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  • 特表-トランスミッションケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-21
(54)【発明の名称】トランスミッションケース
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/04 20100101AFI20230814BHJP
【FI】
F16H57/04 G
F16H57/04 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505803
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2020109212
(87)【国際公開番号】W WO2022021484
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】202010730828.8
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003926
【氏名又は名称】弁理士法人イノベンティア
(72)【発明者】
【氏名】リ、 ジャンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 シュートン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、 シィェンウェン
(72)【発明者】
【氏名】リ、 ジャチー
【テーマコード(参考)】
3J063
【Fターム(参考)】
3J063AA02
3J063AC01
3J063AC03
3J063BA15
3J063BB11
3J063CA01
3J063CD41
3J063XH02
3J063XH13
3J063XH22
3J063XH42
3J063XH43
(57)【要約】
本発明には、トランスミッションケースが開示されている。当該トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの第1冷却液槽が設けられており、第1冷却液槽の底部上側のトランスミッションケース内に潤滑液が設けられており、第1冷却液槽が潤滑液を冷却するために用いられ、第1冷却液槽内にいくつかの平行した仕切壁が設けられており、仕切壁によって第1冷却液槽が少なくとも2つの連通したサブ槽に仕切られ、サブ槽内には、冷却液を分流するための第1固定ガイドリブ及び第2サスペンションガイドリブが設けられている。本発明のトランスミッションケースでは、トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの冷却液槽を設けることにより、トランスミッションケース内における潤滑液の冷却を実現可能であり、冷却液槽内に循環冷却液の流れの案内用のサスペンションガイドリブ及び固定ガイドリブを設けることにより、冷却液とトランスミッションケースとの放熱接触面積が増大され、冷却液が流れなかったり渦流が発生したりする死角が回避され、放熱効果がよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッションケースであって、
前記トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの第1冷却液槽が設けられており、前記第1冷却液槽の底部上側の前記トランスミッションケース内に潤滑液が設けられており、前記第1冷却液槽が前記潤滑液を冷却するために用いられ、
前記第1冷却液槽内にいくつかの平行した仕切壁が設けられており、前記仕切壁によって前記第1冷却液槽が少なくとも2つの連通したサブ槽に仕切られ、前記サブ槽の両側の仕切壁又は前記第1冷却液槽の内壁には、互いに交差する複数の第1固定ガイドリブがそれぞれ突き出されていることにより、前記冷却液が流通する連続したS字状又は迷路状の通路が形成されており、
前記第1冷却液槽に第1液入口及び第1液出口が設けられており、前記第1液入口及び前記第1液出口が前記第1冷却液槽の一端又は両端に設けられており、隣接する2つの前記第1固定ガイドリブの間、及び、前記第1固定ガイドリブと前記第1液入口との間、及び/又は、前記第1固定ガイドリブと前記第1液出口との間に、孤立した第1サスペンションガイドリブが設けられている、ことを特徴とするトランスミッションケース。
【請求項2】
前記第1サスペンションガイドリブが前記第1固定ガイドリブに対して傾斜して設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッションケース。
【請求項3】
