(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】皮膚の外観を改善するための化粧用マスク
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20230814BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230814BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20230814BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20230814BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230814BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230814BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/25
A61K8/29
A61K8/89
A61K8/31
A61K8/37
A61K8/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505793
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2021070871
(87)【国際公開番号】W WO2022023276
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/105518
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニー,アディティ・ジャヤヴァント
(72)【発明者】
【氏名】モン,ション
(72)【発明者】
【氏名】ワスカル,プリンシカ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA162
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC061
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC242
4C083AC331
4C083AC782
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD021
4C083AD042
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD352
4C083BB51
4C083CC07
4C083DD12
4C083DD27
(57)【要約】
次の、i)10~35重量%のクレイ;並びにii)0.001~5重量%の皮膚有益剤およびiii)50~1000nmの一次粒径を有し、親水性または疎水性薬剤の少なくとも1つで処理された0.1~5重量%の二酸化チタン粒子を含み;ここで、前記組成物は0.05~5重量%のシリコーン樹脂および該樹脂を可溶化するのに十分な量の該樹脂のための溶媒を含み、前記樹脂は、MQシリコーン樹脂、Tシリコーン樹脂またはそれらの混合物であり;前記シリコーン樹脂のための溶媒は、揮発性エステル、揮発性炭化水素、揮発性アルコール、または揮発性シリコーンのうちの少なくとも1つであるフェイスマスク化粧品組成物が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイスマスク化粧品組成物であって、以下の:
i)10~35重量%のクレイ;並びに
ii)0.001~5重量%の皮膚有益剤、および
iii)50~1000nmの一次粒径を有し、親水性または疎水性薬剤の少なくとも1つで処理された0.1~5重量%の二酸化チタン粒子;
を含み、
ここで、前記組成物は0.05~5重量%のシリコーン樹脂および該樹脂を可溶化するのに十分な量の該樹脂のための溶媒を含み、前記樹脂は、MQシリコーン樹脂、Tシリコーン樹脂またはそれらの混合物であり;
前記シリコーン樹脂のための溶媒は、揮発性エステル、揮発性炭化水素、揮発性アルコール、または揮発性シリコーンのうちの少なくとも1つである、前記フェイスマスク化粧品組成物。
【請求項2】
前記二酸化チタン粒子の粒径が50~250nmである、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記親水性薬剤が酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムまたはケイ酸アルミニウムであり、前記疎水性薬剤が、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛イソステアリン酸、ラウロイルリジンまたはジメチコンである、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記クレイが、カオリン、ベントナイトまたはカオリンとベントナイトとの組み合わせである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記クレイがカオリンとベントナイトとの組み合わせである場合、ベントナイトとカオリンとの重量比が1:0.25~1:5重量部である、請求項4に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記比が1:2~1:3重量部である、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記皮膚有益剤が皮膚に、光沢、均一な色調、皮膚の透明度または輝きの少なくとも1つを提供する、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記皮膚有益剤が、レチノール、レチニルエステル、レゾルシノール、ナイアシン、ニコチン酸、ナイアシンアミド、アラントイン、ユビキノン、共役リノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸または4-アルキルレゾルシノールのうちの少なくとも1つである、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記皮膚有益剤がナイアシンアミドである、請求項8に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
