(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-22
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置をクリーニングするためのクリーニングツール
(51)【国際特許分類】
A24F 40/85 20200101AFI20230815BHJP
【FI】
A24F40/85
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577753
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2021071928
(87)【国際公開番号】W WO2022029259
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 顕
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AF01
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置(200)の細長い加熱チャンバ(210)、例えば細長い側壁(212)と、終壁(214)と、終壁(214)の中央部から加熱チャンバ(210)内に突出する突起物(216)とを含む加熱チャンバ(210)をクリーニングするためのクリーニングツール(100)であって、細長いベース(20)及びクリーニングヘッド(10)を含み、クリーニングヘッド(10)は、電気的に制御され、細長いベース(20)に機能的に接続され、クリーニングヘッド(10)は、少なくとも第1のタイプのブラシ(14)及び第2のタイプのブラシ(12)を含む、クリーニングツール(100)に関する。本発明は、エアロゾル発生装置(200)及び先行する請求項のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)を含むキットにも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置(200)の細長い加熱チャンバ(210)をクリーニングするためのクリーニングツール(100)であって、
細長いベース(20)及びクリーニングヘッド(10)を含み、前記クリーニングヘッド(10)は、電気的に制御され、前記細長いベース(20)に機能的に接続され、前記クリーニングヘッド(10)は、少なくとも第1のタイプのブラシ(14)及び第2のタイプのブラシ(12)を含む、クリーニングツール(100)。
【請求項2】
1つ以上の電気制御式駆動ユニット(30)が、前記ブラシが配置される前記クリーニングヘッド(10)の回転を駆動するために前記細長いベース(20)の一端に機能的に接続され、前記第1のタイプのブラシ(14)と前記第2のタイプのブラシ(12)とは、異なる電気制御式駆動ユニット(30)によって独立して動作される、請求項1に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項3】
前記第1のタイプのブラシ(14)と前記第2のタイプのブラシ(12)とは、少なくとも部分的に異なる材料でできている、請求項1又は2に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項4】
前記第1のタイプのブラシ(14)は、前記細長い本体(20)の長手方向軸線の周りで回転するように配置及び構成され、前記第1のタイプのブラシ(14)は、前記細長い本体(20)の前記長手方向軸線に実質的に平行に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項5】
前記第2のタイプのブラシ(12)は、前記細長い本体(20)の長手方向軸線の周りで回転するように配置及び構成され、前記第2のタイプのブラシ(12)は、前記クリーニングヘッド(10)上に螺旋状に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項6】
前記第2のタイプのブラシ(12)は、タバコ残留物が前記回転を通して前記加熱チャンバ(210)から螺旋状に運び出されるように、前記クリーニングツール(100)の長手方向軸線に対して実質的に斜めに配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項7】
前記第2のタイプのブラシ(12)は、前記クリーニングツール(100)の前記長手方向軸線から約30°~60°で配置される、請求項1から6のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項8】
センサが、前記クリーニングヘッド(10)に設けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項9】
前記センサは、触覚センサ、近接センサ、赤外線センサ又は光受容センサである、請求項1から8のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項10】
前記第1のタイプのブラシ(14)は、前記第2のタイプのブラシ(12)の前に、好ましくは前記第1のタイプのブラシ(14)の作動の5秒後に作動されるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項11】
