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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-22
(54)【発明の名称】車両用ダイナミックミラー
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/08 20060101AFI20230815BHJP
   G02B 5/23 20060101ALI20230815BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20230815BHJP
   G02B 5/28 20060101ALI20230815BHJP
   G02F 1/15 20190101ALI20230815BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20230815BHJP
【FI】
G02B5/08 E
G02B5/23
G02B5/26
G02B5/28
G02F1/15 501
B32B7/023
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577283
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 CA2021050963
(87)【国際公開番号】W WO2022011463
(87)【国際公開日】2022-01-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521067832
【氏名又は名称】ソルティア・カナダ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(74)【代理人】
【識別番号】100220098
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 薫
(72)【発明者】
【氏名】サージェント,ジョナサン・ロス
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン,ライアン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フィンデン,ジェレミー・グラハム
(72)【発明者】
【氏名】ブランダ,ニール・ロビン
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート,グレッグ
(72)【発明者】
【氏名】シニア,ジェイムズ・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,マシュー・ニール
【テーマコード(参考)】
2H042
2H148
2K101
4F100
【Fターム(参考)】
2H042DA02
2H042DA03
2H042DA04
2H042DA05
2H042DA08
2H042DB05
2H042DB10
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2H042DE01
2H148DA01
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2H148GA01
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2H148GA61
2K101AA22
2K101AA36
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2K101EK07
4F100AB10B
4F100AB13B
4F100AB24B
4F100AB25B
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4F100JN28E
(57)【要約】
ミラーおよびスイッチング材料を含む、反射される光の量を変化させることができるダイナミックミラーアセンブリが開示される。スイッチング材料は、ミラーとビューアの間に配置され、暗状態および明状態を有し、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応のうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射される光の量を変化させることができるダイナミックミラーアセンブリであって、
a.ミラーと、
b.ミラーとビューアの間に配置され、暗状態および明状態を有するスイッチング材料であり、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応のうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える、スイッチング材料と
を含む、ダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項2】
スイッチング材料が、フォトクロミック反応だけによって他方向に切り替わる、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項3】
スイッチング材料が、エレクトロクロミック反応だけによって他方向に切り替わる、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項4】
スイッチング材料が、フォトクロミック反応とエレクトロクロミック反応の両方によって他方向に切り替わる、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項5】
ミラーが、可視光領域で高反射性であり、紫外領域で高透過性である、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項6】
ミラーが、片側では反射性、反対側では透過性を呈する相反性ミラーである、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項7】
スイッチング材料が、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応のうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える、発色団を含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項8】
スイッチング材料が、ポリビニルブチラールをさらに含む、請求項7に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項9】
ミラーが、透明基板上にスパッタされた金、クロム、アルミニウム、または銀のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項10】
ミラーが、高および低屈折率材料の交互の層を有する多層誘電体を含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項11】
発色団が、一つの波長範囲の光によって励起されると、フォトクロミック反応を介して暗状態に切り替わり、異なる波長範囲の光によって励起されると、フォトクロミック反応を介して明状態に切り替わる、請求項7に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項12】
状態変化のうちの一方を駆動するために一定の波長範囲で発光する発光ダイオードを、スイッチング材料と対向するミラーの片側にさらに含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項13】
発光ダイオードが、スイッチング材料を明状態から暗状態に駆動する、請求項12に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項14】
一定の波長が、約350nm~約410nmであり、スイッチング材料を暗化する働きをする、請求項12に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項15】
450nm~800nmの波長範囲内の光を発して、スイッチング材料を明化するさらなる発光ダイオードをさらに含む、請求項12に記載のダイナミックミラー。
【請求項16】
フィルタリングされた日光がスイッチング材料を暗状態から明状態に遷移させるように、スイッチング材料と日光の間にフィルタをさらに含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項17】
フィルタリングされた日光がスイッチング材料を暗状態から明状態に遷移させるように、スイッチング材料と日光の間にフィルタをさらに含む、請求項13に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項18】
スイッチング材料が、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料を含み、スイッチング材料が、日光に応答して暗化し、電気に応答して明化する、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項19】
スイッチング材料が、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料を含み、スイッチング材料が、光に応答して暗化し、電気に応答して明化する、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項20】
スイッチング材料が、P型フォトクロミック材料を含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項21】
スイッチング材料の暗状態が、-20℃~50℃の温度範囲で、または-30℃~60℃の温度範囲で、または-40℃~70℃の温度範囲で光源を除去すると、明状態に自発的に戻らない、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項22】
日中モードおよび夜間モードを有し、日中モード中は高反射率状態にあり、夜間モード中は低反射率状態にある、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項23】
ダイナミックミラーアセンブリが、時計、光センサ、またはGPS信号のうちの1つまたは複数に基づき、日中モードであるべきか、または夜間モードであるべきかを制御する制御装置を含む、請求項22に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【請求項24】