組成物の粘度が90,000~500,000mPa・s(cps)(5RPM、1分、25℃でRVT-Fを用いて測定)である、請求項1~9のいずれかに記載の化粧品組成物。
【請求項11】
前記組成物が長時間持続するスキンブライトニングを提供し、スキンブライトニングの程度が、デジタル非接触色測定ツールを使用して本明細書に記載されるように測定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
長時間持続するスキンブライトニングための、請求項1~11のいずれか一項に記載の化粧品組成物の使用。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の化粧品組成物を皮膚に適用することを含む、長時間持続するスキンブライトニングを提供する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の外観を改善するための化粧品組成物に関する。
【0002】
本発明は化粧品組成物に関し、特に顔および首に適用するための化粧品組成物に関する。より具体的には、該組成物がフェイスマスク、特にクレイベースのリンスオフマスクである。
【背景技術】
【0003】
従来、マスクとして記載される化粧品組成物は、スキンケア、一般に表皮の深部洗浄を提供することを意味するので、厚い層の形態で皮膚に適用されるように配合される。このケアを達成するために必要とされる適用時間、一般に10~45分後、この層は次いで、水ですすぐことによって、または代わりに湿った布もしくはティッシュを使用することによって除去される。
【0004】
我々の皮膚は、皮膚障害や強い日光および通常の老化プロセス(経時老化)などの環境要因による劣化を受けやすく、これらは日光への曝露(光老化)によって加速され得る。近年、皮膚の外観を改善するための化粧品組成物および化粧品方法に対する需要は、非常に大きくなっている。消費者は、しわ、小じわ、たるみ、色素沈着過剰および老化斑などの、経時老化および光老化皮膚の目に見える兆候を、治療、遅延または隠蔽するための化粧品組成物をますます求めている。
【0005】
WO2020109481A1(Unilever)は、ベントナイト、油、水、カオリンおよび増粘剤を有するクレイマスク組成物を開示している。組成物は界面活性剤を含まず、使用後に乾燥感を与えない。
【0006】
WO19016493A1(Cosmetic Warriors Ltd.)は、保湿剤;25~80%の水分;マイカ、ゼオライト、カラミンおよびそれらの混合物などの15~50%の無機物質;並びにゲル化剤を含む化粧料を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第WO2020109481号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO19016493号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、本発明による化粧品組成物が驚くべきことに、皮膚、特に顔の皮膚の外観の持続的な改善を提供することを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、以下を含むフェイスマスク化粧品組成物が開示される:
i)10~35重量%のクレイ;並びに
ii)0.001~5重量%の皮膚有益剤、および
iii)50~1000nmの一次粒径を有し、親水性または疎水性薬剤で処理された0.1~5重量%の二酸化チタン粒子;
ここで、前記組成物は0.05~5重量%のシリコーン樹脂および該樹脂を可溶化するのに十分な量の該樹脂のための溶媒を含み、前記樹脂はMQシリコーン樹脂、Tシリコーン樹脂またはそれらの混合物であり;および
前記シリコーン樹脂のための溶媒は、揮発性エステル、揮発性炭化水素、揮発性アルコールまたは揮発性シリコーンのうちの少なくとも1つである。
【0010】
第2の態様によれば、長時間持続するスキンブライトニングのための、第1の態様の化粧品組成物の使用が開示される。
【0011】
第3の態様によれば、第1の態様の化粧品組成物を皮膚に適用することを含む、長時間持続するスキンブライトニングを提供する方法が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用するとき、「皮膚」は、顔、首、頭皮、下腕、胸、背中、腕、手、脚、頭皮、足、臀部および腹部、好ましくは手、首、顔および下腕の皮膚を含むことを意味する。
【0013】
皮膚の表在的な欠陥は、シミ(老化によるシミ、斑点)、孔、小じわおよびしわ、並びに溝(本明細書では「小じわ」、「しわ」、および溝という用語は互換的に使用される。)を意味し、それらが含まれる。本明細書で使用される「老化によるシミ」は任意の色素沈着過剰(例えば、日光黒子を含む)、斑点および/またはそばかすを意味する。
【0014】
本明細書で使用される「治療または処置」という用語はその範囲内に、上述の皮膚状態を低減、遅延および/または予防し、一般に皮膚の質を高め、その外観および質感を改善することを含む。
【0015】
本明細書で使用するとき、「化粧品組成物」とは、哺乳動物、特にヒトの皮膚への局所適用のための組成物を含むことを意味する。このような組成物は一般に、リーブオン(leave-on)として分類され得るが、好ましくはすすぎ落とされる(リンスオフ)ものである。