前記第1サスペンションガイドリブの両側の前記第1冷却液槽の底部の深さが異なることにより、前記第1冷却液槽の底部の内側面及び外側面が波状とされており、かつ、前記第1冷却液槽の底部の深さが前記トランスミッションケースの内部のギアの位置に応じて調整可能である、ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッションケース。
【請求項4】
前記第1冷却液槽の4つの側壁の頂部に環状凹溝が設けられており、前記環状凹溝内に、前記第1冷却液槽を密封するためのシールワッシャが設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載のトランスミッションケース。
【請求項5】
前記環状凹溝の外側にいくつかのネジ穴が設けられており、前記第1冷却液槽に第1カバープレートがさらに設けられており、前記第1カバープレートが前記ネジ穴及びねじによって前記第1冷却液槽に固定されており、前記第1カバープレート及び前記ねじが沈み込んで設けられており、前記第1カバープレートが前記第1冷却液槽に固定されると、前記トランスミッションケースの底部が同一平面上とされる、ことを特徴とする請求項4に記載のトランスミッションケース。
【請求項6】
前記第1液入口が、モータウォータージャケットの内部の冷却液通路に連通されているか、又は、前記第1液入口がモータの冷却液通路出口に接続されている、ことを特徴とする請求項5に記載のトランスミッションケース。
【請求項7】
前記トランスミッションケースの底部又は側端面に、前記トランスミッションケースの側辺内部の冷却を実現する第2冷却液槽がさらに設けられており、前記第2冷却液槽に第2カバープレートが設けられており、前記第2冷却液槽の両端にそれぞれ第2液入口及び第2液出口が設けられており、前記第1液出口と前記第2液入口とが接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のトランスミッションケース。
【請求項8】
前記第2冷却液槽内に複数の第2固定ガイドリブが設けられており、隣接する2つの前記第2固定ガイドリブがそれぞれ前記第2冷却液槽の2つの対向する内壁に接続されることにより、冷却液は、連続したS字状又は迷路状をなすように複数の前記第2固定ガイドリブの間を流れ、隣接する2つの前記第2固定ガイドリブの間、及び、前記第2固定ガイドリブと前記第2液入口との間、及び/又は、前記第2固定ガイドリブと前記第2液出口との間に、孤立した第2サスペンションガイドリブが設けられている、ことを特徴とする請求項7に記載のトランスミッションケース。
【請求項9】
前記第2固定ガイドリブと前記第2液入口との間の第2サスペンションガイドリブが、前記第2冷却液槽の槽壁に対して傾斜して設けられ、残りの前記第2サスペンションガイドリブが前記第2固定ガイドリブに対して平行に設けられており、前記第2サスペンションガイドリブの両側の前記第2冷却液槽の底部の深さが異なることにより、前記第2冷却液槽の底部の内側面及び外側面がともに波状とされており、前記第2冷却液槽の底部の波状の振れ幅は、前記第2液入口から前記第2液出口に向かって階段状に減少されている、ことを特徴とする請求項8に記載のトランスミッションケース。
【請求項10】
前記第2サスペンションガイドリブが錐形台であり、渦流の発生が防止されるように、前記錐形台の側面が弧面及び/又は斜面で構成されている、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のトランスミッションケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスミッション構造の技術分野に関し、特に、トランスミッションケースに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業の継続的な発展に伴い、トランスミッション(ギアボックス)及び動力系全体は、ますます複雑な運転状況に対応する必要があり、トランスミッションの最高回転速度、温度上昇状況及び寿命の両立に対するユーザの需要は、ますます差し迫っており、従来の放熱構造を用いたトランスミッションケースは、大電力、大トルク、最高車速及び最高寿命の両立に対する自動車産業の車両発展要件を満たせなくなっている。
【0003】
現在、従来のトランスミッションケースの液冷放熱構造は、放熱面積が小さくて、冷却液の死角が存在する等の欠点を有するため、トランスミッションケースと冷却液との熱交換率が低く、放熱性能がよくない。ある程度では、トランスミッションケース及び内部の運転部品に損害が与えられ、トランスミッションシステムの伝動性能及び使用寿命に影響が与えられてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記課題に対して、本発明は、上記問題を解消するか、又は、上記問題を少なくとも部分的に解決するために、トランスミッションケースを開示している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明には、以下の技術案が用いられている。