手動入力に従って、または時計、光センサ、もしくはGPS信号のうちの1つもしくは複数に基づき自動的に、暗状態と明状態の間の中間状態にダイナミックミラーアセンブリを置くことができる制御装置をさらに含む、請求項1に記載のダイナミックミラーアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は一般に、車両用のサイドビューミラーまたはリアビューミラーなどの輸送手段で用いられるミラーに関する。物品は、より詳細には、フォトクロミックまたはフォトクロミック/エレクトロクロミックハイブリッド技術を用いて明化(lighten)または暗化(darken)するように設計されている。
【背景技術】
【0002】
[0002]自動車車両の運転において安全性の重要な側面は、車両の運転者の視野を強化するリアおよびサイドビューミラーの性能である。グレア(日中の日光または夜間の別の車両のヘッドライトのいずれかに起因する特性を表す用語として本明細書で使用する)の差し込み時、この性能は著しく損なわれ得る。グレアは、直射日光もしくは反射日光、または他の車両のヘッドライトの明るい光によってミラーをはっきり見ることを困難にし得、グレアは、目を向けているもの(例えば他の車両)から入る光とグレア源の有意差に起因する。
【0003】
[0003]多くの自動車ミラーは、視界を改善するために、ある種の防眩技術(anti-glare technology)を採用する。旧式のミラーは、反射光の量が大幅に減少するように、ミラーの角度を調整する機械技術を採用する。透過する光の量を動的に調整できる材料も、リアビューミラーを製造するために用いられ得る。エレクトロクロミックミラー、例えばGentex Corporation of Zeeland、MI製のものが、当技術分野で周知である(例えば、特許番号US4443057)。
【0004】
[0004]グレアを解決するために動的光学フィルタを用いる別の例は、フォトクロミック材料の利用である。US5373392は、眼鏡で用いられるものと同様のフォトクロミック材料(例えばUS5274132およびUS5369158)が蛍光UV光源を用いて暗化される「フォトクロミック光制御ミラー」を記載している。アイウェア技術と同様に、これらのフォトクロミックスイッチング材料は、熱戻り反応に依存して、再び明状態に遷移させる。熱戻り反応は、ミラーの正常な動作温度時に自然に起こる。しかし、熱戻り反応の速度および反応の程度は、ミラーが受ける温度によって影響される。結果的に、達成された暗状態およびこのような既存のフォトクロミック技術のスイッチング速度は温度に著しく依存する。より寒い温度では、フォトクロミック媒体の光定常状態は、ミラーがより緩慢な熱戻り反応によって一層暗くなるように移行し、効果的な使用には暗すぎる場合がある。逆に、より暖かい温度では、フォトクロミック媒体の光定常状態は、ミラーが、より急速な熱戻り反応によって暗くなくなるように移行し、効果的な使用には明るすぎる場合があり、低反射状態または夜間モードでの欠点が明らかである。
【0005】
[0005]生じる別の問題は、一部のこれらの技術が、US20050270614A1と同様に連続光源によって制御されることである。言い換えれば、フォトクロミック材料を暗化させて、暗いままに維持するために、特定の波長を発する光源を継続してオンとしなくてはならず、全体的な電力消費を増大させる。その場合、熱が、分解速度を高め、フォトクロミック材料の光定常状態をさらに変化させるため、この連続光源から発生した熱の散逸の結果としての問題も生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一態様では、本発明は、反射される光の量を変化させることができるダイナミックミラーアセンブリに関する。本発明によれば、ダイナミックミラーは、ミラーと、ミラーとビューアの間に配置され、暗状態および明状態を有するスイッチング材料であり、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応のうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える、スイッチング材料とを含む。
【0007】
[0007]本発明のさらなる態様が、本明細書中で開示され、特許請求される。
【0008】
[0008]これらのおよび他の特徴は、添付の図面を参照する以下の説明からより明らかになるであろう。図は、例示的なものであり、別段示されない限り、相対的な比率または縮尺を示さない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]一例によるミラーの分解組立図である。
図2】[0010]別の例によるミラーの分解組立図である。
図3】[0011]別の例によるミラーの分解組立図である。
図4】[0012]別の例によるミラーの分解組立図である。
図5】[0013]別の例によるミラーの概略図である。
図6a】[0014]別の例によるプロトタイプミラーの実施形態を示す図である。
図6b】[0014]別の例によるプロトタイプミラーの実施形態を示す図である。
図6c】[0014]別の例によるプロトタイプミラーの実施形態を示す図である。
図6d】[0014]別の例によるプロトタイプミラーの実施形態を示す図である。
図7】[0015]ミラーを暗化および明化するために用いられるLEDに電力を供給するための単純回路を示す概略図である。
図8】[0016]回路基板上のLED回路の一実施形態を示す図である。
図9a】[0017]異なる実施形態によるLED配置を示す図である。
図9b】[0017]異なる実施形態によるLED配置を示す図である。
図9c】[0017]異なる実施形態によるLED配置を示す図である。
図9d】[0017]異なる実施形態によるLED配置を示す図である。
図10】[0018]LEDを暗化および明化するための汎用回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]様々な態様では、本発明は、可変反射率を有する、車両、特に自動車用のリアビューおよびサイドビューミラーなどのダイナミックミラーに関する。すなわち、ミラーが反射する光の量は、例えば、夜間の後続車のヘッドライトからのグレアを低減するために状況に応じて変化し得る。ミラーは、例えば、フォトクロミックまたはフォトクロミック/エレクトロクロミック材料を含むスイッチング材料を含み得、これは選択的に明化または暗化され得、それにより、ユーザ制御を通じて、または時間および/もしくは地理的な位置および/もしくはセンサ入力に基づく自動システムを通じて、ミラーにより多くのまたはより少ない光を反射させる。
【0011】
[0020]一態様では、その場合には、本発明は、反射される光の量を変化させることができ、ミラーおよびスイッチング材料を含むダイナミックミラーアセンブリに関する。スイッチング材料は、ミラーとビューアの間に配置され、暗状態および明状態を有し、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応のうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える。
【0012】
[0021]一態様では、ミラーは、可視光領域で高反射性であり、紫外領域で高透過性である。一態様では、ミラーは、片側では反射性、反対側では透過性を呈する相反性ミラーであり得る。
【0013】
[0022]一態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応のうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える、発色団を含む。
【0014】
[0023]別の態様では、スイッチング材料は、ポリビニルブチラールなどのポリマーをさらに含み得る。さらに別の態様では、ミラーは、透明基板上にスパッタされた金、クロム、アルミニウム、または銀のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0015】
[0024]さらなる態様では、ミラーは、高および低屈折率材料の交互の層を有する多層誘電体を含み得る。
【0016】
[0025]さらに別の態様では、用いられる発色団は、1つの波長範囲の光によって励起されると、フォトクロミック反応を介して暗状態に切り替わり、異なる波長範囲の光によって励起されると、フォトクロミック反応を介して明状態に切り替わることができる。
【0017】
[0026]さらなる態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、状態変化のうちの一方を駆動するために一定の波長範囲で発する発光ダイオードを、スイッチング材料と対向するミラーの片側にさらに含み得る。さらに別の態様では、発光ダイオードは、スイッチング材料を明状態から暗状態に駆動し得る。さらなる態様では、約350nm~約410nmの一定の波長を有する発光ダイオードが用いられ得、スイッチング材料を暗化する働きをする。さらに別の態様では、ダイナミックミラーアセンブリは、450nm~800nmの波長範囲内の光を発して、スイッチング材料を明化するさらなる発光ダイオードを含み得る。
【0018】
[0027]本発明によれば、ダイナミックミラーアセンブリは、フィルタリングされた日光が、スイッチング材料を暗状態から明状態に遷移させるように、スイッチング材料と日光の間にフィルタをさらに含み得る。
【0019】
[0028]別の態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料を含み得、スイッチング材料は、光に応答して暗化し得、電気に応答して明化し得る。さらに別の態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料を含み得、スイッチング材料は、光に応答して暗化し、電気に応答して明化する。本発明の態様によれば、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料は、1つまたは複数の発色団を含み得る。
【0020】
[0029]他の態様では、スイッチング材料は、フォトクロミックまたはフォトクロミック-エレクトロクロミックスイッチング材料のいずれかであり得、P型フォトクロミック材料を含み得る。
【0021】
[0030]本発明のダイナミックミラーアセンブリの一態様では、スイッチング材料の暗状態は、-20℃~50℃の温度範囲で、または-30℃~60℃の温度範囲で、または-40℃~70℃の温度範囲で光源を除去すると、明状態に自発的に戻らない。別の態様では、ダイナミックミラーアセンブリは日中モードおよび夜間モードを有し、ミラーアセンブリは日中モード中は高反射率状態にあり、夜間モード中は低反射率状態にある。
【0022】
[0031]一態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、ミラーが、時計、光センサ、またはGPS信号のうちの1つまたは複数に基づき、日中モードであるべきか、または夜間モードであるべきかを制御する制御装置を含み得る。別の態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、手動入力に従って、または時計、光センサ、もしくはGPS信号のうちの1つもしくは複数に基づき自動的に、暗状態と明状態の間の中間状態にミラーを置くことができる制御装置をさらに含み得る。
