
【0025】
成形装置16の成形型18を押出ユニット12の移動方向に相対して、横断方向に、即ち水平方向に移動させるために、第2の移動装置58が設けられており、これによって成形型18を開いた受取位置と成形シール位置との間で互いに反対方向に相対して移動させることが可能である。
【0026】
成形装置16の合計4つの成形型18がグループに区分されている。主型60の2つの成形型18は第1グループを形成し、各プラスチック容器10の容器本体を成形するのに用いられる。頂部型64の2つの成形型18は第2グループを形成し、このプラスチック容器10の頂部を成形するのに用いられる。各グループ60、64の両成形型18は、それらの各移動位置において、成形型18の移動方向に対して垂直に延び、各充填マンドレル54の長手方向軸線がある仮想平面68に対して互いに鏡面状に対向している。プラスチックチューブ14の押出方向に見て、最初に頂部型64のグループが設けられ、これに間隔を置かずに続いて主型60のグループが設けられている。各グループ60、64の両成形型18の互いに向き合う面は、成形面70として形成されている。頂部型64の各成形型18は、成形面70を起点として押出ヘッド32に向かって、かつ、チューブ14から離れる方向に延びる傾斜面72を有している。頂部成形型18、64の両傾斜面72は、頂部型64が閉じるとV字形の凹部を形成する。このようにして製造すべき容器10の長手方向列の直接的なプロセスシーケンスを連続した垂直容器チェーン74の形態で生み出すことができる。これは少ない材料投入で行われるため、結果としてチェーン74内の容器長手方向列の間に不必要な廃棄物が回避されている。
【0027】
成形装置16を保持するために、成形装置16が載せられている水平に位置合わせされた支持プレート78を有する支持装置76が設けられている。支持プレート78は、平面68に対して対称に互いに間隔を置いて配置された2つの支持プレート部分80を有している。各支持プレート部分80の中央領域には、成形型18の移動方向に整列されている、2つの直方体ガイド部分が上下に重ねてガイドブロック82として設けられている。各ガイドブロック82は、各成形型18を案内するための2つのガイドロッド84を案内する役割を果たす。両ガイドロッド84はそれらの自由端で、各成形型18を支持する、それぞれ1つの同じ型支持体88と連結されている。さらに、各ガイドブロック82は、ガイドロッド84の間で各ガイドブロック82を貫通して成形型18の移動方向に延びる2つのアクチュエータロッドを案内する役割を果たす。各アクチュエータロッドは、第2の移動装置58の各1つの第2のリニア駆動装置86によって駆動可能である。各第2の駆動装置86は、やはりサーボモータの形態で電気機械式に構成されており、各成形型18とは反対側の各ガイドブロック82の端面に固持されている。アクチュエータロッドの各自由端には、各型支持体88が固定されている。頂部型64の各型顎部18のための第2の駆動装置86のアクチュエータロッドが同期して進入及び進出することにより、頂部型64をその閉鎖位置又は受取位置から受取位置又は閉鎖位置に運ぶことができる。頂部型64の移動動作とは独立に、主型60及びこれに隣接して対向する型顎部18は、第2の駆動装置86のアクチュエータロッドが同期して進入及び進出することにより、その閉鎖位置又は受取位置から受取位置又は閉鎖位置に運ぶことが可能である。
【0028】
さらに、クランプバー92を備えた把持装置90が設けられている。クランプバー92はそれぞれ成形平面68に対して平行な方向に延び、各移動位置において平面68に対して互いに鏡面状に対向している。第3の移動装置94によって、クランプバー92は、第1の移動装置20の移動方向、即ち垂直に、クランプバー92が開いた主型60の間に配置されている上端位置と、クランプバー92が成形装置16の押出ヘッド32とは反対側で成形装置16の下方側に配置されている下端位置との間で移動できる。クランプバー92はそれらの移動区間の中間領域で両支持プレート部分80の間に配置されている。第3の移動装置94の第3の駆動装置96はフレーム30内に配置されて、把持装置90のベース体100に作用する垂直アクチュエータロッドを有している。ベース体100にはクランプバー92が直立して固持されている。ベース体100又はクランプバー92は、第3の移動装置94のアクチュエータロッドが進入又は進出することにより、下端位置又は上端位置から上端位置又は下端位置に運ぶことができる。第4の移動装置102によって、クランプバー92は少なくとも1つの完成した充填済み容器10を保持するクランプ位置と、容器チェーン74を装置から取り出すために各容器10を解放する解放位置との間で水平移動可能である。この第4の移動装置102の駆動装置104は、把持装置90のベース体100に整列されている。
【0029】
各移動可能な装置の「上/下端位置」」という用語は、本発明による装置が機能するように配置された場合に、この端位置は装置の設置面(工場床)から最も遠い位置若しくは最も近い位置に対応するという意味に理解すべきである。
【0030】