【0016】
実施例または他に明示的に示されている場合を除いて、材料の量または反応の条件、材料の物理的特性および/または使用を示す、本明細書中のすべての数字は、任意選択で、「約」という用語によって修飾されていると理解され得る。全ての量は、別段の指定がない限り、最終組成物の重量による。本明細書で使用される「固形」という用語は、物質が25℃で流動性でないことを意味する。任意の範囲の値を指定する際に、所与の上限値を任意の下限値に関連付けることができることに留意されたい。疑義を避けるために、「含む」という用語は「包含する」を意味することを意図しているが、必ずしも「からなる」または「から構成される」とは限らない。言い換えれば、列挙された工程または選択肢は、網羅的である必要はない。本明細書で見出される本発明の開示は、特許請求の範囲が多数項従属関係や冗長性なしに見出され得るという事実にかかわらず、特許請求の範囲で見出されるすべての実施形態を、互いに多数項従属関係にあるものとして包含すると見なされるべきである。
【0017】
本発明の特定の態様(例えば、本発明の組成物)に関して特徴が開示される場合、そのような開示は必要な変更を加えて、本発明のあらゆる他の態様(例えば、本発明の方法)にも適用されると考えられるべきである。
【0018】
本明細書で使用される場合、マスクは、90,000~500,000mPa・s(cp)の粘度を有するペースト状物質を意味する(5RPM、1分、25℃でRVT-Fを使用して決定される)。本明細書を通して使用される粘度の単位cpsは、mPa.s(ミリパスカル秒)としてSI単位で読み取ることができる
【0019】
クレイ
本発明の組成物は、10~20重量%のクレイを含むことが好ましい。
【0020】
「クレイ」は主に微細粒鉱物から構成される天然の物質を意味し、これは、一般に、適切な水分含量で可塑性である。クレイは、通常、フィロケイ酸塩を含有するが、可塑性を付与し、乾燥または焼成されたときに硬化する他の物質を含有する可能性がある。例としては、カオリン、ベントナイト、マイト、バーミキュライト、スメクタイトおよびクロライトが挙げられる。
【0021】
Kirk-Othmer、Encyclopaedia of Chemical Technology、Volume 5、page 544、2nd edition、John Wiley and Sons,Inc.、New York、New York 1964を参照することができる。クレイは、天然または合成起源であってもよい。一態様では、好ましくはクレイが親水性である。あるいは、クレイは疎水性である。好ましいクレイの他の例としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、ラポナイト、フラー土、モンモリロナイト、アタパルガイト、パリゴルスカイト等が挙げられる。
【0022】
クレイは、カオリン、ベントナイトまたはカオリンとベントナイトとの組み合わせであることが好ましい。
【0023】
本発明の組成物は、4~18重量%、より好ましくは6~16重量%のカオリンを含むことが好ましい。このような場合、本発明の組成物は10重量%の最小量を満たすことができるように、少なくとも1種以上のクレイを含むことが明らかである。カオリン(またはカオリナイト)は、Al2Si2C5(OH)4を含む化学成分を有するコロイド状クレイ鉱物を意味する。このような鉱物は、クレイマスクの油水界面に付着するのに適している。カオリンは、1~5μmのメジアン粒径のコロイド粒子であることが好ましい。
【0024】
本発明の組成物は、4~12重量%、より好ましくは4~8重量%のベントナイトを含むことが好ましい。このような場合、本発明の組成物は10重量%の最小量を満たすことができるように、少なくとも1種以上のクレイを含むことが明らかである。本発明の組成物における使用に適したベントナイトは、例えば、H&H Clay,Inc.、Wyoming Bentonite、Brenntag Specialties,Inc.およびSigma Aldrichなどの供給業者から市販されている。
【0025】
好ましくは、クレイがカオリンとベントナイトとの組み合わせである場合、前記組成物中のベントナイトとカオリンとの重量比は1:0.25~1:5重量部である。さらに好ましくは、この比は1:2~1:3重量部である。
【0026】
シリコーン樹脂
本発明の化粧品組成物は、0.05~5重量%のシリコーン樹脂を含む。
【0027】
上記樹脂は、化粧品組成物における使用に適しており、フィルム形成性シリコーン樹脂であるべきである。当該シリコーン樹脂は、典型的には以下のシロキシモノマー単位によって記載される:
【化1】
R基は、飽和または不飽和炭化水素基から選択され得る。好ましくは、シリコーン樹脂がシロキシシリケート、シルセスキオキサンまたはそれらの混合物から選択される。より好ましくは、シリコーン樹脂がM単位、Q単位、T単位またはそれらの組み合わせを含む。さらにより好ましくは、シリコーン樹脂がMQシリコーン樹脂、Tシリコーン樹脂またはそれらの混合物を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、シリコーン樹脂が、好ましくは式[(R1)3-Si-O1/2]a-(Si-O4/2)bを有するMQシリコーン樹脂を含み、R1は互いに同じか異なる飽和炭化水素基から選択される。R1は、好ましくはC1~C6アルキルから選択され、より好ましくはそれぞれのR1はメチル基である。したがって、より好ましいMQシリコーン樹脂はトリメチルシロキシシリケートである。好ましくは、aおよびbが独立して、10~1000、より好ましくは30~200の範囲の値を有する。
【0029】