【0023】
[0032]別の態様では、本発明は、反射される光の量を変化させることができ、ミラーおよびスイッチング材料を含むダイナミックミラーアセンブリに関する。スイッチング材料は、ミラーとビューアの間に配置され、暗状態および明状態を有し、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応、またはエレクトロクロミック反応、または閾値温度を超える温度での熱戻りのうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える。
【0024】
[0033]態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック反応だけによって、エレクトロクロミック反応だけによって、またはフォトクロミック反応とエレクトロクロミック反応の両方によって他方向に切り替える。
【0025】
[0034]別の態様では、スイッチング材料は、閾値温度を超える温度での熱戻りだけによって他方向に切り替える。
【0026】
[0035]一態様では、ミラーは、可視光領域で高反射性であり、紫外領域で高透過性である。
【0027】
[0036]別の態様では、ミラーは、片側では反射性、反対側では透過性を呈する相反性ミラーである。
【0028】
[0037]さらなる態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、フォトクロミック反応またはエレクトロクロミック反応または閾値温度を超える温度での熱戻りのうちの1つまたは複数によって他方向に切り替える発色団を含む。
【0029】
[0038]一態様では、スイッチング材料は、ポリビニルブチラールをさらに含む。
【0030】
[0039]一態様では、ミラーは、透明基板上にスパッタされた金、クロム、アルミニウム、または銀のうちの1つまたは複数を含み得る。別の態様では、ミラーは、高および低屈折率材料の交互の層を有する多層誘電体を含み得る。
【0031】
[0040]一態様では、発色団は、1つの波長範囲の光によって励起されると、フォトクロミック反応を介して暗状態に切り替わり、異なる波長範囲の光によって励起されると、フォトクロミック反応を介して明状態に切り替わる。
【0032】
[0041]本発明によれば、ダイナミックミラーアセンブリは、状態変化のうちの一方を駆動するために一定の波長範囲で発する発光ダイオードを、スイッチング材料と対向するミラーの片側にさらに含み得る。一態様では、発光ダイオードは、スイッチング材料を明状態から暗状態に駆動し得る。別の態様では、一定の波長は約350nm~約410nmであり、スイッチング材料を暗化する働きをする。
【0033】
[0042]一態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、スイッチング材料を明化するための450nm~800nmの波長範囲内の光を発するさらなる発光ダイオードをさらに含み得る。別の態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、フィルタリングされた日光が、スイッチング材料を暗状態から明状態に遷移させるように、スイッチング材料と日光の間にフィルタをさらに含み得る。
【0034】
[0043]一態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料を含み、スイッチング材料は、日光に応答して暗化し、電気に応答して明化する。別の態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック-エレクトロクロミック材料を含み、スイッチング材料は、光に応答して暗化し、電気に応答して明化する。さらに別の態様では、スイッチング材料は、P型フォトクロミック材料を含む。
【0035】
[0044]さらに別の態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック的に明状態に切り替わり、閾値温度を超える温度での熱戻りによって暗状態に切り替わるフォトクロミック材料を含み得る。さらなる態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック的に暗状態に切り替わり、閾値温度を超える温度での熱戻りによって明状態に切り替わるフォトクロミック材料を含む。
【0036】
[0045]様々な態様では、本発明に従って有用な閾値温度は、少なくとも50℃、または少なくとも60℃、または少なくとも70℃である。
【0037】
[0046]一態様では、スイッチング材料の暗状態は、-20℃~50℃の温度範囲で、または-30℃~60℃の温度範囲で、または-40℃~70℃の温度範囲で光源を除去すると、明状態に自発的に戻らない。
【0038】
[0047]一態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは日中モードおよび夜間モードを有し、ダイナミックミラーアセンブリは、日中モード中は高反射率状態にあり、夜間モード中は低反射率状態にある。
【0039】
[0048]一態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、ダイナミックミラーアセンブリが、時計、光センサ、またはGPS信号のうちの1つまたは複数に基づき、日中モードであるべきか、または夜間モードであるべきかを制御する制御装置を含む。別の態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、手動入力に従って、または時計、光センサ、もしくはGPS信号のうちの1つもしくは複数に基づき自動的に、暗状態と明状態の間の中間状態にダイナミックミラーアセンブリを置くことができる制御装置を含む。
【0040】
[0049]一態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック反応によって少なくとも一方向に状態を切り替え、熱戻りによって他方向に切り替え、閾値温度は、ダイナミックミラーの通常の動作温度範囲より高い。別の態様では、本発明のダイナミックミラーアセンブリは、起こる熱反応によって他方向にスイッチング材料を駆動する加熱素子をさらに含み得る。
【0041】
[0050]さらに別の態様では、スイッチング材料は、フォトクロミック反応によって暗化し、閾値温度を超える温度で生じる熱戻りによって明化する発色団を含む。さらなる態様では、閾値温度は、60℃超、または70℃超、または80℃超、または90℃超である。
【0042】
[0051]本発明のダイナミックミラーアセンブリが、暗状態および明状態を有するスイッチング材料を有すると言うとき、2つの相対的な状態を指しており、暗状態は、透過した光の量が、明状態で透過した光の量より少ない状態である。明状態と暗状態の間の相対的な中間状態は可能であり望ましく、各中間状態は別の状態より明るいまたは暗いことが理解される。スイッチング材料はミラーとビューアの間に配置されるため、暗状態ではアセンブリにおいて、ミラーから明状態より少ない光を反射するようになる。
【0043】
[0052]フォトクロミック反応というとき、光に曝露されると材料を明化または暗化し、このようにして材料の暗または明状態に影響を与える反応を意味する。エレクトロクロミック反応というとき、電流に曝露されると材料を明化または暗化し、このようにして材料の暗または明状態に影響を与える反応を意味する。閾値温度を超える温度での熱戻りというとき、閾値温度を超える温度に曝露されると材料を明化または暗化する働きをし、このようにして材料の暗または明状態に影響を与える、閾値温度を超える温度でのより熱力学的に安定な状態への逆戻りを意味する。暗状態および明状態を有するスイッチング材料が、何らかの方向に状態を切り替えるとは、これが、既に記載したように明状態から暗状態、または相対的な語で、暗状態から明状態に変化することを意味する。
【0044】
[0053]スイッチング材料は、典型的には少なくとも1つの発色団を含むことが理解され、1超の発色団を含み得る。発色団は、例えば、双安定であるP型発色団であり得、これは、発色団が暗状態になると、これを暗状態から別の状態へ遷移させる刺激に曝されるまでその状態に留まることを意味する。発色団を1つの状態から別の状態に遷移させるために使用できる、可能な刺激の例としては、適当な波長の光、適当な電圧の電気、または熱戻りについては、閾値温度を超える温度に系の温度を上昇させるのに必要とされる熱の量が挙げられる。
【0045】
[0054]本発明は、部分的には、光源に曝すと、前記光源に応答して暗化し、車両の運転者への光の透過を最小限に抑える、フォトクロミックスイッチング材料を含む、車両用ミラーを提供する。
【0046】
[0055]ミラーは、2つのモードで機能し得る:第1の「夜間モード」は、ミラーが、より低いパーセンテージの入射光を反射し、任意の後続の車両に関連し得る車両運転者に対する任意のグレアを低減することを確実にする。第2の「日中モード」は、ミラーが、より高いパーセンテージの入射光を反射することを可能にする。
【0047】
[0056]任意選択の第3のモードは、環境の変化(例えば、日中の運転中にトンネルに入るなど低透過の必要性の導入)に応答して急速に減光(dim)または明化することができるという点で、第1および第2のモードの態様を包含する。
【0048】
[0057]別の態様では、車両用ミラーは、制御機構が、周囲光条件における変化に自動的に応答するという点で、自己減光または自己明化であり得る。
【0049】
[0058]別の態様では、自己減光ミラーは、日中と夜間モードの間の中間状態を達成することが可能である。中間状態は、ユーザによって、または光センサおよび時刻に基づき設定され得る。
【0050】
[0059]別の態様では、自己減光ミラーは、夜間に車両を駐車した際または日中に運転者が車両に乗車した際の「夜間モード」から「日中モード」への自動リセットを含み得る。
【0051】
[0060]別の態様では、ミラーの自己減光機構は、発光ダイオード(LED)光源の使用によって達成され得る。この光源は、1つの範囲の波長、例えば300nm未満、300~700nmの間、もしくは700nm超、または前述の範囲の組合せを発するLEDを含み得る。関連の態様では、1つの範囲の波長が、ミラーのフォトクロミック材料を暗化状態に駆動するために用いられ得、別の範囲の波長が、材料を明化するために用いられ得る。
【0052】
[0061]別の関連の態様では、フォトクロミック材料はまた、エレクトロクロミックであってもよく、1つの反応(例えば、フォトクロミック機構)は、材料を暗化するために用いられ得、他の反応(例えば、エレクトロクロミック機構)は、材料を明化するために用いられ得る。フォトクロミック機構は、材料をLED光源に曝すことによって達成され得、エレクトロクロミック機構は、電圧の印加によって誘発され得る。
【0053】