以下に、本発明による装置の機能を、本発明による製造方法によってより詳細に説明する。
【0031】
押出ユニット12によって、少なくとも1つの垂直に位置合わせされたプラスチックチューブ14が、固定された成形装置16の方向に連続的に押し出される。この場合、「連続的に」とは、製造プロセス全体を通して押出ユニット12からのプラスチックチューブ14の排出速度が実質的に中断されることなく一定であるという意味に理解されるべきである。保守目的、又は形型交換過程、並びに清掃目的などのために連続生産が中断されことは言うまでもない。
【0032】
プロセスサイクルの開始時に、第1の移動装置20によって、押出ユニット12は連続的に押し出される各チューブ14と共に、その上端位置から開いた成形装置16の方向へ、完成プラスチック容器10の全高からこの移動動作中に押し出されるチューブ長を引いた距離に相当する区間を進む。これにより、成形装置16の上方側に配置された各チューブ14の部分が、成形装置16の各受入スペース22内の成形位置に運ばれる(
図4)。押出ユニット12の移動動作と同時に、クランプ位置に配置されて各チューブ14の部分に続く少なくとも1つの完成した容器10を締め付けて把持する把持装置90は、第3の移動装置94によって、成形装置16の成形型18の間に配置された上端位置から、成形装置16の下方側に配置された下端位置に向かって移動する。その際に、各チューブ・容器チェーン74は、把持装置90によって、成形装置16が開いた状態で押出ヘッド32に対して引張状態に保たれる。押出ユニット12及び把持装置90の移動動作と同時に、各チューブ内部の少なくとも1つの充填マンドレル54が、その上端位置から下端位置に向かって延伸する。
【0033】
これに続いて、第2の移動装置58によって、主型60は開いた受取位置から成形シール位置へ移動され(
図5)、主成形型18、60の間に配置された、連続的に押し出されたチューブ14の各部分から、長手方向列において図示平面内に水平に延びる1つ又は複数のプラスチック容器10の各本体が成形される。次いで、各容器本体は、その下端位置に移動された各充填マンドレル54によって設定可能な充填量が充填され、長手方向列の各容器には1つの充填マンドレル54が割り当てられている。このために、各充填マンドレル54は、頂部型64の開いた成形型18の間を通って延び、この充填マンドレル54の自由端は、主型60の成形型18の間で各容器本体の内部に延伸している。主型60が閉止又は閉鎖した直後に、第4の移動装置102によって、把持装置90は、クランプ位置から各容器10を解放する解放位置に運ばれる。
【0034】
次に、各充填マンドレル54は、その上端位置へ向けて移動する。その後で、第2の移動装置58によって、頂部型64は開いた受取位置から成形シール位置へ運ばれて(
図6)、チューブ14の頂部成形型18、64の間に配置された各部分から、プラスチック容器16の各頂部が成形される。このとき、各容器10は密閉され又は無菌シールされて、成形、充填及び閉塞された容器10が完成する。
【0035】
各成形のために、各プラスチックチューブ14内に無菌空気を送入することによって過圧状態を発生させて、各プラスチックチューブ14をその成形過程で各成形型グループ60、64の成形面70の方向において安定させる。代替的又は追加的に、各成形型グループ60、64の内部とチューブ14の外部に負圧を発生させて、各閉じた成形型グループ60、64の成形面70にチューブ14を当接させる。
【0036】
次いで、第2の移動装置58によって、主成形型18、60が開かれ(
図7)、それに続いて、第3の移動装置94によって、把持装置90が各容器チェーン74に沿って主成形型18、60の間の上端位置に運ばれる。そうすることで、把持装置90は、完成した容器10の全高に実質的に対応する区間だけ移動する。第4の移動装置102によって、把持装置90は、上端位置において解放位置から各容器10を締め付けて把持するクランプ位置へ運ばれる。
【0037】
プラスチックチューブ14は、押出ユニット12から連続的に押し出されるので、少なくとも1つの成形型グループ60、64が閉じている間、プラスチックチューブ14を引張状態に保つために、押出ユニット12は、チューブ14と共にチューブ14の押出速度に対応する速度でその上端位置へ向けて移動する。押出ユニット12は、その下端位置へ向けては、プロセスに起因してチューブ14の押出速度よりも速い速度で移動する。
【0038】
その後で頂部型18、64は、第2の移動装置58によって開かれ(
図3)、それに続いて少なくとも1つの別の成形、充填及び閉塞された容器10を製造するためのプロセスが繰り返され得る。このプロセスを少なくとも2回通過することによって、少なくとも1つのプラスチック容器チェーン74が連続的に製造され、最後に完成した容器10は、後で分離される前はプラスチックチューブ14と結合している。
【0039】
最後に、各プラスチック容器10は、各プラスチック容器チェーン74における上流側のプラスチック容器10から分離されて(図示省略)、販売可能な最終製品となる。
【国際調査報告】