他の実施形態では、シリコーン樹脂が、好ましくは、R2が飽和炭化水素基から選択される式[R2-Si-O3/2]xのTシリコーン樹脂を含む。R2は、好ましくはC1~C6アルキルから選択され、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチルから選択され、最も好ましくはプロピルである。最も好ましいTシリコーン樹脂は、ポリプロピルシルセスキオキサンである。好ましくは、xは2000未満、より好ましくは500未満、好ましくは10超、より好ましくは50超である。
【0030】
シリコーン樹脂は、好ましくはMQシリコーン樹脂とTシリコーン樹脂とのブレンドを含み、MQシリコーン樹脂とTシリコーン樹脂との重量比は、より良好なフィルム形成性能を達成するために、好ましくは1:20~20:1である。より好ましくは、MQシリコーン樹脂対Tシリコーン樹脂の重量比が1:10~10:1、さらにより好ましくは1:5~5:1である。
【0031】
最も好ましい実施形態では、組成物はMQシリコーン樹脂を含む。好ましくは、MQシリコーン樹脂が全シリコーン樹脂の少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも40重量%、さらにより好ましくは少なくとも70重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%の量で存在する。最も好ましくは、MQシリコーン樹脂が全シリコーン樹脂の100重量%の量で存在する。
【0032】
本発明に適したシリコーン樹脂の例は、Dow Corning社製のDow Corning(商標)MQ-1640フレーク樹脂(MQとTプロピル樹脂との混合物)、Dow Corning(商標)MQ-1600固形樹脂(100%活性MQ樹脂)、Dow Corning(商標)670液(シクロペンタシロキサン(および)ポリプロピルシルセスキオキサン)を含む。
【0033】
本発明の組成物は、0.1~3重量%のシリコーン樹脂を含むことが好ましい。重量%への言及は固形分に基づく。好ましくは、シリコーン樹脂がトリメチルシロキシシリケート、ポリプロピルシリルセスキオキサンまたはこれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、シリコーン樹脂がトリメチルシロキシシリケートとポリプロピルシルセスキオキサンとの混合物である。
【0034】
溶媒
前記シリコーン樹脂のための溶媒は、揮発性エステル、揮発性炭化水素、揮発性アルコールまたは揮発性シリコーンの少なくとも1つであることが好ましい。
【0035】
溶媒が揮発性エステルである場合、それは好ましくはミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドまたは安息香酸C12~15アルキルの少なくとも1つである。
【0036】
溶媒が炭化水素である場合、それは好ましくはC11~13イソパラフィン、イソデカン、C13~15アルカン、イソヘキサデカンの少なくとも1つである。
【0037】
溶媒がアルコールである場合、それは好ましくはエタノールである。
【0038】
溶媒がシリコーンである場合、それは好ましくは、シクロペンタシロキサン(例えばXIAMETER PMX-0245)、粘度1~10cStのジメチルポリシロキサン(例えばXIAMETER PMX-200シリコーン液)、ポリフェニルメチルシロキサン(例えばDOWSIL(商標)556化粧品グレード液)またはカプリリル分岐トリシロキサンなどの揮発性アルキルメチルシロキサン(例えばDOWSIL(商標)FZ-3196液)の少なくとも1つである。
【0039】
溶媒は、樹脂を可溶化するのに十分な量で、樹脂の対応する量に比例する量で存在する。市販のシリコーン樹脂(例えばDow Corning(商標)670液)のいくつかは、すでに溶媒を含有している。
【0040】
溶媒はシリコーン、特にシクロペンタシロキサンであることが好ましい。
【0041】
二酸化チタン
本発明の組成物は、0.1~5重量%の二酸化チタン粒子であって、50~1000nmの一次粒径を有し且つ親水性または疎水性薬剤の少なくとも1つで処理された二酸化チタン粒子を含む。さらに好ましくは、酸化チタン粒子が親水性および疎水性薬剤で処理される。
【0042】
さらに好ましくは前記親水性薬剤が酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムまたはケイ酸アルミニウムであり、前記疎水性薬剤はステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸、ラウロイルリジンまたはジメチコンである。粒径は、Mac-View粒径分布(電子顕微鏡)法により測定することができる。
【0043】
粒径が50~250nmであり、粒子がステアリン酸(および)水酸化アルミニウムで処理されることが好ましい。そのような成分の例は、MT-700Z(80nmの粒径を有する。Tayca Corporation社製)である。
【0044】
あるいは、好ましくは、50~1000nmの一次粒径を有する酸化チタン粒子は以下のものからなる群から選択し得る:
【表1】
【0045】
皮膚有益剤
皮膚有益剤は、皮膚に光沢、均一な色調、皮膚の透明度または輝きのうちの少なくとも1つを提供することが好ましい。
【0046】
好ましくは組成物が0.1~3重量%の皮膚有益剤を含み、当該重量%の範囲は全ておよび任意の有益剤に適用される。
【0047】
好ましくは、皮膚有益剤は、レチノール、レチニルエステル、レゾルシノール、ナイアシン、ニコチン酸、ナイアシンアミド、アラントイン、ユビキノン、共役リノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸または4-アルキルレゾルシノールのうちの少なくとも1つである。
【0048】
「レチノール」という用語は、レチノールの以下の異性体:オールトランスレチノール、13-シス-レチノール、11-シス-レチノール、9-シス-レチノール、3,4-ジデヒドロ-レチノールを含む。好ましい異性体はオールトランス-レチノール、13-シス-レチノール、3,4-ジデヒドロ-レチノール、9-シス-レチノールである。最も好ましいのは、その広範な商業的入手可能性のために、オールトランスレチノールである。