【0006】
本発明には、トランスミッションケースが開示されており、前記トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの第1冷却液槽が設けられており、前記第1冷却液槽の底部上側の前記トランスミッションケース内に潤滑液が設けられており、前記第1冷却液槽が前記潤滑液を冷却するために用いられ、
前記第1冷却液槽内にいくつかの平行した仕切壁が設けられており、前記仕切壁によって前記第1冷却液槽が少なくとも2つの連通したサブ槽に仕切られ、前記サブ槽の両側の仕切壁又は前記第1冷却液槽の内壁には、互いに交差する複数の第1固定ガイドリブがそれぞれ突き出されていることにより、前記冷却液が流通する連続したS字状又は迷路状の通路が形成されており、
前記第1冷却液槽に第1液入口及び第1液出口が設けられており、前記第1液入口及び前記第1液出口が前記第1冷却液槽の一端又は両端に設けられており、隣接する2つの前記第1固定ガイドリブの間、及び、前記第1固定ガイドリブと前記第1液入口との間、及び/又は、前記第1固定ガイドリブと前記第1液出口との間に、孤立した第1サスペンションガイドリブが設けられている。
【0007】
さらに、前記第1サスペンションガイドリブが前記第1固定ガイドリブに対して傾斜して設けられている。
【0008】
さらに、前記第1サスペンションガイドリブの両側の前記第1冷却液槽の底部の深さが異なることにより、前記第1冷却液槽の底部の内側面及び外側面が波状とされており、かつ、前記第1冷却液槽の底部の深さが前記トランスミッションケースの内部のギアの位置に応じて調整可能である。
【0009】
さらに、前記第1冷却液槽の4つの側壁の頂部に環状凹溝が設けられており、前記環状凹溝内に、前記第1冷却液槽を密封するためのシールワッシャが設けられている。
【0010】
さらに、前記環状凹溝の外側にいくつかのネジ穴が設けられており、前記第1冷却液槽に第1カバープレートがさらに設けられており、前記第1カバープレートが前記ネジ穴及びねじによって前記第1冷却液槽に固定されており、前記第1カバープレート及び前記ねじが沈み込んで設けられており、前記第1カバープレートが前記第1冷却液槽に固定されると、前記トランスミッションケースの底部が同一平面上とされる。
【0011】
さらに、前記第1液入口が、モータウォータージャケットの内部の冷却液通路に連通されているか、又は、前記第1液入口がモータの冷却液通路出口に接続されている。
【0012】
さらに、前記トランスミッションケースの底部又は側端面に、前記トランスミッションケースの側辺内部の冷却を実現する第2冷却液槽がさらに設けられており、前記第2冷却液槽に第2カバープレートが設けられており、前記第2冷却液槽の両端にそれぞれ第2液入口及び第2液出口が設けられており、前記第1液出口と前記第2液入口とが接続されている。
【0013】
さらに、前記第2冷却液槽内に複数の第2固定ガイドリブが設けられており、隣接する2つの前記第2固定ガイドリブがそれぞれ前記第2冷却液槽の2つの対向する内壁に接続されることにより、冷却液は、連続したS字状又は迷路状をなすように複数の前記第2固定ガイドリブの間を流れ、隣接する2つの前記第2固定ガイドリブの間、及び、前記第2固定ガイドリブと前記第2液入口との間、及び/又は、前記第2固定ガイドリブと前記第2液出口との間に、孤立した第2サスペンションガイドリブが設けられている。
【0014】
さらに、前記第2固定ガイドリブと前記第2液入口との間の第2サスペンションガイドリブが、前記第2冷却液槽の槽壁に対して傾斜して設けられ、残りの前記第2サスペンションガイドリブが前記第2固定ガイドリブに対して平行に設けられており、前記第2サスペンションガイドリブの両側の前記第2冷却液槽の底部の深さが異なることにより、前記第2冷却液槽の底部の内側面及び外側面がともに波状とされており、前記第2冷却液槽の底部の波状の振れ幅は、前記第2液入口から前記第2液出口に向かって階段状に減少されている。
【0015】
さらに、前記第2サスペンションガイドリブが錐形台であり、渦流の発生が防止されるように、前記錐形台の側面が弧面及び/又は斜面で構成されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の利点及び有益な効果は、下記の通りである。
【0017】