[0062]別の態様では、フォトクロミック材料は、ある特定の温度閾値を超えた温度で暗状態/低反射率状態から明状態/高反射率状態に遷移し得、フォトクロミック機構は、材料を暗化するために用いられ得、熱明化機構は、材料を明化するために用いられ得る。熱明化反応は、ミラーの正常な動作温度範囲を超える閾値温度を超える温度で起こる。図1を参照すると、リアビューミラーの例が、分解されたアセンブリ100として示される。ミラーは、例えば車両のリアビューミラーまたはサイドビューミラーであり得る。この例では、ミラーはフォトクロミックであり、1つの波長範囲の光に応答して暗化し、第2の波長範囲の光に応答して明化する。バッキングプレート101は、既存のミラー系の機械部品にフォトクロミックミラーアセンブリを取り付けるために用いられ、これは車両への搭載およびミラーの照準を可能にする。発光ダイオード(「LED」)光アレイ103は、バッキングプレートに結合されるか、または機械的に取り付けられる。
【0054】
[0063]この発光ダイオード(「LED」)光アレイ103は、エッジライトLEDを有する導光パネルであり得る。これは、LEDからのより多くの光を接着層105に向けるための反射性バッキングを有し得る。これは、例えば、ガラス、またはプラスチックもしくはシリコーン、具体的には液状射出成形シリコーンであり得る。これは、理想的にはUV範囲で高透過性である。これは接着層105により近い側面に光拡散体を有し得る。これは理想的には、UV光への曝露に耐えなければならない。LEDと導光パネルの間に構成された可視光を遮断して、UV LEDによって発せられた(可視領域に流出する)低レベルの可視光を濾別する任意選択のフィルタが提供されてもよい。また、フィルタは任意選択で、LEDアレイ103とミラー104との間に構成されてもよい。
【0055】
[0064]ミラー104は、LEDアレイ103に取り付けられる。ミラー104は、電磁スペクトルの可視光領域で高反射性であり、電磁スペクトルのUV領域で高透過性でなくてはならない。ミラー104は、金、クロム、アルミニウムもしくは銀をガラスもしくは透明な表面にスパッタすることによるか、または積層されたポリエチレンテレフタレート(「PET」)フィルムのいずれかによって形成された半銀ミラーであり得る。ミラー104はまた、示された反射および透過特性を達成するために、特定の層厚の高および低屈折率材料の交互の層を含む多層誘電コーティングであり得る。当技術分野で公知の他のミラーが可能である。ミラー104は、凹面または凸面を形成するように湾曲され得る。任意選択の抵抗加熱素子102は、バッキングプレート101とLED光アレイ103の間、またはLED光アレイ103とガラス104の間に接着され得る。接着層105は、1つまたは複数のフォトクロミック色素を含有し得、外層106に結合され得るスイッチング材料を含む。
【0056】
[0065]層105は、ポリビニルブチラール(「PVB」)、ポリ(エチレン-ビニルアセテート)(「PEVA」または「EVA」)、感圧接着剤(「PSA」)または前述の任意の組合せのうちの1つまたは複数の層を含み得る。一例では、この接着層は、フォトクロミック色素を含有する第1の内側部分およびUV吸収材またはUV吸収体(「UVA」)を含有する第2の外側部分の2つの部分に分離される。層105はまた、2つの接着層の間に色素を含有するPETフィルムを積層することによって形成された接着スタックであり得る。この接着スタックの外層はUVAを含有し得る。外層106は層105に結合され、ガラスまたはプラスチックのいずれかからなり得る。外層106は、ラベル付けされてもよく、もしくは文字が食刻されてもよく、またはエッジシールなどの実施形態の機能的素子を覆うようにパターンを有していてもよい。別の例では、外層106は、凹面もしくは凸面ミラーを形成するように湾曲される場合も、または湾曲されない場合もあるガラスから優先的になる。外層106はまた、内面または外面のいずれかにコーティングを含み得る。コーティングは、99.5%以上のUV光源を遮断するUV吸収体を含み得る。これらのコーティングは、スパッタすることによって外層106のいずれの表面に接着されてもよく、またはこれらは有機マトリックスにフローコーティングされてもよい。層105または106の任意のUV吸収体は、一部のフォトクロミック色素においてフォトクロミック暗化反応を引き起こすUV光(および/または高エネルギーの可視光)を吸収する。
【0057】
[0066]実施形態では、層105は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,453,949号に開示および請求され、PETなどのポリマー基材上にコーティングされる色素含有層を含有する、層ごとのコーティングを含み得る。この態様では、ポリマー基材、ならびに第1の層および第2の層を含む複合コーティングを含む、層ごとのコーティングが用いられ得る。典型的には、第1の層は、その第1の面でポリマー基材に直接隣接し、第2の層は、その反対の面で第1の層に直接隣接する。この第1の層は、ポリイオン性結合剤を含み、第2の層は色素を含む。各層は結合基成分を含み、第1の層の結合基成分および第2の層の結合基成分は相補的結合基対を構成する。
【0058】
[0067]本明細書で使用する表現「相補的結合基対」は、静電結合、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、および/または化学的に誘発される共有結合などの結合相互作用が、複合コーティングの第1の層の結合基成分と第2の層の結合基成分の間に存在することを意味する。「結合基成分」は、相補的結合基成分と協調して、上記の結合相互作用のうちの1つまたは複数を確立する化学的官能性である。成分は、結合相互作用が、これらの各電荷によって生み出されるという意味で相補的である。
【0059】
[0068]典型的には、これらの層ごとのコーティングは、複数のこれらの複合コーティングを含む。複合コーティングの層の数は、複合コーティングの可能な数を何らかの方法で限定することを意図するものではなく、当業者は、この説明が単なる例示であり、多様なまたは複数の複合コーティングの実施形態の例示であることを理解するであろう。
【0060】
[0069]一例では、サイドビューミラーは、「日中モード」用により明るい(より高反射率)状態に遷移するために日光、および「夜間モード」用により暗い(より低反射率)状態に遷移するためにLED光アレイ103からのUV光を使用する。昼光条件下で、フィルタリングされた日光は、層105でのフォトクロミック反応を駆動し、フォトクロミック層を明状態に遷移させる。このシナリオでは、日光のUV成分はフィルタリングされ、フォトクロミック層は、より低エネルギーの可視光にのみ曝露され、活性層のフォトクロミック明化をもたらす。日中モードは、日光の存在だけでトリガーされ得る。低光または高グレア条件下では、LEDアレイ103のUV LEDは、フォトクロミック層を活性化または暗化するためにオンに切り替えられ得、ミラーを夜間モード動作のための低反射状態に遷移させる。
【0061】
[0070]ミラー104は、LEDアレイ103から層105のフォトクロミックスイッチング材料までのUVバックライトの透過を可能にする。これは、フォトクロミック層の暗化を可能にし、外層106を透過した光の可視成分を反射し、したがってミラーとして機能する。フォトクロミック材料のスイッチング速度は速くてよく、例えば、これは数分以内、またはさらには数秒以内のスイッチング半減期を有し得る。UVカットオフを有する外層106は、LEDアレイ103からのUVへの曝露からユーザを保護し、また日中のミラーの暗化を防止する二重の目的を果たす。当業者は、多くの市販のUV LEDが、発せられた(可視領域に流出する)可視光が低レベルであり得るような発光プロファイルを有することを理解するであろう。消費者がこの光を見ないようにするために、ミラー104は、可視光の透過を遮断するフィルタでバッキングされ得る。このようなフィルタの1つの市販の例は、Schott製のUG11である。夜間モードは、時計によって単独でまたは車両の位置を示すGPSとの組合せのいずれかによって自動的にトリガーされてもよく、ユーザによってトリガーされてもよく、またはセンサ読み込みによってトリガーされてもよい。UVバックライトがオフに切り替えられると、この例では低反射状態が、日光への曝露がミラーを高反射状態に戻すフォトクロミック明化反応を引き起こす日中まで持続する。フォトクロミック層は、1つまたは複数の発色団を含有し得る。素子106、105および104は、一緒に積層されてもよく、高い構造的一体性を有するミラーの積層体を提供し、ミラーアセンブリの重量を減少させるために、より薄い、例えば化学処理されたガラス、例えばCorning(登録商標)製のGorilla(登録商標)ガラスまたはAGC製のDragontrail(商標)ガラス、またはプラスチック層の使用を可能にし、NVH利点を提供する。化学処理されたガラスは、より強力で軽量であることが当技術分野で公知であり、より薄い枠またはパネルの使用を可能にする。
【0062】
[0071]図2を参照すると、第2の例が、分解されたアセンブリ200として全体的に示される。図1のLEDアレイ103は、1種類のLED光(フォトクロミック層105を暗化するためのUV光)のみからなるが、図2のLED光アレイ203は、2種類のLED光からなる。第1の種類のLEDは、フォトクロミック層205を暗化するのに好適な1つの範囲の波長を発し、第2の種類のLEDは、フォトクロミック層205を明化するのに好適な第2の異なる範囲の波長を発する。例では、LED光アレイ203は、フォトクロミック層205を暗化するための350~410nmの範囲の波長を有する光を発するLED、ならびにフォトクロミック層205を明化するための450~800nmの範囲の波長を有する光を発するLEDを含む。代替的には、LEDアレイはまた、光をフォトクロミック層に向ける拡散体または導光体と共にミラーの側面に位置し得る。したがって、素子203は、エッジライトLEDを有する導光パネルであり得る。これは、LEDからのより多くの光をフォトクロミック層205に向けるための反射性バッキングを有し得る。これはガラス、またはプラスチックもしくはシリコーン、具体的には液状射出成形シリコーンであり得る。これは、理想的にはUV範囲で高透過性である。これは、205に近接する側面に光拡散体を有し得る。これは理想的には、UV光および可視光への曝露に耐えなければならない。LEDと導光パネルの間に構成された可視光を遮断して、UV LEDによって発せられた(可視領域に流出する)低レベルの可視光を濾別するが、アレイ203の第2のLEDに対応する波長の光を許容する、フィルタがあってもよい。また、フィルタは、任意選択で、LEDアレイ203とミラー204の間に構成されてもよい。
【0063】