【0049】
レチニルエステルは、レチノールのエステルである。本発明での使用に適したレチニルエステルは、レチノールのC1~C30エステル、好ましくはC2~C20エステル、最も好ましくはC2、C3、およびC16エステルであり、それらはより一般的に入手可能であるからである。レチニルエステルの非限定的な例としては、レチニルパルミテート、レチニルホルメート、レチニルアセテート、レチニルプロピオネート、レチニルブチレート、レチニルバレレート、レチニルイソバレレート、レチニルヘキサノエート、レチニルヘプタノエート、レチニルオクタノエート、レチニルノナノエート、レチニルデカノエート、レチニルウンデカノエート、レチニルラウレート、レチニルトリデカノエート、レチニルミリステート、レチニルペンタデカノエート、レチニルヘプタデカノエート、レチニルステアレート、レチニルイソステアレート、レチニルノナデカノエート、レチニルアラキドネート、レチニルベヘネート、レチニルリノレエート、レチニルオレエート、レチニルラクタート、レチニルグリコレート、レチニルヒドロキシカプリレート、レチニルヒドロキシラウレート、レチニルタータレートが挙げられる。本発明で使用するのに好ましいエステルはレチニルパルミテート、レチニルアセテートおよびレチニルプロピオネートから選択されるが、これらは有効であるだけでなく、最も市販されており、したがって最も安価なためである。
【0050】
レゾルシノールおよびその誘導体は、化粧品における使用を含む多種多様な用途を有する。レゾルシノールは、抗酸化、日光防御、抗ニキビ、防腐および他の治療特性を有することが報告されている。特に、4-アルキルレゾルシノールは、美肌効果およびスキンブライトニング効果を有することが報告されている。本発明における使用のための特に好ましいレゾルシノールは、4-置換レゾルシノールである。最も好ましい4-置換レゾルシノールは、4-エチルレゾルシノール、4-ヘキシルレゾルシノール、4-ブチルレゾルシノールまたは4-フェネチルレゾルシノールを含む4-アルキルレゾルシノールである。
【0051】
ビタミンB3化合物は、長時間のスキンブライトニング剤として知られている。それらはまた、皮膚に有益な様々な他の特性を有することが報告されている。ビタミンB3化合物またはその誘導体としては、ナイアシン、ニコチン酸およびナイアシンアミドが挙げられ、ナイアシンアミドが最も好ましい。
【0052】
共役リノール酸(CLA)は、しわ、小じわ、たるみ、色素沈着過剰および老化によるシミのような加齢または光および日光照射への曝露に対する正常な皮膚状態の有効な治療および予防のために知られている。共役リノール酸はリノール酸の位置異性体および幾何異性体の群を含み、(6、8)、(7、9)、(8、10)、(9、11)、(10、12)または(11、13)位におけるシスおよびトランス二重結合の様々な立体配置が可能である。各位置異性体は、4つの幾何異性体を有することができる。例えば、(6,8)異性体の場合、シス-6-シス-8、シス-6-トランス-8、トランス-6-シス-8およびトランス-6-トランス-8幾何異性体が存在し得る。同様に、残りの5つの位置異性体について、4つの幾何異性体が存在し得る。したがって、CLAの24種の異なる異性体が存在し得る。CLAは、「リノール酸」とは異なる。リノール酸は、化学的にシス-9、シス-12-オクタデカジエン酸と呼ばれる直鎖脂肪酸である。リノール酸の場合、2つの二重結合は共役していない。
【0053】
ユビキノンはコエンザイムQ10としても知られ、それは1,4-ベンゾキノンであり、Qはキノン化学基を指し、10はその尾部におけるイソプレニル化学サブユニットの数を指す。それは、脂質およびタンパク質の酸化の開始および波及の両方を阻害する。また、ビタミンEなどの他の抗酸化剤も再生する。化粧品では、抗酸化剤としてユビキノンが使用されている。
【0054】
アラントインは5-ウレイドヒダントインまたはグリオキシルジウレイドと呼ばれる。それはグリオキシル酸のジウレイドである。それは、しばしば、リップスティック、化粧ローションおよびクリーム中に存在し、プリン異化作用による尿酸の酸化のために抗酸化剤として使用される。
【0055】
12-ヒドロキシステアリン酸(一般に「12-HSA」と呼ばれる)は皮膚に対して多種多様な有益な美容効果を有することが報告されており、例えば、PPAR-α(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体サブタイプα)活性化剤、スキンブライトニング剤および皮脂分泌阻害剤として知られている。12-HSAはまた、伝統的に、ゲル化剤として、例えば、リップスティックおよび制汗組成物において使用されている。12-HSAは、化粧品組成物の粘度を増加させるためにも使用されている。
【0056】
化粧品組成物の粘度は、90,000~500,000cps(5RPM、1分、25℃でRVT-Fを用いて測定)であることが好ましい。より好ましくは、粘度が100,000~300,000cps、さらにより好ましくは100,000~200,000cpsであり、その中に包含される全ての範囲を含む。
【0057】
本発明の化粧品組成物が化粧用フェイスマスクであることが特に好ましい。
【0058】
一態様では、フェイスマスクが顔面への直接塗布によって使用される。あるいは、好ましくはフェイスマスクが水不溶性多孔質基材を含み、本発明の組成物が当該基材に含浸されている製品である。そのような場合、水不溶性多孔質基材は、好ましくは紙、ポリマーウェブ、布地、またはそれらの複合材/混合物から選択される。多孔質基材は、好ましくは紙または布である。多孔質基材は好ましくは別個のシート、そのようなシートの束として構成され、好ましくは消費者に販売するための束として一緒に包装される。このようなシートのそれぞれの面積は、好ましくは100~1000cm2、好ましくは300~500cm2、より好ましくは350~450cm2である。さらなる好ましい態様における多孔質基材は、鼻、口、および目のための穴を有する個人の顔への適用が好都合な形状に構成される。