本発明のトランスミッションケースでは、トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの冷却液槽を設けることにより、トランスミッションケース内における潤滑液の冷却を実現可能であり、冷却液槽内に循環冷却液の流れの案内用のサスペンションガイドリブ及び固定ガイドリブを設けることにより、冷却液とトランスミッションケースとの放熱接触面積が増大され、冷却液が流れなかったり渦流が発生したりする死角が回避される。本発明のトランスミッションケースは、熱交換効率が高くて、他の放熱構造に対して製造コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読むことにより、様々な他の利点及びメリットが当業者にとって明らかになる。図面は、好ましい実施形態を例示するためのものだけであり、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。また、図面全体において、同じ部品には同じ参照符号が付されている。
【0019】
図1図1は、本発明の一実施例によるトランスミッションケースの部分構造図である。
図2図2は、本発明の一実施例によるトランスミッションケースのA-Aにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、本発明の具体的な実施例及び対応する図面と併せて、本発明の技術案を明確かつ完全に説明する。明らかなことに、記載された実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲内に含まれる。
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の各実施例による技術案を詳しく説明する。
【0022】
本発明の一実施例には、トランスミッションケースが開示されている。図1に示すように、前記トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの第1冷却液槽1が設けられており、前記第1冷却液槽1の底部上側の前記トランスミッションケース内に潤滑液が設けられており、第1冷却液槽1と潤滑液とを接触させるとともに、第1冷却液槽1内に冷却液を通すことで、前記第1冷却液槽1による前記潤滑液の冷却を実現して、トランスミッションケースの内部部品の温度を低下させることができる。
【0023】
前記第1冷却液槽1内に、いくつかの平行した仕切壁2が設けられており、前記仕切壁2によって前記第1冷却液槽1が少なくとも2つの連通したサブ槽に仕切られ、仕切られるサブ槽の数は、トランスミッションケースの幅に応じて決定可能であり、前記サブ槽の両側の仕切壁2又は前記第1冷却液槽1の内壁には、互いに交差する複数の第1固定ガイドリブ3がそれぞれ突き出されていることにより、前記冷却液が流通する連続したS字状又は迷路(ラビリンス)状の通路が形成されており、第1固定ガイドリブ3を設けることで、第1冷却液槽1内での冷却液の流れ経路が増加されて、冷却液と第1冷却液槽1の内壁との接触面積が増大され、熱交換が促進される。
【0024】
具体的に、第1固定ガイドリブ3の一端は、第1冷却液槽1の内壁又は仕切壁2と一定の角度をなして接続され、第1固定ガイドリブ3の他端と第1冷却液槽1の他側の内壁又は仕切壁2との間には一定の隙間が設けられており、ここで、角度及び隙間が、冷却液の流れ経路及び流量に応じて調整可能である。そして、第1固定ガイドリブ3の数及び厚さが、サブ槽の寸法及びトランスミッションケースの肉厚に応じて調整可能である。
【0025】
前記第1冷却液槽1に第1液入口4及び第1液出口5が設けられており、前記第1液入口4及び前記第1液出口5が前記第1冷却液槽1の一端又は両端に設けられており、勿論、第1液入口4及び第1液出口5の位置が必要に応じて調整可能であり、隣接する2つの前記第1固定ガイドリブ3の間、及び、前記第1固定ガイドリブ3と前記第1液入口4との間、及び/又は、前記第1固定ガイドリブ3と前記第1液出口5との間に、孤立した第1サスペンションガイドリブ6が設けられている。こうして、冷却液の流れの死角を防止し、渦流を回避することができる。前記第1固定ガイドリブ3及び前記第1サスペンションガイドリブ6が、放熱面積を増やして、放熱性能を向上させるために設けられている。
【0026】
以上をまとめて、本発明の当該実施例によるトランスミッションケースは、トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの冷却液槽を設けることにより、トランスミッションケース内における潤滑液の冷却を実現可能であり、冷却液槽内に循環冷却液の流れの案内用のサスペンションガイドリブ及び固定ガイドリブを設けることにより、冷却液とトランスミッションケースとの放熱接触面積が増大され、冷却液が流れなかったり渦流が発生したりする死角が回避され、本発明のトランスミッションケースは、熱交換効率が高くて、他の放熱構造に対して製造コストが低い。