[0072]アレイ203は、バッキングプレート101に結合されるか、または機械的に取り付けられる。ミラー204は、LEDアレイ203に取り付けられるか、それに隣接する。ミラー204は、電磁スペクトルのUV領域で高透過性であり、電磁スペクトルの可視光領域の大部分で高反射性でなくてはならないだけでなく、LEDアレイ203上の可視LEDに対応する特定の波長で可視光の透過性が高くなくてはならない。ミラー204は、凹面または凸面を形成するように湾曲され得る。加えて、ミラー204は、透明PSAを用いて取り付けられ得る偏光コーティングまたは偏光フィルムを有し得る。外層206は、層205に結合され、ガラスまたはプラスチックのいずれかからなる。外層206は、ラベル付けされてもよく、もしくは文字が食刻されてもよく、またはエッジシールなどの例の機能的素子を覆うようにパターンが付されてもよい。別の例では、外層206は、凹面および凸面ミラーを形成するように湾曲されるガラスからなる。外層206は、内面または外面のいずれかにコーティングを含み得る。コーティングは、99.5%以上のUV光源を遮断するUVAを含み得る。これらのコーティングは、スパッタリング、有機マトリックスのフローコーティング、または当技術分野で公知の他の堆積技術によって外層206のいずれの表面に接着されてもよい。外層206はまた、プラスチックフィルムおよびPSAを用いて、層206の片面にコーティングされるかまたは取り付けられた偏光フィルタを含み得る。層206の偏光フィルタは、ミラー204の偏光コーティングまたはフィルムに垂直に配向されねばならない。
【0064】
[0073]図2を参照して記載される例は、受動的明化(フィルタリングされた日光)の代わりに能動的明化機能(可視LED)で動作する。これは、ミラーを明化して日中モードに戻すために日光が不要であることを意味する。夜間でも、ミラーは、高い反射性を提供するように切り替えられ得る。先の例と同様に、ミラーはまた、時間および/もしくはGPSに基づき、またはセンサ入力に基づき、またはいくつかの他のフィードバックに基づき自動的に制御される日中モードおよび夜間モードで動作し得る。ミラーはまた、ユーザインタラクションに基づき手動で制御され得る。
【0065】
[0074]自動動作の例では、明るい周囲照明条件(例えば昼光)の検出により、LEDアレイ203の可視LEDがオンに切り替えられ得、フォトクロミック層205を明化し、高反射率状態を達成する。可視LEDを用いて、可視LEDからの光がミラー204およびその関連の直線偏光子を通過して、フォトクロミック層205に達したとき、フォトクロミック層の明化が行われ、光化学明化反応をトリガーして、高反射率状態を達成する。フォトクロミック層を透過する何らかの残りの偏光可視光は、外層206上のまたはそこに取り付けられた直線偏光子によって遮断される。外層206上のまたはそこに取り付けられた直線偏光子が204上の直線偏光子に対する直交偏光子であるため、UV光は、ミラーの前面から漏出せず、それによりユーザをLED光から保護する。態様では、層205は、PETなどのポリマー基材上にコーティングされた色素含有層を含有する、上記の層ごとのコーティングを含み得る。
【0066】
[0075]同様に、車載光センサが低周囲光条件(例えば夜間またはトンネル)を検出すると、UV LEDは、活性化され、フォトクロミック層を暗化して、低反射率状態を達成する。層205の直交偏光子および/または任意選択のUV吸収体は、LEDアレイ203のUV LEDからの光が、可視LEDについて上記したのと同じ方法でサイドビューミラーアセンブリから漏出するのを防止する。したがって、素子203は、既に記載したようにエッジライトLEDを含む導光パネルであり得る。LEDアレイ203からの光(UVまたは可視)はまったくまたは最小量しかサイドビューミラーアセンブリから出射できない。外側のガラス層206上のUVフィルタはまた、フォトクロミック層205の日光による偶発的な暗化が行われないことを確実にする。ミラー204は、入射日光を反射し、ミラーに高反射率状態と低反射率状態の両方の機能を提供する。光がミラーアセンブリから出射できないことを確実にするさらなる光フィルタリング戦略が可能である。例えば、直交偏光子の対が、第1の偏光子が右円偏光子であり、第2の偏光子が左円偏光子である、2つの円偏光子で置き換えられてもよい。第2の例では、直交偏光子の対が、可視LEDバックライトによって生じた光の波長がノッチフィルタの反射率帯の中心になるように選択される、外側のガラス上の単一のノッチフィルタで置き換えられてもよい。第3の例では、直交偏光子が、運転者または車両乗員に向かってミラーアセンブリから出射する光を最小限に抑えるために、LEDアレイ203とミラー204の間の導光層で置き換えられてもよい。このような導光層の一つの市販の例は、3M(商標)製のALCF-A2+である。素子206、205および204は、一緒に積層されてもよく、高い構造的一体性を有するミラー積層体を提供し、ミラーアセンブリの重量を減少させるために、より薄いガラス、例えば化学処理されたガラス、例えばCorning(登録商標)製のGorilla(登録商標)ガラスまたはAGC製のDragontrail(商標)ガラス、またはプラスチック層の使用を可能にし、NVH利点を提供する。化学処理されたガラスは、より強力で軽量であることが当技術分野で公知であり、より薄い枠またはパネルの使用を可能にする。
【0067】
[0076]図3を参照すると、第3の例が、分解されたアセンブリ300として全体的に示される。ガラスまたはプラスチックのいずれかからなる外層306は、層305に結合される。層305は、フォトクロミック材料を含む。態様では、層305は、PETなどのポリマー基材上にコーティングされた色素含有層を含有する、上記の層ごとのコーティングを含み得る。この例では、外層306は、狭帯域の光を遮断するためにノッチフィルタを含む。これらのノッチフィルタは、外層306上のコーティングとして適用されるか、または透明PSAを用いて外層306に接着される吸収性または二色性型のフィルタであり得る。吸収性ノッチフィルタはまた、第2の可視LEDアレイからの光を吸収する、色素が存在する分離層接着層を使用できる。ノッチフィルタは、ミラーの内外の可視光を許容するが、LEDアレイ303上のLEDによって発せられた特定の波長を遮断するために偏光層の代わりに用いられてもよい。LEDアレイ303は、450~800nmの波長範囲で発する有色LEDを含み得る。例えば、LEDが650nmの波長の光を発する場合、外層306上のノッチフィルタは、すべての可視波長を通過させるが、650nmの波長およびちょうどそのピークの辺りが遮断され、それにより650nmのLEDからの光が漏出するのを防止するように選択され得る。外層306はまた、ラベル付けされてもよく、もしくは文字が食刻されてもよく、またはエッジシールなどの例の機能的素子を覆うように含まれてもよい。一例では、外層306は、凹面および凸面ミラーを形成するように、特に車両のリアビューまたはサイドビューミラーを形成するように湾曲されるガラスから優先的になる。外層306は、内面または外面のいずれかにコーティングを含み得る。コーティングは、99.5%以上のUV光源を遮断するUV吸収体を含み得る。これらのコーティングは、スパッタリング、有機マトリックスのフローコーティング、または当技術分野で公知の他の堆積技術によって外層306のいずれの表面に接着されてもよい。ミラー304は、電磁スペクトルのUV領域で高透過性であり、電磁スペクトルの可視光領域の大部分で高反射性でなくてはならないだけでなく、LEDアレイ303上の可視LEDに対応する特定の波長で可視光の透過性が高くなくてはならない。素子306、305および304は、一緒に積層されてもよく、高い構造的一体性を有するミラー積層体を提供し、ミラーアセンブリの重量を減少させるために、より薄いガラス、例えば化学処理されたガラス、例えばCorning(登録商標)製のGorilla(登録商標)ガラスまたはAGC製のDragontrail(商標)ガラス、またはプラスチック層の使用を可能にし、NVH利点を提供する。化学処理されたガラスは、より強力で軽量であることが当技術分野で公知であり、より薄い枠またはパネルの使用を可能にする。
【0068】
[0077]図4を参照すると、第4の例が、分解されたアセンブリ400として全体的に示される。接着層405は、PVB-またはEVA封入フィルムを含み得、このフィルムはハイブリッドフォトクロミック-エレクトロクロミック色素を含有し得る。フォトクロミック-エレクトロクロミックスイッチング材料によって、遷移(明から暗または暗から明のいずれか)のうちの一方は、光に応答して起こり、逆方向での他方の遷移は電気に応答して起こる。色素は、本明細書で参照される、集合的に「スイッチング材料」として知られるポリマーゲルマトリックスに組み込まれ得、このスイッチング材料は、2つの透明導電性電極(TCE)のスタック内に挟まれ得る。TCEは、色素含有ポリマーゲルの近位にあるサンドイッチの内面にITO、金などの導電材料の薄いコーティングを含み得る。このようなフィルムの例は、US9588358に見出され得る。
【0069】
[0078]図4のフォトクロミック-エレクトロクロミックの例は、自動的にトリガーされる日中モードおよび夜間モードで動作してもよく、またはこれはセンサ入力に基づき動的に動作してもよい。車載光センサが、明るい周囲照明条件(例えば昼光)を検出すると、電圧が接着層405に印加され、この層を明化し、日光がミラー304に反射されると高反射率状態を達成する。車載光センサが低周囲光条件(例えば夜間または車両がトンネル内にいる際)を検出すると、LED層303のUV LEDが活性化される。LEDアレイ303からのUV光は、ミラー304を通過し、フォトクロミック-エレクトロクロミック層を暗化して、低反射率状態を達成する。外部ガラス層406上のUVカットオフフィルタは、光がサイドビューミラーアセンブリから出射するのを防止し、消費者を保護し、また日光によるフォトクロミック層の偶発的な暗化が行われないことを確実にする。
【0070】
[0079]加熱素子は、ミラーの曇りおよび凍結を防止するためにリアビューミラーに含まれ得る。加熱素子102は、図1~4に示すバッキングプレート101と、先の例に記載したLEDのアレイのいずれか(すなわち103、203、303)の間、またはLEDアレイ(103、203、303)と、先の例に記載したミラーのいずれか(すなわち104、204、304)の間に位置し得る。加熱素子102がLEDアレイとミラーの間に位置する場合、これは、透明な細線、またはフォトクロミック層(105、205、305、405)を明化するUV波長および光の波長に対して実質的に透明なTCE型の加熱器からなり得る。
【0071】
[0080]図5を参照すると、本発明によるミラーの第5の例が、分解されたアセンブリ500として全体的に示される。図5のLEDアレイ503は、LEDアレイ103がフォトクロミック層105を暗化するためのUV LEDを含む、図1と同様の1種類のLED光、またはLED光アレイ203がフォトクロミック層205を暗化するための350~410nmの範囲の波長を有する光を発するLED、およびフォトクロミック層205を明化するための450~800nmの範囲の波長を有する光を発するLEDを含む、図2と同様の2種類のLEDを含み得る。
【0072】