【0059】
さらに好ましくは、本発明の化粧品組成物が擦り落とし剤、剥離剤または研磨剤を含む。好ましくは、この薬剤がプラスチックまたはマイクロプラスチックではない。好ましくは、薬剤がクルミ殻粒子、糖、塩、種子、軽石、オート麦、またはそのような目的のために使用される化粧品として許容される他の成分である。
【0060】
本明細書で有用な不揮発性ポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0061】
本発明の化粧品組成物が有機ポリシロキサンクロスポリマーを含む場合、該ポリマーは好ましくはダウ・コーニング(9040、9041、9045、9506および9509)、ゼネラル・エレクトリック(SFE 839)、信越(KSG-15、16および18[ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー])およびグラント・インダストリーズ(Gransilブランドの材料)を含む様々な供給業者から入手可能なジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーまたはジメチコンクロスポリマーや、信越(例えば、KSG-31、KSG-32、KSG-41、KSG-42、KSG-43およびKSG-44)によって供給されるラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーである。
【0062】
組成物が非シリコーン皮膚軟化剤を含む場合、該皮膚軟化剤は、好ましくはステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、ミンクオイル、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン-2-オール、イソセチルアルコール、エイコサニルアルコール、ベヘニルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ-n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム種子油、菜種油、サフラワー油、月見草油、大豆油、ヒマワリ種子油、アボカド油、ゴマ油、ココナッツ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、ワセリン、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチルおよびこれらの混合物である。
【0063】
エステル皮膚軟化剤の中には、10~20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステルがある。これらの例には、ネオペンタン酸イソアラキジル、ネオペンタン酸イソデシル、イソナノン酸イソノニル、リシノール酸セチル、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイルおよびオレイン酸オレイルが含まれ;エトキシル化脂肪族アルコールの脂肪酸エステルなどのエーテル-エステルが含まれ;多価アルコールエステルが含まれ、ブチレングリコールまたはエチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200-6000)モノ-およびジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-およびジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノ-ステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが満足できる多価アルコールエステルである。特に有用なものは、ペンタエリトリトール、トリメチロールプロパンおよびC1-C30アルコールのネオペンチルグリコールエステルである。典型的なものは、ペンタエリトリチルテトラエチルヘキサノエート;蜜ろう、鯨ろうおよびトリベヘニンワックスなどのワックスエステル;コレステロール脂肪酸エステルが例であるステロールエステル;ポリベヘン酸スクロースおよびポリ綿実油スクロースなどの脂肪酸の糖エステル;または前述の2つ以上の混合物である。
【0064】
適切な皮膚軟化剤である炭化水素としては、ワセリン、鉱油、C11~C13イソパラフィン、ポリアルファオレフィン、イソヘキサデカンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0065】
好ましくは、本発明の化粧品組成物が20~80重量%の水、より好ましくは40~75%の水を含む。この水は、担体の一部を形成する。
【0066】
保湿剤には、多価アルコール型のものが含まれる。典型的な多価アルコールとしてはポリアルキレングリコール、より好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロールおよびその混合物を含む、アルキレンポリオールおよびその誘導体が挙げられる。保湿剤の量は例えば、組成物の0.5~50重量%、より好ましくは1~15重量%の範囲であってよい。最も好ましいのは、グリセロール(グリセリンとしても知られる)である。グリセリンの量は、例えば0.5~50重量%、より好ましくは1~35重量%、最適には2~15重量%の範囲であり得る。
【0067】