【0027】
一実施例において、図1に示すように、前記第1サスペンションガイドリブ6が前記第1固定ガイドリブ3に対して傾斜して設けられている。こうして、冷却液の乱れが増やされ、熱の伝達に有利である。第1サスペンションガイドリブ6と第1固定ガイドリブ3とが一定の角度をなす位置関係にあり、第1サスペンションガイドリブ6の両端と第1冷却液槽1の両側の内壁又は仕切壁2との間には、冷却液が流通する一定の隙間がそれぞれ備えられており、ここで、角度及び隙間が、冷却液の流れ経路及び流量に応じて調整可能である。それに、第1サスペンションガイドリブ6の数及び厚さが、サブ槽の寸法及びトランスミッションケースの肉厚に応じて調整可能である。
【0028】
1つの好ましい実施例において、図2に示すように、前記第1サスペンションガイドリブ6の両側の前記第1冷却液槽1の底部の深さが異なることにより、前記第1冷却液槽1の底部の内側面及び外側面が波状とされており、かつ、前記第1冷却液槽1の底部の深さが前記トランスミッションケースの内部のギアの位置に応じて調整可能であり、当該構造を設置することにより、第1冷却液槽1とトランスミッションケース内の潤滑液との接触面積を効果的に増加させ、放熱をより良く行うことができる。
【0029】
一実施例において、図1に示すように、前記第1冷却液槽1の4つの側壁の頂部に環状凹溝7が設けられており、前記環状凹溝7内に、第1冷却液槽1を密封するためのシールワッシャが設けられている。
【0030】
一実施例において、図1に示すように、前記環状凹溝7の外側にネジ穴8がいくつか設けられており、前記第1冷却液槽1に第1カバープレートがさらに設けられており、前記第1カバープレートが前記ネジ穴8及びねじによって前記第1冷却液槽1に固定されており、ここで、ネジ穴8の数及び位置が必要に応じて調整可能であり、前記第1カバープレート及び前記ねじが沈み込んで設けられており、前記第1カバープレートが前記第1冷却液槽1に固定されると、前記トランスミッションケースの底部が同一平面上とされ、その結果、トランスミッションケースの体積が低減される。
【0031】
一実施例において、第1液入口4は、トランスミッションケースとモータケースとが接続される端面に設けられてもよく、モータケースに設けられた通路により、前記第1液入口4とモータウォータージャケットの内部の冷却液通路との連通が実現され、循環冷却液が、モータの冷却液通路から、結合面におけるトランスミッションケースに設けられた冷却液の第1液入口4を直接経由してトランスミッションの第1冷却液槽1内に入る。
【0032】
第1液入口4に1つの水ノズルが設けられ、そして、冷却液配管によって前記第1液入口4とモータの冷却液通路出口との接続が実現されるようにしてもよい。循環冷却液が、モータの冷却液通路出口から流出し、外部冷却液配管を経由して、トランスミッションの第1冷却液槽1の外壁に設けられた第1液入口4に入ることで、トランスミッションの第1冷却液槽1内に入る。
【0033】
一実施例において、図1及び図2に示すように、前記トランスミッションケースの底部又は側端面に、前記トランスミッションケースの側辺内部の潤滑液の冷却を実現する第2冷却液槽9がさらに設けられており、勿論、第2冷却液槽9の数が、具体的な状況に応じて設定可能であり、複数であってもよい。前記第2冷却液槽9に第2カバープレートが設けられており、第2カバープレートと第2冷却液槽9との間にシールリングが設けられ、ねじ及びネジ穴によって固定されている。そして、第2カバープレートも沈み込んで設けられている。前記第2冷却液槽9の両端にそれぞれ第2液入口10及び第2液出口11が設けられており、前記第1液出口5と前記第2液入口10とが接続されている。冷却液とトランスミッションケースとの間で熱がより良く伝達され易くなるように、第2液出口11の位置の高さが第1液入口4よりも高い。
【0034】
一実施例において、図1に示すように、前記第2冷却液槽9内に複数の第2固定ガイドリブ12が設けられており、隣接する2つの前記第2固定ガイドリブ12がそれぞれ前記第2冷却液槽9の2つの対向する内壁に接続されることにより、冷却液は、連続したS字状又は迷路状をなすように複数の前記第2固定ガイドリブ12の間を流れ、第2固定ガイドリブ12の一端は、第2冷却液槽9の内壁と一定の角度をなして接続され、第2固定ガイドリブ12の他端と第2冷却液槽9の他方の内壁との間には一定の隙間が設けられており、第2固定ガイドリブ12と第2冷却液槽9の内壁との角度及び隙間が、冷却液の流れの経路及び流量に応じて調整可能である。そして、第2固定ガイドリブ12の数及び厚さが、トランスミッションケースの寸法及び肉厚に応じて調整可能である。