前記第2のタイプのブラシ(12)は、前記クリーニングヘッド(10)に設けられたセンサが作動されると、好ましくは5又は10秒などの数秒後に自動的に回転するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項12】
前記クリーニングヘッド(10)によって除去される残留物を収集するための手段が、前記クリーニングツール(100)に設けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項13】
前記残留物を収集するための手段は、前記クリーニングヘッド(10)又は前記細長いベース(20)に隣接して設けられる、請求項1から12のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項14】
前記クリーニングヘッド(10)及び/又は前記残留物を収集するための手段は、前記クリーニングツール(100)の前記細長いベース(20)から取り外し可能である、請求項1から13のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項15】
前記第2のタイプのブラシ(12)は、前記クリーニングツール(100)の遠位端又は自由端を形成する、請求項1から14のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項16】
前記第1のタイプのブラシ(14)と前記第2のタイプのブラシ(12)とは、前記細長いベース(20)の前記長手方向軸線に沿って互いに隣接して配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)。
【請求項17】
エアロゾル発生装置(200)及び請求項1から16のいずれか一項に記載のクリーニングツール(100)を含むキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置で使用するためのクリーニングツールに関する。エアロゾル発生装置は、タバコなどのエアロゾル発生基材を加熱又は燃焼させて、エアロゾル又は蒸気を発生させるように設計される。使用後に残余物又は残留物が生じるため、取り除く必要がある。この目的のためにクリーニングツールが使用される。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は、そのリスクが低減されたニコチン送達プロファイルにより、従来のタバコ製品の代替品として消費者の人気が一層高まっている。このような新たな代替品の例は、例えば、eシガレット及び加熱式タバコである。このような装置は、加熱チャンバ内の消耗品形態のエアロゾル発生物質を加熱して、使用者が吸入する蒸気又はエアロゾルを生成する。
【0003】
加熱チャンバは、一般に、消耗品を保持する内容積及び消耗品を受け入れることができる開口部を画定する熱伝導ハウジング又はシェルを含む。加熱チャンバの温度を上昇させてエアロゾルを放出するために、消耗品の内部又は外部にヒータが提供され得る。最も一般的には、このような加熱チャンバは、外側から加熱され、熱伝導シェルが内容積に熱を伝達する。このような加熱チャンバを加熱する1つの手段では、チャンバ内に受け入れられた消耗品の効率的な加熱を確実にするために、加熱チャンバの表面に沿う薄膜ヒータを用いる。
【0004】
中国実用新案第207479044号明細書は、電子タバコのマウスピース及び加熱シートの不便で非衛生的なクリーニングの課題を解決することを目的としたタバコクリーナに関する。マウスピースクリーニング部分は、マウスピースクリーニングブラシを設けられ、加熱チップクリーニング部分は、ブラシ固定部を介して加熱要素クリーニングブラシを設けられ、残留物のクリーニングは、マウスピース及びタバコクリーナが完全に接続されているときにのみ円滑に実行することができる。
【0005】
別のクリーニング方法は、単純なクリーニングツール、すなわち綿棒(例えば、Q-Tip)によるものである。しかしながら、通常、加熱チャンバを綿棒でクリーニングするには、より多くの労力がいる。更に、加熱チャンバ内のタバコ残留物を適切にクリーニングすることができない。
【0006】
現在のクリーニングツールの共通の欠点は、加熱チャンバのある場所のタバコ残留物を完全にクリーニングし、加熱チャンバから出すのが難しいことである。タバコ残留物が加熱チャンバ内に蓄積した場合、エアロゾル発生装置は、最適に機能しないことがある。更に、残留物の蓄積は、タバコ製品の悪い味の原因となり、一般的に経験豊富な使用者であればそれに気付く可能性がある。更に、場合により、加熱要素の脆さのため、前記加熱要素は、使用者が加熱チャンバをクリーニングしようとする際に壊れることがある。これが起こった場合、新しい加熱要素に交換する必要があるか、又は更に悪いことにはエアロゾル発生装置全体を交換する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する、電子タバコシステムのためのクリーニングツール、特により効果的であり、より時代感覚に合った、より使いやすいクリーニングツールを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、エアロゾル発生装置のクリーニングツールによる、上記の問題に対する解決策を見出した。
【0009】
したがって、本発明の第1の態様は、エアロゾル発生装置の細長い加熱チャンバ、例えば細長い側壁と、終壁と、任意選択的に終壁の中央部から加熱チャンバ内に突出する突起物とを含む加熱チャンバをクリーニングするためのクリーニングツールであって、細長いベース及びクリーニングヘッドを含み、クリーニングヘッドは、電気的に制御され、細長いベースに機能的に接続され、クリーニングヘッドは、少なくとも第1のタイプのブラシ及び第2のタイプのブラシを含む、クリーニングツールを提供することである。