様々な増粘剤を組成物に含めることができる。限定するものではないが、ステアリン酸、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体(Aristoflex AVC)、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ポリアクリレート(Carbopol(登録商標)980、Carbopol(登録商標)1342、Pemulen(登録商標)TR-2およびUltrez(登録商標)シックナーを含むカルボマーなど)、ポリサッカライド(キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、カラギーナンおよびスクレロチウムガムを含む)、セルロース(カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびメチルヒドロキシメチルセルロースを含む)、鉱物(タルク、シリカ、アルミナ、マイカおよびクレイを含み、後者はベントナイト、ヘクトライトおよびアタパルジャイトに代表される)、マグネシウムアルミニウムケイ酸塩およびそれらの混合物である。増粘剤の量は例えば、組成物の0.05~10重量%、より好ましくは0.3~5重量%の範囲であり得る。
【0068】
粉末としては、チョーク、タルク、デンプン、ガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびモノステアリン酸エチレングリコールが挙げられる。
【0069】
好ましくは、組成物が50~1000nmの一次粒径を有する二酸化チタン粒子以外のさらなる顔料を含む。顔料は、典型的には高屈折率材料の粒子である。例えば、顔料は、1.3より大きい屈折率を有する可能性がある。より好ましくは1.8より大きく、最も好ましくは2.0~2.7である。そのような顔料の例は、オキシ塩化ビスマス、硫酸バリウム、雲母、シリカ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛またはそれらの組み合わせを含むものである。より好ましい顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母、酸化鉄またはそれらの組み合わせを含む粒子である。さらにより好ましい顔料は酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化チタンまたはこれらの組み合わせを含む粒子であり、これらの材料は特に高い屈折率を有する。さらにより好ましくは顔料が二酸化チタン、酸化亜鉛またはそれらの混合物から選択され、最も好ましい白色化顔料は二酸化チタンである。
【0070】
好ましくは、組成物が0.001~10重量%の顔料、より好ましくは0.01~6重量%、さらに好ましくは0.1~3重量%、最も好ましくは0.2~2重量%の顔料を含む。
【0071】
本発明の化粧品組成物は物理的特性および性能を向上させるために、当技術分野で一般的な他の成分をさらに含んでもよい。
【0072】
本発明の組成物における使用に適した任意の成分としては、カモミール、緑茶、リコリス、ブドウ種子、セージ、アロエベラ、タイム、ローズマリーなどの抽出物やそれらの混合物などが挙げられる。他の成分には、グリセリンおよび/またはソルビトールのような保湿剤、ビタミンCのようなビタミン類やジヒドロキシアセトン、並びにベンゾフェノン-4およびフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸のような日焼け止め剤、ビタミンA(およびその油溶性誘導体)、D、E(およびその油溶性誘導体)およびK、メトキシシンナメート、オクチルメトキシシンナメート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ドロメトリゾールトリシロキサンまたはこれらの混合物のような日焼け止め剤が含まれる。
【0073】
存在する場合、そのような成分は、0.01~10重量%の範囲内の量で存在し得る。
【0074】
本発明で使用するのに適した伝統的な防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルである。他の防腐剤としては、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩および様々な第四級アンモニウム化合物が挙げられる。化粧品の開発に関わる化学者は適切な防腐剤を熟知しており、防腐剤のチャレンジ試験に合格し、製品の安定性をもたらす防腐剤を日常的に選択している。特に好ましい防腐剤は、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、1,2-オクタンジオール、ヒドロキシアセトフェノン、エチルヘキシルグリセリン、ヘキシレングリコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびベンジルアルコールである。防腐剤は、組成物の使用および組成物中の防腐剤と他の成分との間の可能な不適合性を考慮して選択されるべきである。防腐剤は、好ましくは組成物の総重量の0.01重量%~2.5重量%の範囲の量で使用され、その中に包含される全ての範囲を含む。1,2-オクタンジオールおよびフェノキシエタノール、またはヨードプロピニルブチルカルバメートおよびフェノキシエタノールの組み合わせが好ましく、フェノキシエタノールおよび1,2-オクタンジオールは集合的に、好ましくは、本発明の組成物の総重量の2重量%未満を構成する。ヒドロキシアセトフェノン単独または他の防腐剤との混合物を含む防腐剤系も好ましい。
【0075】
特定の油および有益剤を安定化するために、化粧品組成物に適した酸化防止剤を使用することは、本発明の範囲内である。本発明における使用に適した酸化防止剤の実例は、Tinogard DA、Tinogard TT(BASFから市販されている)、ブチル化ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、それらのtert-ブチルヒドキノン混合物などである。使用される場合、酸化防止剤は、組成物の総重量の約0.001~1.0重量%を占める。
【0076】