【0035】
また、隣接する2つの前記第2固定ガイドリブ12の間、及び、前記第2固定ガイドリブ12と前記第2液入口10との間、及び/又は、前記第2固定ガイドリブ12と前記第2液出口11との間に、孤立した第2サスペンションガイドリブ13が設けられている。こうして、冷却液の流れの死角を防止し、渦流を防止することができる。第2サスペンションガイドリブ13は、底部のみが第2冷却液槽9の底部に接続されており、前記第2固定ガイドリブ12、特に前記第2サスペンションガイドリブ13は、放熱面積を増やし、流路での渦流の発生を回避し、放熱性能を向上させるために使用可能に設けられている。
【0036】
一実施例において、図1に示すように、冷却液をより良く分流するために、前記第2固定ガイドリブ12と前記第2液入口10との間の第2サスペンションガイドリブ13が、前記第2冷却液槽9の槽壁に対して傾斜して設けられ、残りの前記第2サスペンションガイドリブ13が前記第2固定ガイドリブ12に対して平行に設けられている。これにより、渦流の発生を効果的に防止し、冷却液を、第2固定ガイドリブ12と第2サスペンションガイドリブ13との間をスムーズに通過させることができる。前記第2サスペンションガイドリブ13の両側の前記第2冷却液槽9の底部の深さが異なることにより、前記第2冷却液槽9の底部の内側面及び外側面がともに波状とされている。こうして、冷却液及びトランスミッションケース内の潤滑液と第2冷却液槽9の底部との接触面積が増大され、放熱が促進される。ここで、波状の振れ幅は、調整可能である。
【0037】
図2から分かるように、前記第2冷却液槽9の底部の波状の振れ幅が、前記第2液入口10から前記第2液出口11に向かって階段状に減少されている。こうして、冷却液の流れの死角を回避し、放熱効果を高めることができる。
【0038】
一実施例において、前記第2サスペンションガイドリブ13が錐形台であり、渦流の発生が防止されるように、前記錐形台の側面が弧面及び/又は斜面で構成されている。勿論、第2サスペンションガイドリブ13が、優れた案内効果を有する他の構造であってもよい。同様に、第2固定ガイドリブ12の側面も、同じ効果が奏されるように、弧面及び/又は斜面で構成されてもよい。
【0039】
以上をまとめて、本発明には、トランスミッションケースが開示されており、トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの第1冷却液槽が設けられており、第1冷却液槽の底部上側のトランスミッションケース内に潤滑液が設けられており、第1冷却液槽が潤滑液を冷却するために用いられ、第1冷却液槽内にいくつかの平行した仕切壁が設けられており、仕切壁によって第1冷却液槽が少なくとも2つの連通したサブ槽に仕切られ、サブ槽の両側の仕切壁又は第1冷却液槽の内壁には、互いに交差する複数の第1固定ガイドリブがそれぞれ突き出されていることにより、冷却液が流通する連続したS字状又は迷路状の通路が形成されており、第1冷却液槽に第1液入口及び第1液出口が設けられており、第1液入口及び第1液出口が第1冷却液槽の一端又は両端に設けられており、隣接する2つの第1固定ガイドリブの間、及び、第1固定ガイドリブと第1液入口との間、及び/又は、第1固定ガイドリブと第1液出口との間に、孤立した第1サスペンションガイドリブが設けられている。本発明のトランスミッションケースでは、トランスミッションケースの底部又は側部にいくつかの冷却液槽を設けることにより、トランスミッションケース内における潤滑液の冷却を実現可能であり、冷却液槽内に循環冷却液の流れの案内用のサスペンションガイドリブ及び固定ガイドリブを設けることにより、冷却液とトランスミッションケースとの放熱接触面積が増大され、冷却液が流れなかったり渦流が発生したりする死角が回避され、本発明のトランスミッションケースは、熱交換効率が高くて、他の放熱構造に対して製造コストが低い。
【0040】
上述したのは、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記の具体的な記載は、本発明の目的をより良く解釈するためのものであり、本発明の保護範囲が特許請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 第1冷却液槽、2 仕切壁、3 第1固定ガイドリブ、4 第1液入口、5 第1液出口、6 第1サスペンションガイドリブ、7 環状凹溝、8 ネジ穴、9 第2冷却液槽、10 第2液入口、11 第2液出口、12 第2固定ガイドリブ、13 第2サスペンションガイドリブ。
図1
図2
【国際調査報告】