【0010】
本発明の第2の態様は、エアロゾル発生装置及び本発明によるクリーニングツールを含むキットに関する。
【0011】
本発明は、クリーニングツールが電子制御されるという事実のため、使用者がエアロゾル発生装置を容易に且つたやすくクリーニングすることを可能にする。更に、2つの異なるタイプのブラシは、加熱チャンバの異なる場所、すなわち終壁及び側壁をクリーニングするように設計され、これらのブラシの配置により、タバコ残留物は、クリーニングプロセス中に加熱チャンバから自動的に出される。更に、電気制御式のクリーニングツールがクリーニングヘッドの一定の回転速度を確実にすることで、クリーニングの効率が増加し、加熱チャンバ、特にエアロゾル発生装置の加熱要素を損傷するリスクが低下する。
【0012】
一実施形態では、1つ以上の電気制御式駆動ユニットは、ブラシが配置されるクリーニングヘッドの回転を駆動するために細長いベースの一端に機能的に接続され、第1のタイプのブラシと第2のタイプのブラシとは、異なる電気制御式駆動ユニットによって独立して動作される。これには、加熱チャンバの異なる場所をクリーニングするために、クリーニングツールの目標別のクリーニングを別々に実行することができるという利点がある。
【0013】
別の実施形態では、第1のタイプのブラシと第2のタイプのブラシとは、少なくとも部分的に異なる材料でできている。例えば、熱的に安定であり、丈夫であり、高い引張強度を有する、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、PP樹脂、飽和ポリエステル樹脂、エラストマー樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)又はポリプロピレン(PP)などの硬質材料は、加熱チャンバの終壁に到達する第1のタイプのブラシとして提供するのに適している。綿又はマイクロファイバなどの軟質材料は、エアロゾル発生装置のブレードをクリーニングするための第2のタイプのブラシとして提供するのに適している。
【0014】
更なる実施形態では、第1のタイプのブラシは、細長い本体の長手方向軸線の周りで回転するように配置及び構成され得、第1のタイプのブラシは、細長い本体の長手方向軸線に実質的に平行に設けられ得る。
【0015】
任意選択的に、第2のタイプのブラシは、細長い本体の長手方向軸線の周りで回転するように配置及び構成され得、第2のタイプのブラシは、クリーニングヘッド上に螺旋状に配置され得る。
【0016】
任意選択的に、第2のタイプのブラシは、タバコ残留物が回転を通して加熱チャンバから螺旋状に運び出されるように、クリーニングツールの長手方向軸線に対して実質的に斜めに配置され得る。
【0017】
任意選択的に、第2のタイプのブラシは、クリーニングツールの長手方向軸線から約30°~60°で配置され得る。
【0018】
いくつかの好ましい実施形態では、センサは、クリーニングヘッドに設けられ得る。
【0019】
更なる実施形態では、センサは、触覚センサ、近接センサ、赤外線センサ又は光受容センサであり得る。
【0020】
いくつかの更なる実施形態では、第1のタイプのブラシは、第2のタイプのブラシの前に、好ましくは第1のタイプのブラシの作動の5秒後に作動されるように構成され得る。
【0021】
他のいくつかの実施形態では、第2のタイプのブラシは、クリーニングヘッドに設けられたセンサが作動されると、好ましくは5又は10秒などの数秒後に自動的に回転するように構成され得る。
【0022】
一実施形態では、第2のタイプのブラシは、クリーニングツールの遠位端又は自由端を形成し、これにより、屑又はタバコ残余物が典型的に蓄積する加熱要素の遠位端をブラシでクリーニングすることを可能にする。
【0023】
別の実施形態では、第1のタイプのブラシと第2のタイプのブラシとは、細長いベースの長手方向軸線に沿って互いに隣接して配置される。
【0024】
任意選択的に、クリーニングヘッドによって除去される残留物を収集するための手段は、クリーニングツールに設けられ得る。
【0025】
任意選択的に、残留物を収集するための手段は、クリーニングヘッド又は細長いベースに隣接して設けられ得る。
【0026】
任意選択的に、クリーニングヘッド及び/又は残留物を収集するための手段は、クリーニングツールの細長いベースから取り外し可能であり得る。
【0027】
任意選択的に、クリーニングヘッド及び/又はワイプを制御するための1つ以上の制御ボタンは、クリーニング本体に設けられ得る。
【0028】
所与の数値に関する「約」又は「およそ」は、指定値の10%以内の数値を含むことを意味する。本開示において与えられる全ての値は、文脈からそうでないことが明らかでない限り、「約」という語によって補完されると理解されるべきである。
【0029】
不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を除外せず、したがって広い意味で扱うべきである。
【0030】
特に定義しない限り、本明細書中で使用する技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0031】