本発明の組成物は、好ましくは大気条件および周囲温度下で、成分を中程度の剪断(典型的にはプロペラブレードを用いて)で混合することによって調製される。固体成分が存在する場合、加熱は任意である。混合は、好ましくは、90,000~500,000cpsの粘度を有するクレイマスク組成物が回収されるまでSilverson Homogenizerを用いてホモゲナイズされた均一な組成物を得た後に停止される。加熱が望まれる場合、組成物の温度は、周囲温度から35~50℃(その中に包含される全ての範囲を含む)に上昇される。
【0077】
本発明の組成物のための包装は、ジャーまたはチューブ、並びに化粧品、クリーム、洗浄およびローションタイプの製品に典型的に見られる任意の他の仕様であり得る。組成物は局所的に適用することができ、好ましくは、皮膚1平方センチメートル当たり1~4ミリグラムの組成物を適用する。
【0078】
使用および方法
第2の態様によれば、長時間持続するスキンブライトニングのための化粧品組成物の使用が開示される。好ましくは、前記組成物の薄膜がフェイスマスクとして適用され、10~45分間顔面上に置いた後、水ですすぎ落とされる。スキンブライトニング効果は、適用の4~20時間後にも知覚可能であることが好ましい。さらに好ましくは、適用の4~20時間後のスキンブライトニングの程度が、顔を洗浄した直後の効果の80~100%の範囲内である。スキンブライトニングの程度は、デジタル非接触色測定ツールを使用して本明細書に記載されるように測定されることがさらに好ましい。
【0079】
色安定性を評価するために、色変化(ΔE)はHunter lab色空間L*、a*およびb*によって示される色測定に基づいて計算され、ここで、L*は白黒空間であり、a*は緑-赤色空間であり、b*は青-黄色空間である。例えば、より大きいL*値はより白いことを意味し、より小さいb*値はより青いことを意味する。
【0080】
上述の水溶液の画像は時間ゼロ(すなわち、それらが作製された直後)および保存期間の終わり(すなわち、4週間の終わり)に捕捉された。全ての画像は、Hunter lab-lab scan XE装置を使用して、L
*、a
*およびb
*データに変換した。第4週および第0週(初期データ)におけるL
*、a
*およびb
*の値を用いて、ΔEを以下の式により計算した:
【化2】
【0081】
フェイスマスクとして使用される場合、製品の適用は、任意の従来のフェイスマスクの場合と同様に行うことができる。例えば、製品の適切なサイズの部分が組成物から取り出されると、前記部分は、次いで、使用者の皮膚に適用される。任意選択で、前記部分は、少量の水と混合され、次いで、使用者の皮膚に適用されてもよい。次いで、適用された組成物を乾燥させ、典型的には約30分まで皮膚上に放置することができる。次いで、製品を皮膚から洗い落とす。これはまた、製品を皮膚から洗い落とす際に、使用者にとって心地よい鎮静感覚を提供する。
【0082】
したがって、本発明の組成物は長時間持続するスキンブライトニングを提供することが好ましく、ここで、スキンブライトニングの程度はデジタル非接触色測定ツールを使用して本明細書に記載されるように測定される。
【0083】
別の態様によれば、第1の態様の化粧品組成物を皮膚に適用することを含む、長時間持続するスキンブライトニングを提供する方法が開示される。
【0084】
好ましくは、組成物がフェイスマスクとして適用され、10~45分間顔面上に置いた後、水ですすがれる。さらに好ましくは、スキンブライトニングが適用の4~20時間後にも知覚可能である。さらに好ましくは、適用の4~20時間後のスキンブライトニングの程度が、顔面を洗浄した直後の効果の80~100%の範囲内である。
【0085】
本発明の全ての他の態様は発明の詳細な説明および以下の実施例を考慮することにより、より容易に明らかになるのであろう。
【0086】
以下の実施例は、本発明の理解を容易にするために提供される。実施例は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0087】
実施例1
組成物を表1に記載する。組成物Cは対照であり、組成物1は本発明によるものであった。
【表2】
【0088】
ΔE*値を以下に記載のように測定し、表2に要約した。ΔE*値は、ブライトニングの指標であり、ブライトニングは輝く肌を意味する。
【0089】
クレイマスクを50#Plain Bio-skinプレートに塗布した。投与量は2mg/cm2であった。
【0090】
組成物を30分間乾燥させ、その後、DigiEye(登録商標)を用いて写真を撮影した。これらのコーティングされたBio-skinプレートのL(明度について)、aおよびb(反対色座標について)を、DigiEye Imaging System(Verivide、UK)を用いて測定した。次いで、プレートを洗浄機で洗浄して、人が顔を洗浄するために取る通常のステップをシミュレートした。次いで、プレートを空気流下で乾燥させ、その後、写真を再びクリックした。プレートを20時間乾燥させた後、写真を再びクリックした。
【0091】
皮膚の色を画像から測定し、CIE L*a*b*値として表した。L*は明度(100=白、0=黒)を表し、a*は緑(-ve値)から赤(+ve値)軸を表し、b*は青(-ve値)から黄(+ve値)軸を表す。クリーム塗布前後の明度および赤緑色の変化は、L*=L(前)-L(後)・a=a(後)-a(前)と計算した。
【0092】
ΔE
*値は、以下のように測定した:
【化3】
【表3】
【0093】
上記のデータは次のことを示す:
a)塗布後30分で、組成物1のΔE*は、比較組成物よりも5ポイント高かった。
b)プレートを洗浄した直後、組成物1のΔE*は、比較組成物よりもはるかに高かった。
c)プレートを洗浄した20時間後、組成物1のΔE*は、洗浄直後の値と同じままであった。
【0094】
したがって、組成物1は、比較組成物と比較して、スキンブライトニングまたは皮膚を輝かせる点ではるかに有効であった。
【国際調査報告】