[0081]アレイ503は、アセンブリに結合されるか、または機械的に取り付けられる。ミラー504は、LEDアレイ503に取り付けられる。例では、ミラー504は、電磁スペクトルのUV領域で高透過性であり、電磁スペクトルの可視光領域の大部分で高反射性であるだけでなく、LEDアレイ503上の可視LEDに対応する特定の波長で可視光の透過性が高くてもよい。ミラー504は、凹面または凸面を形成するように湾曲され得る。加えて、ミラー504は、透明PSAを用いて取り付けられ得る偏光コーティングまたは偏光フィルムを有し得る。外層506は、層505に結合され、ガラスまたはプラスチックのいずれかからなる。外層506は、ラベル付けされてもよく、もしくは文字が食刻されてもよく、またはエッジシールなどの例の機能的素子を覆うようにパターンが付されてもよい。別の例では、外層506は、凹面または凸面ミラーを形成するように湾曲されるガラスからなる。外層506は、内面または外面のいずれかにコーティングを含み得る。コーティングは、99.5%以上のUV光源を遮断するUVAを含み得る。これらのコーティングは、スパッタリング、有機マトリックスのフローコーティング、または当技術分野で公知の他の堆積技術によって外層506のいずれの表面に接着されてもよい。外層506はまた、プラスチックフィルムおよびPSAを用いて、層506の片面にコーティングされるかまたは取り付けられた偏光フィルタを含み得る。層506の偏光フィルタは、ミラー504の偏光コーティングまたはフィルムに垂直に配向されねばならない。
[0082]代替例では、ミラーは、フォトクロミック層505を明化するための450~800nmの範囲の波長を有する光を発するスタックの側面にLEDアレイ507を含む。これは、LEDアセンブリ503の代わりにまたはLEDアセンブリ503に加えて設けられ得る。ミラーアセンブリ全体は、ケーシング508に封入される。別の代替例では、フォトクロミック層505を明化するための450~800nmの範囲の波長を有する光を発するLEDまたは他の光源509がこのケーシングに接着される。サイドビューミラーの場合、光源509は、反射光が運転者に視認されないような方向に向けられ得る。
【0073】
[0083]図5を参照して本明細書に記載される例は、受動的明化(フィルタリングされた日光)の代わりに能動的明化機能(可視LED)で動作する。これは、ミラーを明化して日中モードに戻すために日光が不要であることを意味する。夜間でも、ミラーは、より高い反射性を提供するように切り替えられ得る。先の例と同様に、ミラーはまた、時間および/もしくはGPSに基づき、またはセンサ入力に基づき、またはいくつかの他のフィードバックに基づき自動的に制御される日中モードおよび夜間モードで動作し得る。ミラーはまた、ユーザインタラクションに基づき手動で制御され得る。
【0074】
[0084]自動動作の例では、明るい周囲照明条件(例えば昼光)の検出により、LEDアレイ503および/またはLEDアレイ507および/または光アレイ509の可視LEDがオンに切り替えられ得、フォトクロミック層505を明化し、高反射率状態を達成する。可視LEDを用いて、可視LEDからの光がミラー504およびその関連の直線偏光子を通過して、フォトクロミック層505に達したとき、フォトクロミック層の明化が行われ、光化学明化反応をトリガーして、高反射率状態を達成する。フォトクロミック層を透過する何らかの残りの偏光可視光は、外層506上のまたはそこに取り付けられた直線偏光子によって遮断される。外層506上のまたはそこに取り付けられた直線偏光子がミラー504上の直線偏光子に対する直交偏光子であるため、UV光はほとんどまたは全くミラーの前面から漏出せず、それによりユーザをLED光から保護する。
【0075】
[0085]同様に、車載光センサが低周囲光条件(例えば夜間またはトンネル)を検出すると、UV LEDは、活性化され、フォトクロミック層を暗化して、低反射率状態を達成する。層505の直交偏光子および/または任意選択のUV吸収体は、LEDアレイ503のUV LEDからの光が、可視LEDについて上記したのと同じ方法でサイドビューミラーアセンブリから漏出するのを防止する。LEDアレイ503からの光(UVまたは可視)はまったくまたは最小量しかサイドビューミラーアセンブリから出射できない。外側のガラス層506上のUVフィルタはまた、日光によるフォトクロミック層505の偶発的な暗化が行われないことを確実にする。ミラー504は、入射日光を反射して、高反射率状態と低反射率状態の両方のミラー機能を提供する。光がミラーアセンブリから出射できないことを確実にするさらなる光フィルタリング戦略が可能である。例えば、直交偏光子の対が、第1の偏光子が、例えば、右円偏光子であり、第2の偏光子が左円偏光子である、2つの円偏光子で置き換えられてもよい。第2の例では、直交偏光子の対が、可視LEDバックライトによって生じた光の波長がノッチフィルタの反射率帯の中心になるように選択される、外側のガラス上の単一のノッチフィルタで置き換えられてもよい。第3の例では、直交偏光子が、運転者または車両乗員に向かってミラーアセンブリから出射する光を最小限に抑えるために、LEDアレイ503とミラー504の間の導光層で置き換えられてもよい。このような導光層の一つの市販の例は、3M(商標)製のALCF-A2+である。別の例では、指向性LED509のみが、「夜間モード」から「日中モード」への遷移に用いられ、偏光子は、層505で用いられず、LEDアレイ503とミラー504の間で偏光子または導光層は利用されない。これは、この光が指向性でないため、且つ光が、運転者から離れて反射するので、明化中は見えないために可能である。
【0076】
[0086]図1の例と同様に自動動作の別の例では、ミラーアセンブリが、GPSおよび時間、またはセンサ技術を用いて「夜間モード」に暗化され得、運転中(または日光がそれを再び明化する間)は「夜間モード」の状態を保ち得る。しかし、センサは、車両を停車し、イグニッションが解除された際、または車両に乗車した際のいずれかに、ミラーが「日中モード」に自動的にリセットされることを確実にするために用いられ得る。このモードでは、偏光子が層505で用いられず、LEDアレイ503とミラー504の間で偏光子または導光層は不要である。LEDアレイ503、507または509からの光は、夜間モードから日中モードに遷移するために用いられる。
【0077】
[0087]上記の例すべてで、ミラーを、暗状態と明状態(low state)の間の中間状態に制御することも可能である。この制御は、ユーザが所望の量の反射率を選択することによって手動で達成されてもよく、またはこれは、完全な暗状態と完全な明状態の間の反射性の最適な状態でミラーを設定するためにセンサ入力に基づき自動的に制御されてもよい。制御系はまた、法律で義務付けられている最低反射率レベルが、日中の動作中達成されることを確実にするためにアルゴリズムを含み得る。
【0078】
[0088]代替例では、フォトクロミック層は、フォトクロミック反応に基づき明から暗に切り替わり、また、通常の正常な動作中に達する温度より高く、ミラーデフロスタがオンに切り替えられると達する温度より高い閾値温度を超える温度でと起こる熱明化反応によって暗から明に切り替わることができる発色団を含む。例では、発色団は、60℃の閾値温度を超えて、または70℃の閾値温度を超えて、または80℃の閾値温度を超えて、または90℃の閾値温度を超えて加熱されると、再び明状態に退色し得る。この例では、抵抗加熱素子102はまた、熱明化反応を通じてフォトクロミック層を再び明状態に遷移するために用いられ得る。これは、スイッチング方向のうちの一方に、また必要とされる光学フィルタを簡略化するのにLEDを必要としないことによる利点があり得る。ミラーの正常な動作温度範囲(例えば-20℃~50℃、または-30℃~60℃、または-40℃~70℃)内で、発色団は、一部の先行技術例と同様に、UV光を連続的に当てる必要なしに、暗状態に留まるように熱的に安定な状態を保つ。加えて、暗および明状態は、通常の動作温度の範囲内で最小限しかまたは全く変化せず、すなわち、明および暗状態は、ミラーの通常の動作温度範囲にわたって温度依存性ではない。
【0079】
[0089]図6aは、分解されたミラーボックス筐体600として示される、本発明に従って構築および試験されるフォトクロミックミラーの例を示す。概念実証プロトタイプミラーは、図1に示す例およびその対応する説明に従って開発された。この例では、図1からのバッキングプレート101および加熱素子102は、プロトタイプ構築から除外された。図6aは、プロトタイプミラー設計の一般的な分解組立図を示す。LEDバックライトアレイ603は、875mWの放射束を有する2つの365nm LED(Luminous Devices製のSST-10-UV-A130-E365-00)をバッキングプレートに固定することにより構築された。電気接点は、LEDアレイ603にはんだ付けされ、ミラーボックス筐体601に締結され、電源(図示せず)に接続され、筐体はカバープレート602で覆われた。
【0080】
[0090]図6bは、ミラースタック604に含まれる様々な層を示す。フォトクロミック層606は、図6cに示すフォトクロミック発色団を1.8重量%、株式会社クラレ製のPVB樹脂を20重量%、およびSolvay製のRhodiasolv IRIS溶媒を含む溶液をミラー605(Pilkington、NSG製の5mm厚のMirropane(商標))上に8milの固定溝コーティングバーを用いて溝コーティングすることによって組み立てられた。Rhodiasolv IRIS溶媒は蒸発させ、固体フィルムを残した。ミラースタック604は、PVB607(Trosifol(登録商標)Natural UV PVB)の層、次いで400nmのUVカットオフ波長を含むPVB608(Trosifol(登録商標)Extra Protect PVB)の第2の層、次いで2.1mm厚の透明フロートガラス609をさらに含む。この例では、追加のPVB層が、より高い波長に対してより効果的なUV遮断を提供するために用いられた。次いで、ミラースタック604は、真空バッグを-735mmHgの真空に曝し、真空バッグを55℃に10分間加熱し、温度を135℃まで15分かけて傾斜させ、該温度を30分間維持し、最終的に真空バッグを60℃に10分かけて冷却することからなる、真空バッグ法を用いて一緒に積層された。積層されたミラースタック604は、ミラーボックス筐体600に接続され、高反射率状態(約43%の反射性)と低反射率状態(約2%の反射性)を交互に切り替える(toggle back and forth)ことに成功した。365nmのLEDを活性化することによって、ミラースタック604は、約2分間で90%の完全暗化状態に遷移した。約100W/m強度の日光への曝露により、ミラースタック604は約15分間で再び明状態に遷移した。
【0081】