タバコ含有基材は、人工的に含まれるか又はタバコ中に自然に含有される、タバコの構成物質、例えばタバコ、タバコ粒子、タバコフレーバー及び/又はニコチンを含有及び/又は保持する任意の化合物、混合物、粒子物質、材料及び/又は溶液であり得る。対照的に、人工的に添加される非たばこ特有フレーバーについての例は、メントール又はフルーツフレーバーであろう。
【0032】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく、加熱されるように意図されるエアロゾル発生材料を含むエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生」という用語は、加熱されると、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出することができる材料を指す。本明細書で説明するエアロゾル発生物品のエアロゾル発生材料から発生するエアロゾルは、可視又は不可視であり得、蒸気(例えば、室温で通常液体又は固体である気体状態の物質の微粒子)並びに気体及び凝縮した蒸気の液滴を含み得る。
【0034】
エアロゾル形成剤は、例えば、加熱された場合及び/又はタバコ含有剤との混合物においてエアロゾルを形成することができる任意の化合物、混合物及び/又は溶液であり得る。周知の例としては、グリセリン及びプロピレングリコールなどの保湿剤、エタノールなどの他のアルコールなどが挙げられる。
【0035】
本発明において言及する、電子タバコ(eシガレット)若しくは電子パイプ又は非燃焼加熱式装置のような類似の装置は、特に限定されず、吸入するためのエアロゾルを使用者に提供するために使用され得る。それは、特定の実施形態によれば、マウスピース、ヒータ、受け部、例えばポッド、スティック、カプセル及びケーシングを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の第1の実施形態の概略側面(透視)図を示す。
【
図2】本発明の第2の実施形態の概略側面(透視)図を示す。
【
図3】第1のタイプのブラシの領域を拡大した
図2の部分的なクリーニングヘッドの概略側面図を示す。
【
図4】第2のタイプのブラシの領域を拡大した
図2の拡大したクリーニングヘッドの概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1及び
図2は、エアロゾル発生装置200の2つの概略的な例を断面図で示す。これらの装置は、後述のクリーニングツールが使用され得る2つのタイプのエアロゾル発生装置の例としての役割を果たす。
図1のエアロゾル発生装置200は、エアロゾル発生基材がオーブン状構造の加熱チャンバによって外部から加熱される「カップヒータ」タイプの加熱チャンバ210を含み、
図2のエアロゾル発生装置200は、前記基材が内部から加熱されるようにエアロゾル発生基材を突き刺すことができるブレード状加熱要素216を含む。
【0038】
図1に示されるような加熱チャンバ200は、エアロゾル発生基材を周囲の壁によって加熱することができる「カップヒータ」タイプの加熱チャンバを含む。壁(例えば、終壁214及び側壁212)の幾何学的形状及び位置の違いにより、加熱チャンバ210を効果的にクリーニングするためには異なるタイプのブラシが必要となる。例えば終壁214には側壁212よりも多くのタバコ残留物が蓄積しがちとなるため、第1のタイプのブラシ14はより頑丈な材料で作られる場合がある。本発明の第2のタイプのブラシ12は更に、そのブラシ配置により、タバコ残留物を加熱チャンバ210からより効果的に出せるようにする。
【0039】
図2において、エアロゾル発生装置200は加熱チャンバ210を含む。加熱チャンバ210は、細長い側壁212と終壁214とを有する実質的に細長いチャンバである。細長い側壁212は、実質的に円筒形のエアロゾル発生装置200のハウジングを形成する。
図2から分かるように、終壁214から突出した突起物216は、通常、蒸気を放出するためにエアロゾル発生基材を加熱するための加熱要素としての役割を果たす。
【0040】
エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置200に典型的には挿入され、タバコ基材が加熱されて蒸気を放出するように、タバコ基材部分は、加熱要素によって突き刺される。使用後、装置200からエアロゾル発生物品を取り出す際に、わずかな量のタバコ残留物が加熱チャンバ内に残ることがある。加熱チャンバが定期的にクリーニングされなければ、タバコ残留物の蓄積によりタバコの不快な味を引き起こすことになり得、また、タバコ残留物の層によりエアロゾル発生装置200の効率が低下する可能性がある。
【0041】
本発明によるクリーニングツール100は、クリーニングヘッド10と、細長いベース20と、クリーニングツール100の本体内に設置された駆動ユニット30とを含む。本発明によるクリーニングツール100は、約4~15cm、好ましくは6~10cmの長さを有し得る。
【0042】
細長いベース20の一端は、駆動ユニット30に接続され、他端は、クリーニングヘッド10に機能的に接続される。このような構成により、クリーニングヘッドは、駆動ユニット30によって制御可能及び回転可能である。2つのタイプのブラシがクリーニングヘッド10に設けられる。駆動ユニット、例えばモータが作動されると、クリーニングヘッドは、クリーニングヘッド10の回転運動によって揺動又は回転する。したがって、タバコ残留物は、加熱チャンバ210の表面から削り取られる又は払い落とされる。
【0043】