[0091]別の例では、フォトクロミックミラーが、本発明に従って構築および試験された。改めて、図6aはプロトタイプミラー設計の分解組立図の全体を示す。LEDバックライトアレイ603は、875mWの放射束を有する2つの365nm LED(Luminous Devices製のSST-10-UV-A130-E365-00)をバッキングプレートに固定することにより構築された。電気接点は、LEDアレイ603にはんだ付けされ、ミラーボックス筐体601に締結され、電源(図示せず)に接続され、筐体はカバープレート602で覆われた。図6bは、ミラースタック604に含まれる様々な層を示す。この例では、フォトクロミック層606は、図6dに示すフォトクロミック発色団を3.6重量%、Kuraray Corporation製のPVB樹脂を20重量%、およびRhodiasolv IRIS溶媒を含む溶液をミラー605(Pilkington、NSG製の5mm厚のMirropane(商標))上に8milの固定溝コーティングバーを用いて溝コーティングすることによって組み立てられた。Rhodiasolv IRIS溶媒は蒸発させ、固体フィルムを残した。ミラースタック604は、PVB607(Trosifol(登録商標)Natural UV PVB)の層、次いで400nmのUVカットオフ波長を含むPVB608(Trosifol(登録商標)Extra Protect PVB)の第2の層、次いで2.1mm厚の透明フロートガラス609をさらに含む。次いで、ミラースタック604は、真空バッグを-735mmHgの真空に曝し、真空バッグを55℃に10分間加熱し、温度を135℃まで15分かけて傾斜させ、該温度を30分間維持し、最終的に真空バッグを60℃に10分かけて冷却することからなる、真空バッグ法を用いて一緒に積層された。積層されたミラースタック604は、ミラーボックス筐体600に接続され、高反射率状態(約50%の反射性)と低反射率状態(約6%の反射性)を交互に切り替えることに成功した。365nmのLEDを活性化することによって、ミラースタック604は、約2分間で90%の完全暗化状態に遷移した。約200W/m強度の日光への曝露により、ミラースタック604は約30秒間で再び明状態に遷移した。
【0082】
[0092]当業者は、ミラースタック604の反射率パーセントが、利用したミラー605の反射性およびPVB接着層(607および608)、フロートガラス609の透過性、発色団の種類(例えば図6cおよび6dに示すもの)ならびに選択された負荷の関数であることを理解するであろう。当業者は、遷移時間が、発色団の構造、発色団が存在するマトリックスおよび光強度の関数であることをさらに理解するであろう。
【0083】
フォトクロミックおよびフォトクロミック-エレクトロクロミックスイッチング材料の例
[0093]フォトクロミックおよびフォトクロミック-エレクトロクロミック材料は、本発明によるリアビューおよびサイドビューミラーのスイッチング機能を提供するために用いられ得る。フォトクロミックおよびフォトクロミック-エレクトロクロミック発色団または色素は、1つの状態(暗状態)では可視光を吸収し、別の状態(明状態)では可視光を通過させる。用語「発色団」または「色素」は、これらの光吸収材料を指し、該用語は、交換可能に用いられる。本発明に好適なフォトクロミック発色団の例は、1つの波長範囲の光に応答して暗化(すなわち、光吸収モードに変化)し、異なる波長範囲の光に応答して明化(すなわち、光透過モードに変化)する。
【0084】
[0094]例えば、好適な発色団は、350~410nmの範囲の光に応答して暗化し得、450~800nmの範囲の光に応答して明化し得る。本発明による使用のための以下に記載される例示的な発色団は、P型フォトクロミック材料であり、これは双安定であることを意味する。P型フォトクロミック材料は、Pure Appl.Chem、第73巻、第4号、639~665頁、2001で考察されており、フォトクロミック技術の当業者はこれを熟知している。フォトクロミック発色団が暗状態になると、これを暗状態から別の状態へ遷移させる刺激に曝されるまで暗状態に留まる。発色団を1つの状態から別の状態に遷移させるために使用できる可能な刺激の例としては、適当な波長の光、適当な電圧の電気、または閾値温度を超えて系の温度を上昇させるのに必要とされる熱の量が挙げられる。この特徴は、はるかに広い動作温度範囲にわたってリアビューミラーを一定の状態(明状態または暗状態)で維持するのに少ない電力しか必要としない潜在的な利点を有する。例えば、以下に記載されるフォトクロミック材料は、-20℃~50℃の動作温度範囲にわたって、または-30℃~60℃の範囲にわたって、または-40℃~70℃の範囲にわたって、または少なくとも-40℃、または少なくとも-30℃、または少なくとも-20℃、最大約90℃、または最大85℃、または最大80℃、または最大75℃で暗または明状態を持続する。
【0085】
[0095]対照的に、先行技術のUS5373392に参照されるものなどのT型フォトクロミック材料は、低温で暗状態から明状態に熱戻りする。例えば、これは、UV光への連続曝露の非存在下で、70℃を下回る、または60℃未満、または50℃未満、または40℃未満、または30℃未満の温度で切り替わる。T型フォトクロミック化合物を組み込むフォトクロミック材料について、UV LEDは、夜間モードが必要とされる間中オンに切り替えられた状態を保たねばならず、電力消費が実質的に高くなり、ミラーアセンブリから消散されるべき熱の発生が増加し、光化学分解に対する耐性の必要性が高まる。
【0086】
[0096]他の例では、好適な発色団は、フォトクロミックおよびエレクトロクロミックであり、遷移の一方(暗状態から明状態またはその逆)が光によって駆動され、逆の遷移が電気によって駆動されることを意味する。例えば、フォトクロミック-エレクトロクロミック発色団は、350~410nmの範囲のUVおよび可視光に応答して暗化し、電圧が、スイッチング材料と接触中の透明な導電性電極によってスイッチング材料全体に印加されると明化する。これらのフォトクロミック-エレクトロクロミック発色団はまた、P型フォトクロミック材料であり、また、アイウェアで、および熱戻り反応に依存して発色団を明状態に駆動する先行技術例のリアビューミラーで用いられるT型フォトクロミック発色団に勝る著しい改善をもたらす。
【0087】
[0097]図1図2または図3に示す例との使用に好適な発色団としては、ヘキサトリエンファミリー(例えばジアリールエテン、ジチエニルシクロペンテンおよびフルギド)からの化合物のクラスを含み、これはフォトクロミックであり、光化学条件下で無色またはほぼ無色の開環構造と有色の閉環構造の間で相互変換することを意味する。450nm未満の波長、より好ましくは400nm未満の波長の光を吸収すると、発色団は、電子環状閉環反応を経て、暗状態の異性体を生成する。450~800nmの波長の光を吸収すると、発色団は、電子環状開環反応を経て、明状態の異性体を生成する。
【0088】
[0098]このような発色団の例は、US7777055に概説される。この材料は、紫外(UV)光または約350nm~約450nmの波長を含む光に曝露されると暗化する(例えば「暗状態」に達する、または「光黒化する(photodarken)」)ことができ、これは、約450~約800nmの波長を含む光に曝露されると、明化する(「退色する」、「光退色する(photofade)」、「光脱色する(photobleach)」、または「明状態」を達成する)ことができる。好ましくは、発色団は、450nmより短い(「450nmカットオフフィルタ」)または420nmより短い(「420nmカットオフフィルタ」)または410nmより短い(「410nmカットオフフィルタ」)または400nmより短い(「400nmカットオフフィルタ」)波長を含む光を濾過するカットオフフィルタを通過した日光に曝露されると光退色する。これらの発色団は、閾値温度を超える温度で熱開環反応を経るというさらなる構造的特徴を有し得る。P型発色団が閾値温度を下回ると熱開環反応を経ないという点で、この特性は、上に定義したT型フォトクロミックの挙動と異なるため、これらの発色団は、P型フォトクロミック材料として分類される。閾値温度以上の温度で、P型発色団は、急速な熱開環反応を経る。スイッチング材料は、光学的に明澄もしくは実質的に透明であってもよく、または不透明でなくてもよい。
【0089】
[0099]フォトクロミック-エレクトロクロミックスイッチング材料は、図4を参照して記載される例で用いられる。フォトクロミック-エレクトロクロミック色素反応は、式Iに概説される。450nm未満の波長の光を吸収すると、色素は、電子環状閉環反応を経て、色素の暗状態の異性体を生成する。電圧が色素に印加されるか、または450nm超の光刺激が加えられると、色素は再び明状態の異性体に切り替わる。
【0090】
【化1】
【0091】
[00100]フォトクロミック/エレクトロクロミック「スイッチング材料」の例は、US10054835に概説される。この材料は、光源からの紫外(UV)光またはブルーライトに曝露されると暗化し得(例えば「暗状態」に達する)、電圧に曝露されると明化し得る(「退色する」、「明状態」を達成する)。一部の例では、スイッチング材料はまた、通電した際の退色に加えて、選択された波長の可視光に曝露されると退色し得る(「光退色する」、「光脱色する」)。一部の例では、スイッチング材料は、約350nm~約450nmの波長、またはその間の任意の量もしくは範囲を含む光に曝露されると暗化し得、電圧が印加されると、または約450~約800nmの波長を含む光に曝露されると明化し得る。スイッチング材料は、光学的に明澄もしくは実質的に透明であってもよく、または不透明でなくてもよい。
【0092】
エレクトロニクス
[00101]図7は、ダイナミックミラーを暗化および/または明化するために用いられるLEDを制御するための基本回路700の概略図を示す。回路700は、フォトクロミックスイッチング材料を暗化するためのUV LED703、およびフォトクロミックスイッチング材料を明化するための可視LED704を含む。しかし、一部の例では、明化反応は、図1を参照して記載される例と同様にフィルタリングされた日光によって、または図4を参照して記載される例と同様にエレクトロクロミック反応によって、またはUS5274132およびUS5369158に記載されるように、閾値でトリガーされる熱明化反応によって、トリガーされるため、UV LED703のみが、暗化に必要とされる。これらの他の例では、可視LED704は不要である。図2を参照して記載される例では、LED704は、フォトクロミック材料を明化するのに必要とされる。使用した特定のフォトクロミック材料に応じて、明化用LEDは、異なる色(すなわち異なる波長または波長範囲)であり得る。一部の例では、これらは、赤外(IR)範囲で発するLEDであり得る。これらがフォトクロミック材料を明化するために用いられるか、暗化するために用いられるかにかかわらず、LEDは、その低い消費電力、小さい形状因子、およびかなり狭い波長範囲を発するLEDの能力により他の種類の光源(例えば、蛍光、白熱など)より好まれる。LEDはまた、多くの異なる波長範囲で容易に利用でき、したがって用途のために選択された特定のフォトクロミック材料を暗化または明化するために必要とされる波長に簡単に一致させることができる。
【0093】
[00102]電圧源701は、LEDに電力を供給するのに適当な電圧を提供する。この場合、電圧源は、DC電圧として表されるが、他の例では、AC電圧が潜在的に用いられ得る。例では、DC電圧は、標準的な車両用バッテリーによって供給される12ボルトであってもよく、またはそれは任意の他の電圧であってもよい。UVと可視LEDの両方が存在する場合、スイッチ702は、電流が2つの可能な回路パスのうちの一方に流れるかどうか制御する。1つの回路パス705では、電圧は、ミラー内のフォトクロミックフィルムを暗化するために用いられるUV LED703全体に印加される。UV LED703は、この場合、印加される電圧が、両方のLEDを点灯するのに十分であるように直列に接続される。異なるLEDは、電圧降下が異なり得、さらなる電圧調整回路が、各LED全体に正確な電圧を提供するために備えられ得る。
【0094】
[00103]第2の回路パス706では、電圧が、可視LED704全体に印加される。LED704は、アセンブリ(400)内で、図4のフォトクロミック層、例えば405を明化するのに適当な波長の光を発する。この図に示すLEDの数は4つである。これらの4つのLEDを直列に配線すると、これらをオンにし、作動させるために、印加された電圧701に基づき各LED全体に正確な電圧降下をもたらす。しかし、暗化用と明化用両方のLEDの数は、設定時間枠内でミラーを暗化および/または明化するのに必要とされる必要な量の光強度を提供するように選択されるべきである。
【0095】
[00104]スイッチ702は、手動で制御されてもよく、または自動工程を通じて制御されてもよい。一例では、スイッチは、ミラーが「日中モード」で動作するべきか、または「夜間モード」で動作するべきかを決定するために時計および/またはGPS信号に基づき制御され得る。自動システムの別の例では、光センサが、光レベルを自動的に検出し、ミラーが明化されるべきか、または暗化されるべきかを決定し、次いで、スイッチ702を適宜活性化して、UV LED703または可視LED704のいずれかをオンにするために用いられ得る。スイッチ702はまた、LEDが接続されないように第3の「オフ」位置を有していてもよいことに留意されたい。これは、ミラーが双安定のスイッチング材料を含む場合の状況のためであり、一定の状態(例えば、暗または明)では、一部の外部刺激なしではさらに変化しないことを意味する。したがって、ミラーが既に正確な透過レベルにある場合、LEDは、何らかの他の外部刺激がなければ、ミラーをその透過レベルに維持するのにLEDはオンである必要はない。
【0096】
[00105]図7に示すように、暗化に必要とされるUV LED703の数は、フォトクロミックスイッチング材料を明化するのに必要とされる可視LED704の数と異なり得る。その場合に、電気回路は、LEDを作動させるのに適当な電圧を提供するように設計され得る。LEDの直列配置のみがこの概略図に示されるが、LEDは、直列もしくは並列構成、または特定の用途に必要とされる直列もしくは並列構成の組合せで配置されてもよい。
【0097】
[00106]図8は、回路基板上にレイアウトされた16個のLEDの例である。基板は、803などの8個の暗化用LED、および804などの4個の明化用LEDを含む。電圧源701は、LEDを駆動するための電力を供給し、スイッチ702は、暗化用LEDを含む回路パス805または明化用LEDを含む回路パス806から選択する。この例では、LEDに印加される電圧は可変であり、電源801によって制御され得る。電源801を用いて印加される電圧の低下は、オフにするためにまたはLEDの輝度を低下させるために用いられ得、印加される電圧の上昇は、LEDの輝度を増加させる働きをし得る。LED803などの暗化用LEDおよびLED804などの明化用LEDは、回路基板807上に配置され、一部の暗化および明化用LEDは、各種のより均一な光をフォトクロミック層に提供するために各列に配置される。これは、フォトクロミック層のより均一な暗化または明化をもたらす。
【0098】
[00107]図9aは、LED902などの明化用LEDを点在させたLED901などの暗化用LEDを有するバックライト回路基板900を示す。この例では、暗化および明化用LEDは、フォトクロミックスイッチング材料への光をできる限り均一にするために各列で交互にする。この例では、16個のLEDが示されるが、任意の数のLEDが、光の均一性を確保するように交互のパターンで用いられてもよい。この場合、回路基板は正方形であるが、他の例では、用途に適合するように任意の形状であってもよい。図9bは、LED901などの暗化用LEDおよびLED902などの明化用LEDの別の例示的な構成を用いて回路基板903を示す。この例では、暗化および明化用LEDは交互に縦列に配置され、暗化および明化するための光の十分な均一性を提供し得る。暗化用および明化用LEDはまた、回路基板904上に、図9cに示すように、横列に配置されてもよい。図9dは、図8の概略図に示す例の例示的な配置を用いて回路基板905を示しており、暗化用LEDは列内および列間で部分的に交互にする。
【0099】
[00108]暗化用LEDおよび/または明化用LEDはまた、導光フィルムまたはフィルタと組み合わせてLEDを使用することによりLEDエッジライト構成、例えばACRYLITE(登録商標)LED導光エッジライトを作るように配置され得る。この構成において、LEDは導光層の端に構成され、光はフィルムまたはフィルタの端から供給され、層の表面全体に均一に発せられる。導光層に埋め込まれた光拡散粒子は、全内部反射を抑制し、光を、制御された均一の方式で表面を通ってシートから出射させる。LEDは、導光層の片側または導光層の両側または導光層の各個々の側面を含むその側面までの任意の数の側面に構成され得る。導光層は、暗化用LEDのみで構成されてもよく、またはこれは、暗化用と明化用LEDの両方で構成されてもよい。暗化用LEDは、導光層の同じ側面に一緒に配置されてもよく、またはこれは、導光層の2つ以上の側面の間に分布されてもよい。同様に、明化用LEDは、導光層の同じ側面に一緒に配置されてもよく、またはこれは、導光層の2つ以上の側面の間に分布されてもよい。暗化用および明化用LEDは、明化用LEDと暗化用LEDを交互にして導光層の同じ側面に一緒に配置されてもよく、または特定の用途、例えば1つの暗化用LED、次いで2つの明化用LEDの繰り返しのパターンに必要とされる暗化用LEDの明化用LEDに対する相対比によって決定されるパターンとして配置されてもよい。導光層および関連のLEDは、ミラーの裏側に構成されてもよく、またはミラーの前に構成されてもよい。導光層がミラーの前に構成される場合、濁度が低く、光学的透明度が高いなど、導光層を選択するためのさらなる設計考察があってもよい。当業者は、導光層の種類が、照射される領域の大きさおよび他の設計考察に基づき選択され得ることを理解するであろう。他のLED構成も可能である。
【0100】
[00109]図10は、LED803などの暗化用LEDおよびLED804などの明化用LEDと共に、電圧源701、回路分岐1002と1003のいずれかを選択するスイッチ702を示すこの基本回路の一般化された概略図を示す。図は、任意の数の暗化用LEDおよび明化用LEDが、用途に適するように用いられ得ることを示す。この例では、LEDは、並列および直列構成で示され、LEDは直列に、次いで直列に接続されたLEDの他のストリングと並列に接続される。LEDは、回路基板にはんだ付けされた個々のLEDであってもよく、またはこれは、バックプレーンに貼り付けられたLEDのストリップであってもよい。1001などの抵抗器は、LED全体の電圧降下を調整して所望の電圧を提供するために用いられ得る。この場合、並列に配置された明化用LEDのストリングに対する電圧を修正する、抵抗器が示される。抵抗器の代わりに、スイッチング式DC-DCコンバータが、抵抗器を流れる電流による熱損失を最小限に抑えるために用いられてもよい。切替可能なミラーの必要とされる目標を達成するためのこのような回路を設計する多くの他の方法が可能であり、当業者に公知である。
【0101】
他の実施形態
[00110]本明細書で考察される任意の実施形態は、任意の他の実施形態、方法、組成または態様について企図されてもよく、または組み合わせられてもよく、その逆も同様である。
【0102】
[00111]本発明は1つまたは複数の実施形態に関して記載されてきた。しかし、当業者には、請求項に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、多くの変形および修正がなされ得ることが明らかであろう。したがって、本発明の様々な実施形態が本明細書に開示されるが、当業者の共通の一般的知識に従って、多くの適合および修正が本発明の範囲内でなされ得る。このような修正は、実質的に同じ方法で同じ結果を達成するための、本発明の任意の態様についての公知の均等物の置き換えを含む。数値範囲は、範囲を定義する数字を含む。用語「およそ」および「約」は、値と共に用いられる場合、その値の±10%を意味する。本明細書では、用語「含んでいる(comprising)」は、オープンエンドの用語として用いられ、表現「を含むが、これらに限定されない」と実質的に等価であり、用語「含む(comprises)」は、対応する意味を有する。本明細書で使用する単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書の参考文献の引用は、このような参考文献が、本発明の先行技術であることの承認として、または参考文献の内容もしくは日付に関する任意の承認として解釈されないものとする。すべての刊行物は、あたかも各個々の刊行物が、参照により本明細書に組み込まれるように具体的におよび個々に示されるかのように、且つ本明細書に完全に示されるかのように参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、実質的に例および図面を参照して前述されるすべての実施形態および変形形態を含む。
【0103】
[00112]「上部」、「下部」、「上向き」、「下向き」、「縦」、「横」、「内側」、「外側」などの方向を示す用語は、相対的な参照を提供するためだけに本開示で用いられ、何らかの物品が、使用時にどのように配置されるべきかまたはアセンブリにもしくは環境に対してどのように載置されるべきかに対して何らかの限定を示唆することは意図されない。
【0104】
[00113]別段定義されない限り、本明細書で使用する技術および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本節に示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる文書に示される定義に反するか、さもなければ一致しない場合、本明細書に示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる定義より優先される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
【国際調査報告】