必要に応じて特定の場所のみをクリーニングすることができるように、2つの異なるタイプのブラシ14、12は、異なる駆動ユニット30によって別々に駆動されることが予測できる。
【0044】
図3を参照すると、クリーニングツール100のクリーニングヘッド10の拡大部分図が示されている。クリーニングヘッド10は、クリーニングヘッド10の1つの長手方向端部に第1のタイプのブラシ14を備える。第1のタイプのブラシ14は、通常、クリーニングヘッド10の先頭位置にあり、クリーニングヘッド10は最初にエアロゾル発生装置200の終壁214に到達する。
【0045】
図3から分かるように、第1のタイプのブラシ14は、クリーニングツール100の長手方向軸線の周りで回転し、第1のタイプのブラシ14は、クリーニングツール100の長手方向軸線に実質的に平行に配置され得る。第1のタイプのブラシ14は、ブラシ14の少なくとも1つ、2つ又は3つの回転速度を、好ましくはクリーニングツールの本体上に設けられたボタンによって電気的に制御することができるように制御ボタンによって制御され得る。第1のタイプのブラシ14の回転方向は、時計回り又は反時計回りであり得る。
【0046】
第2のタイプのブラシ12もクリーニングツール100のクリーニングヘッド10に設けられ、第2のタイプのブラシ12は、クリーニングツール100の長手方向軸線の周りで回転することができる。
図4に示されるように、第2のタイプのブラシ12は、タバコ残留物をクリーニングヘッド10の回転によってハウジングから出すことができるように、クリーニングヘッド10の周りに斜めに螺旋状に設けられ得る。
【0047】
図4から分かるように、クリーニングヘッド10上に螺旋状に配置された第2のタイプのブラシ12は、螺旋路を形成する。頭が上を向いた3つの矢印は、加熱チャンバ210から移動させることができる残留物の移動方向を示す。第2のタイプのブラシ12は、クリーニングツール100の長手方向軸線から約30°~60°の範囲の角度で配置され得る。好ましくは、第2のタイプのブラシは、クリーニングツールの長手方向軸線から約45°で設けられ、タバコ残留物がクリーニングヘッド10の回転を通して加熱チャンバ210から出されるように配置される。
【0048】
第1のタイプのブラシ14は、加熱チャンバ210の終壁214に到達するクリーニングツール100のわずかな部分であるため、第1のタイプのブラシ14に好適な材料は、熱的に安定で、丈夫な、高い引張強度を有する、例えば、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、PP樹脂、飽和ポリエステル樹脂、エラストマー樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)又はポリプロピレン(PP)である。このような材料は、加熱チャンバ210の終壁214の近傍の領域が非平坦表面を有する場合に特に好適である。加熱チャンバ210の終壁214の近傍の領域が非平坦表面を有すると、通常、タバコ残留物の蓄積が多くなる。更に、この領域は、高温を有する可能性がある。したがって、これらの材料は第1のタイプのブラシとして提供するのに適している。しかしながら、加熱チャンバ210の終壁214に近い領域が平坦表面を有する場合、第1のタイプのブラシ14に対して綿材料又はマイクロファイバなどの軟質材料を使用し得る。これらの軟質材料(綿、マイクロファイバ)は、第2のタイプのブラシ12として提供するのに適している。なぜなら、側壁212又は突起物216(加熱要素など)は破損しやすく、加熱チャンバ210のクリーニング中にクリーニングツールによって容易に壊される又は傷つけられる可能性があるからである。
【0049】
これらのブラシ12、14は、先端部が外側に向かって突出し、根元側端部がフェルールのボア内に収容されるように配向された真直な天然毛の剛毛で構成され得る。この時点で、いくつかの好ましい実施形態において、ポニーの毛、リス又はクロテンなどの天然剛毛を用いる高品質のブラシでは、ブラシ束は、ノーズ部品又はフェルールに組み付けられ得、毛の根元側端部は、互いに及びフェルールのボアに接着され、接着されたアセンブリをポマード供給端部から穿孔することにより貫通通路が生じることが開示される。これらの天然剛毛は、その柔らかい表面のために、優れた軟質材料である。
【0050】
この目的のために、本発明の一実施形態では、好ましくはクリーニングヘッド10又は細長いベース20に隣接して位置する、加熱チャンバ210から出された残留物を収集するための手段が設けられ得る。残留物を収集するための手段は、残留物がバッグ内に収集されるように、真空バッグ状要素であり得る。残留物を収集するための手段は、着脱式であり得る。バッグは再利用可能であり得る又は単回使用のバッグであり得ると予測される。
【0051】
他のいくつかの特に企図される実施形態によれば、1つ以上のセンサがクリーニングヘッドに設けられ得る。センサは、触覚センサ、近接センサ、赤外線センサ又は光受容センサであり得る。
【0052】
センサは、クリーニングツール100が終壁214に触れるか又は非常に接近するとクリーニングツール100を自動的に始動させ得る。この点に関して、例えば、第1のタイプのブラシ14は、第2のタイプのブラシ12の前に、好ましくは第1のタイプのブラシ14の作動の5秒後に作動されるように構成され得ると予測できる。この構成により、クリーニングツール100をどのように動作させるかを考える必要なしに、クリーニングツール100をスマートガジェットとして機能させる。
【国際調査報告】